JP2022146855A - 処置具及び内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な処置具を提供する。【解決手段】内視鏡と共に使用される処置具7は、先端把持部11 を有する。先端把持部11は、先端把持部11の長手軸に沿って進退可能な先端可動部材15と、先端可動部材15の傾斜部15aよりも、長手軸において先端側に設けられた曲げ部14aを有する先端固定部材14と、を有する。先端固定部材14の曲げ部14aと先端可動部材15の傾斜部15aが、把持部を構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、処置具及び内視鏡装置に関する。
検査対象内の物を回収するための処置具、例えば、把持鉗子、スネア、グラスパー、フックなどがある。内視鏡用の処置具の例は、日本国特開2004-261372号公報、日本国特開2004-337422号公報及び日本国特開2015-49440号公報等に開示されている。
多くの処置具の場合、把持すべき物を把持する把持部の先端位置は、物を把持していない開放時と物を把持している把持時で、変わる。例えば、把持部は、開いた状態から引っ張られながら閉じるようにして物を把持するため、把持部の先端位置は、物を把持していない開放時と把持時で、変わる。そのため、物に対する把持部の位置決めは、容易ではない。
このような把持部を有する処置具は、医療分野では、被検体内の胃壁などは柔らかいため、処置具の先端部を胃壁などに押し当てることで病変部などの回収物に対する把持部の位置決めをすることができる。
日本国特開2004-261372号公報 日本国特開2004-337422号公報 日本国特開2015-49440号公報
しかし、工業分野では、被検体内の床面などは硬い場合が多い。そのため、処置具の把持部を床面などに押し当てたときに、回収すべき物が硬く、把持部がネジ、金属片などの異物に当たるとその異物が弾かれてしまうなどして、異物の回収が容易ではない。
そこで、本発明は、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な処置具及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の処置具は、内視鏡と共に使用される処置具であって、先端把持部を有し、前記先端把持部は、前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能な可動部材と、前記可動部材の第1の先端部よりも、前記長手軸において先端側に設けられた第2の先端部を有する固定部材と、を有し、前記固定部材の前記第2の先端部と前記可動部材の前記第1の先端部が、把持部を構成する。
本発明の一態様の処置具は、内視鏡と共に使用される処置具であって、先端把持部を有し、前記先端把持部は、前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能で、前記長手軸に沿って形成された孔を有する可動部材と、前記孔に挿通された、板状の固定部材と、を有し、前記固定部材は、先端部分が前記長手軸に沿ってカットされて形成された板状の2つのアーム部と、前記2つのアーム部の先端側に設けられ、互いに反対方向に曲がった2つの曲げ部とを有する。
本発明の一態様の処置具は、内視鏡と共に使用される処置具であって、先端把持部を有し、前記先端把持部は、前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能で、先端に拡径部を有する可動部材と、前記可動部材を挟むように配置された2つのアーム部材と、を有し、前記2つのアーム部材は、前記2つのアーム部材の先端部に設けられた2つの曲げ部と、前記2つのアーム部材に対向するように設けられた2つの突起とを有し、前記2つのアーム部材は、前記拡径部が前記2つの突起に対して先端側にあるときには、前記2つのアーム部材は閉じ、前記拡径部が前記2つの突起の間にあるときには、前記2つのアーム部材は開くように、構成されている。
本発明の一態様の内視鏡は、本発明の一態様の処置具と、内視鏡とを有する。
本発明によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な処置具及び内視鏡装置を提供することができる。
第1実施形態の内視鏡システムの構成図である。 第1実施形態の処置具の斜視図である。 第1実施形態の先端把持部の分解組み立て図である。 第1実施形態の操作部の斜視図である。 第1実施形態の摘まみ部材の斜視図である。 第1実施形態の操作本体部材の先端部分の斜視図である。 第1実施形態の操作部の先端部分の断面図である。 第1実施形態のハンドル近傍の操作部の断面図である。 第1実施形態の係止軸部材の斜視図である。 第1実施形態に関わる、先端固定部材と先端可動部材により、異物を把持するときの動きを示す図である。 第1実施形態の変形例1に係わる処置具の斜視図である。 第1実施形態の変形例1に係わる、操作部に対する指の掛け方の例を示す図である。 第1実施形態の変形例2に係わる処置具の操作部の斜視図である。 第1実施形態の変形例3に係わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第1実施形態の変形例3に係わる、長手軸に沿った先端把持部の斜視図である。 第1実施形態の変形例4に係わる先端把持部の斜視図である。 第1実施形態の変形例4に係わる、吸引パイプの先端部が接続パイプにより、先端固定部材の基端部に接続されている先端把持部の斜視図である。 第1実施形態の変形例4に係わる、吸引パイプが先端口金に設けられた孔の中に引っ込んだ状態を示している。 第1実施形態の変形例5に係わる先端把持部の斜視図である。 第1実施形態の変形例5に係わる先端把持部の斜視図である。 第2実施形態の先端把持部の分解組み立て図である。 図21におけるXXII-XXII線に沿った先端把持部の断面図である。 第2実施形態の、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第2実施形態に関わる、異物が比較的大きい場合の処置具の把持状態を示す図である。 第2実施形態に関わる、異物が小さい場合の処置具の把持状態を示す図である。 第3実施形態の処置具の使用態様を示す斜視図である。 第3実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第3実施形態に関わる、長手軸に沿った処置具の先端把持部の断面図である。 第4実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第4実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第5実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第5実施形態の先端口金の斜視図である。 第5実施形態の操作部の斜視図である。 図33のXXXIV-XXXIV線に沿った操作部の断面図である。 図33のXXXV-XXXV線に沿った操作部の断面図である。 第5実施形態に関わる、処置具による異物の回収方法を説明するための斜視図である。 第5実施形態に関わる、処置具による異物の回収方法を説明するための斜視図である。 第5実施形態に関わる、処置具による異物の回収方法を説明するための斜視図である。 図39は、処置具による異物の回収方法を説明するための先端固定部材と先端可動部材の模式的断面図である。 第6実施形態の先端把持部の斜視図である。 第6実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第6実施形態の先端把持部の分解組み立て図である。 第6実施形態に関わる、曲げ部と傾斜部をそれぞれ4つ有している先端把持部の分解組み立て図である。 第7実施形態の先端把持部の斜視図である。 第7実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第7実施形態の操作部の斜視図である。 第7実施形態の変形例に関わる先端把持部の斜視図である。 第8実施形態の先端把持部の斜視図である。 第8実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第8実施形態に関わる、小さな金属片などの異物が前面壁部の隙間に把持可能な状態を説明するための模式図である。 第8実施形態の変形例に関わる先端把持部の斜視図である。 第8実施形態の変形例に関わる先端把持部の斜視図である。 第8実施形態の変形例に関わる、先端把持部の先端固定部材の断面図である。 第8実施形態の変形例の先端可動部材の斜視図である。 第8実施形態の変形例に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第9実施形態の先端把持部の斜視図である。 第9実施形態の先端固定部材の先端部分の基端側上部の拡大斜視図である。 第9実施形態の先端把持部の斜視図である。 第9実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第10実施形態に関わる、先端把持部の分解組み立て図である。 第10実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第10実施形態の変形例に関わる先端把持部の斜視図である。 第10実施形態の変形例に関わる長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第11実施形態の先端把持部の斜視図である。 第11実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第11実施形態に関わる、一対の把持部材がバネ応力により近づいた状態を示す、先端把持部の長手軸に沿った断面図である。 第11実施形態に関わる、床面上の異物を収容する状態を示す、先端把持部の斜視図である。 第11実施形態の変形例に関わる先端把持部の斜視図である。 第11実施形態の変形例に関わる先端可動部材が軸回りに90度回動した状態を示す、先端把持部の先端部分の斜視図である。 第11実施形態の変形例に関わる、操作部における先端可動部材の回動操作部の斜視図である。 第11実施形態の変形例に関わる、先端側操作部材と基端側操作部材の接続を説明するための図である。 第12実施形態の処置具の斜視図である。 第12実施形態の先端口金の斜視図である。 第12実施形態に関わる、先端固定部材と先端可動部材の先端口金に対する位置を示す斜視図である。 第12実施形態の処置具による異物の回収方法を説明するための図である。 第12実施形態の処置具による異物の回収方法を説明するための図である。 第12実施形態の処置具による異物の回収方法を説明するための図である。 第12実施形態に関わる、異物の把持の過程を説明するための先端把持部の長手方向における断面図である。 第12実施形態に関わる、異物の把持の過程を説明するための先端把持部の長手方向における断面図である。 第12実施形態に関わる、異物の把持の過程を説明するための先端把持部の長手方向における断面図である。 第13実施形態の処置具の操作部の斜視図である。 第13実施形態の操作部の分解組み立て図である。 第13実施形態に関わる、長手軸に沿った操作部の部分断面図である。 第13実施形態に関わる、長手軸に沿った操作部の部分断面図である。 第13実施形態に関わる、円板ハンドルに形成された2つのカム溝の形状を説明するための図である。 第14実施形態の先端把持部の斜視図である。 第14実施形態に関わる、異物を把持したときの先端把持部の斜視図である。 第15実施形態の処置具の斜視図である。 第15実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第15実施形態に関わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第16実施形態の先端把持部の斜視図である。 第16実施形態の、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第16実施形態の、異物が2つの切り欠きに入り込んでいる状態を示す、先端把持部の断面図である。 第17実施形態の先端把持部の斜視図である。 第17実施形態の、異物を把持した状態を示す、先端把持部の斜視図である。 第18実施形態の処置具の斜視図である。 第18実施形態の、固定部の変形した状態の一例を示す図である。 第19実施形態の先端把持部の斜視図である。 第19実施形態の、可動板を基端方向に引き込んだ状態における、先端把持部の斜視図である。 第20実施形態の処置具の斜視図である。 第20実施形態の変形例に係わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。 第21実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第22実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第22実施形態の、キャップの斜視図である。 第22実施形態の、固定部の斜視図である。 第22実施形態の、拡径部が開いた状態を示す先端把持部の斜視図である。 第23実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第23実施形態の、異物を把持した状態を示す先端把持部の斜視図である。 第23実施形態の、支持体が固定部内に収容された状態を示す先端把持部の斜視図である。 第23実施形態の変形例に係わる、板バネを利用した鉗子を有する先端把持部の斜視図である。 第24実施形態の処置具の先端把持部の斜視図である。 第24実施形態の、異物を把持した状態で固定部内に異物を収容した状態を示す先端把持部の斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の内視鏡システムの構成図である。内視鏡システム1は、内視鏡2と本体装置3とを含む。内視鏡2は、細長の挿入部4と、操作部5と、接続ケーブル6とを有する。接続ケーブル6は、内視鏡2を本体装置3と電気的に接続する。
挿入部4は、先端側から先端硬質部、湾曲部及び可撓管部を有する。挿入部4は、配管、エンジンなどの検査対象内に挿入可能に構成されている。
挿入部4は、先端硬質部に観察窓と照明窓を有する。照明窓から照明光が出射される。観察窓は、照明光により照明された物体からの反射光を受ける。反射光は、先端部内の対物光学系に入射して、撮像素子(図示せず)の撮像面に物体像を形成する。撮像素子は、本体装置3からの駆動信号により駆動され、撮像信号を本体装置3へ出力する。
操作部5には、図示しないが、挿入部4の湾曲部の湾曲操作のための湾曲操作部材と、撮像タイミングを指示するレリーズボタンなどが設けられている。
本体装置3は、モニタ(図示せず)を有し、撮像素子により撮像して得られた内視鏡画像を表示する。検査者は、内視鏡画像を見て、検査対象内を検査することができる。
検査者は、内視鏡検査において、検査者が内視鏡画像を見ながら、処置具を用いて、検査対象内の異物などを把持して回収することができる。
なお、内視鏡に設けられたチャンネルに処置具を挿通して使用するようにしてもよい。図1において、たとえば、内視鏡2は、細長の処置具を挿通可能なチャンネル4aを有している。処置具7は、操作部5の一部に設けられた開口5aから挿入され、挿入部4の先端面に設けられた開口4bから突没可能である。検査者は、内視鏡2を用いた内視鏡検査時に、チャンネル4aに処置具7(二点鎖線で示す)を挿通して処置具7を用いることができる。よって、内視鏡2と処置具7により、内視鏡装置が構成される。
次に、処置具の構成について説明する。なお、以下に説明する各部材は、特に言及しない限り、ステンレスなどの金属製あるいは樹脂製である。
図2は、処置具7の斜視図である。処置具7は、内視鏡2と共に使用される。処置具7は、異物を把持するための先端把持部11、把持部を操作する操作部12、先端把持部11と操作部12を連結する挿入部13とを有する。
先端把持部11は、先端固定部材14と先端可動部材15からなる。先端固定部材14は、板状部材であり、先端部分に曲げ部14aを有する。曲げ部14aは、先端固定部材14の先端側に、先端固定部材14の長手軸に対して90度以上曲がった部分である。図2では、曲げ部14aは、先端固定部材14の長手軸に対して90度曲がって設けられている。曲げ部14aの先端部分14a1は、円弧状に切り欠いた形状を有しているが、図において点線で示すように、先端固定部材14の長手軸に直交する方向に平行な直線状の形状を有していてもよい。
先端可動部材15は、板状部材であり、先端側が斜めに傾斜した傾斜部15aを有する。傾斜部15aは、先端可動部材15の先端側に、先端可動部材15の長手軸に対して、90度未満の角度θだけ傾斜して設けられている。先端可動部材15が先端方向に移動したとき、傾斜部15aの先端部分が、曲げ部14aの先端部分14a1に当接又は近接するように、先端可動部材15は、先端固定部材14に対して配設される。すなわち、先端固定部材14は、先端可動部材15の先端部(傾斜部15a)よりも、長手軸において先端側に設けられた先端部(曲げ部14a)を有する固定部材を構成する。先端固定部材14の先端部(曲げ部14a)と先端可動部材15の先端部(傾斜部15a)が、異物を把持する把持部を構成する。把持部は、傾斜部15aが先端方向に移動することにより、曲げ部14aと傾斜部15aにより異物を挟持するようにして把持する把持機構である。
また、先端固定部材14と先端可動部材15の長手軸に直交する平面に沿った先端固定部材14と先端可動部材15の両者の断面の厚さ及び幅は、略同一である。ただし、異物回収を行うときに、先端固定部材14と先端可動部材15を着脱可能にして、必要に応じて先端固定部材14と先端可動部材15の各板材の厚み又は幅の少なくとも一方を変えられるようにしても良い。例えば、先端固定部材14の幅を広くすることで、把持するための異物を先端可動部材15に対して比較的正確な位置決めすることができる。さらに、例えば、先端固定部材14の板厚を厚くして、異物を把持するときに先端可動部材15の押し当てる力に対して変形を少なくすることで、しっかりと固定できる。先端可動部材15を若干変形させる(しなり形状にする)ことで、先端固定部材14と先端可動部材15の隙間を少なくすることが可能になり、しっかりと異物を固定可能となる。しなり形状は、先端固定部材14の長手方向部分と並行になっている先端可動部材15の長手方向の部分が、先端固定部材14に近づくように円弧状にまがり、並行である2つの長手方向に延びる部材が互いに近づくことになる。この隙間の部分に異物を挟むことも可能になる。
挿入部13は、可撓性を有するコイルシース16を有している。コイルシース16は、ここでは密着コイルである。コイルシース16の先端には、筒状の先端口金16aが設けられている。先端口金16aは、コイルシース16の先端に接続され、接着剤などによりコイルシース16に固定されている。また、基端口金16b(図4)が、コイルシース16の基端部に接着剤で固定されている。
図3は、先端把持部11の分解組み立て図である。先端口金16aには、外周部に長手軸に沿って外周溝16a1が形成されている。外周溝16a1は、先端固定部材14の基端部分の幅を有し、先端固定部材14が嵌まる形状を有している。先端固定部材14は、基端側部分に2つのネジ孔14bを有している。先端固定部材14は、2つのネジ14cが2つのネジ孔14bを通して、外周溝16a1に形成された2つの孔16a2にねじ込まれることによって、先端口金16aに固定される。先端口金16aは、ネジ16a3が螺合するネジ孔16a4を有する。
なお、先端固定部材14は、溶接あるいは接着剤により、先端口金16aに固定してもよい。
先端内側口金31が、先端口金16aの内側に配置される。先端内側口金31は、円柱形状を有し、先端内側口金31の長手軸に沿って形成された孔31aを有している。孔31aは、先端可動部材15が挿入可能な大きさを有する。さらに、孔31aは、先端可動部材15が先端可動部材15の長手軸に沿って摺動可能すなわち進退可能な形状を有する。
先端内側口金31は、側面にネジ孔31bを有する。先端内側口金31は、ネジ孔16a4を通ったネジ16a3がネジ孔31bに螺合することによって、先端口金16aの内側において先端口金16aに固定される。
先端可動部材15の基端部分は、孔31aから基端側へ延出している。先端可動部材15の基端部分は、連結部材32の先端側溝32aに嵌合し、接着剤などによって連結部材32に固定される。連結部材32の基端部には、ワイヤー33の先端部分が接着剤などによって固定されている。以上のように、よって、先端可動部材15は、先端把持部11の長手軸に沿って進退可能な可動部材を構成する。
図2に示すように、パイプ部材41が、ワイヤー33の基端部分の近傍部分に外挿されている。パイプ部材41は、コイルシース16の基端部に内挿される、基端パイプ42(図4)が、ワイヤー33の基端に外挿されて固定されている。
図4は、操作部12の斜視図である。操作部12は、操作本体部材17と、摘まみ部材18と、ハンドル19を有する。ハンドル19は、指掛け用の2つの孔を有している。操作本体部材17の基端部には、リング状部20(図2)が設けられている。操作本体部材17は、筒状部材であり、操作本体部材17の長手軸に沿って形成されたガイド溝17aを有する。摘まみ部材18は、操作本体部材17の先端に設けられている。ハンドル19は、操作本体部材17の軸方向に沿って進退可能となっている。ハンドル19には、ワイヤー固定用のボタン21が設けられている。
上述するように、ワイヤー33の基端に固定された基端パイプ42は、操作部12のハンドル19に設けられた係止部43に連結可能となっている。係止部43は、ガイド溝17a内に位置するようにハンドル19に設けられている。
なお、図2及び図3では、先端固定部材14は、先端口金16aとは別部材であり、ネジ14cにより先端口金16aに固定されているが、後述する図10に示すように、先端固定部材14と先端口金16aは一つの部材で構成されてもよい。
図5は、摘まみ部材18の斜視図である。図6は、操作本体部材17の先端部分の斜視図である。図7は、操作部12の先端部分の断面図である。
摘まみ部材18は、筒状部材である。摘まみ部材18の先端側の内周面には、内径方向に突出した4つの凸部18aが複数設けられている。摘まみ部材18の内側には、内向フランジ18bが形成されている。さらに、摘まみ部材18の基端側の内周面には、内径方向に突出した凸部18cが複数設けられている。
摘まみ部材18の内側には、チャック部材44が、摘まみ部材18の基端側から内挿されて配置されている。チャック部材44の基端部の一部に部分外向フランジ部44xが形成されている。部分外向フランジ部44xが、摘まみ部材18の内側の内向フランジ18bに当接する。
操作本体部材17は、摘まみ部材18の基端側から、内挿される。内挿された操作本体部材17の先端面とチャック部材44の基端面の間に、横板部材45が配設される。
横板部材45は、板状であり、中央部に長孔45aが形成されている。長孔45aは、一部が狭くなっている。基端口金16bの基端部分は、チャック部材44の基端側の孔44c、長孔45a及び操作本体部材17の先端側の孔17a1に挿通される。
チャック部材44は、周方向に等間隔に形成された4つのすり割り44aを先端側に有している。チャック部材44は、軸方向において先端方向に延出する4つの延出部44bを有する。4つのすり割り44aは、4つの延出部44bにより形成されている。
チャック部材44が摘まみ部材18に内挿された状態で、各凸部18aが2つの延出部44bの間に入り込んでいるときは、チャック部材44は、コイルシース16の基端部に固定された基端口金16bの外周部を押圧しない。
チャック部材44が摘まみ部材18に内挿された状態で、摘まみ部材18を軸周りに回動させて、各凸部18aがチャック部材44の外周部を内径方向に押し付けると、4つの延出部44bがチャックとして機能し、チャック部材44が基端口金16bの外周部を押圧する。その結果、基端口金16bは摘まみ部材18により締め付けられ、コイルシース16は、操作本体部材17に対して固定される。
また、横板部材45の長孔45aには、ワイヤー33が挿通されている。摘まみ部材18が回動すると、凸部18cにより横板部材45が押されて操作本体部材17内において長手軸に直交する方向にスライドする。基端口金16bの基端部分は、長孔45aの内径の大きな領域から小さな領域へ移動して、長孔45aによりしっかりと固定される。
図8は、ハンドル19近傍の操作部12の断面図である。
図8に示すように、ハンドル19は、操作本体部材17が挿通される挿通孔19aを有する。操作本体部材17は、挿通孔19aに沿って操作本体部材17の軸方向に進退可能となっている。
ハンドル19の中央部分は、係止部43を有している。係止部43は、ハンドル19に接着剤などにより固定された外管43aを有する。外管43aの長手軸は、操作本体部材17の軸方向に直交する。外管43aの中央部には、横管43bが接着剤などにより固定されている。横管43bの長手軸は、操作本体部材17の軸方向に平行である。横管43bは、横管43bの軸方向に直交する方向に形成された孔を有する。その孔には、係止軸部材43cが係止軸部材43cの軸方向に移動可能に挿入されている。図8に示すように、係止軸部材43cは、操作本体部材17の軸方向に直交する方向に移動可能な状態で、横管43bに支持されている。
図9は、係止軸部材43cの斜視図である。係止軸部材43cは、円柱部43c1と、円柱部43c1の一端に形成されたストッパ部43c2を有する。円柱部43c1には、係止軸部材43cの軸方向に直交する方向に形成された孔43c3を有する。孔43c3は、幅の小さな第1孔部分43c4と、幅の大きな第2孔部分43c5とを有する。
バネ43dが、ストッパ部43c2を、操作本体部材17の内径方向に付勢するように、外管43a内に配置されている。蓋部材43eが、外管43a内にバネ43dを圧縮した状態で保持するために外管43aの一端に接着剤などにより固定されている。
外管43aの他端は、ワイヤー固定用のボタン21に固定されている。具体的には、図8に示すように、ボタン21は、下部に外向フランジ21aを有する。外向フランジ21aは、外管43aの他端に形成された内向フランジ43a1により係止される。係止軸部材43cの円柱部43c1の先端がボタン21の下部に形成された穴に嵌入されている。
ボタン21が操作本体部材17の内径方向に押圧されると、係止軸部材43cはバネ43dを圧縮しながら横管43bの孔内を摺動する。ボタン21が押されてバネ43dが圧縮された状態のとき、係止軸部材43cの第2孔部分43c5が、横管43bの内部に位置する。
ボタン21の内径方向への押圧がされなくなると、係止軸部材43cはバネ43dの力により横管43bの孔内を摺動しながら、ボタン21を操作本体部材17の外径方向に押圧する。ボタン21が押されなくなった状態のとき、係止軸部材43cの第1孔部分43c4が、横管43bの内部に位置する。
ワイヤー33の基端部分に外挿されたパイプ部材41の先端部分は、基端口金16bの基端部に接着剤等により固定されている。ワイヤー33は、パイプ部材41内において進退可能に配置されている。
ワイヤー33の基端に固定された基端パイプ42は、係止軸部材43cの第2孔部分43c5を通る外径サイズを有する。しかし、基端パイプ42は、係止軸部材43cの第1孔部分43c4を通らない外径サイズを有する。基端パイプ42とパイプ部材41の間は、ワイヤー33が露出した溝部33aが形成される。
よって、ボタン21が押されてバネ43dが圧縮された状態で、第2孔部分43c5が横管43bの内部に位置しているとき、ワイヤー33の基端の基端パイプ42は、第2孔部分43c5内に挿入可能となる。
図8に示すように、基端パイプ42が第2孔部分43c5内に挿入され横管43bの奥に位置した状態で、ボタン21が押されなくなると、係止軸部材43cの第1孔部分43c4は、横管43bの内部に位置する。その状態では、基端パイプ42が係止部43に保持された状態となる。このとき、溝部33aは、第1孔部分43c4に位置している。
基端パイプ42が係止部43に保持された状態で、ハンドル19を操作本体部材17の長手軸に沿って進退させると、ワイヤー33は、挿入部13内で進退する。その結果、先端可動部材15も、先端把持部11の長手軸に沿って進退する。
なお、上記の説明では、先端把持部11の先端固定部材14および先端可動部材15の形状は板材と説明したが、これに限るものではない。例えば、先端固定部材14および先端可動部材15の断面が円形である線材としても良い。その上でさらに、先端可動部材14を基端側のワイヤー33と一体形状とし、途中に長手方向には進退するがワイヤー33の軸回りに回動しないように回動防止構造を有するようにしても良い。回動防止構造は、ワイヤーの一部に平坦部を設ける、または平坦部を有する金属部品(例えば直方体形状)を固定する等の形状とし、先端口金にワイヤーの一部の平坦部の断面形状、または平坦部を有する金属部品の断面形状に応じた溝(穴)を設け、長手方向の移動のみで回動を防止する構造である。
(動作)
図10は、先端固定部材14と先端可動部材15により、異物OBを把持するときの動きを示す図である。
検査者は、内視鏡検査において、異物OBを見つけると、処置具7を用いて異物OBを回収する。検査者は、ワイヤー33の基端部をハンドル19に対して固定する。上述したように、検査者は、基端パイプ42を係止部43に保持させることにより、ワイヤー33の基端部はハンドル19に対して固定される。
そして、内視鏡画像を見ながら、処置具7の先端固定部材14を異物OBに近づける。図10のS1は、床面F上の異物OBが、曲げ部14aの手前側であって、かつ傾斜部15aの先端側に位置している状態を示している。このとき、検査者は、先端把持部11の先端可動部材15を手元側へ引いた状態で、先端固定部材14の曲げ部14aと先端可動部材15の傾斜部15aの間に異物OBがくるように、処置具7を移動させる。
S1の状態で、検査者は、ハンドル19を先端方向に押し出す。傾斜部15aは、異物OBを掬い上げるようにしながら、先端方向の曲げ部14aに向かって異物OBを移動させる(S2)。
先端可動部材15の基端部分は、連結部材32を介してワイヤー33の先端部分と接続され、さらに、ワイヤー33の基端部分は、ハンドル19に設けられた係止部43において連結されている。よって、ハンドル19が先端方向に移動すると、その後、傾斜部15aは、異物OBを床面F上で移動させながら、曲げ部14aに異物OBを突き当てることができる。
検査者は、ハンドル19を先端方向にさらに押し出すと、異物OBが曲げ部14aと傾斜部15aにより挟持された状態となるため、S3に示すように、ハンドル19は、先端方向に移動しなくなる。
その結果、異物OBは、曲げ部14aと傾斜部15aにより挟持されて把持される。その後、検査者は、処置具7を被検体内から引き出すことにより、異物OBを被検体内から回収することができる。
以上のように、異物OBが小さい部材、薄い部材であっても、検査者は、先端可動部材15の傾斜部15aをシャベルのように下から掬い上げて、異物OBを確実に把持して、回収することができる。
例えば、工業分野では、従来の処置具では、金属片などの小さな異物は把持操作が難しく、かつ把持した後、異物は落ち易い。また、把持操作により異物OBにかかった力により、異物OBが想定外の方向に飛んでしまうこともある。
しかし、上述した実施形態の処置具7によれば、先端固定部材14の曲げ部14aを、異物OBの後ろ側に位置させて、先端可動部材15を異物OBの手前側から曲げ部14aに近づけるので、検査者は、先端把持部11の位置合わせが容易である。内視鏡で観察しながら、先端把持部11を異物OBに近づけ、先端固定部14の曲げ部14aと異物OBの位置を調整して、異物OBの向こう側に曲げ部14aを位置し、できる限り曲げ部14aの近いところに異物OBを置くことが望ましい。なるべく、異物OBの移動を少なくして、把持する前に異物OBが転がることを少なくしたほうがより異物OBを把持しやすくなる。
また、床面F上などに落ちている小さく平べったい形状の金属片などの異物も、先端可動部材15の傾斜部15aにより掬い上げるようにして、異物OBを移動させて、曲げ部14aと傾斜部15aとの間で挟持するため、曲げ部14aと傾斜部15aにより構成される把持部は、異物OBに適切に力をかけることが可能であり把持しやすく、落としにくい。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
(変形例1)
第1実施形態では、先端固定部材は進退しないが、先端固定部材が進退するようにしてもよい。
図11は、変形例1に係わる処置具の斜視図である。先端固定部材14は、先端把持部11の長手軸に沿って進退可能である。
先端固定部材14の基端部分は、口金16b1に形成された孔内に進退可能に挿通されている。先端固定部材14の基端部分には、第2のワイヤー33bが接続されている。ワイヤー33bは、挿入部13内を通って、操作部12に設けられた第2のハンドル19bにボタン21bにより固定されている。ボタン21b及びボタン21bによるワイヤー係止機構は、上述したボタン21とそのワイヤー係止機構と同様である。ハンドル19bは、指掛け用の孔を有している。
図12は、操作部12に対する指の掛け方の例を示す図である。検査者の右手の親指がリング状部20に掛けられている。人差し指がハンドル19の2つの孔の一方に掛けられている。中指がハンドル19の2つの孔の他方に掛けられている。薬指が第2のハンドル19bの孔に掛けられている。
よって、検査者は、片手による操作で先端固定部材14と先端可動部材15の両方を個別に動かすことができる。検査者は、ハンドル19bを操作部12の長手軸に沿って進退させると、先端固定部材14を、ハンドル19bの進退に応じて進退させることができる(変形例2)
変形例1は、先端固定部材は、ハンドル19bの進退により進退されるが、摘まみの回動によって進退するようにしてもよい。
図13は、変形例2に係わる処置具の操作部の斜視図である。操作本体部材17には、回動可能に取り付けられている摘まみ19cと、操作本体部材17に対して進退可能に取り付けられている先端固定部材位置決め摘まみ19dとが設けられている。先端固定部材位置決め摘まみ19dには、ワイヤー33の基端部が固定されている。
先端固定部材位置決め摘まみ19dの基端部分の外周面には、雄ねじ部が設けられており、摘まみ19cの内周面に形成された雌ねじ部と螺合している。
また、ハンドル19は、指掛け用の孔が1つ設けられている。
よって、図13に示すように、検査者は、右手の小指をハンドル19の孔に掛け、親指と人差し指を用いて摘まみ19cを回動すると、その回動に応じて、ワイヤー33が先端側移動するので、先端可動部材15を先端方向へ移動させることができる。
(変形例3)
実施形態では、ワイヤー33を先端方向へ押し出すことにより、先端可動部材15が先端方向に押し出されるが、ワイヤー33を基端側へ引くことにより、先端可動部材15が先端方向に押し出さるようにしてもよい。
図14は、変形例3に係わる、長手軸に沿った先端把持部の断面図である。図15は、変形例3に係わる、長手軸に沿った先端把持部の斜視図である。先端口金16cの内側に先端固定部材14dの基端部が固定されている。
先端口金16cの内部には、板状の先端可動部材15が配置されている。先端可動部材15の基端側の一面には、ラック型のギヤ15bが形成されている。
先端口金16cの内側には、ラック側のギヤ15cを有するラック部材16c1が固定されている。丸ギヤ16c2が、軸16c3回りに回動可能で、2つのギヤ15bと15cの間に挟まれるように、先端口金16c内に配置されている。
先端口金16cの基端部分には、コイル16dの先端部分が接続されている。コイル16dの基端部分には、連結口金16eを介してコイルシース16が接続されている。
連結口金16eは、内部にワイヤー33を通すための孔16e1を有している。さらに、連結口金16eは、孔16e2を有し、バネ固定部材16fは、孔16e2に固定されている。
先端可動部材15の基端部は、コイルバネ16gの一端にバネ連結部16g1により接続されている。コイルバネ16gの他端は、バネ固定部材16fに固定されている。
よって、ワイヤー33が基端側に引っ張られると、丸ギヤ16c2と2つのギヤ15bと15cにより、先端可動部材15は、先端方向に移動する。
図14と図15では、先端固定部材14dの先端部14d1は、2段階に折り曲げられている。先端可動部材15が先端方向に移動して、異物OBを挟持したとき、点線で示すように、先端部14d1は、応力により曲がり、異物OBを強力に把持することができる。
(変形例4)
第1実施形態の先端固定部材は、曲げ部14aに異物OBが押し付けられて把持されるが、曲げ部14aに吸引口を設け、吸引口から異物OBを吸引するようにしてもよい。
図16は、変形例4に係わる先端把持部の斜視図である。
先端固定部材14の曲げ部14aの内側には、開口部14e1が形成されている。先端固定部材14は、内部に管路14e2を有し、管路14e2は、開口部14e1と連通している。管路14e2の基端部は、図示しない吸引パイプに接続され、開口部14e1から空気を吸引できるようになっている。
よって、先端可動部材15の傾斜部15aにより異物OBが押し出されたときに、曲げ部14aの開口部14e1に異物OBが吸い込まれるので、異物OBを確実に挟持し易い。
なお、先端固定部材14が長手軸に沿って進退できるようにしてもよい。
図17は、吸引パイプ14e3の先端部が接続パイプ14e4により、先端固定部材14の基端部に接続されている先端把持部の斜視図である。開口部14e1は、吸引パイプ14e3と連通している。
先端口金16hは、吸引パイプ14e3が挿通可能な孔16h1を有している。吸引パイプ14e3は、長手軸に沿って先端口金16h及びコイルシース16内を進退可能となっている。図18は、吸引パイプ14e3が先端口金16hに設けられた孔の中に引っ込んだ状態を示している。
(変形例5)
変形例4は、吸引により異物OBをしっかりと挟持するが、異物OBが磁石により引きつけることができる場合に、磁石の磁力により異物OBをしっかりと把持できるようにしてもよい。
図19は、変形例5に係わる先端把持部の斜視図である。図20は、変形例5に係わる先端把持部の斜視図である。
先端固定部材14の曲げ部14aの内側面に磁石16iが接着剤などにより固定されている。
先端可動部材15の先端部分には、凹部15eが形成されている。凹部15eは、先端可動部材15が先端側へ移動したとき、磁石16iに向かって移動する。よって、磁石16iに引き寄せられた異物OBをしっかりと凹部15e内に押し付けることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、先端把持部11は挿入部13に対して固定されているが、第2実施形態では、先端把持部11は挿入部13の先端部に対して着脱可能であり、回収物などに応じて交換可能である。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図21は、第2実施形態の先端把持部11Aの分解組み立て図である。図22は、図21におけるXXII-XXII線に沿った先端把持部11Aの断面図である。図23は、長手軸に沿った先端把持部11Aの断面図である。先端把持部11Aは、先端口金51を有する。先端口金51は、円柱形状を有する。図21に示すように、先端口金51は、先端固定部材14Aを有する。先端固定部材14Aは、先端口金51の長手軸に沿って先端方向に延出するように、先端口金5と一体で形成されている。
先端固定部材14Aの曲げ部は、長手軸の先端方向に対して、2段階に曲がっている形状を有している。1段目の曲げ部14Aaの先に2段目の曲げ部14Aa1が設けられている。曲げ部14Aaは、先端固定部材14Aの長手軸に対して90度未満の角度だけ折れ曲がっている。曲げ部14Aa1は、先端固定部材14Aの長手軸に対して90度を超える角度だけ曲がっている。なお、先端固定部材14Aの曲げ部は、長手軸の先端方向に対して、2段階以上に曲がっていても良い。
先端口金51は、先端可動部材15Aが挿通され長手軸に沿って進退可能にする孔51aを有している。先端可動部材15Aは、先端に傾斜部15Aaを有している。孔51aは、傾斜部15Aaの傾斜角度が変わらないように、先端可動部材15Aの断面形状より若干大きな形状を有する。
先端可動部材15Aは、孔51aに挿通され、先端可動部材15Aの基端部は、連結部材52の孔52aに挿通され、接着剤などにより連結部材52に固定されている。
コイルシース16の先端には、シース口金53が接続されて固定されている。シース口金53は、外周面に周方向に形成された溝53aを有している。
ワイヤー33の先端には、連結部材54が接着剤などにより固定されている。連結部材54は、外周面に周方向に形成された溝54aを有している。
先端口金51の基端部分は、シース口金53の先端部分が挿入可能な内径を有している。シース口金53が先端口金51の基端側に挿入された状態で、ネジ51bにより、シース口金53は、先端口金51に固定可能である。ネジ51bは、溝53aに入り込む。
また、先端可動部材15Aは、基端部に連結部材52が接続されている。連結部材52は、連結部材54の先端部分が挿入可能な内径を有する部分を基端側に有している。連結部材54が連結部材52の基端側に挿入された状態で、ネジ52bにより、連結部材52と連結部材54は固定される。ネジ52bは、溝54aに入り込む。
ネジ51bと52bにより、先端把持部11Aは、挿入部13に対して着脱可能である。
また、先端把持部11Aの先端固定部材14Aは、先端部分が2段階に折れ曲がっている曲げ部14Aa、14Aa1を有している。曲げ部14Aaの傾斜角は、先端可動部材15Aの傾斜部15Aaと同じ傾斜角である。そのため、先端可動部材15Aが先端側に移動して先端固定部材14Aの曲げ部14Aaに突き当たったとき、曲げ部14Aaの斜面と傾斜部15Aaの斜面がぴったりと合う。
なお、図21及び図23では、曲げ部14Aa、14Aa1の内側面に、先端把持部11Aの長手軸に直交する方向に延びた複数の凹凸部14b1が設けられ、傾斜部15Aaにも同様の複数の凹凸部15b1が設けられているが、凹凸部はなくてもよい。異物OBは、複数の凹凸部14b1と15b1により強固に把持される。
(動作)
ネジ51bと52bにより、先端把持部11Aは、挿入部13に対して着脱可能である。よって、検査者は、回収する異物OBの形状などの特徴に合った先端把持部11Aを選択して、挿入部13に装着する。
把持動作は、第1実施形態と同じである。すなわち、先端可動部材15Aを先端側へ押し出して移動させることによって、異物OBを傾斜部15Aaと曲げ部14Aa,14Aa1との間で挟持するようにして把持する。
特に、異物OBのサイズによらずに、本実施形態の処置具7は、異物OBをしっかりと把持することができる。
図24は、異物OBが比較的大きい場合の処置具7の把持状態を示す図である。図25は、異物OBが小さい場合の処置具7の把持状態を示す図である。
比較的大きな異物では、図24のように、先端可動部材15Aに傾斜部15Aaと先端固定部材14Aの曲げ部14Aaと14Aa1の間の凹部に異物OBが挟まれて把持される。また、小さい異物OBでは、図25のように、先端可動部材15Aの傾斜部15Aaの先端が先端固定部材14Aの曲げ部14Aaと14Aa1の間の凹部に突き当り、傾斜部15Aaと曲げ部14Aa、14Aa1に間に挟まれて、しっかりと固定される。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
また、上述した実施形態によれば、回収物に応じて先端把持部11Aは、交換可能であり、曲げ部14Aa、14Aa1が凹部を形成するように折れ曲がっているので、異物OBの大きさにかかわらず、異物OBを確実に把持可能である。
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態では、処置具は単体で使用されるが、第3実施形態では、処置具は、内視鏡に装着されて使用される。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図26は、第3実施形態の処置具の使用態様を示す斜視図である。図27は、第3実施形態の処置具の先端把持部11Bの斜視図である。図28は、第3実施形態に関わる、長手軸に沿った処置具の先端把持部11Bの断面図である。
処置具7は、先端固定部材14Bと先端可動部材15Bを有する。処置具7の先端把持部11Bは、円柱形状の先端口金51Aを有する。先端固定部材14Bと先端可動部材15Bは、それぞれ、第1実施形態の先端固定部材14と先端可動部材15と同様の形状を有する。
先端固定部材14Bの基端部は、先端口金51Aの先端面の孔51Aaに嵌合して接着剤により先端口金51Aの先端面に固定される。先端固定部材14Bの先端には、曲げ部14Baを有している。
先端口金51Aは、先端面に開口51Abを有し、内部には、開口51Abに連通する孔51Acが形成されている。開口51Abは、先端可動部材15Bの向きが変わらないように、先端可動部材15Bの断面形状に合わせた四角形を有している。すなわち、先端可動部材15Bは、先端口金51Aに形成された孔51Abに挿通されている。
先端可動部材15Bの基端部分は、連結部材32の先端側溝32aに嵌合し、接着剤などによって連結部材32に固定される。連結部材32の基端部には、ワイヤー33の先端部分が固定されている。
ワイヤー33は、コイルシース16内に挿通されている。図28に示すように、先端口金16aの先端部分は、先端口金51Aの基端側から孔51Ac内に内挿され、接着剤などによって、先端口金51Aに固定されている。
ワイヤー33の進退に応じて、連結部材32は、孔51Ac内において進退する。その結果、連結部材32に固定された先端可動部材15Bも、ワイヤー33の進退に応じて、進退する。
先端口金51Aは、先端口金51Aの長手軸に沿って形成された孔51Adを有する。孔51Adの先端側には、内向フランジ51Aeが形成されている。孔51Adは、内視鏡2の挿入部4の先端部4Xが挿入可能な係止孔である。すなわち、内視鏡2の先端部4Xは、先端口金51Aに形成された孔51Adに挿入可能である。
また、先端口金51Aは、外周面に平坦面51Afを有している。平坦面51Afは、円柱形状の先端口金51Aの外面を、長手軸に平行にカットされたように形成された面である。平坦面51Afは、開口51Abの長手軸に平行である。これは、例えば、平坦面51Afを、被検体内の床面Fに平行にすると、先端可動部材15Bの傾斜部15Baの先端部も床面Fに平行となる。すなわち、平坦面51Afは、先端可動部材15Bの先端部である傾斜部15Baの縁部の直線部に平行である。その結果、先端固定部材14Bの曲げ部14Ba及び先端可動部材15Bの傾斜部15Baの曲がった方向が被検体内の床面Fに向くようになるので、床面F上の異物OBを傾斜部15Baによって掬い上げ易くなっている。
挿入部4は、先端側から先端硬質部4X、湾曲部4Y及び可撓管部4Zを有する。先端硬質部4Xの先端面には、観察窓4X1と、照明窓4X2が設けられている。照明窓4X2から出射する照明光は、被写体を照明する。観察窓4X1には、被写体から反射光が入射する。被写体からの反射光は、観察窓4X1の後ろ側に配置された対物光学系(図示せず)を通って撮像素子(図示せず)の撮像面に被写体像を形成する。よって、内視鏡4により得られた内視鏡画像は、モニタ(図示せず)に表示され、検査者は、被検体内を観察することができる。
図26において二点鎖線で示すように、先端硬質部4Xの先端部分を、先端口金51Aの基端側から孔51Adに挿入すると、先端硬質部4Xの先端面は、内向フランジ51Aeに当接する。挿入部4は、結束バンドなどによって、コイルシース16と共に束ねられて、先端口金51Aに対して固定される。
なお、先端硬質部4Xは、ネジなどにより先端口金51Aに対して固定するようにしてもよい。
以上のように、先端把持部11Bを有する処置具7は、内視鏡4の先端硬質部4Xを固定可能な構造を有する。処置具7は、内視鏡4の先端硬質部4Xを、先端口金51Aに固定して使用される。
言い換えると、処置具7は、先端把持部11Bと、操作部12と、挿入部13とを有する処置具ユニットを構成する。その処置具ユニットは、内視鏡4の挿入部4に装着して使用される。先端把持部11Bは、筒状部材である先端口金51Aと、先端固定部材14Bと、先端可動部材15Bを有する。
先端可動部材15Bは、連結部材32によりワイヤー33と接続されており、先端口金51A内を摺動可能になっている。
(動作)
検査者は、内視鏡2の先端硬質部4Xに処置具ユニットを装着する。処置具ユニットの内視鏡2への装着時は内視鏡2の視野内に先端把持部11Bが位置するように、処置具ユニットを内視鏡2の挿入部4に固定する。
内視鏡検査中に異物OBを回収するとき、異物OBが先端固定部材14Bの曲げ部14Baと先端可動部材15Bの傾斜部15Baの間に位置するように位置決めを行い、先端可動部材15Bを押し出して異物OBを把持する。
先端口金51Aの側面には、底面である平らな平坦面51Afがあり、平坦面51Afが検査を行う被検体の床面Fに接触するように手元側から操作する。操作は、内視鏡2や処置具ユニットのコイルシース16をねじることで先端口金51Aの向きを調整することができる。
検査者は、先端把持部11Bの位置決めと、先端把持部11Bの軸回りの角度を調整してから、先端可動部材15Bを操作して、異物OBを把持し、把持した状態で内視鏡2とともに処置具7を被検体内から引き出して、異物OBを回収することができる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。特に、処置具7を内視鏡2に着脱可能に装着でき、内視鏡2の操作と共に、処置具7を操作し易い。
(第4実施形態)
第3実施形態では、内視鏡の先端硬質部4Xは、処置具7の先端固定部材14Bに対してと先端可動部材15Bとは反対側に配置されるが、第4実施形態では、内視鏡の先端硬質部4Xは、処置具7の先端固定部材14Bと先端可動部材15Bの間に配置される。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態及び第3実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図29は、第4実施形態の処置具の先端把持部11Cの斜視図である。図30は、第4実施形態関わる、長手軸に沿った先端把持部11Cの断面図である。
先端把持部11Cは、円柱形状の先端口金51Bを有する。先端把持部11Cは、先端固定部材14Cと先端可動部材15Cを有する。
先端口金51Bには、基端側から内視鏡4の先端硬質部4Xを挿入可能な孔51Baが形成されている。よって、内視鏡2の先端部4Xは、先端口金51Bに形成された係止孔である孔51Baに挿入可能である。孔51Baの先端側の内周面には、内向フランジ51Ba1が形成されている。先端硬質部4Xを孔51Ba内に挿入したときに、先端硬質部4Xの先端面が内向フランジ51Ba1に突き当たり固定される。
先端固定部材14Cは、先端口金51Bから先端方向に延出して形成されている。すなわち、先端固定部材14Cは、先端口金51Bに固定されている。先端固定部材14Cの先端部分は、2回折れ曲がった形状を有している。1段目の曲げ部14Caの先に2段目の曲げ部14Ca1が設けられている。
先端可動部材15Cは内視鏡2の先端硬質部4Xを挟んで先端固定部材14Cとは反対側に配置されている。先端可動部材15Cは、先端部分が二股に分かれている。二股の一方は、先端固定部材14C側に傾斜した第1傾斜部15Caであり、二股の他方は、先端固定部材14C側とは反対側に傾斜した第2傾斜部15Cbである。
先端可動部材15Cが先端側に移動したとき、曲げ部14Caと曲げ部14Ca1の間の第1凹みと、先端固定部材14Cの第1傾斜部15Caと第2傾斜部15Cbの間の第2凹みが対向するように、曲げ部14Ca、14Ca1と第1及び第2傾斜部15Ca、15Cbは形成されている。
なお、ここでは、先端固定部材14Cは、先端口金51Bと一体で、先端口金51Bの先端部から先端方向に延出しているが、先端固定部材14Cは、先端口金51Bと別体で、ネジなどにより先端口金51Bに固定されてもよい。
先端口金51Bは、中心軸に対して先端固定部材14Cとは反対側の位置に、中心軸に沿って形成された孔51Bbを有している。孔51Bbに、板状部材である先端可動部材15Cが挿通されている。すなわち、孔51Baは、先端固定部材14Cと先端可動部材15Cの間に形成されている。先端可動部材15Cの基端部は、連結部材32によりワイヤー33の先端部に接続されている。
先端口金51Bの孔51Bb側の側面は、平坦面51Bcとなっている。
操作部12のハンドル19を先端側へ押し出すと、先端可動部材15Cが先端側へ移動する。
(動作)
先端口金51Bは、内視鏡2の先端硬質部4Xに、接続可能である。内視鏡2の先端硬質部4Xを孔51Baに挿入し、検査者は、内視鏡画像を見ながら、被検体内を検査することができる。このときの内視鏡画像は、先端固定部材14Cと先端可動部材15Cの間の基端側から先端方向を見た画像である。
検査者は、内視鏡画像を見ながら、床面F上にある異物OBを、先端固定部材14Cと先端可動部材15Cの間に位置するようにする。
図29において、点線で示すように、先端可動部材15Cが先端方向に押し出されると、図30に示すように、異物OBは、第2傾斜部15Cbにより掬い上げられた後、曲げ部14Ca1に突き当たり、曲げ部14Caと曲げ部14Ca1の間の第1凹みと、先端固定部材14Cの第1傾斜部15Caと第2傾斜部15Cbの間の第2凹みの間に挟持される。
第2傾斜部15Cbに異物OBが当たると、その傾斜によって、先端固定部材14Cの方へ動かす力(実線の矢印で示す)が発生し、先端固定部材14Cと先端可動部材15Cとの間で把持した状態になる。このとき、異物OBは、第1凹みと第2凹みにより挟まれてしっかりと固定される。
異物OBが把持した状態で内視鏡2とともに処置具7を被検体内から引き出して、異物OBを回収することができる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。特に、処置具7を内視鏡2に着脱可能に装着でき、内視鏡2の操作と共に、処置具7を操作し易い。
(第5実施形態)
第4実施形態では、先端固定部材14Cは、先端口金51Bに対して移動できないように固定されているが、第5実施形態では、先端固定部材は、先端口金の長手軸に沿って進退可能であり、かつ先端固定部材の長手軸回りに回動可能となっている。
本実施形態の構成は、上述した第1、第3及び第4実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図31は、第5実施形態の処置具の先端把持部11Dの斜視図である。
先端把持部11Dは、円柱形状の先端口金51Cと51Cxを有する。図32は、先端口金51Cの斜視図である。先端口金51Cは、長手軸に沿った孔51Caを有する。孔51Caの先端側内周面には内向フランジ51Ca1が形成されている。
先端口金51Cは、さらに2つの孔51Cb,51Ccを有する。先端固定部材14Dは、ワイヤー14Daと、ワイヤー14Daの先端に設けられた板状部材14Dbを有する。孔51Cbは、板状部材14Dbに接続されたワイヤー14Daを挿通可能に、かつ先端固定部材14Dが軸回りに回動可能に、先端口金51Cの長手軸に沿って形成された固定部材挿通孔である。すなわち、先端固定部材14Dは、孔51Cb内において、先端固定部材14Dの軸回りに回動可能である。ワイヤー14Daは、多条多層巻コイル(例えば5条コイル)である。孔51Ccは、先端可動部材15Dに接続された連結部材32及びワイヤー33を挿通可能に、先端口金51Cの長手軸に沿って形成されている。
先端口金51Cxも、先端口金51Cと同様に3つの孔51Cxa、51Cxb、51Cxcを有する。孔51Cxaは、内視鏡4の先端硬質部4X及び湾曲部4Yを挿通可能に、先端口金51Cxの長手軸に沿って形成されている。孔51Cxbは、先端固定部材14Dに接続されたワイヤー14Daを挿通可能に、先端口金51Cxの長手軸に沿って形成されている。孔51Cxcは、先端可動部材15Dに接続されたワイヤー33を挿通可能に、先端口金51Cxの長手軸に沿って形成されている。
板状部材14Dbは、ワイヤー14Daの先端に溶接などにより固定されている。板状部材14Dbは、基端側に曲がった曲げ部14Db1を有している。
先端可動部材15Dは、先端に傾斜部15Daを有している。
図33は、操作部12Aの斜視図である。図34は、図33のXXXIV-XXXIV線に沿った操作部12Aの断面図である。図35は、図33のXXXV-XXXV線に沿った操作部12Aの断面図である。
操作部12Aは、第1操作部12Aaと、第2操作部12Abを有する。第1操作部12Aaは、先端固定部材14Dを動かすときに操作される。第2操作部12Abは、先端可動部材15Dを進退させるときに操作される。
第1操作部12Aaは、口金61,62を有している。第2操作部12Abは、口金63,64を有している。
口金61、62の中央部には、それぞれ、挿入部4の基端部に設けられた口金4wが挿通される孔61a、62aを有している。口金61は、パイプ65が挿通される孔61bと、ワイヤー33が挿通される孔61cを有している。口金62は、パイプ67が挿通される孔62bと、ワイヤー33が挿通される孔62cを有している。
口金4wは、口金61に固定されている。口金4wは、口金62には固定されておらず、挿入部4の長手軸に沿って移動可能である。
さらに、口金61には、パイプ65が軸方向に摺動可能に挿通されている。パイプ65内には、ワイヤー14Daが挿通されている。ワイヤー14Daは、接着剤などによりパイプ65に固定されている。パイプ65には、先端固定部材用の進退レバー66が設けられ固定されている。進退レバー66は、口金61に形成された孔61dを通り、外径方向に延出するように配置される。孔61dは、ワイヤー14Daの長手軸に沿って形成された長孔である。
進退レバー66をワイヤー14Daの長手軸に沿って進退させると、ワイヤー14Daも進退する。
口金62には、パイプ67が設けられている。パイプ67は、パイプ65に接着剤などにより固定されている。口金62には、周方向に形成された孔62dを有している。孔62dは、長孔であり、孔62dの両側の2つの壁に、パイプ67が通る2つの孔62bが形成されている。
パイプ67には、先端固定部材14Dの軸回り回動用の回動レバー68が固定されている。回動レバー68は、孔61dを通り、外径方向に延出するように配置される。回動レバー68は、周方向に沿って孔62d内で回動可能になっている。回動レバー68は、パイプ67の軸回りに軸支される。回動レバー68の回動に応じて、パイプ67が軸回りに回動して、ワイヤー14Daも軸回りに回動する。
パイプ67の基端側に突出したワイヤー14Daの端部は、抜け止め用のパイプ部材69が固定されている。
第2操作部12Abは、第1操作部12Aaの基端側に配置されている。円筒状の口金63は、内側に挿入部4が挿通される孔63aを有し、挿入部4に対して、軸方向に摺動可能に設けられている。円筒状の口金64は、内側に挿入部4が挿通され孔64aを有し、挿入部4に対して固定されている。
口金63には、ワイヤー33が挿通される孔63cが軸方向に沿って形成されている。ワイヤー33の基端部が、接着剤などにより孔63cに固定されている。
口金64は、先端方向に延びるガイドピン64bが設けられている。口金63には、ガイドピン64aが挿通される孔63bを有している。口金63が挿入部4の長手軸に沿って進退するとき、ガイドピン64bにより口金63はガイドされて長手軸に沿って進退する。
(動作)
図36から図38は、処置具7による異物OBの回収方法を説明するための斜視図である。図39は、処置具7による異物OBの回収方法を説明するための先端固定部材14Dと先端可動部材15Dの模式的断面図である。ここでは、異物OBは、ネジであり、床面F上にある。
図36に示すように、検査者は、内視鏡検査中に異物OBを確認した後、操作部12Aaの回動レバー68を操作して傾斜部14Db1を異物OBとは反対側になる(すなわち傾斜部14Db1が床面Fから離れた、上の方に位置する)ように回動させる。
次に、図37に示すように、二点鎖線で示すように先端固定部材14Dの板状部材14Dbが異物OBを越えるように、進退レバー66を先端方向へ押し出す。
さらに、回動レバー68を操作して、図38に示すように、先端固定部材14Dの曲げ部14Db1を床面F側に位置させ、曲げ部14Db1の縁部を床面Fに接触させる。
そして、図39に示すように、進退レバー66を操作して、先端可動部材15Dを先端側へ押し出して、異物OBを挟持する。異物OBは、傾斜部15Daと曲げ部14Db1の間で挟まれて固定される。
以上のように、上述した実施形態によれば、回収物に対する先端把持部11Dの位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、本実施形態によれば、先端固定部材14Dは長手方向に移動可能かつ軸回りに回動可能である。さらに、先端可動部材15Dは長手軸に沿って移動可能である。よって、処置具7は、異物OBに対する先端把持部11Dの位置合わせを容易にして、つかみ損なうことを少なくすることができる。
(第6実施形態)
第1から第5実施形態では、異物OBは、1つの曲げ部と1つの傾斜部により挟持されるが、第6実施形態では、先端把持部は、複数の曲げ部と複数の傾斜部を有し、いずれかの曲げ部といずれかの傾斜部により異物OBが挟持可能となっている。
本実施形態の構成は、上述した第1から第5実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図40は、本実施形態の先端把持部11Eの斜視図である。図41は、長手軸に沿った先端把持部11Eの断面図である。図42は、先端把持部11Eの分解組み立て図である。
先端固定部材14Eは、2つの先端固定部材14E1,14E2を有する。先端固定部材14E1は、長手軸に沿った延出部71aと、延出部71aの先端部に設けられた第1曲げ部71bを有している。第1曲げ部71bの先端部分には第2曲げ部71cを有している。
同様に、先端固定部材14E2は、長手軸に沿った延出部72aと、延出部72aの先端部に設けられた第1曲げ部72bを有している。第1曲げ部72bの先端部分には第2曲げ部72cを有している。
曲げ部71bと72bが互いに異なる方向に向かうように、延出部71aと72aが貼り合わせられている。すなわち、曲げ部71bは、曲げ部72bとは反対方向に曲がっている。
先端固定部材14E1とE2の基端部は、コイルシース16の先端側の口金16a内に固定された円板状の固定部材73の孔73aに嵌合して接着剤などにより固定部材73に固定されている。
先端可動部材15Eは、2つの板状固定部材15E1,15E2を有する。板状固定部材15E1は、長手軸に沿った延出部74aと、延出部74aの先端部に設けられた傾斜部74bを有している。
同様に、先端可動部材15E2は、長手軸に沿った延出部75aと、延出部75aの先端部に設けられた傾斜部75bを有している。以上のように、先端固定部材14Eは、曲げ部71c、72cを複数(ここでは2つ)有し、先端可動部材15Eは、延出部74aを複数(ここでは2つ)有している。
図42に示すように、板状固定部材15E1、E2は、1枚の板状部材76を真ん中で折り曲げ加工されて形成されている。傾斜部74b、75bは、一枚の板状部材76の両端部に形成されている。
延出部74a、と75aは、それぞれ固定部材73に設けられた孔73b、73cに挿通されている。固定部材73は、弾性を有するため、傾斜部74b、75bを有する板状固定部材15E1、E2は、孔73b、73cが変形して、孔73b、73cに通すことができる。
延出部74aと75aの真ん中には、平坦部76aが形成されている。平坦部76aには、孔76bが形成されている。
孔76bには、ワイヤー33の先端部が挿通されている。ワイヤー33に固定されたパイプ77,78により、ワイヤー33は孔76bから抜けないようになっている。
(動作)
検査者は、操作部12において、コイルシース16内に挿通されたワイヤー33を進退させることにより、先端可動部材15Eが進退する。
先端固定部材14Eの曲げ部71b、72bは、互いに反対方向を向いた位置にあって、先端可動部材15Eが先端方向に移動したとき、それぞれが傾斜部74b、75bに突き当たるように配設されている。
なお、上述した実施形態では、先端把持部は、曲げ部と傾斜部をそれぞれ2つ有しているが、3以上でもよい。
図43は、曲げ部と傾斜部をそれぞれ4つ有している先端把持部11E1の分解組み立て図である。
先端固定部材14E1は、長手軸に沿った延出部71Aと、延出部71Aの先端部分に4つの第1の曲げ部71dを有している。4つの第1の曲げ部71dは、長手軸回りに周方向に沿って等間隔に配置される。各第1の曲げ部71dの先端には、第2の曲げ部72dが設けられている。
延出部71Aの基端部は、固定部材73Aに固定されている。固定部材73Aは、先端口金16a内に固定されている。固定部材73Aは、4つの孔73dを有している。口金79が、先端口金16a内に固定されている。
口金79の先端側には、4つの先端可動部材15Eaが、先端側に延出するように設けられている。各先端可動部材15Eaの先端には、傾斜部74cが設けられている。4つの傾斜部74cは、口金79の長手軸回りに周方向に沿って等間隔に配置される。各先端可動部材15Eaは、孔73dに挿通されている。
口金79の基端部の中央には、2つのパイプ77,78により、ワイヤー33の先端部が固定されている。よって、ワイヤー33の進退に応じて、4つの先端可動部材15Eaが進退する。
図43のような構成によれば、異物OBなどを把持可能な箇所が4つとなり、異物OBに対する先端把持部11E1の位置決めが容易となる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
(第7実施形態)
第1から第6実施形態では、板状の先端可動部材がワイヤーにより進退するが、第7実施形態では、コイルシースの先端口金に円筒状の先端可動部材が設けられ、先端可動部材はコイルシースの進退に応じて進退する。
本実施形態の構成は、上述した第1から第6実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図44は、先端把持部11Fの斜視図である。図45は、長手軸に沿った先端把持部11Fの断面図である。図46は、操作部12Aの斜視図である。
先端把持部11Fは、蓋状の先端固定部材14Fを有する。先端固定部材14Fは、基端側に広がるように延出する多角形(ここでは8角形)の延出部14Faを有する。延出部14Faの各平面14Fa1が、先端固定部材14Fの曲げ部を構成する。すなわち、先端固定部材14Fは、複数の曲げ部を有する。複数の平面14Fa1は、先端把持部11Fの長手軸回りに、周方向に沿って等間隔に配置されている。先端固定部材14Fは、基端側に凹部を有し、先端可動部材15Fの拡径部が収納可能なサイズを有する。
コイルシース16内にワイヤー33Aが挿通され、コイルシース16は、外シース16Aa内に挿通されている。
コイルシース16の先端には、先端口金16aが固定されている。先端口金16aの先端側には先端可動部材15Fが設けられている。先端可動部材15Fは、拡径部15Faを有する。拡径部15Faは、先端側が放射状に拡径するように、複数(ここでは8つ)の片部15Fa1からなる。すなわち、各片部15Fa1が、傾斜部を構成する。複数の片部15Fa1は、先端把持部11Fの長手軸回りに、周方向に沿って等間隔に配置されている。
先端可動部材15Fの拡径部15Faは、先端固定部材14Fの延出部14Faの内側に収納可能は外径を有する。
先端固定部材14Fは、ワイヤー33Aの先端部に接着剤などにより固定されている。
図46に示すように、ワイヤー33Aは、コイルシース16内に挿通され、ワイヤー33Aの基端部は、操作部12Aのリング状部20に固定部材20aにより固定されている。
コイルシース16の基端部は、細くなっており、パイプ42Xの一端に固定されている。パイプ42Xの他端は、ハンドル19に接続され、固定されているよって、ハンドル19を長手軸に沿って進退させると、コイルシース16も長手軸に沿って進退する。このとき、ワイヤー33Aは進退しない。
外シース16Aaは、摘まみ部材18により、操作部12Aに接続され、固定されている。外シース16Aaは、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン4フッ化エチレン樹脂)製である。
(動作)
検査者は、先端固定部材14Fの延出部14Faと、先端可動部材15Fの拡径部15Faの間に異物OBを位置させる。
次に、検査者は、ハンドル19を先端側に押し出すと、コイルシース16が先端側へ移動する。その結果、異物OBは、拡径部15Faと先端固定部材14Fの間で挟持される。拡径部15Faが、先端固定部材14Fの凹部内に入り込むため、異物OBは、凹部内に入り、拡径部15Faの内側の隙間に入り固定される。
外シース16Aaが被検体内の内部表面に接触するために、コイルシース16を押し出すときに内部表面との接触がないため、検査者は、コイルシース16をスムーズに先端方向へ押し出すことができる。
なお、先端固定部材が、放射状に広がる複数片を有し、先端可動部材がラッパ状に拡径した形状を有するようにしてもよい。
図47は、変形例に関わる先端把持部11F1の斜視図である。図37に示すように、先端固定部材14F1は、放射状に広がる複数片14F1aを有する。複数片14F1aは、先端把持部11F1の長手軸回りに周方向に沿った等間隔に配置されている。先端可動部材15F1は、基端部分が口金16Aaを構成し、先端部分は、ラッパ状に拡径している。すなわち、先端可動部材15F1の傾斜部は、長手軸に対して先端側が広がる拡径部により構成される。
本変形例も、上述した実施形態と同様の作用と効果を有する。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、本実施形態及び変形例の場合、放射状の把持部があることから先端把持部の向きを選ぶことなく、自由にかつ簡単に異物OBを把持可能で、かつ異物OBは把持後に脱落しにくい。
(第8実施形態)
第1から第7実施形態では、異物が挟持されるだけであるが、本実施形態では、異物が挟持され、かつ囲まれた空間内に収納される。
本実施形態の構成は、上述した第1から第7実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図48は、先端把持部11Gの斜視図である。図49は、長手軸に沿った先端把持部11Gの断面図である。
先端把持部11Gは、2枚の板状部材81,82を有する。2枚の板状部材81,82は、異物を把持するためのアーム部を構成する。2枚の板状部材81,82が先端固定部材14Gを構成する。板状部材81は、先端部に、側面壁部81a、前面壁部81b及び上面壁部81cを有している。側面壁部81aは、板状部材81の長手軸に略平行で、かつ板状部材81の板状部の幅よりも大きな幅を有する。前面壁部81bは、板状部材81の長手軸に略直交する平面部である。上面壁部81cは、板状部材81の長手軸に略平行で、かつ前面壁部81bに直交する平面部である。
同様に、板状部材82は、先端部に、側面壁部82a、前面壁部82b及び上面壁部82cを有している。側面壁部82aは、板状部材82の長手軸に略平行で、かつ板状部材82の板状部の幅よりも大きな幅を有する。前面壁部82bは、板状部材82の長手軸に略直交する平面部である。上面壁部82cは、板状部材82の長手軸に略平行で、かつ前面壁部82bに直交する平面部である。
後述するように、2枚の板状部材81,82が互いに近づくように移動したときに、前面壁部81bと82bの2つの端面が互いに密着するように、前面壁部81bと82bは、それぞれ板状部材81,82において折り曲げられている。同様に、2枚の板状部材81,82が互いに近づくように移動したときに、上面壁部81cと82cの2つの端面が互いに密着するように、上面壁部81cと82cは、それぞれ板状部材81,82において折り曲げられている。前面壁部81b、82bと上面壁部81c、82cは、2枚の板状部材81,82の間を覆うカバーとなる。すなわち、前面壁部81b、82bと上面壁部81c、82cは、2枚の板状部材81,82が閉じたときに、各板状部材81,82の上面及び前面を覆うカバーを構成する。
また、コイルシース16の先端に先端口金16Aを有し、先端口金16Aの内部にワイヤー33が挿通されている。ワイヤー33の先端は、先端可動部材15Gが接続され固定されている。なお、ワイヤー33に代えて、ロッド部材を用いても良い。
先端口金16Aには、2枚の板状部材81,82の先端部分が広がるように、2枚の板状部材81,82の基端部分が固定されている。先端可動部材15Gは、2枚の板状部材81,82の間に位置するように配設される。
2枚の板状部材81,82の途中を囲むように、リング部材83が設けられている。リング部材83の内周面の一部は、先端可動部材15Gに接着剤などにより固定されている。リング部材83は、2枚の板状部材81,82の基端側の板状部の外側にかかっていて、リング部材83の長手軸における位置が変わることにより、2枚の板状部材81,82の間隔(広がり具合)が変化するようになっている。すなわち、先端把持部11Gは、先端可動部材15Gに固定され、2枚の板状部材81,82(2つのアーム部)が挿通されたリング部材83を有する。そして、先端可動部材15Gが先端方向に移動すると、2枚の板状部材81,82が閉じるようにリング部材83が設けられている。
先端可動部材15Gは、先端に、傾斜部15Gaを有している。また、傾斜部15Gaの基端部には、先端可動部材15Gの長手軸に直交する方向に突出した壁部15Gbが設けられている。
ワイヤー33が先端方向に押し出されると、先端可動部材15Gは先端方向に移動すると共に、2枚の板状部材81,82は互いに近づくように動く。
(動作)
検査者は、操作部12のハンドル19を押し出すと、先端可動部材15Gが先端方向に移動すると共に、リング部材83も先端方向に移動する。先端可動部材15Gが先端方向に移動すると、傾斜部15Gaが床面F上の異物OBを掬い上げることができる。
さらに、操作部12のハンドル19を押し出すと、2枚の板状部材81,82の間隔が狭くなり、前面壁部81bと82bの隙間が狭くなり、接触して閉じる。先端可動部材15Gの壁部15Gbが掬い上げた異物OBは先端方向に押され、かつ板状部材81の側面壁部81a、前面壁部81b及び上面壁部81cと、板状部材82の側面壁部82a、前面壁部82b及び上面壁部82cとにより形成された空間内に収容される。傾斜部15Gaは、その空間の底面部となり、壁部15Gbは、その空間の後面部となる。
なお、操作部12のハンドル19を押し出すと、2枚の板状部材81,82の間隔が狭くなり、前面壁部81bと82bの隙間が狭くなり、接触して閉じるので、小さな金属片などの異物OBを挟んで回収することも可能である。
図50は、小さな金属片などの異物OBが前面壁部81bと82bの隙間に把持可能な状態を説明するための模式図である。点線は、ワイヤー33の押し出しによる、2枚の板状部材81,82,及びリング部材83の移動方向を示す。
小さな金属片などの異物OBは、前面壁部81bと82bによりあるいは上面壁部81cと82cにより、把持可能である。
よって、例えば、細長いパイプ内に内視鏡2と処置具7挿入し、床面F上にある異物OBをスコップのようにすくいあげながら回収する回収方法と、狭い箇所に落とした異物OBに対して、上方からアクセスして、把持する回収方法と使い分けることが可能である。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
なお、先端固定部材14Gの先端側において、2枚の板状部材に代えて、部分円筒形状の部材を用いてもよい。図51及び図52は、変形例に関わる先端把持部11G1の斜視図である。先端把持部11G1は、先端口金16aaを有する。先端口金16aaは、先端側に、部分円筒形状部81A,82Aを有する。部分円筒形状部81A,82Aは、パイプ状部材の先端側に2つのスリットを設けるようにして、形成されている。すなわち、パイプにスリット状の切り欠きを2つ設けることによって、部分円筒形状部81A,82Aが形成されている。部分円筒形状部81A,82Aの上側のスリットが上側切り欠きを形成し、下側のスリットが下側切り欠きを形成する。先端可動部材15G1は、下側切り欠き内に配設され、長手軸に沿って移動可能となっている。
2つの部分円筒形状部81A,82Aは、互いに内側面が対向するように配置される。2つの部分円筒形状部81A,82Aの基端部分は、先端口金16aaの円筒部分に繋がっている。
2つの部分円筒形状部81A,82Aは、可撓性を有する。先端可動部材15G1が先端側に移動していないときは、図51に示すように、2つの部分円筒部81A,81Bは、先端側が広がるように、曲げ癖が2つの部分円筒部材81A,82Aに付けられている。
2つの部分円筒形状部81A,82Aの先端部分には、2つの先端固定部材81d、82dが接続されて固定されている。2つの先端固定部材81d、82dは、1つの有底の円筒部材を半分に割ったときに形成される部分円筒形状を有する。部分円筒形状部81A,81Bと先端固定部材81d、82dが、先端固定部材14G1を構成する。
2つの部分円筒形状部81Aと82Aには、先端可動部材15G1が進退する可能にするための切り欠き部81Aaと82Aaを有している。切り欠き部81Aaと82Aaにより、下側切り欠きが形成される。
2つの部分円筒形状部81Aと82Aの外側には、リング部材83Aが設けられている。リング部材83Aの内側に、2つの部分円筒形状部81Aと81Bが挿通されている。リング部材83Aは、接着剤などにより先端可動部材15G1に固定されている。リング部材83Aは、先端可動部材15G1の進退に伴って、長手軸に沿って進退する。
リング部材83Aが先端側に移動したとき、2つの部分円筒形状部81Aと82Aは、互いに近づくように変形する。
図52は、リング部材83Aが先端側に移動し、2つの部分円筒形状部81Aと82Aが互いに近づいたときの、先端把持部11G1の斜視図である。図53は、先端把持部11G1の先端固定部材81d、82dの断面図である。
図54は、先端可動部材15G1の斜視図である。図55は、長手軸に沿った先端把持部11G1の断面図である。
先端可動部材15G1は、先端に、傾斜部15Gaを有している。先端可動部材15G1の基端部は、接続部84に接続され固定されている。接続部84の基端側には、ワイヤー33の先端部が接続され固定されている。
先端可動部材15G1の下面には、リング部材83と接続するためのピン85が固定されている。
よって、このような構成によっても、ワイヤー33を先端方向に押し出すと、異物OBは、2つの先端固定部材81d、82dの内部に収容される。
2つの先端固定部材81d、82dが密着すると、隙間がなくなり、被検体内から先端把持部11Gを引き出すときに、異物OBを落とす可能性が低く、より確実に回収することができる。
本変形例も、上述した実施形態と同様の効果を生じる。
(第9実施形態)
第1から第8実施形態では、先端固定部材は、長手軸において固定され、あるいは長手軸に沿って進退可能であるが、本実施形態では、先端固定部材は、所定の軸に軸支され、所定の軸回りに回動可能である。
本実施形態の構成は、上述した第1から第8実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図56は、先端把持部11Hの斜視図である。先端口金16Bの先端側には、中間固定部材91が配設されている。中間固定部材91は、管状部材16Baを介して、先端口金16Bに固定されている。
先端可動部材15Hは、管状部材16Ba内に挿通されている。先端可動部材15Hの先端部は、傾斜部15Haを有している。先端可動部材15Hの基端部は、連結部材32を介してワイヤー33の先端に接続されている。先端可動部材15Hは、中間固定部材91の下方において、先端把持部11Hの長手軸に沿って進退可能に配置されている。
中間固定部材91は、先端側に上下方向に形成された溝91aを有している。先端固定部材14Hの基端部分14Haは、溝91a内に配置され、先端固定部材14Hは、支持軸92回りに、回動可能に軸支されている。支持軸92は、先端把持部11Hの長手軸に直交し、かつ溝91aの溝形成方向に直交する方向(左右方向)に配設されている。
先端固定部材14Hの先端部分14Hbは、下側に凹部14Hb1を有する蓋形状を有している。凹部14Hbの先端側下部には、基端側へ突出した突出部14Hb2が形成されている。
図57は、先端固定部材14Hの先端部分14Hbの基端側上部の拡大斜視図である。先端部分14Hbの基端側上部には、2つの軸受け部93が設けられている。2つの軸受け部93には、軸94が固定されている。各軸受け部93では、両側にEリング95が設けられ、軸94が抜けないようになっている。軸94は、先端把持部11Hの長手軸に直交し、かつ溝91aの溝形成方向に直交する方向に配設されている。
軸94には、牽引ワイヤー96の先端部分が固定されている。図57に示すように、牽引ワイヤー96は、軸94に巻かれ、カシメ部材97により固定されている。
図58は、先端把持部11Hの斜視図である。図58は、先端固定部材14Hが軸94回りに回動して、先端側が上方へ上がった状態を示す。牽引ワイヤー96が基端側へ引かれると、先端固定部材14Hは、軸94を回動中心として、先端側が上方へ上がるように、回動する。
(動作)
検査者は、牽引ワイヤー96を手元に引くと、図58のように先端固定部材14Hが上側に回動し、牽引ワイヤー96を押し出すと図56のようになる。
検査者は、図58の状態で、異物OBを覆うように、先端固定部材14Hを位置させる。その状態で、牽引ワイヤー96を押し出すと、図56のように先端固定部材14Hが下側に回動し、異物OBを凹部14Hb1内に位置させる。図59は、長手軸に沿った先端把持部11Hの断面図である。
その後、先端可動部材15Hを押し出すと、傾斜部15Haが異物OBを掬い上げるようにして異物OBを凹部14Hb1の突出部14Hb2上に乗り上げる。その結果、異物OBは、凹部14Hb1内の空間内に収容されるので、検査者は異物OBを確実に回収することができる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、本実施形態の処置具7は、異物OBを把持しやすく、把持後に収納し、落とさないので、確実に回収できる。
(第10実施形態)
第1から第9実施形態では、先端固定部材に対して先端可動部材を押し出し、その押し出す力により異物OBが挟持されるが、本実施形態では、異物OBは、磁石の力により、挟持される。
本実施形態の構成は、上述した第1から第9実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図60は、先端把持部11Iの分解組み立て図である。図61は、長手軸に沿った先端把持部11Iの断面図である。
先端把持部11Iは、円筒形状の先端固定部材14Iを有する。先端固定部材14Iは、周方向に沿って等間隔に形成された複数の開口部14Iaを有する。各開口部14Iaは、先端固定部材14Iの長手軸に沿った長孔である。すなわち、先端固定部材14Iは、複数の開口部が設けられた筒状部を有する。
パイプ101が、先端固定部材14Iの先端側に内挿されて接着剤などにより固定されている。円柱形状の磁石102が、パイプ101内部に接着剤などにより固定されている。すなわち、先端固定部材14Iは、筒状部の先端側に磁石102を有する。
パイプ103が、先端固定部材14Iの基端側に内挿されて接着剤などにより固定されている。
外シース16Cの先端部分は、パイプ103に外挿され、接着剤などにより固定されている。なお、外シース16Cに代えて、コイルシース16でもよい。ワイヤー33は、外シース16C内に挿通されている。ワイヤー33の先端は、有底のパイプ104の底部に接着剤などにより固定されている。パイプ104が、先端可動部材15Iを構成する。円柱形状の磁石105が、パイプ104の内部に接着剤などにより固定されている。
ワイヤー33が先端方向に押し出されると、磁石105は、パイプ104と共に先端方向に移動する。すなわち、磁石105は、ワイヤー33の進退に応じて進退する。よって、先端可動部材15Iは、先端固定部材14Iの筒状部内に挿通可能である。
なお、磁石102と105は、互いに磁力で引きつけるように配置されている。
(動作)
先端固定部材14Iは、筒形状であり、外周部に複数の開口部14Iaを有するので、検査者は、異物OBを複数の開口部14Iaの1つの中に入れるように、被検体内で先端固定部材14Iを位置させる。
異物OBが1つの開口部14Iaを通して、先端固定部材14Iの中に位置させた後、検査者がワイヤー33を押し出すと、2つの磁石102と105は、磁力により引き合う。その結果、異物OBは、互いに引き合う2つの磁石102と105により挟まれる。
よって、本実施形態の処置具7によれば、異物OBは磁力を用いてしっかりと把持される。特に、例え、異物OBが小さくでも、磁石により挟持されるので、さらに異物OBが金属であれば磁力により磁石102,105に引き寄せられるので、異物OBを回収するときに、落とす可能性が低くなる。
なお、上述した実施形態では、複数の開口部14Iaが、先端固定部材14Iに設けられているが、開口部は、1つでもよい。
さらになお、図60に二点鎖線で示すように、外シース16C内に吸引用のチューブ106を配置して、先端固定部材14I内を負圧にすれば、異物OBを吸引して、先端固定部材14I内に引き込むことができる。すなわち、先端把持部11Iは、先端固定部材14Iの筒状部内に連通する吸引管路としてのチューブ106を有してもよい。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
また、筒状形状のパイプに代えて、マルチルーメンチューブを用いてもよい。図62は、本実施形態の変形例に関わる先端把持部11I1の斜視図である。図63は、本実施形態の変形例に関わる長手軸に沿った先端把持部11I1の断面図である。
先端把持部11I1は、先端固定部材14Ixを有する。先端固定部材14Ixは、2つの管部を有するマルチルーメンチューブである。各管部の先端は、封止部材107により封止されている。
先端固定部材14Ixは、2つの管路108a、108bを有する。管路108a内には、ワイヤー33bの先端に固定されたパイプ104が挿通されている。ワイヤー33bの基端部分は、操作部12の近傍に配置され、検査者が進退させることができる。パイプ104内には、磁石105が内蔵されている。すなわち、管路108a内には、磁石105が長手軸に沿って進退可能に配置されている。
先端固定部材14Ixの一部に切り欠き部109が形成されている。管路108bの先端は、切り欠き部109に開口する開口部108cを有する。
管路108b内には、先端可動部材15とワイヤー33が挿通されている。ワイヤー33の先端の先端可動部材15は、開口部108cから突没可能に配置されている。
検査者は、異物OBを切り欠き部109に入れるように、被検体内で先端固定部材14Ixを位置させる。
異物OBが切り欠き部109内に位置させた後、検査者がワイヤー33を押し出すと、異物OBは傾斜部15aにより掬い上げられる。異物OBが金属製であるときは、ワイヤー33bを押し出すことにより、磁力により、掬い上げられた異物OBを切り欠き部109内にさらに収容しやすい。
よって、本変形例によっても、上述した実施形態と同様の効果を生じ得る。
(第11実施形態)
第1から第10実施形態では、先端固定部材に対して先端可動部材を押し出し、その押し出す力により異物OBが挟持されるが、本実施形態では、先端可動部材を引き込んだ後に押し出すようにして、異物OBは挟持される。
本実施形態の構成は、上述した第1から第10実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図64は、先端把持部11Jの斜視図である。図65は、長手軸に沿った先端把持部11Jの断面図である。先端口金16aの先端部に、先端固定部材14Jが固定されている。先端固定部材14Jは、一対の把持部材111、112を有する。把持部材111、112は、弾性を有する板状部材であり、互いに対向する曲げ部111a,112aを先端部に有する2つのアーム部を構成する。すなわち、先端固定部材14Jは、2つのアーム部と、2つのアーム部の先端側に設けられた2つの曲げ部111a,112aを有する。
コイルシース16の先端部には、先端口金16aが接続されている。先端口金16aの先端部に、一対の把持部材111、112の基部が接着剤などにより固定されている。
ワイヤー33は、コイルシース16内に挿通されている。ワイヤー33の先端には、パイプ113を介して、円筒形状の先端可動部材15Jが固定されている。先端可動部材15Jは、先端側が拡径した円筒形状を有する。先端可動部材15Jの先端側に凹部15Jaを有し、基端側に底部を有する。先端可動部材15Jの底部がパイプ113の先端部に接着剤などにより固定されている。円筒形状の先端可動部材15Jの外径は、一対の把持部材111、112の基端側の間隔よりも大きく、一対の把持部材111、112の先端側の間隔よりも小さい。すなわち、先端可動部材15Jは、一対の把持部材111、112の間に配置され、先端側が拡径した拡径部を有する。
先端可動部材15Jは、一対の把持部材111、112の間に、先端把持部11Jの長手軸に沿って進退可能に配置されている。
図64において、二点鎖線で示すように、各把持部材111、112は、片持ちバネであり、互いに近づく方向に応力が掛かっている。
しかし、点線で示すように、ワイヤー33を基端側に引いて、先端可動部材15Jを基端側に移動させると、一対の把持部材111、112は、そのバネ応力に抗って互いに離れる。図64及び図65は、一対の把持部材111、112がバネ応力に抗って互いに離れた状態を示す、先端把持部11Jの長手軸に沿った断面図である。図64及び図65において、点線で示すように、2つの把持部材111、112は、互いに離れる。すなわち、2つの把持部材111、112は、先端可動部材15Jの進退に応じて、開閉する。
(動作)
検査者は、ワイヤー33を基端側へ牽引し、一対の把持部材111、112を広げて、曲げ部111a,112aの間隔を大きくする。この状態で、図65に示すように、曲げ部111a,112aの間に異物OBを位置させる。
そして、ワイヤー33を先端側へ押し出すと、曲げ部111a,112aは、応力で異物OBが一対の把持部材111、112の間で囲まれると共に、先端可動部材15Jが異物OBに近づき、凹部15Ja内に入る。
図66は、一対の把持部材111、112がバネ応力により近づいた状態を示す、先端把持部11Jの長手軸に沿った断面図である。一対の把持部材111、112は、弾性により元の閉じた状態になる。
図67は、床面F上の異物OBを収容する状態を示す、先端把持部11Jの斜視図である。
検査者は、コイルシース16を軸回りに可動させることにより、一対の把持部材111、112の閉じる方向を、床面Fに平行にすることができる。一対の把持部材111、112を広げた状態で、床面F上の異物OBを一対の把持部材111、112の間に位置させる。
そして、検査者は、ワイヤー33を先端方向に押し出すと、異物OBは、凹部15Ja内に収容され、閉じた曲げ部111a,112aと凹部15Jaの間の閉じた空間内に異物OBを挟んで回収することができる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
なお、可動部材は、凹部を有さなくても、2つの曲げ部を有するようにしてもよい。
図68は、変形例に関わる先端把持部11J1の斜視図である。先端可動部材15Jbは、板状部材であり、両端部に曲げ部15Jbaが形成されている。先端可動部材15Jbは、2つの曲げ部15Jbaにより形成された先端側に凹部15Ja1を有している。
検査者は、先端可動部材15Jbを軸回りに回動させると、一対の把持部材111、112の2つの曲げ部111a,112aと、先端可動部材15Jbの2つの曲げ部15Jbaにより、異物OBを囲むようにして保持することができる。
図69は、変形例に関わる先端可動部材15Jbが軸回りに90度回動した状態を示す、先端把持部11J1の先端部分の斜視図である。
図70は、操作部における先端可動部材15Jbの回動操作部の斜視図である。
操作部12の摘まみ部材18に、コイルシース16の基端部に設けられた口金16xが固定される。
操作本体部材17Aは、先端側操作部材17Aaと、先端側操作部材17Aaの基端側に接続された基端側操作部材17Abとから構成される。先端側操作部材17Aaは、摘まみ部材18を介して口金16xが固定される。リング部材17Acが、先端側操作部材17Aaの基端部分に接着剤などにより固定されている。リング部材17Acは、基端方向に突出した一対の凸部17Ac1を有している。
基端側操作部材17Abは、先端側に切り欠き部17Adを有している。
図71は、先端側操作部材17Aaと基端側操作部材17Abの接続を説明するための図である。
リング部材17Acに対して先端側操作部材17Aaの基端部分の外径は、先端側操作部材17Aaの先端側部分の外径よりも、小さい。先端側操作部材17Aaの基端部分には、周溝17Aa1が形成されている。
基端側操作部材17Abの先端部分には、2つの切り欠き部17Ab1が形成されている。さらに、基端側操作部材17Abの先端部分には、ネジ止め用の孔17Ab2が形成されている。
先端側操作部材17Aaの基端部分は、基端側操作部材17Abの先端部分に内挿される。ネジ17Ab3を孔17Ab2にネジ込み、ネジ17Ab3の先端部分が周溝17Aa1内に配置されることにより、基端側操作部材17Abの先端部分は、先端側操作部材17Aaの基端部分から抜けないで、かつ長手軸回りに回動可能となる。
但し、2つの凸部17Ac1が、2つの切り欠き部17Adの内側に配置されるため、基端側操作部材17Abは、所定の角度範囲内でのみ回動可能となる。ここでは、所定の角度範囲は、例えば150度である。
よって、検査者は、基端側操作部材17Abの軸回りの回動に応じて、ワイヤー33が軸回りに回動する。そのため、上述した先端可動部材15Jbを軸回りに可動させることができる。
よって、本変形例によっても、上述した実施形態と同様の効果を生じ得る。
(第12実施形態)
第1実施形態では、コイルシース16の外周面が被検体内の内壁などに当たるが、本実施形態では、処置具は、コイルシース16を覆う外シースを有して、外シースの外周面が被検体内の内壁などに当たる処置具であり、さらに、先端固定部材は、ワイヤー33の進退に応じて、長手軸に沿って進退する。
本実施形態の構成は、上述した第1から第11実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図72は、処置具7の斜視図である。先端把持部11Kは、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kを有する。図73は、先端口金16Dの斜視図である。図74は、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kの先端口金16Dに対する位置を示す斜視図である。
先端固定部材14Kは、板状部材であり、先端部分が曲がった曲げ部14Kaを有している。先端固定部材14Kの基端部分は、コイルシース16内を通るワイヤー33に接続され、ワイヤー33の基端部は、操作部12のボタン21bにより、ハンドル19に固定されている。
コイルシース16は、外シース16Aa内に挿通されている。外シース16Aaは、摘まみ部材18によって、操作本体部材17に対して固定されている。
先端口金16Dが、コイルシース16の先端に固定されている。先端口金16Dは、基端部に基端側に、円筒状の段差部16Dcを有している。コイルシース16は、段差部16Dcに外挿されて接着剤などによって段差部16Dcに固定されている。
コイルシース16の基端部分は、操作本体部材17に設けられたコイルシース摺動操作部17bに接着剤などによって固定されている。
先端口金16Dは円柱形状を有する。先端口金16Dは、長手軸に沿って形成された孔16Daと、長手軸に沿って外周面に形成された溝16Dbを有する。先端固定部材14Kは、孔16Da内に挿通され、先端固定部材14Kの先端部分の曲げ部14Kaが先端側へ突出している。先端固定部材14Kの基端部は、ワイヤー33の先端部に固定されている。ワイヤー33の進退に応じて、先端固定部材14Kは、孔16Da内において進退可能である。
先端可動部材15Kは、溝16Dbにネジなどにより固定されている。先端可動部材15Kの先端部分は、先端固定部材14Kから離れるような曲げ癖が付けられている。溝16Dbは、板状部材である先端可動部材15Kを固定する固定部を構成する。
よって、先端固定部材14Kは、ハンドル19の進退操作に応じて、先端把持部11Kの長手軸に沿って進退する。また、コイルシース摺動操作部17bの進退に応じて、先端可動部材15Kは、コイルシース16と共に、進退する。すなわち、先端把持部11Kは、先端口金16Dを有し、先端口金16Dは、固定部材挿通孔としての孔16Daを有する。先端固定部材14Kは、孔16Da内において、長手軸に沿って進退可能である。
(動作)
検査者は、外シース16Aaの中に先端固定部材14Kなどが収容されている状態で、処置具7を被検体内に挿入する。外シース16Aaの中に先端固定部材14Kなどが収容されている状態で、先端把持部11Kは、異物OBの近傍に接近する。外シース16Aaの外周面は、被検体内の内壁に対して摩擦抵抗が少ないので、検査者は、スムーズに処置具7の先端把持部11Kを所望の位置へ近づけることができる。
図75から図77は、本実施形態の処置具による異物OBの回収方法を説明するための図である。図78から図80は、異物OBの把持の過程を説明するための先端把持部の長手方向における断面図である。
図75と図78は、先端固定部材14Kの曲げ部14Kaを、異物OBの奥側に位置させた状態を示す。
次に、検査者は、コイルシース摺動操作部17bを先端側に押し出して、先端可動部材15Kの先端部分を、異物OBの下へ滑り込ませて、異物OBを掬い上げる。
図76と図79は、先端可動部材15Kの先端部分が異物OBの下へ滑り込んで異物OBを掬い上げた状態を示す。この状態は異物OBを軽く支持した状態であり、完全に把持したものではなく、仮固定のようなものである。
次に、検査者は、ハンドル19を基端側へ引くと、先端固定部材14Kが基端側へ引かれて、先端固定部材14Kが先端口金16Dの孔16Da内を摺動して、曲げ部14Kaが先端可動部材15Kの方へ移動して、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kとによって異物OBが把持される。
図77と図80は、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kによって異物OBが把持された状態を示す。
異物OBは、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kによって確実に把持される。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、検査者は、外シース16Aaにより、先端把持部11Kを、異物OBの近くまで簡単に移動することができる。先端把持部11Kが異物OBの近傍に接近した後は、先端固定部材14Kと先端可動部材15Kの小さな進退操作により、異物OBを容易に把持することができる。外シース16Aaがあることで、複雑な曲がった形状の被検体中で異物OBを把持する場合、手元操作で先端可動部材15Kを先方に押し出すときに、先端固定部材14Kの異物OBに対する位置を変えず、また異物OBを移動させることなく先端固定部材14Kと先端可動部材15Kの間に確実に把持することが可能になる。外シース16Aaがないと、コイルシース16を押し出す操作をしても、確実にコイルシース16を押し出せず、先端固定部材14Kの位置が手元側に移動し、異物OBに当たり異物OBを移動させてしまったりして、把持できない可能性がある。
(第13実施形態)
第1から第12実施形態では、先端把持部の把持動作は、主に、操作部12の各操作部材を長手軸に沿った進退に応じて行われるが、本実施形態では、先端把持部の把持動作は、1つの操作部材の1つの回動操作に沿って行われる。
本実施形態の構成は、上述した第1から第12実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図81は、処置具7の操作部12Bの斜視図である。処置具7は、先端把持部11Lと、操作部12Bと、挿入部13とを有する。先端把持部11Lは、上述した第12実施形態の先端把持部11Kと同じ構成を有する。
操作部12Bは、直方体形状のケース131と、円板ハンドル132を有する。円板ハンドル132の一部は、ケース131の両側面部の2つの開口部131aから突出している。円板ハンドル132の外周面には、操作時に指が滑らないように、多数の凹凸形状が設けられている。円板ハンドル132は、点線で示すように、所定の軸回りに、回動可能となっている。
ケース131の長手軸方向の一面には、口金131bが設けられている。口金131bは、円筒形状を有し、外シース16Aaの基端部が固定されている。外シース16Aa内には、コイルシース16が挿通されている。
図82は、操作部12Bの分解組み立て図である。図83は、長手軸に沿った操作部12Bの部分断面図である。図84は、長手軸に沿った操作部12Bの部分断面図である。
図82は、ケース131内の部品の構成を示す。ケース131内には、円板ハンドル132の他に、円板状の口金封止板134が配置される。ケース131には、口金封止板134が配設される凹み133aが形成されている。凹み133aには、4つのネジ孔133a1が形成されている。
口金封止板134は、4つのネジ孔134aが形成されている。4つのネジ134bが4つのネジ孔134aを通して凹み133aの4つのネジ孔133a1に螺合することにより、口金封止板134は、凹み133aに固定されている。
口金封止板134の円板の中心部に、軸受134cが設けられている。
口金封止板134には、2つのスリット134d、134eが形成されている。口金封止板134が凹み133aに固定されたときに、各スリット134d,134eの長手軸が、後述する溝133dの長手軸に平行となるように、2つのスリット134d、134eが形成されている。
ケース131には、円板ハンドル132が配設される凹み133bが形成されている。円板ハンドル132は、円板の中心に、上下方向に突出した軸部132aを有している。円板ハンドル132が凹み133b内に配設されたとき、円板ハンドル132の下側の軸部132aが軸受134c内に入り込む。円板ハンドル132には、2つのカム溝132b、132cが形成されている。
ケース131には、蓋部材135が配置される段差部133cが形成されている。蓋部材135は、中央部が膨らんだ板状部材である。
蓋部材135には、4つのネジ孔135aが形成されている。4つのネジ135bが4つのネジ孔135aを通して段差部133cの4つのネジ孔133c1に螺合することにより、蓋部材135は、段差部133cに固定されている。
蓋部材135の略中央部に、軸受135cが設けられている。蓋部材135が段差部133c上に固定されたとき、円板ハンドル132の上側の軸部132aが軸受135c内に入り込む。
ケース131には、長手軸に沿った溝133dが形成されている。溝133dは、凹み133a、133b及び段差部133cに渡って形成されている。溝133dは、ケース131の長手軸の先端側に形成された口金131bの内側に連通している。
溝133dには、2つの口金136、137が、溝133d内を、長手軸に沿って摺動可能に配設されている。
口金136には、コイルシース16の基端部が固定されている。口金136は、ワイヤー33を挿通するための孔を有している。コイルシース16の先端には、先端口金16Dを介して、先端固定部材14Kが接続されている。
口金137には、ワイヤー固定部材137bにより、ワイヤー33の基端が固定されている。ワイヤー33は、口金136の孔を通って、コイルシース16内に挿通されている。ワイヤー33の先端は、先端固定部材14Kの基端部に接続されている。
口金136と137には、それぞれ上方に突出したピン136a、137aが設けられている。ピン136aは、スリット134d内に入り込み、ピン137aは、スリット134e内に入り込む。
さらに、ピン136aは、スリット134dを通ってカム溝132b内に入り込み、ピン137aは、スリット134eを通ってカム溝132c内に入り込むように、円板ハンドル132は、蓋部材135と口金封止板134の間に配設される。以上のように、口金136は、カム溝132bに係合するピン136aを有し、先端可動部材15Kに接続されている。口金137は、カム溝132cに係合するピン137aを有し、先端固定部材14Kに接続されている。
図85は、円板ハンドル132に形成された2つのカム溝132bと132cの形状を説明するための図である。図85は、初期状態を示し、ピン136aは、カム溝132bの一端部に位置し、ピン137aは、カム溝132cの一端部に位置している。
点線で示すように、検査者により円板ハンドル132が反時計回りに回動されると、ピン136aは、カム溝132bに沿って、移動し、最後は、カム溝132bの他端部で停止する。すなわち、ピン136aがカム溝132bの他端部に当接して、円板ハンドル132は、それ以上は回動不可となる。円板ハンドル132は、軸部132aを中心に角度θ1だけ回動する。ピン136aがカム溝132bに沿って移動しているとき、ピン136aの回転半径r1は大きくなるように変化する。
カム溝132bは、円板ハンドル132を上方から見たときに円弧形状を有している。その円弧の中心は、円板ハンドル132の軸部132aから、溝133dの基端方向にずれた位置にある。そのため、ピン136aがカム溝132bに沿って移動すると、口金136とコイルシース16は、溝133dの先端方向に移動する。
ピン136aがカム溝132bに沿って移動するとき、ピン137aは、カム溝132cに沿って、移動し、最後は、カム溝132cの他端部で停止する。
カム溝132cは、第1溝領域132c1と第2溝領域132c2を有する。第1溝領域132c1は第1円弧形状を有し、第2溝領域132c2は第2円弧形状を有する。第1円弧の中心は、円板ハンドル132の軸部132aの中心と一致している。ピン137aが第1溝領域132c1内を移動するとき、ピン137aの回転半径r2は一定である。このとき、円板ハンドル132は、軸部132aを中心に角度θ2だけ回動する。
第2円弧の中心は、円板ハンドル132の軸部132aの中心から、溝133dの先端方向にずれた位置にある。ピン137aが第2溝領域132c2内を移動するとき、ピン137aの回転半径r3は大きくなるように変化する。このとき、円板ハンドル132は、軸部132aを中心に角度θ3だけ回動する。ここで、r1>r3であり、θ1=θ2+θ3である。
そのため、ピン137aが第1溝領域132c1に沿って移動するとき、口金137とワイヤー33は、移動しない。ピン137aが第1溝領域132c1に沿って移動した後、ピン137aが第2溝領域132c2に沿って移動するとき、口金137とワイヤー33は、溝133dの基端方向に移動する。以上のように、円板ハンドル132は、所定の軸回りに回動可能であり、先端可動部材15Kを先端側へ移動させるカム溝132bと、先端固定部材14Kを基端側へ移動させるカム溝132cとを有する回動操作部材を構成する。
(動作)
検査者は、処置具7を被検体内に挿入し、先端把持部11Lを異物OBの近傍に位置させる。異物OBを先端可動部材15Kの先端側に位置させた状態で、円板ハンドル132を回動させると、ピン137aが第1溝領域132c1内を移動している間、ピン137aは動かず、ピン136aが溝132b内を移動するため、その結果、先端口金16Dが先端方向に移動して、コイルシース16だけが先端方向Aに移動し、把持部が閉じて、異物OBを軽く把持する。このときのコイルシース16の押し出し量d1は、おおよそ(r1-r2)×(θ2/θ1)となる。
その後、さらに、円板ハンドル132を回動させると、ピン137aが第2溝領域132c2内を移動している間、ピン137aは基端方向に移動する。その結果、先端固定部材14Kは、基端方向Bに移動し、異物OBを先端可動部材15Kとの間で強く把持する。すなわち、円板ハンドル132が所定の軸回りに所定の方向に回動したとき、ピン136aがカム溝132bに係合して先端可動部材15Kを先端方向に移動し、ピン137aがカム溝132cに係合して先端固定部材(14K)を基端方向に移動する。このときのコイルシース16の押し出し量d2は、おおよそ(r1-r2)×(θ3/θ1)となり、ワイヤー33の牽引量d3は、(r3-r2)となる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する先端把持部11Lの位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、簡単な操作でコイルシース16とワイヤー33の操作を行うことができ、異物回収の操作が容易となる。
(第14実施形態)
第12実施形態では、共に板状の先端固定部材と可動部材は、対向する面同士が接近するようにして異物OBを挟持しているが、本実施形態では、先端固定部材の板状の2つのアーム部が並んで配置され、2つのアーム部の互いに反対側の2つの面により、異物OBが挟持される。
本実施形態の構成は、上述した第1から第13実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図86は、本実施形態の先端把持部11Mの斜視図である。図86は、異物OBを把持していないときの先端把持部11Mを示す。
コイルシース16の先端には、口金16Eが固定されている。口金16Eには、内側に扁平なパイプ状の先端可動部材15Mが接着剤などにより固定されている。図87に示すように、先端可動部材15Mは、板状の先端固定部材14Mの形状に合わせて潰れた形状の孔15Maを有している。先端固定部材14Mは、孔15Ma内に摺動可能に挿通されている。以上のように、先端可動部材15Mは、先端把持部11Mの長手軸に沿って進退可能で、長手軸に沿って形成された孔15Maを有する。
パイプ状の先端可動部材15M内には、板状の先端固定部材14Mが挿通されている。先端固定部材14Mは、板状部材であり、先端部分は長手軸に沿ってカットされている。カットされて形成された板状の2つのアーム部121,122は、それぞれの先端側に、曲げ部121a,122aを有している。曲げ部121aと122aは、互いに反対方向に曲げられている。
2つのアーム部121,122は、先端固定部材14Mの長手軸に直交しかつ先端固定部材14Mの平面部に平行な方向からみたときに、先端固定部材14Mの長手軸に対して互いに逆方向に曲がるように、曲げ癖が予め付けられている。すなわち、アーム部121,122は、互いに別の方向(反対方向)に曲がっている。
曲げ部121aと122aは、先端固定部材14Mの長手軸に直交しかつ先端固定部材14Mの平面部に平行な方向からみたときに、先端固定部材14Lの長手軸側に曲がるように形成されている。
先端固定部材14Mの基端部分は、ワイヤー33を介してハンドル19に固定されている。よって、操作部12の長手軸に沿ったハンドル19の進退に応じて、先端固定部材14Mは、先端可動部材15Mの長手軸に沿って進退する。
コイルシース16の基端部分は、操作本体部材17に設けられたコイルシース摺動操作部17bに接着剤などによって固定されている。よって、操作部12の長手軸に沿ったコイルシース摺動操作部17bの進退に応じて、コイルシース16は、外シース16Aa内で進退する。
(動作)
検査者は、外シース16Aaを移動させて、先端把持部11Mを異物OBの近傍に位置させる。
検査者は、図86において点線の矢印で示すように、操作部12のコイルシース摺動操作部17bを押し出すことで、コイルシース16を、先端方向へ押し出すことができる。先端可動部材15Lも先端方向に押し出される。そして、ハンドル19を手前に引くことにより、図87において、点線の矢印で示すように、先端固定部材14Mは基端側へ引っ張られ、アーム部121,122を閉じることができる。図87は、ハンドル19を手前に引かれたときの先端把持部11Mを示す。
検査者は、異物OBを曲げ部121aと122aの間に位置させて、先端可動部材15Mも先端方向に押し出して、2つのアーム部121,122により異物OBを軽く把持した後、ハンドル19を手前側へ引く。ハンドル19を手前側へ引き込んだときに、アーム部121,122が閉じて、異物OBは、手前に引き込まれながらしっかりと把持される。その結果、図87に示すように、異物OBが細長い金属片のような異物OBaであっても、簡単に異物OBaを把持した後、手元のハンドル19を引くことで先端口金16D側に強力に引き込まれ、把持した金属片は強固に固定される。
アーム部121,122の先端部分で、異物OBを軽く掴むときの先端把持部11Mは、コイルシース16の押し出しにより先端位置が変わらず、確実に異物OBを把持可能である。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、先端把持部11Mの2つのアーム部121,122により、把持時の先端位置を維持しながら強固に異物OBが挟持されるので、異物OBを落としにくい。
(第15実施形態)
第12実施形態では、板状の先端固定部材が基端側へ引かれることにより、先端固定部材と可動部材の間に異物OBが挟持されるが、本実施形態では、ワイヤーを押し出したときに、対向する2つの板状部材の面同士が接近するようにして異物OBを挟持する。
本実施形態の構成は、上述した第1から第14実施形態の構成とほぼ同じ構成要素を含むため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図88は、本実施形態の処置具7の斜視図である。図89と図90は、長手軸に沿った先端把持部11Nの断面図である。
コイルシース16は、外シース16Aa内に挿通されている。さらに、内シース16Fが、コイルシース16内に挿通されている。コイルシース16は、コイルシース摺動操作部17bに固定されている。
内シース16Fの先端部分の内側には、2つのアーム部材123,124の基端部が接着剤などにより固定されている。各板状のアーム部材123,124は、弾性を有する板状部材である。アーム部材123,124は、それぞれ先端部に曲げ部123a,124aを有している。2つの曲げ部123a,124aは互いに先端側が近づくように曲がっている。2つのアーム部材123,124は、互いに対向する一部に突起123b,124bを有している。すなわち、2つの突起123b、124bは、それぞれ2つのアーム部材123,124に対向するように設けられている。2つのアーム部材123,124が、異物OBを把持する先端把持部11Nを構成する。
内シース16F内には、ワイヤー33が挿通されている。ワイヤー33は、先端部分に、拡径部125を有している。拡径部125は、基端側にテーパ部を有している。ワイヤー33が、先端把持部11Nの長手軸に沿って進退可能で、先端に拡径部125を有する先端可動部材を構成する。2つのアーム部材123,124は、先端可動部材であるワイヤー33を挟むように配置されている。
内シース16Fの外側にはコイルシース16が設けられ、内シース16Fは、コイルシース16の内部を摺動可能である。先端把持部11N(2つのアーム部材123,124)がコイルシース16の内部に収納可能である。
以上のように、2つのアーム部材123,124は、拡径部125が前記2つの突起123b、124bに対して先端側にあるときには、2つのアーム部材123,124は閉じ、拡径部125が前記2つの突起123b、124bの間にあるときには、2つのアーム部材123,124は開くように、構成されている。
(動作)
ワイヤー33が先端把持部11Nの長手軸において先端側に押し出されているとき、図89に示すように、拡径部125は、2つの突起123b、124bよりも先端側に位置する。検査者は、ハンドル19を手前側に引くと、ワイヤー33が先端把持部11Nの長手軸の基端側に引っ張られる。その結果、図90に示すように、拡径部125は、2つの突起123b、124bの間に入り込み、2つのアーム部材123,124を互いに離間させる。言い換えれば、拡径部125は、2つの突起123b、124bに当たり、2つのアーム部材123,124の間を押し広げる。
検査者は、先端把持部11N(2つのアーム部材123,124)をコイルシース16の内部に収納した状態で、外シース16Aaの先端を、異物OBの近傍に近づける。
検査者は、ワイヤー33を基端側に引くことにより、先端の把持部(2つのアーム部材123,124の先端部)を開いて、2つのアーム部材123,124の間に異物OBを位置させる。
その状態で、検査者は、ワイヤー33を基端側に先端側に押し出すことにより、先端の把持部(2つのアーム部材123,124の先端部)を閉じることにより、異物OBを把持部により把持することができる。このとき、異物OBが軽く把持される。その状態で、コイルシース16をコイルシース摺動操作部17bで押し出すことにより、コイルシース16の先端部分が把持部(2つのアーム部材123,124)の外周部分を覆うことにより、異物OBは、強く把持される。
その後、コイルシース16を外シース16Aa内に収容してから、先端把持部11Nを被検体外へ取り出すことができる。
以上のように、上述した実施形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な可能な処置具を提供することができる。
特に、先端把持部11Nの2つのアーム部材123,124により、強固に異物OBが挟持されるので、異物OBを落としにくい。
(第16実施形態)
第14実施形態では、ハンドル19を手前に引くと、先端固定部材14Mの2つのアーム部121,122が閉じて異物OBを挟むが、本実施形態では、ハンドル19を手前に引くと、先端可動部材が異物OBを円筒状のシースの先端に向けて引き寄せ、先端可動部材の曲げ部とシースの先端面との間に異物OBが挟まれる。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図91は、本実施形態の先端把持部11Oの斜視図である。図92は、本実施形態の、長手軸に沿った先端把持部11Oの断面図である。
細長のシース141は、円筒形状を有し、長手軸方向に沿って、仕切り壁141aを有している。シース141の基端は、操作部12に接続されている。シース141は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。シース141内の仕切り壁141aの片側の空間Sp1内には、先端可動部材15Nの一部が挿通されている。シース141は、先端可動部材15Nが挿通している空間Sp1とは別のもう一つの空間Sp2を有する。シース141の長手軸に直交する、空間Sp1の断面積は、空間Sp2の断面積よりも小さい。
シース141の先端は、図92に示すように、斜めにカットされた形状を有する。さらに、シース141の先端側の縁部には、2つの切り欠き141bが形成されている。図91に示すように、2つの切り欠き141bは、シース141の先端の傾斜部に形成されている。
先端可動部材15Nは、板状部材であり、先端にフック部15Naを有する。先端可動部材15Nの基端は、ワイヤー33の先端に固定されている。フック部15Naは、2段階に折り曲げられたフック形状を有している。1段目の折り曲げ部分15Na1は、先端可動部材15Nの長手軸に対して90度以上曲げられ、2段目の折り曲げ部分15Na2は、先端可動部材15Nの先端部分が先端可動部材15Nの長手軸に平行な方向に向くように折り曲げられている。すなわち、先端可動部材15Nの先端部分は、先端可動部材15Nの先端がシース141の先端開口に向かうように、2回折り曲げられている。シース141の先端の傾斜部は、フック部15Naの内側に対向するように形成されている。
図92に示すように、仕切り壁141aは、シース141の中心軸近傍にかつ中心軸に沿って形成されている。仕切り壁141aは、先端可動部材15Nが、空間Sp1内で先端可動部材15Nの長手軸回りに回動しないように、シース141内に形成されている。
なお、本実施形態は、先端可動部材15Nの基端にワイヤー33を接続した構造であるが、先端可動部材15Nを基端部分のハンドル19まで伸ばして、その基端部分をハンドル19に固定しても良い。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、異物OBを先端可動部材15Nのフック部15Naに引っ掛けるように、処置具7の先端を位置させる。
異物OBがフック部15Naに引っかかった状態で、検査者が操作部12のハンドル19を手前に引いてワイヤー33を引っ張ると、異物OBは、シース14の先端に向かって移動する。異物OBがシース141の先端の傾斜部に当接すると、図92に示すように、異物OBは、フック部15Naの内側とシース141の傾斜部との間で挟まれて把持される。
特に、異物OBが図91及び図92に示すような細長のネジのような物であるとき、異物OBは、2つの切り欠き141bに入り込み、しっかりと把持される。図93は、異物OBが2つの切り欠き141bに入り込んでいる状態を示す、先端把持部11Oの断面図である。このとき、フック部15Naの折り曲げ部分15Na2は、空間Sp2内に入り込む。
なお、異物OBが柔らかい物であれば、異物OBは、空間Sp2内に一部が入り込むようにして把持される。
よって、本実施形態によれば、簡単な構造で、異物OBを把持可能でかつ把持後に異物OBを落としにくい処置具を実現することができる。
また、本実施形態の処置具7を内視鏡2と組み合わせて使用する場合、シース141の空間Sp2に細径の内視鏡を挿入し、内視鏡2をシース141の先端に位置させて、内視鏡画像により検査対象物内を観察しながら異物OBにアクセスするようにしても良い。この場合、内視鏡2をシース141の先端から突出させたり、シース141の内部に引き込んだりしながら、確実に異物OBがシース141の先端や空間Sp2の内部に入っていることを確認できるメリットがある。
(第17実施形態)
第16実施形態では、異物OBは、先端可動部材15Nのフック部15Naとシース141の先端の傾斜部との間に把持されるが、本実施形態では、異物OBは、弾性を有する複数の板状部材を有する先端可動部材により把持され、かつ筒状部材内に収納される。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図94は、本実施形態の先端把持部11Pの斜視図である。図94に示すように、先端可動部材15Oは、先端部分に、複数(ここでは3つ)のアーム142を有する。ここでは、先端可動部材15Oは、3つのアーム142とパイプ形状部143を有する。各アーム142は、細長の板形状を有する。ここでは、3つのアーム142は、円筒状の1つの金属製(例えばステンレス製)のパイプ部材の先端側からパイプ部材の長手軸方向に沿って、パイプ部材の長手軸回りに均等になるように3箇所に切り込みを入れ、その後各アーム142を略平らな板状になるように変形するように加工することで形成される。3つのアーム142が先端可動部材15Oを構成する。そして、パイプ形状部143は、円筒状の1つのパイプ部材の3つの切り込みが入っていない基端側部分である。
なお、ここでは、3つのアーム142とパイプ形状部143は、1つのパイプから形成されているが、パイプ形状部143に相当するパイプ部材の先端側に、3つのアーム142に相当する3つの板状部材を溶接などにより固定して、先端可動部材15Oを形成するようにしてもよい。パイプ形状部143の基端には、ワイヤー33の先端が接着剤などにより固定されている。
よって、3つのアーム142は、パイプ形状部143の周方向に沿って配置され、かつ各アーム142は、パイプ形状部143からパイプ形状部143の長手軸に沿って先端方向に伸びるように形成されている。各アーム142の先端には、内径方向に折り曲げられたフック部142aが形成されている。3つのアーム142が、異物OBを把持する把持部を構成する。その把持部は、先端部分が3つの分かれた板状部材を有し、各板状部材の先端には、フック部142aを有する。
さらに、各アーム142には、先端側部分が開くように、曲げ癖が付けられている。図94に示すように、各アーム142には、3つのアーム142の3つの先端側部分が互いに離れるように曲げ癖が付けられている。後述するように、3つのフック部142aは、3つのアーム142の先端部分が閉じたときに、パイプ形状部143の軸方向(すなわち内径方向)に向かうように形成されている。
先端可動部材15Oのパイプ形状部143は、シース144内に挿通されている。シース144の基端は、操作部12に接続されている。シース144は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。シース144の先端には、円筒形の筒状部材145が接続されて固定されている。筒状部材145は、柔軟性を有し、かつ弾性を有する。筒状部材145は、例えばウレタン樹脂製である。筒状部材145の先端側部分には、周方向に沿って、複数の切り込み145aが、筒状部材145の中心軸方向に沿って形成されている。
図94に示すように、ハンドル19が操作されてワイヤー33が先端側に押し出されて筒状部材145の外側にあるとき、3つのアーム142は、筒状部材145の先端側において互いに離れるように開いている。後述するように3つのアーム142が筒状部材145の内側に引き込まれとき、3つのアーム142の先端部分は閉じる。3つのアーム142は、ワイヤー33の進退により、シース144内を進退する。
(動作)
図95は、本実施形態の、異物OBを把持した状態を示す、先端把持部11Pの斜視図である。検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、3つのアーム142の内側に異物OBを位置させる。
3つのアーム142の内側に異物OBを位置させた状態で、検査者がハンドル19を手前に移動させてワイヤー33を引っ張ると、3つのアーム142は、閉じながら筒状部材145の内側に引き込まれる。異物OBは、3つのアーム142の先端部分によって、3つのアーム142の内側に把持されて、筒状部材145の内側へ引き込まれる。
ワイヤー33をさらに引っ張ると、図95に示すように、異物OBが3つのアーム142に把持され、かつ筒状部材145の内側に入り込んでしっかりと収納される。筒状部材145の先端部分は、内側に入り込んだ異物OBにより、切り込み145aの部分が開く。すなわち、筒状部材145の先端側分は、異物OBのサイズに応じて拡径する。
3つのアーム142には拡径した部分の形状を戻そうとする力が発生し、筒状部材145は、内側に収容された異物OBを包み込むようにしっかりと固定する。
よって、本実施形態によれば、ワイヤー33を引いて手前に引くと、3つのアーム142が閉じて異物OBを把持し、その後、異物OBは、筒状部材145内にしっかりと固定されて収容される。
特に、3つのアーム142は、閉じるようにして異物OBを把持するので、周囲の壁、床などの物体に接触する頻度が少なく、複雑な形状の異物OBを把持できると共に、筒状部材145内に異物OBを収容するので、一旦把持した異物OBを落としにくい。
なお、本実施形態では、3つのアーム142の先端のフック部142aの曲げ方向は、パイプ形状部143の内径方向に向くように設定されていて、その3つのフック部142aの位置は、シース144の長手軸方向において同じ位置であるが、把持する異物OBの形状やサイズに応じて、シース144の長手軸方向における3つのフック部142aの3つの位置の少なくとも1つは、他のアーム142の位置に対してずれていても良い。複数のアーム142の少なくとも1つのシース144の長手軸方向における位置を他のアーム142の位置からずらすことで、把持するときの複数のアーム142のシース144の長手軸方向に直交する方向の隙間を少なくして、より小さい異物OBを、把持しやすくすることができる。
(第18実施形態)
第16実施形態では、異物OBは、先端可動部材のフック部とシースの先端の傾斜部との間に把持されるが、本実施形態では、異物OBは、変形可能な固定部と先端可動部材のフック部との間で把持される。
本実施形態の構成は、上述した第1実施形態及び第16実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図96は、本実施形態の処置具7の斜視図である。図96の下側は、先端把持部11Qを示す。処置具7は、細長のシース151を有する。細長のシース151は、円筒形状を有し、長手軸方向に沿って、仕切り壁151aを有している。シース151の基端は、操作部12に接続されている。シース151は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。シース151内の仕切り壁151aの片側の空間Sp1内には、先端可動部材15Pが挿通されている。
先端可動部材15Pは、板状部材であり、先端部分にフック部15Paを有する。先端可動部材15Pの基端は、ワイヤー33の先端に接続されている。よって、検査者は、操作部12のハンドル19を進退させることによって、長手軸に沿って先端可動部材15Pを進退させることができる。フック部15Paは、2段階に折り曲げられたフック形状を有している。すなわち、先端可動部材15Nは、先端にフック部15Paを有している。1段目の折り曲げ部分15Pa1は、先端可動部材15Pの長手軸に対して直角に曲げられ、2段目の折り曲げ部分15Pa2は、先端可動部材15Pの先端が先端可動部材15Pの長手軸に平行な方向に向くように、1段目の折り曲げ部分15Pa1に対して直角に折り曲げられている。すなわち、先端可動部材15Pの先端部分は、先端可動部材15Pの先端が基端方向に向くように、2回折り曲げられている。
シース151の先端には、固定部152がさらに設けられている。固定部152は、支持板152aと、可動板152bを有する。シース151は、先端可動部材15Pが挿通している空間Sp1とは別のもう一つの空間Sp2を有する。空間Sp1と空間Sp2は、仕切り壁151aにより分けられている。空間Sp2内には、板状の可動板152bが挿通されている。支持板152aは、金属製(例えばステンレス製)の板状部材であり、弾性を有する。支持板152aの長手軸がシース151の長手軸に平行になるように、支持板152aの基端部は、シース151の先端部分の外周面に接着、溶接などにより固定されている。支持板152aの先端は、接続口金152cにより、可動板152bの先端に固定されている。可動板152bは、金属製(例えばステンレス製)の細長い板状部材であり、弾性を有する。可動板152bは、シース151内に挿通されており、操作部12まで延出している。
接続口金152cは、例えば、角筒形状(あるいは有底の角筒形状)の金属製の部材であり、支持板152aの先端部分と可動板152bの先端部分を内側で保持する。例えば、支持板152aの先端部分と可動板152bの先端部分を接続口金152cの内側に嵌入した後に外側からの力によりカシメ加工されて、支持板152aの先端部分と可動板152bの先端部分は接続口金152cに固定される。
本実施形態の処置具7の操作部12は、ワイヤー33が接続されたハンドル19と、固定部位置決め部153を有する。固定部位置決め部153は、位置決め部材153aと、位置固定用のピン153bとを含む。ピン153bは、例えば、棒状部材であるが、ネジでもよい。
可動板152bの基端は、位置決め部材153aの内側に溶接、接着などにより固定されている。
位置決め部材153aは、操作本体部材17を外周面上において操作本体部材17の長手軸に沿って摺動可能な形状を有している。位置決め部材153aは、例えば、図96に示すように、コの字の形状を有し、そのコの字形状の内側に操作本体部材17が配置可能となっている。なお、位置決め部材153aは、操作本体部材17の外周部を囲む円筒形状を有していてもよい。
操作本体部材17には、操作本体部材17の長手軸に沿って設けられた複数の孔17cが形成されている。上述したピン153bは、位置決め部材153aの外側から内側に向かって押し込まれる、ピン153bの先端部分が各孔17cに嵌入可能となっている。よって、ピン153bが嵌入する孔17cの位置を変更すると、操作本体部材17の長手軸方向における位置決め部材153aの位置が変更される。
(動作)
検査者は、異物OBを見つけたとき、把持する異物OBのサイズあるいは形状に応じて固定部152の必要な湾曲形状あるいは可動板152bの先端部分の必要な傾きを変更する。例えば、複数の孔17cの内、操作本体部材17の最も先端側の位置の孔17cにピン153bを嵌入すると、シース151の先端開口からの可動板152bの先端方向への突出量は、最も大きい。また、複数の孔17cの内、操作本体部材17の最も基端側の位置の孔17cにピン153bを嵌入すると、シース151の先端開口からの可動板152bの先端方向への突出量は、最も小さい。ピン153bをいずれの孔17cにも嵌入しなければ、可動板152bの弾性により、図96に示すように、可動板152bはまっすぐに伸びた状態となる。
図97は、固定部152の変形した状態の先端把持部11Qの一例を示す図である。図97は、可動板152bが先端方向に突出した結果、支持板152aと可動板152bが変形して、接続口金152cが先端可動部材15Pから離れる方向に移動した状態を示している。
可動板152bがシース151の先端側に押し出されると、可動板152bの先端は、接続口金152cを先端方向に押す。しかし、接続口金152cは、支持板152aの先端にも固定されているため、可動板152bの先端の接続口金152cは、シース151の外径方向に移動する。
図97に示すように、可動板152bが先端方向に押し出されると、固定部152は、湾曲する。固定部152の湾曲形状は、可動板152bの押し出し量に応じて変わる。よって、可動板152bの押し出し量を大きくすれば、固定部152は、大きく湾曲する。固定部152が湾曲すると、可動板152bの表面152b1は、先端可動部材15Pのフック部15Paの基端側面15Pa3に対向する。可動板152bの押し出し量は、操作本体部材17の長手軸方向における位置決め部材153aの位置によって変更可能である。可動板152bの押し出し量が多ければ多いほど、先端可動部材15Pのフック部15Paの基端側面15Pa3に対向する表面152b1の面積が増える、あるいはシース151の中心軸に対する可動板152bの表面152b1の傾きが大きくなる。
よって、検査者は、異物OBのサイズに応じて、可動板152bの押し出し量を調整することによって固定部152の湾曲量を調整する。そして、異物OBをフック部15Paと固定部152の間に位置させた状態で、二点鎖線で示すように、ハンドル19を操作して先端可動部材15Pを基端側に移動させると、異物OBをフック部15Paと固定部152の間でしっかりと把持することができる。
本実施形態によれば、異物OBの大きさあるいは形状に応じて、固定部152の湾曲形状あるいは可動板152bの先端部分の傾きを変更することができるので、種々の異物を把持し易い。
(第19実施形態)
第18実施形態の処置具は、処置具7の側方に位置する異物OBを、先端可動部材のフック部15Paと固定部152との間で把持することができるが、本実施形態の処置具は、処置具7の側方で異物OBを把持するだけでなく、処置具7の前方で異物OBを保持することも可能である。
本実施形態の構成は、上述した第1及び第18実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図98は、本実施形態の先端把持部11Rの斜視図である。細長のシース155は、円筒形状を有し、長手軸方向に沿って、仕切り壁155aを有している。シース155の基端は、操作部12に接続されている。シース155は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。シース155内の仕切り壁155aの片側の空間Sp1内には、先端可動部材15Qが挿通されている。仕切り壁155aは、板状の先端可動部材15Qが空間Sp1内で先端可動部材15Qの長手軸回りに回動しないように、シース155内に形成されている。
先端可動部材15Qは、ワイヤーであり、先端に可動部15Qaを有する。先端可動部材15Qの基端は、ワイヤー33の先端に固定されている。よって、検査者は、ハンドル19を進退させることによって、長手軸方向に沿って先端可動部材15Qを進退させることができる。なお、先端可動部材15Qは、ワイヤー33の先端部分であってもよい。
先端可動部材15Qの可動部15Qaは、板状部材であり、接続部15Qa1、傾斜部15Qa2及び把持部15Qa3を有する。接続部15Qa1は、先端可動部材15Qの先端に接続されて固定されている部分である。傾斜部15Qa2は、接続部15Qa1と把持部15Qa3との間の部分であり、接続部15Qa1の表面と把持部15Qa3の表面に対して所定の角度で傾斜している部分である。
シース155の先端には、固定部156が設けられ固定されている。固定部156は、支持板156aと、可動板156bを有する。シース155は、先端可動部材15Qが挿通している空間Sp1とは別のもう一つの空間Sp2を有する。空間Sp1と空間Sp2は、仕切り壁155aにより分けられている。空間Sp2内には、板状の可動板156bが挿通されている。支持板156aは、金属製(例えばステンレス製)の板状部材であり、弾性を有する。支持板156aの長手軸がシース155の長手軸に平行になるように、支持板156aの一端は、シース155の先端部分の外周面に接着、溶接などにより固定されている。支持板156aの先端は、接続口金156cにより、可動板156bの先端に固定されている。可動板156bは、金属製(例えばステンレス製)の細長い板状部材であり、弾性を有する。可動板156bは、シース155内に挿通されており、操作部12まで延出している。
接続口金156cは、例えば、角筒形状(あるいは有底の角筒形状)の金属製の部材であり、支持板156aの先端部分と可動板156bの先端部分を内側で保持する。例えば、支持板156aの先端部分と可動板156bの先端部分を接続口金156cの内側に嵌入した後に外側からの力によりカシメ加工されて、支持板156aの先端部分と可動板156bの先端部分は接続口金156cに固定される。
支持板156aの先端部分には、接続口金156cの近傍に孔157が形成されている。可動板156bの先端部分にも、接続口金156cの近傍に孔158が形成されている。2つの孔157,158は、先端可動部材15Qが挿通可能なサイズを有する。
本実施形態の処置具7の操作部12は、ワイヤー33が接続されたハンドル19と、固定部位置決め部153(図96)を有する。可動板156bの基端は、位置決め部材153aの内側に溶接、接着などにより固定されている。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、異物OBを見つけたとき、把持する異物OBの位置に応じて固定部156の形状を変更する。異物OBを処置具7の前方において把持するときは、図98のように、可動板156bの長手軸がシース155の長手軸に略平行になるように、ピン153bが嵌入する1つの孔17cを選択する。異物OBを処置具7の側方において把持するときは、図99のように、可動板156bの先端部分がシース155の長手軸に略直交するように、ピン153bが嵌入する1つの孔17cを選択する。
図99は、可動板156bを基端方向に引き込んだ状態における、本実施形態の先端把持部11Rの斜視図である。
図98の状態で、ハンドル19を手前に引くと、二点鎖線で示すように、可動部15Qaは支持板156a及び接続口金156cの方へ移動する。その結果、処置具7の前方にある異物OBは、可動部15Qaの把持部15Qa3と、支持板156a又は接続口金156cとの間で、把持される。
図99の状態で、ハンドル19を手前に引くと、二点鎖線で示すように、可動部15Qaは支持板156a及び接続口金156cの方へ移動する。その結果、処置具7の側方にある異物OBは、可動部15Qaの把持部15Qa3と、支持板156a又は接続口金156cとの間で、把持される。
なお、ピン153bが嵌入する孔17cの選択によっては、斜め前方の異物OBを把持できるように、固定部156を湾曲させることも可能である。
本実施形態によれば、異物OBを把持するときの可動部15Qa及び固定部156の姿勢を変更することができるので、異物OBを回収し易い。
(第20実施形態)
第16実施形態の処置具では、先端可動部材だけが基端側に移動し、異物OBは、移動する先端可動部材のフック部15Naとシース141の先端部との間で把持されるが、本実施形態の処置具では、先端可動部材のフック部は基端側に移動し、そのフック部に対向する先端固定部は先端側へ移動するようにして、異物OBはフック部と先端固定部とにより把持される。
本実施形態の構成は、上述した第1の実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図100は、本実施形態の処置具の斜視図である。処置具7は、細長のシース161と、シース161の基端に設けられた操作部12を有する。シース161の先端には、先端把持部11Sが設けられている。細長のシース161は、円筒形状を有し、内部に長手軸方向に沿った仕切り壁161aを有している。シース161の基端は、操作部12に接続されている。シース161は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。シース161内の仕切り壁161aの片側の空間Sp1内には、先端可動部材15Rが挿通されている。シース161は、先端可動部材15Rが挿通している空間Sp1とは別のもう一つの空間Sp2を有する。空間Sp2内には、板状の先端固定部材162が挿通されている。先端固定部材162は、後述するように異物OBを把持するときに、先端方向へ移動する移動部材である。
仕切り壁161aは、板状の先端可動部材15R及び板状の先端固定部材162がそれぞれ空間Sp1及びSp2内で先端可動部材15R及び先端固定部材162の長手軸回りに回動しないように、シース11内に形成されている。
先端可動部材15Rは、板状部材である。先端可動部材15Rの基端は、接続金具163aにより、チェーン163の一端に固定されている。先端固定部材162の基端は、接続金具163bによりチェーン163の他端に固定されている。
先端固定部材162も、板状部材であり、先端部分に傾斜部162aを有する。傾斜部162aは、先端固定部材162の長手軸に対して90未満の角度に曲げられた部分である。
先端可動部材15Rの先端部分は、2段階に折り曲げられたフック形状を有している。すなわち、先端可動部材15Rは、先端にフック部15Raを有している。1段目の折り曲げ部分15Ra1は、先端可動部材15Rの長手軸に対して90度以上曲げられ、2段目の折り曲げ部分15Ra2は、先端可動部材15Rの先端がシース161の先端に向くように折り曲げられている。すなわち、先端可動部材15Rの先端部分は、先端可動部材15Rの先端がシース161の先端開口に向かうように、2回折り曲げられている。傾斜部162aは、フック部15Raの内側に対向するように形成されている。
チェーン163は、操作部12の操作ハンドル164の回動軸164aに取り付けられた歯車164bと噛み合っている。操作ハンドル164が操作されて回動軸164aの軸回りに回動すると、チェーン163は、その回動に応じて、先端可動部材15Rを先端方向へ押し出し、先端固定部材162を基端方向へ引く、あるいは先端可動部材15Rを基端方向へ引き、先端固定部材162を先端方向へ押し出す。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、回収する異物OBを発見すると、異物OBを先端可動部材15Rのフック部15Raに引っ掛けるように、処置具7の先端を位置させる。
検査者は、操作ハンドル164を二点鎖線で示す方向に回動すると、チェーン163が動く。チェーン163の動きに応じて、先端可動部材15Rは、基端方向に動き、先端固定部材162は、先端方向に動く。先端可動部材15Rの基端と先端固定部材162の基端は、チェーン163の両端に接続されているので、先端可動部材15Rの先端方向への動きと、先端固定部材162の基端方向への動きは、連動する。
よって、異物OBはフック部15Raと傾斜部162aとにより挟むように把持される。特に、先端固定部材162も動くため、先端可動部材15Rの移動量が小さくなるので、検査者は、把持を失敗する確率が低下する。
なお、図100では、傾斜部162aは、先端固定部材162の長手軸に対して先端可動部材15Rとは反対方向へ傾斜しているが、傾斜部162a1は、図101に示すように、先端固定部材162の長手軸に対して先端可動部材15Rの側へ傾斜するようにしてもよい。図101は、本実施形態の変形例に係わる、長手軸に沿った先端把持部11Sの断面図である。傾斜部162a1の先端側面は、図101では、先端方向に向かって凹形状を有するようにしてもよい。傾斜部162a1の先端側面が凹形状を有することにより、異物OBをしっかりと把持することができる。
(第21実施形態)
第16実施形態の処置具では、先端可動部材は、板状部材であり、その先端にフック部15Naが設けられているが、本実施形態の処置具では、先端可動部材は、先端に円錐形状のコイルを有して、異物OBは円錐形状のコイルと先端固定部とにより把持される。
本実施形態の構成は、上述した第1及び第18の実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図102は、本実施形態の処置具7の先端把持部11Tの斜視図である。処置具7は、細長のシース165を有する。シース165の基端は、操作部12に接続されている。細長のシース165は、円筒形状を有している。シース165は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。
先端可動部材15Sは、弾性を有するワイヤーである。先端可動部材15Sの先端には、傘形状のコイル15Saが取り付けられ、固定されている。コイル15Saは、ステンレスなどの弾性を有する金属製であり、略円錐形状をする。コイル15Saは、先端側の内径及び外径が小さく、基端側の内径及び外径が大きくなるように、先端可動部材15Sの先端に設けられている。すなわち、コイル15Saは、先端可動部材15Sの先端側に円錐の頂点がくるように、先端可動部材15Sに取り付けられる。
先端可動部材15Sの基端は、ワイヤー33の先端に接着、溶接などにより接続されている。ワイヤー33の基端は、図96に示すハンドル19に接続されている。検査者は、操作部12のハンドル19を進退させることによって、長手軸に沿って先端可動部材15Sを進退させることができる。
シース165内には、パイプ166が挿入されている。パイプ166の内部に先端可動部材15Sとワイヤー33が挿通されている。パイプ166は、樹脂あるいはステンレスなどからなり、弾性及び可撓性を有する。パイプ166の先端部分は、先端固定部材としての拡径部167を有している。
拡径部167は、パイプ166の先端部分を加工したものでもよいし、パイプ166の先端に接着、溶接などにより接続して固定した別部材でもよい。
拡径部167は、複数の帯状部分167aを有する。例えば、複数の帯状部分167aは、パイプ166のパイプ166の先端部分をパイプ166の長手軸に沿って切り込みを入れて形成された部分であり、周方向に沿って設けられる。さらに、各帯状部分167aには、外径方向に開く曲げ癖が付けられる。複数の帯状部分167aが広がった状態で複数の帯状部分167aの間を埋めるように、複数の柔軟な樹脂部材167bが接着などにより複数の帯状部分167aの間に固定されている。すなわち、各樹脂部材167bは、各帯状部分167aが曲げ癖により曲がった状態で隣り合う2つの帯状部分167a間に取り付けられる。
拡径部167は、シース165内に収納されているときは、傘を折り畳むように閉じる。また、拡径部167は、シース165から外に出ると、ラッパのような形状となる。
パイプ166の基端は、図96に示す固定部位置決め部153に固定されている。よって、検査者は、位置決め部材153aに対するピン153bの位置を変えることによって、シース165に対するパイプ166の長手軸方向における位置を調整することができる。
拡径部167をシース165の先端開口から突出させると、拡径部167の先端部分が開く。図102は、拡径部167がシース165の先端開口から突出して、拡径部167の先端部分が開いた状態を示す。
拡径部167は、自然状態では先端側部分が開いた状態になるような曲げ癖が付けられた弾性部材である。よって、シース165内に収納された状態からシース165の外にでると、拡径部167は、開く。
検査者は、図96に示す固定部位置決め部153のピン153bの嵌入される孔17cの位置を変更することによって、拡径部167をシース165の先端開口から突出させたり、シース165の先端部の内側に収納したりすることができる。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、回収する異物OBを発見すると、異物OBを先端可動部材15Sのコイル15Saに引っ掛けるように、処置具7の先端を位置させる。
検査者は、固定部位置決め部153を操作して、パイプ166を先端方向へ押し出し、拡径部167を開く。
拡径部167が開いた状態で、ハンドル19を基端側へ移動させると、二点鎖線で示すように、コイル15Saが基端側へ移動する。異物OBは、拡径部167とコイル15Saの間に挟まれて、拡径部167とコイル15Saの内側に収納される。
よって、異物OBは、コイル15Saと拡径部167の内側に収納され、安定した把持力で把持され、回収することができる。
(第22実施形態)
第21実施形態の処置具では、先端可動部材15Sの先端には、コイル15Saが設けられ、シース165の先端には、突出可能な拡径部167が設けられているが、本実施形態の処置具では、先端可動部材には、先端に板状部材が設けられ、シースの先端には拡径部が設けられ、異物OBは板状部材と拡径部とにより把持される。
本実施形態の構成は、上述した第1、第18及び第21の実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図103は、本実施形態の処置具7の先端把持部11Uの斜視図である。処置具7は、細長のシース171を有する。シース171の基端は、操作部12に接続されている。細長のシース171は、円筒形状を有している。シース171は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。
シース171の先端には、拡径部172が設けられている。拡径部172は、複数(ここでは8つ)の板状部材173と、2つのキャップ174A、174Bとを有する。板状部材173と、2つのキャップ174A、174Bは、樹脂製、あるいはステンレスなどの金属製である。図103は、拡径部172が閉じた状態を示している。拡径部172が閉じた状態では、複数(ここでは8つ)の板状部材173の長手軸は、シース171の長手軸に平行である。
図104は、キャップ174Aの斜視図である。キャップ174Aと174Bは、同じ構造及び同じ形状を有するので、キャップ174Aの構造及び形状について説明する。キャップ174Aは、リング形状を有している。キャップ174Aは、キャップ174Aの中心軸C方向において一方側の外周部に複数(8つ)の凹み174aを有する。キャップ174Aは、キャップ174Aの中心軸C方向において他方側部分には、リング形状部174bを有している。リング形状部174bは、複数の凹み174aの一部を覆うように形成されている。
キャップ174Aは、リング形状部174bの内側に凹み174b1を有している。凹み174b1は、後述する支持部材175Aが入り込むことができる内径を有し、支持部材175Aが突き当たることができる底部を有する。さらに、キャップ174Aは、リング形状の中心軸Cに沿って、孔174cを有している。孔174cは、後述するパイプ部材175が挿通され摺動可能な内径を有する。
シース171の先端には、キャップ174Aのリング形状部174bが接着あるいは溶接により固定されている。よって、シース171の先端に固定されたキャップ174Aの先端側には、複数の凹み174aが配置される。各板状部材173の基端側部分の一部が、リング形状部174bの内側に入り込んだ状態で、複数の板状部材173の基端側部分は、接着などにより複数の凹み174aに固定される。
各板状部材173の先端部分には、もう一つのキャップ174Bが固定されている。各板状部材173の先端側部分の一部が、キャップ174Bのリング形状部174bの内側に入り込んだ状態で、複数の板状部材173の先端側部分は、接着などにより複数の凹み174aに固定される。
図103に示すように、複数の板状部材173は、シース171の周方向に沿って配置されている。複数の板状部材173の各々の外側表面には、切り込み173aが形成されている。切り込み173aの位置は、各板状部材173の長手軸方向における中央位置よりも先端側寄りである。各板状部材173は、切り込み173aより先端側の先端側部分173Aと、切り込み173aより基端側の基端側部分173Bを有する。
後述するように、先端側のキャップ174Bが基端側に牽引されると、複数の切り込み173aは、シース171の外径方向に移動する。その結果、先端側部分173Aの外側表面は、先端方向に向くようにシース171の長手軸に対して傾斜し、基端側部分173Bの外側表面は、基端方向に向くようにシース171の長手軸に対して傾斜する。すなわち、各板状部材173は、切り込み173aがあることにより、外側に折り曲げ可能となっている。
シース171内には、弾性を有するパイプ部材175が挿通されている。パイプ部材175は、例えばステンレス製である。パイプ部材175の先端には、リング状の支持部材175Aが接着などにより固定されている。パイプ部材175の基端は、図96に示す固定部位置決め部153に固定されている。よって、検査者は、位置決め部材153aに対するピン153bの位置を変えることによって、シース171に対するパイプ部材175の長手軸方向における位置を変更することができる。
パイプ部材175内には、先端可動部材15Tが摺動可能に挿通されている。先端可動部材15Tは、弾性を有するワイヤーである。先端可動部材15Tの先端には、固定部176が取り付けられ、固定されている。
図105は、固定部176の斜視図である。固定部176は、円板状の板状部材177と、固定部材178とを有する。板状部材177は、外周部に複数(ここでは8つ)の歯部177aを有している。複数の歯部177aは、円形の外周に沿って等間隔で配設されている。
固定部材178は、円柱形状を有し、基端側に円形の凹み178aを有している。さらに、固定部材178は、中心軸C1に沿って孔178bを有している。凹み178aの内径は、支持部材175Aの外径よりもやや大きい。孔178bには、先端可動部材15Tの先端部分が嵌入し、先端可動部材15Tの先端部分は、接着剤などにより固定部材178に固定される。
板状部材177は、凹み178aの内径と同じ内径の開口177bを有している。板状部材177は、開口177bと孔178bが一致するようにして、固定部材178の基端面に接着剤などにより固定されている。凹み178aは、キャップ174Bのリング形状部174bを収容可能なサイズを有する。図105に示すように、複数の歯部177aは、中心軸C1に沿って、固定部材178の基端方向に突出するように形成されている。
以上のように、固定部176が、先端可動部材15Tの先端に設けられており、先端可動部材15Tは、ハンドル19の進退操作により、先端可動部材15Tの長手軸方向に沿って進退可能である。また、パイプ部材175に固定された支持部材175Aは、固定部位置決め部153のピン153bの固定位置を変えることによって、パイプ部材175の長手軸方向における位置を変更可能である。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、回収する異物OBを発見すると、異物OBを先端可動部材15Tの固定部176に引っ掛けるように、処置具7の先端を位置させる。
検査者は、固定部位置決め部153を操作して、パイプ部材175を基端方向に引き込む。パイプ部材175の基端方向への移動により、支持部材175Aは、キャップ174Bの凹み174b1内に入り込み、パイプ部材175の基端方向へのさらなる移動により、キャップ174Bを基端側へ押す。
キャップ174Bが基端側へ押されると、拡径部172は開く。すなわち、複数の板状部材173が切り込み173aの部分で外側へ突出するように折れ曲がることにより、拡径部172は開く。検査者は、ピン153bの固定位置を調整して、各板状部材173の先端側部分173Aがシース171の長手軸に対して直交するように、各板状部材173が外側へ折れ曲がらせることができる。
図106は、拡径部172が開いた状態を示す先端把持部11Uの斜視図である。図106の状態で、検査者がハンドル19を操作して、ワイヤー33を基端方向に引くと、固定部176が複数の先端側部分173Aに向かって移動する。異物OBは、固定部176の基端側面と複数の先端側部分173Aの間で把持される。すなわち、複数の先端側部分173Aは、先端固定部材として機能する。固定部176の複数の歯部177aにより、異物OBは、複数の先端側部分173Aに向かって移動するときにも固定部176にしっかりと保持される。
また、固定部176は凹み178aを有しているので、異物OBは、凹み178a内に入り込んでしっかりと固定部176の基端側面と複数の先端側部分173Aの間で把持され、回収することができる。
本実施形態の先端把持部11Uは、比較的大きなサイズの異物OBを回収することができる。
(第23実施形態)
第16実施形態の処置具では、異物OBは、先端可動部材15Nのフック部15Naとシース141の先端の傾斜分との間に把持されるが、本実施形態の処置具では、異物OBは、異物OBを把持した鉗子が処置具の長手軸回りに回動しないように収容体内に収容される。
本実施形態の構成は、上述した第1及び第16の実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図107は、本実施形態の処置具7の先端把持部11Vの斜視図である。シース181の先端側に、固定部182が接着、溶接などにより固定されている。シース181の基端は、操作部12に接続されている。シース181は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。
固定部182は、樹脂製あるいはステンレスなどの金属製の筒状部材であり、固定部182の中心軸に沿って、2つの貫通スリット182aを有している。各貫通スリット182aは、固定部182の先端から所定の長さを有する。各貫通スリット182aの先端部分には、異物OBを各貫通スリット182a内に導き易いように、先端部分が広がる曲面(あるいは傾斜面でもよい)182a1が形成されている。シース181の基端は、操作部12に接続されている。
シース181及び固定部182は、共に円筒形状を有し、略同じ外径を有する。シース181及び固定部182内には、鉗子183が挿通可能となっている。なお、ここでは、固定部182は、シース181と別部材であるが、シース181の先端部分でもよい。
鉗子183は、把持部184と、リンク機構185と、支持体186とを有する。鉗子183は、例えばステンレスなどの金属製である。把持部184は、2つのカップ形状部184a、184bを有する。リンク機構185は、4本のアーム185a、185b、185c1、185d1を有する。
各カップ形状部184a、184bの基端は、リンク機構185の2本のアーム185a、185bの先端に溶接などにより固定されている。アーム185a、185bの基端は、それぞれアーム185c、185dの先端に軸部材185c1、185d1により接続されている。
支持体186は、円筒形状を有し、固定部182内に摺動可能に配置されている。支持体186の基端は、ワイヤー33の先端が固定されている。よって、支持体186は、ワイヤー33の長手軸方向における進退動作に応じて、固定部182内を長手軸方向にそって摺動する。
支持体186の先端側部分には、2つの貫通溝186aが形成されている。4本のアーム185a,185b、185c、185dは、2つの貫通溝186aの幅内に配置されている。2本のアーム185a、185bの略中央部には、軸部材186bが貫通している。軸部材186bは、2つの貫通溝186aを通る平面に対して直交するように支持体186に設けられている。3本の軸部材186b、185c1、185d1は、2つの貫通溝186aを通る平面に対して直交する方向に平行に設けられている。
2本のアーム185c、185dの基端は、鉗子用ワイヤー(図示せず)が接続された軸部材(図示せず)に接続されている。鉗子用ワイヤーが基端方向に引かれると、2本のアーム185c、185dの先端が閉じるように動いて、リンク機構185は、カップ形状部184a、184bを閉じるように動かす。鉗子用ワイヤーが先端方向に押し出されると、2本のアーム185c、185dの先端が離れるように動いて、リンク機構185は、カップ形状部184a、184bを開くように動かす。
すなわち、鉗子183は、鉗子用ワイヤーの長手軸方向における進退動作に応じて、開閉動作を行う。
支持体186には、2本のピン186cが設けられている。各ピン186cは、貫通スリット182aを通るように円筒状の支持体186の外径方向に突出している。2本のピン186cが2つの貫通スリット182aに入り込んだ状態で、支持体186は、固定部182の長手軸方向に沿って摺動可能である。よって、各ピン186cは、固定部182に対する位置決め用のピンであり、かつ、支持体182を固定部182の中心軸回りに回動させないようにする機能を有する。
また、固定部182内に鉗子183が収容されたときに、2つのカップ形状部184a、184b同士が接触する部分を含む平面が2本の貫通スリット182aを通るように、2つのカップ形状部184a、184bは形成されている。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡2で検査対象物内を観察しながら、回収する異物OBを発見すると、鉗子183を用いて異物OBを把持する。図108は、異物OBを把持した状態を示す先端把持部Vの斜視図である。図108では、異物OBは、針金のような細長の物である。
検査者は、鉗子183が異物OBを把持した状態で、ワイヤー33を基端方向に引くと、支持体186が固定部182内を摺動しながら基端方向に移動する。支持体186は、固定部182内に収容され、各ピン186cが貫通スリット182aの基端部に当接するまで固定部182内を移動可能である。
図109は、支持体186が固定部182内に収容された状態を示す先端把持部Vの斜視図である。ここでは、異物OBが細い直線状の針金のようなものであり、かつ2つのカップ形状部184a、184b同士が接触する部分を含む平面が2本の貫通スリット182aを通るため、異物OBは、鉗子183に把持された状態で、2つの貫通スリット182aを通る。図109は、各ピン186cが貫通スリット182aの基端部に当接した状態を示す。
よって、各ピン186cが貫通スリット182aの基端部に当接して把持された異物OBは鉗子183によりしっかりと把持され、かつ2本の貫通スリット182a内に入るので、回収時に落ち難い。なお、各ピン186cが貫通スリット182aの基端部に当接していない状態でも、把持された異物OBは鉗子183によりしっかりと把持される。
なお、上述した例では、鉗子183は、リンク機構185を有するが、板バネを利用した鉗子でもよい。
図110は、本実施形態の変形例に係わる、板バネを利用した鉗子を有する先端把持部Vの斜視図である。支持体186は、先端側に延出する2枚の板状部材187a、187bを有している。2枚の板状部材187a、187bは、互いに離れるように曲げ癖が付けられており、図110に示すように、固定部182の先端から突出しているときには、互いに離れる形状になる。
2枚の板状部材187a、187bの先端には、それぞれ2つのカップ状部材188a、188bが設けられている。2つのカップ状部材188a、188bを有する2枚の板状部材187a、187bが鉗子183Aを構成する。
支持体186の基端は、ワイヤー33の先端が接続されている。ワイヤー33が先端側へ移動すると、図110のように、2枚の板状部材187a、187bは、互いに離れて、結果として、2つのカップ状部材188a、188bは開く。ワイヤー33が基端側へ移動すると、2枚の板状部材187a、187bは、互いに近づき、結果として、2つのカップ状部材188a、188bが閉じる。2つのカップ状部材188a、188bは、2つのカップ状部材188a、188bが閉じて異物OBを把持した状態で固定部182内に収容可能な外形サイズを有する。
図110の処置具の場合、ワイヤー33を基端側に引くだけで鉗子183Aは、閉じるので、図107~図109に示した鉗子183のような鉗子183を閉じるための鉗子用ワイヤーは不要である。
図110においても、支持体182には、2つの貫通スリット182aを通る2本のピン186cが設けられている。よって、異物OBが針金のような物である場合、図109と同様に、異物OBが2つの貫通スリット182a内に入り込むことができる。
以上のように、本実施形態では、異物OBを把持するのに、鉗子を用いているので、異物OBを把持する把持力が大きく、異物OBを回収時に落としにくい。
(第24実施形態)
第23実施形態の処置具では、固定部182には、鉗子183の2本のピン186cが入り込む2つの貫通スリット182aが設けられているが、本実施形態の処置具では、鉗子にピンは設けられず、固定部は弾性を有して拡径して異物を把持する。
本実施形態の構成は、上述した第1及び第23の実施形態の構成とほぼ同じであるため、同じ構成要素については、同じ記号を用いて説明は省略し、異なる構成要素について詳述する。
図111は、本実施形態の処置具7の先端把持部11Wの斜視図である。シース191の先端側に、固定部192が接着などにより固定されている。シース191の基端は、操作部12に接続されている。シース191は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレスからなる。
固定部192は、円筒形状を有する弾性部材である。固定部192は、例えば、ウレタン樹脂製である。固定部192の先端側には、複数の直線状の切り込み192aが設けられている。ここでは、6つの切り込み192aが、固定部192の周方向に等間隔に設けられている。直線状の各切り込み192aは、固定部192の中心軸に平行に形成されている。各切り込み192aは、固定部192の長手軸方向における先端側部分に形成されている。
よって、固定部192には、複数(ここでは6つ)の切り込み192aによって形成された複数(ここでは6つ)の帯状部192bが形成されている。複数の帯状部192bは、固定部192の周方向に沿って配置されている。
図111に示すように、鉗子183の支持体186の基端は、コイルシース193の先端に、接着あるいは溶接により接続されている。コイルシース193の基端は、図示しないワイヤー33に接続されている。よって、操作部12のハンドル19を操作することにより、コイルシース193を長手軸に沿って進退させることができる。
なお、本実施形態の支持体186には、図107に示すようなピン186cは設けられていない。
(動作)
検査者は、処置具7を内視鏡2のチャンネル4a内に挿通させて、あるいは処置具7を内視鏡2に外付けで固定して、内視鏡で検査対象物内を観察しながら、回収する異物OBを発見すると、鉗子用ワイヤーを基端側へ引いて鉗子183を用いて異物OBを把持する。図112は、異物OBを把持した状態で固定部192内に異物OBを収容した状態を示す先端把持部11Wの斜視図である。図112では、異物OBは、一端が曲がった板状部材である。
検査者は、鉗子183が異物OBを把持した状態で、ワイヤー33を基端方向に引くと、支持体186が固定部192内を摺動しながら基端方向に移動する。支持体186は、固定部192内に収容されるが、固定部192の先端には、複数の切り込み192aが設けられている。よって、異物OBを把持した鉗子183が固定部192の先端側から収容されようとするとき、異物OBにより複数の帯状部192bが外形方向に押圧され、隣り合う2つの帯状部192bが離れる。結果として、固定部192の先端側の部分が開く。
このとき、異物OBは、弾性を有する複数の帯状部192bにより挟持される。すなわち、固定部192の先端側部分が放射状に広がり、異物OBは、複数の帯状部192bにより挟持されながら、固定部192内に収容される。
よって、鉗子183により把持された異物OBは弾性を有する複数の帯状部192bにより挟持されながら、しっかりと把持されるので、回収時に落ち難い。
以上のように、上述した各実施の形態によれば、物に対する把持部の位置決めが容易で、かつ物の回収が容易な処置具及び内視鏡装置を提供することができる。
なお、上述した各実施形態の処置具は、工業用の内視鏡だけでなく、医療用の内視鏡と共に使用することもできる。
なお、上述した各実施形態では、先端可動部材が先端方向に移動することによって、異物が先端固定部材の固定部と先端可動部材の先端部との間で把持されるが、先端可動部材が基端方向に移動することによって、異物が固定部との間で把持されるような構造を有するようにしてもよい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1 内視鏡システム、2 内視鏡、3 本体装置、4 挿入部、4 内視鏡、4X 先端硬質部、4X1 観察窓、4X2 照明窓、4Y 湾曲部、4Z 可撓管部、4a チャンネル、4b 開口、4w 口金、5 操作部、5 先端口金、5a 開口、6 接続ケーブル、7 処置具、11,11A,11B,11C,11D,11E,11E1,11F,11G,11G1,11H,11I,11I1,11J,11J1,11K,11L,11M,11N,11O,11P,11Q,11R,11S,11T,11U,11V,11W 先端把持部、12、12A、12Aa、12B 操作部、13 挿入部、14Aa,14Aa1 曲げ部、14Ba,14Ca,14Ca1 曲げ部、14Da ワイヤー、14Db 板状部材14Db1 曲げ部、14Db1 傾斜部、14F1a 複数片、14Fa 延出部、14Ha 基端部分、14Hb 先端部分、14Hb,14Hb1 凹部、14Hb2 突出部、14Ia 開口部、14Ka 曲げ部、14,14A,14B,14C,14D,14E,14E1,14E2,14F,14F1,14G,14G1,14H,14I,14Ix,14J,14K,14L,14M 先端固定部材、14a 曲げ部、14a1 先端部分、14b ネジ孔、14b1 凹凸部、14c ネジ、14d 先端固定部材、14d1 先端部、14e1 開口部、14e2 管路、14e3 吸引パイプ、14e4 接続パイプ、15Aa,15Ba,15Da 傾斜部、15E1,15E2 板状固定部材、15Fa 拡径部、15Fa1 片部、15Ga 傾斜部、15Gb 壁部、15Ha 傾斜部、15Ja,15Ja1 凹部、15Jb 先端可動部材、15Jba 曲げ部、15,15A,15B,15C,15D,15E,15Ea,15F,15F1,15G,15G1,15H,15J,15K,15L,15M,15N,15O,15P,15Q,15R,15S,15T, 先端可動部材、15Ma 孔、15a 傾斜部、15b ギヤ、15b1 凹凸部、15c ギヤ、15e 凹部、16 コイルシース、16A 先端口金、16Aa 外シース、16Aa 口金、16B 先端口金、16Ba 管状部材、16C 外シース、16D 先端口金、16Da 孔、16Db 溝、16Dc 段差部、16E 口金、16F 内シース、16a 先端口金、16a1 外周溝、16a2 孔、16a3 ネジ、16a4 ネジ孔、16aa 先端口金、16b 基端口金、16b1 口金、16c 先端口金、16c1 ラック部材、16c2 丸ギヤ、16c3 軸、16d コイル、16e 連結口金、16e1、16e2 孔、16f バネ固定部材、16g コイルバネ、16g1 バネ連結部、16h 先端口金、16h1 孔、16i 磁石、16s4 ネジ孔、16x 口金、17 操作本体部材、17A 本体操作部材、17Aa 先端側操作部材、17Aa1 周溝、17Ab 基端側操作部材、17Ab1 切り欠き部、17Ab2 孔、17Ab3 ネジ、17Ac リング部材、17Ac1 凸部、17Ad 切り欠き部、17a ガイド溝、17a1 孔、17b コイルシース摺動操作部、18 摘まみ部材、18a 凸部、18b 内向フランジ、18c 凸部、19 ハンドル、19a 挿通孔、19b ハンドル、19c 摘まみ、19d 先端固定部材位置決め摘まみ、20 リング状部、20a 固定部材、21 ボタン、21a 外向フランジ、21b ボタン、31 先端内側口金、31a 孔、31b ネジ孔、32 連結部材、32a 先端側溝、33、33A ワイヤー、33a 溝部、33b ワイヤー、41 パイプ部材、42 基端パイプ、42X パイプ、43 係止部、43 保持部、43a 外管、43a1 内向フランジ、43b 横管、43c 係止軸部材、43c1 円柱部、43c2 ストッパ部、43c3 孔、43d バネ、43e 蓋部材、44 チャック部材、44x 部分外向フランジ部、44a すり割り、44b 延出部、44c 孔、45 横板部材、45a 長孔、51,51A 先端口金、51Aa 孔、51Ab 開口、51Ac,51Ad 孔、51Ae 内向フランジ、51Af 平坦面、51B 先端口金、51Ba 孔、51Ba1 内向フランジ、51Bb 孔、51Bc 平坦面、51C 先端口金、51Ca 孔、51Ca1 内向フランジ、51Cb,51Cc 孔、51Cx 先端口金、51Cxa,51Cxb,51Cxc 孔、51a 孔、51b ネジ、52 連結部材、52a 孔、52b ネジ、53 シース口金、53a 溝、54 連結部材、54a 溝、61,62 口金、61a,61b,61c,61d 孔、62a,62b,62c,62d 孔、63,64 口金、63a,63b 孔、64a,64b ガイドピン、65 パイプ、66 進退レバー、67 パイプ、68 回動レバー、69 パイプ部材、71a,72a,71A 延出部、71b,71c,71d,72b,72c,72d 曲げ部、73,73A 固定部材、73b,73c,73d 孔、74a 延出部、74b,75b 傾斜部、74c 傾斜部、75a 延出部、75b 傾斜部、76 板状部材、76a 平坦部、76b 孔、77,78 パイプ、79 口金、81,82 板状部材、81A,82A 部分円筒形状部、81Aa,82Aa 切り欠き部、81a 側面壁部、81b 前面壁部、81c 上面壁部、81d,82d 先端固定部材、82 板状部材、82a 側面壁部、82b 前面壁部、82c 上面壁部、83,83A リング部材、84 接続部、85 ピン、91 中間固定部材、91a 溝、92 支持軸、93 軸受け部、94 軸、95 Eリング、96 牽引ワイヤー、97 カシメ部材、101 パイプ、102 磁石、103,104 パイプ、105 磁石、106 チューブ、107 封止部材、108a,108b 管路、108c 開口部、109 切り欠き部、111,112 把持部材、111a,112a 曲げ部、113 パイプ、121,122 アーム部、121a,122a 曲げ部、123,124 アーム部材、123a,124a 曲げ部、123b,124b 突起、125 拡径部、131 ケース、131a 開口部、131b 口金、132 円板ハンドル、132a 軸部、132b,132c カム溝、133a 凹み、133a1 ネジ孔、133b 凹み、133c 段差部、133c1 ネジ孔、133d 溝、134 口金封止板、134a ネジ孔、134b ネジ、134c 軸受、134d,134e スリット、135 蓋部材、135a ネジ孔、135b ネジ、135c 軸受、136,137 口金、136a ピン、137 口金、137a ピン、137b ワイヤー固定部材、15Na フック部、15Na1、15Na2 折り曲げ部分、15Pa フック部、15Pa1、15Pa2 折り曲げ部分、15Pa3 基端側面、15Qa 可動部、15Qa1 接続部、15Qa2 傾斜部、15Qa3 把持部、15Ra フック部、15Ra1、15Ra2 折り曲げ部分、15Sa コイル、17c 孔、33 ワイヤー、121,122 アーム部、141 シース、141a 仕切り壁、141b 切り欠き、142 アーム、142a フック部、143 パイプ形状部、144 シース、145 筒状部材、145a 切り込み、151 シース、151a 仕切り壁、152 固定部、152a 支持板、152b 可動部、152b1 表面、152c 接続口金、153 固定部位置決め部、153a 部材、153b ピン、155 シース、155a 仕切り壁、156 固定部、156a 支持板、156b 可動板、156c 接続口金、157,158 孔、161 シース、161a 仕切り壁、162 先端固定部材、162a、162a1 傾斜部、163a、163b 接続金具、163 チェーン、164 操作ハンドル、164a 回動軸、164b 歯車、165 シース、166 パイプ、167 拡径部、167a 帯状部分、167b 樹脂部材、171 シース、172 拡径部、173 板状部材、173A 先端側部分、173B 基端側部分、173a 切り込み、174A、174B キャップ、174a 凹み、174b リング形状部、174b1 凹み、174c 孔、175 パイプ部材、175A 支持部材、176 固定部、177 板状部材、177a 歯部、177b 開口、178 固定部材、178a 凹み、178b 孔、181 シース、182 固定部、182 支持体、182a 貫通スリット、183、183A 鉗子、184 把持部、184a、184b カップ形状部、185 リンク機構、185a、185b、185c、185d アーム、185c1、185d1 軸部材、186 支持体、186a 貫通溝、186b、185c1 軸部材、186c ピン、187a、187b 板状部材、188a、188b カップ状部材、191 シース、192 固定部、192a 切り込み、192b 帯状部、193 コイルシース。

Claims (21)

  1. 内視鏡と共に使用される処置具であって、
    先端把持部を有し、
    前記先端把持部は、
    前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能な可動部材と、
    前記可動部材の第1の先端部よりも、前記長手軸において先端側に設けられた第2の先端部を有する固定部材と、
    を有し、
    前記固定部材の前記第2の先端部と前記可動部材の前記第1の先端部が、把持部を構成する、処置具。
  2. 前記第1の先端部は、前記可動部材の先端側に設けられた傾斜部であり、
    前記第2の先端部は、前記固定部材の先端側に設けられた曲げ部であり、
    前記把持部は、前記傾斜部が前記先端方向に移動することにより、前記曲げ部と前記傾斜部により物を挟持するようにして把持する、請求項1に記載の処置具。
  3. 前記第1の先端部は、前記長手軸の先端方向に対して、90度未満の角度だけ傾斜している、請求項2に記載の処置具。
  4. 前記第2の先端部は、前記長手軸の先端方向に対して、90度以上の角度だけ曲がっている、請求項2に記載の処置具。
  5. 前記第2の先端部は、前記長手軸の先端方向に対して、2段階以上に曲がっている、請求項2に記載の処置具。
  6. 前記固定部材は、前記長手軸に沿って進退可能である、請求項1に記載の処置具。
  7. 挿入部と、
    を有し、
    前記先端把持部は、前記挿入部の先端部に対して着脱可能に接続されている、請求項1に記載の処置具。
  8. 前記先端把持部は、口金を有し、
    前記固定部材は、前記口金に固定され、
    前記可動部材は、前記口金に形成された孔に挿通され、
    前記内視鏡の先端部は、前記口金に形成された係止孔に挿入可能である、請求項1に記載の処置具。
  9. 前記先端把持部は、口金を有し、
    前記固定部材は、前記口金に固定され、
    前記可動部材は、前記口金に形成された孔に挿通され、
    前記内視鏡の先端部は、前記口金に形成された係止孔に挿入可能であり、
    前記係止孔は、前記固定部材と前記可動部材の間に形成されている、請求項1に記載の処置具。
  10. 前記先端把持部は、口金を有し、
    前記口金は、固定部材挿通孔を有し、
    前記固定部材は、前記固定部材挿通孔内において、前記固定部材の軸回りに回動可能である、請求項1に記載の処置具。
  11. 前記可動部材は、前記第1の先端部を複数有し、
    前記固定部材は、前記第2の先端部を複数有し、
    前記複数の第1の先端部及び前記複数の第2の先端部は、前記先端把持部の前記長手軸回りに、等間隔に配置されている、請求項1に記載の処置具。
  12. 前記可動部材は、前記第1の先端部を複数有し、
    前記固定部材は、前記第2の先端部を複数有し、
    前記複数の第1の先端部及び前記第2の先端部は、前記先端把持部の前記長手軸回りに、周方向に沿って等間隔に配置され、
    前記複数の第1の先端部は、前記長手軸回りに周方向に沿って配置され、
    前記複数の第2の先端部は、前記長手軸に対して周方向に沿って連続して配置されている、請求項1に記載の処置具。
  13. 前記可動部材に固定され、前記2つのアーム部が挿通されたリング部材と、
    を有し、
    前記可動部材が前記先端方向に移動すると、前記2つのアーム部が閉じるように前記リング部材が設けられている、請求項1に記載の処置具。
  14. 前記固定部材は、所定の軸回りに回動可能に前記固定部材の一端が軸支されている、請求項1に記載の処置具。
  15. 前記固定部材は、開口部が設けられた筒状部を有し、
    前記可動部材は、前記筒状部内に挿通可能である、請求項1に記載の処置具。
  16. 前記固定部材は、2つのアーム部と、前記2つのアーム部の先端側に設けられた2つの曲げ部を有し、
    前記可動部材は、前記2つのアーム部の間に配置され、先端側が拡径した拡径部を有し、
    前記2つのアーム部は、前記可動部材の進退に応じて、開閉する、請求項1に記載の処置具。
  17. 前記先端把持部は、口金を有し、
    前記口金は、固定部材挿通孔を有し、
    前記固定部材は、前記固定部材挿通孔内において、前記長手軸に沿って進退可能である、請求項1に記載の処置具。
  18. 所定の軸回りに回動可能であり、前記可動部材を先端側へ移動させる第1カム溝と、前記固定部材を基端側へ移動させる第2カム溝とを有する回動操作部材と、
    前記第1カム溝に係合する第1ピンを有し、前記可動部材に接続された第1口金と、
    前記第2カム溝に係合する第1ピンを有し、前記固定部材に接続された第2口金と、
    を有し、
    前記回動操作部材が前記所定の軸回りに所定の方向に回動したとき、前記第1ピンが前記第1カム溝に係合して前記可動部材を先端方向に移動し、前記第2ピンが前記第2カム溝に係合して前記固定部材を基端方向に移動する、請求項1に記載の処置具。
  19. 内視鏡と共に使用される処置具であって、
    先端把持部を有し、
    前記先端把持部は、
    前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能で、前記長手軸に沿って形成された孔を有する可動部材と、
    前記孔に挿通された、板状の固定部材と、
    を有し、
    前記固定部材は、先端部分が前記長手軸に沿ってカットされて形成された板状の2つのアーム部と、前記2つのアーム部の先端側に設けられ、互いに反対方向に曲がった2つの曲げ部とを有する、処置具。
  20. 内視鏡と共に使用される処置具であって、
    先端把持部を有し、
    前記先端把持部は、
    前記先端把持部の長手軸に沿って進退可能で、先端に拡径部を有する可動部材と、
    前記可動部材を挟むように配置された2つのアーム部材と、を有し、
    前記2つのアーム部材は、前記2つのアーム部材の先端部に設けられた2つの曲げ部と、前記2つのアーム部材に対向するように設けられた2つの突起とを有し、
    前記2つのアーム部材は、前記拡径部が前記2つの突起に対して先端側にあるときには、前記2つのアーム部材は閉じ、前記拡径部が前記2つの突起の間にあるときには、前記2つのアーム部材は開くように、構成されている、処置具。
  21. 請求項1に記載の処置具と、
    前記内視鏡と、
    を有する内視鏡装置。


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