JP2022152229A - 歯科用補綴物の色の推定方法、情報処理装置、歯科用補綴物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯科用補綴物の色を推定する色の推定方法と、推定された色に基づいて歯科用補綴物の着色を行う歯科用補綴物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る歯科用補綴物の色の推定方法は、撮像手段1000を用いて得られた歯の色情報を取得する取得工程と、歯科用補綴物を配置する対象歯と、該対象歯の近傍の歯と、該対象歯との対応歯のうち、少なくとも一つの色情報に基づいて、前記歯科用補綴物の表面の色を推定する推定工程と、を備える。【選択図】図6
Description
本発明は歯科用補綴物の色の推定する推定方法、情報処理装置および推定された色データを用いて着色を行う歯科用補綴物の製造方法に関する。
従来、インレー、クラウン、ブリッジ等の歯科用補綴物は歯科技工士による鋳造など、人手によって作製されていた。それに対し、コンピュータを用いて、インレー、クラウン、ブリッジ等の歯科用補綴物の設計を行い、切削加工によって歯科用補綴物を作製するCAD/CAMシステムが注目されている(特許文献1)。
特許文献1に記載のCAD/CAMシステムは、支台歯形成や窩洞形成した歯牙の三次元形状の情報、場合によっては隣在歯や対合歯の三次元形状の情報を読み取る。そして読み取った歯牙の形状等の情報を基に目的の歯科用補綴物をコンピュータで設計し、レジン硬化体、セラミック焼結体、金属体等のブロック状材料を自動切削加工機にセットして切削加工して歯科用補綴物を作製することが開示されている。
特許文献1には、CAD/CAMシステムによって、歯牙等の三次元形状の情報に基づいてブロック材料を切削加工することで歯科用補綴物を形成するものの、歯科用補綴物の着色に関しては人手で行われており、コストがかかる。本発明は、歯科用補綴物の色を推定する色の推定方法、推定方法を実施する情報処理装置、推定された色に基づいて歯科用補綴物の着色を行う歯科用補綴物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、本発明に係る歯科用補綴物の色の推定方法は、撮像手段を用いて得られた歯の色情報を取得する取得工程と、歯科用補綴物を配置する対象歯と、該対象歯の近傍の歯と、該対象歯との対応歯のうち、少なくとも一つの色情報に基づいて、前記歯科用補綴物の表面の色を推定する推定工程と、を備える。
本発明によれば、形成された歯科用補綴物の色を推定することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明に係る歯科用補綴物製造システムの構成を示す。
図1は、本発明に係る歯科用補綴物製造システムの構成を示す。
本発明の歯科用補綴物製造システムは、口腔内の情報を取得する口腔内情報の取得部100と、取得した口腔内情報に基づいて、歯科用補綴物の三次元形状データおよび色データを生成するデータ生成部200とを含む。さらに歯科用補綴物製造システムは生成された三次元形状データに基づいて歯科用補綴物の形成を行う形成部300と、生成された色データに基づいて形成された歯科用補綴物の表面に着色を行う着色部400とから構成される。ここで、本発明におけるデータ生成部200およびデータ生成部200によって生成された色データに基づいて着色を行う着色部400は歯科用補綴物の着色システム500として機能する。即ち、着色システムは、歯の色情報に基づいて歯の色データを生成するデータ生成部200と、形成された歯科用補綴物の表面に該色データに基づいて着色する着色部400とから構成される。また形成部300と着色部400とは、両加工を行う同一の装置から構成されてもよい。
以下より、図2に示した歯科用補綴物製造システムによる歯科用補綴物の生成フローについて図3のイメージ図を参照しながら説明をする。
ステップS200において、口腔内情報の取得部100は、記憶装置等から被検者の口腔内情報を取得する。口腔内情報の取得部100が取得する情報は、歯の三次元形状の情報や、歯の色情報である。口腔内情報の取得部100は、取得した口腔内情報をデータ生成部200へと送信する。なお、ここで、口腔内情報の取得部100が取得する口腔内情報は、口腔内スキャナ等(図3の301参照)の撮像手段を用いて撮影された口腔内情報が撮像装置から送信された情報であってもよい。図3の301は、ユーザの口腔内情報を取得するイメージを示している。口腔内情報の取得部100は、被検体の口腔内情報を、撮像手段によって撮像した口腔内情報を取得する。
ステップS201において、データ生成部200は口腔内情報に基づいて、演算器が歯科用補綴物の表面の色を推定する。データ生成部200は、さらに、口腔内情報から歯科用補綴物の三次元形状を推定し、推定した色および形状に基づいて、歯の三次元形状データと歯の色データを生成する(図3の302参照)。データ生成部200は、例えば歯の形状のマスタ情報と、送信された歯の三次元形状情報との差分に基づいて、歯課用補綴物の三次元形状を推定し、歯の三次元形状データを生成してもよい。データ生成部200は歯の三次元形状データおよび歯の色データを生成すると、生成した三次元形状データを形成部300へ送信し、色データを着色部400へ送信する。
図3の302において、歯科用補綴物を濃色、現存する歯を淡色で示している。なお、データ生成部200は、後述するが、歯科用補綴物の表面に着色する色を推定し、推定した色に基づいて歯科用補綴物のデータを生成する。
データ生成部200は、口腔内情報の取得部100によって取得された口腔内情報に基づいて歯の三次元形状データおよび歯の色データを生成する。なお、データ生成部200が生成する歯の三次元形状データおよび色データは互いに関連するデータであってもよい。後に詳述するが、例えば歯科用補綴物の表面の色の推定は、歯科用補綴物の対象歯、対象歯の近傍の歯、対象歯との対応歯のうち、すくなくとも一つの色情報に基づいて、演算器によって実施される。また、色の推定は、歯の三次元形状情報に基づいて実施されてもよい。このような場合には、データ生成部200によって生成される色データは、歯の三次元形状情報および色情報に基づくため、生成される三次元形状データと色データは両データ間に相関を有する構成になる。
ステップS202において、形成部300は、取得した歯の三次元形状データに基づいて、形成部300が歯科用補綴物の母材を切削や研削することで歯科用補綴物を形成する。形成部300によって歯科用補綴物が形成されると、形成した歯科用補綴物を着色部400に送る。
ステップS203において、着色部400は、取得した歯科用補綴物の色データに基づいて、形成部300から取得した歯科用補綴物の表面に着色を行う。図3の303には、形成部300によって歯科用補綴物の母材から歯科用補綴物を形成し、形成した歯科用補綴物に対して着色部400が着色するイメージを示している。
本フローによって、本発明の歯科用補綴物の着色システム500は、形成された歯科用補綴物に対して着色を行うことができる。該着色システム500による歯科用補綴物の着色によって、図3の304にイメージとして示すような適合性の高い歯科用補綴物が生成することができる。
ここで、図4を用いて歯科用補綴物製造システムの各部を実現する装置の一例について説明をする。口腔内情報の取得部100の機能は例えば、口腔内スキャナ1000(図5を用いて後述)によって実現される。口腔内スキャナ1000で撮影した口腔内情報は、データ生成部200の機能を有する歯科用CAD2000(図6を用いて後述)に送信される。また歯科用CAD2000によって生成された歯科用補綴物の三次元形状データは、形成部300の機能を有する歯科用CAM3000(図7を用いて後述)に送信される。また歯科用CAD2000によって生成された色データは、着色部400の機能を有する着色装置4000(図9を用いて後述)に送信される。また歯科用CAD2000および着色装置4000は、それぞれの装置を一体とした歯科用補綴物の着色システム5000として機能してもよい。なお、歯科用補綴物製造システムの各部を実現する装置は上述に限定されるものではない。以下より、上述した歯科用補綴物製造システムを構成する各装置について説明をする。
<口腔内スキャナ1000>
まず、図5を用いて歯科用補綴物製造システムにおける口腔内情報取得部100の機能を実現する口腔内スキャナ1000の概略図について説明をする。口腔内スキャナ1000は記憶部501と操作部502と通信用IF(Interface)503と撮影制御部504を具備している。記憶部501は取得した歯の情報等を記憶し、操作部502は、ユーザによる操作を受け付ける。通信IF503は、LANカード等で実現され、外部装置(例えば歯科用CAD2000)との間の通信を司る。撮影制御部504は歯の三次元形状情報および歯の色情報を取得する。ここで、撮影制御部504による歯の三次元形状情報と色情報は同時に取得されても、別々に取得されても良い。また、撮影制御部504が取得する歯の三次元形状情報と色情報はそれぞれが独立した装置から構成されてもよい。
まず、図5を用いて歯科用補綴物製造システムにおける口腔内情報取得部100の機能を実現する口腔内スキャナ1000の概略図について説明をする。口腔内スキャナ1000は記憶部501と操作部502と通信用IF(Interface)503と撮影制御部504を具備している。記憶部501は取得した歯の情報等を記憶し、操作部502は、ユーザによる操作を受け付ける。通信IF503は、LANカード等で実現され、外部装置(例えば歯科用CAD2000)との間の通信を司る。撮影制御部504は歯の三次元形状情報および歯の色情報を取得する。ここで、撮影制御部504による歯の三次元形状情報と色情報は同時に取得されても、別々に取得されても良い。また、撮影制御部504が取得する歯の三次元形状情報と色情報はそれぞれが独立した装置から構成されてもよい。
撮影制御部504によって取得された歯の三次元形状情報と色情報は記憶部501に記憶され、通信IF503を用いて歯科用CAD2000に送信される。なお、口腔内情報の取得部100はあらかじめ撮影された口腔内情報を記憶装置等から取得する装置によって実現されてもよい。また口腔内スキャナ1000は口腔内の情報を取得するためのスキャナであり、必ずしも口腔内に差し込んで撮影される必要はない。例えば口腔内情報の取得部100は、口腔内の印章をとり、それをスキャンして歯の三次元形状情報を取得してもよい。
<歯科用CAD2000>
次に歯科用補綴物製造システムにおけるデータ生成部200の機能を実現する情報処理装置である、歯科用CAD2000の概略図の一例を示す。図6に示すように歯科用CAD2000は通信IF601、ROM602、RAM603、記憶部604、操作部605、表示部606と制御部607を具備している情報処理装置である。
次に歯科用補綴物製造システムにおけるデータ生成部200の機能を実現する情報処理装置である、歯科用CAD2000の概略図の一例を示す。図6に示すように歯科用CAD2000は通信IF601、ROM602、RAM603、記憶部604、操作部605、表示部606と制御部607を具備している情報処理装置である。
通信IF601は、LANカード等で実現され、外部の口腔内スキャナ1000や、歯科用CAM3000、着色装置4000との間の通信を司る。ただし通信を行う必要がない場合は、通信IF601は構成として必須ではない。ROM602は、不揮発性のメモリ等で実現され、各種プログラム等を記憶する。RAM603は、揮発性のメモリ等で実現され、各種情報を一時的に記憶する。記憶部604は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で実現され、各種情報を記憶する。操作部605は、キーボードやマウス等で実現され、表示部606は、ディスプレイ等で実現され、各種情報をユーザに表示する。操作部605や表示部606は、本図面で示すように歯科用CAD2000の構成として機能してもよいし、歯科用CAD2000とは異なる装置から構成されてもよい。
制御部607は、撮像手段を用いて得られた歯の色情報を取得する取得部608と、歯科用補綴物を配置する対象歯と、該対象歯の近傍の歯と、該対象歯との対応歯のうち、少なくとも一つの色情報に基づいて、演算器によって歯科用補綴物の表面の色を推定する。またデータ生成部610は、推定された歯科用補綴物の色や、三次元形状に基づいて、歯科用補綴物のデータを生成するデータ生成部610と、生成したデータを表示部606に表示処理するための表示制御部611とを含み構成される。
ここで、図7を用いて、歯科用CAD2000によって、歯科用補綴物のデータ生成のフローに関して説明をする。尚、歯科用CAD2000における各部の構成が複数の装置から構成されても、一部の構成のみを実現した装置として構成されてもよい。
ステップS710において、取得部608は、撮像手段を用いて得られた歯の色情報を取得する。取得部608は、歯の色情報を取得すると、推定部609へと歯の色情報を送信し、本ステップを終了する。
ステップS711において、推定部609は、歯科用補綴物を配置する対象歯と、対象歯の近傍の歯と、対象歯との対応歯のうち、少なくとも一つの色情報に基づいて、歯科用補綴物の表面の色を推定する。推定部609は、推定した歯科用補綴物の表面の色の情報をデータ生成部610に送信すると、本ステップを終了する。対象歯とは、欠損部を有する歯を指し、近傍の歯は、前記対象歯が位置する上顎あるいは下顎における同じ顎側の歯列において隣接する歯である。また対応歯とは、前記対象歯が位置する上顎あるいは下顎に対し、異なる顎側の歯列において前記対象歯とかみ合わせの位置に位置する歯のことを示す。
ここで、推定部609において、推定のための入力となる対象歯、近傍の歯、対応の歯は、ユーザによって特定されてもよいし、公知の画像処理技術によって特定されてもよい。
推定部609は、歯科用補綴物を配置する対象歯、前記歯科用補綴物を配置する位置の近傍の歯、あるいは前記歯科用補綴物を配置する歯と対応する歯のすくなくともいずれかの歯の明度情報に基づき生成された明度データを用いて、前記歯科用補綴物の表面の色を推定する。この場合に、推定部609は、歯科用補綴物の表面の色を、生成した明度データにおける最大値と最小値の間で推定することになる。
また、推定部609は、画像処理技術によって欠損した歯を対象歯として決定する処理を行ってもよい。さらに、対象歯の欠損部の欠損の度合いを算出し、該欠損の度合いに応じて、推定部609が歯科用補綴物の表面の色を推定する。例えば、推定部609は、該欠損の度合いが大きい場合には、対象歯の色情報よりも、対応歯や、近傍の歯の色情報を、欠損の度合いが小さい場合よりも色情報の推定への重みを大きくして推定を行う。一方で、推定部609は、該欠損の度合いが小さい場合には、対応歯や、近傍の歯の色情報よりも、対象の歯の色情報を、欠損の度合いが大きい場合よりも色の推定への重みを大きくして推定を行う。また推定部609における歯科用補綴物の表面の歯の色は、対象歯、対応歯、近傍の歯の色情報から欠損部の色を補間することによって推定される。例えば、複数の歯の色情報間の色の平均値を歯科用補綴物の色として推定してもよい。
推定部609は、歯の色と三次元形状の情報とを関連付けた歯のカラーモデルを記憶しておく、該カラーモデルに対して、色情報を入力することにより、歯科用補綴物の色を推定することも一例として挙げられる。
ここで推定部609によって推定される歯科用補綴物の表面の色は、CIE1976のL*a*b*表色系で規定する色度座標における色相b*よりも、低い色相b*を有する色を含んでいても良い。また、推定部609が推定する色のうち、低い色相b*を有する色が歯科用補綴物の表面の一部に配色される。歯科用補綴物の一部である歯先およびその近傍の部位に配色されていると審美性に優れるのでより望ましい。
ステップS712において、データ生成部610は、送信された歯科用補綴物の色の情報に基づいて、歯科用補綴物の色データを生成すると表示制御部611を介して生成した色データを表示部606へ表示させる。また、生成した色データは、着色装置4000へ送信され、後述するが着色装置4000は、形成された歯科用補綴物に対して、推定された色情報に基づく着色を行う。
またここで、推定部609によって推定される歯科用補綴物の表面の色は、候補として複数あってもよい。その場合には、表示制御部611は表示部606に対して複数の歯科用補綴物の表面の色候補を表示する。ユーザは、複数の色候補から、操作部605等を介して、ユーザが色データを選択できる選択受付を行ってもよい。また表示部606に表示される複数の色データの候補は、歯科用補綴物を配置する歯、歯科用補綴物を配置する位置の近傍の歯、あるいは歯科用補綴物を配置する歯と対応する歯の色情報との、少なくともいずれか1つのマッチングスコアとともに表示されてもよい。
(変形例1)
取得部608は、さらに歯の三次元形状の情報を取得してもよい。この場合には、推定部609は、歯の色情報および三次元形状情報の二つの情報に基づいて、歯科用補綴物の表面の色を推定する構成となり、推定精度の向上が期待される。また、データ生成部610によって生成される情報は、歯科用補綴物の色データに加えて、歯科用補綴物の三次元形状データとなり、該三次元形状データに基づいて、後述する歯科用CAM3000が歯科用補綴物を形成してもよい。また推定部609が三次元形状情報を取得した場合に、歯科用補綴物を配置する位置或いは姿勢に基づいて、被検体の口腔外からの歯科用補綴物の外観予測データを生成し、該外観予測データに基づいて、歯科用補綴物の表面の色を推定してもよい。また推定部609による歯科用補綴物の表面の色の推定は、光源の配置情報、光源が照射する光の強度、前記光の周波数、あるいは前記光の色味の少なくとも1つに基づいて推定されてもよい。
取得部608は、さらに歯の三次元形状の情報を取得してもよい。この場合には、推定部609は、歯の色情報および三次元形状情報の二つの情報に基づいて、歯科用補綴物の表面の色を推定する構成となり、推定精度の向上が期待される。また、データ生成部610によって生成される情報は、歯科用補綴物の色データに加えて、歯科用補綴物の三次元形状データとなり、該三次元形状データに基づいて、後述する歯科用CAM3000が歯科用補綴物を形成してもよい。また推定部609が三次元形状情報を取得した場合に、歯科用補綴物を配置する位置或いは姿勢に基づいて、被検体の口腔外からの歯科用補綴物の外観予測データを生成し、該外観予測データに基づいて、歯科用補綴物の表面の色を推定してもよい。また推定部609による歯科用補綴物の表面の色の推定は、光源の配置情報、光源が照射する光の強度、前記光の周波数、あるいは前記光の色味の少なくとも1つに基づいて推定されてもよい。
<歯科用CAM3000>
歯科用CAM3000について、図8を用いて構成の一例について説明し、図9を用いて歯科用補綴物の形成工程について説明をする。
歯科用CAM3000について、図8を用いて構成の一例について説明し、図9を用いて歯科用補綴物の形成工程について説明をする。
歯科用CAM3000は通信IF701、加工部702、記憶部703、操作部704、表示部705と制御部706を具備している。制御部706は加工制御部707と表示制御部708を具備している。
ステップS801において、歯科用CAM3000は通信IF801を通じて歯科用CAD2000よって生成された3次元形状データを受信する。受信した3次元形状データは記憶部803に記憶される。また歯科用CAM3000は歯の色データをさらに取得してもよい。歯の色データは後述のステップにて用いられる。
ステップS802において、歯科用CAM3000は、受信した三次元形状データや色データに基づいて望ましい補綴物の母材を選択する。該補綴物の母材の選択は、ユーザによる母材の選択によって代替されてもよい。また事前に補綴物の母材がセットされている場合等、本ステップは適宜省略可能である。ここで、歯科用CAM3000によって選択される補綴物の部材は、歯科用CAM3000が歯科用CAD2000から受信した歯の色データに近い補綴物の母材が望ましい。例えば歯科用補綴物の母材として選択されるのは、色データに近く白色度が高い補綴物の母材である。また歯科用補綴物の母材には、セラミックスおよび/または樹脂を含有していてもよい。
ステップS803において、歯科用CAM3000は、受信した3次元形状データに基づき制御部806を構成する加工制御部807によって加工部802を制御し、歯科用補綴物の母材を加工することで歯科用補綴物を形成する。加工部802による加工・形成の結果は表示制御部808を通じて表示部805で表示することができる。ここで加工部802は補綴物の母材を切削および/または研削で加工することで歯科用補綴物を形成しても良い。また加工部802は補綴物の母材を光照射により原料を逐次焼結または溶融して凝固させることを繰り返すことで、歯科用補綴物の加工・形成してもよい。加工部802は、付加造形法によって歯科用補綴物を形成してもよい。また制御部806は操作部804を通じて制御されてもよい。歯科用CAM3000によって形成された歯科用補綴物は着色装置4000による着色工程に用いられる。
<着色装置4000>
図10を用いて歯科用補綴物製造システムにおける着色部400の機能を実現する着色装置4000の一例について説明し、図10を用いて本装置を含む歯科用補綴物の着色工程について説明をする。
図10を用いて歯科用補綴物製造システムにおける着色部400の機能を実現する着色装置4000の一例について説明し、図10を用いて本装置を含む歯科用補綴物の着色工程について説明をする。
着色装置4000は通信IF901、操作部902、記憶部903、回転部904、吐出部905、制御部906を具備している。制御部906は位置検出部907、形状検出部908、回転制御部909、吐出制御部910を具備している。
以下、図11を用いて、データ生成部200によって生成された色データに基づいて、形成された歯科用補綴物に着色する工程の具体例について説明をする。
ステップS1001において着色装置4000は通信IF901を通じて歯科用CAD2000によって生成された歯科用補綴物の色データを受信する。
着色装置4000は、受信した色データを記憶部903に記録する。着色装置4000は、歯科用CAM3000で加工・形成した歯科用補綴物を回転部904で保持する。位置検出部907では歯科用CAM3000で加工・形成された歯科用補綴物の位置データを検出する。形状検出部908では、位置検出部907によって検出された歯科用補綴物の位置データ、または歯科用CAD2000より3次元形状データを受信することで、歯科用補綴物の形状を検出する。位置検出部907によって検出された位置データと受信した3次元形状データを組み合わせると、形状検出部908による歯科用補綴物の形状の検出精度が向上する。形状検出部908による歯科用補綴物の形状の検出は三次元形状データの受信によって代替されてもよい。
ステップS1002において着色装置4000は、形成装置3000で形成された歯科用補綴物の表面に、歯科用CAD2000で生成された色データに基づく着色を行う。具体的には、着色装置4000は、形状検出部908で検出した歯科用補綴物の形状に応じて回転制御部909で回転部904を制御し、吐出部905を吐出制御部910で制御しながら歯科用CAM3000で加工・形成した歯科用補綴物を色データに基づく色材で着色する。歯科用補綴物を着色するとステップS1003へと処理を進める。なお、吐出部905の吐出方法はインクジェットでもいいし、スプレーでもよい。ここで吐出部905には色材量が少ない時はインクジェットが使用されてもよい。また色材量が多い時は吐出部905としてスプレーが使用されてもよい。また吐出部905はインクジェットとスプレーを切り替え可能な機構としてそれぞれを有していてもよい。また着色装置4000の歯科用補綴物の着色に係る色材は2種以上用いて歯科用補綴物の色データの再現性を向上させてもよい。さらに着色装置4000は、歯科用補綴物に対して色材を塗布する塗布部(不図示)を有してもよい。着色装置4000が色材を塗布する場合には、塗布部は異なる複数の色材を用いて多層塗布が行ってもよい。塗布部による多層塗布により、歯科用補綴物に対して色データに対する着色の再現性が向上する。また複数の色材として、互いに屈折率が異なる色材を用いてもよい。屈折率が異なる色材を歯科用補綴物の着色に用いることで反射率が高まるので、少ない塗布量で着色の再現性を実現することができる。また着色装置4000によって歯科用補綴物を着色するための色材は、歯の色データと色材とを紐づけるルックアップテーブルを参照することで選択されてもよい。着色装置4000はルックアップテーブルを事前に保有している場合には、色材を決定に係る演算コストを削減することができる。色材はB、Si、あるいは樹脂のいずれかを含み構成されてもよい。歯科用補綴物を着色するための色材にB、Si、あるいは樹脂を含むことで広い色空間を実現できる。
また、着色装置4000によって、歯科用補綴物に着色するための色材は散乱材を含んでいてもよい。散乱材を含む色材の着色により、より少ない塗布量で着色の再現性が実現できる。散乱材には、屈折率の高い散乱材が用いられてもよい。屈折率の高い散乱材として、TiO2、SiO2、ZrO2のうち、少なくともいずれかを含んでいてもよい。
ステップS1003において、着色装置4000は、着色処理が完了したか否かを判定する。着色処理が完了したと判定された場合には本処理を終了し、着色処理が完了していないと判定された場合には、ステップS1002へと処理を進め、着色処理を行う。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
歯の三次元形状データを用いて、Ybファイバーレーザーを原料に照射して三次元造形を行った。原料としては表1の粉末1を用いた。歯の三次元形状データと同様の補綴物が造形できていることを三次元形状測定機で確認した。造形した補綴物に色材をインクジェットプリンタにより着色した。
歯の三次元形状データを用いて、Ybファイバーレーザーを原料に照射して三次元造形を行った。原料としては表1の粉末1を用いた。歯の三次元形状データと同様の補綴物が造形できていることを三次元形状測定機で確認した。造形した補綴物に色材をインクジェットプリンタにより着色した。
(実施例2)
実施例1と同様に原料として粉末2を用いて補綴物を作製した。
実施例1と同様に原料として粉末2を用いて補綴物を作製した。
実施例1~2の補綴物が歯科用補綴物として使用可能であることを確認した。
(変形例2)
データ生成部200は、例えば、光源が照射する光の周波数情報として光源色の白色に対するカメラの出力を(Rw、Gw、Bw)を用いて、表面色の推定を行う。補綴物で補修する歯の隣接する歯のカメラによって取得した歯の表面色を(R,G,B)とする。式1の(R’、G’、B’)に基づいて補綴物で補修するとする歯の表面色として推定する。
データ生成部200は、例えば、光源が照射する光の周波数情報として光源色の白色に対するカメラの出力を(Rw、Gw、Bw)を用いて、表面色の推定を行う。補綴物で補修する歯の隣接する歯のカメラによって取得した歯の表面色を(R,G,B)とする。式1の(R’、G’、B’)に基づいて補綴物で補修するとする歯の表面色として推定する。
(変形例3)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
608 取得部
609 推定部
609 推定部
Claims (19)
- 撮像手段を用いて得られた歯の色情報を取得する取得工程と、
歯科用補綴物を配置する対象歯と、該対象歯の近傍の歯と、該対象歯との対応歯のうち、
少なくとも一つの色情報に基づいて、演算器が前記歯科用補綴物の表面の色を推定する推定工程と、を備えた歯科用補綴物の色の推定方法。 - 前記取得工程において、さらに前記歯の三次元形状情報を取得し、
前記推定工程において、前記色情報と、前記歯の三次元形状とに基づいて前記歯科用補綴物の色を推定することを特徴とする請求項1に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。 - 前記推定工程において、前記歯の欠損部を特定し、特定した該欠損部を有する歯を、前記歯科用補綴物を配置する対象歯として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記推定工程において、前記歯の欠損部の欠損の度合いを推定し、前記欠損の度合いに応じて、前記歯科用補綴物の色の推定を行うことを特徴とする請求項3に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記推定工程において、前記欠損の度合いが大きい場合には、前記欠損の度合いが小さい場合よりも、前記対象歯の近傍の歯あるいは前記対象の歯の対応歯の色情報の重みを大きくして歯科用補綴物の色の推定を行うことを特徴とする請求項4に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記推定工程において、前記欠損の度合いが小さい場合には、前記欠損の度合いが大きい場合よりも、前記対象歯の色情報の重みを大きくして歯科用補綴物の色の推定を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記対象歯の近傍の歯は、前記対象歯が位置する上顎あるいは下顎における同じ顎側の歯列において隣接する歯である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記対象歯との対応歯は、前記対象歯が位置する上顎あるいは下顎に対し、異なる顎側の歯列において前記対象歯とかみ合わせの位置に位置する歯である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記歯科用補綴物の色は、前記歯の色情報から、欠損部の色を補間することによって推定されることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 歯の色と形状の情報を関連付けた歯のカラーモデルに対して、対象歯の色情報を入力することにより、欠損部の色を推定することを特徴とする請求項9に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記推定工程において、歯科用補綴物を配置する対象歯、前記歯科用補綴物を配置する位置の近傍の歯、あるいは前記歯科用補綴物を配置する歯と対応する歯のすくなくともいずれかの歯の明度情報に基づき生成された明度データを用いて、前記歯科用補綴物の表面の色を推定する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記明度データにおける最大値と最小値の間となるように前記演算器が前記歯科用補綴物の色を推定する請求項11に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記歯科用補綴物を配置する位置あるいは姿勢に基づく、被検体の口腔外からの前記歯科用補綴物の外観予測データに基づいて前記歯科用補綴物の表面の色を推定する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記歯の色データに含まれるCIE1976のL*a*b*表色系で規定する色度座標における色相b*よりも、低い色相b*を有する色が、前記歯科用補綴物の表面の一部の色として推定される請求項1乃至13のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記一部は歯科用補綴物の歯先およびその近傍の部位である請求項14に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 前記歯科用補綴物の表面の色は、光源の配置情報、前記光源が照射する光の強度、前記光の周波数、あるいは前記光の色味の少なくとも1つに基づいて推定される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 推定された前記歯科用補綴物の表面の色と、前記歯科用補綴物の表面に着色する色材とを紐づけるルックアップテーブルによって関連付けられた色材を、前記歯科用補綴物の表面を着色する色材として選択する工程を備える請求項1乃至16のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法。
- 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法によって歯科用補綴物の表面の色を推定する工程と、推定された前記色に基づいて着色装置で着色する工程を備えた歯科用補綴物の製造方法。
- 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の色の推定方法を実施することで、歯科用補綴物の表面の色を推定する情報処理装置。
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