JP2022162965A - 発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および移動体 - Google Patents

発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および移動体 Download PDF

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博晃 佐野
Hiroaki Sano
希之 伊藤
Takayuki Ito
哲生 高橋
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Abstract

【課題】 正面方向に出射する光の強度を高める。【解決手段】 発光装置は、反射面S2と、第1電極2と、発光層31を含む有機層3と、第2電極4と、光取り出し構造10と、を有する有機発光素子100を有し、発光層31は第1発光材料を含む。第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長λ1とする。発光層31と反射面S2との間の光学距離Lbは、基板1の主面S1の法線方向と交差する第1方向D1および第2方向D2に進行する第1波長λ1の光がそれぞれ強められる値となっている。そして、強められたそれぞれの光は光取り出し構造10の第1傾斜部21aおよび第2傾斜部21bにそれぞれ到達すると、基板1の主面S1に対して略垂直な方向である第3方向D3および第4方向D4にそれぞれ出射される。【選択図】 図1

Description

本発明は、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および移動体に関する。
有機EL素子は、一対の電極とその間に配置されている発光層を含む有機化合物層とを有する発光素子である。有機EL素子は、面発光特性、軽量、視認性といった優れた特徴を生かし、薄型ディスプレイや照明器具やヘッドマウントディスプレイや電子写真方式プリンタのプリントヘッド用光源などの発光装置としての実用化が進みつつある。
ところで、有機EL素子を利用する際には、有機EL素子の正面方向に出射した光を利用する場合が多いため、有機EL素子に対して正面方向に出射する光の強度を上げることが重要となる。
特許文献1には、有機EL素子に共振器構造を設け、取り出したい光のスペクトルのピーク波長の光が強められるように、共振器構造の厚さを調整することが記載されている。特許文献1の構成によれば、発光材料のスペクトルのピーク波長の光が発光層の法線方向に出射する際に強められ、正面方向に出射する光の強度が向上する。
一方、特許文献2には、表示装置の視認方向による色ずれの改善のため、有機EL素子の発光層と反射膜の光学距離を発光層が発光する光の発光スペクトルのピーク値よりも大きくする技術が開示されている。
国際公開第01/039554号 特開2007-115679号公報
特許文献2では、有機EL素子の正面方向に出射する光よりも、正面方向に対して傾斜した方向に出射する光の強度が高くなる構成となっている。そのため、正面方向に出射する光の強度は高くなっていない。また、特許文献1によっても、正面方向に出射する光の強度の向上は未だ十分ではなかった。すなわち、従来、発光装置の正面方向に出射する光の強度が未だ十分に高くないという課題があった。
そこで本発明では、上述の課題に鑑み、正面方向に出射する光の強度を高めることを目的とする。
本発明の一側面の発光装置は、基板上に配された有機発光素子を有する発光装置であって、前記有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、前記発光層は第1発光材料を含み、前記発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下であることを特徴とする。
本発明によれば、正面方向に出射する光の強度を高めることができる。
第1実施形態の発光装置が有する有機発光素子の模式的な断面図である。 第1実施形態の発光装置が有する有機発光素子における光学干渉を説明するための模式的な断面図である。 有機発光素子の有機化合物層内における光量の角度分布を示す模式図である。 第1実施形態における発光層と光取り出し構造の位置関係を示した模式的な断面図である。 傾斜部における、傾斜部の傾斜角と光の進行方向を示す模式図である。 第1実施形態の一例の(a)平面図と(b)および(c)断面図である。 第1実施形態の一例の(a)平面図と(b)および(c)断面図である。 第2実施形態の発光装置が有する有機発光素子における光学干渉を説明するための模式的な断面図である。 第3実施形態の発光装置の模式的な断面図である。 第4実施形態の発光装置の模式的な断面図である。 表示装置の一例を表す模式図である。 (a)光電変換装置の一例を表す模式図、(b)電子機器の一例を表す模式図である。 (a)表示装置の一例を表す模式図、(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)照明装置の一例を示す模式図、(b)車両用灯具を有する自動車の一例を示す模式図である。 (a)ウェアラブルデバイスの一例を示す模式図、(b)ウェアラブルデバイスの一例で、撮像装置を有する形態を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面にわたって共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「部材A上の部材B」の表現であれば、部材Aの上に部材Bが直接接して形成されている必要はなく、部材Aと部材Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
(第1実施形態)
[発光装置の構成]
本発明の第1実施形態の発光装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態の発光装置の有する有機発光素子の模式的な断面図である。
有機発光素子100は、基板1の上に、基板1の主面S1側(主面側)から、反射層11と、第1電極である下部電極2と、有機層である有機化合物層3と、第2電極である上部電極4と、光取り出し構造10と、がこの順に配置された構造を有する。換言すれば、基板1の主面S1の上に反射層11が配され、反射層11の上に下部電極2が配され、下部電極2の上に有機化合物層3が配され、有機化合物層3の上に上部電極4が配され、上部電極4の上に光取り出し構造10が配されている。有機化合物層3は発光層31を含んでおり、下部電極2と上部電極4との間に挟持されている。
基板1は、その上に形成される下部電極2、有機化合物層3、上部電極4などを支持できる材料で形成され、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板などの半導体基板などが好適である。基板1にはトランジスタ等のスイッチング素子(不図示)や配線や層間絶縁膜などが形成されていてもよい。トランジスタは半導体基板の内部に形成されたMOSトランジスタであってもよいし、TFTであってもよい。
下部電極2はITO、IZOなどの透明導電酸化物や、AlまたはAgなどの金属材料や、それらにSi、Cu、Ni、Nd、Tiなどを添加した合金で構成することができる。また、下部電極2に金属材料を用いる場合、光射出側の表面にバリア層を有してもよい。バリア層の材料としては、Ti、W、Mo、Auの金属またはその合金、またはITO、IZOなどの透明導電酸化物を挙げることができる。
有機化合物層3は、下部電極2上に配置されていて、蒸着法、スピンコート法、インクジェット法などにより形成することができる。有機化合物層3は、有機材料で構成される発光層31を含んでいる。有機化合物層3は、複数の層から構成されていてもよく、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層31、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層などが挙げられる。有機化合物層3の構成は特に限定はされず、これ以外の層をさらに含んでもよいし、発光層31以外の少なくとも1つの層を含まなくてもよい。また、有機化合物層3を構成する各層は複数の層で構成されていてもよく、発光層31は第1発光層と第2発光層を含んでもよい。発光層31が複数の発光層を有する場合、各々の発光層は互いに接するように隣り合って積層されていてもよいし、他の層を介して離間していてもよい。
発光層31は第1発光材料を含んでいる。第1発光材料は、例えば、青色発光材料、緑色発光材料、赤色発光材料のいずれかである。発光層31が複数の発光層を有する場合には1つの発光層に1種類の発光材料を有していてもよい。あるいは、発光層31は1つの発光層に2種類以上の発光材料を有していてもよい。
発光層31に含まれる発光材料は、励起光に対する発光強度の波長依存性であるフォトルミネッセンス(PL)スペクトルを有している。発光材料のPLスペクトルは、所定の波長域内のある波長において発光強度が極大となるスペクトル形状を示す。本明細書では、PLスペクトルにおいて発光強度が極大となる波長をピーク波長λ(nm)としたときに、(λ-5)nm以上(λ+5)nm以下の範囲をピーク波長域とする。なお、PLスペクトルにおいて発光強度が極大となる波長が2つ以上ある場合、すなわち、発光強度が最大となる1次ピークの波長と、発光強度が次に大きい極大値となる2次ピークの波長とが存在する場合には、いずれの波長をピーク波長としてもよい。なお、本実施形態ではPLスペクトルにおいて発光強度が最大となる波長である1次ピークの波長を、ピーク波長としている。
上部電極4は、有機化合物層3上に配置されていて、発光層31で発した光を透過するように透光性を有している。また上部電極4はその表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を持った半透過反射性材料であってもよい。上部電極4を構成する材料は、例えば、ITOやIZOのような透明導電酸化物や、アルミニウムや銀や金などの単体金属、リチウムやセシウムなどのアルカリ金属、マグネシウムやカルシウムやバリウムなどのアルカリ土類金属、これらの金属材料を含んだ合金材料の薄膜からなる半透過反射性材料から構成される。半透過反射性材料は特にマグネシウムや銀を主成分とする合金が好ましい。また、上部電極4は好ましい透過率を有するならば、上記材料の積層構成であってもよい。
陽極(アノード)から注入された正孔と陰極(カソード)から注入された電子は有機化合物層3内で再結合し、発光層31から光を出射する。本実施形態においては、下部電極2が陽極、上部電極4が陰極であってもよいし、下部電極2が陰極、上部電極4が陽極であってもよい。
反射層11は、有機発光素子100において有機化合物層3の光反射側に設けられている。ここで光反射側とは、有機化合物層3から見て、下部電極2側の方向である。反射層11は高反射率材料で構成されることが好ましく、AlまたはAgなどの金属材料や、それらにSi、Cu、Ni、Nd、Tiなどを添加した合金で構成されることが好ましい。反射層11は反射面S2を含み、ここでは、反射層11の上面が反射面S2である。なお、反射面S2は反射層11の下面であってもよいし、反射層11の内部に配置されていてもよい。反射面S2は、有機化合物層3を挟んで光取り出し構造10と対向して配されている。換言すれば、有機化合物層3は、反射面S2と光取り出し構造10との間に配されている。
また、下部電極2が高反射率材料で構成される場合には、下部電極2が反射層11を兼ねていてもよい。また、反射層11上に接触してITOやIZOなどの透明導電酸化物があってもよい。
反射面S2と下部電極2との間には、反射面S2と発光層31との間の光学距離を調整する光学干渉層12があってもよい。光学干渉層12は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、またはシリコン酸化物(SiO)など無機材料や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの有機材料などの可視光域の光透過性が高い材料であることが好ましい。光学干渉層12を設ける場合には、下部電極2は高光透過率を有することが好ましく、ITO、IZOなどの透明導電酸化物であることが好ましい。
光取り出し構造10は、上部電極4の光出射側に設けられている。ここで光出射側とは、有機化合物層3から見て上部電極4側の方向である。
光取り出し構造10は、傾斜部21を有している。詳しくは後述するが、傾斜部21は、発光層31の中を基板1の主面S1の法線方向と角θをなす方向に進行する第1波長λの光が到達すると傾斜部21において屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に出射される部分である。光取り出し構造10は、複数の傾斜部を有しており、少なくとも、第1傾斜部21aと第2傾斜部21bとを有する。
発光層31を第1方向D1に進行する第1波長λの光は第1傾斜部21aに第1入射光として入射して屈折し、第3方向D3に出射される。発光層31を第2方向D2に進行する第1波長λの光は第2入射光として第2傾斜部21bに入射して屈折し、第4方向D4に出射される。第1方向D1と第2方向D2は、いずれも、基板1の主面S1の法線方向となす角がθ(ただしθは0度より大きい)である。すなわち、第1方向D1および第2方向D2は基板1の主面S1の法線方向と交差し、第1方向D1と第2方向D2は異なる方向である。また、基板1の主面S1の法線方向と第1方向D1とがなす角と、基板1の主面S1の法線方向と第2方向D2とがなす角と、は絶対値が同じである。そして、第3方向D3および第4方向D4は、いずれも、基板1の主面S1に略垂直な方向である。ここで、基板1の主面S1に略垂直な方向、とは、基板1の主面S1に垂直な方向と絶対値が0度以上5度以下の角をなす方向を指す。
光出射部50は、光取り出し構造10の光出射側に設けられている。光出射部50は、光取り出し構造10から出射された光が進行する領域を構成している。光出射部50の屈折率と、光取り出し構造10の屈折率は異なっている。これにより、光取り出し構造10の傾斜部21に対して90度ではない角度で光が入射すると、傾斜部21において屈折し、光の進行方向が変わる。光出射部50の屈折率は、光取り出し構造10の屈折率と差を有していればよく、光出射部50の屈折率は光取り出し構造10の屈折率よりも大きくても小さくてもよい。光出射部50の屈折率と光取り出し構造10の屈折率の差は0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましいのは、0.5以上である。
光取り出し構造10は、可視光域の光透過性が高い材料で構成されることが好ましい。光取り出し構造10を構成する材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの有機材料や、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、シリコン酸化物(SiO)などの無機材料が挙げられる。光取り出し構造10は、可視光域(380nm以上780nm以下)の全域にわたって光の透過率が高いことが好ましいが、可視光域のうちの一部の波長領域において光の透過率が高くてもよい。
光出射部50は、光透過性が高い材料で構成されることが好ましい。光出射部50を構成する材料としては、固体材料であってもよいし気体材料であってもよい。気体材料としては、例えば、空気、酸素、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。固体材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの有機材料や、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、シリコン酸化物(SiO)などの無機材料が挙げられる。この中でも特に、気体材料は、光取り出し構造10と光出射部50との間の屈折率差を大きくしやすいので好ましい。光出射部50は、可視光域(380nm以上780nm以下)の全域にわたって光の透過率が高いことが好ましいが、可視光域のうちの一部の波長領域において光の透過率が高くてもよい。
[第1実施形態の発光装置の特徴]
次に、図2~5を用いて、第1実施形態の発光装置の1つの特徴とその効果について説明する。
<(1)光学干渉条件>
図2は、第1実施形態の発光装置が有する有機発光素子における光学干渉を説明するための模式的な断面図である。図2を用いて、本実施形態の有機発光素子における発光層31の発光位置と反射面S2の位置に関する光学条件について説明する。
発光層31で発光した光は、第1の光L1と、第2の光L2とを含む。第1の光L1は、発光層31から第1電極(下部電極2)に向かって発せられて反射面S2で反射して第2電極(上部電極4)に向かって第1方向D1に進行する光である。換言すれば、第1の光L1は、発光層31で発せられて光反射側に進み反射面S2で反射し、反射後は光出射側に進んで光取り出し構造10から光出射部50へと取り出される光である。第2の光L2は、発光層31から第2電極(上部電極4)に向かって第1方向D1に発せられた光である。換言すれば、第2の光L2は、発光層31から光出射側に直接発せられ、第1方向D1に進行する光である。第1の光L1および第2の光L2は、第1波長λの光であり、本実施形態では第1の光L1と第2の光L2とが光学干渉によって強め合うように、発光層31と反射面S2との間の光学距離Lbが調整されている。ここで、第1波長λは発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域((λp1-5)nm以上(λp1+5)nm以下)に含まれる波長である。なお、発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長をλp1(nm)とする。また、第1方向D1は基板1の主面S1の法線方向から傾斜した方向であり、基板1の主面S1の法線方向と第1方向D1とがなす角θは、0度より大きく90度より小さい。
また、発光層31を第2方向D2に進行する第1波長λの光についても、第1方向D1と同様に、光学干渉によって強められるようになっている。具体的には、第1′の光L1′と、第2′の光L2′とが光学干渉によって強め合うようになっている。ここで、第1′の光L1′は、発光層31から第1電極(下部電極2)に向かって発せられて反射面S2で反射して第2電極(上部電極4)に向かって第2方向D2に進行する光である。また、第2′の光L2′は、発光層31から第2電極(上部電極4)に向かって第2方向D2に発せられた光である。
発光層31と反射面S2との間の光学距離Lbは、下記の式(1)を満たすように調整されている。下記の式(1)を満たすと、第1の光L1と第2の光L2とが強め合い、発光層31中を第1方向D1に進む第1波長λの光が強められる。また、第1′の光L1′と第2′の光L2′とが強め合い、発光層31中を第2方向D2に進む第1波長λの光が強められる。なお、光学距離Lbを調整するだけでなく、反射面S2における位相シフトφbを調整するようにしてもよい。
Lb/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m-φb/360)・・・式(1)
式(1)において、Lbは発光層31と反射面S2との間の光学距離(単位:nm)を表し、θは基板1の主面S1の法線方向と第1方向D1とがなす角(単位:度)を表す。λは発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長(単位:nm)を表し、φbは反射面S2で反射する際の位相シフト(単位:度)を表す。また、mは0以上の整数である。
ところで、図3に、一般的な有機発光素子の有機化合物層内における光量の角度分布を示す。図3は、有機化合物層内における発光が輝度一定の場合の光について、放射される光束の総量を、立体角ごとに示したものである。図3では、立体角の数値範囲を光の進行方向と法線方向とがなす角の数値範囲に換算して示しており、0度~5度の光量を1としたときの相対光量を示している。図3に示されるように、0度~5度に進行する光、すなわち、基板の主面に対して略垂直に進行する光の光量よりも、より広角に進行する光の方が光量が大きい。また、図3には示していないが、法線方向となす角が0度より大きい方向に進行する光の光量は、法線方向となす角が0度の方向に進行する光の光量よりも大きくなる。光量は、立体角が大きくなるにつれて大きくなる。このように、発光層で発光した光は、基板の主面に対して略垂直に進行する光よりも、法線方向に対して傾斜した方向に進行する光のほうが、光量が大きくなっていることが分かる。
ここで、第1の発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が、第1の発光材料から発せられる光のうち、特に強度の高い光となる。そのため、この波長の光が有機化合物層3内を基板1の主面S1の法線方向に進行する際に反射面S2での反射光との間で強め合うようにするよりも、法線方向に対して傾斜した方向に進行する際に強め合うようにするほうが、光量を大きくすることができる。すなわち、本実施形態では、第1の発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が、法線方向に対して傾斜した方向に進行する際に強め合うようにすることで、発光層31から発せられる光をより強くしている。
<(2)発光層内の発光点と光取り出し構造の傾斜部の位置関係>
図4は、発光層と光取り出し構造の位置関係を示した模式的な断面図である。より具体的には、図4は、発光層31において第1方向D1および第2方向2にそれぞれ進行する第1波長λの光が光取り出し構造10の傾斜部21で第3方向D3および第4方向D4に出射される場合を示している。図4を用いて、本実施形態の発光装置に含まれる有機発光素子における、発光点と傾斜部21の位置関係について説明する。
上述のとおり、発光層31の中を第1方向D1に進行する第1波長λの光が第1傾斜部21aに入射すると第1傾斜部21aにおいて屈折し、光取り出し構造10から第3方向D3に出射されるように第1傾斜部21aの傾斜角が設定されている。また、発光層31の中を第2方向D2に進行する第1波長λの光が第2傾斜部21bに入射すると第2傾斜部21bにおいて屈折し、光取り出し構造10から第4方向D4に出射されるように第2傾斜部21bの傾斜角が設定されている。以下の説明において、発光層31の中を第1方向D1に進行する第1波長λの光であって第1傾斜部21aに入射して出射する光を光L10とする。また、発光層31の中を第2方向D2に進行する第1波長λの光であって第2傾斜部21bに入射して出射する光を光L20とする。なお、光L10も光L20も、発光層31内を主面S1の法線方向となす角がθである方向に進行する光に含まれる。ここで、光L10の発光層31における発光点を第1発光点91aとし、光L20の発光層31における発光点を第2発光点91bとする。
このとき、第1発光点91aと、光L10の第1傾斜部21aにおける到達位置(以下、光取出し点と称する)との間の、垂直方向距離Dと水平方向距離Wは、以下の式(2)および式(3)で表される。
=D+D+・・・+Dn-1+D・・・式(2)
=W+W+・・・+Wn-1+W・・・式(3)
さらに、式(3)は下記の式(3)′に変換される。
=D×tanθ
+D×tan(arcsin(sinθ×N/N))
+・・・
+Dn-1×tan(arcsin(sinθ×N/Nn-1))
+D×tan(arcsin(sinθ×N/N))・・・式(3)′
ここで、発光層31から光取り出し構造10における光取出し点までにある構成部材の数がn個ある場合に、発光層31を1番目とし、光取り出し構造10が発光層31からn番目にある構成部材と考える。
、D、・・・、Dn-1、Dのそれぞれは、順に、発光層31から光取り出し構造10の光取出し点までにあるそれぞれの構成部材の厚さに対応している。すなわち、Dは1番目の構成部材である発光層31の厚さであり、Dは2番目の構成部材の厚さであり、Dはn番目の構成部材である光取り出し構造10の下面から光取出し点までの厚さである。したがって、垂直方向距離Dは、D、D、・・・、Dn-1、Dの総和となるため、式(2)が成り立つ。
また、W、W、・・・、Wn-1、Wのそれぞれは、順に、発光層31から光取り出し構造10の光取出し点までにある構成部材のうちの光が通過する部分の水平方向距離に対応している。したがって、水平方向距離Wは、W、W、・・・、Wn-1、Wの総和となるため、式(3)が成り立つ。ここで、各構成部材のうちの光が通過する部分の水平方向距離は、第1方向D1と基板1の主面S1の法線方向とがなす角θと、発光層31の屈折率Nと、各構成部材の屈折率N~Nと、各構成部材の厚さD~Dから求められる。
また、第2発光点91bと、光L20の第2傾斜部21bにおける到達位置(光取出し点)との間の、垂直方向距離Dと水平方向距離Wについても同様に求めることができる。本実施形態では、第1発光点91aと第1傾斜部21aの位置関係と、第2発光点91bと第2傾斜部21bの位置関係は、同じであっても異なっていてもよい。同じである場合には、Da=Dbが成り立ち、また、Wa=Wbが成り立つ。さらに、第1発光点91aと第1傾斜部21aの位置関係と、第2発光点91bと第2傾斜部21bの位置関係は、発光領域101の中心を通る主面S1の法線に対して線対称な関係になっていてもよい。
これにより、第1発光点91aから発せられ第1方向D1に進む光L10は光取り出し構造10の第1傾斜部21aに入射し、第2発光点91bから発せられ第2方向D2に進む光L20は、光取り出し構造10の第2傾斜部21bに入射する。
<(3)光取り出し構造の傾斜部の傾斜角>
図5は、光取り出し構造10の傾斜部21における、傾斜部21の傾斜角ψと、傾斜部21に到達する光の進行方向および傾斜部21から出射する光の進行方向を示したものである。図5を用いて、本実施形態の有機発光素子の傾斜部21の傾斜角ψについて説明する。図5は、光取り出し構造10の第1傾斜部21aを拡大した図である。
発光層31の中を第1方向D1に進行する光が第1傾斜部21aに到達すると第1傾斜部21aにおいて屈折し、光取り出し構造10から第3方向D3に出射されるように第1傾斜部21aの傾斜角ψが設定されている。また、発光層31の中を第2方向D2に進行する光が第2傾斜部21bに到達すると第2傾斜部21bにおいて屈折し、光取り出し構造10から第4方向D4に出射されるように第2傾斜部21bの傾斜角ψが設定されている。ここで、発光層31の中を第1方向D1に進行する光が第1傾斜部21aに到達したときに第1傾斜部21aに入射する光を入射光71、第1傾斜部21bから出射する光を出射光81として、第1傾斜部21aの傾斜角について検討する。
出射光81の進行方向である第3の方向D3と主面S1の法線方向とがなす角θexと、第1傾斜部21aの角度ψは、スネルの式から以下の式(4)および式(5)を満たす関係にある。
θ=arcsin(sinθ′×N/N)・・・式(4)
θex=-arcsin(sin(-θ+ψ)×N/Nex)+ψ・・・式(5)
ただし、式(4)および(5)において、Nは発光層31の屈折率を表し、Nは光取り出し構造10の屈折率を表し、Nexは光出射部50の屈折率を表す。θは第1傾斜部21aに入射する入射光71の進行方向と主面S1の法線方向とがなす角(度)を表し、θ′は第1傾斜部21aに入射する入射光71の発光層31における進行方向である第1方向D1と主面S1の法線方向とがなす角(度)を表す。また、θexは傾斜部21から出射する出射光81の進行方向である第3方向D3と主面S1の法線方向とがなす角(度)を表し、ψは第1傾斜部21aの入射光71が入射する部分と主面S1と平行な直線63とがなす角(度)を表す。式(4)および(5)において、θ、θ′、θexは主面S1の法線60を始線として、右回りを正の角度とし、左回りを負の角度とし、ψは主面S1に平行な直線63を始線として、右回りを正の角度とし、左回りを負の角度とする。
そこで、本実施形態では、出射光81の進行方向である第3の方向D3と主面S1の法線方向とがなす角θexが略0度となるように、第1傾斜部21aの角度ψを設定している。より具体的には、角θexが-5度以上5度以下となるように、第1傾斜部21aの角度ψを設定している。また、角θexはθexの絶対値が0度以上5度以下となるように、第1傾斜部21aの角度ψを設定している。このような構造にすることにより、入射光71は第1傾斜部21aで屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に進む出射光81となる。なお、ここでは第1傾斜部21aについて説明したが、第2傾斜部21bについても同様である。
ここまで説明してきたように、本実施形態においては下記の構成を採用している。まず、発光層31と反射面S2の光学干渉によって、第1の発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が、法線方向に対して傾斜した方向に進行する際に強め合うように、発光層31と反射面S2との間の光学距離Lbが調整されている。これにより、発光層31から発せられる光が第1方向D1および第2方向D2においてより強くなる。そして、第1方向D1に進んだ光は、光取り出し構造10の第1傾斜部21aに入射し、第2方向D2に進んだ光は、光取り出し構造10の第2傾斜部21bに入射する。すなわち、第1方向D1に進んで強められた光は光取り出し構造10の第1傾斜部21aに向かい、第2方向D2に進んで強められた光は光取り出し構造10の第2傾斜部21bに向かう。そして、第1傾斜部21aの傾斜角は、発光層31内を第1方向D1に進行した上記光が入射すると主面S1に略垂直な方向である第3方向D3に屈折する角度となっている。また、第2傾斜部21bの傾斜角は、発光層31内を第2方向D2に進行した上記光が入射すると主面S1に略垂直な方向である第4方向D4に屈折する角度となっている。このように、主面S1に略垂直な方向に屈折させる傾斜部が複数あることにより、本実施形態によれば、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光を効率よく基板1の主面S1に略垂直な方向に取り出すことができる。第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光は、第1発光材料の発光の中でも特に強度の高い光なので、この光を効率よく取り出すことで、発光強度を高くすることができる。この結果、正面方向に出射する光の強度を高めることができる。
[本実施形態のその他の特徴]
式(1)におけるmの値は、0以上の整数であれば特に制限されないが、強められる波長領域の観点から、0以上2以下であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。m=1の場合、広角側で強められる発光強度が高いことに加えて、発光波長の角度依存性が小さいため良好である。
基板1の主面S1の法線方向と第1方向D1とがなす角θは、0度より大きく90度より小さい。θは、5度以上45度以下が好ましく、10度以上30度以下がより好ましい。θを5度以上とすることで、光出射側へ放出される光量を増大させることができる。また、θを45度以下とすることで、発光層31から第1方向D1に進行する光を光取り出し構造10の傾斜部21に到達させやすくなるため好ましい。
また、発光層31内を第1方向D1または第2方向D2に進行する第1波長λの光が入射した際に光出射部50に略垂直な方向に出射される限りにおいて、第1傾斜部21aの傾斜角および第2傾斜部21bの傾斜角は同じであっても、異なっていてもよい。第1発光点91aと第1傾斜部21aとの間の水平距離および垂直距離と、第2発光点91bと第2傾斜部21bとの間の水平距離および垂直距離と、がそれぞれ同じ場合には、第1傾斜部21aの傾斜角および第2傾斜部21bの傾斜角は同じことが好ましい。
また、光取り出し構造10の形状は特に制限されないが、第1傾斜部21aを含む少なくとも一部および第2傾斜部21bを含む少なくとも一部で曲面を有していることが好ましい。光取り出し構造10が少なくとも一部で曲面を有している場合、光取り出し構造10の傾斜部21の傾斜角度は連続的に変化する。傾斜部21の傾斜角度が連続的に変化すると、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に取り出される光の波長を連続的に変化させることができ、発光効率をより向上させることができる。例えば、発光層31において第1方向D1または第2方向D2に進行して強められる光の波長が460nmである場合を考える。このとき、光取り出し構造10が傾斜部21を含む部分で曲面を有していると、第1方向D1または第2方向D2の付近の460nm前後の波長の光も略垂直な方向に取り出すことが可能となる。曲面の形状は特に制限されないが、球面、非球面などが挙げられる。球面は球体面の一部であればよい。特にマイクロレンズのように、光取り出し構造体の全体が曲面を有していることが好ましい。マイクロレンズの形状は、球面、非球面のどちらであっても構わない。
これまでの説明では、有機発光素子のある断面について説明してきたが、傾斜部21は基板1に対する平面視において3つ以上存在していてよい。また、第1発光点91aおよび第2発光点91bを含む発光点91も、基板1に対する平面視において3つ以上存在していてよい。図6は、本実施形態の一例の平面図と断面図である。図6(a)は本実施形態の平面図であり、図6(b)は図6(a)の線分Bにおける断面であり、図6(c)は図6(a)の線分Cにおける断面である。
図6(a)に示すように、発光点91は、基板1の主面S1に対して垂直な平面視において発光領域101の中心102を囲むように配されている。発光領域101の中心102は、発光領域101の幾何学的な重心であってもよい。このように、平面視において発光点91が発光領域101の中心102の外側に配され、中心102を囲むように配されることで、発光点91の存在する領域を広げることができる。そのため、発光層31内を第1方向D1に進行して光学干渉によって強められ、傾斜部21に到達する光の量を増やすことができる。さらに、傾斜部21も、該平面視において発光領域101の中心102を囲むように配されている。そして、傾斜部21は、該平面視において発光点91を囲むよう配されていることが好ましい。このような構造とすることにより、同じ立体角のより多くの光を正面方向に取り出せるので、正面方向の発光強度、すなわち、基板1の主面S1に対して略垂直な方向の発光強度をさらに向上することが可能である。傾斜部21は、該平面視において発光領域101の外縁を囲むよう配されていることが好ましい。さらに、該平面視において、光取り出し構造10の外縁は傾斜部21を囲むように配されていることが好ましい。
さらに、発光点91および傾斜部21は、それぞれ、発光領域101の中心102を通る法線に対して回転対称であることが好ましい。図7は本実施形態の一例の平面図と断面図である。図7(a)は本実施形態の平面図であり、図7(b)は図7(a)の線分Dにおける断面、図6(c)は図6(a)の線分Eにおける断面である。
図7(a)に示すように、本例では、平面視において、発光点91は発光領域101の中心102を通る法線に対して回転対称な形状な図形状に配されている。また、平面視において、傾斜部21も、発光領域101の中心102を通る法線に対して回転対称な形状の図形状に配されている。換言すれば、発光点91は、平面視において発光領域101の中心102を中心とする円状に配されており、傾斜部21は、平面視において発光領域101の中心102を中心とする円状に配されている。発光点91と傾斜部21は、平面視において発光領域101の中心102を中心とする同心円状に配されている。これにより、方位角ごとの発光特性が均一となり良好である。図7の場合、光取り出し構造10は平面視において回転対称な形状を有することが好ましく、特に曲面を有するマイクロレンズであることが好ましい。なお、光取り出し構造10が回転対称である箇所は、光取り出し構造10の全体であってもよいし、一部であってもよい。
[本実施形態のその他の構成例]
本実施形態の他の構成例について、以下で説明する。
本実施形態に係る有機発光素子100は、下部電極2の外周部の上に、下部電極2の端部を覆うように絶縁層5が設けられていてもよい。すなわち、下部電極2の上に絶縁層5を配置し、下部電極2の一部が露出するように絶縁層5に開口部を設けてもよい。絶縁層5の開口部において下部電極2と有機化合物層3とが接する。このように、絶縁層5は有機発光素子100の発光領域101を画定する機能を有しており、発光領域101を正確に所望の形状にするために形成してもよい。また、絶縁層5は、隣り合う2つの有機発光素子100の下部電極2間を電気的に絶縁する機能を有していてもよい。絶縁層5は、画素分離膜(PDL)、隔壁、バンク、などとも呼ばれる。絶縁層5を設けない場合には、下部電極2の形状により発光領域101が規定される。絶縁層5は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、またはシリコン酸化物(SiO)などの無機材料で形成される。絶縁層5は、スパッタリング法や化学気相堆積法(CVD法)などの方法を用いて形成することができる。また、絶縁層5はアクリル樹脂やポリイミド樹脂のような有機材料を用いて形成することも可能である。
絶縁層5の開口部の平面形状は、特に制限されないが、光取り出し構造10の平面形状の略相似形であることが好ましい。例えば、光取り出し構造10の平面形状が円形であれば、絶縁層5の開口部の平面形状も円形であることが好ましい。絶縁層5の開口部の平面形状が、光取り出し構造10の平面形状の略相似形であることにより、有機発光素子の発光特性を有機発光素子の方位角に対して対称とすることが可能となる。光取り出し構造10の平面形状は回転対称であることが好ましいことから、特に絶縁層5の開口部の平面形状は略円形であることが好ましい。
本実施形態に係る有機発光素子100は、有機化合物層3および上部電極4を覆うように形成された封止層6を有していてもよい。封止層6は透光性を有し、外部からの酸素や水分の透過性が極めて低い無機材料を含むことが好ましい。封止層6が含む無機材料としては、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、シリコン酸化物(SiO)、アルミニウム酸化物(Al)、チタン酸化物(TiO)が好ましい。中でも、封止層6は、封止性能を高める観点から、SiN、SiON、Alを含むことが好ましい。封止層6の形成には化学気相堆積法(CVD法)、原子層堆積法(ALD法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法を用いることが好ましい。封止層6は十分な水分遮断性能があれば、単層構造であっても、上記材料や形成手法を組み合わせた積層構造であってもよい。また無機材料と、樹脂等の有機材料との積層構造であってもよい。また、基板1上に複数の有機発光素子を形成する場合には、複数の有機発光素子のそれぞれが有する上部電極4の上にまたがって、隣り合う有機発光素子間で連続して封止層6が配置されていてもよい。なおこのとき、上部電極4も、隣り合う有機発光素子間で連続して配置されていてもよい。
また、有機発光素子100の封止層6の上には平坦化層7を形成することも可能である。平坦化層7はスピンコート法、ディップコート法、スリットコート法、ブレードコート法などのウエットプロセスで形成されることが好ましい。ウエットプロセスで行なうことにより平坦化層7の光出射側の面を平坦にすることが容易となる。ウエットプロセスで形成された平坦化層7は形成後に加熱やUV照射などによって硬化させることが好ましい。また、基板1上に複数の有機発光素子を形成する場合には、複数の有機発光素子のそれぞれが有する封止層6の上にまたがって、隣り合う有機発光素子間で連続して平坦化層7が配置されていてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の発光装置について説明する。第1実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。図8は、第2実施形態の発光装置が有する有機発光素子における光学干渉を説明するための模式的な断面図である。
本実施形態の発光装置が有する発光素子は、発光層31と光取り出し構造10との間に半反射面を有する点が、第1実施形態と異なる。より具体的には、本実施形態の発光装置が有する発光素子は、有機化合物層3の上に半反射面S3を有している。本実施形態の発光装置が有する発光素子において、上部電極4が半反射面S3を有していてもよい。より具体的には、上部電極4の下面が、半反射面S3であってもよい。あるいは、上部電極4とは別に半反射層15を有し、半反射層15が半反射面S3を有していてもよい。
本実施形態では、第3の光L3と第2の光L2とが光学干渉で強め合う。第3の光L3は、発光層31から光出射側に発せられて半反射面S3で反射して光反射側に進行し、反射面S2で反射して第1方向D1に進行する光である。第2の光L2は、発光層31から光出射側に発せられて第1方向D1に進行する光である。このような光学干渉条件を満たすように、発光層31と反射面S2との間の光学距離Lb、発光層31と半反射面S3との間の光学距離Ltが調整されている。
より具体的には、反射面S2と半反射面S3との間の光学距離Laは、下記の式(6)を満たすように調整されている。下記の式(6)を満たすと、第1の光L2と第3の光L3とが強め合い、発光層31中を第1方向D1に進む光が強められる。なお、光学距離Laを調整するだけでなく、反射面S2における位相シフトφbおよび半反射面S3における位相シフトφtを調整するようにしてもよい。
La/cosθ×(1+cos(2θ))=λ×(l-φb/360-φt/360)・・・式(6)
式(6)において、Laは反射面S2と半反射面S3との間の光学距離(単位:nm)を表し、θは基板1の主面S1の法線方向と第1方向D1とがなす角(単位:度)を表す。λは発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長(単位:nm)を表し、φbは反射面S2で反射する際の位相シフト(単位:度)を表し、φtは半反射面S3で反射する際の位相シフト(単位:度)を表す。また、lは0以上の整数である。
このような構成とすることによっても、第1の発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が、法線方向に対して傾斜した方向(発光層31内において第1方向D1や第2方向D2)に進行する際に強め合うことができる。これにより、発光層31から発せられる光をより強くすることができる。そして強められた光は、第1実施形態と同様に光取り出し構造10の傾斜部21に到達して屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に出射される。この結果、正面方向に出射する光の強度を高めることができる。
式(6)において、lの値は、0以上の整数であれば特に制限されないが、強められる波長領域の観点から、0以上2以下であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。l=1の場合、広角側で強められる発光強度が高いことに加えて、発光波長の角度依存性が小さいため良好である。
さらに、第1実施形態と同様に、第2の光L2と、発光層31から光反射側に発せられて反射面S2で反射して第1方向D1に進行する第1の光L1とが、光学干渉によって強め合うようにしてもよい。すなわち、上記の式(6)に加えて、上記の式(1)も満たすようにしてもよい。これにより、法線方向に対して傾斜した方向(発光層31内において第1方向D1や第2方向D2)に進行する第1の発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光を、より一層強めることができる。これにより、正面方向に出射する光の強度をより一層高めることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。図9は、第3実施形態の発光装置の模式的な断面図である。
本実施形態の発光装置は、基板1上(基板上)に配された複数の有機発光素子を有しており、第1有機発光素子100に加えて、第2有機発光素子200と、第3有機発光素子300と、を有する。第1有機発光素子100の構成は、第1実施形態で説明した有機発光素子100と同様である。
第2有機発光素子200および第3有機発光素子300も、基本的な構成は第1有機発光素子100と同様の構成を有する。すなわち、第2有機発光素子200および第3有機発光素子300は、第1有機発光素子100と同様に、基板1の上に、基板1の主面S1側(主面側)から、反射層11と、下部電極2と、有機化合物層3と、上部電極4と、光取り出し構造10と、を有する。また、第2有機発光素子200および第3有機発光素子300は、第1有機発光素子100と同様に、それぞれの下部電極2の端部を覆う絶縁層5と、上部電極4の上に配された封止層6と、平坦化層7と、を有する。ここでは、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300がそれぞれ有する光取り出し構造を、それぞれ、光取り出し構造110、210、310、とする。
次に、第2有機発光素子200と第3有機発光素子300の、第1有機発光素子100との相違点を説明する。第2有機発光素子200と第3有機発光素子300は、第1有機発光素子100とは異なる波長の光を発する発光層を有している。そして、第2有機発光素子200と第3有機発光素子300は、第1有機発光素子100とは異なる波長の、基板1の主面1の法線方向に対して傾斜した方向に進行する光が光学干渉によって強め合うような構成を有している。
第2有機発光素子200の有する有機化合物層3は、発光層32を有し、発光層32は第1発光材料とは異なる第2発光材料を含んでいる。第2発光材料は第1発光材料とは異なるPLスペクトルを示し、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長λp2(nm)は、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長λp1(nm)と異なる。第1有機発光素子100は第1発光材料から発光された光を出射するのに対し、第2有機発光素子200は第2発光材料から発光された光を出射する。換言すれば、第1有機発光素子100と第2有機発光素子200は、異なる色の光を出射する。
第2有機発光素子200も、第1有機発光素子100と同様に光学干渉によって出射光が強められる共振器構造を有しているが、第1有機発光素子100とは強められる光の波長が異なる。第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第2波長λとする。このとき、第2有機発光素子200は、発光層32中を第1方向D1および第2方向D2に進む第2波長λの光が強められるように、発光層32と反射面S2との間の光学距離Lb2が調整されている。ここで、第1方向D1および第2方向D2は、基板1の主面S1の法線方向と交差する方向であり、法線方向に対して傾斜した方向であるとも言える。第1方向D1および第2方向D2のそれぞれは第1有機発光素子100における第1方向D1および第2方向D2と同じであっても異なっていてもよい。すなわち、第2有機発光素子200における第1方向D1および第2方向D2のそれぞれは、第1有機発光素子における第1方向D1および第2方向D2と区別して、第5方向および第6方向とそれぞれ呼ぶこともできる。
そして、第2有機発光素子200においても、第1有機発光素子100と同様に、発光層32中を第1方向D1に進む光が光取り出し構造210の傾斜部21に到達すると屈折して第3方向D3に出射される。また、発光層32中を第2方向D2に進む光が光取り出し構造210の傾斜部21に到達すると屈折して第4方向D4に出射される。ここで、第3方向D3および第4方向D4は、基板1の主面S1に対して略垂直な方向である。第3方向D3および第4方向D4も、第1有機発光素子100における第3方向D3および第4方向D4と同じであっても異なっていてもよい。すなわち、第2有機発光素子200における第3方向D3および第4方向D4のそれぞれは、第1有機発光素子における第3方向D3および第4方向D4と区別して、第7方向および第8方向とそれぞれ呼ぶこともできる。これにより、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が強められ、発光装置の正面方向に出射される。第2有機発光素子200も、傾斜部21として第1傾斜部21aおよび第2傾斜部21bを含む複数の傾斜部を有している。以上の構成により、第1有機発光素子100におけるメカニズムと同様に、正面方向の発光強度が高められる。
第3有機発光素子300も、第1有機発光素子100と同様に光学干渉によって出射光が強められる共振器構造を有しているが、第1有機発光素子100とは強められる光の波長が異なる。第3有機発光素子300は、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第3波長λとしたときに、発光層33中を第1方向D1および第2方向D2に進む第3波長λの光が強められるように、発光層33と反射面S2との間の光学距離Lb3が調整されている。ここで、第1方向D1および第2方向D2は、基板1の主面S1の法線方向となす角が0度より大きい方向であり、法線方向に対して傾斜した方向である。第1方向D1および第2方向D2は第1有機発光素子100における第1方向D1と同じであっても異なっていてもよい。第3有機発光素子200における第1方向D1および第2方向D2のそれぞれは、第1有機発光素子における第1方向D1および第2方向D2と区別して、第9方向および第10方向とそれぞれ呼ぶこともできる。
そして、第3有機発光素子300においても、第1有機発光素子100と同様に、発光層33中を第1方向D1に進む光が光取り出し構造310の傾斜部21に到達すると屈折して第3方向D3に出射される。また、発光層33中を第2方向D2に進む光が光取り出し構造310の傾斜部21に到達すると屈折して第4方向D4に出射される。ここで、第3方向D3は、基板1の主面S1に対して略垂直な方向である。第3方向D3および第4方向D4も、第1有機発光素子100における第3方向D3および第4方向D4と同じであっても異なっていてもよい。すなわち、第3有機発光素子300における第3方向D3および第4方向D4のそれぞれは、第1有機発光素子における第3方向D3および第4方向D4と区別して、第11方向および第12方向とそれぞれ呼ぶこともできる。これにより、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長の光が強められ、発光装置の正面方向に出射される。第3有機発光素子300も、傾斜部21として第1傾斜部21aおよび第2傾斜部21bを含む複数の傾斜部を有している。以上の構成により、第1有機発光素子100におけるメカニズムと同様に、この構成によって、正面方向の発光強度が高められる。
ここで、第1有機発光素子100において第1波長λ(単位:nm)の光が強められる第1方向D1と、基板1の主面S1の法線方向とがなす角をθ11(単位:度)とし、反射面S2と発光層31との間の光学距離をLb1(単位:nm)とする。また、第2有機発光素子200において第2波長λ(単位:nm)の光が強められる第1方向D1と、基板1の主面S1の法線方向とがなす角をθ12(単位:度)とし、反射面S2と発光層32との間の光学距離をLb2(単位:nm)とする。また、第3有機発光素子300において第3波長λ(単位:nm)の光が強められる第1方向D1と、基板1の主面S1の法線方向とがなす角をθ13(単位:度)とし、反射面S2と発光層33との間の光学距離をLb3(単位:nm)とする。このとき、上述の式(1)と同様に、下記の式(7)~(9)が成り立つ。
Lb1/cosθ11×(1+sin(90-2θ11))=λ×(m1-φb/360)・・・式(7)
Lb2/cosθ12×(1+sin(90-2θ12))=λ×(m2-φb/360)・・・式(8)
Lb3/cosθ13×(1+sin(90-2θ13))=λ×(m3-φb/360)・・・式(9)
ここで、式(7)~(9)において、m1~m3は0以上の整数である。さらに、θ11=θ12=θ13=θである場合には、上記式(7)~(9)は下記の式(7)′~(9)′に変換できる。ただし、mは0以上の整数である。
Lb1/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m1-φb/360)・・・式(7)′
Lb2/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m2-φb/360)・・・式(8)′
Lb3/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m3-φb/360)・・・式(9)′
上述のように、第1波長λと、第2波長λ、第3波長λは、互いに異ならせてもよい。例えば、第1波長λを赤色の波長領域の波長、第2波長λを緑色の波長領域の波長、第3波長λを青色の波長領域の波長、とすることにより、発光装置をフルカラーの表示が可能な表示装置とすることもできる。
また、光学距離Lb1および光学距離Lb2および光学距離Lb3は、互いに異ならせてもよい。それぞれの有機発光素子の反射面S2と発光層31~33の間に設けられた、有機化合物層3、下部電極2、光学干渉層12の、膜厚および屈折率の少なくとも1つを異ならせることによって、光学距離Lb1~Lb3を互いに異ならせることができる。
また、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれが有する光取り出し構造10の傾斜部21の傾斜角度は、同じであってもよいし異なっていてもよい。製造方法を簡易にする観点から、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれが有する光取り出し構造10の傾斜部21の傾斜角度は同じであることが好ましい。さらに、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれが有する光取り出し構造10は同形状であることがさらに好ましい。
基板1上に配置された第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300など複数の有機発光素子のそれぞれを副画素とみなすことができる。そして、主画素は複数の副画素によって構成されるものとして、基板1上に複数の主画素が配置された発光装置としてもよい。これにより、発光装置を、高精細な表示が可能な表示装置とすることができる。例えば、複数の主画素のそれぞれは、第1有機発光素子100を有する第1副画素と、第2有機発光素子200を有する第2副画素と、第3有機発光素子300を有する第3副画素と、を有してもよい。副画素および主画素の画素配列は、ストライプ配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列など、どのような画素配列でも可能である。中でも、デルタ配列は、円状のレンズを表示平面内に配置しやすいため、好ましい。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。第3実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。図10は、第4実施形態の発光装置の模式的な断面図である。
本実施形態の発光装置は、第3実施形態と同様に、複数の有機発光素子を有しており、第1有機発光素子100と、第2有機発光素子200と、第3有機発光素子300と、を有する。
第3実施形態の発光装置は、異なる発光材料を含む発光層が、それぞれの有機発光素子ごとに設けられていた。すなわち、第1有機発光素子100には発光層31が設けられ、第2有機発光素子200には発光層32が設けられ、第3有機発光素子300には発光層33が設けられていた。これに対し、本実施形態の発光装置では、それぞれの有機発光素子が発光層31~33のすべてを有している。すなわち、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれに、発光層31~33が設けられている。発光層31は第1発光材料を含み、発光層32は第2発光材料を含み、発光層33は第3発光材料を含む。
したがって、本実施形態の発光装置においては、各有機発光素子の有機化合物層3からは、第1発光材料から発せられる光と、第2発光材料から発せられる光と、第3発光材料から発せられる光と、が混ざった光が放出される。例えば、第1発光材料が赤色発光材料であり、第2発光材料が緑色発光材料であり、第3発光材料が青色発光材料である場合には、各有機発光素子の有機化合物層3からは白色光が放出される。
発光層31~33は、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれに独立して形成してもよいし、複数の有機発光素子にまたがって共通して形成してもよい。図10には、発光層31~33を第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300にまたがって共通して形成した例を示している。超高精細ディスプレイのように、基板1に対する平面視における各有機発光素子のサイズが小さい場合には、有機発光素子のそれぞれに対して独立して発光層31~33を形成することが困難な場合がある。そのような場合には、発光層31~33を、複数の有機発光素子にまたがって共通に形成することで、製造を容易にすることができる。
本実施形態では、発光層31~33の3種類の発光層を形成しているが、本発明はこれに限定はされない。3種類の発光層をそれぞれ形成するのではなく、1つの発光層に第1発光材料と第2発光材料と第3発光材料を含有させてもよい。あるいは、形成する発光層を2種類とし、1つの発光層に第1発光材料、もう1つの発光層に第2発光材料および第2発光材料というように、1種類の発光材料を含む発光層と2種類の発光材料を含む発光層とを組み合わせてもよい。発光材料の種類に応じて、組み合わせは任意である。
本実施形態の発光装置は、上部電極4の上に、カラーフィルタ層13を有する。カラーフィルタ層13は、第1カラーフィルタ131と、第2カラーフィルタ132と、第3カラーフィルタ133と、を有する。第1カラーフィルタ131と、第2カラーフィルタ132と、第3カラーフィルタ133と、は、透過する光の波長域が互いに異なっていてもよい。本実施形態では、カラーフィルタ層13は上部電極4と光取り出し構造10との間に配されているが、カラーフィルタ層13は光取り出し構造10の上に配されてもよい。第1カラーフィルタ131は第1有機発光素子100の上部電極4と光取り出し構造10との間に配されている。また、第2カラーフィルタ132は第2有機発光素子200の上部電極4と光取り出し構造10との間に配されている。第3カラーフィルタ133は第3有機発光素子300の上部電極4と光取り出し構造10との間に配されている。本実施形態では、カラーフィルタ層13は平坦化層7の上に配されており、カラーフィルタ層13の上にも平坦化層8が配されている。これにより、カラーフィルタ層13および光取り出し構造10を、平坦面の上に形成することができるため好ましい。
第1カラーフィルタ131、第2カラーフィルタ132、第3カラーフィルタ133は、平坦化層7等の下地の上にカラーレジストを塗布した後、それをリソグラフィによってパターニングすることによって形成することが可能である。カラーレジストは、例えば、光硬化性樹脂で構成され、紫外線等が照射された部位を硬化させることによりパターンを形成する。
ここで、第1カラーフィルタ層131は第1波長λを含む波長域の光を透過し、第2カラーフィルタ層132は第2波長λを含む波長域の光を透過し、第3カラーフィルタ層133は第3波長λを含む波長域の光を透過する。第1波長λは発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長である。また、第2波長λは発光層32に含まれる第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長である。また、第3波長λは発光層33に含まれる第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長である。すなわち、カラーフィルタ層13によって、第1有機発光素子100からは第1波長λの光が取り出され、第2有機発光素子200からは第2波長λの光が取り出され、第3有機発光素子300からは第3波長λの光が取り出される。なお、第1カラーフィルタ131は第2波長λおよび第3波長λの光を透過しなくてもよい。また、第2カラーフィルタ132は第3波長λおよび第1波長λの光を透過しなくてもよい。また、第3カラーフィルタ133は第1波長λおよび第2波長λの光を透過しなくてもよい。
本実施形態では、各有機発光素子からカラーフィルタ層13を介して取り出される光の波長域に含まれる波長の光が、発光層内において基板1の主面S1の法線方向に対して傾斜した方向に進行する際に、光学干渉によって強め合う構成としている。すなわち、第1有機発光素子100は、発光層31中を第1方向D1に進む第1波長λの光が強められるように、発光層31と反射面S2との間の光学距離Lb1が調整されている。また、第2有機発光素子200は、発光層32中を第1方向D1に進む第2波長λの光が強められるように、発光層32と反射面S2との間の光学距離Lb2が調整されている。また、第3有機発光素子300は、発光層33中を第1方向D1に進む第3波長λの光が強められるように、発光層33と反射面S2との間の光学距離Lb3が調整されている。より具体的には、上記式(7)~(9)あるいは上記式(7)′~(9)′が成り立つように、光学距離Lb1~Lb3が調整されている。第1波長λ、第2波長λ、第3波長λが互いに異なる場合、光学距離Lb1~Lb3も互いに異なってもよい。
光学距離Lb1~Lb3は、それぞれの有機発光素子の反射面S2と発光層31~33の間に設けられた、有機化合物層3、下部電極2、光学干渉層12の、膜厚および屈折率の少なくとも1つを調整することによって、調整することができる。中でも、製造容易性の観点から、光学距離Lb1~Lb3は、光学干渉層12の厚さを調整することによって調整することが好ましい。本実施形態では、第1有機発光素子100は第1光学干渉層121を有し、第2有機発光素子200は第2光学干渉層122を有し、第3有機発光素子300は第3光学干渉層123を有している。そして、第1光学干渉層121、第2光学干渉層122、第3光学干渉層123の厚さは互いに異なっており、これにより、光学距離Lb1~Lb3も互いに異なっている。このため、上述のように第1方向D1に進む際に強められる光の波長が有機発光素子ごとに異なっている。
なお、各有機発光素子において第1方向D1に進んで強められたそれぞれの光は、光取り出し構造10の傾斜部21において、基板1の主面S1に略垂直な方向に出射される点は、他の実施形態と同様である。
本実施形態は、超高精細ディスプレイのように、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300に対して別々に有機化合物層を形成するのが困難な場合に特に有用である。
発光層において、基板1の主面S1の法線方向に対して傾斜した方向に進行する光が強められると、隣り合う有機発光素子に光が侵入してしまい、混色が生じる可能性がある。しかし、本実施形態ではカラーフィルタ層13が配されているため、隣り合う有機発光素子に侵入した光はその上に配されたカラーフィルタ層13によって吸収され、外部に出射されることを抑制できる。例えば、第1有機発光素子100から第2有機発光素子200へと光が侵入した場合、第1波長λの光は、第2有機発光素子200の上に配された第2カラーフィルタ132に吸収され、外部に出射されない。これにより、混色が抑制される。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。第3実施形態および第4実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。
本実施形態の発光装置は、第3実施形態および第4実施形態と同様に、複数の有機発光素子を有しており、第1有機発光素子100と、第2有機発光素子200と、第3有機発光素子300と、を有する。本実施形態においては、第3実施形態と同様に、異なる発光材料を含む発光層が、それぞれの有機発光素子ごとに設けられていてよい。すなわち、第1有機発光素子100には発光層31が設けられ、第2有機発光素子200には発光層32が設けられ、第3有機発光素子300には発光層33が設けられていてよい。また、本実施形態の発光装置では、第4実施形態と同様にそれぞれの有機発光素子が発光層31~33のすべてを有していてもよい。
本実施形態においては、発光層31は第1発光材料を含み、発光層32は第2発光材料を含み、発光層33は第3発光材料を含んでいる。第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長のうち、少なくとも第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長は異なっている。
加えて、第1発光材料のPLスペクトルの半値全幅FWHM1と、第2発光材料のPLスペクトルの半値全幅FWHM2と、第3発光材料のPLスペクトルの半値全幅FWHM3のうち、少なくも第2発光材料のPLスペクトルの半値全幅FWHM2は、第1発光材料のPLスペクトルの半値全幅FWHM1よりも、大きくなっている。
第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300は、それぞれ光学干渉によって出射光が強められる共振器構造を有している。具体的には、第1有機発光素子100においては、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域が、第1方向および第2方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第2有機発光素子200においては、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域が、第5方向および第6方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第3有機発光素子300においては、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域が、第9方向および第10方向に強まるように、共振器構造が形成されている。
本実施形態においては、第1有機発光素子100と第2有機発光素子200と第3有機発光素子300のうち、第2有機発光素子200における第5方向および第6方向は、第1有機発光素子100における第1方向および第2方向よりも小さくなっている。
共振器構造によるPLスペクトルのピーク波長域が強まる方向が主面S1の法線方向に対して小さくなると、発光スペクトルの半値全幅は小さくなる。一方で、PLスペクトルのピーク波長域が強まる方向が主面S1の法線方向に対して大きくなると、発光スペクトルの半値全幅は大きくなる。
本実施形態においては、第2有機発光素子200は、PLスペクトルの半値全幅が第1発光材料よりも大きい第2発光材料を含んでいる。一方で、第2有機発光素子200は、第1有機発光素子よりも共振器構造によるPLスペクトルのピーク波長域が強まる方向が主面S1の法線方向に対して小さい。したがって、本実施形態においては、第2有機発光素子の発光スペクトルの半値全幅を大きくなりすぎないように制御することが可能である。第2有機発光素子の発光スペクトルの半値全幅を大きくなりすぎないように制御が可能であることから、本実施形態の構造においては、第1有機発光素子の発光スペクトルと第2有機発光素子の発光スペクトルの色分離がしやすいという特長がある。色分離がしやすい場合の効果としては、倍率色収差の補正が容易となることが挙げられる。倍率色収差の補正とは、発光装置で発光した光をレンズなどの光学系を通した場合に発生する倍率色収差を、発光装置における発光素子の発光量調整によって補正する技術である。
特に、第2有機発光素子200の第2発光材料はりん光材料とすることが好ましい。なぜなら、りん光材料のPLスペクトル形状と蛍光材料のPLスペクトル形状を比較すると、PLスペクトルの半値全幅が大きい傾向がある。さらに第1有機発光素子100の第1発光材料は蛍光材料であることが好ましい。
また、第1有機発光素子の光取り出し構造110と、第2有機発光素子の光取り出し構造210は、第1実施形態に記載の要件を満たしていれば、同形状でもよいし異なっていてもよい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。第3実施形態および第4実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。
本実施形態においては、第1有機発光素子100と第2有機発光素子200と第3有機発光素子300を有している。
本実施形態においては、発光層31は第1発光材料を含み、発光層32は第2発光材料を含み、発光層33は第3発光材料を含んでいる。第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長のうち、少なくとも第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長λは異なっている。
第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300は、それぞれ光学干渉によって出射光が強められる共振器構造を有している。具体的には、第1有機発光素子100においては、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第1波長が、第1方向および第2方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第2有機発光素子200においては、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第2波長が、第5方向および第6方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第3有機発光素子300においては、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第3波長が、第9方向および第10方向に強まるように、共振器構造が形成されている。
本実施形態においては、第1有機発光素子は、下記の式(10)を満たしている。
Lb1/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m1-φb1/360)・・・式(10)
式(10)において、Lb1は発光層31と反射面S2との間の光学距離(単位:nm)を表し、θは基板1の主面S1の法線方向と第1方向とがなす角(単位:度)を表す。λは発光層31に含まれる第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長(単位:nm)を表し、φb1は反射面S2で反射する際の位相シフト(単位:度)を表す。また、m1は0以上の整数である。
さらに、第2有機発光素子は、下記式(11)を満たしている。
Lb2/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m2-φb2/360)・・・式(11)
式(11)において、Lb2は発光層32と反射面S2との間の光学距離(単位:nm)を表し、θは基板1の主面S1の法線方向と第5方向とがなす角(単位:度)を表す。λは発光層32に含まれる第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長(単位:nm)を表し、φb2は反射面S2で反射する際の位相シフト(単位:度)を表す。また、m2は0以上の整数である。
本実施形態においては、第2有機発光素子のm2方が、第1有機発光素子のm1よりも小さくなっている。一方で、第2有機発光素子200における第5方向および第6方向は、第1有機発光素子100における第1方向および第2方向よりも小さくなっている。
m1およびm2の値が小さくなると共振器構造で強められる波長領域が大きくなるため、発光スペクトルの半値全幅が大きくなる。
本実施形態における第2有機発光素子のm2が、第1有機発光素子のm1よりも小さく、第2有機発光素子200における第5方向および第6方向は、第1有機発光素子100における第1方向および第2方向よりも小さくなっている。これにより、本実施形態においては、第2有機発光素子の発光スペクトルの半値全幅を大きくなりすぎないように制御することが可能である。したがって、本実施形態の構造においては、第1有機発光素子の発光スペクトルと第2有機発光素子の発光スペクトルの色分離がしやすい特長がある。
本実施形態においては、第2有機発光素子のm2の値が0、第1有機発光素子のm1の値が1であることが特に好ましい。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。第3実施形態および第4実施形態と共通する部分については説明を適宜省略する。
本実施形態においては、第1有機発光素子100と第2有機発光素子200と第3有機発光素子300を有している。
本実施形態においては、発光層31は第1発光材料を含み、発光層32は第2発光材料を含み、発光層33は第3発光材料を含んでいる。第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長と、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長は、それぞれ異なっている。
また、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300は、それぞれ光学干渉によって出射光が強められる共振器構造を有している。具体的には、第1有機発光素子100においては、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第1波長が、第1方向および第2方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第2有機発光素子200においては、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第2波長が、第5方向および第6方向に強まるように、共振器構造が形成されている。第3有機発光素子300においては、第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域における第3波長が、第9方向および第10方向に強まるように、共振器構造が形成されている。
本実施形態において、第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長は、第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長と第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長の中間となっている。
一方で、第2有機発光素子200の第5方向および第6方向は、第1有機発光素子100の第1方向および第2方向、および第3有機発光素子300の第9方向および第10方向よりも小さくなっている。
このような構成とすることにより、第2有機発光素子200の発光スペクトルの半値全幅は大きくなりすぎない。第2有機発光素子200の発光スペクトルは、第1有機発光素子100の発光スペクトルと第3有機発光素子300の発光スペクトルの中間色であるため、第1有機発光素子100の発光スペクトルは、第1有機発光素子100の発光スペクトルと第3有機発光素子300の発光スペクトルとの色分離がしやすくなる。
特に、第2有機発光素子200は緑色の光を発光することが好ましい。さらに第1有機発光素子100は青色もしくは赤色の光を発光し、第3有機発光素子100は赤色もしくは青色の光を発光することが好ましい。緑色は、赤色と青色の中間の波長を有するため、赤色と緑色と青色の色分離がしやすくなる。
(その他の実施形態)
図10は、本実施の形態に係る表示装置1000の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。表示パネル1005として、例えば第1~第4の実施形態の発光装置のいずれかを用いることができる。
タッチパネル1003および表示パネル1005には、それぞれフレキシブルプリント回路FPC1002及びフレキシブルプリント回路FPC1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
本実施の形態に係る表示装置1000は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する光電変換装置の表示部に用いられてもよい。光電変換装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、また、撮像素子が取得した情報を用いて情報を取得し、表示部は、それとは別の情報を表示するものであってもよい。表示部は、光電変換装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。光電変換装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図11(a)は、本実施の形態に係る光電変換装置の一例を表す模式図である。光電変換装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。または、本実施の形態で示した表示装置1000であってもよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
光電変換装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施の形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図11(b)は、本実施の形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。表示部1201は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図12(a)及び図12(b)は、本実施の形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図12(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図12(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図12(b)は、本実施の形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図12(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。
第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一および第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図13(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源1402は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。光学フィルタは光源1402の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ、光拡散部は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかと、それに接続される電源回路と、を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図13(b)は、本実施の形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。テールランプは、発光素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。この場合、発光装置が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施の形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は、第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。
図14を参照して、上述の各実施形態の表示装置の適用例について説明する。表示装置は、例えばスマートグラス、HMD、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用される撮像表示装置は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な表示装置とを有する。
図14(a)は、1つの適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には表示装置が設けられており、表示装置は第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る表示装置に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と表示装置の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
図14(b)は、1つの適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、撮像装置1602に相当する撮像装置と、表示装置が搭載される。表示装置は第1~第4の実施形態に係る発光装置のいずれかを有してよい。レンズ1611には、制御装置1612内の撮像装置と、表示装置からの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および表示装置に電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および表示装置の動作を制御する。制御装置は、装着者の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザーの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザーの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザーの視線が検出される。
本発明の一実施形態に係る表示装置は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザーの視線情報に基づいて表示装置の表示画像を制御してよい。
具体的には、表示装置は、視線情報に基づいて、ユーザーが注視する第一の視界領域と、第一の視界領域以外の第二の視界領域とを決定される。第一の視界領域、第二の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。表示装置の表示領域において、第一の視界領域の表示解像度を第二の視界領域の表示解像度よりも高く制御してよい。つまり、第二の視界領域の解像度を第一の視界領域よりも低くしてよい。
また、表示領域は、第一の表示領域、第一の表示領域とは異なる第二の表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第一の表示領域および第二の表示領域から優先度が高い領域を決定される。第一の視界領域、第二の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してよい。つまり優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてよい。
なお、第一の視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIプログラムは、表示装置が有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して、表示装置に伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図10に示される、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子を有する実施例1の発光装置を以下のように作製した。
まず、基板1上にAlからなる層をスパッタリング法で形成し、これをエッチングでパターニングすることによって、各有機発光素子にそれぞれ対応する反射層11を形成した。
次に、第1有機発光素子100の反射層11の上に光学干渉層121を、第2有機発光素子200の反射層11の上に光学干渉層122を、第3有機発光素子300の反射層11の上に光学干渉層123を、それぞれ形成した。光学干渉層121~123は、SiOからなる層をCVD法で形成した後にエッチングでパターニングすることによって形成した。光学干渉層121の膜厚は213nmとし、光学干渉層122の膜厚は186nmとし、光学干渉層123の膜厚は164nmとした。
次に、スパッタリング法でITOからなる層を20nmの膜厚で成膜し、エッチングすることにより、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれの下部電極2を独立に形成した。
次に、下部電極2上に絶縁層5を形成した。まず、CVD法でSiOからなる層を成膜した。そして、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子のそれぞれの下部電極2を露出するようにSiOからなる絶縁層5に開口部を設け、それぞれ第1発光領域101、第2発光領域201、第3発光領域301とした。
次に、下部電極2上に、各有機発光素子にまたがるように有機化合物層3を形成した。具体的には、下部電極2側から、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、青色発光層33、緑色発光層32、赤色発光層31、電子輸送層、電子注入層、をこの順で形成して有機化合物層3とした。
正孔注入層は、下記の化合物1によって形成し、3nmの厚さとした。正孔輸送層は、下記化合物2によって形成し、15nmの厚さとした。電子ブロック層は、下記化合物3によって形成し、10nmの厚さとした。
青色発光層33は、ホスト材料として下記化合物4を重量比97%、発光ドーパントとして下記化合物5を重量比3%となるように形成し、10nmの厚さとした。緑色発光層32は、ホスト材料として下記化合物4を重量比99%、発光ドーパントとして下記化合物6を重量比1%となるように形成し、10nmの厚さとした。赤色発光層31は、ホスト材料として下記化合物4を重量比99%、発光ドーパントとして下記化合物7を重量比1%となるように形成し、10nmの厚さとした。
電子輸送層は、下記化合物8によって形成し、40nmの厚さとした。電子注入層は、フッ化リチウムによって形成し、1nmの厚さとした。
Figure 2022162965000002
次に、上部電極4としてMgAg合金からなる層を10nmの厚さで形成した。MgとAgとの比率は1:1とした。その後、封止層6としてCVD法にてSiN膜を2μmの厚さで形成した。さらにSiN膜上に平坦化層7をスピンコートにより300nmの厚さで形成した。
次に、平坦化層7の上に、カラーフィルタ層13を形成した。カラーフィルタ層13は、赤成分の光を透過する第1カラーフィルタ131と、緑成分の光を透過する第2カラーフィルタ132と、青成分の光を透過する第3カラーフィルタ133と、を含み、それぞれの厚さは1μmとした。第1カラーフィルタ131は第1有機発光素子100の第1発光領域101と平面視で重なるように形成した。第2カラーフィルタ132は第2有機発光素子200の第2発光領域201と平面視で重なるように形成した。第3カラーフィルタ133は第3有機発光素子300の第3発光領域301と平面視で重なるように形成した。
次に、平坦化層8をカラーフィルタ層13の上に形成した。
次に、第1有機発光素子100、第2有機発光素子200、第3有機発光素子300のそれぞれに対応する光取り出し構造として、球面を有する光取り出し構造110、210、310を、平坦化層8上に形成した。光取り出し構造110、210、310上に接するのは空気とした。
(比較例1)
光学干渉層121、122、123の膜厚以外は実施形1と同様にして、比較例1の発光装置を形成した。比較例1では、光学干渉層121の膜厚は202nmとし、光学干渉層122の膜厚は177nmとし、光学干渉層123の膜厚は156nmとした。比較例1の発光装置は、実施例1の発光装置に比べて、第1有機発光素子100の光学干渉層121、第2有機発光素子200の光学干渉層122、第3有機発光素子300の光学干渉層123がいずれも膜厚が薄かった。
(実施例1と比較例1の比較)
実施例1において、反射層11の上面である反射面S2で反射する際の位相変化は-150度であった。化合物5のPLスペクトルのピーク波長は460nmであった。化合物6のPLスペクトルのピーク波長は530nmであった。化合物7のPLスペクトルのピーク波長は610nmであった。
実施例1の発光装置の第1有機発光素子100において、化合物7のPLスペクトルのピーク波長610nmの光が強められる際の、赤色発光層31内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、15度であった。
実施例1の発光装置の第2有機発光素子200において、化合物6のPLスペクトルのピーク波長530nmの光が強められる際の、緑色発光層32内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、15度であった。
実施例1の発光装置の第3有機発光素子300において、化合物7のPLスペクトルのピーク波長460nmの光が強められる際の、青色発光層33内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、15度であった。
実施例1の発光装置の第1有機発光素子100において、平面視で、第1発光領域101の中心から外周方向に1.2μmの位置にある発光点から発せられた光の光線を追跡した。その結果、赤色発光層31内を基板1の主面S1の法線方向と15度の角をなす方向に進むと、光取り出し構造110の傾斜部21に到達することを確認した。このとき、傾斜部21は光取り出し構造110の球面形状の一部であり、傾斜角度は50度であった。また、上記発光点は第1発光領域101の中心を中心とした、半径1.2μmの円形上に存在していた。傾斜部21は上記発光点が存在する円を平面視で取り囲むように円形上に存在していた。さらに、上記方向に進んだ光は傾斜部21に到達すると屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に出射されることを確認した。
実施例1の発光装置の第2有機発光素子200において、平面視で、第2発光領域201の中心から外周方向に1.2μmの位置にある発光点から発せられた光の光線を追跡した。その結果、緑色発光層32内を基板1の主面S1の法線方向と15度の角をなす方向に進むと、光取り出し構造210の傾斜部21に到達することを確認した。このとき、傾斜部21は光取り出し構造210の球面形状の一部であり、傾斜角度は50度であった。また、上記発光点は第2発光領域201の中心を中心とした、半径1.2μmの円形上に存在していた。傾斜部21は上記発光点が存在する円を平面視で取り囲むように円形上に存在していた。さらに、上記方向に進んだ光は傾斜部21に到達すると屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に出射されることを確認した。
実施例1の発光装置の第3有機発光素子300において、平面視で、第3発光領域301の中心から外周方向に1.2μmの位置にある発光点から発せられた光の光線を追跡した。その結果、青色発光層33内を基板1の主面S1の法線方向と15度の角をなす方向に進むと、光取り出し構造310の傾斜部21に到達することを確認した。このとき、傾斜部21は光取り出し構造310の球面形状の一部であり、傾斜角度は50度であった。また、上記発光点は第3発光領域301の中心を中心とした、半径1.2μmの円形上に存在していた。傾斜部21は上記発光点が存在する円を平面視で取り囲むように円形上に存在していた。さらに、上記方向に進んだ光は傾斜部21に到達すると屈折し、基板1の主面S1に対して略垂直な方向に出射されることを確認した。
比較例1の発光装置の第1有機発光素子100において、化合物7のPLスペクトルのピーク波長610nmの光が強められる際の、赤色発光層31内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、0度であった。
比較例1の発光装置の第2有機発光素子200において、化合物6のPLスペクトルのピーク波長530nmの光が強められる際の、緑色発光層32内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、0度であった。
比較例1の発光装置の第3有機発光素子300において、化合物7のPLスペクトルのピーク波長460nmの光が強められる際の、青色発光層33内を進行する光の方向を計算した。その結果、当該方向と基板1の主面S1の法線方向とがなす角は、0度であった。
(実施例1と比較例1の特性比較)
実施例1の発光装置と比較例1の発光装置に同じ大きさの電流を流して、各有機発光素子を発光させ、正面方向の輝度を評価した。その結果、実施例1の発光装置の正面方向の輝度は、比較例1の発光装置の正面輝度に比べて、1.3倍となっていた。したがって、実施例1は、比較例1よりも正面方向の輝度を高めることができた。
1 基板
2 下部電極(第1電極)
3 有機化合物層(有機層)
4 上部電極(第2電極)
10 光取り出し構造
21a 第1傾斜部
21b 第2傾斜部
31 発光層
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
D4 第4方向
S1 主面
S2 反射面

Claims (31)

  1. 基板上に配された有機発光素子を有する発光装置であって、
    前記有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、
    前記発光層は第1発光材料を含み、
    前記発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、
    前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下である
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1入射光は、前記発光層から前記第1電極に向かって発せられて前記反射面で反射して前記第2電極に向かって前記第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層から前記第2電極に向かって前記第1方向に発せられた前記第1波長の光と、が光学干渉によって強め合った光であり、
    前記第2入射光は、前記発光層から前記第1電極に向かって発せられて前記反射面で反射して前記第2電極に向かって前記第2方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層から前記第2電極に向かって前記第2方向に発せられた前記第1波長の光と、が光学干渉によって強め合った光である
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
    Lb/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m-φb/360)・・・式(1)
    (ただし、上記式(1)において、λは前記第1波長(nm)を表し、θは前記第1方向と前記基板の前記主面の法線方向とがなす角(度)を表し、Lbは前記発光層と前記反射面との間の光学距離(nm)を表し、φbは前記反射面で反射する際の位相変化(度)を表し、mは0以上の整数である。)
  4. 前記有機層と前記光取り出し構造との間に半反射面を有し、
    前記反射面と前記半反射面との間の光学距離は、前記発光層を第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線を軸に前記第1方向と線対称な第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記第1入射光は、前記発光層から前記第2電極に向かって発せられて前記半反射面で反射して前記第1電極に向かい、前記反射面で反射して前記第2電極に向かって前記第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層から前記第2電極に向かって前記第1方向に発せられた前記第1波長の光と、が光学干渉によって強め合った光であり、
    前記第2入射光は、前記発光層から前記第2電極に向かって発せられて前記半反射面で反射して前記第1電極に向かい、前記反射面で反射して前記第2電極に向かって前記第2方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層から前記第2電極に向かって前記第2方向に発せられた前記第1波長の光と、が光学干渉によって強め合った光である
    ことを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項4または5に記載の発光装置。
    La/cosθ×(1+cos(2θ))=λ×(l-φb/360-φt/360)・・・式(2)
    (ただし、上記式(2)において、λは前記第1波長(nm)を表し、θは前記第1方向と前記基板の前記主面の法線方向とがなす角(度)を表し、Laは前記反射面と前記半反射面との間の光学距離(nm)を表し、φbは前記反射面で反射する際の位相変化(度)を表し、φtは前記半反射面で反射する際の位相変化(度)を表し、lは0以上の整数である。)
  7. 下記式(3)および(4)を満たすこと特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置。
    θ=arcsin(sinθ′×N/N)・・・式(3)
    θex=-arcsin(sin(-θ+ψ)×N/Nex)+ψ・・・式(4)
    (ただし、上記式(3)および(4)において、θは前記入射光の前記光取り出し構造における進行方向と前記基板の前記主面の前記法線方向とがなす角(度)を表し、θ′は前記第1方向と前記基板の前記主面の前記法線方向とがなす角(度)を表し、θexは前記第3方向と前記基板の前記主面の前記法線方向とがなす角(度)を表し、θは前記入射光の前記光取り出し構造における進行方向と前記基板の前記主面の前記法線方向とがなす角(度)を表し、ψは前記第1傾斜部の前記第1入射光が入射する部分と前記基板の前記主面と平行な直線とがなす角(度)、もしくは前記第2傾斜部の前記第2入射光が入射する部分と前記基板の前記主面と平行な直線とがなす角(度)を表し、Nは前記発光層の屈折率を表し、Nは前記光取り出し構造の屈折率を表し、Nexは前記第1入射光が前記第1傾斜部から出射される領域もしくは前記第2入射光が前記第2傾斜部から出射される領域の屈折率を表す。上記式(3)および(4)において、θ、θ′、θexは前記基板の前記主面の法線を始線として、右回りを正とし、左回りを負とした角度で表され、ψは前記基板の前記主面に平行な直線を始線として、右回りを正とし、左回りを負とした角度で表される。)
  8. 前記第1電極を挟んで前記光取り出し構造と対向して配された反射層をさらに有し、
    前記反射層は、前記反射面を有する
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記ピーク波長域は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長をλp1(nm)としたときに、(λp1-5)nm以上(λp1+5)nm以下の波長域である
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第1波長は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長である
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記光取り出し構造は、前記傾斜部を含む少なくとも一部に曲面を有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 前記光取り出し構造は、前記傾斜部を含む少なくとも一部に球面を有することを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
  13. 前記光取り出し構造は、マイクロレンズであることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の発光装置。
  14. 前記入射光の前記発光層における発光点は、前記基板に対する平面視において、前記発光層の発光領域の中心と該発光領域の外周との間にある
    ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の発光装置。
  15. 前記入射光の前記発光層における発光点は、前記基板に対する平面視において、前記発光層の発光領域の中心を囲んでいる
    ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の発光装置。
  16. 基板上に配された第1有機発光素子と第2有機発光素子とを有する発光装置であって、
    前記第1有機発光素子および前記第2有機発光素子は、それぞれ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、
    前記第1有機発光素子の有する前記有機層は、第1発光材料を含む第1発光層を含み、
    前記第2有機発光素子の有する前記有機層は、第2発光材料を含む第2発光層を含み、
    前記第1有機発光素子において、前記第1発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、
    前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、
    前記第2有機発光素子において、前記第2発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第2波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第5方向に進行する前記第2波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第5方向と異なる第6方向に進行する前記第2波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第5方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第6方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第3傾斜部と第4傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第5方向に進行して前記第3傾斜部に到達した前記第2波長の光である第3入射光は前記第3傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第7方向に出射され、
    前記発光層を前記第6方向に進行して前記第4傾斜部に到達した前記第2波長の光である第4入射光は前記第4傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第8方向に出射され、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第7方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第8方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下である
    ことを特徴とする発光装置。
  17. 前記第1有機発光素子の有する前記有機層は前記第2発光層を含み、
    前記第2有機発光素子の有する前記有機層は前記第1発光層を含む
    ことを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
  18. 前記第1波長は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長であり、
    前記第2波長は、前記第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長である
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の発光装置。
  19. 基板上に配された第1有機発光素子と第2有機発光素子とを有する発光装置であって、
    前記第1有機発光素子および前記第2有機発光素子は、それぞれ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、
    前記第1有機発光素子の有する前記有機層は、第1発光材料を含む第1発光層を含み、
    前記第2有機発光素子の有する前記有機層は、第2発光材料を含む第2発光層を含み、
    前記第1有機発光素子において、前記第1発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、
    前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、
    前記第2有機発光素子において、前記第2発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第2波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第5方向に進行する前記第2波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第5方向と異なる第6方向に進行する前記第2波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第5方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第6方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第3傾斜部と第4傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第5方向に進行して前記第3傾斜部に到達した前記第2波長の光である第3入射光は前記第3傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第7方向に出射され、
    前記発光層を前記第6方向に進行して前記第4傾斜部に到達した前記第2波長の光である第4入射光は前記第4傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第8方向に出射され、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第7方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第8方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下であり、
    前記第2発光材料のPLスペクトルの半値全幅は、前記第1発光材料のPLスペクトルの半値全幅よりも大きく、
    前記第5方向および前記第6方向は、前記第1方向および前記第2方向よりも小さい、
    ことを特徴とする発光装置。
  20. 前記第2発光材料はりん光材料である
    ことを特徴とする請求項19に記載の発光装置。
  21. 前記第1発光材料は蛍光材料である
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光装置。
  22. 基板上に配された第1有機発光素子と第2有機発光素子とを有する発光装置であって、
    前記第1有機発光素子および前記第2有機発光素子は、それぞれ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、
    前記第1有機発光素子の有する前記有機層は、第1発光材料を含む第1発光層を含み、
    前記第2有機発光素子の有する前記有機層は、第2発光材料を含む第2発光層を含み、
    前記第1有機発光素子において、前記第1発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、
    前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、
    前記第2有機発光素子において、前記第2発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第2波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第5方向に進行する前記第2波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第5方向と異なる第6方向に進行する前記第2波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第5方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第6方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第3傾斜部と第4傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第5方向に進行して前記第3傾斜部に到達した前記第2波長の光である第3入射光は前記第3傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第7方向に出射され、
    前記発光層を前記第6方向に進行して前記第4傾斜部に到達した前記第2波長の光である第4入射光は前記第4傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第8方向に出射され、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第7方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第8方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下であって、
    下記式(5)を満たす前記第1有機発光素子と、
    Lb1/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m1-φb1/360)・・・式(5)
    (ただし、上記式(5)において、λは前記第1波長(nm)を表し、θは前記第1方向と前記基板の前記主面の法線方向とがなす角(度)を表し、Lb1は前記発光層と前記反射面との間の光学距離(nm)を表し、φb1は前記反射面で反射する際の位相変化(度)を表し、m1は0以上の整数である。)
    下記式(6)を満たす前記第2有機発光素子を有し、
    Lb2/cosθ×(1+sin(90-2θ))=λ×(m2-φb2/360)・・・式(6)
    (ただし、上記式(6)において、λは前記第2波長(nm)を表し、θは前記第5方向と前記基板の前記主面の法線方向とがなす角(度)を表し、Lb2は前記発光層と前記反射面との間の光学距離(nm)を表し、φb2は前記反射面で反射する際の位相変化(度)を表し、m2は0以上の整数である。)
    前記m2は前記m1よりも小さく、
    前記第5方向および前記第6方向は、前記第1方向および前記第2方向よりも小さい、
    ことを特徴とする発光装置。
  23. 前記m2は0、前記m1は1であること
    を特徴とする請求項22に記載の発光装置。
  24. 基板上に配された第1有機発光素子と第2有機発光素子と第3有機発光素子とを有する発光装置であって、
    前記第1有機発光素子および前記第2有機発光素子および前記第3有機発光素子は、それぞれ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極とに挟まれた発光層を含む有機層と、前記有機層の光出射側に配された光取り出し構造と、前記光取り出し構造との間に前記有機層を挟むように配された反射面と、を有し、
    前記第1有機発光素子の有する前記有機層は、第1発光材料を含む第1発光層を含み、
    前記第2有機発光素子の有する前記有機層は、第2発光材料を含む第2発光層を含み、
    前記第3有機発光素子の有する前記有機層は、第3発光材料を含む第2発光層を含み、
    前記第1有機発光素子において、前記第1発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第1発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第1波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第1方向に進行する前記第1波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第1方向と異なる第2方向に進行する前記第1波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第1方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第2方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第1傾斜部と第2傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第1方向に進行して前記第1傾斜部に到達した前記第1波長の光である第1入射光は前記第1傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第3方向に出射され、
    前記発光層を前記第2方向に進行して前記第2傾斜部に到達した前記第1波長の光である第2入射光は前記第2傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第4方向に出射され、
    前記第2有機発光素子において、前記第2発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第2発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第2波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第5方向に進行する前記第2波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第5方向と異なる第6方向に進行する前記第2波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第5方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第6方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第3傾斜部と第4傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第5方向に進行して前記第3傾斜部に到達した前記第2波長の光である第3入射光は前記第3傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第7方向に出射され、
    前記発光層を前記第6方向に進行して前記第4傾斜部に到達した前記第2波長の光である第4入射光は前記第4傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第8方向に出射され、
    前記第3有機発光素子において、前記第3発光層と前記反射面との間の光学距離は、前記第3発光材料のPLスペクトルのピーク波長域に含まれる波長を第3波長としたときに、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差する第9方向に進行する前記第3波長の光と、前記発光層を前記基板の前記主面の法線方向と交差し前記第9方向と異なる第10方向に進行する前記第3波長の光と、がそれぞれ強められる値であり、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第9方向とがなす角と、前記基板の前記主面の法線方向と前記第10方向とがなす角と、は絶対値が同じであり、
    前記光取り出し構造は第5傾斜部と第6傾斜部とを有し、
    前記発光層を前記第9方向に進行して前記第5傾斜部に到達した前記第3波長の光である第5入射光は前記第5傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第11方向に出射され、
    前記発光層を前記第10方向に進行して前記第6傾斜部に到達した前記第3波長の光である第6入射光は前記第6傾斜部において屈折して、前記光取り出し構造から第12方向に出射され、
    前記基板の前記主面の法線方向と前記第3方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第4方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第7方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第8方向とがなす角、前記基板の前記主面の法線方向と前記第11方向とがなす角、および、前記基板の前記主面の法線方向と前記第12方向とがなす角は、いずれも絶対値が0度以上5度以下であり、
    前記第2波長は、前記第1波長と前記第3波長の中間であり、
    前記第5方向および前記第6方向は、前記第1方向、前記第2方向、前記第9方向、および前記第10方向よりも小さい、
    ことを特徴とする発光装置。
  25. 前記第2有機発光素子の発光は緑色を有し、前記第1有機発光素子の発光は赤色もしくは青色を有し、前記第3有機発光素子の発光は赤色もしくは青色を有し、前記第3有機発光素子の発光は、第1有機発光素子の発光とは異なることを特徴とする、請求項24に記載の発光装置。
  26. 前記第2電極と前記光取り出し構造との間にカラーフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1~25のいずれか1項に記載の発光装置。
  27. 請求項1~26のいずれか1項に記載の発光装置を有し、
    前記有機発光素子に接続されたトランジスタを有することを特徴とする表示装置。
  28. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は請求項1~27のいずれか1項に記載の発光装置を含むことを特徴とする光電変換装置。
  29. 請求項1~27のいずれか1項に記載の発光装置を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
  30. 請求項1~27のいずれか1項に記載の発光装置を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部または光学フィルムと、を有することを特徴とする照明装置。
  31. 請求項1~27のいずれか1項に記載の発光装置を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
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