JP2022146036A - 忘れ物検出装置、忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】忘れ物が監視カメラの撮影範囲外で置き去りにされた場合でも、忘れ物の持ち主を検出できる忘れ物検出装置、忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラムを提供すること。【解決手段】監視エリアWaの監視カメラCtで撮影された映像Ptであって忘れ物Lを取得した時刻以前かつ取得した場所周辺の映像Ptを入力装置2から取得された忘れ物画像PhLで検索し、忘れ物Lの持ち主が検出される。忘れ物Lが監視カメラCtの撮影範囲外で置き去りにされた場合、映像Ptには、持ち主が忘れ物Lを置き去りにする瞬間は収められないが、置き去りにされる以前の忘れ物Lを所持した持ち主は収められる。そこで、映像Ptのうち忘れ物Lが取得された時刻以前かつ取得された場所周辺の映像Ptを忘れ物画像PhLで検索することで、監視カメラCtの撮影範囲外で置き去りにされた忘れ物Lの持ち主を検出できる。【選択図】図6
Description
本発明は、忘れ物検出装置、忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラムに関するものである。
特許文献1には、検知エリア(ATMエリア30)内にエリア撮影カメラ300及び顔撮影カメラ400が設置され、エリア撮影カメラ300で撮影されたエリア撮影画像301によって物体20の置き去りが検知された場合、その物体20を置き去りにした人物10と物体20とのそれぞれの画像を、エリア撮影画像301と、顔撮影カメラ400で撮影された顔撮影画像401とから取得し、取得された画像を対応付けて表示装置170に表示することが開示されている。これによって、置き去りにされた物体20、即ち忘れ物と、その持ち主である人物10とを一目で把握できるので、忘れ物を人物10が取りに来た場合、その人物10がその忘れ物の持ち主かどうかを容易に識別できる。
ところで、特許文献1において、忘れ物が検知エリア内であってエリア撮影カメラ300の撮影範囲外に置き去りにされる場合がある。この場合、エリア撮影カメラ300で撮影されるエリア撮影画像301には忘れ物自体が含まれない(撮られない)ので、忘れ物の置き去りが検知されず、忘れ物の持ち主が特定できないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、忘れ物が監視カメラの撮影範囲外で置き去りにされた場合でも、忘れ物の持ち主を検出できる忘れ物検出装置、忘れ物検出システム及び忘れ物検出プログラムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の忘れ物検出装置は、監視エリアの映像を取得する監視映像取得手段と、忘れ物を撮影した画像である忘れ物画像を取得する画像取得手段と、前記忘れ物が取得された場所を取得する忘れ物情報取得手段と、前記監視映像取得手段で取得された映像を、前記画像取得手段で取得された忘れ物画像および前記忘れ物情報取得手段で取得された忘れ物が取得された場所に基づいて検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出する持主検出手段とを備えている。
本発明の忘れ物検出システムは、忘れ物検出装置と、監視エリアの映像を撮影する第1カメラとを備えたシステムであって、前記忘れ物検出装置の監視映像取得手段は、前記第1カメラで撮影された映像を取得するものである。
本発明の別の忘れ物検出システムは、忘れ物検出装置と、監視エリアの映像を撮影する第1カメラと、照合装置と、その照合装置の周辺の映像を撮影する第2カメラとを備えたシステムであって、前記忘れ物検出装置の監視映像取得手段は、前記第1カメラで撮影された映像を取得するものであり、前記忘れ物検出装置の照合映像取得手段は、前記第2カメラで撮影された映像を取得するものである。
本発明の忘れ物検出プログラムは、コンピュータに、忘れ物の持ち主を検出する処理を実行させるプログラムであって、監視エリアの映像を取得する監視映像取得ステップと、前記忘れ物を撮影した画像である忘れ物画像を取得する画像取得ステップと、前記忘れ物が取得された場所を取得する忘れ物情報取得ステップと、前記監視映像取得ステップで取得された映像を、前記画像取得ステップで取得された忘れ物画像および前記忘れ物情報取得ステップで取得された忘れ物が取得された場所とに基づいて検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出する持主検出ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
請求項1記載の忘れ物検出装置によれば、監視映像取得手段によって取得された映像を、忘れ物画像および忘れ物が取得された場所に基づいて検索することで忘れ物の持ち主が検出される。即ち忘れ物が監視エリア内の監視映像取得手段で取得される映像の撮影範囲外で置き去りにされた場合、その映像には持ち主が忘れ物を置き去りにする瞬間の映像(画像)は収められていないが、置き去りにされる以前の忘れ物を所持した状態の持ち主の映像が収められている。そこで、監視映像取得手段で取得された映像を忘れ物画像および忘れ物が取得された場所に基づいて検索することで、該映像の撮影範囲外で置き去りにされた忘れ物の持ち主を検出できるという効果がある。
請求項2記載の忘れ物検出装置によれば、請求項1記載の忘れ物検出装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。監視映像取得手段で取得された映像であって、忘れ物情報取得手段で取得された取得時刻以前の映像を遡ることで、忘れ物の持ち主であるユーザが検出される。これにより、監視映像取得手段で取得された全ての映像から忘れ物の持ち主の検出に用いられる映像が限定されるので、該映像から持ち主を効率良く検出できるという効果がある。
請求項3記載の忘れ物検出装置によれば、請求項2記載の忘れ物検出装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。監視映像取得手段で取得された映像であって、検索開始時刻から忘れ物が取得された時刻以前の検索期間の映像を検索することで忘れ物の持ち主が検出される。持ち主の検出に用いられる映像が更に限定されるので、該映像から持ち主を効率良く検出できるという効果がある。
請求項4記載の忘れ物検出装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の忘れ物検出装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。忘れ物に対する異なる複数の忘れ物画像が取得され、監視映像取得手段で取得された映像を取得された複数の忘れ物画像に基づいて検索することで、忘れ物の持ち主が検出される。
監視映像取得手段で取得された映像には、必ずしも一定の形状の忘れ物が収められておらず、例えば、忘れ物の持ち主と共に移動することで、忘れ物の形状が時々刻々と変化したり、或いは傘のように留め具で結束されている場合と留め具を外した場合とで形状が大きく異なるものもある。そこで、監視映像取得手段で取得された映像を異なる複数の忘れ物画像で検索することで、該映像から忘れ物およびその持ち主をより精度良く検出できるという効果がある。
請求項5記載の忘れ物検出装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。照合装置の周辺の映像から、照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、持主検出手段で検出された持ち主と同一のユーザの個人IDが特定され、その特定された個人IDのユーザに忘れ物に関する通知が行われる。これにより、忘れ物を検出した時刻でそのユーザ(即ち忘れ物の持ち主)にその旨を通知できるので、忘れ物を持ち主へ早期に返却できるという効果がある。
請求項6記載の忘れ物検出システムによれば、請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出装置と同様の効果を奏し、請求項7記載の忘れ物検出システムによれば、請求項5記載の忘れ物検出装置と同様の効果を奏する。
請求項8記載の忘れ物検出システムによれば、請求項7記載の忘れ物検出システムの奏する効果に加え、次の効果を奏する。照合装置は出力手段を有し、忘れ物検出装置の通知手段は照合装置に対して、ID特定手段で特定された個人IDが照合された場合に、出力手段に忘れ物が存在する旨の出力を行うことで、忘れ物に関する通知が行われる。これにより、ユーザ(即ち忘れ物の持ち主)が照合装置で照合した際に、その照合と同時に忘れ物に関する旨が出力されるので、持ち主に忘れ物をした旨を確実に認識させ、早期に忘れ物を返却できるという効果がある。
請求項9記載の忘れ物検出プログラムによれば、請求項1記載の忘れ物検出装置と同様の効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、忘れ物検出装置1を表す模式図である。忘れ物検出装置1は、カバン等の忘れ物Lの画像である忘れ物画像PhLと、その忘れ物Lを取得した時刻(取得時刻)および場所とに基づいて監視エリアWaで撮影された映像Ptを検索することで、忘れ物Lの持ち主であるユーザHを検出する装置である。
忘れ物検出装置1には、入力装置2と、忘れ物画像PhL等が表示される表示装置3とが設けられる。入力装置2は、警備員Gm(図2(a)参照)等からの情報や忘れ物画像PhLが入力される装置である。入力装置2として、警備員Gmからの情報が入力されるキーボード、マウス、タッチパネルや、カメラから忘れ物画像PhLが入力される入力端子が例示されるが、これら以外の装置でも良い。
監視エリアWaは、鉄道車両Tの客室内や駅Stのホーム及び改札、デパートのフロア等、忘れ物LやユーザHを監視する領域である。監視エリアWaにはそれぞれ、その監視エリアWa内の映像である映像Pt(図2(b)参照)を取得する監視カメラCt(第1カメラ)が設けられる。監視エリアWaの一例である鉄道車両Tの客室における天井に設けられた監視カメラCtで、当該客室内の天井からの映像Ptが取得される。監視カメラCtは鉄道車両Tの客室毎に設けられ、当該監視カメラCtで取得された全ての映像PtがネットワークNを経由して忘れ物検出装置1に送信される。送信された映像Ptから忘れ物Lが検出される(図1参照)。
駅Stには、入出場するための照合装置である改札機G1,G2,・・・(以下まとめて「改札機G」と略す)が設けられる。改札機GにユーザHによりICカード式の乗車券(以下「IC乗車券」と略す)がタッチされた場合に、そのIC乗車券に基づく入出場情報がネットワークNを経由して忘れ物検出装置1に送信される。入出場情報には、IC乗車券に予め割り当てられている識別番号である個人IDが含まれる。
また駅Stには、更に改札機G及び改札機Gを入出場する人物の映像Pg(図2(c)参照)を取得する改札カメラCg(第2カメラ)が設けられる。映像Pgは、駅St毎および改札機G毎に区別して撮影される。映像PgもネットワークN経由で忘れ物検出装置1に送信される。なお、改札カメラCgを上記の監視カメラCtと兼用にすることで、映像Pt及び映像Pgを共に撮影可能に構成されても良い。
忘れ物検出装置1においては、忘れ物Lを回収した警備員Gm(図2(a)参照)等から入力された忘れ物画像PhL及び忘れ物が取得された時刻および場所に基づいて、各監視エリアWaの監視カメラCtで撮影された映像Ptを検索することで、忘れ物Lとその持ち主であるユーザHが検出される。
続いて、改札カメラCgから取得された映像Pgを検索することでユーザHが入出場した改札機Gが特定され、特定された改札機GをユーザHが入出場した際の入出場情報からそのユーザHの個人IDが取得される。その個人IDに対応付けられているメールアドレスに、忘れ物をした旨の電子メールがインターネットWを経由してユーザHの携帯端末20に送信される。これら忘れ物検出装置1、監視カメラCt、改札カメラCg及び改札機Gによるシステムが「忘れ物検出システム」とされる。
次に図2を参照して、警備員Gmによる忘れ物Lの発見と、その忘れ物Lの忘れ物画像PhLに基づいて監視カメラCtから取得された映像Ptから忘れ物L及び持ち主であるユーザHを検出する方式と、検出された持ち主であるユーザHが入出場した改札機Gを改札カメラCgで撮影された映像Pgから特定する方式とを説明する。
図2(a)は、警備員が忘れ物Lを発見する様子を表す図であり、図2(b)は、監視カメラCtから取得された映像Ptにおいて忘れ物L及びその持ち主であるユーザHを検出する場合を表す図であり、図2(c)は、改札カメラCgで撮影された映像PgからユーザHが入出場した改札機Gを特定する場合を表す図である。
まず図2(a)において、監視エリアWaを巡回する警備員Gmが、テーブルTbの下に置き去られた忘れ物Lを発見し、回収する。警備員Gmは、回収された忘れ物Lを含む忘れ物画像PhLを撮影し、その忘れ物画像PhLと、忘れ物Lを取得した時刻および場所とを入力装置2を介して忘れ物検出装置1に入力する。この際、忘れ物Lに対する1の画像が、忘れ物画像PhLとして忘れ物検出装置1に入力される。
忘れ物画像PhLと、忘れ物Lを取得した時刻および場所とが入力されると、忘れ物検出装置1は、監視エリアWaで取得された映像Ptを、入力された忘れ物画像PhLと忘れ物Lを取得した時刻および場所とに基づいて検索する。この際、映像Ptのうち、忘れ物Lを取得した時刻以前であって、忘れ物Lを取得した場所の近くで撮影された映像Ptから検索される。
検索した結果、映像Ptに忘れ物画像PhLの忘れ物Lが含まれる場合は、映像Ptから忘れ物Lの持ち主のユーザHが検出される(図2(b))。具体的には、映像Ptを忘れ物画像PhLを参照しながら検索することで、忘れ物Lが検出され、更にその忘れ物Lに伴うユーザHを検出した場合は、そのユーザHが忘れ物Lの持ち主として検出される。そして、検出されたユーザHの顔付近の画像である持主画像Phtが取得される。
ここで監視エリアWaには、監視カメラCtが設置されるものの、忘れ物LがテーブルTbの下等の監視カメラCtの撮影範囲(図2(a)において破線に囲まれた範囲)の外側に置き去られると、映像Ptには忘れ物Lが置き去られる瞬間の映像(画像)が含まれない。その一方で、映像Ptの中には忘れ物Lが置き去られる以前の、忘れ物Lと持ち主であるユーザHとが共に収まった映像(画像)が含まれている。
そこで、映像Ptを、忘れ物画像PhLと忘れ物Lを取得した時刻および場所とに基づいて検索することで、映像Ptのうち忘れ物Lとその持ち主であるユーザHとが共に収まった映像(画像)が検出され、かかる映像からユーザHを検出できる。即ち忘れ物Lが監視カメラCtの撮影範囲外で置き去りにされた場合であっても、その持ち主であるユーザHを検出できる。
そして、改札機Gの改札カメラCgで撮影された映像Pgから、ユーザHが入出場した改札機Gが特定される。具体的には、図2(c)に示す通り、映像Pgから、改札機Gを通過したユーザHの顔付近の画像である顔画像Phgが取得され、その顔画像Phgと、映像Ptから取得した持主画像Phtとを照合する。
その結果、顔画像PhgのユーザHと持主画像PhtのユーザHとが同一であると判定された場合は、映像Pgで顔画像Phgが取得された時刻において、ユーザHが入出場した改札機Gの入出場情報から該当する個人IDが取得される。そして、取得された個人IDに該当するメールアドレスに、忘れ物を取得した旨の電子メールが送信される。これにより、忘れ物Lを検出した時刻で、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHの携帯端末20にその旨が通知されるので、ユーザHへ忘れ物Lを早期に返却できる。
次に図3,4を参照して、忘れ物検出装置1の電気的構成を説明する。図3は、忘れ物検出装置1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示す通り、忘れ物検出装置1は、CPU10と、ハードディスクドライブ(以下「HDD」という)11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には更に、上記した入力装置2及び表示装置3と、通信装置15とが接続される。
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。HDD11は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、忘れ物検出プログラム11aと、監視映像データ11bと、改札映像データ11cと、入出場データ11dと、個人情報データ11eと、忘れ物データ11fとが保存される。CPU10によって忘れ物検出プログラム11aが実行されると、図5のメイン処理が実行される。
監視映像データ11bには、監視カメラCtで取得された映像Ptが記憶され、改札映像データ11cには、駅Stの改札カメラCgで撮影された映像Pgが記憶される。入出場データ11dには、改札機Gで入出場された際の個人IDが記憶され、個人情報データ11eには、ユーザHの個人ID毎に、ユーザHのメールアドレス等の個人情報が記憶される。図4(a)~(d)を参照して、監視映像データ11b、改札映像データ11c、入出場データ11d及び個人情報データ11eを説明する。
図4(a)は、監視映像データ11bを模式的に示す図である。監視映像データ11bには、鉄道車両Tの監視カメラCtで撮影された映像Ptが、取得された期間および場所に対応付けられて記憶される。映像Ptが取得された場所には、監視エリアWaとされる鉄道車両T、駅Stのホームや構内等の領域に応じた名称が記憶される。例えば、監視エリアWaが鉄道車両Tである場合は「XX時YY分○○発××行 1号車」のように、映像Ptが取得された鉄道車両Tの始発時刻、始発駅、行先および号車番号が記憶される。
監視エリアWaが駅Stのホームである場合は「△〇駅 1番ホーム」のように、駅Stの駅名とホーム毎に割り振られている番号とが記憶され、監視エリアWaが駅Stの構内である場合は、「△〇駅 銅時計前」のように、駅Stの駅名と駅Stの構内における施設の名称とが記憶される。図示はしないが、監視エリアWaがデパートのフロアである場合は、「××階 ○○売り場」のように、フロアの位置や売り場の名称が記憶される。
図4(b)は、改札映像データ11cを模式的に示す図である。改札映像データ11cには、改札機Gの改札カメラCgで撮影された映像Pgが、取得された期間および改札機Gの場所毎に対応付けられて記憶される。図4(b)及び後述の図4(c)においては、改札機Gの場所を、改札機Gが設けられる駅Stの駅名と改札機Gの識別子とを組み合わせて、例えば「△〇駅・改札A」等と表す。
図4(c)は、入出場データ11dを模式的に表す図である。入出場データ11dには、改札機Gで入出場した場合の日付、時刻、改札機Gの場所および個人IDが記憶される。個人IDには、改札機GでIC乗車券を用いて入出場した際に、そのIC乗車券に割り振られている個人IDが記憶される。切符やプリペイド式の乗車券等、個人IDが取得できない手段で改札機Gの入出場がされた場合は、その旨を表す「-」が記憶される。
図4(d)は、個人情報データ11eを模式的に表す図である。個人情報データ11eには、ユーザHの個人ID毎に、その氏名およびメールアドレスが記憶される。なお、個人情報データ11eには、これに加え、任意でユーザHの電話番号や定期券の区間等の他の個人情報を記憶しても良い。
図3に戻る。忘れ物データ11fには、忘れ物Lに関する情報が記憶される。具体的に忘れ物データ11fには、検出された忘れ物Lの画像と、その忘れ物Lが検出された日付、時刻および場所とが対応付けられて記憶され、更にこれらに加え、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHが特定された場合には、そのユーザHの持主画像Pht、個人ID、メールアドレス及び氏名も対応付けられて記憶される。
RAM12は、CPU10が忘れ物検出プログラム11aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、図2で上記した忘れ物Lの画像が記憶される忘れ物画像メモリ12aと、図2で上記した持主画像Phtが記憶される持主画像メモリ12bと、忘れ物Lが取得された場所が記憶される取得場所メモリ12cと、忘れ物Lが取得された時刻が記憶される取得時刻メモリ12dと、監視映像データ11bに記憶される映像Ptのうち、忘れ物Lの持ち主の検索に用いられる映像Ptが記憶される検索対象映像データ12eとが設けられる。
通信装置15は、外部の機器と情報を送受信するための装置である。通信装置15はネットワークNに接続され、そのネットワークNには、鉄道車両T、駅St及びインターネットWが接続される。これにより、鉄道車両Tの監視カメラCtで取得された映像Ptや、駅Stの改札カメラCgで取得された映像Pgや改札機Gで取得された個人IDが、ネットワークN及び通信装置15を経由して忘れ物検出装置1に送信される。一方で、忘れ物検出装置1からユーザHに送信した電子メールが、通信装置15、ネットワークN及びインターネットWを経由してユーザHの携帯端末20に送信される。
次に図5,6を参照して、忘れ物検出装置1のCPU10で実行されるメイン処理を説明する。図5は、メイン処理のフローチャートである。メイン処理は、忘れ物検出装置1の電源投入後に実行される処理である。メイン処理はまず、入力装置2から個人情報の登録または更新の指示があったかを確認する(S1)。
S1の処理において、個人情報の登録または更新の指示があった場合は(S1:Yes)、入力装置2から、IC乗車券に割り振られている個人IDと、ユーザHの氏名およびメールアドレスとを、個人情報データ11eに登録する(S2)。一方で、S1の処理において、個人情報の登録または更新の指示がなかった場合は(S1:No)、S2の処理をスキップする。
S1,S2の処理の後、ネットワークN及び通信装置15を介して、それぞれの監視エリアWaの監視カメラCtから映像Ptを取得する(S3)。S3の処理の後、取得した映像Ptを、映像Ptを取得した期間および取得した場所に対応付けて監視映像データ11bに保存する(S4)。
S4の処理の後、ネットワークN及び通信装置15を介して、それぞれの駅Stの改札カメラCgから映像Pgを取得する(S5)。S5の処理の後、取得した映像Pgを、映像Pgを取得した期間および改札機Gの場所に対応付けて改札映像データ11cに保存する(S6)。S6の処理の後、ネットワークN及び通信装置15を介して、それぞれの駅Stの改札機Gから入出場情報を取得する(S7)。
S7の処理の後、取得した入出場情報の個人IDと、入出場した日付および時刻と、入出場した改札機Gの場所とを対応付けて入出場データ11dに保存する(S8)。具体的には、改札機GにIC乗車券がタッチされた場合または切符が投入された場合に、それぞれに応じた入出場情報が改札機Gから取得され、入出場データ11dに保存される。
この際、上記した通り、改札機GにIC乗車券がタッチされた場合は、そのIC乗車券の個人IDが取得されて入出場データ11dに記憶され、一方で、改札機Gに切符が投入される等して個人IDが取得できない場合は、入出場データ11dに「-」が記憶される。なお、改札機Gから個人IDが取得できない場合は、入出場データ11dへの入出場情報の追加自体を省略しても良い。
S8の処理の後、入力装置2(図3参照)から忘れ物画像PhLと、その忘れ物画像PhLが取得された場所および時刻とが入力されたかを確認する(S9)。S9の処理において、忘れ物画像PhLと、その忘れ物画像PhLが取得された場所および時刻とが入力された場合は(S9:Yes)、これらをそれぞれ忘れ物画像メモリ12a、取得場所メモリ12c及び取得時刻メモリ12dに保存する(S10)。
S10の処理の後、監視映像データ11bに記憶される映像Ptのうち、取得時刻メモリ12dの時刻以前かつ取得場所メモリ12cの場所周辺の映像Ptを取得し、検索対象映像データ12eに保存する(S11)。
具体的には、まず、監視映像データ11bから「期間」が取得時刻メモリ12dの時刻以前の映像Ptが取得される。取得された映像Ptの中から「場所」が取得場所メモリ12cの場所周辺、例えば、取得場所メモリ12cの場所が鉄道車両Tである場合は、同一の号車やその前後の号車の映像Ptが取得され、取得場所メモリ12cの場所が駅Stの構内である場合は、その構内の周囲または同一の駅Stの他の場所で取得される映像Ptが取得され、検索対象映像データに保存される。この際、取得された映像Ptが複数の場合は、その全てが検索対象映像データ12eに保存される。
また、取得された映像Ptに、取得時刻メモリ12dの時刻より後の映像が含まれている場合は、取得された映像Ptから取得時刻メモリ12dの時刻より後の映像を除去することで、取得時刻メモリ12dの時刻以前の映像が検索対象映像データ12eに保存される。これによって、検索対象映像データ12eには、各監視エリアWaから取得され、監視映像データ11bに記憶される膨大な数かつ長時間の映像Ptのうち、忘れ物Lの持ち主が含まれるとされる期間および場所に限定された映像Ptが記憶される。
なお、監視映像データ11bから映像Ptを取得する方式はこれに限られず、例えば、まず、監視映像データ11bから「場所」が取得場所メモリ12cの場所周辺の映像Ptを取得し、取得された映像Ptの中から「期間」が取得時刻メモリ12dの時刻以前の映像Ptを取得しても良い。
S11の処理の後、持主検出・通知処理(S12)を実行する。ここで図6を参照して、持主検出・通知処理を説明する。
図6は、持主検出・通知処理のフローチャートである。持主検出・通知処理は、検索対象映像データ12eの映像Ptと忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLとから、忘れ物Lの持ち主を検索し、検索された持ち主に忘れ物をした旨を通知する処理である。
持主検出・通知処理はまず、検索対象映像データ12eの映像Ptを、忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLを参照しながら検索する(遡る)ことで、忘れ物Lの持ち主を検出する(S20)。具体的には、検索対象映像データ12eの映像Ptから、忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLと同一または類似する物体(即ち忘れ物L)が含まれる映像(画像)を取得し、取得された映像からその物体を所持している人物を検出することで、忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検出される。
なお、S20の処理における映像Ptから物体や人物を取得する手法は、画像認識や機械学習によるもの等、既知の手法が適宜採用される。また、映像Ptを忘れ物画像PhLで検索した結果、忘れ物Lを所持している人物が複数検出された場合は、映像Ptにおいて忘れ物Lの近くに最も長時間存在している人物をユーザHとして検出しても良いし、検出された全ての人物をユーザHとして検出しても良い。
或いは、S20の処理において検索される検索対象映像データ12eの映像Ptが撮影された監視エリアWaに近隣するエリアの映像PtでもS20の処理と同様の人物の検出を行い、検索対象映像データ12eの映像Ptから検出された人物と、近隣するエリアの映像Ptで検出された人物との相違からユーザHを検出しても良い。例えば、検索対象映像データ12eの映像Ptから忘れ物Lを所持している人物として、人物Yが検出された場合、その人物Yと人物Yが検出された時刻Tyとを記憶しておく。そして、時刻Ty以後における近隣するエリアの映像Ptで人物Yが検出され、且つその人物Yが忘れ物Lを所持していない場合は、人物Yは検索対象映像データ12eの映像Ptが撮影された監視エリアWaから近隣するエリアに移動中に忘れ物Lを置き去りにした人物であると判断できるので、人物YをユーザHとすれば良い。
上記した通り、検索対象映像データ12eには、監視映像データ11bに記憶される映像Ptのうち、忘れ物の持ち主が含まれるとされる期間および場所の映像Ptが記憶される。よって、かかる検索対象映像データ12eの映像Ptを忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLで参照することで、監視映像データ11bに記憶される全ての映像Ptを参照する場合と比較して、忘れ物の持ち主の検出を効率良く行うことができる。
S20の処理の後、検索対象映像データ12eの映像Ptから忘れ物Lの持ち主であるユーザHを検出できたかを確認する(S21)。S21の処理において、忘れ物Lの持ち主であるユーザHを検出できた場合は(S21:Yes)、そのユーザHの顔画像である持主画像Phtを、持主画像メモリ12bに保存する(S22)。
S22の処理の後、持主画像メモリ12bの持主画像Phtと、改札映像データ11cに記憶される映像Pgとを照合することで、映像PgからユーザHと同一の人物が撮影された顔画像Phgを検索する(S23)。S23の処理における検索の方式としては、持主画像メモリ12bに記憶される画像データをそのまま映像Pgと比較することが挙げられるが、例えば、持主画像メモリ12bに記憶される画像データからユーザHの顔の輪郭等の特徴量を抽出し、その特徴量に基づいて映像Pgから同一人物の顔画像を検索しても良い。或いは、画像認識や機械学習によるものでも良い。
S23の処理の後、S23の処理においてユーザHと同一とされる人物の顔画像Phgが検索されたかを確認する(S24)。S24の処理において、ユーザHと同一とされる人物の顔画像Phgが検索された場合は(S24:Yes)、入出場データ11dに、ユーザHが改札機Gを通過したデータが存在するかを確認する(S25)。具体的には、顔画像Phgが検索された映像Pgから顔画像Phgが撮影された時刻を取得し、更に該映像Pgが取得された改札機Gの場所を改札映像データ11cから取得し、取得された時刻および改札機Gの場所を入出場データ11dの通過時刻および場所で参照して、一致するものがあるかを確認する。
S25の処理において、入出場データ11dに、ユーザHが改札機Gを通過したデータが存在する場合は(S25:Yes)、入出場データ11dからその個人IDを取得する(S26)。これによって、忘れ物Lの持ち主であるユーザHの個人IDが特定される。
S26の処理の後、個人情報データ11eから、S26の処理で取得した個人IDに該当するメールアドレスを取得し、そのアドレスに忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信する(S27)。この際、送信する電子メールに忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLや、持主画像メモリ12bの持主画像Phtを添付しても良いし、S20,S21の処理で、持ち主であるユーザHが検出された時刻や場所を監視映像データ11bから取得して、電子メールの文面に加えても良い。
以上より、検索対象映像データ12eには、各監視エリアWaの監視カメラCtで撮影され、監視映像データ11bに記憶された映像Ptのうち、入力装置2から入力された忘れ物Lを取得した時刻以前であって、入力装置2から入力された忘れ物Lを取得した場所周辺の映像Ptが記憶される。かかる検索対象映像データ12eの映像Ptを、入力装置2から取得された忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLで検索することで、忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検出される。これによって、忘れ物Lが監視カメラCtの撮影範囲外で置き去りにされた場合でも、その忘れ物Lの持ち主であるユーザHを検出できる。
更に、駅Stの改札カメラCgで撮影された映像PgからユーザHを検索し、ユーザHが検索された場合は、映像PgにそのユーザHが撮影された時刻において改札機Gで取得された個人IDが取得される。そして、その個人IDに該当するメールアドレスに忘れ物をした旨の電子メールが送信される。これにより、警備員Gmが忘れ物Lを回収し、忘れ物画像PhL等を忘れ物検出装置1に入力することで、速やかに忘れ物をした旨が持ち主であるユーザHに通知される。これにより、忘れ物Lを持ち主へ早期に返却できる。
特に、ユーザHが鉄道車両Tの客室内や駅Stのホームで忘れ物Lを置き去りにした場合、鉄道車両Tへの乗降前後やホームへの移動前後に改札機GでIC乗車券をタッチするので、映像Pgには忘れ物Lを置き去りにする直前または直後のユーザHが撮影される。これにより、映像Ptと映像Pgとにおける、ユーザHの服装や顔色等の差異が小さくなる。このような映像Pgから、映像Ptに基づいて取得された持主画像Phtと同一人物の顔画像Phgを検索することで、忘れ物を検出した旨を通知する対象のユーザHを精度良く検索できる。
S21の処理において、監視映像データ11bの映像Ptから忘れ物画像メモリ12aの忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検索できなかった場合(S21:No)は、他の場所を検索するかを確認する(S28)。具体的には、警備員Gmに他の場所を検索するかを確認する画面(図示せず)が表示装置3に表示され、その画面の表示中に入力装置2から入力された、他の場所を検索する/しないに該当する情報が確認される。
S28の処理において、他の場所を検索する場合は(S28:Yes)、入力装置2から警備員Gmが入力した検索場所を取得する(S29)。S29の処理の後、監視映像データ11bに記憶される映像Ptのうち、取得時刻メモリ12dの時刻以前かつS29の処理で取得された検索場所周辺の映像Ptを取得し、検索対象映像データ12eに保存する(S30)。S30の処理の後、S20以下の処理を繰り返す。
例えば、取得場所メモリ12cに記憶される場所が「駅の改札」であり、S21の処理において「駅の改札」周辺から忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検索できなかった場合に、S29の処理で警備員Gmがその駅の改札に通じる「駅の出入口」を検索場所として入力することで、駅の改札よりも人通りの多い駅の出入口周辺の映像PtからユーザHを検索することができる。このように、S21の処理で忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検索できなかった場合でも、警備員Gmが入力した検索場所周辺の映像Ptを用いることでユーザHを検索できる確率を高めることができる。
S24の処理において同一人物の顔画像Phgが検索されなかった場合(S24:No)、S25の処理において入出場データ11dに一致した顔画像PhgのユーザHが改札機Gを通過したデータが存在しない場合(S25:No)、S27の処理の後、または、S28の処理において他の場所を検索しない場合は(S28:No)、持主検出・通知処理を終了する。この際、忘れ物Lの持ち主が検索されたか否かを表示装置3に表示しても良い。
図5に戻る。S12の持主検出・通知処理の後、忘れ物Lに関する情報を忘れ物データ11fへ追加する(S13)。具体的には、忘れ物データ11fに、忘れ物画像メモリ12aの忘れ物画像PhLと、取得場所メモリ12cの場所および取得時刻メモリ12dの時刻とを対応付けて記憶する。また、図6のS28~S30の処理によって、入力された検索場所によるユーザHの検索がされた場合は、その検索場所も忘れ物データ11fに対応付けて記憶する。S21の処理(図6参照)でその忘れ物Lの持ち主であるユーザHが検索された場合は(S21:Yes)、これらに加え、忘れ物Lの持ち主であるユーザHの画像として、持主画像メモリ12bの持主画像Phtも忘れ物データ11fに対応付けて記憶する。
更にS25の処理(図6参照)で入出場データ11dに、一致した顔画像PhgのユーザHが改札機Gを通過したデータが存在した場合は(S25:Yes)これらに加え、S26,S27の処理で取得された個人ID及びメールアドレスと、個人情報データ11eから取得されたその個人IDに該当する氏名とを、忘れ物データ11fに対応付けて記憶する。
忘れ物データ11fに記憶された忘れ物Lに関する情報を、表示装置3に表示する等して出力することで、警備員Gmは今回および過去に検出された忘れ物Lに関する情報を容易に参照することができる。なお、S13の処理は、忘れ物データ11fにユーザHの画像として持主画像Phtを記憶するものに限られず、例えば、持主画像Phtの代わりに顔画像Phgを忘れ物データ11fに記憶しても良いし、持主画像Phtと顔画像Phgとの両方を忘れ物データ11fに記憶しても良い。
S9の処理において、忘れ物画像PhLと、その忘れ物画像PhLが取得された場所および時刻とが入力されない場合(S9:No)、またはS13の処理の後、S1以下の処理を繰り返す。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、図5のS11の処理で、検索対象映像データ12eに、監視映像データ11bに記憶される映像Ptのうち、取得時刻メモリ12dの時刻以前かつ取得場所メモリ12cの場所周辺の映像Ptを保存した。しかし、これに限られず、監視映像データ11bの映像Ptのうち、取得時刻メモリ12dの時刻以前に取得された、全ての監視エリアWaで取得された映像Ptを保存しても良い。
また、取得時刻メモリ12dの時刻以前の期間である検索期間を、入力装置2から取得し、監視映像データ11bから取得期間(即ち図4(a)における「期間」)が検索期間に含まれ、且つ取得場所メモリ12cの場所周辺の映像Ptを取得して検索対象映像データ12eに保存しても良い。これによって、図6のS20の処理で検索する映像Ptを更に限定できるので、忘れ物Lの持ち主であるユーザHをより効率良く検出できる。
更にかかる検索期間を、監視エリアWaにおいて以前に警備員Gmにより点検が実施された時刻から、取得時刻メモリ12dの忘れ物Lが取得された時刻までの期間としても良い。近年は、監視エリアWa内が警備員Gmによって定期的に点検されることが多い。即ち点検直後は、監視エリアWa内に忘れ物Lが存在しない状態となる。そこで、検索期間を以前の点検が実施された時刻から忘れ物Lが取得された時刻までの期間とすることで、該点検後に監視エリアWa内に置き去られた忘れ物Lの持ち主を効率良く検出できる。
また、監視映像データ11bの映像Ptのうち、取得場所メモリ12cの場所周辺の全ての時間帯で取得された映像Ptを保存しても良い。この際、取得された映像Ptから、取得時刻メモリ12dの忘れ物Lを取得した時刻以後かつ取得場所メモリ12cの場所周辺において、忘れ物Lを探しているとされる挙動の人物が検出された場合は、該人物は忘れ物Lの持ち主である可能性があるので、該人物に忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信しても良い。この場合、該人物の画像を映像Ptから取得して持主画像メモリ12bに保存し、図6のS23~S27の処理を実行することで該人物に電子メールを送信すれば良い。
上記実施形態では、忘れ物画像PhLとして、忘れ物Lに対する1の画像を忘れ物検出装置1に入力した。しかし、これに限られず、忘れ物画像PhLとして、忘れ物Lの異なる複数の画像を忘れ物検出装置1に入力し、複数の忘れ物画像PhLを用いて映像Ptから忘れ物Lの持ち主を検出しても良い。ここで映像Ptには、必ずしも一定の形状の忘れ物Lが収められておらず、例えば、忘れ物Lの持ち主と共に移動することで、映像Ptに収まる忘れ物Lの形状が時々刻々と変化したり、或いは、忘れ物Lが傘である場合のように、留め具で結束されている場合と留め具を外した場合とで形状が大きく異なるものもある。そこで、映像Ptを異なる複数の忘れ物画像PhLを用いて検索することで、映像Ptから忘れ物L及びその持ち主をより精度良く検出できる。また、忘れ物Lの正面、側面、裏面等の複数のアングルによる画像を忘れ物画像PhLとしても良い。
上記実施形態では、警備員Gmが忘れ物Lを回収した場合に、入力装置2に忘れ物画像PhL及び忘れ物Lが取得された時刻および場所を入力することで、忘れ物Lの持ち主を検出した。しかし、これに限られず、忘れ物Lの持ち主自身が、自ら所持している忘れ物Lの画像と、忘れ物Lを置き去りにしたと推測される時刻および場所とを入力装置2に入力しても良い。これによって、忘れ物データ11fに記憶される情報を確認することで、持ち主が忘れ物Lを所持していた最新の時刻および場所を把握できる。
この際、忘れ物データ11fに持ち主ではない、他人の画像が持主画像Phtとして記憶されている場合は、その人物が忘れ物Lを誤って持ち去ってしまった場合である。かかる場合は、忘れ物データ11fからその人物のメールアドレスを取得し、取得したメールアドレスに忘れ物Lの返却を依頼する旨の電子メールを送信すれば良い。
上記実施形態では、忘れ物Lとしてカバンを例示および図示したが、これに限られない。帽子や上着、携帯端末等の他の物体でも良いし、人間や犬、猫等の動物でも良い。特に、迷子や迷い犬、迷い猫の画像を忘れ物画像PhLとし、これらを発見した時刻および場所を入力装置2に入力することで、迷子の保護者や迷い犬、迷い猫の飼い主にこれらを保護している旨を電子メールで連絡できる。また、忘れ物Lをゴミ等の監視エリアWaへの置き去りが禁止されているものとしても良い。これにより、ゴミ等を置き去りにした持ち主に置き去りにした旨や引き取りを依頼する旨を連絡できる。
上記実施形態では、忘れ物画像PhLと、忘れ物Lを取得した時刻および場所とを入力装置2から入力した。しかし、これに限られず、忘れ物画像PhLと、忘れ物Lを取得した時刻および場所とを、警備員Gmの携帯端末(図示せず)からインターネットW及びネットワークNを経由して入力しても良い。
また、所謂「ジオタグ」のように忘れ物画像PhLに忘れ物Lを取得した時刻および場所を組み込んでおき、入力装置2から入力された忘れ物画像PhLから忘れ物Lを取得した時刻および場所を取得しても良い。これにより、忘れ物画像PhLと、忘れ物Lを取得した時刻および場所とを別々に入力する必要がないので、警備員Gmの手間を低減させることができる。
上記実施形態では、個人情報データ11e(図4(d)参照)の個人ID毎にメールアドレスを記憶し、図6のS27の処理で、特定された個人IDのメールアドレスに電子メールを送信した。しかし、特定された個人IDへの通知手段は、電子メールに限られず、例えば、ショート・メッセージ・サービス(SMS)やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも良いし、ファクシミリや電話でも良いし、他の手段を用いても良い。その場合は、個人情報データ11eには、メールアドレスの代わりに、SMSのアドレスやSNSのアカウント、電話番号等の通知手段に応じた連絡先を記憶すれば良い。
また、図5のS7,S8の処理において、改札機Gで取得された入出場情報の個人IDが、過去の図6のS25の処理によって忘れ物Lの持ち主であるユーザHと特定されている場合は、改札機Gにその個人IDが取得された時刻で、改札機Gの表示装置(出力装置、図示せず)に忘れ物Lに関するメッセージを表示しても良い。これにより、忘れ物Lの持ち主に、改札機Gで忘れ物Lが存在する旨を通知できるので、持ち主に忘れ物Lをした旨を確実に認識させ、早期に忘れ物Lを返却できる。
上記実施形態では、図6のS20,S21の処理によって検出された忘れ物Lの持ち主に対して、S27の処理で該当する個人IDのメールアドレスに、忘れ物Lを検出した旨の電子メールを送信した。しかし、これに限られず、例えば、S20,S21の処理で持ち主が複数検出された場合、忘れ物Lとの距離が最も近い持ち主のみに電子メールを送信しても良いし、特定された持ち主全員に電子メールを送信しても良いし、いずれの持ち主にも電子メールを送信しなくても良い。
また、図6のS23,S24の処理において、映像Pgから持主画像メモリ12bの持主画像Phtと同一人物の顔画像Phgが複数検索された場合や、同一人物の顔画像Phgが検索されなかった場合は、更に持主画像Phtの人物の服装と、検出された顔画像Phgの人物の服装とを照合することでユーザHを検索(特定)しても良い。これにより、持主画像Phtと顔画像Phgとのいずれかが不鮮明である等して、「顔」に基づいてユーザHが検索できなかった場合でも、顔よりも面積の大きな服装を照合することでユーザHを検索できる確率を高めることができる。
上記実施形態では、図6のS20の処理において演算により持ち主を検出したが、これに限られず、警備員Gmが監視映像データ11bの映像Ptを検索することで、忘れ物Lの持ち主を検出しても良い。この場合、警備員Gmによって検出された持ち主の顔画像を持主画像メモリ12bに記憶すれば良い。この場合、警備員Gmによって検出された持ち主の顔画像を取得して持主画像メモリ12bに記憶することが、特許請求の範囲における「持主検出手段」及び「持主検出ステップ」に該当する。
上記実施形態では、図5のS1,S2の処理によって、個人情報データ11eに個人ID毎のメールアドレスを登録した。しかしこれに限られず、IC乗車券に個人IDと共にメールアドレスが記憶されている場合は、IC乗車券を改札機Gにタッチした時にIC乗車券から個人IDとメールアドレスとを取得し、取得したメールアドレスを個人情報データ11eに記憶しても良い。また、個人ID及びメールアドレスは、IC乗車券から登録するものに限られず、例えば、駅等の忘れ物検出装置1が設置される施設の管理会社(鉄道会社等)のホームページにより個人ID及びメールアドレスを登録/更新可能に構成しても良い。
上記実施形態では、改札機GにIC乗車券をタッチすることで、改札機GでIC乗車券の個人IDを取得した。改札機GでIC乗車券の個人IDを取得する手法は、これに限られず、例えば、ユーザHがIC乗車券を持って改札機Gを通過するだけで、IC乗車券から個人IDを取得しても良いし、ユーザHを表すIC乗車券以外のものをタッチしたり、ユーザHを表す券面等を改札機Gに投入することで、そのユーザHに該当する個人IDを取得しても良い。また、改札機Gを通過するユーザHの画像に基づいて、そのユーザHに該当する個人IDを取得しても良いし、改札機Gで指紋や静脈、虹彩等のユーザHの生体情報を読み取ることで、該当するユーザHの個人情報を取得しても良い。
上記実施形態では、忘れ物検出システムを、忘れ物検出装置1、監視カメラCt、改札カメラCg及び改札機Gから構成したが、これに限られない。例えば、忘れ物検出システムから改札カメラCg及び改札機Gを省略して、忘れ物検出装置1と監視カメラCtとによる忘れ物検出システムを構成しても良い。この場合、監視カメラCtの映像Ptに基づく忘れ物Lの持ち主であるユーザHの検出を行い、忘れ物データ11fに、忘れ物Lの画像と、その忘れ物Lが検出された日付、時刻および場所と、検出されたユーザHの持主画像Phtとを記憶し、ユーザHへの電子メールの送信を省略すれば良い。
上記実施形態では、忘れ物検出プログラム11aが組み込まれた忘れ物検出装置1を例示したが、これに限られず、パーソナルコンピュータや携帯端末等の情報処理装置(コンピュータ)で忘れ物検出プログラム11aを実行する構成としても良い。また、忘れ物検出装置1又は忘れ物検出プログラム11aが組み込まれた情報処理装置に表示装置3を複数設け、これら忘れ物検出装置1又は情報処理装置を、各駅Stや、鉄道車両T内や駅St内の忘れ物Lや落とし物の管理を行う所謂「落とし物センター」に設置しても良い。これにより、各駅Stや落とし物センターにおいても、忘れ物データ11fの忘れ物Lに関する情報を参照することができる。
また、忘れ物検出システムを駅Stや鉄道車両Tを運営する鉄道会社に設置するものに限られず、例えば、忘れ物検出システムをバス会社やタクシー会社に設置しても良いし、デパート等の百貨店や市役所等の行政機関にも設置しても良い。
1 忘れ物検出装置
11a 忘れ物検出プログラム
Ct 監視カメラ(第1カメラ)
Cg 改札カメラ(第2カメラ)
T 鉄道車両
G 改札機(照合装置)
L 忘れ物
H ユーザ
Pt,Pg 映像
St 駅
Wa 監視エリア
S3 監視映像取得手段、監視映像取得ステップ
S5 照合映像取得手段
S9 画像取得手段、忘れ物情報取得手段、画像取得ステップ、忘れ物情報取得ステップ
S20,S21 持主検出手段、持主検出ステップ
S23~S25 特定手段
S26 ID特定手段
S27 通知手段
11a 忘れ物検出プログラム
Ct 監視カメラ(第1カメラ)
Cg 改札カメラ(第2カメラ)
T 鉄道車両
G 改札機(照合装置)
L 忘れ物
H ユーザ
Pt,Pg 映像
St 駅
Wa 監視エリア
S3 監視映像取得手段、監視映像取得ステップ
S5 照合映像取得手段
S9 画像取得手段、忘れ物情報取得手段、画像取得ステップ、忘れ物情報取得ステップ
S20,S21 持主検出手段、持主検出ステップ
S23~S25 特定手段
S26 ID特定手段
S27 通知手段
Claims (9)
- 監視エリアの映像を取得する監視映像取得手段と、
忘れ物を撮影した画像である忘れ物画像を取得する画像取得手段と、
前記忘れ物が取得された場所を取得する忘れ物情報取得手段と、
前記監視映像取得手段で取得された映像を、前記画像取得手段で取得された忘れ物画像および前記忘れ物情報取得手段で取得された忘れ物が取得された場所に基づいて検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出する持主検出手段とを備えていることを特徴とする忘れ物検出装置。 - 前記忘れ物情報取得手段は、前記忘れ物が取得された時刻である取得時刻を取得するものであり、
前記持主検出手段は、前記監視映像取得手段で取得された映像であって、前記取得時刻以前の映像を検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出することを特徴とする請求項1記載の忘れ物検出装置。 - 前記忘れ物情報取得手段で取得された取得時刻以前の期間である検索期間を取得する期間取得手段を備え、
前記持主検出手段は、前記監視映像取得手段で取得された映像であって、前記期間取得手段で取得された検索期間の映像を検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出することを特徴とする請求項2記載の忘れ物検出装置。 - 前記画像取得手段は、前記忘れ物に対する異なる複数の忘れ物画像を取得するものであり、
前記持主検出手段は、前記監視映像取得手段で取得された映像を、前記画像取得手段で取得された複数の忘れ物画像に基づいて検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の忘れ物検出装置。 - ユーザ操作によりユーザの個人IDを照合する照合装置の周辺の映像を取得する照合映像取得手段と、
その照合映像取得手段で取得された映像から、前記照合装置で個人IDを照合したユーザのうち、前記持主検出手段で検出された持ち主と同一のユーザを特定する特定手段と、
その特定手段で特定されたユーザについて、前記照合装置で照合された個人IDを特定するID特定手段と、
そのID特定手段で特定された個人IDのユーザに、忘れ物に関する通知を行う通知手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の忘れ物検出装置と、
監視エリアの映像を撮影する第1カメラとを備えた忘れ物検出システムであって、
前記忘れ物検出装置の監視映像取得手段は、前記第1カメラで撮影された映像を取得するものであることを特徴とする忘れ物検出システム。 - 請求項5記載の忘れ物検出装置と、
監視エリアの映像を撮影する第1カメラと、
照合装置と、
その照合装置の周辺の映像を撮影する第2カメラとを備えた忘れ物検出システムであって、
前記忘れ物検出装置の監視映像取得手段は、前記第1カメラで撮影された映像を取得するものであり、
前記忘れ物検出装置の照合映像取得手段は、前記第2カメラで撮影された映像を取得するものであることを特徴とする忘れ物検出システム。 - 前記照合装置は、出力装置を有し、
前記忘れ物検出装置の通知手段は、前記照合装置に対して、前記ID特定手段で特定された個人IDが前記照合装置で照合された場合に、前記照合装置の出力装置に忘れ物が存在する旨を出力することで、忘れ物に関する通知を行うことを特徴とする請求項7記載の忘れ物検出システム。 - コンピュータに、忘れ物の持ち主を検出する処理を実行させる忘れ物検出プログラムであって、
監視エリアの映像を取得する監視映像取得ステップと、
前記忘れ物を撮影した画像である忘れ物画像を取得する画像取得ステップと、
前記忘れ物が取得された場所を取得する忘れ物情報取得ステップと、
前記監視映像取得ステップで取得された映像を、前記画像取得ステップで取得された忘れ物画像および前記忘れ物情報取得ステップで取得された忘れ物が取得された場所とに基づいて検索することで、前記忘れ物の持ち主を検出する持主検出ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする忘れ物検出プログラム。
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