JP2022160078A - 複合部材の製造方法 - Google Patents

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【課題】強化材を含む樹脂部材を金属部材と良好に接合することができる技術を提案する。【解決手段】金属部材に樹脂部材を固定した複合部材を製造する複合部材の製造方法である。樹脂部材は、強化材を含む。この製造方法では、金属部材における平面状の部位に樹脂部材を配置することと、樹脂部材に、先端が平坦な形状である留め具を押し入れることと、樹脂部材に押し入れられた留め具の先端と金属部材の平面状の部位とを溶接すること、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、金属部材と樹脂部材とを固定する技術に関する。
金属部材と樹脂部材とを固定する技術として、金属部材と樹脂部材とを重ねて配置し、樹脂部材の側から金属部材までリベットを打ち込んで接合する技術が用いられている。下記特許文献1では、留め具を高周波誘導コイルにより加熱し、留め具に接触した樹脂部材を軟化又は溶融させた状態で留め具を圧入する方法が開示されている。
特開2017-185626号公報
留め具と金属部材とにより接合される樹脂部材が、例えば炭素繊維のような強化材を含む場合、強化材を含まない樹脂部材と比較して、留め具と金属部材との接合強度が低くなってしまうという問題が発見された。
本開示の目的は、強化材を含む樹脂部材を金属部材と良好に接合することができる技術を提案することである。
本開示の一態様は、金属部材に樹脂部材を固定した複合部材を製造する複合部材の製造方法である。樹脂部材は、強化材を含む。この製造方法では、金属部材における平面状の部位に樹脂部材を配置することと、樹脂部材に、先端が平坦な形状である留め具を押し入れることと、樹脂部材に押し入れられた留め具の先端と金属部材の平面状の部位とを溶接すること、を含む。
このような製造方法であれば、留め具が樹脂部材に押し入れられて金属部材の平面状の部位に接触又は近接したとき、留め具の先端と金属部材の表面との間の樹脂の大部分が、留め具と金属部材の間の空間(以下、当接領域と記載する)の外側に押し出される。それに伴って強化材も外側に押し出されるため、留め具と金属部材とを溶接したときに、溶接部分に強化材が含まれてしまうことが抑制される。その結果、留め具と金属部材との接合強度が低下してしまうことを抑制でき、強化材を含む樹脂部材を金属部材と良好に接合することができる。
上述した製造方法において、樹脂部材は熱可塑性樹脂であってもよい。また上述した製造方法は、留め具を樹脂部材に押し入れる前に、樹脂部材を加熱すること、を含んでもよい。このような製造方法であれば、樹脂部材が加熱により軟化又は溶融するため、留め具に押された樹脂の流動がスムーズになる。その結果、樹脂部材に含まれる強化材が、留め具と金属部材の当接領域の外側に容易に押し出され、溶接部分に含まれる強化材をさらに低減することができる。
また、上述した製造方法において、樹脂部材を加熱することは、金属部材を加熱することであってもよい。このような製造方法であれば、樹脂部材のうち、金属部材と近接する部分を良好に昇温させることができる。そのため、上述した当接領域の外側への樹脂の押
し出しがよりスムーズになり、溶接部分に含まれる強化材をさらに低減することができる。
実施形態の固定装置の概略説明図である。 図2Aが実施形態の留め具の断面図であり、図2Bが実施形態の留め具の斜視図である。 複合部材の製造方法を説明する図であって、図3Aが材料配置工程を示す図であり、図3Bが加熱・貫通工程を示す図であり、図3Cが溶接工程を示す図であり、図3Dが製造された複合部材を示す図である。 実施形態の留め具と金属部材の当接領域を模式的に示す断面拡大図であって、図4Aは留め具が押し込まれる前の状態を示す図であり、図4Bは留め具の一部が樹脂部材に押し込まれた状態を示す図であり、図4Cは留め具の先端面と金属部材とが接触する直前の状態を示す図であり、図4Dは留め具の先端面と金属部材とが接触した状態を示す図である。 実施形態の留め具と金属部材の溶接部分における炭素繊維の存在を模式的に示す断面拡大図であって、図5Aは留め具の周辺を示す図であり、図5Bは図5AのA1の領域を示す図であり、図5Cは図5AのA2の領域を示す図であり、図5Dは図5AのA3の領域を示す図である。 従来の留め具を示す模式的な断面図である。 従来の留め具と金属部材の当接領域を模式的に示す断面拡大図であって、図7Aは留め具が押し込まれる前の状態を示す図であり、図7Bは留め具の一部が樹脂部材に押し込まれた状態を示す図であり、図7Cは留め具の先端と金属部材とが接触した状態を示す図であり、図7Dは溶接を行った状態を示す図である。 従来の留め具と金属部材の溶接部分における炭素繊維の存在を模式的に示す断面拡大図であって、図8Aは留め具の周辺を示す図であり、図8Bは図8AのB1の領域を示す図であり、図8Cは図8AのB2の領域を示す図であり、図8Dは図8AのB3の領域を示す図である。
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[1.実施形態]
[1-1.複合部材の材料及び固定装置]
図1に示される固定装置1は、樹脂部材11と金属部材12とを固定した複合部材を製造する装置である。固定装置1は、重ねて配置された樹脂部材11と金属部材12との2つの部材を、留め具10を用いて固定する。ここでいう固定とは、樹脂部材11と金属部材12とが分離しない状態となっていることを意味する。具体的には、互いの相対的な位置を変更できない状態と、樹脂部材11が留め具10を中心に回転するなど、一定の範囲内で相対的な位置を変更できる状態とを含む。
図1は固定のための工程を開始する前の状態を示している。図1及びそれ以降の説明に用いる図面における樹脂部材11及び金属部材12は、電極と当接する部分で切断したときの端面が模式的に示されている。なお、以下の説明において、留め具10、樹脂部材11、及び金属部材12をまとめて、単にワークとも記載する。
<複合部材の材料>
樹脂部材11は、母材となる樹脂材料と、強化材と、を含む。強化材は、樹脂部材11の強度向上に寄与する物質である。強化材は、例えば、繊維状及び粒子状のうちの少なくともいずれかの形状であってもよい。本実施形態では、樹脂部材11として、炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics、CFRP)を用いる。
炭素繊維の具体的な種別、物性、配合量等は特に限定されない。炭素繊維の形態は、連続繊維と不連続繊維のいずれであってもよいし、それらが合わせて用いられていてもよい。樹脂部材11を構成する具体的な樹脂の種類、配合などは特に限定されない。樹脂部材11の母材として、熱可塑性樹脂を用いてもよい。
本実施形態では、樹脂部材11として平らな板状の部材を例示する。なお樹脂部材11は、留め具10と金属部材12によって挟み込むことができる形状であれば、その全体の形状は特に限定されない。例えば、樹脂部材11における留め具10と金属部材12とで挟み込む部分のみ薄く、他の部分が厚く形成されていてもよい。
金属部材12は、抵抗溶接によって留め具10と溶接ができる金属で形成されている。金属部材12の具体的な組成は特に限定されない。本実施形態では、金属部材12として平板状の鉄板を例示する。金属部材12の具体的な形状は、樹脂部材11と重なり、留め具10が接触して溶接を行う部分が平面状に構成されていれば、他の部分については特に限定されない。
金属部材12は、表面にめっき層が形成されていてもよい。めっき層を形成する金属等の具体的な構成は特に限定されない。例えば、アルミニウム、亜鉛などでめっき層を形成してもよい。金属部材12は、焼き入れ工程を行う前の板材であってもよいし、焼き入れ工程を経た板材であってもよい。
留め具10は、抵抗溶接によって金属部材12と溶接ができる金属で形成されている。留め具10は、図2A,2Bに示されるように、円板状の基部10aと、先端に向かって細くなる円錐台状の胴部10bと、を有する。胴部10bの先端面10cは、平坦面である。図1に示されるように、接合を開始する前の状態では、先端面10cが樹脂部材11と当接するように配置される。
ここでいう平坦面とは、必ずしも厳密な平面でなくともよく、実質的に平坦面とみなせる形状であってもよい。実質的に平坦面とみなせる形状とは、先端面10cと金属部材12とが接触したときにそれらの間に生じるクリアランスが極めて小さく、その結果、後述する加熱・貫通工程において、強化材の大部分をそれらの間から外側に排出することができる形状である。例えば、先端面10cは、曲率半径の非常に大きい球面状や曲面状であってもよい。
<固定装置>
固定装置1は、図1に示されるように、第1電極21、第2電極22、溶接制御部23、及び加熱部24を備える。固定装置1は、金属部材12と留め具10との間に樹脂部材11を配置し、金属部材12と留め具10とが接近するように加圧する。そして、後述する第1電極21及び第2電極22を用いて留め具10を金属部材12と抵抗スポット溶接により溶接することで、金属部材12と樹脂部材11とを固定する。
第1電極21は、留め具10と接触して留め具10と電気的に接続するように構成される。第2電極22は、金属部材12と接触して金属部材12と電気的に接続するように構成される。第1電極21と第2電極22は、電気伝導率が良好な材料で構成されている。そのような材料として、例えば、銅又は銅合金などが挙げられるが、これらに限定されない。
第1電極21と第2電極22は、その先端同士が対向した状態で図示しない溶接ガンに設けられている。本実施形態においては、第2電極22が溶接ガンに固定される一方、第1電極21がその軸線方向に沿って第2電極22に対して進退可能な状態で溶接ガンに設
けられている。すなわち、第1電極21の動作によって、樹脂部材11、金属部材12、及び留め具10を、それらの厚み方向(重ね方向、積層方向)から第1電極21及び第2電極22で挟みこみ、加圧する。
溶接制御部23は、各電極を介したワークに対する加圧力や通電量などを制御する。溶接制御部23は、駆動制御部31、電流制御部32などを有する。駆動制御部31は、第1電極21を進退駆動制御して、第1電極21と第2電極22からワークに作用する加圧力を制御する。電流制御部32は、第1電極21と第2電極22との間に通電を行い、留め具10と金属部材12とを溶接する。なお、電極に供給される電流は交流であってもよいし、直流であってもよい。
加熱部24は、金属部材12を加熱することで、樹脂部材11を加熱するように構成されている。言い換えると、加熱部24は、金属部材12に隣接して配置される樹脂部材11の温度を上昇させるために、金属部材12の温度を上昇させる。加熱部24は金属部材12に通電を行い発熱させる抵抗加熱装置である。なお、金属部材12に供給される電流は交流であってもよいし、直流であってもよい。
[1-2.複合部材の製造方法]
複合部材の製造方法は、材料配置工程、加熱・貫通工程、及び溶接工程の3つの工程が含まれる。
(i)材料配置工程
図3Aは、第1電極21と第2電極22によってワークを挟み込んだ状態を示す。ここでは、金属部材12における平面状の部位である当接面12aに、樹脂部材11を配置する。この時点では、ワークに対して留め具10が11に圧入されるほどの加圧力は加えられていない。
なお、樹脂部材11は、事前に穴を形成しておく必要はない。そのため事前の穴あけ工程は省略できる。ただし、留め具10の位置決めのための溝や、留め具10の胴部10bの直径よりも狭い穴を形成しておいてもよい。
(ii)加熱・貫通工程
図3Bは、図3Aに続くステップを示す図である。ここではまず、図示を省略した加熱部24が金属部材12に通電を行い、金属部材12の加熱を開始する。金属部材12を加熱して金属部材12の温度が上昇すると、金属部材12に重ねて配置される樹脂部材11が金属部材12によって加熱され、樹脂部材11の温度が上昇する。樹脂部材11は熱可塑性樹脂であるため、ガラス転移点又は融点まで加熱したときに軟化又は溶融する。
駆動制御部31は、第1電極21を移動させて留め具10を樹脂部材11の方向に加圧する。樹脂部材11が昇温により軟化しているため、スムーズに留め具10が樹脂部材11に押し入れられる。
留め具10の樹脂部材11への押し込みを継続すると、図3Cに示されるように、留め具10が樹脂部材11を貫通し、先端面10cが金属部材12に接触する。この状態となったときに、抵抗スポット溶接が可能となる。
(iii)溶接工程
図3Cに示されるように先端面10cが金属部材12に接触し、かつ、留め具10が加圧された状態において、電流制御部32は第1電極21及び第2電極22に通電し、抵抗スポット溶接を実行する。これにより、樹脂部材11に押し入れられた留め具10の先端
50cと、金属部材12の平面状の部位(すなわち、当接面12aの一部)とが溶接される。
以上の工程により、図3Dに示される複合部材15が製造される。複合部材15は、金属部材12と、樹脂部材11と、留め具10とを備える。金属部材12は平面状の部位を有する。樹脂部材11は、金属部材12の平面状の部位に当接して配置される。また樹脂部材11には、強化材が含まれる。
複合部材15において、留め具10における樹脂部材11を貫通した先端部分は、金属部材12の平面状の当接面12aに溶接されている。複合部材15は、樹脂部材11を金属部材12と留め具10とにより挟み込んで固定している。なお、上述した(i)から(iii)の工程は、連続して実行してもよいし、他の工程を挟んで行ったり、時間を空けて行ったりしてもよい。
[1-3.加熱・貫通工程における強化材の移動]
<本開示の製造方法による強化材の移動>
図4A-4Dを用いて、加熱・貫通工程において想定される強化材の移動を説明する。図4A-4Dは、留め具10と金属部材12の当接領域を模式的に示す断面拡大図である。ここでいう当接領域とは、先端面10cと当接面12aとの間の空間であり、先端面10cと当接面12aとが接触したときにはその広さがほぼ0となる部分である。
図4Aに示されるように、樹脂部材11の留め具10と接触する側の表面には、強化材が含有されない、或いは含有量が極めて小さい樹脂層である表面層11aが存在する。
図4Bに示されるように、留め具10が第1電極21により加圧されて金属部材12側に押し入れられると、留め具10の先端面10cが平坦であることから、先端面10cと接触する表面層11aも押し込まれる。
さらに留め具10が押し込まれると、先端面10cと金属部材12との間隔が小さくなる。ここで、先端面10cは平坦面であり、金属部材12の当接面12aも平坦面であることから、図4Cに示されるように、表面層11aを構成する樹脂は、留め具10と金属部材12の当接領域の外側に流動する。この樹脂の流動によって、先端面10cと金属部材12との間に存在していた強化材も外側に押し出される。
その結果、図4Dに示されるように、先端面10cと金属部材12との間からは大部分の強化材が外部に押し出され、押し出された強化材は先端面10cの端部近傍に集まる。言い換えると、金属部材12と留め具10との溶接部分41において、強化材が溶接部分41の外部に排除されている。図4Dにおいて、押し出された強化材の集合を強化材塊42として示している。
実際に製造された複合部材の接合状態を、図5A-5Dを用いて説明する。この例において、強化材は、炭素繊維である。
図5Aは留め具10と金属部材12との接合状態を示す断面図である。図中の領域A1,A2,A3を拡大した図が、図5B,5C,5Dである。
図5Bに示される領域A1において、留め具10と金属部材12との間には、端部に僅かに炭素繊維43が存在するが、留め具10の中央側にはほとんど炭素繊維43が存在しない。図5Cに示される領域A2においては、全般的に炭素繊維43は僅かにしか存在しない。また図5Dに示される領域A3においては、領域A1と同様に、端部に僅かに炭素繊維43が存在するが、中央側にはほとんど炭素繊維43が存在しない。
このように、本開示の方法を用いて製造されたた複合部材15では、接合された留め具
10と金属部材12との間に存在する炭素繊維43の量が非常に小さい。
<従来の製造方法による強化材の移動>
図6に示す従来の留め具50は、円板状の基部50aと、円錐状の胴部50bと、を有する。胴部50bの先端50cは細くなっており、留め具10のように平坦な面は形成されていない。
図7Aに示されるように、留め具50の先端50cが表面層11aに接触した状態から加圧が開始される。留め具50が第1電極21により加圧されると、図7Bに示されるように、留め具50の細い先端50cが表面層11aを突き破って樹脂部材11の内部に進入する。
さらに留め具10が押し込まれると、図7Cに示されるように、先端50cと金属部材12とが接触する。このとき、先端50cの周りの領域60に存在する樹脂は、強化材が排除されていないので、強化材が多く含まれる。この状態で溶接を行うと、留め具50と金属部材12との間には強化材、又は強化材を含む樹脂が存在する状態で溶接がなされることとなる。その結果、図7Dに示されるように、領域60に存在していた強化材71が溶接部分に含まれやすい。
実際に製造された従来の複合部材の接合状態を、図8A-8Dを用いて説明する。この例において、強化材は、炭素繊維である。
図8Aは留め具50と金属部材12との接合状態を示す断面図である。図中の領域B1,B2,B3を拡大した図が、図8B,8C,8Dである。
図8Bに示される領域B1において、留め具50と金属部材12との間には、多くの炭素繊維72が存在する。また、留め具50の中央側にも広く炭素繊維72が存在している。図8Cに示される領域B2においては、全般的に炭素繊維72が存在する。また図8Dに示される領域B3においては、領域B1と同様に、端部から中央側にかけて、広い範囲で炭素繊維72が存在する。
このように、従来の方法で製造された複合部材は、接合された留め具50と金属部材12との間に多くの炭素繊維72が存在する。
[1-4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)本開示の複合部材の製造方法では、先端面10cが平坦な形状である留め具10を樹脂部材11に押し入れることで、強化材を留め具10と金属部材12の当接領域の外側に押し出す。そして、その状態で留め具10と金属部材12とを溶接する。そのため、溶接工程において留め具10と金属部材12の間の溶接部分41に強化材が含まれてしまうことが抑制される。その結果、製造された複合部材15において、留め具10と金属部材12との接合強度が低下してしまうことを抑制でき、樹脂部材11と金属部材12の良好な接合を実現できる。
また、本開示の製造方法にて製造された複合部材15は、金属部材12と留め具10との溶接部分41において、強化材が溶接部分41の外部に排除されている。そのため、留め具10と金属部材12との接合強度が高く維持されており、金属部材12と樹脂部材11とが分離してしまうことを良好に抑制できる。なお、ここでいう強化材の排除とは、他の方法、例えば図6で示す従来の留め具50を用いて複合部材を製造した場合と比較して、溶接部分における強化材の含有量が低減されていることをいう。
(1b)本開示の製造方法では、留め具10を樹脂部材11に押し入れる前に樹脂部材
11を加熱により軟化させる。そのため、留め具10に押された樹脂の流動がスムーズになる。その結果、樹脂部材11に含まれる強化材が、留め具10と金属部材12の当接領域の外側に容易に押し出され、溶接部分に含まれる強化材をさらに低減することができる。
また、固定装置1では、金属部材12を加熱することで樹脂部材11を加熱することができる。そのため、当接領域の外側への樹脂の押し出しがよりスムーズになり、溶接部分に含まれる強化材をさらに低減することができる。
(1c)樹脂部材11に含まれる強化材が炭素繊維である場合、従来の製造方法で製造された複合部材は、炭素繊維が留め具10と金属部材12の間の当接領域に残留しやすく、溶接後に接合強度が低下してしまう恐れがある。しかしながら本開示の製造方法であれば、溶接部分に存在する炭素繊維が低減されているため、留め具10と金属部材12を強固に接合することができる。
[2.その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
(2a)上記実施形態では、樹脂部材11が含む強化材の例として、炭素繊維を例示した。しかしながら、強化材の種類は炭素繊維に限定されない。例えば、樹脂部材11は、ガラス繊維など、炭素繊維以外の繊維状の強化材を配合してもよい。ここでいう繊維状の強化材とは、直線状の強化材を含む。また、繊維状ではない、粒子状の強化材を含有していてもよい。強化材のサイズは特に限定されない。なお、接合強度に影響を与えやすい数μm以上の大きさを有する強化材が配合されている樹脂部材においては、接合強度の低下を高度に抑制する効果が期待できる。
(2b)上記実施形態では、留め具として、基部10aと胴部10bとを有し、胴部10bの先端面10cが平坦である留め具10を例示した。しかしながら、留め具は、金属部材12に当接する先端形状が金属部材12に沿う平坦な形状であれば、その他の部分について具体的な形状は特に限定されない。例えば、基部10aにおいて、周方向にフランジ状に広がる頭部を有していてもよい。また例えば、胴部10bは円錐台状でなく、先端の一部を除いて球面状に丸みを有する形状であってもよい。また胴部10bは、直径の変化しない円柱状や、角柱状、角錐台状などであってもよい。
なお、先端面10cの広さは特に限定されない。先端面10cと金属部材12とが実質的に接触する範囲で良好な接合が可能となることから、先端面10cの広さは、溶接により確保したい接合面積と同等、又は同等以上の面積をとしてもよい。
また、留め具の材質は、導体であって、金属部材12と溶接による接合が可能な材質であれば特に限定されない。
(2c)上記実施形態では、加熱部24として、通電抵抗加熱を実行する装置を例示した。しかしながら、加熱部24は、金属部材12を加熱することができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、金属部材12に対して直接加熱を行う装置を用いてもよい。そのような装置の例として、誘導加熱やレーザ加熱を実行する装置などが挙げられる。なお、通電抵抗加熱を行う装置も直接加熱を行う装置の一例である。また、金属部材12を間接加熱する装置を用いてもよい。そのような装置の例として、ヒーターによる加熱を行う装置や、熱風を出力する装置などが挙げられる。なお、金属部材12として、上述した鉄以外に、アルミニウム又はその合金、ステンレス鋼(鉄-クロム系合金)など
を用いることで、通電抵抗加熱や誘導加熱を好適に実現することができる。
また、金属部材12を加熱する以外の方法で樹脂部材11を加熱してもよい。例えば、留め具を誘導加熱等により加熱し、昇温した留め具を樹脂部材11に接触させることで樹脂部材11を加熱してもよい。また、樹脂部材11をヒーター等により直接加熱してもよい。また、樹脂部材が、加熱を行わずに図4A-4Dにて説明したような強化材の排出が可能であるならば、加熱を行わなくてもよい。
(2d)上記実施形態では、駆動制御部31が第1電極21を駆動させることで留め具10を樹脂部材11に押し入れる構成を例示した。しかしながら駆動制御部31は、第1電極21を移動させずに樹脂部材11を移動させるように構成されていてもよいし、第1電極21と樹脂部材11の両方を移動させるように構成されていてもよい。樹脂部材11の移動は、樹脂部材11を移動させる装置により実現してもよいが、第2電極22を第1電極21の側に向かって移動させることで実現してもよい。
(2e)上記実施形態では、第1電極21が留め具10を樹脂部材11に押し入れる構成を例示した。しかしながら、留め具10は第1電極21以外の部材により樹脂部材11に押し入れられてもよい。例えば、加熱・貫通工程においては、留め具10を樹脂部材11に押し入れるためのパンチによって留め具10の押入れを実行し、その後の溶接工程において留め具10と第1電極21とを接触させて通電し、溶接を行ってもよい。
(2f)上記実施形態では、第1電極21及び第2電極22を用いて抵抗スポット溶接を実行する構成を例示した。しかしながら、溶接の方法は抵抗スポット溶接に限定されない。例えば、金属部材12との接触面積が小さい留め具を用いてプロジェクション溶接を行ってもよい。なお、金属部材12と留め具との接合は溶融溶接であってもよいし、拡散接合であってもよい。拡散接合の場合、留め具と金属部材とが互いに溶けているわけではないので、割れの発生が抑制される。
また、接合強度を高めるために、溶接工程において、又は溶接工程後に、再度、第1電極21と第2電極22の間を通電させ、留め具10と金属部材12との接合面積を増加させてもよい。
(2g)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
1…固定装置、10,50…留め具、10a,50a…基部、10b,50b…胴部、10c…先端面、11…樹脂部材、11a…表面層、12…金属部材、12a…当接面、15…複合部材、21…第1電極、22…第2電極、23…溶接制御部、24…加熱部、31…駆動制御部、32…電流制御部、42…強化材塊、43,72…炭素繊維、50c…先端、71…強化材。

Claims (3)

  1. 金属部材に樹脂部材を固定した複合部材を製造する複合部材の製造方法であって、
    前記樹脂部材は、強化材を含み、
    前記金属部材における平面状の部位に、前記樹脂部材を配置することと、
    前記樹脂部材に、先端が平坦な形状である留め具を押し入れることと、
    前記樹脂部材に押し入れられた前記留め具の先端と前記金属部材の平面状の部位とを溶接すること、を含む、複合部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合部材の製造方法であって、
    前記樹脂部材は熱可塑性樹脂であり、
    前記留め具を前記樹脂部材に押し入れる前に、前記樹脂部材を加熱すること、を含む、複合部材の製造方法。
  3. 請求項2に記載の複合部材の製造方法であって、
    前記樹脂部材を加熱することは、前記金属部材を加熱することでできる、複合部材の製造方法。
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