JP2022159959A - 表面清浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不特定多数の人が共用利用するトイレなどの扉の取っ手(グリップ)やドアノブなどの表面に付着した病原体を急速に不活化または低減化し、そのグリップを次の利用者が触るまでにグリップ表面の清浄状態を回復する。【解決手段】グリップ表面に被覆されている薄いフィルムを走行待避させて、グリップ本体に接触していない状態で薄いフィルムを高温で加熱消毒したのち、グリップ表面に再び被覆載置することで実質的にグリップ表面の清浄化を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、物体表面に付着した病原体(菌・ウイルス等)を不活化または低減化する装置に関するものである。
諸外国に比べて比較的衛生状況の良好とされる本邦においても、毎年、季節性のインフルエンザやノロウイルスによる感染症が後を絶たない。また近年では新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの発生も、人類にとっての新たな脅威となっている。これらの感染経路は千差万別だが、共通の感染経路のひとつとして接触感染が挙げられている。保因者の手などについた病原体が、その保因者がドアノブや手すりなどを触ることによって、その物体表面に付着してしまい、そのあとで健常者が触ってしまうことによる間接接触感染の経路である。
この接触感染を防止するために従来採られてきた方法として、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を用いた清拭による消毒法が第一に挙げられる。しかし薬剤による消毒はその薬剤のもつ消毒スペクトルに適合しない病原体には効果がないし、薬剤が病原体を消毒するまでに一定の時間(数十秒から数分)を要するし、そもそも、例えば利用者がドアノブを握るごとに薬剤による清拭で消毒をするという、頻繁な消毒方法も効率面からすると合理的な手段ではない。
また、この課題に対する別の従来技術のひとつとして、抗菌や抗ウイルスをうたった表面処理の製品が世の中にだされている。それらは銀イオンを使ったものや特殊なポリマーを使ったものなどが多い。しかしこれらの多くは、付着した病原体の繁殖を無処理表面に比べて若干抑制するだけの性能であったり、数時間から数十時間をかけてゆっくり病原体を減じていくというだけの性能であったりして、やはり頻繁に利用されるドアノブなどの共用箇所に施工しても事実上、接触感染を抑制する効果はほとんど期待できない。
このように従来の技術・製品には、ドアノブのように頻繁に病原体が付着する可能性のある物体表面の病原体を数秒から数十秒程度で急速に不活化、低減化するものは存在しない。
解決しようとする問題点は、物体表面に付着した病原体を不活化または低減化し、その物体の次の利用時までに物体表面の清浄状態を実現するというものである。
上記課題を解決するため、本発明は次のような装置を提案する。
清浄状態として利用したい物体表面を、一時的に利用位置から待避してその待避位置で加熱処理を加える。この時の加熱条件(温度、加熱時間等)は不活化・低減化したい病原体の種類や、どの程度低減したいかという要件によって任意である。
物体表面を待避するという意味には、加熱中にその物体表面をカバーなどで覆うという構成も考えられる。
物体表面の加熱は、一般的に加熱温度が高ければ高いほど、病原体の不活化時間は短くなる。そこで加熱温度を高めたくなるが、一方で利用時の温度がその高温では使えない場合がほとんどである。例えば、ドアノブを200℃、10秒間加熱すれば病原体はほとんど死滅、不活化されるが、常温にもどらなければ人が触ることはできない。
そこで、加熱消毒する物体表面は必要最小限の熱容量にとどめるというのが、本発明の主眼である。必要最小限の熱容量とは、すなわち、フィルムや薄板などの薄い材料を加熱するということである。この薄い材料のみを加熱し、所望の不活化・低減化が実現されたら、必要とされる剛性を持つ基材または骨格の上にこの薄い材料を載置するという手段をもった装置である。
この装置によれば、消毒を施す薄い材料は必要最小限の熱容量しか持たないため、高熱に加熱した直後に人の手が触れても火傷をするおそれはない。また、高温加熱後に冷却する場合でも、蓄熱している熱量がすくないため加熱時同様に急速な放熱(冷却)がなされる。また、薄い材料は外気に触れる面積が広いため、加熱後に室温の空気にさらすことだけでも急速に常温に戻る。したがって、適切な比熱、厚みを持つ材質を選択し、かつ加熱温度を設定し、人がその加熱面に触れるまでの冷却時間を設定すれば、高温加熱後に人が火傷をするおそれはない。
さらに、薄い材料だけを加熱するということは、その加熱に投入するエネルギーも極めて少なくて済む。例えば、100μmの厚みの水を9℃上昇させる熱量で、10μm厚みのSUS304箔を188℃も上昇させることができる。室温が23℃としたとき、188℃上昇させて211℃にすれば、10秒以内に病原体はほとんど無毒化することができる。
前段落を言い換えるならば、室温23℃において211℃まで加熱した10μm厚みのSUS304箔に手指で触っても火傷することはない。理由は、10μm厚のSUS304箔が1℃上昇するときの蓄熱量は、手指の角質厚み100μmの0.05倍に過ぎず、211℃のSUS箔の蓄熱量を同一温度になるまでSUS箔と角質で振り分けたとしても45℃にしかならないためである。これは、ぬるま湯の湯飲み茶わんを持った程度にしか感じないことになる。
このように、構造体の表面を加熱消毒する際に、可能な限り表面を薄く分離し、その分離表面だけを高温で加熱消毒することは、消毒効率の点からも省エネルギーの点からも極めて有効な手段である
ここで加熱する温度と時間について記す。定性的に考えれば、可能な限り高温で可能な限り長時間加熱したほうが病原体の不活化、低減化が望めるのは間違いない。しかしながら実際の製品設計においては、効率や経済性を考慮してその装置の要求仕様に応じて設定、設計されるべきである。ただ、ひとつの目安として、殺菌が目的であるならば水の沸点以上に熱するというものがある。細菌類はウイルスとは異なり微生物であり、細胞壁内に水分を蓄えている。従って、沸点以上に細菌を熱すれば、水が気化した瞬間に膨張し細胞壁が内圧によって破壊され生存できなくなる。そのため水の沸点以上すなわち大気圧においては100℃以上に加熱し、付着した細菌類を100℃以上の状態にできれば瞬時に死滅させることができる。
一方、ウイルス類は必ずしもそうはならない。ウイルスやファージは生物ではなく単なる化学物質であるため、100℃以上の環境でもしばらくその分子構造を保つ場合がある。そのため、利用する金属箔や樹脂フィルムの耐熱温度と加熱体の温度と経済性、安全性を鑑みて加熱温度と加熱時間は決定すればよい。
その具体例を記す。ウイルスにはエンベロープと呼ばれる被膜付きのものとエンベロープのないものがある。例えばインフルエンザウイルスやコロナウイルスはエンベロープ付きのタイプであり、ノロウイルスはエンベロープが付いていないタイプである。直感的には被膜がついている方が外的耐性を備えているように思われるが実際には異なる。エンベロープタイプは、そのエンベロープさえ破れてしまえば不活化できてしまうからである。一方でエンベロープ無しのタイプは、その構造自体を破壊しなければ不活化できない。従って、エンベロープタイプのものは、細菌の加熱消毒と同様に、水の沸点以上で加熱することによりエンベロープ内部の水分が気化しエンベロープを内部から破壊することが期待できる。
ここでその考察を裏付ける科学論文を引用する。非特許文献1では、エンベロープウイルスと非エンベロープウイルスを高温加熱したときの感染力の低減度合いを加熱時間とともに実測実験している。これによるとエンベロープウイルスでは100℃で加熱した場合、1秒で当初の感染力の1万分の1まで低減できている(検出限界以下)。一方の非エンベロープウイルスは100℃では9秒を所要している。130℃で加熱した場合、2秒で検出限界まで低減できている。
このように、どんな病原体をどの程度低減させたいかによって、加熱条件(温度・時間)は異なるため、一概に本発明において定義することはできない。が、即効性と有効性を考慮すると、細菌とエンベロープウイルスが瞬間的に死滅・不活化する100℃(水の沸点)以上に加熱する、というのが下限温度の目安となるだろう。一方で上限側の制限は、その温度で蓄熱した状態で人が触っても火傷しないこと(材質の厚み・比熱・熱伝導による)、その温度に繰り返し上昇しても薄膜材質が著しく劣化しないこと、その温度に上昇させるまでの所要時間が著しく長くないこと、その温度に上昇させるまでの電圧・電流が安全性および経済性の観点から許容しうるものであること、が挙げられる。現時点ではこれらの条件を満たす材質はそう多くないが、実施例でそれらを記す。
本発明によれば、清浄化を必要とする物体の表面を急速に、かつ、省エネルギーに、かつ、自動的に消毒、減毒することができる。これにより、物体表面が頻繁に汚染されるドアノブや手すりなど、その汚染機会ごとに清浄化を求められる社会ニーズに応えることができる。
本発明の代表図であり、装置外観図と中央断面図を示している。 カバー部品をハーフカットした、本発明装置の外観図である。 本発明装置の、メンテナンス時の状態図である。 本発明装置の、メンテナンス時の状態図である(図3の反対側から眺めた図) 本発明装置の、メンテナンス時の状態図である。 本発明装置のベース装置部分の断面図である。 回転駆動部の説明用断面図である。 本発明装置を駆動するための、ソフトウェアのフローチャートである。
本発明の核心となる部分は、清浄化したい機能構造物(ドアノブ、手すり等)の最小限の表面厚み部分のみを加熱消毒する、ということである。しかしながら、清浄化したい部分を薄く、あるいは小さくしすぎると剛性や耐久性の問題が生じる場合が考えられる。逆にある程度厚くすると、加熱時間および冷却時間に時間がかかるため頻繁な利用に耐えられなかったり、多大な所要エネルギーを要したりするという弊害がある。
したがって、厚さや装置の構造は、病原体を何秒以内にどれだけ減じたのちに再利用可能状態に復帰するか、という設計要件に基づいた加熱条件を満足するものであるべきであり、その設計実現手段は無数にあり一概には決められない。以下の実施例は、それらの実設計に耐えうる構成のうちの、本発明を用いた一例のみを示すものである。
図1に本発明の実施例として装置外観図と中央断面図を示す。図1において薄膜107は駆動軸109の回転によって得られる駆動力で、回転方向矢印108の向きに走行する。駆動軸109を始点とみなすと、加熱消毒帯110を通過したのち装置表面側(外側)に出て、従動回転軸111、112、113、114を順に経たのち再び装置内側に入り、薄膜表面清拭のためのスクレパー118、拭布紙119によって薄膜表面を清拭されたのち、再び駆動軸109に戻るという経路をたどる。
駆動軸109は薄膜107を送り出す機能が必要なため、その外周に適切な摩擦係数をもつ摩擦抵抗体115を一体化して備えている。また、駆動軸109は薄膜107のたるみをとるためと、薄膜107と摩擦抵抗体115の間に適切な摩擦力を得るために、図中の上方向にばねで張力を発生させている。この構造については図6にて後述する。
薄膜107は、加熱消毒帯110によって100℃以上に熱せられるため、少なくともそれだけの耐熱性をもっていることが要求される。経済性と薄膜の入手性を考慮すると、この薄膜107は例えばポリイミドやPTFE薄膜が望ましい。厚みは5μm乃至12.5μmが入手性の観点と所要加熱時間の観点からは望ましいだろう。薄いほうが加熱時間が短くて済むため、投入エネルギー的にも所要時間的にも望ましいのであるが、例えば5μmのポリイミドフィルムは脆弱であり破れやすい。顧客の要求仕様次第であるが、耐久性と入手性を主眼に考慮すると、7.5μmまたは12.5μmのポリイミドフィルムが装置性能のバランスとしては良好である。
加熱消毒帯110は電気抵抗によって発熱する。従って、通電により加熱する材質であれば基本的にはなんでも構わない。入手容易なもので挙げると、例えばニクロム線やSUS板が考えられる。数種類の材質、形状で試験をしてみたところ、加熱消毒帯110の材質をSUS304として、幅が3mm、厚みを0.01mm、長さ160mmとしたときに、加熱帯の両端に接続した導線も含めた全体に7.8Vを印加して1.3Aが流れた。
このとき、SUS304の体積抵抗値を93μΩcm、密度を7.93g/cm^3、比熱を280J/kg・℃とすると、加熱消毒帯110は8.4Wを消費していることになり、放熱・伝熱がないものとすると、1秒間に788℃の温度上昇をする計算となる。
この加熱消毒帯110に薄膜107を接触させて走行させる。このとき3mm幅の加熱消毒帯110を0.2秒で通過する速度で走行させるとすると、前段落の計算から、薄膜はこの間に158℃の加熱消毒帯110の上昇分のエネルギーを受けることになる。もちろん加熱消毒帯110から薄膜107にすべてのエネルギーが伝熱するわけではない。また環境温度(室温)によっても状況は異なるが、目安として、この程度の電圧・電流・通過時間を基準にして仕様設定および設計を行えばよい。
さて、薄膜107がこの加熱消毒帯110を通過するタイミングで、薄膜位置センサー116が薄膜位置マーク705を検知している。薄膜位置マーク705は薄膜107の表面の印であり、耐熱塗料で塗布されている。薄膜位置センサー116は反射型フォトリフレクターであり、この薄膜位置マーク705からの反射光の増減を読み取っている。このセンサーとマークをグリップ装置の両端に装備しておくことで、エンコーダーのA相・B相の要領で薄膜107の走行状態を確認することができる。具体的には、一定時間内にセンサーが反応しない場合、薄膜の走行が何らかのトラブルにより滞っているかあるいは破損・汚染されていることが考えられるため、装置をとめてエラーメッセージを発することができたり、グリップ両端のセンサーともにセンサーがONとなる位置をリセット位置と決めることで、薄膜107のループの1回転中の始点を安定して再現することができるという機能を持たせることができる。
従動回転軸111~114は薄膜107が滑らかに走行できるように、両端を回転軸受で支持している。また、固定支持構造体117は回転はしないものの摩擦抵抗が大きいようであれば熱収縮フッ素樹脂チューブで被覆するなどの平滑処理をしてもよい。
スクレーパー118と拭布紙119は、薄膜107の表面に付着した汚れや水滴を排除するために載置される。大きな水滴が薄膜107に付着したままの状態で加熱消毒体110を通過しても水滴全体が蒸発するほどの熱量を与えるには至らないため、事前に大きな付着物を排除しておくのがこの目的である。スクレーパー118は表面に付着した水滴をかきだすワイパーのような役割であり、材質はポリイミドフィルムなどの薄膜樹脂材が適当である。また拭布紙119の材質は吸水性があることが必要である。一般の吸水紙や不織布などでもよいが、この拭布紙119を薄膜107に一定の力で押し付けるために弾力があることが望ましい。そこで、経済性も考慮して試作品ではフェルト材を採用し、良好な結果を得た。
以上のように、薄膜107のループ材が一巡して消毒される様子を記述した。次に、この構造が収められている装置全体についての説明を行う。
あらためて、図1の本装置の全体図の説明を行う。本装置は大きく分けて、扉やドアノブなどに固定するベース部105と、薄膜107を回転駆動させながら消毒する把持部103と、それを固定する固定部102、104の3つで構成されている。前段落までに把持部の概要は説明したため、以降は主にそれ以外の部分について記述していく。
図2に、固定部102、104のカバー201をハーフカットした図を示す。装置内部はこのようになっている。なお、図の簡略化のため各種の配線は図示を省略してある。この図において、モーター・歯車支持部202と中心軸支持部203と回転駆動部支持部204に分けられる。また、人感センサーが人感センサー光源205と人感センサー206に分かれて備えられており、人の手などがグリップ部207に近接したことを検知できるようになっている。なお、本図において人感センサーはフォトインタラプタを意図したが、超音波センサでも同様に構成可能である。
図3に、消耗部品の交換時のメンテナンス図を示す。回転駆動部301は予期せぬ荷重による変形に備えてこれ自体を交換可能なユニットとしてある。また、スクレーパー・拭布紙部302はこれ単体で取り外し可能になっており、汚染がひどくなった場合に容易に交換ができるようになっている。
図4に、反対側から見た図も示しておく。
また、薄膜501のループの全周長は、回転駆動部502の外形寸法合計長よりも長くしてあるため、薄膜501のループ単品でも交換可能である。このイメージを図5に示した。なお、回転駆動部502を装置本体にドッキングするときに、駆動軸部やスクレーパー・拭布紙部と入れ子になっているために、回転駆動部502は図のようにバタフライ構造で開閉する構造になっている。
続けて、装置構造の理解を容易にするために各ユニットごとの構造に分けて、以下説明を行う。まず図6に固定ベース部601の断面図を示した。モーター・ギヤ支持部602はバネ603によって図上方への予圧をかけられた状態で支持されている。なお、バネ603の内側とモーターギヤ支持部材602を貫通するガイド軸604によって、移動方向は鉛直方向のみに拘束されている。
モーター605はエンコーダー606を搭載しており、それ単体で駆動状態をモニターすることができる。すなわち、電流がかかっているにも関わらずモーターが回転していない過負荷の状態などをモニターすることができるため、過熱を防ぐことができる。モーター軸に直結された歯車607は、中間歯車608を介して歯車609に回転を伝達する。それぞれの歯車は回転を円滑にするために回転軸受610で支持されている。
歯車610は駆動軸611に直結されており、駆動軸611を回転させる動力源となっている。駆動軸611の反対側支持部も同様に回転軸受612で支持されており、その回転軸受を介して駆動軸611は先ほど同様にバネ613で上方に予圧がかかっている。すなわち、この両側のバネの力が駆動軸を介して薄膜107に張力を与えてたるみをとるという構造になっている。
駆動軸611は中央部に摩擦抵抗体614を備えている。薄膜107のループ体はこの摩擦抵抗体614と接触することで駆動力を得ている。なお、この摩擦抵抗体614の摩擦係数は大きければ大きいほどいいというものではない。摩擦係数が小さすぎる場合、両側のバネ603、613によって発生する押し付け力に摩擦係数を加味した摩擦抵抗力(=グリップ力)が、その他の従動軸や拭布の回転抵抗や摩擦抵抗に打ち勝つ力を出せないため、薄膜との間で空転してしまう。逆に摩擦抵抗体614の摩擦係数が大きすぎる場合、薄膜ループが回転している最中に人が手で無理やり押さえつけたときに、その抵抗がこの摩擦抵抗体614の回転を阻止することになり、結果的にモーター605の回転も阻止することとなるためモーター過熱による破損の原因になってしまう。
このように、摩擦抵抗体614の摩擦力およびバネ603、613の設定の値には、適切な設定範囲を必要とする。これはその他の摩擦要素(従動軸、拭布などの抵抗)との兼ね合いもあるが、実験的手段を以って設定可能である。
なお、図6において摩擦抵抗体614は5つの分割された中空円筒状の部品群になっているが、これは試作の製作上の都合であり、もちろん1つの中空円筒状部品であってもいいし、単に適切な摩擦係数をもったテープ状の部品でも構わない。
さらに説明を続ける。図6の中央に2段の丸軸で構成される、センサ・拭布紙固定棒615が橋のように渡されている。この固定棒は移動せずに常に固定されている。この固定棒に、薄膜の位置を読み取る薄膜位置センサー616が固定されている。また、この固定棒は上下2段の構造になっているために、その上下方向の弾力を利用して、スクレーパー・拭布紙部302をスナップ的にワンタッチで着脱できるようになっている。
次に、回転駆動部701を説明する。図7に片側の断面図と等角投影図を示す。試作品では加熱消毒帯702はSUS304箔を用いており、これに電流を流すことで急速に高温まで加熱することができる。加熱された加熱消毒帯702は熱膨張のために伸びてしまい、そのままだと薄膜703と接触しなくなってしまうので、常に両側からバネ704で張力(予圧)をかけている。なお、このバネ704は片側だけでももちろん構わない。この加熱消毒帯702は加熱範囲をはずれたところで、抵抗値の少ない伝導体(アルミ箔・銅箔)に接続されている(不図示)。この構造により、必要最小限の部分にだけ高温加熱を施すことが可能となっている。
また、薄膜ループが走行中に走行方向と垂直方向(すなわち装置長手方向)にずれていってしまわないように、薄膜走行制限コマ706を両端に複数備えてある。
以上、本発明装置のハードウェアの説明を行った。次に、この装置を効果的に運用するためのソフトウェアについて記述する。
図8に、本装置の待機状態(消毒が済んで利用を待っている状態)から、人が利用する場合、あるいは一定時間の利用がない場合の消毒駆動動作のフローチャートを示す。
図に示すように、待機状態中に人感センサーにより人の手の接触を検知したのち人の手が離れたことを検知すると、消毒の駆動を開始する流れとなっている。また、待機状態が長く続く場合、任意の所定時間が経過したのちにも消毒駆動を行う流れになっている。
消毒駆動中には人の手が触れられていないことが駆動の原則となるが、駆動中に人の手が触れられた場合はすぐにモーター・加熱帯の駆動を停止することで人と装置の安全性を守るとともに、人の利用を優先させる。
人の利用が終わったのち、すなわち人感センサーがOFFになったのちに再び消毒駆動を開始する。なお、この際に前回の消毒駆動が完全に薄膜ループを1周回っていない場合は、そのぶん余分に回す(不図示)。また、消毒駆動中の緊急停止は、人感センサーによる検知のみではなく、薄膜エンコーダーの動作不整合やタイムアウト、モーターエンコーダーの動作不整合やタイムアウトによっても行われる(不図示)。
以上のように本発明装置によれば、病原体の付着したグリップ表面を迅速に消毒・不活化することが可能となる。
なお、図示はしていないが、薄膜の消毒装置は必ずしも加熱体である必要はなく、たとえば加熱帯の載置されている位置の薄膜の表側に消毒液(アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液など)を含ませた布を載置しておき、その布と薄膜が接触するように走行させてやれば、同様の消毒効果が得られる。
清浄性を常に求められる構造体表面に広く用いることができる。一般用途の例としては、ドアのノブや把持部、手すり、つり革など不特定多数の人が短時間に接触を繰り返す製品の清浄装置として用いられる。
医療器具の用途としても有益である。一般病棟においては、院内感染を防ぐために病室のドアの取手やベッドの手すりなどに使える。トイレで手をかける部分にも使える。また、手術中に清浄性を必要とする手袋をはめた状態で、触ったり握ったりしなければならない構造体にも利用できる。たとえば手術の無影灯のグリップ部などである。
このように産業上の利用の可能性は多岐に広がっている。
101 本発明装置全体
102 固定部
103 把持部
104 固定部
105 ベース部
106 人感センサー光源
107 薄膜
108 薄膜の回転方向矢印
109 駆動軸
110 加熱消毒帯
111 従動回転軸
112 従動回転軸
113 従動回転軸
114 従動回転軸
115 摩擦抵抗体
116 薄膜位置センサー
117 固定支持構造体
118 スクレーパー
119 拭布紙
201 カバー
202 モーター・歯車支持部
203 中心軸支持部
204 回転駆動部支持部
205 人感センサー光源
206 人感センサー
207 グリップ部
301 回転駆動部
302 スクレーパー・拭布紙部
501 薄膜
502 回転駆動部
601 固定ベース部
602 モーター・ギヤ支持部
603 バネ
604 ガイド軸
605 モーター
606 エンコーダー
607 歯車
608 中間歯車
609 歯車
610 回転軸受
611 駆動軸
612 回転軸受
613 バネ
614 摩擦抵抗体
615 センサ・拭布紙固定棒
616 薄膜位置センサー
701 回転駆動部
702 加熱消毒帯
703 薄膜
704 バネ
705 薄膜位置マーク

Claims (17)

  1. 消毒・減毒を施された薄膜が表面を覆うことで、表面の清浄化を行う装置。
  2. 前記の表面清浄化装置において、装置内に載置された消毒装置を薄膜が順次通過することで、薄膜が消毒されていくことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記の薄膜の消毒装置が、加熱によって行われることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記の加熱温度が、水の沸点以上であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
  5. 薄膜表面に付着した水滴や汚れを落とすためにスクレーパーや拭布・紙が、回転経路中に載置されている請求項1乃至4の表面清浄化装置。
  6. 前記の表面清浄化装置において、薄膜のゆるみを防止するために、薄膜の走行経路の1か所以上がバネによって薄膜に張力を与えていることを特徴とする請求項1乃至5の装置。
  7. 請求項3乃至4の装置で、加熱体の熱による伸びを補償するために、加熱体の片側あるいは両側を引っ張ることを特徴とする装置。
  8. 走行する薄膜の位置が分かるように薄膜上に印をつけて、それをセンサーで検知することを特徴とする請求項1乃至7の装置。
  9. 薄膜に人が近接したことを検知するセンサーを備えていることを特徴とする請求項1乃至8の装置。
  10. 請求項9の装置で、静止準備状態で人が近接したときにはその後に消毒駆動を行い、消毒駆動中に人が近接したときには緊急停止をすることを特徴とする装置。
  11. 請求項9の装置で、任意の一定時間に利用がない場合に、消毒駆動を間欠的に行うことを特徴とする装置。
  12. 薄膜の駆動は回転軸による摩擦力によって与えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の装置。
  13. 請求項12の装置で、駆動中に薄膜の動きが外力によってとまったときは、回転軸と薄膜の間がスリップすることで、回転軸側モーターに負荷を与えないことを特徴とする装置。
  14. 薄膜を交換できるようにするため、薄膜交換ユニットを最小形態にした状態の外周よりも、薄膜全周の長さが長くしておくようにすることを特徴とする請求項1乃至4に記載の装置。
  15. 経路上の薄膜に接触する構造体の一部または全部を、薄膜が滑らかに動けるように軸受で滑らかに回転できるか、あるいは摩擦係数の低い樹脂材で表面を形成することを特徴とする請求項1乃至4に記載の装置。
  16. 駆動する薄膜が、駆動方向と垂直方向にずれていかないように、装置の一部または全部に走行制限を設けた請求項1乃至4に記載の装置。
  17. 請求項1乃至4の装置で、前記の薄膜の厚みが20μm以下であることを特徴とする装置。
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