JP2022148158A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】肌対向面の液戻りを抑制して、ドライ性に優れる吸収性物品を提供すること。【解決手段】本発明の吸収性物品1は、表面シート2、裏面シート3、該表面シート2と該裏面シート3との間に配された吸収体4、及び該表面シート2と該吸収体4との間に配されたセカンドシート7を備えている。セカンドシート7に、以下の化合物A及び化合物Bが配されている。化合物A:炭素数12以上22以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩化合物B:炭素数12以上22以下の内部オレフィンスルホン酸塩前記セカンドシートに、さらにリン酸エステル型のアニオン界面活性剤及び水溶性シリコーンの一方又は双方が配されていることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、着用状態において着用者の肌に当接される表面シートと、主な吸液部位となる吸収体と、該表面シート及び該吸収体間に配されるセカンドシートとを備えたものが知られている。例えば、本出願人は、先に、表面シートと吸収体との間にセカンドシートを有し、該吸収体が所定以上の密度を有し、該セカンドシートが所定以上の毛管力を有する、吸収性物品を提案した(特許文献1)。
また、尿や経血の透過を円滑に行うことを目的として、吸収性物品において、着用時に着用者の肌と当接される不織布に親水化処理が施されることがある。この親水化処理は、界面活性剤等を含む繊維処理剤を不織布の構成繊維の表面に付着させて行われる。本出願人は、先に、内部オレフィンスルホン酸塩、多価金属イオン、及び水を含有し、該内部オレフィンスルホン酸塩及び該多価金属イオンのモル比が所定範囲内である、親水化処理剤組成物を提案した(特許文献2)。
特開2016-067897号公報 特開2020-125451号公報
特許文献2に記載の親水化処理剤組成物は、硬質表面などの種々の固体表面に対して、優れた親水化能力を発揮する。しかしながら、同文献には、当該親水化処理剤組成物を吸収性物品の構成部材に用いた場合に、吸収性物品の種々の性能に有用であるか否かの検討までは開示されていない。
一方、良好な着用感を得る観点から、生理用ナプキン等の吸収性物品には、経血等の液体を吸収した後であっても良好なドライ性を有することが求められている。ドライ性を有することは、特に薄型の吸収性物品における着用感の向上に有効である。
したがって本発明の課題は、肌対向面の液残りを抑制して、ドライ性に優れる吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート、該表面シートと該裏面シートとの間に配された吸収体、及び該表面シートと該吸収体との間に配されたセカンドシートを備えた吸収性物品に関する。
前記セカンドシートに、以下の化合物A及び化合物Bが配されていることが好ましい。
化合物A:炭素数12以上22以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
化合物B:炭素数12以上22以下の内部オレフィンスルホン酸塩
本発明の吸収性物品によれば、肌対向面の液戻りを抑制して、ドライ性に優れる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンを示す平面図である。 図2は、図1に示す生理用ナプキンの横方向に沿う断面図である。 図3は、図2に示すセカンドシートの断面図である。
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1(以下、単に「ナプキン1」ともいう。)が示されている。ナプキン1は、体液を吸収保持する吸収体4と、該吸収体4よりも肌対向面側に配され、着用者の肌と接触し得る表面シート2と、該吸収体4よりも非肌対向面側に配された裏面シート3とを備えている。
ナプキン1は、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有している。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面である。「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」及び「着用状態」は、通常の適正な着用位置、すなわち吸収性物品の適正な着用位置が維持されて着用された状態を意味する。
本実施形態の表面シート2は、後述するセカンドシート7の肌対向面全域を被覆している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。裏面シート3は、当該延出した延出部において、後述するサイドシート6bと、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって接合されている。
表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等の液透過性シートを用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等の液難透過性シートを用いることができる。
ナプキン1において、吸収性本体5の肌対向面すなわち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、一対の防漏カフ6,6が吸収性本体5の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対の防漏カフ6,6は、縦方向Xに伸縮性を有するカフ弾性部材6aとサイドシート6bとにより形成されており、接着剤や熱エンボス等の公知の接合手段によって表面シート2や他の部材に接合されている。一対の防漏カフ6,6は、カフ弾性部材6aの収縮によって、着用者の肌に向かって起立する。
本実施形態における吸収体4は、液吸収性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の外面を被覆する液透過性のコアラップシート41とを含んでいる。吸収性コア40は、吸収体4の主体をなすもので、縦方向Xに長い形状を有している。吸収性コア40は、その長手方向をナプキン1の縦方向Xに一致させてナプキン1に配置されている。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の接着剤により接合されていてもよい。
本実施形態においては、コアラップシート41は1枚の連続したシートである。斯かるコアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆するとともに、該コアラップシート41において吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出した延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられることによって、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。コアラップシート41は連続した1枚のシートでなくてもよく、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、これとは別体のシートであって、該吸収性コア40の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとの2枚のシートからなるものであってもよい。
本実施形態の吸収性コア40は、吸水性材料として、吸水性繊維12Fと吸水性ポリマー12Pとを含有することが好ましい。
吸水性繊維12Fとしては、この種の吸収性物品における吸収体の形成材料として従来使用されている吸水性繊維を用いることができる。吸水性繊維としては、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ナプキン1は、表面シート2と吸収体4との間に配されたセカンドシート7を備えている。セカンドシート7は、本技術分野においてサブレイヤーシートなどとも呼ばれる吸収性物品の構成部材であり、表面シート2から吸収体4への液の透過性の向上、吸収体4に吸収された液の表面シート2への液戻りの低減などの役割を担う。本実施形態においてセカンドシート7は、吸収体4の肌対向面の略全域を被覆していることが好ましい。
セカンドシート7としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等の公知の不織布を用いることができる。
セカンドシート7を構成する繊維は、合成繊維であってもよく、あるいは天然繊維又は再生繊維であってもよい。
合成繊維としては、繊維形成能を有する熱可塑性樹脂からなる繊維が挙げられる。そのような熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリスチレンなどのポリビニル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を単独で用いて合成繊維となしてもよく、あるいは2種以上の樹脂をブレンドして用いて合成樹脂となしてもよい。さらに、芯鞘型複合繊維やサイドバイサイド型複合繊維を合成繊維として用いることもできる。
天然繊維としては例えばコットンなどが挙げられる。再生繊維としては、例えばレーヨン、キュプラ、テンセル(登録商標)などが挙げられる。
セカンドシート7には1種のみの繊維が含まれていてもよく、あるいは2種以上の繊維が含まれていてもよい。
セカンドシート7には、アニオン界面活性剤である以下の化合物A及び化合物Bが配されている。
化合物A:炭素数12以上22以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
化合物B:炭素数12以上22以下の内部オレフィンスルホン酸塩
化合物A及び化合物Bは、以下の方法によって生成することができる。まず、二重結合をオレフィン鎖の内部に有するオレフィン(以下、「内部オレフィン」という。)をスルホン化することで、定量的にβ-サルトンが生成される。このβ-サルトンの一部が、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、さらにこれらが中和及び加水分解工程によって、化合物A(ヒドロキシアルカンスルホン酸塩)及び化合物B(内部オレフィンスルホン酸塩)へと転換される(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992))。ここで得られる化合物A、すなわちヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にある。また、化合物B、すなわち内部オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある(後述する式(2)を参照)。つまり、「内部オレフィンスルホン酸塩」は、炭化水素基内部に二重結合を有する不飽和スルホン酸塩を意味する。なお、内部オレフィンは、二重結合の位置が炭素鎖の1位に存在する、いわゆるα-オレフィンを微量に含有する場合も含む広義の意味である。
カーボンニュートラルの観点から、化合物A及び化合物Bは、天然油脂由来である原料の内部オレフィン(以下、「原料内部オレフィン」ともいう。)を用いて得られることが好ましい。例えば、パーム油等の天然油脂から炭素数12以上22以下の脂肪族アルコールを得た後、アルミナ等の固体触媒の存在下で該脂肪族アルコールの脱水反応を行い、炭素数12以上22以下の原料内部オレフィンを得る。そして、原料内部オレフィンに対し、スルホン化、中和、及び加水分解を行った後、その生成物から化合物A及び化合物Bを単離することで、化合物A及び化合物Bを得る。
化合物A及び化合物B(内部オレフィンスルホン酸塩)の製造方法や原料内部オレフィンとしては、特開2016-183208号公報に記載のものを用いることができる。原料内部オレフィンとしては、天然油脂由来の炭素数12以上22以下の脂肪族アルコールを脱水反応させたものや、天然油脂由来の炭素数14以上22以下の脂肪酸を脱一酸化炭素反応させたもの等が挙げられる。
化合物Aは、炭素数が12以上22以下の分布を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩である。化合物Aは、下記式(1)により表される化合物を含有する。後述する液体残存抑制効果をより向上させる観点から、化合物Aの炭素数は、好ましくは14以上、より好ましくは16以上であり、また好ましくは20以下、より好ましくは18以下であり、また好ましくは14以上20以下、より好ましくは16以上18以下である。
下記式(1)中R及びRの合計の炭素数は、10以上であり、好ましくは12以上、より好ましくは14以上であり、また20以下であり、好ましくは18以下、より好ましくは16以下であり、また10以上20以下であり、好ましくは12以上18以下、より好ましくは14以上16以下である。
Figure 2022148158000002
式中、Xは、H、Na、K、Mg、Ca又はアンモニウムを表す。R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表し、両者の合計の炭素数は10以上20以下である。
前記式(1)において、R及びRで表されるアルキル基は好ましくは直鎖のものである。式(1)で表される化合物においては、-SOXと-OHとは、隣接する炭素原子にそれぞれ結合しており、且つ-SOXがアルキル鎖の末端に位置することはなく、同様に-OHもアルキル鎖の末端に位置することはない。
化合物Aは、アルキル鎖における-SOX及び-OHの結合位置が様々である複数の異性体を包含するものである。セカンドシート7には、複数の異性体のうち、1種のみが配されてもよく、2種以上の異性体が配されてもよい。
セカンドシート7には、化合物Aとして、炭素数が一種類のヒドロキシアルカンスルホン酸塩が配されてもよく、炭素数が2種類以上のヒドロキシアルカンスルホン酸塩が配されてもよい。
後述する液体残存抑制効果をより向上させる観点から、セカンドシート7には、化合物Aとして、下記の化合物A1及び化合物A2の何れか一方又は双方が配されていることが好ましい。
化合物A1:炭素数が16であるヒドロキシアルカンスルホン酸塩
化合物A2:炭素数が18であるヒドロキシアルカンスルホン酸塩
すなわち、セカンドシート7には、化合物A1及び化合物A2の何れかが配されているか、あるいは化合物A1及び化合物A2の双方が配されていることが好ましい。後述するセカンドシート7のドライ性をより向上させる観点から、セカンドシート7には、化合物Aとして、化合物A1及び化合物A2の双方が配されていることがより好ましい。
上記と同様の観点から、セカンドシート7における化合物A1と化合物A2との含有割合の比(A1:A2)は、好ましくは2:1~1:2、より好ましくは3:2~2:3である。
化合物Bは、炭素数が12以上22以下の分布を有する内部オレフィンスルホン酸塩である。化合物Bは、下記式(2)により表される化合物を含有する。後述する液体残存抑制効果をより向上させる観点から、化合物Bの炭素数は、好ましくは14以上、より好ましくは16以上であり、また好ましくは20以下、より好ましくは18以下であり、また好ましくは14以上20以下、より好ましくは16以上18以下である。
下記式(2)中R及びRの合計の炭素数は、9以上であり、好ましくは11以上、より好ましくは13以上であり、また19以下であり、好ましくは17以下、より好ましくは15以下であり、また9以上19以下であり、好ましくは11以上17以下、より好ましくは13以上15以下である。
Figure 2022148158000003
式中、Xは、H、Na、K、Mg、Ca又はアンモニウムを表す。R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表し、両者の合計の炭素数は9以上19以下である。
前記式(2)において、R及びRで表されるアルキル基は好ましくは直鎖のものである。式(2)で表される化合物においては、-SOXは、隣接する炭素原子に結合しており、且つ-SOXがアルキル鎖の末端に位置することはない。
化合物Bは、アルキル鎖における-SOXの結合位置が様々である複数の異性体を包含するものである。セカンドシート7には、複数の異性体のうち、1種のみが配されてもよく、2種以上の異性体が配されてもよい。
セカンドシート7には、化合物Bとして、炭素数が一種類の内部オレフィンスルホン酸塩が配されてもよく、炭素数が2種類以上の内部オレフィンスルホン酸塩が配されてもよい。
後述する液体残存抑制効果をより向上させる観点から、セカンドシート7には、化合物Bとして、下記の化合物B1及び化合物B2の何れか一方又は双方が配されていることが好ましい。
化合物B1:炭素数が16である内部オレフィンスルホン酸塩
化合物B2:炭素数が18である内部オレフィンスルホン酸塩
すなわち、セカンドシート7には、化合物B1及び化合物B2の何れかが配されているか、あるいは化合物B1及び化合物B2の双方が配されていることが好ましい。後述するセカンドシート7のドライ性をより向上させる観点から、セカンドシート7に、化合物Bとして、化合物B1及び化合物B2の双方が配されていることがより好ましい。
上記と同様の観点から、セカンドシート7における化合物B1と化合物B2との含有割合の比(B1:B2)は、好ましくは2:1~1:2、より好ましくは3:2~2:3である。
セカンドシート7には、化合物A及び化合物Bが配されている。これら化合物A及び化合物Bは、セカンドシート7(不織布)を構成する繊維の表面に付着した状態で存在し得る。
後述する液体残存抑制効果をより向上させる観点から、セカンドシート7における化合物Bに対する化合物Aの質量比(A/B)は、好ましくは2.0以上12.0以下である。上記と同様の観点から、セカンドシート7における前記質量比(A/B)は、より好ましくは3.0以上、さらに好ましくは3.5以上、さらにより好ましくは4.0以上であり、またより好ましくは10.0以下、さらに好ましくは8.0以下、さらにより好ましくは7.0以下であり、またより好ましくは3.0以上10.0以下、さらに好ましくは3.5以上8.0以下、さらにより好ましくは4.0以上7.0以下である。
化合物A及び化合物Bそれぞれは、その分子内に、油と馴染みやすい親油基(炭素原子数12以上22以下のアルキル鎖)と、水に馴染みやすい親水基を併せ持っている。化合物Aは、親油基の中間部に親水基を有している。本発明者らは、化合物A及び化合物Bをセカンドシート7に配した場合、セカンドシート7よりも肌対向面に配された表面シート2上に経血等の液体が残存し難くなることを見出した。斯かる効果を、「液体残存抑制効果」ともいう。この液体残存抑制効果により、ナプキン1の肌対向面におけるドライ性が良好となり、経血等の液体の吸収後においても良好な着用感が得られる。斯かる効果は、特にナプキン1が薄型である場合に特に有効である。
化合物Aの付着率、すなわちセカンドシート7の全質量に対する化合物Aの質量の含有割合は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上であり、また好ましくは5.00質量%以下、より好ましくは1.00質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上5.00質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上1.00質量%以下である。セカンドシート7の全質量は、セカンドシート7そのものの質量とともに、化合物A及び化合物B等の付着物の質量を含む。
化合物Bの付着率、すなわちセカンドシート7の質量に対する化合物Bの質量の含有割合は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上であり、また好ましくは5.00質量%以下、より好ましくは1.00質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上5.00質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上1.00質量%以下である。
化合物A及び化合物Bの付着率、すなわちセカンドシート7の全質量に対する化合物A及び化合物Bの質量の含有割合は、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、さらに好ましくは0.30質量%以上であり、また好ましくは6.00質量%以下、より好ましくは4.00質量%以下、さらに好ましくは2.00質量%以下であり、また好ましくは0.10質量%以上6.00質量%以下、より好ましくは0.20質量%以上4.00質量%以下、さらに好ましくは0.30質量%以上2.00質量%以下である。
化合物A及び化合物Bや、後述する他の化合物が配されたセカンドシート7において、これら各化合物の有無や付着率、含有割合等を分析する場合は、次の手順に従って分析することが好ましい。まず、分析対象のセカンドシート7(不織布)を適切な溶媒で洗浄する。この洗浄用溶媒としては、例えば、エタノールとメタノールとの混合溶媒、エタノールと水との混合溶媒が挙げられる。分析対象の不織布が、生理用品又は子ども用若しくは大人用使い捨ておむつのごとき、吸収性物品の構成部材である場合は、コールドスプレーを噴霧して、吸収性物品において測定対象の構成部材と他の部材との接合に用いられている接着剤を固化させた後に、該構成部材(不織布)を剥がし、これを洗浄用溶媒で洗浄する。次に、分析対象の不織布を洗浄するのに用いた溶媒(繊維処理剤を含む洗浄用溶媒)を乾燥させ、その残渣を定量することで、該不織布に付着していた化合物の総量が測定できる。また、この残渣について、その構成物に合わせて適切なカラム及び溶媒を選択した上で、それぞれの成分を高速液体クロマトグラフィーで分画し、さらに各画分についてMS測定、NMR測定、元素分析等を行うことで、各画分の構造を同定することができる。また、セカンドシート7が高分子化合物を含む場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などの手法を併用することで、構成成分の同定を行うことがより容易になる。
化合物A及び化合物Bそれぞれは、例えば、以下の方法により分析することができる。前記残渣に50体積%エタノール水溶液及び石油エーテルを添加し、よく振とうし、静置後、石油エーテル相とエタノール水相とに分相する。この石油エーテル相を、ガスクロマトグラフィーを用いて下記条件により分析し、ピーク面積から内部オレフィンを定量する。また、エタノール水相を、HPLC-MSを用いて下記条件により分析し、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩(化合物A)と内部オレフィンスルホン酸塩(化合物B)を分離定量する。
・ガスクロマトグラフィー条件
装置:Agilent 6850GC(アジレントテクノロジー社製)
カラム:Ultra Alloy UA-1(HT)キャピラリーカラム 15m×250μm×0.15μm(フロンティア・ラボ株式会社製)
検出器:水素炎イオン検出器(FID)
インジェクション温度:300℃
ディテクター温度:350℃
He流量:3.8mL/min
・HPLC-MS条件
HPLCによりヒドロキシアルカンスルホン酸塩と内部オレフィンスルホン酸塩を分離し、それぞれをMSにかけることでこれら化合物を同定することができる。このHPLC-MSピーク面積から、付着率や化合物A及び化合物Bの各々の含有割合を求めてもよい。
HPLC-MS装置:Agilent 1100 LC/MSD Model G1946D Mass Spectrometer(アジレントテクノロジー社製)
カラム:L-column ODS(一般財団法人化学物質評価研究機構製、粒子径5μm、4.6×150mm)
サンプル調製:メタノールで1000倍希釈
溶離液A:10mM酢酸アンモニウム水溶液
溶離液B:10mM酢酸アンモニウムメタノール溶液
グラジェント条件:開始時(溶離液A/溶離液B=30/70(体積比))→10分(30/70)→55分(0/100)→65分(0/100)→66分(30/70)→75分(30/70)
MS検出:陰イオン検出 m/z60~1600、UV240nm
セカンドシート7は、その構成繊維に化合物A及び化合物Bを含む処理剤が適用されることで得られる。処理剤を構成繊維11の表面に付着させる方法(適用方法)としては、各種公知の方法を特に制限なく採用することができる。例えば、スプレーによる塗布、スロットコーターによる塗布、ロール転写による塗布、繊維処理剤への浸漬等が挙げられる。これらの処理は、ウエブ化する前の繊維に対して行ってもよいし、繊維を各種の方法でウエブ化した後に行ってもよい。繊維に化合物A及び化合物Bを含む処理剤を適用することで、繊維は親水化処理される。
セカンドシート7における化合物A及び化合物Bの付着量(付着率)は、これら化合物A及び化合物Bを含む前記処理剤の組成や該処理剤の塗布量により調整してもよい。
前記処理剤は、化合物A及び化合物B以外の成分を含有していてもよい。すなわち、セカンドシート7には、化合物A及び化合物Bに加えて他の化合物が配されていてもよい。この場合、他の化合物も、セカンドシート7を構成する繊維の表面に付着した状態で存在し得る。この他の化合物について、以下に詳述する。以下の説明において、セカンドシート7における化合物A、化合物B及び他の化合物の含有割合や含有量(付着率)は、処理剤における化合物A、化合物B及び他の化合物の組成や、該処理剤の塗布量により調整してもよい。
ドライ性をより向上させる観点から、セカンドシート7には、化合物A及び化合物Bに加え、さらにリン酸エステル型のアニオン界面活性剤及び水溶性シリコーンの一方又は双方が配されていることが好ましい。
上記と同様の観点から、化合物A及び化合物Bと、リン酸エステル型のアニオン界面活性剤及び水溶性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上の剤とが、セカンドシート7に付着した状態である場合、セカンドシート7に対する化合物A、化合物B、リン酸エステル型のアニオン界面活性剤及び水溶性シリコーンの各含有量(付着率)は、以下の範囲内であることが好ましい。
セカンドシート7では、化合物A及び化合物Bの合計100質量部に対して、リン酸エステル型のアニオン界面活性剤の含有割合が、好ましくは30質量部以上、より好ましくは75質量部以上であり、また好ましくは900質量部以下、より好ましくは400質量部以下であり、好ましくは30質量部以上900質量部以下、より好ましくは75質量部以上400質量部以下である。
セカンドシート7では、化合物A及び化合物Bの合計100質量部に対して、水溶性シリコーンの含有割合が、好ましくは30質量部以上、より好ましくは75質量部以上であり、また好ましくは400質量部以下、より好ましくは200質量部以下であり、好ましくは30質量部以上400質量部以下、より好ましくは75質量部以上200質量部以下である。
セカンドシート7に対するリン酸エステル型のアニオン界面活性剤の付着率は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上であり、また好ましくは2.00質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上2.00質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上0.50質量%以下である。
セカンドシート7に対する水溶性シリコーンの付着率は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上であり、また好ましくは1.00質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上1.00質量%以下、より好ましくは0.10質量%以上0.50質量%以下である。
リン酸エステル型のアニオン界面活性剤としては、例えばアルキルリン酸エステル塩を用いることができる。アルキルリン酸エステル塩におけるアルキル基としては、炭素原子数が例えば8以上22以下の直鎖アルキル基が挙げられる。このアルキル基は、例えばポリオキシアルキレン基によって変性されていてもよい。また、塩としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好ましく、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はアンモニウムから選ぶことができ、カリウム塩が好ましい。
水溶性シリコーンとしては、例えばポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いることができる。ポリオキシアルキレン基としては、例えばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基及びポリオキシブチレン基並びにこれらの基を構成する単量体から2種以上を選び重合して得られる基等を挙げることができる。
化合物A、化合物B、及び上述した他の化合物それぞれは、セカンドシート7の厚み方向の全域に存在していてもよく、あるいは厚み方向の一部分、例えば肌対向面側にのみ存在していてもよい。
次に、セカンドシート7の構造について詳述する。
セカンドシート7は、両面が平坦なものであってもよく、一方の面に凹凸を有するとともに、他方の面が平坦であるものであってもよく、両面に凹凸を有しているものであってもよい。セカンドシート7は、複数の凸部14及び凹部15を有する凹凸構造を有していてもよい(図3参照)。セカンドシート7が凹凸を有する場合、該凹凸は、それぞれ一方向に延びる畝状の凸部と溝状の凹部とが交互に配置された状態のものであってもよく、あるいはセカンドシート7の表面に散点状に配置された凸部と、隣り合う凸部間に位置する凹部とからなるものであってもよい。
セカンドシート7は、高密度部13を複数有していることが好ましい(図3参照)。斯かる構成により、ドライ性をより向上させることができる。高密度部13は、セカンドシート7の構成繊維が他の部位よりも高密度化した部分である。本実施形態の高密度部13は、セカンドシート7の一方の面において他の部位よりも相対的に凹んでおり、該高密度部13によって前記凹凸の凹部15が形成される。高密度部13は、一方向に延びて形成されていてもよいが、ドライ性をより向上させる観点から、平面方向に散点状に配置されていることが好ましい。高密度部13は、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工することによって形成する方法、又は超音波エンボス加工することによって形成する方法などが挙げられるが、これらに限られない。
セカンドシート7における高密度部13の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは40%以下、より好ましくは25%以下であり、好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは10%以上25%以下である。斯かる構成により、セカンドシート7における液体の吸収量をより向上させて、表面シート2の液残りをより抑制することができる。
高密度部13の面積率は、以下の測定方法により求められる。セカンドシート7から、20mm×20mmの大きさのサンプル片を切り出す。温度20±2℃、相対湿度65±5%の条件下でマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX-1000)を用いて、サンプル片の平面視写真を得る。該平面視写真からサンプル片20mm×20mmの範囲に含まれる高密度部13について、個数を数えるとともに、平面視したときの1個当たりの面積を測定し、その面積に個数を乗じることで、サンプル片における高密度部13の総面積を求める。次いで高密度部13の総面積を、サンプル片の測定面積400mmで除した(高密度部13の総面積/サンプル片の測定面積)の割合(%)を求める。以上の測定を5枚のサンプル片について行い、それらの平均値を高密度部13の面積率(%)とする。
セカンドシート7は、吸収性物品に対して、コールドスプレーを噴霧して、吸収性物品の構成部材を接着している接着剤を固化させて、該セカンドシート7を他の構成部材から剥がして取り出すこととする。この取り出し方法は、特に断らない限り、本明細書における他の測定方法にも共通して適用可能である。
セカンドシート7は、複数の層が積層した複層構造を有していてもよい。斯かる形態として、第1層と第2層とが積層した二層構造を有しており、該第1層側の面に複数の凸部及び凹部からなる凹凸を有するものが挙げられる。この場合、第1層及び第2層は、高密度部13において互いに接合されている。吸収体4への液体の移行性をより向上させる観点から、第2層側の面は平坦になっていることが好ましい。
セカンドシート7は、複層構造に代えて、単層構造を有しているものであってもよい。
表面シート2からの液引き込み性をより向上させるとともに、セカンドシート7の液の保持性をより抑制する観点から、セカンドシート7を構成する繊維の繊度は、好ましくは1.0dtex以上10.0dtex以下、より好ましくは1.5dtex以上6.6dtex以下であり、さらに好ましくは1.8dtex以上4.4dtex以下、さらにより好ましくは2.2dtex以上3.3dtex以下である。斯かる構成により、表面シート2からセカンドシート7を介して吸収体4に移行する液体の移行性をより向上でき、ナプキン1の肌対向面におけるドライ性をより向上できる。
繊維の繊度は、以下の方法で測定することができる。すなわち、荷重がかかっていない状態のセカンドシート7から、50mm×100mm(面積5000mm)の長方形状を切り出して、これを測定用サンプルとする。次いで、測定用サンプルを断面視して、測定用サンプルの肌対向面から0.05mm間隔を空けた位置での標準的な繊維10本を対象として繊維太さを、電子顕微鏡を用いて実測し、繊維太さの算術平均値Dn(μm)を算出する。次いで、示差走査熱量測定器(DSC)を用いて、前記肌対向面から0.05mm間隔を空けた位置での標準的な繊維の構成樹脂を特定し、理論繊維密度Pn(g/cm)を求める。得られた繊維太さの算術平均値Dn(μm)及び理論繊維密度Pn(g/cm)から、繊維長さ10000m当たりの重さ(g)を算出して、この算出された値をセカンドシート7の繊維の繊度(dtex)とする。
吸収体4に吸収された液を見えにくくする隠蔽性をより向上させるとともに、セカンドシート7の液の保持性をより抑制する観点から、セカンドシート7の坪量は、好ましくは15g/m以上、より好ましくは20g/m以上であり、また好ましくは35g/m以下、より好ましくは30g/m以下であり、また好ましくは15g/m以上35g/m以下、より好ましくは20g/m以上30g/m以下である。
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
(i)化合物A2及び化合物B2の製造
セカンドシート7の構成繊維に適用する処理剤を以下の方法により製造した。撹拌装置付きフラスコに、1-オクタデカノール(商品名:カルコール8098、パーム核油由来、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ-アルミナ(STREM Chemicals社製)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、撹拌下、280℃にて窒素を系内に流通させながら(窒素流通量:7000mL/min)、10時間、反応を行い、C18の原料内部オレフィンを製造した。
次いで、C18の原料内部オレフィンを薄膜流下式スルホン化装置にて、SOガスによりスルホン化し、1分経過後にKOHで中和、加水分解してスルホン酸塩粗組成物を得た。このスルホン酸塩粗組成物を石油エーテルを用いて洗浄、精製して、スルホン酸塩組成物を得た。得られたスルホン酸塩組成物中の化合物A2(C18ヒドロキシアルカンスルホン酸塩)の含有量は84.0質量部、化合物B2(C18内部オレフィンスルホン酸塩)の含有量は16.0質量部であった。C18原料内部オレフィン含有量は前記分析条件におけるガスクロマトグラフィーでは検出できなかった。斯かる化合物A2の一例を下記式(3)に示す。
Figure 2022148158000004
(ii)化合物A1及び化合物B1の製造
1-ヘキサデカノール(商品名:「カルコール6098」、パーム核油由来、花王株式会社製)を原料にして、前記(i)と同様の方法により、C16原料内部オレフィンを製造した。
このC16原料内部オレフィンを薄膜流下式スルホン化装置にて、SOガスによりスルホン化し、1分経過後にKOHで中和、加水分解してスルホン酸塩粗組成物を得た。このスルホン酸塩粗組成物を石油エーテルを用いて洗浄、精製して、スルホン酸塩組成物を得た。得られたスルホン酸塩組成物中の化合物A1(C16ヒドロキシアルカンスルホン酸塩)の含有量は85.0質量部、化合物B1(C16内部オレフィンスルホン酸塩)の含有量は15.0質量部であった。C16原料内部オレフィン含有量は前記分析条件におけるガスクロマトグラフィーでは検出できなかった。斯かる化合物A1の一例を下記式(4)に示す。
Figure 2022148158000005
〔実施例1〕
前記(i)により得られたスルホン酸塩組成物(化合物A2及び化合物B2の混合物)を、処理剤とし、該処理剤を、芯鞘型複合繊維の表面に塗工した。この芯鞘型複合繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレートからなり、鞘部がポリエチレンからなるものであり、繊度2.4dtexであり、繊維長は51mmであり、樹脂含有比率は、芯部が50質量%、鞘部が50質量%であった。次いで、当該繊維を用いたエアスルー法により不織布を製造した。そして、当該不織布にエンボス加工を施し、散点状に配された複数の高密度部13を形成した。高密度部13は面積率が20%になるように形成した。斯かる不織布をセカンドシート7として用いた。セカンドシート7は、高密度部13が凹部15となり、該高密度部13以外の部分が凸部14となる凹凸構造を有するものであった。
得られたセカンドシート7に関し、坪量、厚み、構成繊維の繊度、及び処理剤の付着率を下記表1に示す。表1における化合物A及び化合物Bからなる処理剤、又は化合物A及び化合物Bを含む処理剤の付着率は、セカンドシート7の全質量に対する処理剤の質量の含有割合を意味する。
また、下記表1では、セカンドシート7における化合物Bに対する化合物Aの質量比(A/B)、及びセカンドシート7における化合物B1と化合物B2との含有割合の比(B1:B2)を示す。これら質量比及び含有割合の比は、処理剤の組成に基づく。
〔実施例2〕
実施例2では、前記(ii)により得られたスルホン酸塩組成物(化合物A1及び化合物B1の混合物)を処理剤として用いた点以外は、実施例1と同様の方法により、セカンドシート7を製造した。
〔実施例3〕
実施例3では、実施例1で用いた処理剤に、下記の化合物C1及び化合物D1を混合したものを処理剤とした。実施例3の処理剤の組成を下記表1に示す。斯かる処理剤を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によってセカンドシート7を製造した。
化合物C1 リン酸エステル型のアニオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルリン酸カリウム:ミヨシ油脂株式会社製:商品名「アンホレックスMP-2K」
化合物D1 水溶性シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン:信越化学工業株式会社製:商品名「KF-6012」
〔実施例4〕
実施例4では、実施例1及び実施例2で用いた各処理剤を混合し、さらに前記の化合物C1及び化合物D1を混合したものを処理剤とした。実施例4の処理剤の組成を下記表1に示す。斯かる処理剤を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によってセカンドシート7を製造した。
〔比較例1~4〕
比較例1~4では、下記の化合物E1,E2を処理剤に用いた点、及び該処理剤の付着率を下記表1に示すとおりとした点以外は、実施例1と同様の方法によってセカンドシート7を製造した。また、比較例4では、下記の化合物E2に加え、前記の化合物C1及び化合物D1を処理剤として用いた。比較例1~4で用いた化合物E1及びE2の詳細は以下のとおりである。
化合物E1 ラウリル硫酸ナトリウム:花王株式会社製:商品名「エマール0」
化合物E2 ジオクチルスルホコハク酸:花王株式会社製:商品名「ペレックスOT-P」
実施例及び比較例で得られたセカンドシート7により表面シートがどの程度ドライになるかを評価するため、下記のセカンドシート上に配置した表面シートにおける液残り量を測定した。
<表面シートの液残り量の測定>
コールドスプレーを用いて、花王株式会社製の生理用ナプキン(商品名「ロリエ スリムガード」 2020年製)から表面シート及び吸収体を取り出した。吸収体の肌対向面上に各実施例又は各比較例のセカンドシート7を載せて、その上に表面シートを載せた。次いで、前記表面シートの上に、円筒が一体成形されたアクリル製注液プレートを、該表面シートの中央に位置するように載置した。斯かる注液プレートは、長軸5.5cm、短軸3.0cmの楕円形状を有するものであり、円筒部分が注液孔として用いられるものであった。表面シートの上に注液プレートを載置した状態下に、6.0gの馬脱繊維血液を円筒内に注入した。注入の20秒後、注液プレートを除去し、表面シートをOHPフィルムの上に載置した。この表面シートにおいて前記馬脱繊維血液を注入した箇所に、9.5cm×5.5cmに折り畳んだティッシュペーパー〔Kleenex(登録商標)〕を載せ、さらにそのティッシュペーパーの上に2.5gf/cm(約245Pa)の荷重が付与されるようにおもりを載せ、3秒間静置した。その後、荷重を解除し、ティッシュペーパーの質量(Wb)を測定した。表面シートの液残り量(mg)は、ティッシュペーパーの質量(Wb)から、表面シートの上に載置する前のティッシュペーパーの質量(Wa)を差し引くことによって算出した(Wb-Wa)。斯かる測定を3回繰り返し、それらの平均値を表面シートの液残り量とした。この液残り量は、着用者の肌が液によってどの程度濡れるのかを示す指標とすることができる。表面シートの液残り量の値が小さいほど、表面シートに液が残りにくく、ドライ性に優れ、液吸収後も肌触りが良好であることを意味する。測定結果を表1に示す。
上記の測定に用いた馬脱繊維血液は株式会社日本バイオテスト研究所製のものであった。馬脱繊維血液は、これを放置すると、粘度の高い部分(赤血球など)は沈殿し、粘度の低い部分(血漿)は、上澄みとして残る。馬脱繊維血液は、それらの粘度の高い部分及び粘度の低い部分を混合し、その混合比率を、粘度が8.0cP(25℃)になるよう調整した。調整には、東機産業株式会社製のTVB10形粘度計を用いた。条件は30rpmとした。
Figure 2022148158000006
表1に示す結果から明らかなとおり、化合物A及び化合物Bが配されたセカンドシート7を備えた実施例1~4の生理用ナプキンにおいて、表面シートの液残り量が比較例1~4よりも少ない結果となった。この結果から、優れたドライ性が奏されることが示された。また、実施例1~4における表面シートの液残り量の対比から、セカンドシート7に化合物A及び化合物Bを配することに加え、リン酸エステル型のアニオン界面活性剤又は水溶性シリコーンを配することが、ドライ性の向上に有効であり、さらに化合物A1,B1と化合物A2,B2とを併用することで、顕著なドライ性の向上が可能であることが示された。
1 吸収性物品(生理用ナプキン)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
6 防漏カフ
7 セカンドシート

Claims (4)

  1. 表面シート、裏面シート、該表面シートと該裏面シートとの間に配された吸収体、及び該表面シートと該吸収体との間に配されたセカンドシートを備えた吸収性物品であって、
    前記セカンドシートに、以下の化合物A及び化合物Bが配されている、吸収性物品。
    化合物A:炭素数12以上22以下のヒドロキシアルカンスルホン酸塩
    化合物B:炭素数12以上22以下の内部オレフィンスルホン酸塩
  2. 前記セカンドシートに、さらにリン酸エステル型のアニオン界面活性剤及び水溶性シリコーンの一方又は双方が配されている、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記セカンドシートに、前記化合物Bとして、以下の化合物B1及び化合物B2が配されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
    化合物B1:炭素数が16である内部オレフィンスルホン酸塩
    化合物B2:炭素数が18である内部オレフィンスルホン酸塩
  4. 前記セカンドシートにおける前記化合物B1と前記化合物B2との含有割合の比(B1:B2)が、2:1~1:2である、請求項3に記載の吸収性物品。
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