JP2022162765A - 燃料用中空構造体 - Google Patents

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Momoko Yamashita
仁 中村
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Abstract

【課題】 燃料バリア性、層間接着性および低温耐衝撃性に優れた燃料用中空構造体の提供。【解決手段】 外側から、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)、および、導電層(C)を、順に有し、導電層(C)がフッ素樹脂と導電性物質を含む、燃料用中空構造体。【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料用中空構造体に関する。特に、液体燃料用中空構造体に関する。
近年、環境汚染防止の観点から、厳しい排ガス規制が課せられており、燃料輸送などの用途に用いられるチューブ、ホース、パイプ等の中空構造体には、揮発性炭化水素等の揮発性成分が透過して大気中に拡散することを抑えるために、高いガスバリア性が必要とされる。また、近年、メタノールおよびエタノール等のアルコールをブレンドしてなるアルコールガソリンが実用化されつつある。アルコールガソリンは透過性が高く、大気中に揮発しやすいため、中空構造体のガスバリア性をより高める必要がある。
従来、ポリアミド11やポリアミド12等の脂肪族ポリアミドが、耐薬品性に優れていることから、燃料輸送用の中空構造体の材料として使用されてきた。しかし、これらの脂肪族ポリアミドから形成された中空構造体は、靭性、耐薬品性および柔軟性の点では優れているものの、燃料バリア性が十分でなく、その改良が望まれていた。
一方、燃料バリア性に優れる樹脂としては、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂が知られている。
そこで、これらを組み合わせた燃料用中空構造体が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリアミド層(A)およびポリアミド層(B)を有する多層構造体であって、ポリアミド層(A)が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位および炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド(a1)および炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位および炭素数10~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(a2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミド(A1)を含むポリアミド組成物(A)から構成され、ポリアミド層(B)が、キシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とを含むポリアミド樹脂(b1)、変性ポリオレフィン(B2)、および、炭素数6~12のラクタム由来の構成単位および炭素数6~12のアミノカルボン酸由来の構成単位の少なくとも一方を含むポリアミド樹脂(b1)および炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位および炭素数10~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を含むポリアミド(b2)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリアミド(B3)を含み、ポリアミド樹脂(b1)100質量部に対し、変性ポリオレフィン(B2)の含有量が5~15質量部であり、ポリアミド(B3)の含有量が5~20質量部であるポリアミド組成物(B)から構成される、多層構造体(パイプ、ホース、チューブ)が開示されている。
国際公開第2017/094564号
上述のような燃料用中空構造体には、燃料バリア性および低温耐衝撃性が求められる。燃料バリア性が求められる中空体構造には燃料バリア性に優れるバリア層を内層に積層することが一般的である。さらに、近年、燃料用中空構造体には導電性も求められるようになっている。導電性を達成するためには、中空構造体の液面に触れる内側層(通常は最内層)であるポリアミド樹脂層(例えば上記燃料バリア性に優れる中空体構造であれば、燃料バリア層)に導電性物質を配合することが考えられる。しかしながら、燃料バリア性に優れる層に導電性物質を配合すると、中空構造体の低温耐衝撃性が劣ることが分かった。その改善のために、導電性物質を含む前記ポリアミド樹脂層の厚さを薄くしたり、柔軟性の高い樹脂を外層として積層させることで低温耐衝撃性を担保することなどが考えられる。しかしながら、このような方法を用いると、燃料バリア性が劣ってしまう場合があることが分かった。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、燃料バリア性、層間接着性および低温耐衝撃性に優れた燃料用中空構造体を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリアミド樹脂層を少なくとも2層有する構造体とし、さらに、その内側の層として、導電層を設け、3層中の中間層に燃料バリア性の高いポリアミド樹脂を配合し、かつ、ポリオレフィンを配合し、3層中の外側の層に柔軟性の高いポリアミド樹脂を用いることにより、上記課題は解決された。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>外側から、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)、および、導電層(C)を、前記順に有する、燃料用中空構造体であって、前記ポリアミド樹脂層(A)が、ポリアミド樹脂(a)を含み、前記ポリアミド樹脂(a)は、全構成単位の90モル%以上が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位、および、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の1種以上であり、前記ポリアミド樹脂層(B)が、ポリオレフィンと、ポリアミド樹脂(b1)と、ポリアミド樹脂(b2)とを含み、前記ポリオレフィンの含有量は、前記ポリアミド樹脂層(B)の5~40質量%であり、前記ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5であり、前記ポリアミド樹脂(b1)は、ジアミン由来の構成単位がメタキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、前記ポリアミド樹脂(b2)は、ジアミン由来の構成単位がキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、前記導電層(C)がフッ素樹脂と導電性物質を含む、燃料用中空構造体。
<2>前記ポリアミド樹脂層(A)が、ポリオレフィンを含む、<1>に記載の燃料用中空構造体。
<3>前ポリアミド樹脂層(A)に含まれるポリオレフィンの含有量が、前記ポリアミド樹脂層(A)中、1~30質量%である、<2>に記載の燃料用中空構造体。
<4>前記ポリアミド樹脂層(A)に含まれるポリオレフィン、および、ポリアミド樹脂層(B)に含まれるポリオレフィンが、それぞれ、酸変性ポリオレフィンである、<2>または<3>に記載の燃料用中空構造体。
<5>前記ポリアミド樹脂層(B)は、前記ポリオレフィンと、前記ポリアミド樹脂(b1)と、前記ポリアミド樹脂(b2)の合計が、前記ポリアミド樹脂層(B)の95質量%超を占める、<1>~<4>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
<6>前記フッ素樹脂が、フルオロエチレン(共)重合体を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
<7>前記フッ素樹脂が酸変性エチレン/テトラフルオロエチレンプロピレン共重合体である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
<8>前記導電性物質が、導電性炭素化合物を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
<9>前記導電性物質がカーボンブラックおよび/またはカーボンナノチューブを含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
<10>前記ポリアミド樹脂層(A)が、可塑剤を、前記ポリアミド樹脂層(A)中、1~20質量%の割合で含む、<1>~<9>のいずれか1つに記載の燃料用中空構造体。
本発明により、燃料バリア性、層間接着性および低温耐衝撃性に優れた燃料用中空構造体を提供可能になった。
本発明の燃料用中空構造体の断面の一例を示す模式図である。 実施例における接着性試験の方法を示すイメージ図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における中空構造体とは、中空構造を有する構造体であって、断面に対して長手方向が十分に長いものが好ましく、チューブ、パイプ、ホース等を含み、チューブであることが好ましい。
本明細書で示す規格が年度によって、測定方法等が異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の燃料用中空構造体(以下、単に、「中空構造体」ということがある)は、外側から、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)および導電層(C)を、前記順に有する、燃料用中空構造体であって、前記ポリアミド樹脂層(A)が、ポリアミド樹脂(a)を含み、前記ポリアミド樹脂(a)は、全構成単位の90モル%以上が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位、および、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の1種以上であり、前記ポリアミド樹脂層(B)が、ポリオレフィンと、ポリアミド樹脂(b1)と、ポリアミド樹脂(b2)とを含み、前記ポリオレフィンの含有量は、前記ポリアミド樹脂層(B)の5~40質量%であり、前記ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5であり、前記ポリアミド樹脂(b1)は、ジアミン由来の構成単位がメタキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、前記ポリアミド樹脂(b2)は、ジアミン由来の構成単位がキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、前記導電層(C)がフッ素樹脂と導電性物質を含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、燃料バリア性、層間接着性および低温耐衝撃性に優れた燃料用中空構造体を提供可能になる。
<燃料用中空構造体>
本実施形態における燃料用中空構造体(以下、単に、「中空構造体」ということがある)は、外側から、ポリアミド樹脂層(A)(以下、単に、「層(A)」ということがある)、ポリアミド樹脂層(B)(以下、単に、「層(B)」ということがある)および導電層(C)(以下、単に、「層(C)」ということがある)を、前記順に有する。具体的には、図1は、本発明の燃料用中空構造体の断面の一例を示す模式図であり、Aはポリアミド樹脂層(A)を、Bはポリアミド樹脂層(B)を、Cは導電層(C)をそれぞれ示している。
本実施形態の中空構造体においては、ポリアミド樹脂層(A)とポリアミド樹脂層(B)が接していても接していなくてもよいが、通常、ポリアミド樹脂層(A)とポリアミド樹脂層(B)が接している。ポリアミド樹脂層(A)とポリアミド樹脂層(B)が接していない場合、その間には両層と接着する酸基を有する接着性樹脂またはポリアミド樹脂を積層することが望ましく、酸基を有する接着性樹脂を積層させることがより望ましい。本実施形態の中空構造体においては、ポリアミド樹脂層(B)と導電層(C)が接していても接していなくてもよいが、通常、ポリアミド樹脂層(B)と導電層(C)が接している。ポリアミド樹脂層(B)と導電層(C)が接していない場合、その間には両層と接着する酸基を有する接着性樹脂またはポリアミド樹脂を積層することが望ましく、酸基を有する接着性樹脂を積層させることがより望ましい。また、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)および導電層(C)は、それぞれ1層ずつであってもよいが、2層以上ずつであってもよい。加えて、層(C)の内側および/または層(A)の外側にさらに層を有していてもよい。しかしながら、層(C)の内側には層を有さないことが好ましい。
本実施形態の中空構造体の好ましい層構成は、外側から、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)および導電層(C)を、前記順に有し、ポリアミド樹脂層(A)とポリアミド樹脂層(B)が接しており、ポリアミド樹脂層(B)と導電層(C)が接していることが好ましい。さらに、導電層(C)の外側には何ら層を有さない、すなわち、導電層(C)が最内層であることが好ましい。
本実施形態の中空構造体の好ましい層構成は、以下の通りである。
層(C)/層(B)/層(A)
層(C)/層(B)/層(B)/層(A)
層(C)/層(C)/層(B)/層(A)
層(C)/層(B)/層(A)/層(A)
層(C)/層(C)/層(B)/層(B)/層(A)
層(C)/層(B)/層(B)/層(A)/層(A)
層(C)/層(C)/層(B)/層(A)/層(A)
層(C)/層(C)/層(B)/層(B)/層(A)/層(A)
さらに、上記層構成において、層(C)の内側に、さらに、層を有する層構成も好ましい。また、上記層構成において、層(A)の外側に、さらに、層を有する層構成も好ましい。
本実施形態の中空構造体が、層(A)~層(C)以外の層を有する場合、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレンおよび塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂から構成される樹脂層、接着層などが例示される。
<ポリアミド樹脂層(A)>
ポリアミド樹脂層(A)は、ポリアミド樹脂(a)を含み、前記ポリアミド樹脂(a)は、全構成単位の90モル%以上が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位、および、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の1種以上である層である。このように比較的柔軟性の高いポリアミド樹脂(a)を含むポリアミド樹脂層(A)を用いることにより、低温耐衝撃性を向上させることができる。
ポリアミド樹脂(a)は、全構成単位の90モル%以上が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位、および、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の1種以上であるが、全構成単位の95モル%以上が上記構成単位から構成されることが好ましく、全構成単位の99モル%以上が上記構成単位から構成されることがより好ましい。
また、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位と炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の両方を含む場合、少なくとも一方は、炭素数10~12であることが好ましい。このような構成とすることにより、より柔軟性に優れた中空構造体が得られる。
また、ポリアミド樹脂(a)は、下記(a1)および/または(a2)のポリアミド樹脂を含むことがより好ましく、(a1)のポリアミド樹脂を含むことがさらに好ましい。
(a1)全構成単位の90モル%以上が炭素数10~12のラクタム由来の構成単位および/または炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位であるポリアミド樹脂(好ましくは炭素数10~12のラクタム由来の構成単位)
(a2)全構成単位の90モル%以上が、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位と炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位であるポリアミド樹脂
ポリアミド樹脂(a1)において、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位および炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位の炭素数は、柔軟性、入手容易性等の観点から炭素数11~12が好ましく、炭素数12がより好ましい。
炭素数10~12のラクタム由来の構成単位および炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位は、通常、下記式(I)で示されるω-アミノカルボン酸単位からなる。
Figure 2022162765000002
式(I)において、pは9~11の整数を表し、好ましくは10~11であり、さらに好ましくは11である。
ポリアミド樹脂(a1)は、式(I)で表される構成単位を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
炭素数10~12のラクタム由来の構成単位を構成する化合物としては、具体的には、デカンラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタムが挙げられる。また、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位を構成する化合物としては、10-アミノデカン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸が挙げられる。
ポリアミド樹脂(a1)は、ラクタム由来の構成単位およびアミノカルボン酸由来の構成単位以外の他の構成単位を含んでいてもよい。他の構成単位としては、炭素数10~12のラクタム以外のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸以外のアミノカルボン酸由来の構成単位、ジアミン由来の構成単位、ジカルボン酸由来の構成単位が挙げられる。
炭素数10~12のラクタム以外のラクタムとしては、炭素数3~9のラクタムが挙げられ、具体的には、ε-カプロラクタム、ω-エナントラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドンなどが例示される。また、炭素数10~12のアミノカルボン酸以外のアミノカルボン酸としては、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸などが例示される。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、1,15-ペンタデカンジアミン、1,16-ヘキサデカンジアミン、1,17-ヘプタデカンジアミン、1,18-オクタデカンジアミン、1,19-ノナデカンジアミン、1,20-エイコサンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、3-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン;1,3-または1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-または1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)プロパン、5-アミノ-2,2,4-トリメチルシクロペンタンメタナミン、5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメタナミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミンなどの脂環式ジアミン;パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの芳香環を有するジアミン等を挙げることができる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3-または1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン-4,4’-ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-、2,6-または2,7-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(a1)としては、ウンデカンラクタム由来の構成単位および11-アミノウンデカン酸由来の構成単位の少なくとも一方を主成分とするポリアミド11、または、ドデカンラクタム由来の構成単位および12-アミノドデカン酸由来の構成単位の少なくとも一方を主成分とするポリアミド12、あるいは、これらポリアミド11とポリアミド12の混合物が好ましく、ポリアミド12がより好ましい。
ポリアミド樹脂(a1)は、また、国際公開第2017/094564号の段落0011~0019の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミド樹脂(a2)においては、全構成単位の90モル%以上が、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位と炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位である。ポリアミド樹脂(a2)は、好ましくは、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位および炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の少なくとも一方の炭素数が10~12であり、より好ましくは、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位および炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の両方の炭素数が10~12である。
炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸は、炭素数10~12の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましく、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸等がより好ましい。ポリアミド樹脂(a2)は炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、炭素数5以下または炭素数13以上の脂肪族ジカルボン酸、および、芳香族ジカルボン酸が例示される。炭素数5以下または炭素数13以上の脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸が例示される。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸が例示される。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、炭素数6~12の脂肪族ジアミンを構成する脂肪族基は、直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、飽和脂肪族基であっても、不飽和脂肪族基であってもよいが、通常は、直鎖状の飽和脂肪族基である。脂肪族基の炭素数は、好ましくは8~12であり、より好ましくは9~12であり、さらに好ましくは10~12である。ポリアミド樹脂(a2)のジアミン由来の構成単位を構成しうる化合物は、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミンが例示される。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(a2)は、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位以外の脂肪族ジアミン由来の構成単位を含んでいてもよい。炭素数6~12の脂肪族ジアミン以外のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,3-または1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-または1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(a2)は、また、国際公開第2017/094564号の段落0020~0027の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミド樹脂層(A)中のポリアミド樹脂(a)の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、65質量%以上であることが一層好ましく、70質量%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、ポリアミド樹脂層(A)の燃料バリア性をある程度以上担保しつつ、かつ、ポリアミド樹脂層(B)との接着性により優れる傾向にある。また、ポリアミド樹脂層(A)中のポリアミド樹脂(a)の含有量は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、86質量%以下であることがさらに好ましく、84質量%以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、耐衝撃改質剤(例えば、ポリオレフィン)の十分な添加が可能になり、得られる中空構造体が低温耐衝撃性により優れる傾向にある。
ポリアミド樹脂層(A)は、ポリアミド樹脂(a)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
ポリアミド樹脂層(A)は、また、ポリオレフィンを含んでいてもよい。ポリオレフィンを含むことにより、低温耐衝撃性をより向上させることができる。
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン等のα-オレフィンの単独重合体および/または共重合体が好ましい。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等を用いることができる。
また、共重合体としては、エチレン、プロピレンおよびブテンの少なくとも2種の共重合体や、エチレン、プロピレンおよびブテンの少なくとも1種とこれらと共重合することができる単量体との共重合体を用いることができる。エチレン、プロピレンおよびブテンの少なくとも1種と共重合することができる単量体としては、例えば、α-オレフィン、スチレン類、ジエン類、環状化合物、酸素原子含有化合物等が挙げられる。特に好ましい共重合体としては、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体などが挙げられ、エチレン/ブテン共重合体が好ましい。
α-オレフィン、スチレン類、ジエン類、環状化合物、酸素原子含有化合物の詳細は、国際公開第2017/094564号の段落0044の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
共重合体は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであってもよい。
本実施形態では、ポリオレフィンは、酸変性ポリオレフィンであることが好ましい。酸変性ポリオレフィンは、カルボン酸および/またはその誘導体で酸変性されたポリオレフィン、ならびに、カルボン酸および/またはその誘導体で酸変性され、さらに酸変性によって分子内に導入された官能基を介してポリアミドがグラフト結合してなるポリオレフィン(「ポリアミドでグラフト変性されたポリオレフィン」ともいう。)が好ましい。酸変性ポリオレフィンを用いることにより、ポリアミド樹脂層(B)に含まれるポリアミド樹脂(b)に対して親和性を有する官能基を分子内に導入することができる。また、ポリアミド成分に対して親和性を有する官能基を介して、ポリアミドがさらにグラフト変性されていることにより、ポリアミド樹脂(b)に対する親和性をより高めることができる。
ポリアミド成分に対して親和性を有する官能基としては、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基およびエポキシ基などが好ましく挙げられる。
ポリオレフィンを酸変性させ得る化合物としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、エンドビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ-[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物、マレイミド、N-エチルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどが好ましく挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、他の樹脂との溶融混合性の観点から無水マレイン酸が好ましい。
本実施形態において、特に好適に用いられる酸変性ポリオレフィンとしては、弾性率、柔軟性および耐衝撃性の観点から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン/ブテン共重合体等の無水マレイン酸変性α-オレフィンコポリマーおよび脂肪族ポリアミドでグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。中でも、無水マレイン酸変性エチレン/ブテン共重合体が特に好ましく用いられる。
本実施形態では特に、ポリアミド樹脂層(A)およびポリアミド樹脂層(B)に含まれるポリオレフィンが、それぞれ、酸変性ポリオレフィンであることが好ましい。
その他、ポリオレフィンの詳細は、国際公開第2017/094564号の段落0042~0056の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミド樹脂層(A)におけるポリオレフィンの含有量は、ポリオレフィンを含有する場合、1質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、12質量%以上であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、低温耐衝撃性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド樹脂層(A)におけるポリオレフィンの含有量は30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、22質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが一層好ましく、17質量%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、ポリアミド樹脂(a)の割合を相対的に多くでき、ポリアミド樹脂(a)が本来的に有する燃料バリア性を効果的に発揮させることができる。
ポリアミド樹脂層(A)は、ポリオレフィンを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、ポリアミド樹脂層(A)は可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤を含むことにより、低温耐衝撃性をより向上させることができる。特に、本実施形態では、燃料バリア性に優れたポリアミド樹脂層(B)を設けることにより、ポリアミド樹脂層(A)に可塑剤を配合しても、溶出物量を低くできる。すなわち、燃料は、層(C)、層(B)、層(A)と移動し、可塑剤を取り込んで、層(B)、層(C)の順に戻り、チューブ内に溶出する溶出物となり得る。本実施形態では、ポリアミド樹脂層(B)に高いバリア機能を持たせたことにより、燃料の層間の移動を効果的に抑制でき、可塑剤を配合しても溶出物の量を低く抑えることが可能になる。
可塑剤としては、ベンゼンスルホン酸アルキルアミド、トルエンスルホン酸アルキルアミド、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが例示され、ベンゼンスルホン酸アルキルアミドが好ましい。
ベンゼンスルホン酸アルキルアミドとしては、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド(N-ブチルベンゼンスルホンアミド)、ベンゼンスルホン酸2-エチルヘキシルアミド等が挙げられる。トルエンスルホン酸アルキルアミドとしては、N-エチル-o-トルエンスルホン酸ブチルアミド、N-エチル-p-トルエンスルホン酸ブチルアミド、N-エチル-o-トルエンスルホン酸2-エチルヘキシルアミド、N-エチル-p-トルエンスルホン酸2-エチルヘキシルアミド等が挙げられる。ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルとしては、o-ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p-ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、o-ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、p-ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、o-ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、p-ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、o-ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、p-ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、o-ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、p-ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、o-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、o-ヒドロキシ安息香酸ブチル、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、o-ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、p-ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、o-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、p-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、o-ヒドロキシ安息香酸デシル、p-ヒドロキシ安息香酸デシル、o-ヒドロキシ安息香酸ドデシル、p-ヒドロキシ安息香酸ドデシル等が挙げられる。
ポリアミド樹脂層(A)における可塑剤の含有量は、可塑剤を含む場合、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、低温耐衝撃性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド樹脂層(A)における可塑剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、17質量%以下であることがさらに好ましく、16質量%以下であることが一層好ましく、15質量%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、溶出物量をより少なくすることが可能になる。
ポリアミド樹脂層(A)は可塑剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂層(A)中の、ポリオレフィンと可塑剤の質量比率が、1:0.2~3.5であることが好ましく、1:0.2~2.0であることがより好ましく、1:0.3~0.95であることがさらに好ましく、1:0.4~0.8であることが一層好ましい。このような範囲とすることにより、低温耐衝撃性を効果的に維持しつつ、溶出物量を効果的に少なくすることができる。
ポリアミド樹脂層(A)は、上記の他、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、ポリアミド樹脂(a)以外の熱可塑性樹脂、導電性物質、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機充填剤、帯電防止剤、難燃剤、相溶化剤、結晶化促進剤、ポリオレフィン以外の耐衝撃改質剤などが挙げられる。これらの他の成分の合計含有量は、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。
本実施形態において、ポリアミド樹脂層(A)は、ポリアミド樹脂(a)ならびに、必要に応じ配合される、ポリオレフィンおよび可塑剤の合計含有量が層(A)の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めることがさらに好ましく、99質量%以上を占めることが一層好ましい。
ポリアミド樹脂層(A)は、また、導電性物質を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、導電層(C)に含まれる導電性物質の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂層(A)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき、10%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、50%以上であることが一層好ましく、60%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、中空構造体の低温耐衝撃性がより向上する傾向にある。ポリアミド樹脂層(A)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることがさらに好ましく、75%以下であることが一層好ましく、72%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、バリア層、導電層を機能的な厚みで積層することができ、燃料バリア性および導電性がより向上する傾向にある。
ポリアミド樹脂層(A)の厚さは、また、100μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、400μm以上であることがさらに好ましく、500μm以上であることが一層好ましく、600μm以上であることがより一層好ましい。ポリアミド樹脂層(A)の厚さは、また、3000μm以下であることが好ましく、2000μm以下であることがより好ましく、1100μm以下であることがさらに好ましく、900μm以下であることが一層好ましく、800μm以下であることがより一層好ましい。
<ポリアミド樹脂層(B)>
ポリアミド樹脂層(B)は、ポリオレフィンと、ポリアミド樹脂(b1)と、ポリアミド樹脂(b2)とを含み、ポリオレフィンの含有量は、ポリアミド樹脂層(B)の5~40質量%であり、ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5であり、ポリアミド樹脂(b1)は、ジアミン由来の構成単位がメタキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、ポリアミド樹脂(b2)は、ジアミン由来の構成単位がキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含む。
上述の通り、ポリアミド樹脂層(B)は、ポリオレフィンを含む。ポリオレフィンを含むことにより、中空構造体の低温耐衝撃性を向上させることができる。
ポリオレフィンは、酸変性ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンの詳細は、上記ポリアミド樹脂層(A)で述べたポリオレフィンと同義であり、好ましい範囲も同様である。
ポリアミド樹脂層(B)におけるポリオレフィンの含有量は、5質量%以上であり、6質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがさらに好ましく、8質量%以上であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、低温耐衝撃性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド樹脂層(B)におけるポリオレフィンの含有量は40質量%以下であり、35質量%以下であることが好ましく、28質量%以下であることがさらに好ましく、25質量%以下であることが一層好ましく、18質量%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、燃料バリア性がより向上し、溶出物量をより効果的に抑制できる。
ポリアミド樹脂層(B)は、ポリオレフィンを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
上述の通り、層(B)は、ポリアミド樹脂(b1)と、ポリアミド樹脂(b2)とを含み、ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5である。ポリアミド樹脂(b1)を配合することにより、燃料バリア性に優れ、かつ、溶出物量の少ない中空構造体が得られる。また、ポリアミド樹脂(b2)を配合することにより、層(A)および層(C)との接着性が向上する。さらに、ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)上記所定の比率とすることにより、燃料バリア性と、接着性をバランスよく達成できる。
ポリアミド樹脂(b1)は、ジアミン由来の構成単位がメタキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含む。ポリアミド樹脂(b1)を含むことにより、中空構造体の燃料バリア性が高くなる。さらに、溶出物量も減らすことができる。
ポリアミド樹脂(b1)においては、ジアミン由来の構成単位中のメタキシリレンジアミン由来の構成単位の割合は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、一層好ましく98モル%以上である。
ポリアミド樹脂(b1)は、メタキシリレンジアミン由来の構成単位以外のジアミン単位を含んでいてもよい。例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3-または1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-または1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;パラキシリレンジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等の化合物に由来するジアミン単位が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(b1)においては、ジカルボン酸由来の構成単位中の炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸)由来の構成単位の割合は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、一層好ましく98モル%以上である。
炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましい。炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等が挙げられ、アジピン酸が好ましい。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(b1)は、炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。
炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位としては、シュウ酸、マロン酸等の炭素数3以下の脂肪族ジカルボン酸;アゼライン酸、セバシン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸等の炭素数9以上の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(b2)においては、ジアミン由来の構成単位がキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含む。ポリアミド樹脂(b2)を含むことにより、ポリアミド樹脂層(B)とポリアミド樹脂層(A)との接着性が向上する。
ポリアミド樹脂(b2)においては、ジアミン由来の構成単位中のメタキシリレンジアミン由来の構成単位の割合は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、一層好ましく98モル%以上である。
ポリアミド樹脂(b2)は、メタキシリレンジアミン由来の構成単位以外のジアミン単位を含んでいてもよい。例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3-または1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-または1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等の化合物に由来するジアミン単位が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(b2)においては、ジカルボン酸由来の構成単位中の炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸(好ましくはセバシン酸)由来の構成単位の割合は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、一層好ましく98モル%以上である。
炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましい。炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸が挙げられ、セバシン酸が好ましい。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂(b2)は、炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。
炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位以外のジカルボン酸単位としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等の炭素数8以下の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂層(B)においては、ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5であり、55/45~89/11であることが好ましく、55/45~85/15であることがより好ましく、65/35~85/15であってもよい。
ポリアミド樹脂層(B)におけるポリアミド樹脂(b1)と(b2)の合計含有量は、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが一層好ましく、85質量%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、燃料バリア性が向上し、溶出物量をより少なくできると共に、ポリアミド樹脂層(A)や導電層(C)との接着性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド樹脂層(B)にポリアミド樹脂(b1)と(b2)の合計含有量は95質量%以下であることが好ましく、94質量%以下であることがより好ましく、93質量%以下であることがさらに好ましく、92質量%以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、耐衝撃改質剤を十分に配合することが可能になり、低温耐衝撃性により優れる傾向にある。
ポリアミド樹脂層(B)は、ポリアミド樹脂(b1)および(b2)をそれぞれ1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
ポリアミド樹脂層(B)は、上記の他、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、ポリアミド樹脂(b1)および(b2)以外の熱可塑性樹脂、導電性物質、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機充填剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ポリオレフィン以外の耐衝撃改質剤などが挙げられる。これらの他の成分の合計含有量は、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。
本実施形態において、ポリアミド樹脂層(B)は、ポリアミド樹脂(b1)、ポリアミド樹脂(b2)、および、ポリオレフィンの合計含有量が層(B)の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%超を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めることがさらに好ましく、99質量%以上を占めることが一層好ましい。
ポリアミド樹脂層(B)は、また、導電性物質を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、導電層(C)に含まれる導電性物質の含有量の10質量%以下であることをいい、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂層(B)は、また、可塑剤を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、ポリアミド樹脂層(B)の0.1質量%以下であることをいい、0.05質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましい。
ポリアミド樹脂層(B)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき、3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、15%以上であることが一層好ましく、18%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、燃料バリア性がより向上すると共に、溶出物量をより低くすることができる。ポリアミド樹脂層(B)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましく、30%以下であることが一層好ましく、26%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、層(A)を機能的な厚みで積層することができ、高い燃料バリア性と低温耐衝撃性を両立する傾向にある。
ポリアミド樹脂層(B)の厚さは、また、30μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、130μm以上であることがさらに好ましく、150μm以上であることが一層好ましく、180μm以上であることがより一層好ましい。ポリアミド樹脂層(B)の厚さは、また、1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、400μm以下であることが一層好ましく、300μm以下であることがより一層好ましい。
<導電層(C)>
導電層(C)はフッ素樹脂と導電性物質を含む。
フッ素樹脂を含むことにより、高い柔軟性と燃料バリア性の両方が達成でされる。また、導電性物質を含むことにより、中空構造体に導電性を付与することができる。
本実施形態における導電層(C)は、280℃で中空構造体に成形した際に、前記中空構造体を半分に割り、内層表面を抵抗率計で測定した抵抗値が、30MΩ/sq.以下であることが好ましく、20MΩ/sqがさらに好ましく、10MΩ以下であることがさらに好ましい。このような抵抗値とすることにより、導電性に優れた中空構造体とすることができる。前記抵抗値の下限値は、例えば、0.01MΩ以上である。前記抵抗率計は、ロレスタ-GX MCP-T700、日東精工アナリテック社製を用いることができる。
フッ素樹脂は導電性樹脂である。フッ素樹脂は、また、酸変性されていることが好ましい。酸変性フッ素樹脂を用いることにより、ポリアミド樹脂層(C)に含まれるポリアミド樹脂(c)との接着性をより向上させることができる。酸変性に用いられる酸としては、カルボン酸、無水カルボン酸であることが好ましい。
フッ素樹脂の融点は、300℃以下が好ましく、280℃以下がより好ましく、260℃以下がさらに好ましい。下限値としては、特に定めるものでは無いが、例えば、100℃以上とすることができる。フッ素樹脂の融点は、ISO 11357-3の記載に従って測定される。
本実施形態で用いることができるフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体、パーフルオロアルコキシ/テトラフルオロメチレン共重合体等が挙げられる。
本実施形態では、特に、フルオロエチレン(共)重合体を含むことが好ましく、テトラフルオロエチレン(共)重合体またはフルオロエチレンプロピレン共重合体を含むことがより好ましく、エチレン/フルオロエチレンプロピレン共重合体(EFEP)を含むことがさらに好ましい。また、これらの重合体が酸変性されていることが好ましい。フルオロエチレン(共)重合体のような柔軟性があり、かつ、酸変性されているフッ素樹脂を用いることにより、低温耐衝撃性および層間バリア性を確保することが可能になる。
尚、(共)重合体とは、単独重合体および/または共重合体であることを意味する。
導電層(C)におけるフッ素樹脂の含有量は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、97質量%以上であることが一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、低温耐衝撃性がより向上する傾向にある。また、導電層(C)におけるフッ素樹脂の含有量は、100質量%未満であることが好ましく、導電性物質以外の成分が全てフッ素樹脂となる量であってもよい。前記上限値以下とすることにより、低温耐衝撃性、および、燃料バリア性がより向上する傾向にある。
導電層(C)はフッ素樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
導電層(C)は導電性物質を含む。導電性物質を含むことにより、中空構造体に導電性を付与することができる。
本実施形態に用いる導電性物質は、金属、金属酸化物、導電性炭素化合物および導電性ポリマーが例示され、導電性炭素化合物が好ましい。
金属としては、金属フィラーやステンレス繊維、磁性フィラーが好ましい。金属酸化物としては、アルミナ、酸化亜鉛が例示され、アルミナ繊維、酸化亜鉛ナノチューブが好ましい。導電性炭素化合物としては、カーボンブラック、ケッチェンカーボン、グラフェン、黒鉛、フラーレン、カーボンナノコイル、カーボンナノチューブ、カーボンファイバーが好ましく、カーボンブラックおよび/またはカーボンナノチューブがより好ましく、カーボンブラックがさらに好ましい。
導電層(C)における導電性物質の含有量は、導電層(C)中、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.010質量%以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、中空構造体に効果的に導電性を付与できる傾向にある。導電層(C)における導電性物質の含有量は、ポリアミド樹脂層(C)中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが一層好ましい。
導電層(C)は、導電性物質を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
導電層(C)は、上記の他、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、フッ素樹脂以外の樹脂、ポリオレフィン、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機充填剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ポリオレフィン以外の耐衝撃改質剤などが挙げられる。これらの他の成分の合計含有量は、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。
本実施形態において、導電層(C)は、フッ素樹脂、および、導電性物質の合計含有量が層(C)の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めることがさらに好ましく、99質量%以上を占めることが一層好ましい。
本実施形態において導電層(C)はポリオレフィンの含有量が、0~7質量%であることが好ましく、0~6質量%であることがより好ましく、0~3質量%であってもよく、さらには、0~1質量%であってもよい。このように本実施形態では、導電層(D)にポリオレフィンを配合しない、または、配合量を少なくしても、フッ素樹脂を用いることにより、低温耐衝撃性に優れた中空構造体とすることができる。
導電層(C)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき、3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、7%以上であることがさらに好ましく、8%以上であることが一層好ましく、9%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、導電層厚みが安定し、導電性の効果がより向上する傾向にある。導電層(C)の厚さは、中空構造体の厚み全体を100%としたとき。20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましく、17%以下であることがさらに好ましく、16%以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、コスト面で優位性を示す傾向にある。
導電層(C)の厚さは、また、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましく、70μm以上であることが一層好ましく、80μm以上であることがより一層好ましい。導電層(C)の厚さは、また、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、200μm以下であることが一層好ましく、150μm以下であることがより一層好ましい。
<中空構造体の特性>
本実施形態の中空構造体におけるポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)および導電層(C)の厚さは、層(A)の厚さ>層(B)の厚さ>層(C)の厚さであることが好ましい。さらに、層(A)の厚さと層(B)の厚さの比である、層(A)の厚さ/層(B)の厚さが2.0~5.0であることが好ましく、2.5~4.5であることがより好ましい。また、層(B)の厚さと層(C)の厚さの比である、層(B)の厚さ/層(C)の厚さが1.0~3.0であることが好ましく、1.5~2.5であることがより好ましい。このような層構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本実施形態の中空構造体の総厚みは、用途に応じて適宜設定すればよく特に制限されないが、10μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることがさらに好ましく、700μm以上であることが一層好ましい。また、前記総厚みの上限は、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることがさらに好ましく、1.5mm以下であることが一層好ましい。
本実施形態の中空構造体は、燃料輸送配管材などとして好適に用いることができる。例えば、ヘキサン、オクタンなどのアルカン;トルエン、ベンゼンなどの芳香族化合物;メタノール、エタノールなどのアルコール;イソオクタンとトルエンとアルコールとを混合したアルコールガソリンなどの燃料輸送配管材などとして特に適している。
本実施形態の中空構造体は、押出機を用いて、溶融押出し、環状ダイを通じて円筒状に押し出し、寸法を制御するサイジングフォマーを通して賦型し、水槽等で冷却後、引取機により巻き取ることにより製造することができる。
具体的には、層(A)、層(B)および層(C)を構成する材料を、それぞれ押出機を用いて、溶融押出し、ダイ内に供給し、各々環状の流れをなした後、ダイ内もしくはダイ外に同時押出することにより積層する方法(共押出法)、または、単層の中空成形体を製造しておき、外側に必要に応じて接着剤を使用し、樹脂を一体化しながら積層する方法(コーティング法)により製造することができる。なお、導電性物質は、熱可塑性樹脂でマスターバッチ化してから、フッ素樹脂に配合してもよい。また、マスターバッチ化する熱可塑性樹脂はフッ素樹脂が好ましい。
本実施形態の中空構造体は、少なくとも一部に波形領域を有していてもよい。ここで波形領域とは、波形形状、蛇腹形状、アコーディオン形状、またはコルゲート形状等に形成した領域をいう。波形領域を有する中空構造体は、直管状の中空構造体を成形した後、モールド成形し、所定の波形形状を形成することにより容易に形成することができる。また、中空構造体に、例えば、コネクタなどの必要な部品を付加したり、曲げ加工によりL字もしくはU字などの形状に成形することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
原料
<ポリアミド樹脂層(A)>
ポリアミド樹脂(a)
PA12:ポリアミド12、宇部興産製、UBESTA3030U
PA1010:ポリアミド1010、アルケマ(株)製、「リルサン」TESN P213TL
PA612:ポリアミド612、宇部興産製、UBESTA7034B
可塑剤
BBSA:N-ブチルベンゼンスルホンアミド、大八化学工業株式会社製、BM-4
ポリオレフィン
PO:無水マレイン酸1質量%変性エチレン/ブテン共重合体、三井化学(株)製、タフマーMH5020
<ポリアミド樹脂層(B)>
ポリアミド樹脂(b1)
MXD6:以下の合成例により合成した。
撹拌機、分縮器、全縮器、圧力調整器、温度計、滴下槽およびポンプ、アスピレーター、窒素導入管、底排弁、ストランドダイを備えた内容積50Lの耐圧反応容器に、精秤したアジピン酸9000g(61.6mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物2.6gおよび酢酸ナトリウム1.0gを入れ、十分に窒素置換した後、反応容器内を密閉し、容器内を0.4MPaに保ちながら撹拌下190℃まで昇温した。190℃に到達後、反応容器内の原料へ滴下槽に貯めたメタキシリレンジアミン8480g(62.2mol)の滴下を開始し、容器内を0.4MPaに保ちながら生成する縮合水を系外へ除きながら反応槽内を250℃まで昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、徐々に260℃まで昇温しつつ、反応容器内を徐々に常圧に戻し、次いでアスピレーターを用いて反応槽内を80kPaに減圧して縮合水を除いた。減圧中に撹拌機の撹拌トルクを観察し、所定のトルクに達した時点で撹拌を止め、反応槽内を窒素で加圧し、底排弁を開け、ストランドダイからポリマーを抜き出してストランド化したのち、冷却してペレタイザーによりペレット化することにより、MXD6を得た。
ポリアミド樹脂(b2)
MXD10:以下の合成例により合成した。
<MXD10の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、圧力調整器、温度計、滴下槽およびポンプ、アスピレーター、窒素導入管、底排弁、ストランドダイを備えた内容積50Lの耐圧反応容器に、精秤したセバシン酸12564g(62.2mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物3.2gおよび酢酸ナトリウム1.3gを入れ、十分に窒素置換した後、反応容器内を密閉し、容器内を0.4MPaに保ちながら撹拌下190℃まで昇温した。190℃に到達後、反応容器内の原料へ滴下槽に貯めたメタキシリレンジアミン8480g(62.2mol)の滴下を開始し、容器内を0.4MPaに保ちながら生成する縮合水を系外へ除きながら反応槽内を250℃まで昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、徐々に260℃まで昇温しつつ、反応容器内を徐々に常圧に戻し、次いでアスピレーターを用いて反応槽内を80kPaに減圧して縮合水を除いた。減圧中に撹拌機の撹拌トルクを観察し、所定のトルクに達した時点で撹拌を止め、反応槽内を窒素で加圧し、底排弁を開け、ストランドダイからポリマーを抜き出してストランド化したのち、冷却してペレタイザーによりペレット化することにより、MXD10を得た。
ポリオレフィン
PO:無水マレイン酸1質量%変性エチレン/ブテン共重合体(三井化学(株)製、タフマーMH5020)
<導電層(C)>
導電性樹脂:
EFEP:導電性炭素化合物を含む酸変性エチレン/テトラフルオロエチレンプロピレン共重合体(EFEP):ダイキン製、RPS-5000AS
実施例1~17、比較例1~4
<ポリアミド樹脂層(A)形成用組成物の製造>
表1~表4に示す質量割合となるように、ポリアミド樹脂(a)に、ポリオレフィン(PO)を予め混合し、ニーディングディスクを備えたφ34mmスクリュー径の二軸溶融混練機に供給し、シリンダー温度180℃~240℃で溶融混練した。前記二軸溶融混練機のシリンダーの途中から、可塑剤としてBBSAを定量ポンプにより注入し溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド樹脂層(A)形成用組成物(ペレット)を得た。
<ポリアミド樹脂層(B)形成用組成物の製造>
表1~表4に示す質量割合となるように、ポリアミド樹脂(b1)と(b2)および、ポリオレフィン(PO)を予め混合し、ニーディングディスクを備えたφ34mmスクリュー径の二軸溶融混練機に供給し、シリンダー温度180℃~260℃で溶融混練した。溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド樹脂層(B)形成用組成物(ペレット)を得た。
<中空構造体の製造>
上記で得られたポリアミド樹脂層(A)形成用組成物、ポリアミド樹脂層(B)形成用組成物、および、導電層(C)形成用組成物を用いて、5台の押出機を備えた多層中空構造体成形機にて、層(A)押出温度240℃、層(B)押出温度260℃、層(C)押出温度280℃、積層後流路温度280℃にて、外側から順に、層(A)/層(B)/層(C)からなる多層中空構造体(外径:8mm、内径:6mm)を形成した。ただし、比較例4は、層(A)/層(C)からなる多層中空構造体(外径:8mm、内径:6mm)とした。なお、各層の厚みは、表1~表4に示す通りとした。
<低温耐衝撃性>
得られた多層中空構造体について、以下の方法で低温耐衝撃性を評価した。
-40℃の条件下に上記で得られた中空構造体を4時間静置後、300mmの高さから0.9kgの重りを落として割れ(クラック)の発生の有無を確認し、以下の通り評価した。C以上が実用レベルである。
A:5本中割れなし
B:5本中1本または2本割れ
C:5本中3本または4本割れ
D:5本中5本割れ
<燃料バリア性>
上記作製した多層中空構造体33cmにCE10(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10、体積比)約9mLを封入し、60℃の雰囲気下に静置した。封止後、100時間後、多層中空構造体の重量変化を測定し、1日当たりの1m2でのCE10の透過量を算出した。
以下の通り評価した。B以上が実用レベルである。
A:10g/m2・day以下
B:10g/m2・day超15g/m2・day以下
C:15g/m2・day超20g/m2・day以下
D:20g/m2・day超
<層間接着性(T-ピール試験)>
(A)層と(B)層の接着性、および、(B)層と(C)層の接着性について、以下の通り評価した。
図2にイメージ図を示す通り、上記で得られた製造後、23℃、相対湿度50%下に1週間静置した後の多層中空構造体の長手方向であって、直径を通る断面(図2のX)で半分に割り、ポリアミド樹脂層(A)/ポリアミド樹脂層(B)/ポリアミド樹脂層(C)からなる平板状の多層体の形にした。前記平板状多層体のポリアミド樹脂層(A)側とポリアミド樹脂層(B)、および、ポリアミド樹脂層(B)とポリアミド樹脂層(C)とをピンセットを用い引き剥がした。層間で剥離が生じた構成においてはそれぞれ剥がれた面(ポリアミド樹脂(A)層とポリアミド樹脂(B)層、または、ポリアミド樹脂(B)層とポリアミド樹脂(C)層)の端をチャックで固定し引き合うように引張試験機を用い、下記の条件で剥離強度(Tピール)を測定した。各層間接着性の結果から、最も低い値の結果を、その構成の層間接着性とした。
試験速度:50mm/min
試験環境:23℃/50%相対湿度(RH)
剥離角度:90℃
C以上が実用レベルである。
A:剥離不可(または剥離応力20N以上)
B:剥離応力15N/cm以上20N/cm未満
C:剥離応力10N/cm以上15N/cm未満
D:剥離応力10N/cm未満
Figure 2022162765000003
Figure 2022162765000004
Figure 2022162765000005
Figure 2022162765000006
上記結果から明らかなとおり、本発明の燃料用中空構造体は、燃料バリア性および層間接着性に優れつつ、かつ、低温耐衝撃性に優れたものであった(実施例1~17)。
これに対し、ポリアミド樹脂層(B)がポリアミド樹脂(b2)を含まない場合、低温耐衝撃性および層間接着性が劣っていた(比較例1)。
また、ポリアミド樹脂層(B)中のポリアミド樹脂(b1)の割合が少ない場合または含まない場合、さらには、ポリアミド樹脂層(B)を含まない場合、燃料バリア性が劣っていた(比較例2、比較例3、比較例4)。
A:ポリアミド樹脂層(A)
B:ポリアミド樹脂層(B)
C:導電層(C)

Claims (10)

  1. 外側から、ポリアミド樹脂層(A)、ポリアミド樹脂層(B)、および、導電層(C)を、前記順に有する、燃料用中空構造体であって、
    前記ポリアミド樹脂層(A)が、ポリアミド樹脂(a)を含み、
    前記ポリアミド樹脂(a)は、全構成単位の90モル%以上が、炭素数10~12のラクタム由来の構成単位、炭素数10~12のアミノカルボン酸由来の構成単位、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位、および、炭素数6~12の脂肪族ジアミン由来の構成単位の1種以上であり、
    前記ポリアミド樹脂層(B)が、ポリオレフィンと、ポリアミド樹脂(b1)と、ポリアミド樹脂(b2)とを含み、
    前記ポリオレフィンの含有量は、前記ポリアミド樹脂層(B)の5~40質量%であり、
    前記ポリアミド樹脂(b1)とポリアミド樹脂(b2)の含有量の質量比率(b1/b2)が55/45~95/5であり、
    前記ポリアミド樹脂(b1)は、ジアミン由来の構成単位がメタキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数4~8の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、
    前記ポリアミド樹脂(b2)は、ジアミン由来の構成単位がキシリレンジアミン由来の構成単位を70モル%以上含み、ジカルボン酸由来の構成単位が炭素数9~12の脂肪族ジカルボン酸由来の構成単位を70モル%以上含み、
    前記導電層(C)がフッ素樹脂と導電性物質を含む、燃料用中空構造体。
  2. 前記ポリアミド樹脂層(A)が、ポリオレフィンを含む、請求項1に記載の燃料用中空構造体。
  3. 前ポリアミド樹脂層(A)に含まれるポリオレフィンの含有量が、前記ポリアミド樹脂層(A)中、1~30質量%である、請求項2に記載の燃料用中空構造体。
  4. 前記ポリアミド樹脂層(A)に含まれるポリオレフィン、および、ポリアミド樹脂層(B)に含まれるポリオレフィンが、それぞれ、酸変性ポリオレフィンである、請求項2または3に記載の燃料用中空構造体。
  5. 前記ポリアミド樹脂層(B)は、前記ポリオレフィンと、前記ポリアミド樹脂(b1)と、前記ポリアミド樹脂(b2)の合計が、前記ポリアミド樹脂層(B)の95質量%超を占める、請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
  6. 前記フッ素樹脂が、フルオロエチレン(共)重合体を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
  7. 前記フッ素樹脂が酸変性エチレン/テトラフルオロエチレンプロピレン共重合体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
  8. 前記導電性物質が、導電性炭素化合物を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
  9. 前記導電性物質がカーボンブラックおよび/またはカーボンナノチューブを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
  10. 前記ポリアミド樹脂層(A)が、可塑剤を、前記ポリアミド樹脂層(A)中、1~20質量%の割合で含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の燃料用中空構造体。
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