JP2022166361A - 投写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】明るさを低下させることなく画素シフトによる画質の劣化を低減可能な投写装置を提供すること。【解決手段】投写装置は、画像信号に基づいて1つのフレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおける色ごとのデータを生成する生成部と、色ごとのデータに応じて画像を形成する画像表示部と、サブフレーム期間ごとに画像表示部により形成された画像の投写位置をシフトさせるためにシフト機構を動作させる駆動部とを有し、駆動部は、第1のサブフレーム期間及び第1のサブフレーム期間に連続する第2のサブフレーム期間においてシフト機構を動作させ、第1のサブフレーム期間に対する第1のサブフレーム期間におけるシフト機構の動作時間の第1の割合、及び第2のサブフレーム期間に対する第2のサブフレーム期間におけるシフト機構の動作時間の第2の割合は、所定値より小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、画像の投写位置を制御可能な投写装置に関する。
従来、プロジェクタ等の投写装置において、画像の投写位置をシフトさせて補完画像を投写することにより疑似的に画像を高解像度化させる画素シフトと呼ばれる方法が知られている。画素シフトでは、画素をある位置から別の位置にシフトさせるために遷移時間が必要であり、理想的な高画素化の効果が得られないという課題がある。特許文献1では、遷移時間中に青色等の比視感度の低い色の画像を表示する、又は黒表示を行うことにより画質の劣化を抑えるプロジェクタが提案されている。
特開2017-219762号公報
しかしながら、特許文献1のプロジェクタではカラーホイールで時分割表示を行うことを前提としているため、特許文献1のプロジェクタの構成を3枚の表示素子で各色を変調するシステムには適用できない。また、遷移時間中に比視感度の低い色で統計的に多い画像を表示する場合、画質の劣化が目立つ可能性がある。また、遷移期間中に黒表示を行う場合、画質の劣化は生じないが、明るさが低下してしまう。
本発明は、明るさを低下させることなく画素シフトによる画質の劣化を低減可能な投写装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての投写装置は、画像信号に基づいて1つのフレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおける色ごとのデータを生成する生成部と、色ごとのデータに基づいて画像を形成する画像表示部と、サブフレーム期間ごとに画像表示部により形成された画像の投写位置をシフトさせるためにシフト機構を動作させる駆動部とを有し、駆動部は、第1のサブフレーム期間及び第1のサブフレーム期間に連続する第2のサブフレーム期間においてシフト機構を動作させ、第1のサブフレーム期間に対する第1のサブフレーム期間におけるシフトの時間の第1の割合、及び第2のサブフレーム期間に対する第2のサブフレーム期間におけるシフトの時間の第2の割合は、所定値より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、明るさを低下させることなく画素シフトによる画質の劣化を低減可能な投写装置を提供することができる。
実施例1の投写装置のブロック図である。 実施例1の投写装置の光学系の概略図である。 実施例1のホイールを示す図である。 実施例1の各パネルの表示のタイミングを示す図である。 データ出力回路のブロック図である。 パネル駆動信号の一例を示す図である。 シフトデバイスの説明図である。 従来例のパネル表示と画素シフトとの関係を示す図である。 画素シフトの説明図である。 実施例1の4Wayシフトにおける画素の動作図である。 実施例1の画素シフトのタイミングを示す図である。 シフト遷移期間を考慮しない理想的な状態の投写画像を示す図である。 シフト遷移期間を考慮した状態の投写画像を示す図である。 実施例1の投写画像を示す図である。 実施例2の投写装置の光学系の概略図である。 実施例2の光源を示す図である。 実施例2の画素シフトのタイミングを示す図である。 実施例3の画素シフトのタイミングを示す図である。 実施例3の駆動時間と明るさとの関係を示す図である。 2Wayシフトにおける画素の動作図である。 2Wayシフトにおける画素シフトのタイミングを示す図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施例の投写装置1000のブロック図である。投写装置1000は、パネル(画像表示素子)の表示状態に応じて投影を行う。操作部10は、投写装置1000の電源のON/OFF、投写画像のピントの調整、及び各種投影モードの設定の入力を行うために使用される。制御部11は、操作部10からの信号を受けて入力/画像処理ブロック100、データ生成ブロック(生成部)200、又は駆動パラメータ生成回路800に制御指示を行う。EPROM12は、制御部11に接続され、操作部10を用いて設定された設定状態等の各種パラメータを読み書きする。
入力/画像処理ブロック100は、入力された画像信号に対する補正処理を行う。データ入力回路101は、入力手段IN1,IN2から入力される画像信号を受信する。画像処理回路102は、データ入力回路101からの画像信号に対してノイズ除去、輪郭強調、スケーリング、及び台形補正等の補正処理を行い、表示データ生成ブロック200に補正後の画像信号を出力する。
表示データ生成ブロック200は、表示データ生成回路201及びデータ出力回路202を有する。表示データ生成回路201は、入力/画像処理ブロック100からの画像信号を用いてパネルブロック(画像表示部)400に含まれるパネルに表示させるための表示データを生成する。表示データは、パネルの特性に応じたγ補正や輝度ムラの調整等が施されている。データ出力回路202は、表示データ生成回路201からの表示データを用いてパネル駆動データを生成し、パネルドライバブロック300に出力する。
パネルドライバブロック300は、R/Bパネルドライバ301a及びGパネルドライバ301bを有し、パネル駆動データをパネル駆動信号に変換し、パネルブロック400に出力する。
パネルブロック400は、R/Bパネル401a及びGパネル401bを有する。R/Bパネル401aは、パネル駆動信号に応じてR色及びB色の表示を行う。Gパネル401bは、パネル駆動信号に応じてG色の表示を行う。各パネルは、表示を面一括で切り替えることができる。各パネルは例えば、電荷を蓄積して表示を行うホールド型の液晶パネル、ミラーを用いて単位時間で諧調表現を行うDMD、及び液晶を用いて単位時間で諧調表現を行うパネル等である。
駆動パラメータ生成回路800は、制御部11による設定に応じて光源502、ホイールモータ602、及びシフトデバイス(シフト機構)702の駆動制御のパラメータを出力する。光源駆動回路501は、駆動パラメータ生成回路800からのパラメータに応じて光源502を駆動する。本実施例では、光源502は青色のレーザー光源である。ホイール駆動回路601は、ホイール位置検出回路603の検出結果(ホイールの回転数及び角度)や、駆動パラメータ生成回路800からのパラメータに応じてホイールモータ602を駆動する。シフト駆動回路(駆動部)701は、駆動パラメータ生成回路800からのパラメータに応じてシフトデバイス702を駆動する。
図2は、投写装置1000の光学系の概略図であり、色ごとの光束の導き方を示している。第1照明光学系1aは、各種レンズ等の光学素子を含み、光源502として使用される青色のレーザー光源から射出された青色レーザー光を所定の大きさで集光する。ハーフミラー3は、第1照明光学系1aの側の面から照射された青色レーザー光を透過させる。また、ハーフミラー3のホイール2の側の面には、黄色光を入射角度に応じて反射させる光学的な膜が形成されている。ハーフミラー3を透過した青色レーザー光は、ホイール2に入射する。
図3は、ホイール2を示す図である。ホイール2は、斜線部で示される青色レーザー光を黄色光に変換する蛍光体である黄色部、及び白部で示される青色レーザー光を透過させる切欠き又はガラスである透過部より構成され、ホイールモータ602により回転制御される。本実施例では、ホイール2の全角度範囲(360度)のうち、透過部は39度、黄色部は141度で構成されている。
合成光学系8には、ホイール2の回転角度によって、黄色光、又は青色レーザー光が導かれる。ホイール2を透過した青色レーザー光は、点線で示されるように、第1ミラー4、第2ミラー5、及び第3ミラー6で反射し、ハーフミラー3を透過し、第2照明光学系1bを介して合成光学系8に入射する。また、ホイール2からの黄色光は、ハーフミラー3で反射し、第2照明光学系1bを介して合成光学系8に入射する。
合成光学系8は、所定の波長の光を、反射又は透過させる膜が形成されたプリズムにより構成される。合成光学系8は、青色レーザー光をR/Bパネル401aに導くと共に、R/Bパネル401aで反射した青色レーザー光を、シフトデバイス702を介して投影レンズ(光学部)9に導く。また、合成光学系8は、黄色光から分光された赤色光をR/Bパネル401aに導くと共に、R/Bパネル401aで反射した赤色光を、シフトデバイス702を介して投影レンズ9に導く。更に、合成光学系8は、黄色光から分光された緑色光をGパネル401bに導くと共に、Gパネル401bで反射した緑色光を、シフトデバイス702を介して投影レンズ9に導く。投影レンズ9は、合成光学系8からの光を投写する。
図4は、各パネルの表示のタイミングを示す図である。本実施例では、データ入力回路101に入力された入力信号(画像信号)Vsyncの周波数(フレームレート)は60Hzである。表示データ生成回路201は、入力信号VsyncをR/Bパネル401a及びGパネル401bに表示させるための表示データを生成する。データ出力回路202は、パネル駆動データを生成する。
図5は、データ出力回路202のブロック図である。データ出力回路202は、シフトデータ生成回路210、シフトRAM211、パネル駆動データ生成回路212、RAM213、分割回路214、及びタイミング生成回路215を有する。
シフトデータ生成回路210は、表示データ生成回路201から出力された表示データからシフトデータを生成する。シフトデータは、表示を高精細化させるために画素シフトを行う場合に使用される。シフトRAM211は、シフトデータ生成回路210がシフトデータを生成する際に必要な画像データを記憶する。
RAM213は、1フレーム以上の表示データを記憶する。パネル駆動データ生成回路212は、RAM213に記憶された表示データからサブフレーム期間におけるパネル駆動データを生成する。分割回路214は、パネル駆動データを色ごとのパネル駆動データあるR/Bパネル駆動データとGパネル駆動データに分割する。
各パネルドライバは、図6に示されるように複数のサブフィールド期間を含むサブフレーム期間における色ごとのパネル駆動信号により各パネルを駆動する。各パネルでは、複数のサブフィールド期間に応じて画素ごとに諧調表示が行われる。
本実施例では、まず、R/Bパネルドライバ301aは、Bのパネル表示を行うためにR/Bパネル401aを駆動する。このとき、R/Bパネル401aには、青色レーザー光が照射されている。次に、R/Bパネルドライバ301a及びGパネルドライバ301bはそれぞれ、R及びGのパネル表示を行うためにR/Bパネル401a及びGパネル401bを駆動する。このとき、R/Bパネル401a及びGパネル401bにはそれぞれ、赤色光及び緑色光が照射されている。
タイミング生成回路215は、光源駆動回路501、ホイール駆動回路601、及びシフト駆動回路701の駆動タイミングを指示するためのタイミング信号を生成し、駆動パラメータ生成回路800に出力する。
駆動パラメータ生成回路800は、制御部11による明るさの設定、又はレーザーの駆動モードに応じて光源502の強度を設定すると共に、データ出力回路202からのタイミング信号に基づいて光源502を制御する。また、駆動パラメータ生成回路800は、データ出力回路202からのタイミング信号に基づいてホイール2を制御する。また、駆動パラメータ生成回路800は、制御部11からのシフトデバイス702の設定に応じて後述する屈折ガラス710の傾き量等のパラメータを設定すると共に、データ出力回路202からのタイミング信号に基づいてシフトデバイス702を制御する。
以下、シフトデバイス702について説明する。図7は、シフトデバイス702の説明図である。シフトデバイス702は、投影レンズ9とパネルブロック400との間に配置され、屈折ガラス710を傾けることにより光束をシフトさせ、画像の投写位置をシフトさせる。屈折ガラス710は、コイル711A,711B,711C,711Dにより傾けられる。例えば、コイル711Cに駆動信号が流れると、屈折ガラス710は、図7(B)の状態から図7(C)の状態となる。したがって、屈折ガラス710を透過した光は、屈折ガラス710に入射した光に対してシフトした状態で投影レンズ9に入射する。同様に、コイル711A,711B,711Dに電流を流すことで、屈折ガラス710を傾け、光束をシフトさせることができる。また、例えば、コイル711A,711Dに同時に電流を流すことで、右斜め上に光束をシフトさせることができる。屈折ガラス710の傾き量は、各コイルに流す電流により変化させることができる。
図8は、従来例のパネル表示と画素シフトとの関係を示す図である。画素シフトは、比視感度の低いBのパネル表示が行われるタイミングで実行される。サブフレームSF1の期間では、コイル711A,711Bを駆動して投写位置を右上にシフトさせる。サブフレームSF2の期間では、コイル711B,711Cを駆動して投写位置を右下にシフトさせる。サブフレームSF3の期間では、コイル711C,711Dを駆動して投写位置を左下にシフトさせる。サブフレームSF4では、コイル711A,711Dを駆動して投写位置を左上にシフトさせる。
図9は、画素シフトの説明図である。本実施例では、ホールドHi,Loを所定のシフト位置、ホールドHiからホールドLoまでのシフト量を100%としてホールドHi,Loからのシフト量が20%となる位置をそれぞれ、閾値Hi,Loとして定める。閾値Hiから閾値Loになるまでの時間と、閾値Loから閾値Hiになるまでの時間をシフト遷移時間(動作時間)とする。すなわち、動作時間は、シフトデバイス702の開始位置を基準にして、開始位置からシフトデバイス702の停止位置までの動作量に対して20%の動作量となる位置から80%の動作量となる位置に到達するまでの時間である。
図10は、4Wayシフトにおける画素の動作図であり、3840×2160画素の入力画像を1920×1080画素のパネルで表示する状態を示している。図10(A)は、入力画像の画素ごとのデータを示している。図10(B)は、パネルの画素ごとのデータを示している。入力画像の画素数はパネルの画素数の4倍であり、サブフレームSF1-SF4の期間でそれぞれ異なるパネルにより1/4サイズの画像を表示することで入力画像の表示を擬似的に実現する。画素シフトは、図10(A)の矢印に沿って行われる。具体的には、パネルの画素F:1-1には、サブフレームSF1-SF4の期間にてそれぞれ、入力画像の白の画素1-1、斜線の画素2-1、格子の画素2-2、及び縦線の画素1-2が表示される。同様に、画素F:2-1,F1-2,F2-2にはサブフレームSF1-SF4の期間にてそれぞれ、入力画像の画素3-1,1-3,3-3、画素4-1,2-3,4-3、画素4-2,2-4,4-4、及び画素3-2,1-4,3-4が表示される。図10(A)では、1画素ずつずれるように画素シフトが行われるが、実際のシフト量は0.5画素程度である。
図11は、本実施例の画素シフトのタイミングを示す図である。図11(A)は、従来の比視感度の低いBのパネル表示が行われるタイミングで実行される画素シフトを示している。図11(A)では、シフト遷移時間は0.7msである。また、R/Bパネル駆動及びGパネル駆動はそれぞれ、R/Bパネル401a及びGパネル401bが駆動されるタイミングを示している。図11(A)に示されるように、サブフレームの切り替わりごとに画素シフトは行われる。サブフレーム期間は4.167msであり、ホイール2の透過部の角度が39度である場合、Bのパネル表示時間は0.9msとなる。したがって、Bのパネル表示時間のうち約78%がシフト遷移時間となる。
ここで、実際の投写画像の見え方について説明する。図12は、シフト遷移時間を考慮しない理想的な状態の投写画像を示す図である。なお、黒で表されている画素はON駆動されている画素であり、白で表されている画素はOFF駆動されている画素である。図12(A)は、サブフレームSF1の期間中に投写された画像を示している。図12(A)の画像が投写された後、縦方向と横方向へ半画素シフトさせた上でサブフレームSF2の期間中に図12(B)の画像が投写される。この動作により図12(A)の画像と図12(B)の画像が重なって見え、図12(C)に示されるように高画素化された投写画像が得られる。しかしながら、実際にはシフト遷移時間が存在するため、実際の投写画像は図13に示されるように各画素がシフト方向へ引き伸ばされたように見える。図13(A)及び図13(B)はそれぞれ、サブフレームSF1,SF2の期間中に投写された画像を示しており、結果として図13(C)に示されるように図12(C)に比べて妨害感の強い画像が得られる。
本実施例では、画素シフトのタイミングを早くし、サブフレーム期間に対する、サブフレーム期間における画素シフトの実行時間(シフトデバイス702の動作時間)の割合を所定値より小さくする。本実施例では、所定値は0.4(40%)として設定されている。
具体的には、図11(B)に示されるように、図11(A)の場合に対してサブフレームSF1の期間におけるRとGのパネル表示時間(3.26ms)のうち終了タイミングから0.4msだけ早いタイミングで画素シフトが開始される。すなわち、サブフレームSF1の期間におけるRとGのパネル表示時間のうち約12%で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF1の期間では、図14(A)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として、十分に妨害感が低減された画像が得られる。
また、サブフレームSF1に連続するサブフレームSF2の期間におけるBのパネル表示時間(0.9ms)のうち開始タイミングから0.3msだけ画素シフトが行われる。すなわち、サブフレームSF2の期間におけるBのパネル表示時間のうち約33%で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF2の期間では、図14(B)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として図14(C)に示されるように、図13(C)の画像に比べて妨害感の弱い画像が得られる。
図11(C)は、従来のシフト遷移時間が1.2msである場合の画素シフトを示している。サブフレームSF2の期間におけるBのパネル表示時間(0.9ms)の全時間において、画素シフトが行われる。したがって、Bのパネル表示は図13に示されるように各画素がシフト方向へ引き伸ばされたように見える。また、RとGのパネル表示時間(3.26ms)のうち約9%(0.3ms)で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF2の期間では、図14(A)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。
本実施例では、前述したように、画素シフトのタイミングを早くし、サブフレーム期間に対する、サブフレーム期間における画素シフトの実行時間(シフトデバイス702の動作時間)の割合を所定値より小さくする。
具体的には、図11(D)に示されるように、図11(C)の場合に対してサブフレームSF1の期間におけるRとGのパネル表示時間(3.26ms)のうち終了タイミングから0.9msだけ早いタイミングで画素シフトが開始される。すなわち、サブフレームSF1の期間におけるRとGのパネル表示時間のうち約27%で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF1の期間では、図14(A)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として、十分に妨害感が低減された画像が得られる。
また、サブフレームSF1に連続するサブフレームSF2の期間におけるBのパネル表示時間(0.9ms)のうち約33%(0.3ms)で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF2の期間では、図18(B)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として図14(C)に示されるように、図13(C)の画像に比べて妨害感の弱い画像が得られる。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、画質の妨害感を低減してバランスの良い画質の画像を取得可能である。なお、サブフレームごとのパネル表示時間に対する画素シフトの実行時間の割合は、等しくなるように設定されていることが好ましい。ここで、等しいとは、厳密に等しい場合だけでなく、実質的に等しい(略等しい)場合も含んでいる。具体的には、割合の差が0.2以下(20%以下)であれば実質的に等しいとみなすことができる。また、本実施例では、パネル表示時間に対する画素シフトの実行時間の割合を0.4としているが、0.2以下であることが好ましい。
本実施例の投写装置の基本的な構成は、実施例1の投写装置と同一である。本実施例では、実施例1の投写装置と異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略する。
実施例1の投写装置は、2枚のパネルを有するが、本実施例の投写装置は、1枚のパネルを有する。
図15は、本実施例の投写装置の光学系の概略図である。図16は、本実施例の光源を示す図である。
光源502は、LED又はレーザー等の光源502R,502G,502Bを有する。光源駆動回路501は、所定の駆動タイミングで各光源を駆動制御する。パネルドライバブロック300は1つのパネルドライバを有し、パネルブロックは1つのパネル401を有する。また、本実施例の投写装置は、ホイール駆動回路601、ホイールモータ602、及びホイール位置検出回路603を有さない。本実施例では実施例1のように色分離は行われないため、各光源からの色光は照明光学系1に入射し、集光され、プリズム光学系8aによりパネル401に入射する。各色光は、パネル401により対応するパネル駆動信号に応じて反射の状態を変えられ、シフトデバイス702及び投影レンズ9を介して投影される。なお、光源502は、例えばレーザー光源で蛍光体及びカラーホイール等によりそれぞれの色を生成してもよい。
図17は、本実施例の画素シフトのタイミングを示す図である。実施例1と同様に、1フレームの画像を画素シフト用に4つのサブフレームSF1-SF4の画像に分割する。本実施例では、輝度を向上させるため、赤と青の混色のシアン、赤と緑の混色の黄色の画像を時分割で表示する。
図17(A)は、従来のシフト遷移時間が0.7msである場合の画素シフトを示している。Bのパネル表示時間の約78%で画素シフトが行われる。そのため、画像は図13に示されるように各画素がシフト方向へ引き伸ばされたように見える。
図17(B)は、図17(A)の場合に対して画素シフトのタイミングを0.4ms早めた場合を示している。そのため、サブフレームSF1の期間におけるRのパネル表示時間(1.1ms)のうち36%(0.4ms)で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF1の期間では、図14(A)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像は濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として、十分に妨害感が低減された画像が得られる。
また、サブフレームSF1に連続するサブフレームSF2の期間におけるBのパネル表示時間(0.9ms)のうち33%(0.3ms)で画素シフトが行われる。よって、サブフレームSF2の期間では、図14(B)に示されるように、画素シフトが行われていない状態の画像が濃く表示され、画素シフト中の画像は各画素がシフト方向へ引き伸ばされて薄く表示されている。結果として図14(C)に示されるように、図13(C)の画像に比べて妨害感の弱い画像が得られる。
なお、本実施例では、比視感度の低いBのパネル表示に切り替える際に画素シフトを実行するが、本発明はこれに限定されない。ただし、比視感度の高いGのパネル表示において、画素シフトを実行しないことが好ましい。
本実施例の投写装置の基本的な構成は、実施例2の投写装置と同一である。本実施例では、実施例2の投写装置と異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図18は、本実施例の画素シフトのタイミングを示す図である。パネル及び光源の駆動の順番は、実施例2ではB→Y(R+G)→G→C(R+B)→Rであるが、本実施例では明るさを向上させるためにY(R+G)→B→G→R→C(R+B)としている。この場合、図19に示されるように、所定の明るさ以下の画像を投写させる場合、単色のみのデータでパネルを駆動し、所定の明るさ以上の画像を投写させる場合、混色のデータを用いてパネルを駆動すればよい。
本実施例では、1つのサブフレームの期間(4.16ms)に対してY(R+G)とC(R+B)のそれぞれの表示時間を0.4msとする。また、シフト遷移時間は、0.7msである。本実施例では、C(R+B)のパネル表示時間を0.4ms、Y(R+G)のパネル表示時間を0.3msとする。これにより、単色のパネル表示は画素シフトの影響を受けることなく実行でき、明るい諧調では画素シフトの影響を受けるものの単色のパネル表示をシャープにすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
なお、各実施例では、1つのフレームを4つのサブフレームに分割し、画素シフトの位置を4か所としているが、1つのフレームを2つのサブフレームに分割し、画素シフトの位置を図20に示されるように2か所としてもよい。この場合、図21に示されるように、画素シフトを行えばよい。
200 データ生成ブロック(生成部)
400 表示データ生成ブロック(画像表示部)
701 シフト駆動回路(駆動部)
702 シフトデバイス(シフト機構)
1000 投写装置

Claims (13)

  1. 画像信号に基づいて1つのフレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間のそれぞれにおける色ごとのデータを生成する生成部と、
    前記色ごとのデータに基づいて画像を形成する画像表示部と、
    前記サブフレーム期間ごとに前記画像表示部により形成された前記画像の投写位置をシフトさせるためにシフト機構を動作させる駆動部とを有し、
    前記駆動部は、第1のサブフレーム期間及び前記第1のサブフレーム期間に連続する第2のサブフレーム期間において前記シフト機構を動作させ、
    前記第1のサブフレーム期間に対する前記第1のサブフレーム期間における前記シフト機構の動作時間の第1の割合、及び前記第2のサブフレーム期間に対する前記第2のサブフレーム期間における前記シフト機構の動作時間の第2の割合は、所定値より小さいことを特徴とする投写装置。
  2. 前記画像を投写するための光学部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
  3. 前記サブフレーム期間は、複数のサブフィールド期間を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の投写装置。
  4. 前記色ごとのデータは、前記画像表示部を駆動するための駆動データであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の投写装置。
  5. 前記駆動部は、2つ、又は4つの位置に、前記シフト機構をシフトさせることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の投写装置。
  6. 前記シフト機構の動作時間は、前記シフト機構の開始位置を基準にして、前記開始位置から前記シフト機構の停止位置までの動作量に対して20%の動作量となる位置から80%の動作量となる位置に到達するまでの時間であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の投写装置。
  7. 前記第1のサブフレーム期間は、第1のフレーム期間に含まれ、
    前記第2のサブフレーム期間は、前記第1のフレーム期間に連続する第2のフレーム期間に含まれることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の投写装置。
  8. 前記第1の割合は、前記第2の割合と等しいことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の投写装置。
  9. 前記所定値は、0.4であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の投写装置。
  10. 前記所定値は、0.2であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の投写装置。
  11. 前記画像表示部は、1つの画像表示素子、又は2つの画像表示素子を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の投写装置。
  12. 前記駆動部は、最も比視感度が高い色に対応するサブフレーム期間において、シフト機構を動作させないことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の投写装置。
  13. 前記色ごとのデータは、単色のデータ、及び混色のデータを含むことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の投写装置。
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