JP2022158351A - 零相変流器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022158351000001
【課題】製造工程においてカットコアに加わる応力で残留電流特性が悪化することを抑制することができる零相変流器を得ること。
【解決手段】零相変流器1は、カットコア10と、第1の絶縁テープ13と、環状の内周固定部14と、環状の外周固定部15と、第2の絶縁テープ16と、2次コイル17と、熱硬化樹脂19とを備える。第1の絶縁テープ13は、カットコア10に巻き付けられカットコア10を覆う。内周固定部14および外周固定部15は、カットコア10の内周部および外周部に第1の絶縁テープ13を介して取り付けられる。第2の絶縁テープ16は、第1の絶縁テープ13、内周固定部14、および外周固定部15を覆う。2次コイル17は、第2の絶縁テープ16の表面にトロイダル状に巻き付けられる。熱硬化樹脂19は、2次コイル17が巻き付けられた第2の絶縁テープ16と2次コイル17とを覆う。
【選択図】図4

Description

本開示は、零相電流を検出する零相変流器に関する。
受電設備には、地絡保護を目的として地絡方向継電器が一般的に設置されており、かかる地絡方向継電器で行われる地絡の検出には零相変流器が広く使用されている。零相変流器は、環状のコアを有しており、かかる環状のコアの内側にU相、V相、およびW相の1次導体が挿通される。
そして、零相変流器は、これらの1次導体に流れる電流のベクトル和に対応した2次電流を零相電流として2次コイルから出力する。地絡方向継電器は、零相変流器から出力される零相電流に基づいて、漏電電流の検出を行う。
零相変流器には、低電流域から過電流域までの広範囲で誤動作させることのない、残留電流特性が求められる。特許文献1には、リングコアを切断して得られるカットコアの切断面を密着させることで、磁気抵抗の増加を抑える技術が開示されている。
特開2011-29465号公報
しかしながら、零相変流器の製造工程には、2次コイルをカットコアに巻き付ける工程および絶縁樹脂を注型する工程などがあり、これら複数の工程において種々の応力がかかる。そのため、カットコアにおける切断面同士の密着位置にズレが発生し、かかる切断面間の密着性が低下する場合がある。カットコアにおける切断面間の密着性が低下すると、残留電流特性が悪化し、零相変流器の出力特性が悪化する。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、製造工程においてカットコアに加わる応力で残留電流特性が悪化することを抑制することができる零相変流器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の零相変流器は、カットコアと、第1の絶縁テープと、環状の内周固定部と、環状の外周固定部と、第2の絶縁テープと、2次コイルと、熱硬化樹脂とを備える。第1の絶縁テープは、カットコアに巻き付けられカットコアを覆う。内周固定部は、カットコアの内周部に第1の絶縁テープを介して取り付けられる。外周固定部は、カットコアの外周部に第1の絶縁テープを介して取り付けられる。第2の絶縁テープは、第1の絶縁テープに取り付けられた内周固定部および外周固定部に巻き付けられ、第1の絶縁テープ、内周固定部、および外周固定部を覆う。2次コイルは、第2の絶縁テープの表面にトロイダル状に巻き付けられる。熱硬化樹脂は、2次コイルが巻き付けられた第2の絶縁テープと2次コイルとを覆う。
本開示によれば、製造工程においてカットコアに加わる応力で残留電流特性が悪化することを抑制することができる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかる零相変流器の外観斜視図 実施の形態1にかかる3相の1次導体が挿通された状態の零相変流器の外観斜視図 実施の形態1にかかる零相変流器の正面図 図1に示すIV線に沿った正面から見た零相変流器の断面図 実施の形態1にかかるカットコアの正面図 実施の形態1にかかるカットコアの斜視図 実施の形態1にかかるカットコアの切断する前を示す斜視図 カットコアの積層状態を示す斜視図 実施の形態1にかかる第1の絶縁テープがカットコアに巻き付けられた後の状態を示す仕掛品の正面図 図9に示すX-X線に沿った断面図 実施の形態1にかかる第1の絶縁テープが巻き付けられている途中のカットコアの正面図 図9に示す仕掛品の内外周部に内周固定部および外周固定部を取り付けた後の状態を示す正面図 図12に示すXIII-XIII線に沿った断面図 実施の形態1にかかる第2の絶縁テープが内周固定部および外周固定部に巻き付けられた後の零相変流器の仕掛品を示す正面図 図14に示すXV-XV線に沿った断面図 実施の形態1にかかる第2の絶縁テープが内周固定部および外周固定部に巻き付けられている途中の仕掛品を示す正面図 実施の形態1にかかる熱硬化樹脂で覆う前の零相変流器の仕掛品を示す正面図 図17に示すXVIII-XVIII線に沿った断面図 図18に示すXIX-XIX線に沿った断面図 実施の形態1にかかるカットコアを透磁率、飽和磁束密度の異なる2種類の磁性材料で製作した場合の仕掛品の構成の一例を示す断面図
以下に、実施の形態にかかる零相変流器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる零相変流器の外観斜視図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる零相変流器1は、2次電流を出力する2次端子2,3と、零相変流器1の特性試験を行う際に用いられる試験端子4,5とを備える。試験端子4,5に電流を供給することで、試験端子4,5に供給された電流に応じた2次電流が2次端子2,3から出力される。
図2は、実施の形態1にかかる3相の1次導体が挿通された状態の零相変流器の外観斜視図である。図2に示すように、零相変流器1の中空部1aには、電路6を構成するU相1次導体7、V相1次導体8、およびW相1次導体9が挿通される。U相1次導体7は、3相交流電流のうちU相電流が流れる導体であり、V相1次導体8は、3相交流電流のうちV相電流が流れる導体であり、W相1次導体9は、3相交流電流のうちW相電流が流れる導体である。
零相変流器1の2次端子2,3は、U相1次導体7に流れる電流のベクトルと、V相1次導体8に流れる電流のベクトルと、W相1次導体9に流れる電流のベクトルとの和に対応する2次電流を零相電流として出力する。零相変流器1は、例えば地絡方向継電器または漏電警報器などに設けられる。地絡方向継電器または漏電警報器は、零相変流器1の2次端子2,3から零相電流として出力される2次電流に基づいて、漏電電流を検出し、電路6における地絡の発生を検出する。
図3は、実施の形態1にかかる零相変流器の正面図である。図4は、図1に示すIV線に沿った正面から見た零相変流器の断面図である。図4に示すように、零相変流器1は、カットコア10と、第1の絶縁テープ13と、環状の内周固定部14と、環状の外周固定部15と、第2の絶縁テープ16と、2次コイル17と、試験コイル18と、熱硬化樹脂19とを備える。
第1の絶縁テープ13は、カットコア10に巻き付けられておりカットコア10を覆う。カットコア10の内周部には第1の絶縁テープ13を介して内周固定部14が取り付けられ、カットコア10の外周部には第1の絶縁テープ13を介して外周固定部15が取り付けられている。
第2の絶縁テープ16は、第1の絶縁テープ13に取り付けられた内周固定部14および外周固定部15に巻き付けられ第1の絶縁テープ13、内周固定部14、および外周固定部15を覆う。2次コイル17および試験コイル18は、第2の絶縁テープ16の表面にトロイダル状に巻き付けられる。熱硬化樹脂19は、2次コイル17と試験コイル18とが巻き付けられた第2の絶縁テープ16、2次コイル17、および試験コイル18を覆う。
零相変流器1は、このように構成されていることから、製造工程においてカットコア10に加わる応力で残留電流特性が悪化することを抑制することができる。以下、零相変流器1の製造工程について具体的に説明する。まず、カットコア10の構成について説明する。
図5は、実施の形態1にかかるカットコアの正面図である。図6は、実施の形態1にかかるカットコアの斜視図である。図7は、実施の形態1にかかるカットコアの切断する前を示す斜視図である。図8は、カットコアの積層状態を示す斜視図である。
図5~図7に示すように、カットコア10は、リングコアが切断されて等分されたコアであり、図5および図6に示す例では、半環状の分割コア11,12によって構成されている。カットコア10では、図5に示すように、分割コア11の切断面11aと分割コア12の切断面12aとが密着される。
カットコア10は、図8に示すように、鉄心材料が積層されて構成される。カットコア10は、例えば、薄板の矩形状のフープ材が鉄心材料として使用され、フープ材の巻き始め部分が治具に固定され、送り出されるフープ材が環状となるように治具に巻き付けられて形成されたものを切断して製作される。フープ材の治具への巻き終わり部分は例えば溶接などによって固定される。フープ材は、例えば、珪素鋼板、パーマロイ、またはアモルファスなどの電磁鋼板である。珪素鋼板は、例えば、方向性珪素鋼板である。
次に、第1の絶縁テープ13によってカットコア10の表面を覆い、カットコア10の分割コア11,12を固定する工程について説明する。図9は、実施の形態1にかかる第1の絶縁テープがカットコアに巻き付けられた後の状態を示す仕掛品の正面図である。図10は、図9に示すX-X線に沿った断面図である。図11は、実施の形態1にかかる第1の絶縁テープが巻き付けられている途中のカットコアの正面図である。
図9および図10に示す仕掛品30は、カットコア10に第1の絶縁テープ13が巻き付けられることによって形成される。図8に示すようにカットコア10は電磁鋼板が積層されて形成されているため、電磁鋼板の層間の隙間に熱硬化樹脂19が入り込みやすい。熱硬化樹脂19が電磁鋼板の層間に入り込んだ場合、電磁鋼板の層間に入り込んだ熱硬化樹脂19が硬化する際の応力により、カットコア10に歪みが生じカットコア10の磁気特性が悪化する。以下、電磁鋼板の層間を単に層間と記載する場合がある。
カットコア10の場合、切断されていないリングコアと異なり、切断部があることから応力によって電磁鋼板の剥がれまたはばらけなどが生じることがあり、応力による特性悪化の影響が大きい。そこで、第1の絶縁テープ13をカットコア10に巻き付けることで、カットコア10の表面を第1の絶縁テープ13で覆う。
これにより、カットコア10の分割コア11,12を固定して切断面11a,12a間の密着性を高めると共に、カットコア10の側面または切断面11a,12aからの熱硬化樹脂19の入り込みを抑制することができ、残留電流特性を向上させることができる。なお、切断面11aと切断面12aとに、例えば、防錆剤または接着剤などを塗布することで切断面11a,12a間の密着性をより高めることができる。
また、図11に示すように、第1の絶縁テープ13は、巻付け治具40に取り付けたカットコア10を回転させながら巻き付けられるため、切断面11a,12aの密着性を保つことができる。第1の絶縁テープ13は、例えば、2分の1程度の幅分だけ重ね巻きされる。これにより、第1の絶縁テープ13による仕掛品30の保持力を向上させ、さらに、熱硬化樹脂19の注型時におけるカットコア10の側面における層間の隙間からの熱硬化樹脂19の入り込みが抑制される。
次に、内周固定部14および外周固定部15によって仕掛品30の内周部および外周部を保護する工程について説明する。図12は、図9に示す仕掛品の内外周部に内周固定部および外周固定部を取り付けた後の状態を示す正面図である。図13は、図12に示すXIII-XIII線に沿った断面図である。
図12および図13に示す仕掛品31は、仕掛品30に内周固定部14および外周固定部15が巻き付けられることによって形成される。内周固定部14は、仕掛品30の内周部に巻き付けられることで、カットコア10の内周部に第1の絶縁テープ13を介して環状に取り付けられる。外周固定部15は、仕掛品30の外周部に巻き付けられることで、カットコア10の外周部に第1の絶縁テープ13を介して環状に取り付けられる。
内周固定部14および外周固定部15は、例えば、薄板の矩形状のフープ材が鉄心材料として使用され、フープ材の巻き始め部分が仕掛品30に固定され、フープ材が環状となるように仕掛品30に巻き付けられて形成される。フープ材の治具への巻き終わり部分は例えば溶接などによって固定される。フープ材は、例えば、珪素鋼板、パーマロイ、またはアモルファスなどの電磁鋼板である。珪素鋼板は、例えば、方向性珪素鋼板である。
熱硬化樹脂19の硬化収縮時の変化量は、カットコア10の内周部側に比べカットコア10の外周部側が大きい。そのため、カットコア10の径方向における内周固定部14の厚みe1に比べて、カットコア10の径方向における外周固定部15の厚みe2を大きくすることが望ましい。例えば、内周固定部14の厚みe1を2.5mmとし、外周固定部15の厚みe2を3.5mmにする。
これにより、熱硬化樹脂19の注型時、硬化収縮時の応力によるカットコア10の歪みをより精度よく抑制することができる。そのため、切断面11a,12aの密着性の低下が抑制され、安定した残留電流特性を得ることができる。
次に、第2の絶縁テープ16によって内周固定部14および外周固定部15を覆う工程について説明する。図14は、実施の形態1にかかる第2の絶縁テープが内周固定部および外周固定部に巻き付けられた後の零相変流器の仕掛品を示す正面図である。図15は、図14に示すXV-XV線に沿った断面図である。図16は、実施の形態1にかかる第2の絶縁テープが内周固定部および外周固定部に巻き付けられている途中の仕掛品を示す正面図である。
図14および図15に示す仕掛品32は、2次コイル17が巻き付けられる前の零相変流器1の仕掛品であり、図12に示す仕掛品31に第2の絶縁テープ16を巻き付けて仕掛品31を第2の絶縁テープ16で覆うことによって形成される。これにより、カットコア10を使用した場合でも、切断されていないリングコアを使用した場合と同じように安定した残留電流特性を有する零相変流器1を製作することが可能となる。
図14および図15に示すように、仕掛品32において、第2の絶縁テープ16は、カットコア10に巻き付けられた第1の絶縁テープ13、内周固定部14、および外周固定部15を囲むように配置される。第2の絶縁テープ16によって、カットコア10、第1の絶縁テープ13、内周固定部14、および外周固定部15が固定される。また、第2の絶縁テープ16によって、2次コイル17を構成する電線の被覆の保護を行うことができ、さらに、2次コイル17の巻き付け作業時の外力による内周固定部14および外周固定部15の位置ズレが抑制される。
また、図16に示すように、第2の絶縁テープ16は、巻付け治具41に取り付けた仕掛品31を回転させながら取り付けられる。第2の絶縁テープ16は、例えば、2分の1程度の幅分だけ重ね巻きされる。これにより、第2の絶縁テープ16による仕掛品31の保持力を向上させ、さらに、熱硬化樹脂19の注型時におけるカットコア10の側面における層間の隙間からの熱硬化樹脂19の入り込みが抑制される。
図17は、実施の形態1にかかる熱硬化樹脂で覆う前の零相変流器の仕掛品を示す正面図である。図18は、図17に示すXVIII-XVIII線に沿った断面図である。図19は、図18に示すXIX-XIX線に沿った断面図である。
図17に示す仕掛品33は、熱硬化樹脂19で覆う前の零相変流器1の仕掛品であり、かかる仕掛品33において、2次コイル17が、仕掛品32における第2の絶縁テープ16の表面に対してトロイダル状に巻き付けられている。2次コイル17を構成する電線の巻き間隔αは2次コイル17の軸方向で等間隔になるように配置される。巻き間隔αは、仕掛品33の内径側から仕掛品33の外径側へ向かうほど大きくなる。
2次コイル17は、JEC-1201「計器用変成器(保護継電器用)」規格に準拠するために、定格負担と定格零相電流の変流比に適した巻数で巻き付けられる。かかる電線を仕掛品32に対してカットコア10の周方向で等間隔に巻き付ける工程において、2次コイル17にかかるテンションは一定となるように管理される。
仕掛品32に直接2次コイル17が巻き付けられる際に、巻き付けテンションにより応力が加わるため、カットコア10を歪ませる力が発生するが、カットコア10は、第1の絶縁テープ13、内周固定部14、外周固定部15、および第2の絶縁テープ16で覆われている。そのため、カットコア10に加わる応力を抑制し、カットコア10へ応力による残留電流特性の悪化を抑えることができる。
図17および図19に示すように、仕掛品32に対して試験コイル18が取り付けられる。試験コイル18は、2次コイル17との間の絶縁を保つため、不図示の絶縁チューブなどで保護された状態で、仕掛品32における第2の絶縁テープ16の表面に巻き付けられる。
図1に示すように、零相変流器1には、2次端子2,3に加え、周方向に2次端子2,3と隣接して試験端子4,5が設けられる。そのため、図17に示すように、2次コイル17の巻き始めと巻き終わりとの間には、2次コイル17の軸方向において隙間βがあり、かかる隙間βによってカットコア10に対して2次コイル17の巻き付けが不均一になる。したがって、2次コイル17の巻き付けの不均一により発生する磁化特性の影響を抑制するため、かかる隙間βの大きさはできるだけ小さくなるように2次コイル17が第2の絶縁テープ16の表面に巻き付けられる。
零相変流器1の製造工程において、仕掛品33は、金型に固定される。そして、金型に熱硬化樹脂19が注入されることによって、図1~図4に示す零相変流器1が形成される。熱硬化樹脂19は、例えば、エポキシ樹脂である。なお、熱硬化樹脂19は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、またはビスマレイミド樹脂であってもよい。
仕掛品33の金型への固定は、例えば、2次コイル17の側面17a,17bのうちの少なくとも一方と2次コイル17の内周面17cとに絶縁性のスペーサを取り付けることで、金型と仕掛品33との間のギャップが確保できるように行われる。
零相変流器1の製造工程において、熱硬化樹脂19は、金型によって真空状態で注型が行われ、加熱されて硬化させられることによって成型される。なお、零相変流器1の製造工程において、2次端子2,3と試験端子4,5とは金型の下型と上型とを組み合わせる前に仕掛品33に取り付けられる。
図19では、仕掛品33における2次コイル17の軸方向の断面が示されている。2次コイル17は、図19に示すように、仕掛品33の断面の周方向に沿って巻き付けられる。
このように、2次コイル17は、内周固定部14および外周固定部15を覆う第2の絶縁テープ16に巻き付けられるため、2次コイル17の巻き付け作業の際にカットコア10に加わる応力が第1の絶縁テープ13、内周固定部14、外周固定部15、および第2の絶縁テープ16に吸収されるため、カットコア10に加わる応力を緩和することができる。
切断されていないリングコアを使用した場合、リングコア製作時に発生する残留応力がかかっており、特に曲率の大きな径の小さいリングコアの場合には、残留応力が大きい。この場合、電路6に流れる電流に零相電流が含まれていない場合でも、2次コイル17に微小な2次電流が流れる場合がある。一方、実施の形態1にかかる零相変流器1では、カットコア10を使用しながら、種々の部材により構成される仕掛品33とすることで、製造工程での影響による磁気特性の悪化を防止することができる、零相変流器1を製作することができる。
上述した例では、カットコア10が2等分に切断された分割コア11,12で構成されているが、カットコア10は、3つ以上に分割されている構成でもよい。また、カットコア10は、透磁率、飽和磁束密度の異なる2種類の磁性材料で構成されてもよい。図20は、実施の形態1にかかるカットコアを透磁率、飽和磁束密度の異なる2種類の磁性材料で製作した場合の仕掛品の構成の一例を示す断面図である。
図20に示すカットコア10は、第1のカットコア20、第2のカットコア21、および第3のカットコア22によって構成される。第1のカットコア20および第2のカットコア21は、低磁場での透磁率が低く且つ飽和磁束密度が高い第1鉄心材料によって形成される。第1のカットコア20および第2のカットコア21の材料は、例えば、方向性珪素鋼板などである。
第1のカットコア20および第2のカットコア21の各々は、例えば、珪素鋼板で形成されるフープ材が治具に巻き付けられて形成される。低磁場とは、例えば、0.001テスラ以上0.01テスラ以下の磁場である。かかる低磁場は、例えば、電路6に漏洩電流が流れた場合に生じる。なお、低磁場は、0.001テスラ以上0.01テスラ以下の磁場に限定されない。
また、第3のカットコア22は、第1のカットコア20および第2のカットコア21よりも、低磁場での透磁率が高く且つ飽和磁束密度が低い第3鉄心材料によって形成される。第3のカットコア22の材料は、例えば、パーマロイである。第3のカットコア22は、例えば、板状のパーマロイで形成されるフープ材が治具に巻き付けられて形成される。カットコア10は、第1鉄心材料だけから構成されるカットコア10と比べて、第3鉄心材料によって低電流域での零相変流器1の特性を向上させることができる。
このように、図20に示すカットコア10は、透磁率および飽和磁束密度が互いに異なる2種類の材料から構成されるため、零相変流器1は、低電流域から過電流域までの範囲で変流特性を高めることができる。なお、第3のカットコア22は、同じ断面積であっても、鉄心の内径が大きくなるほど使用される鉄心材料の量が多くなることから、例えば、高価なパーマロイ材料により形成される第3カットコアは、内周部に配置することが望ましい。
また、カットコア10を構成する第3のカットコア22は、応力などによって歪みが生じると、カットコア10の低磁場での磁気特性が悪化する。そのため、カットコア10では、熱硬化樹脂19の熱硬化による熱応力の影響が大きい外周部側に第1のカットコア20が配置されており、かかる第1のカットコア20および外周固定部15によって第3のカットコア22が熱応力から保護される。また第3のカットコア22は、熱硬化樹脂19の熱硬化による熱応力の影響が比較的小さい内周も内周固定部14で覆われ、熱応力から保護される。
以上のように、実施の形態1にかかる零相変流器1は、カットコア10と、第1の絶縁テープ13と、環状の内周固定部14と、環状の外周固定部15と、第2の絶縁テープ16と、2次コイル17と、熱硬化樹脂19とを備える。第1の絶縁テープ13は、カットコア10に巻き付けられカットコア10を覆う。内周固定部14は、カットコア10の内周部に第1の絶縁テープ13を介して取り付けられる。外周固定部15は、カットコア10の外周部に第1の絶縁テープ13を介して取り付けられる。第2の絶縁テープ16は、第1の絶縁テープ13に取り付けられた内周固定部14および外周固定部15に巻き付けられ、第1の絶縁テープ13、内周固定部14、および外周固定部15を覆う。2次コイル17は、第2の絶縁テープ16の表面にトロイダル状に巻き付けられる。熱硬化樹脂19は、2次コイル17が巻き付けられた第2の絶縁テープ16と2次コイル17とを覆う。このように、零相変流器1では、カットコア10が第1の絶縁テープ13、内周固定部14、外周固定部15、および第2の絶縁テープ16により固定された仕掛品32が構成され、かかる仕掛品32に2次コイル17がトロイダル状に巻き付けられる。これにより、零相変流器1の製造工程においてカットコア10に加わる応力によって零相変流器1の残留磁気特性が悪化することを抑制することができる。
また、零相変流器1には、第1の絶縁テープ13と第2の絶縁テープ16が含まれており、絶縁テープが2重に配置されている。これにより、第1のカットコア20の側面における層間の隙間からの熱硬化樹脂19の入り込みを防ぐことで、熱硬化樹脂19の応力による磁気特性の悪化を抑制することができ、零相変流器1の残留電流特性を安定して得ることができる。
また、零相変流器1において、カットコア10の径方向における外周固定部15の厚みe2は、カットコア10の径方向における内周固定部14の厚みe1よりも厚い。これにより、零相変流器1では、2次コイル17の巻き付け応力と熱硬化樹脂19の硬化時の収縮応力とによる残留電流特性の悪化を抑制することができる。
また、内周固定部14は、電磁鋼鈑がカットコア10の内周部に巻き付けられて形成され、外周固定部15は、電磁鋼鈑がカットコア10の外周部に巻き付けられて形成される。これにより、零相変流器1では、例えば、2次コイル17の巻き付け応力と熱硬化樹脂19の硬化時の収縮応力からカットコア10を保護し、また、カットコア10における切断面11a,12aの密着性を高めることができる。
また、零相変流器1において、カットコア10は、透磁率および飽和磁束密度が互いに異なる少なくとも2つの鉄心材料を含む。これにより、零相変流器1の残留電流特性を控除させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 零相変流器、1a 中空部、2,3 2次端子、4,5 試験端子、6 電路、7 U相1次導体、8 V相1次導体、9 W相1次導体、10 カットコア、11,12 分割コア、11a,12a 切断面、13 第1の絶縁テープ、14 内周固定部、15 外周固定部、16 第2の絶縁テープ、17 2次コイル、17a,17b 側面、17c 内周面、18 試験コイル、19 熱硬化樹脂、20 第1のカットコア、21 第2のカットコア、22 第3のカットコア、30,31,32,33 仕掛品、40,41 巻付け治具、e1,e2 厚み。

Claims (4)

  1. カットコアと、
    前記カットコアに巻き付けられ前記カットコアを覆う第1の絶縁テープと、
    前記カットコアの内周部に前記第1の絶縁テープを介して取り付けられた環状の内周固定部と、
    前記カットコアの外周部に前記第1の絶縁テープを介して取り付けられた環状の外周固定部と、
    前記第1の絶縁テープに取り付けられた前記内周固定部および前記外周固定部に巻き付けられ、前記第1の絶縁テープ、前記内周固定部、および前記外周固定部を覆う第2の絶縁テープと、
    前記第2の絶縁テープの表面にトロイダル状に巻き付けられた2次コイルと、
    前記2次コイルが巻き付けられた前記第2の絶縁テープと前記2次コイルとを覆う熱硬化樹脂と、を備える
    ことを特徴とする零相変流器。
  2. 前記カットコアの径方向における前記外周固定部の厚みは、
    前記径方向における前記内周固定部の厚みよりも厚い
    ことを特徴とする請求項1に記載の零相変流器。
  3. 前記内周固定部は、
    電磁鋼鈑が前記カットコアの前記内周部に巻き付けられて形成され、
    前記外周固定部は、
    電磁鋼鈑が前記カットコアの前記外周部に巻き付けられて形成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の零相変流器。
  4. 前記カットコアは、
    透磁率および飽和磁束密度が互いに異なる少なくとも2つの鉄心材料を含む
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の零相変流器。
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