JP2022172936A - 有底筒状部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャープで深い形状と、しわのないフランジ部とを両立し得る有底筒状部品の製造方法を提供する。【解決手段】第1ダイス3を使用した絞り加工により、板材2から中間成形体6を得る。第2ダイス8を使用した絞り加工により、中間成形体6から有底筒状部品6を得る。第1ダイス3は、製品肩部アールPSRよりも大きい第1ダイス肩部アールDSR1を有し、製品深さPDよりも深い第1ダイス深さDD1を有する。第2ダイス8は、製品肩部アールPSRと同じ第2ダイス肩部アールDSR2を有し、製品深さPDと同じ第2ダイス深さDD2を有する。【選択図】図4B

Description

本発明は、有底筒状部品の製造方法に関する。
特許文献1,2には、有底筒状部品の一例である自動車用の電池パックケースを、アルミニウム合金等の板材のプレス成形により製造することが開示されている。
特開2014-60165 特開2019-18732
プレス成形により製造した自動車用電池パックケースは、例えば、フランジ付きの有底角筒形状をしている。この種の電池パックケースでは、電池搭載量を確保するために,シャープで深い形状が求められる。また、漏電防止のためにシール性が求められる。
シャープで深い形状ついては、電池が収容される本体と本体の開口部から延びるフランジ部の接続部分のアール(肩部アール)を小さくすることが重要となる。電池パックケースの最大サイズは、自動車の骨格サイズ(例えばサイドシル、Aピラー、Bピラー)で制約される。この条件下で電池容量を多くするためには,肩部アールを小さくし、電池パックケースと、それを支持する相手方部材(例えば、電池パックフレームやサイドシル)との隙間を低減することが重要となる。
シール性の確保に関しては、フランジ部にしわがないことが重要となる。
しかし、特許文献1,2には、金属板のプレス成形により有底筒状部品を製造する上で、シャープで深い形状とフランジ部にしわがないことを両立することに関し、特段の記載がない。
本発明は、シャープで深い形状と、しわのないフランジ部とを両立し得る有底筒状部品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、有底筒状の本体と、前記本体の開口部から延びるフランジ部とを備える有底筒状部品の製造方法であって、前記本体と前記フランジ部との接続部分のアールである製品肩部アールよりも大きい第1ダイス肩部アールを有し、かつ前記本体の深さである製品深さよりも深い第1ダイス深さを有する第1ダイスを使用した絞り加工により、板材から中間成形体を得る第1工程と、前記製品肩部アールと同じ第2ダイス肩部アールを有し、かつ前記製品深さと同じ第2ダイス深さを有する第2ダイスを使用した絞り加工により、前記中間成形体から前記有底筒状部品を得る第2工程とを備える、有底筒状部品の製造方法を提供する。
第1工程では製品肩部アールよりも大きい第1ダイス肩部アールを有する第1ダイスを使用することで、中間成形体の本体への材料流入を促進し、中間成形体の本体の成形深さを確保できる。その結果、最終製品である有底筒状部品の製品深さを深く設定できる。また、第1工程では製品肩部アールよりも大きい第1ダイス肩部アールを有する第1ダイスを使用し、それに続く、第2工程では製品肩部アールと同じ第2ダイス肩部アールを有する第2ダイスを使用することで、最終製品である有底筒状部品の製品肩部アールを小さく設定できる。このように、本発明によれば、シャープで深い形状の有底筒状部品を製造できる。
第1工程では、成形深さを確保するために製品肩部アールよりも大きい第1ダイス肩部アールを有する第1ダイスを使用するが、第2工程では製品肩部アールと同じ第2ダイス肩部アールを有する第2ダイスを使用する。つまり、第2工程によって、中間成形体の製品肩部アール(第1ダイ肩部アールに対応)が最終製品の製品肩部アール(第2ダイ肩部アールに対応)まで小さくなる。このことは、第2工程において中間成形体の肩部に材料を供給する必要があることを意味する。しかし、第1工程で使用する第1ダイスの第1ダイス深さは、最終製品である有底筒状部品の製品深さよりも深い。つまり、第2工程に供される中間成形体の製品深さは、最終製品である有底筒状部品の製品深さよりも深く、第2工程により本体の深さが減少する。そのため、第2工程において、製品肩部アールを、第1ダイス肩部アールに相当する大きさから第2ダイス肩部アールに相当する大きさまで小さくするために本体とフランジ部の接続部分に供給すべき材料を、本体からの材料流出で確保することができる。言い換えれば、第2工程においてダイス肩部アールを第1ダイス肩部アールから第2肩部アールまで小さくするために本体とフランジ部の接続部分に供給すべき材料は、フランジ部からの材料流入によって確保されるのではない。フランジ部からの材料流入を低減、ないしはなくすことでフランジ部におけるしわの発生を防止できる。
以上のように、本発明によれば、シャープで深い形状と、しわのないフランジ部とを両立し得る。
前記板材はアルミニウム製であってもよい。
有底角筒形状のコーナーアールが20mm以上,かつ,ブランクの初期板厚が1.0mm以上であり,かつ,前記第1ダイス深さは以下の式を満たし得る。
Figure 2022172936000002
本発明の有底筒状部品の製造方法によれば、シャープで深い形状と、しわのないフランジ部とを両立し得る。
本発明の実施形態に係る製造方法により製造した有底角筒状部品の斜視図。 図1AのI-I線に沿った断面図。 本発明の実施形態に係る製造方法の第1絞り工程で使用するダイスの斜視図。 図2AのII-II線に沿った断面図。 本発明の実施形態に係る製造方法の第1絞り工程を説明するための分解斜視図。 本発明の実施形態に係る製造方法の第2絞り工程で使用するダイスの斜視図。 図4AのIV-IV線に沿った断面図。 本発明の実施形態に係る製造方法の第2絞り工程を説明するための分解斜視図。 第2絞り工程後の線長変化を説明するための図1のI-I線に沿った模式断面図。 第1工程の成形高さの基準値からの偏差と破断としわの発生の関係についての成形解析の結果を示すグラフ。 第1比較例に係る製造方法に使用するダイスの斜視図。 図7AのVII-VII線に沿った断面図。 第2比較例に係る製造方法の第1絞り工程で使用するダイスの斜視図。 図8AのVIII-VIII線に沿った断面図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態にかかる製造方法を説明する。
図1A及び図1Bを参照すると、本実施形態の製造方法では、アルミニウム製の板材をプレス成形して有底角筒状部品1を製造する。有底角筒状部品1は、自動車用の部材の一例である電池パックのケースとして採用し得る。
有底角筒状部品1は、一定深さの有底四角筒状である本体1aと、本体1aの開口部の全周から外向きに延びるフランジ部1bとを備える。
本実施形態では、有底角筒状部品1の主な形状と寸法は以下のとおりである。
本実施形態では、板厚1mmの5000系アルミニウム板を用いたが,板厚および合金種はこれに限定されない。
本実施形態では、本体1aの底部は一辺の長さが600mmの正方形状である。一辺の長さは600mmに限定されない。本体1aの底部は長方形であってもよい。
本実施形態では、本体1aの深さ(製品深さPD)は、70mmである。製品深さPDは、70mmに限定されない。
本実施形態では、本体1aとフランジ部1bとの接続部分、つまり製品肩部1cのアール(製品肩部アールPSR)は、2mmである。製品肩部アールPSRは2mmに限定されない。
本実施形態では、本体1aの底部と側部の接続部分のアール(製品底部アールPBR)は、10mmである。製品底部アールPBRは、10mmに限定されない。
本実施形態では、本体1aの底部の隅部のアール(製品コーナーアールPCR1)は約52mmである。製品コーナーアールPCR1は、約52mmに限定されない。
本実施形態では、本体1aの2つの側部により構成される隅部のアール(製品コーナーアールPCR2)は20mmである。製品コーナーアールPCR2は、20mmに限定されない。
本体1aの2の側部と底部の接続部分により構成される隅部のアール(製品コーナーアールPCR3)は中心で25mmであり、アール終端で10mmに漸減している。製品コーナーアールPCR3の寸法は、本実施形態のものに限定されない。
本実施形態の製造方法では、2回の絞り加工(第1工程と第2工程)により、アルミニウム製の板材であるブランク2(図3参照)から有底角筒状部品1を製造する。
(第1工程)
図2Aから図3を参照して第1工程を説明する。
第1工程で使用する第1ダイス3は、最終製品である有底角筒状部品1の本体1aを成形するためのダイス本体3aと、有底角筒状部品1のフランジ部1bを成形するためのダイスフランジ部3bとを備える。
ダイス本体3aとダイスフランジ部3bの接続部分であるダイス肩部3cのアール(第1ダイス肩部アールDSR1)は、製品肩部アールPSRよりも大きく設定している。具体的には、本実施形態では、製品肩部アールPSRが前述のように2mmであるのに対して、第1ダイス肩部アールDSR1は15mmに設定している。第1ダイス肩部アールDSR1は、製品肩部アールPSRよりも大きいという条件を満たすように設定される。
ダイス本体3aの深さ(第1ダイス深さDD1)は、製品深さPDよりも深く設定している。具体的には、本実施形態では、製品深さPDが前述のように70mmであるのに対して、第1ダイス深さDD1は75mmに設定している。第1ダイス深さDD1は、製品深さPDよりも深いという条件を満たすように設定される。
第1ダイス3のその他の形状と寸法は、図1A及び図1Bを参照して説明した有底角筒状部品1、つまり最終製品の形状と寸法に対応して設定される。
図3を参照すると、第1工程では、第1ダイス3のダイスフランジ部3bと矩形枠状のホルダ4との間に、ブランク2の周縁部分が挟み込んで保持される。この状態で、図3において矢印Fで概念的に示すように、第1パンチ5によってブランク2に対して圧力が加えられる。
第1パンチ5は、第1ダイス3に応じて形状と寸法が設定される。
第1パンチ5によって加えられる圧力によって第1ダイス3の形状にブランク1が変形し、中間成形体6(図5参照)が得られる。中間成形体6は、最終製品である有底角筒状部品1では本体1aとなる本体6aと、有底角筒状部品1ではフランジ部1bとなるフランジ部6bとを備える。中間成形体6における、本体6aとフランジ部6bの接続部分である肩部6cのアール(中間成形体肩部アールMSR)は、第1ダイス肩部アールDSR1と同じ(本実施形態では15mm)になる。また、中間成形体6の本体6aの深さ(中間成形体深さMD)は、第1ダイス深さDD1と同じになる。
(第2工程)
図4Aから図5を参照して第2工程を説明する。
第2工程で使用する第2ダイス7は、最終製品である有底角筒状部品1の本体1aを成形するためのダイス本体7aと、有底角筒状部品1のフランジ部7bを成形するためのダイスフランジ部7bとを備える。
ダイス本体7aとダイスフランジ部7bの接続部分であるダイス肩部7cのアール(第2ダイス肩部アールDSR2)は、製品肩部アールPSRと同じに設定している。具体的には、本実施形態では、製品肩部アールPSRが前述のように2mmであるので、第2ダイス肩部アールDSR2は2mmに設定している。図6を併せて参照すると、第1工程で使用される第1ダイス3の第1ダイス肩部アールDSR1(本実施形態では15mm)よりも、第2工程で使用される第2ダイス7の第2ダイス肩部アールDSR2の方が小さい(本実施形態では2mm)。
ダイス本体7aの深さ(第2ダイス深さDD2)は、製品深さPDと同じに設定している。具体的には、本実施形態では、製品深さPDが前述のように70mmであるので、第2ダイス深さDD2は70mmに設定している。図5を参照すると、第1工程で使用される第1ダイス3の第1ダイス深さDD1(本実施形態では75mm)よりも、第2工程で使用される第2ダイス7の第2ダイス深さDD2の方が浅い(本実施形態では70mm)。
第2ダイス7のその他の形状と寸法は、図1A及び図1Bを参照して説明した有底角筒状部品1、つまり最終製品の形状と寸法に対応して設定される。
図5を参照すると、第2パンチ8に中間成形体6が配置される。この状態で、図5において矢印Fで概念的に示すように、第2ダイス7が第2パンチ8に向かって移動することで、中間成形体6に対して圧力が加えられる。
第2パンチ8は、パンチ本体8aと、その全周から外向きに延びるパンチフランジ部8bとを備える。パンチ本体8aとパンチフランジ部8bの接続部分であるパンチ肩部8cのアール(第2パンチ肩部アールPUSR2)は、第2ダイス肩部アールDSR2に基づき、板厚を考慮して設定される。また、パンチ本体8aの深さ(第2パンチ深さPUD2)は、第2ダイス深さDD2と同じに設定される。
第2ダイス7が第2パンチ8に向かって移動することで加えられる圧力によって第2ダイス7の形状に中間成形体6が変形し、最終製品である有底角筒状部品1(図1A及び図1B参照)が有られる。
以下、2つの比較例、つまり図7A及び図7Bに示す第1比較例と、図8A及び図8Bに示す第2比較例との対比を交えつつ、本実施形態の製造方法の特徴を説明する。
本実施形態では、最終製品である有底角筒状部品1の製品肩部アールPSRよりも大きい第1ダイス肩部アールDSR1を有し、かつ有底角筒状部品1の製品深さPDよりも深い第1ダイス深さDD1を有する第1ダイス3を使用した絞り加工である第1工程を実行する。その後、製品肩部アールPSRと同じ第2ダイス肩部アールDSR2を有し、かつ製品深さPDと同じ第2ダイス深さDD2を有する第2ダイス8を使用した絞り加工である第2工程を実行する。
これに対して、第1比較例では、本実施形態における第1工程に相当する1回の絞り加工、つまりブランクに対する1回の絞り加工のみを実行する。また、第1比較例では図7A及び図7Bに示すように、製品肩部アールPSRと同じ第1ダイス肩部アールDSR1を有し、かつ製品深さPDと同じ第1ダイス深さDD1を有する第1ダイス3を使用する。
次に、第2比較例では、本実施形態における第1工程に相当するブランクに対する絞り加工と、第2工程に相当する中間成形体に対する絞り加工とを実行する。第2比較例の本実施形態との相違は、図8A及び図8Bに示すように、第1工程で使用する第1ダイス3の第1ダイス深さDD1が最終製品である有底角筒状部品1の製品深さPDと同じであるという点である(第1ダイス肩部アールDSR1は製品肩部アールPSRよりも大きい。)。
本発明者が実施したシミュレーションによれば、第1比較例では、第1製品深さPDに到達する前にブランクが破断し、最終製品である有底筒状部品1が得られない。
また、上記シミュレーションによれば、第2比較例では、有底筒状部品1は得られるものの、フランジ部1bにしわが生じる。これは、第1工程の第1ダイス肩部アールDSR1(15mm)よりも、第2工程の第2ダイス肩部アールDSR2が小さい(2mm)ため、第2工程において中間成形体6の肩部6cに対して供給すべき材料がフランジ部6bからの材料流入により確保されるためである。
一方、上記シミュレーションによれば、本実施形態の製造方法の場合、第1工程では製品肩部アールPSRよりも大きい第1ダイス肩部アールDSR1を有する第1ダイス3を使用することで、中間成形体6の本体6aへの材料流入を促進し、中間成形体深さMDを確保できる。その結果、第1比較例のようなブランクの破断を生じることなく、有底筒状部品1の製品深さPDを深く設定できる。また、本実施形態の製造方法の場合、第1工程では製品肩部アールPSRよりも大きい第1ダイス肩部アールDSR1を有する第1ダイス3を使用し、それに続く、第2工程では製品肩部アールPSRと同じ第2ダイス肩部アールDSR2を有する第2ダイス7を使用することで、最終製品である有底筒状部品1の製品肩部アールPSRを小さく設定できる。このように、本実施形態の製造方法によれば、シャープで深い形状の有底角筒状部品1を製造できる。
次に、上記シミュレーションによれば、本実施形態の製造方法の場合、第1工程では、成形深さを確保するために製品肩部アールPSRよりも大きい第1ダイス肩部アールDSR1を有する第1ダイス3を使用するが、第2工程では製品肩部アールPSRと同じ第2ダイス肩部アールDSR2を有する第2ダイス7を使用する。つまり、第2工程によって、中間成形体6の中間成形体肩部アールMSR1(第1ダイ肩部アールDSR1に対応)が、最終製品の製品肩部アールPSR(第2ダイ肩部アールDSR2に対応)まで小さくなる。このことは、第2工程において中間成形体6の肩部6cに材料を供給する必要があることを意味する。しかし、第1工程で使用する第1ダイス3の第1ダイス深さDD1は、最終製品の製品深さPDよりも深い。つまり、第2工程に供される中間成形体6の中間成形体深さMDは、最終製品の製品深さPDよりも深く、第2工程により本体の深さが減少する。そのため、第2工程において、中間成形体6の中間成形体肩部アールMSR1を最終製品の製品肩部アールPSRまで小さくするために、中間成形体6の肩部6cに供給すべき材料を、本体6aからの材料流出で確保することができる。言い換えれば、第2工程においてダイス肩部アールを第1ダイス肩部アールDSR1から第2肩部アールDSR2まで小さくするために中間成形体6の肩部6cに供給すべき材料は、フランジ部6bからの材料流入によって確保されるのではない。フランジ部6bからの材料流入を低減、ないしはなくすことで最終製品のフランジ部1bにおけるしわの発生を防止できる。
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、シャープで深い形状と、しわのないフランジ部1bとを両立し得る。
図6Aを参照すると、本実施形態の製造方法において第2工程でダイス肩部アールを、第1ダイス肩部アールDSR1から第2ダイス肩部アールDSR2まで小さくすることによる線長変化、従って、第1ダイス深さDD1と第2ダイス深さDD2の差ΔDD(第1工程と第2工程の成形深さの差に相当する)は、幾何学的関係から以下の式(1)で表される。
Figure 2022172936000003
この式(1)より、第1ダイス肩部アールDSR1が15mmで、第2ダイス肩部アールDSR2が2mmの場合、第1ダイス深さD数1と第2ダイス深さDD2の差ΔDDは約5.57mmである。
また、式(1)から第1ダイス深さDD1は、第2ダイス深さDD2、第1ダイス肩部アールDSR1、及び第2ダイス肩部アールDSR2によって、以下の式(2)のように表される。
Figure 2022172936000004
第1ダイス深さDD1は式(2)で規定されるが,実際の工程では,多少の誤差が生じる。そこで,その誤差をどの程度まで許容できるかについてシミュレーションで検討した.結果を図6Bに示す。この図6Bに示すように、第1工程の成形高さ(第1ダイス深さDD1と等しい)の基準値(式(2)から求まる値)からの偏差が-2.54mm~+2.42mmの範囲であるとき、最終製品にしわを生じなかった。
本検討では,初期の板厚を前述のように1.0mm、有底角筒形状の製品コーナーアールRCR2(図1A参照)を前述のように20mmとして検討している。一般に,円筒形状のしわは板厚とコーナーアールの大きさの影響を受け、板厚が薄いほど、またコーナーアールが小さいほどしわを生じやすい。このため、本検討で得られた結果を用いて,有底角筒形状を成形する場合,製品コーナーアールRCR2が20mm以上、かつブランクの板厚が1.0mm以上の場合、第1工程の成形高さ、つまり第1ダイス深さDD1は以下の式(3)を満たせばフランジ部にしわが発生しない。
Figure 2022172936000005
ここで,DD1は第1ダイス深さ,DD2は第2ダイス深さ(最終製品の成形高さ)、DSR1は第1ダイス肩アール,DSR2は第2ダイス肩アール(最終製品の肩部アール)である。なお、上記式の単位は「mm」である.
本実施形態の製造方法により製造される有底角筒状部品は、自動車用の電池パックのケースとして採用し得るものであるが、本発明の適用対象はそれに限定されない。本発明は、周辺部品との兼ね合いで最大寸法が低減され、かつ内部容積を最大化が求められる部材の製造に好適に適用される。このような部材には、例えば電池パックの蓋、サイドドアインナーパネル、コンバータケース、及びモータケース(有底円筒状容器)のような他の自動車用の部材がある。
1 有底角筒状部品(有底筒状部品)
1a 本体
1b フランジ部
1c 製品肩部
2 ブランク
3 第1ダイス
3a ダイス本体
3b ダイスフランジ部
3c ダイス肩部
4 ホルダ
5 第1パンチ
6 中間成形体
6a 本体
6b フランジ部
6c 肩部
7 第2ダイス
7a ダイス本体
7b ダイスフランジ部
7c ダイス肩部
8 第2パンチ
8a パンチ本体
8b パンチフランジ部
8c パンチ肩部
PD 製品深さ
PSR 製品肩部アール
PBR 製品底部アール
PCR1,PCR2,PCR3 製品コーナーアール
DSR1 第1ダイス肩部アール
DSR2 第2ダイス肩部アール
DD1 第1ダイス深さ
DD2 第2ダイス深さ
PUSR1 第1パンチ肩部アール
PUSR1 第2パンチ肩部アール
PUD1 第2パンチ深さ
PUD2 第2パンチ深さ
MSR 中間成形体肩部アール
MD 中間成形体深さ

Claims (3)

  1. 有底筒状の本体と、前記本体の開口部から延びるフランジ部とを備える有底筒状部品の製造方法であって、
    前記本体と前記フランジ部との接続部分のアールである製品肩部アールよりも大きい第1ダイス肩部アールを有し、かつ前記本体の深さである製品深さよりも深い第1ダイス深さを有する第1ダイスを使用した絞り加工により、板材から中間成形体を得る第1工程と、
    前記製品肩部アールと同じ第2ダイス肩部アールを有し、かつ前記製品深さと同じ第2ダイス深さを有する第2ダイスを使用した絞り加工により、前記中間成形体から前記有底筒状部品を得る第2工程と
    を備える、有底筒状部品の製造方法。
  2. 前記板材はアルミニウム製である、請求項1に記載の有底筒状部品の製造方法。
  3. 有底角筒形状のコーナーアールが20mm以上,かつ,ブランクの初期板厚が1.0mm以上であり,かつ,前記第1ダイス深さは以下の式を満たす、請求項1又は2に記載の有底筒状部品の製造方法。
    Figure 2022172936000006
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