JP2022158945A - 基板処理装置の情報取得システム、演算装置及び基板処理装置の情報取得方法 - Google Patents

基板処理装置の情報取得システム、演算装置及び基板処理装置の情報取得方法 Download PDF

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Figure 2022158945000001
【課題】基板を液処理する基板処理装置について、ノズルまたはカップが基板に対して不適切な位置に配置されることによる処理の不具合の発生を防ぐこと。
【解決手段】基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得システムにおいて、前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体と、前記カップを撮像して画像データを取得するために前記情報取得体が備える撮像部と、前記画像データに基づいて前記カップの高さに関する情報を取得するための取得部と、を備えるように情報取得システムを構成する。
【選択図】図1

Description

本開示は、基板処理装置の情報取得システム、演算装置及び基板処理装置の情報取得方法に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)がキャリアに格納された状態で基板処理装置に搬送されて処理を受ける。この処理としては、例えば塗布液の供給による塗布膜の形成や現像などの液処理が挙げられる。その液処理の際には、カップ内に収納されたウエハに対してノズルから処理液が供給される。特許文献1には、ウエハの下面に対向する環状突起を備えたカップを備える現像装置について記載されている。
特開2020-13932号公報
本開示は、基板を液処理する基板処理装置について、ノズルまたはカップが基板に対して不適切な位置に配置されることによる処理の不具合の発生を防ぐことを目的とする。
本開示の基板処理装置の情報取得システムは、基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得システムにおいて、
前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体と、
前記カップを撮像して画像データを取得するために前記情報取得体が備える撮像部と、
前記画像データに基づいて前記カップの高さに関する情報を取得する取得部と、
を備える。
本開示の他の基板処理装置の情報取得システムは、基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得システムにおいて、
前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体と、
前記ノズルを撮像して画像データを取得するために前記情報取得体が備える撮像部と、
前記画像データにおける前記ノズルと当該画像データの予め設定された基準高さとの間の画素数に基づいて前記基板と前記ノズルとの第2の距離を取得する取得部と、
を備える。
本開示は、基板を液処理する基板処理装置について、ノズルまたはカップが基板に対して不適切な位置に配置されることによる処理の不具合の発生を防ぐことができる。
本開示の実施形態に係る情報取得システムをなす基板処理装置の平面図である。 前記基板処理装置に含まれるレジスト膜形成モジュールの縦断正面図である。 前記レジスト膜形成モジュールの平面図である。 前記レジスト膜形成モジュールを構成するカップ及びシンナー供給ノズルを示す側面図である。 前記情報取得システムを構成する検査用ウエハ及び演算装置を示す説明図である。 前記検査用ウエハの平面図である。 前記カップに設けられる環状突起の上面の画像を示す説明図である。 検査を行うための準備工程を説明するための説明図である。 前記準備工程において取得されるデータであるグラフ図である 検査を行うための準備工程を説明するための説明図である。 準備工程において取得される画像を示す説明図である。 前記レジスト膜形成モジュールに設けられるノズルの側面の画像を示す説明図である。 前記カップの他の構成例を示す縦断側面図である。 前記レジスト膜形成モジュールの他の構成例を示す縦断側面図である。 検査を行うための準備工程を説明するための説明図である。 検査を行うための準備工程を説明するための説明図である。 検査を行うための準備工程を説明するための説明図である。 前記レジスト膜形成モジュールを構成する中間ガイド部の高さの検出を説明するための説明図である。 前記検査用ウエハの他の例及び前記カップを示す平面図である。
〔第1の実施形態〕
本開示の一実施形態に係る情報取得システム1について図1に示す。情報取得システム1は、基板処理装置2、検査用ウエハ6及び演算装置8により構成されている。先ず、情報取得システム1を構成する各部の概要を説明する。上記の基板処理装置2は、搬送機構により円形の基板であるウエハWを処理モジュール間で搬送して処理を行う。この処理にはレジスト膜形成用の処理モジュールにおいて、カップ内に格納されたウエハWにレジストを供給して当該レジスト膜を形成することが含まれる。
検査用ウエハ6は上記の搬送機構によってウエハWの代わりに、基板処理装置2を搬送される。そして上記のカップを構成する環状突起、及びノズルを各々撮像して、画像データを取得する。このノズルはEBR(Edge Bead Removal)用のノズルである。EBRは、溶剤をノズルから吐出してウエハWの表面全体に形成された膜(本実施形態ではレジスト膜)のうち、当該ウエハWの周縁部を被覆する部位を限定的に除去する処理である。
演算装置8は、上記の画像データと予め取得されたデータとにより、上記の処理モジュールにウエハWが載置されるときの当該ウエハWと環状突起との距離、当該ウエハWとEBR用のノズルとの距離についての情報を夫々取得する。基板処理装置2によるウエハWの処理前にこれらの距離の情報を取得することにより、ウエハWにレジスト膜を形成する際の処理が異常となることを防止する。
以下、基板処理装置2について詳しく説明する。基板処理装置2は、キャリアブロックD1と処理ブロックD2とにより構成されている。キャリアブロックD1と処理ブロックD2とは左右に並び、互いに接続されている。ウエハWは、搬送容器であるキャリアCに格納された状態で、図示しないキャリアC用の搬送機構によってキャリアブロックD1に搬送される。キャリアブロックD1はキャリアCを載置するステージ21を備えている。またキャリアブロックD1には、開閉部22と、搬送機構23と、が設けられている。開閉部22はキャリアブロックD1の側壁に形成された搬送口を開閉する。搬送機構23はステージ21上のキャリアCに対して、上記の搬送口を介してウエハWの搬送を行う。
処理ブロックD2は、左右方向に伸びるウエハWの搬送路24と、当該搬送路24に設けられる搬送機構25と、を備えている。当該搬送機構25及び上記の搬送機構23により、キャリアCと処理ブロックD2に設けられる各処理モジュールとの間で、ウエハWが搬送される。処理モジュールは、搬送路24の前方側、後方側の各々に左右に複数並べて設けられている。後方側の処理モジュールは加熱モジュール26であり、レジスト膜中の溶剤を除去するための加熱処理を行う。前方側の処理モジュールはレジスト膜形成モジュール3である。また、搬送路24のキャリアブロックD1寄りの位置には、ウエハWが仮置きされる受け渡しモジュールTRSが設けられている。当該受け渡しモジュールTRSを介して、キャリアブロックD1と処理ブロックD2との間でウエハWが受け渡される。
続いて、レジスト膜形成モジュール3について図2の縦断側面図及び図3の平面図を参照しながら説明する。レジスト膜形成モジュール3は基板保持部であるスピンチャック31を備え、当該スピンチャック31は、ウエハWの裏面側中央部を吸着して水平に保持する。スピンチャック31は鉛直に伸びる軸32を介して回転機構33に接続され、当該回転機構33によってスピンチャック31に保持されたウエハWが鉛直軸回りに回転する。また、軸32を囲む囲い板34が設けられており、当該囲い板34を貫通するように鉛直方向に伸びる昇降ピン35が3本(図2では2本のみ表示)設けられている。昇降機構36により昇降ピン35が昇降し、スピンチャック31と、既述の搬送機構25との間でウエハWが受け渡される。
スピンチャック31に保持されるウエハWの周縁部の下側から側方に亘って、当該ウエハWを囲むように円形のカップ4が設けられており、当該カップ4は、カップ本体41、ガイド部42により構成される。カップ本体41は、外円筒部41A、傾斜部41B、底部本体41C、内円筒部41Dにより構成されている。外円筒部41Aは起立すると共に上記のウエハWの外側に配置される部材であり、当該外円筒部41Aの上縁がカップ4の中心側上方に向けて斜めに伸びることで傾斜部41Bを形成する。傾斜部41BはウエハWの側周を囲む。
外円筒部41Aの下端部がカップ4の中心側へ向かうことで底部本体41Cが形成され、底部本体41Cの内周縁が上方へ向うことで内円筒部41Dが形成されている。内円筒部41Dは、上記の囲い板34の周縁よりもカップ4の外側寄りに位置する。このように形成される外円筒部41A、底部本体41C及び内円筒部41Dは、ウエハWの周に沿った環状の凹部をなし、当該凹部にてウエハWから落下あるいは飛散した処理液を受けることができる。底部本体41Cには、カップ4内を排気するための排気管43Aが設けられると共に、上記の凹部から処理液を排液するための排気口43Bが開口している。
続いて下方側部材であるガイド部42について述べる。このガイド部42は、既述の囲い板34の周縁部上から外円筒部41Aへ向けて広がるように形成され、平面視で円環をなす部材であり、スピンチャック31に保持されるウエハWの下方に位置する。ガイド部42の下方には内円筒部41Dの内周面に接する下側環状突起40が設けられ、内円筒部41Dとガイド部42との間には隙間が形成されず、処理液がカップ4外に漏れないように構成されている。
そして、ガイド部42の上面は傾斜面44、45として形成されており、傾斜面44は傾斜面45よりもカップ4の中心側に位置している。傾斜面44はカップ4の外方に向うにつれて上り、且つ傾斜面45はカップ4の外方に向かうにつれて下ることで、ガイド部42の縦断面については、山型に形成されている。ガイド部42の周縁は外円筒部41Aの内周面から離れて位置すると共に下方へ向けて突出することで、垂直部46をなす。この垂直部46及び上記の傾斜面45は、ウエハWから落下あるいは飛散して付着した処理液(レジスト及び溶剤)が底部本体41Cへ流下されるようにガイドする役割を有する。
傾斜面44のカップ4の外側寄りにおける周端部、傾斜面45のカップ4の中心側寄りにおける周端部の各々については勾配が急になることで、環状突起47を形成している。即ち、環状突起47は上方に突出するように形成されており、既述のスピンチャック31に載置されるウエハWの周に沿うと共に当該ウエハWの周縁部に近接する。この環状突起47はウエハWの表面に供給される処理液が、ウエハWの裏面に回り込んでウエハWの中心寄りの位置に付着したり、処理液のミストがウエハWの裏面の中心寄りの位置に付着したりすることを防止する。例えば図4に示すようにカップ本体41に対してガイド部42が取り付けられる高さは調整可能である。従って、ウエハW及び当該ウエハWを支持するスピンチャック31に対する環状突起47の相対的な高さが調整可能である。ウエハWの裏面と環状突起47の上端との距離をカップ離間距離H0として、図4に示している。
次に、レジスト膜形成モジュール3に設けられるレジスト供給機構5A及びEBR処理機構5Bについて説明する。レジスト供給機構5Aは、レジスト供給ノズル51A、レジスト供給部52A、アーム53A、移動機構54A及び待機部55Aを備える。レジスト供給ノズル51Aは、レジスト供給部52Aから圧送されるレジストを鉛直下方に吐出する。アーム53Aはレジスト供給ノズル51Aを支持し、移動機構54Aによって昇降自在且つ水平移動自在に構成されている。カップ4の外側に上方に開口する待機部55Aが設けられており、移動機構54Aによりレジスト供給ノズル51Aは、待機部55Aの開口内とカップ4内との間を移動する。カップ4内に移動したレジスト供給ノズル51Aは、回転するウエハWの中心部上にレジストを吐出し、スピンコーティングによってウエハWの表面全体にレジスト膜が形成される。
EBR処理機構5Bは、溶剤供給ノズル51B、溶剤供給部52B、アーム53B、移動機構54B及び待機部55Bを備える。溶剤供給ノズル51BはEBR用のノズルであり、溶剤供給部52Bから圧送される溶剤を、ウエハWの中心側から周端側へ斜め下方に向うように吐出する。つまり鉛直方向に対して傾いた向きに溶剤が吐出される。アーム53Bは溶剤供給ノズル51Bを支持し、移動機構54Bによって昇降自在且つ水平移動自在に構成されている。カップ4の外側に、上方に開口する待機部55Bが設けられており、移動機構54Bにより溶剤供給ノズル51Bは、待機部55Bの開口内と、カップ4内におけるウエハWの上方の処理位置との間を移動する。なお図3は実線で処理位置に移動した状態の溶剤供給ノズル51Bを示しており、既述のEBRは、回転するウエハWに対して、当該処理位置における溶剤供給ノズル51Bから溶剤が吐出されることで行われる。
例えばアーム53Bに対して溶剤供給ノズル51Bの高さは調整自在に取り付けられる。従って、図4に示す処理位置における溶剤供給ノズル51BとウエハWの表面との距離(ノズル離間距離とする)H1は調整自在であり、このノズル離間距離H1の変更により、溶剤供給ノズル51Bから吐出された溶剤のウエハWにおける着液位置が変化する。なお、図3のみに表示しているが、カップ4の近傍には当該カップ4に向けて光照射可能な照明部48が設けられている。後述する溶剤供給ノズル51Bの撮像時に、当該照明部48により溶剤供給ノズル51Bに光が照射される。
基板処理装置2は、コンピュータにより構成される制御部20を備えており(図1参照)、コンパクトディスク、ハードディスク、メモリーカード及びDVDなどの記憶媒体に格納されたプログラムがインストールされる。インストールされたプログラムにより、基板処理装置2の各部に制御信号が出力されるように、プログラムには命令(各ステップ)が組み込まれている。そしてこの制御信号によって、搬送機構23、25によるウエハWの搬送、各処理モジュールによるウエハWの処理が行われる。
ところで作業員によるレジスト膜形成モジュール3の組み立て時や調整時のエラーにより、第1の距離であるカップ離間距離H0及び/または第2の距離であるノズル離間距離H1が適正範囲から外れた状態となる場合が有る。カップ離間距離H0が不適切な状態でウエハWに処理が行われると、環状突起47がウエハWに接触して当該ウエハWの裏面を傷つけたり、環状突起47がウエハWから離れすぎることでその役割を十分に果たせなかったりするおそれが有る。また、ノズル離間距離H1が不適切な状態でウエハWに処理が行われると、レジスト膜が除去される領域の幅が異常となる。これらの不具合の発生を未然に防ぐために、既述したように情報取得システム1では、環状突起47及び溶剤供給ノズル51Bの画像データが取得され、その画像データより距離の情報として、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が取得される。
以下、画像データを取得するために用いる情報取得体である検査用ウエハ6の構成について、図5の側面図及び図6の平面図を参照しながら説明する。検査用ウエハ6は本体部60、第1のカメラ61、第2のカメラ62、ミラー64、照明部65、機器搭載基板71、バッテリ72を備えている。本体部60は平面視、ウエハWと同じ大きさの円形の基板であり、第1のカメラ61、第2のカメラ62、ミラー64、照明部65、機器搭載基板71、バッテリ72は、当該本体部60上に設けられている。この本体部60についてはウエハWと同様に搬送機構23、25、モジュールの昇降ピン35により搬送され、裏面の中央部がスピンチャック31により吸着保持されるように、その下面はウエハWの下面と同様に平坦面として構成されている。なお、図5、図6はそのようにスピンチャック31に保持された状態の検査用ウエハ6を示している。
本体部60の周縁部において、本体部60の周方向に離れた位置に貫通孔66A、66Bが形成されている。貫通孔66A、66B内における本体部60の中心寄りの位置には、起立した基板67A、67Bが貫通孔66A、66Bをなす周面に取り付けられて設けられている。基板67A、67Bは貫通孔66A、66Bの上方へ夫々突出している。当該基板67A、67Bに、第1のカメラ61、第2のカメラ62が夫々本体部60上を撮像可能に設けられている。撮像部である第1のカメラ61及び第2のカメラ62の視野は、本体部60の周端側へ向けられている。
上記の第1のカメラ61の光軸上にミラー64が配置されており、ミラー64は貫通孔66Aを介して本体部60の下方を写す。従って、第1のカメラ61は、貫通孔66A及びミラー64を介して本体部60の下方を撮像可能である。検査用ウエハ6がスピンチャック31に保持された際に、ミラー64は環状突起47の上方に位置し、第1のカメラ61により、当該環状突起47の周方向における一部の上面を撮像することができる。図7はその撮像により取得される画像データの一例を模式的に示しており、図中の点線で囲まれる枠は一つの画素(ピクセル)を表している。
また、本体部60には照明部65が2つ埋設されている。各照明部65は、貫通孔66Aを本体部60の周方向に挟んで位置しており、下方に光を照射する。第1のカメラ61により撮像が行われる際には、各照明部65から下方の被写体に光が照射される。なお、第1のカメラ61、第2のカメラ62及びミラー64は、後述のように検査用ウエハ6を回転させて処理位置の溶剤供給ノズル51Bを撮像するにあたり、当該溶剤供給ノズル51Bに干渉しないように、この溶剤供給ノズル51Bよりも本体部60の中心寄りに設けられている。
本体部60の中央部には、機器搭載基板71が設けられている。上記の基板67A、67Bは図示しないケーブルを介して機器搭載基板71に接続されており、第1のカメラ61、第2のカメラ62で取得される画像データは、これらの基板67A、67B及びケーブルを介して機器搭載基板71に送信される。機器搭載基板71は、例えばDSP(digital signal processor)基板を含む複数の基板により構成されるが便宜上一つの基板として示しており、各種の機器が搭載されている。この機器としては、演算装置8からの信号を無線受信することで第1のカメラ61及び第2のカメラ62による撮像を行う機器、照明部68による光照射のオンオフを切り替える機器、取得した画像データを無線で演算装置8に送信する機器(送信部)などが含まれる。また、本体部60の中央部にはバッテリ72が設けられ、第1のカメラ61、第2のカメラ62、機器搭載基板71に含まれる各機器、照明部68に各々電力を供給する。
続いて、演算装置8について図5を参照して説明する。演算装置8はコンピュータであり、バス81を備えている。そして、バス81に、プログラム格納部82、無線送受信部83、メモリ84、表示部85、操作部86が各々接続されている。プログラム格納部82には、コンパクトディスク、ハードディスク、メモリーカード及びDVDなどの記憶媒体に格納されたプログラム80がインストールされる。
無線送受信部83は、検査用ウエハ6に対して画像データを取得するためのトリガとなる信号を無線送信し、且つ取得された各画像データを無線受信するための機器である。第1及び第2の記憶部であるメモリ84には、取得された画像データと後に詳述する事前準備データが記憶される。表示部85はディスプレイであり、取得した各カップ離間距離H0、ノズル離間距離H1を表示する。操作部86はマウスやキーボードなどにより構成され、情報取得システム1のユーザーは当該操作部86を介して、例えば上記のトリガ信号の送信など、プログラム80により行い得る処理の実行を指示することができる。
また、例えば演算装置8は基板処理装置2の制御部20に接続され、カップ離間距離H0、ノズル離間距離H1の取得のために必要なデータや信号の送受信を行うことができる。例えば検査用ウエハ6がスピンチャック31に載置されたら、画像データの取得が可能になったことを示す信号が制御部20から演算装置8に送信される。
演算装置8の上記のプログラム80について補足して述べる。当該プログラム80は、既述した各データや信号の送受信、メモリ84への画像データの格納、画像データと事前準備データとに基づいたカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1の取得、取得したカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1の表示部85への表示などが行えるようにステップ群が組まれている。従って、プログラム80はウエハWとカメラにより撮像される被撮像体との距離(高さ)を取得する取得部を構成する。後述するカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1の取得のための画像データ中における所定の画素の特定、所定の領域における画素数の検出、各種の演算についてもプログラム80により行われる。
続いて、上記したように演算装置8のメモリ84に格納される事前準備データを説明すると共に、当該事前準備データからのカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1の取得方法について説明する。事前準備データには、カップ離間距離H0の取得用のデータと、ノズル離間距離H1の取得用のデータとが含まれ、先ずカップ離間距離H0の取得用のデータについて、図8を参照して説明する。
基板処理装置2の外部にて、検査用ウエハ6の下方で第1のカメラ61による撮像が可能な領域に、冶具91を配置する。冶具91の形状について制約は無いが、例えば環状突起47と同様に細長で横方向(図8の紙面の表裏方向)に伸びる部材である。この冶具91の上端面の幅L1は既知であり、例えば1mmである。冶具91と検査用ウエハ6の本体部60の下面との離間距離をH2(単位:mm)とする。この離間距離H2を変更して、その変更の度に冶具91を撮像して画像データを取得する。つまり冶具91についての複数の画像データを取得する。
撮像を
そして各画像データにおける冶具91の上端面の幅の画素数を取得し、その取得結果から図9のグラフに示すように当該画素数と離間距離H2との対応を求める。このグラフは、X軸に冶具91の上端面の画素数を、Y軸に離間距離H2を夫々設定したものであり、グラフ中の各点が取得結果である。そして当該各点より、例えば一次関数の近似式であるY=AX+B(A、Bは定数)を求める。このように当該近似式については離間距離H2の変化量に対する冶具91の上端面の画素数の変化量を表すものであり、図中で直線92として示している。また、環状突起47の上端部の幅L2(図4参照)について取得しておく。上記の近似式Y=AX+B、及び当該幅L2が、カップ離間距離H0の取得用の事前準備データである。
上記の事前準備データから、カップ離間距離H0を取得する手順について説明する。図5、図6に示すようにスピンチャック31に検査用ウエハ6が保持された状態で、第1のカメラ61によって図7で示した環状突起47の画像データが取得されると、当該画像データ中における環状突起47の幅L3の一端、他端の画素について特定される。そして、当該一端の画素から他端の画素に至るまでの画素数が検出される。つまり、画像データにおける環状突起47の幅L3の画素数について検出される(ステップS1)。なお、図7に示す画像の例では、画素数は14である。そして、既述した近似式Y=AX+Bにおいて、Xの値として当該幅L3の画素数が用いられることで、当該近似式中のYの値が算出される(ステップS2)。
上記したように、この近似式は幅L1が1mmである冶具91を用いて取得したものであるため、このように算出されるYの値は、環状突起47の幅L2が1mmである場合の環状突起47と検査用ウエハ6との離間距離H2に相当する。なお、ウエハWの下面と検査用ウエハ6の本体部60の下面とは共に平坦であり、スピンチャック31における保持時に本体部60の下面とウエハWの下面との高さは同じ高さとなる。そのため、このYの値は、幅L2が1mmである場合における環状突起47とウエハWの下面との距離(=カップ離間距離H0)でもある。それ故に、当該Yに上記の環状突起47の幅L2を乗算することで、実際の環状突起47の幅L2に対応するように補正し、この乗算値(=Y×L2)についてカップ離間距離H0として決定する(ステップS3)。このように算出されたカップ離間距離H0が、演算装置8の表示部85に表示される(ステップS4)。以上のステップS1~S4は、上記のプログラム80により行われる。なお、上記の近似式Y=AX+Bは、環状突起47の幅が1mmであるときの環状突起47の幅の画素数と、ウエハWと環状突起47との距離との相関を表す相関データである。そして、上記のようにYに乗算されるL2は、この相関データを補正する補正データに相当する。
続いて、ノズル離間距離H1の取得用の事前準備データについて、図10、図11を参照して説明する。なお、第2のカメラ62によって取得される画像がVGA画像、即ち横方向が640画素、縦方向が480画素であるものとして説明する。図10に示すように、検査用ウエハ6の側方に冶具93を近接して配置し、第2のカメラ62により当該冶具93を撮像して画像データを取得する。冶具93の形状に制約は無いが、例えば縦方向に伸びる棒状の部材である。この冶具93の上端が画像の縦方向の中心である基準高さH3に位置する、即ち画像の下端から数えて240番目の画素に映るように、冶具93と検査用ウエハ6との相対的な高さを変更する。つまり、冶具93の上端を基準高さに位置合せする。図11はそのように相対的な高さを変更するにあたり、第2のカメラ62によって取得される画像を模式的に示している。なお、図10に示す例では検査用ウエハ6に対して冶具93を上昇させ、この図10の一点鎖線で示す位置に冶具93が位置したときに、図11下段に示すように冶具93の上端が画像中の基準高さH3に位置したものとして示している。
冶具93の上端が基準高さH3に位置したら、冶具93の上端と検査用ウエハ6の下面との間の高さH4を取得する。この第4の距離である高さH4の取得方法については任意であるが、例えばノギス等の冶具を用いて、冶具93の上端と、冶具93における検査用ウエハ6の下面と同じ高さ位置との距離を測定すればよい。なお、上記の例では冶具93の上端を基準高さH3に位置合せしているが、冶具93の側面にマーキングを付し、このマーキングを基準高さH3に位置合わせし、マーキングと検査用ウエハ6の下面との距離を測定して高さH4としてもよい。このように冶具93において任意の位置を基準高さH3に位置合せして、高さH4を取得することができる。
以上のように取得された高さH4からウエハWの厚さを差し引き、高さH5とする。既述したように、スピンチャック31に載置されるウエハWの下面と、スピンチャック31に載置される検査用ウエハ6の下面との高さは同じである。従って、この高さH5は、スピンチャック31に載置されるウエハWの表面と、スピンチャック31に載置される検査用ウエハ6の第2のカメラ62により取得される画像中にて基準高さH3として映る高さに対応する実際の高さ位置との間の高さの差である(図10参照)。第3の距離であるこのH5をウエハ基準高さとする。また、溶剤供給ノズル51Bの幅L4(図4参照)を取得しておく。この幅L4は、後述するように画像データの画素数を、実際の距離に変換するために用いる変換用情報である。これらのウエハ基準高さH5及び溶剤供給ノズル51Bの幅L4が、ノズル離間距離H1の取得用の事前準備データである。
上記の事前準備データから、ノズル離間距離H1を取得する手順について説明する。図5、図6に示すようにスピンチャック31に検査用ウエハ6が保持された状態で、第2のカメラ62によって図12に示すように溶剤供給ノズル51Bの側面の画像データが取得される。この画像データにおいて、溶剤供給ノズル51Bの下端が特定される。また画像データにおいて、溶剤供給ノズル51Bの幅L4に対応する画素数が検出される(ステップT1)。幅L4に対応する画素数の検出について詳しく述べると、溶剤供給ノズル51Bの幅方向における一端の画素(第1の画素とする)、他端の画素(第2の画素とする)について夫々特定され、これら第1の画素、第2の画素間における画素数について検出される。具体的に第1の画素、第2の画素について、例えば縦方向に3画素、横方向に4画素離れているとすれば、幅L4に対応する画素数は(3+41/2=5画素である。
続いて画像データにおいて、ステップT1で特定された溶剤供給ノズル51Bの下端と、基準高さH3(即ち、画像データ中、予め設定された高さの画素)との間の高さH6における画素数が検出される(ステップT2)。当該H6について、ノズル基準高さとする。そして、事前準備データである溶剤供給ノズル51Bの幅L4/ステップT1で取得した幅L4に対応する画素数について演算され、この演算値が1画素における距離とされる(ステップT3)。そして、ステップT2で求めたノズル基準高さH6の画素数×ステップT3で求めた1画素における距離が算出される。つまり、画像データ上の画素数であるノズル基準高さH6について、実際の高さ(距離)への変換がなされる(ステップT4)。
そして、画像データ中で溶剤供給ノズル51Bの下端が基準高さH3よりも下方に位置するときには、事前準備データであるウエハ基準高さH5-ステップT4で求めた実際のノズル基準高さH6が演算される。また、図12に示すように画像データ中で、溶剤供給ノズル51Bの下端が基準高さH3よりも上方に位置するときには事前準備データであるウエハ基準高さH5+ステップT4で求めた実際のノズル基準高さH6が演算される。このようにH5に対するH6の減算あるいは加算で取得された演算値がノズル離間距離H1として決定され(ステップT5)、演算装置8の表示部85に表示される(ステップT6)。以上のステップT1~T6は、上記のプログラム80により行われる。
上記のようにウエハWの表面と画像の基準高さH3との間の高さをH5として事前準備データとして取得しておく。そして、溶剤供給ノズル51Bを撮像することで当該ノズル51の下端と画像の基準高さH3との間の高さをH6として取得し、H5に対してH6を加算または減算する。つまり、ウエハWの表面と溶剤供給ノズル51Bの下端との間のノズル離間距離H1を、基準高さH3を基準に分割して段階的に算出している。このようにノズル離間距離H1を算出するのは、第2のカメラ62の視野が制限されることによる。
以下に、上記のようにノズル離間距離H1を算出する理由について詳しく述べる。仮に第2のカメラ62により、溶剤供給ノズル51Bと、検査用ウエハ6の本体部60における溶剤供給ノズル51Bの真下の位置とが撮像できるとする。その場合は、当該真下の位置と溶剤供給ノズル51Bとの間の画素数と、上記のステップT3で求められる1画素における距離と、から本体部60と溶剤供給ノズル51Bとの間の高さを求め、ウエハWと本体部60との間の厚さの差を加味することで、ノズル離間距離H1が算出すればよい。
しかし、検査用ウエハ6について搬送機構23、25により搬送を行うため、既述のように第2のカメラ62は検査用ウエハ6の本体部60上に配置される。そのように配置の制約が有ることにより、当該第2のカメラ62の視野は制限され、本体部60における溶剤供給ノズル51Bの真下の位置を写せない場合が有る。従って、上記のように基準高さH3を基準にして高さH5、H6に分割して段階的にノズル離間距離H1を算出している。従って本手法によれば検査用ウエハ6について、搬送機構23、25による搬送を可能にしつつ、ノズル離間距離H1を正確性高く算出できるという効果が有る。なお、画像の縦方向の中心を基準高さH3としているが、中心に限られず任意の高さを基準高さとして設定してよく、例えば画像の下端から画像全体の1/4の高さ(即ち下端から120画素)を基準高さとしてもよい。また、ステップT1で溶剤供給ノズルの幅L4についての画素数を取得しているが、この画素数についてはノズル離間距離H1の算出の度に取得することに限られず、例えば固定値として演算装置8のメモリ84に格納されていてもよい。
以上に述べた情報取得システム1の運用手順について説明する。先ず、準備工程として、図8、図10で説明した冶具91、93の撮像を行い、図9で述べた近似式及びウエハ基準高さH5を取得する。これらの近似式及びウエハ基準高さH5に加え、環状突起47の幅L2、溶剤供給ノズル51Bの幅L4を事前準備データとして、演算装置8のメモリ84に記憶させる。
以上の準備工程の終了後、検査用ウエハ6が格納されたキャリアCを基板処理装置2のステージ21に搬送する。当該検査用ウエハ6は、搬送機構23→受け渡しモジュールTRS→搬送機構25→レジスト膜形成モジュール3の順で搬送され、昇降ピン35を介してスピンチャック31に載置されて吸着、保持される。然る後、溶剤供給ノズル51Bが待機部55Bから処理位置に移動する。
ユーザーが演算装置8から所定の指示を行うと、スピンチャック31が例えば所定の角度の刻みで間欠的に回転し、回転の停止時に第2のカメラ62による撮像が行われて画像データが取得される。取得された画像データは、演算装置8に順次、無線送信される。検査用ウエハ6の周縁部上の全周の画像データが取得されると、間欠的な回転と第2のカメラ62の撮像とが停止し、溶剤供給ノズル51Bは待機部55Bに戻る。そして、第1のカメラ61により環状突起47の上面が撮像され、図7に示した画像データが演算装置8に無線送信される。
第1のカメラ61により取得された画像データに対して、上記したステップS1~S4が実行され、カップ離間距離H0が算出され、演算装置8の表示部85に画面表示される。また、第2のカメラ62により取得された複数の画像データのうち、例えば演算装置8のプログラム80によって図12に示したように溶剤供給ノズル51Bが写されたものが選択される。そして、当該選択された画像データに対して上記したステップT1~T6が実行され、ノズル離間距離H1が算出され、演算装置8の表示部85に画面表示される。
撮像を終えた検査用ウエハ6は、昇降ピン35を介して搬送機構25に受け渡され、他のレジスト膜形成モジュール3に搬入され、先のレジスト膜形成モジュール3への搬入時と同様に撮像が行われる。それにより、当該レジスト膜形成モジュール3についてもカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が算出され、画面表示される。全てのレジスト膜形成モジュール3について、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が取得されると、検査用ウエハ6は、搬送機構25、受け渡しモジュールTRS、搬送機構23を順に介して、キャリアCに戻される。作業員は、各レジスト膜形成モジュール3について画面表示されたカップ離間距離H0及びノズル離間距離H1を見て、調整が必要と判断したレジスト膜形成モジュール3における環状突起47を備えるカップ4のガイド部42、あるいは溶剤供給ノズル51Bについて、高さ調整を行う。
その後、ウエハWが格納されたキャリアCが基板処理装置2のステージ21に搬送される。ウエハWは搬送機構23→受け渡しモジュールTRS→搬送機構25→レジスト膜形成モジュール3→搬送機構25→加熱モジュール26→搬送機構25→受け渡しモジュールTRSの順で搬送され、搬送機構23によりキャリアCに戻される。レジスト膜形成モジュール3ではスピンチャック31により回転されるウエハWの表面の中心部に、レジスト供給ノズル51Aからレジストが吐出されて、レジストがウエハWの周縁部に向けて広がり、ウエハWの表面全体にレジスト膜が形成される。その後、溶剤供給ノズル51Bが待機部55Bから処理位置に移動し、回転するウエハWの周縁部に溶剤が供給され、当該周縁部のレジスト膜が除去される。
このように情報取得システム1によれば、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が取得され、それに基づいて作業員がレジスト膜形成モジュール3の調整を行うことができる。従って、当該レジスト膜形成モジュール3でウエハWに対する処理が不良になることが防止される。その結果として、ウエハWから製造される半導体製品の歩留りの低下を防ぐことができる。なお、上記のシステムの運用手順では画像データの取得よりも先に準備工程を行って事前準備データを取得しているが、画像データの取得後に準備工程を行ってもよい。
図13には、カップ4の他の構成例を示している。このカップ4には環状突起47を備えるガイド部42の下部に支柱38の上端が接続されている。支柱38の下端は、カップ本体41の底部本体41Cを貫通して第1の昇降機構である昇降機構39に接続されており、この昇降機構39によりガイド部42が昇降可能である。なお、そのようにガイド部42が昇降しても、ガイド部42の下側環状突起40によりカップ本体41の内円筒部41Dとガイド部42との間には隙間は形成されず、カップ4内の処理液やそのミストはカップ4外へ漏洩しない。
取得されたカップ離間距離H0が許容範囲から外れた場合、例えば制御部20により制御信号が出力され、許容範囲に収まるように昇降機構39により、ガイド部42の高さが調整される。つまり、カップ離間距離H0に応じて、スピンチャック31と環状突起47との相対高さが変更される。
また、取得されたノズル離間距離H1が許容範囲から外れた場合、例えば制御部20により制御信号が出力され、許容範囲に収まるように移動機構54Bにより、処理位置における溶剤供給ノズル51Bの高さが調整されるようにしてもよい(図13参照)。つまり、移動機構54Bは第2の昇降機構であり、ノズル離間距離H1に応じて、溶剤供給ノズル51Bとスピンチャック31との相対高さが変更される。なお、そのようにカップ離間距離H0、ノズル離間距離H1の各々について許容範囲に収めることができるようにするために、昇降機構39及び移動機構54Bについては、ガイド部42、溶剤供給ノズル51Bの高さを夫々多段階で変更できるように構成する。
このようにカップ離間距離H0、ノズル離間距離H1が各々自動で調整される構成によれば、作業員のガイド部42及び溶剤供給ノズル51Bの高さ調整の作業の手間が解消される。そして、その高さ調整を行うために基板処理装置2でのウエハWの処理を中止することが防止されるので、基板処理装置2の生産性を高めることができる。なお、このようにカップ離間距離H0、ノズル離間距離H1の各々について自動で調整される構成である場合、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1については表示部85に表示されなくてもよい。従って、表示部85が設けられないシステム構成とされてもよい。なお、スピンチャック31に接続される回転機構33が昇降機構に接続され、スピンチャック31及び回転機構33がカップ4及び溶剤供給ノズル51Bに対して昇降することで、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が調整される構成であってもよい。
ところで説明の便宜上、基板処理装置2における一のレジスト膜形成モジュール3のカップ4を4A、他のレジスト膜形成モジュール3のカップ4を4Bとする。カップ4A、4Bについて、夫々環状突起47の上面の幅L2が互いに異なるように構成されているものとする。その場合は、事前準備データとしてカップ4Aの幅L2、カップ4Bの幅L2が演算装置8のメモリ84に格納され、カップ離間距離H0を取得するカップ4に応じたL2が用いられて演算が行われるようにすればよい。つまり、事前準備データである幅L2がカップ4毎に記憶され、カップ離間距離H0を取得するカップ4に応じて選択されて、既述の演算が行われるようにしてもよい。
この演算に用いる補正データである幅L2の選択については、作業員が演算装置8から行うようにしてもよい。あるいは例えば演算装置8のメモリ84にレジスト膜形成モジュール3と当該モジュールにおける幅L2との対応関係を記憶しておくようにする。そして、検査用ウエハ6が複数のレジスト膜形成モジュール3のうちの一つに搬送されると、そのレジスト膜形成モジュール3についての情報が基板処理装置2の制御部20から演算装置8に送信され、その情報に従って演算装置8のプログラム80が当該レジスト膜形成モジュール3に対応する幅L2を選択し、カップ離間距離H0が算出されるようにしてもよい。つまり、検査用ウエハ6が搬送されたレジスト膜形成モジュール3に応じて、自動でそのレジスト膜形成モジュール3のカップ4の幅L2が選択されるようにしてもよい。
ところで既述の例では環状突起47について周方向の一箇所のみを撮像し、カップ離間距離H0を算出しているが、周方向の複数箇所を第1のカメラ61により撮像し、各画像データから各々カップ離間距離H0を取得してもよい。このように複数箇所のカップ離間距離H0を取得することで、ガイド部42が傾いて取り付けられた異常を検出することができる。つまり、環状突起47の周方向において一部の箇所の許容範囲に収まるが、他の一部の箇所については許容範囲に収まらない状態となっている場合に、異常であるものとして検出することができる。このように第1のカメラ61による撮像を複数回行う場合は、例えば第2のカメラ62による撮像と共に行えばよい。つまり検査用ウエハ6を間欠的に回転させ、回転の停止時に第2のカメラ62による撮像を行うときに、第1のカメラ61による撮像も行えばよい。
既述した情報取得システム1では制御部20と演算装置8とが別々に設けられているが、制御部20が演算装置8の役割を兼用する構成であってもよい。また、画像データについて既述の例では演算装置8に無線送信されるが、例えば検査用ウエハ6の本体部に着脱自在のメモリを搭載し、当該メモリに格納されるようにしてもよい。その場合、撮像を終えてキャリアCに戻された検査用ウエハ6から作業員が当該メモリを取り外し、演算装置8に画像データを移して、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1が取得されるようにすればよい。従って、検査用ウエハ6については画像データを無線送信するように構成されていなくてもよい。なお、有線で検査用ウエハ6と演算装置8とが接続され、画像データが演算装置8に送信されてもよい。ただし互いを接続するケーブルなどの部材により、検査用ウエハ6の搬送が阻害されるおそれが有るため、上記のように画像データが無線送信されたり、検査用ウエハ6に搭載のメモリに格納されたりする構成の方が有利である。
さらには、第1のカメラ61及び第2のカメラ62のうちの一方のみを本体部60に搭載し、環状突起47及び溶剤供給ノズル51Bのうちの一方のみを被撮像体として画像データを取得し、カップ離間距離H0及びノズル離間距離H1のうちの一方のみが取得される構成であってもよい。ところで、第1のカメラ61における撮像対象は環状突起47には限られない。例えばガイド部42の上面が平坦面であり、その平坦面において上方に向かう突起としてノズルが設けられているものとする。このノズルはウエハWの下面の周縁部に向けて洗浄液を吐出する。第1のカメラ61により、このノズルを撮像し、既述した手法によりノズルとウエハWの下面との離間距離が取得されるようにしてもよい。また、ノズルからウエハWの周縁部に供給される処理液としては溶剤に限られず、例えば塗布膜形成用の塗布液であってもよい。このノズルとウエハW表面との高さについて、既述した手法により算出することができる。
検査用ウエハ6の第2のカメラ62の配置について補足して説明する。一般にカメラにより取得される画像については歪曲収差が生じ、周縁部側は中心部側に比べて歪みが大きくなる。従って、第2のカメラ62で取得される画像中で、溶剤供給ノズル51Bの下端が画像の上端部あるいは下端部に位置していると、算出されるノズル離間距離H1について、実際の距離に対して誤差が生じるおそれが有る。その誤差を抑えるために、予め設定された位置である上記の処理位置に移動した溶剤供給ノズル51Bについて、その処理位置が正常であれば画像の高さ中心部に当該溶剤供給ノズル51Bの下端が位置するように、第2のカメラ62が検査用ウエハ6の本体部60に設けられる。従って、図12で例示した画像において溶剤供給ノズル51Bが正常な高さ位置であれば矢印H6の上端は画像の高さ中心部に位置する。画像の高さ中心部とは、取得される画像の高さがX画素であるとすると、例えば画像の高さ中心に対して上側にX/10画素ずれた高さ~画像の中心に対して下側にX/10画素ずれた高さである。
そのように画像に溶剤供給ノズル51Bを写すために、第2のカメラ62については、図5に示すように本体部60に形成した貫通孔66Bにその下部が進入するように設けてもよいし、本体部60上に台を設けて、その上に設置してもよい。つまりこれら貫通孔や台のように本体部60の表面(上面)と、第2のカメラ62の下端との高さを変移させるための高さ変移部を設けてもよい。また、そのように画像中での溶剤供給ノズル51Bの高さの調整を容易にするために、本体部60における第2のカメラ62の高さを調整自在に構成してもよい。具体的な一例を挙げると、既述の例では縦方向に向いた基板67Bに第2のカメラ62を設けているが、本体部60上に棒ネジが突き出てナットが螺合されており、このナット上にその基板67Bが水平に設けられるようにする。その基板67B上に第2のカメラ62を配置し、作業員がナットを回してその高さを変更し、基板67Bと共に第2のカメラ62の高さが変更されるようにする。
あるいは基板67Bが縦方向に伸びるスライドレールを介して本体部60に接続され、作業員によって基板67Bの本体部60に対する高さが調整可能であるようにすることができる。これらの棒ネジ及びナットやスライドレールのように、本体部60に対する第2のカメラ62の高さを変更するための高さ変更部を設けることができる。なお、第2のカメラ62により取得された画像について、溶剤供給ノズル51Bの下端が既述のように画像の高さ中心部に位置していないときには、ノズル離間距離H1の取得を行わずに、溶剤供給ノズル51Bの高さが異常であるという判定がなされるようにしてもよい。
ところで第2のカメラ62については溶剤供給ノズル51Bを撮像するように設けられているが、レジスト供給ノズル51Aを撮像可能であるように設け、レジスト供給ノズル51AとウエハWの表面との距離が取得されるようにしてもよい。また、基板処理装置2に設けられる液処理モジュールとしてはレジスト膜形成モジュール3に限られない。ノズルから反射防止膜や絶縁膜などのレジスト膜以外の塗布膜形成用の処理液をウエハWの表面に供給して成膜するモジュールであってもよいし、ノズルから洗浄液、現像液、あるいは複数のウエハWを互いに貼り合わせるための接着剤をウエハWの表面に供給するモジュールであってもよい。そのようにレジスト以外の処理液を供給するノズルとウエハW表面との距離についても、本技術により取得することができる。なお検査用ウエハ6は、キャリアCによって外部から基板処理装置2に搬送されることには限られない。例えば、基板処理装置2内に当該検査用ウエハ6の格納用のモジュールを設けて、当該モジュールとレジスト膜形成モジュール3との間で搬送がなされるようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
続いて、検査用ウエハ6を用いた第2の実施形態の検査例について説明するが、そのために先ず、レジスト膜形成モジュール3のカップ4の構成について、図14の縦断側面図を参照して、さらに詳細に説明する。カップ4は、中間ガイド部101及び上側ガイド部111を備えている。なお図2では、中間ガイド部101を傾斜部41Bとして簡略化して示しており、且つ上側ガイド部111について省略している。
中間ガイド部101は、カップ4を構成する外円筒部41Aの内周面に取り付けられる垂直壁102と、垂直壁102の上端からカップ4の中心側へ向けて斜め上方に伸び出す傾斜壁103と、を備えている。傾斜壁103は、平面視では円環状に構成されている。なお、傾斜壁103には縦方向に液排出用の貫通孔104が穿孔されている。
上側ガイド部111は、外円筒部41Aの内周面に取り付けられる上側垂直壁112と、当該上側垂直壁112の上端からカップ4の中心側へ向けて概ね水平に伸び出す上部壁113と、上部壁113の先端から垂直上方へと伸びる筒状の開口壁114と、を備えている。上側垂直壁112は、中間ガイド部101の垂直壁102よりも上方に設けられており、上部壁113は、中間ガイド部101の傾斜壁103よりも上方に位置する。
以上のように構成されるため、カップ4の側壁としては外円筒部41A、中間ガイド部101の垂直壁102及び上側垂直壁112によって構成されている。そして、この側壁の上端より低い位置から傾斜壁103が突出し、側壁の上端から上部壁113がカップ4の中心へ向けて突出している。傾斜壁103及び上部壁113は、このように側壁から突出する環状突出体をなし、平面視においてスピンチャック31の中心軸と同軸で、スピンチャック31に載置されるウエハWを囲む円環をなす。
上側環状体である上側ガイド部111及び中間環状体である中間ガイド部101について、カップ4の組み立て時や調整時のエラーによって高さが異常となってカップ4の外円筒部41Aに取り付けられる場合が有る。この高さ異常としてはカップ本体41に傾いて取り付けられることで、周方向の一部のみの高さが異常となることも含まれる。そのように高さが異常な状態では、カップ4内の各部において所望の排気性能が得られずにウエハWの処理が不良になったり、処理液のミストがカップ4の外に飛散したりするおそれが有る。また上側ガイド部44の高さが異常な場合は、カップ4上を通過する各ノズルに干渉してしまうおそれも有る。
第2の実施形態では、検査用ウエハ6における第2のカメラ62によって取得される画像データを用いて、溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101及び上側ガイド部111の各高さについての情報を取得する。より詳しくは、第2のカメラ62について、溶剤供給ノズル51Bの側面のみならず、中間ガイド部101の内周端部(つまり傾斜壁103の内周端部)、上側ガイド部111の内周端部(つまり開口壁114の内周端部)も撮像可能である配置としておく。そして各高さの情報から、これら溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101及び上側ガイド部111について、異常の有無の判定を行う。それにより、異常が発生したままウエハWに処理がなされることを防止し、歩留りの低下を防ぐ。なお、第2の実施形態について示す各図では、検査用ウエハ6の本体部60上に搭載される部材のうち、第2のカメラ62以外の既述した各部材の表示は省略する。
上記の検査(異常判定)を行うための事前準備について、図15~図17を用いて説明する。校正作業であるこの事前準備としては、第2のカメラ62で取得される画像中における基準高さの設定と、画像の縦方向におけるピクセルピッチの取得とを、異常の検出対象である溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101、上側ガイド部111について個別に行う。なお、ピクセルピッチは画素数と実際の距離との対応関係であり、より具体的には1画素あたりの実際の距離である。この事前準備には、例えば冶具としてスケール94を用いる。このスケール94について、目盛りが設けられる側の直線状の端縁を95として示している。
上記したように検査用ウエハ6の本体部60の径は、ウエハWの径と同じ大きさである。この本体部60の周端における任意の位置を基準位置A0とする。この基準位置A0は、後述するように当該基準位置A0に対してスケール94を本体部60の径方向にずらして、撮像を行うにあたって当該撮像が可能な位置であり、例えば平面視で第2のカメラ62の光軸に重なる点である。
図15は、溶剤供給ノズル51Bの検査を行うための事前準備の様子を示している。処理位置における溶剤供給ノズル51Bの下端が、基準位置A0からA1mmだけ、ウエハWの径方向に沿って当該ウエハWの中心寄りに離れた位置に配置されるものとして説明すると、先ず、作業員は検査用ウエハ6の本体部60を任意の水平面105に載置する。そして本体部60の径方向に沿って、基準位置A0に対してA1mm離れた本体部60の表面上の位置に、スケール94を鉛直に配置する。さらに詳しく述べると、スケール94の各目盛りが鉛直方向に並び、且つスケール94の端縁95が基準位置A0に対して本体部60の径方向にA1mm離れた位置で鉛直方向に伸びるように、当該スケール94を配置する。そのように配置されたスケール94を、第2のカメラ62で撮像して画像データを取得する。
続いて作業員は、この画像データ中におけるスケール94の特定の目盛りが示す高さの画素を基準高さ画素B1として決定する。この特定の目盛りが示す高さとは、溶剤供給ノズル51Bが正常に処理位置に配置されるとしたときの、当該溶剤供給ノズル51Bの下端の高さとなる目盛りであり、基準高さC1とする。また、画像データ中のスケール94において、隣接する目盛間における画素の数から、ピクセルピッチ(ピクセルピッチ1とする)を取得する。
中間ガイド部101及び上側ガイド部111の検査を行うための事前準備については、スケール94の配置が異なることを除いて、溶剤供給ノズル51Bの事前準備と同様である。中間ガイド部101に対する事前準備について、溶剤供給ノズル51Bに対する事前準備との差異点を中心に、図16を参照して具体的に述べる。中間ガイド部101について、カップ4の組み立てが正常に行われた場合には、その上端が基準位置A0からA2mmだけ、ウエハWの外方へとウエハWの径方向に沿って離れた位置に配置されるものとする。その場合、作業員は基準位置A0から当該A2mm離れた位置に、端縁95が鉛直方向に伸びるようにスケール94を配置する。そして、作業員は第2のカメラ62によって、このスケール94の画像データを取得する。この画像データ中におけるカップ4の組み立てが正常な場合における中間ガイド部101の上端の高さ(基準高さC2とする)を示す目盛りを検出し、この目盛りが写された高さの画素を基準高さ画素B2として決定する。また、画像データ中のスケール94からピクセルピッチ(ピクセルピッチ2とする)を取得する。
また上側ガイド部111について、カップ4の組み立てが正常に行われた場合には、基準位置A0からA3mmだけ、ウエハWの外方へとウエハWの径方向に沿って離れた位置に、開口壁114の下端が配置されるものとする。その場合、作業員は図17に示すように、基準位置A0から当該A3mm離れた位置に端縁95が鉛直方向に伸びるようにスケール94を配置する。そして、作業員は第2のカメラ62によって、このスケール94の画像データを取得する。この画像データ中におけるカップ4の組み立てが正常な場合における開口壁114の下端の高さ(基準高さC3とする)を示す目盛りを検出し、この目盛りが写された高さの画素を基準高さ画素B3として決定する。また、画像データ中のスケール94からピクセルピッチ(ピクセルピッチ3とする)を取得する。
以上のように取得された基準高さ画素B1~B3及びピクセルピッチ1~3については、作業員によって演算装置8のメモリ84に記憶される。なお、メモリ84は第1の記憶部に相当し、ピクセルピッチ1、2はカップ用の変換用情報、ピクセルピッチ3はノズル用の変換用情報に夫々相当する。また、仮に複数の検査用ウエハ6を用いる場合には、検査用ウエハ6間の動作精度や組み立て精度の差を考慮して、これら基準高さ画素B1~B3及びピクセルピッチ1~3は検査用ウエハ6毎に取得して、メモリ84に記憶させることが好ましい。
また、ピクセルピッチ1~3について、画像中のスケール94の隣接する目盛間における画素の数から求める手法を用いたが、これに限定されない。別の手法の一例として、画像中のカップ4の構造を利用する手法が有り、これは実際の検査対象の位置を基準とするため、測定結果の精度がさらに向上するという効果が有る。ピクセルピッチ2の取得方法について具体的に述べると、制御部20により、昇降ピン35に検査用ウエハ6が載置された状態で当該昇降ピン35が1mmだけ上昇するように昇降機構36を制御し、また、その上昇動作の前後で第2のカメラ62が中間ガイド部101の上端106を撮像するように制御する。そして、上昇動作の前後で取得された2つの画像において、上端106の位置が何画素分変化したかを特定すれば、ピクセルピッチ2を求めることができる。代表してピクセルピッチ2の取得について述べたが、他のピクセルピッチについても同様に、検査対象に対して検査用ウエハ6の高さを変化させて得られる画像から取得することができる。
以上に述べた事前準備を行った後に行う検査を、第1の実施形態で説明した検査との差異点を中心に説明する。先ず、検査用ウエハ6がレジスト膜形成モジュール3に搬送されてスピンチャック31に吸着される。そして、溶剤供給ノズル51Bが処理位置に移動し、スピンチャック31の間欠的な回転と、回転の停止時における第2のカメラ62による撮像とが行われる。
以降、図18の模式図を用いて説明する。図18は取得された画像データのうちの一つを示す模式図であり、画像中の中間ガイド部101について、ドットを付して示している。中間ガイド部101以外の部材については表示を省略している。先ず、画像データ中の中間ガイド部101における上端106が検出され、当該上端106が写る画素と、基準高さ画素B2との間(図中H10として表記)における画素数が検出される。
そして、検出された画素数にピクセルピッチ2が乗算されて、当該上端106と基準高さC2との高さの差が算出される。この高さの差(上端106と基準高さC2との距離)については取得された各画像データから各々算出され、予め設定された許容範囲内に収まるか否かが各々判定される。そして、例えば各高さの差がいずれも許容範囲内に収まると判定された場合は、中間ガイド部101の高さは正常とし、各高さの差のうちのいずれかが許容範囲に収まらない場合は、中間ガイド部101の高さが異常であるものとする。
また、各画像データにおける上側ガイド部111の開口壁114の下端が検出され、当該下端の画素と基準高さ画素B3のとの間における画素数が検出され、その画素数にピクセルピッチ3が乗算されて、口壁113の下端と基準高さC3との高さの差が算出される。そのように上側ガイド部111について各画像データから得られた高さの差について、全て許容範囲に収まると判定された場合は、上側ガイド部111の高さは正常とし、各高さの差のうちのいずれかが許容範囲に収まらない場合は、上側ガイド部111の高さが異常であるものとする。
そして、取得された各画像データの中から溶剤供給ノズル51Bが写されたものが選択される。その選択された画像データ中の溶剤供給ノズル51Bの下端の画素と基準高さ画素B1との間における画素数にピクセルピッチ1が乗算され、溶剤供給ノズル51Bの下端と基準高さC1との高さの差が算出される。この高さの差について、許容範囲内に収まらない場合は、溶剤供給ノズル51の高さが異常であるものとする。
このように第2の実施形態によれば、検査対象毎に基準高さとピクセルピッチとが事前準備データとして予め取得される。そして、この事前準備データと、検査用ウエハ6がレジスト膜形成モジュール3に搬送されて取得された画像データと、に基づいて検査が行われることで、検査対象である溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101及び上側ガイド部111の各高さについて精度高く、高さの異常判定を行うことができる。
なお、上記の検査例では中間ガイド部101については傾斜壁103の内周縁における上端を画像中での検出対象とし、上側ガイド部111については開口壁114の内周縁における下端を画像中での検出対象として、これらの検出対象についての基準高さと比較するようにした。しかし検出対象としては取得される画像中で、検出が比較的容易な部位とすればよい。従って、既述した部位を検出対象とすることには限られない。例えば上側ガイド部111に関しては、開口壁114の内周縁における上端を検出部位とし、その上端に対応する基準高さとの比較で異常の判定を行ってもよい。
ところで、図19の平面図は第2の実施形態で用いる検査用ウエハ6の他の構成例を示している。図19の平面図では検査用ウエハ6の本体部60において、第2のカメラ62を、3つ設けた例を示しており、説明の便宜上、カメラ62A、62B、62Cとして互いに区別する。カメラ62A~62C間で焦点距離は同じである。そしてカメラ62A~62Cの間で本体部60における径方向の位置が異なっており、平面視において、検査用ウエハ6の本体部60の中心P1に対して、カメラ62A、62B、62Cの順で近い。
カメラ62A、62B、62Cからの画像データによって、溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101、上側ガイド部111の各高さの異常の判定が行われる。即ちカメラ62A、62B、62Cは検査対象である溶剤供給ノズル51B、中間ガイド部101、上側ガイド部111の開口壁114の夫々の位置に応じて、適切な被写界深度が得られるように配置されている。このように検査対象毎にカメラが設けられる構成であってもよい。なお、図19では図の把握を容易にするために中間ガイド部101の傾斜壁103にドットを付すと共に、上側ガイド部111の開口壁114にハッチングを付している。
なお、カメラ62A~62Cの各々について、第1の実施形態の第2のカメラ62の構成として述べたように、撮像対象が正常な高さである場合には画像の高さ中心部に当該撮像対象が位置するように、本体部60に対する高さを適宜調整可能とする高さ変更部を設けることができる。そして、図16、図18で説明したように、中間ガイド部101の上端の高さを基準高さ画素B2と比較する場合は、例えば当該基準高さ画素B2が画像の高さ中心部に位置する高さにカメラ62Bが配置されるようにすればよい。また、図17で説明したように上側ガイド部111の開口壁114の下端の高さを基準高さ画素B3と比較する場合は、例えば当該基準高さ画素B3が画像の高さ中心部に位置する高さにカメラ62Cが配置されるようにすればよい。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更及び組み合わせがなされてもよい。
W ウエハ
1 情報取得システム
2 基板処理装置
31 スピンチャック
4 カップ
51B 溶剤供給ノズル
6 検査用ウエハ6
61 第1のカメラ
62 第2のカメラ
80 プログラム

Claims (20)

  1. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得システムにおいて、
    前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体と、
    前記カップを撮像して画像データを取得するために前記情報取得体が備える撮像部と、
    前記画像データに基づいて前記カップの高さに関する情報を取得する取得部と、
    を備える基板処理装置の情報取得システム。
  2. 前記カップは側壁と、当該側壁から当該カップの中心側へ向けて突出して形成される環状突出体と、を備え、
    前記撮像部は前記環状突出体の内周端部を撮像し、
    前記カップの高さに関する情報として、前記環状突出体の高さに関する情報を取得する請求項1記載の基板処理装置の情報取得システム。
  3. 前記基板保持部に保持される前記情報取得体により取得される画像データにおける予め設定された基準高さと前記環状突出体の内周端部との間の画素数を距離に変換するためのカップ用の変換用情報について記憶される第1の記憶部が設けられ、
    前記取得部は、前記カップ用の変換用情報に基づいて、前記環状突出体の高さに関する情報を取得する請求項2記載の基板処理装置の情報取得システム。
  4. 前記環状突出体は、前記側壁において上端よりも下方の高さから突出する中間環状体を備え、
    前記環状突出体の高さに関する情報は、前記中間環状体の高さに関する情報が含まれる請求項3記載の基板処理装置の情報取得システム。
  5. 前記カップは、前記基板保持部により保持される前記基板の下方に設けられる下方側部材と、当該下方側部材に上方へと突出して設けられる突起と、を備え、
    前記撮像部は前記突起の上面を撮像し、
    前記取得部は、前記カップの高さに関する情報として、前記基板と前記突起との第1の距離を取得する請求項1記載の基板処理装置の情報取得システム。
  6. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得システムにおいて、
    前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体と、
    前記ノズルを撮像して画像データを取得するために前記情報取得体が備える撮像部と、
    前記画像データにおける前記ノズルと当該画像データの予め設定された基準高さとの間の画素数に基づいて前記基板と前記ノズルとの第2の距離を取得する取得部と、
    を備える基板処理装置の情報取得システム。
  7. 前記基板保持部に保持される前記基板の表面と、前記基板保持部に保持される前記情報取得体により取得される画像データの前記基準高さに対応する高さとの差である第3の距離と、
    前記画像データにおけるノズルと前記基準高さとの間の画素数を距離に変換するためのノズル用の変換用情報と、
    について記憶される第2の記憶部が設けられ、
    前記取得部は、前記第2の距離及び前記ノズル用の変換用情報に基づいて、前記第2の距離を取得する請求項6記載の基板処理装置の情報取得システム。
  8. 前記第2の距離に応じて、前記基板保持部と前記ノズルとの相対高さを変更するための第2の昇降機構が設けられる請求項6または7記載の基板処理装置の情報取得システム。
  9. 前記ノズルは、前記処理液を鉛直方向に対して傾いた向きに吐出して前記基板の周縁部に供給するノズルである請求項6ないし8のいずれか一つに記載の基板処理装置の情報取得システム。
  10. 前記撮像部により撮像が行われるとして設定された位置における前記環状突出体の内周端部あるいは前記ノズルの下端が、当該撮像部により取得される画像の高さ中心部に位置するように、前記情報取得体に当該撮像部が設けられる請求項2ないし4のいずれか一つ、あるいは6ないし9のいずれか一つに記載の基板処理装置の情報取得システム。
  11. 前記撮像部は、前記情報取得体における高さが調整可能に設けられる請求項1ないし10のいずれか一つに記載の基板処理装置の情報取得システム。
  12. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得するための演算装置において、
    前記カップを撮像するために、前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体が備える撮像部によって取得される画像データが格納される記憶部と、
    前記画像データに基づいて前記カップの高さに関する情報を取得する取得部と、
    を備える演算装置。
  13. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得するための演算装置において、
    前記ノズル及び前記カップの少なくとも一方を被撮像体として撮像するために、前記基板保持部により前記基板の代わりに保持される情報取得体が備える撮像部によって取得される画像データが格納される記憶部と、
    前記画像データに基づいて前記画像データにおけるノズルと当該画像データの予め設定された基準高さとの間の画素数に基づいて前記基板と前記ノズルとの第2の距離を取得する取得部と、
    を備える演算装置。
  14. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得方法において、
    前記基板の代わりに情報取得体を前記基板保持部により保持する保持工程と、
    前記情報取得体が備える撮像部により、前記カップを撮像して画像データを取得する工程と、
    取得部により、前記画像データに基づいて前記カップの高さに関する情報を取得する工程と、
    を備える基板処理装置の情報取得方法。
  15. 前記カップは側壁と、当該側壁から前記カップの中心側へ向けて突出して形成される環状突出体と、を備え、
    前記画像データを取得する工程は、前記環状突出体の内周端部を撮像して画像データを取得する工程を含み、
    前記カップの高さに関する情報を取得する工程は、前記環状突出体の高さに関する情報を取得する工程である請求項14記載の基板処理装置の情報取得方法。
  16. 前記カップの高さに関する情報を取得する工程は、
    前記画像データを取得する工程と、
    当該画像データにおける基準高さと前記環状突出体の内周端部との間の画素数を距離に変換するためのカップ用の変換用情報を用いて、当該距離を取得する工程と、を備え、
    前記環状突出体の内周端部を撮像する前に冶具を撮像し、当該冶具の画像データを用いて前記カップ用の変換用情報を取得する工程を含む前記請求項15記載の基板処理装置の情報取得方法。
  17. 前記カップは、前記基板保持部により保持される前記基板の下方に設けられる下方側部材と、当該下方側部材に上方へと突出して設けられる突起と、を備え、
    前記画像データを取得する工程は、前記突起の上面を撮像する工程を含み、
    前記カップの高さに関する情報を取得する工程は、前記基板と当該突起との第1の距離を取得する工程を含む請求項16記載の基板処理装置の情報取得方法。
  18. 基板を保持して回転させる基板保持部と、回転する前記基板の表面に処理液を供給するノズルと、前記基板保持部に保持された前記基板を囲むカップと、を備える基板処理装置に関する情報を取得する情報取得方法において、
    前記基板の代わりに情報取得体を前記基板保持部により保持する保持工程と、
    前記情報取得体が備える撮像部により、前記ノズルを撮像して画像データを取得する工程と、
    取得部により、前記画像データにおける前記ノズルと当該画像データの予め設定された基準高さとの間の画素数に基づいて前記基板と前記ノズルとの第2の距離を取得する工程と、
    を備える基板処理装置の情報取得方法。
  19. 前記基板保持部に保持される前記基板の表面と、前記基板保持部に保持される前記情報取得体により取得される画像データの前記基準高さに対応する高さとの差である第3の距離を取得する工程を含み、
    前記第2の距離を取得する工程は、前記第3の距離と、前記ノズルの画像データにおける当該ノズルと前記基準高さとの間の画素数を距離に変換するための変換用情報と、に基づいて当該第2の距離を取得する工程を含む請求項18記載の基板処理装置の情報取得方法。
  20. 前記第3の距離を取得する工程は、
    前記撮像部により冶具を撮像して画像データを取得する工程と、
    当該画像データにおいて前記冶具が前記基準高さに位置合わせされるように、当該冶具と前記情報取得体との相対高さを変更する工程と、
    位置合せされた前記冶具を用いて前記情報取得体の下面と、前記基準高さに対応する高さとの高さの差である第4の距離を取得する工程と、
    を含む請求項19記載の基板処理装置の情報取得方法。
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