JP2022170677A - 除菌剤可視化シート、除菌剤可視化粒子、これらを用いた除菌剤可視化方法、及び情報取得システム - Google Patents

除菌剤可視化シート、除菌剤可視化粒子、これらを用いた除菌剤可視化方法、及び情報取得システム Download PDF

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Abstract

【課題】 長期の保存が可能で、かつ簡便に除菌剤の付与を目視で確認できる材料を提供すること。【解決手段】 基材と、前記基材の上に設けられた呈色部とを有し、前記呈色部は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有する除菌剤可視化シート。【選択図】 図1

Description

本発明は除菌剤可視化シート、除菌剤可視化粒子、及びこれらを用いた除菌剤可視化方法に関する。
近年は感染症のリスクが高まっており、医療体制に鑑みて都市のロックダウンも実施される。日常生活においては対面対話が出来ないケースが増えており、コワーキングスペースなどの公共性が高い空間においては稼働率が下がったり、当該施設の利用者の生産性が低下したり、あるいは事業機会の損失も発生したりしている。ひいては経済の低下を招くことも懸念される。
そこで清掃や除菌の行為が重要視され、当該行為を可視化する技術が開示されている。
特許文献1では清掃における除菌操作を紫外域の蛍光材料で可視化している。しかしながら当該技術では特殊な道具を要するため、簡便性に欠ける。
また特許文献2では除菌剤とpH応答性色素との反応で当該色素の発色が変化する技術が開示されている。しかしながら、この方法では2つの反応性物質を1液に混合して使用されるため、長期保存が難しい。
また、特許文献1、2では除菌剤の付与を可視化できる材料は開示されているが、除菌対象が多い場合に、除菌剤の付与状況をどのように記録や管理するかについては開示されていない。除菌対象が多い場合、除菌剤が付与されたことを人が手書きで記録したり、コンピュータ等に入力することで記録すると、手間がかかる上に、付与状況を誤って記録する可能性がある。
米国特許第8519360号明細書 米国特許出願公開第2017/0336373号明細書
そこで本発明では、長期の保存が可能で、かつ簡便に除菌剤の付与が目視で確認できる、除菌剤可視化シート、及び除菌剤可視化粒子を提供することを目的とする。
また、本発明では、除菌剤の付与に関する情報を正しく、簡便に取得する情報取得システムを提供することを目的とする。
本発明に係る除菌剤可視化シートは、基材と、前記基材の上に設けられた呈色部とを有し、前記呈色部は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有することを特徴とする。
別の本発明に係る除菌剤可視化粒子は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する除菌剤可視化粒子であって、前記除菌剤可視化粒子は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤と、前記可視化剤を担持する担持粒子とを有することを特徴とする。
本発明に係る除菌剤可視化方法は、基材と、前記基材の上に設けられた呈色部とを有し、前記呈色部は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有する除菌剤可視化シートを被除菌面に設ける工程と、前記被除菌面に設けられた前記除菌剤可視化シートに除菌剤を付与する工程とを有することを特徴とする。
別の本発明に係る除菌剤可視化方法は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する除菌剤可視化粒子であって、前記除菌剤可視化粒子は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤と、前記可視化剤を担持する担持粒子とを有する除菌剤可視化粒子を被除菌面に付与する工程と、前記被除菌面に設けられた前記除菌剤可視化粒子に除菌剤を付与する工程とを有することを特徴とする。
また、別の本発明に係る情報取得システムは、本発明に係る情報取得システムは、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤が設けられた被除菌領域の画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報に基づいて、前記被除菌領域の前記呈色状態を判定して判定結果を出力する判定手段と、前記判定結果に基づいて、除菌剤の付与に関する情報を取得する付与情報取得手段とを有する。
本発明に係る除菌剤可視化シート、及び除菌剤可視化粒子によれば、長期の保存が可能で、かつ簡便に除菌剤の付与を目視で確認できる。
また、本発明に係る情報取得システムによれば、除菌剤の付与に関する情報を正しく、簡便に取得することができる。その結果、除菌対象が多い場合でも、除菌剤が適切に付与された状態を実現できる。
本発明の第一の実施形態に係る除菌剤可視化シートの模式図である。 本発明の第一の実施形態に係る除菌剤可視化シートの一例を示す模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る除菌剤可視化粒子の模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る除菌剤可視化シートの他の例を示す模式図である。 本発明の実施形態にかかる情報取得システムを示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる情報取得方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るシステムの一例を示す構成図である。 本発明の実施形態における除菌剤の付与の記録・管理フローの一例を示す図である。 本発明の実施形態における除菌剤の付与の記録・管理フローの一例を示す概念図である。 本発明の実施形態における二次元コードの一例を示す模式図である。 本発明の実施形態における端末502の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるサーバー504の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態における除菌剤の付与の記録・管理フローの変形例1を示す図である。 本発明の実施形態における除菌剤の付与の記録・管理フローの変形例2を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらに限られない。
本実施形態において、被除菌面は机、テーブル、イスなどの什器、床、壁など何でもよく、水平、垂直も問わない。被除菌面は木材、プラスチック、金属表面などとすることもできるが、当該表面にシートを貼付したり、粒子をコーティングしたりして設置できる。
本実施形態は、除菌剤と可視化剤を分離配置し、使用する時に除菌剤と可視化剤が反応する。可視化剤は被除菌面に配置され、除菌剤を当該面に接触させて呈色状態(外観)が変化する。この外観変化を目視で認知できる。
以下、除菌剤可視化シート、除菌剤可視化粒子を例に説明する。
(第一の実施形態 除菌剤可視化シート)
本実施形態に係る除菌剤可視化シート103は、基材102と、基材102の上に設けられた呈色部101とを有する(図1)。呈色部101は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤(不図示)を有する。このように本実施形態に係る除菌剤可視化シートを用いれば、呈色状態の変化を目視することで除菌剤の付与が確認できるため、簡便である。また、除菌剤と可視化剤とが混合されるのは、除菌剤を除菌剤可視化シートに付与したときであり、除菌剤と可視化剤とが混合されている時間が短い。そのため、用いられる材料の長期保存が容易である。ここで除菌剤の付与とは除菌剤が可視化剤に到達していればよく、除菌剤を噴霧することや、除菌剤を含んだダスターによる拭き取ることが挙げられる。
<呈色部>
本実施形態における呈色部は少なくとも可視化剤を有する。呈色部は基材との密着性を向上させるために、バインダーを有しても良い。バインダーとしては樹脂を用いることができ、例えばウレタン樹脂やポリビニルアルコールなどを用いることができる。
本実施形態における呈色部の厚さは1μm以上80μm以下であることが好ましく、5μm以上60μm以下であること好ましく、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。呈色部の厚さを80μm以下とすることで、基材との密着性が良くなり、呈色部の厚を1μm以上とすることで、呈色部の呈色状態が良くなる。
本実施形態における呈色部は、基材の少なくとも一部に設けられていればよく、全面に設けられていてもよい。基材の少なくとも一部に設けられるとは、水玉模様やチェッカーボード模様が挙げられる。また、除菌剤を用いたふき取りを行う際の、拭き取り開始位置や終了位置を呈色部の形成パターンによって示しても良い。また、矩形状の基材上に呈色部を設ける場合、四隅に比べて、中央部付近の呈色部の形成面積を小さくする形成パターンとすることもできる。
<可視化剤>
本実施形態における可視化剤は後述の除菌剤と反応することで呈色状態が変化するものであれば特に限定されない。本実施形態において呈色状態が変化するとは、除菌剤の付与前後で、目視により色の差異を確認できるような変化のことである。例えば、目視で見えない状態から目視で見える状態への変化、目視で見える状態から見えない状態への変化、及び目視により認識できる色の変化のいずれかの変化が生じること、が挙げられる。
ここで、目視により認識できる色の変化は、色の濃淡の変化や、色の変化も含む。色の濃淡の変化とは、例えば濃い赤色から薄い赤色への変化であり、色の変化は赤色から青色への変化といった変化を表す。また、目視により認識できる色の変化として、例えば、無色から有色への変化やその逆といったものも含む。
なお、可視化剤は互いに異なる呈色状態の変化を示す複数の材料を組み合わせて用いても良い。
呈色状態が変化する現象としてはクロミズムがあげられる。クロミズムとしてはフォトクロミズム、サーモクロミズム、エレクトロクロミズム、アシディクロミズム、ソルバトクロミズム、ベイポクロミズムが挙げられる。本実施形態において、これらの現象を生じる物質をクロミック物質と呼び、特に、フォトクロミック物質、サーモクロミック物質、エレクトロクロミック物質、アシディクロミック物質、ソルバトクロミック物質、ベイポクロミック物質と呼ぶことができる。
アシディクロミック物質はpHの変化により色が変化するものであり、それぞれの物質の性質により発色範囲が異なる。例えば、メタニルエロー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリンO、2,4-ジニトロフェノール、メチルエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴーレッド、メチルオレンジ、ブロモクロロフェノールブルー、アリザリンレッドS、ブロモクレゾールグリーン、メチルオレンジ-キシレンシアノールFF、2,5-ジニトロフェノール、メチルオレンジ-インジゴカルミン、メチルレッド、メチルオレンジ-キシレンシアノールFF-フェノールフタレイン、ラクモイド、クロロフェノールレッド、o-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール、ブロモクレゾールグリーン-メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、メチルレッド-メチレンブルー、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、ニュートラルレッド-ブロモチモールブルー、クレゾールレッド、α-ナフトールフタレイン、ブロモチモールブルー-フェノールレッド、クルクミン、フェノールフタレイン、クレゾールレッド-チモールブルー、o-クレゾールフタレイン、α-ナフトールベンゼイン、チモールフタレイン、チモールブルー-フェノールフタレイン、アリザリンエローGG、アリザリンエローR、トロペオリンO、ニトラミン、1,3,5-トリニトロベンゼン、インジゴカルミン、メチルバイオレット、リトマス、及びメチルパープルで構成される群から選択される少なくとも一種である。低毒性という観点で、メタニルエロー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリンO、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、アリザリンレッドS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ラクモイド、クロロフェノールレッド、o-ニトロフェノール、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、α-ナフトールフタレイン、フェノールフタレイン、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンエローGG、アリザリンエローR、トロペオリンO、メチルバイオレット、リトマス、メチルパープルが望ましい。pHが3以上11以下で色が変化するので、さらに望ましいのは、メタクレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリンO、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、アリザリンレッドS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ラクモイド、クロロフェノールレッド、o-ニトロフェノール、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、α-ナフトールフタレイン、フェノールフタレイン、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンエローGG、アリザリンエローR、リトマス、メチルパープルである。pHがアルカリ性の範囲で色が変化する物質は、p-ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエロー、トロペリオン、及びインジゴカルミンで構成される群から選択される少なくとも一種である。アルカリ性の除菌剤の時はアルカリ性で、酸性の除菌剤の時は酸性で色が変化するとことそれぞれ望ましい。
可視化剤は2種類以上用いても良い。例えば、呈色を維持する時間が異なる可視化剤を用いることで、除菌剤が接触してからの時間をインジケータとして表示することができるので望ましい。
また、可視化剤が、文字情報やイメージ情報(図)、またはイメージ情報と文字情報の両方を示すように設けられていても良い。文字情報やイメージ情報は特に限定されないが、それが表れることで、被除菌領域の利用者に喜ばれるようなものであると、利用者が自主的に除菌剤の付与を行いやすくなると考えられる。また可視化剤は除菌剤の揮発に伴い色が変化し、回復する。ここで、回復するとは、除菌剤が付与される前の状態に戻るということである。呈色状態が可逆的であると言い換えることもできる。なすなわち、本実施形態における可視化剤は、除菌剤が付与されることで一定時間、呈色状態が変化し、その後、除菌剤が付与される前の状態に戻るものを用いることができる。例えば、目視で見えない状態の可視化剤に除菌剤が付与されることで目視で見える状態へと呈色状態が変化し、一定時間経過すると、目視で見えない状態に戻るようにすることができる。このように、可視化剤が可逆的であることで、除菌を繰り返し行う必要があるような状況で用いることができる。
可視化剤は2種類以上用いても良い。例えば、呈色を維持する時間が異なる可視化剤を用いることで、除菌剤が接触してからの時間をインジケータとして表示することができるので望ましい。
<基材>
本実施形態における基材としては、基材の上に呈色部を設けられるものであればよい。
基材が樹脂シートである場合、軽量で柔軟であるため好ましい。樹脂シートとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン-4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等の脂肪族ポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体樹脂;三酢酸セルロース、セロハン等のセルロース系樹脂;ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の、その他の合成樹脂;等が挙げられる。樹脂シートは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を複合あるいは積層して用いてもよい。基材には呈色部を保持する受容層を設けることが好ましい。なぜなら、可視化剤がインクである場合、受容層が保持しやすいからである。
本実施形態における基材の受容層は前記可視化剤と反応しないことが望ましい。例えば、アルカリ性で呈色する可視化剤の場合は、受容層は中性または酸性であることが望ましい。受容層と可視化剤が反応してしまうと除菌剤と反応する前に呈色してしまうので望ましくない。
本実施形態における基材は透明でも不透明でも色がついていてもよい。可視化剤が除菌剤と反応する前に色ついている場合はその色近傍の色がついていることが望ましい。
なお、本実施形態における基材として、剥離紙、金属板、木材などを利用できる。また、基材を他の部材に接着するために接着部が設けられていてもよい。接着部は、基材の全面の設けられていても、一部に設けられていても良い。一部に設けられた構成は、はがしやすい。また、接着部はUV硬化樹脂を含むことではがしやすくなる。
また、基材が紙である場合、可視化剤を紙になじみやすくするためにアニオン性、カチオン性、ノニオン性などの界面活性剤が呈色部に含まれていてもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系化合物などのノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
<保持部>
本実施形態における除菌剤可視化シート103は、呈色部101の上に除菌剤を保持する保持部104を有していても良い(図2)。保持部103は除菌剤を保持する時間を長くできるため、除菌剤が可視化剤と反応して呈色する時間を長くすることができる。また保持部103に設けられる材料を適宜選択することで、呈色する時間を制御することができる。例えば、目視できるような呈色状態から、目視できない状態への変化する時間を制御できる。
そのような機能があることから保持部は消色時間制御部と言い換えることもできる。
保持部は塗布された除菌剤を保持するために空隙を有することが望ましい。例えば保持部は、複数の無機粒子を含み、前記複数の無機粒子の間に空隙が形成されている構成とすることができる。ここで用いられる無機粒子は、パールネックレス状シリカ粒子、鎖状シリカ粒子、球状コロダイルシリカ、非球状コロイダルシリカ、アルミナ粒子、チタニア粒子、及びジルコニア粒子で構成される群から選択される少なくとも一種である。無機微粒子の粒径の動的光散乱法による粒度分布のピーク位置(以下、単に粒径と呼ぶ)は1nm以上300nm以下であることが好ましく1nm以上150nm以下であることがさらに好ましく、1nm以上60nm以下であることが特に好ましい。特にパールネックレス状シリカ粒子の粒径は20nm以上50nm以下であることが好ましい。また、鎖状シリカ粒子の粒径は1nm以上10nm以下であることが望ましい。粒径を300nm以下とすることで、空隙の量を十分に確保でき、粒径を1nm以上とすることで、無機粒子により形成される空隙の細孔直径を十分に大きくでき、塗布された除菌剤の吸収速度を速くすることができる。空隙の細孔直径は、細孔直径分布曲線は、5nm以上20nm以下の範囲に最大ピークを有することが好ましい。細孔直径のピークが5nm以上だと、除菌剤の吸収速度が速くなり、また、20nmを超えるとヘイズが高くなることがある。ヘイズが高くなると白っぽさが目立つようになるため、呈色部の視認性の低下を低減するためにも20nm以下であることが望ましい。なお、細孔直径の測定は、BET比表面積測定によって求めることができる。
ここで用いられる樹脂は、様々な樹脂から選択することができるが、除菌剤が水系である場合は、水溶性樹脂が好ましい。水溶性樹脂は、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系バインダー、でんぷん及びその変性物、ゼラチン及びそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルション類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸またはその共重合体で構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。
保持部の厚みは均一でなくても良い。例えば、一部の厚みを変えることで除菌剤の保持時間を変えることができる。これにより呈色部の呈色時間を変えることができ、除菌剤が接触してからの時間をインジケータとして表示することもできる。
<保護部>
本実施形態において、呈色部の上に、呈色部を保護する保護部が設けられていてもよい。ここで呈色部の上とは、呈色部と接するように保護部が設けられていても良いし、呈色部の上に保持部が設けられている場合、保持部の上に保護部が設けられていても良い。例えば、保持部として水溶性樹脂を用いた場合、表面が粘稠になるので、保護層でコーティングすることが好ましい。本実施形態における保護部としてはアクリル系樹脂、酢ビ樹脂、塩ビ樹脂、エチレン/酢ビ共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂、及びそれらの共重合体樹脂で構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。また、保護部は、可視化剤が呈色する程度に十分な除菌剤を透過させる構成であることが好ましい。
また、本実施形態における保護部は、耐水性を向上させる耐水材料を有していてもよい。耐水材料としては、親水性樹脂を少なくし、代わりに、疎水性が高く、加水分解しにくいバインダーを用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂を例示できる。
これらの中から1種を用いても、複数種を組み合わせて用いても良い。
用いる量は、インク受容層中のバインダー全体の含有量に対する水溶性樹脂の含有量が20質量%以下になるように前記加水分解しにくいバインダーを含有することが好ましい。
また、本実施形態における保護部は、耐対候性を向上させる耐候材料を有していてもよい。耐候材料としては、紫外線吸収剤や光安定剤であるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系など、ヒンダートアミン系の化合物の何れかを用いることができる。
また、消色時間制御部は除菌剤可視化シートの表面を除菌剤で何度も拭くため、耐久性をもたせることができるので、より好ましい。
<除菌剤>
本実施形態における除菌剤は滅菌、殺菌、除菌などの目的に使用され、上記可視化剤と反応し呈色状態を変化させる液組成物であればよい。有効成分は界面活性剤、塩基性成分、酸性成分、アルコールなどを例示できる。また、塩基性成分としてアルカリ、過塩素酸、次亜塩素酸、さらにはこれらのナトリウム塩を例示できる。本実施形態における除菌剤と可視化剤の反応は液中、あるいは固体-液体の界面において起こればよく、常温常圧条件下でも、加温、冷却、圧力付与の条件下で起こっても良い。原理としては上記のフォトクロミズム、サーモクロミズム、及びエレクトロクロミズム、アシディクロミズム、ソルバトクロミズム、ベイポクロミズムなどを例示できる。また当該反応は不可逆であってもよく、可逆性の反応であってもよい。なお、本実施形態における除菌剤は弱酸性の材料を用いることができる。弱酸性の材料としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸等の有機酸や弱酸性次亜塩素酸水を用いることができる。
<除菌剤可視化シートの別の例>
本実施形態における除菌剤可視化シートの別の例では、呈色部に、可視化剤と、可視化剤を担持する担持粒子とを含む可視化粒子を設けても良い。可視化粒子の集合体を呈色部として機能させることができる。可視化粒子を用いる場合、保湿層と可視化粒子を含む層の位置を微視的に設計できるため、精密な特性の設計が可能となる。
<不可視部>
本実施形態における除菌剤可視化シートのさらに他の例では、上記可視化剤に加えて、複数の原理を組み合わせて使用することができる。上記の呈色部を有するシートに不可視部を設けることができる。本実施形態における不可視部には、紫外域、赤外域の波長の光を吸収するような不可視材料を設けることができる。紫外域、赤外域は近紫外、近赤外を含む。不可視剤を設けることで除菌剤付与の目視確認に加えて第三者視点で追加確認が可能となる。
更に本実施形態における除菌剤可視化シートでは更に別に、サーモクロミズムを組み合わせて使用することが出来る。例えば上記の呈色部に、温度に対して呈色が変わる色素を併用する。これにより除菌剤の有無の呈色変化に加え、使用する環境から温度が変化した際、更に呈色が変化する。これにより指触などの履歴が間接的にわかるようになる。なお、サーモクロミズム色素は公知の物質から選択できる。
本実施形態における不可視材料のうち、赤外域の波長の光を吸収する色素としては、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、金属錯体系色素、ポリメチン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、ジフェニルメタンやトリフェニルメタン系色素、ラジカル系色素、ペリミジン系色素、及びAuナノロッドで構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。紫外域の光を吸収して蛍光を発する色素としては、メロシアニン、ペリレン、アクリジン、ルシフェリン、ピラニン、スチルベン、ローダミン、クマリン、及びフルオレセインで構成される群から選択される少なくとも一種である。
<目視できる波長範囲、赤外域・紫外域の波長の範囲>
本実施形態における目視できる波長範囲は360nm以上830nm以下の波長の範囲の光のことである。また、本実施形態における赤外域の波長の範囲は900nm以上14μm以下、紫外域の波長の範囲は100nm以上400nm以下の波長の範囲の光のことである。
<マーキング組成物>
本実施形態における除菌剤可視化シートに設けられる呈色部は、除菌剤が付与されたかどうか(洗浄されたかどうか)を示すマーキングとして設けられていても良い。本実施形態においてマーキングをするための材料をマーキング組成物と呼ぶことができる。マーキング組成物は、上記可視化剤及び溶媒を含み、溶媒として疎水性溶媒や水性溶媒が挙げられる。疎水性溶媒としてヘプタン、石油エーテル等の有機溶媒等が挙げられ、水性溶媒は水やアルコール等が挙げられる。
本実施形態における水性溶媒として、水又は水を主溶媒としてプロトン性の有機溶媒や非プロトン性の有機溶媒を併用した混合媒体を用いることができる。本実施形態における有機溶媒として、水と任意の割合で混和又は溶解するものを用いることが好ましく、水を50質量%以上含有する均一な混合媒体を用いることが好ましい。水としては、脱イオン水(イオン交換水)や超純水を用いることが好ましい。
プロトン性の有機溶剤は、酸素や窒素に結合した水素原子(酸性水素原子)を有する有機溶剤である。また、非プロトン性の有機溶剤は、酸性水素原子を有しない有機溶剤である。有機溶剤としては、例えば、アルコール類、アルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、カルボン酸アミド類、ケトン類、ケトアルコール類または環状エーテル類などを挙げることができる。
好適に用いることができる水性媒体としては、例えば、水、水/エタノール混合溶媒、水/エチレングリコール混合溶媒または水/N-メチルピロリドン混合溶媒などを挙げることができる。水の含有量は、組成物全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
組成物中の水溶性有機溶剤の含有量は、組成物全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本実施形態におけるマーキング組成物は、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本実施形態におけるマーキング組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。上記界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性などの界面活性剤が挙げられる。マーキング組成物中の界面活性剤の含有量は、組成物全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。上記界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系化合物などのノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
本実施形態におけるマーキング組成物をインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する場合、マーキング組成物は表面張力や粘度を適切に制御したものを用いることが好ましい。具体的には、マーキング組成物中の発色剤化合物濃度は5%~20%程度であることが好ましい。25℃における組成物の表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上50mN/m以下であることが特に好ましい。
また、25℃における組成物の粘度は、1.0mPa・s以上10mPa・sであることが好ましく、1.0mPa・s以上5mPa・s以下であることがさらに好ましい。
<画像記録方法(マーキング組成物の付与方法)>
本実施形態における画像記録方法は、上記マーキング組成物を基材に付与する方法に関する。本実施形態における画像記録方法には種々の方法を用いる事が可能であり、例えば、インクジェット法、フレキソ法、スクリーン法、オフセット法、スピンコーティング法等が挙げられる。例えばインクジェット法は、本実施形態におけるマーキング組成物をインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。マーキング組成物を吐出する方式としては、マーキング組成物に力学的エネルギーを付与する方式や、組成物に熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本実施形態におけるマーキング組成物を用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知の方法を用いることができる。
上記の画像記録方法に加えて、画像記録方法としては電子写真方式を用いることができる。
<トナーの製造方法>
本実施形態の電子写真方式におけるトナーの製造方法は特に限定されないが、例えば下記のトナーの製造方法(1)~(3)が例示できる。
(1)粉砕法
粉砕法によりトナーを製造する際には、まず、可視化剤を分散媒である結着樹脂や他の添加剤とともにヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合する。その混合物をニーダー、エクストルーダー等の熱及び機械的剪断力による熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶させる。溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して目的とする粒径のトナー粒子を得る。
(2)懸濁重合法
懸濁重合法では、例えば、可視化剤、結着樹脂を形成しうる重合性単量体、必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤を、均一に分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に、適当な攪拌器を用いて、得られた重合性単量体組成物を分散・造粒し、重合開始剤を用いて重合反応を行い、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
(3)乳化凝集法
乳化凝集法によりトナーを製造する際には、まず可視化剤、結着樹脂、他の添加剤などの各材料を、分散安定剤を含有する水系媒体中で分散混合する。水系媒体中には、界面活性剤が添加されていてもよい。その後、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行う。さらに必要に応じて、熱による形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する。その後、濾過洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、一連のトナー製造工程の中に可視化剤を結着樹脂中に分散する工程を設けてもよい。可視化剤を結着樹脂中に分散する方法としては、例えば、トナー製造工程中においてマスターバッチを用いる方法が例示できる。即ち、可視化剤が高濃度となるように結着樹脂の一部と混合し、高いシェアをかけながら溶融混練して可視化剤が微分散したマスターバッチを製造する。そして、その後、マスターバッチを残りの結着樹脂で希釈しながら溶融混練する方法である。マスターバッチを製造する際に好適に用いられる溶融混練装置としては、ニーダー、バンバリーミキサー、2本ロール、3本ロールミル等が例示でき、これらは単独、あるいは組み合わせて使用できる。希釈混練する際に用いる溶融混練装置としては、二軸混練機等が例示できる。また、必要に応じて、一連のトナー製造中に可視化剤の凝集を抑制する工程を設けてもよい。
トナー製造中に可視化剤の凝集を抑制する方法としては、例えば、溶融混練工程の後の冷却を急速に行う方法が例示できる。例えば、水冷した金属ベルト上に溶融混練物をシート状に展延することで、溶融混練物を急速に冷却することが可能である。急速に冷却することで、冷却中に生じる可視化剤の凝集を抑制することができる。急速冷却するための好適な冷却装置としては、「高粘度用NRダブル・ベルトクーラー(日本ベルティング社製)」、「冷却固化機ベルトドラムフレーカ(日本コークス工業社製)」、「冷却固化装置ドラムフレーカ(カツラギ工業社製)」等が例示できる。
可視化剤を結着樹脂中に分散する工程と、可視化剤の凝集を抑制する方法は組み合わせて用いてもよい。
<各種添加剤>
トナーは必要により、ワックス、荷電制御剤、及び外添剤などから選ばれる1種以上の添加剤を含有してもよい。また、本開示に係るトナーは、定着画像を可視画像とさせるような着色成分を含有しないことが好ましい。
<ワックス>
ワックスとしては特に限定されないが、無色あるいは淡色のワックスが好ましく、以下のものが挙げられる。
炭化水素ワックス、エステルワックス、アミドワックス、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸など。ワックスは1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては特に限定されないが、無色あるいは淡色の荷電制御剤が好ましく、以下のものが挙げられる。
芳香族オキシカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、スルホン酸(塩)基を有する樹脂、スルホン酸エステル基を有する樹脂など。
荷電制御剤は1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
<外添剤>
外添剤としては特に限定されないが、無色あるいは淡色のものが好ましく、以下のものが挙げられる。シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、窒化ケイ素、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛など。また、外添剤の表面が疎水化処理されていてもよい。
また、外添剤の一次粒子の平均粒径は、トナー粒子の重量平均粒径(D4)の1/10以下の粒径であることが好ましい。
<現像剤>
トナーは、一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。キャリアとしては、例えば鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金など、公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。また、キャリアの表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性粒子を分散した樹脂分散型キャリアを用いてもよい。キャリアの体積平均粒径は、15μm以上100μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。
(第二の実施形態 除菌剤可視化粒子)
本実施形態に係る除菌剤可視化粒子303は除菌剤が付与されることで呈色状態が変化するものである。具体的には、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤302と、可視化剤を担持する担持粒子301とを有する。本実施形態に係る除菌剤可視化粒子303は消色時間制御部を有していても良い。消色時間制御部は必ずしも層状になっている必要はない。消色時間制御部としては多孔質粒子を用いることができる。例えば、メソポーラスシリカ粒子、多孔質シリカ粒子、多孔質チタニア粒子、多孔質ジルコニア粒子、多孔質セリア粒子、多孔質酸化亜鉛粒子、多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、多孔質架橋ポリスチレン粒子、及び多孔質メタクリル酸メチル-スチレン共重合架橋粒子で構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。前記多孔質粒子に前記可視化剤を溶解した溶液を含侵して乾燥することで、呈色部を設けた除菌剤可視化粒子を形成することができる。
多孔質粒子表面は親水性または疎水性に処理されても良い。除菌剤が水系の際は親水性が好ましく、水系でない場合は疎水性が好ましい。
また、除菌剤可視化粒子は剛性が高いので、除菌剤で何度も拭き上げても耐久性が高いので、好ましい。
除菌剤可視化粒子の粒径は30nm以上5μm以下であることが好ましく、50nm以上3μm以下であることがさらに好ましく、80nm以上1μm以下であることが特に好ましい。粒径を30nm以上とすることで粒子同士が凝集しづらい。また、粒径を5μm以下とすることで、除菌剤可視化粒子を溶液に分散させる際に沈降しにくい。
<除菌剤可視化粒子を用いたシート>
本実施形態に係る除菌剤可視化粒子は図4に示すように基材102の上に除菌剤可視化粒子303を設けることで除菌剤可視化粒子を用いたシートとして用いることもできる。
<可視化粒子の塗工液と塗工物>
本実施形態に係る除菌剤可視化粒子を分散液やスラリーなどの塗工液として用いることもできる。前記塗工液を物品に塗布して、塗工物を形成することもできる。
<可視化粒子の変形例>
本実施形態に係る除菌剤可視化粒子は必ずしも粒子形状をしていなくてもよい。例えば、ロッド状でもプレート状でも膜形状でもよい。膜形状の場合は、除菌剤のふき取りに対する強度を保つために、消色時間制御部を設けると特に望ましい。
(第三の実施形態 除菌剤可視化方法)
本実施形態における除菌剤可視化方法の一例は、上記第一の実施形態に係る除菌剤可視化シートを被除菌面に設ける工程と、被除菌面に設けられた除菌剤可視化シートに除菌剤を付与する工程とを有する。
別の本実施形態における除菌剤可視化方法は、上記第二の実施形態に係る除菌剤可視化粒子を被除菌面に付与する工程と、被除菌面に設けられた除菌剤可視化粒子に除菌剤を付与する工程とを有する。
(第四の実施形態 情報取得システム)
本実施形態に係る情報取得システム500は、少なくとも以下を有する(図5)。
(i)除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤が設けられた被除菌領域の画像情報を取得する画像情報取得手段501。
(ii)画像情報に基づいて、被除菌領域の呈色状態を判定して判定結果を出力する判定手段502。
(iii)判定結果に基づいて、除菌剤の付与に関する情報を取得する付与情報取得手段503。
本実施形態に係る情報取得システムは、被除菌領域に除菌剤が付与されたどうかを、画像情報に基づいて判定し、除菌剤の付与に関する情報を取得することできる。そのため、人が手書きで記録したり、コンピュータ等に入力することで記録する場合に比べて、除菌剤の付与に関する情報を正しく、簡便に取得することができる。
<除菌剤の付与に関する情報>
ここで、除菌剤の付与に関する情報とは、除菌剤の付与の有無の情報、除菌剤が付与された時間に関する情報、及び除菌剤が付与された場所に関する情報で構成される群から選択される少なくとも1つの情報があげられる。これらの複数の情報が取得されることによって、いつ、どこで、除菌剤が付与されたか、といった履歴情報を取得することができる。除菌剤が付与された時間に関する情報は、画像情報が取得された時刻、判定結果が出た時刻、前記除菌剤の付与に関する情報が取得された時刻、または前回に取得されたこれらの時刻から経過した時間などである。
除菌剤が付与された場所に関する情報は、典型的には被除菌領域の位置情報であるが、当該位置情報と紐づく人の情報があるのであれば、人の情報であってもよい。場所は特に限定されないが、不特定多数の人が利用するような、会議室、コワーキングスペース、漫画喫茶、公共施設、介護施設、食品工場、教育機関、交通機関等や、それらの屋内の椅子、机、トイレ、など共同利用する場所が挙げられる。
<記憶手段>
なお、本実施形態に係る情報取得システム500は、除菌剤の付与に関する情報や判定結果を記憶する記憶手段507を有していてもよい。記憶手段507が除菌剤の付与に関する情報を記憶することで、除菌剤が付与されている状況を容易に管理することができる。そのため、記憶手段507を有する構成は、特に被除菌領域が複数ある場合に好適である。除菌剤を付与されている状況の管理とは、前述の記憶手段によって記憶しておき、適宜参照することや、除菌剤の付与や清掃といった作業の効率化につなげることができる。また、除菌剤の付与の状況に関する分析などを行い、レポートを出力することもでき、課題の改善につなげることも可能である。
本実施形態における記憶手段はROM、RAMなどのメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。
<画像情報取得手段>
画像情報取得手段は、カメラ、ビデオカメラ、カメラ機能のついた端末やスマートフォンやタブレット、監視カメラなどが挙げられる。画像情報取得手段は、静止画像を取得するものでも、動画像を取得するものでもよい。また、除菌行為を行う作業者が身に着けるカメラ(ウェアラブルカメラ)を用いることも可能である。画像情報取得手段が動画像を取得するものである場合、一定期間に取得された動画像から、被除菌領域の画像を取得する手段(不図示)を有していても良い。動画像から被除菌領域の画像を取得するために、動画像中の変化点を検出する手段を有していてもよい。例えば、被除菌領域に設けられた可視化剤の呈色状態の色(特定の波長)を検出するようにすればよい。あるいは、後述のように可視化剤が、二次元コード状に設けられたり、文字情報を示すように配置されたり、イメージ情報(図)を示すように配置されている場合は、それを検出するようにしてもよい。
また、その場合、セキュリティの観点から、被除菌領域以外の画像については記憶しないようにすること好ましい。
<撮像手段>
また、画像情報取得手段501は、被除菌領域の撮像を行う撮像手段508を含んでいてもよい。撮像手段は、被除菌領域の画像、特に呈色状態がわかるようなものであれば特に限定されない。
<画像情報>
判定手段によって判定結果を出力するために、被除菌領域における可視化剤が以下のように設けておくと良い。すなわち、可視化剤が二次元コードを示すように設けられる構成、可視化剤が文字情報を示すように設けられる構成、可視化剤がイメージ情報(図)を示すように設けられる構成が挙げられる。これらの構成は後述の除菌剤可視化シートにおいて実現される構成に限定されない。
<表示制御手段>
なお、情報取得システム500は端末504を有し、端末504は画像情報取得手段501と、判定手段502と、付与情報取得手段503と、付与情報を表示手段510に表示する制御を行う表示制御手段510とを有していてもよい。
(情報取得システムの一例)
本実施形態に係る情報取得システム500の一例について図5を用いて説明する。本実施形態に係る情報取得システムは、端末504とサーバー装置505を有する。端末504は画像情報取得手段501と、画像情報をサーバー装置505に送信する端末通信手段506とを有する。サーバー装置505は判定手段502と、付与情報取得手段503と、除菌剤の付与に関する情報を端末504に送信するサーバー通信手段505とを有する。そして、端末通信手段506は、サーバー装置505から送信される除菌剤の付与に関する情報を受信する。なお、端末504は除菌剤の付与に関する情報を表示手段に表示する制御を行う表示制御手段509を有していてもよい。また、端末が表示手段510を有していても良い。
<端末>
本実施形態における端末は、本実施形態に係る情報取得システムにおける専用端末であっても、汎用的なスマートフォンやタブレットであってもよい。
(情報取得システムの他の例)
なお、図5で示す例とは別の構成例でもよい。例えば、端末504が画像情報取得手段501と判定手段502と、判定結果をサーバー装置505に送信する端末通信手段506とを有する構成でもよい。その場合、サーバー装置505は付与情報取得手段503と、除菌剤の付与に関する情報を端末504に送信するサーバー通信手段505とを有する。端末通信手段506は、サーバー装置505から送信される除菌剤の付与に関する情報を受信し、端末504は除菌剤の付与に関する情報を表示手段510に表示する制御を行う表示制御手段510を有する。
なお、画像情報取得手段が対象とする画像情報は、除菌剤可視化シートとすることができる。除菌剤可視化シートは、基材と基材の上に設けられた呈色部とを有し、呈色部が、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有する構成とすることができる。除菌剤可視化シートについては、第一の実施形態に係る除菌剤可視化シートを用いることができる。
本実施形態における除菌剤可視化シートは、可視化剤が基材の上に二次元コードを示すように設けられていることが好ましい。
<通信手段>
本実施形態における通信手段(端末通信手段やサーバー通信手段)はLAN(Local Area Network)でもよく、LANは有線LANでも無線LANでもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
<二次元コード>
二次元コードは、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、SPコード、ベリコード (VeriCode)、マキシコード (MaxiCode)、CPコード、Data Matrix、DataMatrix ECC200、Code1、AztecCode、インタクタコード、カードe、カメレオン・コード、PDF417、マイクロPDF417、Code49、Code16K、Codablock、SuperCode、Ultra Code、RSS Composite、及びAztecMesaで構成される群から選択される少なくとも1つである。可視化剤が基材の上に二次元コードを形成するように設けられていることで、前述の撮像手段によって二次元コードを読み取り、その画像情報に基づいて、除菌剤が付与されたことを判定することができる。
二次元コードから、除菌剤が付与された時間に関する情報、及び除菌剤が付与された場所に関する情報を得ることができる。また、二次元コードを読み取ることにより、除菌(清掃)が完了したことを示す文字情報やイメージ情報が、当該二次元コードを読み取った端末等の表示手段に表示されるようにしてもよい。また、被除菌領域が店舗やコワーキングスペースといった利用料を支払う必要のある場所の場合、二次元コードを読み取ることにより、当該店舗の利用料を支払うシステムへと接続されるようにしてもよい。また、二次元コードを読み取ることにより、当該店舗等で利用可能なポイントの付与や還元、割引、プレゼントの贈呈といった情報を文字情報や画像情報やその両方などによって示すことで、利用者の除菌(清掃)の動機づけにつなげることも可能である。
(情報取得方法)
本実施形態に係る情報取得方法は、以下の工程を含む。
(a)除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤が設けられた被除菌領域の画像情報を取得する画像情報取得工程(S601)。
(b)画像情報に基づいて、前記被除菌領域の前記呈色状態を判定して判定結果を出力する判定工程(S602)。
(c)判定結果に基づいて、除菌剤の付与に関する情報を取得する付与情報取得工程(S603)。
なお、本実施形態に係る情報取得方法は、除菌剤の付与に関する情報を表示手段に表示する制御を行う表示制御工程を有していても良い。
本実施形態に係る情報取得方法の一例を詳細に述べる。
本実施形態において、被除菌面は机、テーブル、イスなどの什器、床、壁など何でもよく、水平、垂直も問わない。被除菌面は木材、プラスチック、金属表面などとすることもできるが、当該表面にシートを貼付したり、粒子をコーティングしたりして設置できる。
本実施形態は、除菌剤と可視化剤を分離配置し、使用する時に除菌剤と可視化剤が反応する。可視化剤は被除菌面に配置され、除菌剤を当該面に接触させて呈色状態(外観)が変化する。この外観変化を目視で認知できる。本実施形態に係る情報取得方法において、上記第一の実施形態に係る除菌剤可視化シートや、第二の実施形態に係る除菌剤可視化粒子を用いることができる。
(第五の実施形態 除菌剤可視化システム)
<システム構成>
図7は本発明の実施形態に係る除菌剤可視化システムの構成を示す。
本発明の実施形態に係る除菌剤可視化システムは前記可視化剤、除菌剤可視化シート、または、除菌剤可視化粒子のいずれから構成される二次元コード701と端末702と通信網703とサーバー704を含む。通信網703はインターネットでもイントラネットでもよく、無線でも有線でもよい。また、以下で説明する制御部はCPUやMPUなどのプロセッサにより構成され、以下で示す各種の制御を行うことができる。
<記録・管理フロー>
図8に示した除菌剤可視化システムの記録・管理フローについて図9の概念図を参照しながら説明する。本実施形態に係るシステムは主に360nm以上830nm以下の波長の範囲の照明901と二次元コード905が形成された除菌剤可視化シート902、端末903、除菌剤904、サーバー906を含む。照明901は太陽光でもよい。図9(a)は除菌剤904が除菌剤可視化シート902に塗布前を示し、図9(b)は塗布後を示している。図9(b)に図示するように塗布後に二次元コード905が可視化される。
ステップS801において、図9(b)のように可視化された二次元コードを端末903は読み込む。端末903は読み込んだ画像情報から読取情報を抽出する。読取情報の抽出はこのように同一の装置で行ってもよいし、別の装置に画像情報を送信して行ってもよい。
ステップS802において、端末903は通信網(不図示)を介して、サーバー906に読取情報を送信する。
ステップS803において、サーバー906は読取情報を受信する。
ステップS804において、サーバー906は読取情報をデータ処理する。
ステップS805において、サーバー906は通信網(不図示)を介して、端末903に処理結果を送信する。仮に処理結果を送信する必要がない場合、本ステップはなくてもよい。
ステップS906において、端末903は処理結果を受信する。仮に処理結果を受信する必要がない場合、本ステップはなくてもよい。
ステップS907において、端末903は処理結果を画面表示する。
次に除菌剤可視化システムを構成する各装置について説明する。
<二次元コード1001>
二次元コート1001の詳細について図10を用いて説明する。図10の(a)に示すように二次元コード1001のA-A‘断面を図10の(b)に示す。二次元コード1001のコードに対応する部分に少なくとも呈色部101を有している。二次元コード1001は少なくとも一部にコードが設けられている。コードは必ずしも二次元だけでなく、一次元でもよい。また、例えば、色情報などを用いたコードでもよい。
<端末702>
図7で示した端末702の一例について図11の概略図を用いて説明する。端末702は撮像部1101、記憶部1102、操作部1103、表示部1104、ROM1105、RAM1106、通信部1107、制御部1108を有する。撮像部1101はカメラ等で撮像して、二次元コード1001の画像データを得る。記憶部1102は前記画像データを保存する。ROM1105は、不揮発性のメモリ等で実現され、各種プログラム等を記憶する。RAM1006は、揮発性のメモリ等で実現され、各種情報を一時的に記憶する。操作部1103は、タッチパネル等で実現され、表示部1104は、ディスプレイ等で実現され、各種情報をユーザに表示する。通信部1107は、無線通信モジュール等で実現され、外部装置(例えば、サーバー704)や通信網との間の通信を司る。ただし、後述する記録・管理フローの変形例1や変形例2のように、通信を行う必要がない場合は、通信部1107は構成として必須ではない。
制御部1108はコード読取部1109と情報処理部1110を有している。記憶部1102に保存された画像データをコード読取部で読取情報に変換する。情報処理部1110で、例えばROM1105やRAM1106に保存されたデータベースを参照して、読取情報に情報を付加したり、変換したり、情報を保存したりしてもよい。例えば、除菌剤が塗布された場所、時間、除菌剤を塗布した人物などの情報を付加することができる。
図11では撮像部1101、記憶部1102、操作部1103、表示部1104、ROM1105、RAM1106、通信部1107、制御部1108が一体となっているが、必ずしも一体でなくてもよい。例えば、撮像部1101をネットワークカメラとしてもよい。
<サーバー704>
サーバー704の一例について図12の概略図を用いて説明する。サーバー704は通信部1201、記憶部1202、操作部1203、表示部1204、ROM1205、RAM1206、制御部1210を有している。通信部1201は、LANカード等で実現され、外部装置(例えば、端末702)や通信網との間の通信を司る。ROM1205は、不揮発性のメモリ等で実現され、各種プログラム等を記憶する。RAM1206は、揮発性のメモリ等で実現され、各種情報を一時的に記憶する。記憶部1202は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NAS(Network Attached Storage)等で実現され、各種情報を記憶する。操作部1203は、キーボードやマウス等で実現され、表示部1204は、ディスプレイ等で実現され、各種情報をユーザに表示する。
制御部1210はデータ記録更新部1207とデータ処理部1208を有している。データ記録更新部1107は受信部1101が受信した読取情報に基づいて除菌剤が塗布された状況などを記憶部1202やROM1205、RAM1206に記録する。データ処理部1208で、例えば記憶部1202やROM1205、RAM1206に保存されたデータベースを参照して、読取情報に情報を付加したり、変換したり、情報をデータ処理する。処理結果は通信部1201を用いて端末702に通信してもよい。
<記録・管理フローの変形例1>
例えば、サーバーを用いないフローの変形例1について図9の概念図を参照しながら図13を用いて以下に説明する。例えば、地下などの通信状況が困難な状況には望ましい。
ステップS1301において、S801と同様である。
ステップS1302において、端末903は読取情報を画面表示する。
<記録・管理フローの変形例2>
例えば、サーバーを用いないフローの変形例2について図9の概念図を参照しながら図14を用いて以下に説明する。例えば、地下などの通信状況が困難な状況には望ましい。
ステップS1401において、S801と同様である。
ステップS1402において、端末903が読取情報をデータ処理する。例えば、端末903にデータ処理のためのデータベース等を事前にダウンロードしてもよい。
ステップS1403において、端末903は処理結果を画面表示する。
<除菌剤可視化システムの応用例>
[履歴表示・清掃度・利用情報記録、管理]
例えば、ステップS807、ステップS1302、ステップS1403で除菌剤を塗布した状況に応じて履歴、清掃の頻度、利用記録、メッセージなどを表示してもよい。例えば、ステップS804やステップS1403で除菌剤を塗布した正確な記録をとることができるので、望ましい。この記録を用いて、清掃状況の管理をすることができる。
ステップS603における付与に関する情報とステップS602の判定結果の一例を以下に示す。二次元コードのコード情報と二次元コードの位置情報を紐づけたデータベースを準備する。ステップS603において、二次元コードの判定結果の一部であるコード情報を用いて前記データベースより付与に関する情報として位置情報を取得し、清掃履歴として記録する。さらに、前記位置情報とともに二次元コードの判定結果の一部である判定した時刻も併せて記録してもよい。
ステップS804やステップS1402のデータ処理について、一例を以下に示す。二次元コードのコード情報と二次元コードの位置情報を紐づけたデータベースを準備する。ステップS803やS1401より入手した読取情報の一部であるコード情報を用いて前記データベースより付与に関する情報として位置情報を取得し、清掃履歴として記録する。さらに、前記位置情報とともに二次元コードの読取情報の一部である読取時刻も併せて記録してもよい。
前記清掃履歴を分析し、清掃業務の改善に用いてもよい。
前記清掃履歴を表示することで清掃作業の証明に用いてもよい。
[ポイント]
例えば、ステップS804やステップS1402で、前記清掃履歴に基づいて除菌剤を塗布した記録に基づいて除菌剤を塗布した人物にポイントをつけることができる。ステップS807、ステップS1403で除菌剤を塗布した人物にポイントを表示することができる。ポイント以外にも物品でもよい。また、例えば、利用料などの清算や割引に用いてもよい。
[AR]
例えば、ステップS807、ステップS1302、ステップS1403で二次元コードにAR(Augmented Reality)を重畳して表示してもよい。
[真贋判定]
例えば、ステップS807、ステップS1302、ステップS1403で二次元コードの真贋を表示してもよい。
[交換時期]
例えば、ステップS807、ステップS1302、ステップS1403で二次元コードの交換時期を表示してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例により限定されるものではない。なお、成分量に関しては「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<除菌剤可視化シートの製造>
<実施例1>
可視化剤として、フェノールフタレイン(東京化成工業社製)0.5gに超純水mlとエチレングリコール30mlおよび界面活性剤(製品名;オルフィン PD-005,製造元;日信化学工業社製)0.1gを加え組成物とした。組成物をインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(PIXUS iP7230;キヤノン製)にセットした。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴あたり2.5pLのインク滴を8滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。基材としては、OHPシート(製品名;CG3110、製造元;3M)を用いた。得られた記録物を温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させ印画物(形状;2mm×3cmの長方形画)を得た。
この印画物に保持部を以下のように形成した。パールネックレス状シリカ粒子を含む分散液(スノーテックスST-PS-MO、固形分15wt%、日産化学株式会社製)120gに、ほう酸0.27g(キシダ化学株式会社製)を添加し、撹拌してほう酸を溶かした。次いで、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール(クラレポバール95-88、株式会社クラレ製)を固形分8%で水に溶解しておいた溶液を40g添加し、撹拌して塗工液を作製した。塗工液を、乾燥時の厚みhが30μmとなるように、ベーカー式アプリケーター(テスター産業株式会社製)を用いて塗工した。80℃に加熱したホットプレート上に15分置いて乾燥した。これをシート1とする。
<実施例2~10>
可視化剤と消色時間制御部の厚みhを表1に示すように変更し、それ以外は同様に除菌剤可視化シート(シート2~10)を作成し、実施例2~10とした。なお、厚みhが0は消色時間制御部を設けていないことを示している。
Figure 2022170677000002
<除菌剤可視化粒子の製造>
可視化剤溶液を以下のようなに作成した。フェノールフタレイン(東京化成工業社製)1gをエタノール(キシダ化学社製)90mlに溶かし、純水を加えて100mlとした。多孔質チタニア(中実TiO2 MARIMO UJIDEN社製)1gを可視化剤溶液に含侵し、80℃で乾燥して除菌剤可視化粒子を作成した。
<実施例11~20>
<評価>
除菌剤として0.5wt%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた。除菌剤をキムワイプに1ml滴下し、キムワイプで除菌剤可視化シートに除菌剤を塗布した。シートを白色の紙の上に置き、ビデオで撮影した。撮影した動画を0から255のグレースケールに変換して、塗布前後の値の変化量の絶対値を測定した。絶対値の変化量が5以上あれば、変化を視認することができる。1秒後の変化量Nと絶対値の変化量が5以上となる保持時間Tを計測した。結果を表2に示す。
Figure 2022170677000003
実施例11~20の変化量Nより除菌剤と接触すると変化を十分視認できることがわかる。また、実施例11~20の保持時間Tより消色時間制御部の厚みが大きくなるにつれて保持時間が長くなることがわかる。より視認しやすくなるので好適である。
<実施例21~30>
シート1~20で二次コードを印刷し、カメラで読取情報が取得できる。

Claims (23)

  1. 基材と、前記基材の上に設けられた呈色部とを有し、
    前記呈色部は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有する除菌剤可視化シート。
  2. 前記呈色状態が変化するとは、目視で見えない状態から見える状態への変化、目視で見える状態から目視で見えない状態への変化、及び目視により認識できる色の変化のいずれかの変化が生じることである、請求項1に記載の除菌剤可視化シート。
  3. 前記可視化剤は、クロミック物質を含む請求項1または2に記載の除菌剤可視化シート。
  4. 前記クロミック物質はフォトクロミック物質、サーモクロミック物質、エレクトロクロミック物質、ソルバトクロミック物質、アシディクロミック物質、及びベイポクロミック物質で構成される群から選択される少なくとも一種である請求項3に記載の除菌剤可視化シート。
  5. 前記クロミック物質はアシディクロミック物質を含む請求項3に記載の除菌剤可視化シート。
  6. 前記クロミック物質はソルバトクロミック物質を含む請求項3に記載の除菌剤可視化シート。
  7. 前記可視化剤は、メタニルエロー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリンO、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、アリザリンレッドS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ラクモイド、クロロフェノールレッド、o-ニトロフェノール、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、α-ナフトールフタレイン、フェノールフタレイン、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンエローGG、アリザリンエローR、トロペオリンO、メチルバイオレット、リトマス、及びメチルパープルで構成される群から選択される少なくとも一種である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の除菌剤可視化シート。
  8. 前記呈色部は、前記除菌剤を保持する保持部を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の除菌剤可視化シート。
  9. 前記保持部は、複数の無機粒子を含み、前記複数の無機粒子の間に空隙が形成されている請求項8に記載の除菌剤可視化シート。
  10. 前記保持部は、パールネックレス状シリカ粒子、球状コロダイルシリカ、非球状コロイダルシリカ、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子で構成される群から選択される少なくとも一種を含む請求項8または9に記載の除菌剤可視化シート。
  11. 前記呈色部はバインダーを有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の除菌剤可視化シート。
  12. 前記呈色部の上に保護部が設けられている請求項1乃至11のいずれか一項に記載の除菌剤可視化シート。
  13. 前記基材の上に、不可視材料が設けられている請求項1乃至12のいずれか一項に記載の除菌剤可視化シート。
  14. 除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する除菌剤可視化粒子であって、
    前記除菌剤可視化粒子は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤と、
    前記可視化剤を担持する担持粒子とを有する除菌剤可視化粒子。
  15. 前記呈色状態が変化するとは、目視で見えない状態から見える状態への変化、目視で見える状態から見えない状態への変化、及び目視により認識できる色の変化のいずれかの変化が生じることである、請求項14に記載の除菌剤可視化粒子。
  16. 前記可視化剤は、メタニルエロー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、トロペオリンO、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、アリザリンレッドS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ラクモイド、クロロフェノールレッド、o-ニトロフェノール、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、α-ナフトールフタレイン、フェノールフタレイン、o-クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンエローGG、アリザリンエローR、トロペオリンO、メチルバイオレット、リトマス、メチルパープル、p-ニトロフェノール、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエロー、トロペリオン、インジゴカルミンで構成される群から選択される少なくとも一種である請求項14または15に記載の除菌剤可視化粒子。
  17. 前記担持粒子は、メソポーラスシリカ粒子、多孔質シリカ粒子、多孔質チタニア粒子、多孔質ジルコニア粒子、多孔質セリア粒子、多孔質酸化亜鉛粒子、多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、多孔質架橋ポリスチレン粒子、及び多孔質メタクリル酸メチル-スチレン共重合架橋粒子で構成される群から選択される少なくとも一種である請求項14乃至16のいずれか一項に記載の除菌剤可視化粒子。
  18. 前記除菌剤可視化粒子の表面に、前記除菌剤を保持する保持部がさらに設けられている請求項14乃至17のいずれか一項に記載の除菌剤可視化粒子。
  19. 前記保持部は、パールネックレス状シリカ粒子、球状コロダイルシリカ、非球状コロイダルシリカ、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子で構成される群から選択される少なくとも一種を含む請求項18に記載の除菌剤可視化粒子。
  20. 基材と、前記基材の上に設けられた請求項14乃至19のいずれか一項に記載の除菌剤可視化粒子とを有する除菌剤可視化シート。
  21. 基材と、前記基材の上に設けられた呈色部とを有し、前記呈色部は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤を有する除菌剤可視化シートを被除菌面に設ける工程と、前記被除菌面に設けられた前記除菌剤可視化シートに除菌剤を付与する工程とを有する除菌剤可視化方法。
  22. 除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する除菌剤可視化粒子であって、前記除菌剤可視化粒子は、除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤と、前記可視化剤を担持する担持粒子とを有する除菌剤可視化粒子を被除菌面に付与する工程と、前記被除菌面に設けられた前記除菌剤可視化粒子に除菌剤を付与する工程とを有する除菌剤可視化方法。
  23. 除菌剤が付与されることで呈色状態が変化する可視化剤が設けられた被除菌領域の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
    前記画像情報に基づいて、前記被除菌領域の前記呈色状態を判定して判定結果を出力する判定手段と、
    前記判定結果に基づいて、除菌剤の付与に関する情報を取得する付与情報取得手段と、を有する情報取得システム。
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