JP2022166728A - 電気電子部品屑の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気電子部品屑の中から有価物付きプラスチック屑を効率良く回収することが可能な電気電子部品屑の処理方法を提供する。【解決手段】電気電子部品屑の選別処理で発生するプラスチックを含む部品屑に対し、塩水を用いた比重選別処理を行い、有価物付きプラスチック屑を分離して回収する工程を含む電気電子部品屑の処理方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、電気電子部品屑の処理方法に関する。
近年、資源保護の観点から、廃家電製品・PC、携帯電話等の電気電子部品屑から、有価金属を回収することがますます盛んになってきており、その効率的な回収方法が検討され、提案されている。
例えば、特開平9-78151号公報(特許文献1)では、電気電子部品屑等の有価金属を含有するスクラップ類を銅鉱石溶錬用自溶炉へ装入し、有価金属を炉内に滞留するマットへ回収させる工程を含む有価金属のリサイクル方法が記載されている。
特開2018-123380号公報(特許文献2)では、アルミニウムを含むリサイクル原料から有価金属を回収する方法として、リサイクル原料を銅製錬工程の溶融炉へ装入し、アルミニウムを酸化させて溶融スラグ層の成分にすることで系外に除去し、有価金属をメタル層やマット層に溶け込ませ、溶け込んだ有価金属を回収するリサイクル原料の処理方法が記載されている。
特開平9-78151号公報 特開2018-123380号公報
特許文献1及び2に記載されるような銅溶錬自溶炉を用いた処理においては、電気電子部品屑の処理量が増えると、電気電子部品屑を構成する樹脂等の有機物に含まれる炭素成分が増加し、溶錬炉で過還元によるトラブルが発生する場合がある。一方で、電気電子部品屑の処理量は近年増加する傾向にあるため、銅溶錬自溶炉での効率的な処理が望まれている。
しかしながら、電気電子部品屑の処理量が増加することにより、電気電子部品屑に含まれる物質の種類によっては、その後の銅製錬工程での処理に好ましくない物質(製錬阻害物質)が従来よりも多量に投入されることとなる。銅製錬工程に装入される製錬阻害物質の量が多くなると、電気電子部品屑の投入量を制限せざるを得なくなる状況が生じる。
製錬工程中に電気電子部品屑を効率的に投入して有価金属を回収するためには、製錬阻害物質の濃度を可能な限り低くしながら製錬工程で回収される有価金属の濃度を高くした原料を用意することが望ましい。本発明者らは種々の選別方法を検討してきたが、電気電子部品屑は、比重及び形状の異なる種々の部品及び材料で構成されているため、有価金属とプラスチックとが混在する部品屑の中から、有価物付きプラスチックを選択的に効率良く選別回収することが困難であった。
上記課題を鑑み、本開示は、電気電子部品屑の中から有価物付きプラスチック屑を効率良く回収することが可能な電気電子部品屑の処理方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態は一側面において、電気電子部品屑の選別処理で発生するプラスチックを含む部品屑に対し、塩水を用いた比重選別処理を行い、有価物付きプラスチック屑を分離して回収する工程を含む電気電子部品屑の処理方法である。
本開示によれば、電気電子部品屑の中から有価物付きプラスチック屑を効率良く回収することが可能な電気電子部品屑の処理方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の選別処理の全体フローと各選別処理で選別される部品屑の例を示すフロー図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(塩水を用いた比重選別処理)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、電気電子部品屑の選別処理で発生するプラスチックを含む部品屑に対し、塩水を用いた比重選別処理を行い、この比重選別処理によって分離される有価物付きプラスチック屑を回収する工程を含む。
電気電子部品屑とは、廃家電製品・PCや携帯電話等の電子・電気機器を破砕した屑を意味し、回収された後、適当な大きさに破砕されたものを指す。電気電子部品屑を得るための破砕は、処理者自身が行ってもよいが、市中で破砕されたものを購入等したものでもよい。
破砕方法としては、特定の装置には限定されず、せん断方式でも衝撃方式でもよいが、できる限り、部品の形状を損なわない破砕が望ましい。従って、細かく粉砕することを目的とする粉砕機のカテゴリーに属する装置は含まれない。
以下に限定されるものではないが、典型的には、電気電子部品屑として粒度が概ね10mm以上100mm以下、より典型的には10mm以上70mm以下、更には15mm以上60mm以下に破砕された破砕屑を利用することが好ましい。電気電子部品屑の粒度は例えば電気電子部品屑の中から任意の破砕屑を数点~数十点抽出し、それぞれの長径と短径の平均値を測定することにより評価することができる。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法では、上記の電気電子部品屑に対し、風力選別、篩別、色彩選別、金属選別等の種々の物理選別処理を行うことにより、製錬原料となる原料中に、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の有価金属の濃度が高くなるような選別処理を行う。一方で、電気電子部品屑中に含まれる臭素(Br)、塩素(Cl)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)等の製錬工程において操業に悪影響を及ぼし得る製錬阻害物質は、物理選別処理により極力減らすように選別する。
以下の処理に限定されるものではないが、例えば、電気電子部品屑の選別処理として、メタルソータを用いた金属選別処理を行い、金属選別処理で非金属物側に選別された選別処理物に対して、塩水を用いた比重選別処理を行うことが好ましい。
金属選別処理で非金属物側に選別された選別処理物には、プラスチック(合成樹脂)を含む部品屑が含まれる。このプラスチックを含む部品屑には、プラスチックでほぼ100%構成される部品屑の他に、基板、IC付きプラスチック屑、塊状被覆線屑等の製錬工程で回収可能な銅、金、銀等の有価物を含有するプラスチック屑(以下「有価物付きプラスチック屑」という)が含まれる。
しかしながら、この有価物付きプラスチック屑は、有価物を含まないプラスチック屑と比重及び形状が互いに非常に近似しており、風力選別やエアテーブル選別等のような一般的な比重選別処理では、選別することが困難である。
特に、有価物付きプラスチック屑として、基板屑を例に挙げると、基板屑には、電気電子部品屑の中でも、銅等の有価物が比較的多く含まれる有価物付き基板屑がある。この有価物付き基板屑を回収したい一方で、有価物付き基板屑は、有価物を含まない基板屑と比重及び形状が互いに類似しているため、有価物付き基板屑だけを選択的に分離して回収することが困難である。同様に、プラスチックを含む部品屑として、被覆線屑(コネクタを含む)を例に挙げると、被覆線屑は曲がりが強いため、メタルソータのメタルセンサーで誤検知が生じやすく、プラスチック回収側へ混入する。そのため、被覆線屑の回収効率が有意に向上しない場合がある。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、電気電子部品屑の選別処理で発生するプラスチックを含む部品屑に対し、塩水を用いた比重選別処理(以下において「塩水分離」ともいう)を行う。これにより、プラスチックを含む部品屑の中から有価物付きプラスチック屑を優先的に効率良く分離して回収することができる。
塩水分離に用いられる塩水としては、できるだけ濃度が高い方が好ましい。具体的には、飽和濃度の塩水を用いることが処理効率面から好ましい。塩水の濃度は、例えば、塩分濃度25~26質量%程度とすることができる。塩水分離では、飽和濃度の塩水で満たした槽内にプラスチックを含む部品屑を投入し、比重差を利用して浮上物と沈降物とに分離する。有価物付きプラスチック屑は沈降物側へ、有価物を含まないプラスチック屑又は有価物が非常に低濃度のプラスチック屑は浮上物側へと分離される。
浮上物側へ分離されたプラスチック屑は、処理系外へ送る。このプラスチック屑には、Cl、Br等の製錬阻害物質が含まれているため、製錬工程の処理系外へ排出されることにより、製錬工程へ持ち込まれる製錬阻害物質の含有量を低減させることができる。
塩水分離は、複数段階に分けて行うことができる。例えば、図1に示すように、飽和濃度の塩水を用いて第1の比重選別処理(第1の塩水分離)を行う第1の処理と、第1の処理で分離した浮上物に対し、第1の処理よりも塩水濃度の低い塩水を用いて第2の比重選別処理(第2の塩水分離)を行う第2の処理とを行うことができる。
第1の処理では、沈降物側に有価物付きプラスチック屑が分離される。有価物付きプラスチック屑を分離した後の第1の塩水分離水を処理対象とする第2の処理においては、第1の処理よりも塩水濃度の低い例えば10~20質量%の塩水を用いて塩水分離し、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド樹脂(PA66)等を含むプラスチック屑を沈降物側に分離させ、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)等を含むプラスチック屑を浮上物側へ分離させる。これらのプラスチック屑を効率的に分離するためには、第2の処理では、塩水濃度10~20質量%、より好ましくは13~16質量%程度の塩水を用いることが好ましい。なお、塩水濃度は原料の組成及び比重に応じて適宜調整できることは勿論である。
第1の処理を行うことにより、基板屑、被覆線屑等を沈降物側へ分離させ、その他のプラスチック屑は浮上物側に分離させることができるため、その他のプラスチック屑をリサイクル工程の原料として用いる場合に、リサイクル工程へ持ち込まれる塩素等の製錬阻害物質の含有量を少なくすることができる。これにより、リサイクル工程の操業をより安定的に行うことができる。
また、第2の処理で沈降物側に分離させたAS樹脂、PMMA、PA66等のプラスチック屑は高カロリーであることから、サーマルケミカルリサイクル用途のプラスチック原料としてリサイクル処理へと送ることができる。一方、第2の処理で浮上物側に分離されたPE、PP、ABS樹脂、PS等のプラスチック屑は、リサイクル原料として用いても良いし、自溶炉を備える製錬工程へ送る原料として使用してもよいし、マットとスラグを形成する溶融炉で処理してもよい。
第1の処理で沈降物側に分離された選別処理物中には、銅、金、銀等の有価金属濃度が高くなるため、これを原料として製錬工程へ供給することにより、製錬工程における有価金属の回収効率を向上できる。
ここで、複数段階で塩水分離を行う場合、第1の処理よりも、後段の第2の処理の塩水濃度の方が低くなるような条件で塩水分離を行うことが好ましい。第2の処理では、第1の処理の塩水分離で得られた浮上物を用いるため、第1の処理よりも、第2の処理の塩水濃度の方が低くなるような条件で塩水分離を行うことにより、第2の処理における塩水濃度の調整及び管理がしやすくなる。
しかしながら、塩水分離の塩水濃度条件は、上記の例には限定されず、必要に応じて、第1の処理よりも第2の処理の塩水濃度が高くなるような条件で塩水分離を行うこともまた可能であることは勿論である。また、原料中に含まれる種々のプラスチック屑のそれぞれの比重等を考慮して、2段階以上の塩水分離を行ってもよいことは勿論である。
(電気電子部品屑の処理方法)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法の一例を図2に示す。本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、電気電子部品屑を少なくとも2段階の風力選別(S2、S4)により処理する工程と、メタルソータを用いた金属選別工程(S6)により基板屑を選別する工程を少なくとも含み、上記の塩水分離処理は、金属選別工程(S6)の非金属物側に選別された選別処理物に対して実施することができる。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、物理選別の初期段階において、まず風力選別を2段階に分けて行う(S2、S4)ことにより、初期に磁力選別の処理を行う場合に比べて、有価金属のロスを抑えることができ、より多くの有価金属を濃縮しながら多量の電気電子部品屑を一気に選別処理することができる。
そして、2段階の風力選別の後、処理に時間を要するメタルソータを用いた選別処理(S6)を組み合わせることによって、電気電子部品屑の処理量を増大しながら、製錬阻害物質を除去して、有価金属を効率的に回収することができる。更に、金属選別工程(S6)の非金属物側に選別された選別処理物に対して塩水分離を実施することにより、非金属物側の部品屑にも含まれる有価金属を漏れなく回収することができる。
一実施態様では、原料として投入される電気電子部品屑に、粉砕や破砕を行うことなく、一定の寸法及び形状を保持した状態(例えば粒度10~70mm程度)で選別処理を行う。これにより、単位時間当たりに処理可能な電気電子部品屑の処理量をより多くすることができる。また、破砕及び粉砕を行って電気電子部品屑を粒状化又は粉状化する場合に比べて、電気電子部品屑の原料としての取り扱い性を向上でき、搬送も容易で、全体としての処理効率も高めることができる。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑は、以下に限定されるものではないが、一実施態様においては、電気電子部品屑を、塊状銅線屑、粉状物、フィルム、線状銅線屑、基板屑、金属片、銅線屑、コンデンサ、ICチップ、鉄屑(Fe)、アルミ(Al)屑、ステンレス(SUS)屑、ゴム類及び筐体等を含む合成樹脂類、及びそれ以外の屑に分類することができる。
このような分類基準において、分類目的とする物質が、一の部品屑中に重量比で90%以上含まれる部品屑を、本実施形態では「単体屑」といい、複数の物質が混合する単体屑以外の屑を「複合屑」という。本実施形態では、電気電子部品屑中に、単体屑が60%以上、更には70%以上含まれる原料を前選別工程S1で処理する原料として使用することにより、製錬阻害物質を系外へ除去しながら目的とする有価物を含む部品屑を効率良く的確に選別処理することができる。
更に具体的な一実施形態においては、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、電気電子部品屑の中から塊状線屑を取り除く前選別工程(S1)と、前選別工程後の電気電子部品屑を風力選別して粉状物及びフィルム状の屑を軽量物側に移行させて取り除く風力選別工程(S2)と、風力選別工程で得られる重量物を篩別し、線状(長尺状)線屑を取り除く篩別工程(S3)と、二段階目の風力選別工程(S4)と、線状線屑除去後の電気電子部品屑から、カラーソータを用いて銅等の有価金属を含む基板屑を取り除く色彩選別工程(S5)と、色彩選別工程後の電気電子部品屑の中からメタルソータを用いて銅等の有価金属を含む基板屑を更に取り除く金属選別工程(S6)を含む。
一段階目の風力選別工程(S2)と二段階目の風力選別工程(S4)との間に篩別工程(S3)を備えることにより、電気電子部品屑に含まれる線屑を除去することができる。篩別工程では、スリット状の篩を有する篩別機を用いて処理することが好ましい。篩別工程(S3)においては、篩別により、線屑の他に粉状物も除去することができる。篩別後の粉状物及び線屑は、焼却前処理工程を経由して製錬工程に送ることで、部品屑中の有価金属をより効率的に回収できる。また、風力選別工程(S4)の後に色彩選別工程(S5)が実施されることにより、金属選別工程(S6)に送られる処理対象物の金属含有比率を下げることができるため、金属選別工程(S6)における選別効率をより高くすることができる。
二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物の中には、銅製錬工程で処理すべき基板が一部混入する場合がある。よって、二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物を、本実施形態に係る塩水分離処理、或いは磁力選別、渦電流選別、カラーソータ、手選別、ロボット等の処理を組み合わせてより更に分類することで、銅製錬工程で処理すべき基板を分離して製錬工程に送ることができるため、有価金属の回収効率が高まる。
例えば、二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物を、前選別工程(S7)を経て、磁力選別工程(S8)に送る。磁力選別工程(S8)では、重量物から鉄を含む原料を、製錬工程の系外原料として除去する。磁力選別工程(S8)後には渦電流選別工程(S9)が行われ、更に、前選別工程(S10)が行われ、アルミ、合成樹脂類(プラスチック)、SUSを含む屑等を除去し、残った基板屑を製錬工程へ送る。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法では、金属選別工程(S6)で非金属物側に選別された選択処理物に対して、塩水分離処理を行うことができる。これにより、電気電子部品屑の中から、製錬工程で処理可能な有価金属を含む製錬原料、或いは、貴金属を含まず、且つ、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、合成樹脂のいずれかを含む、製錬系外原料を、効率良く迅速に処理することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法では、従来一般的な湿式比重分離処理で行われるような破砕及び粉砕処理は必ずしも必要とせず、原料の形態をそのまま維持した状態で選別処理を行うため、原料の取り扱いも容易で、大量の電気電子部品屑を処理することができる。また、塩水分離処理を用いることにより、手選別を適用する場合に比べて、電気電子部品屑をより効率良く選別処理することが可能となり、より大量の電気電子部品屑の機械的処理が可能となる。
さらに、本実施形態に係る電気電子部品屑の処理方法では、必要に応じて各選別処理(S1~S10)に適宜組み合わせて利用することも可能である。更に、前選別工程(S7)、磁力選別工程(S8)、渦電流選別工程(S9)、前選別工程(S10)で系外原料として選別される原料に対して更に画像認識処理を行い、ロボットハンドを備える選別装置を用いて対象物を抽出する選別処理を実施することもまた好適である。例えば、渦電流選別工程(S9)の後に抽出されたアルミ屑には、アルミ屑に有価物を含む基板のついた部品屑も含まれる。各選別工程(S7~S10)で系外原料として選別された対象物に対して更に本実施形態に係る塩水分離処理を用いた選別処理を行うことにより、系外原料へ混入する有価物量を低減することができ、より一層有価物の回収効率を高めることができる。
(製錬工程)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、各選別工程(S1~S10)でそれぞれ選別された有価金属を含む処理原料を製錬する製錬工程を更に有する。
有価金属として銅を回収する場合は、溶錬炉を用いた製錬が行われる。製錬工程には、例えば、電気電子部品屑を焼却する工程と、焼却物を破砕及び篩別する工程と、破砕及び篩別処理した処理物を銅製錬する工程とを備える。製錬工程の処理能力に応じて、電気電子部品屑を焼却する工程は省略してもよい。
製錬工程において、電気電子部品屑を破砕及び篩別する工程は、電気電子部品屑を製錬処理に好ましいサイズに成形する処理であれば任意の手法を選択できる。図2に示す物理選別工程が、製錬工程における焼却工程、破砕及び篩別する工程の前に行われることにより、有価金属をより効率的に回収しながら製錬阻害物質となる鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、合成樹脂のいずれかを含む原料を系外へ効率良く送ることができる。
以下に制限されるものではないが、本実施形態に係る製錬工程としては、自溶炉法を用いた銅製錬工程が好適に利用できる。自溶炉法を用いた銅製錬工程としては、例えば、自溶炉のシャフトの天井部から銅精鉱と溶剤と電気電子部品屑を装入する。装入された精鉱及び屑が、自溶炉のシャフトにおいて溶融し、自溶炉のセットラーにおいて例えば50~68%の銅を含むマットとそのマットの上方に浮遊するスラグとに分離される。電気電子部品屑中の銅、金、銀などの有価金属は、自溶炉内を滞留するマットへ吸収されることで、電気電子部品屑中から有価金属を回収できる。
銅製錬においては、銅を製造するとともに、金、銀などの貴金属をより多く回収するために、処理する原料として銅、金、銀など有価金属の含有量の多い電気電子部品屑をできるだけ多く投入して処理することが重要である。一方、電気電子部品屑には、銅製錬における製品、副製品の品質に影響を与える物質及び/又は銅製錬のプロセスに影響を与える製錬阻害物質が含有される。例えば、Sb、Ni等の元素を含有する物質の溶錬炉への投入量が多くなると、銅製錬で得られる電気銅の品質が低下する場合がある。
また、銅製錬などの非鉄金属製錬工程では、精鉱の酸化によって発生する二酸化硫黄から硫酸を製造するが、二酸化硫黄に炭化水素が混入すると、産出される硫酸が着色する場合がある。炭化水素の混入源としては、例えばプラスチックなどの合成樹脂類などが挙げられるが、銅製錬へ持ち込まれる電気電子部品屑の構成によっては、このような合成樹脂類が多く含まれる場合がある。合成樹脂類は、溶錬炉内での急激な燃焼、漏煙のほか局所加熱による設備劣化を生じさせる恐れもある。
更に、Al、Feなどが溶錬炉内に一定以上の濃度で存在すると、例えば、銅製錬のプロセスでスラグ組成に変化を与え、有価金属のスラグへの損失、いわゆるスラグロスに影響する場合もある。また、Cl、Br、F等のハロゲン元素が溶錬炉へ投入される電気電子部品屑中に多く含まれていると、銅製錬の排ガス処理設備の腐食や硫酸触媒の劣化を引き起こす場合がある。このような製錬阻害物質の混入の問題は、電気電子部品屑の処理量が多くなるにつれて顕在化し、製錬工程に負担がかかるという問題が生じている。
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、製錬工程の前に、図1に示すような塩水分離処理工程を備える。これにより、製錬工程に持ち込まれる製錬阻害物質の割合を極力抑えるとともに、電気電子部品屑の処理量を増やし、銅及び有価金属を含む電気電子部品屑の割合を多くして銅及び有価金属を効率的に回収することが可能となる。
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。即ち、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらは本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
図2に示す電気電子部品屑の金属選別工程S6において、非金属物側に選別されたプラスチックを含む部品屑に対し、二段階の塩水分離処理を行った。第1の塩水分離処理では塩水として26質量%食塩水を使用した塩水分離を行い、有価物付きプラスチック屑は26%沈降物側へ移行させて、26%沈降物と26%浮上物とを得た。第2の塩水分離処理では、26%浮上物に対し、塩水として15質量%食塩水を使用した塩水分離を行い15%浮上物と15%沈降物を得た。供給元の異なる9種類の電気電子部品屑に対して同様な試験を行った場合の、15%浮上物、15%沈降物及び26%浮上物に分配される各種金属の重量比の平均値を表1に示す。
Figure 2022166728000002
表1に示すように、有価物付きプラスチック屑を26%沈降物側へ移行させることで、金属選別工程で非金属物側に選別された選別処理物からも銅、金、銀等の有価金属を効率良く回収できることがわかる。また、15%浮上物中には臭素及び塩素の含有率も低く、塩水分離によって、臭素を40%以上、塩素を10%以上、15%沈降物側に分離させることができたため、製錬阻害物質を効率良く製錬工程の系外へと送ることができることが分かる。
S1 前選別工程
S2 風力選別工程
S3 篩別工程
S4 風力選別工程
S5 色彩選別工程
S6 金属選別工程
S7 前選別工程
S8 磁力選別工程
S9 渦電流選別工程
S10 前選別工程

Claims (7)

  1. 電気電子部品屑の選別処理で発生するプラスチックを含む部品屑に対し、塩水を用いた比重選別処理を行い、有価物付きプラスチック屑を分離して回収する工程を含むことを特徴とする電気電子部品屑の処理方法。
  2. 前記塩水を用いた比重選別処理の前に、メタルソータを用いた金属選別処理を行い、
    前記金属選別処理で非金属物側に選別された選別処理物に対して、前記塩水を用いた比重選別処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気電子部品屑の処理方法。
  3. 前記有価物付きプラスチック屑が、基板、被覆線屑を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気電子部品屑の処理方法。
  4. 飽和濃度の塩水を用いて、前記比重選別処理を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
  5. 飽和濃度の塩水を用いて第1の比重選別処理を行う第1の処理と、
    前記第1の処理で分離した浮上物に対し、前記第1の処理よりも塩水濃度の低い塩水を用いて第2の比重選別処理を行う第2の処理と
    を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
  6. 飽和濃度の塩水を用いた比重選別処理によって沈降物側に分離される前記有価物付きプラスチック屑を、銅製錬の溶融炉へ投入することを含む請求項1~5のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
  7. 前記有価物付きプラスチック屑が、銅、金、銀のいずれかを少なくとも含む請求項1~6のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
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