(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14(音響装置)が設けられている。
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
また、上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように、遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示装置)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。そしてディスプレイ枠34には、液晶ディスプレイ32の中央上方に、遊技を盛り上げるための演出光などを出力するディスプレイ枠ランプ38が設けられている。
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aか右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動口46が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(図4参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(図4参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(図4参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(図4参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な普通役物54(補助手段)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(図4参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(図4参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bを遊技球が落下するように遊技球が発射される。
したがって遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
なお、本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cに遊技球が入賞することがないようになっている。
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
図3は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70は、図3に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(低確率状態)と、通常状態よりも大当りの当選確率が高く設定された確変状態(高確率状態・特殊状態)と、特別図柄抽選で大当りに当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別図柄抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態(特殊状態)の4種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)および副制御基板202(副制御手段)を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200や副制御基板202等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
主制御基板200は、遊技の進行を制御する。主制御基板200は、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、ゲートスイッチ102、第2始動口スイッチ103、カウントスイッチ104またはアウトスイッチ106等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示部70、普通役物54、特別役物56または払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
副制御基板202は、主制御基板200から送信される情報に基づいて演出の実行を制御する。副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタン26に対する操作を検出する演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ32、照明装置、スピーカー14、演出物駆動装置等の演出装置の動作制御を行う。
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290を含んで構成されている。
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。具体的には、普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
普通当り決定処理は、普通当りの当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、普通当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当りが当選したか否かを判定する。そして、普通図柄抽選手段220は、普通当りが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当りの当選フラグをOFF状態に設定する。
また、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、普通当りが当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、普通当りが当選する確率が高くなっている。
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において普通当りが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
具体的には、本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動時間が1秒に設定されるようになっており、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、20秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
したがって、普通図柄抽選において普通当りとなった場合に、遊技状態が確変状態でも時短状態でもなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が確変状態あるいは時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。
特別図柄抽選手段230は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。具体的には、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りの当否を決定する処理である。ここで、1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各大当り抽選テーブルは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した大当り抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当り決定乱数値が大当りに対応づけられているか否かを判定することにより、大当りに当選したか否かを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、大当りに当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当りの当選フラグをOFF状態に設定する
また、遊技状態が確変状態である場合に選択される大当り抽選テーブルは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に選択される大当り抽選テーブルに比べ、大当りに当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態である場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)は、遊技状態が通常状態または時短状態ある場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)に比べ、大当りが当選する確率が高くなっている。
図柄決定処理は、大当り決定処理で大当りに当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当り図柄(大当りの種別)を16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のうちいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。ここで、各図柄抽選テーブルは、0~99の100個の図柄決定乱数値のそれぞれに対して、16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のいずれかが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が複数種類の大当り図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当り図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
第1特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
本実施形態では、4種類の大当り図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
第2特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
そして特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別図柄抽選の結果を表示させる。
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
遊技状態移行制御手段250は、図5に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当りの当選確率が約1/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる。
そして、通常状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が長く設定されており、普通役物54が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動口49に遊技球を進入させにくくなっている。
特別遊技状態は、通常状態、確変状態または時短状態における特別図柄抽選において大当りに当選したことに基づいて開始され、大当り図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。
具体的には、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
確変状態は、16ラウンド確変図柄または4ラウンド確変図柄(確変図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、確変状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、確変状態では、普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/31に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、通常状態よりも遊技者に有利になっている。そして、確変状態は、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、特別遊技状態が終了するとメインメモリ290の確変終了判定カウンタ2930に所定の遊技回数(例えば、9999回)に相当する値(例えば、9999)を書き込み、確変状態において特別図柄抽選が行われるごとに確変終了判定カウンタ2930の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、確変終了判定カウンタ2930の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、確変状態を終了させて通常状態を開始させる。ただし、確変状態では、特別図柄抽選における大当りの当選確率が1/31に設定されるため、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
また、確変状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また、確変状態では、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
時短状態は、16ラウンド通常図柄または4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、時短状態では、確変状態と同様に普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われるものの、通常状態と同様に大当りの当選確率が約1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、確変状態よりも遊技者に不利になっている。そして、時短状態は、時短状態において特別図柄抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、遊技状態が時短状態に移行されたことを契機として、メインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に所定の遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を書き込み、時短状態において特別図柄抽選が行われるごとに時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして時短終了判定カウンタ2932の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させる。
また、時短状態では、確変状態と同様に、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また、時短状態では、確変状態と同様に、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技実行処理1~特別遊技実行処理4などを行う。
特別遊技実行処理1は、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理1では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算される大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理2は、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理2では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理3は、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理3では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理4は、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
具体的には、特別遊技実行処理4では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号またはカウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、第2始動口スイッチ103またはカウントスイッチ104のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また、払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出スイッチが備えられており、払出制御手段270は、払出スイッチからの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを副制御基板202に送信する制御を行っている。なお、本実施形態の遊技機では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
続いて、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302と、を備えている。また、演出制御手段300は、演出決定手段310と、表示制御手段312と、VDP314と、を備えている。また、VDP314は、VRAM320を備えている。また、サブメモリ302は、複数種類のRAMおよびROMを備えており、サブメモリ302に記憶される各種データは、各RAMやROMに記憶される。演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302のROMに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ32(演出表示装置、表示手段)に演出画像を表示させたり、前枠ランプ12やディスプレイ枠ランプ38等の照明装置を点灯あるいは点滅させたり、スピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
演出決定手段310は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号等に基づいて実行する演出内容を決定する。また、演出決定手段310は、実行する演出内容を決定すると、表示制御手段312に対して演出内容を指示するメッセージを設定する。
表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行って、液晶ディスプレイ32での表示に関する制御を行う。具体的には、表示制御手段312は、所定周期で(例えば、1秒間に60回=60FPSのフレームレートで)液晶描画処理を実行する。液晶描画処理では、表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行い、VDP314に対し描画内容を指示する描画コマンドを構築する。そして、VDP314は描画コマンドに沿って描画を行い、描画された内容が液晶ディスプレイ32の表示領域32aに表示される。
なお、VDP314は、液晶ディスプレイ32の画面での表示に係る描画を行うプロセッサであり、演出決定手段310、表示制御手段312とともにワンチップに統合されている。
VDP314は、サブメモリ302のROMに記憶された描画素材を1フレーム毎にVRAM320のフレームバッファに展開する。フレームバッファでは、複数の描画素材が設定されたプライオリティ(優先度)にしたがって重ね合わせられる。具体的には、フレームバッファでは、プライオリティが低い描画素材ほど積層方向の下(背面)側に配置され、プライオリティが高い描画素材ほど積層方向の上(前面)側に配置されるように重ね合わせられる。そして、これにより、1フレームのフレーム画像を示す画像データ(合成画像)がフレームバッファ上に生成される。そして、VDP314は、フレームバッファ上に生成された合成画像に基づいて、液晶ディスプレイ32を駆動する。これにより、1フレーム毎に、フレームバッファで生成された合成画像が液晶ディスプレイ32の表示領域32aに表示される。
プライオリティの低い描画素材は、その上からプライオリティのより高い描画素材が重ねられることにより、液晶ディスプレイ32の表示(合成画像)上、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度(不透明度)の設定が可能であり、上側に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下側に隠れた描画素材が液晶ディスプレイ32の表示(合成画像)上、視認可能となる場合もある。
液晶ディスプレイ32の表示領域32aには、例えば1秒間に60コマの静止画像が表示されることにより、動画像の演出画像が表示される。以下、1コマのことをフレームという。例えば、演出時間が60秒である演出画像(演出パターン)の場合、その演出画像は、60秒×60フレームの計3600フレームによって構成される。
本実施形態の遊技機では、例えば以下の流れで遊技が進行する。
(1)遊技球が発射されると、遊技球は、障害釘等に案内されながら遊技領域4内を流下する。(2)遊技中に抽選契機が発生すると(例えば遊技球が第1始動口46に入球すると)、所定の抽選(特別図柄抽選)が行われる。(3)所定の抽選が実行されると、予め決定された変動時間にわたって図柄(特別図柄)が変動表示された後に停止表示される。このときの図柄の停止表示態様は、所定の抽選の結果を表すものとなる。
次に、液晶ディスプレイ32を介して実行される演出について例を挙げて説明する。上述のとおり、本実施形態の遊技機では、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選が行われる。第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合には、所定の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76(図3)の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄が変動表示された後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄が停止表示される。
また、第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合には、所定の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80(図3)の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄が停止表示される。
このような7セグメントディスプレイにおける第1特別図柄や第2特別図柄の表示(変動表示、停止表示)は、見た目上の訴求力に乏しい。そこで、本実施形態の遊技機では、以下に示すように、演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させる演出(変動表示演出、停止表示演出)が実行されるようになっている。
演出図柄としては、例えば左演出図柄、中演出図柄および右演出図柄の3つがあり、左演出図柄は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける左側部に表示され、中演出図柄は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける中側部(中央部)に表示され、右演出図柄は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける右側部に表示される。左演出図柄としては、「1」~「9」の数字を表す9種類の演出図柄がある。9種類の各演出図柄は数字とともにキャラクタ等を含んで構成されていてもよい。また、中演出図柄および右演出図柄も、左演出図柄と同様に9種類の演出図柄で構成されている。以下、「1」~「9」の数字を表す9種類の演出図柄のことを演出図柄列と称する。
ここで、特別図柄抽選(大当り決定処理)でハズレとなった場合における変動表示演出および停止表示演出の一例について説明する。
(変動表示演出)
変動表示演出は、特別図柄の変動表示が開始されてから、特別図柄が停止表示されるまでの間に実行される。特別図柄(第1特別図柄とする)の変動開始とともに、図6(a)に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおいて変動表示演出が開始されて、各演出図柄列がスクロールして表示される。図中における下向き矢印は、演出図柄列が縦方向にスクロールして表示されていることを表している。左演出図柄列は、表示領域32aにおける左側部において、上から下へと流れるようにスクロールして表示される。また、中演出図柄列および右演出図柄列も同様に、上下に(縦方向に)スクロールして表示される。
第1特別図柄の変動開始から所定の時間(例えば変動時間の半分程度)が経過すると、図6(b)に示すように、最初に左演出図柄列の変動(スクロール)が停止される。この例では、数字の「8」を表す左演出図柄が表示されている。
また、左演出図柄列に続いて、図6(c)に示すように、右演出図柄列の変動(スクロール)が停止される。この例では、数字の「3」を表す右演出図柄が表示されている。なお、この例では右演出図柄は、左演出図柄と横一直線上となる位置に停止している。
(停止表示演出)
停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことを報知し、かつ特別図柄抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして報知する演出である。この例では第1特別図柄の停止表示とともに、図6(d)に示すように、中演出図柄列の変動(スクロール)が停止され、数字の「1」を表す演出図柄が表示されている。中演出図柄は、左演出図柄および右演出図柄と横一直線上となる位置に停止している。特別図柄抽選の結果がハズレであって、第1特別図柄がハズレの態様で停止表示されると、液晶ディスプレイ32では、演出図柄をハズレの態様で停止表示させる停止表示演出が行われる。図6(d)に示した例では、演出図柄の組み合わせが「8」-「1」-「3」のハズレ目となっており、特別図柄抽選の結果がハズレであることが液晶ディスプレイ32を介して報知されている。
上述の例は、演出図柄を用いて行われる変動表示演出および停止表示演出の一例であるが、このような演出を通じて、特別図柄抽選の結果が液晶ディスプレイ32に表示されることで、遊技者は特別図柄抽選の結果をより容易に認識することができる。また、このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせることができる。
大当り当選時には、例えば、変動表示演出中にリーチ演出が実行され、リーチ演出後に、演出図柄を大当りの態様で停止表示させる停止表示演出が実行される。ここで、リーチ演出が実行される場合の例を説明する。図7(a)は、左演出図柄列および右演出図柄列の変動が停止し、かつ中演出図柄列は変動中である状態であって、停止した左演出図柄と右演出図柄とが同種の演出図柄であり、演出図柄の組合せが「5」-「変動中」-「5」となった状態(リーチ状態)を示している。このリーチ状態が発生すると、リーチ演出が実行される。このリーチ演出では、図7(b)に示すように、停止した左演出図柄が表示領域32aにおける左上の隅に縮小表示され、停止した右演出図柄が表示領域32aにおける右上の隅に縮小表示される。
図7(b)に示すように、このリーチ演出では、数字の「2」~「6」を表す画像(リーチ演出画像)が手前から後方に向かって立体的な列をなすように表示され、列の先頭(手前側)から順番に数字が消去(非表示に)されていく。このとき、数字「2」~「4」を表す画像が消去されて最終的に数字「5」を表す画像が最も手前側に表示された場合、大当りの可能性が高いことが示唆される。一方、最終的に数字「5」以外の数字を表す画像が最も手前側に表示された場合、ハズレの可能性が高いことが示唆される。
図7(c)示すように、リーチ演出の後に実行される停止表示演出において、最後の中演出図柄(数字の「5」を表す)が停止して、演出図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当りが確定したことが報知される。なお、停止表示演出において、最後の中演出図柄(「5」以外の数字を表す)が停止し、演出図柄がハズレの態様で停止表示されると、ハズレが確定したことが報知される。
(分割表示演出)
次に、本実施形態の遊技機において液晶ディスプレイ32を介して実行される演出の1つである分割表示演出について説明する。分割表示演出は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aを複数に分け(複数に分割し)、各表示領域に画像が表示される演出である。
図8に示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける上半分の表示領域を上側表示領域32bとし、下半分の表示領域を下側表示領域32cとする。本実施形態の遊技機では、分割表示演出が実行されると、上側表示領域32bと下側表示領域32cとにそれぞれ画像(素材)が表示される。
図9は、分割表示演出が実行され、分割表示演出に係る所定の素材が上側表示領域32bと下側表示領域32cとに表示されている状態を示している。図9では、分割表示演出に係る所定の素材としての図柄素材(数字の「1」および「2」を表す)が表示されている。分割表示演出に係る所定の素材として、上述の演出図柄(演出図柄列)やリーチ演出画像が表示されるものであってもよい。
図9に示す分割表示演出では、上側表示領域32bと下側表示領域32cとにおいて、図柄素材(数字の「1」および「2」を表す)が奥側から手前側に向かってスクロールし(次第に手前側に移動し)、かつ図柄素材は手前側ほど拡大して表示されている。この図柄素材は「1」~「9」の数字を表す図柄素材列の一部であって、数字の「2」を表す図柄素材の次には数字の「3」を表す図柄素材が手前側に向かってスクロール表示されるようになっている。なお、図9では、上側表示領域32bおよび下側表示領域32cに表示される図柄素材の数を2つとしているが、表示される図柄素材の数はこれに限らない。
分割表示演出は、例えば上述のリーチ演出において実行される。例えば、図7(a)で示したリーチ状態においてリーチ演出としての分割表示演出(図9)が実行された場合、最終的に数字の「5」を表す図柄素材が最も手前側に表示されて停止すると、大当りの可能性が高いことが示唆される。
なお、分割表示演出はリーチ演出に限らず(リーチ状態において実行されるものに限らず)、他の演出(例えば変動表示演出)において実行されるものであってもよい。また、本実施形態では、分割表示演出が実行される場合の表示領域(表示範囲)の分割数を2としたが、分割数は2以上であってもよい。また、表示領域全体を分割するものに限らず、表示領域全体よりも小さい所定の表示領域(表示範囲)を分割して実行されるものであってもよい。
分割表示演出時に表示される所定の素材には、マスク処理(後述する)の対象となる素材(マスク対象素材)と、マスク処理の対象とならない素材(マスク非対象素材)とがある。分割表示演出において図柄素材(図9)はマスク対象素材となる。一方、分割表示演出におけるマスク非対象素材としては、例えば背景画像がある。背景画像がマスク非対象素材である場合、マスク処理が行われず、上側表示領域32bと下側表示領域32cとに跨って表示される。分割表示演出を実行する際の処理(液晶描画処理)では、各フレームを構成する描画素材のうち、マスク対象素材に対してマスク処理が行われる。マスク処理は、マスク対象素材(所定の演出の表示に係る所定の素材)について、マスクの特定範囲の内側部分は所定の表示領域(例えば上側表示領域32b)に表示させ、マスクの特定範囲の外側部分は所定の表示領域(例えば下側表示領域32c)に表示させないようにする処理である。マスク対象素材に対してマスク処理が行われることで、マスク対象素材は、上側表示領域32bおよび下側表示領域32cに跨って表示されることがない。
ここで、マスク対象素材の1つである図柄素材に対して行われるマスク処理(特定処理)について説明する。このマスク処理では、マスクの特定範囲が上側表示領域32bに対応する範囲となっている。図10は、数字の「1」を表す図柄素材401を示している。図柄素材401は、図9においてスクロール表示される「1」~「9」の数字を表す図柄素材列の一部である。図柄素材401は、所定の大きさ(サイズ)を有している。なお、所定の大きさを有しているとは、素材に設定されている縮小率等の概念を含むものであってもよい。図柄素材401は、描画素材に通常設定されている不透明度である不透明度「1」(不透明度100%)で描画される。
図11は、このマスク処理で用いられるマスク420を示している。マスク420は、液晶ディスプレイ32の表示領域32a全体に対応する大きさを有している。マスク420は、上半分(上側表示領域32bに対応する範囲)が不透明度「1」(不透明度100%)のマスク不透明領域421となっており、下半分(下側表示領域32cに対応する範囲)が不透明度「0」(不透明度0%)のマスク透明領域422となっている。換言すると、マスク420は、上側表示領域32bに対応する特定範囲(の内側)が不透明度「1」となっており、特定範囲以外の部分(特定範囲の外側)が不透明度「0」となっている。
本実施形態に係るマスク処理では、マスク対象素材の不透明度とマスク素材の不透明度とが乗算され、その乗算値が、表示領域32aに表示される描画素材の不透明度として採用される。
図12(a)は、図9で示したサイズを有する図柄素材401が、上側表示領域32bと下側表示領域32cとに跨る位置(座標)に描画され、かつマスク420が重ねられた状態であり、図柄素材401の不透明度とマスク420の不透明度とが乗算される前の状態を示している。また、図12(b)は、図柄素材401の不透明度とマスク420の不透明度とが乗算された後の状態(マスク有効時)を示している。
図柄素材401(不透明度「1」)のうちマスク不透明領域421(不透明度「1」)と重なる部分は、マスク処理(乗算)の結果、不透明度「1」となる。よって、当該部分は不透明度「1」でフレームバッファに描画され、液晶ディスプレイ32(上側表示領域32b)に表示される(液晶ディスプレイ32において視認可能となる)。一方、図柄素材401(不透明度「1」)のうちマスク透明領域422(不透明度「0」)と重なる部分は、マスク処理(乗算)の結果、不透明度「0」となる。よって、当該部分は不透明度「0」でフレームバッファに描画され(あるいは当該部分はフレームバッファに描画されず)、液晶ディスプレイ32(下側表示領域32c)において視認されない。
マスク処理が行われると、マスク420の特定範囲の内側部分(マスク不透明領域421)では図柄素材401が表示され、マスク420の特定範囲の外側部分では図柄素材401が表示されない。なお、特定範囲とは、液晶ディスプレイ32の表示領域32a全体を占める範囲よりも小さい所定の範囲である。
重複するため具体的な説明を省略するが、マスクの特定範囲が下側表示領域32cに対応する範囲となっている場合のマスク処理も同様である。そのマスク処理で用いられるマスク素材をマスク430とすると、図13に示すように、マスク430は、下半分(すなわち下側表示領域32cに対応する範囲)が不透明度「1」のマスク不透明領域431となり、上半分(すなわち上側表示領域32bに対応する範囲)が不透明度「0」のマスク透明領域432となっている。
分割表示演出を実行する際の処理(液晶描画処理)では、上側表示領域32bにおける表示の実現に例えばマスク420(図11)が用いられ、下側表示領域32cにおける表示の実現に例えばマスク430(図13)が用いられる。
図12(b)では、図柄素材401を上側表示領域32bに表示させる際に実行されるマスク処理を示した。分割表示演出を実行する際に、各フレームを構成する各描画素材のうちのすべてのマスク対象素材にマスク処理を行うことで、マスクの特定範囲の内側部分ではマスク対象素材を表示させ、マスクの特定範囲の外側部分ではマスク対象素材を表示させないようにすることができる。しかし、分割表示演出を実行する際に、各フレームを構成する各描画素材のうちのすべてのマスク対象素材(例えば、すべての図柄素材)に対してマスク処理を行う場合、処理負荷が増大するという問題が生じる。
そこで、本実施形態の遊技機は、分割表示演出を実行する際の処理(液晶描画処理)において、所定の判定(描画範囲判定とする)を行い、マスク対象素材が所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、マスク対象素材が所定の条件を満たす場合には、当該マスク対象素材に対してマスク処理を行わない。すなわち、当該マスク対象素材はマスク処理が行わることなくフレームバッファに描画され、液晶ディスプレイ32に表示される。このようにすることで、分割表示演出を実行する際に、すべてのマスク対象素材に対してマスク処理を行う場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
具体的に説明する。分割表示演出を実行する際の液晶描画処理では、マスク対象素材ごとに、マスク対象素材の全体(マスク対象素材の描画範囲の全体)が、マスクにおけるマスク不透明領域(不透明度が「1」となっている領域)に含まれるか否かを判定する描画範囲判定が行われる。描画範囲は、素材のサイズと表示位置(座標)とによって決まる。図10において、図中の枠線(実線)は図柄素材401のサイズ(大きさ)を示している。素材を液晶表示上の(フレームバッファ上で)どこに配置するかは座標によって決まる。図11で示したマスク420を用いる場合、描画範囲判定では、マスク対象素材の全体が、マスク不透明領域421に含まれるか否か(マスク対象素材の全体がマスク不透明領域421に完全に含まれるか否か)が判定される。描画範囲判定において、マスク対象素材の全体がマスク不透明領域に含まれると判定されると、当該マスク対象素材に対してはマスク処理が行われない。
図12(a)の例では、図柄素材401の全体がマスク不透明領域421に収まっていないので、描画範囲判定において、図柄素材401の全体がマスク不透明領域421に含まれないと判定され、図12(b)に示すようにマスク処理が実行される。
図14(a)は、数字の「2」を表す図柄素材402を示している。図柄素材402は、図9においてスクロール表示される「1」~「9」の数字を表す図柄素材列の一部である。図柄素材402は、所定の大きさ(サイズ)を有している。図柄素材402は、描画素材に通常設定されている不透明度である不透明度「1」(不透明度100%)で描画される。
図14(b)は、図14(a)で示したサイズを有する図柄素材402が、上側表示領域32bの内側となる位置(座標)に描画され、かつマスク420が重ねられた状態を示している。このとき、図柄素材402の全体がマスク不透明領域421に収まっているので、描画範囲判定において、図柄素材402の全体がマスク不透明領域421に含まれると判定される。したがって、図柄素材402はマスク処理が行われることなくフレームバッファに描画され、上側表示領域32bに表示される。
図15(a)は、マスク処理に用いることが可能なマスク素材の1つであるマスク480を示している。マスク480は、液晶ディスプレイ32の表示領域32a全体に対応する大きさを有している。マスク480は、上下方向に均等に3分割した場合における上側の領域が不透明度「1」(不透明度100%)のマスク不透明領域481となっており、中央の領域が不透明度「0.5」(不透明度50%)のマスク不透明領域482となっており、下側の領域が不透明度「0」(不透明度0%)のマスク透明領域483となっている。
図15(b)は、異なるサイズを有する3つの図柄素材403a,403b,403cがそれぞれ所定の位置(座標)に描画され、かつマスク480が重ねられた状態を示している。なお、図柄素材403a~403cは、描画素材に通常設定されている不透明度である不透明度「1」(不透明度100%)で描画される。
(1)図柄素材403aの全体がマスク不透明領域481に収まっていないので、描画範囲判定において、図柄素材403aの全体がマスク不透明領域481に含まれないと判定され、図柄素材403aに対してマスク処理が実行される。図柄素材403aのうち、マスク不透明領域481と重なる部分は不透明度「1」で描画され、マスク半透明領域482と重なる部分は不透明度「0.5」で描画され、マスク透明領域483と重なる部分は不透明度「0」で描画される(あるいは当該部分はフレームバッファに描画されない)。マスク半透明領域482と重なる部分およびマスク透明領域483と重なる部分(すなわち特定範囲の外側部分)は、マスク不透明領域481と重なる部分(特定範囲の内側部分)よりも不透明度が低くなる(図柄素材403aの透過性が高くなる)。
(2)図柄素材403bの全体がマスク不透明領域481に収まっていないので、描画範囲判定において、図柄素材403bの全体がマスク不透明領域481に含まれないと判定され、図柄素材403bに対してマスク処理が実行される。図柄素材403bのうち、マスク不透明領域481と重なる部分は不透明度「1」で描画され、マスク半透明領域482と重なる部分は不透明度「0.5」で描画される。マスク半透明領域482と重なる部分(すなわち特定範囲の外側部分)は、マスク不透明領域481と重なる部分(特定範囲の内側部分)よりも不透明度が低くなる(図柄素材403bの透過性が高くなる)。
(3)図柄素材403cの全体がマスク不透明領域481に収まっているので、描画範囲判定において、図柄素材403cの全体がマスク不透明領域481に含まれると判定され、図柄素材403cはマスク処理が実行されない。すなわち、図柄素材403cは、マスク処理が行われることなく不透明度「1」で描画される。
本実施形態では、描画範囲判定において、マスク対象素材の全体がマスク不透明領域(不透明度が「1」となっている領域)に含まれるか否かが判定されるとしたが、描画範囲判定において、マスク対象素材が、マスクのマスク不透明領域(不透明度が「1」となっている領域)以外の領域に対応する位置に描画されるか否かが判定されるとしてもよい。その場合、マスク対象素材がマスク不透明領域以外の領域に対応する位置に描画されると判定されると、当該マスク対象素材に対してマスク処理が実行され、マスク対象素材がマスク不透明領域以外の領域に対応する位置に描画されないと判定されると、当該マスク対象素材に対してマスク処理が実行されない。「マスク対象素材の全体がマスクの特定範囲に含まれる」とは、「マスク対象素材がマスクの特定範囲以外の範囲に対応する位置に描画されていない」、ことを含むものであってもよい。
次に、マスク処理が行われることによって実現される別の演出(一部表示演出)について説明する。
図16(a)~図16(c)は、本実施形態に係る遊技機で実行される機種説明演出の一例を示している。図16(a)~図16(c)は、時間の経過とともに表示が変化していく様子を示している。なお、図中の下向き矢印は、変動表示演出が実行され、各演出図柄列がスクロール表示されていることを表している。機種説明演出は遊技中に実行され、横長の窓状であるウインドウ450が、例えば表示領域32aにおける下部に表示される。ウインドウ450(ウインドウ450内)には、当該遊技機に関する情報(遊技や演出に関する説明)(機種説明情報451とする)が文字で表示される。また、機種説明情報451は、時間の経過とともに右から左に向かって移動(横方向にスクロール)するようになっている。機種説明情報451には複数の種類があり、例えば、大当たりの期待度が示唆されるもの等もあってもよい。
なお、ウインドウ450の表示位置は、表示領域32aの下部に限らず、例えば表示領域32aの上部であってもよい。また、図16ではウインドウ450を横長としたが、ウインドウ450は縦長であってもよい。また、機種説明情報451は、縦方向(例えば上から下)にスクロールするものであってもよい。
(一部表示演出)
一部表示演出が実行されると、所定の描画素材における一部分が表示領域32aに表示され、かつ当該所定の描画素材における他の部分(当該一部分以外の部分)が表示領域32aに表示されない状態となる。なお、上述の分割表示演出が実行された場合における所定の表示領域の表示を、一部表示演出と称してもよい。
まず、機種説明情報451が一部表示演出におけるマスク対象素材である場合(ウインドウ450はマスク対象素材ではない場合)について説明する。図17(a)は、機種説明情報451の全体を示すもので、機種説明情報451は所定の大きさ(サイズ)を有し、通常設定されている不透明度である不透明度「1」で描画される。この機種説明情報451は、時間の経過に伴い右から左に移動するように、所定の位置(座標)に描画される。換言すると、機種説明情報451の表示座標を右から左へとずらす表示制御が行われる。
図17(b)は、一部表示演出を実行する際のマスク処理で用いられるマスクの1つであるマスク490を示している。マスク490は、ウインドウ450(図16(a))よりも大きい所定の大きさ(サイズ)を有し、ウインドウ450に対応する範囲(特定範囲とする)が不透明度「1」(不透明度100%)のマスク不透明領域491となっており、特定範囲の外側(周囲)の部分が不透明度「0」(不透明度0%)のマスク透明領域492となっている。
図16(a)および図16(c)は、機種説明情報451の全体がマスク不透明領域491に収まっておらず、一部表示演出を実行する際の描画範囲判定において、機種説明情報451の全体がマスク不透明領域491に含まれないと判定され、機種説明情報451に対してマスク処理が実行されたものである。具体的には、機種説明情報451(不透明度「1」)のうちマスク不透明領域491(不透明度「1」)と重なる部分は、不透明度「1」となる。よって、当該部分は不透明度「1」でフレームバッファに描画され、表示領域32aに表示される。一方、機種説明情報451(不透明度「1」)のうちマスク透明領域492(不透明度「0」)と重なる部分は、不透明度「0」となる。よって、当該部分は表示領域32aにおいて視認されない。
図16(a)および図16(c)では、一部表示演出が実行されて、機種説明情報451の一部分が表示領域32aに表示され、かつ機種説明情報451の他の部分が表示領域32aに表示されない状態となっている。具体的には、マスク処理が行われて、マスク490の特定範囲の内側部分では機種説明情報451が表示され、マスク490の特定範囲の外側部分では機種説明情報451が表示されない状態となっている。
一方、図16(b)は、機種説明情報451の全体がマスク不透明領域491に収まっており、一部表示演出を実行する際の描画範囲判定において、機種説明情報451の全体がマスク不透明領域491に含まれると判定され、機種説明情報451に対してマスク処理が実行されなかったものである。機種説明情報451は、マスク処理が施されず不透明度「1」で描画される。
本実施形態では、図16(a)で示したウインドウ450の他に、大きさの異なる複数種類のウインドウが用意されている。次に、ウインドウが一部表示演出のマスク対象素材となる場合について説明する。例えば、機種説明演出とともに他の所定の演出(ウインドウの表示が妨げとなるような演出)を実行する際において、ウインドウの一部(例えば左右の所定範囲)を非表示とする場合にウインドウをマスク対象とする一部表示演出が実行され、ウインドウに対してマスク処理が行われる。
図18(a)は、当該一部表示演出を実行する際のマスク処理で用いられるマスクの1つであるマスク460を示している。マスク460は、所定の大きさ(サイズ)を有し、特定範囲(の内側)が不透明度「1」(不透明度100%)のマスク不透明領域461となっており、特定範囲の外側が不透明度「0」(不透明度0%)のマスク透明領域462となっている。
ここで、ウインドウとして図16(a)で示したウインドウ450を用いる場合について説明する。ウインドウ450は、所定の大きさを有し、所定の位置(座標)に通常設定されている不透明度である不透明度「1」で描画される。
図18(b)は、ウインドウ450(および機種説明情報451)をマスク対象とし、マスク460を用いての一部表示演出が実行された場合を示している。ウインドウ450(機種説明情報451)の全体がマスク不透明領域461に収まっておらず、一部表示演出を実行する際の描画範囲判定において、ウインドウ450(機種説明情報451)の全体がマスク不透明領域461に含まれないと判定され、ウインドウ450(機種説明情報451)に対してマスク処理が実行されている。ウインドウ450(機種説明情報451)のうちマスク不透明領域461と重なる部分は不透明度「1」となり、ウインドウ450(機種説明情報451)のうちマスク透明領域462と重なる部分は、不透明度「0」となる。
マスク処理が行われて、マスク460の特定範囲の内側部分ではウインドウ450および機種説明情報451が表示され、マスク460の特定範囲の外側部分ではウインドウ450および機種説明情報451が表示されない状態となっている。
図示は省略するが、当該一部表示演出を実行する際の描画範囲判定において、所定のウインドウの全体がマスクのマスク不透明領域に含まれると判定された場合には、当該ウインドウに対してマスク処理は行われない。
本実施形態の遊技機では、機種説明演出とともに設定示唆演出が実行される場合がある。この設定示唆演出では、図19に示すように、ウインドウ450の近傍(本例ではウインドウ450の上側)にスタンプを模したアイコン452が表示される。アイコン452には複数の種類があり、各アイコンは、例えば表す文字(漢字1文字)が異なっている。そして、表示されたアイコン452がいずれの文字を表しているかによって、設定値が示唆されるようになっている。
アイコン452がマスク対象素材である場合について説明する。機種説明演出および設定示唆演出とともに一部表示演出が実行される場合に、描画範囲判定において、アイコン452の描画範囲の全体が、例えばマスク460のマスク不透明領域461に含まれるか否か判定され、当該描画範囲判定において、アイコン452の描画範囲の全体が、マスク不透明領域461に含まれると判定された場合、アイコン452に対してマスク処理は実行されない。すなわち、アイコン452はマスク処理が行われることなくフレームバッファに描画され、表示領域32aに表示される。
このように一部表示演出を実行する場合、描画範囲判定が行われ、描画素材が所定の条件を満たす場合には当該描画素材に対してマスク処理が実行されない。このため、一部表示演出を実行する際に、各フレームを構成する各描画素材のうちのすべてのマスク対象素材に対してマスク処理を行う場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態の遊技機は、遊技者が演出に関する設定を行い、例えば、音量や光量を設定することができるようになっている。本実施形態の遊技機では、所定のボタン操作に基づき音量を選択するための画像(音量選択画像)や光量を選択するための画像(光量選択画像)が液晶ディスプレイ32の表示領域32aに表示される。上述の機種説明情報451(遊技機に関する情報)は、演出の設定に関する画像(音量選択画像や光量選択画像)を含むものであってもよい。例えば音量選択画像を表示させるとともに一部表示演出が実行され、音量選択画像における一部分が表示されるとともに、音量調整画像における他の部分が表示されない状態となってもよい。
本実施形態の遊技機は、
表示手段と、
素材を描画して前記表示手段に表示させる制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
所定の演出の表示に係る所定の素材について、特定範囲の内側部分は前記表示手段に表示されるようにするとともに、前記特定範囲の外側部分は前記表示手段に表示されないようにする特定処理を実行可能であり、
前記所定の素材の全体が前記特定範囲に含まれる場合に、当該所定の素材に対して前記特定処理を実行しない。
このような構成によれば、前記所定の素材の全体が前記特定範囲に含まれる場合に、当該所定の素材に対してマスク処理(特定処理)が行われない。すなわち、当該所定の素材はマスク処理が行われることなく表示される。このため、前記所定の演出においてマスク対象となるすべての素材に対してマスク処理を行う場合よりも、処理負荷を軽減することができる。
ここで、本実施形態の変形例1~変形例3について説明する。
(変形例1)
上述の一部表示演出では、所定の画像(素材)に対してマスク処理が行われると、所定の画像における一部分が表示領域32aに表示され、かつ当該所定の画像における他の部分(当該一部分以外の部分)が表示領域32aに表示されない状態となる。所定の一部表示演出において、マスク処理に用いられるマスクの特定範囲(マスク不透明領域:不透明度「1」の領域)の大きさが、徐々に(次第に)変化するように制御されてもよい。例えば、時間の経過とともにマスク不透明領域が徐々に小さくなってもよく、時間の経過とともにマスク不透明領域が徐々に大きくなってもよい。所定の画像の描画範囲と、マスク不透明領域とが重なっていない状態(重なる部分が存在しない状態)で所定の演出が開始されたとする。この状態からマスク不透明領域が徐々に拡大されていき、マスク不透明領域と所定の画像の描画範囲との重複部分が生じると、その部分(特定の表示)が表示されるようになる(現れる)。そして、マスク不透明領域が徐々に拡大され、マスク不透明領域と所定の画像の描画範囲との重複部分が徐々に拡大されるにつれ、所定の画像(特定の表示)の表示範囲が徐々に大きくなる。換言すると、特定の表示が徐々に出現する。本変形例によれば、所定の画像について、視認可能な範囲が徐々に拡大していく演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(変形例2)
一部表示演出(マスク処理の実行を伴う演出:マスク演出)を実行するとともに(マスク演出と並行して)、所定の報知画像を表示領域32aに表示させる場合に、所定の報知画像の表示位置が所定の位置(マスク処理によって非表示とされることがない位置)となるように制御されてもよい。具体的には、所定の報知画像の描画位置が、マスクにおける特定範囲の外側部分(マスク透明領域:不透明度「0」の領域)と重なることのない位置となるように制御されてもよい。仮に所定の報知画像の描画範囲とマスク透明領域とが重なる部分が存在する場合、その部分は表示されないこととなる。所定の報知画像(報知表示)としては、所定のエラーの発生を報知するエラー画像、大当たりの当選期待度を示唆する画像、遊技者に操作を指示するボタンを模したボタン画像(ボタンアイコン表示)等がある。本変形例によれば、マスク処理の実行を伴う演出と所定の報知画像の表示とが実行される場合に、所定の報知画像の視認性が部分的に阻害され(報知画像の一部が欠けてしまい)、遊技者が、報知画像が示す内容を把握することができないという事態を招くのを防止できる。
(変形例3)
一部表示演出(マスク処理の実行を伴う演出:マスク演出)を実行するとともに(マスク演出と並行して)表示させる可能性のある所定の報知画像について、所定の報知画像(所定の報知画像を表示させる演出)は、少なくともマスク演出の実行時間よりも長い時間の間、表示(実行)されるように制御(設定)されてもよい。所定の報知画像(報知表示)としては、所定のエラーの発生を報知するエラー画像、大当たりの当選期待度を示唆する画像、遊技者に操作を指示するボタンを模したボタン画像(ボタンアイコン表示)等がある。本変形例によれば、マスク処理の実行を伴う演出と所定の報知画像の表示とが実行された場合に、マスク処理の実行を伴う演出が終了しても、所定の報知画像が所定の時間の間、表示される。すなわち、所定の報知画像の表示について、マスク演出による阻害(影響)を受けない期間を確保することができる。これにより、遊技者は、報知画像が示す内容を把握することができる。換言すると、遊技者への報知を正確に行うことができる。
なお、上記の変形例1~変形例3で示した各制御が適宜組み合せて実行されるようになっていてもよい。
以下、液晶描画処理について図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
(ステップS1)
液晶描画処理においては、まず、表示制御手段312は、メッセージ解析処理を実行する。メッセージ解析処理では、表示制御手段312は、メッセージによって指定されるシーンデータを抽出する。ここで、「メッセージ」とは、演出内容を指示するものであり、シーンデータを指定するものである。また、「シーンデータ」とは、各モーションの開始タイミングや、再生時間、優先度などが規定されたデータであり、例えばサブメモリ302のROM上に記憶されている。
(ステップS2)
次いで、表示制御手段312は、シーンデータ解析処理を実行する。シーンデータ解析処理では、表示制御手段312は、メッセージ解析処理で抽出されたシーンデータを解析し、再生中モーションリストを作成(更新)する。ここで、「再生中モーションリスト」とは、各モーションについて、プライオリティや、モーションの進行などを管理するためのリストであり、例えばサブメモリ302のRAM上に生成される。表示制御手段312は、シーンデータを解析し、モーションを再生中モーションリストに登録したり、再生中モーションリストから破棄したりする。
(ステップS3)
次いで、表示制御手段312は、モーションデータ解析処理を実行する。モーションデータ解析処理では、表示制御手段312は、再生中モーションリストに登録されている各モーションのモーションデータを解析し、各モーションについて素材描画データリストを作成(更新)する。ここで、「モーションデータ」とは、演出の種類毎にまとめた1または複数の描画素材について、各描画素材のプライオリティ、描画(配置)座標、不透明度、画素間の演算方式(描画素材を描画する際にどの演算方式で描画するか)などが規定されたデータであり、例えばサブメモリ302のROM上に記憶されている。そして、各モーションデータによって各モーションが規定されている。また、「素材描画データリスト」とは、1フレームで描画される各描画素材について、プライオリティや、描画(配置)座標、不透明度、画素間(描画素材同士)をどの演算方式で組み合わせるかなどをモーションごとに管理するためのリストであり、例えばサブメモリ302のRAM上に生成される。
なお、プライオリティとは、描画(表示)上の優先度のことであり、プライオリティが高い描画素材(プライオリティが高いモーションの描画素材)ほど、液晶ディスプレイ32の表示上、前面側に(優先的に)表示される。また、再生中モーションリストおよび素材描画データリストでは、モーションあるいは描画素材は、先頭側から末尾側に向けて、プライオリティが低い方から順に配置されている。すなわち、再生中モーションリストおよび素材描画データリストでは、先頭側ほどモーションあるいは描画素材のプライオリティが低く、末尾側ほどモーションあるいは描画素材のプライオリティが高くなっている。
(ステップS4)
次いで、演出制御手段300は、描画コマンド構築処理を実行する。描画コマンド構築処理では、モーションデータ解析処理によって生成された素材描画データリストに基づき、素材単位で描画コマンドが構築される。なお、ステップS4の処理が終了すると、液晶描画処理が終了する。
次に、図21に示すフローチャートを用いて、描画コマンド構築処理について説明する。
(ステップS11)
表示制御手段312は、再生中モーションリストの参照先を先頭に設定する。
(ステップS12)
次に、表示制御手段312は、再生中モーションリストの参照が終了したか否かを判定する。換言すると、表示制御手段312は、再生中モーションリストを末尾まで参照したか否かを判定する。表示制御手段312は、再生中モーションリストの参照が終了したと判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS20を実行する。一方、表示制御手段312は、再生中モーションリストの参照が終了していないと判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS13を実行する。
(ステップS13)
表示制御手段312は、現在参照しているモーションが、所定のマスク素材(すなわち矩形状のマスク不透明領域を有するマスク素材)を含むモーションであるか否か判定する。図11で示したマスク420、図13で示したマスク430、図15(a)で示したマスク480、図17(b)で示したマスク490、図18(a)で示したマスク460はいずれも、矩形状のマスク不透明領域(不透明度「1」となっている領域)を有するマスクである。なお、矩形状という場合、長方形状に限らず、正方形状を含むものであってもよい。
本実施形態では、マスク素材が複数種類用意されており、各マスク素材は、例えばサブメモリ302のROMに記憶されている。そして、モーションがマスク素材を含む場合には、いずれの種類(いずれの態様)のマスク素材を含んでいるかが判別できるようになっている。
表示制御手段312は、矩形状のマスク不透明領域を有するマスク素材を含むモーションであると判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS14を実行する。一方、表示制御手段312は、矩形状のマスク不透明領域を有するマスク素材を含むモーションでないと判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS15を実行する。
(ステップS14)
表示制御手段312は、マスク素材におけるマスク不透明領域(不透明度が「1」となっている領域)に関する情報(大きさ、座標等)を取得し、サブメモリ302のRAMに記憶させる。ステップS14の後、ステップS15を実行する。
(ステップS15)
表示制御手段312は、現在参照しているモーションの素材描画データリストについて、素材描画データリストの参照先を先頭に設定する。ステップS15の後、ステップS16を実行する。
(ステップS16)
表示制御手段312は、現在参照しているモーションの素材描画データリストについて、素材描画データリストの参照が終了したか否かを判定する。換言すると、表示制御手段312は、素材描画データリストを末尾まで参照したか否かを判定する。表示制御手段312は、素材描画データリストの参照が終了していると判定した場合(ステップS16:YES)、ステップS19を実行する。一方、表示制御手段312は、素材描画データリストの参照が終了していないと判定した場合(ステップS16:NO)、ステップS17を実行する。
(ステップS17)
表示制御手段312は、参照している素材描画データリストの描画情報(座標、不透明度、画素間の演算方式等)に基づき、1素材分の描画コマンドを構築する処理を行う。なお、1素材分の描画コマンド構築処理については図22を用いて後述する。ステップS17の後、ステップS18を実行する。
(ステップS18)
表示制御手段312は、素材描画データリストの参照先を次に進める。ステップS18の後、ステップS16を実行する。
(ステップS19)
表示制御手段312は、再生中モーションリストの参照先を次に進める。ステップS19の後、ステップS12を実行する。
(ステップS20)
表示制御手段312は、1フレーム分の描画コマンドをVDP314に転送する。この1フレーム分の描画コマンドは、後述する1素材分の描画コマンド構築処理(図22)のステップS24~ステップS27でセットされたコマンドに基づく描画コマンドである。すなわち、再生中モーションリストおよび素材描画データリストに基づいて、各描画素材について1素材分の描画コマンド構築処理により描画コマンドを構築していき、再生中モーションリストの参照が終了すると(ステップS12:YES)、表示制御手段312は、構築した描画コマンドを1フレーム分の描画コマンドとしてまとめてVDP314に転送する。そして、VDP314は、表示制御手段312から転送された1フレーム分の描画コマンドに基づいて1フレーム分のフレーム画像を構築し、液晶ディスプレイ32に表示させる。ステップS20の後、呼び出し元の液晶描画処理(図20)に復帰する。
(1素材分の描画コマンド構築処理)
次に、図22に示すフローチャートを用いて、1素材分の描画コマンド構築処理について説明する。
(ステップS21)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されているか否か判定する。マスク対象フラグとは、マスク処理を行う対象であるか否かを示すフラグであり、マスク対象フラグは、図20で示したモーションデータ解析処理(ステップS3)において、マスク処理を行う対象である描画素材(マスク対象素材)に対して付与される。
表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されている(マスク対象フラグがON状態となっている)と判定した場合(ステップS21:YES)、ステップS22を実行する。一方、表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されていない(マスク対象フラグがOFF状態となっている)と判定した場合(ステップS21:NO)、ステップS24を実行する。
(ステップS22)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材に関する情報(大きさ、座標等)と、ステップS14(図21)で取得したマスク不透明領域に関する情報とに基づき、現在参照している描画素材の描画範囲(描画位置)の全体が、矩形状のマスク不透明領域に含まれるか否か判定する。換言すると、表示制御手段312は、素材データリストの描画情報とマスク不透明領域に関する情報とに基づき、現在参照している描画素材の描画範囲の全体がマスク不透明領域に含まれるか否か判定する。さらに換言すると、表示制御手段312は、現在参照している描画素材の大きさおよび座標の情報と、マスク不透明領域の大きさおよび座標の情報とから、現在参照している描画素材の全体がマスク不透明領域に含まれるか否か判定する。表示制御手段312は、現在参照している描画素材の描画範囲の全体が、矩形状のマスク不透明領域に含まれると判定した場合(ステップS22:YES)、ステップS23を実行する。一方、表示制御手段312は、現在参照している描画素材の描画範囲の全体が、矩形状のマスク不透明領域に含まれないと判定した場合(ステップS22:NO)、ステップS24を実行する。
(ステップS23)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材に付与されているマスク対象フラグをリセットする(マスク対象フラグをOFF状態にする)。ステップS23の後、ステップS24を実行する。
(ステップS24)
表示制御手段312は、VDP314に対して読み出す(フレームバッファへ展開する)描画素材を指定するコマンドをセットする処理(コマンドをサブメモリ302のRAMに記憶させる処理、以下同様)を行う。
(ステップS25)
表示制御手段312は、VDP314に対して描画素材(現在参照している描画素材)を描画する際の不透明度を指定するコマンドをセットする処理を行う。なお、当該処理については図23を用いて後述する。
(ステップS26)
表示制御手段312は、VDP314に対して描画素材(現在参照している描画素材)を描画する際の画素間の演算方式を指定するコマンドをセットする処理を行う。具体的には、現在参照している描画素材を、当該描画素材よりもプライオリティが低い描画素材(合成画像)の上に描画する際にいずれの演算方式を用いて描画するかを指定する。
(ステップS27)
表示制御手段312は、VDP314に対して描画素材(現在参照している描画素材)を描画する際の頂点情報を指定するコマンドをセットする処理を行う。具体的には、現在参照している描画素材の頂点座標等を指定する。
ステップS27の後、呼び出し元の描画コマンド構築処理(図21)に復帰する。
(不透明度指定コマンドセット処理)
次に、図23に示すフローチャートを用いて、不透明度指定コマンドセット処理について説明する。
(ステップS31)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材に設定されている不透明度で描画素材を描画することを指定するコマンドをセットする。
(ステップS32)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されているか否か判定する。表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されていると判定した場合(ステップS32:YES)、ステップS33を実行する。一方、表示制御手段312は、現在参照している描画素材にマスク対象フラグが付与されていないと判定した場合(ステップS32:NO)、呼び出し元の1素材分の描画コマンド構築処理(図22)に復帰する。
(ステップS33)
表示制御手段312は、現在参照している描画素材に設定されている不透明度を、サブメモリ302のRAMにおけるマスク作成領域に描画することを指定する。ステップS33の後、ステップS34を実行する。
(ステップS34)
表示制御手段312は、マスク素材(現在参照している描画素材(モーション)に対して設定されているマスク素材)に設定されている不透明度を、サブメモリ302のRAMにおけるマスク作成領域に乗算で描画することを指定する。ステップS34の後、ステップS35を実行する。
(ステップS35)
表示制御手段312は、マスク作成領域に描画された不透明度(すなわち描画素材の不透明度とマスク素材の不透明度との乗算値)で描画素材を描画することを指定するコマンドをセットする。ステップS35が終了すると、呼び出し元の1素材分の描画コマンド構築処理(図22)に復帰する。
モーションデータ解析処理(図20のステップS3)でマスク対象フラグが付与された描画素材であっても、ステップS22(図22)において、描画素材の描画範囲の全体がマスク不透明領域に含まれると判定されると、当該描画素材のマスク対象フラグがリセットされる(ステップS23)。そして、当該描画素材は、ステップS32(図23)においてマスク対象フラグが付与されていないと判定され、ステップS33~ステップS35の処理(マスク処理)が実行されない。このように構成することで、所定のモーション(演出、表示)において、マスク対象となるすべての描画素材(例えば、分割表示演出におけるすべての図柄素材、あるいは一部表示演出におけるすべての機種説明情報)に対してステップS33~ステップS35の処理を行う場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
(第2の実施の形態)
本発明はスロットマシン等のその他の遊技機にも適用できる。以下、本発明が適用されるスロットマシンの一例を示す。図24に示すように、スロットマシン(遊技機)100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)112とを備えている。筐体111には、回転自在な第1リール131、第2リール132および第3リール133がユニット化されたリールユニット130と、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉112は、上扉112aと下扉112bとに分割されており、これら上扉112aおよび下扉112bはそれぞれ筐体111に対して開閉自在となっている。
上扉112aには、液晶ディスプレイ113、スピーカー114等の演出用の装置、および表示窓115が設けられている。液晶ディスプレイ113には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。スピーカー114からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ113やスピーカー114の他にランプ(LED)等の電飾装置(照明装置)、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を設けてもよい。
表示窓115の奥には、リールユニット130が、その一部が表示窓115の外から視認可能となるように配置されている。第1リール131、第2リール132、および第3リール133の外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リール131,132,133が停止すると、表示窓115を介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。また、表示窓115には、各リール131,132,133の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール131,132,133の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態の遊技機では、第1リール131の中段と、第2リール132の中段と、第3リール133の中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施の形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール131,132,133が回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール131,132,133が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉112bには、メダルを投入するメダル投入口121、クレジットされたメダルをベットするためのMAXベットボタン(ベットボタン)122、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー123、回転している各リール131,132,133を停止させるためのストップボタン124、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口125、払い出し口125から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿126等が設けられている。また、メダル投入口121の奥には、メダル投入口121から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。また、下扉112bには、演出ボタン128が設けられている。演出ボタン128は、例えばプッシュスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を備えており、押下操作および回転操作が可能に構成されている。演出ボタン128は、操作されると演出の態様が変化するようになっており、これにより、遊技の興趣が向上する。
スロットマシン100では、メダル投入口121にメダルが投入、または、MAXベットボタン122が操作されて規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー123の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー123が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール131,132,133が回転を開始し、各リール131,132,133の回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン124の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン124が操作されると、操作されたストップボタン124に対応する各リール131,132,133が停止する。
スロットマシン100の内部には、主制御基板(メイン基板)と、副制御基板(サブ基板)とが設けられている。主制御基板は、MAXベットボタン122、スタートレバー123、ストップボタン124、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット130や、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ113およびスピーカー114等の演出用の装置の制御を行う。
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
この主制御基板および副制御基板が、前述の主制御基板200および副制御基板202が有する機能と同様の機能を有し、同様の制御を行い得ることとしてもよい。換言すると、本実施形態の遊技機(スロットマシン100)は、第1の実施の形態の遊技機が有する各構成を有していてもよく、第1の実施の形態の遊技機が実行する各種処理を実行してもよい。具体的には、例えば、スロットマシン100は、副制御基板が演出制御手段300を有し、図20~図23に示す液晶描画処理を実行可能であってもよい。また、例えば、スロットマシン100は、分割表示演出や一部表示演出のようなマスク処理を伴う演出を実行可能であってもよい。また、例えば、スロットマシン100は、マスク対象素材についてマスク処理が実行可能であるとともに、マスク対象素材の全体がマスクの特定範囲に含まれる場合にマスク処理を実行しないようにすることが可能であってもよい。
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、ぱちんこ遊技機やスロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。