JP2022164089A - 操船支援装置、操船支援システム、船舶、操船支援方法及びプログラム - Google Patents

操船支援装置、操船支援システム、船舶、操船支援方法及びプログラム Download PDF

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毅 古賀
Takeshi Koga
武憲 檜野
Takenori Hino
芳輝 原田
Yoshiteru Harada
健一 中島
Kenichi Nakajima
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Abstract

【課題】船舶の状態に対応した操船支援を行うことができる操船支援装置等を提供する。【解決手段】操船支援装置は、入出力部と、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、船舶の船体に作用する力に関連する情報を含む第1船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記船体の位置及び姿勢に関連する情報を含む第2船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する第1船体作用力を演算することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成することと、前記入出力部を介して前記支援情報を出力することとを実行するように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、操船支援装置、操船支援システム、船舶、操船支援方法及びプログラムに関する。
船舶の操船を支援する様々な装置及びシステムが提案されている。例えば、特許文献1は、船舶の推力をコンピュータ制御することにより、潮流、風及び波等の外力に抗して船体を定点位置に自動保持する自動船位保持制御装置を開示する。自動船位保持制御装置は、波浪による変動波漂流力を含む長周期変動力を推定し、当該長周期変動力を補償するフィードフォワード制御を行うことで、船体位置の偏差を低減する。
特開2006-297977号公報
例えば、船舶の船体には、潮流、風及び波以外の外力が作用することがある。特許文献1の自動船位保持制御装置は、潮流、風及び波以外の外力に対応した制御を行うことができない。つまり、船位保持制御装置は、船舶の様々な状態に対応した制御を行うことができない。
本開示は、船舶の状態に対応した操船支援を行うことができる操船支援装置、操船支援システム、船舶、操船支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る操船支援装置は、情報を入出力するように構成される入出力部と、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成することと、前記入出力部を介して前記支援情報を出力することとを実行するように構成される。
本開示の技術によれば、船舶の状態に対応した操船支援が可能になる。
実施の形態に係る操船支援システムを搭載する船舶の搭載装置の構成の一例を示すブロック図 実施の形態に係る操船支援装置の機能的構成の一例を示すブロック図 船体に設定される基準位置及び基準方向の一例を示す平面図 船体に設定される基準位置及び基準方向の一例を示す側面図 第1支援情報の表示画像の一例を示す図 第2支援情報の表示画像の一例を示す図 実施の形態に係る投錨位置の推定方法の一例を示す平面図 式2の各要素の一例を示す平面図 第4支援情報の表示画像の一例を示す図 第5支援情報の表示画像の一例を示す図 船体の移動領域の一例を示す平面図 第6支援情報の表示画像の一例を示す図 変形例に係る操船支援装置の機能的構成の一例を示すブロック図
(実施の形態)
以下において、本開示の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。また、本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
[操船支援システムの構成]
図1を参照しつつ、実施の形態に係る操船支援システム10の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る操船支援システム10を搭載する船舶1の搭載装置の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態では、操船支援システム10は、船舶1に搭載される。操船支援システム10は、船舶1の船体2の操船を支援するために用いられる。操船支援システム10は、操船支援装置100と提示装置200とを備える。
提示装置200は、情報を提示することができる装置であり、例えば、画像、音声及び光の少なくとも1つを用いて情報を提示するように構成される。提示装置200は、ディスプレイ及びプロジェクタなどの表示装置、スピーカ及びヘッドフォンなどの音声出力装置、LED(発光ダイオード)などの発光装置等を含んでもよい。提示装置200は、表示装置と音声出力装置とを兼ねるヘッドマウントディスプレイの構成を有してもよい。
提示装置200は、情報及び指令等の入力を受け付けることができるように構成されてもよく、例えば、キー、ボタン、レバー、ダイヤル及びジョイスティック等の入力装置を備えてもよく、タッチパネルの構成を有してもよい。本実施の形態では、提示装置200は、少なくとも画像を用いて情報を提示するように構成される。提示装置200は、操船支援システム10のための個別の装置として船舶1に搭載されるように構成されてもよく、提示装置200の機能は、船舶1に予め装備されている表示装置、音声出力装置及び発光装置等によって実現されてもよい。
操船支援装置100は、外部から入力される情報を処理する装置であり、コンピュータ装置を含む。操船支援装置100は、有線通信、無線通信、又はこれらの組み合わせを介して提示装置200と直接的又は間接的に接続され、提示装置200に情報、データ及び指令等を入出力するように構成される。
操船支援装置100は、提示装置200と直接的に情報、データ及び指令等を入出力するように構成されてもよく、他のコンピュータ装置等を介して提示装置200と間接的に情報、データ及び指令等を入出力するように構成されてもよい。他のコンピュータ装置等は、操船支援装置100と提示装置200との間で入出力される情報、データ及び指令等に処理を加えるように構成されてもよい。本実施の形態では、操船支援装置100は、船舶1に搭載されるが、船舶1の外部に配置され、船舶1に搭載されるコンピュータ装置等と無線通信を介して情報、データ及び指令等を送受信するように構成されてもよい。
操船支援装置100は、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。例えば、操船支援装置100は、電子機器として、PLC(プログラマブルロジックコントローラ:Programmable Logic Controller)を含んでもよい。操船支援装置100は、単独の装置であってもよく、船舶1に搭載されるコンピュータ装置に組み込まれてもよい。例えば、操船支援装置100は、船舶1に搭載される各装置を制御する制御装置3に、ハードウェア又はソフトウェアとして組み込まれてもよい。操船支援装置100は、単一の装置による集中制御により各処理を実行するように構成されてもよく、複数の装置の協働による分散制御により各処理を実行するように構成されてもよい。
操船支援装置100のコンピュータ装置は、プロセッサPとメモリMとストレージSと入出力部IОとを含み得る。プロセッサPとメモリMとストレージSと入出力部IОとは、バス、有線通信、無線通信、又はこれらの少なくとも2つの組み合わせにより、相互に接続される。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。プロセッサP及びメモリMは、演算器を構成する。演算器は、他の装置との情報、データ及び指令等の入出力を行う。演算器は、各種装置からの信号の入力及び各制御対象への制御信号の出力を行う。
これに限定されないが、例えば、プロセッサPは、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、IC(集積回路:Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration)等に形成された論理回路又は専用回路によって各処理を実現してもよい。複数の処理は、1つ又は複数の集積回路により実現されてもよく、1つの集積回路により実現されてもよい。
メモリMは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリなどの半導体メモリ等の記憶装置で構成されてもよい。例えば、メモリMは、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)と不揮発性メモリであるROM(Read-Only Memory)とを含む。
ストレージSは、各種データを記憶する。ストレージは、半導体メモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び固体ドライブ(SSD:Solid State Drive)等の記憶装置で構成されてもよい。
プロセッサPは、メモリMのRAM及びROMと一緒にコンピュータシステムを形成する。操船支援装置100のコンピュータシステムは、プロセッサがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、操船支援装置100の機能を実現してもよい。操船支援装置100の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。
入出力部IОは、船舶1に搭載される様々な装置と操船支援装置100とを、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して直接的又は間接的に接続する。入出力部IОは、当該装置と操船支援装置100との間で情報、データ及び指令等の入力及び出力を可能にする。例えば、入出力部IОは、入出力インタフェース、入出力回路、通信回路、通信機器及びその他の電子機器等を含んでもよい。例えば、船舶1に搭載される装置は、船舶1の全体を制御する制御装置3、船体2の推進装置5の動作を制御する推進制御装置4、風向風速センサ6a、対地船速センサ6b、対水船速センサ6c、潮流センサ6d、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)6eの及び姿勢センサ6f等を含む。入出力部IОは、これらの装置の一部又は全てと接続され、本実施の形態では全てと接続される。
制御装置3及び推進制御装置4は、操船支援装置100と同様にコンピュータ装置を含む。推進装置5は、船体2に推力を与える装置であり、例えば、プロペラ及びその駆動装置、サイドスラスタなどのスラスタ、並びに、舵及びその駆動装置等を含み得る。
風向風速センサ6aは、船体2の外側に配置され、船体2の外部の風向及び風速を検出し、検出結果を示す信号を出力する。風向風速センサ6aの構成は特に限定されず、風向風速センサ6aとして、公知のいかなる風向風速センサが用いられてよい。
対地船速センサ6bは、船体2に配置され、船体2の周囲に存在する陸地に対する船体2の速度である船体2の対地速度を検出し、検出結果を示す信号を出力する。対地船速センサ6bの構成は特に限定されず、対地船速センサ6bとして、公知のいかなる対地船速センサが用いられてもよい。
対水船速センサ6cは、船体2に配置され、船体2の周囲の水面に対する船体2の速度である船体2の対水速度を検出し、検出結果を示す信号を出力する。対水船速センサ6cの構成は特に限定されず、対水船速センサ6cとして、公知のいかなる対水船速センサが用いられてもよい。
潮流センサ6dは、船体2に配置され、潮流の方向及び速度を検出し、検出結果を示す信号を出力する。潮流センサ6dの構成は特に限定されず、潮流センサ6dとして、公知のいかなる潮流センサが用いられてよい。
GNSS6eは、船体2に配置され、地球上における船体2の位置を検出し、検出結果を出力する。GNSS6eの構成は特に限定されず、GNSS6eとして、公知のいかなるGNSSが用いられてもよい。
姿勢センサ6fは、船体2に配置され、船体2の向きを検出し、検出結果を出力する。これに限定されないが、本実施の形態では、姿勢センサ6fは、地球を基準とする船体2のヨーイング方向の向きである方位を検出する。姿勢センサ6fは、船体2のローリング方向及びピッチング方向の向きをさらに検出するように構成されてもよい。姿勢センサ6fの構成は特に限定されず、姿勢センサ6fとして、公知のいかなるセンサが用いられてもよい。例えば、姿勢センサ6fは、地磁気を検出する地磁気方位センサ、角速度を検出するジャイロコンパス、及びGNSSを用いるGNSS方位センサ等の少なくとも1つを含むように構成されてもよい。
[操船支援装置の機能的構成]
図2を参照しつつ、実施の形態に係る操船支援装置100の機能的構成を説明する。図2は、実施の形態に係る操船支援装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。操船支援装置100は、作用力推定部101と、船体運動推定部102と、船体運動演算部103と、支援情報生成部104と、記憶部110とを機能的構成要素として含む。さらに、作用力推定部101は、風圧力推定部101aと、流体力推定部101bと、推力推定部101cと、結合処理部101dとを機能的構成要素として含む。支援情報生成部104は、演算処理部104aと、出力処理部104bとを機能的構成要素として含む。上記の機能的構成要素の全てが、操船支援装置100に必須ではない。操船支援装置100は、さらなる機能的構成要素を含んでもよい。
記憶部110の機能は、メモリM及び/又はストレージSによって実現される。記憶部110を除く操船支援装置100の機能的構成要素の機能は、プロセッサP及びメモリM等によって実現される。
記憶部110は、様々な情報を記憶し、記憶する情報の読み出しが可能であり、記憶する情報の更新が可能であるように構成される。例えば、記憶部110は、プロセッサPが実行するプログラム、各種パラメータ及び各種データ等を記憶する。例えば、記憶部110は、各機能的構成要素が演算に用いる演算式及び演算モデル等を記憶する。記憶部110は、船舶1の情報を記憶する。船舶1の情報の例は、船体2の諸元、並びに、プロペラ、スラスタ及び舵などに関する推進装置5の諸元等を含む。船体2の諸元は、例えば、船体2の形状、重量、重心位置及び喫水等を含んでもよい。推進装置5の諸元は、プロペラ、スラスタ及び舵の数量、形状、位置、向き、動作範囲及び能力等を含んでもよい。なお、操船支援装置100の記憶部110を除く機能的構成要素は、記憶部110に記憶される各種情報等を、操船支援装置100の外部の装置から取得して用いるように構成されてもよく、クラウドサーバ等のクラウド環境からネットワークを介して取得するように構成されてもよい。
作用力推定部101に関して、風圧力推定部101aは、船体2に作用する風圧力を推定する。具体的には、風圧力推定部101aは、風向風速センサ6aの検出結果を受け取るように構成され、当該検出結果を用いて船体2に作用する風圧力を演算する。風向風速センサ6aの検出結果は、第1船体情報及び船舶状態情報の一例である。風圧力推定部101aが用いる風圧力の演算方法は、例えば、イシャーウッドの提案式及び藤原の提案式等を用いるような公知のいかなる演算方法であってもよい。風圧力推定部101aは、船体2に作用する直線方向の風圧力である直線風圧力と、船体2に作用する回転方向の風圧力である回転風圧力とを演算する。
ここで、第1船体情報は、船体2に作用する力に関連する実際の情報を含む。例えば、第1船体情報は、船体2に作用する力に関連する情報を検出する第1船舶関連装置から出力される出力情報を含んでもよい。船舶状態情報は、船舶1の状態を示す情報である。例えば、船舶状態情報は、船舶1の状態に関連する情報を検出する第3船舶関連装置から出力される出力情報を含んでもよい。第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置は、船舶1又は船舶1の外部に配置される装置、機器、設備及びセンサ等を含み得る。出力情報は、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置から出力される出力値、指令値、検出値、計測値及びこれらを示す信号等を含んでもよい。出力情報は、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置から取得される情報であってもよく、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置から出力されて記憶装置等に記憶されている情報であってもよい。風向風速センサ6aは、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置の一例である。
図3A及び図3Bに示すように、風圧力推定部101aは、船体2の基準位置において水平面に沿うX軸及びY軸の方向に作用する直線風圧力と、当該基準位置を通り且つ水平面に垂直であるZ軸の周りに作用する回転風圧力とを算出する。これに限定されないが、本実施の形態では、船体2の基準位置は、船体2の重心Gであるが、例えば、船体2に設定される中心点等の他の位置であってもよい。図3A及び図3Bはそれぞれ、船体2に設定される基準位置及び基準方向の一例を示す平面図及び側面図である。
X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する。X軸は、重心Gを通って延び、且つ、船体2の船首2a及び船尾2bを結ぶ前後方向の水平方向に延びる。Y軸は、重心Gを通って延び、且つ、船体2の左舷2c及び右舷2dを結ぶ左右方向の水平方向に延びる。Z軸は、重心Gを通って延び、鉛直方向に延びる。回転風圧力は船体2の回頭方向の風圧力でもある。なお、風圧力推定部101aは、例えば、Z軸の方向の直線風圧力をさらに含む3軸の直線風圧力を演算するように構成されてもよく、例えば、X軸周り及び/又はY軸周りの回転風圧力をさらに含む2軸以上の回転風圧力を演算するように構成されてもよい。
流体力推定部101bは、船体2に作用する流体力を推定する。具体的には、流体力推定部101bは、対地船速センサ6b、対水船速センサ6c及び潮流センサ6dの少なくとも1つの検出結果を受け取るように構成され、当該検出結果を用いて船体2に作用する流体力を演算する。本実施の形態では、流体力推定部101bは、対地船速センサ6b、対水船速センサ6c及び潮流センサ6dの全ての検出結果を演算に用いる。上記検出結果は、第1船体情報及び船舶状態情報の一例である。対地船速センサ6b、対水船速センサ6c及び潮流センサ6dは、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置の一例である。
流体力推定部101bが用いる流体力の演算方法は、例えば、MMGモデルの提案式及びcross flow dragモデル等を用いるような公知のいかなる演算方法であってもよい。流体力推定部101bは、船体2に作用する直線方向の流体力である直線流体力と、船体2に作用する回転方向の流体力である回転流体力とを演算する。これに限定されないが、本実施の形態では、流体力推定部101bは、船体2のX軸及びY軸の方向の直線流体力と、船体2のZ軸周りの回転流体力とを算出する。なお、流体力推定部101bは、例えば、Z軸の方向の流体力をさらに含む3軸の直線流体力を演算するように構成されてもよく、例えば、X軸周り及び/又はY軸周りの回転流体力をさらに含む2軸以上の回転流体力を演算するように構成されてもよい。
推力推定部101cは、船体2に作用する推力を推定する。具体的には、推力推定部101cは、推進制御装置4から、推進装置5のプロペラ、スラスタ及び舵の動作情報を受け取り、当該動作情報と記憶部110に記憶される推進装置5の諸元とを用いて船体2に作用する推力を演算する。動作情報は、例えば、プロペラの回転数、スラスタの回転数又は出力、及び舵の舵角等を含んでもよい。推力推定部101cは、推進制御装置4から推進装置5への指令値、及び/又は、推進装置5から推進制御装置4が受け取るフィードバック値を動作情報として、推進制御装置4から受け取るように構成されてもよい。
推力推定部101cは、推力の演算に、上記動作情報に加えて、対水船速センサ6cの検出結果も用いるように構成されてもよい。推力推定部101cは、船舶1を操船するための操縦装置から制御装置3等に出力される操作指令を、上記動作情報と共に又は上記動作情報の代わりに用いて、推力を演算するように構成されてもよい。操作指令は、船舶1の操縦者によって操縦装置に入力される操作の内容を示す指令である。操縦装置の例は、レバー、ジョイスティック、ハンドル及び操舵輪等である。動作情報、対水船速センサ6cの検出結果及び操作指令は、第1船体情報及び船舶状態情報の一例である。推進制御装置4、対水船速センサ6c及び操縦装置は、第1船舶関連装置及び第3船舶関連装置の一例である。
推力推定部101cが用いる推力の演算方法は、公知のいかなる演算方法であってもよい。推力推定部101cは、船体2に作用する直線方向の推力である直線推力と、船体2に作用する回転方向の推力ある回転推力とを演算する。これに限定されないが、本実施の形態では、推力推定部101cは、船体2のX軸及びY軸の方向の直線推力と、船体2のZ軸周りの回転推力とを算出する。なお、推力推定部101cは、例えば、Z軸の方向の推力をさらに含む3軸の直線推力を演算するように構成されてもよく、例えば、X軸周り及び/又はY軸周りの回転推力をさらに含む2軸以上の回転推力を演算するように構成されてもよい。
結合処理部101dは、風圧力推定部101aによって推定される風圧力と、流体力推定部101bによって推定される流体力と、推力推定部101cによって推定される推力とを結合して、船体2に作用する力である推定作用力を演算する。推定作用力は、第1船体作用力の一例である。例えば、結合処理部101dは、各軸について直線風圧力、直線流体力及び直線推力を互いに加算し、各軸の直線方向の推定直線作用力を演算してもよい。結合処理部101dは、各軸について回転風圧力、回転流体力及び回転推力を互いに加算し、各軸の回転方向の推定回転作用力、つまり推定モーメントを演算してもよい。
船体運動推定部102は、結合処理部101dによって演算される推定作用力を用いて、船体2の運動状態を推定する。これに限定されないが、本実施の形態では、船体2の上記運動状態は、船体2の推定加速度を含む。なお、船体2の運動状態は、船体2の推定位置及び推定速度等の、船体2の推定の運動の状態を示す他の推定情報を含んでもよい。
船体運動推定部102は、推定作用力と記憶部110に記憶される船体2の運動モデルとを用いて、船体2の速度変化の推定値、つまり加速度の推定値を演算する。例えば、船体運動推定部102は、下記の式1に示される船体運動モデルの数式を用いて船体2の加速度の推定値である推定加速度を演算する。
Figure 2022164089000002
上記式1において、「FX」は船体2の重心GへのX軸方向の推定直線作用力を示し、「FY」は船体2の重心GへのY軸方向の推定直線作用力を示し、「NZ」は船体2の重心GでのZ軸周りの推定回転作用力を示す。「XG」は船体2の所定の中心を基準とする船体2の重心GのX軸方向の位置を示し、「YG」は船体2の所定の中心を基準とする船体2の重心GのY軸方向の位置を示す。「u」は船体2のX軸方向の直線速度を示し、「u’」は船体2のX軸方向の直線加速度を示す。「v」は船体2のY軸方向の直線速度を示し、「v’」は船体2のY軸方向の直線加速度を示す。「r」は船体2のZ軸周りの回転速度、つまり角速度を示し、「r’」は船体2のZ軸周りの回転加速度、つまり角加速度を示す。「M」は船体2の質量を示す。「J」は、船体2の所定位置でのZ軸周りの船体2の慣性モーメントを示す。船体2の所定位置は、船体2の所定の中心の位置であってもよく、重心Gの位置であってもよく、船体2の他の位置であってもよい。
船体運動推定部102は、推定作用力の各要素「FX」、「FY」及び「NZ」を式1に適用することによって、推定加速度「u’」、「v’」及び「r’」を算出する。
船体運動演算部103は、船体2の位置及び姿勢に関連する実際の情報を用いて、船体2の運動状態を演算する。これに限定されないが、本実施の形態では、船体2の上記運動状態は、船体2の加速度を含む。なお、船体2の運動状態は、船体2の位置及び速度等の、船体2の運動の状態を示す他の情報を含んでもよい。
船体運動演算部103は、GNSS6eによって検出される船体2の位置と姿勢センサ6fによって検出される船体2の方位とを用いて、船体2の加速度の実際値である実加速度を演算する。実加速度は、各軸方向の実直線加速度と、各軸周りの実回転加速度とを含み、本実施の形態では、X軸方向及びY軸方向の実直線加速度と、Z軸周りの実回転加速度とを少なくとも含む。上記の船体2の位置及び方位は、第2船体情報及び船舶状態情報の一例である。
ここで、第2船体情報は、船体2の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む。例えば、位置及び姿勢に関連する情報は、位置及び姿勢を示す情報を含んでもよく、位置及び姿勢の速度を示す情報を含んでもよく、位置及び姿勢の加速度を示す情報を含んでもよい。例えば、第2船体情報は、船体2の位置及び姿勢に関連する情報を検出する第2船舶関連装置から出力される出力情報を含んでもよい。第2船舶関連装置は、船舶1又は船舶1の外部に配置される装置、機器、設備及びセンサ等を含み得る。出力情報は、第2船舶関連装置から出力される出力値、指令値、検出値、計測値及びこれらを示す信号等を含んでもよい。出力情報は、第2船舶関連装置から取得される情報であってもよく、第2船舶関連装置から出力されて記憶装置等に記憶されている情報であってもよい。GNSS6e及び姿勢センサ6fは、第2船舶関連装置の一例である。
支援情報生成部104について、演算処理部104aは、船体2の操船の支援のための支援情報を生成する。出力処理部104bは、演算処理部104aによって生成された支援情報を、支援情報の出力対象に対応する情報に変換し、変換後の支援情報を当該出力対象に出力する。出力対象の例は、提示装置200、制御装置3及び操船支援装置100の他の機能的構成要素等である。出力処理部104bは、提示装置200に支援情報を出力する場合、画像データ、音声データ及び文字列データの少なくとも1つを含むデータに支援情報を変換する。
演算処理部104aは、船体運動推定部102によって推定される運動状態である推定加速度と、船体運動演算部103によって演算される運動状態である実加速度との差異を演算し、当該差異を用いて支援情報を生成する。例えば、演算処理部104aは、推定加速度の演算に用いられた第1船体情報が検出されたタイミングと、実加速度の演算に用いられた第2船体情報が検出されたタイミングとが同じである、推定加速度と実加速度との差異を算出してもよい。例えば、演算処理部104aは、船体運動推定部102によって演算される各軸の推定直線加速度及び推定回転加速度と、船体運動演算部103によって演算される各軸の実直線加速度及び実回転加速度との差異のそれぞれを算出してもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「同じ」及び「同一」は、完全に同じである場合と、差異があるが実質的に同じであるとみなすことができる場合とを含み得る。
演算処理部104aは、予め設定された指令、及び/又は、操船支援装置100に入力される指令に従って、様々な支援情報を生成することができる。これに限定されないが、本実施の形態では、支援情報生成部104は、第1支援情報、第2支援情報、第3支援情報、第4支援情報、第5支援情報及び第6支援情報のうちの少なくとも1つを出力するように構成される。支援情報生成部104は、制御装置3等の外部の装置から支援情報の指令を受け付け、当該指令に指定される支援情報を出力するように構成されてもよい。
第1支援情報は、船体2に作用する外力の推定結果を含む情報である。第2支援情報は、船体2が他の船舶による押し曳きを受けている状態で船体2を目標の状態にするように操船を支援するための情報である。第3支援情報は、船体2を目標の状態にするように操船を支援するための情報である。第4支援情報は、船体2が投錨している状態で船体2の操船を支援するための情報である。第5支援情報は、船体2の運動の推定結果を含む情報である。第6支援情報は、船体2が移動し得るエリアの推定結果を含む情報である。以下において、各支援情報を出力する場合の演算処理部104a及び出力処理部104bの動作を説明する。
[第1支援情報]
演算処理部104aは、第1支援情報として、船体2に作用する推定外力を示す情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。推定外力は、第2船体作用力の一例である。具体的には、演算処理部104aは、船体運動推定部102によって推定される推定加速度と、船体運動演算部103によって演算される実加速度との差異を演算する。当該差異は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸周りそれぞれの加速度の差異を含む。
演算処理部104aは、X軸方向及びY軸方向の加速度の差異を船体2に作用する推定外力の直線成分として用いて、当該推定外力の直線力の方向及び大きさを演算する。演算処理部104aは、Z軸周りの加速度の差異を船体2に作用する推定外力の回転成分として用いて、当該推定外力の回転力の方向及び大きさ(モーメント)を演算する。なお、演算処理部104aは、Z軸方向の加速度の差異を演算し、船体2に作用する推定外力のZ軸方向の直線力の方向及び大きさを演算してもよく、X軸周り及びY軸周りそれぞれの加速度の差異を演算し、船体2に作用する推定外力のX軸周り及びY軸周りの回転力の方向及び大きさを演算してもよい。
出力処理部104bは、第1支援情報を提示装置200に出力する場合、船体2に作用する推定外力の直線力及び回転力の向き及び大きさを示す指標を視覚的に表す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、出力処理部104bは、船体2の像と、推定直線力の向き及び大きさを示す矢印Asの像と、推定回転力の向き及び大きさを示す矢印Arの像とを含む、図4に示すような画像Iaのデータを生成する。矢印As及びArの太さ、長さ及び/又は色合いが、力の大きさを示してもよい。出力処理部104bは、各力の大きさを文字列で表してもよい。図4は、第1支援情報の表示画像の一例を示す図である。例えば、演算処理部104a及び出力処理部104bは、所定の時間間隔又は所定の移動距離間隔で画像Iaのデータを生成し表示するように構成されてもよい。
演算処理部104aは、所定の条件のもと、船体2に作用する推定外力の種類を決定し、出力処理部104bは、当該種類の情報と共に推定外力を出力してもよい。例えば、演算処理部104aは、船体2が他の船舶による押し曳きを受けている状態である操船補助状態を示す情報を取得すると、推定外力を、他の船舶から船体2に加えられる押し曳きの外力に決定してもよい。演算処理部104aは、船体2が投錨中の状態である投錨状態を示す情報を取得すると、推定外力を、投錨中の錨から船体2が受ける外力に決定してもよい。演算処理部104aは、船舶補助状態を示す情報も投錨状態を示す情報も取得しない場合、推定外力を、船体2に作用する風圧力及び流体力に関する推定誤差に決定してもよい。
[第2支援情報]
演算処理部104aは、第2支援情報として、タグボート等の他の船舶を併用した船舶1の操船を支援する情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。具体的には、演算処理部104aは、他の船舶を併用した操船支援に必要な情報を、制御装置3等の外部の装置及び/又は記憶部110から、受け取る又は取得する。当該情報は、操船指針の情報及び他の船舶の情報を含んでもよい。例えば、操船指針の情報は、船舶1の目標位置、目標方位、目標航路及び目標船速等の情報を含んでもよい。例えば、目標航路の情報は、少なくとも1つの目標の通過地点(「ウェイポイント(waypoint)」とも呼ばれる)の情報を含んでもよい。他の船舶の情報は、船体2に対して押し曳きする他の船舶の数量、他の船舶それぞれの諸元、他の船舶が押し曳きしている船体2上の位置、他の船舶それぞれが押している状態か曳いている状態かの押し曳きの状態、及び、他の船舶それぞれの推力等の情報を含んでもよい。
演算処理部104aは、第1支援情報の場合と同様に、船体2に作用する推定外力の直線力及び回転力を演算する。演算処理部104aは、操船補助状態を示す情報又は指令等を、制御装置3等の外部の装置から受け付けると、上記の直線力及び回転力を他の船舶から受ける推定外力として算出する。
演算処理部104aは、推定外力、操船指針の情報及び他の船舶の情報等を用いて、船体2が目標の状態となるために他の船舶から受けるべき外力である船舶作用力を演算し、当該船舶作用力に関連する支援情報を生成する。例えば、演算処理部104aは、支援情報として、停止支援情報、目標位置方位支援情報、方位保持支援情報、位置保持支援情報、及び、航路支援情報の少なくとも1つを生成してもよい。
停止支援情報は、目標の位置に船体2を停止させるために必要とする船舶作用力を提案する情報である。
目標位置方位支援情報は、目標位置及び目標方位に船体2を到達させるために必要とする船舶作用力を提案する情報である。
方位保持支援情報は、船体2の方位を現状に維持した状態で船体2を目標位置に到達させるために必要とする船舶作用力を提案する情報である。
位置保持支援情報は、船体2の位置を現状に維持した状態で船体2を目標方位に向けるために必要とする船舶作用力を提案する情報である。
航路支援情報は、目標航路又は目標通過地点に沿って船体2を移動させるために必要とする船舶作用力を提案する情報である。
演算処理部104aは、公知のいかなる演算方法を用いて、船舶作用力を演算してもよい。例えば、演算処理部104aは、最新の推定外力を初期値として用いて、モデル予測制御を実行することで、船舶作用力を演算してもよい。例えば、モデル予測制御は、連続法(Continuation method)と一般化最小残差法(Generalized Minimal Residual Method)とが組み合わされたC/GMRES法等の手法を用いるものであってもよい。
出力処理部104bは、第2支援情報を提示装置200に出力する場合、船舶作用力の直線力及び回転力の向き及び大きさを示す指標を視覚的に表す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、出力処理部104bは、船体2の像と、少なくとも1つの他の船舶TSの像と、船舶作用力の直線力の向き及び大きさを示す矢印Bsの像と、船舶作用力の回転力の向き及び大きさを示す矢印Brの像とを含む、図5に示すような画像Ibのデータを生成する。矢印Bs及びBrの太さ長さ及び/又は色合いが、力の大きさを示してもよい。出力処理部104bは、各力の大きさを文字列で表してもよい。破線で示される船体2は、目標の位置及び姿勢での船体を示す。図5は、第2支援情報の表示画像の一例を示す図である。
2つ以上の他の船舶TSが船体2に対して押し曳きしている場合、演算処理部104a及び出力処理部104bは、他の船舶TSそれぞれの推力又は能力等に応じて、船舶作用力の直線力及び回転力を、他の船舶TSそれぞれに分配してもよい。また、演算処理部104a及び出力処理部104bは、所定の時間間隔又は所定の移動距離間隔で画像Ibのデータを生成し表示するように構成されてもよい。
[第3支援情報]
演算処理部104aは、第3支援情報として、船体2を目標の状態にするように船舶1の操船を支援する情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。具体的には、演算処理部104aは、第2支援情報の場合と同様に、操船指針の情報を含む操船支援に必要な情報を、制御装置3等の外部の装置及び/又は記憶部110から、受け取る又は取得する。演算処理部104aは、第1支援情報の場合と同様に、船体2に作用する推定外力の直線力及び回転力を演算する。
演算処理部104aは、推定外力及び操船指針の情報等を用いて、船体2が目標の状態となるために船体2が受けるべき外力である船舶作用力を演算し、当該船舶作用力に関連する支援情報を生成する。例えば、演算処理部104aは、第2支援情報の場合と同様に、停止支援情報、目標位置方位支援情報、方位保持支援情報、位置保持支援情報、及び、航路支援情報の少なくとも1つを生成してもよい。
出力処理部104bは、第3支援情報を提示装置200に出力する場合、船舶作用力の直線力及び回転力の向き及び大きさを示す指標を視覚的に表す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、例えば、出力処理部104bは、図5に示すような画像Ibにおいて少なくとも1つの他の船舶TSの像が除去された画像のデータを生成する。
なお、演算処理部104aは、船舶作用力の直線力及び回転力の向き及び大きさにするための操船情報を生成し、出力処理部104bは、当該操船情報を含む画像のデータを生成してもよい。操船情報は、船体2に左右舷方向に作用させる力及び加速度、船体2に前後進方向に作用させる力及び加速度、舵の舵角並びに推力等の情報を含んでもよい。
[第4支援情報]
演算処理部104aは、第4支援情報として、投錨を併用した船舶1の操船を支援する情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。具体的には、演算処理部104aは、投錨を併用した操船支援に必要な情報を、制御装置3等の外部の装置及び/又は記憶部110から、受け取る又は取得する。当該情報は、操船指針の情報及び船舶1の錨の情報を含んでもよい。操船指針の情報は、第2支援情報での操船指針の情報と同様である。船舶1の錨の情報は、船体2に搭載される錨の数量、各錨のアンカーロープ又はアンカーチェーン等のアンカーラインの張力が作用する船体2上の位置(例えば、ウインドラスの位置)、投錨中の錨、及び、投錨中の錨によって繰り出されているアンカーラインの長さ等の情報を含んでもよい。
演算処理部104aは、第1支援情報の場合と同様に、船体2に作用する推定外力の直線力及び回転力を演算する。演算処理部104aは、投錨状態を示す情報又は指令等を、制御装置3等の外部の装置から受け付けると、上記の直線力及び回転力を投錨中の錨から受ける推定外力として算出する。
演算処理部104aは、推定外力、操船指針の情報及び錨の情報等を用いて、投錨中の船体2が移動した場合に船体2が錨及びアンカーラインから受ける推定の作用力である推定錨作用力を演算し、当該推定錨作用力に関連する支援情報を生成する。
演算処理部104aは、支援情報を生成する過程において、投錨状態を示す情報を取得後、船体2に作用する推定外力が予め設定された第1閾値以上又は第1閾値超であることを検出すると、「錨が効いている」という状態判断のフラグをON状態とし、以降に算出される推定外力を用いて、推定錨作用力を演算する。例えば、演算処理部104aは、推定外力が第2閾値未満又は第2閾値以下になると、上記フラグOFF状態とし、推定錨作用力の演算を中止し、再び、フラグがON状態になるまで推定錨作用力の演算を行わない。第1閾値及び第2閾値は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
具体的には、演算処理部104aは、推定外力の変化から、船体2に対する投錨位置APを推定する。投錨位置APは、船体2から繰り出されているアンカーラインの端点でもある。例えば、図6に示すように、演算処理部104aは、推定外力Feの直線力Fesの向きの変化と、船体2におけるアンカーラインが繰り出されているウインドラス2wの位置の情報とを用いて、投錨位置を演算する。船体2に対する直線力Fesの方向は、アンカーラインがウインドラスから延びる方向でもある。図6は、実施の形態に係る投錨位置APの推定方法の一例を示す平面図である。さらに、演算処理部104aは、上記ウインドラス2wと投錨位置APとの間の距離及び方向を演算する。
例えば、図7に示すように、演算処理部104aは、上記演算結果に基づき、推定外力Feの直線力Fes及び回転力Ferと、船体2に対してアンカーラインが延びる方向と、錨鎖距離と、基準長さとを下記の式2に適用することによって、錨作用力係数を演算する。演算処理部104aは、錨作用力係数の演算において、式2に含まれる2つの式の両方を用いてもよく、一方のみを用いてもよい。図7は、式2の各要素の一例を示す平面図である。
Figure 2022164089000003
上記式2において、「fX」は直線力FesのX軸方向成分を示し、「fY」は直線力FesのY軸方向成分を示し、「fr」は回転力Ferを示す。「danchor」は錨鎖距離を示す。錨鎖距離は、投錨位置とウインドラスとの距離であってもよく、例えば、上方から船舶1を見たときの投錨位置とウインドラスとの水平距離であってもよい。「Lanchor」は、アンカーラインが繰り出される長さに対応した基準長さを示し、例えば、「danchor」に対して錨が効き始めるアンカーラインの基準長さを示してもよい。「θ」は、船体2に対してアンカーラインが延びる方向を示し、X軸に対するアンカーラインの角度を示す。「dwindlass」は、船体2の所定位置とウインドラスの位置との距離を示す。「Kanchor」は、錨作用力係数を示す。船体2の所定位置は、船体2の所定の中心の位置であってもよく、重心Gの位置であってもよく、船体2の他の位置であってもよい。
さらに、演算処理部104aは、算出された錨作用力係数Kanchorを式2に適用し、船体2が移動した場合に、錨及びアンカーラインから船体2が受ける外力である錨作用力を予測する、つまり、推定錨作用力を演算する。例えば、演算処理部104aは、船体2が移動することによって変化し得る錨鎖距離及び/又はアンカーライン角度を式2に適用することによって、推定錨作用力を演算してもよい。錨鎖距離及び/又はアンカーライン角度の変化の指令値は、予め設定されて記憶部110に記憶され、演算処理部104aは、記憶部110から当該情報を読み出して使用してもよい。演算処理部104aは、制御装置3等の外部の装置から受け取る指令、情報及びデータ等により、錨鎖距離及び/又はアンカーライン角度の変化の指令値を取得してもよい。例えば、演算処理部104aは、推定錨作用力の直線力が第3閾値未満又は第3閾値以下になると、「錨が効かない」ことを示す情報を出力してもよい。第3閾値は、第1閾値又は第2閾値と同じであってもよく、第1閾値及び第2閾値と異なっていてもよい。
出力処理部104bは、第4支援情報を提示装置200に出力する場合、推定錨作用力の直線力及び回転力の向き及び大きさを示す指標を視覚的に表す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、出力処理部104bは、船体2の像と、錨位置APの指標と、推定錨作用力の直線力の向き及び大きさを示す矢印Csの像と、推定錨作用力の回転力の向き及び大きさを示す矢印Crの像とを含む、図8に示すような画像Icのデータを生成する。矢印Cs及びCrの太さ、長さ及び/又は色合いが、力の大きさを示してもよい。出力処理部104bは、各力の大きさを文字列で表してもよい。破線で示される船体2は、錨鎖距離及び/又はアンカーライン角度の変化後の船体を示す。図8は、第4支援情報の表示画像の一例を示す図である。
2つ以上の錨が投錨中である場合、演算処理部104aは、船体2に対する各錨の位置及び各錨のアンカーラインのウインドラスの位置等に応じて、推定外力を各錨に分配してもよい。演算処理部104aは、分配結果を用いて各錨の錨作用力係数を演算し、さらに各錨の推定錨作用力を演算してもよい。また、演算処理部104a及び出力処理部104bは、所定の時間間隔又は所定の移動距離間隔で画像Icのデータを生成し表示するように構成されてもよい。
[第5支援情報]
演算処理部104aは、第5支援情報として、船舶1の移動の予測結果を示す情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。演算処理部104aは、第1支援情報の場合と同様に、船体2に作用する推定外力の直線力及び回転力を演算する。演算処理部104aは、作用力推定部101によって推定される推定作用力と上記推定外力とが船体2に作用し続ける場合の船体2の移動を予測する。
演算処理部104aは、推定作用力及び推定外力を式1に示される船体運動モデルの数式に適用し、船体2の速度の直線方向及び回転方向の成分u、v及びrを算出する。具体的には、演算処理部104aは、所定の時間期間が経過する過程での船体2の速度成分u、v及びrの予測値と船体2の予測位置及び予測方位とを算出する。例えば、所定の時間期間は、数秒間~数十分の範囲であってもよい。算出対象のタイミングは、所定の時間期間経過時点だけでなく、所定の時間期間内の少なくとも1つの時点を含んでもよい。
なお、上記算出において、演算処理部104aは、式1の「FX」に推定作用力のX軸方向の直線力と推定外力のX軸方向の直線力との和を適用し、式1の「FY」に推定作用力のY軸方向の直線力と推定外力のY軸方向の直線力との和を適用し、式1の「NZ」に推定作用力のZ軸周りの回転力と推定外力のZ軸周りの回転力との和を適用する。演算処理部104aは、式1の「u’」に、推定作用力に対応する直線加速度のX軸方向成分と推定外力に対応する直線加速度のX軸方向成分との和を適用し、式1の「v’」に、推定作用力に対応する直線加速度のY軸方向成分と推定外力に対応する直線加速度のY軸方向成分との和を適用し、式1の「r’」に、推定作用力に対応する回転加速度のZ軸周りの成分と推定外力に対応する回転加速度のZ軸周りの成分との和を適用する。なお、これに限定されないが、本実施の形態では、演算処理部104aは、船体2の質量「M」として一定の値を式1に適用する。
出力処理部104bは、第5支援情報を提示装置200に出力する場合、船体2の予測位置及び予測方位を示す指標を視覚的に表す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、出力処理部104bは、予測位置及び予測方位の各組み合わせでの船体2の像を含む、図9に示すような画像Idのデータを生成する。図9は、第5支援情報の表示画像の一例を示す図である。この場合、所定の時間期間は、5分間であり、演算処理部104aは、30秒、1分、2分及び5分の経過時点の船体2の予測位置及び予測方位を算出し、出力処理部104bは、4つの経過時点の予測位置及び予測方位に対応する4つの船体2の像と、初期位置(0秒経過時点)での船体2の像とを表す画像Idのデータを生成する。
演算処理部104aは、連続する複数の所定の時間期間について、船体2の予測位置及び予測方位を演算し、出力処理部104bは、複数の所定の時間期間の予測位置及び予測方位の情報を出力してもよい。複数の所定の時間期間の長さは、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。演算処理部104aは、所定の時間期間経過する毎に、当該所定の時間期間経過時点又は当該所定の時間期間内の所定の時点での推定外力を算出してもよい。演算処理部104aは、算出された推定外力を用いて、当該所定の時間期間の次の所定の時間期間についての船体2の予測位置及び予測方位を演算してもよい。
演算処理部104aは、所定の時間期間内の所定のタイミングで推定外力を算出し、当該推定外力を用いて、当該タイミング以降の船体2の予測位置及び予測方位を演算してもよい。例えば、演算処理部104aは、所定の時間期間に含まれる船体2の予測位置及び予測方位の算出対象のタイミング毎に推定外力を算出し、当該推定外力を以降の算出対象のタイミングでの予測位置及び予測方位の演算に用いてもよい。
上記において、演算処理部104aは、一定の推定作用力と一定の推定外力とが船体2に作用し続ける場合の船体2の移動を予測するように構成されるが、これに限定されない。例えば、演算処理部104aは、推定作用力に含まれる風圧力及び流体力の少なくとも1つを、船体2の予測位置及び予測方位に応じて変動させてもよい。演算処理部104aは、船体2の予測位置及び予測方位での風圧力及び/又は流体力の推定値を算出し、当該推定値を推定作用力に反映することで新たな推定作用力を算出し、新たな推定作用力を船体2の移動の予測に用いてもよい。演算処理部104aは、所定の時間期間経過する毎に風圧力及び/又は流体力の推定値を算出し、当該推定値に基づく新たな推定作用力を以降の船体2の予測位置及び予測方位の演算に用いてもよい。演算処理部104aは、所定の時間期間内に含まれる船体2の予測位置及び予測方位の算出対象のタイミング毎に風圧力及び/又は流体力の推定値を算出し、当該推定値に基づく新たな推定作用力を当該タイミング以降の船体2の予測位置及び予測方位の演算に用いてもよい。
演算処理部104aは、船体2の予測位置及び予測方位等の演算に、第2支援情報等を反映してもよい。この場合、演算処理部104aは、推定外力の代わりに船舶作用力を用いて船体2の予測位置及び予測方位等を演算してもよい。
[第6支援情報]
演算処理部104aは、第6支援情報として、所定の条件のもとでの船舶1の移動エリアの予測結果を示す情報を生成し、出力処理部104bは、当該情報を出力対象に出力する。演算処理部104aは、所定の条件の情報を取得する。所定の条件の情報は、予め設定されて記憶部110に記憶され、演算処理部104aは、記憶部110から当該情報を読み出して使用してもよい。演算処理部104aは、制御装置3等の外部の装置から受け取る指令、情報及びデータ等により、所定の条件の情報を取得してもよい。
所定の条件の情報は、少なくとも2つの所定の操船パターンの情報等を含む。1つの操船パターンは、船体2の左右舷方向の運動状態に関連する第1操船情報と、船体2の前後進方向の運動状態に関連する第2操船情報との組み合わせを含む。
第1操船情報は、船体2に左右舷方向に作用させる力及び加速度、並びに、舵の舵角等の情報を含み得る。例えば、上記の左右舷方向の力は、他の船舶によって船体2に加えられる力、錨によって船体2に加えられる力、船体2のスラスタによって船体2によって加えられる推力、並びに、船体2のプロペラ及び舵の組み合わせによって船体2に加えられる推力等を含み得る。例えば、船体2のプロペラ及び舵の情報は、プロペラの回転数、プロペラの翼角、プロペラの回転軸の向き及び舵の舵角等を含んでもよい。
第2操船情報は、船体2に前後進方向に作用させる力及び加速度、並びに、舵の舵角等の情報を含み得る。例えば、上記の前後進方向の力は、他の船舶によって船体2に加えられる力、錨によって船体2に加えられる力、船体2のプロペラによって船体2に加えられる推力、並びに、船体2のプロペラ及び舵の組み合わせによって船体2に加えられる推力等を含み得る。例えば、船体2のプロペラ及び舵の情報は、プロペラの回転数、プロペラの翼角、プロペラの回転軸の向き及び舵の舵角等を含んでもよい。
演算処理部104aは、船舶1の状態と、少なくとも2つの所定の操船パターンの情報とに基づき、少なくとも2つの操船パターンそれぞれに対応する船体2の少なくとも2つの移動動作を推定する。例えば、船舶1の状態は、推定作用力、推定外力、船体運動演算部103によって算出される船体2の実加速度、及び、これらの少なくとも2つの組み合わせ等を含んでもよい。各操船パターンについて、演算処理部104aは、上記船舶1の状態が維持されつつ第1操船情報及び第2操船情報に示される運動状態で船体2が移動する場合の船体2の移動動作を推定する。例えば、演算処理部104aは、船体2が第1操船情報の左右舷方向の力と第2操船情報の前後進方向の力とを受けて移動する場合の船体2の移動動作を演算する。例えば、演算処理部104aは、船体2の移動動作として、船体2の位置の時間推移、船体2の速度の時間推移、船体2の加速度の時間推移、当該移動動作に従った船体2の移動経路、所定の時間経過後の船体の2の到達地点及びこれらの少なくとも2つの組み合わせのうちの少なくとも1つを演算してもよい。
例えば、演算処理部104aは、船舶1の状態として推定作用力又は船体2の実加速度を用いる場合、船体2が推定作用力又は実加速度を受けつつ操船パターンに従って移動する場合の船体2の移動動作を演算する。演算処理部104aは、船舶1の状態として推定作用力及び推定外力の組み合わせを用いる場合、船体2が推定作用力及び推定外力の和を受けつつ操船パターンに従って移動する場合の船体2の移動動作を演算する。演算処理部104aは、動作推定部として機能し、場合によっては補正処理部としても機能する。
これに限定されないが、本実施の形態では、複数の後進方向の力が設定される。例えば、複数の後進方向の力は、フルアスターン、ハーフアスターン、スローアスターン及びアスターン無しに対応する4つの後進方向の推力として設定される。複数の後進方向の力は、デッドスローアスターンに対応する後進方向の推力を含んでもよい。プロペラは、フルアスターンでは後進方向の最大推力を発生し、ハーフアスターンでは後進方向の最大推力の75%程度の後進方向の推力を発生し、スローアスターンでは後進方向の最大推力の50%程度の後進方向の推力を発生し、デッドスローアスターンでは後進方向の最大推力の25%程度の後進方向の推力を発生し得る。4つの後進方向の力それぞれについて、所定の左舷方向の力が作用する操船パターンと、所定の右舷方向の力が作用する操船パターンと、左右舷方向の力が作用しない操船パターンとが、設定される。4つの後進方向の力と3つの舷方向の力との組み合わせを用いて、12の操船パターンが設定される。演算処理部104aは、12の操船パターンそれぞれについて船体2の移動動作を演算する。
例えば、演算処理部104aは、上記の式1に示される船体運動モデルの数式を用いて、船体2の移動動作を演算する。この場合、演算処理部104aは、式1において、「FX」に、船舶1の状態に含まれるX軸方向の直線力と後進方向の力との和を適用し、「FY」に、船舶1の状態に含まれるY軸方向の直線力と左右舷方向の力との和を適用し、「NZ」に、船舶1の状態に含まれるZ軸周りの回転力を適用する。
さらに、演算処理部104aは、第2操船情報が同じである3つの操船パターンに対応する船体2の3つの移動動作を含む領域を、船体2の移動領域として推定する。具体的には、演算処理部104aは、上記3つの操船パターンに対応する所定の時間経過後の船体2の3つの移動経路を含む領域を移動領域に決定してもよく、上記3つの操船パターンに対応する所定の時間経過後の船体の2の3つの到達地点を含む領域を移動領域に決定してもよい。例えば、図10に示すように、演算処理部104aは、船体2の現在位置P0と、所定の時間経過後の船体の2の3つの到達地点P1、P2及びP3とを頂点とする多角形内の領域Mを移動領域に決定する。到達地点P1は、左右舷方向の力が作用しない操船パターンに対応し、到達地点P2は、所定の左舷方向の力が作用する操船パターンに対応し、到達地点P3は、所定の右舷方向の力が作用する操船パターンに対応する。図10は、船体2の移動領域の一例を示す平面図である。そして、演算処理部104aは、4つの後進方向の力それぞれに対応する4つの移動領域を決定する。
出力処理部104bは、第6支援情報を提示装置200に出力する場合、船体2の4つの移動領域の視覚化情報を一緒に示す画像データを少なくとも生成し、提示装置200に当該画像データを出力し表示させる。例えば、出力処理部104bは、船体2の像と、4つの移動領域M1~M4の像と、海図とを含む、図11に示すような画像Ieのデータを生成する。画像Ieにおいて、移動領域M1~M4の像は重畳表示される。画像Ieを視る操船者は、海図に表される障害物Tと船舶1とが干渉しないように操船することができる。移動領域M1はアスターン無しの操船パターンに対応し、移動領域M2はスローアスターンの操船パターンに対応し、移動領域M3はハーフアスターンの操船パターンに対応し、移動領域M4はフルアスターンの操船パターンに対応する。図11は、第6支援情報の表示画像の一例を示す図である。画像Ieのデータは、動作関連画像データの一例である。
また、演算処理部104aは、船舶1の状態として、船舶作用力を用いてもよい。この場合、演算処理部104aは、第2支援情報の場合と同様に船舶作用力を算出し、当該船舶作用力と推定作用力との和を用いて船体2の移動動作を演算してもよい。
また、演算処理部104aは、第2操船情報が同じである3つの操船パターンに対応する船体2の3つの移動動作を含む領域を、船体2の移動領域として推定するように構成されるが、これに限定されない。例えば、演算処理部104aは、第1操船情報が同じである複数の操船パターンに対応する船体2の複数の移動動作を含む領域を、船体2の移動領域として推定するように構成されてもよい。第1操船情報が同じである操船パターンの例は、所定の左舷方向の力が作用するケース、所定の右舷方向の力が作用するケース、及び、左右舷方向の力が作用しないケースの各ケースについて、フルアスターンでの操船パターン、ハーフアスターンでの操船パターン、スローアスターンでの操船パターン及びアスターン無しでの操船パターン等である。
(変形例1)
本変形例は、操船支援装置がデータのフィルタ処理機能を有する点で、実施の形態と異なる。以下、本変形例について、実施の形態と異なる点を中心に説明し、実施の形態と同様の点の説明を適宜省略する。
図12は、変形例に係る操船支援装置100Aの機能的構成の一例を示すブロック図である。操船支援装置100Aは、実施の形態に係る操船支援装置100と比較して、第1フィルタ処理部105及び第2フィルタ処理部106を機能的構成要素としてさらに含む。フィルタ処理部105及び106の機能は、プロセッサP及びメモリM等によって実現される。
第1フィルタ処理部105は、船体運動推定部102から船体2の推定加速度を受け取り、当該推定加速度に対してノイズ成分を除去するフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の推定加速度を支援情報生成部104に出力する。例えば、第1フィルタ処理部105は、推定加速度から所定の周波数以上の高周波成分を除去するように構成されてもよい。
第2フィルタ処理部106は、船体運動演算部103から船体2の実加速度を受け取り、当該実加速度に対してノイズ成分を除去するフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の推定加速度を支援情報生成部104に出力する。例えば、第2フィルタ処理部106は、実加速度から所定の周波数以上の高周波成分を除去するように構成されてもよい。
支援情報生成部104は、第1フィルタ処理部105でのフィルタ処理後の推定加速度と、第2フィルタ処理部106でのフィルタ処理後の実加速度とを用いて、処理を行う。これにより、例えば、支援情報生成部104は、船体2に作用する推定外力を演算する場合、風、波及び潮流等の高周波成分の影響が除去された推定外力を算出することができる。よって、推定外力の精度が向上する。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態及び変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、実施の形態及び変形例において、操船支援装置100及び100Aは、船舶1の手動操船に有用なかたちで、提示装置200等に支援情報を出力するように構成されるが、これに限定されない。操船支援装置100及び100Aは、制御装置3等の船舶1の装置が自動操船制御に使用可能なデータとして、当該装置に出力するように構成されてもよい。これにより、支援情報を用いた船舶1の自動操船が可能になる。
また、本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の第1の態様に係る操船支援装置は、情報を入出力するように構成される入出力部と、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を前記入出力部を介して取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成することと、前記入出力部を介して前記支援情報を出力することとを実行するように構成される。
上記態様によると、操船支援装置は、船体に作用する力に関連する第1船体情報を用いて算出された船体の第1運動状態と、船体の位置及び姿勢に関連する第2船体情報用いて算出された船体の第2運動状態との差異に基づき、支援情報を生成する。このような支援情報は、第1船体情報に含まれていない船体に作用する力に関連する情報を含み得る。支援情報を船体の操船に利用することによって、安全且つ効率的な操船が可能になる。よって、操船支援装置は、船舶の状態に対応した操船支援を行うことができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記第1船体情報は、前記船体に作用する力に関連する情報を検出する第1船舶関連装置から出力される情報を含み、前記第2船体情報は、前記船体の位置及び姿勢に関連する情報を検出する第2船舶関連装置から出力される情報を含んでもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船舶関連装置及び第2船舶関連装置から出力される実際の情報を含む第1船体情報及び第2船体情報を用いて、第1運動状態及び第2運動状態を算出することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記第1船体情報は、前記船体に作用する風圧力に関する実際の情報である風圧力情報と、前記船体に作用する流体力に関連する実際の情報である流体力情報と、前記船体に作用する推力に関連する実際の情報である推力情報とを含み、前記プロセッサは、前記風圧力情報を用いて前記船体に作用する風圧力を演算し、前記流体力情報を用いて前記船体に作用する流体力を演算し、前記推力情報を用いて前記船体に作用する推力を演算し、前記風圧力、前記流体力及び前記推力を合算することで、前記第1船体作用力を演算してもよい。
上記態様によると、操船支援装置は、船体に定常的に作用する風圧力、流体力及び推力を含む第1船体作用力を算出する。このため、支援情報は、船体に非定常的に作用する力に関連する情報を含み得る。支援情報を船体の操船に利用することによって、船体に非定常的に作用する力に対して安全且つ効率的な操船が可能になる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記風圧力情報は、前記船舶に搭載される風向風速センサの検出値を含み、前記流体力情報は、前記船舶に搭載される対地船速センサ、対水船速センサ及び潮流センサの少なくとも1つの検出値を含み、前記推力情報は、前記船舶の制御装置が前記船体の推進装置に出力する指令値と前記推進装置からのフィードバック値との少なくとも1つを含んでもよい。上記態様によると、第1船体情報は、船舶から取得可能である。操船支援装置は、当該第1船体情報を、船舶に搭載される機器から取得することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記第2船体情報は、前記船舶に搭載される全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の検出値と姿勢センサの検出値との少なくとも1つを含んでもよい。上記態様によると、第2船体情報は、船舶から取得可能である。操船支援装置は、当該第2船体情報を、船舶に搭載される機器から取得することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置は、前記船体の運動モデルを記憶する記憶装置をさらに備え、前記プロセッサは、前記運動モデルに前記第1船体作用力を適用することで、前記第1運動状態を演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1運動状態の精度を向上させることができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記第1運動状態からノイズ成分を除去する第1フィルタ処理をさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記第1フィルタ処理された前記第1運動状態を用いて前記支援情報を生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、支援情報の精度を向上させることができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記第2運動状態からノイズ成分を除去する第2フィルタ処理をさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記第2フィルタ処理された前記第2運動状態を用いて前記支援情報を生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、支援情報の精度を向上させることができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記支援情報として、前記船体に作用する力である第2船体作用力を演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船体情報に含まれていない船体に作用する力を演算し出力することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置は、前記船体の運動モデルを記憶する記憶装置をさらに備え、前記プロセッサは、前記運動モデルに、前記第2船体作用力を適用することで、前記支援情報として、前記船体の予測の運動状態である第3運動状態を演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船体情報に含まれていない船体に作用する力に起因する船体の第3運動状態を演算し出力することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記第2船体作用力に基づき、前記支援情報として、前記船体を目標の状態にするように操船を支援するための情報を生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、船体を目標の状態にするように操船を支援することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記船舶が他の船舶による操船補助を受けていることを示す補助情報を前記入出力部を介して受け取るように構成され、前記プロセッサは、前記補助情報を受け取ると、前記第2船体作用力を、前記他の船舶から前記船体に作用する補助力として演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船体情報に含まれていない船体に作用する力として、他の船舶の補助力を演算し出力することができる。他の船舶の補助力を船体の操船に利用することによって、安全且つ効率的な操船が可能になる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記補助力に基づき、前記支援情報として、前記船体を目標の状態にするように操船を支援するための情報を生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、船体が他の船舶から補助力を受けているときに船体を目標の状態にするように操船を支援することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記船舶が投錨中であることを示す投錨情報を前記入出力部を介して受け取るように構成され、前記プロセッサは、前記投錨情報を受け取ると、前記第2船体作用力を、投下された錨から前記船体に作用する錨作用力として演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船体情報に含まれていない船体に作用する力として、錨作用力を演算し出力することができる。錨作用力を船体の操船に利用することによって、安全且つ効率的な操船が可能になる。
本開示の第1の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記錨作用力に基づき、前記支援情報として、前記船体が移動した場合の前記錨作用力を演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、投錨しつつ船体を移動させるときの操船を支援することができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援システムは、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と、画像及び音声の少なくとも1つを提示可能である提示装置とを備え、前記プロセッサは、前記支援情報を、画像データ、音声データ及び文字列データの少なくとも1つを含むデータとして前記提示装置に出力し、前記提示装置に前記支援情報を提示させる。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と同様の効果を奏する操船支援システムを得ることができる。
本開示の第1の態様に係る船舶は、本開示の第1の態様に係る操船支援システムと、前記操船支援システムを搭載する前記船体とを備える。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と同様の効果を奏する船舶を得ることができる。
本開示の第1の態様に係る操船支援方法は、船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を取得することと、前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成し出力することとを含む。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の第1の態様に係るプログラムは、船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を取得することと、前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成し出力することとをコンピュータに実行させるプログラム。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置は、情報を入出力するように構成される入出力部と、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、船舶の状態を示す船舶状態情報を前記入出力部を介して取得することと、前記船舶の操船に関する情報を含む少なくとも2つの所定の操船パターンの情報と前記船舶状態情報とに基づき、前記少なくとも2つの操船パターンそれぞれに対応する前記船舶の少なくとも2つの移動動作を演算することと、前記少なくとも2つの移動動作それぞれに関連する視覚化情報を一緒に示す画像データである動作関連画像データを生成することと、前記入出力部を介して前記動作関連画像データを、画像の出力が可能な装置に出力することとを実行するように構成される。
上記態様によると、操船支援装置は、船舶状態情報と操船パターンの情報とに基づく移動動作の視覚化情報を示す動作関連画像データを生成する。動作関連画像データは、少なくとも2つの移動動作それぞれの視覚化情報を一緒に示す。操船支援装置は、複数の操船パターンに対応する船舶の複数の移動動作に関連する情報を視覚的に同時に提示することができる。よって、安全且つ効率的な操船が可能になる。よって、操船支援装置は、船舶の状態に対応した操船支援を行うことができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記移動動作それぞれに従った前記船舶の移動経路及び移動先の少なくとも一方を演算することをさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記移動経路及び前記移動先の少なくとも一方のそれぞれの視覚化情報を一緒に示す前記動作関連画像データを生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、複数の操船パターンに対応する船舶の複数の移動経路及び/又は移動先を視覚的に同時に提示することができる。よって、安全且つ効率的な操船が可能になる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記移動動作それぞれに従った前記船舶の移動経路及び移動先の少なくとも一方を演算することと、前記移動経路及び前記移動先の少なくとも一方のそれぞれを含む前記船舶の移動領域を演算することとをさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記移動領域の視覚化情報を示す前記動作関連画像データを生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、複数の操船パターンに対応する船舶の移動領域を視覚的に提示することができる。よって、安全且つ効率的な操船が可能になる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、1つの前記操船パターンは、前記船舶の左右舷方向の運動状態に関連する第1操船情報と、前記船舶の前後進方向の運動状態に関連する第2操船情報との組み合わせを含んでもよい。上記態様によると、操船パターンに対応する船舶の移動動作は、船舶の左右舷方向及び前後進方向での運動状態の変動を反映することができる。操船支援装置は、多様な移動動作に関連する情報を視覚的に提示することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記第1操船情報は、前記船舶の舵の舵角に関する情報と、前記船舶に左右舷方向に作用する力の情報との少なくとも一方を含み、前記第2操船情報は、前記船舶のプロペラの回転数の情報と、前記船舶に前後進方向に作用する力の情報との少なくとも一方を含んでもよい。上記態様によると、操船支援装置は、様々な情報を含む第1操船情報及び第2操船情報を用いて、様々な状態の船舶の移動動作に関連する情報を視覚的に提示することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記移動動作それぞれに従った前記船舶の移動経路及び移動先の少なくとも一方を演算することと、前記第2操船情報が同じである少なくとも2つの前記操船パターンそれぞれに対応する前記移動経路及び前記移動先の少なくとも一方を含む前記船舶の移動領域を演算することとをさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記移動領域の視覚化情報を示す前記動作関連画像データを生成してもよい。
上記態様によると、操船支援装置は、第2操船情報に対応する船舶の運動状態での船舶の移動領域を視覚的に提示することができる。例えば、操船支援装置は、前後進方向での船舶の運動状態は所定の運動状態であるが左右舷方向での船舶の運動状態が変動する場合での船舶の移動領域を視覚的に提示することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記操船パターンの前記第2操船情報が異なる少なくとも2つの前記移動領域の視覚化情報を一緒に示す前記動作関連画像データを生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、前後進方向での様々な船舶の運動状態のそれぞれに対応する船舶の移動領域を視覚的に同時に提示することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、所定の時間間隔の前記船舶の状態を示す前記船舶状態情報に基づき前記所定の時間間隔の前記移動動作を演算し、前記所定の時間間隔の前記移動動作に関連する視覚化情報を前記所定の時間間隔で示す前記動作関連画像データを生成してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、船舶の状態の変化に対応して変化する船舶の移動動作に関連する視覚化情報を、所定の時間間隔で更新して提示することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置は、前記少なくとも2つの所定の操船パターンの情報を記憶する記憶装置をさらに備えてもよい。上記態様によると、操船支援装置は、他の装置等からの少なくとも2つの所定の操船パターンの情報の提供を必要せずに、船舶の移動動作を演算することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を、前記船舶状態情報として取得することと、前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することとをさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、前記第1船体作用力と前記操船パターンの情報とに基づき、前記移動動作を演算しもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船体情報を用いて船舶の状態を演算し、当該船舶の状態を用いて移動動作を演算することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記プロセッサは、前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を、前記船舶状態情報として取得することと、前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記第1船体作用力に補正を加えることとをさらに実行するように構成され、前記プロセッサは、補正された前記第1船体作用力と前記操船パターンの情報とに基づき、前記移動動作を演算してもよい。上記態様によると、操船支援装置は、船舶の移動動作の推定精度を向上させることができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記第1船体情報は、前記船体に作用する力に関連する情報を検出する第1船舶関連装置から出力される情報を含み、前記第2船体情報は、前記船体の位置及び姿勢に関連する情報を検出する第2船舶関連装置から出力される情報を含んでもよい。上記態様によると、操船支援装置は、第1船舶関連装置及び第2船舶関連装置から出力される実際の情報を含む第1船体情報及び第2船体情報を用いて、船舶の移動動作を算出することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記第2船体情報は、前記船舶に搭載される全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の検出値と姿勢センサの検出値との少なくとも1つを含んでもよい。上記態様によると、第2船体情報は、船舶から取得可能である。操船支援装置は、当該第2船体情報を、船舶に搭載される機器から取得することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記第1船体情報は、前記船体に作用する風圧力に関する実際の情報である風圧力情報と、前記船体に作用する流体力に関連する実際の情報である流体力情報と、前記船体に作用する推力に関連する実際の情報である推力情報とを含み、前記プロセッサは、前記風圧力情報を用いて前記船体に作用する風圧力を演算し、前記流体力情報を用いて前記船体に作用する流体力を演算し、前記推力情報を用いて前記船体に作用する推力を演算し、前記風圧力、前記流体力及び前記推力を合算することで、前記第1船体作用力を演算してもよい。
上記態様によると、操船支援装置は、船体に定常的に作用する風圧力、流体力及び推力を含む第1船体作用力を演算する。このため、第1運動状態と第2運動状態との差異に基づき加えられる補正は、船体に非定常的に作用する力を移動動作に反映することができる。操船支援装置は、船舶の移動動作の精度を向上させることができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援装置において、前記風圧力情報は、前記船舶に搭載される風向風速センサの検出値を含み、前記流体力情報は、前記船舶に搭載される対地船速センサ、対水船速センサ及び潮流センサの少なくとも1つの検出値を含み、前記推力情報は、前記船舶の制御装置が前記船体の推進装置に出力する指令値と前記推進装置からのフィードバック値との少なくとも1つを含んでもよい。上記態様によると、第1船体情報は、船舶から取得可能である。操船支援装置は、当該第1船体情報を、船舶に搭載される機器から取得することができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援システムは、本開示の第2の態様に係る操船支援装置と、前記画像の出力が可能な装置とを備え、前記プロセッサは、前記動作関連画像データを、前記画像の出力が可能な装置に出力し表示させる。上記態様によると、本開示の第2の態様に係る操船支援装置と同様の効果を奏する操船支援システムを得ることができる。
本開示の第2の態様に係る船舶は、本開示の第2の態様に係る操船支援システムと、前記操船支援システムを搭載する船体とを備える。上記態様によると、本開示の第2の態様に係る操船支援装置と同様の効果を奏する船舶を得ることができる。
本開示の第2の態様に係る操船支援方法は、船舶の状態を示す船舶状態情報を取得することと、前記船舶の操船に関する情報を含む少なくとも2つの所定の操船パターンの情報を取得することと、前記船舶状態情報と前記少なくとも2つの操船パターンの情報とに基づき、前記少なくとも2つの操船パターンそれぞれに対応する前記船舶の少なくとも2つの移動動作を演算することと、前記少なくとも2つの移動動作それぞれに関連する視覚化情報を一緒に示す画像データである動作関連画像データを生成することと、前記動作関連画像データを、画像の出力が可能な装置に出力することとを含む。上記態様によると、本開示の第2の態様に係る操船支援装置と同様の効果を得ることができる。
本開示の第2の態様に係るプログラムは、船舶の状態を示す船舶状態情報を取得することと、前記船舶の操船に関する情報を含む少なくとも2つの所定の操船パターンの情報を取得することと、前記船舶状態情報と前記少なくとも2つの操船パターンの情報とに基づき、前記少なくとも2つの操船パターンそれぞれに対応する前記船舶の少なくとも2つの移動動作を演算することと、前記少なくとも2つの移動動作それぞれに関連する視覚化情報を一緒に示す画像データである動作関連画像データを生成することと、前記動作関連画像データを、画像の出力が可能な装置に出力することとをコンピュータに実行させる。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る操船支援装置と同様の効果を得ることができる。
なお、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る操船支援方法は、例えば、CPU、LSIなどの回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
また、本開示の第1の態様及び第2の態様に係るプログラムは、例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムであってもよく、記録媒体のドライブ装置を用いて当該記録媒体から読み出されコンピュータ装置にインストールされるように構成されてもよい。当該プログラムは、例えば、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるプログラムであってもよく、コンピュータ装置にダウンロードされインストールされるように構成されてもよい。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
1 船舶
2 船体
6a 風向風速センサ
6b 対地船速センサ
6c 対水船速センサ
6d 潮流センサ
6e GNSS
6f 姿勢センサ
10 操船支援システム
100,100A 操船支援装置
200 提示装置
P プロセッサ
M メモリ
S ストレージ
I/O 入出力部

Claims (19)

  1. 情報を入出力するように構成される入出力部と、
    プロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を前記入出力部を介して取得することと、
    前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を前記入出力部を介して取得することと、
    前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、
    前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、
    前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、
    前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成することと、
    前記入出力部を介して前記支援情報を出力することとを実行するように構成される
    操船支援装置。
  2. 前記第1船体情報は、前記船体に作用する力に関連する情報を検出する第1船舶関連装置から出力される情報を含み、
    前記第2船体情報は、前記船体の位置及び姿勢に関連する情報を検出する第2船舶関連装置から出力される情報を含む
    請求項1に記載の操船支援装置。
  3. 前記第1船体情報は、前記船体に作用する風圧力に関する実際の情報である風圧力情報と、前記船体に作用する流体力に関連する実際の情報である流体力情報と、前記船体に作用する推力に関連する実際の情報である推力情報とを含み、
    前記プロセッサは、前記風圧力情報を用いて前記船体に作用する風圧力を演算し、前記流体力情報を用いて前記船体に作用する流体力を演算し、前記推力情報を用いて前記船体に作用する推力を演算し、前記風圧力、前記流体力及び前記推力を合算することで、前記第1船体作用力を演算する
    請求項1又は2に記載の操船支援装置。
  4. 前記風圧力情報は、前記船舶に搭載される風向風速センサの検出値を含み、
    前記流体力情報は、前記船舶に搭載される対地船速センサ、対水船速センサ及び潮流センサの少なくとも1つの検出値を含み、
    前記推力情報は、前記船舶の制御装置が前記船体の推進装置に出力する指令値と前記推進装置からのフィードバック値との少なくとも1つを含む
    請求項3に記載の操船支援装置。
  5. 前記第2船体情報は、前記船舶に搭載される全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の検出値と姿勢センサの検出値との少なくとも1つを含む
    請求項1~4のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  6. 前記船体の運動モデルを記憶する記憶装置をさらに備え、
    前記プロセッサは、前記運動モデルに前記第1船体作用力を適用することで、前記第1運動状態を演算する
    請求項1~5のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  7. 前記プロセッサは、前記第1運動状態からノイズ成分を除去する第1フィルタ処理をさらに実行するように構成され、
    前記プロセッサは、前記第1フィルタ処理された前記第1運動状態を用いて前記支援情報を生成する
    請求項1~6のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  8. 前記プロセッサは、前記第2運動状態からノイズ成分を除去する第2フィルタ処理をさらに実行するように構成され、
    前記プロセッサは、前記第2フィルタ処理された前記第2運動状態を用いて前記支援情報を生成する
    請求項1~7のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  9. 前記プロセッサは、前記支援情報として、前記船体に作用する力である第2船体作用力を演算する
    請求項1~8のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  10. 前記船体の運動モデルを記憶する記憶装置をさらに備え、
    前記プロセッサは、前記運動モデルに、前記第2船体作用力を適用することで、前記支援情報として、前記船体の予測の運動状態である第3運動状態を演算する
    請求項9に記載の操船支援装置。
  11. 前記プロセッサは、前記第2船体作用力に基づき、前記支援情報として、前記船体を目標の状態にするように操船を支援するための情報を生成する
    請求項9又は10に記載の操船支援装置。
  12. 前記プロセッサは、前記船舶が他の船舶による操船補助を受けていることを示す補助情報を前記入出力部を介して受け取るように構成され、
    前記プロセッサは、前記補助情報を受け取ると、前記第2船体作用力を、前記他の船舶から前記船体に作用する補助力として演算する
    請求項9~11のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  13. 前記プロセッサは、前記補助力に基づき、前記支援情報として、前記船体を目標の状態にするように操船を支援するための情報を生成する
    請求項12に記載の操船支援装置。
  14. 前記プロセッサは、前記船舶が投錨中であることを示す投錨情報を前記入出力部を介して受け取るように構成され、
    前記プロセッサは、前記投錨情報を受け取ると、前記第2船体作用力を、投下された錨から前記船体に作用する錨作用力として演算する
    請求項9~13のいずれか一項に記載の操船支援装置。
  15. 前記プロセッサは、前記錨作用力に基づき、前記支援情報として、前記船体が移動した場合の前記錨作用力を演算する
    請求項14に記載の操船支援装置。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載の操船支援装置と、
    画像及び音声の少なくとも1つを提示可能である提示装置とを備え、
    前記プロセッサは、前記支援情報を、画像データ、音声データ及び文字列データの少なくとも1つを含むデータとして前記提示装置に出力し、前記提示装置に前記支援情報を提示させる
    操船支援システム。
  17. 請求項16に記載の操船支援システムと、
    前記操船支援システムを搭載する前記船体とを備える
    船舶。
  18. 船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を取得することと、
    前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を取得することと、
    前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、
    前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、
    前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、
    前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成し出力することとを含む
    操船支援方法。
  19. 船舶の船体に作用する力に関連する実際の情報を含む第1船体情報を取得することと、
    前記船体の位置及び姿勢に関連する実際の情報を含む第2船体情報を取得することと、
    前記第1船体情報を用いて、前記船体に作用する力である第1船体作用力を演算することと、
    前記第1船体作用力を用いて、前記船体の運動状態である第1運動状態を演算することと、
    前記第2船体情報を用いて、前記船体の運動状態である第2運動状態を演算することと、
    前記第1運動状態と前記第2運動状態との差異に基づき、前記船体の操船の支援のための支援情報を生成し出力することとを
    コンピュータに実行させるプログラム。
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