JP2022164482A - 端子付き電線の製造方法及び端子付き電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子を損傷させることなく電気接続部への樹脂の流入を抑制し、接続信頼性及び防食性に優れた端子付き電線を円滑に製造することが可能な端子付き電線の製造方法及び端子付き電線を提供すること。【解決手段】電線11の端部に端子20が接続された端子付き電線1の製造方法であって、端子20は、相手端子と接続される電気接続部31と、電線11が圧着されて接続される電線接続部41と、電気接続部31と電線接続部41との間に設けられ、底板部51の両側縁から側板部53が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部50と、を有し、端子20の電線接続部41に電線11を圧着接続させる圧着工程と、連結部50に、側板部53同士の間隔Wよりも小さい幅寸法Wjを有する治具60を底板部51に突き当てて配置させる治具配置工程と、電線接続部41における電線11の芯線12部分に樹脂Rを塗布する樹脂塗布工程と、を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、端子付き電線の製造方法及び端子付き電線に関する。
電線の端部に端子が接続された端子付き電線は、端子の電線接続部に、芯線を露出させた電線を圧着して接続することにより得られる。この端子付き電線を製造する際に、電線接続部に圧着接続した電線の芯線部分に樹脂を塗布し、樹脂によって芯線を封止して止水することが行われる。
ところで、電線接続部の芯線部分に樹脂を塗布する際に、この塗布した樹脂が、相手端子のタブが挿し込まれる筒状の電気接続部へ流れ込むと、相手端子との接続信頼性が低下するおそれがある。
このため、特許文献1には、芯線部分へ樹脂を塗布する際に、端子における電線接続部と電気接続部との間の連結部に堰き止め用の板状の治具を幅方向に隙間なく配置し、この治具によって樹脂を堰き止めて電気接続部への流入を防止することが開示されている。
ところで、端子の電線接続部と電気接続部との間の連結部は、底部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成されている。このため、この連結部の凹形状部分において、幅方向に隙間なく板状の治具を配置させる際に、治具が側板部に干渉して損傷させるおそれがある。また、連結部の幅寸法は、その端子のサイズに応じて異なるため、連結部において治具を幅方向に隙間なく配置させるには、端子のサイズに応じた複数種類の治具を用意しなければならず、このため、樹脂の塗布工程の煩雑化を招いてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子を損傷させることなく電気接続部への樹脂の流入を抑制し、接続信頼性及び防食性に優れた端子付き電線を円滑に製造することが可能な端子付き電線の製造方法及び端子付き電線を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 電線の端部に端子が接続された端子付き電線の製造方法であって、
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記端子の前記電線接続部に前記電線を圧着接続させる圧着工程と、
前記連結部に、前記側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法を有する治具を前記底板部に突き当てて配置させる治具配置工程と、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分に樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、
を含む、端子付き電線の製造方法。
(1) 電線の端部に端子が接続された端子付き電線の製造方法であって、
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記端子の前記電線接続部に前記電線を圧着接続させる圧着工程と、
前記連結部に、前記側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法を有する治具を前記底板部に突き当てて配置させる治具配置工程と、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分に樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、
を含む、端子付き電線の製造方法。
上記(1)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法の治具を連結部の底板部に突き当てて配置させた状態で、電線接続部における電線の芯線部分に樹脂を塗布する。これにより、電気接続部への樹脂の流入を治具によって抑えつつ、芯線を樹脂で覆うことができる。
ここで、電線接続部における電線の芯線部分に塗布した樹脂は、連結部へ流れ込んで治具に達すると、治具の周面にまとわりつきながら治具と少なくとも一方の側板部との間に形成されたクリアランスに入り込む。このとき、クリアランスに入り込んだ樹脂は、治具の周面及び側板部の内面の両方に接しながら底板部上を流れることによって生じる粘性抵抗(摩擦抵抗)で流れが弱められ、電気接続部へ向かう樹脂の流入が止められる。
また、治具が側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法を有しているので、連結部内を流れる樹脂を幅方向にわたって堰き止める板状の治具を連結部内に配置させる場合と比較し、連結部の側板部同士の間へ配置させる際の側板部との干渉が抑えられる。また、異なるサイズの端子ごとに治具を用意する必要もなくせる。
このように、本発明に係る端子付き電線の製造方法によれば、端子へ設置する治具による端子の損傷を回避しつつ、接続相手と接続される電気接続部へ樹脂が付着することによる接続信頼性の低下を抑制し、芯線部分が樹脂で覆われて良好な止水性が確保された端子付き電線を製造することができる。
ここで、電線接続部における電線の芯線部分に塗布した樹脂は、連結部へ流れ込んで治具に達すると、治具の周面にまとわりつきながら治具と少なくとも一方の側板部との間に形成されたクリアランスに入り込む。このとき、クリアランスに入り込んだ樹脂は、治具の周面及び側板部の内面の両方に接しながら底板部上を流れることによって生じる粘性抵抗(摩擦抵抗)で流れが弱められ、電気接続部へ向かう樹脂の流入が止められる。
また、治具が側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法を有しているので、連結部内を流れる樹脂を幅方向にわたって堰き止める板状の治具を連結部内に配置させる場合と比較し、連結部の側板部同士の間へ配置させる際の側板部との干渉が抑えられる。また、異なるサイズの端子ごとに治具を用意する必要もなくせる。
このように、本発明に係る端子付き電線の製造方法によれば、端子へ設置する治具による端子の損傷を回避しつつ、接続相手と接続される電気接続部へ樹脂が付着することによる接続信頼性の低下を抑制し、芯線部分が樹脂で覆われて良好な止水性が確保された端子付き電線を製造することができる。
(2) 前記治具配置工程において、前記治具を、それぞれの前記側板部に対してクリアランスをあけて配置させる、(1)に記載の端子付き電線の製造方法。
上記(2)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、それぞれの側板部に対してクリアランスをあけて治具を配置させるので、連結部へ流れ込んで治具に達する樹脂は、治具の両側に形成されるクリアランスへ入り込む。これにより、この樹脂は、両方の側板部の内面と治具のほぼ周面全体に接触することとなり、より大きな接触面積によって粘性抵抗(摩擦抵抗)が高められる。したがって、先端側の電気接続部へ向かう樹脂の流入をより良好に止めることができる。
(3) 前記治具は、断面視円形状に形成されている、(1)または(2)に記載の端子付き電線の製造方法。
上記(3)の構成の端子付き電線の製造方法によれば、断面視円形状に形成された治具の湾曲した周面に沿って樹脂をまとわりつかせることにより、粘性抵抗(摩擦抵抗)をより高めて先端側の電気接続部へ向かう樹脂の流入をより良好に止めることができる。
(4) 電線の端部に端子が接続された端子付き電線であって、
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分が樹脂によって覆われ、
前記樹脂は、前記連結部において、前記電気接続部と反対側へ向かって凹む治具痕が設けられている、端子付き電線。
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分が樹脂によって覆われ、
前記樹脂は、前記連結部において、前記電気接続部と反対側へ向かって凹む治具痕が設けられている、端子付き電線。
上記(4)の構成の端子付き電線によれば、接続相手と接続される電気接続部への樹脂の付着が抑えられて接続信頼性の低下が抑制され、芯線部分が樹脂で覆われて良好な止水性が確保された端子付き電線とすることができる。
なお、治具痕は、典型的には、電線接続部に塗布した樹脂の電気接続部への流れ込みを抑えるために配置させた治具によって形成された凹みである。よって、通常、連結部を観察することで、樹脂における治具痕の有無を識別可能である。
なお、治具痕は、典型的には、電線接続部に塗布した樹脂の電気接続部への流れ込みを抑えるために配置させた治具によって形成された凹みである。よって、通常、連結部を観察することで、樹脂における治具痕の有無を識別可能である。
本発明によれば、端子を損傷させることなく電気接続部への樹脂の流入を抑制し、接続信頼性及び防食性に優れた端子付き電線を円滑に製造することが可能な端子付き電線の製造方法及び端子付き電線を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る端子付き電線を示す図であって、図1(a)は端子付き電線の斜視図、図1(b)は樹脂のない端子付き電線の斜視図である。図2は、端子付き電線の電線接続部付近における平面図である。
図1は、本実施形態に係る端子付き電線を示す図であって、図1(a)は端子付き電線の斜視図、図1(b)は樹脂のない端子付き電線の斜視図である。図2は、端子付き電線の電線接続部付近における平面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態に係る端子付き電線1は、電線11と、端子20とを備えている。電線11には、その端部に端子20が電気的に接続されている。端子付き電線1は、例えば、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスを構成する。
電線11は、芯線12と、この芯線12を覆う樹脂からなる被覆13とを有した絶縁電線である。芯線12は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるもので、複数の素線12aを撚り合わせて構成されている。このように、電線11の芯線12をアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成することで、端子付き電線1が軽量化され、この端子付き電線1から構成されるワイヤハーネスの軽量化が図られる。軽量化された端子付き電線1は、特に電気自動車やハイブリット自動車などのワイヤハーネスが多用される車両に用いて好適である。
端子20は、前部に電気接続部31を有し、後部に電線接続部41を有している。電気接続部31と電線接続部41とは、連結部50によって互いに繋がっている。
端子20は、導電性金属材料からなる金属板に対してプレス加工(打ち抜き加工及び曲げ加工)を施すことで形成されたものである。端子20は、例えば、銅または銅合金等からなる金属板を母材として形成されている。
電気接続部31は、先端部が開口された筒状の箱部33を有しており、この箱部33には、先端の開口部分から接続相手である相手端子のタブが挿し込まれる。この箱部33には、バネ接点35が設けられている。このバネ接点35は、箱部33の先端における上壁33aから箱部33の内部へ向かって折り返されて箱部33の後方へ延びる片持ち梁状に形成されている。この電気接続部31では、箱部33の先端部の開口から挿し込まれたタブがバネ接点35と箱部33の底壁とで弾性的に挟まれて接触する。これにより、端子20と相手端子とが電気的に接続される。
電線接続部41には、芯線12を露出させた電線11の端部が電気的に接続される。電線接続部41は、電気接続部31側から順に、芯線圧着部45と、繋ぎ部46と、被覆圧着部47とを有している。
芯線圧着部45は、一対の芯線加締め片45aを有し、被覆圧着部47は、一対の被覆加締め片47aを有している。繋ぎ部46は、芯線圧着部45と被覆圧着部47とを繋ぐ部分であり、その両側部に、芯線圧着部45の芯線加締め片45a及び被覆圧着部47の被覆加締め片47aと連続する立上げ部46aを有している。
芯線圧着部45では、芯線加締め片45aが両側から加締められている。これにより、電線11は、その芯線12に、芯線圧着部45が圧着されて電気的に接続されている。芯線12は、芯線圧着部45よりも電気接続部31側へ先端部が僅かに突出した状態で芯線圧着部45に圧着固定される。繋ぎ部46では、電線11の被覆13から芯線圧着部45へ延びる芯線12が通されている。また、繋ぎ部46には、被覆13の端部が被覆圧着部47から僅かに突出されている。被覆圧着部47では、被覆加締め片47aが電線11の端部における被覆13部分を包み込むように曲げられ、それぞれの端部が互いに重なり合うように加締められている。
連結部50は、底板部51と、この底板部51の両側縁から立ち上がる側板部53とを有しており、断面凹形状に形成されている。この連結部50は、電気接続部31の箱部33と電線接続部41の芯線圧着部45とにわたって連続的に形成されている。この連結部50における電線接続部41側には、電線接続部41の芯線圧着部45に加締められた芯線12の先端部分が入り込んでいる。
図1(a)及び図2に示すように、端子付き電線1では、電線接続部41に圧着接続された電線11の芯線12が、樹脂Rによって封止されて止水されている。樹脂Rは、紫外線硬化型樹脂からなるもので、主に電線接続部41における長手方向にわたって塗布されている。具体的には、樹脂Rは、繋ぎ部46で芯線12が通された繋ぎ領域A1、芯線圧着部45によって芯線12が圧着された芯線圧着領域A2、連結部50における芯線圧着部45側で芯線12の先端が突出された芯線突出領域A3を覆うように設けられている。
繋ぎ領域A1では、樹脂Rによって、繋ぎ部46が埋められて芯線12が封止されている。そして、この繋ぎ領域A1では、芯線12を構成する各素線12a同士の間及び芯線12と繋ぎ部46の内面との隙間に樹脂Rが充填され、さらに、芯線12の上方側が樹脂Rによって覆われている。なお、この繋ぎ領域A1では、繋ぎ部46における立上げ部46aの上端面も樹脂Rによって覆われている。
芯線圧着領域A2では、樹脂Rによって、芯線12を圧着する芯線圧着部45の上部における芯線加締め片45aの突き合わせ部分が覆われている。
芯線突出領域A3では、芯線12を構成する各素線12a同士の間、芯線12と連結部50の内面との隙間に樹脂Rが充填され、さらに、芯線12の上方側及び先端側が樹脂Rによって覆われている。なお、この芯線突出領域A3では、連結部50の芯線圧着部45側において、連結部50の側板部53の上端面も樹脂Rによって覆われている。また、連結部50における芯線12の先端側に充填された樹脂Rには、電気接続部31と反対側である電線接続部41へ向かって凹む治具痕Dが設けられている。この治具痕Dは、樹脂Rを塗布する際に配置させていた後述の治具60によって形成された痕である。
上記の端子付き電線1によれば、電線接続部41に圧着接続された電線11の芯線12が樹脂Rによって封止されているので、止水性に優れた端子付き電線とすることができる。また、繋ぎ部46の立上げ部46aの上端面及び連結部50の側板部53における芯線圧着部45側の上端面も樹脂Rで覆われている。したがって、先めっきされた板材から端子20を加工することにより、切断面で基材が露出した繋ぎ部46の立上げ部46aの上端面及び連結部50の側板部53の上端面の一部を樹脂Rによって覆って保護することができる。
次に、上記の端子付き電線1を製造する場合について説明する。
図3は、端子付き電線の製造工程を示す図であって、図3(a)は治具配置工程を示す側面図、図3(b)及び図3(c)は樹脂塗布工程を示す側面図である。図4は、端子付き電線の製造工程を示す図であって、図4(a)は治具配置工程を示す平面図、図4(b)及び図4(c)は樹脂塗布工程を示す平面図である。
図3は、端子付き電線の製造工程を示す図であって、図3(a)は治具配置工程を示す側面図、図3(b)及び図3(c)は樹脂塗布工程を示す側面図である。図4は、端子付き電線の製造工程を示す図であって、図4(a)は治具配置工程を示す平面図、図4(b)及び図4(c)は樹脂塗布工程を示す平面図である。
(圧着工程)
端子20の電線接続部41に電線11を圧着接続させる。具体的には、まず、電線11の端部における被覆13を除去して芯線12を露出させる。次に、この電線11の端部を端子20の電線接続部41に配置させ、芯線圧着部45の芯線加締め片45a及び被覆圧着部47の被覆加締め片47aを加締める。これにより、芯線圧着部45に電線11の芯線12を圧着し、被覆圧着部47に電線11の被覆13部分を圧着する。
端子20の電線接続部41に電線11を圧着接続させる。具体的には、まず、電線11の端部における被覆13を除去して芯線12を露出させる。次に、この電線11の端部を端子20の電線接続部41に配置させ、芯線圧着部45の芯線加締め片45a及び被覆圧着部47の被覆加締め片47aを加締める。これにより、芯線圧着部45に電線11の芯線12を圧着し、被覆圧着部47に電線11の被覆13部分を圧着する。
(治具配置工程)
図3(a)及び図4(a)に示すように、連結部50に治具60を配置させる。この治具60は、断面視円形状の棒状に形成されている。そして、この治具60を、連結部50の側板部53同士の間へ上方から配置させ、その下端を底板部51に当接させる。この治具60は、その外径が、連結部50の幅方向に沿う幅寸法Wjとなり、この外径からなる治具60の幅寸法Wjは、連結部50における側板部53同士の間隔Wよりも小さくされている。治具60の幅寸法Wjが側板部53同士の間隔Wよりも小さいことから、この治具60を側板部53同士の間へ配置させると、連結部50の幅方向において、治具60の両側には、各側板部53との間にクリアランスCが設けられた状態となる。なお、この治具60には、その外周面に剥離材をコーティングするのが好ましい。
図3(a)及び図4(a)に示すように、連結部50に治具60を配置させる。この治具60は、断面視円形状の棒状に形成されている。そして、この治具60を、連結部50の側板部53同士の間へ上方から配置させ、その下端を底板部51に当接させる。この治具60は、その外径が、連結部50の幅方向に沿う幅寸法Wjとなり、この外径からなる治具60の幅寸法Wjは、連結部50における側板部53同士の間隔Wよりも小さくされている。治具60の幅寸法Wjが側板部53同士の間隔Wよりも小さいことから、この治具60を側板部53同士の間へ配置させると、連結部50の幅方向において、治具60の両側には、各側板部53との間にクリアランスCが設けられた状態となる。なお、この治具60には、その外周面に剥離材をコーティングするのが好ましい。
(樹脂塗布工程)
図3(b)及び図4(b)に示すように、電線接続部41における電線11の芯線12部分に樹脂Rを塗布する。具体的には、電線11の端部に接続された端子20を、樹脂Rを塗布する塗布装置にセットし、端子20の繋ぎ領域A1に塗布装置のノズルNから樹脂Rを滴下させる。
図3(b)及び図4(b)に示すように、電線接続部41における電線11の芯線12部分に樹脂Rを塗布する。具体的には、電線11の端部に接続された端子20を、樹脂Rを塗布する塗布装置にセットし、端子20の繋ぎ領域A1に塗布装置のノズルNから樹脂Rを滴下させる。
すると、ノズルNから滴下した液状の樹脂Rは、繋ぎ領域A1から芯線圧着領域A2における芯線加締め片45a同士が突き合わされた溝状の部分を通って連結部50へ向かって流れる。なお、樹脂Rは、ノズルNを連結部50へ向かって軸方向(図3(b)中矢印X方向)へ移動させながら滴下させてもよい。
図3(c)及び図4(c)に示すように、芯線圧着領域A2から連結部50へ向かって流れる樹脂Rは、連結部50における芯線圧着部45側の芯線突出領域A3に流れ込み、芯線圧着部45から突出されている芯線12の先端部分を覆う。
このとき、連結部50へ流れ込んで治具60に達した樹脂Rは、治具60の周面にまとわりつきながら治具60と側板部53とのクリアランスCに入り込む。そして、このクリアランスCに入り込んだ樹脂Rは、治具60の周面及び側板部53の内面の両方に接しながら底板部51上を流れることによって生じる粘性抵抗(摩擦抵抗)で流れが弱められる。これにより、端子20の先端側の電気接続部31へ向かう樹脂Rの流入が止められる。
(樹脂硬化工程)
その後、樹脂Rを塗布した端子20に対して紫外線照射器(図示略)によって紫外線を照射し、樹脂Rを硬化させる。
その後、樹脂Rを塗布した端子20に対して紫外線照射器(図示略)によって紫外線を照射し、樹脂Rを硬化させる。
(治具退避工程)
樹脂Rの硬化後、端子20の連結部50に配置させた治具60を上方(図3(c)におけるZ方向)へ引き上げ、端子20から治具60を退避させる。その結果、連結部50に流れ込んで硬化した樹脂Rには、治具60が配置されていた箇所が窪んだ治具痕Dが形成される(図2参照)。
樹脂Rの硬化後、端子20の連結部50に配置させた治具60を上方(図3(c)におけるZ方向)へ引き上げ、端子20から治具60を退避させる。その結果、連結部50に流れ込んで硬化した樹脂Rには、治具60が配置されていた箇所が窪んだ治具痕Dが形成される(図2参照)。
上記の工程によって、芯線12部分が樹脂Rで覆われた止水性に優れた端子付き電線1が得られる。
以上、説明したように、本実施形態に係る端子付き電線1の製造方法によれば、側板部53同士の間隔Wよりも小さい幅寸法Wjの治具60を連結部50の底板部51に突き当てて配置させた状態で、電線接続部41における電線11の芯線12部分に樹脂Rを塗布する。これにより、電気接続部31への樹脂Rの流入を治具60によって抑えつつ、芯線12を樹脂Rで覆うことができる。
ここで、電線接続部41における電線11の芯線12部分に塗布した樹脂Rは、連結部へ流れ込んで治具60に達すると、治具60の周面にまとわりつきながら治具60と側板部53との間に形成されたクリアランスCに入り込む。このとき、クリアランスCに入り込んだ樹脂Rは、治具60の周面及び側板部53の内面の両方に接しながら底板部51上を流れることによって生じる粘性抵抗(摩擦抵抗)で流れが弱められ、先端側の電気接続部31へ向かう樹脂Rの流入が止められる。
また、治具60が側板部53同士の間隔Wよりも小さい幅寸法Wjを有しているので、連結部50内を流れる樹脂Rを幅方向にわたって堰き止める板状の治具を連結部50内に配置させる場合と比較し、連結部50の側板部53同士の間へ配置させる際の側板部53との干渉が抑えられる。また、異なるサイズの端子20ごとに治具60を用意する必要もなくせる。
このように、上記実施形態に係る端子付き電線1の製造方法によれば、端子20へ設置する治具60による端子20の損傷を回避しつつ、接続相手である相手端子のタブと接続される電気接続部31へ樹脂Rが付着することによる接続信頼性の低下を抑制し、芯線12部分が樹脂Rで覆われて良好な止水性が確保された端子付き電線1を製造することができる。
また、治具配置工程において、治具60を、それぞれの側板部53に対してクリアランスCをあけて配置させることにより、連結部50へ流れ込んで治具60に達する樹脂Rは、治具60の両側に形成されるクリアランスCへ入り込む。これにより、この樹脂Rは、両方の側板部53の内面と治具60のほぼ周面全体に接触することとなり、より大きな接触面積によって粘性抵抗(摩擦抵抗)が高められる。したがって、先端側の電気接続部31へ向かう樹脂Rの流入をより良好に止めることができる。
しかも、治具60は、断面視円形状に形成されているので、この治具60の湾曲した周面に沿って樹脂Rをまとわりつかせることにより、粘性抵抗(摩擦抵抗)をより高めて先端側の電気接続部31へ向かう樹脂Rの流入をより良好に止めることができる。
そして、本実施形態に係る製造方法によって製造される端子付き電線1によれば、相手端子と接続される電気接続部31への樹脂Rの付着が抑えられて接続信頼性の低下が抑制され、芯線12部分が樹脂Rで覆われて良好な止水性が確保された端子付き電線1とすることができる。
なお、連結部50に形成された治具痕Dは、治具60によって形成された凹みである。よって、通常、連結部50を観察することで、樹脂Rにおける治具痕Dの有無を識別可能である。
なお、上記実施形態では、断面視円形状の治具60を用いた場合を例示したが、樹脂Rの流れを抑える治具60の断面形状としては、断面視円形状に限らず、例えば、断面視矩形状等であってもよい。
また、上記実施形態では、治具60の両側にクリアランスCが形成されるように、連結部50内に治具60を配置させて樹脂Rを塗布したが、一方の側板部53に治具60を沿わせ配置させ、他方の側板部53と治具60との間にクリアランスCを形成して樹脂Rを塗布してもよい。
なお、電線11としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる芯線12を有するものに限らず、銅または銅合金からなる芯線12を有するものでもよい。なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる芯線12を有する電線11では、銅または銅合金からなる端子20との異種金属によるガルバニック腐食を樹脂Rによって効果的に抑制できる。
また、上記実施形態では、接続相手である相手端子のタブが挿し込まれる箱部33が設けられた電気接続部31を有する端子20を備える場合を例示したが、端子20の電気接続部31は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、接続相手に締結するためのボルト孔を有する締結部を備えたものでもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係る端子付き電線の製造方法及び端子付き電線の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 電線(11)の端部に端子(20)が接続された端子付き電線(1)の製造方法であって、
前記端子(20)は、接続相手と接続される電気接続部(31)と、
前記電線(11)が圧着されて接続される電線接続部(41)と、
前記電気接続部(31)と前記電線接続部(41)との間に設けられ、底板部(51)の両側縁から側板部(53)が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部(50)と、
を有し、
前記端子(20)の前記電線接続部(41)に前記電線(11)を圧着接続させる圧着工程と、
前記連結部(50)に、前記側板部(53)同士の間隔(W)よりも小さい幅寸法(Wj)を有する治具(60)を前記底板部(51)に突き当てて配置させる治具配置工程と、
前記電線接続部(41)における前記電線(11)の芯線(12)部分に樹脂(R)を塗布する樹脂塗布工程と、
を含む、端子付き電線の製造方法。
[2] 前記治具配置工程において、前記治具(60)を、それぞれの前記側板部(53)に対してクリアランス(C)をあけて配置させる、[1]に記載の端子付き電線の製造方法。
[3] 前記治具(60)は、断面視円形状に形成されている、(1)または(2)に記載の端子付き電線の製造方法。
[4] 電線(11)の端部に端子(20)が接続された端子付き電線であって、
前記端子(20)は、接続相手と接続される電気接続部(31)と、
前記電線(11)が圧着されて接続される電線接続部(41)と、
前記電気接続部(31)と前記電線接続部(41)との間に設けられ、底板部(51)の両側縁から側板部(53)が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部(50)と、
を有し、
前記電線接続部(41)における前記電線(11)の芯線(12)部分が樹脂(R)によって覆われ、
前記樹脂(R)は、前記連結部(50)において、前記電気接続部(31)と反対側へ向かって凹む治具痕(D)が設けられている、端子付き電線。
[1] 電線(11)の端部に端子(20)が接続された端子付き電線(1)の製造方法であって、
前記端子(20)は、接続相手と接続される電気接続部(31)と、
前記電線(11)が圧着されて接続される電線接続部(41)と、
前記電気接続部(31)と前記電線接続部(41)との間に設けられ、底板部(51)の両側縁から側板部(53)が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部(50)と、
を有し、
前記端子(20)の前記電線接続部(41)に前記電線(11)を圧着接続させる圧着工程と、
前記連結部(50)に、前記側板部(53)同士の間隔(W)よりも小さい幅寸法(Wj)を有する治具(60)を前記底板部(51)に突き当てて配置させる治具配置工程と、
前記電線接続部(41)における前記電線(11)の芯線(12)部分に樹脂(R)を塗布する樹脂塗布工程と、
を含む、端子付き電線の製造方法。
[2] 前記治具配置工程において、前記治具(60)を、それぞれの前記側板部(53)に対してクリアランス(C)をあけて配置させる、[1]に記載の端子付き電線の製造方法。
[3] 前記治具(60)は、断面視円形状に形成されている、(1)または(2)に記載の端子付き電線の製造方法。
[4] 電線(11)の端部に端子(20)が接続された端子付き電線であって、
前記端子(20)は、接続相手と接続される電気接続部(31)と、
前記電線(11)が圧着されて接続される電線接続部(41)と、
前記電気接続部(31)と前記電線接続部(41)との間に設けられ、底板部(51)の両側縁から側板部(53)が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部(50)と、
を有し、
前記電線接続部(41)における前記電線(11)の芯線(12)部分が樹脂(R)によって覆われ、
前記樹脂(R)は、前記連結部(50)において、前記電気接続部(31)と反対側へ向かって凹む治具痕(D)が設けられている、端子付き電線。
1:端子付き電線
11:電線
20:端子
31:電気接続部
41:電線接続部
50:連結部
51:底板部
53:側板部
60:治具
C:クリアランス
D:治具痕
R:樹脂
W:間隔
Wj:幅寸法
11:電線
20:端子
31:電気接続部
41:電線接続部
50:連結部
51:底板部
53:側板部
60:治具
C:クリアランス
D:治具痕
R:樹脂
W:間隔
Wj:幅寸法
Claims (4)
- 電線の端部に端子が接続された端子付き電線の製造方法であって、
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記端子の前記電線接続部に前記電線を圧着接続させる圧着工程と、
前記連結部に、前記側板部同士の間隔よりも小さい幅寸法を有する治具を前記底板部に突き当てて配置させる治具配置工程と、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分に樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、
を含む、
端子付き電線の製造方法。 - 前記治具配置工程において、前記治具を、それぞれの前記側板部に対してクリアランスをあけて配置させる、
請求項1に記載の端子付き電線の製造方法。 - 前記治具は、断面視円形状に形成されている、
請求項1または請求項2に記載の端子付き電線の製造方法。 - 電線の端部に端子が接続された端子付き電線であって、
前記端子は、接続相手と接続される電気接続部と、
前記電線が圧着されて接続される電線接続部と、
前記電気接続部と前記電線接続部との間に設けられ、底板部の両側縁から側板部が立ち上がる断面凹形状に形成された連結部と、
を有し、
前記電線接続部における前記電線の芯線部分が樹脂によって覆われ、
前記樹脂は、前記連結部において、前記電気接続部と反対側へ向かって凹む治具痕が設けられている、
端子付き電線。
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---|---|---|---|
JP2021069998A JP2022164482A (ja) | 2021-04-16 | 2021-04-16 | 端子付き電線の製造方法及び端子付き電線 |
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