JP2022163999A - 微粒子捕集装置および微粒子捕集方法 - Google Patents

微粒子捕集装置および微粒子捕集方法 Download PDF

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真理子 宮崎
Mariko Miyazaki
啓 竹中
Hiroshi Takenaka
修大 塚田
Nagahiro Tsukada
隆史 入江
Takashi Irie
智子 冨山
Tomoko Tomiyama
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Abstract

【課題】微粒子捕集装置においてコスト低減を実現する。【解決手段】微粒子103を含む空気を流す複数の孔101を備えた多孔板102と、多孔板102と対向する位置に配置され、微粒子103を捕集する捕集材104と、捕集材104を保持する捕集材保持部105と、多孔板102から捕集材104の向きに空気の流れ119を発生させる吸引機106と、を備え、捕集材104は不織布からなる微粒子捕集装置。【選択図】図1

Description

本発明は、微粒子捕集装置および微粒子捕集方法に関する。
大気中の微粒子の捕集を目的とした微粒子捕集装置が市場に提供されている。その中でも、微粒子を高い捕集率で捕集することのできる微粒子捕集装置として、インパクションを使用した微粒子捕集装置が注目されている。
インパクションは微粒子を含む空気をノズルから噴射させ、噴射した空気を捕集面(捕集材)に衝突させることにより微粒子を捕集面に付着させる方法である。
このインパクションによって微粒子を捕集するための捕集条件は、特許文献1に示された次(式1)で与えられるストークス数Sにより説明される。
=ρduC/9μW (式1)
この(式1)おいて、W:孔径、u:孔での平均風速、μ:空気の粘性係数、ρ:粒子の密度、d:粒子の直径、C:カニンガムの補正係数(粒子運動に際する補正係数:大気圧下で約1.15)である。一般的に、(式1)のストークス数Sの平方根が0.7以上であればほぼ100%の粒子が捕集材に衝突する。
インパクションを利用した微粒子捕集装置は、細菌(最小粒径:約1μm)を捕集対象としたものと、エアロゾル(最小粒径:数十nm)を捕集対象としたものとがある。
細菌を捕集対象としたものとして、特許文献1に記載のポータブル型空中浮遊菌サンプラがある。一方、最小粒径が数十nmと非常に小さいエアロゾルを捕集対象としたものとして、特許文献2に記載の低圧インパクタがある。
特開2000-125843号公報 国際公開第1999/37990号
細菌やエアロゾルの捕集を目的とした微粒子捕集装置では、微粒子をゼラチンフィルタなどの、培地や寒天上に捕集するのが一般的である。しかしながら、捕集材をゼラチンフィルタとした微粒子捕集装置では、捕集材が高価でランニングコストが高くなってしまう。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態の微粒子捕集装置は、微粒子を含む空気を流す複数の孔を備えた多孔板と、多孔板と対向する位置に配置され、微粒子を捕集する捕集材と、捕集材を保持する捕集材保持部と、多孔板から捕集材の向きに空気の流れを発生させる吸引機と、を備え、捕集材は不織布からなる。
一実施の形態の微粒子捕集方法は、微粒子を含む空気を取り込む容器と、容器内に配置され、複数の孔を備える多孔板と、多孔板と対向するように配置された不織布からなる捕集材と、捕集材を保持する捕集材保持部と、容器に配置された排気口と、を備える微粒子捕集装置を準備する工程、および、多孔板の複数の孔を通過して捕集材に向かい、排気口から排出される空気の流れを発生させることで、捕集材に微粒子を捕集する工程、を含む。
一実施の形態によれば、微粒子捕集装置および微粒子捕集方法においてコスト低減を実現することができる。
実施の形態1の微粒子捕集装置の概略構成を示す図。 実施の形態2の微粒子捕集装置の概略構成を示す図。 実施の形態2の微粒子捕集装置のテーブルを示す平面図。 実施の形態2の微粒子捕集装置を用いた微粒子捕集方法を示す図。 実施の形態2の微粒子捕集装置を用いた微粒子捕集方法を示す図。 実施の形態2の微粒子捕集装置を用いた微粒子捕集方法を示す図。 変形例1である微粒子捕集装置のテーブルを示す平面図。 変形例2である微粒子捕集装置の多孔板を示す平面図。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<本発明者が新規に見出した改善の余地>
新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)を例に考える。COVID‐19の感染経路としてエアロゾル感染の可能性が指摘されている。COVID‐19の感染者の呼気に含まれるウイルス凝集体(病原性エアロゾル)の直径は0.5μm~5μmといわれており、水分を含んでおらず粒子も小さいため、感染性を有して空気中を浮遊し続ける可能性がある。空間中における病原性エアロゾルを捕集し、特定空間の時間経過に伴うウイルス量の増減を定量的に評価できれば、ある空間・ある時間のリスクを明確にすることができ、病原性エアロゾルを介した感染ルートの解明や感染拡大予防に繋がる。空間とは、感染症患者の病室、病院の待合室、検体採取室、空港、飲食店、ショッピングモール等、各種公共機関が挙げられる。
インパクションを利用して空間中における病原性エアロゾルを捕集し、特定空間の時間経過に伴うウイルス量増減を定量的に評価するためには、(1)捕集装置を用いた病原性エアロゾルの捕集、(2)捕集装置からの捕集材の取り出し、(3)遺伝子検査のための捕集材の前処理(遺伝子抽出)、(4)遺伝子検査によるウイルス量の定量評価、の工程を繰り返し行う必要がある。つまり、一定時間ごとに病原性エアロゾルを捕集する捕集材の取り換えを可能とする捕集装置および捕集方法が求められている。さらに、ウイルス量増減の定量的評価の低コスト化が求められている。以下に説明する微粒子捕集装置は、空間に存在する病原性エアロゾルなどの微粒子を捕集する装置である。
(実施の形態1)
<実施の形態1の微粒子捕集装置>
図1は、実施の形態1の微粒子捕集装置の概略構成を示す図である。多孔板102、捕集材104、捕集材保持部105、容器107については、実際は略円筒形をしており、図1では説明のためにその中心断面を示している。
図1に示すように、微粒子捕集装置10Aは、容器107と、複数の孔101を備えた板である多孔板102と、微粒子103を捕集する捕集材104と、捕集材104を保持するための捕集材保持部105と、フィルタ108と、吸引機106とを有する。多孔板102、捕集材104および捕集材保持部105は、容器107内に配置されており、容器107は、その上部において多孔板102に対応する位置に吸引口を有し、その下部において排気口109を備える。排気口109にはフィルタ108および吸引機106が接続されている。図示しないが、容器107、フィルタ108および吸引機106は、筐体で覆われており、外部である空間から遮蔽されている。ただし、筐体には、多孔板102および吸引口に対応する部分に第1開口が設けられており、この第1開口から空間の空気を容器107内に取り込むことができる。また、吸引機106に対応する部分には第2開口があり、容器107内に取り込んだ空気を空間に放出することができる。
吸引機106は、例えば、ポンプまたはファンであり、この吸引機106を作動させることで、空間から容器107内に空気を取り込み、多孔板102から捕集材104の向きに空気の流れ(気流)119を発生させることができる。空気の流れ119は、多孔板102に設けられた多数の孔101を通過して捕集材104の主面(多孔板102に対向する面)に向かい、捕集材104の主面に衝突した後に主面に沿って、捕集材104の外周に向かい、その後に排気口109に向かう経路を辿る。排気口109に到達した空気は、フィルタ108および吸引機106を介して、筐体の外部である空間に排出される。フィルタ108は、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)で、捕集材104で捕集しきれなかった微粒子が空間に排出されるのを防止する。
捕集材104は、容器107内に配置され、多孔板102に対向して設置されている。本実施の形態1の特徴であるが、捕集材104は不織布からなる。不織布とは繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものであれば良く、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、アクリル等、その材質は問わない。捕集材104に用いる不織布の例としては、濾紙、マスク、ガーゼ、ふきん、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、おむつ、キッチンペーパー、ウェットティッシュ、等がある。また、捕集材104として、グアニジンを染み込ませた不織布を用いてもよい。グアニジンは、スプレーや浸漬等の方法で不織布に染み込ませることができる。
捕集材保持部105は、捕集材104を搭載するための部材である。ここでは、捕集材保持部105は、平面視において、捕集材104とほぼ等しい径の円形としているが、捕集材104よりも大きい径としてもよい。
多孔板102は、厚さ0.01mm~2mm、直径5mm~200mmの平面視において円形の金属板またはプラスチック板である。金属板は、例えば、アルミニウムまたはステンレス等で構成され、プラスチック板はポリエチレンまたはポリエステル等で構成されている。
多孔板102には、その主面から裏面に貫通する多数の孔101が設けられている。孔101の直径は捕集する微粒子の直径で決まり、孔数は孔101の直径と吸気量で決まる。仮に吸気量0.1m/minで最小粒子径が直径300nmの微粒子を90%以上捕集するには、(式1)の計算では、孔101の数は1000個~10000個、直径は200μm以下であることが必要で、孔101の加工性、孔101を通過する空気の乱流条件などを考慮すると直径50~100μmが好ましい。孔101の形成は、エッチング、レーザー加工、放電加工、電子線ビーム加工、機械加工などにより行う。
なお、多孔板102の材質は、厚さや直径を考慮し、微粒子の捕集時にたわみが生じないものを使用する。たわみが大きいと、多孔板102と捕集材104の間隔が不均一となるため、孔101ごとに捕集性能がばらついてしまい、その結果、捕集率が低下するからである。
また、上記のとおり、孔101から噴き出し捕集材104に衝突した気流は、捕集材104の主面に平行に流れ、捕集材104の外周に排出される。この気流は横風と称される。横風によって、多孔板102の外周側に位置する孔101から噴き出す気流は捕集材104に垂直に衝突しなくなる。すると、微粒子103が捕集材104に衝突せずに横風に追従しやすくなり、捕集率が下がることにつながる。これを防ぐためには、孔101のピッチを大きくして、横風の流速を小さくする必要がある。そのためには、多孔板102を大きくする必要がある。ただし、多孔板102の自重に起因するたわみを考慮すると多孔板102の直径は200mm以下であることが望ましい。したがって、孔101のピッチは0.5mm~2mmが好ましい。
また、多孔板102と捕集材104との間隔の最適値は孔101の径によって変わるが、孔径の1/3~15倍となることが好ましく、さらに好ましくは1/2~5倍の範囲である。
<実施の形態1の微粒子捕集方法>
次に、微粒子捕集装置10Aを用いた空気中の微粒子103の捕集方法を説明する。微粒子捕集方法は、微粒子捕集装置10Aを準備する工程と微粒子103を捕集する工程とを含む。まず、微粒子捕集装置10Aを準備する。上記のように、捕集材104は、多孔板102に対向して配置されている。次に、微粒子103を捕集する工程を実施する。吸引機106の作動により空気の流れ119を生じさせ、多孔板102に設けられた複数の孔101に空気を流入させる。空気中に含まれている微粒子103も空気の流れに乗って多孔板102の孔101内に流入する。捕集材104は多孔板102に対向する位置に配置されているため、流入した空気は捕集材104の主面に衝突し、その後、捕集材104の主面に沿って外周に流れる。このとき空気の流れの力に対する微粒子103の慣性力が大きいと、微粒子103は空気の流れに追従せずに捕集材104の主面に衝突し捕集材104に捕集される。上記(式1)で与えられるストークス数が大きいほど、微粒子103が捕集材104の主面に衝突する確率は高くなる。
以下は、捕集した微粒子103を用いたウイルス検出方法である。微粒子の捕集後に微粒子捕集装置10Aから捕集材104を取り出し、水もしくは緩衝液で洗浄することで捕集材104の主面に吸着している微粒子103を溶出させ、液中に回収する。
回収した微粒子は、ウイルス培養細胞などを用いてウイルス検出する。ウイルスの検出に遺伝子検出法を用いる場合、微粒子103の捕集後に回収した捕集材104を、グアニジン塩を主成分とする遺伝子溶出試薬で洗浄しウイルスの遺伝子を溶出させてもよい。その後遺伝子溶出試薬中に溶出したウイルスの遺伝子を固相抽出法で回収し、PCRなどの遺伝子検出法によりウイルス検出する。
<実施の形態1の特徴>
本実施の形態1によれば、捕集材104を不織布としたことで、捕集材としてゼラチンフィルタを使用する従来技術に比較して、微粒子捕集装置および微粒子捕集方法において、コスト低減を実現することができる。
捕集材104を不織布としたことで、捕集材104をそのまま遺伝子抽出液に浸漬させて遺伝子を溶出できるため熱処理が不要となる。これにより、遺伝子検査の前処理工程が容易となり、ウイルス検出においてコスト低減を実現できる。捕集材にゼラチンフィルタを用いる従来技術では、捕集材から遺伝子抽出を行う工程において熱処理が必要となるからである。
また、捕集材104として、グアニジンを染み込ませた不織布を用いることで、グアニジンが微粒子中の核酸保護剤として作用するため、捕集材104に微粒子が捕集されてから遺伝子検出を行うまでの時間に核酸(RNAやDNA)の破壊を抑制することができる。これにより、遺伝子検査の検出率を向上することができ、高感度検査が可能となる。
また、捕集材104として、グアニジンを染み込ませた不織布を用いることで、捕集材104のたわみが抑制される。微粒子103の捕集時には、空気の流れの影響等で、捕集材104がたわむ。たわみが大きいと多孔板102と捕集材104の間隔が不均一になるため、捕集率が孔101ごとにばらつく可能性がある。捕集材104がグアニジンに染み込んでいることで捕集材104が捕集材保持部105に吸着し、たわみが抑制される。これにより、孔101ごとの捕集率のばらつきが抑えられ、捕集材104全体での捕集率が向上できる。さらに、グアニジン塩を主成分とする遺伝子溶出試薬で洗浄しウイルスの遺伝子を溶出させることを考えると、例えば、水に染み込ませた場合には、遺伝子抽出の際に濃度が薄まり検出率が低下するなどの悪影響もない。
(実施の形態2)
図2は実施の形態2の微粒子捕集装置の概略構成を示す図、図3は実施の形態2の微粒子捕集装置のテーブルを示す平面図、図4~6は実施の形態2の微粒子捕集装置を用いた微粒子捕集方法を示す図である。
<実施の形態2の微粒子捕集装置>
実施の形態2の微粒子捕集装置10Bと上記実施の形態1の微粒子捕集装置10Aとの主な相違点は、実施の形態2の微粒子捕集装置10Bは、複数の捕集材104a~104d、複数の捕集材保持部105a~105d、およびそれらを載置するテーブル111を備えていることである。本実施の形態2では、4つの捕集材104a,104b,104cおよび104dと、4つの捕集材保持部105a,105b,105cおよび105dの例を説明するが、微粒子捕集装置10Bが複数の捕集材と捕集材保持部と備えていれば充分であり、その個数は特に限定されるものではない。
図2~図6に示すように、微粒子捕集装置10Bは、容器107と、複数の孔101を備えた板である多孔板102と、微粒子103を捕集する捕集材104a~104dと、捕集材104を保持するための複数の捕集材保持部105a~105dと、テーブル111と、フィルタ108と、吸引機106とを有する。多孔板102は容器107内に配置されており、容器107は、多孔板102の一方の側に吸引口を、他方の側に排気口109を有しており、排気口109にはフィルタ108および吸引機106が接続されている。
また、テーブル111上には、捕集材保持部と、捕集材保持部上の捕集材とからなる積層構造体が複数個搭載されている。図3に示すように複数の積層構造体は、互いに離間して配置されている。図示しないが、容器107、複数の積層構造体、テーブル111、フィルタ108および吸引機106は、筐体で覆われており、外部である空間から遮蔽されている。つまり、特定の捕集材104aに捕集をしている際に、それ以外の捕集材104b~104dに空気中の微粒子103が付着しないようになっている。ただし、筐体には、多孔板102および吸引口に対応する部分に第1開口が設けられており、この第1開口から空間の空気を容器107内に取り込むことができる。また、吸引機106に対応する部分には第2開口があり、容器107内に取り込んだ空気を空間に放出することができる。
多孔板102、フィルタ108および吸引機106は、上記実施の形態1と同様である。また、捕集材104a~104dおよび捕集材保持部105a~105dは、その個々は上記実施の形態1と同様である。
図3に示すように、テーブル111は主面111mと裏面111sとを有する。主面111mが多孔板104に対向する面であり、裏面111sは主面111mの反対側の面である。テーブル111は、平面視において長方形を有し、テーブル111の主面111mには、長辺方向に所望の間隔をおいて4つの載置領域111a、111b、111cおよび111dが設けられている。載置領域111a~111dは、捕集材保持部105a~105dと捕集材104a~104dの各々とからなる積層構造体を載置する領域である。図2に示すように、載置領域111a、111b、111cおよび111dは、主面111mに対して凹部となっており、この凹部に捕集材保持部105a~105dが載置される。ただし、載置領域111a~111dの形状は、凹部に限定されるものではなく、凸部としてもよく、平面であってもよい。要は、載置領域111a、111b、111cおよび111dを特定できればよい。また、載置領域111a、111b、111cおよび111dには、その場所を特定するために位置識別符号が付されている。位置識別符号は、アルファベットA~Dとしたが、アルファベット以外に、数字、または、アルファベットと数字の複合体などでもよい。
また、捕集材104a~104dおよび捕集材保持部105a~105dにもそれぞれ識別符号が付されている。捕集材104a~104dの識別符号をC1~C4、捕集材保持部105a~105dの識別符号をH1~H4としたが、これに限定されるものではない。
また、図2に示すように、テーブル111は水平方向および垂直方向に移動可能である。ここで、水平方向とは、ステージ111の主面111sに平行方向であり、垂直方向とは主面111sに垂直な方向である。図示しないが、例えば、テーブル111はステッピングモーター等で駆動される。多孔板102とステージ111とが相対的に移動可能となっていればよく、多孔板102を備える容器107を移動可能とすることもできる。ただし、容器107に重量の大きい吸引機106が接続されている場合には、ステージ111を移動可能とするほうが、駆動負荷、移動の制御性等の点で有利である。
<実施の形態2の微粒子捕集方法>
実施の形態2の微粒子捕集方法は、空気中の微粒子103を所定時間ごとに捕集するものである。微粒子捕集方法は、上記の微粒子捕集装置10Bを準備する工程、ステージ111の第1載置領域111aに、第1捕集材104aを搭載した第1捕集材保持部105aを載置し、第2載置領域111bに、第2捕集材104bを搭載した第2捕集材保持部105bを載置する工程、多孔板102と第1捕集材104aとを対向させる工程、多孔板102の複数の孔101を通過して第1捕集材104aに向かい、排気口109から排出される空気の流れ119を発生させることで、第1捕集材104aに微粒子103を捕集する工程、多孔板102と第2捕集材104bとを対向させる工程、多孔板102の複数の孔101を通過して第1捕集材104bに向かい、排気口109から排出される空気の流れ119を発生させることで、第1捕集材104bに微粒子103を捕集する工程を含む。
図2~6を用いて微粒子捕集装置10Bを用いた空気中の微粒子103の捕集方法を説明する。まず、図2および図3に示すように、ステージ111の主面111mに設けられた載置領域111a,111b,111cおよび111dに、捕集材保持部105a,105b,105cおよび105dと、捕集材保持部105a,105b,105cおよび105d上に搭載された捕集材104a,104b,104cおよび104dとの積層構造体を載置する。つまり、載置領域111aには、捕集材保持部105aと捕集材104aとの第1積層体を載置し、載置領域111bには、捕集材保持部105bと捕集材104bとの第2積層体を載置し、載置領域111cには、捕集材保持部105cと捕集材104cとの第3積層体を載置し、載置領域111dには、捕集材保持部105dと捕集材104dとの第4積層体を載置する。
次に、図2に示すように、必要に応じてステージ111を移動させて、多孔板102の下に第1積層体を配置する。つまり、多孔板102と捕集材104aとを対向させる。
次に、図4に示すように、ステージ111を上方に移動させて多孔板102と捕集材104aとを所望の間隔に設定する。ここで、容器107とステージ111の間はシール110により閉塞されている。次に、吸引機106を作動させて、空間から容器107内に空気を取り込み、多孔板102から捕集材104aの向きに空気の流れ(気流)119を発生させることで、微粒子103を捕集材104aに捕集する。この捕集時間は、一定時間(例えば、数時間)とする。一定時間の捕集が完了したら、吸引機106を停止させる。
次に、図5に示すように、ステージ111を下方に移動させた後、ステージ111を水平方向に移動させて、多孔板102と捕集材104bと対向させる。
次に、図6に示すように、ステージ111を上方に移動させて多孔板102と捕集材104bとを所望の間隔に設定する。ここで、容器107とステージ111の間はシール110により閉塞される。次に、吸引機106を作動させて、空間から容器107内に空気を取り込み、多孔板102から捕集材104bの向きに空気の流れ(気流)119を発生させることで、微粒子103を捕集材104bに捕集する。捕集時間は、捕集材104aの場合と同様の一定時間とする。
以下、同様の工程を繰り返すことで、複数の捕集材104cおよび104dに微粒子103を捕集する。
なお、捕集が完了した捕集材104a,104b,104cおよび104dは、捕集材の交換時に逐次取り出しても、全捕集材104a,104b,104cおよび104dに対する捕集が完了した後に一括で取り出してもよい。捕集材104a,104b,104cおよび104dを取り出す際には、捕集材保持部105a,105b,105cおよび105dに搭載した状態で取り出すことが肝要である。取り出しに用いる工具等が捕集材104a,104b,104cおよび104dに接触するのを防止することができ、捕集精度を向上できる。
また、上記実施の形態1と同様にグアニジンを染み込ませた捕集材材104a,104b,104cおよび104dを用いることもできる。
なお、捕集が完了した捕集材104a~104dを用いて、上記実施の形態1と同様にウイルス検査を実施する。
<実施の形態2の特徴>
実施の形態2は、上記実施の形態1の特徴の他に以下の特徴を有する。
複数の捕集材104a~104dを用いて、一定時間ごとに微粒子103の捕集をすることで、特定空間の時間経過に伴うウイルス量の増減を定量的に評価することができ、特定空間のウイルス感染リスクを明確にすることができる。
載置領域111a~111dに位置識別符号を付したこと、または、捕集材104a~104dまたは捕集材保持部105a~105dに識別符号を付したことにより、ウイルス検査の精度を向上することができる。
捕集材104a~104dおよび捕集材保持部105a~105dを微粒子捕集装置10Bにセットし、一定時間の捕集の後に、微粒子103を捕集する捕集材104a~104dを自動で取り換えるため、取り換えの為の時間を短縮でき、ウイルス検査の精度を向上することができる。
<変形例1>
図7は変形例1である微粒子捕集装置のテーブルを示す平面図である。変形例1は、上記実施の形態2のテーブルの変形例である。図7に示すように、テーブル111は、平面視において円形であり、その主面111mには、例えば、4つの載置領域111a,111b,111cおよび111dが設けられている。テーブル111は、円の中心を軸として回転可能であると同時に、主面111mに垂直な方向である垂直方向に移動可能である。4つの載置領域111a,111b,111cおよび111dは、円周に沿って配置されており、テーブル111を回転させることで、載置領域111a~111dを順に多孔板102の下方に移動でき、捕集材104a~104dを順に多孔板102に対向させることができる。
変形例1によれば、微粒子捕集装置の小型化を実現できる。
<変形例2>
図8は変形例2である微粒子捕集装置の多孔板を示す平面図である。変形例2は上記実施の形態1および2の多孔板の変形例である。複数の孔101は、円形の多孔板102の中心Оから半径r1,r1+r2,r1+r2+r3,r1+r2+r3+r4およびr1+r2+r3+r4+r5の円の円周に沿って配置されている。半径方向において、隣り合う2つの孔101の間隔r1,r2,r3,r4およびr5の関係は、間隔r1>間隔r2>間隔r3>間隔r4>間隔r5となっている。つまり、半径方向において、円形の多孔板102の中心Oから外周102eに向かって、隣り合う孔101の間隔は徐々に狭くなっている。
また、多孔板102の外周102eに近い単位領域RPあたりの孔密度は、中心に近い単位領域RCあたりの孔密度よりも大きい。ここで、単位領域RPと単位領域RCとは互いに等しい形状および等しい面積を有する。孔密度とは、(単位領域あたりの孔101の総面積)/(単位領域の面積)である。ちなみに、図8において、単位領域RPにおける孔101の数は、およそ14個であるのに対し、単位領域RCにおける孔101の数は、およそ9個である。各孔101の面積は等しいので、外周102eに近い単位領域RPの孔密度は、中心に近い単位領域RCの孔密度よりも大きい。
このように、外周102eに近い単位領域RPにおける孔密度を、中心に近い単位領域RCの孔密度よりも大きくすることで、上記の横風の影響を低減できるため、捕集材104で捕集できる微粒子103の量(捕集率)を増加することができる。ちなみに、捕集率は、捕集率=(多孔板102を通過する空気に含まれる粒子数)-(排気口を通過する空気に含まれる粒子数)/(多孔板102を通過する空気に含まれる粒子数)で表される。
以上、本願発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
10A,10B 微粒子捕集装置
101 孔
102 多孔板
102e 外周
103 微粒子
104,104a,104b,104c,104d 捕集材
105,105a,105b,105c,105d 捕集材保持部
106 吸引機
107 容器
108 フィルタ
109 排気口
110 シール
111 ステージ
111a,111b,111c,111d 載置領域
111m 主面
111s 裏面
119 空気の流れ(気流)

Claims (20)

  1. (a)微粒子を含む空気を流す複数の孔を備えた多孔板と、
    (b)前記多孔板と対向する位置に配置され、前記微粒子を捕集する捕集材と、
    (c)前記捕集材を保持する捕集材保持部と、
    (d)前記多孔板から前記捕集材の向きに前記空気の流れを発生させる吸引機と、
    を備え、
    前記捕集材は不織布からなる、微粒子捕集装置。
  2. 請求項1に記載の微粒子捕集装置において、
    さらに、
    (e)複数の載置領域を備えるステージ、
    を備え、
    前記複数の載置領域の各々には、前記捕集材を搭載した前記捕集材保持部が載置されている、微粒子捕集装置。
  3. 請求項2に記載の微粒子捕集装置において、
    前記複数の載置領域の各々には、位置識別符号が付与されている、微粒子捕集装置。
  4. 請求項2に記載の微粒子捕集装置において、
    前記ステージは、平面視において、長方形を有し、
    前記複数の載置領域は、前記長方形の長辺に沿って互いに離間して配置されている、微粒子捕集装置。
  5. 請求項2に記載の微粒子捕集装置において、
    前記ステージは、平面視において、円形を有し、
    前記複数の載置領域は、前記円形の円周に沿って互いに離間して配置されている、微粒子捕集装置。
  6. 請求項1に記載の微粒子捕集装置において、
    前記多孔板の外周に近い第1単位領域における第1孔密度は、前記多孔板の中心に近い第2単位領域における第2孔密度よりも大きい、微粒子捕集装置。
  7. 請求項1に記載の微粒子捕集装置において、
    前記吸引機は、ポンプまたはファンである、微粒子捕集装置。
  8. 請求項1に記載の微粒子捕集装置において、
    前記不織布にはグアニジンを染み込ませてある、微粒子捕集装置。
  9. (a)微粒子を含む空気を取り込む容器と、前記容器内に配置され、複数の孔を備える多孔板と、前記多孔板と対向するように配置された不織布からなる捕集材と、前記捕集材を保持する捕集材保持部と、前記容器に配置された排気口と、を備える微粒子捕集装置を準備する工程、および
    (b)前記多孔板の前記複数の孔を通過して前記捕集材に向かい、前記排気口から排出される前記空気の流れを発生させることで、前記捕集材に前記微粒子を捕集する工程、
    を含む微粒子捕集方法。
  10. 請求項9に記載の微粒子捕集方法において、
    前記排気口にはポンプまたはファンが接続されている、微粒子捕集方法。
  11. 請求項9に記載の微粒子捕集方法において、
    前記不織布にはグアニジンを染み込ませてある、微粒子捕集方法。
  12. 請求項9に記載の微粒子捕集方法において、
    前記多孔板の外周に近い第1単位領域における第1孔密度は、前記多孔板の中心に近い第2単位領域における第2孔密度よりも大きい、微粒子捕集方法。
  13. (a)微粒子を含む空気を取り込む容器と、前記容器内に配置され、複数の孔を備える多孔板と、前記多孔板と対向して配置され、第1載置領域および第2載置領域を含むステージと、前記容器に配置された排気口と、を含む微粒子捕集装置を準備する工程、
    (b)前記第1載置領域に、第1捕集材を搭載した第1捕集材保持部を載置し、前記第2載置領域に、第2捕集材を搭載した第2捕集材保持部を載置する工程、
    (c)前記多孔板と前記第1捕集材とを対向させる工程、
    (d)前記多孔板の前記複数の孔を通過して前記第1捕集材に向かい、前記排気口から排出される前記空気の流れを発生させることで、前記第1捕集材に前記微粒子を捕集する工程、
    (e)前記多孔板と前記第2捕集材とを対向させる工程、および
    (f)前記多孔板の前記複数の孔を通過して前記第2捕集材に向かい、前記排気口から排出される前記空気の流れを発生させることで、前記第2捕集材に前記微粒子を捕集する工程、
    を含み、
    前記第1捕集材および前記第2捕集材は不織布からなる、微粒子捕集方法。
  14. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記第1載置領域および前記第2載置領域には、互いに異なる位置識別符号が付されている、微粒子捕集方法。
  15. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記第1捕集材および前記第2捕集材または前記第1捕集材保持部および前記第2歩取材保持部には、互いに異なる識別符号が付されている、微粒子捕集方法。
  16. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記ステージは、平面視において、長方形を有し、
    前記工程(e)は、前記ステージを垂直方向および水平方向に移動させる工程を含む、微粒子捕集方法。
  17. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記ステージは、平面視において、円形を有し、
    前記工程(e)は、前記ステージを垂直方向に移動する工程および前記ステージを回転させる工程を含む、微粒子捕集方法。
  18. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記排気口にはポンプまたはファンが接続されている、微粒子捕集方法。
  19. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記不織布にはグアニジンを染み込ませてある、微粒子捕集方法。
  20. 請求項13に記載の微粒子捕集方法において、
    前記多孔板の外周に近い第1単位領域における第1孔密度は、前記多孔板の中心に近い第2単位領域における第2孔密度よりも大きい、微粒子捕集方法。
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