JP2022160341A - 車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法 - Google Patents

車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法 Download PDF

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靖宏 鈴木
Yasuhiro Suzuki
靖尋 吉田
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【課題】発泡性合成樹脂原料の表面への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる、車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法を提供する。【解決手段】車両用フロアスペーサ10は、第1の不織布を有する第1不織布層21と、第2の不織布を有する第2不織布層22とが積層された表皮材20と、表皮材20の第2不織布層22側に積層された発泡性合成樹脂30と、を備えている。第2の不織布の目付は20~80g/m2であり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法に関するものである。
車両用フロアスペーサの一形式として、特許文献1には、表皮材と、表皮材の一面にウレタンフォーム原料が接しながら発泡して表皮材と一体化したウレタンフォームとが積層された車両用フロアスペーサが開示されている。この車両用フロアスペーサにおいては、表皮材の上層が、2.2~4.4dtexの繊維径で形成された目付90g/m以上で、アクリル酸エステル系樹脂を35g/m以上含浸した層であり、表皮材の下層が、5.5dtex以上の繊維径で形成された目付100g/m以上の層である。この車両用フロアスペーサによれば、ウレタンフォーム原料の染み出しを防ぎ、かつ軽量で、コスト低減が可能な車両用フロアスペーサを提供することができる。
特許第6242635号公報
上述した特許文献1に開示されている車両用フロアスペーサにおいて、ウレタンフォーム原料の染み出しを抑制するとともに軽量化を図ることができるものの、ウレタンフォーム原料の染み出しを抑制しつつ更なる軽量化が要請されている。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、発泡性合成樹脂原料の表面への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる、車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る車両用フロアスペーサは、第1の不織布を有する第1不織布層と、第2の不織布を有する第2不織布層とが積層された表皮材と、前記表皮材の前記第2不織布層側に積層された発泡性合成樹脂と、を備える車両用フロアスペーサであって、前記第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、前記第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする。
この発明に係る車両用フロアスペーサによれば、発泡性合成樹脂側に積層された第2不織布の第2の不織布の目付が20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されている。そのため、第2不織布層の目を細かくすることにより、第2不織布層の通気性を低く抑えることができる。よって、発泡性合成樹脂を表皮材に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層を通過するのを抑制できるため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料が第1不織布層まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材をより軽量化することが可能となる。したがって、本発明に係る車両用フロアスペーサによれば、発泡性合成樹脂原料の表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサにおいては、前記第2の不織布の目付は、30~60g/mであることが好ましい。これによれば、第2不織布層の通気性をより確実に低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂を表皮材に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層を通過するのをより確実に抑制するため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料が第1不織布層まで到達するのをより確実に抑制することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサにおいては、前記第2不織布層の前記第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合している不織布であることが好ましい。これによれば、第2不織布層の第2の不織布の各繊維は比較的短い間隔で結合することとなり、第2不織布層内にて気体が流通可能である流路が細分化されすなわち流路断面積が比較的小さくなる。よって、第2不織布層の通気性を低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂を表皮材に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層を通過するのを抑制することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサにおいては、前記各繊維が熱溶着にて結合している前記不織布はスパンボンド不織布であることが好ましい。これによれば、一般的に低コストであるスパンボンド不織布を使用することにより、低コストである車両用フロアスペーサを提供することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサにおいては、前記第1不織布層の前記第1の不織布は、ニードルパンチ不織布であることが好ましい。これによれば、一般的に低コスト、高耐久性、かつ良好な材質感を有するニードルパンチ不織布を使用することにより、低コスト、高耐久性、高い材質感を有する車両用フロアスペーサを提供することが可能となる。
本発明に係る車両用フロアスペーサは、第1の不織布を有する第1不織布層と、第2の不織布を有する第2不織布層とが積層された表皮材と、前記表皮材の前記第2不織布層側に積層された発泡性合成樹脂と、を備える車両用フロアスペーサであって、前記第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合しており、かつ、アクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする。
この発明に係る車両用フロアスペーサによれば、第2不織布層の第2の不織布の各繊維は比較的短い間隔で結合することとなり、第2不織布層内にて気体が流通可能である流路が細分化されすなわち流路断面積が比較的小さくなる。よって、第2不織布層の通気性を低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂を表皮材に積層(成形)する際に発生した発泡用の気体が第2不織布層を通過するのを抑制することが可能となる。よって、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料が第1不織布層まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材をより軽量化することが可能となる。したがって、本発明に係る車両用フロアスペーサによれば、発泡性合成樹脂原料の表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサの製造方法は、金型のキャビティ面に表皮材を配置し、該金型内に発泡性合成樹脂原料を注入して発泡させることにより、前記表皮材が発泡性合成樹脂の表面に接着した車両用フロアスペーサを製造する方法において、前記表皮材は、該表皮材の表面側に位置し第1の不織布を有する第1不織布層と、該表皮材の裏面側に位置するとともに前記発泡性合成樹脂の表面に接着した第2の不織布を有する第2不織布層とが積層され、前記第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、前記第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする。
この発明に係る車両用フロアスペーサの製造方法によれば、発泡性合成樹脂側に積層された第2不織布層の第2の不織布の目付が20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されているため、第2不織布層の通気性を低く抑えることができる。すなわち、発泡性合成樹脂を表皮材に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層を通過するのを抑制できるため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料が第1不織布層まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材をより軽量化することが可能となる。したがって、本発明に係る車両用フロアスペーサによれば、発泡性合成樹脂原料の表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
この発明によれば、発泡性合成樹脂原料の表面への染み出しをさらに抑制することが可能となる、車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法を提供することが可能となる。
本発明による車両用フロアスペーサの一実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す表皮材の製造工程の一部(表皮材形成工程)を示す断面図である。 図1に示す表皮材の製造工程の一部(アクリル酸エステル系樹脂塗布工程)を示す図である。 図1に示す車両用フロアスペーサの製造工程の一部(表皮材配置工程)を示す断面図である。 図1に示す車両用フロアスペーサの製造工程の一部(ウレタンフォーム原料注入工程)を示す断面図である。 図1に示す車両用フロアスペーサの製造工程の一部(発泡工程)を示す断面図である。 図1に示す車両用フロアスペーサの製造工程の一部(脱型工程)を示す断面図である。
以下、本発明による車両用フロアスペーサ、及び車両用フロアスペーサの製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
図1に示すように、車両用フロアスペーサ10は、表皮材(車両用フロアスペーサ用表皮材)20と発泡性合成樹脂30とを備えており、表皮材20と発泡性合成樹脂30とは積層されている。車両用フロアスペーサ10は、車両内の床面上に敷設される床材であり、乗員の脚に対する衝撃緩和や遮音等のために設けられる部材である。
表皮材20は、第1不織布層21と、第1不織布層21の裏面に積層された第2不織布層22と、を備えている。第1不織布層21は、第1の不織布を有し、第2不織布層22は、第2の不織布を有する。表皮材20は、車両用フロアスペーサ用に使用される表皮材(車両用フロアスペーサ用表皮材)であることが好ましい。
第1不織布層21は、表皮材20の表面に位置する層(表皮層)であり、乗員の脚が直接接触する部分である。第1不織布層21の第1の不織布は、一般的に低コストであり、高耐久性、耐摩耗性を有する不織布により形成されることが好ましく、さらに高い意匠性を創作可能であり、良好な材質感を有する不織布により形成されることがより好ましい。本実施形態では、第1の不織布は、例えばニードルパンチ不織布により形成されることがより好ましい。
不織布は、繊維を織ったり編んだりすることなく、繊維を絡み合わせたシート状の布であり、繊維シート、ウェブ又はバットで、繊維が一方向又は、ランダムに配向しており、交絡、及び又は溶着(融着)、及び又は接着により、繊維間が結合されたものである。ニードルパンチ不織布は、金属製ニードルの往復運動により、ニードルに繊維を引っ掛けウェブ内に押し込み、繊維相互間を交絡して作られた不織布である。例えば、ニードルパンチ不織布は、短繊維をカード機で開繊し、一定方向に繊維の向きを整え、ウェブを形成し、形成したウェブを何層かに重ね合わせ、ニードルを往復させることにより繊維を交絡させた不織布である。
第1の不織布を形成する繊維には、ポリエステルやPP(ポリプロピレン)やエチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂製の合成繊維等を用いることができる。第1の不織布の目付は、100~300g/mであることが好ましく、150~300g/mであることがより好ましい。尚、第1の不織布は、ニードルパンチ不織布に限られず、他の短繊維不織布、例えば、ウェブの繊維結合方法が異なる、接着剤を使用するケミカルボンド不織布、熱溶着繊維などを使ったサーマルボンド不織布、高圧水流で繊維を絡ませるスパンレース不織布などで形成されるようにしてもよい。第1の不織布は、長繊維不織布、例えば、後述するスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布などで形成されるようにしてもよい。また、第1の不織布の繊度は、2~5dtexであることが好ましく、2~4dtexであることがより好ましい。
第2不織布層22は、表皮材20の裏面に位置する層(裏面層)であり、発泡性合成樹脂30に接着されている層である。第2不織布層22の不織布である第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合している不織布であることが好ましい。各繊維が熱溶着にて結合している不織布としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布などを採用することができる。本実施形態では、第2の不織布は、スパンボンド不織布から作られることが好ましい。
スパンボンド不織布は、ポリマーの溶融又は溶解によって、ノズルから紡糸された連続繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層し、一つ又は二つ以上の結合方法で作られた不織布である。このように製造されたスパンボンド不織布は、合繊長繊維不織布である。ポリマーは、重合体のことであり、複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってできた化合物のことである。一般的には、ポリマーは、高分子の有機化合物であり、スパンボンド不織布のポリマーは、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなど熱可塑性樹脂(合成樹脂)である。スパンボンド不織布の各繊維の結合方法は、加熱による溶着(熱溶着)である。これによれば、各繊維の所々が点接着される。例えば、結合方法として、ノズルから紡糸された連続繊維(フィラメント)をスクリーンで搬送し、熱ロールにより加圧しながら溶着(熱圧着)し、シート化する方法がある。また、他の結合方法としては、熱風を加えるだけの方法もある。
また、メルトブローン不織布は、ポリマーを高速熱ガス流中に紡糸して繊維状にし、冷却後、動くスクリーンに集積し、一つ又は二つ以上の結合方法で作られた不織布である。このように製造されたメルトブローン不織布は、合繊長繊維不織布である。尚、メルトブローン不織布のポリマーは、上述したスパンボンド不織布と同様のポリマーである。また、メルトブローン不織布の各繊維の結合方法は、スパンボンド不織布の各繊維の結合方法と同様に、加熱による溶着(熱溶着)である。
また、フラッシュ紡糸不織布は、ポリマー溶液を一定条件でノズルから紡糸し、紡糸直後に溶剤を蒸発させ、これらの繊維を動くスクリーン上に積層し、一つ又は二つ以上の結合方法で作られた高度にフィブリル化した形状のフィラメントによる不織布である。このように製造されたフラッシュ紡糸不織布は、合繊長繊維不織布である。尚、フラッシュ紡糸不織布のポリマー溶液のポリマーは、上述したスパンボンド不織布と同様のポリマーである。また、フラッシュ紡糸不織布の各繊維の結合方法は、スパンボンド不織布の各繊維の結合方法と同様に、加熱による溶着(熱溶着)である。
また、上述したスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布は、繊維を作る(紡糸)工程からそのまま不織布を製造する、紡糸直結タイプの不織布であり、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布である、第2不織布層22の不織布は、紡糸直結タイプの不織布であると言える。紡糸直結タイプの不織布は、紡糸工程-ウェブ工程-ウェブ結合工程が切り離されずに連続しているプロセスから作り出された不織布である。第2不織布層22の不織布は、合成繊維であって比較的長い繊維である長繊維(フィラメント)により作られた合繊長繊維不織布であることが好ましい。長繊維は、長くても数十センチメートルである短繊維より長い繊維である。合成繊維とは、低分子の製造原料から合成によりつくられた高分子の組成の化学繊維である。例えば、合成繊維としては、縮合高分子の繊維(ナイロンやポリエステル)と重合高分子の繊維(アクリルやポリプロピレン)がある。
第2不織布層22の第2の不織布の目付は、20~80g/mであることが好ましく、30~60g/mであることがより好ましい。さらに、第2の不織布は、アクリル酸エステル系樹脂を含浸されているのがより好ましい。また、第2の不織布の繊度は、2~5dtexであることが好ましく、2~4dtexであることがより好ましい。
本発明の発明者は、表皮材20の更なる軽量化を図るため、第2不織布層22の不織布(第2の不織布)の種類、目付を変更し染み出し状態を確認することにより、耐染み出し性が高く、かつ軽量化が可能な第2不織布層22の不織布の種類、目付を見出した。但し、第1不織布層21、アクリル酸エステル系樹脂、及び発泡性合成樹脂30は同一内容である。
第2の不織布の種類としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布が好ましく、すなわち各繊維が熱溶着にて結合している不織布であることが好ましいことを見出した。
さらに、軽量化の観点から、第2の不織布として同一種類の不織布(例えば、スパンボンド不織布)を採用した場合に、目付を10~90g/m範囲で変更して染み出し状態を確認したところ、目付が20g/m未満である場合には、発泡性合成樹脂原料(例えば、ウレタンフォーム原料)が表皮材20の表面から染み出しやすくなるため、耐染み出し性が悪化することを確認した。目付が20g/m未満になると、アクリル酸エステル系樹脂が含浸されていても、第2不織布層22の不織布の総量が少なくなるため、発泡性合成樹脂原料が第2不織布層22内を通過して第1不織布層21に到達し、表皮材20の表面から染み出すからである。
一方、目付が20~90g/m範囲である場合には、発泡性合成樹脂原料が表皮材20の表面から染み出し難くなるため、耐染み出し性が良好であることを確認した。目付が20~90g/m範囲であれば、第2不織布層22の不織布の総量が比較的多く、かつ、アクリル酸エステル系樹脂が含浸されているため、第2不織布層22の目を比較的細かくすることが可能となる。よって、発泡性合成樹脂原料が第2不織布層22内を通過するのが抑制され第1不織布層21に到達するのが抑制され、表皮材20の表面から染み出すのを抑制すること(耐染み出し性の向上)が可能となる。
また、第2の不織布には、アクリル酸エステル系樹脂が含浸されている。アクリル酸エステル系樹脂の含浸量は、35~150g/mが好ましい。アクリル酸エステル系樹脂は第2の不織布の繊維間を充填し、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が多いほど第2の不織布の目が比較的細くなるため、発泡性合成樹脂原料が第2不織布層22を通過しにくくなる。アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が多くなると、耐染み出し性は向上するものの、表皮材20の重量が大きくなるので、軽量化の観点から、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量の上限を設定するのが好ましい。
一方、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が少ないほど第2の不織布の目が比較的大きくなるため、発泡性合成樹脂原料が第2不織布層22を通過しやすくなる。アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が少なくなると、軽量化を図ることは可能となるものの、耐染み出し性が悪化するので、耐染み出し性を維持することが可能となるように、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量の下限を設定するのが好ましい。
尚、アクリル酸エステル系樹脂の第2不織布層22への含浸は、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョンを第2不織布層22の裏面(発泡性合成樹脂30が接着される面)に塗布したり、アクリル酸エステル系樹脂のパウダーを第2不織布層22の裏面に散布して熱ローラーや熱風を当てたりして行うことができる。
発泡性合成樹脂30は、表皮材20の第2不織布層22の裏面に積層されている。発泡性合成樹脂30は、発泡性合成樹脂原料を発泡させて形成される。発泡性合成樹脂30は、内部に細かな気泡を保留させた多孔質の合成樹脂であり、合成樹脂を骨格とする発泡体である。発泡性合成樹脂30には、ポリウレタンから作られるウレタンフォーム(ポリウレタンフォーム)を用いることができる。ウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームでもよく、硬質ポリウレタンフォームでもよく、半硬質ポリウレタンフォームでもよい。発泡性合成樹脂30としては、ポリエチレンフォーム、EVAフォーム等の発泡性合成樹脂を用いることができる。ポリエチレンフォームは、ポリエチレンから作られ、EVAフォームは、エチレン酢酸ビニル共重合体(Ethylene vinyl acetate)から作られる。
例えば、ウレタンフォーム原料は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤及び触媒等を含み、ポリオールとポリイソシアネートの反応により発泡する公知のものであり、密度40kg/m~95kg/mのウレタンフォームを形成するものが好ましい。また、発泡性合成樹脂30の厚みは3mm~50mm程度が好ましい。発泡性合成樹脂30は、発泡性合成樹脂原料の発泡成形時に生じる第2不織布層22への含浸により、表皮材20と接着一体化する。
上述した説明から明らかなように、本実施形態に係る車両用フロアスペーサ10は、第1の不織布を有する第1不織布層21と、第2の不織布を有する第2不織布層22とが積層された表皮材20と、表皮材20の第2不織布層22側に積層された発泡性合成樹脂30と、を備えている。第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されている。
この車両用フロアスペーサ10によれば、発泡性合成樹脂30側に積層された第2不織布層22の第2の不織布の目付が20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されている。そのため、第2不織布層22の目を細かくすることにより、第2不織布層22の通気性を低く抑えることができる。よって、発泡性合成樹脂30を表皮材20に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層22を通過するのを抑制できるため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料30aが第1不織布層21まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層22の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材20をより軽量化することが可能となる。したがって、この車両用フロアスペーサ10によれば、発泡性合成樹脂原料30aの表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
また、車両用フロアスペーサ10においては、第2の不織布の目付は、30~60g/mであることが好ましい。これによれば、第2不織布層22の通気性をより確実に低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂30を表皮材20に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層22を通過するのをより確実に抑制するため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料30aが第1不織布層21まで到達するのをより確実に抑制することが可能となる。
また、車両用フロアスペーサ10においては、第2不織布層22の第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合している不織布であることが好ましい。これによれば、第2不織布層22の第2の不織布の各繊維は比較的短い間隔で結合することとなり、第2不織布層22内にて気体が流通可能である流路が細分化されすなわち流路断面積が比較的小さくなる。よって、第2不織布層22の通気性を低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂30を表皮材20に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層22を通過するのを抑制することが可能となる。
また、車両用フロアスペーサ10においては、各繊維が熱溶着にて結合している不織布はスパンボンド不織布であることが好ましい。これによれば、一般的に低コストであるスパンボンド不織布を使用することにより、低コストである車両用フロアスペーサ10を提供することが可能となる。
また、車両用フロアスペーサ10においては、第1不織布層21の第1の不織布は、ニードルパンチ不織布であることが好ましい。これによれば、一般的に低コスト、高耐久性、かつ良好な材質感を有するニードルパンチ不織布を使用することにより、低コスト、高耐久性、高い材質感を有する車両用フロアスペーサ10を提供することが可能となる。
また、車両用フロアスペーサ10は、第1の不織布を有する第1不織布層21と、第2の不織布を有する第2不織布層22とが積層された表皮材20と、表皮材20の第2不織布層22側に積層された発泡性合成樹脂30と、を備えている。第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合しており、かつ、アクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする。
この車両用フロアスペーサ10によれば、第2不織布層22の第2の不織布の各繊維は比較的短い間隔で結合することとなり、第2不織布層22内にて気体が流通可能である流路が細分化されすなわち流路断面積が比較的小さくなる。よって、第2不織布層22の通気性を低く抑えることができるため、発泡性合成樹脂30を表皮材20に積層(成形)する際に発生した発泡用の気体が第2不織布層22を通過するのを抑制することが可能となる。よって、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料30aが第1不織布層21まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層22の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材20をより軽量化することが可能となる。したがって、この車両用フロアスペーサ10によれば、発泡性合成樹脂原料30aの表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
続いて、表皮材20と発泡性合成樹脂30とを接着して形成する車両用フロアスペーサ10の製造方法(製造工程)について図面を参照して説明する。車両用フロアスペーサ10の製造方法は、表皮材形成工程、表皮材配置工程、ウレタンフォーム原料注入工程(発泡性合成樹脂原料注入工程)、発泡工程、及び脱型工程を有している。
表皮材20を形成する表皮材形成工程について説明する。表皮材形成工程においては、図2Aに示すように、第1不織布層21を上にして、第1不織布層21と第2不織布層22とを重ね合わせ、第1不織布層21と第2不織布層22とを結合する。結合方法としては、ニードル51で繰り返し突き刺すニードルパンチ法が好ましい。尚、結合方法としては、高圧の水流を柱状に噴射する水流絡合法、低融点の熱溶着繊維を配合したものを熱ロールの間を通して熱圧着したり熱風を当てたりするサーマルボンド法、エマルジョン系の接着樹脂を含浸またはスプレーなどで付着させその後加熱乾燥させるケミカルボンド法(含浸法)、及び、バインダの溶液をスプレーしその後乾燥させるケミカルボンド法(スプレー法)などを採用することも可能である。
その後、結合された表皮材20に第2不織布層22側からアクリル酸エステル系樹脂のエマルジョン52をローラー53によって塗布する。このとき、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョン52が第2不織布層22全体に行き渡り、第1不織布層21の下側部分に達するまで含浸するのが好ましい。第1不織布層21の下側1/3程度が好ましく、第1不織布層21の下側1/4程度がより好ましい。ローラー53の代わりにスプレーなどの噴射装置を採用するようにしてもよい。また、アクリル酸エステル系樹脂のパウダーを第2不織布層22の裏面に散布して熱ローラーや熱風を当てるようにしてもよい。この場合、加熱溶融されたアクリル酸エステル系樹脂が第2不織布層22全体に行き渡り、第1不織布層21の下側部分に達するまで含浸するのが好ましい。第1不織布層21の下側1/3程度が好ましく、第1不織布層21の下側1/4程度がより好ましい。
なお、表皮材形成工程においては、第1不織布層21と第2不織布層22とを重ねて結合する工程を省略して、第1不織布層21と第2不織布層22とを重ねた後、アクリル酸エステル系樹脂を含浸させるようにしてもよい。これによれば、表皮材形成工程を簡素化することが可能となる。
また、図2Bに示すように、アクリル酸エステル系樹脂を塗布(含浸)するようにしてもよい。表皮材20は、第1不織布層21と第2不織布層22とを重ねた表皮材20が巻かれた表皮材ロール20Aから巻き戻されて、第1不織布層21を下に向けた状態(第2不織布層22を上に向けた状態)で供給される。
供給されている表皮材20の上方には、供給装置55が設けられている。供給装置55は、ノズルを下向きにして設けられている。供給装置55は、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョン55aを供給する。供給装置55は、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョン55aを泡立たせた状態で表皮材20の上面(裏面)に塗布する。
その後、供給装置55の下流位置に設けられたブレード56によって、表皮材20の上面に供給されたアクリル酸エステル系樹脂のエマルジョン55aが掻き取られて一定の膜厚になる。さらに、ブレード56の下流位置に設けられた抑えロール57,57によって、表皮材20の厚み及びアクリル酸エステル系樹脂の含浸深さが一定量に整えられる。そして、抑えロール57,57の下流位置に設けられた乾燥炉58によって、アクリル酸エステル系樹脂が乾燥・硬化される。
表皮材配置工程では、図3Aに示すように、表皮材20が金型40の上型41のキャビティ面に配置される。その際、表皮材20は、第1不織布層21を上向きにして第1不織布層21の表面が上型41のキャビティ面に接触するように配置するのが好ましい。このとき、表皮材20の第2不織布層22が下向きとなるように配置されている。なお、上型41及び下型42のキャビティ面は、車両用フロアスペーサ10の形状に応じた凹凸面となっている。
ウレタンフォーム原料注入工程では、図3Bに示すように、ウレタンフォーム原料(発泡性合成樹脂原料)30aが、表皮材20が上型41に配置された金型40内に所要量だけ注入される。ウレタンフォーム原料30aの注入量は、発泡により形成するウレタンフォームの密度が所定密度(例えば、40kg/m~95kg/m)となる量とするのが好ましい。金型40を開けた状態でウレタンフォーム原料30aを金型40内に注入した後、下型42と上型41とを閉型する。また、原料注入口(図示せず)が金型40に形成されている場合、表皮材20を金型40に配置後、金型40を閉じた状態で原料注入口からウレタンフォーム原料30aを金型40内に注入することで成形できる。
発泡工程では、図3Cに示すように、金型40内でウレタンフォーム原料30aを反応の進行により発泡させて発泡性合成樹脂30を形成し、発泡成形時の第2不織布層22への含浸すなわち表皮材20への含浸により表皮材20と発泡性合成樹脂30とを接着一体化する。そして、脱型工程では、図3Dのように、金型40を開け、表皮材20と発泡性合成樹脂30とが一体化した車両用フロアスペーサ10を取り出す。
本実施形態に係る車両用フロアスペーサ10の製造方法は、金型40のキャビティ面に表皮材20を配置し、該金型40内に発泡性合成樹脂原料30aを注入して発泡させることにより、表皮材20が発泡性合成樹脂30の表面に接着した車両用フロアスペーサ10を製造する方法である。表皮材20は、該表皮材20の表面側に位置し第1の不織布を有する第1不織布層21と、該表皮材20の裏面側に位置するとともに発泡性合成樹脂30の表面に接着した第2の不織布を有する第2不織布層22とが積層され、第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されている。
この車両用フロアスペーサ10の製造方法によれば、発泡性合成樹脂30側に積層された第2不織布層22の第2の不織布の目付が20~80g/mであり、かつ、第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されているため、第2不織布層22の通気性を低く抑えることができる。すなわち、発泡性合成樹脂30を表皮材20に積層(成形)する際に、発生した発泡用の気体が第2不織布層22を通過するのを抑制できるため、発泡用の気体とともに発泡性合成樹脂原料30aが第1不織布層21まで到達するのを抑制することが可能となる。さらに、第2不織布層22の第2の不織布は比較的低目付であるため、表皮材20をより軽量化することが可能となる。したがって、本発明に係る車両用フロアスペーサ10によれば、発泡性合成樹脂原料30aの表面(意匠面)への染み出しを抑制しつつ更なる軽量化を達成することが可能となる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
表1に示す第1不織布層21と第2不織布層22とを有する表皮材20を用いて、実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10を作成し、表2に示す第1不織布層21と第2不織布層22とを有する表皮材20を用いて、比較例1~比較例5の車両用フロアスペーサ10を作成した。第1の不織布は、ポリエステル(例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート))の繊維から形成されている。第2の不織布は、PE(ポリエチレン)の繊維から形成されている。実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10と比較例1~比較例5の車両用フロアスペーサ10は、表1及び表2に示すアクリル酸エステル系樹脂が含浸されている。また、評価対象の車両用フロアスペーサ10の大きさは、1m×1mであり、発泡性合成樹脂30の厚さは20mmであり、発泡性合成樹脂30の密度は50kg/mである。
実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10、及び比較例1~比較例5の車両用フロアスペーサ10において、第2不織布層22の第2の不織布は、スパンボンド不織布が採用されており、第1不織布層21の第1の不織布は、ニードルパンチ不織布が採用されている。
実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10において、第2不織布層22の目付は、20~80g/mであり、第2不織布層22の繊度は3.3dtexである。一方、比較例1の車両用フロアスペーサ10において、第2不織布層22の目付は、20g/m未満であり、比較例2の車両用フロアスペーサ10において、第2不織布層22の目付は、80g/mより大きい。但し、いずれの場合も、第1不織布層21の目付は200g/mであり、繊度は3.3dtexであり、アクリル酸エステル系樹脂は50g/mである。第2不織布層22の繊度は3.3dtexである。
また、実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10において、アクリル酸エステル系樹脂は50g/mである。一方、比較例3の車両用フロアスペーサ10において、アクリル酸エステル系樹脂は含浸されておらず、比較例4の車両用フロアスペーサ10において、アクリル酸エステル系樹脂は30g/mである。但し、いずれの場合も、第1不織布層21の目付は200g/mであり、繊度は3.3dtexであり、第2不織布層22の目付は20~80g/mであり、繊度は3.3dtexである。
また、実施例1~実施例7の車両用フロアスペーサ10において、第1不織布層21の繊度は3.3dtexである。一方、比較例5の車両用フロアスペーサ10において、第1不織布層21の繊度は1.2dtexである。但し、いずれの場合も、第1不織布層21の目付は200g/mであり、第2不織布層22の目付は20~80g/mであり、第2不織布層22の繊度は3.3dtexであり、アクリル酸エステル系樹脂は50g/mである。
Figure 2022160341000002
Figure 2022160341000003
各実施例及び各比較例の車両用フロアスペーサ10について、耐染み出し、全体重量(軽量性)、及び耐摩耗性を測定(評価)した。
耐染み出し性の測定は、3個の試験片について、表皮材20の表面への発泡性合成樹脂原料の染み出しの状態を目視で観測することにより行った。3個の全てについて染み出しが確認できない場合には、耐染み出し性が大変良好であり(◎で示す)、合格と判定した。1個について僅かな染み出しが確認でき、かつ、残り2個には染み出しが確認できない場合には、耐染み出し性が良好であり(○で示す)合格と判定した。さらに、2個以上に染み出しが確認できた場合には、耐染み出し性が不良であり(×で示す)不合格と判定した。
全体重量の測定は、各実施例及び各比較例の車両用フロアスペーサ10の試験片の重量を測定した。そして、測定した重量に基づいて、軽量性を評価した。第2不織布層22の目付が90g/m以上である場合に、軽量性について比較的重量である×(不合格)とし、第2不織布層22の目付が90g/m未満である場合に、軽量性について比較的軽量である○(合格)とした。
耐摩耗性の測定は、ASTM D3884に準拠して行った。表皮材20の表面と摩耗輪を接触させて、荷重500gf(4.9N)、回転数200回/minで回転させ、その後の表皮材20の表面の状態を観測する。表皮材20の表面に著しい毛羽立ちがある場合には不合格と判定し、毛羽立ちが目立たない場合には合格と判定した。
耐染み出し性の評価については、表1及び表2から明らかなように、第2不織布層22の目付が20g/m以上であり、かつ、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が35~150g/mである場合(実施例1~実施例7及び比較例2、比較例5)には、第2不織布層22の目が比較的細かくなり、通気性が低下することにより、耐染み出し性が向上するため、良好としての評価(合格)がなされ「○」で示される。特に、第2不織布層22の目付が30~90g/mである場合には、より良好としての評価がなされ「◎」で示される。一方、第2不織布層22の目付が20g/m未満である場合(比較例1)、または、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が35g/m未満である場合(比較例3、比較例4)には、第2不織布層22の目が比較的大きくなり、通気性が向上することにより、耐染み出し性が悪化するため、不良としての評価(不合格)がなされ「×」で示される。
軽量性の評価については、表1及び表2から明らかなように、第1不織布層21及び発泡性合成樹脂30が同一条件であるという前提において、第2不織布層22の目付が90g/m未満である場合に、すなわち全体重量が1340g未満である場合(実施例1~実施例7及び比較例1、比較例3~比較例5)には、良好としての評価(合格)がなされ「○」で示される。一方、第2不織布層22の目付が90g/m以上である場合に、すなわち全体重量が1340g以上である場合(比較例2)には、不良としての評価(不合格)がなされ「×」で示される。
耐摩耗性の評価については、表1及び表2から明らかなように、第1不織布層21の第1の不織布の繊度が2~5dtexである場合(実施例1~実施例7及び比較例1~比較例4)には、各繊維が比較的太いため、良好としての評価(合格)がなされ「○」で示される。一方、第1不織布層21の第1の不織布の繊度が2dtex未満である場合(比較例5)には、各繊維が比較的細いため、不良としての評価(不合格)がなされ「×」で示される。
上述した耐染み出し性及び軽量性の評価から明らかなように、総合的な評価については、第2不織布層22の目付が20~80g/mであり、かつ、アクリル酸エステル系樹脂の含浸量が35~150g/mである場合には、耐染み出し性及び軽量性の評価の両方が良好であり、特に、第2不織布層22の目付が30~60g/mである場合には、耐染み出し性の評価が良好である。さらに、第1不織布層21の第1の不織布の繊度が2~5dtexである場合には、耐摩耗性の評価も良好となる。
10…車両用フロアスペーサ、20…表皮材、21…第1不織布層、22…第2不織布層、30…発泡性合成樹脂、40…金型、41…上型、42…下型。

Claims (7)

  1. 第1の不織布を有する第1不織布層と、第2の不織布を有する第2不織布層とが積層された表皮材と、前記表皮材の前記第2不織布層側に積層された発泡性合成樹脂と、を備える車両用フロアスペーサであって、
    前記第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、前記第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする車両用フロアスペーサ。
  2. 前記第2の不織布の目付は、30~60g/mであることを特徴とする請求項1に記載の車両用フロアスペーサ。
  3. 前記第2不織布層の前記第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合している不織布であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用フロアスペーサ。
  4. 前記各繊維が熱溶着にて結合している前記不織布はスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項3に記載の車両用フロアスペーサ。
  5. 前記第1不織布層の前記第1の不織布は、ニードルパンチ不織布であることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の車両用フロアスペーサ。
  6. 第1の不織布を有する第1不織布層と、第2の不織布を有する第2不織布層とが積層された表皮材と、前記表皮材の前記第2不織布層側に積層された発泡性合成樹脂と、を備える車両用フロアスペーサであって、
    前記第2の不織布は、各繊維が熱溶着にて結合しており、かつ、アクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする車両用フロアスペーサ。
  7. 金型のキャビティ面に表皮材を配置し、該金型内に発泡性合成樹脂原料を注入して発泡させることにより、前記表皮材が発泡性合成樹脂の表面に接着した車両用フロアスペーサを製造する方法において、
    前記表皮材は、該表皮材の表面側に位置し第1の不織布を有する第1不織布層と、該表皮材の裏面側に位置するとともに前記発泡性合成樹脂の表面に接着した第2の不織布を有する第2不織布層とが積層され、
    前記第2の不織布の目付は20~80g/mであり、かつ、前記第2の不織布はアクリル酸エステル系樹脂を含浸されていることを特徴とする車両用フロアスペーサの製造方法。
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