JP2022144546A - 光偏向素子、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、物体認識装置および移動体 - Google Patents

光偏向素子、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、物体認識装置および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】反射部の防湿性を高めることで、光偏向素子の信頼性を向上させる。【解決手段】反射部と、前記反射部を支持する基体と、前記基体の前記反射部が設けられた領域の外側の領域において前記反射部の外周を囲むように配置され、前記反射部が設けられた面から突出または陥没の少なくとも何れか一方の形状に形成される変形部と、前記反射部と前記変形部とを覆い、前記反射部を保護する保護部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、光偏向素子、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、物体認識装置および移動体に関する。
従来、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を用いて製作した光偏向素子が知られている。画像計測センサや距離センサなどに用いられる光偏向素子においては、光をより広範囲に走査するため、ミラー部の大型化、振れ角の広角化、高反射化が求められている。
ところで、光偏向素子のミラー部についての大型化、振れ角の拡大、高速駆動を行う場合、ミラー部に対する多くの環境負荷(例えば、湿度水分の集中など)、形状の変形、応力集中が起こる可能性がある。
一般に、光偏向素子には、水分によって腐食する材料が用いられることがある。そこで、特許文献1には、アクチュエータ部上に保護膜を形成して湿度水分を防湿する技術が開示されている。
しかしながら、保護膜による保護対象を光偏向素子の備える反射部としたとき、特許文献1に開示の技術によれば、保護膜部の端部からの水分侵入を防止することができず、反射膜部が腐食することによる反射率低下や機能低下を起こす機会が増え、光偏向素子の信頼性を低下させるという懸念があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、反射部の防湿性を高めることで、光偏向素子の信頼性を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、反射部と、前記反射部を支持する基体と、前記基体の前記反射部が設けられた領域の外側の領域において前記反射部の外周を囲むように配置され、前記反射部が設けられた面から突出または陥没の少なくとも何れか一方の形状に形成される変形部と、前記反射部と前記変形部とを覆い、前記反射部を保護する保護部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、反射部の防湿性を高めることで、光偏向素子の信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施形態にかかる可動装置の構成の一例を示す平面図である。 図2は、可動装置の構成の一例を示す断面図である。 図3は、可動装置の構成の変形例を示す平面図である。 図4は、ミラー部の一例を拡大して示す平面図である。 図5は、ミラー部の一例を示す断面図である。 図6は、ミラー部の他の一例を示す平面図である。 図7は、ミラー部の他の一例を示す断面図である。 図8は、溝部の変形例を示す断面図である。 図9は、変形部の変形例を示す断面図である。 図10は、第2の実施形態にかかる光走査システムの一例を示す概略図である。 図11は、光走査システムの一例のハードウェア構成図である。 図12は、制御装置の一例の機能ブロック図である。 図13は、光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。 図14は、第3の実施形態にかかるヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の一例を示す概略図である。 図15は、ヘッドアップディスプレイ装置の一例を示す概略図である。 図16は、第4の実施形態にかかる光書込装置を組み込んだ画像形成装置の一例を示す概略図である。 図17は、光書込装置の一例を示す概略図である。 図18は、第5の実施形態にかかるライダ装置を搭載した自動車の一例を示す概略図である。 図19は、ライダ装置の一例を示す概略図である。 図20は、第6の実施形態にかかるレーザヘッドランプの構成の一例を示す概略図である。 図21は、第7の実施形態にかかるHMDの外観を例示する斜視図である。 図22は、HMDの構成を部分的に例示する図である。
以下に添付図面を参照して、光偏向素子、画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ、レーザヘッドランプ、ヘッドマウントディスプレイ、物体認識装置および移動体の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
ここで、図1は第1の実施形態にかかる可動装置13の構成の一例を示す平面図、図2は可動装置13の構成の一例を示す断面図である。
図1に示すように、光偏向素子である可動装置13は、ミラー部101と、第1駆動部110a、110bと、第1支持部120と、第2駆動部130a、130bと、第2支持部140と、電極接続部150と、を有する。
ミラー部101は、入射した光を反射する。第1駆動部110a、110bは、ミラー部101に接続され、ミラー部101をY軸に平行な第1軸周りに駆動する。第1支持部120は、ミラー部101および第1駆動部110a、110bを支持する。
第2駆動部130a、130bは、第1支持部120に接続され、ミラー部101および第1支持部120をX軸に平行な第2軸周りに駆動する。第2支持部140は、第2駆動部を支持する。
電極接続部150は、第1駆動部110a、110bおよび第2駆動部130a、130bおよび制御装置11(例えば、図10参照)に電気的に接続される。
可動装置13は、例えば、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射膜部14や第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a~131f、132a~132f、電極接続部150等を形成することで、各構成部が一体的に形成されている。なお、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
図2に示すように、SOI基板は、単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層の上に酸化シリコン層362が設けられ、その酸化シリコン層の上にさらに単結晶シリコンからなる第2のシリコン層が設けられている基板である。以降、第1のシリコン層をシリコン支持層361、第2のシリコン層をシリコン活性層363とする。
シリコン活性層363は、X軸方向またはY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、シリコン活性層363のみで構成された部材は、弾性を有する弾性部としての機能を備える。
なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。また、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば可動装置13の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。
ミラー部101は、例えば、円形形状のミラー部基体102と、ミラー部基体102の+Z側の面上に形成された反射部である反射膜部14とから構成される。ミラー部基体102は、例えば、シリコン活性層363から構成される。反射膜部14は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。なお、当該金属薄膜としては単層であっても、多層であってもよい。また、金属薄膜上に当該金属薄膜とは異なる材料から構成される機能膜、例えば増反射膜が形成されていてもよい。ミラー部101は、ミラー部基体102の-Z側の面にミラー部補強用のリブが形成されていてもよい。リブは、例えば、シリコン支持層361および酸化シリコン層362から構成され、可動によって生じる反射膜部14の歪みを抑制することができる。
第1駆動部110a、110bは、ミラー部基体102に一端が接続し、第1軸方向にそれぞれ延びてミラー部101を可動可能に支持する2つのトーションバー111a、112bと、一端がトーションバーに接続され、他端が第1支持部の内周部に接続される第1圧電駆動部112a、112bと、から構成される。
図2に示されるように、トーションバー111a、111bはシリコン活性層363から構成される。また、第1圧電駆動部112a、112bは、弾性部であるシリコン活性層363の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図1に戻り、第1支持部120は、例えば、シリコン支持層361、酸化シリコン層362、シリコン活性層363から構成され、ミラー部101を囲うように形成された矩形形状の支持体である。
第2駆動部130a、130bは、例えば、折り返すように連結された複数の第2圧電駆動部131a~131f、132a~132fから構成されており、第2駆動部130a、130bの一端は第1支持部120の外周部に接続され、他端は第2支持部140の内周部に接続されている。このとき、第2駆動部130aと第1支持部120の接続箇所および第2駆動部130bと第1支持部120の接続箇所、さらに第2駆動部130aと第2支持部140の接続箇所および第2駆動部130bと第2支持部140の接続箇所は、反射膜部14の中心に対して点対称となっている。
図2に示されるように、第2駆動部130a、130bは、弾性部であるシリコン活性層363の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。上部電極203および下部電極201は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図1に戻り、第2支持部140は、例えば、シリコン支持層361、酸化シリコン層362、シリコン活性層363から構成され、ミラー部101、第1駆動部110a、110b、第1支持部120および第2駆動部130a、130bを囲うように形成された矩形の支持体である。
電極接続部150は、例えば、第2支持部140の+Z側の面上に形成され、第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動131a~131fの各上部電極203および各下部電極201,および制御装置11にアルミニウム(Al)等の電極配線を介して電気的に接続されている。なお、上部電極203または下部電極201は、それぞれが電極接続部と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
なお、本実施形態では、圧電部202が弾性部であるシリコン活性層363の一面(+Z側の面)のみに形成された場合を一例として説明したが、弾性部の他の面(例えば-Z側の面)に設けても良いし、弾性部の一面および他面の双方に設けても良い。
また、ミラー部101を第1軸周りまたは第2軸周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーションバー111a、111bや第1圧電駆動部112a、112bが曲率を有した形状を有していてもよい。
さらに、第1駆動部110a、110bの上部電極203の+Z側の面上、第1支持部の+Z側の面上、第2駆動部130a、130bの上部電極203の+Z側の面上、第2支持部の+Z側の面上の少なくともいずれかに酸化シリコン膜からなる絶縁層が形成されていてもよい。このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極203または下部電極201と電極配線とが接続される接続スポットのみ、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bおよび電極配線の設計自由度をあげ、さらに電極同士の接触による短絡を抑制することができる。また、酸化シリコン膜は、反射防止材としていの機能も備える。
[制御装置の制御の詳細]
次に、可動装置13の第1駆動部110a、110bおよび第2駆動部130a、130bを駆動させる制御装置の制御の詳細について説明する。
第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bが有する圧電部202は、分極方向に正または負の電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した変形(例えば、伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。第1駆動部110a、110b,第2駆動部130a、130bは、上記の逆圧電効果を利用してミラー部101を可動させる。
このとき、ミラー部101の反射膜部14がXY平面に対して+Z方向または-Z方向へ傾いたときのXY平面と反射膜部14により成す角度を、振れ角とよぶ。このとき、+Z方向を正の振れ角、-Z方向を負の振れ角とする。
まず、第1駆動部110a、110bを駆動させる制御装置の制御について説明する。
第1駆動部110a、110bでは、第1圧電駆動部112a、112bが有する圧電部202に、上部電極203および下部電極201を介して駆動電圧が並列に印加されると、それぞれの圧電部202が変形する。この圧電部202の変形による作用により、第1圧電駆動部112a、112bが屈曲変形する。その結果、2つのトーションバー111a、111bのねじれを介してミラー部101に第1軸周りの駆動力が作用し、ミラー部101が第1軸周りに可動する。第1駆動部110a、110bに印加される駆動電圧は、制御装置11によって制御される。
そこで、制御装置11によって、第1駆動部110a、110bが有する第1圧電駆動部112a、112bに所定の正弦波形の駆動電圧を並行して印加することで、ミラー部101を、第1軸周りに所定の正弦波形の駆動電圧の周期で可動させることができる。
特に、例えば、正弦波形電圧の周波数がトーションバー111a、111bの共振周波数と同程度である約20kHzに設定された場合、トーションバー111a、111bのねじれによる機械的共振が生じるのを利用して、ミラー部101を約20kHzで共振振動させることができる。
なお、本実施形態では、可動装置13は図1に示されるように、トーションバー111a、111bから+X方向に向かって第1圧電駆動部112a、112bが延びる片持ちタイプの可動装置13を用いているが、電圧印加された圧電部により反射膜部14を可動させる構成であれば、これに限られない。図3は、可動装置13の構成の変形例を示す平面図である。例えば、図3に示すように、可動装置として、トーションバー211a、211bから+X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212a、212bおよび-X方向に向かって延びる第一圧電駆動部212c、212dを有する両端支持(両持ち)タイプの可動装置13aを適用するようにしてもよい。また、可動装置13は、1軸方向のみに反射膜部14を可動させる構成としてもよい。
次に、ミラー部101について詳述する。
ここで、図4はミラー部101の一例を拡大して示す平面図、図5はミラー部101の一例を示す断面図である。図4および図5に示すように、本実施形態のミラー部101は、反射膜部14と、反射膜部14を支持するミラー部基体102と、反射膜部14を保護可能な保護膜部141と、を備える。
ミラー部101のミラー部基体102は、シリコン活性層363から形成される。ただし、これに限定されるものではなく、ミラー部101のミラー部基体102は、酸化材料や無機材料、有機材料等で構成してもよい。また、ミラー部101のミラー部基体102の負のZ方向の面には、補強するためのリブやその他の構造が設けられていても良い。リブやその他の構造は、シリコン支持層361及び酸化シリコン層362等で形成される。
ミラー部101は、図4および図5に示すように、ミラー部101のミラー部基体102の正のZ方向の面上に反射膜部14を形成する。反射膜部14は、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜やその多層膜を用いる。なお、当該金属薄膜としては単層であっても、多層であってもよい。また、金属薄膜上に当該金属薄膜とは異なる材料から構成される機能膜、例えば増反射膜が形成されていてもよい。
図4に示す例は、ミラー部101のミラー部基体102の形状を円形形状とした例である。また、反射膜部14は、ミラー部基体102に合わせて円形形状に形成されている。
なお、ミラー部101のミラー部基体102の形状は、これに限定されるものではない。ここで、図6はミラー部101の他の一例を示す平面図である。例えば、図6に示すように、ミラー部101のミラー部基体102の形状は、矩形形状に形成されていてもよい。図6(a)に示す例では、反射膜部14をミラー部基体102に合わせて矩形形状に形成したものである。図6(b)に示す例では、ミラー部101のミラー部基体102の形状を矩形形状に形成し、反射膜部14の形状を図4に示す例と同様に円形形状としたものである。
なお、ミラー部101の反射膜部14は、図4および図6に示したように、円形形状または矩形形状に形成されるが、これに限定されるものではなく、その他形状でも良い。
ところで、従来のミラー部においては、より広範囲への反射要求によるミラー部の面積の拡大、駆動範囲の広角化、高速駆動化により、振動とねじりモーメントが発生しやすい機会が増し、ミラー反射部の基体と保護膜部と間に微小の水分子が入り込み、反射部まで浸潤することがある。
そこで、本実施形態のミラー部101は、図4および図5に示すように、ミラー部基体102における反射部が設けられた領域の外側の領域において、反射部が設けられた面に開口を有して陥没する変形部である溝部142を形成する。溝部142は、反射部の外周を囲むように配置される。なお、溝部142は切れ目により複数に分けられた構成であってもよいが、反射膜部14への水分の侵入機会をより抑制できることから切れ目なく囲むように環状に配置されることが好ましい。また溝部142の形状は特に限定されず、図4で示す曲率を有する形状の他に、直線状であってもよく、また蛇行状の構造を有する形状であってもよい。溝部142は、ミラー部101のミラー部基体102の活性層に形成される。
溝部142は、反射膜部14よりZ方向に負の層に設けられる。図5に示すように、ミラー部101のミラー部基体102の端部からの距離cは、c>0である。また、溝部142の幅bは、10μm程度で形成される。溝部142の深さdは、10μm程度で形成される。溝部142の開口度は、構造の破壊強度の観点より、溝が無い場合の断面積の0~10%以下の開口度が望ましい。溝部142の形状は、図5に示すように、浸潤した水分の這い上がりを抑制することを目的とし、Z方向の深さdと幅bとが同一であることが望ましい。
なお、反射膜部14は、溝部142の一部にかかっても良いが、溝部142を完全に覆わないものとする。
本実施形態のミラー部101は、少なくとも反射膜部14のZ方向の上部と、溝部142の側部及び底部とに、保護膜部141を形成する。保護膜部141は、溝部142の側壁部および底部を、側壁部および底部に沿ってコンフォーマルに覆うものである。なお、反射膜部14は、ミラー部101のミラー部基体102の端部までを覆うようにしても良い。こうすることにより、保護膜部141が剥がれにくくなる。
保護膜部141は、原子の性質である自己制御性を利用し、ピンポンフリーかつステップカバレッジを得ることが出来るALD(原子堆積層)成膜にて、防湿特性が既知のAl2O3(アルミナ)にて形成する。これにより、溝部142の側壁部および底部に沿った良好な保護膜部141が形成される。ただし、保護膜部141は、これに限定されるものではなく、その他無機または有機耐湿性膜、多層膜、塗布型のフッ素系樹脂材等でも良い。
本実施形態のミラー部101は、このような構成とすることにより、保護膜部141の端部に環境負荷によりクラックや膜剥がれが生じた場合に、保護膜部141の端部より侵入した水分を溝部142に沿って保護膜部141との間に浸潤させることができる。そして、本実施形態のミラー部101は、保護膜部141の端部から反射膜部14までの水分の通り道を従来に比べて長くすることができることにより、反射膜部14までの水分の伝搬を抑制することができる、という効果を奏する。
このように本実施形態によれば、環境負荷による反射膜部14への水分の侵入機会を抑制し、反射膜部14の防湿性を高めることで、光偏向素子の信頼性を向上させることができる。
このように本実施形態によれば、光偏向素子の信頼性の向上を図ることにより、反射率が維持でき、長期間使用においても画質が劣化しない、という効果を奏する。また、本実施形態によれば、性能を長期間維持することができるとともに、高環境負荷の高い状況でも使用することができる。
なお、本実施形態のミラー部101は、十分な反射膜部14の面積を確保するために、溝部142をミラー部基体102に1つ形成するようにしたが、ミラー部101の溝部142の数は、これに限定されるものではない。ここで、図7はミラー部101の他の一例を示す断面図である。例えば、図7に示すミラー部101は、十分な反射膜部14の面積を確保可能であることを条件として、溝部142をミラー部基体102に2つ形成している。このように、十分な反射膜部14の面積を確保可能であれば、ミラー部101は、溝部142をミラー部基体102に複数備えていてもよい。図7に示す溝部142の変形例によれば、保護膜部141の端部から反射膜部14までの水分の通り道を図5に示す溝部142に比べて長くすることができることにより、水分の反射膜部14への伝搬をさらに抑制することができる。
また、本実施形態ミラー部101は、変形部として、図5に示したようなZ方向の深さdと幅bとが同一であるような溝部142を示したが、これに限るものではない。ここで、図8は溝部142の変形例を示す断面図である。図8(a)は、溝部の開口幅eと底部の幅fとが異なる長さの形状の断面となる溝部142を示している。図8(b)は、溝部の開口幅gと底部の幅hとが異なる長さの台形形状の断面となる溝部142を示している。なお、図8(b)は、溝部の幅が下から上に向けて先細りになっていく逆テーパ形状の断面となる溝部142を示したが、溝部の幅が上から下に向けて先細りになっていくテーパ形状の断面となる溝部142であってもよい。図8(c)は、円形形状の外周の一端をカットした断面となる溝部142を示している。図8に示す溝部142の変形例によれば、保護膜部141の端部から反射膜部14までの水分の通り道を図5に示す溝部142に比べて長くすることができることにより、水分の反射膜部14への伝搬をさらに抑制することができる。
さらに、本実施形態ミラー部101は、変形部として、反射膜部14よりZ方向に負の層に設けられた溝部142を示したが、これに限るものではない。ここで、図9は変形部の変形例を示す断面図である。図9に示すように、変形部は、反射膜部14よりZ方向に正の方向に突出して設けられた少なくとも1以上の凸部143であってもよい。図9に示す変形例によれば、保護膜部141の端部から反射膜部14までの水分の通り道を従来に比べて長くすることができることにより、水分の反射膜部14への伝搬をさらに抑制することができる。
なお、本実施形態ミラー部101は、変形部として、溝部142と、凸部143との両方を備えるものであってもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の光走査システムについて説明する。
第2の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を設けた光走査システムの例である。
図10は、第2の実施形態にかかる光走査システム10の一例を示す概略図である。図10に示すように、光走査システム10は、制御装置11の制御に従って光源装置12から照射された光を可動装置13の有する反射膜部14により偏向して被走査面15を光走査するシステムである。
光走査システム10は、制御装置11、光源装置12、反射膜部14を有する可動装置13により構成される。
制御装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。可動装置13は、例えば反射膜部14を有し、反射膜部14を可動可能なMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、例えばレーザを照射するレーザ装置である。なお、被走査面15は、例えばスクリーンである。
制御装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12および可動装置13の制御命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12および可動装置13に駆動信号を出力する。
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光源の照射を行う。可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射膜部14を1軸方向または2軸方向の少なくともいずれかに可動させる。
これにより、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御装置11の制御によって、可動装置13の反射膜部14を所定の範囲で2軸方向に往復可動させ、反射膜部14に入射する光源装置12からの照射光をある1軸周りに偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。なお、本実施形態の可動装置の詳細および制御装置による制御の詳細については後述する。
次に、光走査システム10一例のハードウェア構成について図11を用いて説明する。図11は、光走査システム10の一例のハードウェア構成図である。図11に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12および可動装置13を備え、それぞれが電気的に接続されている。このうち、制御装置11は、CPU20、RAM21(Random Access Memory)、ROM22(Read Only Memory)、FPGA23、外部I/F24、光源装置ドライバ25、可動装置ドライバ26を備えている。
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、制御装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25および可動装置ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
外部I/F24は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
光源装置トライバは、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信
号を出力する電気回路である。
可動装置ドライバ26は、入力された制御信号に従って可動装置13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
制御装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、制御装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよいし、制御装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光走査させるかを示した情報であり、例えば、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、例えば、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。他にも、例えば、光走査により物体認識を行う場合は、光走査情報は物体認識用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
制御装置11は、CPU20の命令および図2に示したハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現することができる。
次に、光走査システム10の制御装置11の機能構成について図12を用いて説明する。図12は、光走査システム10の制御装置11の一例の機能ブロック図である。
図12に示すように、制御装置11は、機能として制御部30と駆動信号出力部31とを有する。
制御部30は、例えばCPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。例えば、制御部30は、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。駆動信号出力部31は、光源装置ドライバ25、可動装置ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または可動装置13に駆動信号を出力する。
駆動信号は、光源装置12または可動装置13の駆動を制御するための信号である。例えば、光源装置12においては、光源の照射タイミングおよび照射強度を制御する駆動電圧である。また、例えば、可動装置13においては、可動装置13の有する反射膜部14を可動させるタイミングおよび可動範囲を制御する駆動電圧である。
次に、光走査システム10が被走査面15を光走査する処理について図13を用いて説明する。図13は、光走査システム10に係る処理の一例のフローチャートである。
ステップS11において、制御部30は、外部装置等から光走査情報を取得する。
ステップS12において、制御部30は、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
ステップS13において、駆動信号出力部31は、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12および可動装置13に出力する。
ステップ14において、光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射膜部14の可動を行う。光源装置12および可動装置13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
なお、上記光走査システム10では、1つの制御装置11が光源装置12および可動装置13を制御する装置および機能を有しているが、光源装置用の制御装置および可動装置用の制御装置と、別体に設けてもよい。
また、上記光走査システム10では、一つの制御装置11に光源装置12および可動装置13の制御部30の機能および駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した制御装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射膜部14を有した可動装置13と制御装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の画像投影装置について説明する。
第3の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を適用した画像投影装置の例である。
図14は、第3の実施形態にかかるヘッドアップディスプレイ装置500を搭載した自動車400の一例を示す概略図である。また、図15はヘッドアップディスプレイ装置500の一例を示す概略図である。
画像投影装置は、光走査により画像を投影する装置であり、例えばヘッドアップディスプレイ装置500である。
図14に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、例えば、移動体である自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザーである観察者(運転者402)に向かう。これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させる構成にしてもよい。
図15に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R,501G,501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ502,503,504と、2つのダイクロイックミラー505,506と、光量調整部507と、から構成される入射光学系を経た後、反射膜部14を有する可動装置13にて偏向される。そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R,501G,501B、コリメータレンズ502,503,504、ダイクロイックミラー505,506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
上記ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
レーザ光源501R,501G,501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ502,503,504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505,506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射膜部14を有する可動装置13によって二次元走査される。可動装置13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
可動装置13は、反射膜部14を2軸方向に往復可動させ、反射膜部14に入射する投射光Lを二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われる。
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射膜部14を有した可動装置13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
尚、ヘッドアップディスプレイ装置500は、特許請求の範囲に記載の「ヘッドアップディスプレイ」の一例である。また自動車400は、特許請求の範囲に記載の「車両」の一例である。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の光書込装置について説明する。
第4の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を適用した光書込装置の例である。
図16は、第4の実施形態にかかる光書込装置600を搭載した画像形成装置の一例を示す概略図である。また、図17は、光書込装置の一例を示す概略図である。
図16に示すように、上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
図17に示すように、光書込装置600において、レーザ素子などの光源装置12からのレーザ光は、コリメータレンズなどの結像光学系601を経た後、反射膜部14を有する可動装置13により1軸方向または2軸方向に偏向される。そして、可動装置13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(例えば感光体ドラムや感光紙)に照射し、光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像する。また、光源装置12および反射膜部14を有する可動装置13は、制御装置11の制御に基づき駆動する。
このように上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
上記光書込装置に適用される反射膜部14を有した可動装置13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置の省電力化に有利である。また、可動装置13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また可動装置13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって画像形成装置の小型化に有利である。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態の物体認識装置について説明する。
第5の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を適用した物体認識装置の例である。
図18は、第5の実施形態にかかる物体認識装置の一例であるライダ(LiDAR;Laser Imaging Detection and Ranging)装置700を搭載した自動車の一例を示す概略図である。また、図19はライダ装置700の一例を示す概略図である。
物体認識装置は、対象方向の物体を認識する装置であり、例えばライダ装置700である。
図18に示すように、ライダ装置700は、例えば移動体である自動車701に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702を認識する。
図19に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメートレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射膜部14を有する可動装置13で1軸もしくは2軸方向に走査される。そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12および可動装置13は、制御装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。すなわち、反射光は入射光検出受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理回路708に出力する。信号処理回路708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
反射膜部14を有する可動装置13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。このようなライダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を認識することができる。
上記物体認識装置では、一例としてのライダ装置700の説明をしたが、物体認識装置は、反射膜部14を有した可動装置13を制御装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702を認識する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材などにも同様に適用することができる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態のレーザヘッドランプについて説明する。
第6の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を移動体である自動車のヘッドライトに適用したレーザヘッドランプの例である。
図20は、第6の実施形態にかかるレーザヘッドランプ50の構成の一例を示す概略図である。
レーザヘッドランプ50は、制御装置11と、光源装置12bと、反射膜部14を有する可動装置13と、ミラー51と、透明板52とを有する。
光源装置12bは、青色のレーザ光を発する光源である。光源装置12bから発せられた光は、可動装置13に入射し、反射膜部14にて反射される。可動装置13は、制御装置11からの信号に基づき、反射膜部14をXY方向に可動し、光源装置12bからの青色のレーザ光をXY方向に二次元走査する。
可動装置13による走査光は、ミラー51で反射され、透明板52に入射する。透明板52は、表面又は裏面を黄色の蛍光体により被覆されている。ミラー51からの青色のレーザ光は、透明板52における黄色の蛍光体の被覆を通過する際に、ヘッドライトの色として法定される範囲の白色に変化する。これにより自動車の前方は、透明板52からの白色光で照明される。
可動装置13による走査光は、透明板52の蛍光体を通過する際に所定の散乱をする。これにより自動車前方の照明対象における眩しさは緩和される。
可動装置13を自動車のヘッドライトに適用する場合、光源装置12b及び蛍光体の色は、それぞれ青及び黄色に限定されない。例えば、光源装置12bを近紫外線とし、透明板52を、光の三原色の青色、緑色及び赤色の各蛍光体を均一に混ぜたもので被覆してもよい。この場合でも、透明板52を通過する光を白色に変換でき、自動車の前方を白色光で照明することができる。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態のヘッドマウントディスプレイについて説明する。
第7の実施形態は、上述の第1の実施形態の可動装置13を適用したヘッドマウントディスプレイの例である。ここでヘッドマウントディスプレイは、人間の頭部に装着可能な頭部装着型ディスプレイで、例えば、眼鏡に類する形状とすることができる。ヘッドマウントディスプレイを、以降ではHMDと省略して示す。
図21は、第7の実施形態にかかるHMD60の外観を例示する斜視図である。図21において、HMD60は、左右に1組ずつ略対称に設けられたフロント60a、及びテンプル60bにより構成されている。フロント60aは、例えば、導光板61により構成することができ、光学系や制御装置等は、テンプル60bに内蔵することができる。
図22は、HMD60の構成を部分的に例示する図である。なお、図22では、左眼用の構成を例示しているが、HMD60は右眼用としても同様の構成を有している。
HMD60は、制御装置11と、光源ユニット530と、光量調整部507と、反射膜部14を有する可動装置13と、導光板61と、ハーフミラー62とを有している。
光源ユニット530は、上述したように、レーザ光源501R、501G、及び501Bと、コリメータレンズ502、503、及び504と、ダイクロイックミラー505、及び506とを、光学ハウジングによってユニット化したものである。光源ユニット530において、レーザ光源501R、501G、及び501Bからの三色のレーザ光は、ダイクロイックミラー505及び506で合成される。光源ユニット530からは、合成された平行光が発せられる。
光源ユニット530からの光は、光量調整部507により光量調整された後、可動装置13に入射する。可動装置13は、制御装置11からの信号に基づき、反射膜部14をXY方向に可動し、光源ユニット530からの光を二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R、501G、501Bの発光タイミングに同期して行われ、走査光によりカラー画像が形成される。
可動装置13による走査光は、導光板61に入射する。導光板61は、走査光を内壁面で反射させながらハーフミラー62に導光する。導光板61は、走査光の波長に対して透過性を有する樹脂等により形成されている。
ハーフミラー62は、導光板61からの光をHMD60の背面側に反射し、HMD60の装着者63の眼の方向に出射する。ハーフミラー62は、例えば、自由曲面形状を有している。走査光による画像は、ハーフミラー62での反射により、装着者63の網膜に結像する。或いは、ハーフミラー62での反射と眼球における水晶体のレンズ効果とにより、装着者63の網膜に結像する。またハーフミラー62での反射により、画像は空間歪が補正される。装着者63は、XY方向に走査される光で形成される画像を、観察することができる。
62はハーフミラーであるため、装着者63には、外界からの光による像と走査光による画像が重畳して観察される。ハーフミラー62に代えてミラーを設けることで、外界からの光をなくし、走査光による画像のみを観察できる構成としてもよい。
最後に、上述の各実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。また、各実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
13 光偏向素子
14 反射部
50 レーザヘッドランプ
60 ヘッドマウントディスプレイ
102 基体
141 保護部
142、143 変形部
400、701 移動体
500 画像投影装置、ヘッドアップディスプレイ
700 物体認識装置
特開2015-102597号公報

Claims (12)

  1. 反射部と、
    前記反射部を支持する基体と、
    前記基体の前記反射部が設けられた領域の外側の領域において前記反射部の外周を囲むように配置され、前記反射部が設けられた面から突出または陥没の少なくとも何れか一方の形状に形成される変形部と、
    前記反射部と前記変形部とを覆い、前記反射部を保護する保護部と、
    を備えることを特徴とする光偏向素子。
  2. 前記変形部は、前記反射部の外周を切れ目なく囲むように環状に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光偏向素子。
  3. 前記変形部は、複数備えられる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光偏向素子。
  4. 前記変形部は、前記反射部が設けられた面から陥没する溝部であって、
    当該溝部は、開口幅と底部の幅とが異なる長さの形状の断面となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光偏向素子。
  5. 前記変形部は、前記反射部が設けられた面から陥没する溝部であって、
    当該溝部は、開口幅と底部の幅とが異なる長さの台形形状の断面となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光偏向素子。
  6. 前記変形部は、前記反射部が設けられた面から陥没する溝部であって、
    当該溝部は、円形形状の外周の一端をカットした断面となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光偏向素子。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向素子を有する、
    ことを特徴とする画像投影装置。
  8. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向素子を備える、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  9. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向素子を備える、
    ことを特徴とするレーザヘッドランプ。
  10. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向素子を備える、
    ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
  11. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向素子を備える、
    ことを特徴とする物体認識装置。
  12. 請求項8に記載のヘッドアップディスプレイ、請求項9に記載のレーザヘッドランプ、及び請求項11に記載の物体認識装置の少なくとも1つを有する、
    ことを特徴とする移動体。
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