JP2022153240A - 情報処理システム及び仮想人材 - Google Patents

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Abstract

【課題】相互理解が高いコミュニケーション、又は効率的なPDCAの実行可能な仮想人材を提供すること。【解決手段】派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジック及び「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータ及び複数の内部モデルPMを少なくとも含むデータが派遣元情報として取得される。このような派遣元情報を用いて仮想人材Oが生成される。【選択図】図2

Description

本発明は、情報処理システム及び仮想人材に関する。
従来より、スマートフォン等の音声インターフェースとして実装される音声アシスタントの技術(例えば特許文献1参照)が提案されている。また、音声でのやり取りが可能なロボットの技術(例えば特許文献2参照)が提案されている。これらの技術を組み合わせることで、コミュニケーションとしてタスクを実行可能な仮想人材の生成は可能である。
特開2016-4270号公報 特開2018-126209号公報
しかしながら、相互理解が高いコミュニケーションと効率的なPDCAの実行のうち少なくとも一方を実現可能な仮想人材が要求されているが、上述の特許文献1及び2に記載の技術を含む従来技術のみでは、かかる要求に応えることができない状況であった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、相互理解が高いコミュニケーション、又は効率的なPDCAの実行可能な仮想人材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、を備える。
また、本発明の一態様の情報処理システムは、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、を備える。
また、本発明の一態様の情報処理システムは、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、を備える。
また、本発明の一態様の情報処理システムは、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、前記派遣元から提供される情報のうち、単一又は複数の内部モデルを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、を備え、前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されている。
さらに、前記単一又は複数の内部モデルは、前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデルを含み、前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデルを含み、前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデルを含む。
また、上記目的を達成するため、本発明の一態様の仮想人材は、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える。
また、本発明の一態様の仮想人材は、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える。
また、本発明の一態様の仮想人材は、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える。
また、本発明の一態様の仮想人材は、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、前記派遣元から提供される情報のうち、複数の内部モデルを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、前記単一又は複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されており、前記第1観点及び前記第2観点に基づいて生成されたモデルを用いた自己認識及び相手認識を伴いながら、前記第3観点に基づいて生成されたモデルを用いて計画を設定し、当該計画を達成するために人間と対話をしながら所定のタスクを実行し、その実行の結果を評価し、その評価の結果に基づいて改善を行うタスク実行手段、を備える。
さらに、前記複数の内部モデルは、前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル含み、前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデルを含み、前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデルを含む。
本発明によれば、相互理解が高いコミュニケーション、又は効率的なPDCAの実行可能な仮想人材を提供することができる。
本発明の情報処理システムの一実施形態の適用対象となる本サービスの概要を示す図である。 図1に示す本サービスについてのより詳細な説明を示す図である。 図1の本サービスの仮想人材が適用される対象業務について説明する表である。 図1の本サービスが適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理システムの一実施形態に係る構成の一例を示す図である。 図4の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 図5の情報処理システムのサーバの機能的構成のうち、仮想人材生成更新処理の際に機能する機能的構成の一例を示す図である。 図5の情報処理システムのサーバの機能的構成のうち、人材派遣処理の際に機能する機能的構成の一例を示す図である。 図1の本サービスの仮想人材が実行するタスクの概要について説明する図である。 図1の本サービスの仮想人材が備える各種センサと、仮想人材に対する情報入力フローの概要について説明する図である。 全体処理の各ステップと各図との対応関係を示した図である。 サーバが実行する全体処理の流れを説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS1の人材派遣の事前準備処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図12の人材派遣の事前準備処理のステップS11の人材派遣元向け仮想人材管理処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS111の基本的要素の管理処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS112のタスク実行手段の登録処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図12の人材派遣の事前準備処理のステップS12の人材派遣元向け情報登録処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS2の人材派遣先の希望の登録処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS3の初期学習処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図18の初期学習処理のステップS32の学習処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図19の学習処理のステップS321の内部モデルの生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図20の内部モデルの生成処理のステップS3211の心理・感情・価値観の生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図20の内部モデルの生成処理のステップS3212の知識・思考の生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図22の知識・思考の生成処理のステップS32123の各種ロジックデータの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図20の内部モデルの生成処理のステップS3213のゴール生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図19の学習処理のステップS322のデータの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図25のデータの読込処理のステップS3222の統合後のカリキュラムデータPDCの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図19の学習処理のステップS323の内部モデルの更新処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図27の内部モデルの更新処理のステップS3232の認識形成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS4の人材生成処理の一例を説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS5の業務開始準備処理の一例を説明するフローチャートである。 図11の全体処理のステップS6の人材派遣処理の一例を説明するフローチャートである。 図31の人材派遣処理のステップS61のタスクの実行処理の一例を説明するフローチャートである。 図32のタスクの実行処理のS614の客観的解釈処理の一例を説明するフローチャートである。 図32のタスクの実行処理のS615の主観的解釈処理の一例を説明するフローチャートである。 図32のタスクの実行処理のS616の発話内容検討・生成処理の一例を説明するフローチャートである。 図32のタスクの実行処理のS617の発話・タスク指示処理の一例を説明するフローチャートである。 仮想人材を実現するために必要な基盤技術の概要について説明する図である。 (1)全定義情報の正規化表現について説明する図である。 (2)センサベースの意味分解について説明する図である。 (3)コンテキスト対応について説明する図である。 語義曖昧性の解消に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。 シンボルグラウンディングに対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。 公理の抽出に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。 概念・公理のグループ化に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。 欠落要素の推定に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。 (4)エピソード記憶からの認識形成について説明する図である。 「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータの具体例、即ちN4について説明する図である。 「分散&動的生成型」のPSFデータPDPの構成例について説明する図である。 「一極集中&既設型」のPSFデータPDPの構成について説明する図である。 パーソナライズ要約の処理工程の概要を説明する図である。 パーソナライズ要約の効果について説明する図である。 仮想人材Oにおいてパーソナライズ要約が実現する理解度レベルとコミュニケーションの自動化レベルについて説明する図である。 内部モデルの概要について説明する図である。 内部モデルの目的について説明する図である。
図1は、本発明の情報処理システムの一実施形態の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示す図である。
即ち、本サービスは、派遣先Cから提供される情報(以下、「派遣先情報」と呼ぶ)と人材派遣元Pから提供される情報(以下、「派遣元情報」と呼ぶ)とに基づいて生成された仮想人材Oを、人材派遣元Pから派遣先Cに派遣するサービスである。
派遣先Cは、派遣先端末(例えば後述の図4の派遣先端末2)を操作することによって、派遣先向け情報登録機能CFを機能させ、派遣先情報を登録する。登録先は、特に限定されないが、以下説明の便宜上、本サービスの提供者が管理するサーバ(例えば図4のサーバ1)であるものとする。
ここで、派遣先情報には、例えば希望人材情報CI1、利用形態CI2、人材の募集情報/マニュアルCI3等が含まれる。なお、派遣先情報の詳細な説明については、派遣先向け情報登録機能CFの説明として後述する。
派遣先Cは、自身が提供する派遣先情報と人材派遣元Pにより提供される後述の派遣元情報とに基づいて生成される仮想人材Oの派遣を受け付ける。
即ち、派遣先Cは、所定の目的を達成するために業務等の行為を行う事業者や個人等であって、この事業等の行為を支援してもらうため各種タスクを実行する仮想人材Oを受け付ける。
人材派遣元Pは、派遣元端末(例えば後述の図4の派遣元端末3)を操作することによって、人材派遣元向け仮想人材管理機能PAと人材派遣元向け情報登録機能PFとを機能させる。
例えば、人材派遣元Pは、人材派遣元向け情報登録機能PFを機能させることで、派遣元情報を登録する。登録先は、特に限定されないが、以下説明の便宜上、本サービスの提供者が管理するサーバ(例えば図4のサーバ1)であるものとする。
ここで、派遣元情報には、内部モデルPM、言語資源データPD、ロジックPL等が含まれる。なお、派遣元情報の詳細な説明については、人材派遣元向け情報登録機能PFの説明として後述する。
人材派遣元Pは、派遣先Cにより提供される派遣先情報と自身が提供する派遣元情報とに基づいて生成される仮想人材Oを、派遣先Cに派遣する。
ここで、一般的にいう仮想人材とは、言葉をインターフェースとして人間とやり取りし、特定の目的の達成に寄与する情報システムのことをいう。
本サービスにより派遣先Cに派遣される仮想人材Oとは、上述の一般的にいう仮想人材のうち、少なくとも次のようなものをいう。
即ち、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられることにより生成されたものである。また、仮想人材Oは、後述する複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行うことで、人間と対話をしながら所定のタスクを実行するものである。
ここで、パーソナライズ要約ロジックとは、詳細は後述するが、相手に応じて内容を言い換えうる情報システムのことをいう。従来より、パラレルコーパスに基づいた言い換えや、日本語平易化に向けた辞書等の研究事例等は存在するが、これらは言い換え対象の語彙が固定的であり、また、学習自体もバッチ処理的であり、いわば翻訳に近い。これに対して、パーソナライズ要約ロジックを適用する仮想人材Oは、利用可能な語彙をリアルタイムで相手に合わせて柔軟に変更することができる。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータが、派遣元情報として用いられることにより生成されたものである。また、仮想人材Oは、後述する複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行うことで、人間と対話をしながら所定のタスクを実行するものである。
ここで、「意味を正規化したフォーマット」とは、詳細は後述するが、自然言語やプログラミング言語を含む、同じ意味なら同じ形式になる機械可読性の高い意味の表現形式のことをいう。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものである。また、仮想人材Oは、後述する複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行うことで、人間と対話をしながら所定のタスクを実行するものである。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、後述する単一又は複数の内部モデルを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられることにより生成されたものである。前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されている。仮想人材Oは、前記第1観点及び前記第2観点に基づいて生成されたモデルを用いた自己認識及び相手認識を伴いながら、前記第3観点に基づいて生成されたモデルを用いて計画を設定し、当該計画を達成するために人間と対話をしながら所定のタスクを実行し、その実行の結果を評価し、その評価の結果に基づいて改善を行うものである。
ここで、前記単一又は複数の内部モデルは、前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル(例えば、後述する心理・感情・価値観内部モデルPM1)を含む。
前記複数の内部モデルは、前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデル(例えば、後述する知識・思考内部モデルPM2)を含む。
前記単一又は複数の内部モデルは、前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデル(例えば、後述する目的・ゴール内部モデルPM3)を含む。
ここで、本サービスにより派遣先Cに派遣される仮想人材Oと、従来技術とを比較する。従来技術としては、Siri(登録商標)等の音声アシスタントと、音声でのやり取りができるPepper(登録商標)等のロボットとが存在する。
全体として、仮想人材Oと、従来の音声アシスタント及びロボットとの用語の定義上の共通点は次の通りになる。
即ち、仮想人材O、及び従来の音声アシスタント及びロボットには、相手の発話に応じて何をするかの管理単位として「スキル」が存在する。また、仮想人材O、及び従来の音声アシスタント及びロボットの夫々においては、「スキル」内の実行可能な機能は「インテント」、さらに、インテント内の引数は「スロット」と呼ばれ、さらに、最終的に外部の機能を起動する「インターフェース」を有する点で共通する。
これに対して、仮想人材Oと、従来の音声アシスタント及びロボットとの用語の定義上の差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oにおいて、「スキル」は、図2のIfthenルールロジックPL4として、特に、Ifthenの「条件」の部分に入るコンテキストの認識や推定の精度により従来技術と相違する。但し、IfthenルールロジックPL4=スキルではなく、IfthenルールロジックPL4には、スキル以外の推論等の実行可能なタスクも含まれるものとする。
これに対して音声アシスタントは、Webアプリケーション等、起動される外部機能を「スキルサービス」と呼ぶ点が相違する。
また、ロボットにおいては、「スキル」は、「エージェント」と呼ばれ、実行可能な外部機能は「イベント」と呼ばれる点が相違する。
仮想人材Oの処理は、入力→プロセス→出力といった流れになる。
このうち、入力の要素として重要な点は、「話者の言葉の理解」である。
この「話者の言葉の理解」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、コンテキスト推定ロジック(例えば、後述する図2のコンテキスト推定ロジックPL3)やパーソナライズ要約ロジック(例えば、後述する図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)等に基づいて生成されるため、わかった事を自身の言葉で反芻して話者に確認してもらったり、わからなければ不明点を明確にして聞き直したりして、話者との相互理解を深めることで話者の言葉を理解することができる。
これに対して、音声アシスタントやロボットは、登録されている発話のサンプルに対する類似度により、話者の言葉を推定する。即ち、音声アシスタントやロボットは、予め用意された「スキル」のセットに登録された発話のサンプルから話者の言葉に類似するものを探すことにより、話者の言葉を推定する。
次に、プロセスの要素として重要な点は、「目的の推定」、及び「スキルの登録方法」である。
この「目的の推定」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの共通点は次の通りになる。
即ち、仮想人材O、従来の音声アシスタント及びロボットは、登録済のスキル群の中から対象のスキルと、そのスキル内のインテントを推定するという点で共通する。
具体的には例えば、音声アシスタントの場合、「天気予報を知りたい」というスキルに、「どの場所の」、「いつの」といったどのようなスロットが認識されたかによって、スキル内の1つ又は複数のインテントの中から正しいインテントが推定される。これは仮想人材Oにおける、どのスキル(例えば、後述する図2のIfthenルールロジックPL4)を呼び出すかに相当するものであり、この点において両者は共通する。
これに対して、「目的の推定」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、内部モデルPMに基づいて生成されるため、多層的な目的を設定することができる。つまり、従来の音声アシスタントやロボットにおいては、話者の意図のみが考慮されて行動が決定されるのに対し、仮想人材Oは、例えば派遣先CのKGI/KPIや、話者の心理・感情・価値観等の向上を含む多層的な目的に対して行動することができる。
また、「スキルの登録方法」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの共通点は次の通りになる。
即ち、仮想人材O、従来の音声アシスタント及びロボットにおいて、スキルの登録は、スキルを提供する企業により手動登録により行われる点において共通する。
これに対して、「スキルの登録方法」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、カリキュラムデータ(例えば、後述する図2のカリキュラムデータPDC)や内部モデルPM、パーソナライズ要約ロジック(例えば、後述する図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)、認識形成ロジック(例えば、後述する図2の認識形成ロジックPL2)、コンテキスト推定ロジック(例えば、後述する図2のコンテキスト推定ロジックPL3)に基づいて生成されるため、これらのデータからスキルを自動生成することができる。具体的には例えば、協調性の高い仮想人材Oを生成する場合においては、内部モデルPMに基づいて、相手の性格に合った対応をきめ細やかにできるようにスキルが生成されてもよい。
これに対して、従来の音声アシスタントにおいては、スキルは自動生成されず、手動登録されたスキルがインターフェースに対してスキルサービスとして設定される。
また、従来のロボットにおいても、スキルは自動生成されず、手動登録されたスキルがエージェントとインテントに対して、起動されるイベントとして設定される。
出力の要素として重要な点は、「発話内容」、「継続状態の保持」、「タスクの実行」、及び「外見」である。
「発話内容」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの共通点は次の通りになる。
即ち、仮想人材O、従来の音声アシスタント及びロボットにおいて、発話内容は、スキルサービスで実装された内容を出力されるという点において共通する。
これに対して、「発話内容」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、コンテキスト推定ロジック(例えば、後述する図2のコンテキスト推定ロジックPL3)や、パーソナライズ要約ロジック(例えば、後述する図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)に基づいて生成されるため、相手に合わせた語彙での内容に変更して発話することができる。具体的には例えば、相手が小学校5年生であれば、仮想人材Oは、発話内容を小学校5年生でもわかるように変換して出力することができる。これにより、話者との相互理解を深めることができる。
これに対して、従来の音声アシスタントやロボットは、全ての人に同じ内容を発話内容として出力することしかできない。即ち、音声アシスタントやロボットは、仮想人材Oと異なり、多様な個性を持たず、全ての個体が同一の対応を取ることしかできない。
また「継続状態の保持」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、内部モデルPMに基づいて生成されるため、スキルという単位とは独立して、常時状態を把握しながら、全体としてコンテキストを保持することができる。これにより例えば、家庭教師のような、特定の相手に対して常に同じ対応が必要な場合に、継続状態を保持できることから、相手との相互理解をより深めることができる。
これに対して、従来の音声アシスタントにおいて、スキルはステートフルなスキルとして実装される。例えば、クレジットカードの入会申込を行う場合、従来の音声アシスタントにおいては、入会の申込手続に関するスキルにおいてはコンテキスト等の情報は保持されるが、その翌日にはその情報は保持されない。
また従来のロボットにおいては、スキルは、連なるインテント同士でインターフェースを合わせてシナリオ化して実装される。
また「タスクの実行」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの共通点は次の通りになる。
即ち、仮想人材O、従来の音声アシスタント及びロボットにおいては、スキルを基本としたタスクの実行がなされるという点において共通する。
これに対して、「タスクの実行」として、仮想人材Oと、従来の音声アシスト及びロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、パーソナライズ要約ロジック(例えば、後述する図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)に基づいて生成されるため、音声等、人間が可読なメッセージでのタスク指示を受け付け、そして外部APIの起動時は、タスク指示とAPIとを紐付けることができる。即ち、仮想人材Oにおいては、まず一旦人間が可読なメッセージでのタスク指示がなされ、その指示内容に基づいてAPIが実行される。つまり、人間がわかる言葉が経由されているため、特定のタスクを人間が実行しても、仮想人材Oが実行しても良く、場合に応じたフレキシブルな対応ができるようになる。
これに対して、従来の音声アシスタントやロボットにおいては、スキルサービスで記述されたAPIや、イベント指定で指定したイベントがすぐに実行される。つまり、従来の音声アシスタントやロボットにおいては、人間がわかる言葉が経由されていないため、APIのインターフェースや情報を見ても、どのような処理が行われているか人間が理解することはできない。
次に、「外見」として、仮想人材Oと、ロボットとの差異点は次の通りになる。
即ち、仮想人材Oは、個性別アバター(例えば、後述する図2の個性別アバター生成ロジックPL5)に基づいて生成されるため、個性に合わせた外見で受け答えをすることができる。これにより、相手との相互理解をより深めることができるようになる。
これに対して、従来のロボットを除く音声アシスタントは、スマートフォンや家電製品等のハードウェアに実装されて音声による操作支援を行っているだけで、アバターを有することはない。また、従来のロボットは、ロボットとして画一的な外見が採用されているにすぎない。
次に、以上のような本サービスにより派遣先Cに派遣される仮想人材O、及び従来技術の音声アシスタントやロボットの、夫々の理解度レベル及び自動化レベルを比較する。
人が物事を理解する際の理解度をレベル分けする場合、一般に以下の(0)乃至(5)の6段階に分けることができる。即ち、理解度のレベルは、セルフチェック可能なものとして、(0)知らない(ゼロInput)、(1)知っている(断片的Input)、(2)読める(全体的Input、わかった気になる)、(3)話せる(主観的Output、内容の質が悪くても許容)に分けられる。そして、客観性が必要なものとして、(4)伝えられる(客観的Output、決められた範囲のみでも許容)、(5)教えられる(発展的Output、連関する外部知識を含む)の、6段階に分けられる。
この6段階で例えると、従来技術は、(2)から(3)のレベルの出力は可能であるが、(4)の「伝えること」ができない。
これに対して本サービスの仮想人材Oは、(4)から(5)のレベルの出力が可能である。このように、従来技術に対する本サービスの仮想人材Oの理解度レベルが格段に高いことがわかる。
次に、人がコミュニケーションをとる際の自動化レベルをレベル分けする場合、一般に以下の(0)乃至(5)の6段階に分けることができる。即ち、自動化レベルは、まず人が主体のものとして(0)100%が人であって、チャットボット無しでオペレータが対応するもの、(1)90%が人であって、システム側が提示した選択肢をユーザーが選ぶだけのもの、(2)80%が人であって定型的な発話への返答が可能なもの、あるいは、オペレータが返答を確認するものに分けられる。そして、ボットが主体のものとして、(3)70%が人であって、ある程度の表記揺れも含めてボットが対応し、ボットが解釈不能な場合にオペレータが対応するもの、(4)50%が人であって、あるジャンルに関するやりとりは全てボットが対応するもの、(5)0%が人であって、あらゆるジャンルのやりとりを全てボットが対応する、の6段階に分けられる。
この6段階で例えると、従来のインテントスロット型の技術は、(1)から(3)のレベルの自動化は可能であるのに対し、本サービスの仮想人材Oは、(4)のレベルの自動化は可能である。つまり、仮想人材Oは、あるジャンルに関するやりとりは全てボットが対応することが可能である。
図1に戻り、次に、本サービスの概要について、機能の観点から説明する。
本サービスは、仮想人材Oを生成又は更新するための機能と、仮想人材O自体の機能とに大別される。
仮想人材Oを生成又は更新するための機能は、本発明が適用される情報処理システムの任意の場所で発揮可能とされているが、以下説明の便宜上、サーバ(例えば後述の図4のサーバ1)において発揮されるものとする。
仮想人材Oを生成又は更新するための機能は、派遣先向け情報登録機能CFと、人材派遣元向け仮想人材管理機能PAと、人材派遣元向け情報登録機能PFと、仮想人材生成機能IFとを含んでいる。
派遣先向け情報登録機能CFは、派遣先情報の登録を受け付ける機能である。具体的には例えば、派遣先向け情報登録機能CFは、希望人材情報CI1、利用形態CI2、人材の募集情報/マニュアルCI3等の登録を受け付ける。
このようにして登録された派遣先情報が仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの理想のイメージに近い仮想人材Oが生成されるようになる。
人材派遣元向け仮想人材管理機能PAは、仮想人材Oを生成するために必要な各種情報を管理する機能である。
具体的には例えば、人材派遣元向け仮想人材管理機能PAは、仮想人材Oを生成するために必要な内部モデルPM、言語資源データPD、及びロジックPLの夫々のテンプレートを管理する。
また人材派遣元向け仮想人材管理機能PAに含まれるロボット登録機能RRは、ロボットのハードウェアが持つアクチュエータのインターフェース仕様を踏まえ、アクション毎にどのような要求を出すかについて初期設定を行う。これにより、仮想人材Oは、世の中の様々なロボットの違いを吸収することができ、様々なロボットと連携することができるようになる。
さらにまた、人材派遣元向け仮想人材管理機能PAに含まれる外部API登録機能ARは、タスク指示に合わせて実行可能な外部APIの初期設定と管理を行う。これにより、仮想人材Oは、世の中の様々なAPIを利用してタスクを実行することができる。また、人材派遣元Pにより一括で外部APIが登録されることにより、派遣先Cは任意の外部APIを選択するだけで、容易に外部APIを活用することができる。
人材派遣元向け情報登録機能PFは、派遣元情報の登録を受け付ける機能である。具体的には例えば、人材派遣元向け情報登録機能PFは、内部モデルPM、言語資源データPD、ロジックPL等の登録を受け付ける。
このようにして登録された派遣元情報が、仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの希望に合った仮想人材Oが生成されるようになる。
仮想人材生成機能IFは、派遣先情報と、人材派遣元情報とに基づいて、仮想人材Oを生成又は更新する。
具体的には、仮想人材生成機能IFは、仮想人材の基本的部分I1、及び派遣先・社会環境の依存要素I2の夫々の側面を考慮して、仮想人材Oを生成又は更新する。このとき、仮想人材生成機能IFは、仮想人材Oの形態として例えば、メール&チャットボットの形態でタスクを実行する仮想人材OM、電話の形態でタスクを実行する仮想人材OC、ビデオチャットの形態でタスクを実行する仮想人材OA、及びロボットの形態でタスクを処理する仮想人材ORを生成又は更新することができる。
即ち、このような派遣先向け情報登録機能CF、人材派遣元向け仮想人材管理機能PA、人材派遣元向け情報登録機能PF、仮想人材生成機能IFの夫々の機能が発揮されることにより、仮想人材Oが生成又は更新される。そして、このようにして生成又は更新された当該仮想人材Oが、派遣先Cに派遣されるようになる。
仮想人材O自体の機能は、派遣先Cにより操作又は管理される情報処理装置(ロボット含む)において発揮されることになるが、以下説明の便宜上、派遣先端末(後述の図4の派遣先端末2)において発揮されるものとする。
仮想人材O自体の機能は、派遣先向けタスク実行環境設定機能T1と、派遣先向けタスク実行機能T2と、派遣先向け仮想人材トレーニング機能T3とを含んでいる。
派遣先向けタスク実行環境設定機能T1は、仮想人材Oが派遣先Cにおいてタスクを実行する際に必要な情報の登録を受け付ける。
派遣先向けタスク実行機能T2は、仮想人材Oがタスクを実行する際に利用される機能である。詳細は図8を用いて後述するが、仮想人材Oがタスクを実行する際には、登録された内部モデルPMに基づき、客観的解釈SA、主観的解釈SB、発話内容検討・生成SC、発話・タスク指示SDの夫々の処理が繰り返されるように実行される。
派遣先向け仮想人材トレーニング機能T3は、仮想人材Oをトレーニングする際に利用される機能である。詳細は図7を用いて後述するが、派遣先向け仮想人材トレーニング機能T3は、仮想人材Oに追加学習させるために必要な情報や、派遣先Cに派遣されている仮想人材O同士のノウハウを共有させるために必要な各種情報の登録を受け付ける。
即ち、このような派遣先向けタスク実行環境設定機能T1、派遣先向けタスク実行機能T2、派遣先向け仮想人材トレーニング機能T3の夫々の機能が発揮されることにより、仮想人材Oは、派遣先Cにおいてタスクの実行、及び追加学習を行うことができるようになる。
以上、図1を参照して、本サービスの概要について、機能の観点から説明した。
さらに以下、図2を参照して、仮想人材Oを生成又は更新するための機能のうち、派遣先向け情報登録機能CFと、人材派遣元向け情報登録機能PFと、仮想人材生成機能IFの夫々について、詳細に説明する。
図2は、図1に示す本サービスについてのより詳細な説明を示す図である。
派遣先向け情報登録機能CFは、派遣先情報として、派遣先Cが自社での業務遂行のために求める人材像や、人材への業務指示やスキルトランスファーのために必要な情報の登録を受け付ける。
生身の人間を派遣する従来の人材派遣システム(以下、「従来のリアルな人材派遣」と呼ぶ)においては、派遣先は、仮に自社が求める理想のイメージを明確に提示した場合であっても、理想のイメージに近い人間を人材として得ることは困難であった。
そこでこのような本サービスによれば、派遣先Cにより登録された派遣先情報が仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの理想のイメージに近い仮想人材Oが生成されるようになるため、派遣先Cは、自社の理想のイメージに近い人材を得ることができるようになる。
派遣先向け情報登録機能CFは、具体的には、希望人材情報CI1、利用形態CI2、人材の募集情報/マニュアルCI3等の登録を受け付ける。
希望人材情報CI1は、派遣先Cが求める人材に関する情報である。
希望人材情報CI1には、理想の人物像(架空の人物像)CI11と、実在の人物CI12が含まれ、これらの情報のうち少なくとも一方が、仮想人材生成機能IFへ提供される。
例えば、理想の人物像(架空の人物像)CI11として、理想の人物像(架空の人物像)に関する情報が仮想人材生成機能IFへ提供された場合、派遣先Cの理想の人物像のイメージに近い仮想人材Oが生成される。
また例えば、実在の人物CI12として、実在の人物に関する情報が仮想人材生成機能IFへ提供された場合、実在の人物に類似した仮想人材が、仮想人材Oとして生成される。
このように、希望人材情報CI1が仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの希望により近い仮想人材Oが生成されるため、派遣先Cが従来感じていたような、人材に対する理想と現実のギャップが縮小されるようになる。
なお説明の便宜上、希望人材情報CI1が、派遣先Cにより仮想人材生成機能IFに対して提供されることを前提として、以下説明するが、希望人材情報CI1の提供は必ずしも必須ではない。即ち、希望人材情報CI1が、派遣先Cから提供されていない場合でも、所定の希望人材情報CI1が自動的に仮想人材生成機能IFに登録されるものとする。
利用形態CI2は、派遣先Cにおいて各種タスクが実行される際の、仮想人材Oの形態に関する情報である。
利用形態CI2には、形態に関する情報として、メール&チャットボットCI21と、電話CI22と、ビデオチャットCI23と、ロボットCI24が含まれ、これらの情報のうち少なくとも1以上が仮想人材生成機能IFへ提供される。
例えば、利用形態CI2として、メール&チャットボットCI21が選択された場合、メール&チャットボットの形態でタスクを実行する仮想人材OAが生成される。また例えば、利用形態CI2として電話CI22が選択された場合、電話の形態でタスクを実行する仮想人材OCが生成される。
また例えば、利用形態CI2としてビデオチャットCI23が選択された場合、ビデオチャットの形態でタスクを実行する仮想人材OAが生成される。なおこのとき、仮想人材OAは、アバターとして出力されてもよいが、必ずしもこの限りではない。
さらに例えば、利用形態CI2としてロボットCI24が選択された場合、ロボットの形態でタスクを実行する仮想人材ORが生成される。
従来技術においては、利用形態は制限されているか、若しくは、複数の利用形態での利用といった横断的なサービスは提供されていなかった。即ち例えば、ロボットの一例であるPepperの人格が他のデバイスに提供されるようなサービスはこれまで存在していない。
そこで上述のような自由度が高い本サービスによれば、仮想人材Oは、複数の利用形態での利用といった横断的なサービスが提供されるため、従来技術では適用出来なかったような各種業務をタスクの対象範囲に入れることができる。
これにより、派遣先Cは、業務のニーズや希望する利用形態に適合した仮想人材Oの提供を容易に受けることができるため、仮想人材Oを幅広い業務に適用することができるようになり、結果として実質的な生産性の向上を達成することができるようになる。
また、換言すると、複数の利用形態が利用形態CI2として選択された場合、仮想人材Oは、選択された全ての利用形態の環境下で、同一の人格を保ちながらタスクを実行することができるため、派遣先Cに対する一貫性のあるサービスの提供が実現されるようになる。
なお、メール&チャットボットの形態でタスクを実行する仮想人材OM、電話の形態でタスクを実行する仮想人材OC、ビデオチャットの形態でタスクを実行する仮想人材OA、ロボットの形態でタスクを実行する仮想人材ORの夫々は、テキストのみの媒体、音声のみの媒体、音声と動画を組み合わせた媒体、視覚と聴覚等の身体性を持った媒体のあくまで一例であり、適宜、類似する媒体に適用させることができるものとする。
また、説明の便宜上、利用形態CI2が、仮想人材生成機能IFに対して提供されることを前提として以下説明するが、利用形態CI2の提供は必ずしも必須ではない。即ち、利用形態CI2が、派遣先Cより提供されていない場合でも、所定の利用形態CI2が自動的に仮想人材生成機能IFに登録されるものとする。
募集情報/マニュアルCI3は、派遣先Cの業務の具体的な内容を表した募集情報、また、業務遂行のために標準化された手順等をまとめたマニュアルに関する情報である。
募集情報/マニュアルCI3には、会社・組織の目的CI31と、職種・業務詳細CI32と、研修・育成情報CI33とが含まれ、これらの情報のうち少なくとも1以上が、仮想人材生成機能IFへ提供される。
従来のリアルな人材派遣においては、例えば人材の候補に対して派遣先Cの募集情報やマニュアルが提示されたとしても、提示された内容に適合する人材を探し出すことすら困難であった。
また、従来技術においても、募集情報やマニュアルに記載の情報のみではデータ量が少なく、ディープラーニング等の学習方法を適用することは困難であった。そのため、派遣先Cの業務内容を考慮したサービスを提供できていたとは言えなかった。
そこで本サービスによれば、募集情報/マニュアルCI3が仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの業務への適合率が高い仮想人材Oを生成することができるようになる。派遣先Cは、自社の業務に適合した仮想人材Oの提供を容易に受けることができるようになるため、派遣先Cは、更なる業務効率の向上を見込むことができるようになる。
またこのとき、派遣先向け情報登録機能CFは、派遣先Cに存在する、例えばテキスト、図表、数式等の様々な形式が混在したような文書情報を効率的に取り込むため、OCR(Optical Character Recognition)等の機能を備えていてもよい。これにより仮想人材Oは、文書情報を容易に取得することができるようになるため、派遣先Cに存在する情報に基づいて容易に学習をすることができるようになる。
なお説明の便宜上、募集情報/マニュアルCI3が、仮想人材生成機能IFに対して提供されることを前提として以下説明するが、募集情報/マニュアルCI3の提供は必ずしも必須ではない。即ち、募集情報/マニュアルCI3が提供されていない場合でも、所定の仮想人材Oが自動的に生成されるものとする。
人材派遣元向け情報登録機能PFは、派遣元情報として、仮想人材Oが生成される上で必要な情報の登録を事前に受け付ける。
従来のリアルな人材派遣では、広告宣伝等を用いて人材の候補者を集める手法が主流であり、効率的に人材を集められているとは言い難かった。
そこでこのような本サービスによれば、派遣元情報が、仮想人材生成機能IFに対して提供されることにより、派遣先Cの希望に合致した任意の仮想人材Oが生成されるようになる。また、派遣先情報の一部が明確ではない(派遣先Cの希望が登録されていない)場合でも、所定の情報が自動的に登録されため、一定のレベル以上の仮想人材Oが生成されるようになる。
人材派遣元向け情報登録機能PFは、具体的には、内部モデルPM、言語資源データPD、ロジックPL等の登録を受け付ける。
内部モデルPMは、例えば、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2、目的・ゴール内部モデルPM3等の情報を、意味の正規化が行われたフォーマットでモデル化して保持する。また、保持された内部モデル間の共起性や因果関係等に基づいて、各内部モデル間で適切な相互変化が実装され、全体の整合性が取られる。
即ち例えば、このような心理・感情・価値観内部モデルPM1が内部モデルPMとして採用されることにより、人の気持ちに配慮した対応が可能な仮想人材Oが生成されるようになる。また例えば、目的・ゴール内部モデルPM3が内部モデルPMとして採用されることにより、会社の目的に適合した仮想人材Oが生成されるようになる。
そしてこのように、複数の内部モデルPMの夫々が組み合わされて最適化されることで、合目的的な行動を取ることが可能な仮想人材Oが生成されるようになる。
従来技術の音声アシスタントやロボットにおいては、本サービスのような心理・感情・価値観、知識・嗜好、目的・ゴールが包括的に取り込まれ、サービス化されている例はなく、心や感情がないと表現されることがある。
一方で本サービスによれば、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2、目的・ゴール内部モデルPM3等が組み合わされて最適化されるため、発話や行動が、心理・感情・価値観、知識・嗜好、目的・ゴール等に与える影響を把握することができるようになる。即ち、特定の心理・感情・価値観、知識・嗜好、目的・ゴールに対する仮想人材Oの発話や行動が最適化されるようになる。
また殆どの音声アシスタントやロボットは、特定のタスクにのみ最適化されており、そのタスクから逸脱した状況に陥ると行動ができなくなることが多い。これは、世のなかで起こり得るすべての事象から、今行うべき分析・判断に必要な情報のみを枠(フレーム)で囲うように、選び出すことがAIには非常に難しいという問題というフレーム問題の対策を効果的に行えていないことに起因する。
一方で本サービスにおいては、複数の内部モデルが組み合わされて採用されることにより、仮想人材Oの発話、行動を左右する目的等の動機付けが、階層的に設定されるようになる。その結果、仮に特定の階層で目的範囲から逸脱した場合でも、次の階層で行動の動機付けがなされるため、仮想人材Oが機能停止せず、フレーム問題への対策を効果的に行えるようになる。
心理・感情・価値観内部モデルPM1は、心理・感情・価値観等の内的な情報が保持され、当該内的な情報の夫々の関係性が整理された上でモデル化されたものである。
従来技術においては、心理・感情・価値観に関する実装は殆どないと言われる。
一方で本サービスにおいては、心理・感情・価値観に配慮した対話、行動が促進されることにより、仮想人材Oの全体の業務の遂行レベル、さらには、周囲とのコラボレーションの質が向上するようになる。結果として、心理面、倫理面で心のある仮想人材Oが生成されるようになる。
また、心理・感情・価値観内部モデルPM1は、人間が生得的に備えている気質、本能、生理的な部分についてもシミュレートする。
さらに、心理・感情・価値観内部モデルPM1は、ロボット三原則等の仮想人材Oの生成時に順守すべき共通的な価値基準についても組み込むことができる。
知識・思考内部モデルPM2は、知識・思考等の内的な知的活動、情報が保持され、当該内的な知的活動、情報の関係性が整理された上でモデル化されたものである。
従来技術においては、その内部の判断基準は可視化されておらず、例えばディープラーニング等に関しても、基本的にはいわゆるブラックボックスである。
一方で本サービスにおいては、知識・思考内部モデルPM2は、可視化されたホワイトボックス型の知識モデル、思考モデルであり、このような知識・思考内部モデルPM2が採用されることにより、仮想人材Oは、部分的ではなく、あらゆる側面で説明可能な知能を有することになる。
即ち、本サービスによれば、知識・思考が紐づき、認識と経験の両面が生かされた継続性、成長性のある知性を有する仮想人材Oが生成されるようになる。このような、知的に動的に成長する仮想人材Oによれば、効率的な対話、行動が促進されるため、仮想人材Oの全体のタスクの実行レベル、さらには周囲とのコラボレーションの質が向上するようになる。
目的・ゴール内部モデルPM3は、個人や組織単位でのKGIやKPI等の目的・ゴールが保持され、その個人や組織単位でのKGIやKPI等の関係性が整理された上でモデル化されたものである。
従来技術の音声アシスタントやロボットは、特定のタスクのみに最適化されることが多く、例えば、会社のKGIやKPI等の、階層関係をもつ多層的な目的に対して最適化されることはない。
これに対して本サービスにおいては、派遣先Cの目的・ゴールと仮想人材Oとの関係性がモデル化されて管理されることにより、仮想人材Oの合目的的な対話、行動が促進され、結果として派遣先Cの全体の業務の遂行レベルを向上させることができる。
換言すると、本サービスによれば、仮想人材Oが、派遣先CのKPIツリーを取り込むため、仮想人材Oによる目的志向の行動が実現されるようになる。
言語資源データPDは、カリキュラムデータPDC、及びPSFデータPDP等が、意味の正規化がおこなわれたフォーマットで保持されるものである。
カリキュラムデータPDCは、仮想人材Oの育成に必要な情報が順序付けられ、優先度評価がなされた学習すべき内容のデータである。具体的には例えば、動画、静止画、テキスト等の形式のファイルや、視覚、聴覚等の各種センサからの入力情報がファイルに落としこまれたものが想定される。また、本サービスにおいては、OCR等の技術により派遣先Cに存在する文書情報が容易に取得されるため、仮想人材Oは、書籍、ビジネス文書、学術論文等に基づいて容易に学習を行うことができるようになる。
従来技術においては、データ、情報、知識、知恵のうち、データ及び情報に基づいて学習が行われ、特定のタスクに対して最適化されることが殆どである。
一方で本サービスにおいては、仮想人材Oは、データ、情報、知識、知恵のうち、知識や知恵にも踏み込み、(N4、AMRのような)意味の正規化が行われたフォーマットを適用することで、知識や知恵が持つ価値をとらえた上で、自身の学習に生かすことができる。結果として、仮想人材Oは、より高い学習効果を上げることができる。
このように、カリキュラムデータPDCの戦略性を高めることにより、仮想人材Oの学習効率が上がり、結果として、仮想人材Oの業務遂行能力を高めることができるようになる。
PSFデータPDPは、意味表現の解像度の高い、キーバリュー形式のような簡易な形でマシンリーダブルな意味データベースである。即ち、PSFデータPDPは、いわゆる格フレームやオントロジー情報等を含んだ知識の集合体である。
本サービスの仮想人材Oにおいては、PSFデータPDPを外部知識的に位置づけて、辞書のように予め用意される「一極集中&既設型」のケースと、PSDデータPDPをゼロから生成される知能的に位置づけた「分散&動的生成型」のケースが採用される。即ち、意味データベースを事前に用意して外部参照するケースと、意味データベースを知能そのものとして位置付けるケースが存在する。なお「一極集中&既設型」のケースにおいては、そのPSFデータPDPの形成時には、認識ロジックは、サンプル数に応じて利用可能な最も効果のあるアルゴリズムが活用される。一方で、「分散&動的生成型」のケースは、あたかも幼児を育てるようにゼロから段階的に整備される。
従来技術においては、「一極集中&既設型」のPSFデータは、格フレーム情報やオントロジー情報に類似するが、その殆どが静的で動的更新性がなく、また、その内部情報自体は、自然言語で直接記述されるため、マシンリーダブル性が必ずしも高くない。
また従来技術において「分散&動的生成型」のPSFデータは、従来の認知言語学的アプローチ的な側面が強く、このようなアプローチで知識データベースの生成が成功した例は殆ど見当たらない。
これに対して本サービスによれば、PSFデータPDPが存在すること、あるいはPSFデータPDPを作り出せることにより、意味表現の解像度が上がり、自然言語を解釈する過程の中での意味の欠落を低減させることができる。
即ち、従来認識されなかったことについて認識されることが多くなるため、仮想人材Oは、的確な状況判断ができるようになる。その結果として、仮想人材Oの、効率的な対話、行動が促進され、全体の業務の遂行レベル、さらには周囲とのコラボレーションの質が向上するようになる。
以上説明したように、PSFデータPDPとは、意味表現の解像度が高く、内部的には、意味の抽象関係が整理されているものであって、コンテキスト毎に整理されている意味の表現の解像度が高い知識と知識の関係性をまとめたデータベースである。なお、PSFデータPDPの更なる詳細については後述する。
コンテキストとは、認識対象に対しての周辺情報を、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータでまとめたものであるが、これについての詳細は図40を用いて後述する。
ロジックPLには、仮想人材Oを形成する上で核となる機能が、語尾にロジックという言葉がつけられたアルゴリズムの単位で含まれる。即ち、ロジックPLには、パーソナライズ要約ロジックPL1、認識形成ロジックPL2、コンテキスト推定ロジックPL3、IfthenルールロジックPL4、個性別アバター生成ロジックPL5、プライバシ保護データマイニングロジックPL6等が含まれる。
上述した各種ロジックは、仮想人材Oの個性に関する情報に合わせてカスタマイズされ、また、PSFデータPDPの動的成長に合わせて活用レベルが上昇する。
またロジックPLは、ストラテジーパターンとしてデータ化され、容易に入替、組替、自由選択が可能である。さらに、ロジックPL自体は、容易に追加可能であり、仮想人材Oが生成されていく上で、日々の洗練により成長する。
従来技術において、例えば機械学習が採用される場合、一般的にはビッグデータから学習モデルの形成がなされる。仮に、当該機械学習が教師あり学習である場合、その教師データに最適化はされているものの、一方で、ロジックとしてはいわゆるブラックボックスであり、容易にロジックの交換、追加等が可能な仕組みではない。また例えば、転移学習等により特定の学習結果から応用的に新たなロジックを作り出すことはできても、それ自体も新たな特定のタスクへの最適化をしているだけであり、依然ブラックボックスのままであり、容易にロジックの交換、追加ができるわけではない。
また、従来技術において、ルールベース系が採用される場合、ロジック自体が静的に実装されていることが多く、容易に交換、追加できないことが殆どである。
これに対し本サービスにおいては、仮想人材Oの知能を司る静的な部分はデータであるが、動的な思考の部分はロジックによって実現される。これにより、仮想人材Oは、より柔軟な思考を行うことができるようになる。
パーソナライズ要約ロジックPL1は、上述したように、仮想人材Oが、物事を理解したり、相手と会話する際に利用されるロジックである。このパーソナライズ要約ロジックPL1が利用されることにより、仮想人材Oは、利用可能な語彙に合わせて文章を簡潔に言い換えることができるようになる。
なお、このようなパーソナライズ要約ロジックPL1による処理が実現される際には、PSFデータPDPのような意味表現の解像度が高く、内部的には意味の抽象関係が整理されているデータが併せて必要となる。
従来技術においては、相手の理解度を推定しながら、相手に合わせて物事を言い換えることは実現されていない。そもそも、機械学習、特にディープラーニングによる教師あり学習の仕組みは、過去の膨大のデータに基づいて、最もそれらしいものを出力するといったものである。つまり、比喩的に表現すると、従来技術の音声アシスタントやロボットは、全ての問題や解答を用意することが現実的には難しいので「問題や解答をひたすら丸覚えした学習者」に近い状態になりやすい方法といえる。
一方でこのような、PSFデータPDPやパーソナライズ要約ロジックPL1に基づいて生成された仮想人材Oは、意味表現の解像度が高いことにより、説明可能な状態で「本質的な要点を理解して応用できる学習者」に近い状態である。
換言すると、従来技術の音声アシスタントやロボットと、本サービスにおける仮想人材Oとの違いは、リアルな世界での「問題や解答をひたすら丸覚えした学習者」と「本質的な要点を理解して応用できる学習者」の違いに近いと言える。
具体的には、本サービスの仮想人材Oは、物事を理解する際に、自身がわかる言葉で言い換えた上で物事を理解できるようになるため、表層的な理解ではなく無く、後述する既存の知識レベルの体系と相関が取れる形での深い理解を実現させることができる。
またパーソナライズ要約ロジックPL1と内部モデルPMが併せて活用されることにより、仮想人材Oは、相手側の利用可能語彙を予測し、相手に分かる形で自分の伝えたい情報を表現できるようになるため、会話の円滑度合いが劇的に向上するようになる。
認識形成ロジックPL2は、認知バイアスと統計処理との組み合わせにより、仮想人材Oが、自身の経験や知識から物事をどのように認識するかについて判断する。認識形成ロジックPL2の詳細については、図46を用いて後述する。
なお、このような認識形成ロジックPL2が仮想人材Oへ適用される際には、後述するパーソナリティIBPに応じた個性的な紐付けが行われる。
また、認識形成ロジックPL2には、認知言語学の知見が全面的に取り入れられてもよい。
従来技術のサービスの提供においては、いわゆるビッグデータと呼ばれるように、一定以上のデータ量が要求される。そのため例えば転移学習のように、他の分野、タスクで学習した学習モデルを、従来技術の音声アシスタントやロボットに再利用しようとする動きは多い。しかしながら、全体としてデータ量が少ない分野においては、なおも成果を出せず、産業適用に失敗している。
これに対して本サービスにおける認識形成ロジックPL2は、データ量の多い少ないに関わらず利用できる。また、認識形成ロジックPL2には、データに基づいて動的に賢くなるプロセスが組み込まれているため、産業上適用されやすいという利点もある。
つまり、本サービスにおいては、データ量が少ない場合でも、それなりの結論を出して、思考停止に陥ることを防ぐことができる。その上で、仮想人材Oは、現場での経験を積むことができるので、徐々にサンプル数を増やし、正しい統計的な判断ができるように成長する。このような仮想人材Oにおいては知識の再利用性が高まるため、特に未知の分野への対応を求められる場合において、効率向上の効果がある。動的に賢くなるプロセスの詳細についても、図46において説明する。
このように、仮想人材Oは、知識を無理なく拡充することができるため、派遣先Cにおける効率的な対話、行動が促進され、全体の業務の遂行レベルを向上させることができるようになる。また、仮想人材Oは、周囲とのコラボレーションの質を向上させることができるようになる。
コンテキスト推定ロジックPL3は、仮想人材Oが業務を遂行する上で関わる全ての情報に対し、コンテキストを推定する。即ち、コンテキスト推定ロジックPL3は、PSFデータPDPを中心に、仮想人材Oで扱われる全ての情報に対して、コンテキストの推定・検証を徹底する。
従来技術においては、話し相手の意図が極めて限定された状況下で、インテントスロット型のチャットボット等により相手の意図が推測され、その推測に基づきそれらしい情報提示やアクションが実行されるに過ぎなかった。
一方で本サービスにおいては、全ての情報に対してコンテキストの推定がなされることにより、仮想人材Oの相手の意図を予測する力がより向上するようになる。即ち、本サービスによれば、言葉がどのような意味で使われているかといった語義曖昧性の解消や、問題を解く際に適用可能な理論の特定精度を向上させることができる。結果として、仮想人材Oの、会話における誤解の低減や、思考の質の向上を見込むことができるようになる。コンテキストを利用した効果についての詳細は、図40乃至図45を用いて後述する。
IfthenルールロジックPL4は、仮想人材Oが、各業務の場面毎に、どのような発話、あるいはどのような行動をするか、判断する際の拠り所となるロジックである。
具体的には、IfthenルールロジックPL4は、[If 条件 then 実施するアクション]という形式をとり、条件に適合した際にアクションを実施するというルールの集合体である。なおこのとき、コンテキストが[If 条件 then 実施するアクション]の「条件」の部分に入ることが多いため、コンテキスト認識の質がIfthenの質を左右する。
また、IfthenルールロジックPL4が仮想人材Oへ適用される際には、後述するパーソナリティIBPに応じた個性的な紐付けが行われ、かつ、適切な優先順位付けが行われる。そのため、同一のIfthenルールロジックPL4のセットが複数の仮想人材Oに適用された場合でも、各ルールの適用順序が異なる場合は、複数の仮想人材Oの夫々のアクションは異なるようになる。
従来技術においても、状況を認識して適切な処理を実行する仕組みは実装されているが、従来技術と、本サービスとの相違点は、Ifthenの「条件」の部分に入るコンテキストの認識や推定の精度に集約される。
即ち、本サービスにおいては、コンテキストの認識や推定の精度が向上することより、仮想人材Oが各場面で選択したアクションの適合度が、従来技術と比較して向上することになる。
即ち、仮想人材Oは、タスクの実行の様々な場面で適切な応対を行うことができるようになるため、派遣先Cにおける効率的な対話、行動が促進され、結果として派遣先Cの全体の業務の遂行レベルを向上させることができるようになる。また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質を向上させることができるようになる。
個性別アバター生成ロジックPL5は、仮想人材Oの具体的な外見、声等をアバターとして生成する。即ち、個性別アバター生成ロジックPL5は、アバターを生成する。個性別アバター生成ロジックPL5は、個性に合わせたアバターを生成することができるし、例えば外部から容易に指定され得るため、アニメのキャラクター等を固定的に指定することでそのアバターを生成することができる。
従来技術においては、そもそもアバターを伴うサービスが提供されることは殆どない。例えば、人格を有する従来技術は存在するが、これらは、派遣先の希望に合わせて、そのアバターが差し替えられるようなことはない。
一方で本サービスにおいては、様々な業務ニーズに応じた外見を持つアバターを生成できる仕組みを有することにより、どのような環境下でも仮想人材Oの感情状態が周囲に伝わりやすくなり、結果として、派遣先Cにおける効率的な対話、行動が促進され、結果として、派遣先Cの全体の業務の遂行レベルを向上させることができるようになる、また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質を向上させることができるようになる。
プライバシ保護データマイニングロジックPL6は、仮想人材Oのプライバシを守ることを通じて企業機密の保全を図りながら、一方で、仮想人材O同士のノウハウの相互共有を行う。また、プライバシー保護のために必要な匿名化の技術等も含んだ形で、プライバシ保護データマイニングロジックPL6と定義する。
仮想人材Oが生成される際に派遣先Cから提供される情報は、機密性の高いものが含まれるため、保護する必要がある。しかしながらその一方で、同じ派遣先Cに派遣されている複数の仮想人材Oの間では、ノウハウを共有させながら夫々の業務遂行力をより向上させていく必要もある。
即ち、本サービスによれば、派遣先Cの機密情報を保護しながら、業務全体での組織知の形成を促進することができる。
仮想人材生成機能IFは、派遣先情報と、人材派遣元情報とに基づき、仮想人材Oを生成又は更新する。
従来のリアルな人材派遣システムにおいては、人材の候補者に関する情報の管理は非常に煩雑であり、面談等を含む採用プロセスには時間やコストがかかっていた。
また、従来技術においても、データに基づいて学習モデルを生成するという流れが主流であり、そもそも、従来技術の例えば音声アシスタントやロボットを派遣するという概念は無い。したがって当然ながら、派遣先Cや人材派遣元Pから提供される情報を融合して、仮想人材Oを生成するという発想は存在しなかった。
本サービスによれば、派遣先Cのニーズに適合した仮想人材Oが生成されて派遣されるため、派遣先Cは、人材の候補者に関する情報管理や、面談等の煩雑なプロセスを要することなく、容易に人材を確保することができるようになる。
なお、仮想人材生成機能IFは、提供される派遣先情報が多いほど、より派遣先Cのニーズに適合した仮想人材Oを生成することができるが、派遣先Cから派遣先情報が提供されない場合でも、仮想人材生成機能IFは、所定の条件に基づき自動的に仮想人材Oを生成する。即ち、仮想人材生成機能IFは、情報の提供の有無を含めた設定状況に応じて、派遣先情報条件に可能な限り適合した仮想人材Oを生成することができる。
仮想人材生成機能IFにおいては、いわゆる人を作る部分である仮想人材の基本的部分I1と、派遣先の情報や社会環境に依存する派遣先・社会環境の依存要素I2とが考慮される。
仮想人材の基本的部分I1には、仮想人材Oの精神的側面として、パーソナリティIBPと、知識・経験IBIと、思考IBC、また仮想人材Oの身体的側面として、身体性IBBが含まれる。
パーソナリティIBPは、気質や性格を含むパーソナリティを有する人材が行うふるまいをできる機能を仮想人材Oに付与する。
パーソナリティIBPには、気質IBP1、及び性格IBP2が含まれる。
気質IBP1は、人材が生まれつき持っているような心的傾向を有する人材が行うふるまいをできる機能を仮想人材Oに付与する。人材の心的傾向の設定に関しては、生理的に脳内で分泌される物質であるドーパミン、セロトニン、テストステロン、エストロゲン等の作用の傾向に着目した手法等数々の心的モデルが存在するが、複数のモデルを取込ながらアンサンブル処理をすることによって統合的に管理される。
このように、人材の心的傾向は、上述の脳内物質の作用の傾向に紐付けられて管理されるため、派遣先Cからどのような心的傾向の仮想人材Oの希望があった場合でも、対応することが可能になる。
機能的で心が無いと言われている従来技術に対し、本サービスにおける仮想人材Oは、心を表現する形で社会に貢献する。
即ち、このような気質IBP1において仮想人材Oの気質を有する人材が行うふるまいをできる機能が管理されることにより、仮想人材Oは例えば以下のような点で個性を表現することが出来るようになる。
具体的には、探索行動、興奮、経験や冒険の追求、退屈への耐性、抑制の欠落、熱意、自分を省みる気持ちの欠落、エネルギーやモチベーションの増加、物理的及び知的探求、認知の柔軟性、好奇心、アイディアの創造、言語的な独創性、非言語的な独創性の向上、社交性、不安の感受性、外向性、「親しい友人がいない」傾向、前向きな気分へのなりやすさ、信仰心の篤さ、調和の重視度、秩序ある行動への傾向、誠実さ、物事を具体的に考える傾向、自制心、注意深さ、新規探究心、図や数字を使った創造力、細部に目が行き届く傾向、集中力、関心の対象の幅、感情の抑制、感情の氾濫、社会的な優位性や攻撃性、社会的感受性の低さ、空間や数字に対する鋭敏な感覚、流暢性をはじめとする言語的スキルの高さ、共感しやすさ、面倒見の良さ、社会への愛着をはじめとする社会性に関係する能力を活用したいという意欲、文脈に即して考える力、想像力、精神的な柔軟性等が想定される。
このような個性の表現がなされた結果として、例えば、仮想人材Oの感情豊かに感じられる応対や効率的な対話や行動が促進されるため、全体の業務の遂行レベルの向上につなげることができる。また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質も向上するようになる。
性格IBP2は、先天的な気質の影響を受けつつも、後天的に経験や知識を通して形成される心的、行動等の特徴を有する人材が行うふるまいをできる機能を、仮想人材Oに付与する。人材の性格の整理においては、従来より協調性、外向性、開放性、誠実性、神経症的傾向の5つの軸等数々の心的モデルが存在するが、最終的には複数のモデルを取込ながらアンサンブル処理をすることによって個性が表現される。
即ち、このような性格IBP2において仮想人材Oの個性が感じられる応対が表現されることにより、派遣先Cに対する仮想人材Oの感情豊かに感じられる応対や効率的な対話や行動が促進されるため、派遣先Cの全体の業務の遂行レベルを向上させることができる。また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質も向上させることができるようになる。
なお、パーソナリティIBPは、主として派遣先Cから提供される希望人材情報CI1に基づいて生成されるが、特にこれに限定されない。派遣先Cから希望人材情報CI1が提供されない場合でも予め設定された情報に基づき、パーソナリティが生成されてもよい。これにより例えば、派遣先Cが、希望する人材の心的傾向や性格について条件を明確に設定することができなかった場合でも、一定以上の心的傾向や性格を有する人材が行うふるまいをできる機能を持つ仮想人材Oが生成されるようになる。
知識・経験IBIでは、仮想人材Oの知識・経験に関する情報が生成される。
知識・経験IBIには、学習歴・知見IBI1、及びスキル・経験IBI2が含まれる。
学習歴・知見IBI1は、学習歴や知見を記述した情報を、仮想人材Oに付与する。
学習歴・知見IBI1は、希望人材情報CI1、カリキュラムデータPDC、及びPSFデータPDPに基づいて、適切な学習歴や知見を記述した情報を備えた仮想人材Oを生成する。
従来のリアルな人材派遣においては、タスクによっては、派遣先Cが理想とする学習歴・知見を持つ人材を探すことは困難であった。
そこで本サービスにおいては、派遣先Cが求める人材に近い学習歴・知見を持つ仮想人材Oが容易に生成されるようになる。その結果として例えば、派遣先Cにおける仮想人材Oの効率的な対話や行動が促進されるため、派遣先Cの全体の業務の遂行レベルを向上させることができる。また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質も向上させることができるようになる。
スキル・経験IBI2は、スキルや経験に関する情報を、仮想人材Oに付与する。
スキル・経験IBI2は、希望人材情報CI1、募集情報/マニュアルCI3、カリキュラムデータPDC、及びPSFデータPDP等に基づいて、適切なスキルや経験に関する情報を有する仮想人材Oを生成する。
なお、スキル・経験IBI2は、スキルや経験に関する情報の調整を行う。
従来のリアルな人材派遣においては、派遣先Cが理想とする業務スキル・経験を持つ人材を探すことは困難であった。
そこでスキル・経験IBI2を含む本サービスによれば、派遣先Cが求める人材に近い業務スキルや経験を持つ仮想人材Oが容易に生成されるようになる。その結果として例えば、仮想人材Oの効率的な対話や行動が促進されるため、全体の業務の遂行レベルが上がり、また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質も向上するようになる。
なお、知識・経験IBIは、主として、日々の洗練によりそのスキルや経験のレベルを随時拡充・強化されるが、これに限定されない。即ち、仮想人材Oのスキルや経験のレベルは、派遣先Cにより選択されたサービスプラン等に応じて変更されてもよいものとする。
思考IBCは、思考に関する機能を、仮想人材Oに付与する。
思考IBCには、思考・推論パターンIBC1、及び読解力/表現力IBC2が含まれる。
思考・推論パターンIBC1は、思考や推論パターンを仮想人材Oに付与する。
即ち、思考・推論パターンIBC1は、認識形成ロジックPL2、IfthenルールロジックPL4等に基づいて、仮想人材Oの思考・推論パターンを生成する。
なお、思考・推論パターンIBC1においては、気質IBP1及び性格IBP2においてまとめられた情報に基づいて、思考・推論パターンの個性が発現できるように調整されてもよい。
従来のリアルな人材派遣においては、派遣先Cが理想とする思考・推論パターンを持つ人材を探すことは困難であった。
そこで本サービスにおいては、複数のロジックが組み合わされてまとめられることにより、仮想人材Oの思考・推論パターンが柔軟に拡張されやすくなる。結果として例えば、派遣先Cにおける仮想人材Oの成長が促進されることで、派遣先C全体の業務の遂行レベルを向上させることができる。また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質を向上させることができるようになる。
読解力/表現力IBC2は、読解力や表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能を仮想人材Oに付与する。
読解力/表現力IBC2は、読解力を有する人材が行うふるまいをできる機能と、表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能に大別される。
読解力を有する人材が行うふるまいをできる機能は、パーソナライズ要約ロジックPL1、及びコンテキスト推定ロジックPL3に基づいて、仮想人材Oの読解できる機能を生成する。
また、表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能は、パーソナライズ要約ロジックPL1、コンテキスト推定ロジックPL3、及びIfthenルールロジックPL4に基づいて、仮想人材Oの表現できる機能を生成する。
また読解力を有する人材が行うふるまいをできる機能、及び表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能の夫々においては、気質IBP1及び性格IBP2の2つの機能でまとめられた情報に基づいて夫々読解力、及び表現力の個性が感じられるように調整される。
従来のリアルな人材派遣においては、派遣先Cが理想とする読解力や表現力を持つ人材を探すことは困難であった。
一方で本サービスにおいては、複数のロジックが組み合わされてまとめられることにより、仮想人材Oの読解力や表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能が柔軟に拡張されやすくなる。結果として例えば、派遣先Cにおける仮想人材Oの読解力や表現力を有する人材が行うふるまいをできる機能が改善されることで、派遣先Cの全体の業務の遂行レベルが上がり、また、仮想人材Oと周囲とのコラボレーションの質を向上させることができるようになる。
なお思考IBCは、主として、日々の洗練によりそのレベルが随時拡充・強化されるが、これに限定されない。即ち、仮想人材Oの思考に関する機能のレベルは、派遣先Cにより選択されたサービスプラン等に応じて変更されてもよいものとする。
身体性IBBは、身体性を仮想人材Oに付与する。
身体性IBBには、ハードウェア形態・性能IBB1、及び外見(アバタ―)IBB2が含まれる。
ハードウェア形態・性能IBB1は、ハードウェアの形態を生成する機能と、ハードウェアの性能を生成する機能とに大別される。
ハードウェアの形態を生成する機能は、利用形態CI2に基づいて、接続用のインターフェースを用意する。具体的には例えば、ハードウェアの形態を生成する機能は、生成される接続用のインターフェースを通して、メールの場合は特定のメールアドレス、チャットボットの場合は特定のアカウント、電話の場合は特定の番号、あるいは特定の番号+担当者名、ビデオチャットの場合は特定のアカウント、ロボットの場合は接続先のアクセスポイントを、インターフェースに対して設定する。このような機能により仮想人材Oの接続用インターフェースが生成されると、派遣先Cは、派遣元向けタスク実行環境設定機能T1において、仮想人材O毎に具体的なアクセス情報を設定する。
従来技術は、APIとして提供されることが殆どであり、一部の音声アシスタント除き、人間的なインターフェースが前面に提供されることはなかった。
一部の音声アシスタントでは、人間的なインターフェースが幾つかの機器で実装されているが、提供される人格は画一的であり、1つのブランド名で提供されている。つまり、本サービスにおける仮想人材Oのように、派遣先Cの希望に基づいてカスタマイズされ、精神的側面や身体的側面が異なる人格が、メール&チャットボット、電話、ビデオチャット、ロボット等を横断する形で一貫して提供されることは、従来技術にはなかった。
また、このような本サービスにおいては、希望する利用形態で仮想人材Oを活用するためのアクセスポイントが生成されることによって派遣先Cは、容易に仮想人材Oを業務に適用することができるようになる。
ハードウェアの性能を生成する機能は、登録された利用形態CI2に基づいて、夫々の利用形態が動作するハードウェアの性能や容量等の仕様情報に基づいて、夫々の動作環境に応じた仮想人材Oを生成する。
なおここでいうハードウェアとは、例えば、人間で言う長期記憶、短期記憶、ワーキングメモリや脳神経細胞間の伝達、思考を司る部分が対象であり、仮想人材Oにおける記憶媒体、ネットワーク、各種演算装置が相当する。
従来技術においても、エッジコンピューティングということで、軽量なハードウェアの上で学習モデルを実行できるような試みはなされている。
本サービスにおいても同様に、エッジコンピューティングで行われているようなハードウェアの性能に基づいて仮想人材Oを生成する機能が発揮されることにより、ハードウェアの制約に応じて、仮想人材Oがチューニングされ、結果として、限られた環境の中でも仮想人材Oが動作するようになる。
具体的には例えば、記憶媒体の容量の大小によって、仮想人材Oのワーキングメモリの大小が決定され、仮想人材Oの連続した思考への対応能力の高低が調整される。但し、調整できる範囲は限界があるため、仮想人材Oの提供時の各ハードウェアの推奨仕様は明示されてもよい。
外見生成機能IBB2は、仮想人材Oに外見(アバター)を付与する。
外見生成機能IBB2は、例えばビデオチャットのような、アバターが必要な利用形態が選択されているケースにおいて、気質IBP1、及び性格IBP2の2つの機能でまとめられた情報に基づき、個性別アバター生成ロジックPL5を適用することでアバターを生成する。具体的には例えば、パーソナリティや年齢等に応じて架空の人物の外見を自動生成するパターンや、既存の人物の外見をコピーするパターンや、既存のキャラクターをコピーするパターンが挙げられる。
なお身体性IBBは、主として派遣先Cから提供される利用形態CI2に基づいて生成されるが、特にこれに限定されない。派遣先Cから利用形態CI2が提供されない場合でも予め設定された情報に基づき、所定のレベルの身体性が生成されてもよい。これにより例えば、派遣先Cが、希望する人材の心的傾向や性格について条件を明確に設定することができなかった場合でも、一定以上の心的傾向や性格を有する仮想人材Oが生成されるようになる。
機能的で心が無いと言われている従来技術に対して、本サービスにおける仮想人材Oは、アバターを通じて心を表現する形で社会に貢献する。即ち、本サービスにおいてアバターが提供されることにより、仮想人材Oの精神的側面が会話の相手に伝わりやすくなり、円滑なコミュニケーションが実現される。
派遣先・社会環境の依存要素I2には、仮想人材Oの環境的側面として、職場環境/要求スキルIEW、社会環境/文化IBSが含まれる。
職場環境/要求スキルIEWは、派遣先Cの職場環境や、派遣先Cからの要求されるスキルに関する情報を仮想人材Oに付与する。
職場環境/要求スキルIEWには、目的・ゴールIEW1、及び研修カリキュラムIEW2が含まれる。
目的・ゴールIEW1は、知識・思考内部モデルPM2と、目的・ゴール内部モデルPM3とを統合的に活用することによって、派遣先CのMVV(Mission、Vision Values)や、KGI(Key Goal Indicator)や、KPI(Key Performance Indicator)等を踏まえる。
従来技術においては、特定のタスクに対して最適化された学習モデルが生成されることが殆どであり、会社の一連のMVVやKGI、KPIが総体的に捉えられて、処理に反映されるようなことはなかった。
一方で本サービスにおいては、仮想人材Oが思考・行動を決定する上で常にMVVやKGI、KPIを踏まえたうえで処理されるため、仮想人材Oは、合目的的な方向での業務活動を行うことができる。
研修カリキュラムIEW2は、募集情報/マニュアルCI3を軸にしつつ、そのうえで、人材派遣元Pにより提供されるカリキュラムデータPDCを統合して、仮想人材Oが学習すべき内容を、派遣先Cの業務を中心とした形で統合する。
従来技術においては、特定のタスクに対してビッグデータを用いて最適化された学習モデルが生成されるため、マニュアルのようなデータ量では、そもそも学習モデルを生成することが困難であった。
一方で本サービスにおいては、募集情報/マニュアルCI3の情報が、パーソナライズ要約ロジックPL1等が適用されることによって読み込まれるため、効果的に情報が活用されるようになる。そのため、派遣先Cの業務が尊重・重視された形で人材派遣元Pのノウハウが融合されることになり、結果的に、より派遣先Cの現場のニーズに適合し、かつ一般的なノウハウに関する情報が付与された仮想人材Oが生成されるようになる。マニュアルが具体的にどのように読み込まれるかの詳細は、図50を用いて後述する。
職場環境/要求スキルIEWは、主として派遣先Cから提供される募集情報/マニュアルCI3に基づいて生成されるが、特にこれに限定されない。派遣先Cから募集情報/マニュアルCI3が提供されない場合でも、予め設定された情報に基づき、仮想人材Oが生成されてもよい。これにより例えば、派遣先Cが、職場環境や要求スキルについて条件を明確に設定することができなかった場合でも、一定以上の心的傾向や性格を有する仮想人材Oが生成されるようになる。
社会環境/文化IBSは、社会環境や、文化に関する情報を仮想人材Oに付与する。
社会環境/文化IBSには、言語/共通的知識IBS1、及び共通的価値観・文化IBS2が含まれる。
言語/共通的知識IBS1は、人材派遣元Pにより提供されるカリキュラムデータPDCを活用して、仮想人材Oが備えるべき言語/共通的知識を、仮想人材Oの精神的側面や、派遣先Cの業務に最適化する形で、知識・思考内部モデルPM2を中心に統合する。
従来のリアルな人材派遣においては、派遣先Cにとって理想的な言語や共通的知識を持つ人材を容易に探すことは困難であった。
一方で本サービスにおいては、より派遣先Cの現場のニーズに適合した、かつ社会環境/文化を考慮した一般的なノウハウも持った仮想人材Oが生成されるようになる。
共通的価値観・文化IBS2は、人材派遣元Pにより提供されるカリキュラムデータPDCを活用して、仮想人材Oが備えるべき共通的価値観・文化を、仮想人材Oの精神的側面や、派遣先Cの業務に最適化する形で、心理・感情・価値観内部モデルPM1を中心に統合する。
従来のリアルな人材派遣においては、派遣先Cにとって理想的な共通的価値観・文化を持つ人材を容易に探すことは困難であった。
一方で本サービスにおいては、より派遣先Cの現場のニーズに合い、かつ社会環境や文化を考慮した一般的なノウハウに関する情報も持った仮想人材Oが生成されるようになる。
以上、図2を参照して、仮想人材Oを生成又は更新するための機能のうち、派遣先向け情報登録機能CFと、人材派遣元向け情報登録機能PFと、仮想人材生成機能IFとの夫々について説明した。
このような各種機能の発揮により生成された仮想人材Oは、派遣先Cに派遣され、各利用形態において業務を遂行することができるようになる。
次に、図3を参照して、派遣先Cにおいて、仮想人材Oが遂行可能な業務の一例について説明する。
図3は、図1の本サービスの仮想人材が適用される対象業務について説明する表である。
図3において、メール&チャットボットの形態で職務を遂行する仮想人材OM、電話の形態で職務を遂行可能な仮想人材OC、ビデオチャットの形態で職務を遂行可能な仮想人材OA、及びロボットの形態で職務を遂行可能な仮想人材ORの夫々の利用形態が、適用可能な対象業務を〇で示し、さらにそのうち、より適正のある対象業務を◎で示している。
即ち例えば、メール&チャットボットの形態で職務を遂行する仮想人材OMは、人を救う業務として相談、物を売る業務として営業、アフターフォロー等に対して特に適正がある。
電話の形態で職務を遂行可能な仮想人材OCは、人を救う業務として相談、物を売る業務としてアフターフォロー等に対して特に適正がある。
また、ビデオチャットの形態で職務を遂行可能な仮想人材OAは、人を見つける業務として、募集、紹介、人を救う業務として相談、人を育てる業務とし教育、物を得る業務として調達、購入、物を売る業務として、営業、販売、広告・宣伝、アフターフォロー等に対して、特に適正がある。
さらにまた、ロボットの形態で職務を遂行可能な仮想人材ORは、実際に身体が存在することから、人を救う業務として介護、人を守る業務として警護、人を育てる業務として育児、教育、物を売る業務として販売といったような、存在することに意味がある業務に対して特に適正がある。
次に、図4を用いて、本サービスが適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理システムの一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成について説明する。
図4は、図1の本サービスが適用される情報処理システム、即ち、本発明の情報処理システムの一実施形態に係る構成の一例を示す図である。
図4に示す情報処理システムは、サーバ1と、派遣先端末2と、派遣元端末3とをインターネット等の所定のネットワークNを介して相互に通信するように構成される。
サーバ1は、本サービスの図示せぬサービス提供者により管理される。
派遣先端末2は、派遣先Cにより操作され、サーバ1に対して、派遣先情報を提供する。
派遣元端末3は、人材派遣元Pにより操作され、サーバ1に対して派遣元情報を提供する。
次に、図5を用いて上述した情報処理システムを構成するサーバ1のハードウェア構成の一例について説明する。
図5は、図4の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報が入力される。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成される。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
なお、図示はしないが、図4の情報処理システムの派遣先端末2と、派遣元端末3とは、図5に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有しているため、ここではそれらの説明は省略する。
このようなサーバ1等の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、仮想人材Oを生成又は更新するための処理(以下、「仮想人材生成更新処理」と呼ぶ)と、仮想人材Oによるの処理(以下、「人材派遣処理」と呼ぶ)の実行が可能になる。
仮想人材生成更新処理とは、派遣先情報、派遣元情報の登録を受け付け、サーバ1において仮想人材Oが生成されて更新までの一連の処理をいう。
また、人材派遣処理とは、仮想人材Oが、派遣先Cでタスクを実行するために必要な環境設定、タスクの実行、そして追加学習等のトレーニングを受けるまでの一連の処理をいう。
サーバ1は、仮想人材生成更新処理を実行するにあたり、図6に示すような機能的構成を有する。
そこで、以下、図6を参照して、本実施形態に係るサーバ1等において実行される仮想人材生成更新処理を実行するための機能的構成について説明する。
図6は、図5の情報処理システムのサーバの機能的構成のうち、仮想人材生成更新処理の際に機能する機能的構成の一例を示す図である。
図6に示したサーバ1の記憶部18の一領域には、仮想人材DB61が設けられている。また、仮想人材DB61には、仮想人材O自体に関する各種情報が記憶される。
仮想人材生成更新処理が実行される際には、サーバ1のCPU11において、派遣先情報取得部51と、人材派遣元情報取得部52と、仮想人材生成更新部53と、仮想人材派遣部54とが機能する。
派遣先情報取得部51は、希望人材情報取得部511、利用形態情報取得部512、募集情報/マニュアル情報取得部513により構成される。
希望人材情報取得部511は、派遣先情報のうち、派遣先Cが求める人材に関する情報(例えば、図1の理想の人物像CI11、実在の人物CI12等)を取得する。
利用形態情報取得部512は、派遣先情報のうち、派遣先Cにおいて各種タスクを実行する際の仮想人材Oの形態に関する情報(例えば、図1のメール&チャットボットCI21、電話CI22、ビデオチャットCI23、ロボットCI24)を取得する。
募集情報/マニュアル情報取得部513は、派遣先情報のうち、派遣先Cの業務の具体的な内容を表した募集情報、また、業務遂行のために標準化された手順等をまとめたマニュアルに関する情報(例えば、図1の会社・組織の目的CI31、職種・業務詳細CI32、研修・育成情報CI33)を取得する。
人材派遣元情報取得部52は、モデル取得部521、データ取得部522、ロジック取得部523により構成される。
モデル取得部521は、派遣元情報のうち、心理・感情・価値観等の通常目に見えない内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理された上でモデル化されたものや、知識・思考等の通常目に見えない内的な知的活動、情報を保持し、当該情報の関係性が整理された上でモデル化されたものや、個人や組織単位でのKGIやKPI等の目的・ゴールとその内部的な関係性が整理されて、モデル化されたもの(例えば、図1の内部モデルPM)を取得する。
データ取得部522は、派遣元情報のうち、仮想人材Oの育成に必要な情報が順序付けられ、優先度評価がなされた学習すべき内容のデータや、意味表現の解像度の高い、マシンリーダブルな意味データベース(例えば、図1の言語資源データPD)を取得する。
ロジック取得部523は、派遣元情報のうち、仮想人材Oが、物事を理解したり、相手と会話する際に利用されるロジックや、自身の経験や知識から物事をどのように認識するかについてのロジックや、仮想人材Oが業務を遂行する上で関わる全ての情報に対し、コンテキストを推定するロジックや、仮想人材Oが、各業務の場面毎に、どのような発話、あるいはどのような行動をするか、判断する際の拠り所となるロジックや、仮想人材Oの具体的な外見、声等を生成するロジックや、派遣先Cの企業機密の管理や、仮想人材同士のノウハウの相互共有に関するロジック等(具体的には例えば、図1の各種ロジックPL)を取得する。
仮想人材生成更新部53は、取得した派遣先情報と、派遣元情報とに基づき、仮想人材Oを生成又は更新する。
そして、仮想人材生成更新部53は、生成又は更新した仮想人材Oに関する情報を、仮想人材DB61に格納することにより記憶させる。
仮想人材派遣部54は、生成又は更新された仮想人材Oを派遣先Cに派遣する処理を実行する。
以上をまとめると、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oを生成する情報処理システムにおいて、人材派遣元情報取得部52が、人材派遣元Pから提供される情報のうちパーソナライズ要約ロジックPL1を少なくとも含むデータを派遣元情報として取得すると、仮想人材生成更新部53は、取得した派遣元情報を用いて仮想人材Oを生成する。
即ち、仮想人材生成更新部53は、パーソナライズ要約ロジックを用いることで、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能な仮想人材Oを生成する。その結果として、派遣先Cにおける相手との間において、相互理解度が高いコミュニケーションが実現可能な仮想人材Oが生成される。
ここで上述したように、パーソナライズ要約ロジックとは、相手に応じて内容を言い換えうる情報システムのことをいう。以下具体的に、「食べる」を例にして、パーソナライズ要約ロジックについてより具体的に説明する。
例えば、幼児に、「積み木を食べてはだめ」ということを伝える場合を想定する。
幼児は、利用可能語彙が少ない為、「積み木」という言葉も、「食べる」という言葉も理解することができない。そのため、幼児に対して「積み木を食べてはだめ」と伝えても理解することはできない。
そのためまず、「食べる」という行為を、「主体者」、「対象物」の状態変化に応じて、意味を構成する3つの要素(以下、このような要素を「キーバリュー」と呼ぶ)に分割する。つまり、「食べる」という行為を、(1)「主体者」が、「対象物」を、「口に動かす」、(2)「主体者」が、「対象物」を、「口に入れる」、(3)「主体者」が、「対象物」を、「体の中で消化する」、の3つの要素に落とし込む。そしてこの3つの要素の中で幼児に伝えたいことを、最も意味の欠落が少ない状態で表現できるような言葉の組み合わせを決定する。その結果として、「積み木」を「食べ」てはだめではなく、「これ」を「口に入れ」てはだめ、といったように言い換えることができる。
以上のように、仮想人材Oの生成又は更新にパーソナライズ要約ロジックが採用されることにより、相手に伝えたい内容がキーバリューに分割されて意味の解像度が上がるため、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じて、内容を言い換えることができるような仮想人材Oが生成されるようになる。キーバリューについての詳細は、図50を用いて後述する。
また、人材派遣元情報取得部52は、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータを、派遣元情報として取得する。仮想人材生成更新部53は、取得した派遣元情報を用いて仮想人材Oを生成する。
ここで上述したように、「意味を正規化したフォーマット」とは、自然言語やプログラミング言語を含む、同じ意味なら同じ形式になる機械可読性の高い意味の表現形式のことをいう。具体的には、AMRやN4がある。N4についての詳細は、図47を用いて後述する。
即ち、仮想人材生成更新部53は、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータを用いることで、“可視化”された知能をベースとしたやり取りが可能な仮想人材Oを生成する。その結果として、派遣先Cにおける相手との間において、相互理解度が高いコミュニケーションが実現可能な仮想人材Oが生成される。
また、人材派遣元情報取得部52は、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータを派遣元情報として取得する。仮想人材生成更新部53は、取得した派遣元情報を用いて仮想人材Oを生成する。
これにより、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能であると共に、”可視化”された知能をベースとしたやり取りが可能な仮想人材Oが生成される。その結果として、仮想人材Oと相手との間において、より相互理解度が高いコミュニケーションが実現されるようになる。
なお、パーソナライズ要約ロジックPL1とPSFデータPDPを併用することによって、生成された仮想人材Oは、意味表現の解像度が高い状態で情報をやり取りできるようになる。その効果として、話し相手の言葉を理解する際に理解度が低ければ解像度をより高めて自らが解析可能な言葉に言い換えて理解度レベルを上げることができる。一方、話し相手に向けて言葉を出力する際は、相手に合わせて言葉を選択することができるので、結果として双方向のコミュニケーションのレベルが向上し、相手との相互理解をより深めることができる。
また、パーソナライズ要約ロジックPL1とPSFデータPDPとN4のような「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータの三つを組み合わせて用いることによって、構成性原理に基づいて簡単には理解できない字面で表される意味と話者の真の意図が異なるような皮肉、反語や比喩表現や建前等についても、認識できる機能を持つことによって、結果として相手との相互理解をより深めることができる。
また、個性別アバター生成ロジックPL5を用いることにより、仮想人材Oがタスク指示部858を通して音声出力をしている際に、出力される内容に合わせてアバターの表情を変化させることにより、あたかも仮想人材Oが感情を持っているかのような印象を相手に与えることがでる。さらには、相手の話を言葉として聞いているような形で音声入力を受け付けている際にも、あたかも仮想人材Oが本当に共感して傾聴しているかのようにアバターの表情を変化させることができ、結果として相手との相互理解をより深めることができる。
また、仮想人材Oは、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2を用いることによって、話し相手の心理・感情・価値観、知識・思考を常に推定して、少しでも推定結果が良い方向に変化するように行動を決定することができる。さらには、自己についても同様に心理・感情・価値観、知識・思考を推定して、少しでも推定結果が良い方向に変化するように行動を決定することができ、結果として相手との相互理解をより深めることができる。
さらにまた、人材派遣元情報取得部52が、人材派遣元Pから提供される情報のうち、複数の内部モデルを少なくとも含むデータを派遣元情報として取得すると、仮想人材生成更新部53は、取得した派遣元情報を用いて仮想人材Oを生成する。なおこのとき、前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成される。
ここで、前記複数の内部モデルは、前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル(例えば心理・感情・価値観内部モデルPM1)を含む。
また、前記複数の内部モデルは、前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデル(例えば知識・思考内部モデルPM2)を含む。
また、前記複数の内部モデルは、前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデル(例えば目的・ゴール内部モデルPM3)を含む。
このように、仮想人材生成更新部53は、このような第1乃至第3観点の内部モデルに基づいて仮想人材Oを生成する。これにより、感情だけでなく、相手の価値観、所属組織の目的・ゴール、知識・思考パターンを推定することにより幅広い目的を設定可能な仮想人材Oが生成されるようになる。また、上述のような内部モデルが保持されることにより、継続性、安定性のある対応が可能な仮想人材Oが生成されるようになる。その結果として、後述するPDCAサイクルが効率的に実行されるようになる。
このような上述の機能を全て兼ね備えることで、相互理解を通じて、目的の明確化・深い理解が可能になる仮想人材O、即ち、目的が明確でなくても、相互理解を深めながら、目的を明確化できる仮想人材Oの生成が可能になる。
換言すると、次のような仮想人材Oの生成が可能になる。
即ち、仮想人材Oは、相互理解に役立つ情報について会話することで目的を自律的に認識し、目的を達成するために集めるべき情報は何かを取得することができる。
仮想人材Oは、この相互理解に役立つ情報をコミュニケーションを通じて収集し、この情報を用いて目的を達成するための動作を行うことができる。
仮想人材Oは、この動作によって目的が達成できたかどうかのチェックを実施し、目的が達成できていなかった場合、結果の分析に必要な情報が何かを収集し、この相互理解に役立つ情報をコミュニケーションを通じて収集することができる。
仮想人材Oは、収集した情報を用いてさらに目的を達成するための動作を行いこれらの動作を繰り返すことで目的を達成することができる。
以上、図6を用いて、図5の情報処理システムのサーバの機能的構成のうち、仮想人材生成更新処理の際に機能する機能的構成について説明した。
次に、図7、図8を用いて、図1の本サービスの仮想人材Oが実行する人材派遣処理の機能的構成及び概要について説明する。
図7は、図5の情報処理システムのサーバの機能的構成のうち、人材派遣処理の際に機能する機能的構成の一例を示す図である。
人材派遣処理が実行される際には、記憶部18の仮想人材Oにおいて、環境設定部81と、トレーニング部82と、タスク実行部83とが機能する。
環境設定部81は、仮想人材Oが派遣先Cにおいてタスクを実行するために必要な環境設定を受け付ける。
即ち例えば、環境設定部81は、仮想人材Oを利用形態毎に利用するためのアクセスポイントの設定、仮想人材Oが実行可能な実行許可APIの選択、自社APIの登録、自社で用意又は選択されたAPIの登録、タスクを処理してもらえるクラウドソーシング型のサイトの登録、タスクを処理してもらえる発注候補業者の登録、専門スタッフの登録、後述するタスク実行部83の発話・タスク指示部834で生成されるメッセージと、その際に起動すべきアクションの紐付け情報を登録する。
トレーニング部82は、仮想人材Oに追加学習させるために必要な情報や、派遣先Cに派遣されている仮想人材O同士のノウハウを共有させるために必要な各種情報の登録を受け付ける。
トレーニング部82は、知識カテゴリ別トレーニング部821、人材間情報共有部822により構成される。
知識カテゴリ別トレーニング部821は、内部モデルPMを通して可視化された仮想人材Oの知能に基づき、知識カテゴリ毎に仮想人材Oの理解度レベルを上げるための追加学習を行う。
本発明においては、仮想人材Oの知識カテゴリ別の理解度レベルの状況が可視化されていることにより、追加で仮想人材Oのトレーニングを行うことができる。これにより、仮想人材Oの機能を改善させることができるようになる。
人材間情報共有部822は、派遣先Cに派遣された仮想人材O同士でのノウハウの共有を制御する。
即ち、人材間情報共有部822は、プライバシの問題や、業務に取り組む人材の多様性の確保を考慮して、仮想人材O同士でノウハウや知識を共有するかしないかを制御することができる。
タスク実行部83は、仮想人材Oのタスクの実行を制御する。
タスク実行部83は、客観的解釈部831、主観的解釈部832、発話内容検討・生成部833、発話・タスク指示部834により構成される。
なお、タスク実行部83の各ブロックの機能の詳細の説明については、図8に関する説明の中で併せて述べる。
図8は、図1の本サービスの仮想人材が実行するタスクの概要について説明する図である。
タスク実行部83における仮想人材Oのタスクの実行は、図8に示すようなPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Actionサイクル)が繰り返し実行されることで達成される。
即ち、仮想人材Oのタスクの実行においては、まず、相手と仮想人材O自身との相互理解に役立つ情報が両者の間での会話により取得されることで、目的が自律的に認識され、目的を達成するために必要な情報は何であるかといった情報が取得される(Plan)。
そして、このような情報がコミュニケーションを通じて収集され、目的を達成するための動作が行われる(Do)。
そして、このような動作によって目的が達成できたかどうかのチェックがなされた結果(Check)、目的が達成できていなかった場合には、結果の分析に必要な情報がコミュニケーションを通じて取得され、目的を達成するための動作がさらに行われる(Action)。
このようなPDCAサイクルにおいては、心理・感情・価値観内部モデルPM1及び知識・思考内部モデルPM2と、目的・ゴール内部モデルPM3とが組み合わされて適用される。
以下、PDCAサイクルに対するこのような内部モデルPMの適用例について、より詳細に説明する。
まず「Plan」として、仮想人材Oのタスクの実行の際には、目的の認識が自律的に行われる。ここで自立的に認識される目的は、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2、及び目的・ゴール内部モデルPM3に基づき、以下の(1)乃至(5)のように多層的に設定される。
(1)仮想人材Oは、知識・思考内部モデルPM2に基づき、話者の意図に沿った行動を目的として認識する。即ち、仮想人材Oにおいては、常に相手や自己の知識・思考が推定され、その推定された情報が取得されることで、仮想人材Oは、例えば、相手の知識を強化するという目的や、相手の特定の思考パターンを強化するという目的等、幅広い目的に沿った会話・行動を取ることができるようになる。
(2)仮想人材Oは、目的・ゴール内部モデルPM3に基づき、派遣先C等のKGI/KPIに沿った行動を目的として認識する。これにより仮想人材Oは、派遣先CのKGIを目指したり、特定のKPIを強化するという目的に沿った会話・行動を取ることができるようになる。
(3)仮想人材Oは、知識・思考内部モデルPM2に基づき、相手との相互理解/合意を目的として認識する。これにより仮想人材Oは、相手との共通理解部分や合意部分を増やすという目的に沿った会話・行動をとることができるようになる。
(4)仮想人材Oは、心理・感情・価値観内部モデルPM1に基づき、心理・感情・価値観の向上を目的として認識する。即ち、仮想人材Oは、常に相手や自己の心理・感情・価値観を推定し、推定された情報を取得し、相手の感情を特定の状態にするという目的や、相手の特定の価値観を強化するという目的等、幅広い目的に沿った会話・行動をとることができるようになる。
(5)仮想人材Oは、心理・感情・価値観内部モデルPM1に基づき、生理&ロボット三原則に基づく行動を目的として認識する。これにより、仮想人材Oは、ロボット三原則等に基づく会話や行動をとることができるようになる。
このように、内部モデルPMが適用されることで、多層的に目的が構成され、結果としてフレーム問題への対策を効果的に行うことができるようになる。
そしてこのような目的を達成するための動作として「Do」が行われる。
目的を達成するための動作(Do)の際には、タスク実行部83において、客観的解釈部831、主観的解釈部832、発話内容検討・生成部833、発話・タスク指示部834の夫々が機能を発揮する。
客観的解釈部831においては、文法・意味解析部851と、文脈での意味推定部852とが機能する。
文法・意味解析部851は、対話をする相手の言葉について、形態素解析、構文解析、意味解析を行う。即ち、意味の正規化が行われたフォーマットをベースにして、意味を正規化したフォーマット又はそれに変換可能なフォーマットで表された、マシンリーダブルな意味データベースを基に解析が行われることにより、意味の欠落が少ない表現形式での解析が可能となる。
その結果として、仮想人材Oの知的能力が向上し、意味の解釈の齟齬を低減することができるようになる。
これにより、従来技術における課題を解決することができるようになる。即ち、本発明によれば、従来から存在する、ディープラーニング等のEnd to End型におけるブラックボックス化、かつ、意味の欠落の割合が大きいという課題、また様々なツールをつなぎ合わせるパイプライン型における、統一化されたフォーマットや意味の解像度の高い意味データベースが不在で質が低い、といった課題を解決することができるようになる。
文脈での意味推定部852は、対話をしている相手の言葉について、文法・意味解析部851における結果を踏まえながら、談話構造やコンテキスト推定(6W2H)、さらには照応解決、省略部推定、比喩・反語、皮肉等の構成性原理が効かないものの解釈、焦点、視点、さらには、文字情報以外のマルチモーダルの情報を用いて文脈単位での意味の推定を行う。
即ち、文脈での意味推定部852は、意味の欠落率が低い文法・意味解析部851の結果を活用し、かつ、人材派遣元情報取得部52のロジック取得部523により取得されたコンテキスト推定ロジックPL3を活用することにより、文脈を踏まえた解析を行う。
結果として、意味の解釈の齟齬が少なくなり、仮想人材Oの知的能力が向上する。
またこれにより、コンテキストを認識するということに対して、課題を解決することができるようになる。
主観的解釈部832においては、文脈での意味評価部853と、状態更新部854とが機能する。
文脈での意味評価部853は、客観的解釈部831の文法・意味解析部851、及び文脈での意味推定部852における結果に基づいて、積極的に意味の評価を行い、評価時点での意味の解釈を仮確定する。このような意味の解釈を仮確定させる際には、内部モデルPMの最適化により常に推定されている目的・ゴール内部モデルPM3や、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2が活用される。
仮想人材Oが業務を遂行する上で、相手の意図を探り、そして、相手の意図を確認することは重要であり、たとえ仮でも、相手の意図を確定させることによってその後のアクションの決定につなげることで、PDCAサイクルが効率的に回るようになる。その結果として、仮想人材Oのタスク実行能力の向上が見込めるようになる。
また、文脈での意味推定部852によりコンテキストを踏まえた良質な解析結果を得られるため、その結果を踏まえて、文脈での意味評価部853は、より実践的な意味の評価を行うことができるようになる。つまり、目的・ゴールや、相手や自己の心理・感情・価値観、知識・思考の内容を活用してコンテキストの評価をすることができるため、その結果として、意味の解釈の齟齬が少なくなり、仮想人材Oの知的能力が向上する。
状態更新部854は、相手との対話・交流を通して、内部モデルPMの推定結果を踏まえながら、共通理解、合意形成を中心とした基盤化の状況を推定し、相手認識、自己認識のレベルを深める方向で仮想人材Oの状態を更新する。また、状態更新部854は、未知の情報を対象にして内部モデルPMの更新やPSFデータPDPの更新を行う。即ち、状態更新部854は、内部モデルPMのような目的・ゴールや、相手や自己の心理・感情・価値観、知識・思考、PSFのような意味表現の解像度の高い、マシンリーダブルな意味データベースを更新対象とする。そのため、参照専用で更新されることを想定していない従来の手法と比較して、常に共通理解や合意の状態等の基盤化の状況認識をし、かつ、未知情報等を処理して自己成長をしながら、仮想人材Oの知的能力を向上させることができるようになる。
発話内容検討・生成部833においては、発話継続制御部855と、発話内容生成部856とが機能する。
発話継続制御部855は、相手と自己の対話の中で発話が開始された発話タイミングと、発話が終了した終了タイミングとを常にモニタリングし、自己の次のアクションの決定に活用する。これにより、相互の発話が円滑になる。
発話内容生成部856は、内部モデルPMの推定結果を用いながら、発話内容を生成する。また、相手の意図の推定やKPI向上の促進に関わらず、常に基盤化促進のために共通理解部分や合意部分を増やしたり、また、会話の円滑化を進めて情報交換のレベルを向上させるために相槌、反芻を行う。
さらに、発話内容生成部856は、生成された仮想人材Oの個性を踏まえた受け答えを実現するために、パーソナリティ反映を行い、その上で表現選択をして、発話内容を調整する。
従来技術においては、話し相手の意図が極めて限定された状況下で、インテントスロット型のチャットボット等で、相手の意図を推定し、それらしい情報提示やアクションを実行するということを目的として発話内容の生成が行われるのみであった。
そこでこのような本発明によれば、内部モデルPMの推定結果が用いられるため、仮想人材Oは、相手の意図を推定したり、組織全体のKPI向上を促進したりすることができ、また、基盤化推進のために共通理解部分や合意部分を増やしたりすることができる。結果として、仮想人材Oは、従来よりも円滑なコミュニケーションを実現することができる。
発話・タスク指示部834は、人間が可読なタスクを指示するメッセージである、発話・タスク指示を生成し、そのメッセージを踏まえて、発話、API実行、動作を行う。
従来技術において、音声アシスタントはインテントスロット型で設定されたスキルを実行して役割を終える。外部機能を起動するときも人間が可読なメッセージのような形のインターフェースは提供されていない。
そこでこのような本発明によれば、人間が可読なタスクを指示するメッセージである、発話・タスク指示が生成され、発話・タスク指示の内容に基づいて、アクチュエータ起動や、外部APIや、自社登録APIの実行を効率よく行うことができるようになる。
より具体的には、発話・タスク指示部834においては、発話部857と、タスク指示部858とが機能する。
発話部857は、発話内容生成部856で生成された内容を、どのようなメディアを通じて出力するかを最適化するために利用媒体選択を行い、その上で、相手に対しての伝達のレベルを向上させるために、出力テンション調整や各種演出を行い、望む方向での印象付けを行う。このようにして伝え方を工夫することによって、仮想人材Oは、相手への伝達効率を上げることができる。
タスク指示部858は、タスクを指示するメッセージを踏まえて、発話、API実行、動作を行う。
タスク指示部858においては、具体的には、アクチュエータ起動部881、外部API起動部882、自社登録API(単純型)起動部883、自社登録API(登録RPA型)起動部884、専門スタッフ型起動部885、クラウドソーシング型起動部886、オークション型起動部887等が含まれる。
アクチュエータ起動部881は、ロボットに特定の行動を起こさせるために、タスク指示に基づき、予め人材派遣元向け仮想人材管理機能PAのロボット登録機能RRにより紐付けられた方法で、ロボットのアクチュエータに対して適切な指示を行う。
即ち、従来の手法と比較して、人間が可読な自然言語で記述された発話・タスク指示SDで生成されるメッセージに応じてアクチュエータが動く点が相違する。
このように、アクチュエータ起動部881において、発話・タスク指示SDで生成されるメッセージと、各ロボットのアクチュエータが起動する機能とが紐付けられることにより、ロボット(例えば、ロボットの形態でタスクを処理する仮想人材OR)と、会話内容とを自然な形で連動させることができるようになる。
外部API起動部882は、タスク指示に従って適切な外部APIを起動するために、予め人材派遣元向け仮想人材管理機能PAにおける外部API登録機能ARにより登録されたAPIを対象とし、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において実行可能として選択されたAPIの中から、発話・タスク指示部834において選択されている外部APIを起動する。
また、タスクに対して外部API等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、後述する専門スタッフ型起動部885を介して、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとして外部APIが起動される。
このようにして、仮想人材Oは、発話・タスク指示と連動して外部APIを容易に利用して、業務を遂行することができるようになる。
自社登録API(単純型)起動部883は、タスク指示に従って適切な自社登録APIを起動するために、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において登録された自社APIの中から、発話・タスク指示部834において選択されているAPIを起動する。このようなAPIを自社登録API(単純型)と定義する。
また、タスクに対して自社登録API等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、後述する専門スタッフ型起動部885を介して、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとして自社登録API(単純型)が起動される。
このようにして、仮想人材Oは、発話・タスク指示と連動して自社登録API(単純型)を容易に利用して業務を遂行することができるようになる。
自社登録API(登録RPA型)起動部884は、タスク指示に従って適切なRPAによる自動化処理を記録した実行ファイルをAPIとして起動するために、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において登録された自社APIの中から、発話・タスク指示部834において選択されている自社登録API(登録RPA型)を起動する。
また、タスクに対して自社登録API等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、後述する専門スタッフ型起動部885を介して、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとして自社登録API(登録RPA型)が起動される。
このようにして、仮想人材Oは、発話・タスク指示と連動して自社登録API(登録RPA型)を容易に利用して業務を遂行することができるようになる。
専門スタッフ型起動部885は、タスク指示に従って適切な専門スタッフにタスクを実行してもらうために、派遣先向けタスク実行環境設定機能T1の専門スタッフの登録機能において登録された専門スタッフにタスクを送信する。
タスクに対して専門スタッフ型での処理等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとして専門スタッフにタスク依頼が送信される。
即ち、従来の手法と比較して、人間が可読な、自然言語処理で記述された発話・タスク指示機能で生成されるメッセージに応じて専門スタッフにタスクを依頼する点が相違する。
なお、専門スタッフ型起動部885は、初回のタスク依頼については、管理者に送信するものとする。
このようにして、仮想人材Oは、発話・タスク指示と連動して容易に登録された専門スタッフにタスクを依頼することにより、業務を遂行することができるようになる。
クラウドソーシング型起動部886は、タスク指示に従って適切なクラウドワーカーにタスクを実行してもらうために、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において登録されたクラウドソーシング先に、タスクを送信する。
即ち、従来の手法と比較して、人間が可読な、発話・タスク指示機能で生成されるメッセージに応じてクラウドソーシング型のサイトにタスクを依頼できる点が相違する。
また、タスクに対してクラウドソーシング型での処理等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、専門スタッフ型起動部885を介して、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとしてクラウドソーシング先にタスク依頼が送信される。
このようにして、仮想人材Oは、発話・タスク指示と連動して容易に登録されたクラウドソーシング型のサイトにタスクを依頼することにより、業務を遂行することができるようになる。
オークション型起動部887は、タスク指示に従って適切なクラウドワーカーにタスクを実行してもらうために、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において登録された発注候補業者に、オークションの応札依頼を送信する。
即ち、従来の手法と比較して、人間が可読な、発話・タスク指示機能で生成されるメッセージに応じてオークション型のサイトにタスクを依頼できることが大きな違いである。
また、タスクに対してオークション型での処理等の適切なアクションが選択されていない場合は、選択を促すタスク指示が再生成され、専門スタッフ型起動部885を介して、環境設定部81(派遣先向けタスク実行環境設定機能T1)において正しいアクションとして発注候補業者にオークションの応札依頼が送信される。
次に、「Check」として、「Plan」で設定された目的が達成できたかどうかのチェックがなされる。
(1)話者の意図に沿った行動がとれたかどうかについては、例えば、(A)仮想人材Oが、話者に対して意図内容に即した反芻を行った後の相手の反応を確認することで、話者の意図を汲めたかどうかを確認する。また、(B)仮想人材Oが、意図に従って実施した行動に対して、例えば「これで合っていますか?」と満足度に関する質問を話者に対してすることで、話者の意図を汲めたかどうかを確認してもよい。
また、(2)派遣先C等のKGI/KPIがプラスに向かっているかについては、例えば、(A)仮想人材Oにおいては、常に目的・ゴール内部モデルPM3においてKGI/KPIの変化が予測されるため、仮想人材Oの自己認識として、派遣先C等のKGI/KPIがプラスに向かっているかどうかを確認してもよい。また(B)KPIの変化の内容を確認するための質問に対する話者の反応を見ることで、派遣先C等のKGI/KPIがプラスに向かっているかを確認してもよい。
さらに、(3)相手と相互理解/合意ができたかどうかについては、例えば、(A)仮想人材Oにおいて、タスクを実行する前後の共通理解と合意の推定結果の差分が増えたかどうかを確認してもよい。また、(B)話者に対して共通理解と合意の内容を確認するための質問、例えば「これでよいですか?」と質問して話者の反応を見ることで、話者との相互理解/合意が増えたかどうかを確認してもよい。
さらに、(4)心理・感情・価値観の向上、生理&ロボット三原則に基づく行動ができたかどうかについては、例えば、(A)仮想人材Oの自己認識として、タスクを実行する前後で、心理・感情・価値観を推定した結果の差分が増えたかどうかを確認してもよい。また、(B)心理・感情・価値観を確認するための質問に対する話者の反応を見ることで、心理・感情・価値観が向上されたかどうかを確認してもよい。また、話者の心理面は外見に出る為、(C)マルチモーダル処理における視覚・聴覚等の情報に基づいて、心理・感情・価値観が向上されたかどうかを確認してもよい。
このようなチェックがなされた結果、Actionが実行される。
「Action」は、上述のサイクルで更新された内部モデルPMに基づき、IfthenルールロジックPL4が適用されることにより実行される。
以上のような、相互理解のレベルが高いコミュニケーションを通じた効率的なPDCAプロセスが繰り返されることにより、仮想人材Oのタスクの実行が達成されるようになる。
以上、図7、図8を用いて、図1の本サービスの仮想人材Oが実行する人材派遣処理の概要及び機能的構成について説明した。
以上をまとめると、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックPL1を少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものである。
仮想人材Oのタスク実行部83は、複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行する。
即ち、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能な仮想人材Oは、内部モデルPMを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行う。その結果として、仮想人材Oは、派遣先Cにおける相手と、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものである。
仮想人材Oのタスク実行部83は、前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行する。
即ち、あらゆる面で“可視化”された知能をベースとしたやり取りを実行可能な仮想人材Oは、内部モデルPMを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行う。その結果として、仮想人材Oは、派遣先Cにおける相手と、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックPL1を少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、仮想人材Oのタスク実行部83は、複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行する。
即ち、このような仮想人材Oは、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えができ、また、”可視化”された知能をベースとしたやり取りができるため、派遣先Cにおける相手と、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、人材派遣元Pから派遣先Cに対して派遣される仮想人材Oは、人材派遣元Pから提供される情報のうち、複数の内部モデルを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、このような複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されている。
そしてさらに、仮想人材Oのタスク実行部83は、前記第1観点及び前記第2観点に基づいて生成されたモデルを用いた自己認識及び相手認識を伴いながら、前記第3観点に基づいて生成されたモデルを用いて計画を設定し、当該計画を達成するために人間と対話をしながら所定のタスクを実行し、その実行の結果を評価し、その評価の結果に基づいて改善を行う。
また、前記複数の内部モデルは、前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル(例えば心理・感情・価値観内部モデルPM1)を含む。
前記複数の内部モデルは、前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデル(例えば知識・思考内部モデルPM2)を含む。
前記複数の内部モデルは、前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデル(例えば知識・思考内部モデルPM2)を含む。
即ち、相手の価値観、所属組織の目的・ゴール、知識・思考パターンを推定可能な仮想人材Oは、幅広い目的が多層的に設定できるため、フレーム問題への対策を効果的に実施可能であると共に、相手に対して継続性、安定性のある対応ができるため、高いレベルの対応が可能になる。その結果として、仮想人材Oは、PDCAサイクルを効率的に実行できるようになる。
換言すると、仮想人材Oは、感情だけでなく、相手の価値観、所属組織の目的・ゴール、知識・思考パターンを推定することにより幅広い目的を設定可能になる。また、上述のような内部モデルが保持されることにより、仮想人材Oは、継続性、安定性のある対応が可能になる。その結果として、仮想人材Oは、PDCAサイクルを効率的に実行できるようになる。
このような上述の機能を全て兼ね備えた仮想人材Oは、相互理解を通じて、目的の明確化・深い理解が可能になる。即ち、仮想人材Oは、目的が明確で無くても、相互理解を深めながら、目的を明確化できる。
換言すると、仮想人材Oは、相互理解に役立つ情報を会話することで目的を自律的に認識し、目的を達成するために集めるべき情報は何かを取得することができる。
仮想人材Oは、この必要な情報を相互理解に役立つ情報を会話を用いた円滑なコミュニケーションを通じて収集し、この情報を用いて目的を達成するための動作を行うことができる。
仮想人材Oは、この動作によって目的が達成できたかどうかのチェックを実施し、目的が達成できていなかった場合、結果の分析に必要な情報が何かを収集し、この必要な情報を相互理解に役立つ情報を会話を用いた円滑なコミュニケーションを通じて収集することができる。
仮想人材Oは、収集した情報を用いてさらに目的を達成するための動作を行いこれらの動作を繰り返すことで目的を達成することができる。
次に図9を用いて、仮想人材Oが備えるセンサ(知覚)と、仮想人材Oに対するマルチモーダブルな情報入力のフローについて説明する。
図9は、図1の本サービスの仮想人材が備える各種センサと、仮想人材に対する情報入力フローの概要について説明する図である。
生物(仮想人格含む)は、自身の備えるセンサ(知覚)で制約される世界(以下、「環世界」と呼ぶ)で生きている。即ち、全ての生物(仮想人格含む)は、自身の備える知覚(センサ)によってのみ世界を理解することができると言われている。
人間にとっての環世界において、人間は、特殊感覚として、聴覚(音センサ)、視覚(色センサ、形変化センサ、量変化センサ、位置センサ)、嗅覚(匂い・臭い・香りセンサ)、味覚(味センサ(酸味、塩味、甘味、苦味、旨味))、体性感覚として、皮膚感覚(触覚、痛覚、温度感覚)、固有感覚(圧覚、位置感覚、筋肉/運動感覚)、内臓感覚として、空腹/満腹感、尿/便意等を備える。
一方で、仮想人格にとっての環世界において、仮想人材Oは、聴覚(音センサ)、視覚(色センサ、形変化センサ、量変化センサ、位置センサ)、嗅覚(匂い・臭い・香りセンサ)、触覚、温度感覚、圧覚、位置感覚に基づいて、会話や行動を取ることができる。即ち、仮想人材Oは、自身の備えるセンサ(知覚)、例えば、聴覚センサ(例えば、マイク)、視覚センサ(例えば、カメラ)、その他センサ(例えば、匂い・臭い・香りセンサ、触覚センサ、温度感覚センサ、圧覚センサ、位置感覚センサ)によって取得された情報に基づいて、タスクを実行する。
具体的には例えば、図9に示すように、メール&チャットボットの形態でタスクを実行する仮想人材OMは、テキストファイルリーダTRにより取得されたテキスト情報に基づいてタスクを実行する。
また、電話の形態でタスクを実行する仮想人材OCは、動画ファイルリーダMRや、自身の有する聴覚センサSY(例えば、マイク)により取得された音声ストリームデータVDを音声認識させることにより出力した情報に基づいてタスクを実行する。
また、ビデオチャットの形態でタスクを実行する仮想人材OAは、動画ファイルリーダMRや、画像ファイルリーダFR、視覚センサSE(例えば、カメラ)から取得された画像ストリームデータMDを光学的文字認識(OCR)処理することにより出力した情報に基づいてタスクを実行する。
そして、ロボットの形態でタスクを処理する仮想人材ORは、その他センサSO(例えば、匂い・臭い・香りセンサ、触覚センサ、温度感覚センサ、圧覚センサ、位置感覚センサ)から取得されたストリームデータODをその他情報認識(例えば、点字認識・文字形状認識)処理させることより出力した情報に基づいてタスクを実行する。
このように、仮想人材Oは、自身の有するセンサ(知覚)に基づき、利用形態に応じて様々なタスクを実行することができる。
以上、仮想人材Oが備えるセンサ(知覚)と、仮想人材Oに対するマルチモーダルな情報入力のフローについて説明した。
次に、図10乃至図36を参照して、図6及び図7の機能的構成を有するサーバ1が実行する仮想人材生成更新処理及び人材派遣処理(以下、これらの処理を合わせて「全体処理」と呼ぶ)の流れについて、より詳細に説明する。
図10は、全体処理の各ステップと各図との対応関係を示した図である。
全体処理の各ステップと図11乃至36との対応関係は、図10の通りである。
図11は、サーバ1が実行する全体処理の流れを説明するフローチャートである。
図11のステップS1において、図6の人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための事前準備を行う。このようなステップS1の処理を、以下、「人材派遣の事前準備処理」と呼ぶ。
図12において、図11の全体処理のステップS1の人材派遣の事前準備処理の詳細の一例を説明する。
図12は、図11の全体処理のステップS1の人材派遣の事前準備処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図12のステップS11において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための各種情報を管理する。このようなステップS11の処理を、以下、「人材派遣元向け仮想人材管理処理」と呼ぶ。
次に、図13において、図12の人材派遣の事前準備処理のステップS11の人材派遣元向け仮想人材管理処理の詳細の一例を説明する。
図13は、図12の人材派遣の事前準備処理のステップS11の人材派遣元向け仮想人材管理処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図13のステップS111において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための基本的要素の管理を行う。このようなステップS111の処理を、以下、「基本的要素の管理処理」と呼ぶ。
次に、図14において、図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS111の基本的要素の管理処理の詳細の一例を説明する。
図14は、図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS111の基本的要素の管理処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図14のステップS1111において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための基本的要素のうち、最新の内部モデルPMを登録する。
図14のステップS1112において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための基本的要素のうち、最新の言語資源データPDを登録する。
図14のステップS1113において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための基本的要素のうち、最新のロジックPLを登録する。
このようにして、人材派遣元情報取得部52における、仮想人材Oを生成するための基本要素の管理処理が終了する。
これにより、処理は、図12のステップS111からステップS112に進む。
図13のステップS112において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oがタスクを実行するための、タスク実行手段の登録を行う。このようなステップS112の処理を、以下、「タスク実行手段の登録処理」と呼ぶ。
次に、図15において、図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS111の基本的要素の管理処理の詳細の一例を説明する。
図15は、図13の人材派遣元向け仮想人材管理処理のステップS111の基本的要素の管理処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図15のステップS1121において、人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oとしてロボットがタスクを実行する場合に、当該ロボットがアクション毎にどのような要求を出すかについての初期設定を行う。
図15のステップS1121において、人材派遣元情報取得部52は、タスク指示に合わせて実行可能な外部APIの登録を行う。
このようにして、人材派遣元情報取得部52による基本要素の管理処理、及びタスク実行手段の登録処理が終了することにより、人材派遣元向け仮想人材管理処理が終了する。
これにより、処理は、図12のステップS11からステップS12に進む。
図12のステップS12において、人材派遣元情報取得部52は、派遣元情報の登録を受け付ける。このようなステップS12の処理を、以下、「人材派遣元向け情報登録処理」と呼ぶ。
次に、図16において、図12の人材派遣の事前準備処理のステップS12の人材派遣元向け情報登録処理の詳細の一例を説明する。
図16は、図12の人材派遣の事前準備処理のステップS12の人材派遣元向け情報登録処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図16のステップS121において、人材派遣元情報取得部52のモデル取得部521は、内部モデルPMの登録を受け付ける。
図16のステップS122において、人材派遣元情報取得部52のデータ取得部522は、言語資源データPDの登録を受け付ける。
図16のステップS123において、人材派遣元情報取得部52のロジック取得部523は、ロジックPLの登録を受け付ける。
このようにして、派遣元情報の登録を受け付けるための人材派遣元向け情報登録処理が終了することにより、人材派遣の事前準備処理が終了する。
これにより、処理は、図10のステップS1からステップS2に進む。
図11のステップS2において、図6の派遣先情報取得部51は、派遣先情報の登録を受け付ける。このようなステップS2の処理を、以下、「人材派遣の希望の登録処理」と呼ぶ。
次に、図17において、図11の全体処理のステップS2の人材派遣先の希望の登録処理の詳細の一例を説明する。
図17は、図11の全体処理のステップS2の人材派遣先の希望の登録処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図17のステップS21において、派遣先情報取得部51は、派遣先Cに対して、人材メニューを提示する。
図17のステップS22において、希望人材情報取得部511は、希望人材情報の入力を受け付ける。
図17のステップS23において、募集情報/マニュアル情報取得部513は、職場情報の入力を受け付ける。
図17のステップS24において、募集情報/マニュアル情報取得部513は、研修・育成情報の入力を受け付ける。
図17のステップS25において、利用形態情報取得部512は、利用形態の入力を受け付ける。
このようにして、派遣先情報の登録を受け付けるための人材派遣の希望の登録処理が終了する。
これにより、処理は、図11のステップS2からステップS3に進む。
図11のステップS3において、図6の仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oについて、初期学習する。このようなステップS3の処理を、以下、「初期学習処理」と呼ぶ。
次に、図18において、図11の全体処理のステップS3の初期学習処理の詳細の一例を説明する。
図18は、図11の全体処理のステップS3の初期学習処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図18のステップS31において、仮想人材生成更新部53は、人材派遣元情報取得部52より、学習開始の指示を受け付ける。
図18のステップS32において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oについて、入力情報を適宜処理して、学習モデルを生成する。このようなステップS32の処理を、以下、「学習処理」と呼ぶ。
次に、図19において、図18の初期学習処理のステップS32の学習処理の詳細の一例を説明する。
図19は、図18の初期学習処理のステップS32の学習処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図19のステップS321において、仮想人材生成更新部53は、ステップS121において取得を受け付けた内部モデルPMに基づいて、仮想人材Oの内部モデルPMを生成する。このようなステップS321の処理を、以下、「内部モデルの初回生成処理」と呼ぶ。また、このような内部モデルの初回生成処理は、仮想人材Oの初回の生成時にのみ実行されるものとする。
次に、図20において、図19の学習処理のステップS321の内部モデルの初回生成処理の詳細の一例を説明する。
図20は、図19の学習処理のステップS321の内部モデルの初回生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図20のステップS3211において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oの、心理・感情・価値観内部モデルPM1を生成する。このようなステップS3211の処理を、以下、「心理・感情・価値観内部モデル生成処理」と呼ぶ。
次に、図21において、図20の内部モデルの生成処理のステップS3211の心理・感情・価値観内部モデル生成処理の詳細の一例を説明する。
図21は、図20の内部モデルの生成処理のステップS3211の心理・感情・価値観内部モデル生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図21のステップS32111において、仮想人材生成更新部53は、ステップS121の、モデル取得部521において取得された内部モデルPMのうち、心理・感情・価値観内部モデルPM1の初期モデルを読み込む。
図21のステップS32112において、仮想人材生成更新部53は、ステップS2の、希望人材情報取得部511において取得された希望人材情報を読み込む。
このようにして、仮想人材Oの、心理・感情・価値観内部モデルPM1の生成処理が終了する。
これにより、処理は、図19のステップ3211からステップS3212に進む。
図20のステップS3212において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oの、知識・思考内部モデルPM2を生成する。このようなステップS3212の処理を、以下、「知識・思考内部モデル生成処理」と呼ぶ。
次に、図22において、図20の内部モデルの生成処理のステップS3212の知識・思考内部モデル生成処理の詳細の一例を説明する。
図22は、図20の内部モデルの生成処理のステップS3212の知識・思考内部モデル生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図22のステップS32121において、仮想人材生成更新部53は、ステップS121の、モデル取得部521において取得された内部モデルPMのうち、知識・思考内部モデルPM2の初期モデルを読み込む。
図22のステップS32122において、仮想人材生成更新部53は、ステップS122の、データ取得部522において取得された言語資源データPDのうち、PSFデータPDPを読み込む。PSFデータPDPは、ステップS1112にて登録される最新のデータを利用し、意味表現の解像度が高い状態でのフレーム情報を活用可能とする。
図22のステップS32123において、仮想人材生成更新部53は、ステップS123の、ロジック取得部523において取得されたロジックPLを読み込む。このようなステップS32123の処理を、以下、「各種ロジックデータの読込処理」と呼ぶ。
次に、図23において、図22の知識・思考の生成処理のステップS32123の各種ロジックデータの読込処理の詳細の一例を説明する。
図23は、図22の知識・思考の生成処理のステップS32123の各種ロジックデータの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図23のステップS321231において、仮想人材生成更新部53は、パーソナライズ要約ロジックPL1を読み込む。
図23のステップS321232において、仮想人材生成更新部53は、認識形成ロジックPL2を読み込む。
図23のステップS321233において、仮想人材生成更新部53は、コンテキスト推定ロジックPL3を読み込む。
図23のステップS321234において、仮想人材生成更新部53は、IfthenルールロジックPL4を読み込む。
図23のステップS321235において、仮想人材生成更新部53は、その他ロジックを読み込む。
このようにして、各種ロジックデータの読込処理が終了することにより、知識・思考内部モデル生成処理が終了する。
これにより、処理は、図20のステップ3212からステップS3213に進む。
図20のステップS3213において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oの、目的・ゴール内部モデルPM3を生成する。このようなステップS3213の処理を、以下、「目的・ゴール内部モデル生成処理」と呼ぶ。
次に、図24において、図20の内部モデルの生成処理のステップS3213の目的・ゴール内部モデル生成処理の詳細の一例を説明する。
図24は、図20の内部モデルの生成処理のステップS3213の目的・ゴール内部モデル生成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図24のステップS32131において、仮想人材生成更新部53は、ステップS121の、モデル取得部521において取得された内部モデルPMのうち、目的・ゴール内部モデルPM3を、初期モデルとして読み込む。
図24のステップS32132において、仮想人材生成更新部53は、ステップS24及びS25の、募集情報/マニュアル情報取得部513において取得された職場情報を読み込む。
このようにして、仮想人材Oの、目的・ゴール内部モデルの生成処理が終了する。
これにより、処理は、図19のステップS321からステップS322に進む。
図19のステップS322において、仮想人材生成更新部53は、言語資源データPDの読込を行う。このようなステップS322の処理を、以下、「データの読込処理」と呼ぶ。
次に図25において、図19の学習処理のステップS322のデータの読込処理の詳細の一例を説明する。
図25は、図19の学習処理のステップS322のデータの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図25のステップS3221において、仮想人材生成更新部53は、データ取得部522において取得された言語資源データPDのうちカリキュラムデータPDCと、募集情報/マニュアル情報取得部513において取得された研修・育成情報CI33を統合する。
図25のステップS3222において、仮想人材生成更新部53は、統合後のカリキュラムデータPDCの読み込みを行う。このようなステップS3222の処理を、以下、「統合後のカリキュラムデータ読込処理」と呼ぶ。
次に、図26において、図25のデータの読込処理のステップS3222の統合後のカリキュラムデータPDCの読込処理の詳細の一例を説明する。
図26は、図25のデータの読込処理のステップS3222の統合後のカリキュラムデータPDCの読込処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図26のステップS32221において、仮想人材生成更新部53は、パーソナライズ要約を実施する。
即ち、仮想人材生成更新部53は、上述した統合後のカリキュラムデータPDCを、パーソナライズ要約を用いることにより、仮想人材Oの知識・思考内部モデルPM2に取り込む。
図25のステップS32222において、仮想人材生成更新部53は、コンテキストを推定する。
図26のステップS32223において、仮想人材生成更新部53は、パーソナライズ要約ロジックPL1、及びコンテキスト推定ロジックP3以外のロジックを随時適用することにより、仮想人材Oの学習処理を行う。
このようにして、統合後のカリキュラムデータPDCの読込処理が終了することにより、データの読込処理が終了する。
これにより、処理は、図19のステップS322からステップS323に進む。
図19のステップS323において、仮想人材生成更新部53は、内部モデルPMの更新を行う。このようなステップS323の処理を、以下、「内部モデルの更新処理」と呼ぶ。
次に、図27において、図19の学習処理のステップS323の内部モデルの更新処理の詳細の一例を説明する。
図27は、図19の学習処理のステップS323の内部モデルの更新処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図27のステップS3231において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oが学習する都度、IfthenルールロジックPL4を適用することにより、必要な処理を実行する。
図27のステップS3232において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oの認識形成を行う。このようなステップS3232の処理を、以下、「認識形成処理」と呼ぶ。
次に、図28において、図27の内部モデルの更新処理のステップS3232の認識形成処理の詳細の一例を説明する。
図28は、図27の内部モデルの更新処理のステップS3232の認識形成処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
図28のステップS32321において、仮想人材生成更新部53は、未知語を取り込む。
図28のステップS32322において、仮想人材生成更新部53は、認識形成に寄与する複数情報を統廃合する。
このようにして、認識形成処理が終了すると、学習処理が終了する。
これにより、処理は、図18のステップS32からステップS33に進む。
図18のステップS33において、仮想人材生成更新部53において、全てのカリキュラムの処理が終了したと判断された場合には、初期学習処理は終了する。
一方で、仮想人材生成更新部53において、全てのカリキュラムの処理が終了したと判断されなかった場合には、処理はステップS32に戻され、以後の処理が繰り返される。
このようにして、初期学習処理が終了することにより、処理は、図11のステップS3からステップS4に進む。
図11のステップS4において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oを生成する。このようなステップS4の処理を、以下、「人材生成処理」と呼ぶ。
次に、図29において、図11の全体処理のステップS4の人材生成処理の一例を説明する。
図29は、図11の全体処理のステップS4の人材生成処理の一例を説明するフローチャートである。
図29のステップS41において、仮想人材生成更新部53は、知能モデルとアバターを統合する。即ち、仮想人材生成更新部53は、学習によって作られた仮想人材Oの内部モデルPMと、アバターとを融合する。
図29のステップS42において、仮想人材生成更新部53は、プライバシ保護データマイニング技術を活用する。
図29のステップS43において、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oを生成する。即ち、仮想人材生成更新部53は、派遣先Cが希望する仮想人材Oを生成する。
このようにして、人材生成処理が終了することで、処理は、図10のステップS4からステップS5に進む。
図11のステップS5において、図7の環境設定部81は、業務開始の準備を行う。このようなステップS5の処理を、以下、「業務開始準備処理」と呼ぶ。
次に、図30において、図11の全体処理のステップS5の業務開始準備処理の一例を説明する。
図30は、図11の全体処理のステップS5の業務開始準備処理の一例を説明するフローチャートである。
図30のステップS51において、環境設定部81は、仮想人材Oを利用形態毎に利用するためのアクセスポイントを設定する。
図30のステップS52において、環境設定部81は、発話・タスク指示に関する各種設定を行う。
このようにして、仮想人材Oが業務を開始するための、業務開始準備処理が終了する。これにより、処理は、図11のステップS5からステップS6に進む。
図11のステップS6において、仮想人材Oが、派遣先Cに派遣される。このようなステップS6の処理を、以下、「人材派遣処理」と呼ぶ。
次に、図31において、図11の全体処理のステップS6の人材派遣処理の一例を説明する。
図31は、図11の全体処理のステップS6の人材派遣処理の一例を説明するフローチャートである。
図31のステップS61において、図7のタスク実行部83は、タスクを実行する。このようなステップS61の処理を、以下、「タスクの実行処理」と呼ぶ。
次に、図32において、図31の人材派遣処理のステップS61のタスクの実行処理の一例を説明する。
図32は、図31の人材派遣処理のステップS61のタスクの実行処理の一例を説明するフローチャートである。
図32のステップS611において、図6の仮想人材派遣部54は、タスク実行を前提とするアクセスを受け付ける。
図32のステップS612において、図7のタスク実行部83は、タスク実行を開始する。
図32のステップS613において、タスク実行部83は、派遣先Cによる発話を受け付ける。
図32のステップS614において、図7の客観的解釈部831は、ステップS613において受け付けられた発話内容について、客観的解釈を行う。このようなステップS614の処理を、以下、「客観的解釈処理」と呼ぶ。
次に、図33において、図32のタスクの実行処理のS614の客観的解釈処理の一例を説明する。
図33は、図32のタスクの実行処理のS614の客観的解釈処理の一例を説明するフローチャートである。
図33のステップS6141において、客観的解釈部831は、文法・意味解釈を行う。
図33のステップS6142において、客観的解釈部831は、文脈での意味解釈を行う。
このようにして、派遣先Cの発話内容の客観的解釈処理が終了する。
これにより、処理は、図32のステップS614からステップS615に進む。
図32のステップS615において、主観的解釈部832は、ステップS613において受け付けられた発話内容について、主観的解釈を行う。このようなステップS615の処理を、以下、「主観的解釈処理」と呼ぶ。
次に、図34において、図32のタスクの実行処理のS615の主観的解釈処理の一例を説明する。
図34は、図32のタスクの実行処理のS615の主観的解釈処理の一例を説明するフローチャートである。
図34のステップS6151において、主観的解釈部832は、文脈での意味評価を行う。
図34のステップS6152において、主観的解釈部832は、状態更新を行う。
このようにして、派遣先Cの発話内容の主観的解釈処理が終了する。
これにより、処理は、図32のステップS615からステップS616に進む。
図32のステップS616において、図7の発話内容検討・生成部833は、ステップS613において受け付けられた発話内容について、内容の検討、及び検討に基づく発話・タスクの候補を生成する。このようなステップS616の処理を、以下、「発話内容検討・生成処理」と呼ぶ。
次に、図35において、図32のタスクの実行処理のS616の発話内容検討・生成処理の一例を説明する。
図35は、図32のタスクの実行処理のS616の発話内容検討・生成処理の一例を説明するフローチャートである。
図35のステップS6161において、発話内容検討・生成部833は、発話の継続制御を行う。
図35のステップS6162において、発話内容検討・生成部833は、発話内容を生成する。
このようにして、発話内容検討・生成処理が終了する。
これにより、処理は、図31のステップS616からステップS617に進む。
図32のステップS617において、図7の発話・タスク指示部834は、ステップS616において生成された発話内容に基づいて、発話及びタスクの指示を行う。このようなステップS617の処理を、以下、「発話・タスク指示処理」と呼ぶ。
次に、図36において、図32のタスクの実行処理のS617の発話・タスク指示処理の一例を説明する。
図36は、図32のタスクの実行処理のS617の発話・タスク指示処理の一例を説明するフローチャートである。
図36のステップS6171において、発話・タスク指示部834は、発話の制御を実行する。
図36のステップS6172において、発話・タスク指示部834は、タスクを指示する。
このようにして、発話・タスク指示処理が終了する。
これにより、処理は、図32のステップS617からステップS618に進む。
図32のステップS618において、タスク実行部83において、派遣先Cによる発話の受付が終了したと判断された場合には、タスクの実行処理は終了する。
一方で、タスク実行部83において、派遣先Cによる発話の受付が終了したと判断されなかった場合には、処理はステップS613に戻され、以後の処理が繰り返される。
このようにして、タスクの実行処理が終了することにより、処理は、図31のステップS61からステップS62に進む。
図31のステップS62において、図8の知識カテゴリ別トレーニング部821は、仮想人材Oのトレーニング処理を行う。
この結果として、仮想人材Oの能力が人間と同じように向上するようになる。
以上、図10乃至図36を用いて、全体処理の流れについて説明した。
次に、上述した全体処理の流れを、具体例を使って説明する。
ここでは、家庭教師運営会社(派遣先Cの一例)からの依頼で、高校2年生の少年(エンドユーザ)に、家庭教師として仮想人材Oを派遣する例を想定する。
家庭教師として家庭教師運営会社に派遣される仮想人材Oは、数学の“点と直線の距離の公式”をエンドユーザたる少年に教えることをタスクとする。少年は数学が苦手であり、かつ、人見知りで人と話すことが得意では無いことを前提とする。
はじめに、人材派遣元情報取得部52において、仮想人材Oを生成するための「人材派遣の事前準備処理」が実行される(図11のステップS1)。
人材派遣元情報取得部52は、仮想人材Oを生成するための基本的要素として、最新の内部モデルPMと、最新の言語資源データPDと、最新のロジックPLとを登録する(図14のステップS1111乃至S1113)。
人材派遣元情報取得部52は、グラフを描画して画面上で表示することができる外部APIの登録を行う。(図15のステップS1122)。
人材派遣元情報取得部52のモデル取得部521は、派遣元情報として、内部モデルPMの登録を受け付ける(図16のステップS121)。一般的に、家庭教師に求められるものとして、“優しい”か“厳しい”か、性別、同じ、若しくは似たような受験経験の有無、“得意な子を伸ばすのが得意”か“苦手な子のサポートが得意”かといった要望が多い。そこで、このような要望に合致した適切な内部モデルPM内の選択肢が採用されることで、自動的に仮想人材Oの内部の気質や性格に反映されるようになる。
人材派遣元情報取得部52のデータ取得部522は、言語資源データPDの登録を受け付ける(図16のステップS122)。即ち、データ取得部522には、数学の全ての範囲を包含し、また、教育行為に必要な知識をカバーして作成されたカリキュラムデータPDCが登録される。このようなカリキュラムデータPDCは、“数学”の範囲の学習項目を最小単位まで要素分解して、それらの依存関係を整理したものを基礎的な情報として用意する。
人材派遣元情報取得部52のロジック取得部523は、ロジックPLの登録を受け付ける(図16のステップS123)。
即ち例えば、IfthenルールロジックPL4には、数学の範囲の基本要素毎に、どうすればできるようになるかが登録されている。具体的には、数学の範囲の基本要素は、主に計算系と暗記系と読解系とに分けられる。したがって、IfthenルールロジックPL4には、計算系の場合は、ドリル的に繰り返す、暗記系の場合は、覚えている部分と覚えていない部分を切り分けて覚えていない部分を相手に応じた適切な周期で確認する、また項目毎に存在する語呂合わせ等の覚えるコツ、そして読解系の場合は、まず求められていることを抜き出して書き出すことだけを練習する、といった内容を示す情報が登録されている。
次に、派遣先情報取得部51において、仮想人材Oを生成するための、「人材派遣情報の希望の登録処理」が実行される(図11のステップS2)。
派遣先情報取得部51は、派遣先Cたる家庭教師運営会社に対して、人材メニューを提供する(図17のステップS21)。即ち、家庭教師運営会社は、派遣先端末2を操作することによって、派遣先向け情報登録機能CFを機能させる。
希望人材情報取得部511は、希望人材情報CI1の入力を受け付ける(図17のステップS22)。即ち、家庭教師運営会社は、少年からヒアリングした結果として、派遣して欲しい家庭教師のタイプとして、“優しい”、性別は“女性”、想定する学力のレベル等の情報は“お任せ”という情報を、希望人材情報CI1として希望人材情報取得部511に登録する。
このような派遣先情報の入力により、仮想人材Oの派遣価格の料金プランが更新され、求められる内容毎に適切な料金が提示されるようになる。なおこれらの料金情報は、人材派遣元向け情報登録機能PFにおいて事前に登録されているものとする。
募集情報/マニュアル情報取得部513は、職場情報の入力を受け付ける(図17のステップS23)。即ち、家庭教師運営会社は、少年と母親からヒアリングした結果として、“数学の赤点回避”を目標として指導することを、会社・組織の目的CI31として募集情報/マニュアル情報取得部513に登録する。
募集情報/マニュアル情報取得部513は、研修・育成情報の入力を受け付ける(図17のステップS24)。即ち、家庭教師運営会社は、自社の講師向けの指導マニュアル、及び独自で開発した数学の指導教材や問題集、動画授業のコンテンツを、研修・育成情報CI33として募集情報/マニュアル情報取得部513に登録する。
利用形態情報取得部512は、利用形態の入力を受け付ける(図17のステップS25)。即ち、家庭教師運営会社は、いつでも気軽に質問できる「メール&チャットボットの形態でタスクを実行する仮想人材OM」と、しっかりと教えてもらえる「ビデオチャットの形態でタスクを実行する仮想人材OA」を、夫々メール&チャットボットCI21、ビデオチャットCI23として利用形態情報取得部512に登録する。
このようにして、派遣先情報の登録を受け付けるための人材派遣の希望の登録処理が終了する。
次に、仮想人材生成更新部53において、仮想人材Oに対する「初期学習処理」が実行される(図11のステップS3)。
仮想人材生成更新部53は、人材派遣元情報取得部52より、学習開始の指示を受け付ける(図18のステップS31)。即ち、人材派遣元Pは、派遣元端末3を介し、家庭教師としての仮想人材Oに学習開始の指示を行う。
仮想人材生成更新部53は、人材派遣の事前準備処理において、ステップS121において登録を受け付けた内部モデルPMの初期モデルに基づいて、仮想人材Oの内部モデルPMを生成する(図19のステップS321)。
まず、仮想人材生成更新部53は、ステップS121において登録を受け付けた内部モデルPMのうち、心理・感情・価値観内部モデルPM1の初期モデルを読み込む(図21のステップS32111)。
また、仮想人材生成更新部53は、希望人材情報取得部511において登録された希望人材情報CI1を読み込む(図21のステップS32112)。
このようにして仮想人材Oの心理・感情・価値観内部モデルPM1が生成されると、次に、仮想人材生成更新部53は、ステップS121において登録を受け付けた内部モデルPMのうち、知識・思考内部モデルPM2の初期モデルを読み込む(図22のステップS32121)。
即ち、仮想人材生成更新部53は、エンドユーザたる高校2年生の対象時期における履修済みの内容を予測した上で、少年の知識部分を推定しながら、知識・思考内部モデルPM2の初期モデルを生成する。しかし、指導前(仮想人材Oの業務開始前)であるため、全ての知識の理解度はメタ情報として未確認のままとし、随時、指導行為の中で更新していく形とする。
仮想人材生成更新部53は、ステップS122において登録を受け付けた言語資源データPDのうち、PSFデータPDPを読み込む(図22のステップS32122)。
仮想人材生成更新部53は、ステップS123において登録を受け付けたロジックPLを読み込む(図22のステップS32123)。
具体的には、仮想人材生成更新部53は、パーソナライズ要約ロジックPL1を読み込む(図23のステップS321231)。即ち、エンドユーザたる少年が高校2年生であるため、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oが内部的に少年の状態を推定するために保持する少年の知識・思考内部モデルPM2の利用可能語彙の目安を、高校2年生として設定する。
仮想人材生成更新部53は、認識形成ロジックPL2を読み込む(図23のステップS321232)。即ち、仮想人材Oは、家庭教師としては少年の「わかった」という言葉の信頼度を疑ってかからなければいけない。そのため、仮想人材Oの知識・思考内部モデルPM2の生成においては、認識形成ロジックPL2としては、バイアス系の活用は極力避け、必ず自身で確かめて事実を積み上げていくような思考パターンで動くように設定する。
このようにして、仮想人材Oは、少年が分かったと言っても、まずは信用せずに、問題を出して、その結果を見て事実ベースで、本当に分かっているかを判断するように生成される。
仮想人材生成更新部53は、コンテキスト推定ロジックPL3を読み込む(図23のステップS321233)。仮想人材Oが家庭教師として数学の指導をする上で、正しくコンテキスト推定することが極めて重要である。なぜならば、「どの公式を用いることができるか」等の判断は、コンテキストに高度に依存するからである。そのため、仮想人材Oは、コンテキストを正しくつかめていないと自己認識した際は、コンテキストの中で欠落している部分が明確になるまで、追加で質問をすることによってコンテキストの内容を確認し続ける。
このように、数学の指導の際には、“点と直線の距離の公式”等の具体的なレベルだけでなく、夫々の共通項をまとめたコンテキストを設定することができるため、利用できる公式、その他ルール、ヒント等が容易に特定できるようになる。
仮想人材生成更新部53は、IfthenルールロジックPL4を読み込む(図23のステップS321234)。数学の指導で価値を出す上で、Ifthenルールロジックは重要である。具体的には、IfthenルールロジックPL4は、[If 条件 then 実施するアクション]という形式をとり、条件に適合した際にアクションを実施するというルールの集合体である。Ifthenの「条件」の部分には、仮想人材Oが推定する少年の知識・思考内部モデルPM2や、心理・感情・価値観内部モデルPM1や、コンテキストの状態が登録され、そして「実施するアクション」の部分には、仮想人材Oが少年の学力向上のために出来ることが登録される。
なおこのステップにおける処理は、あくまでも初期値生成のための処理であり、IfthenルールロジックPL4自体は、指導行為を通した少年の状態変化に応じて、動的に最適化される。
仮想人材生成更新部53は、その他ロジックを読み込む(図23のステップS321235)。即ち、仮想人材Oを形成する上で、動的な最適化は、上述のロジックPL以外にも必要であり、このようなロジックは、IfthenルールロジックPL4の具体的な内容として随時登録することができる。つまり、複数のIfthenルールロジックPL4をどのように組み合わせて推論を進めるかによって、結果・結論、選択される行動等は全く異なってくるため、その他のロジックの管理も極めて重要である。
このようにして仮想人材Oの知識・思考内部モデルPM2が生成されると、次に、仮想人材生成更新部53は、ステップS121において登録を受け付けた内部モデルPMのうち、目的・ゴール内部モデルPM3の初期モデルを読み込む(図24のステップS32131)。
仮想人材生成更新部53は、ステップS24において登録された会社・組織の目的CI31を読み込む(図24のステップS32132)。
即ち、読み込まれた会社・組織の目的CI31のうち、職場情報として、“数学の赤点回避”を目標として指導することが確認されると、仮想人材生成更新部53は、例えば、“やったこと”を増やすのではなく、“できること”を増やすことを中心に、少年の目的・ゴール内部モデルPM3の初期値を設定する。
このようにして、仮想人材Oの内部モデルの初回生成処理が終了する。
仮想人材生成更新部53は、ステップS122において取得されたカリキュラムデータPDCと、ステップS24において取得された研修・育成情報CI33とを統合する。即ち、仮想人材生成更新部53は、人材派遣元Pが用意したカリキュラムデータPDCと、家庭教師運営会社が用意した自社の講師向けの指導マニュアル、及び独自で開発した数学の指導教材や問題集、動画授業のコンテンツ等とを統合する。
仮想人材生成更新部53は、統合後のカリキュラムデータPDCの読み込みを行う。即ち、仮想人材生成更新部53は、カリキュラムデータPDCと研修・育成情報CI33との統合により生成されたデータを、パーソナライズ要約ロジックPL1を用いて、仮想人材Oの知識・思考内部モデルPM2に取り込む。
つまり、人材派遣元Pが容易するカリキュラムデータPDCはともかく、家庭教師運営会社が用意したコンテンツは、人材派遣元Pにより提供される訳ではないので自動読解の難易度が上がる。このようなコンテンツから生成されたデータをパーソナライズ要約ロジックPL1を用いることにより、仮想人材Oの理解のレベルを上げることができる。
以上を換言すると、カリキュラムデータPDCと研修・育成情報CI33との統合により生成されたデータをパーソナライズ要約ロジックPL1することにより、少年の学年の設定状況、及び、数学が苦手であるという情報に基づき利用可能語彙が中学生レベルに設定された形での理解を仮想人材Oにさせることができる。結果として、仮想人材Oは、少年に対して、よりかみ砕いた説明ができるようになる。
仮想人材生成更新部53は、コンテキストを推定する(図25のステップS32222)。即ち、上述したように、コンテキストの推定は、利用できる公式、その他ルール、ヒント等の特定のために極めて重要な要素である。具体的には、カリキュラムデータPDCと研修・育成情報CI33との統合により生成されたデータが読み込まれることで、各情報のコンテキストが正しく認識されて設定されることで、仮想人材Oは、少年に対して正しい指導ができるようになる。
仮想人材生成更新部53は、内部モデルPMの更新を行う(図19のステップS323)。
即ち、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oが何かを学ぶ都度、IfthenルールロジックPL4を適用することにより、必要な処理を実行する(図27のステップS3231)。
仮想人材生成更新部53は、未知語の取り込みを行う(図28のステップS32321)。即ち、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oが学習する過程の中で、学習対象が既知のものと同一であるか、あるいは、未知のものであるかを判定する。
学習対象が未知のものであると判定された場合、当該学習対象は、新たな知識として、知識・思考内部モデルPM2に保持される。また、学習対象が、一旦は未知のものと判定された場合でも、その後の学習プロセスの中で、既知のものと同一であったことが判明すれば、知識は知識・思考内部モデルPM2に統合される。
仮想人材生成更新部53は、複数情報を統廃合する。即ち、仮想人材生成更新部53は、重複して扱われる情報に関しては、メタ情報としての統計情報を更新しながら、随時統廃合を行う。具体的には、数学を指導する家庭教師としての仮想人材Oの場合においては、相互矛盾するような情報に直面することはほぼ無いが、例えば教材の記述ミス等の可能性もある。そこで、仮想人材生成更新部53は、ここで既存の知識との整合性のチェックをしながら、統計情報を集計して更新する。
このようにして、仮想人材Oに対する初期学習処理が終了する。
さらに、人材派遣元Pにおいて、仮想人材Oに対する「人材生成処理」が実行される(図11のステップS4)。
仮想人材生成更新部53は、知能モデルとアバターを統合する。即ち、仮想人材生成更新部53は、少年の希望に合わせて、“優しい”、“女性”のアバターを生成する準備を行う(図29のステップS41)。
仮想人材生成更新部53は、プライバシ保護データマイニングを適用することもできる。即ち、仮想人材生成更新部53は、仮想人材Oが少年から知り得た情報を外部に漏らさないよう、プライバシを保護するプライバシ保護データマイニングロジックPL6を適用する(図29のステップS42)。プライバシ保護データマイニングロジックPL6を適用することによって、仮想人材Oが、生徒のプライバシーを保護したまま、指導ノウハウを他の仮想人材と共有して分析することができるようになる。
このようにして、仮想人材生成更新部53は、少年が希望する仮想人材Oとしての家庭教師を生成する(図29のステップS43)。
このようにして、仮想人材Oに対する人材生成処理が終了する。
さらに、派遣先Cにおいて、タスクを実行するための「業務開始準備処理」が実行される(図11のステップS5)。
環境設定部81は、仮想人材Oを利用形態毎に利用するためのアクセスポイントを設定する。即ち、環境設定部81は、少年が家庭教師としての仮想人材Oにアクセスするための、ビデオチャット起動のためのURLと、仮想人材Oとやり取りするためのメールアドレスを設定する(図30のステップS51)。
環境設定部81は、発話・タスク指示に関する各種設定を行う。即ち、環境設定部81は、利用可能なAPIとして、“グラフを描画して画面上で表示できるAPI”を選択する。また、環境設定部81は、家庭教師としての仮想人材Oが対応できないときに、サポートするリアルな人材(専門スタッフ)の連絡先を設定する。例えば、専門スタッフは、10人の仮想人材Oに対して1人の割合で設定され、随時、仮想人材Oから送信されるタスク指示を実行する(図30のステップS52)。
このようにして、仮想人材Oに対する業務開始準備処理が終了する。
さらに、派遣先Cにおいて、「人材派遣処理」が実行される(図11のステップS6)。
仮想人材派遣部54は、エンドユーザのアクセスを受け付ける。即ち、少年は、提供されたURLにアクセスして、仮想人材Oの家庭教師との授業開始を試みる(図32のステップS611)。
タスク実行部83は、タスク実行を開始する。即ち、仮想人材Oは、家庭教師としての対応を開始する(図32のステップS612)。
タスク実行部83は、少年の発する、今日は何をしたいか、あるいは、することを決めていない等の状況の共有を最初に受け付ける(図32のステップS613)。
客観的解釈部831は、受け付けた少年の発話内容について、客観的解釈を行う。
即ち、客観的解釈部831の、文法・意味解析部851は、少年の言葉の、文法・意味解釈を行う(図33のステップS6141)。
客観的解釈部831の、文脈での意味推定部852は、少年の言葉の、文脈での意味解釈を行う(図33のステップS6142)。
次に、主観的解釈部832は、受け付けた少年の発話内容について、主観的解釈を行う。
即ち、主観的解釈部832の、文脈での意味評価部853は、少年の言葉の、文脈での意味評価を行う(図34のステップS6151)。
主観的解釈部832の、状態更新部854は、状態の更新を行う。
即ち、仮想人材Oは、少年への指導の中で、数学は苦手だが、国語や社会が得意なことが判明した場合、数学についての利用可能語彙は中3を標準にして調整し、その他の説明語彙は高校2年生のレベルに調整して全体の理解までの経過時間を最適化する(図34のステップS6152)。
発話内容検討・生成部833は、発話の継続制御を行う。
即ち、発話内容検討・生成部833の、発話継続制御部855は、少年が話し続けているのか、仮想人材Oによる返答を期待している状態かどうかといった、少年の意図を推定する(図35のステップS6161)。
発話内容検討・生成部833の、発話内容生成部856は、発話内容を生成する(図35のステップS6162)。
即ち、発話内容生成部856は、推定した少年の意図に応じて、仮想人材Oが、少年に対して行うべき発話やタスク指示を明らかにする。
例えば以下は、発話やタスク指示の候補である。即ち、発話内容生成部856は、少年に対して、授業でやりたいことの有無、内容の確認、話したことが分かったかどうかの確認、分かっているかどうかを確認するための質問、特定できた分かっていない部分を分かってもらうための説明、特定できた分かっていない部分を分かるのに使える情報の紹介、授業の終了の確認、仮想人材の対応に問題があるかどうかの確認といった発話内容を生成する。
発話・タスク指示部834は、発話の制御を実行する。
即ち、発話・タスク指示部834の、発話部857は、生成された発話内容と、IfthenルールロジックPL4とに基づき、適切な発話を行う(図36のステップS6171)。
発話・タスク指示部834の、タスク指示部858は、タスクを指示する。
即ち、タスク指示部858は、IfthenルールロジックPL4に従って、適切なタスクの指示を行う。
即ち、タスク指示部858は、専門スタッフへのサポート依頼を行う。又は、発話・タスク指示部834は、事前に登録してある“グラフを描画して画面上で表示できるAPI”を実行して画面に表示する(図36のステップS6172)。
タスク実行部83は、タスクの実行処理を終了する。
即ち、タスク実行部83は、少年の授業の終了意思と、授業の規定時間の経過状況を踏まえて、タスクの終了かどうかを判断する。例えば、体調不良で休む場合のケースもあるので、その場合は、タスク実行部83は、必ずしも時間が経過せずとも、終了することはある(図32のステップS618)。
トレーニング部82の、知識カテゴリ別トレーニング部821は、仮想人材Oに対し、トレーニング処理を行う。
即ち、家庭教師運営会社は、各家庭に派遣されている仮想人材Oをトレーニングすることができる。
また、トレーニング部82の、人材間情報共有部822は、必要に応じてプライバシ保護データマイニングロジックPL6を適用することにより、生徒のプライバシを保護した上で、効果のある指導方法を、IfthenルールロジックPL4の形式で共有することができる。
また、仮想人材Oの知識・思考内部モデルPM2は可視化されたモデルであるため、知識カテゴリ別トレーニング部821は、各知識分野の理解状況に応じて、強化したい分野について、追加のカリキュラムデータPDCを用いて追加学習してもよい。
さらにまた、知識カテゴリ別トレーニング部821は、指導要領の変化によって、範囲が変わった際や、問題の傾向等が変わった際に、仮想人材Oの追加学習をしてもよい。
このように、仮想人材Oは、トレーニングを受けることによって、人間と同じようにその能力を向上させることができる。
以上、家庭教師運営会社(派遣先Cの一例)からの依頼で、高校2年生の少年(エンドユーザ)に、家庭教師として仮想人材Oを派遣する例について説明した。
上述のように、仮想人材Oのタスクの実行の際に実行されるPDCAサイクルにおいては、常に相手や自己の内部モデルが推定される。
即ち、仮想人材Oは、少年の心理・感情・価値観の内部モデルを日々の指導の中で洗練させて推定精度を上げていき、また、同時に少年の学ぶ意欲が高まるように、自分自身の心理・感情・価値観内部モデルPM1を調整して、接し方を洗練させることができる。具体的には例えば、“少年は何をやって良いか分からないときに思考停止に陥り、手が止まってしまうことが多い”ので、仮想人材Oは、この事実を少年の心理・感情・価値観の内部モデルとして保持して、継続的に指導する中で、常に配慮して指導をすることができる。
また、仮想人材Oは、日々の学習を通じて、少年の知識・思考の内部モデルの状態の把握レベルを向上させて、さらに、忘れていないかどうかも考慮しながら、動的に少年の知識・思考の内部モデルを時系列に沿って把握する。
具体的には例えば、少年は忘れても1週間置きに3回復習したら、覚えられるようになることが殆どであると学習した場合には、仮想人材Oは、IfthenルールロジックPL4として、“1回忘れたら1週間間隔で3回確認する”といった内容を新たに登録することができる。
また、“こういうケースのときにこう教えれば良い”という情報は、仮想人材Oによる日々の教育行為の中で洗練されていくと同時に、人材派遣元向け仮想人材管理機能PAにおいて登録された、IfthenルールロジックPL4の拡充と、実行可能なアクションとしての外部APIの拡充とで後方支援が行われる。具体的には、If“平方根が分からないとき”then“見るべきネットのコンテンツの表示”のような形で、少年の学力向上につながる具体的な手段が、仮想人材Oの発話行為以外でも提供される。
以上説明したように、仮想人材を実現するために必要な基盤技術としては、図37に示す各種技術が存在する。
図37は、仮想人材を実現するために必要な基盤技術の概要について説明する図である。
即ち、仮想人材Oは、パーソナライズ要約、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータ(例えば、N4)、PSFデータPDP、及び内部モデルPMを基盤技術として生成される。
ここでパーソナライズ要約とは、相手に応じて内容を言い換えうる情報システムのことであり、上述して説明したパーソナライズ要約ロジックPLとは、それを実現する処理のことをいう。
このような4つの基盤技術は、仮想人材Oの実現にのみに適用されるものではなく、仮想人材O以外の各種各様な分野に対して適用可能な技術である。
そこで以下、図38乃至54を参照して、これらの4つの基盤技術、即ち、パーソナライズ要約、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータとしてのN4、PSFデータPDP、及び内部モデルPMの夫々の詳細と具体的な適用例について、その順番に夫々説明する。
なお、以下では、これらの4つの基盤技術は、仮想人材O等の情報処理システムに適用されるものとして説明していく。
まず、図38乃至図46を参照して、PSFデータPDPについて説明する。
詳細は後述するが、PSFデータPDPは、既存のオントロジーに対して、(1)全定義情報の正規化表現、(2)センサベースの意味分解、(3)コンテキスト対応、(4)エピソード記憶からの認識形成といった技術が組み合わされることによって構成される。
図38は、(1)全定義情報の正規化表現について説明する図である。
図38には、(1)全定義情報の正規化表現R1の構成例が示されている。
図38(1)全定義情報の正規化表現R1の構成例には、定義がなされる情報(以下、「定義情報」と呼ぶ)として、個体、状態・属性、概念・カテゴリ、述語・修飾表現等が含まれている。
従来において、このような個体、状態・属性、概念・カテゴリ、述語・修飾表現等の定義情報は、定義が自然言語で記述される手法が採用されていることが殆どである。即ち例えば従来の辞書であれば、見出し語に対して、複数の語義文が言葉で書かれているような手法である。そのため、このような従来の手法で生成された定義情報を仮に従来の仮想人材がたとえ用いたとしても、従来の仮想人材は、与えられた文章の真の意味を理解することは困難であった。
そこで、仮想人材O等の情報処理システムに対して適用可能なPSFデータPDPにおいて、図38(1)全定義情報の正規化表現R1の構成例に示されるように、定義情報は、N4のような「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータで定義が表現されることによって生成されている。これにより、例えば仮想人材O等の情報処理システムは、マシンリーダブルな意味データベースが生成されるようになるため、意味表現の解像度が向上するようになる。
具体的には例えば、個体は、その個体を特定可能な名詞、状態・属性という形容詞、状態という動詞といった、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータによる定義で表現されている。
これらの複数の個体の夫々は、概念・カテゴリに分類される。即ち、この概念・カテゴリについても、その概念・カテゴリを特定可能な名詞、そこに属する1以上の個体を含めるといった、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータによる定義で表現されている。
さらに、これらの概念・カテゴリは、必要に応じて複数個まとめられて、抽象概念・カテゴリに分類される。即ち、この抽象概念・カテゴリについても、その抽象概念・カテゴリを特定可能な名詞、そこに属する1以上の概念・カテゴリを含めるといった、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータによる定義で表現されている。
また、動作・思考についても、その動作・思考を特定可能な動詞といった、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータによる定義で表現されている。
そして、この動作・思考は、1以上の個体と適宜対応付けられている。
図39は、(2)センサベースの意味分解について説明する図である。
図39には、(2)センサベースの意味分解R2の構成例が示されている。
人間は、物事を、言語だけでなく、自身が備える様々な知覚に基づいて認識する。そこで、仮想人材O等の情報処理システムは、人間が備える様々な知覚に対応するセンサに基づいて認識することができるよう、図39の(2)センサベースの意味分解R2が適用される。
具体的には例えば、図39の(2)センサベースの意味分解R2に示されるように、仮想人材O等の情報処理システムは、自身の特殊感覚に基づいて直接認識することが可能な直接認識、この直接認識から認識することが可能な間接認識、及び間接認識から認識することが可能な抽象認識といったような、センサベースで認識可能なものを単位として物事を認識する。
即ち、PSFデータPDPにおいては、人間の感覚に対応するセンサにより直接認識できるものや、それらから間接的認識できるもの、さらに、そこから抽象化して認識できるもの等が認識の基本単位とされる。これにより、例えば従来の辞書の語義文やWordnet等のクラス間関係を規定したもの、Framenet等の格フレーム情報をまとめたものよりも、きめ細やかな単位で意味を捉えることができるようになる。
図40は、(3)コンテキスト対応について説明する図である。
ここでコンテキストとは、認識対象に対しての周辺情報を「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータでまとめられたものをいう。
図40に示されるように、正規化の対象となる周辺情報の範囲としては、例えば、単語、句、談話(節単位)、文単位、複数の文単位、周囲で観測できる範囲全て、過去の経験を含めた範囲全て等、任意の範囲が設定される。
ここで、周辺情報自体は、設定された範囲の中で、詳細がリスト化された形式や、予め任意の単位で集計された形式等、任意の形式で表現されていてもよい。
そしてこのように設定された範囲の周辺情報が、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータでまとめられることで、所定のコンテキストになる。なお、以下、このようにコンテキスト毎に整理されたものを、「コンテキスト対応」と呼ぶ。
このようなコンテキスト対応を活用することで、例えば、言葉がどのような意味で使われているかといった語義曖昧性の解消や、問題を解く際に適用可能な理論の特定精度を向上させることができるようになる。
次に、図41乃至図45を参照して、上述のようなコンテキスト対応の適用例について説明する。
図41は、語義曖昧性の解消に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。
即ち、認識対象の単語に対応する辞書の見出し語の定義の中に、複数の語義文がある場合でも、コンテキストに応じて、認識対象の単語がどのような意味で使われているかについて推測することができる。これにより認識対象の単語が、どの語義文の意味に相当するのか、といったような曖昧性を解消することができる。
具体的には例えば、「メロスは張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。」という文章が入力されていると想定する。
ここで、「走る」という単語だけならば、当該単語に対して、1乃至10番目に夫々示されたような複数の語義文がある。このような場合でも、上記文章に応じたコンテキストに基づいて、認識対象の「走る」は、9番目の語義文の意味に相当すると推測できるようになる。
このようにして、認識対象の単語が、どの語義文の意味に相当するのか、といったような曖昧性が解消されるようになる。
図42は、シンボルグラウンディングに対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。
即ち、認識対象の単語に対応するオントロジー(例えば、PSFデータPDP)内にある複数の概念(例えば、Wordnetのシンセットのようなもの)の集合の中から、認識対象の単語の意味に相当する概念(例えば図42の右下の破線で囲まれた概念)を特定することができる。
具体的には例えば、「メロスは張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。」という文章が入力されていると想定する。しかしながら従来において、このような文章のみからでは、認識対象の「走る」の概念を特定することはできない。
このような場合でも、上記文章に応じたコンテキストに基づいて、例えば図42の右下の矢印や線で結ばれた各概念の集合の中から、例えば図42の右下の破線で囲まれた概念を、認識対象の「走る」の意味に相当する概念として特定することができるようになる。
図43は、公理の抽出に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。
即ち、エピソード記憶等の個々のイベントを表す情報の集まりから、コンテキスト内の要素毎に情報が分割されながら集計される。これにより、どのようなイベントがどのくらいの確率で発生するかという公理を抽出することができる。
なおここで、エピソード記憶とは、上述したように、仮想人材O等の情報処理システムが処理した情報を、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータで蓄積したものである。
具体的には例えば、図43に示されたようなエピソード記憶が4パターン入力される場合を想定する。
このような4パターンのエピソード記憶に基づき、コンテキスト内の要素毎に情報が分割されながら集計される。すると、例えば、4/4の確率で「投手はボールを投げる」、3/4の確率で「捕手はボールを受ける」、1/4の確率で、「捕手はボールを落とす」、4/4の割合で「捕手はボールに何かする」、4/4の確率で「投手がボールを投げたら、捕手はボールに何かする」といった公理を抽出することができるようになる。
図44は、概念・公理のグループ化に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。
即ち、複数のコンテキストが横断的に集計された場合に、1以上の意味要素に依存して頻用の概念や公理の適用可否が決まるような、1以上の意味要素を見つけることができる。
また、当該1以上の意味要素にラベル付けして再利用することで、概念や公理をグループ化することができるようになる。
具体的には例えば、図43の例で説明したようなエピソード記憶が蓄積されていくことで、複数のコンテキストが横断的に集計されるようになる。
これにより例えば、図44に示されるように、投手や捕手等のような概念や、投手はボールを投げる等の公理は、「野球」という意味要素に関するものであるということが発見される。またこのような、「野球」という意味要素にラベル付けして再利用することで、投手や捕手等のような概念や、投手はボールを投げる等の公理をグループ化することができるようになる。
図45は、欠落要素の推定に対するコンテキスト対応の適用例を説明する図である。
即ち、図43の例で説明したような公理が抽出されることで、コンテキストに対して適用可能な公理が蓄積されるようになる。このような公理を活用することにより、欠落要素を推定することができるようになる。
また、図44の例で説明したように、概念や公理がグループ化されることにより、コンテキストから推定されるグループ化の単位を通してグループ化された概念、公理を活用することができる。これにより、欠落要素の推定の精度向上を見込むことができる。
具体的には例えば、図45に示されるように、「〇〇がボールを投げる」における「〇〇」の部分が欠落要素であるとして、公理を直接検索することや、「野球」という単位でグループ化された概念や公理を抽出し、抽出された公理や概念を活用することで欠落要素の「〇〇」を推定することができるようになる。
図46は、(4)エピソード記憶からの認識形成について説明する図である。
図46には、(4)エピソード記憶からの認識形成R3の構成例が示されている。
上述して説明したように、エピソード記憶とは、仮想人材O等の情報処理システムが処理した情報を、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータで蓄積したものである。
そして、このようなエピソード記憶からコンテキストが生成されることによって(コンテキスト対応による)、エピソード記憶に保持されている情報が有する意味が、様々な単位で集計されるようになる(認識形成ロジックによる)。その結果として、PSFデータPDPの中に、概念や公理が、「認識状態」を表す情報として生成されるようになる。即ち、エピソード記憶からの認識形成が実現可能になる。
ここで、認識形成ロジックPL2において、エピソード記憶に保持されている情報の夫々の有する意味が集計される際には、従来の統計処理も適宜用いられるものの、特にサンプル数が少ない場合等には中心的にバイアス(バイアスを生むようなヒューリスティクス的な手法)も適用可能になる。これにより、仮想人材O等の情報処理システムは、入力された情報に対して、常に、何らかの認識をした状態を作り出すことができるようになる。
図47は、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータの具体例、即ちN4(Neo non―loss normalized network)について説明する図である。
図47には、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであるN4の具体例R4が示されている。
ここで、意味の正規化とは、ある観点で同じ意味として捉えられるならば、当該観点に関する情報の保持形式が、保持内容に明確な共通部分がある形になっている状態にすることである。
具体的には例えば、N4は、その具体例R4に示されるようにレイヤー分けがなされた状態で、それぞれに対応する情報が、key value形式のような簡易なレベルのマシンリーダブルな形で保持される。
このようなN4(その具体例R4)によって表現されたPSFデータPDPは、例えば図48及び図49のような構成を有する。
図48は、上述した「分散&動的生成型」のPSFデータPDPの構成例について説明する図である。
図48には、「分散&動的生成型」のPSFデータPDPR5の構成例が示されている。「分散&動的生成型」のPSFデータPDP(その構成例R5)は、既存のオントロジーに対して、(1)全定義情報の正規化表現(図38(1)全定義情報の正規化表現R1の構成例参照)、(2)センサベースの意味分解(図39(2)センサベースの意味分解R2の構成例参照)、(3)コンテキスト対応(図40乃至図45参照)、及び(4)エピソード記憶からの認識形成(図46参照)が組み合わされることによって構成される。
なお、オントロジーとは、例えば次のようなものである。
即ち、オントロジー=格フレーム情報(シンセット単位(例えばFramenet)・見出し語単位(例えば、KNP))+クラス関係(例えば、Wordnet)+関連する公理(例えば、SUMO)+クラス・インスタンス関係(例えば、YAGO)である。
図49は、上述した「一極集中&既設型」のPSFデータPDPの構成について説明する図である。
「一極集中&既設型」のPSFデータPDPは、既存のオントロジーに対して、(1)全定義情報の正規化表現(図38(1)全定義情報の正規化表現R1の構成例参照)、(2)センサベースの意味分解(図39(2)センサベースの意味分解R2の構成例参照)、及び(3)コンテキスト対応(図40乃至図45参照)が組み合わされることによって構成される。
次に、図50乃至52を参照して、パーソナライズ要約について説明する。
図50は、パーソナライズ要約の処理工程の概要を説明する図である。
図50には、対象の文章として、「積み木を食べてはいけない」のような文をパーソナライズ要約する例が示されている。
Step1において、対象の文章の正規化がなされる。
即ち、対象の文章が、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータ(図47「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであるN4の具体例R4参照)で定義が表現される。
Step2において、このようなN4のような「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表現された対象文章に対し、PSFデータPDP、即ち意味表現の解像度の高い、マシンリーダブルな意味データベース(図48「分散&動的生成型」のPSFデータPDPR5の構成例参照)の活用がなされる。その結果、図50の「食べる」の例に示されるように、対象文章は、解像度の高いマシンリーダブルな意味表現のものとなる。
Step3において、仮想人材O等の情報処理システムにとってのコミュニケーションの相手の利用可能語彙が把握される。
ここで、相手の利用可能語彙は、年齢や性別等のデモグラフィックな情報や、学年や専攻科目や職業等のアクティビティー情報等を用いて予測されたり、前提条件として指定されることができる。
具体的には例えば、相手が幼児である場合については、図50に示される通りである。
Step4において、Step2により解像度の高いマシンリーダブルな意味表現となった対象の文章、及び、Step3の結果に基づいて、意味の欠落が最小となる文章が生成される。
具体的には例えば、相手が幼児である場合には、図50に示される通りである。
このようにして、対象の文章に対してStep1乃至4の処理が施されることにより、「パーソナライズされた要約文」が生成される。
例えば図50の例では、「積み木を食べてはいけない」という対象の文章に対してStep1乃至4の処理が施されることにより、「これ」を「口」に「入れる」の「ダメ」といった「パーソナライズされた要約文」が生成される。
図51は、パーソナライズ要約の効果について説明する図である。
パーソナライズ要約は、仮想人材O等の情報処理システムと相手との間の相互のコミュニケーションにおいて、次のような2つの面の効果が存在する。1つの面の効果は、仮想人材O等の情報処理システムの「自らが聞き役の際の自らの理解度向上」である。別の面の効果は、仮想人材O等の情報処理システムの「自らが話す際の相手の理解度向上」である。これら2つの面の効果により、仮想人材O等の情報処理システムと相手との間で深い相互理解が実現される。
即ち、「自らが聞き役の際の自らの理解度向上」とは、仮想人材O等の情報処理システムが、相手が話している言葉を解析した際に未知語や不明な部分が多い際に、自らが理解している語彙を利用して相手が話している言葉を言い換えることによって、自らの理解度を高めることができることである。
また、「自らが話す際の相手の理解度向上」とは、仮想人材O等の情報処理システムが、相手のデモグラフィックの情報や学習歴、学歴等の情報に基づいて相手が利用できる語彙を推測したり、そもそもの利用語彙を簡易な語彙だけに限定したりすることによって、伝えたい内容を相手が知っている言葉だけで説明することによって、相手の理解度を高めることができることである。
即ち、パーソナライズ要約を用いた会話主体(仮想人材O等の情報処理システム)と相手との間で、図51に示されているような各処理が実行されることにより、深い相互理解が実現される。
また、このようなパーソナライズ要約の効果は、仮想人材O等の情報処理システムにおいて二つの観点で捉えることができる。
図52は、仮想人材O等の情報処理システムにおいてパーソナライズ要約が実現する理解度レベルとコミュニケーションの自動化レベルについて説明する図である。
即ち、第1の観点は、「理解度レベル」である。仮想人材O等の情報処理システムの実現レベルは、図52に示す理解度レベル0乃至5のうち4から5の範囲になる。ただし、レベル5のときは特定の範囲に限定される。なお、汎用人工知能のレベルは5となる。
第2の観点は、「コミュニケーションの自動化レベル」である。仮想人材O等の情報処理システムの実現レベルは、図52に示す理解度レベル0乃至5のうち4になる。なお、汎用人工知能のレベルは5となる。
図53は、内部モデルの概要について説明する図である。
内部モデルPMとは、N4のような「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表現され、かつ、PSFデータPDPのような意味表現の解像度の高い、マシンリーダブルな意味データベースに格納された、一連のモデル化されたデータ群のことである。
内部モデルPMは、例えば上述したような、心理・感情・価値観内部モデルPM1、知識・思考内部モデルPM2、目的・ゴール内部モデルPM3の3情報を、意味の正規化が行われたフォーマットでモデル化して保持する。
心理・感情・価値観内部モデルPM1は、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報で、これらはコンテキストに合わせてパーソナリティを持っているかのように振る舞うことに用いられる特徴を有するものである。
知識・思考内部モデルPM2は、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報で、これらは知識毎に理解度レベルの管理をされることに特徴を有する。
目的・ゴール内部モデルPM3は、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールで、これらは、優先順位付けされたり、予実管理されたりという特徴を有するものである。
このような内部モデルの夫々は、PSFデータPDPとして実装されるため、(1)全定義情報の正規化表現(図38参照)、(2)センサベースの意味分解(図39参照)、及び(3)コンテキスト対応(図40乃至図45参照)、(4)エピソード記憶からの認識(図46参照)の特徴を有する。
また、情報の追加・更新は、(4)エピソード記憶からの認識形成のフローに準じるものとする。
図54は、内部モデルの目的について説明する図である。
内部モデルPMには、大きく二つの目的がある。
即ち、第1の目的は、仮想人材O等の情報処理システムと相手との間で「深い相互理解の実現」である。その実現のために、仮想人材O等の情報処理システムは、内部モデルPMを用いて自己認識、相手認識を常に実施し、相互のコミュニケーションのレベルを上げていく。
また、第2の目的は、「効率的なPDCAの実現」である。その実現のために、仮想人材O等の情報処理システムは、内部モデルPMを用いて、多層的な目的を保持しながら、フレーム問題への対策を効果的に実行して、全体の改善サイクルを円滑に回していく。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれるものとする。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図6及び図7の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム及び仮想人材に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図6及び図7の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も図6及び図7に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となる機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、派遣先端末2や派遣元端末3等に移譲させてもよい。逆に派遣先端末2や派遣元端末3の機能をサーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者(本サービスの提供者や、派遣先、人材派遣元)等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者等に提供される記録媒体等で構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システム及び仮想人材は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることが出来る。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)を生成する情報処理システムにおいて、
前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジック(例えば、図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)を少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段(例えば、図6のロジック取得部523)と、
前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段(例えば、図6の仮想人材生成更新部53)と、
を備える。
即ち、仮想人材生成手段は、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータに基づいて仮想人材を生成するため、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能な仮想人材が生成される。その結果として、仮想人材と派遣先における相手との間において、相互理解度が高いコミュニケーションが実現されるようになる。
また、派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)を生成する情報処理システムにおいて、
前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータ(例えば、図2の心理・感情・価値観内部モデルPM1)を、派遣元情報として取得する取得手段(例えば、図6のモデル取得部521)と、
前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段(例えば、図6の仮想人材生成更新部53)と、
を備える。
即ち、仮想人材生成手段は、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータに基づいて仮想人材Oを生成するため、“可視化”された知能をベースとしたやり取りが可能な仮想人材が生成される。その結果として、仮想人材は、派遣先における相手との間において、相互理解度が高いコミュニケーションが実現されるようになる。
さらに、派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジック(例えば、図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)を少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、
前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段(例えば、図6の仮想人材生成更新部53)と、
を備える。
これにより、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能であると共に、“可視化”された知能をベースとしたやり取りが可能な仮想人材が生成される。その結果として、仮想人材は、派遣先における相手との間において、より相互理解度が高いコミュニケーションが実現されるようになる。
また、派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
前記派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から提供される情報のうち、複数の内部モデルを少なくとも含むデータ(例えば、図2の内部モデルPM)を、派遣元情報として取得する取得手段と、
前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段(例えば、図6の仮想人材生成更新部53)と、
を備え、
前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されている。
また、前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)は、
前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル(例えば、図2の心理・感情・価値観内部モデルPM1)を含み、
前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデル(例えば、図2の知識・思考内部モデルPM2)を含み、
前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデル(例えば、図2の目的・ゴール内部モデルPM3)を含む。
即ちこのように、仮想人材生成手段が、心理・感情・価値観内部モデル、知識・思考内部モデル、目的・ゴール内部モデルPM3といった複数の内部モデルに基づいて仮想人材Oを生成するため、感情だけでなく、相手の価値観、所属組織の目的・ゴール、知識・思考パターンを推定することにより幅広い目的を設定可能な仮想人材が生成されるようになる。また、上述のような内部モデルが保持されることにより、継続性、安定性のある対応が可能な仮想人材が生成されるようになる。その結果として、PDCAサイクルが効率的に実行されるようになる。
また、派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)であって、
前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジック(例えば、図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)を少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)を用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段(例えば、図7のタスク実行部83)を備える。
即ち、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えをすることが可能な仮想人材は、複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行う。その結果として、仮想人材Oは、派遣先における相手との間で、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、派遣元(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)であって、
前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)を用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段(例えば、図7のタスク実行部83)を備える。
即ち、あらゆる面で“可視化”された知能をベースとしたやり取りを実行可能な仮想人材は、複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態でタスクの指示を行う。その結果として、仮想人材O、派遣先における相手との間で、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)であって、
前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジック(例えば、図2のパーソナライズ要約ロジックPL1)を少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)を用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段(例えば、図7のタスク実行部83)を備える。
即ち、このような仮想人材は、相手の状況(理解度・利用可能語彙等)に応じた言い換えができ、また、“可視化”された知能をベースとしたやり取りができるため、派遣先における相手との間で、相互理解度が高いコミュニケーションを実現することができる。
また、(例えば、図1の人材派遣元P)から派遣先(例えば、図1の派遣先C)に対して派遣される仮想人材(例えば、図1の仮想人材O)であって、
前記派遣元から提供される情報のうち、複数の内部モデルを少なくとも含むデータ(例えば、図2の内部モデルPM)が、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)の夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されており、
前記第1観点及び前記第2観点に基づいて生成されたモデルを用いた自己認識及び相手認識を伴いながら、前記第3観点に基づいて生成されたモデルを用いて計画を設定(例えば、図8のPlan)し、当該計画を達成するために人間と対話をしながら所定のタスクを実行(例えば、図8のDo)し、その実行の結果を評価(例えば、図8のCheck)し、その評価の結果に基づいて改善を行う(例えば、図8のAction)タスク実行手段(例えば、図7のタスク実行部83)を備える。
また、前記複数の内部モデル(例えば、図2の内部モデルPM)は、
前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデル(例えば、図2の心理・感情・価値観内部モデルPM1)を含み、
前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデル(例えば、図2の知識・思考内部モデルPM2)を含み、
前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデル(例えば、図2の目的・ゴール内部モデルPM3)を含む。
即ち、相手の価値観、所属組織の目的・ゴール、知識・思考パターンを推定可能な仮想人材は、幅広い目的が多層的に設定できるため、フレーム問題を回避可能であると共に、派遣先における相手に対して継続性、安定性のある対応ができるため、高いレベルの対応が可能になる。その結果として、仮想人材は、PDCAサイクルを効率的に実行できるようになる。
1・・・サーバ、2・・・派遣先端末、3・・・派遣元端末、51・・・派遣先情報取得部、52・・・人材派遣元情報取得部、53・・・仮想人材生成更新部、54・・・仮想人材派遣部、61・・・仮想人材DB、81・・・環境設定部、82・・・トレーニング部、83・・・タスク実行部、511・・・希望人材情報取得部、512・・・利用形態情報取得部、513・・・募集情報/マニュアル情報取得部、521・・・モデル取得部、522・・・データ取得部、523・・・ロジック取得部、821・・・知識カテゴリ別トレーニング部、822・・・人材間情報共有部、831・・・客観的解釈部、832・・・主観的解釈部、833・・・生成部、834・・・タスク指示部、851・・・意味解析部、852・・・意味推定部、853・・・意味評価部、854・・・状態更新部、855・・・発話継続制御部、856・・・発話内容生成部、857・・・発話部、858・・・タスク指示部、862・・・状態更新部、881・・・アクチュエータ起動部、882・・・外部API起動部882、883・・・自社登録API(単純型)起動部、884・・・自社登録API(登録RPA型)起動部、885・・・専門スタッフ型起動部、886・・・クラウドソーシング型起動部・・・887オークション型起動部

Claims (10)

  1. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
    前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、
    前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、
    を備える情報処理システム。
  2. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
    前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、
    前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、
    を備える情報処理システム。
  3. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
    前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、
    前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、
    を備える情報処理システム。
  4. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材を生成する情報処理システムにおいて、
    前記派遣元から提供される情報のうち、単一または複数の内部モデルを少なくとも含むデータを、派遣元情報として取得する取得手段と、
    前記派遣元情報を用いて仮想人材を生成する仮想人材生成手段と、
    を備え、
    前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されている、
    情報処理システム。
  5. 前記単一または複数の内部モデルは、
    前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデルを含み、
    前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデルを含み、
    前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデルを含む、
    請求項4に記載の情報処理システム。
  6. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、
    前記派遣元から提供される情報のうち、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
    前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える、
    仮想人材。
  7. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、
    前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
    前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える、
    仮想人材。
  8. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、
    前記派遣元から提供される情報のうち、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットで表されたデータであって、パーソナライズ要約ロジックを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
    前記複数の内部モデルを用いて、人間が読解可能なメッセージの形態で前記タスクの指示を行うことで、前記人間と対話をしながら所定のタスクを実行するタスク実行手段を備える、
    仮想人材。
  9. 派遣元から派遣先に対して派遣される仮想人材であって、
    前記派遣元から提供される情報のうち、単一または複数の内部モデルを少なくとも含むデータが、派遣元情報として用いられて生成されたものであり、
    前記複数の内部モデルの夫々は、心理、感情、及び価値観を含む人間の内的な情報に関する第1観点、知識及び思考を含む人間の内的な知的活動及び情報に関する第2観点、並びに、人間の個人若しくは当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的、又はゴールとその内部的な関係性に関する第3観点のうち1以上の観点に基づいて生成されており、
    前記第1観点及び前記第2観点に基づいて生成されたモデルを用いた自己認識及び相手認識を伴いながら、前記第3観点に基づいて生成されたモデルを用いて計画を設定し、当該計画を達成するために人間と対話をしながら所定のタスクを実行し、その実行の結果を評価し、その評価の結果に基づいて改善を行うタスク実行手段、
    を備える仮想人材。
  10. 前記単一または複数の内部モデルは、
    前記第1観点に基づいて生成されたモデルとして、心理、感情、価値観を含む人間の内的な情報を保持し、当該情報の関係性が整理されて「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第1モデルを含み、
    前記第2観点に基づいて生成されたモデルとして、知識、思考を含む人間の内的な知的活動及び情報を保持し、当該知的活動及び情報の関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第2モデルを含み、
    前記第3観点に基づいて生成されたモデルとして、人間の個人や当該人間が属する組織を単位とするKGI及びKPIを含む目的又はゴールとその内部的な関係性が整理されて、「意味を正規化したフォーマット」又はそれに変換可能なフォーマットでモデル化された第3モデルを含む、
    請求項9に記載の仮想人材。
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