JP2022146453A - 粘着性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】スタンドオフという電子部品の封止不良の発生を抑制できる粘着性フィルムを提供する。【解決手段】基材層10と、基材層10の第1面10A側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、基材層10の第2面10B側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間または基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルム50。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着性フィルムに関する。
電子装置(例えば、半導体装置)の小型化・軽量化を図ることができる技術として、粘着性フィルムを用いた電子装置の製造方法が知られている。
電子装置の製造における粘着性フィルムの適用例として、封止工程への適用が挙げられる。具体的には、(i)まず、ウエハまたはチップを粘着性フィルムにより固定し、(ii)次に、固定されたウエハまたはチップを封止材により封止し、(iii)その後、粘着性フィルムを剥離する、といった工程に、粘着性フィルムが適用される場合がある。
粘着性フィルムを用いた電子装置の製造方法に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、基板レス半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される半導体装置製造用耐熱性粘着シートであって、上記耐熱性粘着シートは基材層と粘着剤層とを有し、該粘着剤層は貼り合わせ後の対SUS304粘着力が0.5N/20mm以上であり、樹脂封止工程完了時点に至るまでに受ける刺激により硬化して、対パッケージ剥離力が2.0N/20mm以下になる層であることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着シートが記載されている。
また、特許文献2には、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルムが記載されている。この粘着性フィルムは、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に設けられた中間層(C)と、を備える。そして、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E'は1.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であり、かつ、中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)は0.1以下である。
また、特許文献3には、粘着性フィルムを用いた電子装置の製造方法が記載されている。具体的には、特許文献3に記載された電子装置の製造方法は、基材層と、基材層の第1面側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層と、基材層の第2面側に設けられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、を備える粘着性フィルムと、粘着性フィルムの粘着性樹脂層(A)に貼り付けられた電子部品と、粘着性フィルムの粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板と、を備える構造体を準備する工程(1)と、粘着性フィルム中の水分量を低下させる工程(2-1)および構造体中の水分量を低下させる工程(2-2)から選択される少なくとも一種の工程(2)と、封止材により電子部品を封止する工程(3)と、を少なくとも含む。
また、特許文献4にも、電子装置の製造方法が記載されている。具体的には、特許文献4に記載の電子装置の製造方法は、基材層と、基材層の第1面側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、基材層の第2面側に設けられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、基材層と粘着性樹脂層(A)との間または基材層と粘着性樹脂層(B)との間に設けられた凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルムと、粘着性フィルムの粘着性樹脂層(A)に貼り付けられ、かつ、凹凸構造を有する電子部品と、粘着性フィルムの粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板と、を備える構造体を準備する準備工程と、封止材により電子部品を封止する封止工程と、を少なくとも含む。
特開2011-134811号公報 特開2018-157037号公報 国際公開第2019/188543号 国際公開第2020/184201号
本発明者らの検討によれば、粘着性フィルム上に、例えばバンプのような凹凸構造を有する電子部品を配置して封止材により電子部品を封止する際に、電子部品の水平方向に位置がずれてしまう(以下、電子部品の位置ずれとも呼ぶ。)場合や、粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまう場合があることが明らかになった。
上記の事項を改善するためには、例えば、特許文献4に記載されているような凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルムを用いることが有効と考えられる。凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルムを用いることによって、封止工程における電子部品の位置ずれや粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制できる。
しかし、図4(a)~(c)に示すように、凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルム50Aを用いると、凹凸構造75Aを有する電子部品70Aを配置して封止材60Aにより電子部品を封止する際に、熱により凹凸吸収性樹脂層が軟化し、封止材60Aの圧力により電子部品70Aが粘着性フィルム50Aに沈みこみやすくなる。その結果、図4(d)に示すような、スタンドオフ90という電子部品70Aの封止不良(電子部品70Aの側面の一部が封止されない)が起きてしまう場合があることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、スタンドオフという電子部品の封止不良の発生を抑制できる粘着性フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、粘着性フィルムとして、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルムを用いることによって、スタンドオフという電子部品の封止不良の発生を抑制できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す粘着性フィルムが提供される。
[1]
基材層と、上記基材層の第1面側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、上記基材層の第2面側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、上記基材層と上記粘着性樹脂層(A)との間または上記基材層と上記粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルム。
[2]
上記[1]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(B)が外部刺激により粘着力が低下する層である粘着性フィルム。
[3]
上記[1]または[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記外部刺激が熱または光である粘着性フィルム。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層(C)が少なくとも上記基材層と上記粘着性樹脂層(A)との間に設けられている粘着性フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋して得られる凹凸吸収性樹脂層(C')の125℃における貯蔵弾性率E'が5.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である粘着性フィルム。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層が、樹脂と、架橋剤と、外部刺激により活性化学種を発生する開始剤とを含む粘着性フィルム。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上1000μm以下である粘着性フィルム。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(A)を構成する粘着性樹脂が(メタ)アクリル系粘着性樹脂、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、オレフィン系粘着性樹脂およびスチレン系粘着性樹脂から選択される一種または二種以上を含む粘着性フィルム。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
電子部品を封止材により封止する際に上記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルム。
[10]
上記[9]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記電子部品が凹凸構造を有する粘着性フィルム。
[11]
上記[10]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記電子部品の上記凹凸構造はバンプ電極を含む粘着性フィルム。
本発明によれば、スタンドオフという電子部品の封止不良の発生を抑制できる粘着性フィルムを提供することができる。
本発明に係る実施形態の粘着性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 スタンドオフという電子部品の封止不良を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。
明細書中、数値範囲に関する「A~B」との記載は、特に断りがなければ、A以上B以下を表す。例えば、1~5%とは1%以上5%以下を表す。
明細書中、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリルまたはアクリルおよびメタクリルの両方を意味する。
1.粘着性フィルム
以下、本実施形態に係る粘着性フィルム50について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の粘着性フィルム50の構造の一例を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る粘着性フィルム50は、基材層10と、基材層10の第1面10A側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、基材層10の第2面10B側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間または基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える。
凹凸吸収性樹脂層(C)は、粘着性フィルム50の凹凸吸収性をより一層良好にする観点から、少なくとも基材層10と粘着性樹脂層(A)との間に位置することが好ましい。
基材層10と粘着性樹脂層(A)との間に凹凸吸収性樹脂層(C)が位置する場合、粘着性樹脂層(B)と基材層10との間にさらに別の凹凸吸収性樹脂層(C2)があってもよい。この場合、凹凸吸収性樹脂層(C)と凹凸吸収性樹脂層(C2)は材質、厚み等が同様でもよく異なっていてもよい。
上述したように、本発明者らの検討によれば、粘着性フィルムとして、特許文献4に記載されているような凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルムを用いることによって、封止工程における電子部品の位置ずれや粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制できる。
しかし、図4(a)~(c)に示すように、凹凸吸収性樹脂層を備える粘着性フィルム50Aを用いると、凹凸構造75Aを有する電子部品70Aを配置して封止材60Aにより電子部品を封止する際に、熱により凹凸吸収性樹脂層が軟化し、封止材60Aの圧力により電子部品70Aが粘着性フィルム50Aに沈みこみやすくなる。その結果、図4(d)に示すような、スタンドオフ90という電子部品70Aの封止不良が起きてしまう場合がある。
本発明者らは、封止工程における電子部品の位置ずれや粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制できるとともに、封止工程におけるスタンドオフの発生を抑制することが可能な粘着性フィルムを実現するために、鋭意検討を重ねた。その結果、基材層10と、基材層10の第1面10A側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、基材層10の第2面10B側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間または基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルム50が、封止工程における電子部品の位置ずれや粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制できるとともに、封止工程におけるスタンドオフの発生を抑制できることを初めて見出した。
すなわち、本実施形態によれば、凹凸構造を有する電子部品を仮固定するための粘着性フィルムとして、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)を有する粘着性フィルム50を用いることで、凹凸構造を有する電子部品に対する粘着性フィルム50の密着性が向上する。そのため、電子部品を封止する工程において、封止材の流動による圧力等によって電子部品の位置がずれてしまうことや、粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制することができる。さらに、凹凸構造を有する電子部品を仮固定した後に、外部刺激によって凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋硬化させて弾性率を高めることによって、電子部品の封止工程において、電子部品が粘着性フィルムに沈みこむことを抑制することができる。すなわち、外部刺激により架橋して弾性率が変化するように凹凸吸収性樹脂層(C)を設計することで、(i)外部刺激が与えられる前においては、凹凸吸収性樹脂層(C)は電子部品の凹凸構造にあわせて十分に変形することができ、(ii)一方で、外部刺激が与えられた後においては、電子部品が動くことが抑えられる。
以上のように、本実施形態に係る粘着性フィルム50によれば、封止工程における電子部品の位置ずれや粘着性フィルムと電子部品との間に封止材が侵入してしまうことを抑制できるとともに、封止工程におけるスタンドオフの発生を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る粘着性フィルム50全体の厚さは、機械的特性と取扱い性のバランスの観点から、好ましくは10μm以上1000μm以下であり、より好ましくは20μm以上500μm以下である。
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、例えば、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に電子部品を仮固定するためのフィルム等に用いることができる。
次に、本実施形態に係る粘着性フィルム50を構成する各層について説明する。
<基材層>
基材層10は、粘着性フィルム50の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。
基材層10は特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(1-ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン-6、ナイロン-66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタアクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンエーテル等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、透明性や機械的強度、価格等のバランスに優れる観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミドから選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも一種がより好ましい。
基材層10は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
また、基材層10を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、基材層10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層10の厚さは、良好なフィルム特性を得る観点から、好ましくは1μm以上500μm以下、より好ましくは5μm以上300μm以下、さらに好ましくは10μm以上250μm以下である。
基材層10は、他の層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
<粘着性樹脂層(A)>
粘着性樹脂層(A)は、基材層10の一方の面側に設けられる層である。粘着性樹脂層(A)は、例えば、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に、電子部品の表面に接触して電子部品を仮固定するための層である。
粘着性樹脂層(A)は、通常、粘着性樹脂(A1)を含む。
粘着性樹脂(A1)としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、オレフィン系粘着性樹脂、スチレン系粘着性樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、粘着力の調整を容易にする観点等から、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)が好ましい。
粘着性樹脂層(A)は、放射線により粘着力を低下させることができる放射線架橋型粘着性樹脂層であることもできる。放射線架橋型粘着性樹脂層に放射線を照射すると、架橋して粘着力が著しく減少するため、電子部品から粘着性フィルム50を剥離しやすくなる。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線等が挙げられる。
放射線架橋型粘着性樹脂層としては、紫外線架橋型粘着性樹脂層が好ましい。
粘着性樹脂層(A)に使用される(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(a1)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(a2)を含む共重合体が挙げられる。
本実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、またはこれらの混合物を意味する。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a1)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(a2)を含むモノマー混合物を共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(a1)を形成するモノマー(a1)としては、炭素数1~12程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。好ましくは炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(a1)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、10質量%以上98.9質量%以下であることが好ましく、50質量%以上97質量%以下であることがより好ましく、85質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(a2)を形成するモノマー(a2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル-ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル-ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)において、モノマー単位(a2)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)は、モノマー単位(a1)、モノマー単位(a2)以外に、2官能性モノマー単位(a3)や界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)単位をさらに含んでもよい。
重合性界面活性剤は、モノマー(a1)、モノマー(a2)およびモノマー(a3)と共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。
2官能性モノマー単位(a3)を形成するモノマー(a3)としては、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製、商品名;PDP-200、同PDP-400、同ADP-200、同ADP-400)、テトラメチレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製、商品名;ADT-250、同ADT-850)およびこれらの混合型(例えば、日本油脂(株)製、商品名:ADET-1800、同ADPT-4000)であるもの等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)において、モノマー単位(a3)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1-プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN-10、同RN-20、同RN-30、同RN-50等)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1-プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS-10、同HS-20、同HS-1025等)、および分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系(花王(株)製;商品名:ラテムルS-120A、同S-180A等)等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)において、重合性界面活性剤の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)は、さらに必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性二重結合を有するモノマーにより形成されたモノマー単位をさらに含有してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)の製造コスト、モノマーの官能基の影響および電子部品表面へのイオンの影響等を考慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。
ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド等の有機過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物;2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。電子部品表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物がさらに好ましく、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
本実施形態に係る粘着性樹脂層(A)は、粘着性樹脂(A1)に加えて、架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤(A2)をさらに含むことが好ましい。
架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤(A2)は、粘着性樹脂(A1)が有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために用いることができる。
このような架橋剤(A2)としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物;N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の4官能性エポキシ系化合物;ヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物およびアジリジン系化合物から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
架橋剤(A2)の含有量は、通常、架橋剤(A2)中の官能基数が粘着性樹脂(A1)中の官能基数よりも多くならない程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。
粘着性樹脂層(A)中の架橋剤(A2)の含有量は、粘着性樹脂層(A)の耐熱性や密着力とのバランスを向上させる観点から、粘着性樹脂(A1)100質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
粘着性樹脂層(A)は、その他の成分として、可塑剤、粘着付与樹脂等の添加剤を含んでもよい。粘着性樹脂層(A)が放射線架橋型粘着性樹脂層の場合は放射線架橋のための各種添加剤を含んでもよい。粘着性樹脂層(A)中の粘着性樹脂(A1)および架橋剤(A2)の含有量の合計は、粘着性樹脂層(A)の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。これにより、電子部品から粘着性フィルムを剥離する際の電子部品側の糊残りをより一層抑制することができる。
粘着性樹脂層(A)は、単層であっても多層であってもよい。
粘着性樹脂層(A)の厚さは特に制限されないが、例えば、1μm以上100μm以下が好ましく、3μm以上50μm以下がより好ましい。
粘着性樹脂層(A)は、例えば、基材層10上や凹凸吸収性樹脂層(C)上に粘着剤を塗布することにより形成することができる。粘着剤は溶剤に溶解して塗布液として塗布してもよいし、水系エマルジョンとして塗布してもよいし、液状の粘着剤を直に塗布してもよい。
中でも水系エマルジョン塗布液が好ましい。水系エマルジョン塗布液としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(a)、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、オレフィン系粘着性樹脂、スチレン系粘着性樹脂等を水に分散させた塗布液が挙げられる。
有機溶剤に溶解した粘着剤塗布液を用いてもよい。有機溶剤は特に限定されず、溶解性や乾燥時間を鑑みて公知の中から適宜選択すればよい。有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系;アセトン、MEK等のケトン系;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族系;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の直鎖ないし環状脂肪族系;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系を例示することができる。有機溶剤として酢酸エチル、トルエンが好ましい。これらの溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80~200℃の温度範囲において、10秒~10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは、80~170℃において、15秒~5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40~80℃において5~300時間程度加熱してもよい。
また、基材層10と粘着性樹脂層(A)や凹凸吸収性樹脂層(C)とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の基材層10とフィルム状の粘着性樹脂層(A)とをラミネート(積層)して形成してもよい。後述の実施例においては、まず、セパレータ(剥離フィルム)の表面に粘着性樹脂層(A)を形成し、その後、その粘着性樹脂層(A)を、他の層と貼り合わせることで、粘着性フィルムを製造している。
<粘着性樹脂層(B)>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、基材層10の第1面10Aとは反対側の第2面10B側に粘着性樹脂層(B)を備える。
粘着性樹脂層(B)は、外部刺激により粘着力が低下する層であることが好ましい。これにより、外部刺激を与えることで支持基板から粘着性フィルム50を容易に剥離することができる。
ここで、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)としては、例えば、加熱により粘着力が低下する加熱剥離型の粘着性樹脂層や、放射線等の光により粘着力が低下する光剥離型の粘着性樹脂層等が挙げられる。これらの中でも加熱により粘着力が低下する加熱剥離型の粘着性樹脂層が好ましい。
加熱剥離型の粘着性樹脂層としては、例えば、気体発生成分を含む加熱膨張型粘着剤、膨張して粘着力を低減できる熱膨張性の微小球を含む加熱膨張型粘着剤、熱により接着剤成分が架橋反応することで粘着力が低下する加熱膨張型粘着剤等により構成された粘着性樹脂層などが挙げられる。
本実施形態において、粘着性樹脂層(B)に使用される加熱膨張型粘着剤は、例えば150℃超、好ましくは170℃超で加熱することで粘着力が低下または喪失する粘着剤である。例えば、150℃以下または170℃以下では剥離せず、150℃超または170℃超で剥離する材料を選択することができ、電子装置の製造工程中に粘着性フィルム50が支持基板から剥離しない程度の粘着力を有していることが好ましい。
ここで、150℃超または170℃超で加熱することで粘着力が低下または喪失することは、例えば、粘着性樹脂層(B)側をステンレス板に貼り付け、140℃で1時間の加熱処理をおこない、次いで、150℃超または170℃超を超える温度で2分間加熱した後に測定される、ステンレス板からの剥離強度により評価することができる。150℃超または170℃超を超える温度で加熱する際の具体的な加熱温度は、気体が発生する温度や熱膨張性の微小球が熱膨張する温度よりも高い温度に設定され、発生する気体や熱膨張性の微小球の種類によって適宜設定される。本実施形態において、粘着力が喪失するとは、例えば、23℃、引張速度300mm/分の条件で測定される180°剥離強度が0.5N/25mm未満になる場合をいう。
加熱膨張型粘着剤に使用される気体発生成分としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、メルドラム酸誘導体等を用いることができる。また、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、各種アジド類等の無機系発泡剤や、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等のヒドラジン系化合物;p-トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等のセミカルバジド系化合物;5-モルホリル-1,2,3,4-チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物;N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド等のN-ニトロソ系化合物等の有機系発泡剤等も用いることができる。気体発生成分は粘着性樹脂(B1)に添加されていてもよく、粘着性樹脂(B1)に直接結合されていてもよい。
加熱膨張型粘着剤に使用される熱膨張性の微小球としては、例えば、マイクロカプセル化されている発泡剤を用いることができる。このような熱膨張性の微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタン等の加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球等が挙げられる。上記殻を構成する材料として、例えば、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン等が挙げられる。熱膨張性の微小球は、例えば、コアセルベーション法や、界面重合法等により製造することができる。
熱膨張性の微小球は粘着性樹脂に添加することができる。
気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量は、加熱剥離型の粘着性樹脂層(B)の膨張倍率や粘着力の低下性等に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、例えば、加熱剥離型の粘着性樹脂層(B)中の粘着性樹脂(B1)100質量部に対して、例えば1質量部以上150質量部以下、好ましくは10質量部以上130質量部以下、さらに好ましくは12質量部以上100質量部以下である。
気体が発生する温度や熱膨張性の微小球が熱膨張する温度が、150℃超または170℃超を超える温度になるように設計することが好ましい。
加熱膨張型粘着剤を構成する粘着性樹脂(B1)としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂(b)、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン-ジエンブロック共重合体系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも(メタ)アクリル系樹脂(b)が好ましい。
粘着性樹脂層(B)に使用される(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(b1)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(b2)を含む共重合体が挙げられる。
本実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、またはこれらの混合物を意味する。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(b1)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(b2)を含むモノマー混合物を共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(b1)を形成するモノマー(b1)としては、炭素数1~12程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。好ましくは炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(b1)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、10質量%以上98.9質量%以下であることが好ましく、50質量%以上97質量%以下であることがより好ましく、85質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(b2)を形成するモノマー(b2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル-ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル-ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)において、モノマー単位(b2)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)は、モノマー単位(b1)、モノマー単位(b2)以外に、2官能性モノマー単位(b3)や界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)単位をさらに含んでもよい。
重合性界面活性剤は、モノマー(b1)、モノマー(b2)およびモノマー(b3)と共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。
2官能性モノマー単位(b3)を形成するモノマー(b3)としては、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製;商品名:PDP-200、同PDP-400、同ADP-200、同ADP-400)、テトラメチレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製;商品名:ADT-250、同ADT-850)およびこれらの混合型(例えば、日本油脂(株)製;商品名:ADET-1800、同ADPT-4000)であるもの等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)において、モノマー単位(b3)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1-プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN-10、同RN-20、同RN-30、同RN-50等)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1-プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS-10、同HS-20、同HS-1025等)、および分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系(花王(株)製;商品名:ラテムルS-120A、同S-180A等)等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)において、重合性界面活性剤の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)は、さらに必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を有するモノマーにより形成されたモノマー単位をさらに含有してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。(メタ)アクリル系粘着性樹脂(b)の製造コスト、モノマーの官能基の影響および電子部品表面へのイオンの影響等を考慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。
ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド等の有機過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物;2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。電子部品表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物がさらに好ましく、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
本実施形態に係る粘着性樹脂層(B)は、粘着性樹脂(B1)に加えて、架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤(B2)をさらに含むことが好ましい。
架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤(B2)は、粘着性樹脂(B1)が有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために用いる。
このような架橋剤(B2)としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物;N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の4官能性エポキシ系化合物;ヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物およびアジリジン系化合物から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
架橋剤(B2)の含有量は、通常、架橋剤(B2)中の官能基数が粘着性樹脂(B1)中の官能基数よりも多くならない程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。
粘着性樹脂層(B)中の架橋剤(B2)の含有量は、粘着性樹脂(B1)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る粘着性樹脂層(B)は、支持基板への密着性を向上させる観点から、粘着性樹脂(B1)に加えて、粘着付与樹脂を含むことが好ましい。粘着性樹脂層(B)に粘着付与樹脂を含有させることが、常温付近における支持基板との密着性の調整が容易となるために好ましい。粘着付与樹脂としては、その軟化点が100℃以上であるものが好ましい。粘着付与樹脂の具体例としては、エステル化等の処理をしたロジン系誘導体等のロジン系樹脂;α-ピネン系、β-ピネン系、ジペンテン系、テルペンフェノール系等のテルペン系樹脂;ガム系、ウッド系、トール油系等の天然系ロジン;これらの天然系ロジンに水素化、不均化、重合、マレイン化、石油樹脂;クマロン-インデン樹脂等を挙げることができる。
これらのなかでも、軟化点が100~160℃の範囲内であるものがより好ましく、120~150℃の範囲であるものが特に好ましい。軟化点が上記範囲内である粘着付与樹脂を用いると、支持基板への汚染、糊残りが少ないばかりでなく、作業環境下における支持基板との密着性をさらに向上させることが可能となる。さらに、粘着付与樹脂として重合ロジンエステル系の粘着付与樹脂を用いると、支持基板への汚染、糊残りが少ないばかりか、80~130℃の環境下での支持基板との粘着性が向上するとともに、熱膨張性の微小球を含む加熱膨張型粘着剤の場合には、熱膨張性微小球の膨張後は、支持基板からさらに容易に剥離可能となる。
粘着付与樹脂の配合割合は、粘着性樹脂層(B)の弾性率を所望とする所定の数値範囲内に調整することができるように適宜選択すればよく、特に制限はない。ただし、粘着性樹脂層(B)の弾性率と初期剥離力の面から、粘着性樹脂(B1)100質量部に対して、1~100質量部とすることが好ましい。粘着付与樹脂の配合割合が、粘着性樹脂(B1)100質量部に対して、上記下限値以上であると、作業時の支持基板との密着性が良好になる傾向にある。一方、上記上限値以下であると、常温における支持基板との貼り付け性が良好になる傾向にある。支持基板との密着性、及び常温における貼り付け性の面から、粘着付与樹脂の配合割合を、粘着性樹脂(B1)100質量部に対して、2~50質量部とすることがさらに好ましい。また、粘着付与樹脂の酸価は、30以下であることが好ましい。粘着付与樹脂の酸価が上記上限値以下であると剥離時に支持基板に糊残りが生じ難くなる傾向にある。
粘着性樹脂層(B)は、その他の成分として、可塑剤等の添加剤を含んでもよい。粘着性樹脂層(B)中の粘着性樹脂(B1)、架橋剤(B2)および粘着付与樹脂の含有量の合計は粘着性樹脂層(B)の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。さらに粘着性樹脂層(B)が加熱膨張型粘着剤により構成されている場合は、粘着性樹脂層(B)中の粘着性樹脂(B1)、架橋剤(B2)、粘着付与樹脂、気体発生成分および熱膨張性の微小球の含有量の合計は、粘着性樹脂層(B)の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
粘着性樹脂層(B)は単層であっても多層であってもよい。例えば、加熱による膨張の程度が異なる2層以上を積層して粘着性樹脂層(B)とすることで、粘着性樹脂層(B)の一方の面と他方の面とで、粘着性/熱剥離性を変えることもできる。
粘着性樹脂層(B)の厚さは特に制限されないが、例えば、5μm以上300μm以下であることが好ましく、20μm以上150μm以下であることがより好ましい。
粘着性樹脂層(B)は、例えば、基材層10上に粘着剤塗布液を塗布する方法や、セパレータ上に形成した粘着性樹脂層(B)を基材10上に移着する方法等により形成することができる。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80~200℃の温度範囲において、10秒~10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは、80~170℃において、15秒~5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40~80℃において5~300時間程度加熱してもよい。
また、基材層10と粘着性樹脂層(B)とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の基材層10とフィルム状の粘着性樹脂層(B)とをラミネート(積層)して形成してもよい。
<凹凸吸収性樹脂層(C)>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間または基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)を有する。
凹凸吸収性樹脂層(C)は、電子部品の凹凸構造が形成された面への粘着性フィルム50の追従性を良好にし、凹凸構造を有する電子部品と粘着性フィルム50との密着性を良好にすることを目的として設けられる層である。さらに、凹凸吸収性樹脂層(C)は外部刺激によって架橋硬化することで、凹凸吸収性樹脂層(C)の弾性率を高めることができる。これによって、電子部品の封止工程において、電子部品が粘着性フィルムに沈みこむことを抑制することができる。
外部刺激としては、例えば、熱または光が挙げられる。
凹凸吸収性樹脂層(C)を構成する樹脂は、凹凸吸収性を示すものであれば特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。別観点として、ASTM D-2240のD型ショアーによるショアーD型硬度が、好ましくは50以下、より好ましくは40以下の樹脂が好ましい。
凹凸吸収性樹脂層(C)を構成する樹脂が熱可塑性樹脂でない場合でも、上記と同等の凹凸吸収性を有することが好ましい。
凹凸吸収性樹脂層(C)は、樹脂と、架橋剤と、外部刺激により活性化学種を発生する開始剤とを含むことが好ましい。凹凸吸収性樹脂層(C)がこれら成分を含むことにより、外部刺激により凹凸吸収性樹脂層(C)をより効果的に架橋させることができ、凹凸吸収性樹脂層(C)の弾性率をより一層向上させることが可能となる。これにより、封止材により電子部品を封止する工程において、熱により凹凸吸収性樹脂層が軟化するのを抑制でき、その結果、封止材の圧力により電子部品が粘着性フィルム50に沈みこむことをより一層抑制することができる。
なお、樹脂や架橋剤の化学構造や反応性によっては、凹凸吸収性樹脂層(C)は、必ずしも開始剤を含まずとも、外部刺激により架橋(硬化)する場合がある。
凹凸吸収性樹脂層(C)の形成に使用可能な樹脂は、特に限定されないが、例えば、前述の粘着性樹脂層(B)における粘着性樹脂(B1)として説明した樹脂などを好ましく挙げることができる。
その他、凹凸吸収性樹脂層(C)の形成に使用可能な樹脂は、特に限定されず、例えば、エチレンおよび炭素数3~20のα-オレフィンとを含むエチレン・α-オレフィン共重合体、高密度エチレン系樹脂、低密度エチレン系樹脂、中密度エチレン系樹脂、超低密度エチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、プロピレン(共)重合体、1-ブテン(共)重合体、4-メチルペンテン-1(共)重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン共重合体、エチレン・芳香族ビニル共重合体、エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン・不飽和無水カルボン酸共重合体、エチレン・α-オレフィン・不飽和無水カルボン酸共重合体等のエチレン・無水カルボン酸系共重合体;エチレン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体、エチレン・α-オレフィン・エポキシ含有不飽和化合物共重合体等のエチレン・エポキシ系共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・マレイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチレン・クロトン酸共重合体等のエチレン・エチレン性不飽和酸共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレン・スチレン共重合体等;(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体等の不飽和カルボン酸エステル(共)重合体;エチレン・アクリル酸金属塩共重合体、エチレン・メタアクリル酸金属塩共重合体等のアイオノマー樹脂;ウレタン系樹脂;シリコーン系樹脂;アクリル酸系樹脂;メタアクリル酸系樹脂;環状オレフィン(共)重合体;α-オレフィン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体;エチレン・α-オレフィン・芳香族ビニル化合物;芳香族ポリエン共重合体;エチレン・芳香族ビニル化合物・芳香族ポリエン共重合体;スチレン系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体;スチレン・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・スチレン共重合体;アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン・スチレン共重合体;アクリロニトリル・エチレン・α-オレフィン・共役ポリエン・スチレン共重合体;メタアクリル酸・スチレン共重合体;エチレンテレフタレート樹脂;フッ素樹脂;ポリエステルカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリスチレン系熱可塑性エラストマー;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;1,2-ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー;トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー;塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー;液晶性ポリエステル;ポリ乳酸等から選択される一種または二種以上を用いることができる。
凹凸吸収性樹脂層(C)は、1のみの樹脂を含んでもよいし、2以上の樹脂を含んでもよい。
凹凸吸収性樹脂層(C)が含むことができる架橋剤としては、開始剤から発生する化学種により架橋反応するものを特に制限なく挙げることができる。
好ましい架橋剤としは、多官能(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。より具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、架橋剤としては、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等、種々のモノマーまたはオリゴマーも挙げられる。
架橋剤の量は、(メタ)アクリル系重合体等の樹脂(ベースポリマー)100質量部に対して、例えば5質量部以上500質量部以下、好ましくは40質量部以上150質量部以下である。
別観点として、凹凸吸収性樹脂層(C)は、前述の粘着性樹脂層(A)が含むことができる架橋剤(A2)を1または2以上含んでもよい。具体的には、凹凸吸収性樹脂層(C)は、イソシアネート系化合物を含んでもよい。このような架橋材を用いる場合、その量は、樹脂(ベースポリマー)100質量部に対して、例えば0.01質量部以上5質量部以下、好ましくは0.01質量部以上3質量部以下である。
凹凸吸収性樹脂層(C)が含むことができる開始剤(外部刺激により活性化学種を発生する開始剤)は、熱または光により、凹凸吸収性樹脂層(C)中の樹脂および/または架橋剤を架橋させることが可能なものであれば、特に限定されない。他の層の光透過性が高くない場合があり得ることや、電子部品により光がさえぎられる可能性があることを考慮すると、開始剤は、熱により活性化学種を発生する開始剤であることが好ましい。
開始剤から発生する化学種は、樹脂および/または架橋剤が有する官能基に基づき適宜選択すればよい。開始剤から発生する化学種は、典型的には、ラジカルまたはカチオンである。
開始剤の例としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、入手容易性、取扱性、などの点で、アゾ系化合物または有機過酸化物が好ましく、有機過酸化物がより好ましい。
開始剤の市販品としては、V-70、V-65、V-601、V-59、V-40、VF-096、V-30、VAm-110、VAm-111(以上、富士フイルム和光純薬社製)、ナイパーBW、ナイパーBMT、パーロイルTCP、パーロイルL、パーロイル355、パーロイルSA、パーヘキサHC、パーブチル355、パーブチルD、パーブチルL、パーブチルND、パーオクタO、パーヘキシルD、パーヘキシルO、パーヘキシルPV(以上、日油製)、トリゴノックス36-C75、ラウロックス、パーカドックスL-W75、パーカドックスCH-50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH-70、パーカドックスBC-FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、パーカドックス12-XL25、トリゴノックス22-N70(22-70E)、トリゴノックスD-T50、トリゴノックス423-C70、カヤエステルCND-C70、トリゴノックス23-C70、トリゴノックス257-C70、カヤエステルP-70、カヤエステルTMPO-70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP-65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF-C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH、カヤカルボンI-20、カヤカルボンBIC-75、トリゴノックス117、カヤレン6-70(以上、化薬アクゾ社製)などが挙げられる
凹凸吸収性樹脂層(C)が開始剤を含む場合、その量は、(メタ)アクリル系重合体等の樹脂(ベースポリマー)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、保存安定性向の点から、15質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
本実施形態に係る粘着性フィルム50において、架橋前の凹凸吸収性樹脂層(C)の60℃における貯蔵弾性率E'の下限は、電子部品の封止工程における電子部品の粘着性フィルムへの沈みこみをより一層抑制することができる点から、1.0×10Pa以上が好ましく、5.0×103Pa以上がより好ましい。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム50において、架橋前の凹凸吸収性樹脂層(C)の60℃における貯蔵弾性率E'の上限は、チップ表面の凹凸を効果的に吸収し、更に樹脂のスプリングバックによって経時で凹凸吸収が悪化することを防止できる点から、1.0×10Pa以下が好ましく、5.0×10Pa以下がより好ましい。
架橋前の凹凸吸収性樹脂層(C)の60℃における貯蔵弾性率E'は、例えば、凹凸吸収性樹脂層(C)を構成する各成分の種類や配合割合を制御することにより上記範囲内に制御することができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム50において、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋して得られる凹凸吸収性樹脂層(C')の125℃における貯蔵弾性率E'の下限は、電子部品の封止工程における電子部品の粘着性フィルムへの沈みこみをより一層抑制することができる点から、1.0×10Pa以上が好ましく、5.0×10Pa以上がより好ましい。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム50において、凹凸吸収性樹脂層(C')の125℃における貯蔵弾性率E'の上限は、封止工程における電子部品の位置ずれをより一層抑制することができる点から、1.0×10Pa以下が好ましく、1.0×10Pa以下がより好ましい。
凹凸吸収性樹脂層(C')の125℃における貯蔵弾性率E'は、例えば、凹凸吸収性樹脂層(C)を構成する各成分の種類や配合割合を制御することにより上記範囲内に制御することができる。
ここで、凹凸吸収性樹脂層(C)の架橋処理が完了しているか否かは、例えば、架橋処理をおこなっても凹凸吸収性樹脂層(C)の貯蔵弾性率E'の増加が起きなくなった点を架橋完了点と判断することができる。
凹凸吸収性樹脂層(C)の厚さは、電子部品の凹凸構造を埋め込むことができる厚さであれば、特に制限されないが、例えば、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上900μm以下であることがより好ましく、30μm以上800μm以下であることがさらに好ましく、50μm以上700μm以下であることが特に好ましい。
ここで、電子部品の凹凸構造がバンプ電極を含む場合は、バンプ電極の高さをH[μm]とし、凹凸吸収性樹脂層(C)の厚みをd[μm]としたとき、H/dが1以下であることが好ましく、0.85以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。H/dが上記上限値以下であると、粘着性フィルム50の厚みをより薄くしつつ、凹凸吸収性をより良好にすることができる。
H/dの下限は特に限定されないが、例えば、0.01以上である。バンプ電極の高さは、一般的に2μm以上600μm以下である。
凹凸吸収性樹脂層(C)の形成方法は、特に限定されず、粘着性樹脂層(A)や粘着性樹脂層(B)と同様の補法を採用することができる。
<その他の層>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、各層の間に、例えば、易接着層等がさらに設けられていてもよい。
2.電子装置の製造方法
次に、本実施形態に係る電子装置の製造方法について説明する。図2および3は、本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る電子装置の製造方法は、以下の3つの工程を少なくとも備えている。
(1)基材層10と、基材層10の第1面10A側に設けられ、かつ、電子部品70を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、基材層10の第2面10B側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間または基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルム50と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)に貼り付けられ、かつ、凹凸構造75を有する電子部品70と、を備える構造体100を準備する準備工程
(2)構造体100中の凹凸吸収性樹脂層(C)に対して外部刺激を与えることにより、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋する架橋工程と、
(3)封止材60により電子部品70を封止する封止工程
以下、本実施形態に係る電子装置の製造方法の各工程について説明する。
((1)準備工程)
準備工程では、粘着性フィルム50と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)に貼り付けられ、かつ、凹凸構造75を有する電子部品70と、を備える構造体100を準備する。ここで、構造体100は、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板80をさらに備えてもよい。
このような構造体100は、例えば、以下の手順で作製することができる。
まず、支持基板80上に、粘着性フィルム50を、粘着性樹脂層(B)が支持基板80側となるように貼着する。粘着性樹脂層(B)上にはセパレータと称する保護フィルムが貼付けられていてもよく、当該保護フィルムを剥がし、粘着性樹脂層(B)の露出面を支持基板80表面に貼着することができる。
支持基板80としては、例えば、石英基板、ガラス基板、SUS基板等を使用することができる。
次いで、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)上に電子部品70を配置することにより構造体100を得ることができる。
電子部品70としては、例えば、IC、LSI、ディスクリート、発光ダイオード、受光素子等の半導体チップや半導体パネル、半導体パッケージ等を挙げることができる。
電子部品70の表面は、例えば、電極を有することにより、凹凸構造75となっている。
また、電極は、例えば、電子装置を実装面に実装する際に、実装面に形成された電極に対して接合されて、電子装置と実装面(プリント基板等の実装面)との間の電気的接続を形成するものである。
電極としては、例えば、ボールバンプ、印刷バンプ、スタッドバンプ、めっきバンプ、ピラーバンプ等のバンプ電極が挙げられる。すなわち、電極は、通常凸電極である。これらのバンプ電極は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、バンプ電極を構成する金属種は特に限定されず、例えば、銀、金、銅、錫、鉛、ビスマス及びこれらの合金等が挙げられる。これらの金属種は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
((2)架橋工程)
次いで、構造体100中の凹凸吸収性樹脂層(C)に対して外部刺激を与えることにより、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋する。
凹凸吸収性樹脂層(C)の熱架橋方法は限定されないが、好ましくは熱架橋が挙げられる。熱架橋の場合、加熱温度は、例えば、100℃~180℃であり、加熱処理時間は、例えば、10~180分である。加熱温度は、気体が発生する温度や熱膨張性の微小球が熱膨張する温度を超えないことが好ましい。
また、凹凸吸収性樹脂層(C)に紫外線等の光を照射することによって、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋させて硬化させることができる。
紫外線架橋の場合、例えば、0~60℃の環境下で、高圧水銀ランプを用いて主波長365nmの紫外線を、照射強度10~350mW/cmで紫外線量100~20000mJ/cmの条件で凹凸吸収性樹脂層(C)に照射することによって、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋させて硬化させることができる。
((3)封止工程)
次いで、封止材60により電子部品70を封止する。
封止材60により電子部品70を覆い、例えば150℃以下または170℃以下の温度で封止材60を硬化させて、電子部品70を封止する。ここで、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(B)が気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種を含む場合は、封止材60を硬化させる温度は、気体が発生する温度や熱膨張性の微小球が熱膨張する温度を超えない範囲が好ましい。
また、封止材60の形態としては特に限定されないが、例えば、顆粒状、シート状または液状である。
封止材60としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂系封止材を用いることができる。
特に、粘着性フィルム50への封止材60の親和性がより良好になり、電子部品70をより一層ムラなく封止することが可能となる点から、液状のエポキシ樹脂系封止材が好ましい。
このようなエポキシ樹脂系封止材としては、例えば、ナガセケムテックス社製のT693/R4000シリーズやT693/R1000シリーズ、T693/R5000シリーズ等を用いることができる。
封止方法としては、例えば、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形、注型成形等が挙げられる。封止材60で電子部品70を封止後、例えば150℃以下または170℃以下の温度で加熱することによって封止材60を硬化させ、電子部品70が封止された構造体100が得られる。
((4)第1剥離工程)
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図3(4)に示すように、(3)封止工程の後に、外部刺激を与えることにより粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて構造体100から支持基板80を剥離する第1剥離工程をさらに備えてもよい。
支持基板80は、例えば、電子部品70を封止した後、150℃を超える温度または170℃を超える温度に加熱して、粘着性樹脂層(B)の接着力を低下させることにより、粘着性フィルム50から容易に除去することができる。
((5)第2剥離工程)
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図3(5)に示すように、第1剥離工程の後に、電子部品70から粘着性フィルム50を剥離し、電子装置200を得る第2剥離工程をさらに備えてもよい。
電子部品70から粘着性フィルム50を剥離する方法としては、例えば、機械的に剥離する方法や、粘着性フィルム50表面の粘着力を低下させてから剥離する方法等が挙げられる。
(その他の工程)
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図3(6)に示すように、得られた電子装置200の露出面に、配線層310およびバンプ320を形成し、電子装置300を得る工程(6)をさらに備えてもよい。
配線層310は、最外面に形成された外部接続端子であるパッド(不図示)と、露出した電子部品70と該パッドとを電気的に接続する配線(不図示)と、を備える。配線層310は、従来公知の方法によって形成することができ、多層構造であってもよい。
そして、配線層310のパッド上にバンプ320を形成し、電子装置300を得ることができる。バンプ320としては、はんだバンプや金バンプ等を挙げることができる。はんだバンプは、例えば、配線層310の外部接続端子であるパッド上にはんだボールを配置し、加熱してはんだを溶融させる(リフローする)ことにより形成することができる。金バンプは、ボールボンディング法、めっき法、Auボール転写法等の方法により形成することができる。
また、本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図3(7)に示すように、電子装置300をダイシングし、複数の電子装置400を得る工程(7)をさらに備えてもよい。
電子装置300のダイシングは、公知の方法で行うことができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
粘着性フィルムの作製方法の詳細ついては以下の通りである。
<凹凸吸収性樹脂層(C)または粘着性樹脂層(B)を形成するための粘着剤原料の合成(重合)>
(メタ)アクリル系樹脂溶液1:
アクリル酸エチル41質量部、アクリル酸メチル15質量部、アクリル酸-2-エチルヘキシル35質量部、メクリル酸2-ヒドロキシエチル9質量部、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド系重合開始剤0.8質量部(固形分換算)を、トルエン10質量部および酢酸エチル68質量部中で80℃にて9時間反応させた。反応終了後、得られた溶液を冷却し、冷却した溶液にトルエン35質量部を加えた。このようにして(メタ)アクリル系樹脂溶液1を得た。
(メタ)アクリル系樹脂溶液2:
アクリル酸エチル49質量部、アクリル酸-2-エチルヘキシル20質量部、アクリル酸メチル21質量部、メタクリル酸グリシジル10質量部、および重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド系重合開始剤0.5質量部(固形分換算)をトルエン65質量部および酢酸エチル50質量部中で80℃にて10時間反応させた。反応終了後、得られた溶液を冷却し、冷却した溶液にキシレン25質量部、アクリル酸5質量部、およびテトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド0.5質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で32時間反応させた。このようにして(メタ)アクリル系樹脂溶液2を得た。
(メタ)アクリル系樹脂溶液3:
アクリル酸n-ブチル77質量部、メタクリル酸メチル16質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル16質量部、および重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.3質量部を、トルエン20質量部および酢酸エチル80質量部中で85℃にて10時間反応させた。反応終了後、この溶液を冷却し、これにトルエン30質量部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工製、製品名:カレンズMOI)7質量部、およびジラウリル酸ジブチル錫0.05質量部を加え、空気を吹き込みながら85℃で12時間反応させた。このようにして(メタ)アクリル系樹脂溶液3を得た。
(メタ)アクリル系樹脂溶液4:
アクリル酸n-ブチル72質量部、メタクリル酸メチル18質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル7質量部、アクリル酸3質量部および重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート0.3質量部を、トルエン36質量部および酢酸エチル53質量部中で85℃にて10時間反応させた。
反応終了後、得られた溶液を冷却し、冷却した溶液にトルエン34質量部を加えた。このようにして(メタ)アクリル系樹脂溶液4を得た。
(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン1:
重合開始剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウムを0.5質量部用い、アクリル酸-2-エチルヘキシル63質量部、アクリル酸n-ブチル21質量部、メタクリル酸メチル9質量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル3質量部、メタクリル酸2質量部、アクリルアミド1質量部、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(日本油脂社製、製品名:ブレンマーADT-250)1質量部、および、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムの水溶液(第一工業製薬社製、製品名:アクアロンHS-1025)2質量部を、脱イオン水中で70℃において8時間乳化重合させた。
重合終了後、アンモニア水でpH=7に調整した。
このようにして、固形分濃度56.5%の(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン1を得た。
(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン2:
重合開始剤として4,4'-アゾビス-4-シアノバレリックアシッド(大塚化学社製、製品名:ACVA)を0.5質量部用い、アクリル酸ブチル74質量部、メタクリル酸メチル14質量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル9質量部、メタクリル酸2質量部、アクリルアミド1質量部、および、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムの水溶液(第一工業製薬社製、製品名:アクアロンHS-1025)3質量部を、脱イオン水中で70℃において8時間乳化重合させた。
重合終了後、アンモニア水でpH=7に調整した。
以上により、固形分濃度42.5%の(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン2を得た。
<粘着剤塗布液の配合>
粘着性樹脂層(B)を形成するための粘着剤塗布液B1:
(メタ)アクリル系樹脂溶液1(固形分濃度45%) 100質量部と、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、製品名:タケネートD170N)0.9質量部(固形分換算で粘着性樹脂100質量部に対し、2質量部)とを混合し、トルエン7部および酢酸エチル7部を加え、粘着剤塗布液B1を調製した。
粘着性樹脂層(B)を形成するための粘着剤塗布液B2:
(メタ)アクリル系樹脂溶液1(固形分濃度45%) 100質量部、重合ロジンエステル系粘着付与剤(荒川化学工業社製、製品名:ペンセルD-125) 2.4質量部(固形分換算で粘着性樹脂100質量部に対し、5.3質量部)、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、製品名:オレスターP49-75S) 1.3質量部(固形分換算で粘着性樹脂100質量部に対し、3.7質量部)、および、熱膨張性微小球(積水化学工業社製、製品名:アドバンセルEM-503) 7.1質量部(固形分換算で粘着性樹脂100質量部に対し、15.8質量部)を混合し、トルエン37質量部および酢酸エチル37質量部を加え、粘着剤塗布液B2を調製した。
凹凸吸収性樹脂層(C)を形成するための粘着剤塗布液C:
(メタ)アクリル系樹脂溶液1~4のいずれか、イソシアネート系架橋剤(三井化学社製、製品名:オレスターP49-75S)、熱重合開始剤(化薬ヌーリオン社製、製品名:パーカドックス12-XL25)、および、多官能アクリルオリゴマー(新中村化学工業社製、製品名:NKエステルAD-TMP)を、表1に示す固形分配合比(質量部)で混合し、粘着剤塗布液Cを調製した。
粘着性樹脂層(A)を形成するための粘着剤塗布液A:
表1に示すように、(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン1を42.6質量部、(メタ)アクリル系樹脂エマルジョン2を57.4質量部、ジメチルエタノールアミンを0.4質量部、架橋剤であるエポキシ系化合物(ナガセケムテックス社製、製品名:EX-1610)を3.4もしくは5質量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを13質量部、および、HOを20質量部、を混合して、粘着剤塗布液Aを調製した。
<粘着性フィルムの作製>
[実施例1]
まず、シリコーン離型処理されたセパレータ上に粘着剤塗布液B1を塗工し、120℃で3分間乾燥させて樹脂膜とした。そして、この樹脂膜を、基材層であるポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名:ルミラーS10、厚み:38μm、両面コロナ処理品)の第1面に貼り、アクリル樹脂層を形成した。
同様に、粘着剤塗布液B2をセパレータ上に塗工し、120℃で3分間乾燥させて樹脂膜とした。そして、この樹脂膜を、上記のアクリル樹脂層へ積層させた。これにより、2層構成の粘着性樹脂層(B)を得た。
その後、同様に粘着剤塗布液Cをセパレータ上に塗工し、100℃で3分間乾燥させて樹脂膜とした。この樹脂膜を、上記粘着性樹脂層(B)と反対側(基材層の、粘着性樹脂層(B)を設けた面とは反対側の面)に貼り合わせた。これにより、架橋型凹凸吸収性樹脂層(C)を得た。
さらに、粘着剤塗布液Aをセパレータ上に塗工し、120℃で3分間乾燥させ樹脂膜とした。この樹脂膜を、上記の架橋型凹凸吸収性樹脂層(C)へ積層させた。これにより、粘着性樹脂層(A)を得た。
以上により、基材層と、基材層の第1面側に設けられた粘着性樹脂層(A)と、基材層の第2面側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、基材層と粘着性樹脂層(A)との間に設けられた凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルムを得た。
得られた粘着性フィルムは、60℃で5日間加熱した。
[実施例2~6および比較例1]
粘着性樹脂層(A)を形成するための粘着剤塗布液Aと、凹凸吸収性樹脂層(C)を形成するための粘着剤塗布液Cとして、表1に記載の配合のものを用い、また、各層の厚みを表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様にして粘着性フィルムを得た。
(粘着性樹脂層(B)を形成するための素材や、粘着性樹脂層(B)の設け方は、実施例1と、実施例2~6および比較例1で同じである。)
ちなみに、比較例1は、凹凸吸収性樹脂層が、熱重合開始剤(パーカドックス12-XL25)と多官能アクリルオリゴマー(NKエステルAD-TMP)を含まず、外部刺激により架橋可能ではない点において、実施例1~6とは異なる。
<評価>
(1)封止工程における電子部品のスタンドオフの評価
まず、実施例・比較例で得られた粘着性フィルムの粘着性樹脂層(B)側をコンプレッションモールド用のステンレス板(φ320mm、厚み2.0mm)上に接着した。
次に、電子部品として、4.7mm×3.9mmのシリコンミラーチップ1574個と、3.5mm×3.5mmのパターン有りシリコンチップ55個と、を粘着性フィルムの粘着性樹脂層(A)上に載せて密着させ、構造体を得た。
その後、実施例1~6では、130℃、30分の条件で構造体を加熱した。これにより、凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋(硬化)させた。比較例1ではこのような加熱は行わなかった。
次いで、圧縮成形機を用いて、粘着性樹脂層(A)上の複数個のシリコンチップを、液状のエポキシ樹脂系封止材(ナガセケムテックス社製、製品名:R4212-2C)を用いて、圧縮成形(125℃、600秒)により封止した。これにより、封止樹脂ウェハ(φ300mm、厚み550μm)がステンレス板上に形成された構造体を得た。
得られた構造体に対して、150℃、60分間のポストモールドキュアを行った。
その後、190℃、60秒間加熱することにより、ステンレス板から粘着性フィルムを剥離し、さらに粘着性フィルムを封止樹脂ウエハから剥離した。
得られた封止樹脂ウエハのスタンドオフをレーザー顕微鏡で測定し、下記の基準で電子部品のスタンドオフを評価した。
○(良い):スタンドオフが10μm未満
×(悪い):スタンドオフが10μm以上
(2)凹凸吸収性樹脂層(C)の60℃もしくは125℃における貯蔵弾性率E'の測定
実施例・比較例で用いた凹凸吸収性樹脂層(C)を形成するための粘着剤塗布液Cを用いて、粘着性フィルムとは別に、厚み40μmの凹凸吸収性樹脂層(C)をそれぞれ作製した。その後、得られた凹凸吸収性樹脂層(C)を積層し、厚さが1mmの粘弾性測定用サンプルをそれぞれ得た。
得られた粘弾性測定用サンプルについて、固体粘弾性測定装置(RSA-3、TAインスツルメント社製)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/min、ひずみ0.05%のひずみ固定モード、チャック間距離20mm、サンプル幅10mmの条件で固体粘弾性を測定し測定結果を解析した。そして、凹凸吸収性樹脂層(C)の60℃もしくは125℃における貯蔵弾性率E'とした。
(3)凸吸収性(バンプ吸収性)評価
各テープの自己剥離粘着層側をスライドガラスに貼り付けた後に、高さ10μmで幅2μmの凸が直線状にSiチップ表面に形成された20×20mmのSiチップを、中間層とチップ側粘着層からなる層側に、Panasonic社製MD-P300を用いてマウントして評価した。マウント条件は、温度:60℃、マウント荷重:2N/チップ、マウント時間:0.5sである。
凹凸の吸収性確認は、チップマウント後にテープを130℃で30分硬化した後に、マウントしたSiチップをテープから取り外し、テープ側の表面を顕微鏡で確認して実施した。
この際、チップ上の凸が転写されて出来たテープ上の直線状の凹みが、チップ上の凸の長さより短くなっている、つまり部分的に凸が吸収されていない場合には、凸吸収性が不足していると判断した(表に派閥と表記)。吸収性に問題がない場合は表中に〇と記載した。
Figure 2022146453000002
表1より、凹凸吸収性樹脂層(C)が、外部刺激により架橋可能であることにより、スタンドオフという電子部品の封止不良の発生を抑制できた。
A 粘着性樹脂層
B 粘着性樹脂層
C 凹凸吸収性樹脂層
C' 凹凸吸収性樹脂層
10 基材層
10A 第1面
10B 第2面
50 粘着性フィルム
50A 粘着性フィルム
60 封止材
60A 封止材
70 電子部品
70A 電子部品
75 凹凸構造
75A 凹凸構造
80 支持基板
80A 支持基板
90 スタンドオフ
100 構造体
200 電子装置
300 電子装置
310 配線層
320 バンプ
400 電子装置

Claims (11)

  1. 基材層と、前記基材層の第1面側に設けられ、かつ、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、前記基材層の第2面側に設けられた粘着性樹脂層(B)と、前記基材層と前記粘着性樹脂層(A)との間または前記基材層と前記粘着性樹脂層(B)との間に設けられ、かつ、外部刺激により架橋可能な凹凸吸収性樹脂層(C)と、を備える粘着性フィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(B)が外部刺激により粘着力が低下する層である粘着性フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記外部刺激が熱または光である粘着性フィルム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層(C)が少なくとも前記基材層と前記粘着性樹脂層(A)との間に設けられている粘着性フィルム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層(C)を架橋して得られる凹凸吸収性樹脂層(C')の125℃における貯蔵弾性率E'が5.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である粘着性フィルム。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層が、樹脂と、架橋剤と、外部刺激により活性化学種を発生する開始剤とを含む粘着性フィルム。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記凹凸吸収性樹脂層の厚みが10μm以上1000μm以下である粘着性フィルム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(A)を構成する粘着性樹脂が、(メタ)アクリル系粘着性樹脂、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、オレフィン系粘着性樹脂およびスチレン系粘着性樹脂から選択される一種または二種以上を含む粘着性フィルム。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    電子部品を封止材により封止する際に前記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルム。
  10. 請求項9に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記電子部品が凹凸構造を有する粘着性フィルム。
  11. 請求項10に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記電子部品の前記凹凸構造はバンプ電極を含む粘着性フィルム。
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