JP2022154011A - チタン多孔質板材、および、水電解用電極、水電解装置 - Google Patents

チタン多孔質板材、および、水電解用電極、水電解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】隣接する他の部材と十分に接触させることができ、かつ、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散することが可能なチタン多孔質板材を提供する。【解決手段】チタン又はチタン合金の焼結体からなるチタン多孔質板材であって、前記チタン多孔質板材は、前記チタン多孔質板材の表面に開口するとともに内部の気孔に連通している連通気孔を有する3次元網目構造をなし、一方の主面における開口率が他方の主面における開口率よりも小さくされており、前記一方の主面における開口率と前記他方の主面における開口率との差が10%以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、液体およびガス等の流体の流通性に優れ、かつ、他の部材との接触性に優れたチタン多孔質板材、および、このチタン多孔質板材からなる水電解用電極、水電解装置に関するものである。
近年、脱CO社会のために、水素社会の実現に向けた動きが加速する中で、水素需要量の増加が見込まれており、再生可能エネルギーを用いて安価で効率良く水素を製造する技術の開発が求められている。
水素製造技術の候補としては、水電解装置が着目されており、固体酸化物形水電解装置(SOEC)やアルカリ形水電解装置等いくつか種類が存在する。その中で、固体高分子形(PEM形)水電解装置は、100℃程度で動作可能であり、かつ、電解効率と生成時の水素純度が高い、という強みを持つ。
固体高分子形水電解セルの内部構造および部材は、例えば、カソード側から、集電板(AuめっきSUS板など)/ガス拡散層(電極):カーボン多孔質体/触媒層(Pt/C+アイオノマー)/イオン交換膜(高分子材料)/触媒層(Ir粒子+アイオノマー)/ガス拡散層(電極):チタン多孔質体/ 集電板(AuめっきSUS板など)から成る。
上述のガス拡散層はGDL(gas diffusion layer)と呼ばれることが多いが、水電解反応の反応箇所である触媒層まで電流を伝える役割を担っているため、電極と呼ばれることもある。
アノード側のガス拡散層(電極)に求められる性質として、(1)原料の液体状の水と水電解後の酸素ガスを拡散させる必要があること、(2)電解時の過酷な腐食環境で腐食しないこと、がある。そのため、アノード側のガス拡散層(電極)には、耐腐食性に優れたチタン材が用いられている。
例えば、電極として使用されるチタン材として、特許文献1に開示されたチタン焼結体や、特許文献2に開示された発泡チタン材等が挙げられる。
一方で、例えば固体分子形燃料電池の分野においては、例えば特許文献3,4に示すように、発電効率を高くするために、シートとスポンジの2層からなる多孔質体電極が提案されている。
特許第6485967号公報 特開2006-138005号公報 特許第3982356号公報 特表2020-524747号公報
上述の特許文献1に記載されたチタン焼結体においては、気孔率を十分に高くすることができないため、水電解用セルの電極として用いた場合に、原料の液体状の水や水電解後の酸素ガスを十分に拡散させることができず、電解効率を向上させることができないおそれがあった。
また、特許文献2に記載された発泡チタン材においては、気孔率が高いため、水電解用セルの電極として用いた場合に、触媒との接触面積が確保できず、電解効率を向上させることができないおそれがあった。
さらに、特許文献3,4においては、チタン材で構成された2層構造の電極は開示されておらず、耐食性が不十分であり、水電解用セルの電極として使用することはできなかった。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、隣接する他の部材と十分に接触させることができ、かつ、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散することが可能なチタン多孔質板材、および、このチタン多孔質板材からなる水電解用電極、水電解装置を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のチタン多孔質板材は、チタン又はチタン合金の焼結体からなるチタン多孔質板材であって、前記チタン多孔質板材は、前記チタン多孔質板材の表面に開口するとともに内部の気孔に連通している連通気孔を有する3次元網目構造をなし、一方の主面における開口率が他方の主面における開口率よりも小さくされており、前記一方の主面における開口率と前記他方の主面における開口率との差が10%以上であることを特徴としている。
この構成のチタン多孔質板材によれば、一方の主面における開口率が他方の主面における開口率よりも小さくされており、一方の主面における開口率と他方の主面における開口率との差が10%以上とされているので、開口率が小さい一方の主面によって隣接する他の部材との接触面積を確保することができる。また、一方の主面よりも開口率が大きい他方の主面側において、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散させることが可能となる。
ここで、本発明のチタン多孔質板材においては、一方の主面における開口率が30%以上であることが好ましい。
この場合、一方の主面における開口率が30%以上とされているので、一方の主面側においても液体やガス等の流体を十分に流通させることが可能となる。
また、本発明のチタン多孔質板材においては、全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内とされているので、強度を確保できるとともに、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることが可能となる。
さらに、本発明のチタン多孔質板材においては、全体の平均気孔径が50μm以上600μm以下の範囲内であることが好ましい。
この場合、全体の平均気孔径が50μm以上600μm以下の範囲内とされているので、隣接する他の部材との接触面積を確保することができるとともに、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることが可能となる。
本発明の水電解用電極は、上述のチタン多孔質板材からなることを特徴としている。
この構成の水電解用電極によれば、上述のチタン多孔質板材で構成されているので、触媒層側に一方の主面を配置することで触媒層との接触面積を確保し、触媒の使用効率を向上させるとともに、他方の主面側において液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることで、水の電解を、効率良くかつ安定して行うことが可能となる。
本発明の水電解装置は、上述の水電解用電極を備えたことを特徴としている。
この構成の水電解用電極によれば、上述のチタン多孔質板材で構成された水電解用電極を備えているので、触媒層側に一方の主面を配置することで触媒層との接触面積を確保し、触媒の使用効率を向上させるとともに、他方の主面側において液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることで、水の電解を、効率良くかつ安定して行うことが可能となる。
本発明によれば、隣接する他の部材と十分に接触させることができ、かつ、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散することが可能なチタン多孔質板材、および、このチタン多孔質板材からなる水電解用電極、水電解装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態であるチタン多孔質板材の一例を示す説明図である。(a)が一方の主面の観察写真、(b)が他方の主面の観察写真である。 図1に示すチタン多孔質板材の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の実施形態である水電解装置の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態であるチタン多孔質板材、および、水電解用電極、水電解装置について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態であるチタン多孔質板材10は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード電極、水電解装置のアノード電極、リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタ向け電極材等の通電部材として使用されるものである。
本実施形態においては、後述するように、図3に示す水電解装置(水電解装置)のガス拡散層(GDL)を構成する電極として用いられるものである。
本実施形態であるチタン多孔質板材10は、表面に開口するとともに内部の気孔に連通している連通気孔を有する3次元網目構造をなしている。
そして、本実施形態であるチタン多孔質板材10は、一方の主面11における開口率が他方の主面12における開口率よりも小さくされており、一方の主面11における開口率と他方の主面12における開口率との差が10%以上とされている。
ここで、本実施形態においては、一方の主面11における開口率が30%以上であることが好ましい。
また、本実施形態においては、全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内であることが好ましい。
さらに、本実施形態においては、全体の平均気孔径が50μm以上600μm以下の範囲内であることであることが好ましい。
以下に、本実施形態であるチタン多孔質板材10において、開口率、気孔率、平均気孔径について、上述のように規定した理由を説明する。
(開口率)
本実施形態であるチタン多孔質板材10においては、上述のように、一方の主面11における開口率が他方の主面12における開口率よりも小さくされており、一方の主面11における開口率と他方の主面12における開口率との差が10%以上とされている。
開口率が小さい一方の主面11においては、隣接する他の部材との接触面積を確保することが可能となる。一方、開口率が大きい他方の主面12側においては、液体やガスの流通が促進されることになる。
よって、本実施形態であるチタン多孔質板材10においては、隣接する他の部材との接触面積を確保するとともに、液体やガスの拡散を促進することが可能となる。
なお、開口率は、次のように算出した。厚さ方向に複数の断面位置でX線透視測定を行い、解析ソフトを用いて、チタン多孔質板材10の3次元画像データを得る。この3次元画像データを、表面(主面)から厚み方向に50μm間隔で切り出した2次元画像に対して、2値化処理を施して、チタン多孔質板材10における骨格部分と開口部分の面積比率を開口率として、以下の式で算出した。
開口率=(開口部分の面積)/(骨格部分の面積+開口部分の面積)
(一方の主面の開口率)
本実施形態であるチタン多孔質板材10において、一方の主面11の開口率が30%以上である場合には、一方の主面側での液体やガスの流通を確保できる。
このため、本実施形態においては、一方の主面11の開口率を30%以上とすることが好ましい。
なお、一方の主面11の開口率の下限は、35%以上とすることがさらに好ましく、40%以上とすることがより好ましい。一方、一方の主面11の開口率の上限に特に制限はないが、90%以下とすることが好ましく、85%とすることがさらに好ましい。
(気孔率)
本実施形態であるチタン多孔質板材10において、全体の気孔率が75%以上である場合には、さらに良好に液体やガスを流通させることが可能となる。一方、全体の気孔率が92%以下である場合は、チタン多孔質板材10の強度を確保できるとともに、良好に通電することができる。
このため、本実施形態においては、全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、全体の気孔率の下限は、77%以上とすることがさらに好ましく、80%以上とすることがより好ましい。一方、全体の気孔率の上限は、90%以下とすることがさらに好ましく、88%以下とすることがより好ましい。
ここで、チタン多孔質板材10の気孔率は、以下の式で算出される。
気孔率(%)=(1-(W/(V×D)))×100
W:チタン多孔質板材10の質量(g)
V:チタン多孔質板材10の体積(cm
:チタン多孔質板材10を構成するチタンまたはチタン合金の真密度(g/cm
(平均気孔径)
本実施形態であるチタン多孔質板材10において、全体の平均気孔径が50μm以上である場合には、液体やガスの流通を十分に促進することができる。一方、全体の平均気孔径が600μm以下である場合には、チタン多孔質板材10の強度を確保できるとともに、良好に通電することができる。
このため、本実施形態においては、全体の平均気孔径を50μm以上600μm以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、全体の平均気孔径の下限は、75μm以上とすることがさらに好ましく、100μm以上とすることがより好ましい。一方、全体の平均気孔径の上限は、550μm以下とすることがさらに好ましく、500μm以下とすることがより好ましい。
ここで、平均気孔径は、X線CT画像において観察される気孔の断面積から求められる円相当径(直径)とした。
次に、本実施形態であるチタン多孔質板材10の製造方法について、図2のフロー図を参照して説明する。
(チタン含有スラリー形成工程S01)
まず、原料粉として、チタン又はチタン合金からなるチタン粉を準備する。本実施形態では、水素化チタン粉又は水素化チタン粉を脱水素することにより作製した純チタン粉を準備した。
この原料粉に、水溶性樹脂結合剤(メチルセルロース)、有機溶剤(ネオペンタン、ヘキサンおよびブタン)、可塑剤(グリセリンおよびエチレングリコール)、溶媒としての水、発泡剤、場合によっては界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を混合して、チタン含有スラリーを作製する。
(シート成形体形成工程S02)
次に、上述のチタン含有スラリーをドクターブレード法等によってシート状に成形し、シート成形体を形成する。
(発泡工程S03)
次に、ジルコニア製板の上に載せたまま、高温・高湿度槽内に供給し、そこで所定温度および湿度で保持して発泡させたのち、温風乾燥を行い、グリーンシート成形体を得る。
ここで、発砲後に温風乾燥を行う際には、シート成形体の上面に向けて温風を垂直に当て、シート成形体の上面側の泡を破壊する。なお、温風の風量は0.20m/s以上とすることが好ましく、0.25m/s以上とすることがさらに好ましい。
(脱脂工程S04)
次に、上述のグリーンシート成形体をジルコニア製板の上に載せ、真空雰囲気中で加熱することにより、脱脂処理して脱脂処理体を得る。
(焼結工程S05)
次に、上述の脱脂処理体を真空雰囲気中で50℃以下にまで冷却したのち又は冷却せずに真空雰囲気中で焼結し、焼結体を作製する。
得られた焼結体においては、上述のように、発砲工程S03において、シート成形体の上面側の泡を破壊していることから、焼結体の一方の主面(グリーンシート成形体の上面)の開口率が焼結体の他方の主面(グリーンシート成形体の下面)の開口率よりも小さくなる。
上述の製造方法により、本実施形態であるチタン多孔質板材10が製造されることになる。
次に、本実施形態である水電解用電極および水電解装置の概略図を図3に示す。なお、本実施形態の水電解装置は、電解効率および生成時の水素純度が高い、固体高分子形水分解装置とされている。
本実施形態の水電解装置30は、図3に示すように、対向配置されたアノード極32およびカソード極33と、これらアノード極32とカソード極33との間に配置されたイオン透過膜34と、を備えた水電解セル31を備えている。なお、イオン透過膜34の両面(アノード極32との接触面およびカソード極33との接触面)には、それぞれ触媒層35,36が形成されている。
ここで、カソード極33、イオン透過膜34、触媒層35,36については、従来の一般的な固体高分子形水電解装置で使用されているものを適用することができる。
そして、上述のアノード極32が、本実施形態である水電解用電極とされている。このアノード極32(水電解用電極)は、上述した本実施形態であるチタン多孔質板材10で構成されている。ここで、触媒層35側に一方の主面11が向くように、アノード極32(水電解用電極)が配置される。
上述の水電解装置30(水電解セル31)においては、図3に示すように、アノード極32側から水(HO)が供給されるとともに、アノード極32およびカソード極33に通電される。すると、水の電解によって生じた酸素(O)がアノード極32から排出され、水素(H)がカソード極33から排出されることになる。
ここで、アノード極32においては、上述のように、水(液体)と酸素(気体)が流通することになるので、これら液体および気体を安定して流通させるために、高い気孔率を有することが好ましい。また、アノード極32においては、触媒層35との接触によって反応が促進されるため、触媒層35との接触面積を確保することが好ましい。さらに、アノード極32は酸素に晒されるため、優れた耐食性が求められる。このため、本実施形態であるチタン多孔質板材10からなる水電解用電極が、アノード極32として特に適している。
以上のような構成とされた本実施形態であるチタン多孔質板材10によれば、一方の主面11における開口率が他方の主面12における開口率よりも小さくされており、一方の主面11における開口率と他方の主面12における開口率との差が10%以上とされているので、開口率が小さい一方の主面11によって隣接する他の部材との接触面積を確保することができる。また、一方の主面11よりも開口率が大きい他方の主面12側において、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散させることが可能となる。
ここで、本実施形態のチタン多孔質板材10において、一方の主面11における開口率が30%以上である場合には、一方の主面11側においても、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることが可能となる。
また、本実施形態のチタン多孔質板材10において、全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内である場合には、強度を確保できるとともに、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることが可能となる。
さらに、本実施形態のチタン多孔質板材10において、全体の平均気孔径が50μm以上600μm以下の範囲内である場合には、隣接する他の部材(触媒層35)との接触面積を確保することができるとともに、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることが可能となる。
本実施形態である水電解用電極は、上述のチタン多孔質板材10で構成され、アノード極32として使用されているので、触媒層35側に一方の主面11を配置することで触媒層35との接触面積を確保し、触媒の使用効率を向上させるとともに、一方の主面11側において液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることで、水の電解を、効率良くかつ安定して行うことが可能となる。
本実施形態である水電解装置30においては、上述したチタン多孔質板材10で構成された水電解用電極をアノード極32に用いているので、触媒の使用効率に優れ、かつ、液体やガス等の流体を良好に流通させて十分に拡散させることができ、水電解を、効率良くかつ安定して行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、図3に示す構造の水電解装置(水電解セル)を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、本実施形態であるチタン多孔質板材からなる水電解用電極を備えていれば、その他の構造の水電解装置(水電解セル)であってもよい。
また、本発明のチタン多孔質板材を、水電解装置以外の他の用途に使用してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
実施形態の欄に記載した手順でチタン多孔質板材を製造した。まず、原料粉末として、平均粒径:15μmの水素化チタン粉末および平均粒径:10μmの純チタン粉末を用意した。さらに、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロースを用意し、有機溶剤としてネオペンタン、ヘキサンおよびブタンを用意し、可塑剤としてグリセリンおよびエチレングリコールを用意し、溶媒として水を用意し、さらに界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を用意した。
先に用意した水素化チタン粉末、水溶性樹脂結合剤としてのメチルセルロース、有機溶剤としてのネオペンタン、ヘキサンおよびヘプタン、可塑剤としてのグリセリンおよびエチレングリコール、溶媒としての水を配合し、必要に応じて界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を添加して15分間混練し、チタン含有スラリーを作製した。
得られたチタン含有スラリーを用いて、ブレードギャップ:0.4mmでドクターブレード法により、ジルコニア製板の上にシート成形体を形成した。
このシート成形体をジルコニア製板の上に載せたまま高温・高湿度槽に供給し、そこで温度:40℃ 、湿度:90% 、20分間保持の条件で発泡させたのち、温度:80℃ 、15分間保持の条件の温風乾燥を行い、グリーンシート成形体を作製した。
そして、グリーンシート成形体を脱脂処理し、1170℃、10時間保持の条件で焼結を行い、チタン多孔質板材を得た。
ここで、本発明例1-6においては、発泡後の温風乾燥時に、温風をシート成形体の上面に対して垂直に当てるとともに、表1に記載の風量とした。比較例1においては、温風乾燥時に、温風をシート成形体の上側の空間に向けるとともに、表1に記載の風量とした。比較例2では温風乾燥を実施しなかった。
本発明例1-6および比較例1,2のチタン多孔質板材について、以下の項目について評価した。評価結果を表1に示す。
(平均気孔径)
上述のチタン多孔質板材から断面観察用の試料を採取し、この試料をX線透視測定により、断面観察画像を撮像した。観察された気孔の面積から円相当径(直径)を算出した。
(気孔率)
実施形態の欄に記載したように、以下の式で算出した。
気孔率(%)=(1-(W/(V×D)))×100
W:チタン多孔質板材の質量(g)
V:チタン多孔質板材の体積(cm
:チタン多孔質板材を構成するチタンまたはチタン合金の真密度(g/cm
なお、チタン多孔質板材の体積Vの算出には、デジタルマイクロメーターで測定したチタン多孔質材の厚みと、デジタルノギスで測定した縦及び横の長さを用いた。また、チタン多孔質板材の質量は、電子天秤にて測定した。
(開口率)
チタン多孔質板材の厚さ方向に複数の断面位置でX線透視測定(装置名:SMX1000、SHIMAZU株式会社製)を行い、解析ソフト(VG studio max 3.2)を用いて、チタン多孔質板材の3次元画像データを得た。
この3次元画像データを、表面(主面)から厚み方向に50μm間隔で切り出した2次元画像(面積は3.5 mm×3.5 mmの範囲)に対して、2値化処理を施して、チタン多孔質板材における骨格部分と開口部分の面積比率を開口率として、以下の式で算出した。
開口率 =(開口部の面積)/(骨格部の面積+開口部の面積)
(電解効率)
チタン多孔質板材を、それぞれアノード極として用いて、図3に示す構造の固体高分子形の水電解セル(面積4cm×4cm)を構成した。アノードに純水を供給した状態で、水電解セルのアノード・カソード間に2.5Vの電圧を印加し、水電解によってセルに流れた電流密度を測定し、その比から電解効率比を算出した。なお、試験温度は80℃とした。
Figure 2022154011000001
一方の主面と他方の主面とで開口率が10%以上異なる本発明例1-6のチタン多孔質板材においては、一方の主面の開口率と他方の主面の開口率が同一とされた比較例1,2チタン多孔質板材に比べて、電解効率が向上したことが確認された。
以上の結果から、本発明例によれば、隣接する他の部材と十分に接触させることができ、かつ、液体やガス等の流体を良好に流通させて拡散することが可能なチタン多孔質板材を提供可能であることが確認された。
10 チタン多孔質板材
11 一方の主面
12 他方の主面
30 水電解装置
32 アノード極(水電解用電極)
35 触媒層

Claims (6)

  1. チタン又はチタン合金の焼結体からなるチタン多孔質板材であって、
    前記チタン多孔質板材は、前記チタン多孔質板材の表面に開口するとともに内部の気孔に連通している連通気孔を有する3次元網目構造をなし、
    一方の主面における開口率が他方の主面における開口率よりも小さくされており、
    前記一方の主面における開口率と前記他方の主面における開口率との差が10%以上であることを特徴とするチタン多孔質板材。
  2. 一方の主面における開口率が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のチタン多孔質板材。
  3. 全体の気孔率が75%以上92%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチタン多孔質板材。
  4. 全体の平均気孔径が50μm以上600μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチタン多孔質板材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のチタン多孔質板材からなることを特徴とする水電解用電極。
  6. 請求項5に記載の水電解用電極を備えたことを特徴とする水電解装置。
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