JP2022156366A - 機械学習装置及び温度異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より効率的に監視対象物と電線の接続部の温度異常を判定するための学習モデルを構築できる機械学習装置及び該学習モデルを用いた温度異常判定装置を提供すること。【解決手段】機械学習装置10は、監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常を判定するための学習モデルを構築する機械学習装置10であって、接続部5を被写体として含む熱画像を入力データとして取得する入力データ取得部11と、接続部5の温度異常のレベルをラベルとして取得するラベル取得部12と、入力データとラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、熱画像に被写体として含まれる接続部5の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築する学習モデル構築部14と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、機械学習装置及び温度異常判定装置に関する。
従来、電線に接続される監視対象物の熱画像を取得して、温度異常を判定する技術が知られている。この種の技術が記載されているものとして例えば特許文献1及び2がある。特許文献1には、撮影された熱画像と、データベースに記憶されている温度分布パターンとに基づいて、温度異常の有無及びその原因を推定する装置が記載されている。特許文献2には、撮影された熱画像と、診断対象物の許容温度と、周囲温度や周囲湿度に基づいて温度異常を診断する装置が記載されている。
ところで、発電所や変電所等の電力設備では、監視対象物である機器と電線の接続部の劣化の度合いや接続異常の有無を確認するために、接続部の熱画像を取得して、該熱画像から接続部の温度異常を判定する場合がある。電力設備には監視対象物と電線の接続部が多く存在するため、複数の接続部の熱画像を解析して異常の有無を判定するために時間や手間がかかる。特許文献1によれば温度分布パターンを考慮し、特許文献2によれば周囲温度等を考慮して熱画像の温度異常を判定できるが、より効率的に接続部の温度異常を判定するという点で改善の余地があった。
本発明は、より効率的に監視対象物と電線の接続部の温度異常を判定するための学習モデルを構築できる機械学習装置及び該学習モデルを用いた温度異常判定装置を提供することを目的とする。
本発明は、監視対象物と電線の接続部の温度異常を判定するための学習モデルを構築する機械学習装置であって、前記接続部を被写体として含む熱画像を入力データとして取得する入力データ取得部と、前記接続部の温度異常のレベルをラベルとして取得するラベル取得部と、前記入力データと前記ラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記熱画像に被写体として含まれる前記接続部の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築する学習モデル構築部と、を備える機械学習装置に関する。
前記入力データ取得部は、前記接続部を流れる電流値と、気象情報を前記入力データとして更に取得する。
前記監視対象物は、三相交流用の電線に接続され、前記入力データ取得部に取得される熱画像は、前記監視対象物と三相全ての電線との接続部を被写体として含む。
また本発明は、前記機械学習装置で構築した前記学習モデルを用いた温度異常判定装置であって、前記監視対象物と電線の接続部を被写体として含む新たな熱画像を取得する熱画像取得部と、前記熱画像と前記学習モデルとに基づいて、前記監視対象物と電線の接続部の温度異常のレベルを判定する温度異常判定部と、を備える温度異常判定装置に関する。
本発明によれば、より効率的に監視対象物と電線の接続部の温度異常を判定するための学習モデルを構築できる機械学習装置及び該学習モデルを用いた温度異常判定装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る温度異常判定システム1が用いられる電力設備2の監視対象物3を示す斜視図である。図2は、温度異常判定システム1の全体構成を示す図である。
温度異常判定システム1は、電力設備2に設けられた監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常を判定するためのシステムである。まず、温度異常判定システム1が用いられる電力設備2について説明する。
電力設備2は、三相交流電力を供給するための設備である。電力設備2としては、例えば、発電所や変電所等が挙げられる。電力設備2には、三相交流用の電線4と電線4に接続される機器である複数の監視対象物3が設けられる。監視対象物3の種類としては、例えば、変圧器や開閉器等が挙げられる。
監視対象物3と電線4の接続部5は、監視対象物3の端部に設けられる板状の機器側端子部51と、電線4の端部に設けられる板状の電線側端子部52を含んで構成される。機器側端子部51と電線側端子部52のそれぞれには、複数の端子孔が設けられる。機器側端子部51と電線側端子部52を重ね合わせてボルトで締結することにより、監視対象物3と電線4が接続される。
図1に示すように、例えば、監視対象物3には、電線4との6つの接続部5である接続部5a~5fが形成される。具体的には、1つの監視対象物3には、送電方向の上流側の端部に三相交流の各相の電線4との接続部5a,5b,5cが形成され、送電方向の下流側の端部に三相交流の各相の電線4との接続部5d,5e,5fが形成される。即ち、監視対象物3には、3つで1組の電線4との接続部5が存在する。このように、監視対象物3には、電線4との多数の接続箇所が存在する。電力設備2には、多数の監視対象物3が設けられているので、温度異常判定システム1による判定対象である接続部5は多数存在する。
次に、温度異常判定システム1の構成について説明する。図2に示すように、温度異常判定システム1は、機械学習装置10及び温度異常判定装置20を備える。
ここで、機械学習装置10と温度異常判定装置20とは1対1の組とされて、通信可能に接続されている。なお、図1では図示しないが、機械学習装置10と温度異常判定装置20とはネットワークを介して、互いに接続されていてもよい。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット、公衆電話網、あるいは、これらの組み合わせである。ネットワークにおける具体的な通信方式や、有線接続及び無線接続のいずれであるか等については、特に限定されない。あるいは、機械学習装置10と温度異常判定装置20とは、ネットワークを用いた通信ではなく、コネクタを介して直接接続してもよい。
機械学習装置10について図3から図5を参照しながら説明する。図3は機械学習装置10の機能ブロックを示す図である。図4は機械学習装置10が取得する入力データとラベルを示す図である。図5は温度異常判定システム1が用いられる電力設備2の監視対象物3の熱画像を示す図である。なお、図5において、三相交流の三相全ての電線4と監視対象物3の接続部5のうち二相分の電線4と監視対象物3の接続部5の図示を省略している。
機械学習装置10は、教師あり学習により、温度異常判定装置20で用いる学習モデルを構築する。機械学習装置10によって構築される学習モデルは、監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常を判定するために用いられる。図3に示すように、機械学習装置10は、入力データ取得部11と、ラベル取得部12と、記憶部13と、学習モデル構築部14を備える。
入力データ取得部11は、接続部5に関する各種情報を入力データとして取得する。図4に示すように、入力データ取得部11が取得する入力データとしては、熱画像と、接続部認識番号と、電流データと、気象データが挙げられる。
熱画像は、図5に示すように接続部5を被写体として含み、被写体の温度分布を示す画像である。例えば、熱画像としては、赤外線カメラ等で接続部5を撮影した画像等が挙げられる。本実施形態では、熱画像は監視対象物3と三相全ての電線4との接続部5を被写体として含む。即ち、1つの熱画像からは、三相分の接続部5の温度データと、三相分の接続部5間における温度差データ(以下、「三相温度差データ」という)が特定される。
ここで、電力設備2において、監視対象物3と電線4の接続不良、機器側端子部51や電線側端子部52の表面を覆うめっきの剥離等の劣化等が生じると、接続部5が過熱される。このため、熱画像から得られる接続部5の温度データが高い場合は、監視対象物3と電線4の接続不良や接続部5の劣化等が発生している可能性が高いと判定できる。また、三相の各電線4との接続部5の間の温度差が大きい場合も三相分の電線4の何れかとの接続部5に接続不良や劣化等が発生している可能性が高いと判定できる。
接続部認識番号は、電力設備2において接続部5に付与される識別番号である。1つの接続部認識番号は、監視対象物3と三相全ての電線4との3箇所の接続部5に対して1つ付与される。例えば、図1に示す監視対象物3では、接続部5a~5cに対して1つの接続部認識番号が割り当てられる。即ち、接続部認識番号と熱画像を紐づけることによって、熱画像に映る接続部5を特定できる。
電流データは、熱画像に含まれる接続部5を流れる電流値である。電流データは、例えば、電力設備2に流れる電流を監視する監視システム等から取得される。
気象データは、電力設備2が位置するエリアの気象情報を意味する。具体的には、気象データとしては、気温データ、湿度データ、日照データが挙げられる。例えば、気温データ及び湿度データは、熱画像の取得時の気温や湿度であってもよく、1日の平均気温や平均湿度であってもよい。また、接続部5の周囲の気温や湿度であってもよい。日照データは、熱画像の取得時の接続部5に対する日照量であってもよく、接続部5に照射される一日の平均日照量であってもよい。これらのデータは、温度や湿度、日照量を測定するセンサや測定機器等から得られる値であってもよく、気象観測所の発表値であってもよい。
ラベル取得部12は、熱画像の被写体として含まれる接続部5の温度異常の度合い(レベル)をラベルとして取得する。なお、接続部5の温度異常のレベルの設定は、例えば、熟練の作業員が熱画像や気象データ等を解析することによって行ってもよい。
温度異常のレベルとしては、例えば、数値で示されたスコアであってもよく、アルファベットや優良可不可等の記号を用いて温度異常の度合いを段階的に定めたものであってもよい。本実施形態では、以下に示すレベルA~レベルDの4段階のレベルを用いている。
レベルAは、接続部5に温度異常が発生していない正常な状態である。レベルBは、次回点検時に接続部5の温度の傾向を確認することが必要な状態である。レベルCは、接続部5の点検の頻度を短縮させることが必要な状態である。例えば、レベルCと判定された場合に、判定された接続部5の点検の頻度を年間一回から年間三回に増やしてもよい。レベルDは、監視対象物3が電線4に接続されていない蓋然性が高く、電力設備2を停電させて点検することが必要な状態である。
ここで、機械学習装置10で用いるラベルである温度異常のレベルの設定方法の例について説明する。
例えば、温度異常のレベルが設定される接続部5の熱画像等の入力データと、過去の複数の時点における同じ接続部5の熱画像等の入力データを比較することで、温度異常のレベルを設定してもよい。具体的には、過去の複数の時点における同じ接続部5の温度データと気温データの関係をグラフ化し、近似曲線等の基準線を求める。そして、気温データに対する熱画像から得られる温度データの値が、該基準線から逸脱するに従って、温度異常のレベルを上げてもよい。このとき、接続部5に流れる電流データ、熱画像の取得時の湿度データ、日照データを考慮して、温度異常のレベルを補正してもよい。例えば、接続部5を流れる電流値や接続部5に対する日照量が上昇すると、接続部5の温度も上昇する。このため、電流データや日照データの値に応じて、熱画像から得られる接続部5の温度データを調整した上で過去のデータと比較して温度異常のレベルを設定してもよい。さらに、熱画像から得られた接続部5の三相温度差を考慮して温度異常のレベルを設定してもよい。例えば、同じ接続部認識番号の三相それぞれの接続部5間における温度差が大きくなるに従って、温度異常のレベルを高くしてもよい。また、例えば、過去のデータではなく、他の同様の電力設備2における監視対象物3と電線4の接続部5の熱画像、電流データ、気象データ等との比較により、温度異常のレベルを設定してもよい。
記憶部13は、入力データ取得部11によって取得された熱画像、接続部認識番号、電流データ、及び気象データを入力データとし、ラベル取得部12によって取得された温度異常のレベルをラベルとして記憶する。具体的には、記憶部13は、熱画像と、該熱画像の被写体である接続部5の接続部認識番号と、該接続部5に流れる電流データと、該熱画像の取得時の気象データを互いに紐づけられた1組のデータとして記憶する。そして、記憶部13は、互いに紐づいた熱画像、接続部認識番号、電流データ、及び気象データを含む1組のデータである入力データと、該入力データに対する温度異常のレベルであるラベルを互いに紐づけて1組の教師データとして記憶する。また、記憶部13は、学習モデル構築部14が構築した学習モデルも記憶する。
学習モデル構築部14は、記憶部13に記憶された入力データと、ラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、熱画像に被写体として含まれる接続部5の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築する。そして、学習モデル構築部14は、構築した学習モデルを温度異常判定装置20に送信する。
学習モデル構築部14は、例えば、サポート・ベクター・マシン(Support Vector Machine、以下SVMともいう)を用いて実現することが可能である。
温度異常判定装置20について図6を参照しながら説明する。図6は、温度異常判定装置20の機能ブロック図である。温度異常判定装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、表示部24と、を備える。
制御部21は、温度異常判定装置20の全体を制御する部分であり、各種プログラムを、ROM、RAM、フラッシュメモリ又はハードディスク(HDD)等の記憶領域から適宜読み出して実行することにより、本実施形態における各種機能を実現している。制御部21は、CPUであってよい。制御部21は、熱画像取得部210と、認識番号取得部211と、電流データ取得部212と、気象データ取得部213と、温度特定部214と、三相温度差特定部215と、温度異常判定部216と、出力部217とを備える。
熱画像取得部210は、機械学習装置10で機械学習した際に用いた教師データに含まれる接続部5を被写体として含む熱画像とは別個に、接続部5を被写体として含む新たな熱画像を取得する。例えば、作業員が温度異常判定装置20に備わるキーボードやマウス等の入力デバイスを操作することにより、温度異常判定装置20に接続部5を被写体として含む新たな写真を読み込ませた後、熱画像取得部210が読み込ませた新たな写真を取得してもよい。
認識番号取得部211は、熱画像取得部210によって取得された熱画像に映る被写体である接続部5の接続部認識番号を取得する。
電流データ取得部212は、接続部5を流れる電流値である電流データを取得する。電流データは、例えば、電力設備2に流れる電流を監視する監視システム等から取得される。
気象データ取得部213は、気温データ取得部213aと、湿度データ取得部213bと、日照データ取得部213cを有する。
気温データ取得部213aは、熱画像取得部210によって取得された熱画像の取得時の気温を取得する。具体的には、気温データ取得部213aは、熱画像の取得時の熱画像に含まれる接続部5の周囲の気温を気温データとして取得する。気温データは、接続部5の周囲に設置された温度計や温度センサ等で取得したものであってもよい。
湿度データ取得部213bは、熱画像取得部210によって取得された熱画像の取得時の湿度を取得する。具体的には、湿度データ取得部213bは、熱画像の取得時の熱画像に含まれる接続部5の周囲の湿度を湿度データとして取得する。湿度データは、接続部5の周囲に設置された湿度計や湿度センサ等で取得したものであってもよい。
日照データ取得部213cは、接続部5に照射される日照量である日照データを取得する。日照データは、接続部5の周囲に設置された日照計等から取得される。
温度特定部214は、熱画像取得部210によって取得された熱画像から該熱画像に映る接続部5の温度を特定する。
三相温度差特定部215は、温度特定部214によって特定された三相分の接続部5の温度から該熱画像に映る接続部5の三相間の温度差を特定する。
温度異常判定部216は、熱画像取得部210によって取得された熱画像と、学習モデルに基づいて、該熱画像において被写体となっている接続部5の温度異常のレベルを判定する。
出力部217は、温度異常判定部216によって判定された温度異常のレベルを表示部24に出力する。また、出力部217は、温度異常のレベルの他に、温度特定部214によって特定された熱画像に映る接続部5の温度や三相温度差特定部215によって特定された接続部5の三相間の温度差を表示部24に出力してもよい。
記憶部22は、機械学習装置10から取得した学習モデルを記憶する。また、記憶部22は、熱画像取得部210によって取得された熱画像や該熱画像に関連する気象データや電流データ、接続部認識番号等を1組の入力データとし、該入力データに対して判定された温度異常のレベルをラベルとして記憶してもよい。
通信部23は、機械学習装置10との間でデータを送受信する。例えば、温度異常判定システム1は、機械学習装置10から温度異常判定装置20に通信部23を介して学習モデル構築部14によって構築された学習モデルを送信できる。反対に温度異常判定システム1は、温度異常判定装置20から機械学習装置10に通信部23を介して熱画像取得部210によって取得された新たな熱画像や該熱画像に関連する気象データや電流データ、接続部認識番号等のデータと、判定された温度異常のレベルを送信できる。
表示部24は、制御部21の出力部217から出力された温度異常レベルの判定結果や熱画像に映る接続部5の温度、三相間の温度差等を表示するモニタである。
次に、本実施形態に係る温度異常判定システム1における機械学習時の動作について説明する。図6は、この機械学習時の機械学習装置10の動作を示すフローチャートである。
ステップS11において、機械学習装置10の入力データ取得部11は、入力データとして熱画像と、該熱画像に紐づけられた接続部認識番号と、電流データと、気象データを取得する。
ステップS12において、機械学習装置10のラベル取得部12は、接続部5の温度異常のレベルをラベルとして取得する。
ステップS13において、機械学習装置10の学習モデル構築部14は、入力データとラベルとの組を教師データとして受け付ける。
ステップS14において、機械学習装置10の学習モデル構築部14は、この教師データを用いて機械学習を実行する。
ステップS15において、学習モデル構築部14は、機械学習を終了するか機械学習を繰り返すかを判定する。学習モデル構築部14は、機械学習を繰り返すと判定した場合(ステップS15でNo)、処理をステップS11に戻す。そして、機械学習装置10は同じ動作を繰り返す。一方、学習モデル構築部14は、機械学習を終了すると判定した場合(ステップS15でYes)、処理をステップS16に進める。なお、機械学習を終了させる条件は任意に定めることができる。例えば、予め定められた回数だけ機械学習を繰り返した場合に、機械学習を終了させるようにしてもよい。
ステップS16において、機械学習装置10は、その時点までの機械学習により構築した学習モデルを、ネットワーク等を介して温度異常判定装置20に送信する。
また、機械学習装置10の記憶部13は、この学習モデルを記憶する。これにより、温度異常判定装置20から学習モデルを要求された場合に、その温度異常判定装置20に学習モデルを送信することができる。また、新たな教師データを取得した場合に、学習モデルに対して更なる機械学習を行うこともできる。
次に、温度異常判定装置20による監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常判定の処理の一例について図8を参照しながら説明する。図8は、温度異常判定装置20による温度異常判定の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS21において、熱画像取得部210が、監視対象物3と電線4の接続部5を被写体として含む新たな熱画像を取得する。このとき熱画像取得部210によって取得される熱画像は、監視対象物3と三相全ての電線4との接続部5を被写体として含むものである。
ステップS22において、ステップS21で取得された熱画像に関連する接続部認識番号、電流データ、及び気象データが取得される。具体的には、認識番号取得部211が、ステップS21で取得された熱画像の被写体である接続部5の接続部認識番号を取得する。また、電流データ取得部212が、ステップS21で取得された熱画像の被写体である接続部5を流れる電流データを取得する。また、気象データ取得部213が、ステップS21で取得された熱画像の被写体である接続部5の周囲の気温データ、湿度データ、該接続部5に照射される日照データを取得する。
ステップS23において、温度特定部214が、ステップS21で取得された熱画像に映る三相分の接続部5の温度を特定する。
ステップS24において、三相温度差特定部215が、ステップS23で特定された三相分の接続部5の温度から接続部5の三相間の温度差を特定する。
ステップS25において、温度異常判定部216は、ステップS21で取得された熱画像、ステップS22で取得された接続部認識番号、電流データ、及び気象データを含む1組のデータと、機械学習装置10から送信された学習モデルとに基づいて温度異常のレベルを判定する。
ステップS26において、出力部217は、ステップS23で特定された接続部5の三相分の温度と、ステップS24で特定された三相間の温度差と、ステップS25で判定された温度異常のレベルを表示部24に出力する。この結果、熱画像取得部210によって取得された新たな熱画像に映る接続部5の温度と、三相間の温度差と、温度異常のレベルが表示部24に表示される。
以上説明した本実施形態に係る温度異常判定システム1の機械学習装置10又は温度異常判定装置20によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る機械学習装置10は、監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常を判定するための学習モデルを構築する機械学習装置10であって、接続部5を被写体として含む熱画像を入力データとして取得する入力データ取得部11と、接続部5の温度異常のレベルをラベルとして取得するラベル取得部12と、入力データとラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、熱画像に被写体として含まれる接続部5の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築する学習モデル構築部14と、を備える。
これにより、より効率的に監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築できる。よって、該学習モデルを用いることで多数の接続部5が存在する場合であっても、より効率的に接続異常や劣化の可能性がある接続部5を判定できる。
本実施形態に係る機械学習装置10において、入力データ取得部11は、接続部5を流れる電流値と、気象情報を入力データとして更に取得する。
これにより、接続部5の温度に影響を与える外気温や湿度等の気象情報や接続部5を流れる電流値等の複数の要素を考慮して接続部5の温度異常のレベルを判定できるより高い判定精度の学習モデルを構築できる。
本実施形態に係る機械学習装置10において、監視対象物3は、三相交流用の電線4に接続され、入力データ取得部11に取得される熱画像は、監視対象物3と三相全ての電線4との接続部5を被写体として含む。
これにより、三相の接続部5の熱画像を入力データとするので、三相の接続部5の温度差を考慮して温度異常のレベルを判定できるより判定精度の高い学習モデルを構築できる。
また本実施形態に係る温度異常判定装置20は、機械学習装置10で構築した学習モデルを用いた温度異常判定装置20であって、監視対象物3と電線4の接続部5を被写体として含む新たな熱画像を取得する熱画像取得部210と、熱画像と学習モデルとに基づいて、監視対象物3と電線4の接続部5の温度異常のレベルを判定する温度異常判定部216と、を備える。
これにより、本実施形態の学習モデルに新たな熱画像を入力することで温度異常のレベルを判定するので、より効率的に接続異常や劣化の可能性がある接続部5を判定できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
上記実施形態では、機械学習装置10は熱画像、電流データや気象情報、接続部認識番号を入力データとして取得して教師あり学習を行っていたが、電流データや気象情報、接続部認識番号を取得せずに、熱画像のみを入力データとして教師あり学習を行う構成であってもよい。
上記実施形態では、機械学習装置10は、監視対象物3と三相全ての電線4との接続部5を被写体として含む熱画像を入力データとして教師あり学習を行っていたが、三相全ての電線4との接続部5を被写体として含んでいなくてもよい。例えば、機械学習装置10は、三相のうち少なくとも何れか一相の電線4との接続部5を被写体として含む熱画像を入力データとして教師あり学習を行ってもよい。
3 監視対象物
4 電線
5,5a,5b,5c,5d,5e,5f 接続部
10 機械学習装置
11 入力データ取得部
12 ラベル取得部
14 学習モデル構築部
20 温度異常判定装置
4 電線
5,5a,5b,5c,5d,5e,5f 接続部
10 機械学習装置
11 入力データ取得部
12 ラベル取得部
14 学習モデル構築部
20 温度異常判定装置
Claims (4)
- 監視対象物と電線の接続部の温度異常を判定するための学習モデルを構築する機械学習装置であって、
前記接続部を被写体として含む熱画像を入力データとして取得する入力データ取得部と、
前記接続部の温度異常のレベルをラベルとして取得するラベル取得部と、
前記入力データと前記ラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記熱画像に被写体として含まれる前記接続部の温度異常のレベルを判定するための学習モデルを構築する学習モデル構築部と、を備える機械学習装置。 - 前記入力データ取得部は、前記接続部を流れる電流値と、気象情報を前記入力データとして更に取得する請求項1に記載の機械学習装置。
- 前記監視対象物は、三相交流用の電線に接続され、
前記入力データ取得部に取得される熱画像は、前記監視対象物と三相全ての電線との接続部を被写体として含む請求項1又は2に記載の機械学習装置。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の機械学習装置で構築した前記学習モデルを用いた温度異常判定装置であって、
前記監視対象物と電線の接続部を被写体として含む新たな熱画像を取得する熱画像取得部と、
前記熱画像と前記学習モデルとに基づいて、前記監視対象物と電線の接続部の温度異常のレベルを判定する温度異常判定部と、を備える温度異常判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021060012A JP2022156366A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 機械学習装置及び温度異常判定装置 |
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