JP2022161423A - 劣化検知システム、劣化検知方法、および劣化検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が走行する軌道の劣化度をより的確に検知可能な、劣化検知システムを提供することを目的とする。【解決手段】前記車両の走行位置を取得する走行位置取得部と、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量を取得する軸重取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の条件に関する情報を取得する衝撃力入力条件取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報を取得する応力計算条件取得部と、軌道劣化進行度算出部とを備え、軌道劣化進行度算出部は、前記走行位置取得部で取得された位置情報に対応させて、前記軸重取得部で取得された重量情報と、前記衝撃力入力条件取得部で取得された情報と、前記応力計算条件取得部で取得された情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力する。【選択図】図2

Description

本発明は劣化検知システム、劣化検知方法、および劣化検知装置に関し、車両が走行する軌道に対しての劣化検知に好適な、劣化検知システム、劣化検知方法、および劣化検知装置である。
鉄道車両など軌道を走行する車両は、摩擦の少ない軌道を走行することから、輸送に必要なエネルギーが少なく、重要な社会インフラの1つとなっている。一方、軌道の異常が発生すると、同じ軌道上を走行する他の車両を停止させる必要が生じる。このことは、安全・安心な旅客サービスに深刻な影響を及ぼすことから、定期保守によって軌道の損傷を予防している。
特に、軌道の頭頂面は車輪からの荷重を繰り返し受けるため、これに伴う疲労損傷や摩耗が蓄積・進行しやすい。軌道の直線部では、疲労損傷によって頭頂面下にき裂が発生し、これが進行して折損に至ると車両の運行に支障をきたす。このため、定期的にレール削正を行い、頭頂面の疲労層を除去することで、軌道の損傷を予防し軌道寿命の延伸を図っている。軌道の曲線部では、車輪の横圧と車輪フランジのすべり接触により摩耗が進行しやすいため、軌道の頭部を熱処理して硬化させることで摩耗低減を図っている。このような予防策によって軌道寿命を延伸することで、軌道の交換に要する多くの労力とコストの抑制がなされている。
また、特許文献1には、軌道走行車両に設けられた駆動系の物理量の特徴量が閾値を超えた時刻を示す閾値超過時刻と、閾値超過時刻における駆動系の軌道走行車両に対する位置を示す駆動系位置を取得して、軌道走行車両に設けられた複数の駆動系について複数の閾値超過時刻および閾値超過時刻における駆動系位置に相関性があると判定された場合、軌道に異常があることを示す軌道異常信号を出力することが開示されている。
特許第6743304号公報
しかしながら、現状では軌道の個別の劣化状態によらず一律の基準でレール削正などの定期保守を実施している。また、これらの保守作業は営業運行の時間帯を避けて夜間に実施される。したがって、保守作業の効率化と作業員の負担軽減の観点で大きな課題が残されている。
具体的に、現状のレール削正の周期は、軌道を通過する軸重の積算値を用いた累積通過トン数と呼ばれる指標に基づいており、例えば0.5億トンに到達した時点でレール削正が実施する等で行える。しかしながら、軌道の疲労損傷や摩耗などの劣化進行度は、車輪からの荷重条件に加え、軌道の敷設条件、環境条件によっても大きく異なる。さらに、これらの条件もまた、車両が通過するタイミングごとに大きく異なる。
特許文献1では、軌道の異常を検知する技術が開示されてはいるものの、軌道の交換寿命を左右する軌道頭頂面の劣化進行度を可視化する具体策については言及していない。この他にも、超音波探傷装置や磁気センサ探傷装置、カメラを用いた画像収集装置などが存在する。しかし、いずれの装置も、軌道の異常が顕在化して初めて検知が可能となるため、前述の定期保守を代替するには至っていない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、車両が走行する軌道の劣化度をより的確に検知可能な、劣化検知システム、劣化検知方法、および劣化検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の劣化検知システムの一つは、車両が走行する軌道の劣化を検知する劣化検知システムであって、前記車両の走行位置を取得する走行位置取得部と、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量を取得する軸重取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の条件に関する情報を取得する衝撃力入力条件取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報を取得する応力計算条件取得部と、軌道劣化進行度算出部とを備え、軌道劣化進行度算出部は、前記走行位置取得部で取得された位置情報に対応させて、前記軸重取得部で取得された重量情報と、前記衝撃力入力条件取得部で取得された情報と、前記応力計算条件取得部で取得された情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力し、前記劣化進行度は、前記軌道を通過する車両を含む2編成以上について、編成毎の1以上の車輪軸ごとの情報を用いて算出することを特徴とする。
さらに本発明の劣化検知方法の一つは、車両が走行する軌道の劣化を検知する劣化検知方法であって、前記車両の走行位置を取得する走行位置取得ステップと、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量を取得する軸重取得ステップと、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の入力条件に関する情報を取得する衝撃力入力条件取得ステップと、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報を取得する応力計算条件取得ステップと、軌道劣化進行度算出ステップとを有し、軌道劣化進行度算出ステップは、前記走行位置取得ステップで取得された位置情報に対応させて、前記軸重取得ステップで取得された重量情報と、前記衝撃力入力条件取得ステップで取得された情報と、前記応力計算条件取得ステップで取得された情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力し、前記劣化進行度は、前記軌道を通過する車両を含む2編成以上について、編成毎の1以上の車輪軸ごとの情報を用いて算出することを特徴とする。
本発明によれば、劣化検知システム、劣化検知方法、および劣化検知装置において、車両が走行する軌道の劣化度をより的確に検知することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の第1の実施例における車両および軌道の説明図である。 図2は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置の出力部を説明するブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置を説明するブロック図である。 図4は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置の判定処理のフローの例を表す図である。 図5は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重の第1の例を説明する図である。 図6は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重の第2の例を説明する図である。 図7は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重を説明する軌道の断面図である。 図8は、本発明の第1の実施例における軌道位置算出の第1の例を説明する図である。 図9は、本発明の第1の実施例における軌道位置算出の第2の例を説明する図である。 図10は、本発明の第1の実施例における車両速度と走行位置の関係の第1の例を表す図である。 図11は、本発明の第1の実施例における車両速度と走行位置の関係の第2の例を表す図である。 図12は、本発明の第1の実施例における電流取得部の第1の例を説明する図である。 図13は、本発明の第1の実施例における電流取得部の第2の例を説明する図である。 図14は、本発明の第1の実施例における地点間の距離の一例を表す図である。 図15は、本発明の第1の実施例における実距離と推定距離の関係の一例を表す図である。 図16は、本発明の第1の実施例における地点間の劣化進行度の可視化方法の一例を表す図である。 図17は、本発明の第2の実施例における劣化検知システムの第1の例を説明する図である。 図18は、本発明の第2の実施例における劣化検知システムの第2の例を説明する図である。
本発明を実施するための形態を説明する。
以下、本発明の各実施例について図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の記号を付してある。それらの名称および機能は同じであり、重複説明は避ける。また、以下の説明では鉄道車両を対象としているが、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、軌道を走行する車両全般に適用可能である。
(第1の実施例)
以下、図1乃至16を用いて、本発明の第1の実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における車両および軌道の説明図である。本実施例の車両および軌道について図1を用いて説明する。車両100は車輪10である各車輪10a、10b、10c、10dから構成され、軌道20を走行する。軌道20の頭頂面21は車輪からの荷重を繰り返し受けるため、これに伴う疲労損傷や摩耗が蓄積・進行する。例えば軌道20の直線部では、疲労損傷によって頭頂面21下にき裂が発生し、これが進行して折損に至ると車両の運行に支障をきたす。
第1の実施例では、車両100が通過する際の荷重条件に加え、軌道の敷設条件、環境条件などの様々な条件を数値化し、軌道の位置と対応させて軌道劣化進行度として算出する。軌道劣化進行度を算出することで、軌道の劣化状態を可視化することが可能になる。以下、図2から図16を用いて具体的な手段について説明する。
図2は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置の出力部を説明するブロック図である。図2に示すように、軌道劣化進行度は出力部200で算出される。出力部200は、走行位置取得部300、軸重取得部310を備える。また、出力部200は、接線力取得部320、速度取得部330、車輪平たん取得部340、勾配取得部350、曲率取得部360、散水有無取得部370、環境温度取得部380、軌道剛性取得部390のうちの少なくとも1つを備える。さらに、出力部200は、軌道劣化進行度算出部400を備える。
走行位置取得部300は、車両100の走行位置の情報である走行位置情報301を取得する。軸重取得部310は、車両100の走行を担う車輪軸(車輪10に用いる軸)において、鉛直方向下向きにかかる重量の情報である軸重情報311を取得する。接線力取得部320は、車輪軸と機械的に接続された駆動系によって、車輪軸に伝達される接線力の情報である接線力情報321を取得する。速度取得部330は、車輪軸の回転速度等により車両100の速度情報331を取得する。車輪平たん取得部340は、車両100の車輪踏面における平たん部の大きさ等の情報である車輪平たん情報341を取得する。勾配取得部350は、軌道20の勾配の情報である勾配情報351を取得する。曲率取得部360は、軌道20の曲率の情報である曲率情報361を取得する。散水有無取得部370は、軌道20の頭頂面21における散水状態の有無の情報である散水有無情報371を取得する。環境温度取得部380は、車両100の走行位置における環境温度の情報である環境温度情報381を取得する。軌道剛性取得部390は、車両100の走行位置における軌道20の剛性に関する情報である軌道剛性情報391を取得する。
また、軌道劣化進行度算出部400は、軌道20の劣化の進行度を算出する。具体的には軌道劣化進行度算出部400は、走行位置取得部300で取得された走行位置情報301に対応させて、軸重取得部310で取得された軸重情報311とともに、取得された接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341、勾配情報351、曲率情報361、散水有無情報371、環境温度情報381、軌道剛性情報391のうち少なくとも一つの情報と、に基づいて、軌道劣化進行度を算出する。
走行位置情報301は、車両100に搭載された全地球測位システム(GPS)から取得される情報でも良いし、車両速度(車両100の速度)の積分により停止位置からの走行距離を算出して取得される情報でも良いし、その他の位置情報でも良い。なお、ここでの車両速度は、速度情報331を用いても良い。
軸重情報311は、車両100の設計重量から算出した情報でも良いし、乗車率や積載率を考慮して算出した情報でも良いし、その他の重量情報でも良い。乗車率は、例えば、駅の人の流れをカメラ等で感知し、車両に乗り込んだ人数を推定していき、当該車両の乗車率を算出しても良い。軸重は軌道20に対して鉛直方向下向きの荷重としてかかるため、軌道頭頂面21の疲労損傷を進行させる重要なファクターとなる。
接線力情報321は、車両運転台のノッチ指令から算出した情報でも良いし、駆動力源となる回転機の電流値から算出した情報でも良いし、車両重量と速度変化率から得られる駆動力情報でも良い。接線力は、車輪10の駆動時に軌道20に対して発生する力を含む。接線力は、軌道20の延伸方向の水平荷重としてかかるため、軌道頭頂面21の疲労損傷を進行させる重要なファクターとなる。
速度情報331は、車両の運行制御にて使用される速度情報でも良いし、駆動力源となる回転機の速度センサで取得される情報でも良いし、駆動力源となる回転機の電流値から算出した情報でも良いし、その他の速度情報でも良い。速度が速いほど車輪10が軌道20を通過する際の衝撃荷重が大きくなるため、速度は軌道頭頂面21の疲労損傷を進行させる重要なファクターとなる。また、軌道20の損傷を進行させる急ブレーキや急加速は速度の変化率から算出可能であり、この観点で速度情報を活用しても良い。
車輪平たん情報341は、車両運転台の検知システムから取得される情報でも良いし、車輪近傍に設置された振動センサ等で取得される情報でも良いし、駆動力源となる回転機の電流値から算出した情報でも良いし、その他の情報でも良い。車輪平たんは、車輪10に形成される平たん面であり、この平たん面と車輪10の円周の間に角ができる。これにより、平たん面の回転方向終端が軌道20と接触する際に、車輪10の1回転ごとに、この接触部にて集中荷重が発生する。このため、車輪平たんは軌道20の頭頂面21の疲労損傷を進行させる重要なファクターとなる。例えば、ブレーキ時にスリップすると、車輪10が軌道20に対して滑走し、摩擦により平たん面が形成される。このスリップ状態を車両運転台が検知したとき車輪平たん情報341として扱うことができる。また、車輪10が軌道20に対して滑走した場合、モータの電流値は一旦下がる。そして、もう一度車輪10の軌道20の頭頂面21を粘着させるために、電流を上げていく、その挙動が電流情報として残るため、車輪平たん情報341として扱うことができる。
勾配情報351、曲率情報361は、コンピュータ上に記録された地理情報から取得される情報でも良いし、その他の地理情報から取得される情報でも良い。また、散水有無情報371、環境温度情報381は、コンピュータ上で予測されるか、またはコンピュータ上に記録された気象情報から取得される情報でも良いし、その他の情報でも良い。ここでのコンピュータ上から得られる情報は、インターネット等のネットワークを介して得られる情報が含まれる。例えば、インターネットから得られる、エリアごとの、地形に関する情報、天気に関する情報、温度に関する情報等である。
勾配情報351に関して、勾配がある場合、軌道20の頭頂面21への荷重のかかり方が、勾配無しの場合とは異なる。これは、軸重による鉛直方向荷重のベクトルと、接線力による軌道20の延伸方向荷重のベクトルとが直行しないためである。したがって、勾配情報は、疲労損傷の進行度を算出する上で重量なファクターとなる。
曲率情報361に関して、曲率が大きい場合、軸重による鉛直方向荷重と、接線力による軌道20の延伸方向荷重に加えて、車輪10の横圧による荷重が発生する。このため、曲率により、軌道頭頂面21への荷重のかかり方が、直線区間とは異なる。したがって、曲率情報は、疲労損傷の進行度を算出する上で重量なファクターとなる。
散水有無情報371に関して、軌道20への散水がある場合には軌道20の熱疲労を進行させる。これは、車輪10が軌道20を通過する際の摩擦によって頭頂面21は局所的に温度上昇して、さらに、頭頂面21に付着した水分によって急速に熱が奪われるため、冷熱衝撃が大きくなるからである。したがって、散水有無情報は、疲労損傷の進行度を算出する上で重量なファクターとなる。
また、環境温度情報381に関して、軌道20への散水が無く環境温度が高い場合、日射による影響で軌道頭頂面21の温度が上昇し、高温状態が維持される。これにより、車輪10が軌道20を通過する際の摩擦による冷熱衝撃は、環境温度が低い場合に比べて緩和される。また、後述するように、環境温度によって軌道母材の材料物性が変化するため、車輪10が通過する際の軌道20の内部応力が変化する。したがって、環境温度情報は、疲労損傷の進行度を算出する上で重量なファクターとなる。
軌道剛性情報391は、軌道の材料物性値と、軌道20を支持する枕木の敷設状態を基に算出した剛性情報でも良いし、その他の剛性を示す情報でも良い。軌道剛性が高い場合は、軌道20の変形量が小さくなるため、車輪10が通過する際の軌道20の頭頂面21の内部応力は大きくなる。これは、枕木間の軌道20のしなり度合いが少ないため、車輪10からの局所的な応力を受けやすくなるためである。一方で、軌道剛性が低い場合は、軌道20の変形量が大きくなるため、軌道頭頂面21の内部応力は小さくなる。これは、枕木間の軌道20のしなり度合いが大きいため、車輪10からの応力が分散するためである。したがって、軌道剛性情報は、疲労損傷の進行度を算出する上で重量なファクターとなる。なお、前述の環境温度によっても軌道母材の材料物性が変化して、それにともない、軌道20の内部応力は変化する。このため、環境温度情報381を用いても良い。軌道剛性情報391は、データベースから得ることができる。
上記のうち、接線力情報321、速度情報331、曲率情報361、散水有無情報371は、軌道20の劣化度に影響が極めて大きい情報であると考えられる。また、車輪平たん情報341、勾配情報351、環境温度情報381、軌道剛性情報391も、軌道20の劣化度にある程度以上、影響を及ぼす情報であると考えられる。
また、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341は、車輪10が軌道20を通過する際に、車輪10から軌道20に対して衝撃力を与える入力条件に関する情報となる。このため、これらの情報は衝撃力入力条件もしくは応力入力条件に相当する。そして、接線力取得部320、速度取得部330、車輪平たん取得部340は、衝撃力入力条件取得部とすることができる。すなわち、衝撃力入力条件取得部は、接線力取得部320、速度取得部330、車輪平たん取得部340のうち少なくとも1つを含む。
さらに、勾配情報351、曲率情報361、散水有無情報371、環境温度情報381、軌道剛性情報391は、車輪10が軌道20を通過する際に、発生する応力を計算する条件となる。このため、これらの情報は応力計算条件に相当する。そして、勾配取得部350、曲率取得部360、散水有無取得部370、環境温度取得部380、軌道剛性取得部390は、応力計算条件取得部とすることができる。すなわち、応力計算条件取得部は、勾配取得部350、曲率取得部360、散水有無取得部370、環境温度取得部380、軌道剛性取得部390、のうち少なくとも1つを含む。
ここで、出力部200は、衝撃力入力条件取得部と応力計算条件取得部のいずれも備えると良い。
図3は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置を説明するブロック図である。
軌道20の劣化は、複数の車輪10を有する複数の車両が繰り返し通過することによって進行する。したがって、図2に示す出力部200を、車両100の複数の車輪10a、10b、10c、10d…の車輪軸に対してそれぞれ個別に設ける。このことで、軌道の位置情報に対応させて、複数の出力部の劣化進行度を積算して出力することができ、軌道劣化進行度を高精度に算出することができる。この構成を図3に示す。
図3は劣化検知装置1の全体構成を示したものである。劣化検知装置1では、車輪10a、10b、10c…に対応させて出力部200a、200b、200c…をそれぞれ個別に設ける。そして、出力部200a、200b、200c…の各軌道劣化進行度算出部400a、400b、400c…にて算出された軌道劣化進行度を出力部401に出力する。出力部401は、車輪軸ごとに出力された軌道劣化進行度に基づき軌道劣化進行度積算値f(x)を積算して出力する。
劣化検知装置1は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、パソコン等で構成される。劣化検知装置1の機能(取得部、判定部、出力部など)は、例えば、設計者が構成を設定できる集積回路により実現されても良いし、CPU(Central Processing Unit)がメモリのプログラムを読み出して実行することにより実現されても良いし、専用回路などのハードウェアにより実現されても良いし、その他の方法により実現されても良い。劣化検知装置1は所定の車両停止場に設置しても良いし、車両停止場に代わり駅や車両基地に設置しても良い。
軌道劣化進行度積算値f(x)は次式で算出される。
Figure 2022161423000002
ただし、xは軌道の位置、Nは車輪軸の軸数、p1は軸重情報311を数値化したものを示す。さらに、pj(j≧2)は接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341、勾配情報351、曲率情報361、散水有無情報371、環境温度情報381、軌道剛性情報391のうち少なくとも一つの情報を数値化したものを示す。また、h1はp1に関する重み関数、hj(j≧2)はpjに関する重み関数を示す。
giは車輪軸ごとに設けれられた出力部200にて算出される軌道劣化進行度であり、p1(x)h1(x)、p2(x)h2(x)、…、pj(x)hj(x)の関数である。giは、車両が停止しているとき(車輪の位置xの時間変化がゼロのとき)には計算されない。これは、車両が停止している状態においては、軌道の損傷がほとんど進行しないためである。giは軸数Nに対応してg1からgNまでN個設定される。関数giは、適宜ふさわしい関数を適用できる。例えば、関数giは、各情報に基づく数値と重み関数の積同士をかけ合わせていった関数でも良い。この場合、gi=p1(x)h1(x)×p2(x)h2(x)×…×pj(x)hj(x)のような関数となる。
軌道の位置xは、軌道の劣化進行度をどの程度の分解能で監視するかによって決定する。例えば25mの軌道単位長さごとに監視する場合には、xは25m刻みの分解能とする。pjの取得サンプリングおよび取得分解能が細かければ、xの分解能はより小さな刻みにも設定可能である。
軸数Nは、対象とする軌道の路線エリア全体で運行する車両数と、各車両の車輪軸の数によって決定する。例えば各車両の車輪軸の数が4で、車両数が100の場合にはN=400となる。対象とする軌道の路線エリアでは、通常は複数の編成が運行されており、これらの複数の編成の車両についてすべて考慮することができる。ある車両が車両基地や駅などで停車して不稼働の場合には、車輪の位置xが定位置に留まるため、上述したようにgiは積算されない。なお、車輪が駆動力を持たない場合は接線力をゼロとみなし、その他の情報を用いて軌道劣化進行度を算出する。
重み関数h1、h2、…、hjは電車、客車、機関車、貨物車などの車両の種類や、路線によって変更して良い。例えば、同一路線であっても、電車と客車と機関車と貨物車とで異なる重み関数h1、h2、…、hjを設定しても良い。また、同一構成の車両であっても、路線が異なる場合には異なる重み関数h1、h2、…、hjを設定しても良い。さらに、重み関数h1、hjは軌道20の疲労損傷の状態に対応させて適宜調整しても良い。このように、重み関数h1、h2、…、hjの設定値に自由度を持たせることで、様々な車両、路線、および運行パターンに対して軌道劣化進行度積算値f(x)を実際の劣化状態と高精度に整合するように調整できる。
出力部401で算出されたf(x)を用いて、判定部500にて軌道異常の有無を判定する。判定部500では、軌道母材強度情報501を用いて閾値を設定する。軌道母材強度情報501は、軌道の母材の強度に関する情報である。例えば、降伏応力、引張強度、S-N曲線等の情報であり、これらを必要に応じて使用する。そして、f(x)が閾値を超過した場合には軌道異常信号601を出力する。また、判定部500では、f(x)の大きさに応じて劣化度をランク付けして、可視化部600に出力する。可視化部600は、劣化度を表示する表示装置で適用できる。表示装置の例としては、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(OEL)ディスプレイ、タッチパネル等の構成を適用できる。
図4は、本発明の第1の実施例における劣化検知装置の判定処理のフローの例を表す図である。図4では、図3の判定部500における判定フローを示す。
判定部500では、軌道母材強度情報501に基づいて、2つの閾値U1、U2(U1>U2)を決定する(S101)。出力部401で算出されたf(x)が閾値U1よりも大きいと判定すれば、f(x)を劣化度「高」として可視化部600に出力する(S102、S103)。f(x)が閾値U1以下と判定すれば、f(x)と閾値U2の大小関係を比較する(S102、S105)。ここで、f(x)が閾値U2よりも大きければ、f(x)を劣化度「中」として可視化部600に出力する(S105、S106)。また、f(x)が閾値U2以下であれば、f(x)を劣化度「低」として可視化部600に出力する(S105、S108)。
可視化部600では、上述した劣化度のレベルに応じて、地図やチャートなどに可視化する処理を行う。f(x)の劣化度が「高」の場合は、地点xの軌道劣化進行度を劣化度「高」として可視化を行う(S104)。f(x)が劣化度「中」の場合は、地点xの軌道劣化進行度を劣化度「中」として可視化を行う(S107)。f(x)が劣化度「低」の場合は、地点xの軌道劣化進行度を劣化度「低」として可視化を行う(S109)。また、f(x)が劣化度「高」の場合には、軌道異常信号601を出力する。これによりユーザに警告を報知できる。なお、閾値は上記の説明ではU1、U2の2つとしたが、3つ以上として、劣化度の段階をより細かく分けても良い。
図5は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重の第1の例を説明する図である。図6は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重の第2の例を説明する図である。図7は、本発明の第1の実施例における軌道にかかる荷重を説明する軌道の断面図である。
図5~7を用いて、接線力情報321を用いた軌道劣化進行度の算出方法について説明する。ここでは車輪10aを代表として取り上げるが、その他の車輪に関しても同様である。以下の説明において、走行抵抗は考慮不要とみなした。走行抵抗は車両の推進力とは反対方向にかかるため、車両の推進に寄与するのは接線力から走行抵抗を差し引いた力となるが、車輪から軌道への接線力の伝達においては走行抵抗は無関係となるためである。なお、軸重の情報は軸重情報311から、接線力の情報は接線力情報321から得ることができる。
図5のように勾配のない軌道においては、軸重30は、軌道20の頭頂面21に対して垂直に作用する。また、接線力40は、軌道20の頭頂面21に沿って進行方向にかかる力となる。このため、軸重30と接線力40は直角に作用し、これらの合成力50が車輪10aからの荷重として軌道20の頭頂面21に印加される。したがって、軌道劣化進行度の算出では、合成力50を使用する。
図6のように上り勾配θがある軌道20では、軸重31は、軌道20の頭頂面21に対してθ分だけ傾いた面として作用する。また、接線力41は、軌道20の頭頂面21に沿って進行方向にかかる力となる。このため、軸重31と接線力41は「90°+θ」の角度を形成する。これらの軸重31と接線力41との合成力51は勾配θを考慮して、車輪10aからの荷重として軌道頭頂面21に印加される。したがって、軌道劣化進行度の算出では、合成力51を使用する。
図7のように曲率がある軌道20では、軸重32と横力62との合成力52が車輪10aからの荷重として軌道頭頂面21に印加される。横力62は、軌道20の曲率に応じた横方向の力である。したがって、軌道劣化進行度の算出では、曲率を考慮した合成力52を使用する。なお、勾配と曲率が同時に発生する区間においては、合成力51、52の組合せを算出する。
図8は、本発明の第1の実施例における軌道位置算出の第1の例を説明する図である。図9は、本発明の第1の実施例における軌道位置算出の第2の例を説明する図である。
図8を用いて複数の車輪の位置を正確に算出する方法を示す。図8に示すように、駅などでの停止位置における先頭車両100の一番前側の車輪10aの位置x0a(=x0)を基準とする。先頭車両100の他の車輪10b、10c、10d、…の位置x0b、x0c、x0d、…は、車輪10aの位置x0aに対して不変である。このため、基準の位置x0からこれらの位置x0b、x0c、x0d、…を正確に算出することが可能である。例えば、先頭車両の車輪10aの位置がx0からx1に移動した場合においても、車輪10aの位置x0aから、車輪10b、10c、10d、…の位置x0b、x0c、x0d、…を算出することができる。基準の位置x0と他の車輪の位置x0b、x0c、x0d、…は、車両の構造図面等を基に一度決定すれば、その後の運用中に変更する必要はない。
図9に示すような複数の車両100-1、100-2、…においても同様である。この場合、先頭車両100-1の車輪10aの位置x0a(=x0)を基準とすれば、次の車両100-2の車輪10e、10f、10g、10hの位置も位置x0aから決定することができる。
図10は、本発明の第1の実施例における車両速度と走行位置の関係の第1の例を表す図である。図11は、本発明の第1の実施例における車両速度と走行位置の関係の第2の例を表す図である。
図10の上側のグラフが、時間と車両速度の関係を示す。図10の下側のグラフが、時間と走行位置の関係を示す。図10の上側のグラフのように車両速度の時間変化がわかれば、その積分により図10の下側のグラフのように走行位置の時間変化を算出することが可能である。この方法により、GPSが機能しない場合においても車輪の位置xを正確に取得することができる。これにより、軌道劣化進行度積算値f(x)を高精度に算出することが可能となる。車両速度の情報は、速度情報331から得ることができる。
図11の上側のグラフが、時間と車両速度の関係を示す。図11の下側のグラフが、車軸ごとの時間と走行位置の関係を示す。図11に示すように、時間と車両速度関係から、複数の車輪10a、10b、10c、…に対する走行位置についても、正確に取得することが可能である。例えば、駅などでの停止位置における先頭車両の車輪10aの位置x0aを基準として、車輪10aの走行位置を算出できる。その他の車輪10b、10c、…に関しても、(図8、9で説明したように)位置x0aを基準としてx0b、x0c、…の関係から走行位置を高精度に算出できる。このように、車輪10a、10b、10c、…に対応した位置x0a、x0b、x0c、…を用いることで、軌道劣化進行度積算値f(x)をより正確に算出することができる
図12は、本発明の第1の実施例における電流取得部の第1の例を説明する図である。図12を用いて、電気駆動装置2の電流データと電流計測装置9によって接線力情報321などをより高精度に演算する構成について説明する。
図12に示すように、車両100の電気駆動装置2は、主に、インバータなどの電力変換装置から成る駆動電源5、駆動力を発生する回転機3(3a、3b、…、3n)、ギアボックスから成る機械装置4(4a、4b、…、4n)で構成される。駆動電源5から交流電力がそれぞれの回転機3a、3b、…、3nに供給され、回転機3a、3b、…、3nが回転する。回転機3a、3b、…、3nからは、対応する機械装置4a、4b、…、4nを介してそれぞれの車輪10に駆動力が伝達されることによって車両100の走行が制御される。インバータなどの電力変換装置から成る駆動電源5は、回転機3(3a、3b、…、3n)と主配線11によって電気的に接続される。
図12では、1台の駆動電源5からn台の回転機3a、3b、…、3nに電力供給する1CnMの電気駆動装置2を示している。電気駆動装置2は、例えば、鉄道車両で一般的な1C4M(1台の駆動電源に対して4台の回転機)でも良いし、1C2M(1台の駆動電源に対して2台の回転機)でも良いし、1C1M(1台の駆動電源に対して1台の回転機)でも良いし、それ以外の組み合わせの電気駆動装置でも良い。
電流計測装置9では、駆動電源5から回転機3に供給される電流データを用いて、走行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341などを演算する。主配線11に電流センサ6を設置し、電流センサ6で得られる電流データを電流計測装置9の電流取得部7にて収集する。電流センサ6は、主配線11が分岐していない箇所に設け、この電流値を測定する。また、電流計測装置9は演算器8を備える。演算器8は電流取得部7で収集した電流データを用いて走行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341のうちの少なくとも1つを演算する。
電流計測装置9は駆動電源5とは別体で設置しても良いし、駆動電源5の一部として内包される構成としても良い。走行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341は、電流計測装置9から図3で示した劣化検知装置1に無線通信によって直接伝送しても良いし、車両100に敷設された伝送手段を介して劣化検知装置1に伝送しても良い。
ここで、速度情報331は電流データの基本波周波数成分から算出可能である。また、走行位置情報301は、速度情報331から得られる速度の時間変化を積分することで算出可能である。電流計測装置9のデータサンプリング周期は数kHz~MHzの範囲で自在に設定可能とする。これにより、電流データを取得して演算することで速度情報331および走行位置情報301をより高い分解能で取得できる。
また、接線力情報321は、電流の振幅の大きさから算出可能である。車両運転台のノッチ指令の情報を使う場合は、実際に車輪が発生している接線力の大きさは不明である。これに対し、電流データを使用することで、電流の振幅の大きさから接線力の大きさを高精度に把握できる。
また、車輪平たん情報341は、電流データに含まれる急峻な電流変化から算出可能である。車両運転台の検知システムから取得される情報は、車輪平たんの発生要因となる空転・滑走の発生有無に関するものであるため、車輪に生成された車輪平たんの大きさの程度は不明である。これに対して、電流データを使用することで電流変化の度合から車輪平たんの大きさを高精度に把握できる。
なお、実際の車輪の回転速度は、電流の基本波周波数成分に対して、回転機3(誘導機)の「すべり」だけ減少する。また、車両100の速度と車輪10の回転速度との間にも「すべり率(クリープ率)」だけ差異が生じる。したがって、電流データから得られる速度情報331を用いて算出した走行位置と、実際の車輪の走行位置との間には、上述の「すべり」や「すべり率」に相当する分だけ差異が生じる。この差異については、後述する図14、15の方法で補正可能である。
電流センサ6にて交流量で収集される電流データを、演算器8で直流量に変換してd軸電流およびq軸電流として使用することで、接線力情報321、車輪平たん情報341の精度をさらに高めることができる。これは、回転機3のトルクがq軸電流に比例する性質を利用したものである。q軸電流を監視することで、電流の交流量の振幅を分析せずに接線力情報321を算出できる。また、q軸電流を監視することで、電流の交流量の急峻変化を分析せずに、q軸電流の変化量から車輪平たん情報341を算出できる。また、q軸電流の変化量から軌道20上の異物検知なども可能である。
さらに、演算器8にて制御ソフトウェア変数であるd軸電流指令偏差およびq軸電流指令偏差を使用することによっても、精度をさらに高めることができる。ここで、d軸電流指令偏差とは、例えば、制御回路の制御ソフトウェア変数の1つであり、同じく制御ソフトウェア変数のd軸電流指令と回転機3のd軸電流(実測値)との偏差である。q軸電流指令偏差についても同様である。d軸電流指令偏差、q軸電流指令偏差などの制御指令と制御対象量との偏差を示す制御ソフトウェア変数は、正常状態ではゼロであり、劣化状態に移行するときに増加するので、劣化検知のための観測対象として適している。
図12で示した構成により、軌道劣化進行度積算値f(x)の算出に必要な走行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341は、電流データを用いることで高精度に取得することが可能となる。また、電流センサ6のみで上述の4つの情報を取得できる。このため、その他のセンサを追加する必要がなく、センサの取り付け作業を簡易化できるほか、センサ自体の保守を大幅に削減することができる。電流センサ6は図12に示すように駆動電源5の出力側の主配線11に設置し、回転機3のn台分の電流データをまとめて収集することができる。
図12の構成の場合、行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341の各情報は、電流センサ6が取得する電流が使用される回転機3a、3b、…、3nの平均の値として算出される。平均した値に基づくこの情報は、対応する車輪軸の情報として、対応する出力部200へ出力される。
図13は、本発明の第1の実施例における電流取得部の第2の例を説明する図である。
図12の構成に代えて、図13に示す構成としても良い。ここでは、回転機3a、3b、…、3nの入力側の分岐側の主配線11a、11b、…、11nに電流センサ6a、6b、…、6nを設置し、回転機3a、3b、…、3nの電流データを個別に収集する。このことで、回転機3a、3b、…、3nの情報を個別に収集できる。このため、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341を車輪軸ごとにより高精度に算出可能となる。この情報は、車輪軸ごとの情報として、対応する出力部200へ出力される。
図12、13の構成によれば、電流データから算出された走行位置情報301、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341と、荷重条件や環境条件などを用いて、軌道劣化進行度積算値f(x)を高精度に算出することで、軌道の劣化状態を可視化できる。これにより、軌道の劣化状態に基づいて保守周期を適正化できるため、保守作業の効率化と作業員の負担軽減を実現することができる。
図14は、本発明の第1の実施例における地点間の距離の一例を表す図である。図15は、本発明の第1の実施例における実距離と推定距離の関係の一例を表す図である。
図14、15により、電流データから得られる速度情報331を用いて算出した走行位置と、実際の車輪の走行位置との間に生じる差異の補正方法を説明する。図14に示すように、地点P0と地点P1とが経路Rの路線で繋がれている場合を例にとる。このとき、図15に示すように、地点P0と地点P1の間の実距離は(x1-x0)である。一方、電流データから得られる速度情報331を用いて算出した推定距離は(y1-y0)となり、実距離(x1-x0)よりもΔxだけ大きくなる。これは、電流データから得られる速度情報331を用いて算出した推定距離には、回転機3(誘導機)の「すべり」や、車両100の速度と車輪10の間の「すべり率(クリープ率)」による差異が含まれていないためである。そこで、実距離(x1-x0)と推定距離(y1-y0)の差異を補正するために、以下に示す補正係数Cを導入する。
C=(x1-x0)/(y1-y0)
ただし、x0は図8、9に示したように、駅などでの停止位置における先頭車両の車輪10aの位置に基づくものであり、かつ停止位置はGPS等の位置情報から取得したデータに基づく。このときの推定距離y0はx0と同等値に設定する。
補正係数Cを用いることで、次式のように電流データから算出した推定距離yから実距離xを求めることが可能となる。
x=C(y-y0)+x0
また、軌道劣化進行度積算値f(x)は次式のように推定距離yを用いて求めることができる。
f(x)=f{C(y-y0)+x0}
x0、x1は駅などでの停止時にGPS等の位置情報から取得したデータに基づき逐次更新される。これにより、走行位置xの誤差を最小化することが可能となり、軌道劣化進行度積算値f(x)を高精度に算出できる。
図16は、本発明の第1の実施例における地点間の劣化進行度の可視化方法の一例を表す図である。
上記のように算出されたf(x)に対して、可視化部600で劣化度のレベルに応じて可視化する処理を実施する。図16では、経路R上に位置ごとに劣化度を可視化する例を示している。図16には一例として、○印の色の濃さに対応させて劣化度の高さを地点ごとに可視化した場合を示す。このような可視化処理によって軌道の劣化状態が一目瞭然となる。このため、劣化度の高い区間を優先してレール削正を実施することで保守周期を適正化できるほか、保守作業の効率化と作業員の負担軽減を実現することができる。
(第2の実施例)
図17は、本発明の第2の実施例における劣化検知システムの第1の例を説明する図である。図18は、本発明の第2の実施例における劣化検知システムの第2の例を説明する図である。第2の実施例は、第1の実施例の変形例である。なお本実施例の説明にあたって、第1の実施例と共通する内容については説明を省略する。
図17、18に示すように、劣化検知システム900は、劣化検知装置1と指令送信部700とで構成される。劣化検知装置1から軌道異常信号601は、指令送信部700に出力される。軌道異常信号601を受信した指令送信部700は、各編成車両100-1、100-2、…、100-nに運行を停止または縮退運転の指令を送信する。このとき、図17では、指令送信部700から運行管理システム800を介して各編成車両100-1、100-2、…、100-nに指令が送られる。また、図18では、指令送信部700から直接各編成車両100-1、100-2、…、100-nに指令が送られる。このような構成により、軌道異常信号601に基づく適切な各編成車両の制御を行うことができる。
劣化検知システム900の機能(指令部など)は、CPUがメモリのプログラムを読み出して実行することにより実現されても良いし、専用回路などのハードウェアにより実現されても良いし、その他の方法により実現されても良い。また、劣化検知システム900は、鉄道の運行を管理する運行管理システム800と通信可能に接続され、軌道異常信号601など各種の情報を送受信する。
劣化検知システム900は運行管理システム800に含まれても良いし、図17に示すように運行管理システム800とは別に構成されても良い。また、例えばより安全な車両運行を実現するために、劣化検知装置1は、図18に示すように、軌道異常信号601を出力した場合には、指令送信部700を介して、指令送信部700から車両100-1、100-2、…、100-nに停止または縮退運転の指令を直接送信しても良い。また、図18の指令を送信する対象車両は、軌道の異常発生区間に近い車両に限定しても良い。
ここで、劣化検知システム900にはデータセンタ(データサーバ等)を構築し、データセンタは、複数の車両の記録データを集約する。データの集約後にデータ圧縮技術を適用する。このことにより、例えば幾つかの車両に共通する劣化検知に係るデータを見つけて圧縮することにより、車両ごとにデータ圧縮技術を適用する場合よりもデータ量を全体として削減できる。データセンタには、記録データの他、軌道異常信号等の出力ログを集約しても良い。なお、データセンタについては、建屋内に構築してもよく、特定の車両に構築しても良い。
また、劣化検知装置1が動作するのは、特定の時間帯または場所とする。例えば、始発電車または最終電車のみで劣化検知装置1を動作させても良いし、登坂、カーブなどの軌道20の摩耗が進行しやすい場所のみで劣化検知装置1を動作させても良い。
また、劣化検知装置1は、特定の車両のみを対象としても良い。
(効果)
以上のように、上記の実施形態では、軌道20の劣化度を、正確に算出することが可能である。特に、車輪10の車輪軸ごとの劣化度を考慮することでより正確に算出することが可能となる。また、走行位置情報301、軸重情報311に加えて、接線力情報321、速度情報331、車輪平たん情報341、勾配情報351、曲率情報361、散水有無情報371、環境温度情報381、軌道剛性情報391の少なくとも1つを用いることで、的確な劣化度の算出が可能となる。特に、上述した、衝撃力入力条件と応力計算条件をいずれも用いることで、より正確な劣化度の算出が可能となる。また、軌道母材強度情報501に基づく閾値を用いて軌道異常信号601を出力することで、管理者に軌道20の異常をいち早く気づかせることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、すべての車輪10の車輪軸に基づく軌道20の劣化度について説明したが、これに限らず、複数の代表的な車輪10の車輪軸に基づく劣化度を算出しても良い。このとき、軌道20を通過する車両100を含む2編成以上について、編成毎の1以上又は複数の車輪軸の情報を用いて劣化度を算出することができる。この場合は得られた値を代表値して、他の車輪軸の影響を推定した算出を行えば良い。
1…劣化検知装置、2…電気駆動装置、3…回転機、4…機械装置、5…駆動電源、6…電流センサ、7…電流取得部、8…演算器、9…電流計測装置、10…車輪、11…主配線、20…軌道、100…車両、200…出力部、310…軸重取得部、320…接線力取得部、330…速度取得部、340…車輪平たん取得部、350…勾配取得部、360…曲率取得部、370…散水有無取得部、380…環境温度取得部、390…軌道剛性取得部、400…軌道劣化進行度算出部、500…判定部、600…可視化部、601…出力部、700…指令送信部、800…運行管理システム、900…劣化検知システム

Claims (15)

  1. 車両が走行する軌道の劣化を検知する劣化検知システムであって、
    前記車両の走行位置を取得する走行位置取得部と、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量を取得する軸重取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の条件に関する情報を取得する衝撃力入力条件取得部と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報を取得する応力計算条件取得部と、軌道劣化進行度算出部とを備え、
    軌道劣化進行度算出部は、前記走行位置取得部で取得された位置情報に対応させて、前記軸重取得部で取得された重量情報と、前記衝撃力入力条件取得部で取得された情報と、前記応力計算条件取得部で取得された情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力し、
    前記劣化進行度は、前記軌道を通過する車両を含む2編成以上について、編成毎の1以上の車輪軸ごとの情報を用いて算出することを特徴とする劣化検知システム。
  2. 請求項1に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記衝撃力入力条件取得部は、前記車輪から前記軌道に伝達される接線力を取得する接線力取得部と、前記車輪軸の回転速度を取得する速度取得部と、前記車両の車輪踏面における平たん部の大きさを取得する車輪平たん取得部、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする劣化検知システム。
  3. 請求項1又は2に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記応力計算条件取得部は、前記軌道の勾配を取得する勾配取得部と、前記軌道の曲率を取得する曲率取得部と、前記軌道の頭頂面における散水状態の有無を取得する散水有無取得部と、前記車両の走行位置における環境温度の情報を取得する環境温度取得部と、前記軌道の材料物性値を含む情報を取得する軌道剛性取得部、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする劣化検知システム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記劣化進行度が閾値よりも大きいか否かを判定する判定部を備え、前記判定部は、前記劣化進行度が閾値よりも大きいと判定された場合、前記軌道に異常があることを示す軌道異常信号を出力することを特徴とする劣化検知システム。
  5. 請求項2に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記車両は電気駆動装置が発生する電気エネルギーによって駆動され、前記電気駆動装置が発生する電流データを取得する電流取得部を備え、前記走行位置取得部で取得する情報、前記接線力取得部で取得する情報、前記速度取得部で取得する情報、前記車輪平たん取得部で取得する情報のうち少なくとも一つは、前記電流取得部により取得された電流データに基づいて算出されることを特徴とする劣化検知システム。
  6. 請求項5に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記電気駆動装置は、1台の電力変換装置と、複数台の回転機とで構成され、前記電流取得部は、前記複数台の回転機それぞれの電流を取得するように設けられることを特徴とする劣化検知システム。
  7. 請求項4に記載の劣化検知システムにおいて、
    前記車両に対して指令を行う指令部を備え、前記指令部は、前記判定部から送信された前記軌道異常信号に基づいて、前記車両に対して、前記軌道異常信号に係る軌道における運行を停止または縮退運転させるための指令を行うことを特徴とする劣化検知システム。
  8. 車両が走行する軌道の劣化を検知する劣化検知方法であって、
    前記車両の走行位置を取得する走行位置取得ステップと、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量を取得する軸重取得ステップと、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の入力条件に関する情報を取得する衝撃力入力条件取得ステップと、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報を取得する応力計算条件取得ステップと、軌道劣化進行度算出ステップとを有し、
    前記軌道劣化進行度算出ステップは、前記走行位置取得ステップで取得された位置情報に対応させて、前記軸重取得ステップで取得された重量情報と、前記衝撃力入力条件取得ステップで取得された情報と、前記応力計算条件取得ステップで取得された情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力し、
    前記劣化進行度は、前記軌道を通過する車両を含む2編成以上について、編成毎の1以上の車輪軸ごとの情報を用いて算出することを特徴とする劣化検知方法。
  9. 請求項8に記載の劣化検知方法において、
    前記衝撃力入力条件取得ステップは、前記車輪から前記軌道に伝達される接線力を取得する接線力取得ステップと、前記車輪軸の回転速度を取得する速度取得ステップと、前記車両の車輪踏面における平たん部の大きさを取得する車輪平たん取得ステップ、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする劣化検知方法。
  10. 請求項8又は9に記載の劣化検知方法において、
    前記応力計算条件取得ステップは、前記軌道の勾配を取得する勾配取得ステップと、前記軌道の曲率を取得する曲率取得ステップと、前記軌道の頭頂面における散水状態の有無を取得する散水有無取得ステップと、前記車両の走行位置における環境温度の情報を取得する環境温度取得ステップと、前記軌道の材料物性値を含む情報を取得する軌道剛性取得ステップ、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする劣化検知方法。
  11. 請求項8から10のいずれか一項に記載の劣化検知方法において、
    前記劣化進行度が閾値よりも大きいか否かを判定する判定ステップを有し、前記判定ステップは、前記劣化進行度が閾値よりも大きいと判定された場合、前記軌道に異常があることを示す軌道異常信号を出力することを特徴とする劣化検知方法。
  12. 請求項9に記載の劣化検知方法において、
    前記車両を駆動する電気駆動装置が発生する電流データを取得する電流取得ステップを有し、前記走行位置取得ステップで取得する情報、前記接線力取得ステップで取得する情報、前記速度取得ステップで取得する情報、前記車輪平たん取得ステップで取得する情報のうち少なくとも一つは、前記電流取得ステップにより取得された電流データに基づいて算出されることを特徴とする劣化検知方法。
  13. 請求項12に記載の劣化検知方法において、
    前記電流取得ステップは、前記電気駆動装置が備える複数台の回転機それぞれの電流を取得することを特徴とする劣化検知方法。
  14. 請求項11に記載の劣化検知方法において、
    前記判定ステップで送信された前記軌道異常信号に基づいて、前記車両に対して、前記軌道異常信号に係る軌道における運行を停止または縮退運転させるための指令を行うステップを有することを特徴とする劣化検知方法。
  15. 車両が走行する軌道の劣化を検知する劣化検知装置であって、
    前記車両の走行位置の位置情報と、前記車両の走行を担う車輪軸において、鉛直方向下向きにかかる重量の軸重情報と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際の前記軌道への衝撃力の入力条件に関する情報と、前記車両の車輪が前記軌道を通過する際に発生する応力を計算するための応力計算条件に関する情報と、を取得し、
    前記走行位置の位置情報に対応させて、前記軸重情報と、前記衝撃力の入力条件に関する情報と、前記応力計算条件に関する情報とを用いて、前記軌道の劣化の進行度を示す劣化進行度を算出して出力し、
    前記劣化進行度は、前記軌道を通過する車両を含む2編成以上について、編成毎の1以上の車輪軸ごとの情報を用いて算出することを特徴とする劣化検知システム。
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