JP2022147400A - 燃焼器 - Google Patents

燃焼器 Download PDF

Info

Publication number
JP2022147400A
JP2022147400A JP2021048623A JP2021048623A JP2022147400A JP 2022147400 A JP2022147400 A JP 2022147400A JP 2021048623 A JP2021048623 A JP 2021048623A JP 2021048623 A JP2021048623 A JP 2021048623A JP 2022147400 A JP2022147400 A JP 2022147400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
field
combustion
combustion field
combustor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021048623A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7307441B2 (ja
Inventor
俊相 春日
Shunso Kasuga
光彰 大友
Mitsuaki Otomo
典彦 壹岐
Norihiko Iki
修 倉田
Osamu Kurata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2021048623A priority Critical patent/JP7307441B2/ja
Priority to US17/655,764 priority patent/US20220307692A1/en
Publication of JP2022147400A publication Critical patent/JP2022147400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7307441B2 publication Critical patent/JP7307441B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/002Wall structures
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/28Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the fuel supply
    • F23R3/34Feeding into different combustion zones
    • F23R3/346Feeding into different combustion zones for staged combustion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/02Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the air-flow or gas-flow configuration
    • F23R3/16Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the air-flow or gas-flow configuration with devices inside the flame tube or the combustion chamber to influence the air or gas flow
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/42Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the arrangement or form of the flame tubes or combustion chambers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2240/00Components
    • F05D2240/35Combustors or associated equipment
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R2900/00Special features of, or arrangements for continuous combustion chambers; Combustion processes therefor
    • F23R2900/00002Gas turbine combustors adapted for fuels having low heating value [LHV]
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R2900/00Special features of, or arrangements for continuous combustion chambers; Combustion processes therefor
    • F23R2900/03041Effusion cooled combustion chamber walls or domes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/02Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the air-flow or gas-flow configuration
    • F23R3/04Air inlet arrangements
    • F23R3/06Arrangement of apertures along the flame tube

Abstract

【課題】 熱機関の燃焼器に於いて、液体アンモニアのような潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い燃料を用いて、広範な運転領域に於いて安定的に燃焼状態が得られる構成を提供する。【解決手段】 熱機関の燃焼器1に於いて、筒状の外側ライナ2が、上流端側から燃料と空気とが供給されて燃料が燃焼され、下流端側へ燃焼ガスが流出する燃焼室を画定し、外側ライナの内側にて同芯状に筒状の内側ライナ3が延在し、燃焼室に於いて、外側ライナと内側ライナの間にドーナツ形状の予備燃焼場SBが画定され、その下流端側に主燃焼場MBが画定され、予備燃焼場に於いて熱機関の作動中に亙って火炎が保持されて燃焼状態が維持される当量比にて燃料が供給されて燃焼され、主燃焼場に対して内側ライナの放射方向内側を通って燃料と空気とが供給され、主燃焼場に於いて予備燃焼場からの既燃ガスと混合されて燃焼されるよう構成される。【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスタービンエンジンやボイラなどの熱機関の燃焼器の構造に係り、より詳細には、かかる燃焼器に於ける燃焼を発生させる構造(バーナ)に係る。
ガスタービンエンジンやボイラなどの燃料の燃焼によりエネルギーを得る燃焼器について、従前より、燃焼効率及びエネルギー効率の向上、NOx、CO、未燃焼炭化水素等の排出量抑制のために種々の構造が提案されている。例えば、特許文献1に於いては、ガスタービン用燃焼器に於いて、NOx生成を抑制しつつ未燃焼炭化水素及びCOの増加を抑制するために、燃料を燃焼する燃焼筒に於いて、その上流端に円周状に配置されて主要な燃料量を噴出するメインノズルの中央領域から下流側に突出して火炎を形成するパイロットノズルが配置されている構成に於いて、パイロットノズルにその先端付近とそれよりも上流側との二箇所に燃料を噴射するノズル孔を設け、これにより、既燃ガスが高温領域に滞留する距離及び時間を短くすることで、NOxの生成を抑制し、下流側で噴射された燃料と上流側からの既燃ガスや空気等とを短い距離で良好に混合し、燃料濃度の均一性を高めて、未燃焼炭化水素及びCOの増加を抑制することが提案されている。特許文献2では、ガスタービンエンジンの燃焼器の燃焼室に於いて、着火性能と保炎性能に優れた拡散燃焼方式とNOx発生量を効果的に低減できる希薄予混合燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式を用いた構成の場合に、拡散燃焼領域と予混合燃焼領域とを分離し、着火性、保炎性および低負荷時における安定燃焼性の向上を図ることが提案されている。特許文献3では、ガスタービン燃焼器に於いて、排出口が燃焼室内に開口するバーナから噴射された既燃ガスに向かって、予混合気噴射管から燃料と空気との希薄混合気を噴射し、高温の既燃ガスを利用して希薄混合気を燃焼させることにより、燃焼用空気流量の可変機構等を用いることなく、広い出力範囲にわたって高い燃焼効率と低NOx排出濃度性を両立させることが企図された構成が開示されている。更に、特許文献4は、ガスタービン燃焼器の燃料と空気とが供給される燃焼室に於いて、燃料を噴出すると共に空気を旋回させて噴出する第1のバーナと、第1のバーナの周囲に複数配置され、空気と燃料との予混合気を燃焼室に供給する第2のバーナと、第1のバーナの外側であって、第2のバーナの予混合気の流れの内側に配置され、燃焼室の下流にかけて半径方向の断面積が広がるよう形成され燃焼室の中心軸に対して傾斜する面を有する環状隔壁と、該環状隔壁の傾斜する面に周方向に間隔を介して配置され、燃焼室の中心軸方向に空気を噴出する複数の空気噴出口とを設け、これにより、大きな燃焼振動の発生を防止し、広い運転範囲でNOx排出量を低減して安定に燃焼できることを提案している。概して述べれば、上記の従前のガスタービンエンジンやボイラなどの燃焼器の構成に於いては、希薄燃料混合気で運転する希薄燃焼を過熱状態にならないように好適に達成するために種々の改良が試みられているということができる。
特開2020-51640 特開2008-196831 特開2003-262336 特開平11-101435
ところで、地球温暖化防止と脱炭素化の観点から炭素を含まない燃料或いは再生可能エネルギーの導入が望まれている。そのようなエネルギーの一つに於いて、水素が媒体となり得るが、水素は、常温で気体であり、大量貯蔵・輸送が不向きであるため、水素エネルギーキャリアとして、例えば、アンモニア(NH)を利用することが考えられている。この点に関し、アンモニアは、炭化水素燃料又は化石燃料に比して、潜熱が大きく、又、当量比の可燃範囲(燃焼範囲)が狭いので、熱機関の負荷変動に対応した運転領域の全体に亙る安定燃焼性の維持が難しい。特に、液体アンモニアなどの潜熱の大きい液化ガスは、燃焼場へ供給したときに、その温度が低下し、火炎が消え易くなり、当量比の安定燃焼域が更に狭くなる。従って、液体アンモニアのような潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い燃料をガスタービンエンジンやボイラの燃焼器に用いようとする場合には、そのような燃料が熱機関の負荷変動に対応したより広い運転領域に於いて安定的に燃焼できるような新規な構成があると有利である。
かくして、本発明の一つの課題は、ガスタービンエンジンやボイラなどの熱機関の燃焼器に於いて、燃料として、液体アンモニアのような潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い燃料を用いる場合に、広範な運転領域に於いて安定的に燃焼状態が得られる新規な構成を提供することである。
また、上記の如き新規な燃焼器の構成は、できるだけ簡単な構成であることが好ましい。そこで、本発明のもう一つの課題は、上記の如き燃焼器にして、構成ができるだけ簡単である燃焼器を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、
液化ガス燃料又は液体燃料の燃焼によりエネルギーを得る熱機関の燃焼器であって、
筒状の外側ライナにして、上流端側と下流端側とを有し、前記上流端側から燃料と空気とが供給されて前記燃料が燃焼され、前記下流端側へ燃焼ガスが流出する燃焼室を画定する外側ライナと、
前記外側ライナの内側にて前記上流端側から該外側ライナと同芯状に該外側ライナよりも短い長さにて延在する筒状の内側ライナと
を有し、
前記燃焼室に於いて、前記外側ライナと前記内側ライナとの間にてドーナツ形状の予備燃焼場が画定され、前記内側ライナの前記下流端側に近い端側と前記外側ライナの前記下流端側との間に主燃焼場が画定され、
前記予備燃焼場に於いて前記熱機関の作動中に亙って火炎が保持されて燃焼状態が維持される当量比にて前記燃料が供給されて燃焼され、これによる既燃ガスが前記主燃焼場へ流出し、
前記主燃焼場に対して前記内側ライナの放射方向内側を通って前記燃料と前記空気とが供給され、前記主燃焼場に於いて前記予備燃焼場からの前記既燃ガスと混合されて燃焼されるよう構成された燃焼器
によって達成される。
上記の構成に於いて、「熱機関」とは、ガスタービンエンジンやボイラなど内燃機関又は外燃機関であって燃料を燃焼して熱エネルギーを得る任意の機関であってよい。液化ガス燃料又は液体燃料とは、貯蔵、輸送及び流通の際には、液体であり、燃焼室に供給される際に液滴化又は気化される任意の燃料であってよい。特に、本発明の燃焼器は、既に触れた如く、液体アンモニアのような潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い液体又は液化ガスであっても、燃料として、良好に燃焼されるように構成される。「筒状の外側ライナ」と「筒状の内側ライナ」とは、この分野で通常用いられる耐熱性の材料にて形成されてよい。外側ライナの内側に画定される「燃焼室」に於いては、一方の端側、即ち、上流端側から空気と燃料が流入し、燃焼されながら、燃焼ガスとなって、他方の端側、即ち、下流端側へ流出し、熱エネルギーを発生する。この燃焼室に於いて、特に、本発明の場合には、上記の如く、上流側にて、外側ライナと内側ライナとの間にドーナツ形状の空間が、「予備燃焼場」として、画定され、その予備燃焼場の下流側に連続して、主要な燃料の燃焼が起こされる「主燃焼場」が画定される。そして、予備燃焼場に於いては、熱機関の作動中に亙って火炎が保持されて燃焼状態が維持される当量比にて燃料が供給されて燃焼され、これによる既燃ガスが、外側ライナの下流側にて画定された主燃焼場へ流出し、主燃焼場に於いては、内側ライナの放射方向内側を通って燃料と空気とが供給され、それらが、予備燃焼場からの高温の既燃ガスと混合されて燃焼されることとなる。なお、「熱機関の作動中に亙って」とは、熱機関が作動状態にあり、燃焼器にて燃料の燃焼が要求される期間の略全体を意味するものとしている。外側ライナは、予備燃焼場の外側を画定する部分と主燃焼場を画定する部分とは、一体的に形成されていてもよく、或いは、別体として形成されていてもよい(予備燃焼場と主燃焼場とが、それぞれ、第一の外側ライナと第二の外側ライナとにて画定されていてもよく、その場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。)。
上記の本発明の構成によれば、燃焼室の上流側に形成される予備燃焼場に於いては、燃料が、液体アンモニアの如く、潜熱が大きく当量比の可燃範囲の狭い燃料であっても、熱機関の作動中に於いて、実質的に常に、確実に火炎が保持され、燃料が燃焼される状態とされる当量比となるように、燃料が調節されて供給される。そうすると、予備燃焼場では、常に、燃料が燃焼し、そこから、高温の既燃ガスが燃焼室の下流側に形成される主燃焼場へ流出し、そこに供給された燃料と空気とに混合され、かかる燃料と空気との温度を上昇するので、供給された燃料が、元々潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭いことで、そのままでは燃え難い燃料であったとしても、安定的に燃焼が生ずる当量比の範囲が広がり、また、気化による温度低下に殆ど影響されずに発火及び燃焼し、機関の負荷の変動に対応して運転状態が変動しても、主燃焼場に於いて安定的な燃焼状態が達成されることが期待される。また、かかる構成に於いて、予備燃焼場が主燃焼場の上流側にてドーナツ形状に形成されていることから、主燃焼場へ供給されるべき燃料と空気が、ドーナツ形状の内側、即ち、内側ライナの放射方向内側を通して、主燃焼場へ供給されるので、主燃焼場へ燃料と空気を供給する構造が簡単化され、また、予備燃焼場からの高温の既燃ガスが主燃焼場に供給された燃料と空気を囲繞する態様にて主燃焼場へ進むために、主燃焼場に供給された燃料と空気を昇温する作用効果が得られることとなる。かくして、上記の本発明の燃焼器の構成によれば、燃料として液体アンモニアの如く潜熱が大きく当量比の可燃範囲の狭い燃料を用いた場合でも、機関の広範な運転領域に於いて、燃料をより確実に安定的に燃焼する状態を達成できることが期待される。
上記の本発明の構成に於いて、予備燃焼場へ供給される燃料量は、既に述べた如く、熱機関の運転状態によらずに、火炎が確実に保持され、燃料が燃焼される状態とされる当量比となるように供給され、熱機関の負荷に応じて出力を変動させる燃料量の調節は、主燃焼場に供給される燃料量を増減することにより達成される。従って、主燃焼場へ供給される燃料の量は、熱機関の負荷に対応して増減されてよい。また、予備燃焼場へ供給される燃料量は、上記の如く、燃焼状態が維持される当量比にて供給されるところ、その際の空気量は、予備燃焼場に於ける空気の入口の圧力及び温度に依存する。従って、予備燃焼場へ供給される燃料の量は、予備燃焼場へ供給される空気の予備燃焼場の入口の圧力及び温度に基づいて決定されてよい。なお、燃焼器がガスタービンエンジンに適用される場合には、予備燃焼場へ供給される燃料の量は、エンジン回転数に基づいて決定されるようになっていてよい。
上記の本発明の燃焼器に於いては、予備燃焼場へ供給される燃料についても、予備燃焼場に於ける燃焼を安定させるためには、その供給直前の温度は高い方がよく、また、燃料は、気化させてから予備燃焼場へ放出されることがより好ましい(燃料を液体のまま投入した場合、気化潜熱により、温度低下が起き得る。)。この点に関し、本発明の構成では、予備燃焼場は、外側ライナと内側ライナとの間にてドーナツ形状に形成されているところ、内側ライナは、燃焼室内に延在するため、相当に高温となる(外側ライナは燃焼室に供給前の空気に接触されて冷却され、また、燃焼室の外側にあるので、放熱しやすい。)。そこで、本発明の燃焼器に於いては、内側ライナは、その内部に予備燃焼場へ供給される燃料の流通路を有するよう構成され、予備燃焼場へ供給される燃料が予備燃焼場からの熱により加熱されながら流通路を流通し、予備燃焼場へ放出されるようになっていてよい。かかる構成によれば、予備燃焼場へ供給される燃料を、予備燃焼場への投入前に昇温又は気化しておくことができ(気化潜熱による温度低下を回避できる。)、また、かかる燃料の昇温及び気化によって、内側ライナを冷却することが可能となり、内側ライナが過熱状態になることを抑制できることにもなる。
また、上記の本発明の燃焼器に於いては、主燃焼場への燃料と空気は、内側ライナの放射方向内方を通って供給されるところ、より安定的な燃焼を達成するためには、主燃焼場に供給されるまでに適当に混合されていることが好ましい。そこで、上記の本発明の構成に於いて、主燃焼場へ供給される燃料と空気は、内側ライナの放射方向内側に画定される前室へ放出され混合されながら、主燃焼場へ流出するようになっていてよい。また、かかる内側ライナの放射方向内側に画定される前室は、その主燃焼場へ連続する下流端の口径がその上流側よりも小さくなるよう形成され、前室から主燃焼場への出口が絞られるようになっていてよく、そうすると、前室内にて、よりよく燃料と空気とが混合し、また、内側ライナからの熱で、燃料の昇温又は気化が促進される効果も得られる。
更に、上記の構成に於いて、主燃焼場へ連続する予備燃焼場の下流端の開口面積がその上流側よりも狭くなり、予備燃焼場から主燃焼場への出口が絞られるようになっていてよい。この場合、予備燃焼場から主燃焼場へ流出する既燃ガスの流速が高くなり、主燃焼場に於ける燃料、空気及び既燃ガスの混合が促進され、より安定的な燃焼を達成することに寄与する。
また更に、上記の構成に於いて、外側ライナに於いて、前記主燃焼場へ空気を直接に流入させる空気孔が形成されていてよく、これにより、かかる空気孔からの空気の流入により、主燃焼場に於ける燃料、空気及び既燃ガスの混合が促進され、より安定的な燃焼を達成することに寄与する。
上記の本発明の燃焼器は、既に触れた如く、特に、潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い液体又は液化ガスを燃料として用いる場合に有利に用いられる。従って、主燃焼場へ供給される燃料が液体アンモニアを含む燃料であってよく、また、予備燃焼場へ供給される燃料も液体アンモニアを含む燃料であってよい。
かくして、上記の本発明によれば、ガスタービンエンジンやボイラなどの熱機関の燃焼器に於いては、主燃焼場の上流に常に安定燃焼可能な条件で運転可能な予備燃焼場を設け、主燃焼場に直接供給される燃料及び空気と、高温の既燃ガスを混合させることにより、主燃焼場の燃焼安定性の向上が図られる。従前では、可燃範囲が狭いアンモニア等の燃料を用いた場合に、直接に液化ガスを供給することで、燃焼場の温度が低下し、火炎保持するのも困難となり、熱機関の負荷変動に対応した全運転領域における安定燃焼が困難であったところ、本発明では、上記の如く、主燃焼場の上流に、熱機関の運転状態によらず、より確実に燃焼する当量比にて燃料が供給される領域である予備燃焼場を構成し、そこでの燃焼により、高温状態のガスを生成しておき、主燃焼場での温度低下の抑制と火炎保持を図り、これにより、熱機関の負荷変動に対応した広範な運転領域での安定燃焼が図られることとなる。本発明の構成は、地球温暖化防止と脱炭素化の観点から、水素エネルギーキャリアなどの可燃範囲が狭い燃料を選択する場合などに有利に用いられる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本実施形態による燃焼器の基本構成の横方向から見た模式的な断面図である。図1(B)は、本実施形態による燃焼器に於ける燃料の供給流量を決定する処理の一つの態様の構成をブロック図の形式にて表わした図である。図1(C)は、本実施形態による燃焼器に於ける燃料の供給流量を決定する処理の別の態様の構成をブロック図の形式にて表わした図である。 図2は、本実施形態による燃焼器であって、主燃焼場へ供給する燃料と空気を混合する前室が設けられている構成の横方向から見た模式的な断面図である。 図3は、本実施形態による燃焼器であって、予備燃焼場へ供給する燃料を内側ライナ内の流路に流通させてから予備燃焼場へ放出する構成の横方向から見た模式的な断面図である。 図4は、本実施形態による燃焼器であって、外側ライナに主燃焼場へ直接に空気を流通させる孔が設けられている構成の横方向から見た模式的な断面図である。 図5は、本実施形態による燃焼器であって、主燃焼場へ供給する燃料と空気を混合する前室から主燃焼場への出口が絞られている構成の横方向から見た模式的な断面図である。 図6は、本実施形態による燃焼器であって、予備燃焼場から主燃焼場への出口が絞られている構成の横方向から見た模式的な断面図である。
1…燃焼器
2…外側ライナ
2a…外側ライナ上流端
2b…外側ライナ下流端
2c…外側ライナ屈曲部(予備燃焼場出口絞り部)
3…内側ライナ
3a…内側ライナ上流端
3b…内側ライナ下流端
3c…内側ライナ下流端の絞り部
4…予備燃焼場空気供給口(空気が旋回できる構造)
5…予備燃焼場燃料供給路
5a…予備燃焼場燃料供給口
5b…予備燃焼場の内側ライナ内燃料供給路
6…主燃焼場空気供給口(空気が旋回できる構造)
7…主燃焼場燃料供給路
7a…主燃焼場燃料供給口
8…点火プラグ
10…ケーシング
11…空気孔
SB…予備燃焼場(サブバーナ)
MB…主燃焼場(メインバーナ)
Af…空気流通路
PR…前室
燃焼器の基本構成
本実施形態の燃焼器は、ガスタービンエンジンやボイラなどの、燃料と空気との燃焼により発生する熱エネルギーを得る熱機関の燃焼器として用いられる。燃料は、液化ガス燃料又はその他の液体燃料であってよい。図1(A)を参照して、本実施形態の燃焼器1の基本構成に於いては、上流端2aと下流端2bとを有する筒状の外側ライナ2を外壁として、燃焼室(SB、MB)が画定される。外側ライナ2は、この分野に於いて通常利用される耐熱性の金属等の材料にて形成されてよく、典型的には、略円筒状であるが、楕円筒状又は角筒状であってもよい。燃焼室に於いては、外側ライナ2の内側にて、それに概ね同芯状に、内側ライナ3が、外側ライナ2の上流端2a側から外側ライナ2よりも短い距離に延在し、外側ライナ2と内側ライナ3との間にドーナツ形状の予備燃焼場(サブバーナ)SBが画定され、内側ライナ3の下流端3bと外側ライナ2の下流端2bとの間にて外側ライナ2により主燃焼場(メインバーナ)MBが画定される。内側ライナ3も、この分野に於いて通常利用される耐熱性の金属等の材料にて形成されてよく、典型的には、略円筒状であるが、楕円筒状又は角筒状であってもよい。また、内側ライナ3の上流端3a側には、空気供給口4と燃料供給路5とが設けられ、それぞれ、空気と燃料とを予備燃焼場SBへ投入するよう構成される。一方、主燃焼場MBへは、内側ライナ3の放射方向内側の空間を通って、空気が空気供給口6から送入され、燃料が燃料供給路7を通って燃料供給口7aから投入される。空気供給口4、6は、それぞれ、空気が旋回できる構造に構成されていてよく、空気流がそこを通過する際に、空気流を旋回し、それぞれ、燃焼場に於いて空気が燃料とより良く混合できるようになっていてよい。空気が旋回できる構造は、流路に傾斜した羽根構造を設けるか、流通孔を傾斜して穿孔するなどにより達成される。なお、予備燃焼場SBに於いては、燃料の最初の発火を補助するべく、点火プラグ8が設けられる(点火プラグの作動は、通常、燃焼器の始動時のみであり、一旦、火炎が発生すると、点火プラグ8を作動しなくても、燃焼が継続されることとなる。)。図に於いて、外側ライナ2は、予備燃焼場SBの外側を画定する部分と主燃焼場MBを画定する部分とが、一体的に形成されているが、別体として形成されていてもよい。重要なことは、主燃焼場MBの上流側に予備燃焼場SBが画定されているということである。
そして、上記の構成で、予備燃焼場SBに供給される燃料に関して、その流量は、熱機関の作動中に亙って、熱機関の負荷又は運転状態によらず、火炎が保持されて安定的な燃焼状態が維持される当量比が達成されるように調節される。そうすると、予備燃焼場SBでは、熱機関の作動中に於いて実質的に常に火炎が保持され、燃焼が継続され、高温の既燃ガスが、予備燃焼場SBから主燃焼場MBへ流出することとなり、主燃焼場MBに於いては、予備燃焼場SBからの高温の既燃ガスが、主燃焼場MBへ直接に投入されてきた燃料と空気とに混合され、それらを昇温し、燃料が気化し易くなるとともに、燃料の安定的に燃焼する当量比の範囲が広がることが期待される。かかる構成によれば、熱機関の負荷変動に対応して燃料の供給量が変動しても、燃焼器に於いて、安定的な燃焼が維持されることとなるので、熱機関に於いて、より広範な運転領域に於ける運転が可能となり、特に、液体アンモニアのような潜熱が大きく、当量比の可燃範囲の狭い液体又は液化ガスであっても、燃焼器の燃料として、より広範な運転領域で利用できることとなる。
上記の構成に於いて理解されるべきことは、予備燃焼場SBは、ドーナツ形状の外壁を外側ライナ2により、内壁を内側ライナ3により、それぞれ、画定され、その上流端3aと下流端3bとの間が開放されていないので、その空間内に於いて火炎が保持されて安定的な燃焼状態が維持されるように当量比を調節することが容易となっているということである。即ち、ドーナツ形状の予備燃焼場SBが、その放射方向内方の空間領域から内側ライナ3により仕切られて画定されているので、予備燃焼場SBへ送入される空気流量に対して上記の当量比を達成するように燃料流量を調節することが容易となっている。また、主燃焼場へ高温の既燃ガスを与える予備燃焼場SBがドーナツ形状であり、そのドーナツ形状の中央領域(予備燃焼場SBではない領域)を通って主燃焼場MBへ、そこで、燃焼されるべき燃料と空気が投入される構成によれば、予備燃焼場SBからの高温の既燃ガスが主燃焼場MBの燃料と空気の投入された領域を囲繞するように与えられるので、そこに於いて、燃料と空気と既燃ガスがよりよく混合され、また、燃料と空気とが昇温され、より安定的な燃焼状態を達成できることが期待される。更に、主燃焼場へ燃料と空気が投入する際に、主燃焼場に於いて、より均等に燃焼が拡がるようにするためには、主燃焼場の中心軸線の近傍に燃料と空気が投入されることが好ましいところ、ドーナツ形状の中央領域を通して、主燃焼場へ燃料と空気が投入される構成の場合、主燃焼場の略中心軸線上から燃料と空気と供給することが簡単な構造で達成できるという点でも有利である(もし予備燃焼場SBがドーナツ形状ではなく、その中央領域を通して主燃焼場への燃料と空気が投入できない場合には、燃料と空気とは、主燃焼場の周囲から均等に投入されることとなるところ、かかる構成は、構造が複雑となり、製造費用が増大する可能性がある。)。
燃料流量の制御
上記の如く、本実施形態の燃焼器に於いては、予備燃焼場SBは、主燃焼場MBとは独立した燃料供給系を有するので、熱機関の運転条件に依存せずに、燃料の安定燃焼条件にて燃焼が可能である。即ち、予備燃焼場SBに供給する燃料流量は、火炎が保持されて安定的な燃焼状態を維持する当量比となるように、予備燃焼場SBへ流入する空気量に対して決定されるべきところ、かかる空気量は、予備燃焼場SBの入口の空気の圧力と温度とにより定まるので、結局、予備燃焼場SBへの燃料流量は、かかる空気の圧力と温度に基づいて決定されてよい。一方、燃焼器全体で供給される燃料流量は、熱機関の運転条件によって決定されるところ、予備燃焼場SBへの燃料流量分は、熱機関の運転条件によらずに決定されるので、主燃焼場MBへの燃料流量は、燃焼器全体で供給される燃料流量から予備燃焼場SBへの燃料流量分を差し引いて得られる流量となる。
かくして、予備燃焼場SBと主燃焼場MBとへのそれぞれの燃料流量の制御に於いては、一つの態様として、具体的には、図1(B)にブロック図の形式にて描かれている如く、予備燃焼場SBへの燃料流量Gpは、燃焼室(予備燃焼場SB)入口の空気の圧力P35と温度T35とに基づいて任意の手法にて決定されてよい。例えば、実施の態様に於いては、予め、実験等により、空気の温度T35と圧力P35を変数として、上記の最適な当量比を与える予備燃焼場燃料流量Gを決定するマップを準備しておき、熱機関の作動に於いては、逐次的に計測された温度T35と圧力P35を用いて、予備燃焼場燃料流量Gpがマップ演算により与えられるようになっていてよい。主燃焼場MBへの燃料流量Gについては、まず、燃料総流量Gtが、熱機関の出力(回転数、トルク)が要求される目標出力となるように決定される。この点に関し、燃焼器出口(タービン入口)の温度が過剰に高温とならないように、供給される燃料の総量が制限されるようになっていてよい。従って、燃料の総量Gtは、具体的には、熱機関の出力と、目標出力と、燃焼器出口(タービン入口)の温度とを監視して、出力が目標値となり且つ燃焼器出口(タービン入口)の温度が過剰とならないように決定されてよい。上記の燃焼器出口(タービン入口)の温度は、実際には、燃焼室の入口に於ける空気の熱量に対して燃料の発熱量を加えることにより決まるので、空気の燃焼室の入口にて計測される温度T35と圧力P35とから燃焼室内に流入されることとなる燃料の発熱量を考慮して推定可能である。そこで、燃焼器出口(タービン入口)の温度を直接に計測するのではなく、図示の如く、空気の燃焼室の入口の温度T35と圧力P35に基づいて、供給される燃料の総量が制限されるようになっていてもよい。なお、燃料の総量Gtは、回転数と出力を維持するために、フィードバック制御されてよい。
ところで、予備燃焼場燃料流量Gpは、熱機関の運転状態(回転数等)を参照せずに、流入空気の温度と圧力とに基づいて決定され、熱機関の負荷を変動するために調節される燃料流量分は、主燃焼場燃料流量Gとなる。従って、主燃焼場燃料流量Gは、実質的には、熱機関の運転状態のフィードバック制御により、調節されてよい。かくして、図1(C)に描かれている如く、主燃焼場燃料流量Gは、タービン回転数やトルクなどの熱機関の出力を参照して、目標出力が達成されるように調節されるようになっていてよい。なお、ガスタービンエンジンの場合、予備燃焼場燃料流量Gpは、予備燃焼場の燃焼状態が維持されれば、エンジン回転数等に基づいて決定されるようになっていてもよい。
主燃焼場への燃料と空気を混合する前室を設けた構成
既に述べた如く、主燃焼場MBへの燃料と空気は、予備燃焼場SBのドーナツ形状の内側ライナ3の放射方向内側の領域を通って供給されるところ、かかる燃料と空気が主燃焼場MBへ投入される際に混合されていた方が、より安定的な燃焼状態が得られる。そこで、図2の如く、主燃焼場MBへの燃料と空気は、内側ライナ3の放射方向内側の領域である前室PRにて投入され、そこで、混合されてから、主燃焼場MBへ流出するようになっていてよい。実施の態様に於いて、具体的には、内側ライナ3の上流端3aに於いて、圧縮機などからケーシング10と外側ライナ2との間にて画定される空気流通路Afを経て流通してきた空気を供給する空気供給口6と、主燃焼場燃料供給路7の開口(主燃焼場燃料供給口)7aとが、内側ライナ3の上流端3a側に設けられ、前室PRに、燃料と空気とが放出され、そこに於いて、混合されるようになっていてよい。なお、前室PRが内側ライナ3により画定されており、内側ライナ3は予備燃焼場SBの熱を受けているので、燃料と空気とは混合される段階で内側ライナ3により或る程度にて加熱され、これにより、主燃焼場MBに放出されたときに、更に燃焼状態が安定化されることが期待される。
予備燃焼場SBへ供給される燃料を加熱する構成
燃料が液体アンモニアの如く潜熱が大きい液体燃料である場合、燃料が燃焼する前に気化するために熱が奪われるため、液体のまま、特に、低温液体のまま、燃焼場へ投入されると、燃焼場の温度が低下することとなる。そこで、上記の構成に於いて、予備燃焼場SBへの燃料について、燃料を投入前に加熱し、好ましくは、気化してから、或いは、容易に気化する状態にしてから、予備燃焼場SBへ投入するようになっていてよい。具体的には、図3に模式的に描かれている如く、内側ライナ3の内部に、予備燃焼場SBへの燃料の供給路5bを穿ち、燃料は、内側ライナ3内を流通してから、予備燃焼場SBへ放出されるようになっていてよい。かかる構成によれば、燃料は、予備燃焼場SBへの放出前に、予備燃焼場SBの燃焼熱を内側ライナ3から受けて気化され、放出後の温度低下を抑制することが可能となる。また、内側ライナ3内で燃料が気化潜熱を奪うことで、内側ライナ3が冷却され、内側ライナ3が過熱状態となることの回避もできることとなり、有利である。
外側ライナに主燃焼場へ連通した空気孔を設けた構成
図4を参照して、図示の如く、空気流通路Afを画定する外側ライナ2に於いて、主燃焼場MBへ通ずる空気孔11が設けられてよい。かかる構成によれば、空気孔11から主燃焼場MBへ流入する空気によって、主燃焼場MB内の燃料と空気並びに既燃ガスの混合が促進され、燃焼効率が向上することが期待される。
前室の出口を絞った構成
図5を参照して、図示の如く、内側ライナ3の放射方向内側の領域である前室PRから主燃焼場MBへの出口径Dpがその上流側の前室PRの内径よりも小さくなるように、内側ライナ3の下流端3bに於いて、放射方向内側に突出した隆起部3cが設けられてよい。かかる構成によれば、主燃焼場MBに供給される空気と燃料の混合が促進され、特に、液体燃料の場合には、蒸発も促進する効果があるので、主燃焼場MBでの燃焼効率が向上することが期待される。
予備燃焼場の出口を絞った構成
図6を参照して、図示の如く、予備燃焼場SBから主燃焼場MBへの出口面積Dsが予備燃焼場SB内の断面積よりも小さくなるように、予備燃焼場SBの出口近傍にて、外側ライナ2の内径2cが小さくなるように、外側ライナ2が変形されてよい。かかる構成によれば、予備燃焼場SBの出口に於ける既燃ガスの流速が増し、主燃焼場MBに供給される空気と燃料の混合が促進され、燃焼効率が向上することが期待される。
かくして、上記の本実施形態に於いては、熱機関の燃焼器に於ける燃料場として、流体の流れの上流側に、ドーナツ形状に形成された予備燃焼場と、下流側に主燃焼場とを構成し、予備燃焼場では、熱機関の運転条件によらず、安定的に燃焼状態を維持し、そこで得られた高温の既燃ガスを主燃焼場へ投入することで、運転条件によって変動するより広い範囲の当量比に於いても燃焼状態の安定化が図られることとなる。既に述べた如く、本実施形態では、外側ライナと内側ライナとの間に予備燃焼場が画定されることで、より容易に安定的に燃焼状態を維持できるように当量比の調節が可能となっており、また、予備燃焼場が主燃焼場の上流側でドーナツ形状となっていることから、高温の既燃ガスによる主燃焼場の昇温が均等に達成され、主燃焼場への燃料と空気の投入のための構造も簡単化される。本実施形態では、予備燃焼場で、安定的な燃焼しやすい条件で、燃料を確実に燃焼させ、その状態を主燃焼場に伝達し、安定な燃焼状態を達成するようになっているので、既に触れた如く、水素エネルギーキャリアとして、想定されているアンモニア(NH)などの、燃え難い燃料も安定的に燃焼させることが可能となる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (11)

  1. 液化ガス燃料又は液体燃料の燃焼によりエネルギーを得る熱機関の燃焼器であって、
    筒状の外側ライナにして、上流端側と下流端側とを有し、前記上流端側から燃料と空気とが供給されて前記燃料が燃焼され、前記下流端側へ燃焼ガスが流出する燃焼室を画定する外側ライナと、
    前記外側ライナの内側にて前記上流端側から該外側ライナと同芯状に該外側ライナよりも短い長さにて延在する筒状の内側ライナと
    を有し、
    前記燃焼室に於いて、前記外側ライナと前記内側ライナとの間にてドーナツ形状の予備燃焼場が画定され、前記内側ライナの前記下流端側に近い端側と前記外側ライナの前記下流端側との間に主燃焼場が画定され、
    前記予備燃焼場に於いて前記熱機関の作動中に亙って火炎が保持されて燃焼状態が維持される当量比にて前記燃料が供給されて燃焼され、これによる既燃ガスが前記主燃焼場へ流出し
    前記主燃焼場に対して前記内側ライナの放射方向内側を通って前記燃料と前記空気とが供給され、前記主燃焼場に於いて前記予備燃焼場からの前記既燃ガスと混合されて燃焼されるよう構成された燃焼器。
  2. 請求項1による燃焼器であって、前記熱機関の負荷に対応して前記主燃焼場へ供給される前記燃料の量が増減する燃焼器。
  3. 請求項1又は2による燃焼器であって、前記予備燃焼場へ供給される前記燃料の量が前記予備燃焼場へ供給される前記空気の該予備燃焼場の入口の圧力及び温度に基づいて決定される燃焼器。
  4. 請求項1又は2による燃焼器であって、ガスタービンエンジンに適用される場合に、前記予備燃焼場へ供給される前記燃料の量が前記ガスタービンエンジンのエンジン回転数に基づいて決定される燃焼器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかによる燃焼器であって、前記内側ライナがその内部に前記予備燃焼場へ供給される前記燃料の流通路を有し、前記予備燃焼場へ供給される前記燃料が前記予備燃焼場からの熱により加熱されながら前記流通路を流通し、前記予備燃焼場へ放出されるよう構成された燃焼器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかによる燃焼器であって、前記主燃焼場へ供給される前記燃料と前記空気が前記内側ライナの放射方向内側に画定される前室へ放出され混合されながら前記主燃焼場へ流出するよう構成された燃焼器。
  7. 請求項6による燃焼器であって、前記内側ライナの放射方向内側に画定される前記前室が、その前記主燃焼場へ連続する下流端の口径がその上流側よりも小さくなるよう形成されている燃焼器。
  8. 請求項1乃至7のいずれかによる燃焼器であって、前記主燃焼場へ連続する前記予備燃焼場の下流端の開口面積がその上流側よりも狭くなっている燃焼器。
  9. 請求項1乃至8のいずれかによる燃焼器であって、前記外側ライナに於いて、前記主燃焼場へ空気を直接に流入させる空気孔が形成されている燃焼器。
  10. 請求項1乃至9のいずれかによる燃焼器であって、前記主燃焼場へ供給される前記燃料が液体アンモニアを含む燃焼器。
  11. 請求項1乃至10のいずれかによる燃焼器であって、前記予備燃焼場へ供給される前記燃料が液体アンモニアを含む燃焼器。
JP2021048623A 2021-03-23 2021-03-23 燃焼器 Active JP7307441B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021048623A JP7307441B2 (ja) 2021-03-23 2021-03-23 燃焼器
US17/655,764 US20220307692A1 (en) 2021-03-23 2022-03-21 Combustor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021048623A JP7307441B2 (ja) 2021-03-23 2021-03-23 燃焼器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022147400A true JP2022147400A (ja) 2022-10-06
JP7307441B2 JP7307441B2 (ja) 2023-07-12

Family

ID=83363212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021048623A Active JP7307441B2 (ja) 2021-03-23 2021-03-23 燃焼器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20220307692A1 (ja)
JP (1) JP7307441B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60218535A (ja) * 1984-04-13 1985-11-01 Hitachi Ltd ガスタ−ビン燃焼器
JPH03249337A (ja) * 1990-02-28 1991-11-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc ガスタービン機関の燃料供給方法および装置
JPH08159474A (ja) * 1994-12-07 1996-06-21 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 低NOx燃焼器
WO2013080894A1 (ja) * 2011-11-28 2013-06-06 三菱重工業株式会社 弁制御装置、ガスタービン、及び弁制御方法
JP2019015179A (ja) * 2017-07-03 2019-01-31 株式会社東芝 燃焼装置およびガスタービン

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4173118A (en) * 1974-08-27 1979-11-06 Mitsubishi Jukogyo Kabushiki Kaisha Fuel combustion apparatus employing staged combustion
US4292801A (en) * 1979-07-11 1981-10-06 General Electric Company Dual stage-dual mode low nox combustor
US5193346A (en) * 1986-11-25 1993-03-16 General Electric Company Premixed secondary fuel nozzle with integral swirler
JP2544470B2 (ja) * 1989-02-03 1996-10-16 株式会社日立製作所 ガスタ―ビン燃焼器及びその運転方法
US5127221A (en) * 1990-05-03 1992-07-07 General Electric Company Transpiration cooled throat section for low nox combustor and related process
US5129222A (en) * 1990-06-21 1992-07-14 Sundstrand Corporation Constant air/fuel ratio control system for EPU/IPU combustor
JP4508474B2 (ja) * 2001-06-07 2010-07-21 三菱重工業株式会社 燃焼器
US20100251719A1 (en) * 2006-12-29 2010-10-07 Alfred Albert Mancini Centerbody for mixer assembly of a gas turbine engine combustor
EP2378096B1 (en) 2009-01-14 2017-08-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Engine
US20100192582A1 (en) * 2009-02-04 2010-08-05 Robert Bland Combustor nozzle
US8959921B2 (en) 2010-07-13 2015-02-24 General Electric Company Flame tolerant secondary fuel nozzle
US20120088201A1 (en) * 2010-10-06 2012-04-12 General Electric Company Apparatus and method for modifying a combustor nozzle

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60218535A (ja) * 1984-04-13 1985-11-01 Hitachi Ltd ガスタ−ビン燃焼器
JPH03249337A (ja) * 1990-02-28 1991-11-07 Toyota Central Res & Dev Lab Inc ガスタービン機関の燃料供給方法および装置
JPH08159474A (ja) * 1994-12-07 1996-06-21 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 低NOx燃焼器
WO2013080894A1 (ja) * 2011-11-28 2013-06-06 三菱重工業株式会社 弁制御装置、ガスタービン、及び弁制御方法
JP2019015179A (ja) * 2017-07-03 2019-01-31 株式会社東芝 燃焼装置およびガスタービン

Also Published As

Publication number Publication date
US20220307692A1 (en) 2022-09-29
JP7307441B2 (ja) 2023-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5759651B1 (ja) マルチ燃料対応のガスタービン燃焼器
JP4134311B2 (ja) ガスタービン燃焼器
RU2455569C1 (ru) Горелка
JP5775319B2 (ja) 軸方向多段予混合燃焼室
RU2460944C2 (ru) Огнеупорные амбразуры в горелке
RU2468298C2 (ru) Постадийное сжигание топлива в горелке
JP2009052877A (ja) 半径方向の多段流路を備えたガスタービン予混合器及びガスタービンにおける空気とガスの混合方法
JPH02309124A (ja) 燃焼器及びその運転方法
JP2011002221A (ja) 予混合ノズルにおける合成ガス/天然ガス乾式低NOxのための複数燃料回路
JPH06235519A (ja) ガスタービン用燃焼器
RU2455570C1 (ru) Способ увеличения размера горелки и изменяемая по размеру огнеупорная амбразура в горелке
RU2406936C2 (ru) Горелка для камеры сгорания газовой турбины (варианты)
RU2325588C2 (ru) Устройство для регулирования низкоэмиссионной камеры сгорания газовой турбины
US6718773B2 (en) Method for igniting a thermal turbomachine
JP7307441B2 (ja) 燃焼器
JP3873119B2 (ja) 円筒内旋回燃焼器
JPH09152105A (ja) ガスタービン用低NOxバーナ
JP2000074371A (ja) バーナ装置
JP2003279043A (ja) ガスタービン用低NOx燃焼器
JP5993046B2 (ja) マルチ燃料対応のガスタービン燃焼器
JP2002257345A (ja) ガスタービン用予混合燃焼器とその燃料供給制御装置および方法
US8128398B2 (en) Burner and pilot burner
JP7410642B2 (ja) 特殊バーナ
KR101041466B1 (ko) 다수 연료혼합장치가 구비된 가스터빈 저공해 연소기
Ohkubo Low-NOx combustion technology

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221110

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7307441

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151