JP2022170871A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

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Shota Koike
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【課題】組付け性を向上したヘッドアップディスプレイを提供する。【解決手段】 ウインドシールドWSへ表示光Liを出射することで虚像Vを表示するヘッドアップディスプレイ1であって、表示光Liを生成するディスプレイと、表示光LiをウインドシールドWSへ出射する開口51を有し、ディスプレイを収容する一体又は組物で成る筐体(下ケース50a及び上ケース50b及び下カバー50c)と、筐体へネジ又はフック又は接着で固定される基材311と、表示光Liを反射し、基材311に施される鏡面312と、を備えるヘッドアップディスプレイ1。【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイに関する。
従来のヘッドアップディスプレイとして、例えば特許文献1や特許文献2に示される構成が知られていた。
特開2017-171041号公報 国際公開2018-198821号公報
特許文献1では、第1反射部(41)として平面鏡(41a)と第1ホルダ(41b)を備えるヘッドアップディスプレイ(10)が記載されている。
特許文献2では、第1ミラー(14)とステイ(32)を備えるヘッドアップディスプレイ(10)が記載されている。
これらのヘッドアップディスプレイでは、未だ組付け性の観点で改善の余地があった。そこで本発明の目的とするところは、上述課題に着目し、組付け性を改善したヘッドアップディスプレイを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイは、
透過反射部材へ表示光を出射することで虚像を表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記表示光を生成するディスプレイと、
前記表示光を前記透過反射部材へ出射する開口を有し、前記ディスプレイを収容する一体又は組物で成る筐体と、
前記筐体へネジ又はフック又は接着で固定される基材と、
前記表示光を反射し、前記基材に施される鏡面と、を備える。
本実施形態におけるヘッドアップディスプレイ1の断面を示す図。 補正鏡31の外観を示す図。 筐体へ固定された状態の補正鏡31の外観を示す図。 遮光壁50a1がステイ314を覆い隠す様子を示す図。
以下に、本開示のヘッドアップディスプレイを実施形態として例にあげ、添付図面を用いて説明する。

1.第一実施形態
<1-1.全体の構成について>
<1-2.補正鏡31について>
2.変形例
[1.第一実施形態]
<1-1.全体の構成について>
図1は、ヘッドアップディスプレイの一例であるヘッドアップディスプレイ1(HUD1)のY-Z平面における断面を示す図である。HUD1は車両Cに搭載される透過反射部材の一例であるウインドシールドWSの略下方に搭載される。加えて、ウインドシールドWSの略下方に位置する覆い部材の内部に搭載される。覆い部材は、例えば車両Cの計器やセンターインフォーメーションディスプレイなどを収容するインストルメントパネルPであったり、合成樹脂や皮革で覆われる外装筐体であったりするとよい。
HUD1は表示光LiをウインドシールドWSへ出射する。表示光LiはHUD1の内部の照明手段、表示手段により生成される。生成された表示光Liは光学系(後述の補正鏡31や凹面鏡32)を伝うことで、筐体50の開口51から出射される。乗員(利用者)は視点EPからウインドシールドWSに反射した表示光Liを視認することで、ウインドシールドWSからF方向へ数メートルから数十メートル離れた位置に矩形の虚像Vを見ることができる。この場合、運転席に乗車した利用者がHUD1による表示出力を利用できるようにしている。
なお、後述の表示面の一例であるスクリーン23の中心と、虚像Vを視認可能な空間の中心であるアイボックス中心を結ぶ光線をガットレイGRと呼称する。
虚像Vには例えば車両Cの速度やエンジン回転数と言った車両情報や、ターンバイターンや地図などの経路案内表示、ブラインドスポットインジケータや制限速度超過警告などの警告表示など、乗員(利用者)へ注意喚起する必要性が高い情報が表示される。これにより視点移動及び眼の焦点距離調整の必要が低減された運転環境が提供される。虚像Vにはこれら情報を示す文字やアイコンの他、背景部分も含まれており、乗員からの平面視ではこれは例えば略矩形状を為している。
HUD1はプロジェクター21、フィールドレンズ22、スクリーン23、補正鏡31、凹面鏡32、制御基板(図示されない)、筐体50、カバーガラス52を備える。
プロジェクター21及びフィールドレンズ22、スクリーン23は、表示面(スクリーン23)から表示光Liを出射するディスプレイの一構成例であり、以下の構成に限られるものではない。
プロジェクター21はフィールドシーケンシャル方式により投影光PLを出射し、赤色光源、緑色光源、青色光源、ダイクロイックミラー、DMD(Digital micro-mirror Device)、プリズム、投射レンズ(射出瞳を含む)などから構成される公知のプロジェクターを適用できる。
赤色光源、緑色光源、青色光源は各色LEDで構成され、電気的に接続された制御基板から送信される信号に応じて順次点灯を行う。点灯すると、各光源の図面上方向にそれぞれ位置するダイクロイックミラーに向けて各色光線(照明光)を射出する。各色LEDで構成するのではなく、各色の透過型カラーフィルタを射出方向に設けた白色LEDでも構成でき、回転透過型である各色が外縁に均等に塗布されたカラーフィルタでも構成できる。
ダイクロイックミラーは所定の波長域の光を透過、または反射することができる反射透過部材であって、各色光線をDMDが位置する方向へ透過/反射する。
Digital Micro-mirror DeviceであるDMDは、照明光の入射面内にマトリクス状に並んだ微小の鏡の角度を制御基板からの制御信号に応じて変化させることで、光を所定の方向へ反射させる光変調素子である。本実施形態では鏡の角度に応じてダイクロイックミラーを透過/反射した各色光線をプリズムの方向とそれ以外であって虚像Vの表示に影響しない方向へ反射する。
プリズムはDMDに入射する各色の照明光を透過し、DMDから反射された各色光線は投射レンズへ向けて反射するべく保持されているプリズムである。
投射レンズは少なくとも1枚のレンズで構成され、プリズムで反射された光線を投影光PLとしてスクリーンに結像するように出射する。
プロジェクター21は、上記の構成により各色光源を選択反射することで投影光PLを出射する。
フィールドレンズ22は、スクリーン23の近傍に配設され、特に外周部分の像を鮮明にするために投影光PLの配光を調整するレンズである。そのため、スクリーン23とフィールドレンズ22は略平行な位置に設けられることが望ましい。
スクリーン23はマイクロレンズアレイ、拡散板などから構成できる透過型スクリーンであり、投影光PLを表示光として補正鏡31へ向けて拡散透過する部材である。スクリーン23は投影光PLにより照らされることで表示光Liを射出する。
以上の構成で、表示面(スクリーン23)から表示光Liを出射するディスプレイが構成される。
補正鏡31と凹面鏡32は反射光学系を構成している。反射光学系はスクリーン23が発した表示光LiをウインドシールドWSへ出射するべく反射を行う。
補正鏡31は、例えば自由曲面鏡である。補正鏡31は、特に図面縦方向に凹形状、図面奥行方向に凸形状を示す、自由曲面形状を有する鏡である。この形状に因って、表示光Liを図面上下方向にクロスさせるように反射している。詳細な構成は後述される。
凹面鏡32は第一の表示光を拡大しつつ、筐体50の開口(カバーガラス52)方向へ反射する反射部材である。補正鏡31や凹面鏡32は、基材としてPC-PET(ポリカーボネート ポリエチレンテレフタレート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂、アクリル)などの合成樹脂や無機ガラスが適用可能である。これらの鏡は、鏡面にアルミ蒸着などを施すことで形成可能である。
光学系を構成する鏡は、他の態様であってもよい。
例えば、板状のガラス基材の片面に膜圧が異なる多層の干渉膜を蒸着などの方法で形成し、赤外光は透過し、少なくとも可視光は反射するコールドミラーであったり、偏光特性を有する鏡であったり、通常の平面鏡などでも良い。
透光性カバーの一例であるカバーガラス52は厚さが一様な板状である透明合成樹脂基材が適用でき、例えばPMMAや、ポリカーボネートで構成できる。カバーガラス52は筐体50の開口51を塞ぐように湾曲しながら貼付される。詳細な構成は後述される。
制御基板は所定プログラムや各種データの格納、演算時の記憶領域などに用いる図示しないROMやRAM等の記憶部と、前記所定プログラムに従って演算処理するためのCPUと、入出力インターフェース等を設けたマイクロコンピュータを適用できる。制御基板は、外部の車載機器から受信した車両情報に基づき、表示手段に表示する画像を生成したり、表示手段の表示を制御したり、照明手段の照度を制御したりする。
筐体は樹脂や金属の成形品を適用できる収容体であり、表示光Liを装置外へ射出するための開口51を有し、この開口51を覆う様にカバーガラス52が貼付されている。内部にはプロジェクター21、フィールドレンズ22、スクリーン23、補正鏡31、凹面鏡32、制御基板が嵌合、係止、接着部材による接着、ビスによる螺合といった公知の手段で固定される。筐体は、下ケース50a、上ケース50b、下カバー50cの組物として形成されている。なお、これらは一体の構造で構成されていても良い。
<1-2.補正鏡31について>
図2及び図3を参照しつつ、補正鏡31について説明を行う。
図2は補正鏡31の外観を示し、図3は、筐体へ組み付けられた状態の補正鏡31の外観を示す。補正鏡31は、筐体に対して、ネジで固定される。なお、補正鏡31は、ネジやフックと言った固定部品を用いた固定方法や、接着、溶接などの方法によって筐体へ固定されていればよい。
なお、補正鏡31は、自身に沿う形状で直接覆うようなホルダを設けるべきではない。そのような構成では、従来技術のような組付け性が向上できていない構成となってしまうためである。したがって、補正鏡31は、基材に鏡面が施された単体の鏡として、直接筐体へ固定されるような構成であるとよい。特に、この筐体は表示光Liが通過する光路を区画するような筐体であると、最小の筐体構成とすることができる。
補正鏡31は、基材311,鏡面312,ステイ313,314を設ける。
基材311は、硬質合成樹脂や金属で形成され、後述の構成で筐体へ固定される基材である。基材311は、一面に鏡面312が直接設けられることで、従来の鏡部材とこれを保持する保持部材とが分割されている構成と比較して、部品点数が減少し組付け性を向上することができている。
鏡面312は、可視光に対して高い反射率(例えば90%以上)を示すように基材311に表面加工を施した面である。表面加工方法は、例えばアルミニウムや銀、ニッケルなどの金属のメッキを施す手法や、誘電体多層膜を施す手法、可視光を反射できる光学フィルムを貼付する手法などが適用され得る。基材に直接鏡面を施せるような手法であればよい。
鏡面312は、湾曲した略長方形の形状を為している。すなわち、鏡面312は、上長辺312a、下長辺312b、右短辺312c、左短辺の四辺で囲われた領域に施されている。左短辺は図示されていないが、鏡面312とステイ313の境界が左短辺に相当する。
基材311は、鏡面312の対向する二辺に対応する箇所に、ステイ313,314を設ける。また、当該対向する二辺は右短辺312cと左短辺である。筐体(下ケース50a)は、当該ステイを隠すべく、遮光壁50a1及び遮光壁50a2を設ける。ステイ313,314は、基材311と一体であるものの、鏡面312が施されていない。したがって、鏡面312を形成する段階で、何らかの成分がステイ313,314へ付着したり、ステイ313,314の外観が乱れたりする虞がある。例えば、金属の蒸着を行うときに、蒸着する成分が鏡面312からはみ出ることで、ステイ313,314に意図せず反射面が形成される可能性がある。このような意図しない反射面がヘッドアップディスプレイを構成する部品に生じると、迷光の発生原因となりかねず、不良品とする場合がある。しかしながら、このようにステイ313,314が遮光壁50a1,50a2に隠されることで、ステイ313,314に外観不良が生じた場合でも、不良品とせず製品に適用することが可能になり、ひいては製造コストの削減につながる。
遮光壁50a1,50a2は、開口51を経由し凹面鏡32へ入射した光線がステイ313,314に到達しない程度にステイ313,314を覆い隠す。このような光線がステイ313,314や角張った箇所へ到達してしまうと、外光が入射した際にユーザの視点EPへ到達してしまう虞が増大する。したがって、遮光壁50a1,50a2は上述の程度、ステイ313,314を覆い隠すとよい。特に、遮光壁50a1,50a2は、鏡面312の境界、または鏡面312とステイがなすエッジを隠すとなお良い。図4には、遮光壁50a1がステイ314を覆い隠しているおかげで、凹面鏡を通して視認できない様子の一例が示されている。なお、図4は、開口51の左後方隅から凹面鏡32の中央付近に入射し、補正鏡31方向へ反射される光線SLを追った視点を示している。なお、凹面鏡からのあらゆる光線を遮光壁が防ぐ必要は無く、開口を経由して凹面鏡へ入射した光線が防げれば十分である。
また別の観点では、遮光壁50a1,50a2は、開口51を経由して直接補正鏡31へ直接入射するような外光についても、ステイ313,314へ入射しないよう覆い隠すように設けられると、なお良い。この構成に拠れば、さらに迷光の発生を抑制することができる。
補正鏡31は、前述の通り、表示光Liをクロスするように反射するが、この短辺が向く方向(略鉛直方向)で表示光Liがクロスするように反射する。このように、補正鏡31は、長手方向(略水平方向)よリ短手方向に対して倍率が強い補正鏡であるため、短手方向の意図しない歪みは表示品位に大きく影響を与える。そのような構成では、ステイ313,314を右短辺312cと左短辺(短手方向)に沿わせるように形成することで、短手方向の歪みが発生しづらくなり、表示品位を向上できる。なお、一般的に虚像Vの形状は略水平方向に長い方がユーザにとって視認しやすいので、これに起因して表示光Liは短手方向(略鉛直方向)にクロスさせた方が、装置の大型化を防ぐことができる。
[2.変形例]
なお、本発明の車両用ヘッドアップディスプレイを上述した実施の形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。
例えば、プロジェクター21、フィールドレンズ22、スクリーン23がディスプレイを構成する態様を例示したが、これに限らない。例えば、節1-1では、フィールドレンズ22が必須の構成では無いため、例えば液晶表示素子や有機EL表示素子などによる電子ディスプレイを表示面として適用したディスプレイを適用しても良い。
また、プロジェクター21には、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)やTFT(Thin Film Transistor)を光変調素子として適用した態様であってもよい。
また、光学系を構成する鏡として補正鏡31と凹面鏡32が適用される態様が示された。しかし、これらは他の鏡部材であってもよく、例えば平面鏡やコールドミラーであってもよい。
また、投影光PLが直接スクリーン23へ投影される態様が示された。投影光PLは、スクリーン23とプロジェクター21の間で適宜鏡による反射が行われてもよい。
C 車両
V 虚像
EP 視点
WS ウインドシールド
P インストルメントパネル(覆い部材)
E 第一の辺

PL 投影光
Li 表示光
SL 太陽光
GR ガットレイ

1 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
21 プロジェクター
22 フィールドレンズ
23 スクリーン
31 補正鏡
32 凹面鏡
50 筐体
50a 下ケース
50b 上ケース
50c 下カバー
51 開口
52 カバーガラス(透光性カバー)

Claims (6)

  1. 透過反射部材へ表示光を出射することで虚像を表示するヘッドアップディスプレイであって、
    前記表示光を生成するディスプレイと、
    前記表示光を前記透過反射部材へ出射する開口を有し、前記ディスプレイを収容する一体又は組物で成る筐体と、
    前記筐体へネジ又はフック又は接着で固定される基材と、
    前記表示光を反射し、前記基材に施される鏡面と、を備える
    ヘッドアップディスプレイ。
  2. 前記鏡面は、アルミニウムや銀やニッケルなどの金属のメッキまたは誘電体多層膜で形成される
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
  3. 前記鏡面は、略長方形を為しており、
    前記基材は、前記鏡面の対向する二辺に対応する箇所にステイを設け、
    前記筐体は、前記ステイを覆うように遮光壁を設ける
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
  4. 前記開口へ前記表示光を反射する凹面鏡を更に備え、
    前記遮光壁は、前記開口を経由して前記凹面鏡に入射した光線が前記ステイに到達しない程度に前記ステイを覆い隠す
    請求項3に記載のヘッドアップディスプレイ。
  5. 前記鏡面は、前記表示光を略鉛直方向にクロスさせるように反射する形状を為しており、
    前記基材は、略水平方向に対して長い
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
  6. 前記鏡面は、略長方形を為しており、
    前記鏡面の短手方向は、鉛直方向と略一致する
    請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ。
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