JP2022151973A - 3次元pcrスクリーニング法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、多数検体のPCR判定を、少数のPCR反応数でスクリーニングする方法を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明の(1)X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を、X軸の1つに相当するY軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、X軸のaの数の混合試料を作製し、Y軸の1つに相当するX軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、Y軸のbの数の混合試料を作製し、そしてZ軸の1つに相当するX軸及びY軸の試料を1つの混合試料とし、Z軸のcの数の混合試料を作製する工程、(2)前記aの数の混合試料、bの数の混合試料、及びcの数の混合試料のPCRを行う工程、及び(3)PCRの混合試料の判定結果から、陽性試料又は陽性の候補試料の3次元のX軸、Y軸、及びZ軸の位置を特定する工程、を含む、3次元PCRスクリーニング法によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、3次元PCRスクリーニング法に関する。本発明によれば、多数検体のPCR判定を、少数のPCR反応数でスクリーニングし、陽性検体を絞り込むことができる。
PCRにより、多数の検体群からそれに含まれる少数の陽性検体を特定する場合、多数の陰性検体についても個別にPCRを行う必要がある。従って費用の点からも、操作の点からも非効率的である。
中国特許出願公開111850166号明細書
「ネイチャー(Nature)」2021年(英国)589巻、p.276-280
前記の問題を解決するために、例えば新型コロナウイルスのPCRによるウイルスRNAの検出において、いくつかの工夫がされている。
例えば、5サンプル程度をプールして検査する「プールPCR検査」が、実際に実施されている。また、特許文献1には、検査対象者をグループに分け、個別に混合してサンプリングし、定量的に検査する方法が開示されており、陽性の場合は、検証のために層別化され、最終的に新型コロナウイルスの核酸が陽性の患者を検出している。また非特許文献1には、3サンプルを混合し、3nの検体群を測定する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、プールサイズが小さかったり、サンプルの混合等の操作性が複雑であった。
従って、本発明の目的は、多数検体のPCR判定を、少数のPCR反応数でスクリーニングする方法を提供することである。
本発明者は、多数試料のPCR判定を、少数のPCR反応数でスクリーニングする方法ついて、鋭意研究した結果、驚くべきことに、X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を1次元、2次元、及び3次元ごとに混合することにより、少ないPCR反応数で、多数のプールサイズの試料をスクリーニング可能であることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](1)X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を、X軸の1つに相当するY軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、X軸のaの数の混合試料を作製し、Y軸の1つに相当するX軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、Y軸のbの数の混合試料を作製し、そしてZ軸の1つに相当するX軸及びY軸の試料を1つの混合試料とし、Z軸のcの数の混合試料を作製する工程、(2)前記aの数の混合試料、bの数の混合試料、及びcの数の混合試料のPCRを行う工程、及び(3)PCRの混合試料の判定結果から、陽性試料又は陽性の候補試料の3次元のX軸、Y軸、及びZ軸の位置を特定する工程、を含む、3次元PCRスクリーニング法、
[2](4)前記陽性の候補試料の個別の2次PCRを行う工程、を更に含む、[1]に記載の3次元PCRスクリーニング法、
[3]前記工程(2)のPCRがRT-PCRであり、試料からのRNA抽出、逆転写反応、及びPCR反応を行う、[1]又は[2]に記載の3次元PCRスクリーニング法、及び
[4]前記X軸の数aが12であり、前記Y軸の数bが8であり、前記Z軸の数cが10である、[1]~[3]のいずれかに記載の3次元PCRスクリーニング法、
に関する。
本発明の3次元PCRスクリーニング法によれば、少ないPCR反応数で、多数のプールサイズの試料をスクリーニングすることができる。
96ウェルプレートを10枚用いた場合の、3次元の試料の配置を示した模式図であり、960試料のうち1つの試料が陽性であることを示した図である。 96ウェルプレートを10枚用いた場合の、3次元の試料の配置を示した模式図であり、960試料のうち2つの試料が陽性であることを示した図である。 96ウェルプレートを10枚用いた場合のX軸の12の混合試料、Y軸の8つの混合試料、Z軸の10の混合試料を、96チャンネルピペットを用いて分注する操作を示した図である。
本発明の3次元PCRスクリーニング法は、(1)X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を、X軸の1つに相当するY軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、X軸のaの数の混合試料を作製し、Y軸の1つに相当するX軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、そしてY軸のbの数の混合試料を作製し、Z軸の1つに相当するX軸及びY軸の試料を1つの混合試料とし、Z軸のcの数の混合試料を作製する工程、(2)前記aの数の混合試料、bの数の混合試料、及びcの数の混合試料のPCRを行う工程、及び(3)PCRの混合試料の判定結果から、陽性試料又は陽性の候補試料の3次元のX軸、Y軸、及びZ軸の位置を特定する工程、を含む。
《混合試料作製工程(1)》
前記混合工程(1)においては、X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を、X軸の1つに相当するY軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、X軸のaの数の混合試料を作製し、Y軸の1つに相当するX軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、Y軸のbの数の混合試料を作製し、Z軸の1つに相当するX軸及びY軸の試料を1つの混合試料とし、Z軸のcの数の混合試料を作製する。
本明細書において「3次元に配置した試料」は、図1等に示すように、実際に3次元に配置してもよく、概念的に3次元に配置したものを混合してもよい。実際に3次元に配置する場合は、後述するが、X軸、Y軸、及びZ軸ごとに試料を混合する。一方、概念的に3次元に配置する場合は、1次元(1列)に配置した試料を、1つの試料ごとに3回、別の混合容器に分注し、あたかも3次元のX軸、Y軸、及びZ軸ごとに試料を混合することができる。例えば後者の場合、分注装置にプログラミングし、実施することができる。しかしながら、ヒトが分注する場合は、混合のミスをなくす観点から、図1等に示したように実際に3次元に配置してから、試料を混合するのが好ましい。
実際に96ウェルプレートを用い、960試料を3次元に配置して、混合する操作を、図1を用いて説明する。
図1に示すように、96ウェルのプレートには、X軸(横軸)に12列、Y軸(縦軸)に8列があるため、96の試料が含まれている。この96ウェルのプレートを、Z軸(垂直軸)方向に10枚重ねている。
まず、X軸の12列の列ごとに、x=1~x=12の混合試料を作製する。具体的には、1列目のx=1の混合試料は、Y軸の8試料とZ軸の10試料とを乗じた8x10=80試料を混合してx=1の混合試料を作製する。同様に2列目について、80試料を混合してx=2の混合試料を作製する。このようにしてx=12までの12の混合試料を作製する。実際の分注操作は、図3に示すように、10枚の96ウェルプレートから一旦新しい96ウェルプレートに分注し、Z軸に沿った10試料を混合することにより、x=1~x=12の混合試料をy=1~y=8の混合試料とともに効率的に作製することができる。
次に、Y軸の8列の列ごとに、y=1~y=8の混合試料を作製する。具体的には、1列目のy=1の混合試料は、X軸の12試料とZ軸の10試料とを乗じた12x10=120試料を混合してy=1の混合試料を作製する。同様に2列目について、120試料を混合してy=2の混合試料を作製する。このようにしてy=8までの8の混合試料を作製する。実際の分注操作は、図3に示すように、10枚の96ウェルプレートから一旦新しい96ウェルプレートに分注し、Z軸に沿った10試料を混合することにより、y=1~y=8の混合試料をx=1~x=12の混合試料とともに効率的に作製することができる。
次に、Z軸の10枚のプレートごとに、z=1~z=10の混合試料を作製する。具体的には、z=1の混合試料は、1枚目の96ウェルプレートのX軸の12試料とY軸の8試料とを乗じた12x8=96試料を混合して作製する。同様に2枚目について、96試料を混合してz=2の混合試料を作製する。このようにしてz=10までの10の混合試料を作製する。実際の分注操作は、図3に示すように、96チャンネルピペットを用い、10枚の96ウェルプレートから、それぞれ仕切りのないリザーバーに分注することによって、z=1~z=10の混合試料を作製することができる。
前記のように混合することによって、x=1~x=12の12の混合試料、y=1~y=8の8の混合試料、z=1~z=10の10の混合試料が作製できる。すなわち30の混合試料が作製できる。すなわち、960の個別の試料を、30の混合試料に集約することができる。
本明細書において、aは特に限定されるものではないが、下限は例えば4以上であり、ある態様では5以上であり、ある態様では6以上であり、ある態様では7以上であり、ある態様では8以上であり、ある態様では9以上であり、ある態様では10以上である。上限は、例えば50以下であり、ある態様では45以下であり、ある態様では40以下であり、ある態様では35以下であり、ある態様では30以下であり、ある態様では25以下であり、ある態様では20以下であり、ある態様では19以下であり、ある態様では18以下であり、ある態様では17以下であり、ある態様では16以下であり、ある態様では15以下であり、ある態様では14以下であり、ある態様では13以下であり、ある態様では12以下であり、ある態様では11以下であり、ある態様では10以下である。aの数は、理論的にどの数でも実施できることから、前記下限及び上限は、適宜組み合わせることができる。
本明細書において、bは特に限定されるものではないが、下限は例えば4以上であり、ある態様では5以上であり、ある態様では6以上であり、ある態様では7以上であり、ある態様では8以上であり、ある態様では9以上であり、ある態様では10以上である。上限は、例えば50以下であり、ある態様では45以下であり、ある態様では40以下であり、ある態様では35以下であり、ある態様では30以下であり、ある態様では25以下であり、ある態様では20以下であり、ある態様では19以下であり、ある態様では18以下であり、ある態様では17以下であり、ある態様では16以下であり、ある態様では15以下であり、ある態様では14以下であり、ある態様では13以下であり、ある態様では12以下であり、ある態様では11以下であり、ある態様では10以下である。bの数は、理論的にどの数でも実施できることから、前記下限及び上限は、適宜組み合わせることができる。
本明細書において、cは特に限定されるものではないが、下限は例えば4以上であり、ある態様では5以上であり、ある態様では6以上であり、ある態様では7以上であり、ある態様では8以上であり、ある態様では9以上であり、ある態様では10以上である。上限は、例えば50以下であり、ある態様では45以下であり、ある態様では40以下であり、ある態様では35以下であり、ある態様では30以下であり、ある態様では25以下であり、ある態様では20以下であり、ある態様では19以下であり、ある態様では18以下であり、ある態様では17以下であり、ある態様では16以下であり、ある態様では15以下であり、ある態様では14以下であり、ある態様では13以下であり、ある態様では12以下であり、ある態様では11以下であり、ある態様では10以下である。cの数は、理論的にどの数でも実施できることから、前記下限及び上限は、適宜組み合わせることができる。
本明細書において、「X軸のaの数」は特に限定されるものではないが、前記96ウェルプレートを使用した場合はa=12である。しかしながら、96ウェルプレートを小区画に分けa=4,6とすることや、一部の列に試料を充填せず、例えばa=8、10などとすることもできる。また、よりウェル数の多い384ウェルプレートを使用した場合にはaは24を上限とする任意の数とすることができ、1536ウェルプレートを使用した場合にはaは48を上限とする任意の数とすることができる。また、試料を3次元に配置するために96、384、1536ウェルプレートを用いる必然性はなく、例えばa=5、7、13など任意の値とすることができる。
本明細書において、「X軸のbの数」は特に限定されるものではないが、前記96ウェルプレートを使用した場合はb=8である。しかしながら、96ウェルプレートを小区画に分けb=4とすることや、一部の列に試料を充填せず、例えばb=6などとすることもできる。また、よりウェル数の多い384ウェルプレートを使用した場合にはbは16を上限とする任意の数とすることができ、1536ウェルプレートを使用した場合にはbは32を上限とする任意の数とすることができる。また、試料を3次元に配置するために96、384、1536ウェルプレートを用いる必然性はなく、例えばb=5、7、9など任意の値とすることができる。
本明細書において、「Z軸のcの数」は特に限定されるものではないが、図1で示した例ではc=10としている。しかしながら、96ウェルプレートを重ねる枚数をこれより少なくし、c=4、5、6、7、8、9とすることもできる。逆に、重ねる枚数を多くし、例えばc=11、12、50などとすることもできる。よりウェル数の多い384ウェルプレートや1536ウェルプレートを使用した場合にも同様にcとして4-50程度の間の任意の値とすることができる。
例えば、前記の96ウェルプレートを10枚用いた場合は、12x8x10=960の試料を12+8+10=30反応でスクリーニングできる。また、X軸が10、Y軸が10、及びZ軸が10の場合、10x10x10=1000の試料を10+10+10=30反応でスクリーニングできる。例えば、X軸が15、Y軸が15、及びZ軸が15の場合、15x15x15=3375の試料を15+15+15=45反応でスクリーニングできる。
後述のPCRがRT-PCRの場合、RNA抽出前の試料を混合試料作製工程(1)において混合することが効率がよい。しかしながら、RNAを抽出したRNA試料、又はRNAから逆転写酵素によいcDNAを合成したcDNA試料を混合してもよい。
本明細書において「試料」は、DNA又はRNAを含む限りにおいて、特に限定されるものではなく、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、又は細胞などが挙げられる。更に、ヒト又は動物などの具体的な試料としては、前記細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、又は細胞などを含むものが挙げられるが、具体的には血液、血清、血漿、組織、唾液、リンパ液、髄液、唾液、尿、組織液、ぬぐい液、尿、又は汗などが挙げられる。
《PCR工程(2)》
前記PCR工程(2)においては、前記aの数の混合試料、bの数の混合試料、及びcの数の混合試料のPCRを実施する。PCRは、本分野で公知の方法によって実施することができる。
プライマーセットは、増幅するDNAによって適宜選択することができ、標的DNAを増幅できるセンスプライマー(フォワードプライマー)及びアンチセンスプライマー(リバースプライマー)を用いればよい。例えば新型コロナウイルスの場合、例えば以下の公知のセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを用いることができる。
すなわち、
センスプライマー:5’-CACATTGGCACCCGCAATC-3’(配列番号1)及び
アンチセンスプライマー:5’-GAGGAACGAGAAGAGGCTTG-3’(配列番号2)
のプライマーセット、又は
センスプライマー:5’-AAATTTTGGGGACCAGGAAC-3’(配列番号3)及び
アンチセンスプライマー:5’-TGGCAGCTGTGTAGGTCAAC-3’(配列番号4)
のプライマーセットを用いることができる。
前記のプライマーセットを用い、二本鎖DNAに結合することで蛍光を発する化合物であるインターカレーター、例えば、SYBR Green IをPCRの反応系に加えるインターカレーター法、又はプライマーセットと5’末端をレポーター色素で、3’末端をクエンチャー色素で修飾したプローブ(TaqManプローブ)とをPCRの反応系に加えるTaqMan法等などによって増幅されたDNAを検出することができる。例えば、TaqMan法に用いられるプローブは、レポーター色素及びクエンチャー色素で標識されており、オリゴヌクレオチドの一端、例えば5’-末端にレポーター色素を結合させ、他端、例えば3’-末端にクエンチャー色素を結合させて標識したプローブを使用する。色素としては、PCR法において従来より使用されている色素を特に限定せずに用いることができ、レポーター色素としては、例えば、6-カルボキシ-フルオレッセイン(FAM)、テトラクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(TET)、2,7-ジメトキシ-4,5-ジクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(JOE)、ヘキソクロロ-6-カルボキシフルオレッセイン(HEX)等を挙げることができる。また、クエンチャー色素の例としては、例えば、6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン(TAMRA)、蛍光を発しないブラックホールクエンチャー(BHQ)等を挙げることができる。このようなリアルタイムPCR法自体は周知であり、そのためのキット及び装置も市販されている。
DNAを増幅させるPCRプロファイル(増幅サイクル)は、特に限定されないが、例えば(i)DNAの変性工程(約90℃~95℃、約15秒~1分間)、(ii)1本鎖DNAと第1プライマー及び第2プライマーとのアニーリング工程(約37℃~70℃、約20秒~1分間)、及び(iii)DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(約65℃~80℃、約20秒~2分間)で実施することができる。DNAポリメラーゼとしては、限定されるものではないが、Pfu、Vent、およびSequitherm DNAポリメラーゼなどを用いることができる。
PCR装置も、特に限定されるものではなく、ロックタイプ、キャピラリータイプの市販の装置を使用できるが、例えばABI Prism 7900HT Real-time PCR System(アプライド・バイオシステムズ社)、又はThermal Cycler Dice Real Time System II(タカラバイオ製)などを使用すればよい。
更に、試料中のDNAのコピー数が少ない標的遺伝子の場合は、Nested-PCRによって、DNAを増幅して検出することもできる。
(RT-PCR)
PCRの標的遺伝子がRNAの場合は、RT-PCRを実施する。RT-PCRにおいては、試料からのRNA抽出、逆転写反応、及びPCR反応を行う。
RNA抽出は、本分野で公知の方法を用いることができる。例えば、ホットフェノール法、グアニジンチオシアネート・ホット・フェノール法、又はグアニジンチオシアネート-グアニジン・塩酸法などが挙げられる。これらの原理を用いた市販のキットを用いてもよい。例えばカラムと抽出キットを組み合わせた、FastPureTM RNA Kit(タカラ社)、Illustra RNAspin Isolation Kit(GEヘルスケア社)、FastRNA Pro Kit(キューバイオジーン社)、RNA isolation Kit(Stratagene社製)、アイソジェン(株式会社ニッポンジーン製)、トライゾール(Invitrogen社製)、RNEasy Kitシリーズ(キアゲン社)等を用いることができる。
RNA抽出は、混合前の試料から実施してもよいが、効率を考えると、混合試料からRNA抽出することが好ましい。
逆転写反応も、本分野で公知の方法を用いることができる。逆転写酵素としては、MMLV(Moloney Murine Leukemia Virus)-RT、AMV-RT(Avian Myeloblastosis Virus)、HIV-RT、RAV2-RT、EIAV-RT、カルボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマン(Carboxydothermus hydrogenoformam)DNAポリメラーゼ)、又はその変異体が挙げられる。
逆転写反応に用いるプライマーは、特に限定されるものではないが、ランダムプライマー(例えば、ランダムヘキサマー)又はPCR用のアンチセンスプライマーを用いることができるが、特異性を向上させるためには、PCR用のアンチセンスプライマーが好ましい。
逆転写反応で得られたcDNAをPCR反応に用いるが、PCR反応は、前記のとおり実施することができる。しかしながら、RT-PCRの反応の場合、逆転写反応と、PCR反応とをPCR装置で、連続し実施する市販のRT-PCRキットを用いてもよい。
《位置特定工程(3)》
位置特定工程(3)においては、PCRの混合試料の判定結果から、陽性試料又は陽性の候補試料の3次元のX軸、Y軸、及びZ軸の位置を特定する。
例えば、960試料に1つの陽性試料が含まれていた場合、第1段階のPCRスクリーニングで1つの陽性試料を特定することができる。図1を用いて説明する。
960試料のそれぞれは、X軸の1つの混合試料、Y軸の1つの混合試料、及びZ軸の1つの試料に混合されている。従って、例えばx=4の混合試料が陽性、y=4の混合試料が陽性、そしてz=7の混合試料が陽性を示した場合、X軸の4の位置、Y軸の4の位置、及びZ軸の7の位置、(X、Y、Z)=(4、4、7)の位置の試料が陽性であることが特定できる。
また、960試料に2つの陽性試料が含まれていた場合について、図2を用いて説明する。960試料に2つの陽性試料が含まれていた場合、最大で6つの混合試料が陽性となる。例えば、x=4の混合試料、x=8の混合試料、Y=4の混合試料、Y=7の混合試料、z=3の混合試料、及びz=7の混合試料が陽性となった場合、(X、Y、Z)=(4、4、3)、(4、4、7)、(4、7、3)、(4、7、7)、(8、4、3)、(8、4、7)、(8、7、3、)、及び(8、7、7)の8つの位置の試料が陽性である可能性がある。すなわち、これらの8つの位置の試料が陽性候補試料となる。従って、これらの8つの陽性候補試料について、2次PCRを行い、2つの陽性試料を特定すればよい。
更に、960試料に3つの陽性試料が含まれていた場合、27の陽性候補試料(36分の1)に絞り込むことができる。960試料に4つの陽性試料が含まれていた場合、64の陽性候補試料(15分の1)に絞り込むことができる。
960試料に5つの陽性試料が含まれていた場合、125の陽性候補試料(8分の1)に絞り込むことができる。これらの陽性候補試料について、2次PCRを行い、陽性試料を特定することができる。
《2次PCR工程(4)》
2次PCR工程(4)においては、前記位置特定工程(3)において、陽性候補試料として特定された試料について、個別の2次PCRを行う。PCR反応は、前記PCR工程(2)に記載の操作で実施することができる。また、RT-PCRについても、前記PCR工程(2)に記載の操作で実施することができる。2次PCRの実施によって、陽性候補試料から、陽性試料を特定することができる。
《作用》
本発明の3次元PCRスクリーニング法は、プールPCR又は特許文献1のPCRと比較して、大きなプールサイズの群のスクリーニングを効率的に実施することができる。特に大きなプールサイズに少数の陽性試料が含まれている場合に、非常に効率的にスクリーニングできる。従って、新型コロナウイルスの網羅的なPCRにおいて、症状のない陽性試料を特定し、その陽性試料からの感染を防ぐことに有用に使用できる。また、非特許文献3に記載のPCR法と比較して、大きなプールサイズの群であっても分注操作が単純であり、容易にスクリーニングが実施できる。
本発明の3次元PCRスクリーニング法は、大きなプールサイズの群から陽性試料をスクリーニングする方法として、効率的に用いることができる。

Claims (4)

  1. (1)X軸、Y軸、及びZ軸の3次元に配置した試料を、
    X軸の1つに相当するY軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、X軸のaの数の混合試料を作製し、
    Y軸の1つに相当するX軸及びZ軸の試料を1つの混合試料とし、Y軸のbの数の混合試料を作製し、そして
    Z軸の1つに相当するX軸及びY軸の試料を1つの混合試料とし、Z軸のcの数の混合試料を作製する工程、
    (2)前記aの数の混合試料、bの数の混合試料、及びcの数の混合試料のPCRを行う工程、及び
    (3)PCRの混合試料の判定結果から、陽性試料又は陽性の候補試料の3次元のX軸、Y軸、及びZ軸の位置を特定する工程、
    を含む、
    3次元PCRスクリーニング法。
  2. (4)前記陽性の候補試料の個別の2次PCRを行う工程、を更に含む、請求項1に記載の3次元PCRスクリーニング法。
  3. 前記工程(2)のPCRがRT-PCRであり、試料からのRNA抽出、逆転写反応、及びPCR反応を行う、請求項1又は2に記載の3次元PCRスクリーニング法。
  4. 前記X軸の数aが12であり、前記Y軸の数bが8であり、前記Z軸の数cが10である、請求項1~3のいずれか一項に記載の3次元PCRスクリーニング法。
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