以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
[第1実施形態]
<伸縮継手>
図1は、第1実施形態の伸縮継手を表す断面図、図2は、コントロールリングによるベローズの支持状態を表す図1のII-II断面図である。
第1実施形態において、図1および図2に示すように、伸縮継手10は、配管P1と配管P2を伸縮自在に連結するものである。伸縮継手10は、ベローズ11と、コントロールリング12と、減衰部材13,14とを備える。
ベローズ11は、伸縮性および気密性を有する。ベローズ11は、金属材料で形成されることが好ましいが、他の材利用で形成されていてもよい。ベローズ11は、蛇腹の円筒形状をなす。ベローズ11は、蛇腹形状をなすことで、円筒形状をなす外周凸部21と円筒形状をなす外周凹部22が軸方向に交互に設けられる。なお、外周凸部21は、内周凹部でもあり、外周凹部22は、内周凸部でもある。ベローズ11は、軸方向の一端部に円筒形状をなす取付部23が軸方向に沿って設けられ、軸方向の他端部に円筒形状をなす取付部24が軸方向に沿って設けられる。
ベローズ11は、軸方向の端部に管取付部25,26が設けられる。管取付部25,26は、同様の構成をなし、ベローズ11の取付部23に管取付部25が装着され、ベローズ11の取付部24に管取付部26が装着される。管取付部25は、端管27とフランジ28とを有する。端管27は、円筒管27aの外周面に連結部27bを介して取付フランジ27cが連結されて構成される。ベローズ11は、取付部23が円筒管27aの外周面と取付フランジ27cの内周面に挟持される。そして、円筒管27aの端部にフランジ28が固定される。管取付部26は、端管29とフランジ30とを有する。端管29は、円筒管29aの外周面に連結部29bを介して取付フランジ29cが連結されて構成される。ベローズ11は、取付部24が円筒管29aの外周面と取付フランジ29cの内周面に挟持される。そして、円筒管29aの端部にフランジ30が固定される。
ベローズ11は、内側に内筒31が配置される。内筒31は、円筒形状をなし、外径が端管27,29の内径より小さい寸法である。内筒31は、軸方向の一端部がスペーサ32を介して端管27の円筒管27aに連結される。スペーサ32は、リング形状をなし、外周面が円筒管27aの内周面に密着し、内周面が内筒31の外周面に密着する。なお、内筒31は、軸方向の他端部と端管29の円筒管29aとの間に隙間が確保される。
コントロールリング12は、ベローズ11の外側に配置される。コントロールリング12は、金属材料により形成されるが、樹脂材料であってもよい。コントロールリング12は、リング形状をなし、ベローズ11の外側に軸方向に間隔を空けて複数配置される。コントロールリング12は、ベローズ11の外周凹部22に配置され、内周面が外周凹部22の底部に接触する。コントロールリング12は、半リング形状をなす分割リング41,42がリング状に連結されて構成される。分割リング41,42は、ほぼ同様の形状をなす。分割リング41,42は、周方向における各端部の外周面に短管形状をなす連結部材43,44が固定される。分割リング41,42は、リング状に組み合わされた状態で、ボルト45が連結部材43,44を貫通し、先端部にナット46が螺合することで、一体に組み付けられる。
減衰部材13,14は、コントロールリング12の軸方向の両側に配置され、一体に接着される。減衰部材13,14は、コントロールリング12と一体の状態で、ベローズ11の外周凹部22の内部に配置される。このとき、コントロールリング12は、内周面が外周凹部22の底部に接触し、減衰部材13,14は、外周凹部22の側面に接触する。コントロールリング12および減衰部材13,14の詳細については、後述する。
圧力流体は、配管P1から伸縮継手10を通って配管P2に流れる。このとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けてコントロールリング12と共に振動する。高次振動モードでは、ベローズ11およびコントロールリング12が主に軸方向および径方向に繰り返し変形するように振動する。減衰部材13,14は、ベローズ11およびコントロールリング12の振動を減衰する。以下、コントロールリング12および減衰部材13,14について詳細に説明する。
<コントロールリングおよび減衰部材>
図3は、ベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図4は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。
図3に示すように、コントロールリング12は、円筒部51と、リング部52とを有する。円筒部51は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部52は、軸方向の長さ(厚さ)が円筒部51の軸方向の長さより短い穴あき円板形状をなす。コントロールリング12は、円筒部51の内周面にリング部52が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。また、コントロールリング12は、軸方向に沿って切断されたリング部52の内周面の断面形状が円弧形状をなす。そのため、コントロールリング12は、円筒部51の内周面51a,51bと、リング部52の一対の側面52a,52bおよび内周円弧面52cとを有する。
なお、ベローズ11は、外周凸部21と外周凹部22が軸方向に交互に設けられる。ベローズ11は、軸方向に沿って切断した外周凸部21および外周凹部22の断面形状が円弧形状をなす。そのため、ベローズ11は、外周凸部21の外周円弧面21a,21bと、外周凹部22の一対の側面22a,22bと、円弧底面22cとを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の底部を構成する円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12におけるリング部52の内周円弧面52cとの曲率とが同じに設定される。
減衰部材13,14は、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12のリング部52と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13,14は、コントロールリング12のリング部52における軸方向の両側に接着される。減衰部材13,14は、例えば、ゴムなどの弾性部材や樹脂部材などにより形成され、弾性や摩擦などによる減衰機能を有する。減衰部材13は、コントロールリング12の内周面51aと側面52aに接着される。減衰部材14は、コントロールリング12の内周面51bと側面52bに接着される。減衰部材13,14は、側面13a,14aがコントロールリング12の円筒部51より軸方向の内側に位置することが好ましいが、外側に位置していてもよい。また、減衰部材13,14は、内面13b,14bがコントロールリング12のリング部52の内周円弧面52cより径方向の外方に位置することが好ましいが内方に位置していてもよい。つまり、コントロールリング12のリング部52の内周円弧面52cは、減衰部材13,14の内面13b,14bよりベローズ11側に突出していることが好ましい。なお、減衰部材13,14は、側面13a,14aと内面13b,14bとの角度が90度をなすような形状としたが、ベローズ11の外周凹部22の形状に合わせた円弧形状であってもよい。
コントロールリング12に減衰部材13,14が装着された状態で、全体の軸方向の長さL1が、ベローズ11の外周凹部22の軸方向の長さL2より若干大きい寸法であることが好ましい。また、減衰部材13,14の径方向の長さR1が、ベローズ11の外周凹部22の径方向の長さ(深さ)R2より若干大きい寸法であることが好ましい。
コントロールリング12と減衰部材13,14は、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すなわち、図2に示すように、各分割リング41,42がベローズ11の外周凹部22に挿入され、リング状に組み合わされて状態でボルト45およびナット46により一体に組み付けられ、ベローズ11の外周凹部22に配置される。すると、図4に示すように、コントロールリング12は、リング部52の内周円弧面52cがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13,14は、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13,14は、コントロールリング12と共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
そのため、圧力流体が伸縮継手10に流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。特に、高次振動モードでは、ベローズ11が主に軸方向および径方向に繰り返し変形するように振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13,14を介してコントロールリング12に支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13,14により減衰され、コントロールリング12およびベローズ11の振動を抑制することができる。
また、コントロールリング12は、リング部52の内周円弧面52cの曲率と、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率が同じである。すると、リング部52の内周円弧面52cは、外周凹部22の円弧底面22cに面接触して接触面積が大きくなる。そのため、コントロールリング12とベローズ11との相対移動による振動を低減することができると共に、振動に伴う摩耗を抑制することができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図6は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図5に示すように、伸縮継手10Aは、ベローズ11と、コントロールリング12Aと、減衰部材13A,14Aとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Aは、円筒部53と、リング部54とを有する。円筒部53は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部54は、軸方向の長さ(厚さ)が円筒部53の軸方向の長さより短い穴あき円板形状をなす。コントロールリング12Aは、円筒部53の内周面にリング部54が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。また、コントロールリング12Aは、軸方向に沿って切断されたリング部54の内周面の断面形状が円弧形状をなす。そのため、コントロールリング12Aは、円筒部53の内周面53a,53bと、リング部54の一対の側面54a,54bおよび内周円弧面54cとを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Aにおけるリング部54の内周円弧面54cとの曲率とが同じに設定される。
減衰部材13A,14Aは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Aのリング部54と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13A,14Aは、コントロールリング12Aのリング部54における軸方向の両側に接着される。減衰部材13Aは、コントロールリング12Aの内周面53aと側面54aに接着される。減衰部材14Aは、コントロールリング12Aの内周面53bと側面54bに接着される。
コントロールリング12Aは、ベローズ11の外周凹部22の底部を構成する円弧底面22cに向けて軸方向の長さが短くなるテーパ部を有する、すなわち、コントロールリング12Aは、リング部54がテーパ部として構成され、両側の側面54a,54bが内周円弧面54cに向けて連続的に接近する。
コントロールリング12Aと減衰部材13A,14Aは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図6に示すように、コントロールリング12Aは、リング部54の内周円弧面54cがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13A,14Aは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13A,14Aは、コントロールリング12Aと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Aに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13A,14Aを介してコントロールリング12Aに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13A,14Aにより減衰され、コントロールリング12Aおよびベローズ11の振動を抑制することができる。特に、減衰部材13A,14Aは、コントロールリング12Aにおけるテーパ形状をなすリング部54により、ベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bおよび円弧底面22cに押圧されて適正に密着されていることから、ベローズ11の振動を効果的に減衰することができる。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図8は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図7に示すように、伸縮継手10Bは、ベローズ11と、コントロールリング12Bと、減衰部材13B,14Bとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Bは、円筒部55と、リング部56とを有する。円筒部55は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部56は、軸方向の長さ(厚さ)が円筒部55の軸方向の長さより短い穴あき円板形状をなす。コントロールリング12Bは、円筒部55の内周面にリング部56が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。また、コントロールリング12Bは、軸方向に沿って切断されたリング部56の内周面の断面形状が円弧形状をなす。そのため、コントロールリング12Bは、円筒部55の内周面55a,55bと、リング部56の一対の側面56a,56bおよび内周円弧面56cとを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Bにおけるリング部56の内周円弧面56cとの曲率とが同じに設定される。
減衰部材13B,14Bは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Bのリング部56と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13B,14Bは、コントロールリング12Bのリング部56における軸方向の両側に接着される。減衰部材13Bは、コントロールリング12Bの内周面55aと側面56aに接着される。減衰部材14Bは、コントロールリング12Bの内周面55bと側面56bに接着される。
コントロールリング12Bは、外周凹部22の軸方向の両側に配置される外周凸部21に沿って湾曲する湾曲面(湾曲部)57a,57bを有する。コントロールリング12Bは、円筒部55の内周面55aとリング部56の側面56aとの間に湾曲面57aが形成される。また、コントロールリング12Bは、円筒部55の内周面55bとリング部56の側面56bとの間に湾曲面57bが形成される。湾曲面57a,57bの曲率と、外周凸部21の曲率とが同じに設定される。
コントロールリング12Bと減衰部材13B,14Bは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図8に示すように、コントロールリング12Bは、リング部56の内周円弧面56cがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13B,14Bは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13B,14Bは、コントロールリング12Bと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。また、減衰部材13B,14Bは、湾曲面57a,57bが外周凸部21を押圧するように密着する。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Bに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13B,14Bを介してコントロールリング12Bに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13B,1BAにより減衰され、コントロールリング12Bおよびベローズ11の振動を抑制することができる。特に、減衰部材13B,14Bは、ベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bおよび円弧底面22cだけでなく、コントロールリング12Bにおける湾曲面57a,57bにより、外周凸部21の外周円弧面21a,21bにも押圧されて適正に密着されていることから、ベローズ11の振動を効果的に減衰することができる。
[第4実施形態]
図9は、第4実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図10は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態において、図9に示すように、伸縮継手10Cは、ベローズ11と、コントロールリング12Cと、減衰部材13C,14Cとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Cは、リング本体61と、リングカバー62とを有する。リング本体61とリングカバー62は、同じ材料(剛性)である金属材料や樹脂材料により形成されるが、異なる材料(剛性)で形成されていてもよい。リング本体61は、ベローズ11の径方向に沿って延びる、リングカバー62は、リング本体61の軸方向の両側に相対移動自在に配置され、内周面がベローズ11の外周凹部22の底部に接触する。リング本体61とリングカバー62とは、軸方向、径方向、周方向に相対移動自在に組み合される。リング本体61は、円筒部63と、リング部64とを有する。円筒部63は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部64は、軸方向の長さ(厚さ)が円筒部63の軸方向の長さより短い穴あき円板形状をなす。リング本体61は、円筒部63の内周面にリング部64が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。
リングカバー62は、一対のリング部65,66と、円筒部67とを有する。一対のリング部65,66は、穴あきリング形状をなし、リング本体61のリング部64における軸方向の両側に配置される。円筒部67は、円筒形状をなし、リング本体61のリング部64における径方向の内方に配置される。リングカバー62は、一対のリング部65,66における径方向の内方側に円筒部67が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がU形状をなす。また、リングカバー62は、軸方向に沿って切断された内周面の断面形状が円弧形状をなす。
そのため、リング本体61は、円筒部63の内周面63a,63bと、リング部64の一対の側面64a,64bとを有する。リングカバー62は、リング部65,66の内側面65a,66aと、外側面65b,66bと、円筒部67の内周円弧面67aとを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Cにおけるリングカバー62の円筒部67の内周円弧面67aとの曲率とが同じに設定される。
減衰部材13C,14Cは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Cのリング部64と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13C,14Cは、コントロールリング12Cのリングカバー62における軸方向の両側に接着される。減衰部材13Cは、コントロールリング12Cの内周面55aと側面56aに接着される。減衰部材14Cは、リングカバー62の外側面65b,66bに接着される。ここで、減衰部材13C,14Cは、振動の減衰機能だけでなく、緩衝機能も有する。
コントロールリング12Cと減衰部材13C,14Cは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図10に示すように、コントロールリング12Cは、リングカバー62の内周円弧面67aがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13C,14Cは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13C,14Cは、コントロールリング12Cと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Cに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13C,14Cを介してコントロールリング12Cに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13C,14Cにより減衰され、コントロールリング12Cおよびベローズ11の振動を抑制することができる。また、このとき、ベローズ11の振動が減衰部材13C,14Cを介してリングカバー62に伝搬し、リング本体61とリングカバー62とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動する。すると、リング本体61とリングカバー62は、互いの接触面に摩擦が発生し、振動エネルギーが各接触面で摩擦エネルギーに変換されて振動が減衰される。このとき、リングカバー62は、緩衝部材としての減衰部材13C,14Cを介してベローズ11に接触していることから、コントロールリング12Cの振動がベローズ11に対して摩耗などの悪影響を生じさせることがない。
なお、第4実施形態では、リング本体61とリングカバー62とが相対移動自在に嵌合し、リング本体61のリング部64とリングカバー62のリング部65,66および円筒部67との間に空間部が形成されている。第4実施形態は、この空間部に圧縮ばねを設けてもよい。圧縮ばねは、リング本体61とリングカバー62とが互いに離間する方向の付勢力を有する。また、空間部に粘性抵抗流体を充填してもよい。
[第5実施形態]
図11は、第5実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図12は、コントロールリングを表す正面図、図13は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第4実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態において、図11および図12に示すように、伸縮継手10Dは、ベローズ11と、コントロールリング12Dと、減衰部材13D,14Dとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Dは、リング本体71と、リングカバー72とを有する。リング本体71は、ベローズ11の径方向に沿って延びる、リングカバー72は、リング本体71の軸方向の両側に相対移動自在に配置され、内周面がベローズ11の外周凹部22の底部に接触する。リング本体71とリングカバー72とは、軸方向、径方向、周方向に相対移動自在に組み合される。リング本体71は、円筒部73と、リング部74とを有する。円筒部73は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部74は、軸方向の長さ(厚さ)が円筒部73の軸方向の長さより短い穴あき円板形状をなす。リング本体71は、円筒部73の内周面にリング部74が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。
リングカバー72は、一対のリング部75,76と、円筒部77とを有する。一対のリング部75,76は、穴あきリング形状をなし、リング本体71のリング部74における軸方向の両側に配置される。円筒部77は、円筒形状をなし、リング本体71のリング部74における径方向の内方に配置される。リングカバー72は、一対のリング部75,76における径方向の内方側に円筒部77が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がU形状をなす。また、リングカバー72は、軸方向に沿って切断された内周面の断面形状が円弧形状をなす。すなわち、リングカバー62は、円筒部77の内周円弧面77aを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Dにおけるリングカバー72の円筒部77の内周円弧面77aとの曲率とが同じに設定される。
減衰部材13D,14Dは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Dのリング部64と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13D,14Dは、コントロールリング12Dのリングカバー72における軸方向の両側に接着される。
リングカバー72は、周方向に複数(本実施形態では、8個)に分割される。減衰部材13D,14Dは、周方向にリングカバー72と同数(本実施形態では、8個)に分割される。すなわち、リングカバー72は、周方向に複数に分割される分割カバーを有する。減衰部材13D,14Dは、周方向に分割される分割減衰部78,79を有する。そして、リング本体71とリングカバー72とは、軸方向に貫通するボルト80により連結される。すなわち、リング本体71とリングカバー72とは、分割カバーと分割減衰部78,79とがボルト80によりそれぞれ連結される。分割減衰部78,79は、中央部に切欠部78a,79aが形成され、ボルト80の頭部などが位置する。このとき、ボルト80は、減衰部材13D,14D(分割減衰部78,79)の側面13a,14aより軸方向の外方へ突出しない。
なお、ボルト80は、リング部74およびリング部75,76に形成された貫通孔に挿通されて固定される。この場合、リング部74とリング部75,76との間に隙間を確保すると共に、ボルト80と貫通孔との間に隙間を確保することで、リング部74とリング部75,76が相対移動自在に組み付けられることが好ましい。また、リングカバー72を周方向に複数する構成としたが、分割せずに一体構造であってもよい。
コントロールリング12Dと減衰部材13D,14Dは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図13に示すように、コントロールリング12Dは、リングカバー72の内周円弧面77aがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13D,14Dは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。なお、ボルト80は、減衰部材13D,14Dより内方に位置することから、ベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触しない。このとき、減衰部材13D,14Dは、コントロールリング12Dと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
また、リング本体71とリングカバー72とは、ボルト80により一体に組付けられている。すると、コントロールリング12Dおよび減衰部材13D,14Dをベローズ11の外周凹部22に挿入するとき、容易にコントロールリング12Dをベローズ11に組み付けることができる。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Dに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13D,14Dを介してコントロールリング12Dに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13D,14Dにより減衰され、コントロールリング12およびベローズ11の振動を抑制することができる。また、このとき、ベローズ11の振動が減衰部材13D,14Fを介してリングカバー72に伝搬し、リング本体71とリングカバー72とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動する。すると、リング本体71とリングカバー72は、互いの接触面に摩擦が発生し、振動エネルギーが各接触面で摩擦エネルギーに変換されて振動が減衰される。さらに、リングカバー72が周方向に複数に分割され、減衰部材13D,14Dも周方向に分割され、ボルト80によりリング本体71に固定されている。そのため、コントロールリング12は、ベローズ11の高次振動モードの波打つ振動モードに対して効率的に振動することとなり、摩擦エネルギーへの変換効率が高まり、減衰効果が向上する。
[第6実施形態]
図14は、第6実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図15は、コントロールリングを表す正面図、図16は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施形態において、図14および図15に示すように、伸縮継手10Eは、ベローズ11と、コントロールリング12Eと、減衰部材13E,14Eとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Eは、円筒部81と、リング部82,83と、内筒部84とを有する。円筒部81は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部82,83は、軸方向に間隔を空けて配置される穴あき円板形状をなす。内筒部84は、軸方向に延出する円筒形状をなす。コントロールリング12Eは、円筒部81の内周面にリング部82,83が一体に設けられ、リング部82,83の内周面に内筒部84が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。また、コントロールリング12Eは、軸方向に沿って切断された内筒部84の内周面の断面形状が円弧形状をなす。そのため、コントロールリング12Eは、内周円弧面84aを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Eにおける内筒部84の内周円弧面84aとの曲率とが同じに設定される。
また、コントロールリング12Eは、中空形状をなし、内部に錘85が相対移動自在に配置される。すなわち、コントロールリング12Eは、円筒部81とリング部82,83と内筒部84によりリング形状をなす収容部(中空部)86が形成される。錘85は、周方向分割された複数(本実施形態では、8個)の分割錘85aから構成される。複数の分割錘85aは、コントロールリング12Eの収容部86に軸方向、径方向、周方向に移動自在に配置される。なお、コントロールリング12Eの内部に複数の分割収容部(中空部)を形成し、各分割収容部にそれぞれ分割錘85aを軸方向、径方向、周方向に移動自在に配置してもよい。
減衰部材13E,14Eは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Eのリング部82,83と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13E,14Eは、コントロールリング12Eのリング部82,83における軸方向の両側に接着される。
コントロールリング12Eと減衰部材13E,14Eは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図16に示すように、コントロールリング12Eは、内筒部84の内周円弧面84cがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13E,14Eは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13E,14Eは、コントロールリング12Eと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
また、コントロールリング12Eは、収容部86に複数の分割錘85aが収容されている。すると、コントロールリング12Dおよび減衰部材13E,14Eをベローズ11の外周凹部22に挿入するとき、複数の分割錘85aも一体にコントロールリング12Eをベローズ11に組み付けることができる。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Eに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13E,14Eを介してコントロールリング12Eに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13E,14Eにより減衰され、コントロールリング12Eおよびベローズ11の振動を抑制することができる。
また、このとき、ベローズ11の振動が減衰部材13E,14Eを介してコントロールリング12Eに伝搬し、コントロールリング12Eと錘85とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動して衝突する。すると、錘85がコントロールリング12Eと衝突する衝突エネルギーが発生し、振動エネルギーが衝突エネルギーに変換されて振動が減衰される。なお、減衰部材13E,14Eによりベローズ11からコントロールリング12Eに伝搬される振動が減衰されるが、微少振動であっても高振動数であることから、発生する加速度(加速度=振幅×円振動数の二乗)は、大きく、慣性力(加速度×質量)も大きい。そのため、コントロールリング12Eと共に錘85も振れ回り、大きな衝突エネルギーが発生して大きな減衰効果が得られ、効果的に振動を低減することができる。
そして、コントロールリング12Eは、収容部86に複数の分割錘85aが収容されており、ベローズ11の高次振動モードの波打つ振動モードに対して複数の分割錘85aが効率的に振動し、衝突エネルギーへの変換効率が高まり、減衰効果が向上する。
[第7実施形態]
図17は、第7実施形態の伸縮継手におけるベローズに対するコントロールリングの装着方法を表す概略図、図18は、コントロールリングを表す正面図、図19は、ベローズに対するコントロールリングの取付状態を表す断面図である。なお、上述した第6実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第7実施形態において、図17および図18に示すように、伸縮継手10Fは、ベローズ11と、コントロールリング12Fと、減衰部材13F,14Fとを備える。ベローズ11は、第1実施形態と同様である。
コントロールリング12Fは、円筒部91と、リング部92,93と、内筒部94とを有する。円筒部91は、軸方向に延出する円筒形状をなす。リング部92,93は、軸方向に間隔を空けて配置される穴あき円板形状をなす。内筒部94は、軸方向に延出する円筒形状をなす。コントロールリング12Fは、円筒部91の内周面にリング部92,93が一体に設けられ、リング部92,93の内周面に内筒部94が一体に設けられることで、軸方向に沿って切断された断面形状がT形状をなす。また、コントロールリング12Fは、軸方向に沿って切断された内筒部94の内周面の断面形状が円弧形状をなす。そのため、コントロールリング12Fは、内周円弧面94aを有する。そして、ベローズ11における外周凹部22の円弧底面22cの曲率と、コントロールリング12Fにおける内筒部94の内周円弧面94aとの曲率とが同じに設定される。
また、コントロールリング12Fは、中空形状をなし、内部に錘95が相対移動自在に配置される。すなわち、コントロールリング12Fは、円筒部91とリング部92,93と内筒部94によりリング形状をなす収容部96が形成される。収容部96は、コントロールリング12Fの内部に周方向に複数(本実施形態では、8個)に分割された分割収容部(中空部)96aを有する。錘95は、複数の球体から構成される。錘95としての複数の球体は、コントロールリング12Fの複数の分割収容部96aに軸方向、径方向、周方向に移動自在に配置される。
減衰部材13F,14Fは、ほぼ同様の形状をなし、コントロールリング12Fのリング部92,83と同様に、穴あき円板形状をなす。減衰部材13F,14Fは、コントロールリング12Fのリング部92,93における軸方向の両側に接着される。
コントロールリング12Fと減衰部材13F,14Fは、一体の状態でベローズ11の外周凹部22に挿入されて固定される。すると、図19に示すように、コントロールリング12Fは、内筒部94の内周円弧面94cがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。また、減衰部材13F,14Fは、側面13a,14aがベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bに接触し、内面13b,14bがベローズ11の外周凹部22の円弧底面22cに接触する。このとき、減衰部材13F,14Fは、コントロールリング12Fと共にベローズ11の外周凹部22に挿入されることで、押し潰されるように弾性変形し、外周凹部22を押圧するように密着する。
また、コントロールリング12Fは、複数の分割収容部96aに複数の分割錘95aとしての球体が収容されている。すると、コントロールリング12Fおよび減衰部材13F,14Fをベローズ11の外周凹部22に挿入するとき、複数の分割錘85aも一体にコントロールリング12Fをベローズ11に組み付けることができる。
そのため、圧力流体が伸縮継手10Fに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13F,14Fを介してコントロールリング12Fに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13F,14Fにより減衰され、コントロールリング12Fおよびベローズ11の振動を抑制することができる。
また、このとき、ベローズ11の振動が減衰部材13F,14Fを介してコントロールリング12Fに伝搬し、コントロールリング12Fと錘95とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動して衝突する。すると、錘95がコントロールリング12Fと衝突する衝突エネルギーが発生し、振動エネルギーが衝突エネルギーに変換されて振動が減衰される。なお、減衰部材13F,14Fによりベローズ11からコントロールリング12Fに伝搬される振動が減衰されるが、微少振動であっても高振動数であることから、発生する加速度は、大きく、慣性力も大きい。そのため、コントロールリング12Fと共に錘95も振れ回り、大きな衝突エネルギーが発生して大きな減衰効果が得られ、効果的に振動を低減することができる。
そして、コントロールリング12Fは、複数の分割収容部96aに複数の分割錘95aとしての球体が収容されており、ベローズ11の高次振動モードの波打つ振動モードに対して複数の分割錘95aが効率的に振動し、衝突エネルギーへの変換効率が高まり、減衰効果が向上する。
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る伸縮継手は、筒形状をなして軸方向の端部に管取付部25,26を有するベローズ11と、リング形状をなしてベローズ11の外周凹部22に配置されて内周面が外周凹部22の底部に接触するコントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fと、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fの軸方向の両側に設けられて外周凹部22の側面22a,22bに接触する減衰部材13,13A,13B,13C,13D,13E,13F,14,14A,14B,14C,14D,14E,14Fとを備える。
第1の態様に係る伸縮継手によれば、圧力流体が伸縮継手10,10A,10B,10C,10D,10E,10Fに流れるとき、ベローズ11は、圧力流体から圧力を受けて主に軸方向および径方向に繰り返し変形するように振動する。このとき、ベローズ11は、減衰部材13,13A,13B,13C,13D,13E,13F,14,14A,14B,14C,14D,14E,14Fを介してコントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fに支持されており、ベローズ11の振動が減衰部材13,13A,13B,13C,13D,13E,13F,14,14A,14B,14C,14D,14E,14Fにより減衰され、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fおよびベローズ11の振動を抑制することができる。その結果、ベローズ11の振動を低減することで損傷を抑制することができる。
第2の態様に係る伸縮継手は、ベローズ11は、軸方向に沿って切断した外周凹部22の断面形状が円弧形状をなし、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fは、軸方向に沿って切断した内周面の断面形状が円弧形状をなし、外周凹部22の円弧形状の曲率と、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fの内周面の円弧形状の曲率とが同じである。これにより、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fの内周円弧面52c54c,56c,67c,77a,84a,94aは、外周凹部22の円弧底面22cに面接触して接触面積が大きくなる。そのため、コントロールリング12,12A,12B,12C,12D,12E,12Fとベローズ11との相対移動による振動を低減することができ、振動に伴う摩耗を抑制することができる。
第3の態様に係る伸縮継手は、コントロールリング12Aは、外周凹部22の底部に向けて軸方向の長さが短くなるリング部(テーパ部)54を有する。これにより、コントロールリング12Aおよび減衰部材13A,14Aをベローズ11の外周凹部22に挿入しやすくなり、作業性を向上することができる。また、減衰部材13A,14Aは、リング部54によりベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bおよび円弧底面22cに押圧されて適正に密着することから、ベローズ11の振動を効果的に減衰することができる。
第4の態様に係る伸縮継手は、コントロールリング12Bは、外周凹部22の軸方向の両側に配置される外周凸部21に沿って湾曲する湾曲面(湾曲部)57a,57bを有する。これにより、減衰部材13B,14Bは、ベローズ11の外周凹部22の側面22a,22bおよび円弧底面22cだけでなく、外周凸部21の外周円弧面21a,21bにも押圧されて密着されていることから、ベローズ11の振動を効果的に減衰することができる。
第5の態様に係る伸縮継手は、コントロールリング12C,12Dは、ベローズ11の径方向に沿って延びるリング本体61,71と、リング本体61,71の軸方向の両側に相対移動自在に配置されて内周面が前記外周凹部22の底部に接触するリングカバー62,72とを有し、減衰部材13C,13D,14C,14Dは、リングカバー62,72の軸方向の両側に設けられる。これにより、ベローズ11の振動が減衰部材13C,14Cを介してリングカバー62に伝搬すると、リング本体61とリングカバー62とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動することとなり、振動エネルギーがリング本体61とリングカバー62の接触面で発生する摩擦エネルギーに変換され、振動を効果的に減衰させることができる。
第6の態様に係る伸縮継手は、リング本体71とリングカバー72とは、軸方向に貫通するボルト80により連結される。これにより、リング本体71とリングカバー72とがボルト80により一体に組付けられていることから、コントロールリング12Dおよび減衰部材13D,14Dをベローズ11の外周凹部22に挿入するとき、容易にコントロールリング12Dをベローズ11に組み付けることができ、作業性を向上することができる。
第7の態様に係る伸縮継手は、リングカバー62,72は、周方向に複数に分割され、減衰部材13C,13D,14C,14Dは、周方向にリングカバー62,72と同数に分割される。これにより、ベローズ11の高次振動モードの波打つ振動モードに対して複数の分割錘85aが効率的に振動し、衝突エネルギーへの変換効率が高まり、減衰効果を向上させることができる。
第8の態様に係る伸縮継手は、コントロールリング12E,12Fは、中空形状をなし、内部に錘85,95が相対移動自在に配置される。これにより、ベローズ11の振動が減衰部材13E,14Eを介してコントロールリング12E,12Fに伝搬すると、コントロールリング12E,12Fと錘85,95とが互いに軸方向、径方向、周方向に相対移動することとなり、振動エネルギーがコントロールリング12E,12Fと錘85,95との衝突で発生する衝突エネルギーに変換され、振動を効果的に減衰させることができる。
第9の態様に係る伸縮継手は、コントロールリング12Eは、内部に周方向に間隔を空けて複数の収容部(中空部)86,96が形成され、錘85,95は、複数の収容部86,96に相対移動自在に配置される。これにより、コントロールリング12E,12Fと錘85,95との衝突箇所を増加させることで、振動エネルギーを衝突エネルギーに効果的に変換して振動を減衰させることができる。
第10の態様に係る伸縮継手は、錘95は、複数の球体により構成される。これにより、錘95としての複数の球体が互いに衝突して衝突箇所を増加させることで、振動エネルギーを衝突エネルギーに効果的に変換して振動を減衰させることができる。
なお、上述した実施形態では、T字断面形状をなすコントロールリングの両側に減衰部材を配置して構成したが、コントロールリングの形状は、各実施形態に限定されるものではない。コントロールリングとベローズとの間に減衰部材が配置されていればよい。
なお、上述した実施形態では、伸縮継手を直線形状としたが、曲線形状としてもよい。