JP2022171204A - 装飾具 - Google Patents
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Abstract
【課題】身体への負担が少ないながらも耳飾りと同様の装飾性を有する新規の装飾具の提供。【解決手段】本開示に係る装飾具は、装飾部材と吊り下げ部材とを備える装飾体と、吊り下げ部材が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備える髪留め体とを備え、髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている。一つの実施形態では、髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え、装飾体は、複数の装飾体取付部のうちの1つを選択して取り付けられる。一つの実施形態では、吊り下げ部材は、約3cm以上の長さを有する。一つの実施形態では、髪留め体は、2つの髪挟持部材を備え、髪留め体は、2つの髪挟持部材が互いに結合されている第1端と、2つの髪挟持部材が開放されている第2端とを備え、1以上の装飾体取付部は、髪留め体において、第2端より第1端に近い位置に配置されている。【選択図】図1
Description
本開示は、装飾具、特に人間の頭部に取り付けられる装飾具に関する。
イヤリングおよびピアス等の耳飾りは、外耳、特に耳垂に取り付けられて装飾機能を発揮する装飾具である。一般的に、ピアスは、耳垂に穿孔することによって設けられたピアスホールを介して装着され、イヤリングは、固定部で耳垂を挟み込むことによって装着される。
幼年者は、大人への憧れ等から、ピアス等の耳飾りを付けてみたいと思う場合がある。しかしながら、上述のように、既存の耳垂や耳に取り付けられる耳飾りは、身体への負担を伴うものであり、特に幼年者には適さないという課題を本発明者は見出した。穿孔の際には痛みが伴い、特に幼年者にとっては、ピアスホールを穿孔することは困難であるし、イヤリングおよびノンホールピアスなどの固定部で主に耳垂を挟み込むことによって装着される装飾具は耳垂を圧迫するため、痛みを伴う。したがって、イヤリングもピアスも身体への負担が大きく、特に幼年者にとっては装着が困難である。そこで、本発明は、身体への負担が少ないながらも耳飾りと同様の装飾性を有する新規の装飾具を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、装飾具を開発した。一つの側面において、本開示の装飾具は、装飾部材と吊り下げ部材とを備える装飾体と、吊り下げ部材が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備える髪留め体とを備える。一つの側面において、本開示は、複数の装飾体取付部を備える髪留め体を提供する。
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1)
装飾具であって、前記装飾具は、
(1)装飾部材と吊り下げ部材とを備える装飾体と、
(2)前記吊り下げ部材が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備える髪留め体と
を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、装飾具。
(項目2)
前記髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え、前記装飾体は、前記複数の装飾体取付部のうちの1つを選択して取り付けられる、上記項目に記載の装飾具。
(項目3)
前記吊り下げ部材は、約3cm以上の長さを有する、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目4)
前記髪留め体は、2つの髪挟持部材を備え、前記髪留め体は、前記2つの髪挟持部材が互いに結合されている第1端と、前記2つの髪挟持部材が開放されている第2端とを備え、
前記1以上の装飾体取付部は、前記髪留め体において、前記第2端より前記第1端に近い位置に配置されている、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目5)
前記髪留め体は、ヘアクリップである、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目6)
上記項目のいずれかに記載の装飾具において使用される髪留め体であって、
前記髪留め体は、前記装飾具の前記吊り下げ部材が取り付けられるように構成された複数の装飾体取付部を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、髪留め体。
(項目1)
装飾具であって、前記装飾具は、
(1)装飾部材と吊り下げ部材とを備える装飾体と、
(2)前記吊り下げ部材が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備える髪留め体と
を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、装飾具。
(項目2)
前記髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え、前記装飾体は、前記複数の装飾体取付部のうちの1つを選択して取り付けられる、上記項目に記載の装飾具。
(項目3)
前記吊り下げ部材は、約3cm以上の長さを有する、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目4)
前記髪留め体は、2つの髪挟持部材を備え、前記髪留め体は、前記2つの髪挟持部材が互いに結合されている第1端と、前記2つの髪挟持部材が開放されている第2端とを備え、
前記1以上の装飾体取付部は、前記髪留め体において、前記第2端より前記第1端に近い位置に配置されている、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目5)
前記髪留め体は、ヘアクリップである、上記項目のいずれかに記載の装飾具。
(項目6)
上記項目のいずれかに記載の装飾具において使用される髪留め体であって、
前記髪留め体は、前記装飾具の前記吊り下げ部材が取り付けられるように構成された複数の装飾体取付部を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、髪留め体。
本開示において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、他の組み合わせによって提供され得ることが意図される。本開示のさらなる実施形態および利点は、以下の詳細な説明を読んで理解することによって、当業者に認識される。
本開示により、身体への負担が少ないながらも耳飾りと同様の装飾性を有する装飾具を得ることができる。このような装飾具は、特に幼年者にとって適したものであり得る。
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において「約」は、特に別の定義が示されない限り、示された値のプラス10%~マイナス10%の間の範囲を指す。
以下に本開示の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本開示のよりよい理解のために提供されるものであり、本開示の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本開示の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本開示の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
幼年者は、大人への憧れ等から、ピアス等の耳飾りを付けてみたいと思う場合がある。しかしながら、上述のように、既存の耳垂に取り付けられる耳飾りは、身体への負担を伴うものであり、特に幼年者には適さないという課題を本発明者は見出した。本発明者は、この課題の解決のために種々検討した結果、上記課題を解決した新規の装飾具を発明した。以下に説明する本発明は、従来技術とは異なり、耳垂や耳に取り付けられる耳飾りを耳周辺に、髪留め体によって配置することによって、その装飾効果を発揮するというものである。幼年者は、概して、既存の耳飾りを装着することは困難であるが、髪の毛を挟持して髪の毛に取り付けられるヘアピン、および髪の毛を結束して髪の毛に取り付けられるヘアゴム等の髪留め体ならば日常的に使用しており、その扱い方を理解している。そこで、本発明者はこの点に着目し、頭部に取り付けられる髪留め体を通して装飾体を安全に身体に固定することができる装飾具を発明した。本装飾具は、頭部から装飾体を吊り下げることで耳周辺に装飾体を配置することができる。本装飾具は耳垂の穿孔を必要とせず、かつ、耳垂を圧迫することもないため、幼年者でも簡便に装着することができる。また、本装飾具は、装着者の皮膚との直接的な接触を減少することができるため、そのような皮膚と金属との直接的接触を回避することが好ましい対象者(幼年者に限らず全年齢)、例えば金属アレルギーを有する者であっても装着することが可能であるという利点も有する。
一つの局面において、本開示は、装飾具を提供し、この装飾具は、装飾体と髪留め体とを備える。髪留め体は、装飾体を保持しながら人間の頭部に取り付けられる任意の物体であり得る。髪留め体は、例えば、頭部全体にわたって(例えば、頭蓋部表面に沿って)取り付けられてもよいし、一部の髪の毛に対して取り付けられてもよい。もっとも、髪留め体が頭部全体にわたって取り付けられるように構成される場合、髪留め体の構成により本装飾具を装着できる者が限定される可能性があり、および/または、本装飾具において装飾体よりも髪留め体の方が外部から視認されやすく本装飾具により所望される装飾効果が発揮されづらくなる可能性があり得る。そこで、装着者が、髪の毛の長さ、髪の毛の量、装着時の髪型、髪留め体の付け心地、および(髪留め体も装飾効果を有する場合には)髪留め体の装飾効果等を考慮して、頭部において髪留め体を取り付ける態様(例えば、取付位置および取付方向等)を多様に選択することが可能であるように、髪留め体は、装着者の頭部のうちの一部の髪の毛に対して取り付けられることが好ましく、例えば、髪の毛を挟持して、髪の毛を結束して、髪の毛を髪留め体の間に差し込んで、または、髪の毛に貼り付けられることによって、髪の毛に取り付けられ得る。好ましくは、髪留め体は、容易に着脱可能であり、かつ確実に髪の毛に取り付けられるように、髪の毛を挟持して、または髪の毛を結束して、髪の毛に取り付けられるように構成され得る。最も好ましくは、髪型全体に大きな影響を及ぼさず、かつ髪留め体の存在を外部から視認されづらくするように、髪留め体は、髪の毛を挟持して髪の毛に取り付けられるように構成され得る。なお、髪留め体自体が装飾性を有する場合には、髪留め体が外部から視認されづらいことは要求されない。
髪留め体は、上述のように、人間の頭部に取り付けられる任意の物体であり得る。髪留め体は、例えば、ヘアクリップ(例えば、スリーピン、バナナクリップ、バンスクリップ、バレッタ)もしくはヘアピン(例えば、アメリカピン、ストレートピン、柳ピン)等の髪挟持体、ヘアゴム(例えば、リングゴム、パイルリング、スプリング、ヘアカフス、シュシュ)等の髪結束体、シール等の髪接着体、または、ヘアコーム(例えば、ツインコーム、櫛、コームかんざし)もしくはかんざし等の髪の毛の束に差し込まれる物体等であり得る。もっとも、上述のように、髪留め体は、髪挟持体であることが好ましく、特に、後述されるように複数の装飾体取付部が配置されるために十分な面積を有するヘアクリップであることが好ましい。さらに、髪留め体は、髪留め体が取り付けられた髪の毛の付け根への圧迫を引き起こし得る髪留め体の重量を低減させるために比較的軽量であることが好ましいので、髪留め体は、比較的少ない数の部材で形成されることが可能なスリーピンであり得る。
一つの実施形態では、髪留め体は、2つの髪挟持部材を備え、髪留め体は、2つの髪挟持部材が互いに結合されている第1端と、2つの髪挟持部材が開放されている第2端とを備え得る。この場合、2つの髪挟持部材の各々は、第1端を起点として互いに対して移動可能であり得、第2端において、互いに当接および離間し得る。このような構成により、髪留め体は、装着者の髪の毛に取り付けられるとき、第2端において2つの髪挟持部材を離間させることによって、2つの髪挟持部材の間に髪の毛を配置し、その後、第2端において2つの髪挟持部材を当接させることによって、2つの髪挟持部材の間に髪の毛が挟持され、それによって、髪留め体が装着者の髪の毛に対して固定される。
一つの実施形態では、髪留め体は、装飾体が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備え得る。装飾体取付部は、装飾体を保持し、髪留め体に対する装飾体の移動を制限するように構成され得る。一つの実施形態では、後述される装飾体の吊り下げ部材が、髪留め体の装飾体取付部に取り付けられ得、装飾体は、装飾体取付部から吊り下げられ得る。装飾体取付部は、装飾体が取り付けられ、髪留め体に対する装飾体の移動を制限し得る任意の構造であり得、例えば、穴、くぼみ、切り欠き、突起、磁石、またはレール等であり得る。
好ましくは、髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え得る。この場合、1つの装飾体が、複数の装飾体取付部のうちの1つまたは複数に対して取り付けられてもよいし、複数の装飾体の各々が、複数の装飾体取付部の各々に対して取り付けられてもよい。1つの装飾体が複数の装飾体取付部のうちの1つを選択して取り付けられる場合、装飾体の重量が低減され、装着者の頭部への負担(髪の毛の付け根への圧迫等)を低減させることができる。1つの装飾体が、複数の装飾体取付部に対して取り付けられる場合、吊り下げ部材の髪留め体に対する取り付けが強化され得、加えて、装飾体取付部に取り付けられたときの吊り下げ部材の形状がさらなる美観を呈し得る。複数の装飾体の各々が複数の装飾体取付部の各々に対して取り付けられる場合、複数の装飾体を任意に組み合わせてさらなる装飾効果を提供することができる。髪留め体が複数の装飾体取付部を備えることにより、装着者は、髪留め体の取付位置を変更することなく装着者を前面から見た場合の装飾体の見え方を微調整することができ、それによって、本開示に係る装飾具が、より既存の耳飾りに近い装飾効果を発揮することが可能になる。
1以上の装飾体取付部は、髪留め体において任意の位置に配置され得る。装飾体取付部は、髪留め体の全体にわたって配置されてもよいし、髪留め体の一部の領域に配置されてもよい。もっとも、上述されるように髪留め体が2つの髪挟持部材を備えている場合、1以上の装飾体取付部は、髪留め体において、第2端より第1端に近い位置に配置されることが好ましい。これにより、髪留め体は、髪の毛に取り付けられた状態で、装飾体の重量に対してより安定化され得る。また、髪留め体が装着者の耳付近に装着される場合、一般的に、髪留め体は、第2端を頭部前方から後方に向かって髪の毛を2つの髪挟持部材の間に配置しながら取り付けられ得るため、1以上の装飾体取付部が髪留め体において第2端より第1端に近い位置に配置されることによって、より耳の近傍に装飾体を配置することができる。これにより、既存の耳飾りと同様の装飾性が提供され得る。
さらに、本開示の装飾具は、頭部への圧迫を分散させるために、および、髪留め体がそこに取り付けられる装飾体の重量により装着者の頭部から外れることを防止するために、複数の髪留め体を備え得る。複数の髪留め体は、任意の配置を有し得、例えば、複数の髪留め体が互いに平行に配置されてもよいし、複数の髪留め体が互いに平行でないように配置されてもよい。好ましくは、各々の挿入方向軸が互いに平行でないように構成され得、それによって、髪留め体の頭部への固定が強化され得る。また、髪留め体を頭部に取り付ける位置および向き等に合わせて複数の髪留め体の各々の互いに対する位置および向き等を変形可能であるように、複数の髪留め体は、各々の挿入方向軸がなす角度を変更できるように構成され得る。
装飾体は、視認者に美感を起こさせる任意の物体であり得る。一つの実施形態では、装飾体は、装飾部材と吊り下げ部材とを備え得る。装飾部材は、視認者に美感を起こさせる任意の部材であり得、例えば、宝石、金属、木材、または樹脂等で形成され得る。もっとも、頭部への負担を引き起こし得る装飾部材の重量を低減させるために、装飾部材は、比較的軽量である樹脂で形成されてもよい。
吊り下げ部材は、装飾部材を髪留め体から吊り下げて保持する任意の部材であり得、例えば、糸、チェーン、ワイヤー等であり得る。吊り下げ部材は、装飾体取付部に着脱可能に取り付けられてもよいし、髪留め体と装飾体とを一体化させて装飾体取付部から取り外すことができないように構成されてもよい。もっとも、吊り下げ部材140が1以上の装飾体取付部のうちの1または複数に選択的に取り付けられ、かつ取り外されることを可能にするために、装飾体取付部または吊り下げ部材のいずれかまたは両方が、着脱機構を有していることが好ましい。一つの実施形態において、装着者が片手で容易に吊り下げ部材を装飾体取付部に着脱できるように、髪留め体の装飾体取付部は穴であり、吊り下げ部材が、着脱機構として穴に通されるフック部を備えていることが好ましい。別の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部は、髪留め体の一方の表面上に配置されたフックであり、吊り下げ部材は、フックに引っ掛けられるリング部分を備えていることが好ましい。これにより、髪留め体が頭部に取り付けられたときに吊り下げ部材が髪留め体の裏側(頭皮側に配置される髪留め体表面)を通ることによる違和感を装着者に与えることを防ぐことが可能である。さらに別の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部および吊り下げ部材は、互いに引き合う磁石で構成されることが好ましい。この構成では、装着者が吊り下げ部材の磁石を装飾体取付部の磁石の近傍に近づけたときに磁力で引き合って吊り下げ部材の取付が完了するので、より簡便に装飾体取付部に吊り下げ部材を取り付けることが可能になる。他の実施形態では、吊り下げ部材がループ形状を備え、髪留め体の装飾体取付部は、吊り下げ部材のループ形状を挟み込んで保持することができる装飾性のある開閉可能な部材であることが好ましい。この実施形態では、開閉可能な部材が有する装飾性により、髪留め体も装飾効果を発揮することが可能である。さらに他の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部は、装飾性を有するボタンであり、吊り下げ部材は、ボタンに掛け留められる掛け留め部を備えていることが好ましい。この場合、ボタンの掛け留めという日常的な動作によって吊り下げ部材を装飾体取付部に取り付けることができるため、幼年者であっても容易に吊り下げ部材を取り付けることができる。さらに、ボタンが有する装飾性により、髪留め体も装飾効果を発揮することが可能である。また別の実施形態では、装飾体取付部は髪挟持部材上の切り欠き部として形成され、吊り下げ部材は、両端が結合および解放可能に構成された糸またはワイヤーであり、吊り下げ部材の両端を解放して切り欠き部に吊り下げ部材を通した後、吊り下げ部材の両端を結合させてループ形状を作り出すことにより、髪留め体に吊り下げ部材が取り付けられることが好ましい。これにより、髪留め体の重量を低減させることができる。
装飾体の吊り下げ部材は、任意の長さを有し得る。吊り下げ部材の長さは、例えば、髪留め体が装着者に対して取り付けられる位置および/または装着者に対する装飾部材の所望される位置に依存して決定され得る。もっとも、髪留め体が装着者の耳の後方または上方に取り付けられたときに装飾部材が耳の下端より下に現れて耳飾りと同様の装飾性を提供し得るように、吊り下げ部材は、約3cm以上の長さを有することが好ましい。さらに好ましくは、髪留め体が装着者の耳の後方または上方に取り付けられたときに装飾部材が耳の下端から約0.5~約3.5cm下に現れ得るように、吊り下げ部材は、約3~10cmの長さを有し得る。これにより、既存の耳飾りと同様の装飾性を提供し得る。
別の側面において、本開示は、髪留め体を提供し得る。髪留め体は、前述された装飾具の髪留め体と同様であり、任意の装飾体が取り付けられ得るように構成され得る。
限定を意図するものではないが、本開示の理解を容易にするために、以下で図面を参照して本開示の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本開示に係る装飾具の第一の実施形態を示す。本実施形態に係る装飾具100は、髪留め体110と、装飾体130とを備える。図1において、髪留め体110は、第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとを備えるスリーピン型留め具であり、さらに第1の髪挟持部材112a上に配置された5つの装飾体取付部115a~115dを備えるように描写されているが、髪留め体110は上述されるような任意の髪挟持体であり得、髪挟持部材および装飾体取付部の数は任意であり得る。装飾体130は、吊り下げ部材140と、装飾部材150とを備える。
髪留め体110は、第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとの間に髪の毛の束を挟持するように構成されている。第1の髪挟持部材112aおよび第2の髪挟持部材112bは、弾性を有する薄片であり得、例えば、薄片状の金属(軽金属、スプリング鋼、軟鉄等)、樹脂(エラストマ、ポリプロピレン、FRP等)、または自然素材であり得る。髪留め体110は、第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとが互いに結合されている第1端113と、第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとが互いに開放されている第2端114とを備え、第2端114において第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとが互いに離間しおよび/または当接することにより髪留め体が開閉するように構成されている。第1の髪挟持部材112aおよび第2の髪挟持部材112bの各々は、その全長において反り返った2つの静止状態を有し得る。第1の髪挟持部材112aは、第1の静止状態121aと第2の静止状態122aとを備え得、第2の髪挟持部材112bは、第1の静止状態121bと第2の静止状態122bとを備え得る。さらに、髪留め体110は、第1の髪挟持部材112aの第1の静止状態121aの曲率半径と第2の髪挟持部材112bの第1の静止状態121bの曲率半径とが一致し、第1の髪挟持部材112aの第2の静止状態122aの曲率半径と第2の髪挟持部材112bの第2の静止状態122bの曲率半径とが一致するように構成され得る。
第1の髪挟持部材112aおよび第2の髪挟持部材112bの各々は、第1端113を起点として各々の2つの静止状態間で変形させられ得る。図2は、髪留め体110の側面図を示している。図2において、髪留め体110は、第1の髪挟持部材112aが上方に反り返った第1の静止状態121aにあり、第2の髪挟持部材112bが下方に反り返った第2の静止状態122bにあることによって2つの髪挟持部材が離間させられていることにより、第2端114が開放されている。髪留め体110が髪の毛に取り付けられるとき、このようにして髪留め体110の第2端114が開放され、装着者の頭部において髪留め体110が挿入方向101に移動させられることによって、髪の毛が第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとの間の空間116内に配置される。空間116に髪の毛が配置された後、第1の髪挟持部材112aが変形方向102に押下されて第2の静止状態122aに移行することによって、または、第2の髪挟持部材112bが変形方向102’に押し上げられて第1の静止状態121bに移行することによって、空間116が縮小される。そして、第1の髪挟持部材112aと第2の髪挟持部材112bとが髪の毛を挟み込んで互いに当接することによって、髪留め体110は、髪の毛を挟持する。
髪留め体110の挟持機構はこれに限られない。一つの実施形態では、髪留め体110は、2つの弾性髪挟持部材を備え、2つの髪挟持部材が互いに接触した単一の静止状態を有し得る。別の実施形態では、髪留め体110は、2つの硬い髪挟持部材を備え、2つの髪挟持部材は、それらの一端で互いにヒンジ固定され、他方の一端において開閉可能に構成され得る。
髪留め体110の装飾体取付部115a~115eの少なくとも1つに、装飾体130の吊り下げ部材140が取り付けられる。図1では、装飾体取付部115cに吊り下げ部材140が取り付けられている。装飾体取付部115a~115eは、吊り下げ部材140(およびしたがって装飾体130)の移動、特に挿入方向101-101’への移動を制限するように構成されている。図1の例では、装飾体取付部115a~115eは、第1の髪挟持部材112a上に設けられた円形の穴である。例えば、穴の直径は、吊り下げ部材140の断面の直径の2倍であり得、それによって、吊り下げ部材140の挿入方向101への移動を吊り下げ部材の直径の2倍以下に制約し得る。穴の形状は、他にも、楕円形、多角形等を含み得る。なお、装飾体取付部の構成は、穴に限定されず、例えば、突起、フック、くぼみ、切り欠き、または磁石等であってもよい。一つの実施形態において、髪の毛の付け根への負担を低減させるために、装飾体取付部は、髪留め体の重量を低減させることが可能な穴、くぼみ、切り欠きであり得る。
図1において、装飾体取付部115a~115eは、第1の髪挟持部材112aの表面上に配置されているが、装飾体取付部の配置はこれに限定されず、その一部または全部が第2の髪挟持部材112bの表面上に配置されてもよい。図1に示される装飾体取付部115a~115eは、第2端114より第1端113に近い位置に配置されており、それによって、装飾体130の重量が第1端113の方に作用する。装飾体取付部のうちのいくつかまたは全てが第1端113より第2端114に近い位置に配置されてもよいが、装飾体130の重量が第2端114の方に作用すると、装飾体130の重量により第2端114が開放され、装着者の髪の毛から髪留め体110が意図せず外れる可能性がある。そのため、装飾体取付部は、髪留め体110の第1端113に近い位置(すなわち、装飾体取付部と第1端113との間の距離が、装飾体取付部と第2端114との間の距離よりも小さい位置)に配置されることが好ましい。
装飾体取付部の構成および配置は様々であり得る。図3は、本開示の装飾具の装飾体取付部の他の構成および配置を示す。図3(a)の髪留め体310は、3つの装飾体取付部315a、315b、315cを備える。装飾体取付部315a、315b、315cは、髪留め体310の表面から突き出している円形フックであり、装飾体は、円形フック切れ目からその内部に吊り下げ部材を通すことで、髪留め体310に取り付けられる。装飾体取付部315aは、髪留め体310の第2端314より第1端313に近い位置に配置され、装飾体取付部315bは、髪留め体310の第1端313および第2端314から略等距離に配置され、装飾体取付部315cは、髪留め体310の第1端313の近傍に配置されている。吊り下げ部材は、装飾部材を配置したい位置に合わせて3つの装飾体取付部のいずれかを選択し、取り付けられ得る。
図3(b)の髪留め体310’は、7つの装飾体取付部315’a~315’gを備える。装飾体取付部315’a~315’gは、髪留め体310’の表面に埋め込まれた磁石である。一方で、髪留め体310’に取り付けられる吊り下げ部材340’は、磁石を埋め込まれた吊り下げ部材先端部344’を備える。例えば、装飾体取付部315’a~315’gとしてN極の磁石を用い、吊り下げ部材先端部344’としてS極の磁石を用いることによって、装飾体取付部315’a~315’gの各々と吊り下げ部材先端部344’とが磁気結合し、それによって、髪留め体310’に吊り下げ部材340’が取り付けられる。装飾体取付部315’a~315’dは、髪留め体310’の表面の一辺上に等間隔に配置され、装飾体取付部315’e~315’gは、髪留め体310’の表面の他辺上に等間隔に配置されている。
図3(c)は、髪留め体310’’の装飾体取付部315’’a、315’’b周辺の拡大図である。装飾体取付部315’’a、315’’bは、開閉可能に結合された部材を備え、装飾体取付部315’’aは、閉じた状態で示され、装飾体取付部315’’bは、開いた状態で示されている。装飾体取付部315’’a、315’’bの開閉機構は、閉じた状態から開いた状態に移行することが可能であり、かつ閉じた状態を維持することが可能な任意の機構であり得る。例えば、装飾体取付部315’’a、315’’bは、髪留め体の表面上に設けられた係止部材と、その係止部材に対して回転可能に取り付けられた回転部材とを備え得る。この場合、回転部材が係止部材に重ね合わされた状態で係止部材に向かって押下されると、係止部材の係止機構によって回転部材の回転が係止され、装飾体取付部315’’a、315’’bが「閉じた」状態となる。そして、この「閉じた」状態において回転部材が係止部材に向かって押下されると、係止部材の係止機構から回転部材が外れ、2つの部材間に結合されたばね等の復元力によって、装飾体取付部315’’a、315’’bが「開いた」状態に移行し得る。装飾体取付部315’’a、315’’bは、開いた状態においてその開閉内部に吊り下げ部材340’’を通し、その後閉じた状態に移行することによって吊り下げ部材340’’を保持するように構成される。また、装飾体取付部315’’a、315’’bは、装飾性を提供し得、例えば、装飾体取付部315’’a、315’’bは、図3(c)に示されるように開閉部材表面上に装飾性のある図柄(例えば、花、星、ハート等)を有していてもよいし、また、開閉部材自体が装飾性のある形状を有していてもよい。
図3(d)は、髪留め体310’’’の装飾体取付部315’’’a、315’’’b周辺の拡大図である。装飾体取付部315’’’a、315’’’bは、髪留め体310’’’上に取り付けられたボタン(スナップボタン)である。これらに対応する吊り下げ部材340’’’は、その端部に掛け留め部344’’’を有しており、掛け留め部344’’’は、掛け留め穴345’’’を備えている。装飾体315’’’aに関して図示されているように、掛け留め穴345’’’を介して掛け留め部344’’’を装飾体取付部に掛け留めることにより、装飾体取付部に吊り下げ部材340’’’が取り付けられる。ボタンの掛け留めは、幼年者が衣服の着用時等に日常的に行う慣れ親しんだ動作であるため、幼年者であっても髪留め体310’’’に吊り下げ部材340’’’を容易に取り付けることが可能である。また、図3(d)に図示されるように、装飾体取付部315’’’a、315’’’bは、星形、ハート形等の装飾性のある形状を有し得、それによって装飾体取付部自体が装飾効果を発揮し得る。
装飾体130の吊り下げ部材140は、髪留め体110の装飾体取付部115a~115eのうちの少なくとも1つと、装飾部材150に取り付けられ、髪留め体110から装飾部材150を吊り下げて保持するように構成されている。吊り下げ部材140は、任意の材料から形成され得、例えば、チェーン、糸、針金、ワイヤー、フック、またはカラビナ等であり得る。吊り下げ部材140の長さは、装飾部材150が所望の位置に配置されることを可能にする任意の長さであり得る。もっとも、装飾具100の装着者の耳の裏近傍の髪の毛に髪留め体110が取り付けられたときに装飾部材150が耳の下端より下に配置されるように、吊り下げ部材140は、約3cm以上の長さを有することが好ましい。また、一つの実施形態では、吊り下げ部材140は、その長さを変化させるための機構を有し得、それによって、装着者への髪留め体110の取付位置を変更することなく装飾部材150の位置を変化させることができる。
さらに、本実施形態の装飾具100は、吊り下げ部材140が複数の装飾体取付部115a~115eのうちの1または複数に選択的に取り付けられ、かつ取り外されることを可能にするために、装飾体取付部115a~115eか、または吊り下げ部材140のいずれかまたは両方が、着脱機構を有していることが好ましい。一つの実施形態において、装着者が片手で容易に吊り下げ部材を装飾体取付部に着脱でき、かつ髪留め体の重量が低減させられるように、髪留め体の装飾体取付部は穴であり、吊り下げ部材が、着脱機構として穴に通されるフックを備えていることが好ましい。図1の例では、吊り下げ部材140が、その一端に着脱機構としてフック部142を備えている。吊り下げ部材140は、フック部142が吊り下げ部材140のうちの一端を装飾体取付部115a~115eのうちのいずれかに通されることによって、髪留め体110に取り付けられる。別の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部は、図3(a)に示されるように、髪留め体の一方の表面上に配置されたフックであり、吊り下げ部材は、フックに引っ掛けられるリング部分を備えていることが好ましい。これにより、髪留め体が髪の毛に取り付けられたときに吊り下げ部材が髪留め体の裏側(頭皮側に配置される髪留め体表面)を通ることによる違和感を装着者に与えることを防ぐことが可能である。さらに別の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部と、装飾体の吊り下げ部材とは、図3(b)に示されるように、互いに引き合う磁石で構成されることが好ましい。この構成では、装着者が吊り下げ部材の磁石を装飾体取付部の磁石の近傍に近づけたときに磁力で引き合って吊り下げ部材の取付が完了するので、より簡便に装飾体取付部に吊り下げ部材を取り付けることが可能になる。他の実施形態では、吊り下げ部材がループ形状を備え、髪留め体の装飾体取付部は、図3(c)に示されるように、吊り下げ部材を挟み込んで保持することができる装飾性のある開閉可能な部材であることが好ましい。この実施形態では、開閉可能な部材が有する装飾性により、髪留め体も装飾効果を発揮することが可能である。さらに他の実施形態では、髪留め体の装飾体取付部は、図3(d)に示されるように、装飾性を有するボタンであり、吊り下げ部材は、ボタンに掛け留められる掛け留め部を備えていることが好ましい。この場合、ボタンの掛け留めという日常的な動作によって吊り下げ部材を装飾体取付部に取り付けることができるため、幼年者であっても吊り下げ部材を容易に取り付けることができる。さらに、ボタンが有する装飾性により、髪留め体も装飾効果を発揮することが可能である。また別の実施形態では、装飾体取付部は髪挟持部材上の切り欠き部として形成され、吊り下げ部材は、両端が結合および解放可能に構成された糸またはワイヤーであり、吊り下げ部材の両端を解放して切り欠き部に吊り下げ部材を通した後、吊り下げ部材の両端を結合させてループ形状を作り出すことにより、髪留め体に吊り下げ部材が取り付けられることが好ましい。これにより、髪留め体の重量を低減させることができる。
装飾部材150は、視認者に美感を起こさせる任意の部材であり得る。図1では、装飾部材150は、宝石を模した樹脂のブローチである。装飾部材150は、吊り下げ部材140に取り付けられる任意の機構を有している。この機構を介して吊り下げ部材140に取り付けられることで、装飾部材150が髪留め体110から吊り下げられることを可能とされる。装飾部材150の取付機構は、例えば、上述された装飾部材取付部と同様であり得る。
吊り下げ部材が複数の装飾体取付部のうちのいずれの装飾体取付部に取り付けられるかは、装飾部材の所望される位置、および髪留め体の装着者への取付位置に依存し得る。図4は、装飾具100と同様であるが3つの装飾体取付部415a~415cを備える装飾具400が装着者の髪の毛に取り付けられた状態を示している。この例では、装着者を正面から見たときに装飾部材450が既存の耳飾りであるかのように視認されることが所望されている。そのために、装着者を正面から見たときに髪留め体410の存在が視認されないこと、吊り下げ部材が耳480の後方を通過すること、および装飾部材450が耳480の下端より鉛直下方に配置されることが所望される。まず、髪留め体410の存在が視認されないようにするために、図4(a)では、髪留め体410が耳480の後方に取り付けられており、図4(b)では、髪留め体410が耳480の上方に取り付けられて髪の毛を被せられている。次に、吊り下げ部材が耳480の後方を通過し、かつより耳480の近くを通過するように、図4(a)では、吊り下げ部材440aが装飾体取付部415aに取り付けられ、図4(b)では、吊り下げ部材440bが装飾体取付部415cに取り付けられている。このように、複数の装飾体取付部を備えることは、吊り下げ部材および装飾部材の配置を微調整することを可能にし、それによって、髪留め体の取付位置を変更することなく装着者を前面から見た場合の装飾体の見え方を微調整することができる。そして、装着者の耳480の下端より鉛直下方に装飾部材450が配置されるように、吊り下げ部材440a、440bの長さが選択され、または調整される。
また、本開示に係る装飾具において、吊り下げ部材は、複数の装飾体取付部のうちの2つ以上に取り付けられてもよい。図4(c)の例では、吊り下げ部材440cは、2つの装飾体取付部415a、415cに取り付けられている。この場合、吊り下げ部材440cの髪留め体410への取り付けが強化され得、例えば、吊り下げ部材440cが2つの装飾体取付部のうちのいずれか一方から外れた場合であっても、もう一方の装飾体取付部への取り付けが維持されることにより、装飾体が髪留め体から完全に外れることを防ぎ得る。また、吊り下げ部材が1つの装飾体取付部に取り付けられる場合(例えば、図4(a)および図4(b))、吊り下げ部材は線形状をなし得るが、図4(c)に示されるように吊り下げ部材が2つの装飾体取付部に取り付けられる場合、吊り下げ部材は、略三角形の形状を形成し得る。これにより、吊り下げ部材が形成する形状による美感を新たに発揮することができる。例えば、図4(c)の例において、吊り下げ部材440cは装着者の髪の毛上に配置され、髪飾りとしての装飾性を発揮し得る。複数の装飾体取付部に取り付けられたときに吊り下げ部材が形成する形状は、略三角形に限定されず、略円形、略四角形、略ハート形、または略星形等の任意の他の形状を含み得、これらの形状は、吊り下げ部材の構成および髪留め体における装飾体取付部の配置に依存し得る。また、吊り下げ部材440cが1つの装飾体取付部415aのみに取り付けられる場合と比較して、吊り下げ部材440cが2つの装飾体取付部415aおよび415cに取り付けられる場合には、髪留め体410から装飾部材450までの鉛直方向の距離は短くなり、耳480から装飾部材450までの水平方向の距離は長くなる。このように、同一の吊り下げ部材であっても、吊り下げ部材が取り付けられる装飾体取付部の数を変更することによって、装飾部材が配置される位置(例えば、鉛直位置および水平位置)を調整することが可能である。
本開示に係る装飾具は、複数の装飾体を備え得る。図5(a)の髪留め体510は、3つの装飾体取付部を備え、そのうちの2つに吊り下げ部材540aおよび吊り下げ部材540bが取り付けられている。2つの吊り下げ部材540a、540bは、それらの長さが互いに異なるので、装飾具が装着されたとき、装飾部材550aおよび550bは、鉛直方向に離間して配置される。これにより、装着者を前方から見たときに、複数の装飾部材が視認されることが可能となり、1つの装飾体が取り付けられる場合と異なる装飾効果を発揮し得る。装飾部材550aおよび装飾部材550bは、同一の装飾部材であってもよいし、異なる装飾部材であってもよく、所望される装飾効果に合わせてそれらの大きさ、色、形状、および素材が選択され得る。
さらに、本開示に係る装飾具は、髪留め体の取付位置および吊り下げ部材の長さを変化させることによっても、他の装飾性を提供し得る。図5(b)は、本開示に係る装飾具が髪飾りとして用いられる場合を図示している。髪留め体510’は、図4における髪留め体410よりも耳から遠い位置に取り付けられており、吊り下げ部材540’は、吊り下げ部材440a、440bより十分に長く、それによって、装飾部材550’は耳より遥か鉛直下方に位置付けられている。これにより、装飾部材550’は、周囲の髪の毛の中に配置され、髪飾りとしての装飾性を提供し得る。
次に、本開示に係る装飾具の第二の実施形態を説明する。図6は、装飾具600を示しており、装飾具600は、第1の髪留め体610と、第2の髪留め体610’と、装飾体630とを備える。第1の髪留め体610は、対の髪挟持部材612aおよび612bを備え、第2の髪留め体610’は、対の髪挟持部材612’aおよび612’bを備える。装飾具600は、2つの髪留め体を備えることにより装着者に2箇所で取り付けられるため、装飾体の重量により髪の毛の付け根に掛かる負担を分散させることができ、かつ、より髪の毛に対して強固に取り付けられることができる点で、装飾具100より有利であり得る。
第1の髪留め体610および第2の髪留め体610’は、装飾体630の重量を一体となって負担するように構成され得、例えば、2つの別個の髪留め体を結合させて一体化されたものでもよいし、製造において一体的に成形されたものでもよい。図6の装飾具600は、図1に示される髪留め体110と同様の髪留め体を2つ結合部材626で結合することによって形成されている。また、装飾具600における2つの髪留め体の配置は任意であり、例えば、2つの髪挟持部が平行に隣り合って配置されてもよいし、2つの髪留め体が互いに0度でない角度をなして配置されてもよい。もっとも、装飾体630の重量によって髪留め体が一方向に滑って装着者の髪の毛から外れることを回避するために、2つの髪留め体は、互いに0度でない角度をなして配置されることが好ましい。図6の例では、第1の髪留め体610の挿入方向601と第2の髪留め体610’の挿入方向601’とが角度αをなして配置されている。角度αは、0度でない任意の角度であり得、例えば、30度、45度、または90度であり得る。さらに、装飾具600は、2つの髪留め体を互いに対して枢動させる機構を備え得、それによって、2つの髪留め体の挿入方向のなす角度が変更可能であり得る。図6の装飾具600では、結合部材626が2つの髪留め体をヒンジ固定しており、それによって、2つの髪留め体が結合部材626まわりに互いに枢動可能である。このような構成により、髪留め体600は、装着者の髪型、髪の毛の流れ、取付位置に合わせて変形することが可能である。
装飾具600の髪留め体は、1以上の装飾体取付部を備える。図6における装飾具600は、第1の髪留め体610および第2の髪留め体610’の両方が装飾体取付部を備えるように描写されているが、第1の髪留め体610または第2の髪留め体610’のいずれか一方のみが装飾体取付部を備えていてもよい。また、2つの髪留め体が重なる部分に形成される空間628が装飾体取付部として用いられてもよい。好ましくは、髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え、吊り下げ部材640は、複数の装飾体取付部のうちから選択的に取り付けられることが好ましい。図6に示される装飾具600の髪留め体610は、10個の装飾体取付部を備え、そのうちの装飾体取付部615dに吊り下げ部材640が取り付けられている。前述されるように、吊り下げ部材640は、装飾部材650を配置することを所望する位置に合わせて他の装飾体取付部に付け替え可能であり得る。
装飾体630は、装飾部材650と、装飾部材650を髪留め体610に取り付ける吊り下げ部材640とを備える。図6における吊り下げ部材640は、ループ形状の糸である。吊り下げ部材640は、ループ形状を開放するための機構を備え、この機構を作動させてループ形状を開放することにより、吊り下げ部材640が装飾体取付部に取り付けられる。装飾体630は、前述の装飾体130と同様であるため、説明を省略する。
次に、本開示に係る装飾具の第三の実施形態を説明する。図7は、装飾具700を示しており、装飾具700は、髪留め体710と、装飾体730とを備える。
髪留め体710は、環状の弾性素材(例えば、ゴム、エラストマ等)で形成されている。髪留め体710は、1つの静止状態を有し、その静止状態から周方向に伸張するように構成され得る。髪留め体710は、取り付け時、静止状態において髪留め体によって取り囲まれる面積より大きい断面積を有する髪の毛の束をその内部に通すために周方向に伸張させられ、髪の毛の束を通した後、静止状態に戻るように周方向に収縮させられることにより、髪の毛の束を結束して、髪の毛に対して固定され得る。
髪留め体710は、3つの装飾体取付部715a~715cを備え、装飾体730の吊り下げ部材740が、装飾体取付部のうちの1つに選択的に取り付けられ得る。装飾体取付部の構成は、上で説明されたものと同様であるため、説明を省略する。
装飾体730は、吊り下げ部材740と装飾部材750とを備える。装飾体730の構成は、上で説明された装飾体と同様であるため。説明を省略する。
装飾具700の髪留め体710は、髪留め体110および髪留め体具610と異なり、髪の毛を結束して髪の毛に固定されるため、髪の毛を結束して形成される髪型(例えば、ポニーテール、ツインテール等)と装飾具との組み合わせによるさらなる装飾効果を提供することを可能にし得る。さらに、髪留め体710は、髪留め体110および髪留め体610よりさらに軽量であり得るため、髪留め体が取り付けられる髪の毛の付け根への負担をさらに低減させることが可能である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本開示の具体的な好ましい実施形態の記載から、本開示の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本開示は、身体への負担が少ないながらも耳飾りと同様の装飾性を有する新規の装飾具を提供するものとして有用である。
100 装飾具
101 挿入方向
102 変形方向
110 髪留め体
112a 第1の髪挟持部材
112b 第2の髪挟持部材
113 第1端
114 第2端
115a~115e 装飾体取付部
116 空間
130 装飾体
140 吊り下げ部材
142 着脱機構
150 装飾部材
101 挿入方向
102 変形方向
110 髪留め体
112a 第1の髪挟持部材
112b 第2の髪挟持部材
113 第1端
114 第2端
115a~115e 装飾体取付部
116 空間
130 装飾体
140 吊り下げ部材
142 着脱機構
150 装飾部材
Claims (6)
- 装飾具であって、前記装飾具は、
装飾部材と吊り下げ部材とを備える装飾体と、
前記吊り下げ部材が取り付けられる1以上の装飾体取付部を備える髪留め体と
を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、装飾具。 - 前記髪留め体は、複数の装飾体取付部を備え、前記装飾体は、前記複数の装飾体取付部のうちの1つを選択して取り付けられる、請求項1に記載の装飾具。
- 前記吊り下げ部材は、約3cm以上の長さを有する、請求項1または2に記載の装飾具。
- 前記髪留め体は、2つの髪挟持部材を備え、前記髪留め体は、前記2つの髪挟持部材が互いに結合されている第1端と、前記2つの髪挟持部材が開放されている第2端とを備え、
前記1以上の装飾体取付部は、前記髪留め体において、前記第2端より前記第1端に近い位置に配置されている、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の装飾具。 - 前記髪留め体は、ヘアクリップである、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の装飾具。
- 請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の装飾具において使用される髪留め体であって、
前記髪留め体は、前記装飾具の前記吊り下げ部材が取り付けられるように構成された複数の装飾体取付部を備え、
前記髪留め体は、頭部に取り付けられるように構成されている、髪留め体。
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