JP2022163921A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドア側からの熱漏洩を抑えた効率の良好な加熱調理と、ドア温度の低減を両立させた加熱調理器を提供する。【解決手段】 食品を収納する加熱室と、該加熱室の前面開口を開閉するドアと、前記食品を加熱する加熱部と、を備えたグリル庫を本体の前面に配置した加熱調理器であって、前記ドアは、下方の吸気口から上方側面の排気口に至る内部風路を備えた箱体であり、該箱体の前面を構成する前板の上部は、前記箱体の上端から前記排気口の下端まで伸びる樹脂製の遮蔽部で覆われている加熱調理器。【選択図】 図5

Description

本発明は、グリル庫を内蔵した加熱調理器に関する。
加熱調理器に内蔵されるグリル庫は、加熱室の上下に配置したシーズヒーターやガスバーナーなどの熱源により、魚や肉などの食品(被調理物)の上下両面を同時に加熱するものが主流となっている。近年のグリル庫は、魚や肉などの食品を熱源の放射熱で直接加熱するグリル調理だけでなく、加熱室内面の輻射熱を利用し、ピザ、お菓子、ケーキなどの調理メニューに応じた温度で食品を間接加熱するオーブン調理にも対応しているため、グリル庫の使用頻度が増加している。
加熱調理器に内蔵されるグリル庫は、加熱調理器の正面側に開口部があり、その開口部を覆うドアを設けたものが一般的である。そのため、使用者が食品を出し入れする際には、ドアのハンドルを用いてグリル庫の開口部を開閉する必要がある。グリル庫で加熱調理を行うと、庫内温度の上昇に伴い、ドアの外表面温度が100℃以上の高温になるが、ドアのハンドルは庫内の熱が伝達され難い構造となっているため、ドア開閉時に使用者が触れても安全であった。ただし、安全性をより向上させるべく、使用者等との接触可能性があるドア外表面の温度も低減させることが望まれていた。
グリル庫のドア外表面温度を下げる従来技術として、特許文献1が知られている。例えば、特許文献1の要約書には、課題として「加熱室内からドア部に伝わる熱を抑制し、ドア部における冷却効果を向上させた加熱調理器を提供する。」の記載があり、また、解決手段として「本体1の上面に被調理鍋を載置する鍋載置部21と、鍋載置部21の下方に配置されたグリル庫5を備えている。グリル庫5は、加熱室50と、加熱室50の開口部を覆うと共に加熱室50内に食品を出し入れするために前後に移動可能なドア部6と、ドア部6に連動して食品を加熱室50に収納する調理パン58と、食品を加熱する上ヒータ51,下ヒータ52を備えている。ドア部6は内部に空間を有する箱体であって、箱体に形成された吸気用開口61bと、吸気用開口より上方に位置し箱体の側面に形成された排気用開口62aとを備える。」の記載がある。すなわち、特許文献1には、ドア部が内部に空間を有する箱体であって、箱体に形成された吸気用開口と、吸気用開口より上方に位置し箱体の側面に形成された排気用開口とを備えた技術が開示されている。
特開2020-34211号公報
特許文献1のグリル庫は、加熱時に生じるドア外周の上昇気流を利用して、ドアの側面上方の排気用開口からドア内部の空気を誘引させ、ドア下方の吸気用開口から排気用開口に向かう空気流を生じさせるものである。このため、ドア内部を流れる空気はドア内部で加熱室側の壁面と熱交換して、風路の下流側ほど風温が上昇する一方、風路の風温に起因して加熱室側のドア壁面の温度が低くなる構造であった。
オーブン調理時には、加熱室内のピザ等の食品は、加熱室の各壁面からの輻射熱により加熱されるため、特許文献1の技術を採用してドア温度を低くするとドア側からの輻射熱だけが減り、食品に焼きムラが生じる可能性があった。
また、ドアの内部風路にドア冷却用の空気を流す特許文献1の構成では、食品を加熱するために発生させた熱エネルギーの一部が、低温のドアに吸収されてしまうため、所望温度での食品加熱を継続するには、本来必要とされる量より熱源の消費電力量を増加させる必要があった。
そこで、本発明は、グリル庫のドア外表面の温度を低減することで使用者等の安全を確保しつつ、ドア内面の温度を高温に維持することで食品の加熱ムラや消費電力量の増加を抑制する加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明の加熱調理器は、食品を収納する加熱室と、該加熱室の前面開口を開閉するドアと、前記食品を加熱する加熱部と、を備えたグリル庫を本体の前面に配置した加熱調理器であって、前記ドアは、下方の吸気口から上方側面の排気口に至る内部風路を備えた箱体であり、該箱体の前面を構成する前板の上部は、前記箱体の上端から前記排気口の下端まで伸びる樹脂製の遮蔽部で覆われているものとした。
本発明の加熱調理器によれば、グリル庫のドア外表面の温度を低減することで使用者等の安全を確保しつつ、ドア内面の温度の高温に維持することで食品の加熱ムラや消費電力量の増加を抑制することができる。
実施例1の加熱調理器の斜視図 実施例1の加熱調理器の分解斜視図 図1に示すA-A線で切断した正面断面図 図1に示すB-B線で切断した側面断面図 グリル庫の側面断面図の模式図 上面から見たグリル庫の模式図 ドアの分解斜視図 実施例1の変形例 実施例2のグリル庫の側面断面図の模式図 実施例3のグリル庫の側面断面図の模式図 実施例4のグリル庫の側面断面図の模式図
本発明の加熱調理器の実施例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、加熱調理器の一例として、システムキッチンに組み込むビルトインタイプのIHクッキングヒータを例示するが、グリル庫を備えた調理器であれば、ビルトインタイプのガスコンロや、据え置きタイプのIHクッキングヒータにも、本発明を適用することができる。
まず、本発明の実施例1に係る加熱調理器Zの全体構成を概説した後、グリル庫5の詳細構造を説明する。
<加熱調理器Zの全体構成>
本実施例の加熱調理器Zは、上面に載置した金属鍋の鍋底に渦電流を発生させ、渦電流によるジュール熱によって金属鍋自体を発熱させるIH(Induction Heating)機能と、加熱室内に収納した食品をヒータの放射熱で加熱するグリル機能を備えた調理器である。なお、図1等に示すように、以下では、加熱調理器Zに相対した使用者の視線を基準として、前後・上下・左右の各方向を定義する。
図1は加熱調理器Zの斜視図であり、図2は加熱調理器Zの分解斜視図である。両図に示すように、加熱調理器Zは、本体1、トッププレート2、加熱コイル3、基板ケース8などを備え、さらに、本発明を適用したグリル庫5を内蔵した調理器である。なお、図示はしていないが、本実施例の加熱調理器Zは、システムキッチンに組み込んだ場合、グリル庫5のドア6(ハンドル6aを除く部分)や、操作パネルP2が、システムキッチンの前面と略同一の平面を構成するように設計されている。
本体1は、加熱調理器Zが設置される空間(所定の左右幅・前後幅・高さ)に対応した外郭を有する筐体であり、上方が開放した箱状(凹状)を呈している。この本体1の内部には、左側にグリル庫5、右側に基板ケース8が配置される。また、グリル庫5と基板ケース8の上方には加熱コイル3や、表示部P1等が設置され、さらに、本体1の上面開口を覆うようにトッププレート2を設置している。
トッププレート2は、三つの加熱コイル3の設置位置に対応した三口の鍋載置部21と、鍋載置部21に載置された金属鍋の加熱具合を設定するための操作部P0と、排気開口部H2とを有している。なお、排気開口部H2は、後述するグリル庫5の排気ダクト59や、吸気開口部H1を起点とする風路の出口であり、トッププレート2の後方(右側・左側)に配置される。
本体1の前面左側には、前後にスライドすることでグリル庫5を開閉するドア6を配置している。なお、ドア6の詳細については後述する。また、本体1の正面右側には、主にグリル庫5の加熱具合を設定するための操作パネルP2と、主電源をオンオフする電源スイッチP3を配置している。
基板ケース8は、内部に基板7等の電気部品を収納したケースである。基板ケース8の背面側には、冷却用のファン装置9が設けられており、本体1背面の吸気開口部H1から外気を吸い込み、基盤ケース8内に積層された基板7や、その下流に配置された加熱コイル3に冷却風を供給する構成となっている。
<グリル庫5の構成>
図3は、加熱調理器Zを、図1に示すA-A線で切断した正面断面図であり、図4は、加熱調理器Zを、図1に示すB-B線で切断した側面断面図である。両図に示すように、本実施例のグリル庫5は、食品57を出し入れする前面開口に設けた、箱型の加熱室50を備えている。この加熱室50は、例えば、アルミニウム合金製の板をプレス加工によりそれぞれ所定の形状に成形した複数の部材をビスねじ等で組み立てて構成したものである。
この加熱室50では、網台54に載置した深皿状の調理パン58に食品57を収納して調理を行う。調理パン58は、例えば、アルミニウム等の材料により上面視矩形状に形成された深皿であり、表面にフッ素コート剤などがコーティングされたものである。
加熱室50内には、調理パン58を挟むように、上ヒータ51と下ヒータ52を設置しており、両ヒータのオンオフを制御することで、調理パン58内の食品57の上下面を同時に、あるいは、交互に加熱することができる。なお、上ヒータ51と下ヒータ52は、シーズヒーターや電熱ヒータ―などの放射熱を利用する熱源である。
このグリル庫5では、加熱室50の左右下側に設けた一対のドアレール56により、加熱室50の前面開口を封鎖するためのドア6が前後方向にスライドして移動する。このドア6は、加熱室50前面開口より幅と高さが大きく、また、加熱室50の前面側には、上下方向に延びたフランジ部50a(図4参照)が構成されているため、ドア6とフランジ部50aを略面接触させることで、加熱室50の前面開口を気密できる構造となっている。ドア6とフランジ部50aの接触面には、ゴム状のパッキン65を設け、加熱室50の前面開口の気密性を高めている。なお、ドアレール56を利用したドア6のスライドと連動し、調理パン58を載置するための網台54も前後方向にスライドする。また、ドア6は着脱可能であり、汚れた場合はグリル庫5から取り外して洗浄することができる。
加熱室50の背面側上方には加熱室50内の油煙や蒸気などを排出する排気ダクト59を設けており、トッププレート2の後方に設けた排気開口部H2から排気する構成(図4参照)となっている。排気開口部H2に連通する排気ダクト59内には、脱煙・脱臭処理を行う触媒55を設けている。
<ドア6の構成>
次に、本実施例のドア6の詳細構造について、グリル庫5の側断面の模式図である図5と、上面から見たグリル庫5の模式図である図6と、ドア6の斜視分解図である図7を用いて説明する。なお、図5の模式図では、ドア6と加熱室50の境界部で発生する上昇気流F1を図示するため、ドア6の背面と加熱室50の前面の距離を実際より拡張して強調表示しているが、両者間の実際の距離は、気密用のパッキン65等の影響で残存する、1~2mm程度の隙間である。
各図(特に図7)に示すように、ドア6は、ドア6の前面を構成する前板60と、上下のドアベース61、66と、ドア6の背面と上下左右面を構成するフレーム62で外郭を形成した箱体であり、該箱体の内部空間を前後に仕切る仕切部材64が設けられ、箱体内に2つの略平板状の内部空間が形成されている。以下、各々の詳細を説明する。
前板60は、平面状の部材であり、その上下端をドアベース61、66で挟んでフレーム62に固定される。なお、前板60は、意匠性を高めたい場合はガラス板を使用すれば良いし、断熱性を高めたい場合は鋼板や耐熱樹脂板を使用すれば良い。
下側のドアベース61は、前板60の下端を支持する耐熱樹脂製の部材であり、前面にハンドル6aと吸気口61aを設けたものである。このドアベース61を樹脂材料とすることで、ハンドル6aや吸気口61aを任意の形状に成型することができ、ドア6の組立性やデザイン性などの改良が容易となる。なお、ドア6を開閉する際に使用者が把持するハンドル6aの内側に、ドア6の内部の風路60aの入口となる吸気口61aを成型しているため、吸気口61aに向かう外気の流れによって、使用者が触れるハンドル6aが効果的に冷却される。
フレーム62は、金属薄板の上下左右の端を折り曲げることで、前側が開放し、後側と上下左右面が閉塞した、前後方向に所定の厚みを持った箱状に形成されている。フレーム62の左右面の上端には、後述する風路60aの出口となる共通の排気口62aを設けている。フレーム62の内側に配置した仕切部材64により、前板60と仕切部材64の間隙で、吸気口61aと排気口62aを設けた風路60aが形成されている。また、フレーム62と仕切部材64の間隙は密閉に近い空間となり、空気の流動が小さい遮熱層63が形成されている。
なお、風路60a内の空気の流動を良くするため、吸気口61aと排気口62aの開口面積をなるべく大きくすることが望ましい。また、吸気口61aをハンドル6aの付け根近傍に設ければ、通常の加熱調理器Zの使用において、吸気口61aを本体の上面視や正面視で視認できない位置となり、加熱調理器Zのデザインに影響を受けない配置となる。
上側のドアベース66は、前板60の上端を支持するための耐熱樹脂製部材であり、上面と前面からなる略L字状の断面形状で構成される。以下では、前板60の手前側上端を覆うドアベース66の前面を遮蔽部66aと称する。なお、図5では、遮蔽部66aの下端を、排気口62aの下端近傍まで延ばしているが、排気口62a付近での熱漏洩をより抑えるためには、遮蔽部66aの下端を、排気口62aの下端より下方まで延ばした構成がより望ましい。なお、遮蔽部66aの作用の詳細については後述する。
上記した、前板60、上下のドアベース61、66、フレーム62、および、仕切部材64から構成されたドア6を利用することで、熱漏洩を低減した効率の良い調理と、前板60の前面温度を下げた安全性の高いドア6を両立できる。
<ドア6周り全体の伝熱現象>
次に、ドア6周り全体の伝熱現象により、ドア6の内部に風路60aを構成した構成における前板60の表面温度低減、およびドア6温度に伴う熱漏洩による調理影響ついて説明する。
本実施例の誘導加熱調理器Zでは、図1に示すように、グリル庫5のドア6を閉めたときに、前板60と操作パネルP2の正面位置が略平面状になる位置関係となっている。つまり、ドア6が前後方向にスライドして本体に嵌め込まれる構成となる。このため、ドア6の開閉動作を円滑にするには、ドア6の上下左右に少なくとも1~3mm程度の隙間を設ける必要がある。
グリル庫5での調理を開始すると、500℃以上に熱せられた上ヒータ51や下ヒータ52によって、加熱室50の空気温度も200℃以上に上昇し、それに伴い、加熱室50の壁面と一体成型されたフランジ部50aや、加熱室50の前面開口を覆うドア6のフレーム62も100℃以上の高温となる。フレーム62は、熱伝導性の高い金属製であるため、加熱室50内の高温空気からの熱と、フランジ部50aを介した熱と、を受け、加熱室50側の平面だけでなく、左右側面を含む全体が高温となる。
フランジ部50aとフレーム62が共に高温になると、両者間の隙間の空気や、フレーム62の側方隙間の空気が温められ、ドア6の周辺の低温外気との大きな温度差を原因とする自然対流(いわゆる煙突効果)により、図5や図7に示すような、上昇気流F1が発生する。
図7に示したように、フレーム62の側面上部には仕切部材64により、前板60側に風路60aに連通する排気口62aが配置されているため、フレーム62の側方に上昇気流F1が発生すると、風路60a内の空気が排気口62aを介して外部に誘引される。また、ドア6の下方には吸気口61aを設けているため、排気口62aから流出した空気量に相当する空気量が、吸気口61aから風路60aに供給される。つまり、フレーム62の側方で上昇気流F1が発生すると、風路60a内では吸気口61aから排気口62aに向かう空気流F2が発生するので、風路60a内に低温外気が連続的に取り込まれ、前板60の全体が冷却される。
ドア6内では、高温となる加熱室50よって風路60aの壁面である仕切部材64の温度も上昇するため、その発生した自然対流が排気口62aからの排気を補助して、より前板60の冷却に寄与する。
このように、前板60の冷却に関しては、フランジ部50aと外気の温度差がフレーム62の周辺の上昇気流F1の強さを決める要因となるため、フランジ部50aと外気の温度差が大きければ、図5や図7に図示するような、十分な上昇気流F1を発生させることができるので、上昇気流F1の誘引作用により、前板60を冷却する空気流F2を風路60a内に発生させることができる。
排気口62aから誘引され、風路60aに吸い込まれる空気流F2の流量は微小であり、風路60a内を流れる空気流F2と壁面(前板60、仕切部材64)との熱伝達は小さい。しかし、空気流F2は、前板60と仕切部材64の間を割いた流れの中で、壁面との熱交換により流れ方向に進むほど、熱授受により風温が上昇し、流れが滞留し易い排気口62a近傍で最大の温度となる。一定熱量に対する風温の上昇は、流量が小さいほど大きくなるので、下流端で風路60aの壁面温度が最も上がり、熱漏洩が生じやすくなる。
上側のドアベース66は、ドア6内の風路60aに空気流F2を流した場合に高温となりやすい、前板60の外表面の最下流側(排気口62aの近傍)を、熱伝導の小さい樹脂製の遮蔽部66aで覆ったものである。なお、本実施例では遮蔽部66aをドアベース66と一体成型した構成としたが、別々の部材で構成しても差し支えない。
遮熱層63を構成するフレーム62は加熱室50に近いため、壁面温度が高くなる。遮熱層63は空気の流動が小さいため対流熱伝達による熱移動が小さく、またフレーム62が金属製で表面放射率が低いことからドア内部での輻射による熱移動を抑える効果がある。
フレーム62の温度は、フレーム62から前板60方向への熱移動量に影響されるため、前板60表面と風路60aの空気流による放熱量が主な熱漏洩となる。フレーム62の壁面温度は熱漏洩に依存した温度分布となっており、風路60aの空気流F2により加熱室50に比べて流れ方向に低温の温度分布となる。
本発明のような調理パン58を用いた加熱室50では、調理パン58より上方の壁面が輻射による加熱調理に寄与する。ドアベース66の遮蔽部66aにより、フレーム62の上方側が左右方向に幅広で安定した高温領域に維持できる。このため、調理パン58上の食品57にドア6側からも効率よく熱を伝え、他の加熱室50の壁面からの輻射熱との差を低減でき、焼きムラの少ない調理ができる。
以上のように、本実施例のグリル庫5では、フレーム62の側方に設けた排気口62aでの誘引作用により、ドア6の下部に設けた吸気口61aから低温外気を効率よく風路60a内に引き込み、前板60を冷却しつつ、ドア6の背面を構成するフレーム62の上方温度を、高温に維持することができる。
(変形例)
次に実施例1にグリル庫5の変形例について、図8を用いて説明する。
図8に示す変形例は、加熱調理器Zをキッチン90に組み込んだ状態で、ドア6のフレーム62が、加熱室50のフランジ部50aの凹凸に嵌合して設置される構成となっている。具体的には、嵌合部90aにより、加熱室50とフランジ部50a上辺での流動抵抗を増加させ、熱気の漏れを防止している。また、本構造では、排気口62aの位置が加熱室50の開口部に近づき、遮蔽部66aによる断熱効果が生じやすくなる。また、嵌合部90aにより、煙漏れなどを抑制する効果もある。
<グリル調理の動作>
次に、実際のグリル調理中における、ドア6の冷却について、図1から図6を参照しながら具体的に説明する。ここでは、加熱室50の調理パン58に載置された食品57を加熱調理する場合を例に説明する。
まず、使用者は、ドア6のハンドル6aを前方に引いて、加熱室50の前面開口を開放し、食品57を載置した調理パン58を加熱室50に入れた後、操作パネルP2で調理温度や時間を設定し、或いは予め設定された自動調理メニューを設定し、操作パネルP2の調理ボタンを押してグリル調理を開始する。そして、調理の開始とともに、上ヒータ51或いは下ヒータ52が通電し、食品57が加熱される。
加熱中は加熱室50の壁面温度が上昇し、その熱気により加熱室のフランジ部50aやドア6のフレーム62の温度も上昇する。この熱気はドア6の周りに上向きの強い上昇気流F1を生じさせる。その上昇気流F1はフレーム62の外側の隙間を流れる。フレーム62には上昇気流F1が流れる隙間に合わせて排気口62aを設けており、排気口62aの近傍に速い流れが生じる。このため、排気口62aの風路60a側が負圧となり、上昇気流F1により風路60a内の空気を外側に誘引する流れを生じさせる。よって、排気口62aでの誘引作用により、ドアベース61下方の吸気口61aから外気が吸い込まれ、前板60を冷却し、風路60aを介して排気口62aに向かい空気が流れる。
一方、加熱調理時にフレーム62の温度も徐々に上昇するが、ドア6内の風路60aに流入する低温外気により、加熱室50の内壁に比べて温度が上がりにくい。ドア6の内部では吸気口61aから排気口62aに向かう経路で、空気流F2が風路60a壁面との熱交換で加熱、前板60から放熱、の熱収支のバランスで風温上昇していく。排気口62近傍で風路60a中の空気流F2は、遮蔽部66aの断熱効果により前板60から放熱が遮蔽されて空気温度が高くなるとともに、熱漏洩が小さくなる。また、その後方のフレーム62は、その壁面下側に比べて温度が高くなり、調理パン58より上方に位置する遮蔽部66aでの壁面温度上昇の効果で、ドア側からも十分な輻射加熱量を得ることができる。
これらの現象は、加熱室50での加熱調理の終了および、終了後に関しても継続されるため、ドア6の冷却とドア6からの輻射伝熱が継続される。
以上で説明したように、本実施例の加熱調理器によれば、ドア6の周辺の隙間で発生する上昇気流F1を利用してドア6の風路60a内に空気流F2を発生させた前板60の冷却に加え、ドアベース66の遮蔽部66aによるフレーム62の温度分布制御により、調理パン58内の食品57を効率よく加熱調理することができる。
この結果、本実施例のグリル庫5では、使用者等が意図せずドア6の上端付近に触れた場合には、高温の前板60ではなく、低温の遮蔽部66aに触れることになるため、使用者等の安全性を高めることができる。また、遮蔽部66aを設けたことにより、前板60から前方への熱漏洩が抑制されるので、ドア6の内面上部(フレーム62の背面上部)から調理パン58内の食品57への輻射熱量を維持することができ、オーブン調理中の食品57の加熱ムラを抑制することができる。さらに、前板60からの熱漏洩が少ないので、熱漏洩を補うために上ヒータ51や下ヒータ52に供給する電力を増やす必要性が低い。
次に、実施例2の加熱調理器を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
図9は、本実施例のグリル庫の側面断面図の模式図であり、ハンドル6aと吸気口61aの構造が実施例1と異なる。すなわち、本実施例では、上方のドアベース66の遮蔽部66aと一体にハンドル6aを設けている。
ハンドル6aはグリル庫5を開閉する際に、ドア6、網台54、食品57、調理パン58などの荷重がかかる部位であるため、折れたり、曲がったりしないように必然と肉厚な部品となっている。従って、上側のドアベース66にハンドル6aを設けることにより、前板60の上端での断熱効果をより高め、熱漏洩を低減できる。それに伴い、加熱室50側のフレーム62の壁面温度を上昇させることができるので、実施例1の構成に比べ、より効率よい調理ができる。また、ドア6の上方にハンドル6aを設けることで、前板60の高温部(上部)により触れにくい構成ともなるので、より火傷しにくいグリル庫5を提供できる。
次に、実施例3の加熱調理器を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
図10は、本実施例のグリル庫の側面断面図の模式図であり、前板60が透過性の高いガラス板であるものとし、また、遮熱層63に耐熱ガラス製の覗き窓67を配置した構造が実施例1と異なる。すなわち、本実施例では、加熱室50の内部を観察する覗き窓67を、開口を設けたフレーム62と仕切部材64で挟んで固定したものである。
これにより、覗き窓67は遮蔽部66aより下方に設けているため、正面側から前板60(ガラス板)を透過して加熱室50を見ることができる。覗き窓67は、風路60aに関係なく、遮熱層63側に設けたため、本発明の伝熱現象への影響が小さく、従来同様に加熱調理ができる。
次に、実施例4の加熱調理器を説明する。なお、実施例3との共通点は重複説明を省略する。
図11は、本実施例のグリル庫の側面断面図の模式図であり、遮熱層63を構成する仕切部材64の構造が実施例1と異なる。すなわち、本実施例では、仕切部材64を例えば耐熱樹脂などの成型部材で構成したものである。また、仕切部材64の遮熱層63側に凹凸を設けている。
これにより、遮熱層63の流体層を上下左右に複数に分割することができ、空気の流動を抑え、遮熱効果を高めることができる。また、仕切部材64を成型部品とすることで、フレーム62との接合部分の隙間を少なくすることができ、より密閉状態に近い流体層を構成できる。また、仕切部材64自体の蓄熱性が向上に、よりフレーム62の温度を安定に保つことができ、効率の良い調理ができる。
本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1…本体、
2…トッププレート、
3…加熱コイル、
5…グリル庫、
6…ドア、
6a…ハンドル、
7…基板、
8…基板ケース、
50…加熱室、
50a…フランジ部、
51…上ヒータ、
52…下ヒータ、
54…網台、
55…触媒、
56…ドアレール、
57…食品、
58…調理パン、
59…排気ダクト、
60…前板、
60a…風路、
61…ドアベース、
61a…吸気口、
62…フレーム、
62a…排気口、
63…遮熱層、
64…仕切部材、
65…パッキン、
66…ドアベース、
66a…遮蔽部、
67…覗き窓、
68…隙間(風路)、
F1…上昇気流、
F2…空気流

Claims (7)

  1. 食品を収納する加熱室と、
    該加熱室の前面開口を開閉するドアと、
    前記食品を加熱する加熱部と、
    を備えたグリル庫を本体の前面に配置した加熱調理器であって、
    前記ドアは、下方の吸気口から上方側面の排気口に至る内部風路を備えた箱体であり、
    該箱体の前面を構成する前板の上部は、前記箱体の上端から前記排気口の下端まで伸びる樹脂製の遮蔽部で覆われていることを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記遮蔽部に、使用者が把持するハンドルを配したことを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の加熱調理器において、
    前記ドアは、前記箱体の内部空間を前後に仕切る仕切部材を備えており、
    前記仕切部材の前側空間を前記内部風路とし、
    前記仕切部材の後側空間を密閉空間としたことを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項3に記載の加熱調理器において、
    前記仕切部材を樹脂で成型したことを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項4に記載の加熱調理器において、
    前記仕切部材の後側に凹凸を成型したことを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項3から請求項5の何れか一項に記載の加熱調理器において、
    前記前板はガラス板であり、
    前記仕切部材と前記箱体の後面には、耐熱ガラス製の覗き窓を設けたことを特徴とする加熱調理器。
  7. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の加熱調理器において、
    前記本体の上面を覆い、鍋載置部を設けたトッププレートと、
    該トッププレートの下方に配置され、前記鍋載置部に載置した金属鍋を誘導加熱する加熱コイルと、を備え、
    前記本体をシステムキッチンに組み込んだ場合、前記前板が、前記システムキッチンの前面と略同一の平面を構成することを特徴とする加熱調理器。
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