JP2022161619A - 光透過性加飾材及び表示装置 - Google Patents

光透過性加飾材及び表示装置 Download PDF

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Katsunori Nishijima
剛 尾▲崎▼
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Abstract

【課題】被観察物を、歪んだりすることなくより鮮明に空中表示する。【解決手段】映像を表示する発光表示体2のオンオフに応じて、映像を表示する状態と、自己に設定されている意匠を表示する状態とに切り替え可能な表示装置用の光透過性加飾材5であって、透明フィルム基材5aと、透明フィルム基材5aの両面にそれぞれ設けられた表面加飾層5b及び裏面加飾層5cと、を有し、表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、非光透過領域の中に複数の光透過領域が分散されることで加飾パターンを構成し、透明フィルム基材5aの各点において透明フィルム基材5aに直交する方向から見たときの表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域とが重なる面積よりも、各点において透明フィルム基材5aを斜め方向から見たときの表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域とが重なる面積の方が大きくなるようにする。【選択図】 図1

Description

本発明は、光透過性加飾材及び表示装置に関する。
従来、空中に被観察物の像を結像させて見ることができると共に、微細な光透過部や光遮蔽部を多数有する光透過性シートを使用することで透過率を調整するようにした表示装置(例えば、特許文献1参照。)、また、このような空中に被観察物の像を結像させるようにした表示装置を、自動車などの輸送機器の運転台に設けられる計器盤などに適用し、計器盤の表示内容を空中に表示することで、運転者に注意喚起を行うようにした表示装置(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
また、表示装置の表面側に光透過性シートを設け、表示装置の電源がオフのときには光透過性シートの表面に設けた、空間と調和したデザインを保持し、表示装置の電源がオンのときには、表示装置からの光が光透過性シートを透過することで、表示装置が表示している文字や図形等の映像を視認できるようにした表示装置(例えば、特許文献3参照)等も提案されている。
特開2012-247458号公報 特許第5498853号公報 特開2018-128581号公報 特開2020-149010号公報 特開2021-009920号公報 特許第3980242号公報 特許第6725917号公報
表示装置の電源がオンのときには表示装置が表示している映像を空中映像として視認でき、表示装置の電源がオフのときには空間と調和したデザインを保持する為に、多数の光透過領域を持った加飾シートを観察者側に備えた空中映像の表示装置において、強度を持たせるために厚手の材料で加飾シートを作る場合、空中映像表示のために映像の光を斜めに出射させる必要があり、対策として光透過領域を広く作ろうとすると、表示装置の電源がオフの際に加飾された面積が少なくデザイン性が悪くなる。また、光透過領域として断面が傾斜した孔を開けて対応しようとすると、特に高密度な光透過領域を作る場合に加飾シートの強度の維持が難しくその製造も難しくなる。
一方、透明な基材に光透過領域を持った加飾印刷を施して加飾シートを製作する場合は、観察者が通常観察しない方向からも光透過領域や、光透過領域を通して表示装置の(一般には黒色の)表面が目立つことからデザインを損なう問題があった。その製造においても、たとえば自然物の加飾印刷は複数回インク層を形成しなければデザイン性の高い加飾印刷は難しいが、複数回の加飾印刷の過程において上記光透過領域にインクがはみ出て映像の光を遮り、空中映像が鮮明にならない問題があった。
そこで、この発明は、従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、デザイン性が高く強度がありながら、鮮明に空中表示することの可能な光透過性加飾材及び表示装置を低コストで提供することを目的としている。
本発明の一実施形態に係る光透過性加飾材は、映像を表示する発光表示体の前記映像の出射側に設けられ、前記発光表示体のオンオフに応じて前記映像を表示する状態と、自己に設定されている意匠を表示する状態とに切り替え可能な表示装置用の光透過性加飾材であって、透明フィルム基材と、当該透明フィルム基材の表面に設けられた表面加飾層と、前記透明フィルム基材の裏面に設けられた裏面加飾層と、を有し、前記表面加飾層及び前記裏面加飾層は、非光透過領域の中に複数の光透過領域が分散されることで加飾パターンを構成し、前記透明フィルム基材の各点において当該透明フィルム基材に直交する方向から見たときの前記表面加飾層の前記光透過領域と前記裏面加飾層の前記光透過領域とが重なる面積よりも、前記各点において前記透明フィルム基材を斜め方向から見たときの前記表面加飾層の前記光透過領域と前記裏面加飾層の前記光透過領域とが重なる面積の方が大きいことを特徴としている。
また、本発明の他の実施形態に係る表示装置は、映像を表示する発光表示体と、前記発光表示体からの光を入射し、前記映像を空中像として結像させる空中結像光学系と、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光透過性加飾材と、を備え、当該光透過性加飾材は、前記空中結像光学系の前記空中像を結像する側に設けられていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、光透過性加飾材を曲面等に適用する場合であっても、光透過性加飾材を透過した映像をより鮮明に表示させることができる。
本発明の一実施形態に係る表示装置の概略構成の一例を示す断面図である。 表示装置の構成の一例を示す説明図である。 加飾パターンの設計方法を説明するための説明図である。 モワレを防止するための光透過領域の設計方法を説明するための説明図である。 モワレを防止するための光透過領域の設計方法を説明するための説明図である。 光透過性加飾材の作成方法を説明するための説明図である。 光透過性加飾材の作成方法を説明するための説明図である。 光透過性加飾材の作成方法を説明するための説明図である。 光透過性加飾材の作成方法を説明するための説明図である。 表面加飾層及び裏面加飾層の加飾パターンの一例である。 表面加飾層及び裏面加飾層の加飾パターンのその他の例である。 光透過性加飾材のその他の例である。 光透過性加飾材のその他の例である。 大型の空中映像表示用の光透過性加飾材の一例である。 表示装置の適用例である。
本発明に係る表示装置の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する実施形態のみに限定されるものではない。
〔表示装置の構成〕
図1は、本発明に係る表示装置1の一例を示す概略構成図である。
表示装置1は、LEDディスプレイ等の発光表示体2と、発光表示体2の発光面側に配置される再帰性反射材3と、再帰性反射材3の前記発光表示体2とは逆側に配置された透明基材4と、透明基材4の再帰性反射材3とは逆側の面に貼付された光透過性加飾材5と、を備える。
なお、図1では、透明基材4を備えているが、透明基材4は必要に応じて設ければよく、本発明においては、透明基材4を備える光透過性加飾材も、透明基材を備えない光透過性加飾材のいずれも光透過性加飾材5と称している。
発光表示体2と再帰性反射材3とで、発光表示体2の映像を、再帰性反射材3を挟んで逆の面側に空中表示する公知の空中表示装置を形成している。
光透過性加飾材5は光透過性を有し、発光表示体2が作動時には、発光表示体2の映像を透過して空中映像を表示し、発光表示体2が非作動時には光透過性加飾材5の再帰性反射材3とは逆側の面に印刷された意匠が表示されるようになっている。つまり、発光表示体2が非作動時には、外光による光透過性加飾材5の意匠による表面反射の光が強く加飾の意匠が観察され、発光表示体2が作動時には、意匠からの反射光の強さよりも光透過性加飾材5の光透過領域を透過した光が強くなることで発光表示体2の映像を観察者に提示する。
また、光透過性加飾材5はできるだけ多くの方向から観察しても、その加飾の意匠が観察されることが望まれる。光透過性加飾材5が表面にのみ(光透過領域をもった)表面加飾層5bを作る場合、光透過領域の部分は全ての方向から光透過性加飾材5の裏面側の様子が見えてしまうが、光透過性加飾材5の裏面にも(光透過領域をもった)裏面加飾層5cをもつことで、その光透過領域の相対位置によって決まる限られた方向から観察した時以外では加飾性を発揮することを可能にする。特に、曲面の外形を有するものから空中映像を提示する場合や、再帰性反射材を用いた空中映像の方式のように光透過性加飾材5の表面に対して垂直ではない、所定の方向から観察したときに空中映像を提示するときに有効である。
上記のように曲面の外形を有する物から空中映像を提示する場合や、再帰性反射材のように垂直以外の方向の限られた方向にのみ空中映像を提示する場合には、光透過性加飾材5は斜めの方向にのみ光透過性を発揮させる必要が生じるが、これを不透明材料に多数の傾斜した貫通孔を形成する事で実現しようとすると、曲面形状の材料に様々な方向から斜めにドリルで孔を開ける操作を繰り返す必要があり、その穴の個数が1万箇所を超えるときなどは、その加工には時間と労力がかかり非現実的である。一方、本実施形態に係る表示装置1は、透過性加飾材5の表面加飾層5bと裏面加飾層5cのデザインだけで実現でき時間と労力が不要であり、その結果、不透明材料に多数の傾斜した貫通孔を形成する事で実現する場合に比較して、より低コストで実現することができる。
なお、本実施形態では、光透過性加飾材5の意匠を提示する際には発光表示体2をオフにしているが、発光表示体2をオフにしなくても、発光表示体2の発光輝度を十分抑えることで、発光表示体2がオフ状態である場合と同等の状態にすることも可能である。さらに発光表示体2の映像が、意匠に照明される外光の光に応じた色と明るさと同等となるように外光の強度をセンサで測定したうえでその出力に応じて発光表示体2を動作させて、光透過性加飾材5の光透過領域が目立たなくすると、さらに光透過性加飾材5の意匠を自然なものにすることができる。本発明において、意匠の表示を中心的に提示する状態、つまり意匠による表面反射の光が、光透過性加飾材5の光透過領域を透過した発光表示体2からの光と同程度やそれよりも強いときの発光表示体2の動作状態を、発光表示体2をオフにすると表現し、発光表示体2の表示する映像の輝度を上げることによって中心的に観察者に提示する状態、つまり光透過性加飾材5の光透過領域を透過した発光表示体2からの光が、意匠による表面反射の光よりも強いときの発光表示体2の動作状態を、発光表示体2をオンにすると表現するものとする。
透明基材4は、再帰性反射材3とは逆側に凸となる凸面状を有し、表示装置1は、例えば、光透過性加飾材5が張りつけられた透明基材4が前面に配置された表示装置ユニットを構成し、表示装置ユニットは、取り付け場所の前面と透明基材4に張り付けられた光透過性加飾材5とが面一となるように取り付けられる。例えば、車両のダッシュボードに取り付ける場合には、ダッシュボードの前面と、透明基材4の表面に張りつけられた光透過性加飾材5の表面とが面一となるように表示装置ユニットがとりつけられる。そのため、透明基材4は、取り付け場所の前面の形状に合った形状に形成される。
本実施形態では、表裏両面に印刷により加飾層が形成された光透過性加飾材5を形成したのちに、光透過性加飾材5を、透明基材4に被せるか、あるいは貼り付けている。構成上、透明基材4の両面に加飾層を形成し、両面の加飾層の対を構成することで、透明基材4の表裏間で光の透過を可能にすることも考えられるが、透明基材4の表裏間で位置合わせを行うことは、実際には困難であり、空中映像を表示する為の光を所定の方向に向かわせる制御が極めて困難になる。また、光透過性加飾材の表面の加飾層と透明基材の表面に形成する加飾層の対によって光の透過する方向を制御することはさらに難しい。本実施形態では、光透過性加飾材5の表裏両面に光の透過する加飾層を形成した後に、光透過性加飾材5を透明基材4に接着しているため、より高い精度で位置合わせされた加飾層を有する透明基材4を得ることができる。
なお、本実施形態に係る全ての図において理解を容易にするために、光透過領域の大きさを実際より大きく描いており、よって光透過領域が形成される数も少なく描かれている。発光表示体2の提示する映像情報が観察者に伝わる面密度でデザインされればよい。
また、空中結像光学系として再帰性反射材3を用いた場合、再帰性反射材3と発光表示体2との間の距離と、再帰性反射材3と空中映像との間の距離とが同一で互いに面対称の位置となる。この場合、再帰性反射材3と結像された空中映像Wとの間の距離として、数センチから数十センチを確保して表示装置1を構成することが一般的である。空中結像光学系として再帰性反射材3と共に光学レンズを用いてもよく、光学レンズを組み合わせることによって、再帰性反射材3と空中映像との間の距離を変更することができる。光学レンズとしてフレネルレンズを用いると比較的大きな映像表示を可能にすることが可能であり、本発明はこれら光学レンズを再帰性反射材の表側、裏面何れかに用いることを除外しない。
空中結像光学系として、再帰性反射材3に替えてレンチキュラーレンズシートを用いてもよい。レンチキュラーレンズシートを用いて空中映像を結像させる場合には、一般に、レンチキュラーレンズシートは平面型高精細ディスプレイに密着するように配置すればよい。また、平面型高精細ディスプレイに替えて、近年開発が進むフィルムディスプレイを用い、フィルムディスプレイの表面にレンチキュラーレンズシートを張り付けて空中映像を表示するようにしてもよい。レンチキュラーレンズシートを用いる場合、平面型高精細ディスプレイ或いはフィルムディスプレイ等の発光表示体2の表示画面に密着或いは極接近してレンチキュラーレンズシートを配置して表示装置1を構成すればよく、レンチキュラーレンズを用いた空中映像表示技術やシステムは公知であるからここではこれ以上の説明を要しない。
また、空中結合光学系として、再帰性反射材3に替えてマイクロレンズアレイを用いても良い。特許文献6、または特許文献7に記載の方法に従う2重のマイクロレンズアレイを用いることでもよい。本方法でも、マイクロレンズアレイと空中映像が結像する空中像の間に光透過性加飾材が位置して適用される。
〔表示装置の動作〕
このように形成された表示装置ユニットを例えば車両のダッシュボードに配置する。光透過性加飾材5の表面の意匠を、ダッシュボード表面の意匠と同様に形成することによって、発光表示体2が非作動時には、光透過性加飾材5の表面の意匠とダッシュボードの前面の意匠とが連続した意匠となり、ダッシュボード表面の加飾柄による質感提示を行う。逆に、発光表示体2が作動時には、発光表示体2の映像は、再帰性反射材3により光透過性加飾材5の裏面側に投影され、光透過性加飾材5を透過して空中で結像される。これにより、発光表示体2の映像が空中表示され、運転者は、表面からは見えない発光表示体2の映像を視認することができる。
次に、表示装置1を構成する各部について説明する。
〔光透過性加飾材〕
光透過性加飾材5は、図2に示すように、透明フィルム基材5aと、透明フィルム基材5aの表面に形成された表面加飾層5bと、透明フィルム基材5aの裏面に形成された裏面加飾層5cとを備える。表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、それぞれ非光透過領域の中に複数の光透過領域が分散されることで加飾パターンを構成している。光透過領域a1は例えば円形領域として形成され、表面及び裏面加飾層5b、5cにおいて、複数の円形の光透過領域a1が形成されている。この裏面加飾層5cの、透明フィルム基材5aとは逆側の面に、透明フィルム基材5aよりも肉厚の透明基材4(図示せず)が配置されるようになっている。
表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、例えば、光透過領域a1には印刷を行わず、非光透過領域a2には印刷することで形成される。例えば、透明フィルム基材5aの両面それぞれに、UV硬化性インクを用いてスクリーン印刷等の方法により印刷することができる。
なお、表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、他のパターニング形成方法を用いて形成してもよい。UV硬化性インクを用いたインクジェット印刷では、UV硬化性インクの透明樹脂成分が透明部分に付着すると、透明であっても映像が不鮮明になる。特に、光透過領域a1の面積が小さい場合には、例えば、予め光透過領域にインクをはじくパターンを印刷しておき、光透過領域の光散乱を防止することはより望ましい。
なお、上述のようにインクジェット印刷以外であっても、例えば光透過領域とする箇所にのみ剥離層によるパターンを、グラビア印刷やナノプリントといわれる手法でパターン形成した後に全面印刷し、その後に剥離除去して光透過領域を形成してもよい。光透過領域で透過する光の意図しない屈折を避けることで、空中映像の鮮明化の効果がある。
光透過性加飾材5の表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、透明ではない凹凸を有し、かつ光透過領域となる孔を有する樹脂膜を張り付けることで形成してもよい。また、蒸着マスクを用いた真空蒸着によって表面加飾層5b及び裏面加飾層5cを形成してもよい。さらに、光透過性加飾材5の表面加飾層5b及び裏面加飾層5cは、感光性樹脂を塗布した後に、露光及び現像を行うことによって、パターン形成を行う方法や、特許文献4及び5に示すようにエマルジョンを用いてパターン形成を行う方法を用いることも可能である。特に、エマルジョンを用いたパターン形成の方法においては、高さが例えば1mmのパターンも現像プロセスなしで形成することができるため、光透過性加飾材5としてより質感のあるものを形成することができる。
〔光透過性加飾材のデザイン〕
発光表示体2の映像を空中表示しない場合の、光透過性加飾材5の質感向上を図るため、表面加飾層5bの表面の彩色、つまり、非光透過領域の彩色は、発光表示体2が非作動時に、光透過性加飾材5を表面加飾層5b側から観察した際に、表示装置1の設置箇所における表面加飾層5bの周囲の色合いとマッチし、意図した質感向上の効果を挙げる色が好ましい。どのような色を選択すべきかについては演出の問題であるが、特に、光透過領域が目立たないように、表示装置1の設置箇所における表面加飾層5bの周囲の色合いと等しくなるような色を選択することが好ましい。
さらに、表面加飾層5bは、その表面に繊維状の材料を被せることで、より周囲の環境デザインにマッチした質感を提示するようにしてもよい。ここでいう繊維とは、糸状の材料の集合によってなるものであって、光透過性加飾材5の裏面から入力された光が表面加飾層5bに被せられた繊維に当たることで、この光を遮る繊維については問題ないが、裏面からの光を屈折させる特性を有する繊維は好ましくない。光透過性加飾材5の裏面から入力された光を繊維が屈折させることで、空中映像の生成に必要な、発光表示体2からの光の直進性を損なうからである。
一方、裏面加飾層5cの非光透過領域の彩色は、表面加飾層5b側から光透過性加飾材5を見た場合に、表面加飾層5bの光透過領域を通して見える裏面加飾層5cが、その周囲の色合いと全く同じであることで発光表示体2がオフの時はその存在を隠すことが可能になる。また裏面加飾層5cの非光透過領域の彩色は、同じで無くとも、デザイン的に意図した質感向上の効果を挙げる色が好ましい。
〔加飾パターン〕
表面加飾層5b及び裏面加飾層5cの加飾パターンは、図1に示すように、透明基材4に貼付された光透過性加飾材5を透過して、光透過性加飾材5の透明基材4と逆の面側に、発光表示体2の映像が空中表示されるように形成される。また、表面加飾層5bは、光透過性加飾材5の表面の意匠が、表示装置1が収納された例えばダッシュボードの前面と同一の意匠となるように形成される。
〔表面加飾層の光透過領域と裏面加飾層の光透過領域との位置関係〕
表面加飾層5bの光透過領域と、裏面加飾層5cの光透過領域とは、図1に示すように、透明フィルム基材5aの各点において透明フィルム基材5aに直交する方向から見たときの表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域とが重なる面積よりも、各点において透明フィルム基材5aを斜め方向から見たときの表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域とが重なる面積の方が大きいことが好ましい。
このように配置することによって、図1に示すような曲面に光透過性加飾材5が設置された状態で発光表示体2がオフの際に、垂直方向からみて光透過領域の孔の色や動作していない発光表示体2の色が見える面積が少なくなる。また予め想定した方向から空中映像を見る場合にあっては、発光表示体2からの光を十分透過させることができ、鮮明な空中映像を提示することができる。
さらに、発光表示体2がオンの状態において、特に再帰性反射材3を用いる場合に、意図しない方向から見た際に空中映像を見せないことで、空中映像ではない例えば発光表示体2からの直接映像、あるいはゴーストと呼ばれる映像を見えなくすることが可能になる。再帰性反射材3における、所定の方向以外から観察するときに見えてしまう本来の空中映像(2回反射を反射材内部で行わずに透過する光によりなる像)については公知でありここではこれ以上の説明を要しない。
〔光透過領域の水平方向の幅〕
表面加飾層5b及び裏面加飾層5cにおいて、裏面加飾層5cの加飾パターン(以後、裏面加飾パターンともいう。)の光透過領域の水平方向の幅は、表面加飾層5bの加飾パターン(以後、表面加飾パターンともいう。)の光透過領域の幅よりも長い(図2ではそのように描画せず)。その理由を、図3(a)及び図3(b)を用いて説明する。なお、ここでいう水平方向とは、一般に人(空中映像の観察者)が観察する際の、両眼を結ぶ線分の伸びる方向をいう。
図3(a)は、空中映像の観察者の両眼と、再帰性反射材3及び空中映像との位置関係を表す上面図である。なお、光透過性加飾材5は省略している。図3(b)は、光透過性加飾材5の一部を示す断面図である。
なお、図3(a)における再帰性反射材3の左右方向(水平方向に一致)が表示装置1の発光表示体2の左右方向(水平方向に一致)に対応している。
また、図3(b)における光透過性加飾材5の左右方向が発光表示体2の左右方向に対応している。
空中映像は、両眼視差を応用したものであって、両眼それぞれが空間に浮かぶ映像(空中映像W)(図示せず)に焦点を合わせて観察する。これは空中映像から例えば30cm離れて観察する場合、表面加飾層5bの光透過領域から左右の眼の両方に向けて映像光を傾斜して出射する必要があることを意味し、よってより近づいて空中映像を見る場合や、大きな空中映像Wを見せる場合には、より左右の方向に傾斜して光を出射する必要がある。したがって、表面加飾層5bの光透過領域の面積が限られている場合、表面加飾層5bか、裏面加飾層5cの光透過領域の少なくともいずれかは横に長く形成する必要がある。この場合、表面加飾層5bの光透過領域を横に長く形成すると加飾によるデザイン性が悪化する為に、表面加飾層5bの光透過領域の面積は最小にし、代わりに裏面加飾層5cの光透過領域を左右に長く形成しなければならないこととなる。観察者が空中映像に接近すればするほど、裏面加飾層5cは、より横長の開口部(光透過領域)が必要になる。空中映像と観察者の目との間の距離をL、両眼の目の間隔をhとすると、図3(a)に示すように、空中映像を観察者が見るときの、表面加飾層5bの開口領域(光透過領域)から出射する光線の角度T1、つまり、左右両眼に入る空中映像を形成する光線の視差角の半角は、近似的にatan(h/2L)となる。
その一方で、表面加飾層5bの光透過領域の水平方向(または観察者両眼を結ぶ方向)の幅をmとし、透明フィルム基材5aの厚さをdとし、裏面加飾層5cの光透過領域の幅をnとすると、図3(b)に示す断面図における位置関係から、表面加飾層5bの光透過領域の左端と裏面加飾層5cの光透過領域の左端とがなす角度T2(=atan((n-m)/2d)が角度T1よりも小さいと、光透過性加飾材5の裏面に入射された発光表示体2からの映像光は、表面加飾層5bの光透過領域から部分的にしか出射することができず、光透過性加飾材5を部分的にしか透過することができない。表面加飾層5bの光透過領域の右端と裏面加飾層5cの光透過領域の左端とがなす角度T3(=atan((n+m)/2d))よりも、角度T1が大きいと、発光表示体2からの映像光は、全く裏面加飾層5cに遮られてみることができない。つまり、両眼のいずれからみたT1もT2より大きければ、裏面加飾層5cにより遮られることなく見ることができ、より好ましい。
したがって、これらの関係から、空中映像を観察者により明るく見せるためには、裏面加飾層5cの開口幅nは、dh/L-mより大きい必要があり、望ましくはdh/L+m以上であることが望まれる。
ここで、観察者と空中映像との距離は人体の腕の長さ(例えば60cm程度)以下でなければ空中映像表示システムの操作を人の手によって行うには困難であり、さらに、人の顔面の両眼距離を10cmと仮定すると、裏面加飾層5cの開口幅nは12×d-mより大きい必要がある。さらに、より望ましくは、人体の腕の長さ(60cm程度)の距離でも完全にディスプレイからの光が両眼で観察される裏面加飾層5cの開口幅nは12×d+m以上であることが明らかである。
〔光透過領域の垂直方向の幅〕
次に、光透過領域の垂直方向の形状と位置について説明する。ここでいう垂直方向とは、一般に人が観察する際の、両眼を結ぶ線分の伸びる方向に垂直な方向をいう。
垂直方向では両眼視差を考慮する必要はないが、十分な明るさを持った空中映像を映すために垂直方向にも十分な幅(高さ)に光透過領域を形成することが望まれる。
一方、あまり大きな垂直方向の幅(高さ)を採用すると、発光表示体2が非作動である状態において、光透過領域が目立ち加飾層によるデザイン性を発揮させることができない。光透過領域の面積は抑えながら質感を向上する工夫として、表面加飾層5bの光透過領域の高さを抑え、幅を大きくするデザインが求められる。例えば、表面加飾層5bの光透過領域の縦幅:横幅=1:3以上にすることで、例えば木材のデザインが表面加飾層5bの柄に採用された際に、植物の導管に模した柄に似た絵柄となり、質感を損なわずに済む。
〔光透過領域とモワレ抑制〕
表面加飾層5bの光透過領域の個々の横幅を、図4に示すように、再帰性反射材3の周期的なミラー構造における水平方向(観察者の両眼を結ぶ線分の方向)のピッチP、すなわち周期と等しくするか、ピッチPの整数倍にするか、好ましくはピッチPの3倍以上とすることで、再帰性反射材3の周期構造と周期的な光透過領域との干渉による“モワレ”現象の発生を抑制できる。幅方向に長くしても、縦方向に表面光透過領域と裏面光透過領域とをずらして形成すれば、例えば光透過性加飾材5を垂直に観察すると、表面又は裏面加飾層5b、5cのいずれかの加飾層しか見えないために、高い質感を出すことができる。
なお、空中結像光学系としてレンチキュラーレンズシートを用いた場合には、レンチキュラーレンズシートの1周期(かまぼこ状レンズを為している透明な凸形状の長手方向垂直方向の周期)をピッチPとして設定すればよい。
さらに、マイクロレンズアレイを用いた場合はマイクロレンズアレイの配置される周期をピッチPとして表面加飾層5bの光透過領域の個々の横幅を設定することが好ましい。いずれも上記光透過性領域の個々の形状は水平方向の長い長方形(4つの角が丸くてもよい)が望ましく、ピッチPと等しくするか、ピッチPの整数倍にするか、好ましくはピッチPの3倍以上とすることが、モワレの発生を抑制することから望ましい。
また、表面加飾層5bの光透過領域を横長の形状とすることで、発光表示体2の画素とのモワレ(色むら、明暗むら)を抑制しながら、光透過領域の面積の抑制を図るようにしてもよい。つまり、図5中の、b1、b2に示すように、光透過領域が、1画素(R、G、B)よりも小さく、透過する光が、RとG(b1)、GとB(b2)のように異なると、観察者には異なる色に見える。これに対し、図5中のb3及びb4に示すように、光透過領域が1画素よりも大きいと、観察者は、異なる色にみえにくくなるが、光透過領域が円形であるためにRとGとBの各色の面積が互いに異なる影響が残る。
そこで、図5中、b5に示すように、左右に長い(例えば長方形の)光透過領域を設け、各光透過領域を複数の画素からの光を透過させて観察させることで色むらを起こしにくくする。
また、図5中、b6に示すように、光透過領域を垂直方向に幅が大きくなるようにすると、光透過領域の面積が非光透過領域の面積に比較して大きくなり、発光表示体2が非作動時に、非光透過領域に描かれた柄等の加飾による質感表現効果が損なわれてしまう。
逆に、図5中、b7、b8に示すように、光透過領域の垂直方向の幅を狭くすることで光透過領域の面積を抑制すると、縦方向の明るさの均一性が損なわれやすい。
そこで、図5中、b9に示すように、行列に整列した画素に対して斜めに光透過領域を設定し、行列に整列した画素のうち、複数の行及び複数の列に跨がるように、光透過領域を形成することによって、明るさの均一性を確保するようにしてもよい。
〔透明フィルム基材、透明基材〕
透明フィルム基材5a、透明基材4は、これらに入射した光が透過する際に、入射した光の直進性を失わないことを条件とする。例えば、厚さ5mmの光学的に併列な透明アクリル材を緩やか(例えば曲率半径20cm)に屈曲する場合に、多少のレンズ効果があり方角が変化してもよいが、内部に多数の気泡や散乱材を含み白濁する材料や、表面に微細な乱反射を起こすような凹凸がある場合、空中映像の表示に支障が生じるため、再帰性反射材3による空中での結像が為されなくなることから、空中映像の表示に支障が生じない材料が好ましい。さらに、空中映像の歪みが起きる場合、歪みを補正するために発光表示体2で描く映像自体の補正を行っても良いが、空中映像の結像自体が阻害される場合、透明基材4自体を同じ厚さに作るのではなく局面形状に従って結像を阻害しない肉厚分布を光学設計に従って行うことが望ましい。光学設計手法は現在の技術で容易であり、ここではこれ以上の説明を行わない。
次に、本実施形態に係る表示装置1の実施例を、図2を用いて説明する。
<実施例1>
実施例1は、車両のダッシュボード等、円筒の中心線が水平となる、円筒外周の一部である円筒面状のパネルに表示装置1を配置したものであり、パネルの表面と光透過性加飾材の表面加飾層とが略面一となるように配置され、パネルをなす円筒面の表面と表示装置1の光透過性加飾材の表面加飾層とから表示装置1を備えたパネルを形成している。
表示装置1における光透過性加飾材は、円筒外周の一部である円筒面状を有する光透過性加飾材を備え、光透過性加飾材の表面は、パネルをなす円筒面の表面と同等の曲率半径を有する。
発光表示体2として5型ELディスプレイ、再帰性反射材3として株式会社アスカネット社製の樹脂製AIプレートを用い、図2と同様に、光透過性加飾材5を、再帰性反射材3の出射側に被せる。再帰性反射材3は、発光表示体2の表示画面と同等程度の大きさを有する矩形の板形状を有し、発光表示体2の表示画面と対向して配置される。光透過性加飾材5は、曲率半径が20cmである円筒の円筒面の一部をなす、20cm×20cmの湾曲した板状部材であって、円筒の中心線が水平となる状態(木製丸太横置き)で、再帰性反射材3とは逆側に凸となるように配置される。
そして、発光表示体2が非作動時には光透過性加飾材5の表面の例えば木目柄が観察され、発光表示体が作動時には発光表示体2の表示映像が、円筒面の一部をなす光透過性加飾材5の表面から約10cm離れた空中に表示される。
次に、図6及び図7を用いて本発明の一実施形態に係る光透過性加飾材5の作成手順を説明する。
図6は、図2に示す光透過性加飾材5を、発光表示体2の長手方向の一端側から見た図である。また、図7における透明フィルム基材5aの左右方向が、観察者における水平方向とは垂直な方向に対応している。
〔裏面加飾層印刷〕
まず、図7(a)に示すように、透明フィルム基材として厚さ200μmの透明PETフィルム(透明基材)を用い、図2に示すように、透明フィルム基材5aに、観察者の水平方向に対して垂直方向に250μmピッチで直径150μmの円形の光透過領域が並び、且つ、透明フィルム基材5aの左右方向に、250μmのピッチで並ぶように、光透過領域のパターンを、スクリーン印刷を用いて黄土色インクで印刷する(図7(b))。これにより、裏面加飾パターンを有する裏面加飾層が透明フィルム基材5aに印刷される。ここで黄土色としたのは、一般の加飾印刷は深い色合いを出すためであり、多数回の印刷や他の成膜方法を重ねて一つの加飾層を形成することを除外しない。
〔表面加飾層印刷〕
続いて、図7(c)に示すように、裏面加飾層が印刷された透明PETフィルム(透明フィルム基材5a)を裏返し、表面加飾パターンを有する表面加飾層を、インクジェット法を用いて印刷する。表面加飾層は、裏面加飾層の光透過領域と同一形状の円形の光透過領域を有するが、非光透過領域には、表示装置1の設置箇所の周囲の表示柄と同一の柄が印刷され、例えば、木材木目柄の印刷を行う。表面加飾層の直径150μmの光透過領域は、裏面の円形の光透過領域全てを、当該光透過性加飾材5が一部をなす円筒の円周方向(図7(c)における左右方向)に250μmだけずらした位置と対向する位置に印刷する。なお、観察者の左右方向に対応する方向における光透過領域の位置は、裏面加飾層の光透過領域の位置と同一となる位置に印刷する。
特に表面加飾層を0.3mm以上に厚く形成して意匠性の高いデザインを達成する方法として特許文献4及び5に記載の方法に基づき定着層を形成したのちに、その上にインクジェットを用いる印刷方法や染色手法に従って彩色を行うように互いに異なる手法を使って形成することも含むものとする。この手法は現像工程を不要とするものであって、現像工程により先に形成した裏面加飾層を使用する現像液の化学的な溶解作用によって損なうことなく意匠性の高い厚さのある表面加飾の形成を可能にする。
表面加飾層の光透過領域と裏面加飾層の光透過領域との、発光表示体2の上下方向に対応する位置がずれることにより、光透過性加飾材5を、光透過性加飾材5の表面と垂直となる方向から見ると、表面加飾層の光透過領域には裏面加飾層の黄土色の印刷面が位置するために、表面加飾層と裏面加飾層との組み合わせでより質感を向上させる効果がある。さらに、表面加飾層は完全な遮蔽能力を有さなくても、裏面加飾層があることで、より濃度の高い加飾効果を発揮できる。
なお、ここでは、裏面加飾層を印刷した後に表面加飾層を印刷する場合について説明したが、表面加飾層を印刷した後裏面加飾層を印刷してもよい。
〔視点変化への対応〕
再帰性反射材3は、その表面各点から様々な方向に映像光を投影したうえで空中に映像を結合することで、視点が変わっても所定の位置に映像を映写するものである。観察者の位置が固定していない場合は、一般に裏面側の光透過領域を大きく形成することで視点が変っても空中像を提示することが可能であり、裏面光透過領域を広く形成することで実現することができる。
〔位置合わせ〕
本実施形態では、表面の光透過領域と裏面の光透過領域との相対的な位置を制御することで、再帰性反射材3からの空中映像の光を通過する方向以外(観察者に空中映像を提示する方向以外)では裏面加飾層の色を見せることで質感を上げるために、互いの光透過領域の位置を精度よく形成する必要があるのは明白である。
このため、表面加飾層、裏面加飾層を印刷する際には、表裏何れかの側、例えば裏面の加飾層のパターンを形成した後、図7(c)に示すように、裏面パターン計測手段と、裏面加飾層が印刷された透明フィルム基材5aを保持する吸着移動ステージとを用い、印刷した裏面の加飾層のパターンの位置を、透明PETフィルム(透明フィルム基材5a)を介して拡大鏡(顕微鏡ビデオ)で確認しながら、表面の加飾層のパターンを印刷する。先に形成した加飾層のパターンと所定の位置関係になるように反対面の加飾パターンを形成する。図7(c)では顕微鏡ビデオを使うことを想定したが、位置合わせ模様や目印をあらかじめ形成しておきその位置を基準にして行ってもよい。
さらに、表裏面に加飾層を印刷した透明PETフィルム(透明フィルム基材5a)を、透明基材4に貼り合わせるための粘着剤を裏面加飾層に形成し(図7(d))、両面に加飾層が印刷された透明フィルムを厚さ1mmのアクリル製透明基材に接着する(図8(a)、(b))。しかる後にアクリル製透明基材を含む全体を屈曲して、上下方向の中央部近傍が凸となる曲面状の加飾材を形成する。アクリル製基材の屈曲に合わせて加飾層やフィルムが延伸変形してアクリル材の変形に追従し、図1記載の曲面形状の空中映像用加飾材を形成できる。
なお、図9(a)に示すように、屈曲された形状のアクリル製基材を用意し、このアクリル製基材と表裏面に加飾層を印刷した透明PETフィルムとを接着することで(図9(b))、曲面形状を有する光透過性加飾材5を形成してもよい。屈曲が容易な透明PETフィルムに、平面状態で表裏に加飾した後に厚い透明基材に接着することで、製造を容易にしている。
〔組み立て〕
図2に示すように、上述の手順で形成した、表裏に加飾層を形成した加飾フィルムが接着されたアクリル製基材の、曲面の内部側に再帰性反射材3を、固定治具を用いて固定した。
再帰性反射材3は互いに90度を為す多数の光学鏡面が面内垂直に平行に形成されたものであり、その望ましい観察方向は、互いに90度をなす2方向の光学鏡面の面に互いに45度をなす方角から観察する場合である。本実施例でも再帰性反射材を構成する2方向の鏡面からなる光学平面が、上記円筒形状中心線と45度で交差する向きに、発光表示体2及び再帰性反射材3を設置する。
発光表示体2としてELディスプレイを用いる場合も、上記再帰性反射材同様に、円筒形中心軸に平行(観察者両眼を結ぶ線に平行)し、再帰性反射材と45度円周方向に回転した位置に設置する。再帰性反射材とディスプレイ、及び観察者両眼の相対位置については、よく知られており本発明ではその説明を要しない。
〔効果〕
以上のように構成された表示装置1において発光表示体2を作動状態にし、上記再帰性反射材3の表面に対する法線方向から、光透過性加飾材5の円周方向つまり上下方向に45度傾斜した方向から表示装置1を観察すると、表示装置1の木材柄が施された表面から空中に浮かぶ空中映像を観察することができる。一方、発光表示体2をOFFにすると、光透過性加飾材5の曲面に対して垂直方向からみると、光透過性加飾材5の表面に形成された木材柄加飾柄のみが観察され、表面加飾層の光透過領域は裏面加飾材の黄土色をふさぐことで、黒色であるディスプレイの表面の色は観察されず、全体として木材柄の質感をよく表現することが確認される。したがって、表示装置1を観察する観察者の一般的な視線の方向が、再帰性反射材3の表面に対する法線方向から表示装置1の円周方向(上下方向)に45度傾斜した方向と一致するように、表示装置1を配置することによって、発光表示体2のスイッチのオンオフに合わせ、木材柄が質感よく表現された領域と空中映像とを切り替えて表示することができる。
<実施例1の変形例1a>
次に、実施例1において、観察される方向が明確な場合である変形例1aを、図9(b)を用いて説明する。図9(b)は、車両の運転者が、観察者であって、ダッシュボード等車両の内装に表示装置1を設置する場合の一例である。
実施例1では、表面加飾層の表面光透過領域と、裏面加飾層の裏面光透過領域とのずれが、全ての光透過領域について一定となるように加飾パターンを設計しているが、変形例1aでは、図9(b)に示すように、光透過性加飾材が曲面形状の光透過材に貼り付けられた状態を想定し、想定する位置から観察者が見た光透過領域の位置にしたがって、再帰性反射材からの映像光が観察者に届くように、表面加飾パターン及び裏面加飾パターンにおける光透過領域の相対的な位置を設計する。具体的な設計方法は、表示装置1に対して想定する位置に存在する観察者の、両眼から表面加飾層の光透過領域に伸ばした直線が、表面加飾層を通過して再帰性反射材に到達するように、裏面加飾層の光透過領域を形成する。つまり、実施例1における、表面側の光透過領域と裏面側の光透過領域との面積関係に比較して、さらに限定した面積で、表面側の光透過領域と裏面側の光透過領域を作成すればよい。このようにすることによって、発光表示体2が非作動時において、表面加飾層だけでは表現できなかった色合いを、裏面加飾層との組み合わせで表現できるため、より質感表示に優れたものになる効果を持つ。
さらに、実施例1の場合は、透明フィルムの表裏に加飾層を形成してそれを屈曲可能な透明基材に貼り付け、全体を屈曲して屈曲した空中映像用加飾材を構成したが、強い力がかかる変形例1aでは、透明基材として例えば5mm厚のアクリル樹脂製の円筒材の一部を用いる。使用する透明フィルムは例えば250μmであり、加飾層を形成した透明フィルムをアクリル樹脂製の円筒材の一部に貼り付ける。
これによって、車内のダッシュボード等に表示装置1を配置する場合であっても、強度的に十分な表示装置1を実現することができる。
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。実施例2は、裏面加飾層の光透過領域の形状を、水平方向(つまり、円柱中心軸方向)に長くしたものである。
本実施例では、円筒形中心軸方向からより大きく傾斜した光も、光透過性加飾材5を透過することで、より表示装置1側に近づいて空中映像の観察が出来るという長所を持たせることができる。
図10に、実施例2における光透過性加飾材5の表面加飾層及び裏面加飾層の加飾パターンの一例を示す。
図10において、光透過性加飾材5は、透明フィルム基材5aと、透明フィルム基材5aの表面に形成された表面加飾層5bと、透明フィルム基材5aの裏面に形成された裏面加飾層5cとを備える。透明フィルム基材5aは例えば厚さ200μmである。表面加飾層5bは、例えば、直径mが150μmの円形の光透過領域が複数形成され、図10では、例えば光透過領域が250μmのピッチで300行400列に整列して形成される(図10においては光透過領域の配置が判りやすいように透過領域のパターンを大きく、且つパターンの数を少なく描いている)。裏面加飾層5cの光透過領域は表面加飾層5bの光透過領域と対向して整列して形成されるが、円形ではなく表面加飾層5bの光透過領域よりも行方向に延びた略長方形状に形成される。
ここで、透明フィルム基材の厚さdを200μm(0.2mm)、表示装置1の観察者の両眼間の距離hを100mm、空中映像と観察者の目との間の距離Lを600mmとしたとき、再帰性反射材3からの立体映像の光を十分通すための、裏面加飾層5cの光透過領域の幅は次式(1)のように計算される。
dh/L+m
=(0.2mm)×(100mm)/(600mm)+(0.15mm)
≒0.1833mm
≒0.19mm ……(1)
(1)式から、裏面加飾層5cの光透過領域の幅は0.19mmとして形成する。
表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域との相対的な位置は、観察者の目と、光透過性加飾材5の各部分の視線からの傾斜角を導き、空中映像映写の為の光が観察者の目にすべて入る位置にする。近似的には、想定する観察者の両眼中央の点と、加飾材の各光透過領域の中央を結んだ線が、対応する各裏面側の横長に形成される光透過領域の中央に一致するようデザインすればよい。つまり、透明フィルム基材5aを斜め方向から見たときの表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域とが重なる面積が最大となるときの、透明フィルム基材5aを見るときの斜めの方向と、空中映像を観察する観察者の目の位置と表面加飾層5b、裏面加飾層5cの光透過領域の各点を結ぶことで決まる方向とが一致又はほぼ一致するように、デザインすればよい。
このようにすることで、特定の位置からのみ空中映像が観察されると同時に、その位置からずれた位置で観察すると、裏面加飾層5cの非光透過領域の印刷柄が表面からみえることで、観察者からは発光表示体2の画面がみえず、表面加飾層5bによる質感を向上させることができる。また、実施例1、2と同様に、表面加飾層5bだけでなく、裏面加飾層5cによってもコントラストの高い色彩表現が可能である。
<実施例3>
実施例2では、裏面加飾層5cのパターンは、観察者の両眼を結ぶ線分と平行となる方向に横長な光透過領域が複数整列して配置される形状であったが、図11に示すように、光透過領域を、観察者の両目を繋ぐ方向(一般には水平方向)と平行となる方向に伸びるストライプ形状にしてもよい。この場合、観察者と光透過性加飾材5との間の距離が遠くても近くであっても空中映像の観察に支障がなくなる一方、垂直方向(ストライプ形状の縞模様垂直方向)に観察者が移動する場合に限り、裏面加飾パターンが表面加飾層5bの光透過領域をふさぐために、ディスプレイオフ時に質感向上の効果をそのまま保つことができる。
<実施例4>
実施例4に係る表示装置1は、空中映像をより鮮明に表示するようにしたものである。
図12は、実施例4における光透過性加飾材5を説明するための図であって、(a)は実施例4における光透過性加飾材5の一例を示す断面図、(b)は比較例を示す断面図である。
実施例4における光透過性加飾材5は、図12(a)に示すように、表面加飾層5bと透明フィルム基材5aと表面加飾層5bとの間に、黒色層5dを備える。また、裏面加飾層5cの、透明フィルム基材5aとは反対側の面に黒色粘着層5eを備える。
黒色層5dは、光透過領域と、非光透過領域である黒色領域とを有し、表面加飾パターンと同一のパターンを有する。つまり、上面視で表面加飾層5bの光透過領域と黒色層5dの光透過領域とが重なり、表面加飾層5bの非光透過領域と黒色層5dの黒色領域とが重なる。
同様に、黒色粘着層5eは、光透過領域と、非光透過領域である黒色粘着領域とを有し、裏面加飾パターンと同一パターンを有する。つまり、上面視で裏面加飾層5cの光透過領域と黒色粘着層5eの光透過領域とが重なり、裏面加飾層5cの非光透過領域と黒色粘着層5eの黒色粘着領域とが重なる。
ここで、図12(b)に示すように、光透過性加飾材5が、黒色層5d及び黒色粘着層5eを有していない場合、発光表示体2からの光が、表面加飾層5bの非光透過領域或いは裏面加飾層5cの非光透過領域で反射されて迷光となり、空中映像の色彩やコントラストが低下する可能性がある。
これに対し、実施例4における光透過性加飾材5は、図12(a)に示すように、黒色層5d及び黒色粘着層5eを備えている。そのため、発光表示体2からの光のうち、裏面加飾層5cの非光透過領域に照射された光は黒色粘着層5eの黒色粘着領域で吸収され、黒色粘着層5e及び裏面加飾層5cの光透過領域、さらに透明フィルム基材5aを透過して表面加飾層5bの非光透過領域に照射された光は黒色層5dの黒色領域で吸収される。そのため、意図しない迷光が光透過性加飾材5を透過し、空中映像の一部となることを抑制することができ、空中映像の色彩や、コントラストの低下を防止することができる。
図12(a)に示す光透過性加飾材5の表面は、透明フィルム基材5aの表面に、表面加飾層5bと同一の加飾パターンを有する黒色層5dを印刷した後、黒色層5dの光透過領域と表面加飾層5bの光透過領域とが上面視で一致するように表面加飾層5bを印刷する。また、光透過性加飾材5の裏面は、透明フィルム基材5aの表面に、裏面加飾層5cを印刷した後、裏面加飾層5cの光透過領域と黒色粘着層5eの光透過領域とが上面視で一致するように黒色粘着層5eを印刷する。
表面加飾層5bの非光透過領域及び裏面加飾層5cの非光透過領域には、表面加飾層5b側から観察者が見たときに、表現したい質感を出すための色或いは柄等の印刷を行う。
<実施例5>
実施例5に係る表示装置1は、図2に示す表面加飾層5bとして合成皮革からなる層を用いたものであり、車両の内装等に表示装置1を配置する場合に好適である。
表面加飾層5bとして合成皮革からなる層を用いる場合、光透過領域を有する合成皮革樹脂層を成型し、この合成皮革樹脂層を透明フィルム基材5aに張り付けることで、表面加飾層5bを積層する。
つまり、車両内装の樹脂表面などは、深さ0.5mm程度の革を模した表面修飾(凹凸)加工が為される。表面加飾層5bとして、合成皮革をなす軟質樹脂を加熱型押しすることによって、光透過領域となる開口領域を有する樹脂フィルムを形成する。そして、この樹脂フィルムを例えば厚さ200μmの透明樹脂フィルム(透明フィルム基材5a)に貼り合わせる。裏面加飾層5cは、上記実施例と同様に、合成皮革を模した樹脂フィルムが張り付けられた透明樹脂フィルム(透明フィルム基材5a)の、樹脂フィルムが張り付けられた面とが逆側の面に、樹脂フィルムの開口領域と、光透過領域とが対向するように、裏面加飾層5cを、樹脂フィルムのパターンと同様のパターンで印刷する。
そして、合成皮革を模した表面加飾層5bと裏面加飾層5cとが透明フィルム基材5aに形成された光透過性加飾材5を、透明基材に張り付け、光透過性加飾材5が張り付けられた透明基材を、備えた表示装置1を車両の内装の一部として取り付ける。
本実施例のように、透明フィルム基材5aに樹脂フィルムを張り付ける場合、表面加飾層5bと裏面加飾層5cとの光透過領域としての開口領域の位置決めが困難であるため、先に表面加飾層5bを透明フィルム基材5aに張り付けた後、裏面加飾層5cを印刷することが好ましい。
以上の工程を、図13に示す。合成皮革を模した表面加飾層5bとなる合成皮革樹脂フィルムは、一例として、厚さが0μmより大きく以上500μm以下であり、開口領域の開口径は、300μm、ピッチ(開口領域と開口領域との中間距離)は500μmである。透明フィルム基材5aの厚さは50μmm、光透過性加飾材5を張り付ける透明基材の厚さは3mmである。
<実施例6>
実施例6に係る表示装置1は、比較的大型の空中映像を表示するものである。
図14に、大型の空中映像表示用の光透過性加飾材5の一例を示す。
実施例6に係る表示装置1では、空中映像生成の原理として、大型の空中映像の生成が容易な、レンチキュラー方式を用いている。
レンチキュラー方式は高精細ディスプレイの上に、かまぼこ型のレンズパターンが繰り返し形成されたフィルムをのせることで、観察方位によって、あるいは両眼のそれぞれに対して異なる画素からの光を提示することで立体視を行う。レンチキュラー方式は観察者の両眼を結ぶ方向垂直(通常は鉛直方向)に、レンチキュラーレンズシートの半円形の凸部が伸びる向きに設置する。
大型ディスプレイを有する発光表示体2を用い、ディスプレイの表面にレンチキュラーレンズシートを配置したうえで(図14(a))、図14(b)に示すように、想定する観察者の立ち位置(両眼位置)からのみレンチキュラーレンズシートから出射される映像が観察されるように、表面加飾パターン及び裏面加飾パターンを形成する。
本実施例では、表面加飾パターンは例えば1mm角の矩形状の光透過領域を、2mmピッチで作成し、透明フィルム基材5aとして厚さ200μmの基材を用いる。裏面加飾パターンは幅1mの水平方向に延びるストライプ形状である。このような加飾パターンを有する表面加飾層5b及び裏面加飾層5cを厚さ5mmの透明アクリル材(透明フィルム基材5a)に接着し、光透過性加飾材5を作成する。
視線の方向に従い光透過領域を形成することで、遠方等、所定の位置以外から見ると透過領域の面積が狭く、加飾された部分の面積が広く見えるために加飾性が向上する。
レンチキュラー型空中映像ディスプレイが非作動時には、例えば暗い木目柄である。同ディスプレイが作動状態の時には、通常のレンチキュラー型空中ディスプレイ駆動と同様にディスプレイ各画素の発色を制御することで空中映像を表示することが可能であって、駆動方法について様々な方法が知られており、個々ではこれ以上の説明を要しない。
<変形例>
上記実施形態においては、表示装置1を、車両のダッシュボード等に配置する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば図15(a)に示すように家電製品に配置してもよく、また、(b)に示すように壁に配置し、プロジェクタとして使用するようにしてもよく、また(c)に示すように、通路壁面等に配置し、人が通るときにのみ案内表示等を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、空中映像を表示する表示装置に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、光透過性加飾材を透過して、発光表示体2の映像を、光透過加飾材側から視認できるようにした表示装置であっても適用することができる。
〔効果〕
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1は、曲面や傾斜面に設置した場合であっても、発光表示体2が非作動時には、表面加飾層5bの周囲の意匠と連続した意匠を表示することができ、発光表示体2が作動時には発光表示体2の映像をより鮮明に空中表示することができる。
また、光透過性加飾材5を透明基材4に張り付けて設置箇所に配置するようにしているため、設置箇所の部材や建材の形状が曲面であったり傾きがあったりする場合であっても、部材や建材表面の強度を保持したまま、観察者に歪みのない鮮明な映像を提示することができる。また、光透過性加飾材5は、印刷を行う領域と印刷を行わない領域とを形成することで光透過領域と非光透過領域との加飾パターンを作成している。光透過領域と非光透過領域との加飾パターンを作成する方法として、光透過領域に貫通孔を開ける方法も考えられるが、貫通孔を開ける方法の場合、光透過性加飾材となる部材に厚みがある場合、視野角が狭くなり、立体視に必要な画角を得ることが困難である。本実施形態に係る表示装置1では、貫通孔を開けるのではなく、印刷を行う領域と印刷を行わない領域とで、光透過領域と非光透過領域とを形成しているため、強度が必要な厚手の建材や内装材に表示装置1を設置する場合であっても、3D映像を空中表示することができる。
また、透明フィルム基材5aの両面それぞれに表面加飾層5bと裏面加飾層5cとを印刷することによって、光透過性加飾材5を作成している。そのため、より鮮明な空中映像を提示するために、表面加飾層5bの光透過領域と裏面加飾層5cの光透過領域との上下左右方向のずれ等の相対位置や大きさの大小関係、形状等を容易に変更することができる。そのため、例えば、光透過性加飾材5が曲面に張り付けられている場合、或いはある方向以外から空中映像を観察した際にも鮮明な映像を提示する場合、或いは、大きな空中映像を提示する場合等には、光透過性加飾材5として斜めに光が透過する領域を形成する必要があるが、このような場合であっても、表示装置1の設置箇所の表面形状や、観察者と表面加飾層5bとの位置関係等に応じた、光の透過量や透過方向等を有する光透過性加飾材5を実現することができ、特に、光透過領域と非光透過領域との加飾パターンは印刷によって形成するようにしているため、より鮮明な空中映像を容易に提示することができる。
また、再帰性反射材3は、周期的な微細反射面をもったメタマテリアル材であるため、その周期と光透過領域との周期が近いとモワレを発生するが、再帰性反射材3との相対位置関係を考慮して、表面加飾層5b及び裏面加飾層5cの加飾パターンを設定しているため、モワレの発生を抑制し、より鮮明な空中映像を提示することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
本実施形態に係る表示装置は、質感や意匠性及び視認性の低下を抑えながらも容易に製造することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
1 表示装置
2 発光表示体
3 再帰性反射材
4 透明基材
5 光透過性加飾材
5a 透明フィルム基材
5b 表面加飾層
5c 裏面加飾層

Claims (8)

  1. 映像を表示する発光表示体の前記映像の出射側に設けられ、前記発光表示体のオンオフに応じて前記映像を表示する状態と、自己に設定されている意匠を表示する状態とに切り替え可能な表示装置用の光透過性加飾材であって、
    透明フィルム基材と、
    当該透明フィルム基材の表面に設けられた表面加飾層と、
    前記透明フィルム基材の裏面に設けられた裏面加飾層と、を有し、
    前記表面加飾層及び前記裏面加飾層は、非光透過領域の中に複数の光透過領域が分散されることで加飾パターンを構成し、
    前記透明フィルム基材の各点において当該透明フィルム基材に直交する方向から見たときの前記表面加飾層の前記光透過領域と前記裏面加飾層の前記光透過領域とが重なる面積よりも、前記各点において前記透明フィルム基材を斜め方向から見たときの前記表面加飾層の前記光透過領域と前記裏面加飾層の前記光透過領域とが重なる面積の方が大きいことを特徴とする光透過性加飾材。
  2. 前記裏面加飾層の前記光透過領域は、前記表面加飾層の前記光透過領域よりも、前記映像を観察する観察者の両眼を結ぶ線分の伸びる方向に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光透過性加飾材。
  3. 前記裏面加飾層の前記透明フィルム基材とは逆側の面に、前記透明フィルム基材よりも肉厚の透明基材が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光透過性加飾材。
  4. 前記表面加飾層及び前記裏面加飾層は印刷により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光透過性加飾材。
  5. 映像を表示する発光表示体と、
    前記発光表示体からの光を入射し、前記映像を空中像として結像させる空中結像光学系と、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光透過性加飾材と、を備え、
    当該光透過性加飾材は、前記空中結像光学系の前記空中像を結像する側に設けられていることを特徴とする表示装置。
  6. 前記空中結像光学系は周期構造を有し、
    前記表面加飾層の加飾パターンの前記映像を観察する観察者の両眼を結ぶ線分の伸びる方向における長さは、前記空中結像光学系の周期構造の周期と等しいか、あるいは3倍以上であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記空中結像光学系は、再帰性反射材又はレンチキュラーレンズシート又はマイクロレンズアレイのいずれか一つを用いるものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記透明フィルム基材を斜め方向から見たときの前記表面加飾層の前記光透過領域と前記裏面加飾層の前記光透過領域とが重なる面積が最大となるときの前記斜めの方向と、前記映像を観察する観察者の目の位置と前記光透過領域の各点を結ぶことで決まる方向が一致又はほぼ一致することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の表示装置。
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