JP2022170634A - 放射線撮像装置及び放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像装置及び放射線撮像システム Download PDF

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晃介 照井
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竜一 藤本
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【課題】 X線撮影して得られる画像の解像度の向上を可能とする。【解決手段】 放射線撮像装置の一つは、X線を照射するX線源と、X線を検出する二次元検出器と、を備える放射線撮像装置において、X線源と被写体との距離SODと、被写体と二次元検出器との距離OIDと、X線源の焦点サイズFと、二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、P≦F*(OID/SOD)という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う処理部を備える。【選択図】 図11

Description

開示の技術は、放射線撮像装置及び放射線撮像システムに関する。
現在、X線による医療画像診断や非破壊検査に用いる撮影装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(Flat Panel Detector、以下FPDと略す)を用いた放射線撮像装置が普及している。このような放射線撮像装置のうち、非破壊検査においては、被写体とFPDを離すことで、拡大撮影を行う装置が用いられている(特許文献1)。また、被写体又はFPD又はX線源の位置関係を移動させながら複数枚の画像を撮影し、前記複数枚の画像から三次元画像を再構成する3D撮影も行われている。
一方、FPDを用いた撮影方法のひとつに、エネルギーサブトラクションがある。エネルギーサブトラクションでは、管電圧の異なるX線を照射して、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像を取得する。そして、それらの画像を演算することで、被写体の材質を推定する処理を行うことができる(特許文献2)。
国際公開第2006/004185号 特開平10-104175号公報
ところで、X線源の焦点は、有限の大きさを持つ。このため、FPDに投影された被写体には、半影が生じる。ここで、この半影は、拡大率を上げるほど大きくなる。このとき、半影がFPDの画素ピッチを上回るところまで拡大率を上げてしまうと、X線撮影して得られる画像の解像度が上がらなくなってしまう。
そこで、開示の技術の一つは、X線撮影して得られる画像の解像度の向上を可能とすることを目的とする。
なお、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的の1つとして位置付けることができる。
開示の放射線撮像装置の一つは、
X線を照射するX線源と、X線を検出する二次元検出器と、を備える放射線撮像装置において、
前記X線源と被写体との距離SODと、被写体と前記二次元検出器との距離OIDと、前記X線源の焦点サイズFと、前記二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、
P≦F*(OID/SOD)
という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う処理部を備える。
開示の技術の一つによれば、X線撮影して得られる画像の解像度を向上することができる。
第1の実施形態に係るシステム全体図 第1の実施形態に係るX線源を説明する図 第1の実施形態に係る画素等価回路図 第1の実施形態に係るタイミングチャート 第1の実施形態に係る補正のブロック図 第1の実施形態に係る信号処理のブロック図 第1の実施形態に係る信号処理のブロック図 第1の実施形態に係るテーブル作成のフローチャート 第1の実施形態に係るテーブル参照の模式図 第1の実施形態に係る実効原子番号画像を説明する図 第1の実施形態に係る半影と画素ピッチの関係を説明する図 第1の実施形態に係る実効原子番号画像を説明する図 第1の実施形態に係る屈折コントラストを説明する図 第1の実施形態に係る屈折のエネルギー依存を説明する図 第1の実施形態に係る散乱のエネルギー依存を説明する図 第2の実施形態に係る信号処理のブロック図 第2の実施形態に係る屈折成分を説明する図 第2の実施形態に係る屈折コントラスト強調を説明する図 第3の実施形態に係る画像の位置ずれの分布を説明する図 第3の実施形態に係る画像処理のフローを説明する図 第3の実施形態に係る画像処理の別のフローを説明する図 第3の実施形態に係る高解像化の概念図(一次元)を説明する図 第3の実施形態に係る高解像化の概念図(二次元)を説明する図
(第1の実施形態)
以下、開示の技術を好適に適用可能な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1には、開示の技術に係る撮像システムのブロック図を示す。本実施形態の放射線撮像システムは、X線発生装置101、X線制御装置102、X線撮像装置103、ステージ106、制御用コンピュータ107で構成される。
X線発生装置101及びX線制御装置102はX線を曝射する。X線撮像装置103は、X線を可視光に変換する蛍光体104と、可視光を検出する二次元検出器105で構成される。二次元検出器105は、X線量子を検出する画素20をX列×Y行のアレイ状に配置したセンサであり、画像情報を出力する。なお、図1において、X線撮像装置103は、説明のため、部分的に蛍光体104を取り除いて、二次元検出器が見えるように表現されている。ステージ106は検査対象物108を保持・移動する手段であり、X線発生装置101とX線撮像装置103からなる撮像系において、検査対象物108の位置調整を行う。ステージ106を用いた位置調整の例として、検査対象物108の拡大率を変更するためにX線発生装置101とX線撮像装置103間を移動したり、撮影される画像で検査対象物108の検査対象領域が適切な位置に配置されるようにX線照射方向に対して垂直に移動したりすることが考えられる。なお、ステージ106の移動だけではなく、X線発生装置101とX線撮像装置103からなる撮像系の移動により位置調整を行っても良い。制御用コンピュータ107は画像情報の取得及び制御と、ステージ106の制御を行う。
図2には、開示の技術に係るX線発生装置101を示す。X線発生装置101は、X線発生管112、管電圧回路113および、収納容器114で構成される。X線発生管112は、マイクロフォーカスX線源等のX線源であり、管電圧の印加により小焦点のX線を発生させる。管電圧回路113は、X線発生管112に管電圧を印加する。収納容器114は、X線発生管112および管電圧回路113が収納され、X線透過窓115からX線を照射する。X線発生管112は、電子放出源3、ターゲット9、陽極部材42および絶縁管110で構成される。電子放出源3は、電子放出部2から電子を放出する。電子放出源3は、タングステン等の耐熱性の金属を含有したフィラメント型カソード、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。ターゲット9は、電子線の照射を受けることによりX線を放出する。ターゲット9を透過したX線成分の一部を、コリメータによりX線束11に成形し、前方に取出す。ターゲット9は、タングステンやモリブデン等の高融点の材料が用いられる。陽極部材42は、誘電性材料からなりターゲット9と電気的に接続され、X線発生管112の陽極段位を規定する電極として機能する。また、陽極部材42は、タングステン、タンタル等の重金属を含有し、ターゲット9の前方向において開口を残して延長された部分を有する形態とすることでコリメータとしても機能する。絶縁管110は、陰極電位に規定される電子放出源3と、陽極電位に規定されるターゲット9との間を電気的に絶縁する。絶縁管110は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成される。
X線発生管112の内部空間13は、電子の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。X線発生管112の内部空間13は、不図示の排気管および真空ポンプを用いて排気した後、かかる排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、X線発生管112の内部空間13には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。X線発生管112の外囲部は、内部空間13の真空度を維持するための気密性と耐大気圧性を有する堅牢性とを備える部材から構成されることが好ましい。
ここで、X線発生管112が小焦点のX線を発生させるまでの流れを説明する。まず、電子放出源3の電子放出部2から電子が放出される。放出された電子は、X線発生管112の内部空間13において形成された加速電界により、ターゲット9がX線を発生させるために必要な入射エネルギーまで加速される。加速された電子がターゲット9に衝突することによりX線が発生する。電子線束5は電子の経路を示し、ターゲット9に衝突するまでに細く収束される。本実施形態において、電子線束5がターゲット9に衝突する面積は数umオーダーの極めて小さい領域となる(マイクロフォーカスX線源)。なお、電子線束5の収束性を高めるために、グリッド電極、静電電極を配置して電界レンズを形成してもよい。ターゲット9で発生したX線は、必要に応じてターゲット9の前方に開口するコリメータにより放射角が制限され、X線束11に成形される。
管電圧回路113が出力する管電圧はターゲット9とともに、X線撮影に必要な線種に応じて適宜設定される。
X線発生管112及び管電圧回路を収納する収容容器114は、容器としての十分な強度を有し、かつ加熱性に優れたものが望ましく、その構成材料として、例えば真鍮、鉄、ステンレス等の金属材料が用いられる。本実施形態においては、収納容器114内の内部のX線発生管112と管電圧回路113以外の余空間43には、絶縁性液体116が充填されている。絶縁性液体116は、電気絶縁性を有する液体で、収納容器114の内部の電気的絶縁性を維持する役割と、X線発生管112の冷却媒体の役割とを有する。絶縁性液体116としては、鉱油、シリコーン油、パーフロオロ系オイル等の電気絶縁油を用いるのが好ましい。
図3には、第1の実施形態に係る画素20の等価回路図を示す。画素20は、光電変換素子201と、出力回路部202とを含む。光電変換素子201は、典型的にはフォトダイオードでありうる。出力回路部202は、増幅回路部204、クランプ回路部206、サンプルホールド回路部207、選択回路部208を含む。
光電変換素子201は、電荷蓄積部を含み、該電荷蓄積部は、増幅回路部204のMOSトランジスタ204aのゲートに接続されている。MOSトランジスタ204aのソースは、MOSトランジスタ204bを介して電流源204cに接続されている。MOSトランジスタ204aと電流源204cとによってソースフォロア回路が構成されている。MOSトランジスタ204bは、そのゲートに供給されるイネーブル信号ENがアクティブレベルになるとオンしてソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
図3に示す例では、光電変換素子201の電荷蓄積部およびMOSトランジスタ204aのゲートが共通のノードを構成していて、このノードは、該電荷蓄積部に蓄積された電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部として機能する。即ち、電荷電圧変換部には、該電荷蓄積部に蓄積された電荷Qと電荷電圧変換部が有する容量値Cとによって定まる電圧V(=Q/C)が現れる。電荷電圧変換部は、リセットスイッチ203を介してリセット電位Vresに接続されている。リセット信号PRESがアクティブレベルになると、リセットスイッチ203がオンして、電荷電圧変換部の電位がリセット電位Vresにリセットされる。
クランプ回路部206は、リセットした電荷電圧変換部の電位に応じて増幅回路部204によって出力されるノイズをクランプ容量206aによってクランプする。つまり、クランプ回路部206は、光電変換素子201で光電変換により発生した電荷に応じてソースフォロア回路から出力された信号から、このノイズをキャンセルするための回路である。このノイズはリセット時のkTCノイズを含む。クランプは、クランプ信号PCLをアクティブレベルにしてMOSトランジスタ206bをオン状態にした後に、クランプ信号PCLを非アクティブレベルにしてMOSトランジスタ206bをオフ状態にすることによってなされる。クランプ容量206aの出力側は、MOSトランジスタ206cのゲートに接続されている。MOSトランジスタ206cのソースは、MOSトランジスタ206dを介して電流源206eに接続されている。MOSトランジスタ206cと電流源206eとによってソースフォロア回路が構成されている。MOSトランジスタ206dは、そのゲートに供給されるイネーブル信号EN0がアクティブレベルになるとオンしてソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
光電変換素子201で光電変換により発生した電荷に応じてクランプ回路部206から出力される信号は、光信号として、光信号サンプリング信号TSがアクティブレベルになることによってスイッチ207Saを介して容量207Sbに書き込まれる。電荷電圧変換部の電位をリセットした直後にMOSトランジスタ206bをオン状態とした際にクランプ回路部206から出力される信号は、クランプ電圧である。このノイズ信号は、ノイズサンプリング信号TNがアクティブレベルになることによってスイッチ207Naを介して容量207Nbに書き込まれる。このノイズ信号には、クランプ回路部206のオフセット成分が含まれる。スイッチ207Saと容量207Sbによって信号サンプルホールド回路207Sが構成され、スイッチ207Naと容量207Nbによってノイズサンプルホールド回路207Nが構成される。サンプルホールド回路部207は、信号サンプルホールド回路207Sとノイズサンプルホールド回路207Nとを含む。
駆動回路部が行選択信号をアクティブレベルに駆動すると、容量207Sbに保持された信号(光信号)がMOSトランジスタ208Saおよび行選択スイッチ208Sbを介して信号線21Sに出力される。また、同時に、容量207Nbに保持された信号(ノイズ)がMOSトランジスタ208Naおよび行選択スイッチ208Nbを介して信号線21Nに出力される。MOSトランジスタ208Saは、信号線21Sに設けられた不図示の定電流源とソースフォロア回路を構成する。同様に、MOSトランジスタ208Naは、信号線21Nに設けられた不図示の定電流源とソースフォロア回路を構成する。MOSトランジスタ208Saと行選択スイッチ208Sbによって信号用選択回路部208Sが構成され、MOSトランジスタ208Naと行選択スイッチ208Nbによってノイズ用選択回路部208Nが構成される。選択回路部208は、信号用選択回路部208Sとノイズ用選択回路部208Nとを含む。
画素20は、隣接する複数の画素20の光信号を加算する加算スイッチ209Sを有してもよい。加算モード時には、加算モード信号ADDがアクティブレベルになり、加算スイッチ209Sがオン状態になる。これにより、隣接する画素20の容量207Sbが加算スイッチ209Sによって相互に接続されて、光信号が平均化される。同様に、画素20は、隣接する複数の画素20のノイズを加算する加算スイッチ209Nを有してもよい。加算スイッチ209Nがオン状態になると、隣接する画素20の容量207Nbが加算スイッチ209Nによって相互に接続されて、ノイズが平均化される。加算部209は、加算スイッチ209Sと加算スイッチ209Nを含む。
画素20は、感度を変更するための感度変更部205を有してもよい。画素20は、例えば、第1感度変更スイッチ205aおよび第2感度変更スイッチ205’a、並びにそれらに付随する回路素子を含みうる。第1変更信号WIDEがアクティブレベルになると、第1感度変更スイッチ205aがオンして、電荷電圧変換部の容量値に第1付加容量205bの容量値が追加される。これによって画素20の感度が低下する。第2変更信号WIDE2がアクティブレベルになると、第2感度変更スイッチ205’aがオンして、電荷電圧変換部の容量値に第2付加容量205’bの容量値が追加される。これによって画素201の感度が更に低下する。このように画素20の感度を低下させる機能を追加することによって、より大きな光量を受光することが可能となり、ダイナミックレンジを広げることができる。第1変更信号WIDEがアクティブレベルになる場合には、イネーブル信号ENwをアクティブレベルにして、MOSトランジスタ204aに変えてMOSトランジスタ204’aをソースフォロア動作させてもよい。
以上のような画素回路の出力を読み出し、不図示のAD変換器でデジタル値に変換した後、制御用コンピュータ103に画像を転送する。
次に本実施形態の放射線撮像システムの駆動について説明する。
図4には、開示の技術に係る放射線撮像システムにおいてエネルギーサブトラクションを行った場合の駆動タイミングを示す。図中の波形は横軸を時間として、X線の照射、光電変換素子201のリセット、画像の読み出しのタイミングを示している。開示の技術に係る放射線撮像システムにおけるエネルギーサブトラクションでは、光電変換素子201のリセットを行った後、第1のエネルギーのX線301を曝射し、X線301に対応した画像303を読み出す。その後、光電変換素子201のリセットを行った後、第2のエネルギーのX線302を曝射し、X線302に対応した画像304を読み出す。その後、制御用コンピュータ107において、第1のエネルギーのX線に対応した画像303と第2のエネルギーのX線に対応した画像304の差分処理等を行い、金属画像と有機物画像の分離等の処理を行う。この処理をエネルギーサブトラクション処理と呼ぶ。なお、エネルギーサブトラクション処理は、制御用コンピュータ107における処理部で実行されてもよいし、制御用コンピュータ107とは別体のコンピュータにおける処理部で実行されてもよい。また、第1のエネルギーと第2のエネルギーとは、互いにエネルギー分布が異なっていればよく(完全に同じでなければよく)、例えば、一方が他方よりも狭い分布であり、狭い分布の方が広い分布に含まれていてもよい。また、互いにエネルギー分布が一部のみ重複していてもよいし、互いにエネルギー分布が完全に重複していなくてもよい。
次に、エネルギーサブトラクション処理の方法について説明する。本実施形態におけるエネルギーサブトラクション処理は、以下の3段階に分かれている。
・補正
・信号処理
・画像処理
図5で補正を、図6~図9で信号処理を、図10で画像処理を説明する。
図5には、開示の技術に係るエネルギーサブトラクション処理の補正のブロック図を示す。まず、X線撮像装置104にX線を曝射せずに撮像を行って画像を取得する。このときの画像をFPNとする。FPNは、X線撮像装置104の固定パターンノイズ(FPN)に対応する画像である。次に、被写体がない状態でX線撮像装置104にX線を曝射して撮像を行い、図4に示した駆動で画像を取得する。ことのき、低エネルギーX線301を曝射したときの画像をW_Low、高エネルギー302のX線を曝射したときの画像をW_Highとする。W_LowとW_Highは、X線撮像装置104のFPNとX線による信号の和に対応する画像である。従って、W_LowからF_Lowを、W_HighからF_Highを減算することで、被写体がない場合の低エネルギー画像W_Lowと、被写体がない場合の高エネルギー画像W_Highが得られる。これをオフセット補正と呼ぶ。
次に、被写体がある状態でX線撮像装置104にX線を曝射して撮像を行い、図3に示した駆動で画像を取得する。このとき、低エネルギーのX線301を曝射したときの画像をX_Low、高エネルギーのX線302を曝射したときの画像をX_Highとする。被写体がない場合と同様のオフセット補正を行うことで、被写体がある場合の低エネルギー画像X_Lowと、被写体がある場合の高エネルギー画像X_Highが得られる。
ここで、被写体の厚みをd、被写体の線減弱係数をμ、被写体がない場合の画素20の出力をI、被写体がある場合の画素20の出力をIとすると、以下の式が成り立つ。
I=Iexp(μd) ・・・(1)
(1)を変形すると、以下の式が得られる。
I/I=exp(μd) ・・・(2)
式(2)の右辺は被写体の減弱率を示す。被写体の減弱率は0~1の間の実数である。
従って、被写体がある場合の低エネルギー画像X_Lowを、被写体がない場合の低エネルギー画像W_Lowで除算することで、低エネルギーにおける減弱率の画像Lが得られる。同様に、被写体がある場合の高エネルギー画像X_Highを、被写体がない場合の高エネルギー画像W_Highで除算することで、高エネルギーにおける減弱率の画像Hが得られる。これをゲイン補正と呼ぶ。
図6には、開示の技術に係るエネルギーサブトラクション処理の信号処理のブロック図を示す。開示の技術における信号処理では、図4に示した補正によって得られた低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、金属の厚さの画像Bと有機物の厚さの画像Sを求める。
まず、X線フォトンのエネルギーをE、エネルギーEにおけるフォトン数をN(E)、金属の厚さをB、有機物の厚さをS、エネルギーEにおける金属の線減弱係数をμ(E)、エネルギーEにおける有機物の線減弱係数をμ(E)、減弱率をI/Iとすると、以下の式が成り立つ。
Figure 2022170634000002
エネルギーEにおけるフォトン数N(E)は、X線のスペクトルである。X線のスペクトルは、シミュレーション又は実測により得られる。また、エネルギーEおける金属の線減弱係数μ(E)とエネルギーEおける有機物の線減弱係数μ(E)は、NIST等のデータベースから得られる。すなわち、任意の金属の厚さB、有機物の厚さS、X線のスペクトルN(E)における減弱率I/Iを計算することが可能である。
ここで、低エネルギーのX線におけるスペクトルをN(E)、高エネルギーのX線におけるスペクトルをN(E)とすると、以下の式が成り立つ。
Figure 2022170634000003
式(4)の非線形連立方程式を解くことで、金属の厚みBと有機物の厚みSを求める。非線形連立方程式を解く代表的な方法として、ニュートンラフソン法を用いた場合について説明する。まず、ニュートンラフソン法の反復回数をm、m回目の反復後の金属の厚みをB、m回目の反復後の有機物の厚みをSとしたとき、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率をH、m回目の反復後の低エネルギーの減弱率Lを、以下の式で表す。
Figure 2022170634000004
また、厚みが微小に変化したときの減弱率の変化率を、以下の式で表す。
Figure 2022170634000005
このとき、m+1回目の反復後の金属の厚みBm+1と有機物の厚みSm+1を、高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lを用いて、以下の式で表す。
Figure 2022170634000006
2x2の行列の逆行列は、行列式をdetとすると、クラメルの公式より以下の式で表される。
Figure 2022170634000007
従って、式(21)に式(22)を代入すると、以下の式が求まる。
Figure 2022170634000008
このような計算を繰り返すことで、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率Hと実測した高エネルギーの減弱率Hの差分が限りなく0に近づいていく。低エネルギーの減弱率Lについても同様である。これによって、m回目の反復後の金属の厚みBが金属の厚みBに収束し、m回目の有機物の厚みSが有機物の厚みSに収束する。以上のようにして、式(4)に示した非線形連立方程式を解くことができる。従って、全ての画素について式(4)を計算することで、低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、金属の厚さの画像B、有機物の厚さの画像Sを得ることができる。
なお、本実施形態では説明を簡略化するために、金属の厚さBと有機物の厚さSを算出していたが、開示の技術はこのような形態に限定されない。例えば、無機物の厚さWと重金属の厚さIを算出してもよい。また、金属としてアルミや銅を用いてもよいし、有機物としてプラスティックや炭素等を用いてもよい。無機物としてガラスやケイ素を用いてもよいし、重金属として金や鉛を用いてもよい。すなわち、任意の二種類の物質の厚さに分解してもよい。
図7には、開示の技術に係るエネルギーサブトラクション処理の信号処理のブロック図を示す。開示の技術における信号処理では、図5に示した補正によって得られた低エネルギーにおける減弱率の画像Lと高エネルギーにおける減弱率の画像Hから、実効原子番号Zの画像と面密度Dの画像を求める。実効原子番号Zとは混合物の等価的な原子番号のことであり、面密度Dとは被写体の密度[g/cm]と被写体の厚み[cm]の積である。まず、X線フォトンのエネルギーをE、エネルギーEにおけるフォトン数をN(E)、実効原子番号をZ、面密度をD、実効原子番号ZかつエネルギーEおける質量減弱係数をμ(Z,E)、減弱率をI/Iとすると、以下の式が成り立つ。
Figure 2022170634000009
エネルギーEにおけるフォトン数N(E)は、X線のスペクトルである。X線のスペクトルは、シミュレーション又は実測により得られる。また、実効原子番号ZかつエネルギーEおける質量減弱係数μ(Z,E)は、NIST等のデータベースから得られる。すなわち、任意の実効原子番号Z、面密度D、X線のスペクトルN(E)における減弱率I/Iを計算することが可能である。
ここで、低エネルギーのX線のスペクトルをN(E)、高エネルギーのX線のスペクトルをN(E)とすると、以下の式が成り立つ。
Figure 2022170634000010
式(11)の非線形連立方程式をニュートンラフソン法により解いた場合について説明する。まず、ニュートンラフソン法の反復回数をm、m回目の反復後の実効原子番号をZ、m回目の反復後の面密度をDとしたとき、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率をH、m回目の反復後の低エネルギーの減弱率Lを、以下の式で表す。
Figure 2022170634000011
また、実効原子番号と面密度が微小に変化したときの減弱率の変化率を、以下の式で表す。
Figure 2022170634000012
このとき、m+1回目の反復後の実効原子番号Zm+1と面密度Dm+1を、高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lを用いて、以下の式で表す。
Figure 2022170634000013
2x2の行列の逆行列は、行列式をdetとすると、クラメルの公式より以下の式で表される。
Figure 2022170634000014
従って、式(14)に式(15)を代入すると、以下の式が求まる。
Figure 2022170634000015
このような計算を繰り返すことで、m回目の反復後の高エネルギーの減弱率Hと実測した高エネルギーの減弱率Hの差分が限りなく0に近づいていく。低エネルギーの減弱率Lについても同様である。これによって、m回目の反復後の実効原子番号Zが実効原子番号Zに収束し、m回目の反復後の面密度Dが面密度Dに収束する。以上のようにして、式(11)に示した非線形連立方程式を解くことができる。
本実施形態では、ニュートンラフソン法を用いて非線形連立方程式を解いていた。しかしながら、開示の技術はこのような形態に限定されない。例えば、最小二乗法や二分法等の反復解法を用いてもよい。また、本実施形態では非線形連立方程式を反復解法で解いていた。しかしながら、この過程で数値積分が必要となる。しかも、m回の反復計算を行うたびに再計算が必要である。さらには、全ての画素においてこのような演算を行うことになる。従って、図6や図7で示したエネルギーサブトラクションの信号処理に、非常に時間がかかるという課題がある。特に、開示の技術は動画撮影を想定しているため、信号処理に許容される時間は1フレーム以下となる。例えばフレームレートが20fpsの場合、50ms以下で信号処理と画像処理を行わなければ、処理が追い付かなくなる。そこで様々な組み合わせの高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lに対する金属の厚みBや有機物の厚みSを事前に求めてテーブルを生成し、前記テーブルを参照することで金属の厚みBや有機物の厚みSを高速に求める構成が好適に用いられる。
図8には、本実施形態におけるテーブル生成のフローチャートを示す。テーブルの分割数をM、テーブルの低エネルギーの座標をl、テーブルの高エネルギーの座標をhとする。なお、テーブルの座標l及びhは整数である。まず、低エネルギーの座標をl=0として初期化してから、高エネルギーの座標をh=0として初期化する。次に、座標lにおける低エネルギーの減弱率L[l]と座標hにおける高エネルギーの減弱率H[h]を以下の式により求める。
H[h]=h/M
L[l]=l/M ・・・(17)
このようにして求めた低エネルギーの減弱率L[l]と高エネルギーの減弱率をH[h]に対して、式(4)で示した非線形連立方程式を解き、金属の厚みBと有機物の厚みSを求める。この結果を、金属の厚みBに対するテーブルB[l,h]及び有機物の厚みSに対するテーブルS[l,h]に格納した後、h=h+1とする。高エネルギーの座標hがテーブルの分割数Mを越えていない場合(NO)は処理を繰り返す。高エネルギーの座標hがテーブルの分割数Mを越えた場合(YES)は、l=l+1とする。さらに、低エネルギーの座標lがテーブルの分割数Mを越えていない場合(NO)は、h=0として処理を繰り返す。低エネルギーの座標lがテーブルの分割数Mを越えた場合(YES)は、テーブルの生成が終了となる。以上のようにして、あらゆるlとhの組み合わせについて金属の厚みBと有機物の厚みSを求めて、テーブルに格納することができる。
図9には、本実施形態におけるテーブル参照の模式図を示す。ある画素において実測した低エネルギーの減弱率がL、実測した高エネルギーの減弱率がHであるとする。このとき、以下の式によって減弱率をテーブルの座標l’及びh’に変換する。
h’=H*M
l’=L*M ・・・(18)
この座標を用いて、金属の厚みBに対するテーブルB[l,h]を参照することで、金属の厚みBを求めることができる。有機物の厚みについても同様である。ただし、テーブルの座標l’及びh’は小数となるが、テーブルは配列に格納されているため、整数でなければ参照できない。従って、座標l’及びh’を整数に変換してから、補間によって金属の厚みB及び有機物の厚みSを求める構成が好適に用いられる。例えば、座標l’の小数点を切り捨てて整数に変換した値をl、座標h’の小数点を切り捨てて整数に変換した値をhとし、バイリニア補間で金属の厚みBと有機物の厚みSを求める場合は、以下の式を用いる。
Figure 2022170634000016
従って、事前にテーブルを生成しておけば、非線形連立方程式を解くのに比べて格段に少ない計算量で、金属の厚みBと有機物の厚みSを求めることができる。このようなテーブルは、X線のスペクトルN(E)が変化しない限り有効である。一般的に、動画撮影中にX線のスペクトルN(E)が変化することはないため、撮影前に一回テーブルを生成すれば十分である。当然のことながら、図8と図9で示したテーブルの生成と参照は、任意の二物質の厚みを求める計算についても同様に用いることができる。また、実効原子番号Zと面密度Dを求める計算に対しても、同様に用いることができる。このようにして、図6や図7で示したエネルギーサブトラクションの信号処理を高精度かつ高速に行うことができる。
本実施形態では、式(17)を用いて、座標lにおける低エネルギーの減弱率L[l]と座標hにおける高エネルギーの減弱率H[h]を求めていた。このようにして生成されたテーブルは、縦軸の座標が高エネルギーの減弱率H、横軸の座標が低エネルギーの減弱率Lとなるが、テーブルは0~1の間の減弱率を等間隔に分割したものになる。しかしながら、人体の組成と厚みに対する減弱率は0付近の値となることが多い。このため、テーブルの分割数Mが小さいと、テーブルの参照と補間によって得た値と、非線形連立方程式を解いて得た値との誤差が大きくなるという欠点がある。そこで、座標の範囲を決定する定数をk(0<k)としたとき、以下の式を用いて減弱率を求める構成が好適に用いられる。
H[h]=exp(-k*h/M)
L[l]=exp(-k*l/M) ・・・(20)
式(20)によって座標から減弱率を求めた場合は、以下の式を用いて座標を求める。
h’=-ln(H[h])*M/k
l’=-ln(L[l])*M/k ・・・(21)
テーブルの参照と補間については、式(21)を用いる。このようにして生成されたテーブルは、縦軸の座標が-ln(H)、横軸の座標が-ln(L)となっている。従って、減弱率の値が0付近になっても、テーブルの参照と補間によって得た値と、非線形連立方程式を解いて得た値との誤差を小さくできる。
本実施形態において、テーブルの生成と参照を行うとき、解が存在しない高エネルギーの減弱率Hと低エネルギーの減弱率Lの組み合わせが生じうる。例えば、高エネルギーの減弱率Hは、通常、低エネルギーの減弱率Lよりも大きくなる。従って、式(17)や式(20)を用いて生成されたテーブルでは、H<Lとなる領域の解が求められない。開示の技術においては、テーブル上で解が求められない領域を減らすように、座標を選択してもよい。例えば、縦軸の座標をln(L)/ln(H)、横軸の座標を-ln(H)等にしてもよい。あるいは、縦軸の座標として、式(8)や式(14)のように、単色X線で近似して解いた値を用いる等してもよい。また、本実施形態においてテーブルの参照を行う際に、テーブルの範囲外の座標が指定される可能性や、解が求められない領域が参照される可能性がある。このような場合は、指定された座標の周囲にある、解が存在する領域の値を用いる構成が好適に用いられる。
図10には、開示の技術に係るエネルギーサブトラクション処理前後の画像を示す。開示の技術においては、ステージ106を移動してから、図4で示した撮影を行い、図5で示した補正を行ってから、図6や図7で示した信号処理によって得た有機物画像や金属画像、あるいは実効原子番号画像や面密度画像を表示する構成が好適に用いられる。このとき信号処理を高速化するために、図8で示した方法でテーブルを生成し、図9で示した方法でテーブルを参照してもよい。いずれにせよ、エネルギーサブトラクション前の画像、すなわち通常画像と、エネルギーサブトラクション後の画像、すなわち有機物画像や金属画像、あるいは実効原子番号画像や面密度画像が得られる。
本願発明者が検討を行ったところ、金属画像や実効原子番号画像は、通常画像と比較して、基板の配線層やスルーホールによるコントラストが減少することがわかった。この結果、はんだ内のボイドを識別しやすくなることが判明した。
通常、はんだ内のボイドを識別しやすくするには3D撮影を行う必要がある。3D撮影とは、複数の方向から撮影を行って得た画像群を再構成して、三次元データを得る撮影方法である。しかしながら、開示の技術に示したようなエネルギーサブトラクション処理を行うことで、一方向からの撮影だけでボイドを識別できるようになる。当然のことながら、開示の技術はエネルギーサブトラクション後の画像を出力する構成に限定されない。エネルギーサブトラクション後の画像に対して処理を行い、ボイドの検出や面積の判定を行ってもよい。このような構成にすることで、基板の検査時間を短縮することができる。あるいは、エネルギーサブトラクションと3D撮影を組み合わせる構成としてもよい。
図11には、開示の技術に係る半影と画素ピッチの関係を示す。開示の技術に係る検査装置では、被写体となる基板とX線源及び検出器との距離が、調整可能である。X線源と被写体の距離をSOD(Source Object Distance)、被写体と検出器の距離をOID(Object Imager Distance)としたとき、拡大率Mは以下の式で表される。
M=(SOD+OID)/SOD=1+OID/SOD ・・・(22)
また、開示の技術に係るX線源は理想的な点光源ではなく、有限の大きさの焦点を持つ。この焦点サイズをFとすると、図11に示すような半影が生じる。半影の大きさHは以下の式で表される。
H=F*OID/SOD=F*(M-1) ・・・(23)
半影の大きさHが検出器の画素ピッチPを下回る場合、画像の解像度は検出器の画素ピッチPで決まる。一方で、半影の大きさHが検出器の画素ピッチPを上回る場合、画像の解像度は半影の大きさで決まる。すなわち、式(23)より、拡大率Mが(P/F+1)を超えると、半影による画像のボケが生じ始める。例えば、焦点サイズFが5μm、画素ピッチが100μmとすると、拡大率Mが21倍を超えると、半影によるボケが無視できなくなる。このような条件になると、拡大率を上げても細かい構造を解像できなくなってしまう。
この課題を解決するには、焦点サイズFを小さくすることが有効である。しかしながら、マイクロフォーカスX線源(焦点サイズ10μm以下)よりも焦点が小さいX線源、すなわちナノフォーカスX線源(焦点サイズ1μm以下)は、特殊な構造を必要とするため、非常に高価になる。
図12には、開示の技術に係るエネルギーサブトラクション処理前後の画像を示す。図10と同様に、通常画像と実効原子番号画像を示している。ただし、図10とは異なり、半影の大きさHが検出器の画素ピッチPを上回るまで拡大率を上げて撮影を行っている。すなわち、上述したように、X線発生管112(X線源)と被写体との距離SODと、被写体と二次元検出器105との距離OIDと、X線発生管112の焦点サイズFと、二次元検出器105の画素ピッチPとの関係が所定の条件を満たす場合にX線撮影を行っている。なお、これらの4つの関係が所定の条件を満たす場合とは、P≦F*(OID/SOD)という条件を満たす場合である。このとき、制御部の一例である制御用コンピュータ107は、これらの4つの関係が所定の条件を満たすようにステージ106の移動を制御してもよい。このとき、制御用コンピュータ107は、これらの4つの関係が所定の条件を満たしているか否かを判断する判断部の機能を有していてもよく、これらの4つの関係が所定の条件を満たしていると判断されたステージ106の位置でX線撮影を行ってもよい。また、これらの関係が所定の条件を満たす位置にステージ106が配置された状態でX線撮影を行ってもよい。また、制御部の一例である制御用コンピュータ107は、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像の取得の開始から完了までの間に被写体と二次元検出器105との位置関係が変わらないように、ステージ106の移動を制御してもよい。このとき、X線発生管112の位置を固定したまま、被写体を載せた移動可能なステージ106と二次元検出器105とが連動して移動するように制御してもよい。なお、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像の取得の開始や完了は、ユーザからの指示に応じて実行されてもよいし、予め設定されている検査シーケンスに応じて自動的に実行されてもよい。
そして、本願発明者が図12の画像を解析したところ、通常画像よりも実効原子番号画像のほうが、画像の解像度が向上していることが判明した。また、実効原子番号画像において被写体の構造の輪郭が強調されていることが判明した。このような現象の原因として、X線の屈折と散乱が考えらえる。
図13には、開示の技術に係る屈折コントラストの図を示す。被写体と検出器の距離OIDが小さい場合、検出器の出力には被写体の吸収によるコントラストが現れる。被写体と検出器の距離OIDを大きくしていくと、吸収コントラストに加えて、被写体の輪郭部分に屈折コントラストが現れてくる。ここで、屈折コントラストとは、X線が被写体を透過するとき、屈折によって進行方向が曲がることによって生じるコントラストである。このとき、被写体と二次元検出器との距離が、X線画像において屈折コントラストが生じる条件を満たす場合に、X線撮影が行われてもよい。屈折コントラストが生じる条件は被写体によって異なるが、OID>100mmとすることが好ましい。
図14には、開示の技術に係る屈折のエネルギー依存の図を示す。X線の屈折率δは、被写体の密度をρ、X線の波長をλとすると、以下の式で近似できることが知られている。
δ=1.35*10-6ρλ ・・・(24)
X線の波長λはエネルギーの逆数に比例する。すなわち、X線のエネルギーが低いほど、屈折率が大きくなる。その結果、屈折コントラストも大きくなる。このため、高エネルギー画像と低エネルギー画像では、屈折コントラストの量が異なる。
ただし、屈折コントラストは吸収コントラストに比べてかなり小さい。そのため通常画像においては、屈折率が大きく変化するところ、例えば空気と被写体の境界部分等でしか、屈折コントラストによる出力が有意な変化をもたらすことはない。
しかしながら、図6や図7で示した信号処理を行うと、高エネルギーと低エネルギーの吸収コントラストが相殺される一方で、屈折量の違いが増幅される。従って、エネルギーサブトラクション処理後の画像では、屈折率の変化が小さい部分であっても、屈折コントラストによる出力が有意な変化をもたらす。図12において実効原子番号画像の解像度が向上したのは、半影によるボケが屈折コントラストにより打ち消されたためと考えられる。被写体の構造の輪郭が強調される現象は、屈折コントラストが視認されたものと考えられる。
図15には、開示の技術に係る散乱線のエネルギー依存の図を示す。X線が被写体を透過するとき、X線の散乱が起きる。この散乱線の量は、エネルギーが大きいほど小さくなる傾向にある。また、エネルギーが大きいほど散乱角度が小さくなる傾向にある。すなわち高エネルギー画像と低エネルギー画像では、散乱線の量と形状、すなわち散乱コントラストが異なる。
ただし、散乱コントラストは吸収コントラストに比べて小さい。また、散乱線は広範囲に伝搬するため、被写体の境界付近における出力変化はかなり小さい。そのため通常画像の被写体の境界付近において、散乱コントラストが有意な変化をもたらすことはない。
しかしながら、図6や図7で示した信号処理を行うと、高エネルギーと低エネルギーの吸収コントラストが相殺される一方で、散乱線量の違いが増幅される。従って、エネルギーサブトラクション処理後の画像では、散乱コントラストによる出力が有意な変化をもたらす。図12において実効原子番号画像の解像度が向上したのは、半影によるボケが散乱コントラストにより打ち消されたためという可能性がある。被写体の構造の輪郭が強調される現象も、散乱コントラストが視認されたものである可能性がある。
なお、本実施形態では、電子放出源に対向してターゲットが配置され、ターゲットを透過したX線を取り出す透過型X線発生管について説明したが、開示の技術はこのような形態に限定されない。電子放出源に対しターゲットが斜め向きに配置され、ターゲットを反射したX線を取り出す反射型X線発生管を用いてもよい。さらに、ターゲットが回転する陽極回転型X線発生管を用いてもよい。また、本実施形態では、X線発生管が密封され真空状態が保たれた密封型X線発生管について説明したが、開示の技術はこのような形態に限定されない。管外に真空ポンプ等を設置することでX線発生管の真空状態を保つ開放型X線発生管を用いてもよい。
本実施形態では、X線撮像装置104は蛍光体を用いた間接型のX線センサとした。しかしながら、開示の技術はこのような形態に限定されない。例えばCdTe等の直接変換材料を用いた直接型のX線センサを用いてもよい。また、本実施形態では、X線発生装置101の管電圧を変化させていた。しかしながら、開示の技術はこのような形態に限定されない。X線発生装置101のフィルタを時間的に切り替える等して、X線撮像装置104に曝射されるX線のエネルギーを変化させてもよい。また、本実施形態では、X線のエネルギーを変化させることで、異なるエネルギーの画像を得ていた。しかしながら、この開示の技術はこのような形態に限定されない。複数の蛍光体105および二次元検出器106を重ねることで、X線の入射方向に対して前面の二次元検出器と背面の二次元検出器から、異なるエネルギーの画像を得る構成としてもよい。
本実施形態では、非線形連立方程式を解くことでエネルギーサブトラクション処理を行っていた。しかしながら、開示の技術はこのような形態に限定されない。例えば、高エネルギー画像と低エネルギー画像の各画素において、対数変換を行ってから係数を乗算した対数画像を生成し、高エネルギーの前記対数画像から低エネベルギーの前記対数画像を減算する処理を行ってもよい。あるいは高エネルギー画像の前記対数画像から低エネルギーの前記対数画像を除算する処理を行ってもよい。当然のことながら、高エネルギー画像の前記対数画像と低エネルギー画像の前記対数画像の加算や乗算を行ってもよい。すなわち、開示の技術におけるエネルギーサブトラクション処理には、エネルギーが異なる画像に対して、対数変換や係数の四則演算を行う構成や、エネルギーが異なる画像同士の四則演算を行う構成が含まれる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では低エネルギー、高エネルギーの二色で撮影した場合について述べた。第2の実施形態では、異なる三色のエネルギーで撮影する場合について述べる。図16は、本実施形態に係るエネルギーサブトラクション処理の信号処理のブロック図である。まず、三色で撮影した画像に対して、第1の実施形態と同様の処理により、高エネルギーの減弱率H、中エネルギーの減弱率M、低エネルギーの減弱率Lを求める。次に第1の実施形態の図7と同様に、実効原子番号画像を計算する。三色の画像を撮影した場合、H、M、Lの組み合わせの数、つまり3通りの実行原子番号画像を計算することができる。本実施形態では簡単のため、図16に示す通り、H,Mを組み合わせた場合とM,Lを組みわせる場合の2通りの実効原子番号画像を用いる場合について述べる。勿論、本件はこれに限定されない。例えば、H,Lを組み合わせる画像を用いても良い。図7に示される実効原子番号画像は、屈折コントラストによる誤差成分がないことを仮定している。計算する画素に屈折コントラストによる成分が含まれる場合、計算結果の実効原子番号Zは以下のように示される。
Z=Ztrue+Zref ・・・(25)
ここで、Ztrueは真の実効原子番号、Zrefは実効原子番号に対して影響する屈折コントラストの成分を示す。式(25)により、H,Mを組み合わせた場合の実効原子番号ZHMとM,Lを組み合わせた場合の実効原子番号ZMLは以下の式で示すことができる。
HM=Ztrue+ZrefHM
ML=Ztrue+ZrefML ・・・(26)
ここで、ZHMとZMLの差分をとると以下のようになる。
Zsub=ZHM-ZML
=ZrefHM-ZrefML ・・・(27)
屈折コントラストがない画素の成分はキャンセルされるため0になり、屈折コントラストの成分がある画素は屈折コントラストの差分成分が画素値になる。なお、エネルギーの組み合わせにより屈折コントラストは異なるため、前記差分成分は0にはならない。以上の処理により、屈折コントラストのみを画像化することができる。なお、画像間の違いを画像化するものであれば、差分でなくともよい。例えば、以下の式のように実効原子番号画像の比率を計算してもよい。
Zdiv=ZHM/ZML
=(Ztrue+ZrefHM)/(Ztrue+refML) ・・・(28)
屈折コントラストのない画素は、1となるため、屈折コントラストのみを画像化することができる。図17は、H、Mを組み合わせた場合の実効原子番号ZHMと(図17(a))、M、Lを組み合わせた場合の実効原子番号ZMLと(図17(b))、ZHM、MLの差分Zsub(図17(c))のライングラフを示す図である。このとき、処理部の一例である制御用コンピュータ107は、互いにエネルギー分布が異なる3つ以上の画像のうち2つの画像の組み合わせの数に対応する複数の実効原子番号画像の違いを画像化することができる。なお、ZMLは、屈折コントラストの成分のみが異なるよう人工的に作成した画像である。屈折コントラストの成分が異なる実効原子番号画像を差分することで、材質違いによる吸収コントラストの成分が0になり、屈折コントラストの成分のみが現れる。また、抽出した屈折コントラストの成分を利用して、元画像の屈折成分を強調することができる。例えば、式(28)で示されるZdivを元画像に掛け算することが考えられる。
Zmult=ZHM*Zdiv ・・・(29)
Zmultは屈折コントラストがない画素はZdiv=1となるため、元画像の屈折コントラストの成分のみを強調することが可能である。図18は、H,Mを組み合わせた場合の実効原子番号ZHMと(図18(a))、式(28)で示されるZdivと(図18(b))、式(29)で示されるZmult(図18(c))のライングラフを示す図である。Zmultにおいて、元画像の屈折成分のみが強調されていることが見て取れる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1、第2の実施形態で説明した処理に加えて、X線源の焦点移動に係る処理を行う。システム、X線発生装置、画素回路の構成は、図1~3と同様である。エネルギーサブトラクションの処理は、副画像である高エネルギー画像と低エネルギー画像のすべての画素について、お互いの同一座標の画素値を参照し演算が行われることでエネルギーサブトラクション画像を生成する。このとき、被写体の動きなどにより副画像同士の座標にずれ(画像の位置ずれ)があると、被写体の情報が一致しない状態で演算が行われ、処理後の画像にアーチファクトが現れる。通常、画像の位置ずれはX線発生装置、被写体、センサの位置関係が固定での撮影や、撮影間隔が短い高フレームレートでの撮影で回避することができる。しかしながら、第1の実施形態のように拡大率が高い画像を取得する場合は、これらの撮影方法でも画像の位置ずれが発生する。この位置ずれは、X線発生装置がX線を曝射する際に焦点位置が移動することに起因する。焦点位置とは、図2の電子線束5がターゲット9に衝突する位置である。焦点の移動は微小であるが、半影が生じるような拡大率が高い撮影では現象が顕在化する。
図19は、本実施形態に係る画像の位置ずれの分布を示す図である。図19は、拡大率の高い撮影を行った際の画像の位置ずれをプロットしたものである。図19(a)は、低管電圧のX線で撮影した低エネルギー画像の位置ずれの分布である。図19(b)は、高管電圧のX線撮影で撮影した高エネルギー画像の位置ずれの分布である。画像の位置ずれ量は、ある撮影フレームの画像を基準にして位置合わせを行った際の水平方向、垂直方向のシフト量から求めている。
管電圧を変更すると焦点位置が移動し、低エネルギー画像と高エネルギー画像で位置ずれが生じる。また、同じ管電圧であってもX線の曝射毎に焦点位置が移動し、撮影フレーム毎に位置ずれが生じる。X線の曝射毎の位置ずれの量はX線エネルギーにより変化する。(右のグラフの方が、分布範囲が広い)
図20は、本実施形態に係る画像処理のフローを示す図である。図20は、一対の副画像からエネルギーサブトラクション処理を行う場合の画像処理フローである。前述した管電圧変更に伴う画像の位置ずれは、エネルギーサブトラクション処理の精度を低下させ、画像アーチファクトを発生させる要因となる。したがって、位置ずれの補正はエネルギーサブトラクション処理よりも前に行う。位置ずれの補正は、一方の副画像を基準として、もう一方の画像を最小誤差となる座標にシフトさせる。なお、図20のフローではエネルギーサブトラクション処理の直前に画像の位置ずれの補正を行っているが、ゲイン補正の直前に行ってもよい。この場合、ゲイン補正用の被写体なしの画像も被写体ありの画像に合わせてシフトさせる。
図21は、本実施形態に係る画像処理の別のフローを示す図である。図21は、複数の副画像を平均化してからエネルギーサブトラクション処理を行う場合の画像処理フローである。管電圧変更に伴う画像の位置ずれに加え、X線の曝射毎の画像の位置ずれを補正する。X線の曝射毎の位置ずれは、複数枚の画像を平均したときに画像ボケとなる。したがって、位置ずれの補正は平均化処理よりも前に行う。第1の位置ずれ補正は、異なる管電圧で撮影した画像同士の位置ずれ補正である。一方の副画像を基準として、もう一方の画像を最小誤差となる座標にシフトさせる。第2の位置ずれ補正は、同じ管電圧で撮影した画像同士の位置ずれ補正である。複数フレームの画像の内、ある撮影フレームの画像を基準として、残りの画像を最小誤差となる座標にシフトさせる。図21(a)のフローは、第1の位置ずれ補正と第2の位置ずれ補正を別々のタイミングで行った例である。図21(b)のフローは、第1の位置ずれ補正と第2の位置ずれ補正とを同時に(あるいは連続的に)行った例である。いずれも、第1の位置ずれ補正はエネルギーサブトラクション処理よりも前に、第2の位置ずれ補正は平均化処理よりも前に行われる。これらの処理により、焦点の移動に伴う画像ボケやアーチファクトが低減されたエネルギーサブトラクション画像が得られる。
さらに、X線の焦点の移動に伴うサブピクセルオーダーの位置ずれをもとに高い解像度の画像を生成する方法について説明する。図22は、本実施形態に係る高解像化の概念図(一次元)を示す図である。図22は、2枚の画像のサンプル点と出力値を一次元データで示している。横軸は画素の座標であり、縦軸は画素の出力である。フレームAとフレームBのサンプル点の間隔は画素ピッチに相当する。フレームAとフレームBがちょうど半画素ずれている場合、画像データを画素ピッチ1/2相当に増やし、2枚の画像を重畳すると、元の画像の2倍の解像度の画像が得られる。このとき、ピクセルオーダーの画像の位置ずれはあらかじめ補正されているものとする。
図23は、本実施形態に係る高解像化の概念図(二次元)を示す図である。図23は、2枚の画像のサンプル点と出力値を二次元データで示している。横軸はX方向の座標であり、縦軸はY方向の座標である。図22では、簡単のために一次元データで説明したが、二次元データでも同様に画素を分割して重畳することで、もとの画素よりも高い解像度の画像が得られる。サブピクセルオーダーのずれ量は画素値からの推定および補完することで求める。なお、重畳する画像数は2枚以上でもよい。また、画素ピッチの分割は倍以上に増やしてもよい。
なお、図21で説明した第2の位置ずれ補正を行って取得した平均化画像と、第2の位置ずれ補正を行わずに取得した平均化画像で減算または除算を行うと被写体のエッジ画像を取得できる(ボケなし、ボケありの差)。すなわち、処理部の一例である制御用コンピュータ107は、位置ずれの補正前の複数のフレームの平均化画像と、位置ずれの補正後の複数のフレームの平均化画像とを用いて、エッジ画像を生成してもよい。あるいは、第2の位置ずれ補正を行わずに取得した高エネルギー画像の平均化画像と低エネルギー平均化画像で減算または除算を行うと被写体のエッジ画像を取得できる(エネルギー違いの位置ずれ分布の差)。すなわち、制御用コンピュータ107は、あるいは、位置ずれの補正前の複数の画像の平均化画像と、位置ずれの補正後の複数の画像の平均化画像とを用いて、被写体のエッジ画像を生成してもよい。これらの方法で得られたエッジ画像を、被写体の輪郭を強調する処理に利用してもよい。
本願発明者が、図20、図21で説明した画像の位置ずれの補正について解析したところ、画像をシフトしても完全には重ならない場合があることが判明した。このとき得られた画像において、被写体の輪郭の強調が確認された。これは、X線の焦点位置の移動により撮影角度にわずかな差異が生じたためと考えられる。すなわち、2D撮影でありながら3D撮影のような視差の情報が得られることを示している。このような、視差の情報を強調処理に利用してもよい。
(その他の実施形態)
また、開示の技術は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、開示の技術は、上述した種々の実施形態の1以上の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサー若しくは回路を有し、コンピュータ実行可能命令を読み出し実行するために、分離した複数のコンピュータ又は分離した複数のプロセッサー若しくは回路のネットワークを含みうる。
このとき、プロセッサー又は回路は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッシングユニット(MPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートウェイ(FPGA)を含みうる。また、プロセッサー又は回路は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、データフロープロセッサ(DFP)、又はニューラルプロセッシングユニット(NPU)を含みうる。

Claims (25)

  1. X線を照射するX線源と、X線を検出する二次元検出器と、を備える放射線撮像装置において、
    前記X線源と被写体との距離SODと、被写体と前記二次元検出器との距離OIDと、前記X線源の焦点サイズFと、前記二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、
    P≦F*(OID/SOD)
    という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う処理部を備える、放射線撮像装置。
  2. 前記関係が前記条件を満たし、且つ被写体と前記二次元検出器との距離OIDが前記複数の画像において屈折コントラストが生じる条件を満たす場合に、前記複数の画像が取得される、請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記エネルギーサブトラクション処理が、前記複数の画像を用いて実効原子番号画像又は面密度を取得する処理である、請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記エネルギーサブトラクション処理が、前記複数の画像を用いて任意の二物質の画像を取得する処理である、請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記任意の二物質のうち一方が、金属又は重金属又は有機物又は無機物である、請求項4に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記エネルギーサブトラクション処理において、前記複数の画像に対して、反復解法で非線形の連立方程式を解くことで、エネルギーサブトラクション後の画像を生成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記エネルギーサブトラクション処理において、前記複数の画像に対して、対数変換や四則演算を行うことで、エネルギーサブトラクション後の画像を生成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記エネルギーサブトラクション処理において、エネルギーサブトラクション後の画像の厚みと実効原子番号と面密度とのいずれかと、前記複数の画像の減弱率と、の関係を事前にテーブルに格納し、前記テーブルを参照することで、エネルギーサブトラクション後の画像を生成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  9. 管電圧が異なるX線を照射することで、前記複数の画像を取得する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  10. 被写体を載せた移動可能なステージであって、前記関係が前記条件を満たしていると判断された前記ステージの位置で、前記複数の画像が取得される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記複数の画像の取得の開始から完了までの間に前記被写体と前記二次元検出器との位置関係が変わらないように、前記ステージの移動が制御される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記処理部は、前記X線源の焦点移動に伴う前記複数の画像における位置ずれを補正する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記複数の画像それぞれは、複数のフレームとして取得され、
    前記処理部は、前記複数の画像における位置ずれの補正と前記複数のフレームにおける位置ずれの補正とを行う、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  14. 前記複数の画像それぞれは、複数のフレームとして取得され、
    前記処理部は、前記複数のフレームをそれぞれサブピクセルに分割し重畳することにより、前記複数のフレームの解像度よりも高い解像度の画像を取得する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  15. 前記処理部は、前記位置ずれの補正前の前記複数の画像の平均化画像と、前記位置ずれの補正後の前記複数の画像の平均化画像とを用いて、あるいは、前記位置ずれの補正前の前記複数のフレームの平均化画像と、前記位置ずれの補正後の前記複数のフレームの平均化画像とを用いて、被写体のエッジ画像を生成する、請求項13又は14に記載の放射線撮像装置。
  16. 前記処理部は、前記複数の画像における位置ずれの補正が行われて得た複数の画像を比較することにより、視差の情報を取得する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  17. 前記複数の画像は、互いにエネルギー分布が異なる3つ以上の画像であり、
    前記処理部は、前記3つ以上の画像のうち2つの画像の組み合わせの数に対応する複数の実効原子番号画像の違いを画像化する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  18. 前記処理部は、前記2つの画像の差分あるいは除算により実効原子番号画像の違いを画像化する、請求項17に記載の放射線撮像装置。
  19. 前記処理部は、前記複数の実効原子番号画像を除算して得た画像と、前記複数の実効原子番号画像のいずれかの画像とを乗算する、請求項17又は18に記載の放射線撮像装置。
  20. X線を照射するX線源と、X線を検出する二次元検出器と、を備える放射線撮像システムにおいて、
    前記X線源と被写体との距離SODと、被写体と前記二次元検出器との距離OIDと、前記X線源の焦点サイズFと、前記二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、
    P≦F*(OID/SOD)
    という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う処理部を備える、放射線撮像システム。
  21. 被写体を載せた移動可能なステージであって、前記関係が前記条件を満たしていると判断された前記ステージの位置で、前記複数の画像を取得するように、前記X線源を制御する制御部を更に備える、請求項20に記載の放射線撮像システム。
  22. 前記制御部は、少なくとも前記複数の画像の取得の開始から完了までの間に前記被写体と前記二次元検出器との位置関係が変わらないように、前記ステージを制御する、請求項21に記載の放射線撮像システム。
  23. X線を照射するX線源と被写体との距離SODと、X線を検出する二次元検出器と被写体との距離OIDと、前記X線源の焦点サイズFと、前記二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、
    P≦F*(OID/SOD)
    という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う処理部を備える、画像処理装置。
  24. X線を照射するX線源と被写体との距離SODと、X線を検出する二次元検出器と被写体との距離OIDと、前記X線源の焦点サイズFと、前記二次元検出器の画素ピッチPとの関係が、
    P≦F*(OID/SOD)
    という条件を満たす場合に取得された複数の画像であって、互いにエネルギー分布が異なる複数の画像にエネルギーサブトラクション処理を行う、画像処理方法。
  25. 請求項24に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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