JP2022151695A - 鉄化合物およびセラミド含有飲料 - Google Patents

鉄化合物およびセラミド含有飲料 Download PDF

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Airi Tanaka
万由 福士
Mayu Fukushi
美保 山下
Miho Yamashita
麻里江 山地
Marie YAMAJI
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Abstract

【課題】本発明の課題は、一定量以上の鉄とスフィンゴ糖脂質を配合し、炭水化物量が40w/w%以下である製品において生じる、ボディ感がなく不快なにおいを有する風味を改良することである。【解決手段】アスコルビン酸又はその塩を配合すると、炭水化物量が少ないにも関わらず、べっ甲飴を想起させるような、甘く、コクのあるボディ感が付与されることを発見した。また、鉄とスフィンゴ糖脂質を共に配合することで発生した不快臭までも軽減されことを見出した。すなわち本発明は、鉄化合物、スフィンゴ糖脂質、及びアスコルビン酸又はその塩を含有し、鉄化合物の含有量が鉄換算で0.006w/w%以上、炭水化物含有量が40w/w%以下の飲料である。【選択図】なし

Description

本発明は、鉄化合物を含有する飲料に関し、医薬品、医薬部外品及び食品等の分野において利用されうる。
鉄は生体にとって必須の金属であるにも関わらず、特に女性において、摂取基準に対して不足しがちであることが報告されている。日本人の食事摂取基準(2020年版)において女性の鉄の推奨量は10.5mgであるが、平成30年国民健康・栄養調査では女性の鉄の摂取量は7.5mgであり、1日当たり3mg程度鉄が不足している(非特許文献1)。食生活上の効率的な摂取の方法として、鉄化合物を配合した飲料やサプリメント等が利用されているが、鉄化合物が他の配合成分と反応し、風味や品質を損なうという問題があった(特許文献1、2)。
インナービューティー市場において、高い成長率を見せている成分にスフィンゴ糖脂質の一種であるセラミドがある。セラミドは、2015年の機能性表示食品制度の開始以降、関与成分として採用されることが多くなり、売上を伸ばしている(非特許文献2)。スフィンゴ脂質は、長鎖アミノアルコールであるスフィンゴイド塩基を共通骨格に持つ脂質の一群であり、多種多様な分子種が存在する。自然界に存在するスフィンゴ脂質は、スフィンゴイド塩基に脂肪酸が酸アミド結合したセラミドを基本構造に持ち、セラミドのスフィンゴイド塩基部分にリン酸コリンの結合したスフィンゴミエリンや、糖の結合したスフィンゴ糖脂質などのかたちで存在している(非特許文献3)。食品・健康補助食品の分野においては、特にスフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドの利用が盛んに行われている。
また、インナービューティー市場において、アスコルビン酸(ビタミンC)は、消費者にとって身近な成分であることから、サプリメントやOTC医薬品、美容ドリンクなど様々な分野の商品に使用されている(非特許文献2)。ヒトの体内で生成することができない水溶性ビタミンの1種であり、毎日の食事から十分に補給することが重要である(非特許文献4)。
食品と開発 VOL.55 No.6 P.41 2018年インナービューティーの市場分析調査 P.17 小山洋一 皮革科学 VOL.56 No.2 P.71~79(2010) 石神昭人 ビタミンCの事典 P.43,51(2011)
特開2017-93397号公報 特開2000-279143号公報
健康意識の高い消費者にとって、砂糖や果糖ブドウ糖液糖のような炭水化物を多く含んだ製品は好ましくない。そこで、本発明者らは、鉄含量の高い飲料の開発を行う中で、炭水化物量を控え、訴求成分であるスフィンゴ糖脂質を配合したところ、ボディ感のない淡泊な風味が課題となった。また、鉄とスフィンゴ糖脂質を共に配合すると鼻を刺すような、または油を想起するような不快臭が発生するという課題が生じ、全体としてボディ感がなく不快な臭いのする風味が問題となった。また、0.006w/w%以上の高濃度の鉄とアスコルビン酸またはその塩を配合することで、鉄由来の不快味(鉄味)が強くなることが問題となっていた。
本発明の目的は、鉄とスフィンゴ糖脂質を配合し、炭水化物量が40w/w%以下である製品において生じる、ボディ感がなく不快なにおいを有する風味を改良し、0.006w/w%以上の鉄とアスコルビン酸またはその塩を配合することで強まる鉄味を低減することである。
本発明者らは、この問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、意外にも、0.006w/w%以上の鉄化合物、スフィンゴ糖脂質、及びアスコルビン酸又はその塩を配合した飲料は、炭水化物量が40w/w%以下と少ないにも関わらず、べっ甲飴を想起させるような、甘く、コクのあるボディ感が付与され、また、鉄とスフィンゴ糖脂質を共に配合することで発生した不快臭までも軽減されること、さらには0.006w/w%以上の鉄とアスコルビン酸またはその塩を配合することで強まる鉄味が低減されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)鉄化合物、スフィンゴ糖脂質、及びアスコルビン酸又はその塩を含有し、鉄化合物の含有量が鉄換算で0.006w/w%以上、炭水化物含有量が40w/w%以下である飲料、
(2)鉄化合物が、フマル酸第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、およびヘム鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種である、(1)に記載の飲料、
(3)スフィンゴ糖脂質の含有量が0.00001~0.2w/w%である、(1)又は(2)に記載の飲料、
(4)アスコルビン酸又はその塩の含有量が0.001~20w/w%である、(1)~(3)のいずれかに記載の飲料、
(5)スフィンゴ糖脂質の含有量が、鉄換算で鉄1質量部に対して0.001~10質量部である、(1)~(4)のいずれかに記載の飲料、
(6)アスコルビン酸又はその塩の含有量が、鉄換算で鉄1質量部に対して0.1~5000質量部である、(1)~(5)のいずれかに記載の飲料、
(7)スフィンゴ糖脂質が、米、パイナップル、トウモロコシ、又はこんにゃく由来である(1)~(6)のいずれかに記載の飲料、
(8)スフィンゴ糖脂質がグルコシルセラミドである、(1)~(7)いずれかに記載の飲料、
(9)一回の経口摂取量当たりの鉄化合物の含有量が、鉄換算で3mg~20mgである、(1)~(8)のいずれかに記載の飲料、
(10)pHが2.0~4.5である(1)~(9)のいずれかに記載の飲料、
(11)飲料中に鉄化合物及びスフィンゴ糖脂質を共存させることにより生じる不快なにおいを、アスコルビン酸又はその塩を配合することにより改善する方法、
である。
本発明により、鉄換算で0.006w/w%以上の鉄化合物とスフィンゴ糖脂質を配合し、炭水化物量40w/w%以下にも関わらず、ボディ感を有し、また、鉄とスフィンゴ糖脂質を共に配合することで発生した不快臭を抑制した風味に優れた飲料を提供することが可能となった。さらに、鉄とアスコルビン酸またはその塩を配合することで強まる鉄味を、スフィンゴ糖脂質を共存させることにより低減させた、風味に優れた飲料を提供することが可能となった。
本発明において「鉄化合物」としては、二価の鉄化合物及び三価の鉄化合物のいずれでもよく、例えば、フマル酸第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、ヘム鉄を挙げることができる。
本発明において、風味の点から、鉄化合物の含有量は、本発明の飲料中、鉄換算としての0.006w/w%~0.2w/w%が好ましく、0.006w/w%~0.04w/w%がより好ましい。また、鉄化合物としての上限値は0.03w/w%~1.2w/w%が好ましく、0.03w/w%~0.6w/w%がより好ましい。
また、本発明の飲料における鉄化合物の含有量は、好ましくは一回の経口摂取量当たり、鉄化合物の量にして鉄換算で、3mg~20mgがより好ましい。
本発明において「スフィンゴ糖脂質」としては、スフィンゴイド塩基にグルコースが結合したグルコシルセラミド、スフィンゴイド塩基にガラクトースが結合したガラクトシルセラミド、スフィンゴイド塩基にラクトースが結合したラクトシルセラミド、スフィンゴイド塩基にシアル酸が結合したガングリオシド等が挙げられ、好ましくはグルコシルセラミドである。これらの1種又は2以上の混合物を用いてもよい。スフィンゴ糖脂質は合成であってもよく、牛や馬等の哺乳動物の組織から抽出してもよく、植物から抽出したものでもよい。好ましくは、米、米ぬか、ビート、小麦、トウモロコシ、大豆、こんにゃく芋、パイナップル等の穀物類、豆類、芋類、果実類のような植物から抽出されたものであり、より好ましくは、米、パイナップル、トウモロコシ、又はこんにゃく芋由来である。
本発明の「スフィンゴ糖脂質」としては、市販品を用いてもよく、例えば、パインセラ粉末(丸善製薬(株))、パインセラ乳化物(丸善製薬(株))、ブライトニングパイン粉末(丸善製薬(株))、ブライトニングパイン乳化物(丸善製薬(株))、オリザセラミド(登録商標)-PCD(オリザ油化(株))、オリザセラミド(登録商標)-WSP(オリザ油化(株))、オリザセラミド(登録商標)-L(オリザ油化(株))、ニップンセラミドRPS((株)ニップン)、ニップンセラミドRLG((株)ニップン)、ニップンセラミドCP((株)ニップン)、フィトセラマイド(一丸ファルコス(株))、フィトセラNW-1(一丸ファルコス(株))、フィトセラNW-10(一丸ファルコス(株))、フィトセラマイドL(一丸ファルコス(株))、こんにゃくセラミド((株)ダイセル)、ビードセラミドEX-1((株)明治フードマテリア)、こんにゃくセラミド(ユニチカ(株))、コーンセラミドME-1(辻製油(株))、コーンセラミドP10(辻製油(株))、ミルクセラミドMC-5(雪印メグミルク(株))が挙げられる。
スフィンゴ糖脂質の含有量は、本発明の効果の観点から、飲料中、0.00001w/w%~0.2w/w%が好ましく、0.0001w/w%~0.02w/w%がより好ましく、0.0002w/w%~0.01w/w%がさらに好ましい。また、本発明の効果の点から、スフィンゴ糖脂質の含有量は、鉄換算で、鉄1質量部に対して、0.001~10質量部が好ましく、0.005~5質量部がより好ましく、0.002~1質量部がより好ましい。
本発明において、アスコルビン酸とは、L-アスコルビン酸又はその誘導体(L-アスコルビン酸2-グルコシド、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステル等)であり、その塩とは、例えば、ナトリウム塩又はカルシウム塩のような薬理学的に許容される塩である。なお、本発明のアスコルビン酸又はその塩の含有量は、本発明の飲料中、アスコルビン酸に換算して、0.001~20w/w%が好ましく、0.005~10w/w%がより好ましく、0.01~2w/w%がさらに好ましい。また、アスコルビン酸又はその塩の含有量は、アスコルビン酸に換算して、鉄換算で鉄1質量部に対して、0.1~5000質量部が好ましく、0.5~3000質量部がより好ましく、1~1000質量部がさらに好ましい。また、アスコルビン酸又はその塩の含有量は、アスコルビン酸に換算して、スフィンゴ糖脂質1質量部に対して、0. 1~100000質量部が好ましく、1~10000質量部がより好ましく、10~1000質量部がさらに好ましい。
本発明の飲料は、一回の経口摂取で1日不足分以上の鉄(3mg以上)を補うことができる。
また、一回の経口摂取量とは、本発明の飲料が一度に経口摂取される量であり、例えば、30~200ml、典型的には30ml、50ml、100ml、150ml、200mlがその量であり、密度比重を用いて重量充填する場合には、例えば15~200g、典型的には15g、30g、50g、100g、150g、200gがその量である。また、容器詰飲料とする場合の飲料用容器の形態は特に限定されない。容器の容量は特に限定されないが、例えば30ml~200ml(典型的には50ml、100ml、150ml、又は200ml)、重量充填する場合には、例えば15~200g(典型的には15g、30g、50g、100g、150g、200g)とすることができる。
本発明における飲料とは、経口摂取できる液体であれば特に制限はなく、医薬品、医薬部外品、又は食品(一般の食品だけでなく、栄養機能食品や特定保健用食品も含む)を挙げることができる。医薬品及び医薬部外品としては、例えば内服液剤、ドリンク剤等を挙げることができる。食品としては、清涼飲料水、炭酸飲料、スポーツ・機能性飲料、ノンアルコール飲料、乳飲料、茶飲料、コーヒー飲料、果実・野菜系飲料、ゼリー飲料等が挙げられる。より好ましくは、医薬品及び医薬部外品であれば内服液剤、ドリンク剤、食品であれば、栄養機能食品、特定保健用食品等の各種飲料、炭酸飲料、ゼリー飲料である。
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、口当たりの良さという点から2.0~4.5が好ましく、2.5~4.0がより好ましい。pHを上記範囲に保つために、必要に応じて有機酸等のpH調整剤を配合することができる。
本発明の飲料中の炭水化物の含有量は40w/w%以下であり、より好ましくは0.1~20w/w%、さらに好ましくは0.5~15w/w%である。「炭水化物」としては、砂糖、異性化糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、はちみつ、水飴、粉飴、マルトデキストリン、ソルビトール、マルチトール、還元水飴、エリスリトール、マルトース、トレハロース、黒糖等やアスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸およびその塩等が挙げられる。
また、本発明の飲料のカロリーは、150kcal/100ml以下が好ましく、より好ましくは0.5~100kcal/100ml、さらにより好ましくは1~70kcal/100mlである。
本発明の飲料は、常法により製造することができ、その方法は特に限定されるものではない。通常、各成分を量りとり、適量の精製水で溶解、撹拌した後、pHを調整し、さらに精製水を加えて容量調整し、必要に応じてろ過、殺菌処理を施すことにより得られる。
また、本発明の飲料には、その他の成分として、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸及びその塩類、生薬、生薬抽出物、カフェイン、ローヤルゼリー、デキストリン等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜に配合することができる。さらに必要に応じて、抗酸化剤、着色剤、香料、矯味剤、保存剤、甘味料、酸味剤等の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で適宜に配合することができる。
本発明における「ボディ感」とは、濃厚さを感じさせる甘さをもつ臭いのことであり、特にべっ甲飴を想起させるような甘くコクのある臭いのことである。
以下に、実施例、比較例を挙げ、本発明を更に詳細に説明する。
下記表1~7に記載の飲料は、次の方法に従い調製した。まず、全量の60%程度の精製水に、パイナップル果実抽出物又は米胚芽抽出物を添加し、十分に攪拌した。その後、クエン酸、クエン酸鉄アンモニウム、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸を添加し、全量の90%程度となるように精製水を加え、十分に攪拌した。
十分に攪拌後、塩酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを調整し、精製水を加えて全量とし、飲料を得た(実施例1~10)。これらの飲料をスクリュー管No.7((株)マルエム製)に50ml充填し、80℃25分の殺菌を行った。クエン酸鉄アンモニウム及び/又はアスコルビン酸を添加しない飲料(比較例1~11)を対照とした。パイナップル果実抽出物は、パインセラ乳化物(丸善製薬(株))を用いた。パイナップル果実抽出物は、パイナップルから抽出し液状に加工し、スフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを1.13%含む原料を使用した。米胚芽抽出物Aは、ニップンセラミドRPS((株)ニップン)、米胚芽抽出物Bとしては、ニップンセラミドRLG((株)ニップン)を用いた。米胚芽抽出物Aは、米から抽出し粉末状態に加工した原料であり、スフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを6.4%含む原料を使用した。米胚芽抽出物Bは、米から抽出し液状に加工した原料であり、スフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを3.8%含む原料を使用した。
上記の通り調製した飲料を65℃で7日間保存した。専門パネル4名により、65℃7日間保存後のサンプルの臭いをかぎ、ボディ感および不快臭について、各評価基準に従って評価し総合的に判断した。ボディ感は、表8に示す基準を用い絶対評価した。また、比較例1~11は、表9に示す基準を用い不快臭を絶対評価した。実施例1~10は、表10に示す基準により、それぞれ対照となるアスコルビン酸を配合していない飲料をコントロールとして、不快臭の軽減度合を評価した。
Figure 2022151695000001
表1に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に、鉄化合物を鉄換算で0.006~0.04w/w%配合することで、不快臭が発生することが確認された(比較例1~8)。また、アスコルビン酸を配合していない飲料(比較例1~8)では、ボディ感は全く感じられなかった。なお、比較例4の鉄化合物の含有量は、飲料50g中に鉄換算で3mg含まれるので、0.006w/w%である。同様に、比較例5の鉄化合物の含有量は、飲料50g中に鉄換算で20mg含まれるので、0.04w/w%である。
Figure 2022151695000002
表2に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に鉄を配合することで発生した不快臭がアスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることが明らかとなった。
Figure 2022151695000003
表3に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に、鉄化合物を鉄換算で0.006~0.04w/w%配合することで発生した不快臭を、アスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることが明らかとなった。
Figure 2022151695000004
表4に示す通り、ボディ感の付与は、アスコルビン酸の配合量依存的に高まり(実施例4~6)、ボディ感の高まりに応じて、不快臭が軽減されることが明らかとなった。
Figure 2022151695000005
表5に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に鉄を配合することで発生した不快臭はアスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることが明らかとなった。
Figure 2022151695000006
表6に示す通り、pH4.0の場合においても、不快臭の軽減およびボディ感が増強されることが明らかとなった(実施例8)。
Figure 2022151695000007
表7に示す通り、米胚芽抽出物を用いた場合でも、不快臭の軽減およびボディ感が増強されることが明らかとなった(実施例9~10)。
Figure 2022151695000008
Figure 2022151695000009
Figure 2022151695000010
Figure 2022151695000011
下記表12に記載の飲料は次の方法に従い調製した。まず、全量の60%程度の精製水に、アスコルビン酸、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸、安息香酸ナトリウムを添加し、全量の90%程度となるように精製水を加え、十分に攪拌した。
十分に攪拌後、塩酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを調整し、精製水を加えて全量とし、飲料を得た(比較例12~18)。これらの飲料をスクリュー管No.7((株)マルエム製)に50ml充填し、80℃25分の殺菌を行った。
上記の通り調製した飲料を65℃で7日間保存した。
鉄味の評価:
比較例12~18について、カップに注ぎ、口に含んだときに感じる鉄味について、VAS(Visual Analog Scale)法を用いて評価した。VAS法は、「基本味における味覚機能のスクリーニング検査法の構築(顎機能誌,J. Jpn. Soc. Stomattognath. Funct. 20:115-129, 2014)」および「簡易な嗅覚評価のための「日常のにおいアンケート」(日鼻誌48(1):1~7. 2009)」を参照した。すなわち、10cmの水平な直線の両端を短い縦線で閉じ、左端を「鉄味を感じない」、右端を「鉄味を非常に感じる」とし、鉄味の程度を線上に縦線で表記し、左端から縦線までの距離を測定し、VAS点数とした。評価は専門パネル4名により行い、平均値を示した。
Figure 2022151695000012
表12に示した通り、アスコルビン酸と共に鉄を配合した飲料の鉄味について、鉄化合物を鉄換算で0.0024w/w%配合した場合(比較例12)には鉄味の課題はなかった。鉄化合物を鉄換算で0.006w/w%以上配合した際は、鉄味の課題があることがわかった(比較例13~18)。
下記表13~18に記載の飲料は次の方法に従いを調製した。まず、全量の60%程度の精製水に、パイナップル果実抽出物又は米胚芽抽出物又はトウモロコシ抽出物を添加し、十分に攪拌した。その後、アスコルビン酸、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸、安息香酸ナトリウムを添加し、全量の90%程度となるように精製水を加え、十分に攪拌した。
十分に攪拌後、塩酸または水酸化ナトリウムを用いてpHを調整し、精製水を加えて全量とし、飲料を得た(実施例11~21)。これらの飲料をスクリュー管No.7((株)マルエム製)に50ml充填し、80℃25分の殺菌を行った。ボディ感および不快臭については、アスコルビン酸を添加しない飲料(比較例21~27)を対照とした。鉄味の評価は、パイナップル果実抽出物又は米胚芽抽出物又はトウモロコシ抽出物のいずれもを添加しない飲料(比較例13~18)を対照とした。パイナップル果実抽出物は、パイナップルから抽出し液状に加工し、スフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを1.09%含む原料を使用した。米胚芽抽出物Aは、ニップンセラミドRPS((株)ニップン)を用いた。米胚芽抽出物Aは、米から抽出し粉末状態に加工した原料であり、スフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドを6.4%含む原料を使用した。トウモロコシ抽出物はニップンセラミドCP(グルシルセラミドを3.3%含む、(株)ニップン製)を使用した。
上記の通り調製した飲料を65℃で7日間保存した。
専門パネル4名により、65℃7日間保存後のサンプルの臭いをかぎ、ボディ感および不快臭および鉄味について、各評価基準に従って評価し総合的に判断した。
ボディ感は、表8に示す基準を用い絶対評価した。また、比較例19~27は、表9に示す基準を用い不快臭を絶対評価した。実施例11~21は、表10に示す基準により、それぞれ対照となるアスコルビン酸を配合していない飲料をコントロールとして、不快臭の軽減度合を評価した。
鉄味については表11に示す基準を用いて、それぞれ対照となるスフィンゴ糖脂質を配合していない飲料をコントロール(比較例13~18)として、鉄味の軽減度合を評価した(実施例11~21)。
Figure 2022151695000013
※比較例20、実施例12の炭水化物、カロリーの数値は、トウモロコシ抽出物におけるグルコシルセラミドは脂質、その他はすべて炭水化物と仮定して算出
表13に示したとおり、米胚芽抽出物、トウモロコシ抽出物のいずれを用いた場合でも、スフィンゴ糖脂質と共に鉄を配合することで発生する不快臭がアスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることが明らかとなった(実施例11~12)。
Figure 2022151695000014
※実施例12の炭水化物、カロリーの数値は、トウモロコシ抽出物におけるグルコシルセラミドは脂質、その他はすべて炭水化物と仮定して算出
表14に示したとおり、鉄とアスコルビン酸を配合することで生じる鉄味を、スフィンゴ糖脂質を共存させることで低減できることがわかった(実施例11~12)。
Figure 2022151695000015
表15に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に、鉄化合物を鉄換算で0.006~0.04w/w%配合することで発生した不快臭を、アスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることがわかった。
Figure 2022151695000016
表16に示したとおり、アスコルビン酸と鉄化合物を鉄換算で0.006~0.04w/w%配合することで生じる鉄味を、スフィンゴ糖脂質を共存させることで鉄味が低減することがわかった(実施例13~18)。
Figure 2022151695000017
表17に示したとおり、スフィンゴ糖脂質と共に鉄を配合することで発生する不快臭がアスコルビン酸を配合することで軽減し、さらにボディ感が付与されることが明らかとなった(実施例19~21)。
Figure 2022151695000018
表18に示したとおり、アスコルビン酸と鉄を配合することで生じる鉄味を、スフィンゴ糖脂質を共存させることで鉄味が低減することがわかった(実施例19~21)。
本発明により、0.006w/w%以上の鉄とスフィンゴ糖脂質を配合し、炭水化物量が40w/w%以下である製品において生じる、ボディ感がなく不快で商品価値の乏しい風味を改良し、また、鉄とアスコルビン酸またはその塩を配合することで強まる鉄味を低減した風味を提供することが可能となったので、医薬品、医薬部外品及び食品の分野において、商品価値の高い飲料を提供することが期待される。

Claims (11)

  1. 鉄化合物、スフィンゴ糖脂質、及びアスコルビン酸又はその塩を含有し、鉄化合物の含有量が鉄換算で0.006w/w%以上、炭水化物含有量が40w/w%以下である飲料。
  2. 鉄化合物が、フマル酸第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄、およびヘム鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の飲料。
  3. スフィンゴ糖脂質の含有量が0.00001~0.2w/w%である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. アスコルビン酸又はその塩の含有量が0.001~20w/w%である、請求項1~3のいずれかに記載の飲料。
  5. スフィンゴ糖脂質の含有量が、鉄換算で鉄1質量部に対して0.001~10質量部である、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
  6. アスコルビン酸又はその塩の含有量が、鉄換算で鉄1質量部に対して0.1~5000質量部である、請求項1~5のいずれかに記載の飲料。
  7. スフィンゴ糖脂質が、米、パイナップル、トウモロコシ、又はこんにゃく由来である請求項1~6のいずれかに記載の飲料。
  8. スフィンゴ糖脂質がグルコシルセラミドである、請求項1~7いずれかに記載の飲料。
  9. 一回の経口摂取量当たりの鉄化合物の含有量が、鉄換算で3mg~20mgである、請求項1~8のいずれかに記載の飲料。
  10. pHが2.0~4.5である請求項1~9のいずれかに記載の飲料。
  11. 飲料中に鉄化合物及びスフィンゴ糖脂質を共存させることにより生じる不快なにおいを、アスコルビン酸又はその塩を配合することにより改善する方法。
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