JP2022150616A - 再溶融処理装置及び再溶融処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融した金属の流動による変形を防ぐことができる再溶融処理装置及び再溶融処理方法を提供する。【解決手段】再溶融処理装置10は、ワーク12の表面を局所的に再溶融及び凝固させることで、ワーク12の表面の材料改質を行う際に、2軸ポジショナー14でワーク12の傾斜方向を調整することにより、加熱部分36の位置するワーク12の表面を水平に維持しつつワーク12を移動させる。【選択図】図1
Description
本発明は、金属表面を加熱溶融して表面の改質を行う再溶融処理装置及び再溶融処理方法に関する。
金属表面に熱量を供給して表面を溶融させて改質する再溶融処理装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、鋳鉄表面の少なくとも一部に高密度エネルギー(電子ビーム)を照射してその表面層を再溶融及び再凝固させて、組織の微細化並びに均質化を図ることで耐摩耗性を向上させる技術が記載されている。
従来の再溶融処理装置及び再溶融処理方法は、通常、加工対象となるワークを固定しておき、エネルギー照射装置側を移動させている。ところが、ワークの表面の形状によっては、溶融した金属が流れることによる変形が生じる。
そこで、本発明の一観点は、溶融した金属の流動による変形を防ぐことができる再溶融処理装置及び再溶融処理方法を提供することを目的とする。
以下の開示の一観点は、ワークの表面を再溶融及び凝固させることで、前記ワークの表面の材料改質を行う再溶融処理装置であって、前記ワークを保持する保持機構と、前記ワークの表面の局所的な加熱部分に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構と、前記保持機構を駆動させて前記加熱部分を前記ワークの表面の加工領域に沿って移動させる駆動装置と、を備え、前記駆動装置は、前記加熱部分の位置する前記ワークの表面を水平に維持しつつ前記ワークを移動させる、再溶融処理装置にある。
別の一観点は、ワークを保持する保持機構と、前記ワークの表面の局所的な加熱部分に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構と、前記保持機構を駆動させて前記加熱部分を前記ワークの表面の加工領域に沿って移動させる駆動装置と、を備え、前記ワークの表面を再溶融及び凝固させることで、前記ワークの表面の材料改質を行う再溶融処理装置を用いた再溶融処理方法であって、前記駆動装置は、前記加熱部分の位置する前記ワークの表面を水平に維持しつつ前記ワークを移動させる、再溶融処理方法にある。
上記観点の再溶融処理装置及び再溶融処理方法によれば、溶融した金属の流動による変形を防ぐことができる。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る再溶融処理装置10は、図1に示すように、ワーク12を保持する2軸ポジショナー14と、ワーク12の表面を加熱するレーザ光源16と2軸ポジショナー14を駆動させる駆動装置18と、各部を制御する制御装置20とを有している。本実施形態のワーク12は、例えば、トランスミッションケースのベアリングハウジングである。ワーク12は、アルミニウム合金や、鋳鉄等の金属よりなり、鋳造又は3次元造形法等によって略円筒状に形成されている。ワーク12の内周面12aには、例えば、ボールベアリングやテーパーベアリング等の軸受け(外輪部分)が圧入される。本実施形態では、内周面12aに対して、再溶融処理を行うことにより強度向上を図りつつ耐摩耗性を変化させる。
本実施形態に係る再溶融処理装置10は、図1に示すように、ワーク12を保持する2軸ポジショナー14と、ワーク12の表面を加熱するレーザ光源16と2軸ポジショナー14を駆動させる駆動装置18と、各部を制御する制御装置20とを有している。本実施形態のワーク12は、例えば、トランスミッションケースのベアリングハウジングである。ワーク12は、アルミニウム合金や、鋳鉄等の金属よりなり、鋳造又は3次元造形法等によって略円筒状に形成されている。ワーク12の内周面12aには、例えば、ボールベアリングやテーパーベアリング等の軸受け(外輪部分)が圧入される。本実施形態では、内周面12aに対して、再溶融処理を行うことにより強度向上を図りつつ耐摩耗性を変化させる。
2軸ポジショナー14は、ワーク12を保持するチャック21と、ワーク12を回動軸22回りに回転運動させる回転部24と、傾斜軸26に沿って回転部24を傾斜させる傾斜部28とを備える。チャック21は、回動軸22を中心とする円板状に形成されており、回動軸22に垂直な主面21aを有している。主面21aには、ワーク12を把持する固定機構(不図示)が設けられている。
チャック21は、軸部30を介して回転部24に接続されている。回転部24は、モータ等で構成される。回転部24は、軸部30を介してチャック21を回動軸22回りに回動させる。回転部24は、傾斜部28によって支持される。
傾斜部28は、図1の紙面に垂直な方向に延びる軸部材32を有しており、軸部材32が回転部24に接続されている。軸部材32は、傾斜部28の傾斜動作により紙面に垂直方向に延びる傾斜軸26回りに回動し、回転部24を傾斜させる。傾斜部28は、所定の傾斜角度範囲で回転部24を傾斜させる。回転部24及び傾斜部28は、駆動装置18の駆動出力に基づいて動作する。駆動装置18は、制御装置20の制御の下で回転部24及び傾斜部28への駆動出力を行う。
レーザ光源16は、本実施形態の熱エネルギー供給機構を構成する。レーザ光源16は、2軸ポジショナー14のチャック21に対向配置されており、ワーク12の表面を溶融させるべく、レーザ光34をワーク12の加熱部分36に照射する。本実施形態のレーザ光源16は、不図示のロボットアーム等によって支持されており、ワーク12の変位や表面形状に応じて加熱部分36の位置を調整することができる。
なお、本実施形態は、レーザ光源16に限定されるものではなく、レーザ光源16に代えて、電子ビーム照射装置や、プラズマ発生装置、可燃性ガスの燃焼炎を発生させるガスバーナー等で構成してもよい。
制御装置20は、駆動装置18及びレーザ光源16を制御することで、ワーク12及びレーザ光源16を駆動させる。制御装置20は、図2に示すように、ワーク12においてレーザ光34が照射される加熱部分36が位置する部分のワーク12の表面を上向きの水平状態を維持しつつ、加熱部分36が加工領域内の全域を通過するようにワーク12を移動させる。
本実施形態の再溶融処理装置10は、以上のように構成される。以下、再溶融処理装置10を用いた再溶融処理方法について説明する。
図1に示すように、再溶融処理装置10は、制御装置20がワーク12の表面形状を取得し、ワーク12の表面形状に応じて2軸ポジショナー14及びレーザ光源16を駆動する。円筒の内周面12aを加工対象とする場合には、2軸ポジショナー14が、ワーク12の中心軸及び回動軸22を水平方向に揃える。そして、図2Aに示すように、レーザ光源16は、内周面12aの中で、法線が重力方向の上向きとなり略水平となる下端部分にレーザ光34を照射して加熱部分36とする。加工領域において、最も低い部分を加熱部分36とすることにより、仮に溶融部分38の金属が流動可能な状態になったとしても、重力による流動を防ぐことができる。
その後、図1に示す制御装置20は、回転部24を回動軸22回りに所定のスキャン速度で回動させる。これにより、図2Bに示すように、ワーク12は中心軸回りに回動し、内周面12aに沿って加熱部分36が移動する。加熱部分36においては、ワーク12を構成する金属の表面が加熱され、金属が溶融した溶融部分38が所定の深さにまで形成される。図2Aに示すように、加熱部分36は、内周面12aにおいて最も低い部分となり、且つ、常に略水平に保たれる。その結果、溶融した金属は加熱部分36から流出することなく、その場に留まる。
図2Bに示すように、ワーク12の表面の溶融部分38は、加熱部分36の移動に伴ってワーク12側への熱拡散によって急速に冷却され再凝固する。そして、ワーク12の内周面12aに沿って、組織の微細化並びに均質化がなされた改質層39が形成されてゆく。これにより、内周面12aの表面の強度が向上し、耐摩耗性が所望の値に変化する。制御装置20は、ワーク12において、加工領域である内周面12aの全域を加熱部分36が通過すると、レーザ光源16及び2軸ポジショナー14の駆動を停止させる。以上により、本実施形態の再溶処理融方法が完了する。
本実施形態の再溶融処理装置10及び再溶融処理方法は、以下の効果を奏する。
図3Aの比較例1に示すように、ワーク12の内周面12aにおいて、法線方向が下向きの部分が加熱部分36となった場合には、重力の作用により、溶融部分38から、金属が下方に流出し、内周面12aの形状の変形が増大するとともに、流出した金属が固着した部分において型崩れが生じてしまう。同様に、図3Bの比較例2のように、ワーク12の内周面12aを重力方向に揃えた場合も、加熱部分36からの溶融金属の流出が発生し、ワーク12の形状変化が生じてしまう。
これに対し、本実施形態は、ワーク12の表面を再溶融及び凝固させることで、ワーク12の表面の材料改質を行う再溶融処理装置10であって、ワーク12を保持する保持機構(例えば、2軸ポジショナー14)と、ワーク12の表面(例えば、内周面12a)の局所的な加熱部分36に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構(例えば、レーザ光源16)と、保持機構を駆動させて加熱部分36をワーク12の表面の加工領域(本実施形態では、内周面12a)に沿って移動させる駆動装置18と、を備え、駆動装置18は、加熱部分36の位置するワーク12の表面を水平に維持しつつワーク12を移動させる。
この構成によれば、加熱部分36の位置するワーク12の表面が水平に維持されるため、溶融した金属は、加熱部分36の外部へ流出することなくその場に保たれ、流出した金属による変形や肩ダレを防止できる。
上記の再溶融処理装置10において、ワーク12は円筒状の加工面(例えば内周面12a)を有しており、保持機構(例えば、2軸ポジショナー14)は、ワーク12を加工面(内周面12a)の中心軸が水平方向に向くように保持し、熱エネルギー供給機構(レーザ光源16)は加工面(内周面12a)の重力方向の下端部に熱エネルギーを供給し、駆動装置18はワーク12を中心軸(回動軸22)回りに回動させてもよい。
この構成によれば、円筒状の加工面を有するワーク12において、溶融した金属の流出を防ぎつつ再溶融処理を行うことができる。
上記の再溶融処理装置10であって、保持機構は2軸ポジショナー14であってもよい。この構成によれば、ワーク12の表面が複雑に傾斜している場合であっても、加熱部分36が位置する表面を水平に保つことができる。
本実施形態の再溶融処理方法は、ワーク12を保持する保持機構と、ワーク12の表面の局所的な加熱部分36に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構と、保持機構を駆動させて加熱部分36をワーク12の表面の加工領域に沿って移動させる駆動装置18と、を備え、ワーク12の表面を局所的に再溶融及び凝固させることで、ワーク12の表面の材料改質を行う再溶融処理装置10を用いた再溶融処理方法であって、駆動装置18は、加熱部分36の位置するワーク12の表面(例えば、内周面12a)の法線方向が重力方向の上方を向くように維持しつつワーク12を移動させる。
上記の再溶融処理方法によれば、ワーク12の表面の加熱部分36からの溶融金属の流出を防ぎつつ、再溶融処理を行うことができる。
(第2実施形態)
図4に示すように、本実施形態のワーク12Aはシリンダーヘッド40である。シリンダーヘッド40には、燃焼室42を構成する凹部44が形成されている。シリンダーヘッド40の燃焼室42は、エンジン内での燃料の燃焼に伴う高温排熱の影響を受けて高温になるため、熱疲労強度の向上が求められている。そこで、本実施形態では、図1に示す再溶融処理装置10を用いて、シリンダーヘッド40の燃焼室42への再溶融処理が行われる。
図4に示すように、本実施形態のワーク12Aはシリンダーヘッド40である。シリンダーヘッド40には、燃焼室42を構成する凹部44が形成されている。シリンダーヘッド40の燃焼室42は、エンジン内での燃料の燃焼に伴う高温排熱の影響を受けて高温になるため、熱疲労強度の向上が求められている。そこで、本実施形態では、図1に示す再溶融処理装置10を用いて、シリンダーヘッド40の燃焼室42への再溶融処理が行われる。
燃焼室42を構成する凹部44は、図4の紙面奥側に向けて凹んだペントルーフ形状となっており、中央の稜線部46を挟んで左右に異なる角度で傾斜した第1傾斜面48a及び第2傾斜面48bとが形成されている。第1傾斜面48aには、2つの吸気ポート50が稜線部46の延在方向に並んで設けられている。また、第2傾斜面48bには、2つの排気ポート52が稜線部46の延在方向に並んで設けられている。
ワーク12Aへの再溶融処理は、斜線を付して示す加熱部分36を燃焼室42の中心部42a周りに回転移動させながら中心部42aから外周側へと移動させてゆくことで行われる。なお、加熱部分36は、外周側から中心部42aへ移動させてもよい。
図5の比較例3のように、従来の再溶融処理では、シリンダーヘッド40を固定し、レーザ光34を照射する加熱部分36を移動させてゆく。この場合には、第1傾斜面48a及び第2傾斜面48bの傾斜によって、溶融した金属が稜線部46に向けて流れ落ちてしまい、燃焼室42の形状が変化してしまう。
そこで、図6に示すように、本実施形態では、図4のシリンダーヘッド40に対して再溶融処理装置10を用いて燃焼室42への再溶融処理を行う。図6に示す再溶融処理装置10の各部の構成は、図1に示す再溶融処理装置10と基本的に同じである。図6において、図1と同様の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
ワーク12A(シリンダーヘッド40)は、チャック21の主面21aの上に固定される。このとき、ワーク12Aは、燃焼室42の中心部42aがチャック21の回動軸22と一致するようにチャック21に固定される。
再溶融処理装置10は、2軸ポジショナー14及びレーザ光源16を駆動させて燃焼室42への再溶融処理を行う。2軸ポジショナー14の回転部24を回動させて、ワーク12Aを回動軸22回りに回動させる。また、レーザ光源16からレーザ光34を加熱部分36に向けて照射する。
駆動装置18は、制御装置20の制御の下で、加熱部分36が位置する部分のワーク12Aの表面の法線が重力方向の上方を向くように、すなわち水平となるように、傾斜部28を駆動させる。例えば、加熱部分36が第1傾斜面48aを通過している間は、駆動装置18は、第1傾斜面48aが水平となるように、傾斜部28の傾斜角度を調整する。また、加熱部分36が第2傾斜面48bを通過している間は、駆動装置18は、第2傾斜面48bが水平となるように、傾斜部28の傾斜角度を調整する。
したがって、加熱部分36が位置するワーク12Aの表面は、常に水平に維持され、加熱部分36の溶融部分38からの溶融金属の流出を防止できる。このように、2軸ポジショナー14によれば、ワーク12Aが異なる向きに傾斜した複数の傾斜面48a、48bを有している場合であっても、加熱部分36の位置する表面を水平に保つことができる。
上記のように、再溶融処理装置10は、ワーク12Aが異なる方向に傾斜した複数の傾斜面48a、48bを有しており、駆動装置18は加熱部分36が位置する傾斜面48a、48bが水平となるように保持機構(例えば、2軸ポジショナー14)を駆動させる。この構成によれば、ワーク12Aの加熱部分36の位置する表面を水平に保つことができる。
(第3実施形態)
以下、本実施形態では、肉厚が異なるワーク12Bに対して、改質層39の深さを均一にできる再溶融処理装置10A及び再溶融処理方法について説明する。実施形態の説明に先立って、比較例4について説明する。
以下、本実施形態では、肉厚が異なるワーク12Bに対して、改質層39の深さを均一にできる再溶融処理装置10A及び再溶融処理方法について説明する。実施形態の説明に先立って、比較例4について説明する。
図7に示すように、比較例4に係るワーク12Bは、肉厚が異なる部分が含まれている。ワーク12Bに対して再溶融処理を行うと、ワーク12Bの肉厚部分では改質層39が浅くなる一方で、ワーク12Bの肉薄部分では改質層39が深く形成され、場所によって改質層39の深さが異なってしまう。
そこで、実験例において、図8Aに示す矩形状の照射スポット形状34aを有するレーザ光34を用い、スキャン速度と、加熱部分36の表面温度とを変えながら、図8Bに示すように平板状のサンプル54に対して照射して改質層39を形成して改質層39の深さの変化を調べた。なお、サンプル54としては、幅及び長さがそれぞれ100mmで厚さが20mmのアルミニウム合金板を用いた。
実験例では、スキャン速度と表面温度とを変化させて改質層39の深さを調べた。送り速度は、サンプル54への入熱量に影響し、スキャン速度が遅くなるほど、改質層39の単位面積あたりの入熱量が増大するため、改質層39の深さに影響が有るものと考えられる。本実験例では、スキャン速度を0.5mm/秒~0.9mm/秒の範囲で変化させた。また、加熱部分36の表面温度は、放射温度計56で計測しながら、レーザ光源16の出力値を表面温度が一定となるように制御した。本実験例では、表面温度は800℃~900℃の範囲で変化させた。
図9に示すように、予想に反して、送り速度の変化(図の横軸)に対して、改質層39の深さの変化(図の縦軸)は僅かであった。これに対し、表面温度の変化(図の奥行き方向の軸)によって改質層39の深さが大きく変化することが明らかとなった。
上記の実験例の結果を踏まえ、図10に示すように、本実施形態の再溶融処理装置10Aでは、図1の再溶融処理装置10に対して放射温度計56と出力調整装置58とが追加されている。なお、再溶融処理装置10Aにおいて、再溶融処理装置10と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
放射温度計56は、レーザ光源16に取り付けられており、加熱部分36の表面温度の計測を行う。出力調整装置58は、放射温度計56及びレーザ光源16に接続されている。出力調整装置58は、放射温度計56の検出結果に応じて、レーザ光源16の出力の調整を行う。放射温度計56が検出した加熱部分36の表面温度が予め設定された温度よりも高い場合には、出力調整装置58はレーザ光源16の出力値を低下させる。また、放射温度計56が検出した加熱部分36の表面温度が予め設定された温度よりも低い場合には、出力調整装置58はレーザ光源16の出力値を増大させる。出力調整装置58のレーザ光源16の出力値の調整により、加熱部分36の温度を一定に保った状態を維持しつつ、再溶融処理を行うことができる。
以上のように、本実施形態の再溶融処理装置10Aは、加熱部分36の温度を計測する温度センサ(例えば、放射温度計56)と、加熱部分36の温度を一定に保つように熱エネルギー供給機構(例えば、レーザ光源16)の熱エネルギーの供給量を制御する出力調整装置58と、を備える。
図11に示すように、本実施形態の再溶融処理装置10Aによれば、ワーク12Bのように厚さが場所によって異なっていても、改質層39の深さを均一に保つことができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10A…再溶融処理装置 12、12A、12B…ワーク
14…2軸ポジショナー 16…レーザ光源
18…駆動装置 20…制御装置
36…加熱部分 38…溶融部分
39…改質層 48a、48b…傾斜面
56…放射温度計 58…出力調整装置
14…2軸ポジショナー 16…レーザ光源
18…駆動装置 20…制御装置
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56…放射温度計 58…出力調整装置
Claims (6)
- ワークの表面を再溶融及び凝固させることで、前記ワークの表面の材料改質を行う再溶融処理装置であって、
前記ワークを保持する保持機構と、
前記ワークの表面の局所的な加熱部分に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構と、
前記保持機構を駆動させて前記加熱部分を前記ワークの表面の加工領域に沿って移動させる駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記加熱部分の位置する前記ワークの表面を水平に維持しつつ前記ワークを移動させる、再溶融処理装置。 - 請求項1記載の再溶融処理装置であって、前記ワークは円筒状の加工面を有しており、前記保持機構は、前記ワークを前記加工面の中心軸が水平方向に向くように保持し、前記熱エネルギー供給機構は前記加工面の重力方向の下端部に熱エネルギーを供給し、前記駆動装置は前記ワークを前記中心軸を中心に回転させる、再溶融処理装置。
- 請求項1記載の再溶融処理装置であって、前記ワークは異なる方向に傾斜した複数の傾斜面を有しており、前記駆動装置は前記加熱部分が位置する前記傾斜面が水平となるように前記保持機構を駆動させる、再溶融処理装置。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の再溶融処理装置であって、さらに、
前記加熱部分の温度を計測する温度センサと、
前記加熱部分の温度を一定に保つように前記熱エネルギー供給機構の熱エネルギーの供給量を制御する出力調整装置と、
を備える、再溶融処理装置。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の再溶融処理装置であって、前記保持機構は2軸ポジショナーである、再溶融処理装置。
- ワークを保持する保持機構と、前記ワークの表面の局所的な加熱部分に熱エネルギーを供給する熱エネルギー供給機構と、前記保持機構を駆動させて前記加熱部分を前記ワークの表面の加工領域に沿って移動させる駆動装置と、を備え、前記ワークの表面を再溶融及び凝固させることで、前記ワークの表面の材料改質を行う再溶融処理装置を用いた再溶融処理方法であって、
前記駆動装置は、前記加熱部分の位置する前記ワークの表面を水平に維持しつつ前記ワークを移動させる、再溶融処理方法。
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