JP2022145551A - セパレータおよび非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】デンドライトの形状を制御し、短絡防止効果を高めた非水電解液二次電池用セパレータを提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用セパレータは、当該セパレータの少なくとも一方の表面の凹凸データを解析した際に、基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり、基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、セパレータおよび非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いため、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末、車載用などに用いる電池として広く使用されている。
近年、高出力を有するリチウムイオン二次電池の需要が高くなっている。前記需要を満たすために、優れたイオン透過性を有するセパレータを備えたリチウムイオン二次電池の開発が進められている。
一方、前記リチウムイオン二次電池には、繊維状に成長したリチウム析出物により微小短絡が発生し、電圧低下を招き易いという問題が存在する。前記微小短絡は、電池の長期信頼性を低下させる一因となる。
これに関連して、特許文献1は、多孔質フィルムの少なくとも一方の表面に、特定の開孔率を有するスキン層を形成した多孔質フィルムを開示している。また、特許文献2は、パタンが形成されているパタン領域とパタンが形成されていない非パタン領域とを有しているセパレータを開示している。
しかし、リチウムイオン二次電池におけるデンドライトの成長の抑制方法には、さらなる開発の余地が残されていた。例えば、デンドライトの形状は、デンドライトの成長に伴い、繊維状に近くなることが知られており、当該形状が繊維に近いほど、デンドライトはセパレータの孔中を伸長しやすくなる。したがって、デンドライトの成長による短絡を防止するためには、デンドライトの形状をも制御することが重要である。しかし、上述の先行技術文献には、デンドライトの形状を制御することについては考慮していない。
本発明の一態様は、デンドライトの形状を制御し、短絡防止効果を高めた非水電解液二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明には、以下の態様が包含される。
<1>
非水電解液二次電池用セパレータであって、
上記セパレータの少なくとも一方の表面の凹凸データを解析した際に、
基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり(ただし、データ群の尖度が0以上であることは正規分布よりもピークが鋭いことを表し、尖度が大きいほど分布がシャープであることを表す)、
基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である、
セパレータ。
<2>
多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムを備えている積層セパレータである、<1>に記載のセパレータ。
<3>
上記多孔質層は、含窒素芳香族樹脂を含有している、<2>に記載のセパレータ。
<4>
上記含窒素芳香族樹脂は、アラミド樹脂である、<3>に記載のセパレータ。
<5>
厚み方向に対する圧縮弾性率が50MPa以上である、<1>~<4>のいずれかに記載のセパレータ。
<6>
正極と、<1>~<5>のいずれかに記載のセパレータと、負極と、がこの順に積層されている、非水電解液二次電池用部材。
<7>
<1>~<5>のいずれかに記載のセパレータまたは<6>に記載の非水電解液二次電池用部材を備えている、非水電解液二次電池。
<1>
非水電解液二次電池用セパレータであって、
上記セパレータの少なくとも一方の表面の凹凸データを解析した際に、
基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり(ただし、データ群の尖度が0以上であることは正規分布よりもピークが鋭いことを表し、尖度が大きいほど分布がシャープであることを表す)、
基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である、
セパレータ。
<2>
多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムを備えている積層セパレータである、<1>に記載のセパレータ。
<3>
上記多孔質層は、含窒素芳香族樹脂を含有している、<2>に記載のセパレータ。
<4>
上記含窒素芳香族樹脂は、アラミド樹脂である、<3>に記載のセパレータ。
<5>
厚み方向に対する圧縮弾性率が50MPa以上である、<1>~<4>のいずれかに記載のセパレータ。
<6>
正極と、<1>~<5>のいずれかに記載のセパレータと、負極と、がこの順に積層されている、非水電解液二次電池用部材。
<7>
<1>~<5>のいずれかに記載のセパレータまたは<6>に記載の非水電解液二次電池用部材を備えている、非水電解液二次電池。
本発明の一態様によれば、デンドライトの形状を制御し、短絡防止効果を高めた非水電解液二次電池用セパレータが提供される。
本発明の一実施形態に関して以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.非水電解液二次電池用セパレータ〕
本発明者らが新たに見出したところによると、非水電解液二次電池に含まれているセパレータ表面の平滑性を制御することにより、負極表面で成長するデンドライトの形状を制御できる。すなわち、負極に面する側の表面の平滑性が高いセパレータは、成長するデンドライトの形状を粒状または平板状に制御できる。このような形状のデンドライトは、たとえ発生したとしてもセパレータを貫通する可能性が低い。逆に、負極に面する側の平滑性が低いセパレータは、繊維状のデンドライトを成長させる。このような形状のデンドライトはセパレータを貫通する可能性が高い。
本発明者らが新たに見出したところによると、非水電解液二次電池に含まれているセパレータ表面の平滑性を制御することにより、負極表面で成長するデンドライトの形状を制御できる。すなわち、負極に面する側の表面の平滑性が高いセパレータは、成長するデンドライトの形状を粒状または平板状に制御できる。このような形状のデンドライトは、たとえ発生したとしてもセパレータを貫通する可能性が低い。逆に、負極に面する側の平滑性が低いセパレータは、繊維状のデンドライトを成長させる。このような形状のデンドライトはセパレータを貫通する可能性が高い。
本明細書においては、セパレータ表面の平滑性を、セパレータ表面の凹凸データを解析して得られるパラメータにより表現する。このパラメータとは、基準面からの高さデータ群の尖度、および、基準面からの高さデータ群の標準偏差である。これらの値は、定義上、基準面をどこに設定するかによらず、同じ表面であれば同じ値になる。
一実施形態において、基準面は、セパレータ表面の凹凸データが最も深い地点よりも、さらに深い地点を含む平面に設定される。この場合、基準面からの高さデータは全て、正の値を取る。一実施形態において、基準面は、凹凸の高さを所定の値に調節した標準試料における、最も深い地点(高さゼロの地点)を含む平面のことを表す。この場合、セパレータ表面の基準面からの高さデータ群は、標準試料とセパレータ表面とを比較することにより得られる。一実施形態において、標準試料は、凹凸の高さが54.6μmに調節されている。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、少なくとも一方の表面について、基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上である。尖度の上限は、例えば、124以下、80以下、60以下、40以下または30以下である。尖度とは、分布曲線のシャープさを表す指標である。一実施形態においては、正規分布の尖度を0とする。他の実施形態においては、正規分布の尖度を3とする。
本発明の一実施形態に係るセパレータは、少なくとも一方の表面について、基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下であり、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下である。標準偏差の下限は、例えば、0以上または0.1以上でありうる。
セパレータ表面の凹凸データは、例えば、当該セパレータ表面の光学顕微鏡像から得られる。基準面からの高さデータ群の尖度および標準偏差は、セパレータ表面の凹凸データを解析することにより算出される。ここで、尖度および標準偏差が算出される根拠となる基準面からの高さデータ群は、サンプリングレートが10万ピクセル以上であることが好ましく、15万ピクセル以上であることがより好ましい。
以下、画像解析ソフトとして、Image J(米国国立衛生研究所(NIH)が提供)を使用した際の、基準面からの高さデータ群の尖度および標準偏差の求め方を例示する。より詳細な測定方法の例は、本願実施例を参照。
1.セパレータ表面の凹凸データ(セパレータ表面の3D画像など)を取り込み、polygonツールを利用して、全ての凹凸が含まれるように長方形の範囲を選択する。この際、セパレータの表面と関係のない領域(画像のファイル名、黒色の背景など)が長方形の範囲に含まれないように注意する。
2.プルダウンメニューからEdit-clear outsideを選択し、選択範囲外をトリミングする。
3.プルダウンメニューからAnalyze-histogramを選択して、自動的に凹凸のデータを解析する。この操作により、最大、最小、平均および標準偏差の値が算出される。この標準偏差の値が、基準面からの高さデータ群の標準偏差である。
4.Set measurement kurtosisにチェックを入れ、Analyze measureを選択する。この操作により、基準面からの高さデータ群の尖度(kurtosis)が計算される。
1.セパレータ表面の凹凸データ(セパレータ表面の3D画像など)を取り込み、polygonツールを利用して、全ての凹凸が含まれるように長方形の範囲を選択する。この際、セパレータの表面と関係のない領域(画像のファイル名、黒色の背景など)が長方形の範囲に含まれないように注意する。
2.プルダウンメニューからEdit-clear outsideを選択し、選択範囲外をトリミングする。
3.プルダウンメニューからAnalyze-histogramを選択して、自動的に凹凸のデータを解析する。この操作により、最大、最小、平均および標準偏差の値が算出される。この標準偏差の値が、基準面からの高さデータ群の標準偏差である。
4.Set measurement kurtosisにチェックを入れ、Analyze measureを選択する。この操作により、基準面からの高さデータ群の尖度(kurtosis)が計算される。
本発明者らがさらに見出したところによると、セパレータの厚み方向における剛直性も、負極表面で成長するデンドライトの形状を制御する因子となる。セパレータの厚み方向における剛直性が高いセパレータは、厚み方向に変形しにくく、負極とセパレータとの間に空間を生じさせにくい。このような条件下では、成長するデンドライトの形状は、粒状または平板状になる傾向にある。このような形状のデンドライトは、たとえ発生したとしてもセパレータを貫通する可能性が低い。逆に、厚み方向の剛直性が低いセパレータは、厚み方向に変形しやすいため、負極とセパレータとの間に空間を生じさせやすい。それゆえ、繊維状のデンドライトを成長させる傾向にある。このような形状のデンドライトはセパレータを貫通する可能性が高い。
本明細書においては、セパレータの厚み方向における剛直性を、セパレータの厚み方向に対する圧縮弾性率で表現する。一実施形態において、セパレータの厚み方向に対する圧縮弾性率は、50MPa以上が好ましく、55MPa以上がより好ましく、60MPa以上がさらに好ましく、75MPa以上が特に好ましい。セパレータの厚み方向に対する圧縮弾性率の上限値は、300MPa以下が好ましく、250MPa以下がより好ましく、175MPa以下がさらに好ましく、125MPa以下が特に好ましい。セパレータの厚み方向に対する圧縮弾性率の下限値および上限値の組合せの例としては、50~300MPa、55~250MPa、60~175MPa、75~125MPaが挙げられる。セパレータの厚み方向に対する圧縮弾性率は、微小圧縮試験機を使用して測定する。微小圧縮試験機としては、MCT-510(島津製作所製)などを使用する。
本明細書において、デンドライトの形状の判定は、5000倍のSEM画像に基づいて行う。本明細書において、デンドライトの形状は、デンドライトのアスペクト比(長径/短径の値)により分類する。アスペクト比が2未満であるデンドライトを、粒状と称する。粒状のデンドライトが複数つながったデンドライトを、平板状と称する。アスペクト比が13超であるデンドライトを、「繊維状」と称する。デンドライトを生成させるための試験方法は、本願実施例を参照されたい。デンドライト生成試験において生成するデンドライトの形状は、粒状が最も好ましく、平板状がその次に好ましい。繊維状のデンドライトは、セパレータを貫通する可能性があるため、好ましくない。
[1.1.積層セパレータ]
一実施形態において、セパレータは、多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムを備えている積層セパレータである。積層セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に多孔質層を備えている。
一実施形態において、セパレータは、多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムを備えている積層セパレータである。積層セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に多孔質層を備えている。
ポリオレフィン多孔質フィルムの片面に多孔質層が備わっている場合、上述の平滑性の条件を満たしている表面は、多孔質層側の表面であってもよいし、ポリオレフィン多孔質フィルム側の表面であってもよい。上述の平滑性の条件を満たしている表面は、非水電解液二次電池に組立てたときに、負極と面している。
(1.1.1.多孔質層)
前記多孔質層は、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータを構成する部材として、非水電解液二次電池において、ポリオレフィン多孔質フィルムと、正極および負極の少なくともいずれか一方との間に配置され得る。
前記多孔質層は、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータを構成する部材として、非水電解液二次電池において、ポリオレフィン多孔質フィルムと、正極および負極の少なくともいずれか一方との間に配置され得る。
前記多孔質層は、非水電解液二次電池において、正極および負極の少なくともいずれか一方の活物質層上に形成され得る。前記多孔質層は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムと、正極および負極の少なくともいずれか一方との間に、これらと接するように配置されてもよい。あるいは、積層セパレータの態様ではないが、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを含まない前記多孔質層自体が、非水電解液二次電池用セパレータの機能を果たしてもよい。前記多孔質層は、1層でもよく2層以上であってもよい。
前記多孔質層は、樹脂を含む。前記多孔質層は、絶縁性の樹脂を含む絶縁性の多孔質層であることが好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの片面に前記多孔質層が積層される場合、当該多孔質層は、好ましくは、非水電解液二次電池において、前記ポリオレフィン多孔質フィルムが有する面のうち、負極と対向する面に積層される。より好ましくは、前記多孔質層は、非水電解液二次電池において、負極と接する面に積層される。
(樹脂)
前記樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。
前記樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリオレフィン;(メタ)アクリレート系樹脂;含窒素芳香族樹脂;含フッ素樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ゴム類;融点またはガラス転移温度が180℃以上の樹脂;水溶性ポリマー;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
前述の樹脂のうち、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、含窒素芳香族樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および水溶性ポリマーからなる群より選ばれる1以上の樹脂が好ましい。
また、前記樹脂としては、含窒素芳香族樹脂であることが特に好ましい。前記含窒素芳香族樹脂は、アミド結合等の窒素を介した結合を備えるため、耐熱性に優れる。従って、前記樹脂が含窒素芳香族樹脂であることによって、前記多孔質層の耐熱性を好適に向上させることができる。その結果、前記多孔質層を含む非水電解液二次電池用セパレータの耐熱性を向上させられる。
前記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレン-プロピレン共重合体等が好ましい。
前記含フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-トリクロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-フッ化ビニル共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体およびエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等、並びに、前記含フッ素樹脂の中でもガラス転移温度が23℃以下である含フッ素ゴムを挙げることができる。
前記ポリアミド系樹脂としては、含窒素芳香族樹脂に該当するポリアミド系樹脂であることが好ましく、芳香族ポリアミドおよび全芳香族ポリアミドなどのアラミド樹脂であることが特に好ましい。
前記アラミド樹脂としては、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(メタベンズアミド)、ポリ(4,4’-ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン-4,4’-ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン-4,4’-ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン-2,6-ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン-2,6-ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2-クロロパラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6-ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、メタフェニレンテレフタルアミド/2,6-ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が挙げられる。このうち、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)がより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、ポリアリレートなどの芳香族ポリエステルおよび液晶ポリエステルが好ましい。
前記ゴム類としては、スチレン-ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。
前記融点またはガラス転移温度が180℃以上の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルアミド等を挙げることができる。
前記水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸等を挙げることができる。
なお、前記樹脂としては、1種類の樹脂のみを用いてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。前記多孔質層における樹脂の含有率は、前記多孔質層の全重量を100重量%とすると、25~80重量%が好ましく、30~70重量%がより好ましい。
(フィラー)
本発明の一実施形態において、前記多孔質層は、フィラーを含むことが好ましい。前記フィラーは、無機フィラーまたは有機フィラーであり得る。前記フィラーとしては、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、水酸化アルミニウムおよびベーマイト等からなる群より選ばれる1以上の無機酸化物からなる無機フィラーがより好ましい。
本発明の一実施形態において、前記多孔質層は、フィラーを含むことが好ましい。前記フィラーは、無機フィラーまたは有機フィラーであり得る。前記フィラーとしては、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、水酸化アルミニウムおよびベーマイト等からなる群より選ばれる1以上の無機酸化物からなる無機フィラーがより好ましい。
なお、無機フィラーの吸水性を向上させるために、無機フィラー表面をシランカップリング剤等で親水化処理してもよい。
前記多孔質層における前記フィラーの含有率の下限値は、前記多孔質層の全重量を100重量%とすると、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。前記多孔質層における前記フィラーの含有率の上限値は、前記多孔質層の全重量を100重量%とすると、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。フィラーの含有率の下限値および上限値の組合せの例としては、20~80重量%、30~70重量%が挙げられる。前記フィラーの含有率が前述の範囲である場合、充分なイオン透過性を備えた多孔質層を得ることが容易である。
前記多孔質層は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムと負極が備える負極活物質層との間に配置されることが好ましい。下記説明における多孔質層の物性は、非水電解液二次電池を構成したときに、前記ポリオレフィン多孔質フィルムと負極が備える負極活物質層との間に配置された前記多孔質層の物性を少なくとも指す。
前記多孔質層の目付、すなわち単位面積当たりの重量は、前記多孔質層の強度、膜厚、重量およびハンドリング性を考慮して適宜決定することができる。前記多孔質層の目付は、前記多孔質層一層当たり、0.5~3.5g/m2であることが好ましく、1.0~3.0g/m2であることがより好ましい。
前記多孔質層の目付をこれらの数値範囲とすることにより、前記多孔質層を備える非水電解液二次電池の重量エネルギー密度および体積エネルギー密度をより高くすることができる。前記多孔質層の目付が前記範囲を超える場合には、前記多孔質層を備える非水電解液二次電池が重くなる傾向がある。
前記多孔質層の空隙率は、充分なイオン透過性を得ることができるように、20~90体積%であることが好ましく、30~80体積%であることがより好ましい。
また、前記多孔質層が有する細孔の孔径は、1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。細孔の孔径をこれらのサイズとすることにより、前記多孔質層を備える非水電解液二次電池は、充分なイオン透過性を得ることができる。
前記多孔質層の透気度は、ガーレ値で30~80s/100mLであることが好ましく、40~75s/100mLであることがより好ましい。前記多孔質層の透気度が前述の範囲であれば、前記多孔質層が充分なイオン透過性を有していると言える。
多孔質層の膜厚の下限値は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。多孔質層の膜厚の上限値は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。多孔質層の膜厚の下限値および上限値の組合せの例としては、0.1~20μm、0.3~10μm、0.5~5μmが挙げられる。多孔質層の膜厚が上述の範囲内であれば、多孔質層の機能(耐熱性の付与など)を充分に発揮することができ、かつ、セパレータ全体の厚みを小さくできる。
(樹脂およびフィラーの好ましい組合せ例)
一実施形態において、多孔質層に含まれている樹脂の固有粘度は1.4~4.0dL/gであり、かつ、フィラーの平均粒径は1μm以下である。このような組成の多孔質層を用いれば、薄型化、耐熱性およびイオン透過性を両立させた積層セパレータを作製できる。
一実施形態において、多孔質層に含まれている樹脂の固有粘度は1.4~4.0dL/gであり、かつ、フィラーの平均粒径は1μm以下である。このような組成の多孔質層を用いれば、薄型化、耐熱性およびイオン透過性を両立させた積層セパレータを作製できる。
多孔質層に含まれている樹脂は、固有粘度の下限値が1.4dL/g以上であることが好ましく、1.5dL/g以上であることがより好ましい。また、多孔質層に含まれている樹脂は、固有粘度の上限値が4.0dL/g以下であることが好ましく、3.0dL/g以下であることがより好ましく、2.0dL/g以下であることがさらに好ましい。固有粘度が1.4dL/g以上である樹脂を含んでいる多孔質層は、積層セパレータに充分な耐熱性を付与できる。固有粘度が4.0dL/g以下である樹脂を含んでいる多孔質層は、充分なイオン透過性を有している。固有粘度の測定方法は、本願実施例を参照されたい。
固有粘度が1.4~4.0dL/gである樹脂は、合成条件(モノマーの投入量、合成温度、合成時間など)を適宜設定することにより、樹脂の分子量分布を調節すれば合成できる。あるいは、固有粘度が1.4~4.0dL/gである市販の樹脂を使用してもよい。一実施形態において、固有粘度が1.4~4.0dL/gである樹脂は、アラミド樹脂である。
多孔質層に含まれているフィラーの平均粒径は、1μm以下が好ましく、800nm以下がより好ましく、500nm以下がより好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下がより好ましい。ここで、フィラーの平均粒径は、50個のフィラーの球換算粒径の平均値である。また、フィラーの球換算粒径は、透過型電子顕微鏡によって実測した値である。具体的な測定方法を例示すると、以下の通りである。
1.透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)、透過型電子顕微鏡JEM-2100F)を用いて、加速電圧200kV、撮影倍率はGatan Imaging Filterを使用し、10000倍で撮影する。
2.得られた画像について、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、粒子の輪郭をトレースし、フィラー粒子(一次粒子)の球換算粒径を測定する。
3.上記の測定を、無作為に抽出した50個のフィラー粒子について行う。50個のフィラー粒子の球換算粒径の算術平均を、粒子の平均粒径とする。
1.透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)、透過型電子顕微鏡JEM-2100F)を用いて、加速電圧200kV、撮影倍率はGatan Imaging Filterを使用し、10000倍で撮影する。
2.得られた画像について、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、粒子の輪郭をトレースし、フィラー粒子(一次粒子)の球換算粒径を測定する。
3.上記の測定を、無作為に抽出した50個のフィラー粒子について行う。50個のフィラー粒子の球換算粒径の算術平均を、粒子の平均粒径とする。
フィラーの平均粒径を1μm以下とすることにより、積層セパレータを薄型化することができる。フィラーの平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば5nm以上とすることができる。
(1.1.2.ポリオレフィン多孔質フィルム)
本発明の一実施形態に係る積層セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムを含んでいる。あるいは、積層セパレータの態様ではないが、ポリオレフィン多孔質フィルムのみを本発明の一実施形態に係るセパレータとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る積層セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルムを含んでいる。あるいは、積層セパレータの態様ではないが、ポリオレフィン多孔質フィルムのみを本発明の一実施形態に係るセパレータとしてもよい。
ここで、「ポリオレフィン多孔質フィルム」とは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムである。また、「ポリオレフィン系樹脂を主成分とする」とは、多孔質フィルムに占めるポリオレフィン系樹脂の割合が、多孔質フィルムを構成する材料全体の50体積%以上、好ましくは90体積%以上であり、より好ましくは95体積%以上であることを意味する。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、その内部に連結した細孔を多数有しており、一方の面から他方の面に気体および液体を通過させることが可能となっている。なお、以下、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを、単に「多孔質フィルム」とも称する。
前記ポリオレフィンには、重量平均分子量が5×105~15×106である高分子量成分が含まれていることがより好ましい。特に、前記ポリオレフィンに重量平均分子量が100万以上の高分子量成分が含まれていると、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータの強度が向上するため、より好ましい。
前記ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンおよび1-ヘキセン等の単量体を重合してなる、単独重合体または共重合体が挙げられる。
前記単独重合体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンを挙げることができる。また、前記共重合体としては、例えばエチレン-プロピレン共重合体を挙げることができる。
このうち、過大電流が流れることをより低温で阻止することができるため、前記ポリオレフィンとしては、ポリエチレンがより好ましい。なお、この「過大電流が流れることを阻止すること」をシャットダウンともいう。
前記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン-α-オレフィン共重合体)、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。このうち、前記ポリエチレンとしては、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンがさらに好ましい。
前記多孔質フィルムの目付は、強度、膜厚、重量およびハンドリング性を考慮して適宜決定することができる。ただし、非水電解液二次電池の重量エネルギー密度および体積エネルギー密度を高くすることができるように、前記目付は、4~20g/m2であることが好ましく、4~12g/m2であることがより好ましく、5~10g/m2であることがさらに好ましい。
前記多孔質フィルムの透気度は、ガーレ値で30~500s/100mLであることが好ましく、50~300s/100mLであることがより好ましい。前記多孔質フィルムが前述の範囲内の透気度を有することにより、前記多孔質フィルムは充分なイオン透過性を得ることができる。
前記多孔質フィルムの空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止する機能を得ることができるように、20~80体積%であることが好ましく、30~75体積%であることがより好ましい。
また、前記多孔質フィルムが有する細孔の孔径は、充分なイオン透過性を得ることができ、かつ、正極および負極への粒子の入り込みを防止することができるように、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
積層セパレータは、ポリオレフィン多孔質フィルム以外に、接着層、耐熱層、保護層等のその他の層をさらに備えていてもよい。
さらに、非水電解液二次電池用セパレータの膜厚は、前記微小短絡が発生するまでに必要なデンドライトの移動距離を十分に長くし、かつ、良好なイオン伝導性を保持しうる膜厚であることが好ましい。
この観点から、ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚の下限値は、4μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましい。ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚の上限値は、29μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましい。ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚の下限値および上限値の組合せの例としては、4~29μm、5~20μm、6~15μmが挙げられる。
〔2.非水電解液二次電池用セパレータの製造方法〕
[2.1.ポリオレフィン多孔質フィルムの製造方法]
前記多孔質フィルムの製造方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。すなわち、まず、ポリオレフィン系樹脂と、無機充填剤または可塑剤等の孔形成剤と、任意で酸化防止剤等とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る。その後、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出すことにより、シート状のポリオレフィン系樹脂組成物を作製する。そして、適当な溶媒にて孔形成剤をシート状のポリオレフィン系樹脂組成物から除去する。その後、当該孔形成剤が除去されたポリオレフィン系樹脂組成物を延伸することで、ポリオレフィン多孔質フィルムを製造することができる。
[2.1.ポリオレフィン多孔質フィルムの製造方法]
前記多孔質フィルムの製造方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。すなわち、まず、ポリオレフィン系樹脂と、無機充填剤または可塑剤等の孔形成剤と、任意で酸化防止剤等とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る。その後、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出すことにより、シート状のポリオレフィン系樹脂組成物を作製する。そして、適当な溶媒にて孔形成剤をシート状のポリオレフィン系樹脂組成物から除去する。その後、当該孔形成剤が除去されたポリオレフィン系樹脂組成物を延伸することで、ポリオレフィン多孔質フィルムを製造することができる。
前記無機充填剤としては、特に限定されるものではなく、無機フィラー、具体的には炭酸カルシウム等が挙げられる。前記可塑剤としては、特に限定されるものではなく、流動パラフィン等の低分子量の炭化水素が挙げられる。
前記多孔質フィルムの製造方法として、例えば、以下に示す工程を含む方法を挙げることができる。
(i)重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンと、重量平均分子量が1万以下の低分子量ポリエチレンと、炭酸カルシウムまたは可塑剤等の孔形成剤と、酸化防止剤とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程。
(ii)得られたポリオレフィン系樹脂組成物を段階的に冷却し、シートを成形する工程。(iii)得られたシートの中から適当な溶媒にて孔形成剤を除去する工程。
(iv)孔形成剤が除去されたシートを適当な延伸倍率にて延伸する工程。
(i)重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンと、重量平均分子量が1万以下の低分子量ポリエチレンと、炭酸カルシウムまたは可塑剤等の孔形成剤と、酸化防止剤とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程。
(ii)得られたポリオレフィン系樹脂組成物を段階的に冷却し、シートを成形する工程。(iii)得られたシートの中から適当な溶媒にて孔形成剤を除去する工程。
(iv)孔形成剤が除去されたシートを適当な延伸倍率にて延伸する工程。
[2.2.多孔質層の製造方法]
(樹脂)の項目にて説明した樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて、多孔質層を形成することができる。また、前記樹脂を溶媒に溶解または分散させると共に、前記フィラーを分散させることにより得られた塗工液を用いて、前記樹脂および前記フィラーを含む多孔質層を形成することができる。
(樹脂)の項目にて説明した樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗工液を用いて、多孔質層を形成することができる。また、前記樹脂を溶媒に溶解または分散させると共に、前記フィラーを分散させることにより得られた塗工液を用いて、前記樹脂および前記フィラーを含む多孔質層を形成することができる。
なお、前記溶媒は、前記樹脂を溶解させる溶媒であり得る。また、前記溶媒は、前記樹脂または前記フィラーを分散させる分散媒であり得る。前記塗工液の形成方法としては、例えば、機械攪拌法、超音波分散法、高圧分散法、メディア分散法等が挙げられる。
前記多孔質層の形成方法としては、例えば、前記塗工液を基材の表面に直接塗布した後、溶媒を除去する方法;前記塗工液を適当な支持体に塗布した後、前記溶媒を除去して前記多孔質層を形成し、前記多孔質層と前記基材とを圧着させ、次いで前記支持体を剥がす方法;前記塗工液を適当な支持体に塗布した後、塗布面に前記基材を圧着させ、次いで前記支持体を剥がした後に前記溶媒を除去する方法;および、前記塗工液中に基材を浸漬することによってディップコーティングを行った後に前記溶媒を除去する方法等が挙げられる。
前記溶媒は基材に悪影響を及ぼさず、前記樹脂を均一かつ安定に溶解し、前記フィラーを均一かつ安定に分散させる溶媒であることが好ましい。前記溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトンおよび水等からなる群より選ばれる1以上の溶媒が挙げられる。
前記塗工液は、前記樹脂および前記フィラー以外の成分として、分散剤、可塑剤、界面活性剤およびpH調整剤等を適宜含んでいてもよい。
なお、前記基材としては、前述のポリオレフィン多孔質フィルムの他に、その他のフィルム、正極および負極などを用いることができる。多孔質層を形成させる基材をポリオレフィン多孔質フィルムとすれば、本発明の一実施形態に係る積層セパレータを製造できる。
前記塗工液の基材への塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、例えば、グラビアコーター法、ディップコーター法、バーコーター法およびダイコーター法等が挙げられる。
前記塗工液がアラミド樹脂を含む場合、塗布面に湿度を与えることによってアラミド樹脂を析出させることができる。これにより、前記多孔質層を形成してもよい。
前記基材に塗工した塗工液から前記溶媒を除去する方法としては、例えば、通風乾燥および加熱乾燥等にて、前記塗工液の膜である塗工膜から前記溶媒を除去する方法を挙げることができる。
また、前記塗工液における前記溶媒の量を変化させることにより、得られる多孔質層の空隙率、平均孔径を調整することができる。
前記塗工液の好適な固形分濃度は、フィラーの種類などによって変化し得るが、一般には、3重量%より大きく40重量%以下であることが好ましい。
前記塗工液を基材上に塗工する際の塗工せん断速度は、フィラーの種類などによって変化し得るが、一般には、2(1/s)以上であることが好ましく、4(1/s)~50(1/s)であることがより好ましい。
(アラミド樹脂の調製方法)
アラミド樹脂の調製方法としては、特に限定されないが、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合法が挙げられる。その場合、得られるアラミド樹脂は、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位で結合される繰り返し単位から実質的になる。パラ位に準じた配向位とは、例えば、4,4’-ビフェニレン、1,5-ナフタレン、2,6-ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位である。
アラミド樹脂の調製方法としては、特に限定されないが、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合法が挙げられる。その場合、得られるアラミド樹脂は、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位で結合される繰り返し単位から実質的になる。パラ位に準じた配向位とは、例えば、4,4’-ビフェニレン、1,5-ナフタレン、2,6-ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位である。
ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の溶液を調製する具体的な方法として、例えば、以下の(I)~(IV)に示す工程を含む方法が挙げられる。
(I)乾燥したフラスコにN-メチル-2-ピロリドンを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウムを添加して100℃に昇温し、前記塩化カルシウムを完全に溶解させる。
(II)工程(I)にて得られた溶液の温度を室温に戻した後、パラフェニレンジアミンを添加し、このパラフェニレンジアミンを完全に溶解させる。
(III)工程(II)にて得られた溶液の温度を20±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライドを10分割して約5分間おきに添加する。
(IV)工程(III)にて得られた溶液の温度を20±2℃に保ったまま1時間熟成し、次いで減圧下にて30分間撹拌して気泡を抜くことにより、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の溶液を得る。
(I)乾燥したフラスコにN-メチル-2-ピロリドンを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウムを添加して100℃に昇温し、前記塩化カルシウムを完全に溶解させる。
(II)工程(I)にて得られた溶液の温度を室温に戻した後、パラフェニレンジアミンを添加し、このパラフェニレンジアミンを完全に溶解させる。
(III)工程(II)にて得られた溶液の温度を20±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライドを10分割して約5分間おきに添加する。
(IV)工程(III)にて得られた溶液の温度を20±2℃に保ったまま1時間熟成し、次いで減圧下にて30分間撹拌して気泡を抜くことにより、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の溶液を得る。
[2.3.表面平滑性の制御方法]
多孔質層表面の平滑性を制御する因子の例として、塗工液の分散状態が挙げられる。充分に分散された状態の塗工液を基材に塗工すれば、平滑性の条件を満たしたセパレータが得られやすい。
多孔質層表面の平滑性を制御する因子の例として、塗工液の分散状態が挙げられる。充分に分散された状態の塗工液を基材に塗工すれば、平滑性の条件を満たしたセパレータが得られやすい。
例えば、塗工液の調製には通常は攪拌を伴っており、攪拌が完了してから塗工液を塗工するまでの時間が短いと、充分に分散された状態の塗工液を基材に塗工できる。一実施形態において、塗工液の調製における最後の攪拌が完了してから当該塗工液を基材に塗工するまでの時間は、1時間未満が好ましく、30分以内がより好ましく、10分以内がさらに好ましい。
また、マイクロバブル処理した塗工液は、より長い間充分に分散された状態を保ちうる。マイクロバブル処理した塗工液の場合、塗工液の調製における最後の攪拌が完了してから当該塗工液を基材に塗工するまでの時間は、20日以内が好ましく、48時間以内がより好ましく、24時間以内がさらに好ましい。塗工液にマイクロバブル処理を施す時間は、30分間以上が好ましく、60分間以上がより好ましい。塗工液にマイクロバブル処理を施す時間の上限値は特に限定されないが、例えば72時間以下である。
多孔質層表面の平滑性を制御する因子の他の例として、フィラーの粒径および含有率が挙げられる。フィラーの粒径が大きすぎたり、フィラーの含有率が多すぎたりすると、多孔質層の表面にフィラーに起因する凹凸が生じる傾向にある。フィラー粒子は凹凸が多く、平面的な形状をしていないためである。一方、樹脂はフィラーよりも柔軟性が高いため、多孔質層の樹脂の含有率が高くなると、多孔質層表面の平滑性が高くなる傾向にある。好ましいフィラーの平均粒径(D50)および含有率は、上述した通りである。
ポリオレフィン多孔質フィルム表面の平滑性を制御する因子の例として、塗工速度、塗工バーの平面性が挙げられる。具体的には、塗工速度を遅くすれば、平滑性の条件を満たしたセパレータが得られやすい。
[2.4.厚み方向の圧縮弾性率の調節方法]
セパレータの厚み方向の圧縮弾性率は、例えば、多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムの素材を適宜組合せることによって調節できる。
セパレータの厚み方向の圧縮弾性率は、例えば、多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムの素材を適宜組合せることによって調節できる。
〔3.非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池〕
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用部材は、正極と、上述のセパレータと、負極とがこの順で配置されてなる。本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、上述のセパレータを備えている。非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池において、セパレータは、負極に面した表面が上述の平滑性の条件を満たすように配置されている。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池用部材は、正極と、上述のセパレータと、負極とがこの順で配置されてなる。本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、上述のセパレータを備えている。非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池において、セパレータは、負極に面した表面が上述の平滑性の条件を満たすように配置されている。
前記非水電解液二次電池の形状は、特に限定されるものではなく、薄板(ペーパー)型、円盤型、円筒型、直方体等の角柱型等であってもよい。前記非水電解液二次電池は、例えば、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水電解液二次電池であって、正極と、上述のセパレータと、負極とがこの順で積層されてなる非水電解液二次電池用部材を備える。なお、上述のセパレータ以外の非水電解液二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
前記非水電解液二次電池は、通常、負極と正極とが、上述のセパレータを介して対向した構造体に電解液が含浸された電池要素が、外装材内に封入された構造を有する。なお、ドープとは、吸蔵、担持、吸着、または挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
前記非水電解液二次電池用部材は、上述のセパレータを備えているため、非水電解液二次電池に組み込まれた際に、当該非水電解液二次電池の微小短絡の発生を抑制し、その安全性を向上させることができる。また、前記非水電解液二次電池は、上述のセパレータを備えているため、微小短絡の発生が抑制され、安全性に優れる。
前記非水電解液二次電池の製造方法としては、従来公知の製造方法を採用することができる。例えば、正極、上述のセパレータおよび負極をこの順で配置することにより、前記非水電解液二次電池用部材を形成する。次いで、非水電解液二次電池の筐体となる容器に、当該非水電解液二次電池用部材を入れる。さらに、当該容器内を非水電解液で満たした後、減圧しつつ密閉する。これにより、前記非水電解液二次電池を製造することができる。
[3.1.正極]
本発明の一実施形態における正極は、一般に非水電解液二次電池の正極として使用されるものであれば、特に限定されない。例えば、正極として、正極活物質および結着剤を含む活物質層が正極集電体上に成形された構造を備える正極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に、導電剤および/または結着剤を含んでもよい。
本発明の一実施形態における正極は、一般に非水電解液二次電池の正極として使用されるものであれば、特に限定されない。例えば、正極として、正極活物質および結着剤を含む活物質層が正極集電体上に成形された構造を備える正極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に、導電剤および/または結着剤を含んでもよい。
前記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、V、Mn、Fe、CoおよびNi等の遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。
前記導電剤としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料等が挙げられる。前記導電剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。なお、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
前記正極集電体としては、例えば、Al、Niおよびステンレス等の導電体が挙げられる。中でも、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
正極シートの製造方法としては、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電剤および結着剤をペースト状にした後、当該ペーストを正極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して正極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
[3.2.負極]
本発明の一実施形態における負極としては、一般に非水電解液二次電池の負極として使用されるものであれば、特に限定されない。例えば、負極として、負極活物質および結着剤を含む活物質層が負極集電体上に成形された構造を備える負極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤および/または結着剤を含んでもよい。
本発明の一実施形態における負極としては、一般に非水電解液二次電池の負極として使用されるものであれば、特に限定されない。例えば、負極として、負極活物質および結着剤を含む活物質層が負極集電体上に成形された構造を備える負極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤および/または結着剤を含んでもよい。
前記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、例えば、炭素質材料等が挙げられる。炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックおよび熱分解炭素類等が挙げられる。
前記負極集電体としては、例えば、Cu、Niおよびステンレス等が挙げられる。リチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
負極シートの製造方法としては、例えば、負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にした後、当該ペーストを負極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して負極集電体に固着する方法;等が挙げられる。前記ペーストには、好ましくは前記導電剤および前記結着剤が含まれる。
[3.3.非水電解液]
本発明の一実施形態における非水電解液は、一般にリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池に使用される非水電解液であれば特に限定されない。前記非水電解液としては、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、Li2B10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびLiAlCl4等が挙げられる。前記リチウム塩は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の一実施形態における非水電解液は、一般にリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池に使用される非水電解液であれば特に限定されない。前記非水電解液としては、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、Li2B10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびLiAlCl4等が挙げられる。前記リチウム塩は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
非水電解液を構成する有機溶媒としては、例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、アミド類、カーバメート類および含硫黄化合物、並びにこれらの有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒等が挙げられる。前記有機溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔物性の測定〕
実施例および比較例において、非水電解液二次電池用セパレータおよびポリオレフィン多孔質フィルムの物性等を、以下の方法で測定した。
実施例および比較例において、非水電解液二次電池用セパレータおよびポリオレフィン多孔質フィルムの物性等を、以下の方法で測定した。
(1)膜厚
高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ製)を用いて、非水電解液二次電池用セパレータの膜厚を測定した。具体的には、非水電解液二次電池用セパレータのそれぞれを一辺の長さが8cmの正方形に切り、その正方形の中の5箇所において測定を行い、平均値を膜厚とした。
高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ製)を用いて、非水電解液二次電池用セパレータの膜厚を測定した。具体的には、非水電解液二次電池用セパレータのそれぞれを一辺の長さが8cmの正方形に切り、その正方形の中の5箇所において測定を行い、平均値を膜厚とした。
(2)表面平滑性
以下の手順により計算した。
1.多孔質層が上になるように積層セパレータをガラス板に固定した。
2.光学顕微鏡(VHX-1000、キーエンス製)を用いて、多孔質層表面の光学顕微鏡像を撮像した(倍率:1000倍)。
3.光学顕微鏡の内蔵ソフトウェアを利用して、高画質深度合成タブから自動3D合成ボタンを選択し、凹凸の高さが54.6μmである標準試料の3D画像を作成した。この3D画像は、標準試料を深さ方向に0.5μm間隔で撮像し、得られた像を重ね合せることにより得られたものである。この標準試料の3D画像の、最も高い地点(高さ54.6μm地点)を赤色、最も低い地点(高さゼロμm地点)を青色とし、凹凸の高さに応じてグラデーション表示させた。
4.3.と同様の手順により、多孔質層の3D画像を作成した。内蔵ソフトウェアを利用して、3D比較モードボタンを選択し、3.で作成した標準試料の3D画像と比較することにより、多孔質層の3D画像を、凹凸の高さに応じてグラデーション表示させた。
5.得られた3D画像を、画像解析ソフトImage J(米国国立衛生研究所が提供)で読み込み、3D画像中の全ての凹凸が含まれるように、長方形の範囲を選択した(polygonツールを利用した)。この際、セパレータの表面と関係のない領域(画像のファイル名、黒色の背景など)が長方形の範囲に含まれないように注意した。
6.プルダウンメニューからEdit-clear outsideを選択し、選択範囲外をトリミングした。
7.プルダウンメニューからAnalyze-histogramを選択して、自動的に凹凸のデータを解析した。この操作により、最大、最小、平均および標準偏差の値が算出される。この標準偏差の値が、基準面からの高さデータ群の標準偏差に該当する。
8.Set measurement kurtosisにチェックを入れ、Analyze measureを選択した。この操作により、基準面からの高さデータ群の尖度(kurtosis)が計算される。
以下の手順により計算した。
1.多孔質層が上になるように積層セパレータをガラス板に固定した。
2.光学顕微鏡(VHX-1000、キーエンス製)を用いて、多孔質層表面の光学顕微鏡像を撮像した(倍率:1000倍)。
3.光学顕微鏡の内蔵ソフトウェアを利用して、高画質深度合成タブから自動3D合成ボタンを選択し、凹凸の高さが54.6μmである標準試料の3D画像を作成した。この3D画像は、標準試料を深さ方向に0.5μm間隔で撮像し、得られた像を重ね合せることにより得られたものである。この標準試料の3D画像の、最も高い地点(高さ54.6μm地点)を赤色、最も低い地点(高さゼロμm地点)を青色とし、凹凸の高さに応じてグラデーション表示させた。
4.3.と同様の手順により、多孔質層の3D画像を作成した。内蔵ソフトウェアを利用して、3D比較モードボタンを選択し、3.で作成した標準試料の3D画像と比較することにより、多孔質層の3D画像を、凹凸の高さに応じてグラデーション表示させた。
5.得られた3D画像を、画像解析ソフトImage J(米国国立衛生研究所が提供)で読み込み、3D画像中の全ての凹凸が含まれるように、長方形の範囲を選択した(polygonツールを利用した)。この際、セパレータの表面と関係のない領域(画像のファイル名、黒色の背景など)が長方形の範囲に含まれないように注意した。
6.プルダウンメニューからEdit-clear outsideを選択し、選択範囲外をトリミングした。
7.プルダウンメニューからAnalyze-histogramを選択して、自動的に凹凸のデータを解析した。この操作により、最大、最小、平均および標準偏差の値が算出される。この標準偏差の値が、基準面からの高さデータ群の標準偏差に該当する。
8.Set measurement kurtosisにチェックを入れ、Analyze measureを選択した。この操作により、基準面からの高さデータ群の尖度(kurtosis)が計算される。
基準面からの高さデータ群の尖度が正の値であることは、正規分布よりもシャープな分布であることを表している。基準面からの高さデータ群の尖度が負の値であることは、正規分布よりもブロードな分布であることを表している。
(3)圧縮弾性率
微小圧縮試験機(MCT-510、島津製作所製)を用いて、積層セパレータの圧縮特性から変位率を測定した。測定モードは、押し込み深さ設定負荷-除荷試験モードとした。具体的にはあらかじめセパレータ膜厚を測定しセパレータを1cm四方に切り出し、測定ステージ上に貼り付け、平面圧子(50μm径)を用いて負荷速度0.45mN/secにて荷重20mNとなるまで圧縮試験を行った。得られた変位-荷重曲線の5mN~15mNの範囲で線形近似を行い、傾き[N/μm]を得た。下記式により圧縮弾性率を算出した。
圧縮弾性率[P]=傾き[N/μm]*膜厚[μm]/圧子面積[m2]
微小圧縮試験機(MCT-510、島津製作所製)を用いて、積層セパレータの圧縮特性から変位率を測定した。測定モードは、押し込み深さ設定負荷-除荷試験モードとした。具体的にはあらかじめセパレータ膜厚を測定しセパレータを1cm四方に切り出し、測定ステージ上に貼り付け、平面圧子(50μm径)を用いて負荷速度0.45mN/secにて荷重20mNとなるまで圧縮試験を行った。得られた変位-荷重曲線の5mN~15mNの範囲で線形近似を行い、傾き[N/μm]を得た。下記式により圧縮弾性率を算出した。
圧縮弾性率[P]=傾き[N/μm]*膜厚[μm]/圧子面積[m2]
(4)デンドライトの形状
下記構成のCR2032型コインセルをアルゴングローブボックス中で組み立てた。電解液には、LiClO4の炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1=vol/vol、富山薬品工業製)溶液(1M)を使用した。
・作用極:黒鉛合剤電極およびCu箔
・実施例または比較例で作製した積層セパレータ(多孔質層を黒鉛合剤電極側に配置)
・対極:Li(厚み:200μm、本城金属製)。
下記構成のCR2032型コインセルをアルゴングローブボックス中で組み立てた。電解液には、LiClO4の炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1=vol/vol、富山薬品工業製)溶液(1M)を使用した。
・作用極:黒鉛合剤電極およびCu箔
・実施例または比較例で作製した積層セパレータ(多孔質層を黒鉛合剤電極側に配置)
・対極:Li(厚み:200μm、本城金属製)。
組立てたコインセルに、以下の工程を施した。
1.4時間静置して電解液を含浸させた。
2.室温にて、電流密度:0.2mA/cm2、電圧範囲:3V~0.005Vで1サイクル充放電した。
3.電流密度:0.2mA/cm2にて、0.005Vまで満充電した。
4.電流密度:6mA/cm2にて、333秒間過充電した。これにより、黒鉛合剤電極上にLiを析出させた。
5.アルゴングローブボックス内にて、黒鉛合剤電極の上に付着した電解液を炭酸ジエチルで洗浄した。
6.アルゴン密封状態を保ったまま、取り出したサンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
1.4時間静置して電解液を含浸させた。
2.室温にて、電流密度:0.2mA/cm2、電圧範囲:3V~0.005Vで1サイクル充放電した。
3.電流密度:0.2mA/cm2にて、0.005Vまで満充電した。
4.電流密度:6mA/cm2にて、333秒間過充電した。これにより、黒鉛合剤電極上にLiを析出させた。
5.アルゴングローブボックス内にて、黒鉛合剤電極の上に付着した電解液を炭酸ジエチルで洗浄した。
6.アルゴン密封状態を保ったまま、取り出したサンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
形状が粒状および/または平板状であるデンドライトは、セパレータの厚み方向に成長していないので、短絡防止効果が大きいと判断した。形状が繊維状であるデンドライトは、セパレータの厚み方向に成長しており、セパレータを貫通する可能性が高いため、短絡防止効果が小さいと判断した。
(5)固有粘度
(i)100mLの濃硫酸(96~98%)に、0.5gのアラミド樹脂を溶解させた溶液、および、(ii)樹脂を溶解させていない濃硫酸(96~98%)について、ウベローデ型毛細管粘度計により流動時間を測定した。測定時の温度は30℃とした。求められた流動時間から、下記式により固有粘度を求めた。
固有粘度=ln(T/T0)/C (単位:dL/g)
T:アラミド樹脂の濃硫酸溶液の流動時間
T0:濃硫酸の流動時間
C:アラミド樹脂の濃硫酸溶液におけるアラミド樹脂の濃度(g/dL)。
(i)100mLの濃硫酸(96~98%)に、0.5gのアラミド樹脂を溶解させた溶液、および、(ii)樹脂を溶解させていない濃硫酸(96~98%)について、ウベローデ型毛細管粘度計により流動時間を測定した。測定時の温度は30℃とした。求められた流動時間から、下記式により固有粘度を求めた。
固有粘度=ln(T/T0)/C (単位:dL/g)
T:アラミド樹脂の濃硫酸溶液の流動時間
T0:濃硫酸の流動時間
C:アラミド樹脂の濃硫酸溶液におけるアラミド樹脂の濃度(g/dL)。
〔合成例1〕
以下の手順によりポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)を合成した。
1.攪拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有するセパラブルフラスコ(容量:3L)を用意した。
2.セパラブルフラスコを充分に乾燥させ、2200gのN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を仕込んだ。
3.151.07gの塩化カルシウム粉末(200℃にて2時間真空乾燥させたもの)を添加し、100℃に昇温させて、塩化カルシウム粉末を完全に溶解させた。
4.得られた塩化カルシウムのNMP溶液を室温に戻した。
5.68.23gのパラフェニレンジアミンを添加し、完全に溶解させた。
6.得られた溶液を20℃±2℃に保ったまま、124.61gのテレフタル酸ジクロライドを10分割して、約5分おきに溶液に加えた。
7.得られた溶液を20℃±2℃に保ったまま、攪拌しながら1時間熟成した。
8.1500メッシュのステンレス金網を用いて、熟成した溶液を濾過した。このようにして、アラミド重合液1を得た。
以下の手順によりポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)を合成した。
1.攪拌翼、温度計、窒素流入管および粉体添加口を有するセパラブルフラスコ(容量:3L)を用意した。
2.セパラブルフラスコを充分に乾燥させ、2200gのN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を仕込んだ。
3.151.07gの塩化カルシウム粉末(200℃にて2時間真空乾燥させたもの)を添加し、100℃に昇温させて、塩化カルシウム粉末を完全に溶解させた。
4.得られた塩化カルシウムのNMP溶液を室温に戻した。
5.68.23gのパラフェニレンジアミンを添加し、完全に溶解させた。
6.得られた溶液を20℃±2℃に保ったまま、124.61gのテレフタル酸ジクロライドを10分割して、約5分おきに溶液に加えた。
7.得られた溶液を20℃±2℃に保ったまま、攪拌しながら1時間熟成した。
8.1500メッシュのステンレス金網を用いて、熟成した溶液を濾過した。このようにして、アラミド重合液1を得た。
アラミド重合液1に含まれているポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の固有粘度は、1.7g/dLであった。
〔合成例2〕
テレフタル酸ジクロライドの添加量を124.48gに変更したことを除き、合成例1と同様の手順により、アラミド重合液2を得た。アラミド重合液2に含まれているポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の固有粘度は、1.6g/dLであった。
テレフタル酸ジクロライドの添加量を124.48gに変更したことを除き、合成例1と同様の手順により、アラミド重合液2を得た。アラミド重合液2に含まれているポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の固有粘度は、1.6g/dLであった。
〔実施例1〕
100gのアラミド重合液1をフラスコに秤取し、6.0gのアルミナC(日本アエロジル社製、平均粒径0.013μm)および6.0gのAKP-3000(住友化学社製、平均粒径0.7μm)を加えた。このとき、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナの全量との重量比は、33:67であった。次に、固形分が6.0重量%となるようにNMPを加えて、240分間攪拌した。ここで言う「固形分」とは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナとの総重量のことである。次に、0.73gの炭酸カルシウムを加えて240分間攪拌することにより、溶液を中和させ、スラリー状の塗工液1を調製した。
100gのアラミド重合液1をフラスコに秤取し、6.0gのアルミナC(日本アエロジル社製、平均粒径0.013μm)および6.0gのAKP-3000(住友化学社製、平均粒径0.7μm)を加えた。このとき、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナの全量との重量比は、33:67であった。次に、固形分が6.0重量%となるようにNMPを加えて、240分間攪拌した。ここで言う「固形分」とは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナとの総重量のことである。次に、0.73gの炭酸カルシウムを加えて240分間攪拌することにより、溶液を中和させ、スラリー状の塗工液1を調製した。
塗工液1を8分間静置した。その後、塗工液1を、ポリエチレンからなるポリオレフィン多孔質フィルム(厚さ:12μm)上に、ドクターブレード法により塗布した。得られた塗布物1を、50℃、相対湿度70%の空気中に1分間静置して、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)を析出させた。次に、塗布物1をイオン交換水に浸漬させて、塩化カルシウムおよび溶媒を除去した。次に、塗布物1を70℃のオーブンで乾燥させて、積層セパレータ1を得た。積層セパレータ1の各物性を表1に示す。
〔実施例2〕
中和させた溶液を30分間マイクロバブル処理した以外は、実施例1と同様にして、スラリー状の塗工液2を得た。マイクロバブル処理は、スリーワンモータ(新東工業製)を用いて攪拌棒および攪拌子で塗工液を攪拌し、攪拌子近傍の配管から窒素を供給することにより行った。3分間静置した塗工液2を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層セパレータ2を得た。積層セパレータ2の各物性を表1に示す。
中和させた溶液を30分間マイクロバブル処理した以外は、実施例1と同様にして、スラリー状の塗工液2を得た。マイクロバブル処理は、スリーワンモータ(新東工業製)を用いて攪拌棒および攪拌子で塗工液を攪拌し、攪拌子近傍の配管から窒素を供給することにより行った。3分間静置した塗工液2を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層セパレータ2を得た。積層セパレータ2の各物性を表1に示す。
〔実施例3〕
100gのアラミド重合液2をフラスコに秤取し、6.0gのアルミナC(日本アエロジル社製、平均粒径0.013μm)を加えた。このとき、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナの全量との重量比は、1:1であった。次に、固形分が4.5重量%となるようにNMPを加えて、240分間攪拌した。ここで言う「固形分」とは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナとの総重量のことである。次に、0.73gの炭酸カルシウムを加えて240分間攪拌することにより、溶液を中和させ、スラリー状の塗工液3を調製した。8分間静置した塗工液3を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層セパレータ3を得た。積層セパレータ3の各物性を表1に示す。
100gのアラミド重合液2をフラスコに秤取し、6.0gのアルミナC(日本アエロジル社製、平均粒径0.013μm)を加えた。このとき、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナの全量との重量比は、1:1であった。次に、固形分が4.5重量%となるようにNMPを加えて、240分間攪拌した。ここで言う「固形分」とは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)とアルミナとの総重量のことである。次に、0.73gの炭酸カルシウムを加えて240分間攪拌することにより、溶液を中和させ、スラリー状の塗工液3を調製した。8分間静置した塗工液3を使用した以外は、実施例1と同様にして、積層セパレータ3を得た。積層セパレータ3の各物性を表1に示す。
〔実施例4〕
中和させた溶液を30分間マイクロバブル処理した以外は、実施例3と同様にして、スラリー状の塗工液4を得た。マイクロバブル処理は、スリーワンモータ(新東工業製)を用いて攪拌棒および攪拌子で塗工液を攪拌し、攪拌子近傍の配管から窒素を供給することにより行った。3分間静置した塗工液4を使用した以外は、実施例3と同様にして、積層セパレータ4を得た。積層セパレータ4の各物性を表1に示す。
中和させた溶液を30分間マイクロバブル処理した以外は、実施例3と同様にして、スラリー状の塗工液4を得た。マイクロバブル処理は、スリーワンモータ(新東工業製)を用いて攪拌棒および攪拌子で塗工液を攪拌し、攪拌子近傍の配管から窒素を供給することにより行った。3分間静置した塗工液4を使用した以外は、実施例3と同様にして、積層セパレータ4を得た。積層セパレータ4の各物性を表1に示す。
〔比較例1〕
9gのポリフッ化ビニリデン樹脂、0.8gの平均粒径500nmのアルミナ、および0.2gの平均粒径50nmのアルミナを混合して、比較塗工液1を調製した。8分間静置した比較塗工液1を、ポリエチレンフィルム(厚さ:12μm)の片面に塗布して、比較積層セパレータ1を得た。
9gのポリフッ化ビニリデン樹脂、0.8gの平均粒径500nmのアルミナ、および0.2gの平均粒径50nmのアルミナを混合して、比較塗工液1を調製した。8分間静置した比較塗工液1を、ポリエチレンフィルム(厚さ:12μm)の片面に塗布して、比較積層セパレータ1を得た。
〔比較例2〕
塗工液1を1時間50分静置してから塗工した以外は、実施例1と同様にして、比較積層セパレータ2を得た。比較積層セパレータ2の各物性を表1に示す。
塗工液1を1時間50分静置してから塗工した以外は、実施例1と同様にして、比較積層セパレータ2を得た。比較積層セパレータ2の各物性を表1に示す。
〔比較例3〕
塗工液1を72時間静置してから塗工した以外は、実施例1と同様にして、比較積層セパレータ3を得た。比較積層セパレータ3の各物性を表1に示す。
塗工液1を72時間静置してから塗工した以外は、実施例1と同様にして、比較積層セパレータ3を得た。比較積層セパレータ3の各物性を表1に示す。
〔結果〕
積層セパレータ1~4は、基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり、基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である、表面が平滑なセパレータであった。その結果、過充電により生成したデンドライトは、粒状または平板上に成長した。つまり、積層セパレータ1~4は、短絡防止効果の大きいセパレータであると言える。これは、塗工液を調製後すぐに塗工したり、塗工液をマイクロバブル処理したりしたことにより、塗工液に微細な気泡が残った状態で多孔質層が形成されたためであると考えられる。
積層セパレータ1~4は、基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり、基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である、表面が平滑なセパレータであった。その結果、過充電により生成したデンドライトは、粒状または平板上に成長した。つまり、積層セパレータ1~4は、短絡防止効果の大きいセパレータであると言える。これは、塗工液を調製後すぐに塗工したり、塗工液をマイクロバブル処理したりしたことにより、塗工液に微細な気泡が残った状態で多孔質層が形成されたためであると考えられる。
比較積層セパレータ1~3は、基準面からの高さデータ群の尖度が5未満であり、基準面からの高さデータ群の標準偏差が12超である、表面が平滑でないセパレータであった。その結果、過充電により生成したデンドライトは、繊維状に成長した。つまり、比較積層セパレータ1~3は、短絡防止効果の小さいセパレータであると言える。
また、積層セパレータ1~4は、いずれも厚み方向に対する圧縮弾性率が50MPa以上であった。つまり、積層セパレータ1~4は厚み方向の剛直性を充分に有しており、負極とセパレータとの境界に空隙が生じにくい。この点においても、積層セパレータ1~4は、短絡防止効果が大きいと言える。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用セパレータは、充放電を行った際の微小短絡の発生が抑制され、安全性に優れる非水電解液二次電池の製造に利用することができる。
Claims (7)
- 非水電解液二次電池用セパレータであって、
上記セパレータの少なくとも一方の表面の凹凸データを解析した際に、
基準面からの高さデータ群の尖度が5以上であり(ただし、データ群の尖度が0以上であることは分布曲線が正規分布よりもシャープであることを表し、尖度が大きいほど分布曲線がシャープであることを表す)、
基準面からの高さデータ群の標準偏差が12以下である、
セパレータ。 - 多孔質層およびポリオレフィン多孔質フィルムを備えている積層セパレータである、請求項1に記載のセパレータ。
- 上記多孔質層は、含窒素芳香族樹脂を含有している、請求項2に記載のセパレータ。
- 上記多孔質層は、アラミド樹脂である、請求項3に記載のセパレータ。
- 厚み方向に対する圧縮弾性率が50MPa以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のセパレータ。
- 正極と、請求項1~5のいずれか1項に記載のセパレータと、負極と、がこの順に積層されている、非水電解液二次電池用部材。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のセパレータまたは請求項6に記載の非水電解液二次電池用部材を備えている、非水電解液二次電池。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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KR1020220033868A KR20220131190A (ko) | 2021-03-19 | 2022-03-18 | 세퍼레이터 및 비수전해액 이차 전지 |
CN202210279057.4A CN115117547A (zh) | 2021-03-19 | 2022-03-18 | 隔膜及非水电解液二次电池 |
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- 2022-02-24 JP JP2022027138A patent/JP2022145551A/ja active Pending
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