JP2022154747A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】フラッシング時において、インクを効率良く回収することが可能なインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、記録ヘッドと、第１搬送ベルトと、インク受け部１０と、を備える。インク受け部１０は、排出口１０１１と、吸液回転体１０２Ａと、搬送回転体１０３Ａと、を備える。排出口１０１１は、用紙搬送方向と交差する方向である交差方向Ｄｗの一端部に配置され、フラッシング時に受けたインクを排出する。吸液回転体１０２Ａは、吸液性材料で形成され、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０２ｘ回りに回転する。搬送回転体１０３Ａは、吸液回転体１０２Ａに接触し、インク受け部１０内のインクを、回転軸１０３ｘの軸線方向に沿って排出口１０１１に向かう第１方向Ｆ１に搬送する搬送構造１０３１を有する。【選択図】図９

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。

インクジェット記録装置では、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを低減及び予防するため、定期的にインクをノズルから吐き出すフラッシング（空吐出）が行われている。このようなインクジェット記録装置の一例が、特許文献１に開示されている。

特許文献１で開示された従来の画像記録装置は、搬送ベルトで搬送される記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、フラッシング動作により記録ヘッドから吐出されたインクを受容する受容部と、を備える。受容部は、記録ヘッドと鉛直方向に重なり、記録ヘッドから吐出されたインクを受容するインク受け皿と、インク受け皿の底面に形成され、受容したインクを排出する排出口と、を備える。排出口は、廃液タンクに接続される。これにより、インク受け皿で受容されたインクは、排出口から排出されてインク受け皿に溜まることがなく、インク受け皿から取り出して捨てる必要もない。

特開２０１０－２３３７４号公報

しかしながら、従来技術において、インク受け皿で受容されたインクが増粘したインクである場合、インクをインク受け皿から円滑に移動させることができないことに課題があった。これにより、インク受け皿の清掃や交換が必要になり、ダウンタイムが長期化し、画像の記録効率が低下することが懸念された。

本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、記録媒体に対するインクの吐出タイミングとは異なるタイミングで、記録ヘッドにインクを吐出させるフラッシング時において、インクを効率良く回収することが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するため、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、搬送ベルトと、インク受け部と、を備える。前記記録ヘッドは、インクを吐出する複数のノズルを有する。前記搬送ベルトは、無端状であり、前記記録ヘッドから吐出される前記インクが通過する複数の開口部を有して前記記録ヘッドと対向する位置に前記記録媒体を搬送する。前記インク受け部は、前記搬送ベルトを介して前記記録ヘッドと対向配置され、前記記録媒体に対する前記インクの吐出タイミングとは異なるタイミングで、前記記録ヘッドに前記インクを吐出させるフラッシング時に、前記開口部を通過した前記インクを受ける。前記インク受け部は、排出口と、吸液回転体と、対向部材と、を備える。前記排出口は、記録媒体搬送方向と交差する方向である交差方向の一端部に配置され、前記フラッシング時に受けた前記インクを排出する。前記吸液回転体は、吸液性材料で形成され、前記交差方向に延びる回転軸回りに回転する。前記対向部材は、前記吸液回転体に接触し、前記インク受け部内の前記インクを、前記回転軸の軸線方向に沿って前記排出口に向かう第１方向に搬送する搬送構造を有する。

本発明の構成によれば、吸液回転体によって、フラッシング時に記録ヘッドから吐出されたインクの跳ね上がり、飛散を防止することができる。そして、搬送回転体によって、吸液回転体が吸収したインクを、インク受け部内において排出口に向けて搬送し、インク受け部内から強制的に排出することができる。したがって、例えば増粘したインクであっても、フラッシング時に吐出されたインクを効率良く回収することが可能である。

本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の概略断面正面図である。 図１のインクジェット記録装置の記録部周辺の上面図である。 図１のインクジェット記録装置の概略ブロック図である。 図１の用紙供給部から第２ベルト搬送部までの用紙搬送経路に沿う構成を模式的に示す説明図である。 本発明の第１実施形態の記録部及び第１ベルト搬送部周辺の正面図である。 図５の第１ベルト搬送部の第１搬送ベルトの平面図である。 図５の第１ベルト搬送部の、第１搬送ベルトを外した状態の平面図である。 図５の第１ベルト搬送部のインク受け部の拡大平面図である。 図８のインク受け部の断面側面図である。 図８のインク受け部の断面正面図である。 本発明の第２実施形態のインク受け部の断面側面図である。 本発明の第３実施形態のインク受け部の断面側面図である。 本発明の第４実施形態のインク受け部の断面側面図である。 本発明の第５実施形態のインク受け部の断面側面図である。 本発明の第６実施形態の記録部及び第１ベルト搬送部周辺の正面図である。 図１５のインク受け部の断面側面図である。 本発明の第７実施形態の記録部及び第１ベルト搬送部周辺の正面図である。

以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。

図１は、実施形態のインクジェット記録装置１の概略断面図である。図２は、図１のインクジェット記録装置１の記録部５周辺の上面図である。図３は、図１のインクジェット記録装置１の概略ブロック図である。インクジェット記録装置１は、例えばインクジェット記録式のプリンターである。インクジェット記録装置１は、図１、図２及び図３に示すように、装置本体２と、用紙供給部３と、用紙搬送部４と、記録部５と、乾燥部６と、制御部７と、を備える。

装置本体２は、操作部２１を備える。例えば、操作部２１は、装置本体２の正面上部に配置され、記録に使用する用紙（記録媒体）の種類やサイズ、拡大縮小、両面記録の要否といった記録条件などの設定、及び実行指令等を、ユーザー自身から直接受け付ける。なお、画像データ、記録条件、及び実行指令等を、外部のコンピュータからネットワーク回線等を介して受け付けることにしても良い。

用紙供給部３は、複数枚の用紙（記録媒体）Ｓを収容し、記録時に用紙Ｓを１枚ずつ分離して送り出す。用紙搬送部４は、用紙供給部３から送り出された用紙Ｓを記録部５及び乾燥部６へと搬送し、さらに記録、乾燥後の用紙Ｓを用紙排出部２２に排出する。両面記録が行われる場合、用紙搬送部４は、第１面の記録、乾燥後の用紙Ｓを分岐部４３によって反転搬送部４４に振り分け、さらに搬送方向を切り替えて表裏を反転させた用紙Ｓを再度、記録部５及び乾燥部６へと搬送する。

用紙搬送部４は、第１ベルト搬送部４１及び第２ベルト搬送部４２を有する。第１ベルト搬送部４１及び第２ベルト搬送部４２は、無端状のベルトの上側の外面（表面）に用紙Ｓを吸着保持して搬送する。第１ベルト搬送部４１は、記録部５の下方に配置されて用紙Ｓを搬送する。第２ベルト搬送部４２は、第１ベルト搬送部４１に対して用紙搬送方向の下流側に位置し、乾燥部６に配置されて用紙Ｓを搬送する。

記録部５は、第１ベルト搬送部４１の上面に吸着保持されて搬送される用紙Ｓに対向し、所定の間隔を設けて第１ベルト搬送部４１の上方に配置される。記録部５は、ライン型インクジェット方式の記録ヘッド５１を有する。記録ヘッド５１は、図２に示すように、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの４色それぞれに対応した記録ヘッド５１Ｂ、５１Ｃ、５１Ｍ、５１Ｙを含む。各色の記録ヘッド５１のそれぞれは、用紙搬送面と略並行で、用紙搬送方向Ｄｃと交差する交差方向に沿って複数（例えば３つ）が千鳥状に配列される。交差方向は、用紙幅方向Ｄｗに対して斜めになっていても良い。本実施形態では、交差方向は、用紙幅方向Ｄｗと同じであり、交差方向Ｄｗと記載することがある。

記録ヘッド５１は、その底部に複数のインク吐出ノズル５２を有する。複数のインク吐出ノズル５２は、交差方向Ｄｗに沿って並べて配置され、用紙Ｓ上の記録領域の全域にわたってインクを吐出することができる。すなわち、記録ヘッド５１は、用紙Ｓ上にインクを吐出する複数のインク吐出ノズル５２を有する。記録部５は、第１ベルト搬送部４１によって搬送される用紙Ｓに向かって４色の記録ヘッド５１Ｂ、５１Ｃ、５１Ｍ、５１Ｙから順次インクを吐出し、フルカラー画像またはモノクロ画像を用紙Ｓに記録する。

乾燥部６は、記録部５に対して用紙搬送方向の下流側に配置され、第２ベルト搬送部４２が設けられる。記録部５でインク画像が記録された用紙Ｓは、乾燥部６において第２ベルト搬送部４２に吸着保持されて搬送される間に、インクが乾燥される。

制御部７は、ＣＰＵ、その他の電子回路及び電子部品を含む（いずれも不図示）。ＣＰＵは、記憶部７１に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、インクジェット記録装置１に設けられた各構成要素の動作を制御してインクジェット記録装置１の機能に係る処理を行う。用紙供給部３、用紙搬送部４、記録部５及び乾燥部６それぞれは、制御部７から個別に指令を受け、連動して用紙Ｓへの記録を行う。

また、制御部７は、用紙Ｓに対するインクの吐出タイミング（記録時）とは異なるタイミングで、記録ヘッド５１にインクを吐出させるフラッシング（空吐出）を行う。フラッシングを行うことで、インクの乾燥によるインク吐出ノズル５２の目詰まりを低減及び予防することができる。

記憶部７１は、例えば不図示のプログラムＲＯＭ（Read Only Memory）、データＲＯＭなどといった不揮発性の記憶装置と、ＲＡＭ（Random Access Memory）のような揮発性の記憶装置との組み合わせで構成される。

図４は、図１の用紙供給部３から第２ベルト搬送部４２までの用紙搬送経路に沿う構成を模式的に示す説明図である。なお、説明の便宜上、図４の記録ヘッド５１の下側には、記録ヘッド５１から吐出されたインク（水滴形状）を描画したが、実際に吐出されたインクは、図４に描画されたインク（水滴形状）よりも遥かに小さい。後の説明で用いる図５等も同様である。

インクジェット記録装置１は、図４に示すように、レジストローラー対４５と、レジストセンサー４６と、第１用紙センサー４７と、第２用紙センサー４８と、を備える。

レジストローラー対４５は、用紙供給部３の用紙搬送方向Ｄｃの下流側に配置される。レジストローラー対４５の用紙搬送方向Ｄｃの下流側の直近には、記録部５及び第１ベルト搬送部４１が配置される。用紙供給部３から送り出された用紙Ｓは、用紙搬送部４を通ってレジストローラー対４５の箇所に到達する。制御部７は、レジストローラー対４５によって、用紙Ｓの斜め送りを矯正するとともに、記録部５のインク吐出動作とのタイミングを計り、第１ベルト搬送部４１に向かって用紙Ｓを送り出す。

レジストセンサー４６は、レジストローラー対４５の用紙搬送方向Ｄｃの上流側の直近に配置される。レジストセンサー４６は、用紙供給部３から送り出され、レジストローラー対４５の箇所に到達する用紙Ｓを検知する。制御部７は、レジストセンサー４６から受信した用紙Ｓの検知信号に基づき、レジストローラー対４５の回転を制御する。

第１用紙センサー４７は、レジストローラー対４５の用紙搬送方向Ｄｃの下流側、且つ第１ベルト搬送部４１の用紙搬送方向Ｄｃの上流側に配置される。第１用紙センサー４７は、レジストローラー対４５から第１ベルト搬送部４１に送られる用紙Ｓの幅方向の位置を検知するラインセンサーである。制御部７は、第１用紙センサー４７から受信した用紙Ｓの検知信号に基づき、各色の記録ヘッド５１それぞれの複数のインク吐出ノズル５２のうち、用紙幅に対応するインク吐出ノズル５２からのインク吐出動作を制御し、用紙Ｓに画像を記録することができる。

第２用紙センサー４８は、第１用紙センサー４７の用紙搬送方向Ｄｃの下流側、且つ記録部５の用紙搬送方向Ｄｃの上流側であって、第１ベルト搬送部４１の上方に配置される。第２用紙センサー４８は、第１ベルト搬送部４１によって搬送される用紙Ｓの搬送方向の位置を検知するセンサーである。制御部７は、第２用紙センサー４８から受信した用紙Ｓの検知信号に基づき、第１ベルト搬送部４１によって各色の記録ヘッド５１それぞれと対向する位置に到達した用紙Ｓに対し、インク吐出ノズル５２からのインク吐出動作を制御する。

第１ベルト搬送部４１は、記録部５の下方に配置される。第１ベルト搬送部４１は、その上面に用紙Ｓを吸着保持し、当該用紙Ｓを用紙搬送方向Ｄｃに沿って搬送する。第１ベルト搬送部４１は、第１搬送ベルト（搬送ベルト）８と、ローラー４１２と、第１ベルトセンサー４１３と、第２ベルトセンサー４１４と、を含む。

第１搬送ベルト８は、無端状のベルトであって、内側に配置された４本のローラー４１２によって架設される。ローラー４１２は、第１搬送ベルト８の内側に配置され、交差方向Ｄｗ（図２参照）に沿って延びる回転軸線を中心として回転可能に支持される。４本のローラー４１２のうち１本が駆動ローラーであり、第１搬送ベルト８は、当該駆動ローラーによって、上側が用紙搬送方向Ｄｃに移動するように回転される。第１搬送ベルト８は、表裏を貫通する複数の孔部８１及び複数の開口部８２（開口部群８３）を有する（図６参照）。第１搬送ベルト８は、記録ヘッド５１と対向する位置に用紙Ｓを搬送する。

第１ベルトセンサー４１３は、記録部５の用紙搬送方向Ｄｃの下流側であって、第１ベルト搬送部４１の上方に配置される。第２ベルトセンサー４１４は、第１搬送ベルト８の内側であって、第１搬送ベルト８の上側の用紙搬送方向Ｄｃの上流端部に隣接するローラー４１２の第１搬送ベルト８の回転方向上流側に配置される。第１ベルトセンサー４１３及び第２ベルトセンサー４１４は、第１搬送ベルト８に設けられた複数の開口部８２の集合である開口部群８３（図６参照）の位置を検知する。なお、第１ベルトセンサー４１３は、第２用紙センサー４８と同等の機能を兼ね備える。

第２ベルト搬送部４２は、乾燥部６に配置される。第２ベルト搬送部４２は、その上面に用紙Ｓを吸着保持し、当該用紙Ｓを用紙搬送方向Ｄｃに沿って搬送する。第２ベルト搬送部４２は、第２搬送ベルト４２１と、ローラー４２２と、を含む。

第２搬送ベルト４２１は、無端状のベルトであって、内側に配置された２本のローラー４２２によって架設される。ローラー４２２は、第２搬送ベルト４２１の内側に配置され、交差方向Ｄｗ（図２参照）に沿って延びる回転軸線を中心として回転可能に支持される。２本のローラー４２２のうち１本が駆動ローラーであり、第２搬送ベルト４２１は、当該駆動ローラーによって、上側が用紙搬送方向Ｄｃに移動するように回転される。

乾燥部６は、乾燥器６１を有する。記録部５によって画像が記録された用紙Ｓは、乾燥部６において、第２ベルト搬送部４２による搬送中に乾燥器６１によって乾燥され、乾燥部６の用紙搬送方向Ｄｃの下流側へと搬送される。

図５は、本発明の第１実施形態の記録部５及び第１ベルト搬送部４１周辺の正面図である。図６は、図５の第１ベルト搬送部４１の第１搬送ベルト８の平面図である。第１実施形態のインクジェット記録装置１は、図５に示すように、用紙吸引部９と、インク受け部１０と、液体吸引部１１と、を備える。

用紙吸引部９は、第１搬送ベルト８の内側の上部であって、第１搬送ベルト８の用紙搬送面（上側の外面、表面）の反対側の一面（上側の内面、裏面）に対向して配置される。用紙吸引部９は、用紙吸引筐体９１と、吸気ファン９２と、を備える。

用紙吸引筐体９１は、その内部に、四方を側壁９１ａに囲まれた吸引空間９１１を有する。吸引空間９１１は、第１搬送ベルト８と記録ヘッド５１とが対向する対向区間Ｓｏに対して用紙搬送方向Ｄｃの上流側及び下流側の、第１搬送ベルト８と記録ヘッド５１とが対向しない非対向区間Ｓｎに位置する。吸引空間９１１は、ブラックの記録ヘッド５１Ｂの用紙搬送方向Ｄｃの上流側の下方からイエローの記録ヘッド５１Ｙの用紙搬送方向Ｄｃの下流側の下方までの５箇所において、第１搬送ベルト８の用紙搬送面（上側の外面、表面）の反対側の一面（上側の内面、裏面）と対向する。

用紙吸引筐体９１は、その上面であって、吸引空間９１１の上方に配置された複数の吸気孔９１２を有する。複数の吸気孔９１２は、用紙吸引筐体９１を上下方向に貫通する。

吸気ファン９２は、用紙吸引筐体９１の内部であって、吸引空間９１１の下部に配置される。なお、第１搬送ベルト８は、図６に示すように、複数の孔部８１と、複数の開口部８２と、を有する。孔部８１及び開口部８２は、第１搬送ベルト８の表裏を貫通する。吸気ファン９２を駆動させると、用紙吸引部９は、吸気孔９１２、孔部８１及び開口部８２を通して空気を吸引することで用紙Ｓを第１搬送ベルト８の用紙搬送面（上側の外面、表面）に吸着させる。

複数の孔部８１及び複数の開口部８２は、用紙吸引部９によって空気が吸引されることで、第１搬送ベルト８の用紙搬送面である上側の外面（表面）に用紙Ｓを吸着させる。開口部８２の開口面積は、孔部８１の開口面積よりも大きい。開口部８２は、フラッシング時に、記録ヘッド５１から吐出されるインクが通過する。開口部８２は、複数（例えば１０個）が集合することで開口部群８３を構成している。

インク受け部１０は、第１搬送ベルト８を介して記録ヘッド５１の下方に対向配置される。すなわち、インク受け部１０は、第１搬送ベルト８と記録ヘッド５１とが対向する対向区間Ｓｏの下方に配置される。インク受け部１０の、用紙搬送方向Ｄｃの上流側及び下流側のそれぞれには、吸引空間９１１が隣接している。インク受け部１０は、フラッシング時に、第１搬送ベルト８の開口部８２を通過したインクを受ける。

液体吸引部１１は、インク受け部１０の下方に配置される。液体吸引部１１は、インク受け部１０内に貯留されるインク等の液体を吸引して排出する。液体吸引部１１は、例えば送液管１１１と、開閉弁１１２と、吸引ポンプ１１３と、回収タンク１１４と、を備える。

送液管１１１は、４つの記録ヘッド５１それぞれの下方に配置された４つのインク受け部１０と、吸引ポンプ１１３との間を接続する。送液管１１１は、インク受け部１０の、後述する排出口１０１１に接続される。また、送液管１１１は、吸引ポンプ１１３と、回収タンク１１４との間を接続する。送液管１１１の内部には、インク受け部１０内に貯留されるインク等の液体が流通する。

開閉弁１１２は、送液管１１１に接続される。開閉弁１１２は、インク受け部１０と吸引ポンプ１１３との間に配置される。例えば４つのインク受け部１０に対して、４つの開閉弁１１２が、各インク受け部１０の下方に個別に配置される。開閉弁１１２は、例えば電磁弁で構成され、制御部７によってその開閉が制御される。開閉弁１１２は、送液管１１１内の液体の排出経路を開閉する。

吸引ポンプ１１３は、インク受け部１０に対するインク排出方向の下流側であって、回収タンク１１４に対するインク排出方向の上流側に配置される。吸引ポンプ１１３は、４つのインク受け部１０内それぞれに貯留されるインクを吸引し、回収タンク１１４に向かって吐出する。

回収タンク１１４は、吸引ポンプ１１３に対するインク排出方向の下流側であって、送液管１１１のインク排出方向の下流端に配置される。吸引ポンプ１１３を作動させることで、４つのインク受け部１０内それぞれに貯留されるインクは、回収タンク１１４に送られ、回収タンク１１４で回収される。

図７は、図５の第１ベルト搬送部４１の、第１搬送ベルト８を外した状態の平面図である。図８は、図５の第１ベルト搬送部４１のインク受け部１０の拡大平面図である。図９及び図１０は、図８のインク受け部１０の断面側面図及び断面正面図である。なお、図１０には、用紙吸引筐体９１を記載した。

インク受け部１０は、ハウジング１０１と、吸液回転体１０２Ａと、搬送回転体（対向部材）１０３Ａと、を備え、これら２つの構成要素が１つの組として設けられる。インク受け部１０は、ハウジング１０１、吸液回転体１０２Ａ及び搬送回転体１０３Ａの組を、各色の３つの記録ヘッド５１それぞれに対して１つずつ備える。各組のハウジング１０１及び吸液回転体１０２Ａは、記録ヘッド５１と上下方向に対向配置される。

ハウジング１０１は、用紙吸引筐体９１の上面のすぐ下方に配置される。ハウジング１０１は、上面が開口した交差方向Ｄｗに沿って長手状に延びる直方体形状の箱体である。なお、用紙吸引筐体９１は、その上面であって、ハウジング１０１の上方に配置された複数の窓部９１３を有する。窓部９１３は、ハウジング１０１、吸液回転体１０２Ａ及び搬送回転体１０３Ａの組と同数が設けられる。複数の窓部９１３は、用紙吸引筐体９１を上下方向に貫通する。搬送回転体１０３Ａは、窓部９１３を通して、第１搬送ベルト８の用紙搬送面の反対側の一面（上側の内面、裏面）と対向する。

ハウジング１０１は、内部にフラッシング時に吐出されたインクを受ける空間を有するとともに、当該空間に吸液回転体１０２Ａ及び搬送回転体１０３Ａを収容する。ハウジング１０１は、吸液回転体１０２Ａ及び搬送回転体１０３Ａを回転可能に支持する。ハウジング１０１は、排出口１０１１を有する。排出口１０１１は、ハウジング１０１の交差方向Ｄｗの一端部に配置され、フラッシング時に受けたインクを排出する。

吸液回転体１０２Ａは、用紙吸引筐体９１の上面のすぐ下方に配置される。吸液回転体１０２Ａは、交差方向Ｄｗに沿って長手状に延びる。吸液回転体１０２Ａは、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０２ｘの両端部が、ハウジング１０１に回転可能に支持される。これにより、吸液回転体１０２Ａは、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０２ｘ周りに回転する。

吸液回転体１０２Ａは、吸液体１０２１を有する。吸液体１０２１は、回転軸１０２ｘの外周部に設けられる。吸液体１０２１は、例えば連続気孔構造を有するＰＶＡ（ポリビニルアルコール）スポンジといった吸液性材料で形成される。

搬送回転体１０３Ａは、吸液回転体１０２Ａのすぐ下方に対向配置された対向部材であって、吸液回転体１０２Ａに接触する。搬送回転体１０３Ａは、交差方向Ｄｗに沿って長手状に延びる。搬送回転体１０３Ａは、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０３ｘの両端部が、ハウジング１０１に回転可能に支持される。搬送回転体１０３Ａは、回転軸１０３ｘがモーター等によって回転されることで、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０３ｘ周りに回転する。

吸液回転体１０２Ａは、回転する搬送回転体１０３Ａに接触していることで、従動して回転しても良いし、回転軸１０２ｘがモーター等によって回転されることで、回転しても良い。フラッシング時の搬送回転体１０３Ａの回転方向は、第１搬送ベルト８の回転方向と同じにしても良い。これにより、搬送回転体１０３Ａに付着したインクが第１搬送ベルト８に付着したとしても、第１搬送ベルト８のインクの付着範囲を小さくすることができる。また、仮に搬送回転体１０３Ａと第１搬送ベルト８とが接触したとしても、その衝撃を小さくすることができ、各部材が破損し難い。

搬送回転体１０３Ａは、搬送構造１０３１を有する。搬送構造１０３１は、搬送回転体１０３Ａの外周部に設けられる。搬送構造１０３１は、インク受け部１０内のインクを、回転軸１０３ｘの軸線方向に沿って排出口１０１１に向かう第１方向Ｆ１、すなわち図８において下から上に、図９において左から右に搬送する。

上記の構成によれば、吸液回転体１０２Ａによって、フラッシング時に記録ヘッド５１から吐出されたインクの跳ね上がり、飛散を防止することができる。そして、搬送回転体１０３Ａによって、吸液回転体１０２Ａが吸収したインクを、インク受け部１０内において排出口１０１１に向けて搬送し、インク受け部１０内から強制的に排出することができる。したがって、例えば増粘したインクであっても、フラッシング時に吐出されたインクを効率良く回収することが可能である。

吸液回転体１０２Ａの吸液体１０２１は、外形が円錐台形状である。円錐台形状の吸液回転体１０２Ａは、外形が第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かうにつれて大径となる。この構成によれば、吸液回転体１０２Ａの下部は、第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かうにつれて低くなる。したがって、例えば増粘したインクであっても、排出口１０１１に向かう搬送力を高めることができ、より一層効率良く回収することが可能になる。

吸液回転体１０２Ａにおける記録ヘッド５１のインク吐出面５３（図５参照）側の端部（本実施形態では、吸液回転体１０２Ａの上端部）は、インク吐出面５３と略平行である。なお、吸液回転体１０２Ａの外形が円錐台形状であるので、吸液回転体１０２Ａの回転軸１０２ｘは、第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かうにつれて低くなる傾斜を有して延びる。

この構成によれば、吸液回転体１０２Ａと、記録ヘッド５１のインク吐出面５３との上下方向の間隔をできるだけ狭くすることができる。これにより、記録ヘッド５１とインク受け部１０との間で生じるインクのミストの飛散を低減させることが可能である。したがって、記録ヘッド５１や第１搬送ベルト８、用紙Ｓがインクで汚れてしまうことを抑制することができる。

吸液回転体１０２Ａに接触するとともに、インクを搬送する搬送構造を有する対向部材は、吸液回転体１０２Ａの下方に配置され、交差方向Ｄｗに延びる回転軸１０３ｘ回りに回転する搬送回転体１０３Ａである。この構成によれば、搬送回転体１０３Ａの回転力を利用して、吸液回転体１０２Ａが吸収したインクを、インク受け部１０内において排出口１０１１に向けて搬送し、インク受け部１０内から強制的に排出することができる。したがって、フラッシング時に吐出されたインクを効率良く回収することが可能である。

なお、吸液回転体１０２Ａの対向部材は、インク受け部１０に設けられ、フラッシング時のインクを受けるとともに、内部に吸液回転体１０２Ａを回転可能に支持するハウジング１０１であることにしても良い。この場合、インクを搬送する搬送構造は、吸液回転体１０２Ａと対向するハウジング１０１の内面に形成される。この構成によれば、回転体などといった駆動部材を用いることなく、吸液回転体１０２Ａが吸収したインクを、インク受け部１０内において排出口１０１１に向けて搬送し、インク受け部１０内から強制的に排出することができる。したがって、低コスト化、低消費電力化が図られた構成で、フラッシング時に吐出されたインクを回収することが可能である。

搬送構造１０３１は、凹部１０３１ａを有する。凹部１０３１ａは、搬送回転体１０３Ａの外周部に設けられ、第１方向Ｆ１に沿って延びる螺旋状で構成される。なお、搬送構造１０３１として、凸部を設けることにしても良い。すなわち、搬送構造１０３１は、螺旋状の凹部１０３１ａまたは凸部で構成されることが好ましい。

この構成によれば、螺旋状の凹部１０３１ａまたは凸部によって、インクを第１方向Ｆ１に搬送し易くすることができる。したがって、例えば増粘したインクであっても、排出口１０１１に向かう搬送力を高めることができ、より一層効率良くインクを回収することが可能になる。

搬送回転体１０３Ａは、外形が円筒形状である。円筒形状の搬送回転体１０３Ａは、外形が交差方向Ｄｗの全域にわたって同径である。この構成によれば、搬送回転体１０３Ａを容易に形成することができる。

搬送回転体１０３Ａは、金属製のローラー状であり、外周部に凹部１０３１ａが螺旋状に刻まれて搬送構造１０３１が形成される。搬送回転体１０３Ａは、ローラー状であるので、強度を高めることができる。これにより、長期にわたって、増粘したインクを搬送し続けることが可能である。また、増粘度合いが高いインクであっても、搬送することができる。

インク受け部１０の内底部は、第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かう、すなわち図９において左から右に向かうにつれて低くなる傾斜を有する。この構成によれば、インク受け部１０内のインクを、排出口１０１１に向けて搬送し易くすることができる。したがって、例えば増粘したインクであっても、フラッシング時に吐出されたインクを効率良く回収することが可能である。

搬送回転体１０３Ａは、前述のように、外形が円筒形状である搬送構造１０３１を有する。インク受け部１０の内底部が傾斜を有し、搬送回転体１０３Ａは、インク受け部１０の内底部に隣接して配置される。例えば、搬送回転体１０３Ａの下部外周部は、インク受け部１０の内底部と平行に交差方向Ｄｗに延びる。図１０に示すように、搬送回転体１０３Ａの下部外周部と、インク受け部１０の内底部とは、互いの外形が所定の間隔を設けて沿うように構成される。

この構成によれば、搬送回転体１０３Ａを、インク受け部１０の内底部にできるだけ接近させることができる。これにより、インク受け部１０のインクの搬送性能を向上させることが可能である。

インク受け部１０は、図１０に示すように、ブラシ部材１０４を備える。ブラシ部材１０４は、インク受け部１０の内底部に設けられる。詳細に言えば、ブラシ部材１０４は、インク受け部１０内の最下部に対し、搬送回転体１０３Ａの回転方向下流側に配置される。ブラシ部材１０４は、搬送回転体１０３Ａの外周部に接触する。

この構成によれば、搬送回転体１０３Ａに対するインクの固着を抑制することができる。これにより、インク受け部１０のインクを円滑に排出口１０１１に向けて搬送することができる。また、搬送回転体１０３Ａ自体のインク搬送性能の低下を抑制することが可能である。

図１１は、本発明の第２実施形態のインク受け部１０の断面側面図である。第２実施形態のインクジェット記録装置１は、図１１に示すインク受け部１０を備える。インク受け部１０は、吸液回転体１０２Ａと、搬送回転体１０３Ｂと、を備える。第２実施形態の、搬送回転体１０３Ｂ以外の構成は、第１実施形態と同じある。

搬送回転体１０３Ｂは、回転軸１０３ｘと、搬送構造１０３２と、を備える。回転軸１０３ｘは、交差方向Ｄｗに沿って棒状に延びる。回転軸１０３ｘの両端部は、ハウジング１０１に回転可能に支持される。回転軸１０３ｘは、例えば金属製である。

搬送構造１０３２は、回転軸１０３ｘの外周部に線材１０３２ａが螺旋状に巻き付けられて形成される。線材１０３２ａは、回転軸１０３ｘに接続され、回転軸１０３ｘとともに回転する。搬送構造１０３２は、交差方向Ｄｗに隣り合う線材１０３２ａ間に、凹部１０３２ｂを有する。この構成によれば、搬送回転体１０３Ｂの軽量化を図ることが可能である。

なお、搬送回転体１０３Ｂは、外形が円筒形状である。これは、搬送構造１０３２には凹部１０３２ｂが存在するが、搬送構造１０３２の径方向に最も突出した部分は、交差方向Ｄｗの全域にわたって同径であるということである。

図１２は、本発明の第３実施形態のインク受け部１０の断面側面図である。第３実施形態のインクジェット記録装置１は、図１２に示すインク受け部１０を備える。インク受け部１０は、吸液回転体１０２Ｂと、搬送回転体１０３Ｃと、を備える。

吸液回転体１０２Ｂは、吸液体１０２２を有する。吸液体１０２２は、回転軸１０２ｘの外周部に設けられる。吸液回転体１０２Ｂは、外形が円筒形状である。円筒形状の吸液回転体１０２Ｂは、外形が交差方向Ｄｗの全域にわたって同径である。この構成によれば、吸液回転体１０２Ｂを容易に形成することができる。

搬送回転体１０３Ｃは、外形が円錐台形状である。円錐台形状の搬送回転体１０３Ｃは、外形が第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かうにつれて大径となる。この構成によれば、搬送回転体１０３Ｃの下部は、第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かうにつれて低くなる。したがって、例えば増粘したインクであっても、排出口１０１１に向かう搬送力を高めることができ、より一層効率良く回収することが可能になる。

搬送回転体１０３Ｃは、金属製のローラー状であり、外周部に凹部１０３３ａが螺旋状に刻まれて搬送構造１０３３が形成される。搬送回転体１０３Ｃは、ローラー状であるので、強度を高めることができる。これにより、長期にわたって、増粘したインクを搬送し続けることが可能である。また、増粘度合いが高いインクであっても、搬送することができる。

なお、インク受け部１０の内底部は、第１方向Ｆ１の上流側から下流側に向かう、すなわち図１２において左から右に向かうにつれて低くなる傾斜を有する。搬送回転体１０３Ｃは、インク受け部１０の内底部に隣接して配置される。この構成によれば、インク受け部１０内のインクを、排出口１０１１に向けて搬送し易くすることができる。

図１３は、本発明の第４実施形態のインク受け部１０の断面側面図である。第４実施形態のインクジェット記録装置１は、図１３に示すインク受け部１０を備える。インク受け部１０は、吸液回転体１０２Ｂと、搬送回転体１０３Ｄと、を備える。

吸液回転体１０２Ｂは、外形が円筒形状である。この構成によれば、吸液回転体１０２Ｂを容易に形成することができる。

搬送回転体１０３Ｄは、外形が円錐台形状である。この構成によれば、例えば増粘したインクであっても、排出口１０１１に向かう搬送力を高めることができ、より一層効率良く回収することが可能になる。

搬送構造１０３４は、回転軸１０３ｘの外周部に線材１０３４ａが螺旋状に巻き付けられて形成される。この構成によれば、搬送回転体１０３Ｄの軽量化を図ることが可能である。

図１４は、本発明の第５実施形態のインク受け部１０の断面側面図である。第５実施形態のインクジェット記録装置１は、図１４に示すインク受け部１０を備える。インク受け部１０は、吸液回転体１０２Ａと、搬送回転体１０３Ｅを備える。

搬送回転体１０３Ｅは、回転軸１０３ｘと、搬送構造１０３５と、を備える。回転軸１０３ｘは、交差方向Ｄｗに沿って棒状に延びる。回転軸１０３ｘの両端部は、ハウジング１０１に回転可能に支持される。回転軸１０３ｘは、例えば金属製である。

搬送構造１０３５は、回転軸１０３ｘの外周部にスクリュー１０３５ａが設けられて形成される。スクリュー１０３５ａは、樹脂製または金属製である。スクリュー１０３５ａは、回転軸１０３ｘに接続され、回転軸１０３ｘとともに回転する。搬送構造１０３５は、交差方向Ｄｗに隣り合うスクリュー１０３５ａ間に、凹部１０３５ｂを有する。この構成によれば、搬送回転体１０３Ｅの軽量化を図ることが可能である。

図１５は、本発明の第６実施形態の記録部５及び第１ベルト搬送部４１周辺の正面図である。図１６は、図１５のインク受け部１０の断面側面図である。第６実施形態のインクジェット記録装置１は、図１５に示す液体供給部１２を備える。

液体供給部１２は、インク受け部１０の下方に配置される。液体供給部１２は、インク受け部１０の第１方向Ｆ１の上流部に接続される。なお、インク受け部１０のハウジング１０１は、図１６に示す供給口１０１２を有する。供給口１０１２は、ハウジング１０１の交差方向Ｄｗの一端部であって、第１方向Ｆ１の上流部に配置される。液体供給部１２は、供給口１０１２に接続される。

液体供給部１２は、供給口１０１２からインク受け部１０内に液体を供給する。液体供給部１２がインク受け部１０内に供給する液体としては、例えばインク、記録ヘッド５１のインク吐出面５３をクリーニングするクリーニング液、水等を用いることができる。

この構成よれば、液体供給部１２がインク受け部１０内に供給する液体によって、増粘したインクを溶解することができる。したがって、排出口１０１１に向かうインクの搬送力を高めることができ、より一層効率良くインクを回収することが可能になる。

本実施形態において、液体供給部１２は、例えば回収タンク１１４に貯留される廃インクを吸引してインク受け部１０内に供給する。液体供給部１２は、例えば送液管１２１と、吸引ポンプ１２２と、を備える。

送液管１２１は、吸引ポンプ１２２と、４つの記録ヘッド５１それぞれの下方に配置された４つのインク受け部１０との間を接続する。送液管１２１は、インク受け部１０の供給口１０１２に接続される。また、送液管１２１は、回収タンク１１４と、吸引ポンプ１２２との間を接続する。送液管１２１の内部には、回収タンク１１４内に貯留される廃インクが流通する。

吸引ポンプ１２２は、インク受け部１０に対する廃インク供給方向の上流側であって、回収タンク１１４に対する廃インク供給方向の下流側に配置される。吸引ポンプ１２２は、回収タンク１１４に貯留される廃インクを吸引し、４つのインク受け部１０内それぞれに向かって吐出する。

例えば、インク受け部１０でインクの増粘が進行し、搬送回転体１０３Ａの搬送力でインクを十分に搬送できない場合、次のように動作する。

まず、制御部７は、開閉弁１１２によって、送液管１１１内の液体の排出経路を閉じる制御を行う。続いて、制御部７は、吸引ポンプ１２２を制御し、回収タンク１１４に貯留される廃インクを４つのインク受け部１０内それぞれに供給する。

なお、インク受け部１０は、液体検知部１０５（図３参照）を備える。液体検知部１０５は、例えばインク受け部１０に隣接して配置される。液体検知部１０５は、例えば光学式、静電容量式、電極式、差圧式、フロート式などのセンサーを含み、インク受け部１０内に貯留された液体の量、或いは液面の高さを検知する。廃インクがインク受け部１０内に所定量供給されたことを液体検知部１０５によって検知されると、制御部７は、吸引ポンプ１２２を制御し、廃インクの供給を停止する。

このようにして、液体供給部１２は、排出口１０１１からインク受け部１０の外部へ排出されたインクを循環させ、インク受け部１０内に供給する。この構成によれば、フラッシング時に吐出された廃インクを用いて、インク受け部１０内の増粘したインクを溶解することができる。したがって、インク受け部１０内のインクの搬送力を高めることができ、より一層効率良くインクを回収することが可能になる。

また、排出口１０１１のインクの排出方向下流側に、排出経路を開閉する開閉弁１１２を備える。この構成によれば、フラッシング時に吐出されたインクや、液体供給部１２によって供給された液体を、インク受け部１０内に貯留することができる。これにより、インク受け部１０内の増粘したインクを容易に溶解することが可能である。

インク受け部１０内に廃インクが所定量貯留されると、制御部７は、搬送回転体１０３Ａを、第１方向Ｆ１とは反対の第２方向Ｆ２に沿ってインクを搬送する逆回転を行う。これに関して詳細に言えば、搬送回転体１０３Ａは、例えば画像記録時に第１方向Ｆ１に沿ってインクを搬送する正回転を行う。一方、搬送回転体１０３Ａは、例えば非画像記録時、装置の電源ＯＮ時、及び装置の電源ＯＦＦ時に第１方向Ｆ１とは反対の第２方向Ｆ２に沿ってインクを搬送する逆回転を行う。いずれの場合も、搬送回転体１０３Ａは、所定時間経過後、回転が停止される。

上記の構成によれば、搬送回転体１０３Ａを逆回転させることで、インク受け部１０内の増粘したインクの溶解効果を高めることができる。したがって、インク受け部１０内のインクの搬送力を高めることができ、より一層効率良くインクを回収することが可能になる。

また、搬送回転体１０３Ａは、逆回転時に、正回転時よりも速い回転速度で回転する。この構成によれば、インク受け部１０内の増粘したインクの溶解効果を、より一層向上させることができる。

図１７は、本発明の第７実施形態の記録部５及び第１ベルト搬送部４１周辺の正面図である。第７実施形態のインクジェット記録装置１は、図１７に示す液体供給部１３を備える。

本実施形態において、液体供給部１３は、例えば貯液タンク１３３に貯留されるクリーニング液を吸引してインク受け部１０内に供給する。クリーニング液は、記録ヘッド５１のインク吐出面５３をクリーニングするための液体である。液体供給部１３は、例えば送液管１３１と、吸引ポンプ１３２と、貯液タンク１３３と、を備える。

上記の構成によれば、クリーニング液をインク受け部１０内に供給することで、インク受け部１０内の増粘したインクの溶解効果を高めることができる。したがって、インク受け部１０内のインクの搬送力を高めることができ、より一層効率良くインクを回収することが可能になる。

なお、図１５及び図１６に示した第６実施形態と、図１７に示した第７実施形態とを組み合わせても良い。これにより、インク受け部１０内に、回収タンク１１４内の廃インクと、貯液タンク１３３内のクリーニング液とを供給することができる。

例えば、インクジェット記録装置１の使用開始初期は、回収タンク１１４内に廃インクが回収されていないため、貯液タンク１３３内のクリーニング液をインク受け部１０内に供給する。インクジェット記録装置１の使用期間がある程度経過し、回収タンク１１４内に廃インクが回収されるようになると、クリーニング液の供給を停止し、回収タンク１１４内の廃インクをインク受け部１０内に供給する。これにより、ランニングコストの低減を図ることが可能になる。

以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。

本発明は、インクジェット記録装置において利用可能である。

１ インクジェット記録装置
２ 装置本体
５ 記録部
８ 第１搬送ベルト（搬送ベルト）
９ 用紙吸引部
１０ インク受け部
１１ 液体吸引部
１２、１３ 液体供給部
５１ 記録ヘッド
５２ インク吐出ノズル
５３ インク吐出面
８１ 孔部
８２ 開口部
１０１ ハウジング
１０２Ａ、１０２Ｂ 吸液回転体
１０２ｘ 回転軸
１０３Ａ、１０３Ｂ、１０３Ｃ、１０３Ｄ、１０３Ｅ 搬送回転体（対向部材）
１０３ｘ 回転軸
１０４ ブラシ部材
１０５ 液体検知部
１１１ 送液管
１１２ 開閉弁
１１３ 吸引ポンプ
１１４ 回収タンク
１０１１ 排出口
１０１２ 供給口
１０３１、１０３２、１０３３、１０３４、１０３５ 搬送構造
１０３１ａ、１０３２ｂ、１０３３ａ、１０３４ｂ、１０３５ｂ 凹部
１０３２ａ、１０３４ａ 線材
１０３５ａ スクリュー
Ｄｃ 用紙搬送方向
Ｄｗ 用紙幅方向（交差方向）
Ｆ１ 第１方向
Ｆ２ 第２方向
Ｓ 用紙（記録媒体）

Claims (22)

1. インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、
   前記記録ヘッドから吐出される前記インクが通過する複数の開口部を有して前記記録ヘッドと対向する位置に記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
   前記搬送ベルトを介して前記記録ヘッドと対向配置され、前記記録媒体に対する前記インクの吐出タイミングとは異なるタイミングで、前記記録ヘッドに前記インクを吐出させるフラッシング時に、前記開口部を通過した前記インクを受けるインク受け部と、
   を備え、
   前記インク受け部は、
   記録媒体搬送方向と交差する方向である交差方向の一端部に配置され、前記フラッシング時に受けた前記インクを排出する排出口と、
   吸液性材料で形成され、前記交差方向に延びる回転軸回りに回転する吸液回転体と、
   前記吸液回転体に接触し、前記インク受け部内の前記インクを、前記回転軸の軸線方向に沿って前記排出口に向かう第１方向に搬送する搬送構造を有する対向部材と、
   を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 前記搬送構造は、前記第１方向に沿って延びる螺旋状の凹部または凸部で構成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
3. 前記吸液回転体は、外形が前記第１方向の上流側から下流側に向かうにつれて大径となる円錐台形状であることを特徴とする請求項２に記載のインクジェット記録装置。
4. 前記吸液回転体は、外形が円筒形状であることを特徴とする請求項２に記載のインクジェット記録装置。
5. 前記吸液回転体における前記記録ヘッドのインク吐出面側の端部は、前記インク吐出面と略平行であることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
6. 前記対向部材は、前記インク受け部に設けられ、前記フラッシング時の前記インクを受けるとともに、内部に前記吸液回転体を回転可能に支持するハウジングであることを特徴とする請求項１から請求項５のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
7. 前記対向部材は、前記吸液回転体の下方に配置され、前記交差方向に延びる回転軸回りに回転する搬送回転体であることを特徴とする請求項１から請求項６のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
8. 前記搬送回転体は、外形が前記第１方向の上流側から下流側に向かうにつれて大径となる円錐台形状であることを特徴とする請求項７に記載のインクジェット記録装置。
9. 前記搬送回転体は、外形が円筒形状であることを特徴とする請求項７に記載のインクジェット記録装置。
10. 前記搬送回転体は、ローラー状であり、外周部に凹部が螺旋状に刻まれて前記搬送構造が形成されることを特徴とする請求項８または請求項９に記載のインクジェット記録装置。
11. 前記搬送回転体は、前記回転軸の外周部に線材が螺旋状に巻き付けられて前記搬送構造が形成されることを特徴とする請求項８または請求項９に記載のインクジェット記録装置。
12. 前記搬送回転体は、前記回転軸の外周部に樹脂製または金属製のスクリューが設けられて前記搬送構造が形成されることを特徴とする請求項８または請求項９に記載のインクジェット記録装置。
13. 前記搬送回転体は、前記インク受け部の内底面に隣接して配置されることを特徴とする請求項６から請求項１２のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
14. 前記インク受け部の内底部は、前記第１方向の上流側から下流側に向かうにつれて低くなる傾斜を有することを特徴とする請求項１から請求項１３のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
15. 前記インク受け部は、前記搬送回転体の外周部に接触するブラシ部材を備えることを特徴とする請求項１から請求項１４のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
16. 前記インク受け部の前記第１方向の上流部に接続され、前記インク受け部内に液体を供給する液体供給部を備えることを特徴とする請求項１から請求項１５のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
17. 前記液体供給部は、前記排出口から前記インク受け部の外部へ排出された前記インクを循環させ、前記インク受け部内に供給することを特徴とする請求項１６に記載のインクジェット記録装置。
18. 前記液体供給部は、前記記録ヘッドのインク吐出面をクリーニングするクリーニング液を前記インク受け部内に供給することを特徴とする請求項１６に記載のインクジェット記録装置。
19. 前記排出口の前記インクの排出方向下流側に、排出経路を開閉する開閉弁を備えることを特徴とする請求項１から請求項１８のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
20. 前記搬送回転体は、前記吸液回転体よりも速い回転速度で回転することを特徴とする請求項１から請求項１９のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
21. 前記搬送回転体は、画像記録時に前記第１方向に沿って前記インクを搬送する正回転を行い、非画像記録時、装置の電源ＯＮ時、及び装置の電源ＯＦＦ時に前記第１方向とは反対の第２方向に沿って前記インクを搬送する逆回転を行うことを特徴とする請求項１から請求項２０のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
22. 前記搬送回転体は、逆回転時に、正回転時よりも速い回転速度で回転することを特徴とする請求項２１に記載のインクジェット記録装置。

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