JP2022144197A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の実装面積を確保可能な駆動装置を提供する。【解決手段】駆動装置1は、モータ80と、ECU10とを備える。ECU10は、コネクタユニット50、親基板31、子基板32、および、接続部品241、246を有し、モータ80の軸方向の一方側に設けられる。親基板31および子基板32は、第1モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第1系統領域と、第2モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第2系統領域とが、基板中心線にて分離されている。第1系統領域および第2系統領域において、モータ80に通電されるモータ電流が流れる領域であるパワー領域と、モータ電流より相対的に小さい制御電流が流れる領域である制御領域とが、分離されている。【選択図】 図5

Description

本発明は、駆動装置に関する。
従来、モータとモータの駆動制御に係るECUとが一体に設けられた駆動装置が知られている。例えば特許文献1では、1枚の基板に各種電子部品が実装されている。
特開2016-36244号公報
特許文献1では、1つのマイコンにてモータの駆動を制御している。ここで、例えばマイコンやASICを冗長化して2つずつ設ける場合、基板の実装面積が不足する虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の実装面積を確保可能な駆動装置を提供することにある。
本発明の駆動装置は、モータ(80)と、制御ユニット(10)と、を備える。モータは、第1モータ巻線(180)および第2モータ巻線(280)を有する。制御ユニットは、外部との接続に用いられるコネクタ(152、156、252、256)を有するコネクタユニット(50)、モータハウジング(840)に固定されるメイン基板(31)、コネクタユニットに固定されるサブ基板(32)、および、メイン基板とサブ基板とを接続する接続部品(141、146、241、246)を有し、モータの軸方向の一方側に設けられる。
メイン基板およびサブ基板は、第1モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第1系統領域と、第2モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第2系統領域とが、基板中心線にて分離されている。また、メイン基板およびサブ基板は、第1系統領域および第2系統領域において、モータに通電されるモータ電流が流れる領域であるパワー領域と、モータ電流より相対的に小さい制御電流が流れる領域である制御領域とが、分離されている。これにより、基板の実装面積を確保することができる。
一実施形態によるステアリングシステムを示す概略構成図である。 一実施形態による駆動装置を示す側面図である。 図2のIII方向矢視図である。 図3のIV-IV線断面図である。 一実施形態によるカバーを外した状態のECUを示す側面図である。 一実施形態によるカバーを外した状態の駆動装置を示す斜視図である。 一実施形態による駆動装置を示す回路図である。 一実施形態による親基板のモータ面を示す平面図である。 一実施形態による親基板のコネクタ面を示す平面図である。 一実施形態による子基板のモータ面を示す平面図である。 一実施形態による子基板のコネクタ面を示す平面図である。
(一実施形態)
以下、本発明による駆動装置を図面に基づいて説明する。一実施形態による駆動装置を図1~図11に示す。
図1に示すように、駆動装置1は、モータ80と、ECU10と、を備え、車両のステアリング操作を補助するための操舵装置としての電動パワーステアリング装置8に適用される。図1は、電動パワーステアリング装置8を備えるステアリングシステム90の全体構成を示すものである。ステアリングシステム90は、操舵部材であるステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、ピニオンギア96、ラック軸97、車輪98、および、電動パワーステアリング装置8等を備える。
ステアリングホイール91は、ステアリングシャフト92と接続される。ステアリングシャフト92には、操舵トルクを検出するトルクセンサ94が設けられる。トルクセンサ94は、内部にて2系統化されており、それぞれの検出値trq1、trq2は、対応するコネクタ156、256に入力される。ステアリングシャフト92の先端には、ピニオンギア96が設けられる。ピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が連結される。
運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92が回転する。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換される。一対の車輪98は、ラック軸97の変位量に応じた角度に操舵される。
電動パワーステアリング装置8は、駆動装置1、および、モータ80の回転を減速してラック軸97に伝える動力伝達部としての減速ギア89等を備える。本実施形態の電動パワーステアリング装置8は、所謂「ラックアシストタイプ」であるが、モータ80の回転をステアリングシャフト92に伝える所謂「コラムアシストタイプ」等としてもよい。
図2~図6に示すように、モータ80は3相ブラシレスモータである。モータ80は、操舵に要するトルクの一部または全部を出力するものであって、図示しないバッテリから電力が供給されることで駆動され、減速ギア89を正逆回転させる。
モータ80は、第1モータ巻線180および第2モータ巻線280を有する。モータ巻線180、280は電気的特性が同等であり、共通のステータ860に、互いに電気角30[deg]ずらしてキャンセル巻きされる。これに応じて、モータ巻線180、280には、位相φが30[deg]ずれた相電流が通電されるように制御される。通電位相差を最適化することで、出力トルクが向上する。また、6次のトルクリプルを低減することができ、騒音、振動の低減することができる。また、電流も分散されることで発熱が分散、平準化されるため、各センサの検出値やトルク等、温度依存の系統間誤差を低減可能であるとともに、通電可能な電流量を増やすことができる。なお、モータ巻線180、280は、キャンセル巻きされていなくてもよく、電気的特性が異なっていてもよい。
以下、第1モータ巻線180の通電制御に係る構成の組み合わせを第1系統、第2モータ巻線280の通電制御に係る構成の組み合わせを第2系統とする。第1系統の構成を主に100番台で付番し、第2系統L2の構成を主に200番台で付番し、第1系統と第2系統とで実質的に同様の構成には下2桁が同じとなるように付番し、適宜説明を省略する。また、図中等適宜、第1系統L1に係る構成に添え字の「1」、第2系統L2に係る構成に添え字の「2」を付す。
駆動装置1は、モータ80の軸方向の一方側にECU10が一体的に設けられており、いわゆる「機電一体型」である。ECU10は、モータ80の出力軸とは反対側において、シャフト870の軸Axに対して同軸に配置されている。ここで、「同軸」とは、例えば組み付けや設計に係る誤差やズレは許容されるものとする。なお、本実施形態の駆動装置1における「機電一体」とは、モータ80に対し、例えば概ね直方体形状のECUを単に近接させて設けたものとは異なっている。機電一体型とすることで、搭載スペースに制約のある車両において、ECU10とモータ80とを効率的に配置することができる。以下、モータ80の軸方向を駆動装置1の軸方向とみなし、単に「軸方向」とする。
モータ80は、モータケース830、モータフレーム840、ステータ860、および、ロータ865等を有する。ステータ860は、モータケース830に固定されており、モータ巻線180、280が巻回される。ロータ865は、ステータ860の径方向内側に設けられ、ステータ860に対して相対回転可能に設けられる。
シャフト870は、ロータ865に嵌入され、ロータ865と一体に回転する。シャフト870は、軸受871、872により、モータケース830およびモータフレーム840に回転可能に支持される。シャフト870のECU10側の端部は、モータフレーム840に形成される軸孔849に挿通され、ECU10側に露出する。シャフト870のECU10側の端部には、マグネット875が設けられる。
モータケース830は、底部831および筒部832からなる略有底筒状に形成され、開口側にECU10が設けられる。底部831には、軸受871が設けられる。筒部832には、ステータ860が固定される。
モータフレーム840は、フレーム部841、ヒートシンク845、および、コネクタ接続部846等を有し、例えばアルミ等の熱伝導性のよい材料で形成される。フレーム部841は、モータケース830の径方向内側に圧入されており、全体として、モータケース830の筒部832を軸方向に投影した投影領域(以下適宜、「モータシルエット」とする。)内に収まっている。フレーム部841の外周には、フランジ部842が形成され、筒部832の内壁に形成される段差部833と当接する。また、フレーム部841のヒートシンク845の外側には、拡張部材接続部843が形成される。
ヒートシンク845は、フレーム部841のECU10側に立設される。ヒートシンク845を挟んだ両側において、フレーム部841に形成されるモータ線取出孔からモータ巻線180、280の一端がECU10側に取り出される。フレーム部841のモータ線取出孔には絶縁部材が設けられるとともに、モータ巻線180、280が取り出される箇所にてヒートシンク845の側面には凹部が形成されており、モータフレーム840と絶縁した状態にて、モータ巻線180、280をECU10側に取り出す。モータフレーム840から取り出されたモータ巻線180、280は、親基板31と接続される。
コネクタ接続部846は、モータ巻線180、280が取り出されない側のヒートシンク845の側面の略中央に立設されている。コネクタ接続部846の高さは、ヒートシンク845よりも高い。
ECU10は、親基板31、子基板32、パワー系接続部品141、241、信号系接続部品146、246、コネクタユニット50、および、カバー60等を有する。親基板31は、ヒートシンク845の端面に形成される基板固定部847にねじ319にて固定される。子基板32は、コネクタユニット50に固定される。
図4~図6、図8~図11に示すように、親基板31には、コネクタ接続部846との干渉を避けるための逃がし凹部316が形成されている。子基板32には、後述するコネクタユニット50の固定部516との干渉を避けるための逃がし凹部326が形成されている。本実施形態では、基板31、32をえぐり、逃がし凹部316、326を形成し、コネクタユニット50をモータフレーム840に直接締結している。親基板31と子基板32とは、パワー系接続部品141、241、および、信号系接続部品146、246で接続される。親基板31および子基板32に実装される部品等の詳細は後述する。
第1パワー系接続部品141は、パワー端子142、端子保持部143、および、ピン144を有する。パワー端子142は2つであって、一方が電源端子、他方がグランド端子である。パワー端子142は、端子保持部143に保持され、一端が親基板31と接続され、他端が子基板32と接続される。ピン144は、端子保持部143の両側において、親基板31側に突出して設けられ、親基板31に固定されることでパワー系接続部品141を位置決めする。第2パワー系接続部品241は、パワー端子242、端子保持部243、および、ピン244を有する。
パワー系接続部品141、241は、スイッチング素子等の各種素子が実装される領域の外側である外側領域において、同一辺に沿い、逃がし凹部316、326を挟んで両側に配置されている。
第1信号系接続部品146は、複数の信号端子147、端子保持部148、および、ピン149を有する。信号端子147は、端子保持部148に保持され、一端が親基板31と接続され、他端が子基板32と接続される。ピン149は、端子保持部148の両端において、親基板31側に突出して設けられ、親基板31に固定されることで信号系接続部品146を位置決めする。第2信号系接続部品246は、複数の信号端子247、端子保持部248、および、ピン249を有する。信号端子147、247は、トルクセンサ93および車両通信網99との信号伝達に用いられる。端子数は、信号数等に応じ、任意に設定可能である。
信号系接続部品146、246は、各種素子が実装される領域の外側である外側領域において、パワー系接続部品141、241が設けられるのと反対側の辺に沿い、逃がし凹部316、326を挟んで両側に配置されている。
図2~図6に示すように、コネクタユニット50は、ベース部51、車両系コネクタ152、252、および、操舵系コネクタ156、256を有する。ベース部51は、平面視略矩形に形成される。ベース部51のモータ80と反対側の面には、外縁に沿って溝部511が形成されている。また、ベース部51には、固定部516が形成される。固定部516には、スルーボルト519が挿通され、モータフレーム840のコネクタ接続部846に螺着される。これにより、コネクタユニット50がモータフレーム840に固定される。モータフレーム840のコネクタ接続部846とコネクタユニット50の固定部516との軸方向における接続位置は、親基板31と子基板32との間である。
コネクタ152、156、252、256は、間口が軸方向外側を向いて形成されている。車両系コネクタ152、252は、車両電源およびグランドと接続されるパワーコネクタと、CAN(Controller Area Network)等である車両通信網99と接続される通信コネクタとが一体になった一体型のハイブリッドコネクタである。操舵系コネクタ156、256は、トルクセンサ93と接続される(図1参照)。
本実施形態では、ECU10を軸方向に投影したとき、一方側から、パワー系接続部品141、241、車両系コネクタ152、252、操舵系コネクタ156、256、信号系接続部品146、246の順に配列されている。
カバー60は、略有底筒状に形成され、内部に基板31、32およびヒートシンク845等を収容する。カバー60の底部には、略矩形の孔部61が形成される。孔部61には、コネクタ152、156、252、256が挿通される。孔部61は端部611が内側に折り曲げられている。端部611は、接着材等である接着部材が塗布されたコネクタユニット50の溝部511に挿入される。これにより、コネクタユニット50とカバー60との間からの水滴や埃の侵入を防ぐことができる。
本実施形態では、車両系コネクタ152、252および操舵系コネクタ156、256の4つの間口を設けており、間口面積が大きい。そこで本実施形態では、モータシルエットから四隅が張り出す形状の拡張部材70を設けることで、モータシルエットの外側の領域を利用可能にしている。
拡張部材70は、基部71、環状凸部72、カバー挿入溝73、および、固定部74等を有し、樹脂等にて一体に形成される。拡張部材70は、全体として環状に形成され、モータフレーム840のフレーム部841のECU10側であって、ヒートシンク845の径方向外側に配置される。換言すると、ヒートシンク845は、拡張部材70の内周側にて、ECU10側に突出する。拡張部材70の外縁の少なくとも一部は、モータシルエットよりも外側に位置している。拡張部材70の形状に応じ、基板31、32やコネクタユニット50をモータシルエットの外側まで延ばして形成可能であるので、基板の実装面積や間口面積を拡張可能である。
環状凸部72は、基部71のモータ80側の面に内周面に沿って突出して設けられ、モータケース830の筒部832に挿入される。拡張部材70のモータ80と反対側の面には、カバー挿入溝73が外縁に沿って形成される。カバー60の開口側の端部は、接着材等である接着部材が塗布されたカバー挿入溝73に挿入される。これにより、拡張部材70とカバー60との間からの水滴や埃等の侵入を防ぐことができる。固定部74は、拡張部材70の内周壁から径方向内側に突出して形成される。固定部74には、カラーが挿入され、ねじ79にてフレーム部841に固定される。
ここで、基板31、32に実装される電子部品の回路構成を図7に示す。本実施形態では、第1系統L1の回路構成と第2系統L2の回路構成とは同じであるので、第1系統L1について説明し、第2系統L2に係る説明を省略する。
インバータ回路120は、3相インバータであって、スイッチング素子121~126がブリッジ接続されている。スイッチング素子121~123は高電位側に接続され、スイッチング素子124~126は低電位側に接続される。インバータ回路120の高電位側はパワー配線Lpを経由して電源端子PIGと接続され、低減位側はグランド配線Lgを経由してグランド端子GNDと接続される。
対になるU相のスイッチング素子121、124の接続点は、モータリレー素子127を経由してU相コイルの一端と接続される。また、対になるV相のスイッチング素子122、125の接続点はモータリレー素子128を経由してV相コイルの一端と接続され、対になるW相のスイッチング素子123、126はモータリレー素子129を経由してW相コイルの一端と接続される。モータ巻線180を構成するU相、V相、W相の各相コイルの他端は、結線される。
低電位側のスイッチング素子124、125、126の低電位側には、モータ巻線180の各相の電流を検出する電流検出素子であるシャント抵抗131、132、133が設けられている。コンデンサ135は、アルミ電解コンデンサであって、インバータ回路120と並列に接続されている。コンデンサ135は、電荷を蓄えることで、インバータ回路120への電力供給を補助する。
インバータ回路120には、電源リレー素子111、112を経由して電力が供給される。本実施形態では、スイッチング素子121~126、モータリレー素子127~129および電源リレー素子111、112は、いずれもMOSFETであるが、IGBTやサイリスタ等であってもよい。電源リレー素子111、112は、寄生ダイオードの向きが逆向きとなるように直列に接続される。これにより、バッテリが誤って逆向きに接続された場合に逆向きの電流が流れるのを防ぎ、ECU10を保護する。電源リレー素子111と電源端子PIGとの間には、フィルタ回路を構成するコンデンサ113およびチョークコイル114が設けられる。これにより、バッテリを共用する他の装置から伝わるノイズが低減されるとともに、駆動装置1から他の装置へ伝わるノイズが低減される。
マイコン170は、スイッチング素子121~126、モータリレー素子127~129および電源リレー素子111、112のオンオフ作動を制御する。マイコン170は、安定化用のパスコン172、173を経由してグランドと接続されている。マイコン170は、トルクフィルタ回路177を経由して、トルクセンサ93と接続されるトルクコネクタ端子TRQと接続される。マイコン170は、CANドライバ178を経由して、CANH端子およびCANL端子と接続される。CANドライバ178は、CAN用IC117を経由して、ダイオード115とスイッチ電源用素子116との間に接続される。本実施形態では、CAN用IC117は、集積回路部175内に設けられているが、集積回路部175とは別に設けてもよい。
集積回路部175(図中「ASIC」と記載)は、プリドライバ、信号増幅部、および、レギュレータ等を有する。集積回路部175は、負サージ保護ダイオード115およびスイッチ電源用素子116を経由し、フィルタ回路と電源リレー素子111との間にてパワー配線Lpと接続される。スイッチ電源用素子116には、昇圧回路や降圧回路等を構成する部品が含まれる。図7において、範囲Xの部品は親基板31に実装され、範囲Yの部品は子基板32に実装される。また、範囲Zの部品は、基板31、32のどちらに実装してもよい。
基板31、32における素子配置を図8~図11に示す。図8~図11は、説明のため、いずれもコネクタユニット50側から見たときの配置を示している。また、接続部品の端子やねじ等が挿通される孔部について、適宜対応する部材の符号を付した。図8は親基板31のモータ80側の面であるモータ面311を示しており、図9は親基板31のコネクタユニット50側の面であるコネクタ面312を示している。また、図10は子基板32のモータ80側の面であるモータ面321を示しており、図11は子基板32のコネクタユニット50側の面であるコネクタ面322を示している。
図8~図11では、紙面左側に第1系統L1に係る部品が実装されており、紙面右側に第2系統L2に係る部品が実装されている。第1系統領域RL1と第2系統領域RL2とは、基板中心線Cにて区画されている。また、信号系接続部品146、246と接続される側の領域を制御領域Rc1、Rc2とし、パワー系接続部品141、241にて接続される側の領域をパワー領域Rp1、Rp2とし、二点鎖線で示した。図10および図11において、コネクタ152、156、252、256の間口投影領域を太破線で示した。
図8に示すように、親基板31のモータ面311の第1系統領域RL1には、電源リレー素子111、112、スイッチング素子121~126、モータリレー素子127~129、シャント抵抗131~133、集積回路部175、および、パスコン172、173等が実装されている。親基板31のモータ面311の第2系統領域RL2には、電源リレー素子211、212、スイッチング素子221~226、モータリレー素子227~229、シャント抵抗231~233、集積回路部275、および、パスコン272、273等が実装される。また、親基板31のモータ面311の略中央には、モータ80の回転角を検出する回転角センサ85が実装されている。
モータ面311のパワー領域Rp1には、電源リレー素子111、112、スイッチング素子121~126、モータリレー素子127~129およびシャント抵抗131~133等が実装されている。電源リレー素子111、112は、パワー領域Rp1のパワー系接続部品141側であって、基板中心線C側に実装されている。第1系統領域RL1において、各相の素子は、基板中心線C側から、高電位側のスイッチング素子121~123、低電位側のスイッチング素子124~126、モータリレー素子127~129の順で配列されている。また、モータリレー素子127~129は、モータ巻線180が接続される箇所と隣接して配置される。ここで、間に他の素子が配置されていない状態を「隣接」とする。
モータ面311のパワー領域Rp2には、電源リレー素子211、212、スイッチング素子221~226、モータリレー素子227~229およびシャント抵抗231~233等が実装されている。電源リレー素子211、212は、パワー領域Rp2のパワー系接続部品241側であって、基板中心線C側に実装されている。第2系統領域RL2において、各相の素子は、基板中心線C側から、高電位側のスイッチング素子221~223、低電位側のスイッチング素子224~226、モータリレー素子227~229の順で配列されている。また、モータリレー素子227~229は、モータ巻線280が接続される箇所と隣接して配置される。
各相の素子配列は、横並びである必要はなく、配線パターンや他の部品の配置等に応じ、紙面上下方向の位置はずれていてもよい。また、シャント抵抗131~133、231~233は、対応する相の低電位側のスイッチング素子124~126、224~226と隣接して配置されている。
図9に示すように、親基板31のコネクタ面312の第1系統領域RL1には、ダイオード115、コンデンサ135、スイッチ電源用素子116、マイコン170、および、トルクフィルタ回路177を構成するダイオード等が実装されている。コネクタ面312において、ダイオード115、215およびコンデンサ135、235等がパワー領域Rp1、Rp2に実装され、スイッチ電源用素子116、216、マイコン170、270およびトルクフィルタ回路177を構成するダイオード等が制御領域Rc1、Rc2に実装されている。
図8および図9に示すように、モータ面311において、パスコン172、173、272、273は、集積回路部175よりもパワー領域Rp側、かつ、基板中心線C側に配置されている。また、コネクタ面312において、マイコン170、270は、少なくとも一部のスイッチ電源用素子116、216よりもパワー領域Rp側であって、トルクフィルタ回路177、277よりも基板中心線C側に実装されている。
マイコン170と集積回路部175とは、実装領域の少なくとも一部が重複しておらず、ずらして配置されている。また、マイコン170の裏側となる領域には、マイコン用のパスコン172、173が実装されている。パスコン172はコア電源安定化用のコンデンサであり、パスコン173はコア電源とは電圧が異なる電源に係る電源安定化用のコンデンサである。本実施形態のマイコン170は、端子がパッケージの裏面に形成されており、ボールグリッドアレイ(BGA)により親基板31に実装されている。マイコン170の裏面にパスコン172、173を配置することで、マイコン170とパスコン172、173との間の配線長を可及的短くできるため、ノイズ耐量を確保することができる。
図10に示すように、子基板32のモータ面321の第1系統領域RL1には、コンデンサ113、チョークコイル114、トルクフィルタ回路177、CANドライバ178、および、周辺素子179等が実装されている。子基板32のモータ面321の第2系統領域RL2には、コンデンサ213、チョークコイル214、トルクフィルタ回路277、CANドライバ278、および、周辺素子279等が実装されている。子基板32のモータ面321において、コンデンサ113およびチョークコイル114等がパワー領域Rp1、Rp2に実装され、トルクフィルタ回路177、277、CANドライバ178、278および周辺素子179、279等が制御領域Rc1、Rc2に実装されている。子基板32のコネクタ面322には、電子部品は実装されていない。すなわち、親基板31は両面実装であり、子基板32は片面実装である。
本実施形態では、トルクフィルタ回路177、277を構成する部品のうち、トランジスタおよび一部のコンデンサを親基板31のコネクタ面312、残りのコンデンサを子基板32のモータ面321に分散して実装している。周辺素子179、279には、ノイズ除去のためのコンデンサ等が含まれる。
本実施形態では、親基板31および子基板32において、第1系統領域RL1と第2系統領域RL2とが、基板中心線Cにより領域が分けられており、基板中心線Cに対して概ね線対称に部品が配置されている。また、コネクタユニット50において、第1系統L1に係るコネクタ152、156と第2系統L2に係るコネクタ252、262とは、軸方向に投影したとき、間口が基板中心線Cに対して線対称配置されている。なお、厳密な線対称に限らず、例えば配線パターンや他部材との干渉回避の都合により必要に応じて素子位置をずらしている場合も、「線対称」の概念に含めるものとする。
また、親基板31において、第1系統領域RL1および第2系統領域RL2は、いずれもモータ80に通電される比較的大電流のモータ電流が通電されるパワー領域Rp1、PR2と、モータ電流が通電されず、モータ電流よりも相対的に小さい制御電流が通電される制御領域Rc1、Rc2とが分離されている。子基板32についても同様に、第1系統領域RL1および第2系統領域RL2は、いずれもパワー領域Rp1、Rp2と制御領域Rc1、Rc2とが分離している。それぞれの基板31、32において、パワー領域Rp1、Rp2は基板中心線Cに対して概ね線対称となっている。同様に、それぞれの基板31、32において、制御領域Rc1、Rc2は基板中心線Cに対して概ね線対称となっている。
パワー領域Rp1、Rp2はパワー系接続部品141、241側へ延びる領域であり、制御領域Rc1、Rc2は信号系接続部品146、246側へ延びる領域である。車両系コネクタ152、252において、パワーコネクタを構成するパワー端子153、253が接続される配線パターンは、パワー領域Rp1、Rp2に含まれ、パワー系接続部品141、241と接続される。また、車両系コネクタ152、252において、通信コネクタを構成する通信信号端子154、254が接続される配線パターンは、制御領域Rc1、Rc2に含まれ、信号系接続部品146、246と接続される。操舵系コネクタ156、256において、信号端子157、257と接続される配線パターンは、制御領域Rc1、Rc2に含まれ、信号系接続部品146、246と接続される。
すなわち、車両系コネクタ152、252は、パワーコネクタと通信コネクタとで間口が一体となっているハイブリッドコネクタであるが、子基板32においては、パワー領域Rp1、Rp2と制御領域Rc1、Rc2とに分離されている。また、操舵系コネクタ156、256は、通信コネクタとは間口が別となっているが、基板31、32間の接続には、共通の信号系接続部品146、246を用いている。
CANドライバ178、278およびCANドライバ周辺素子179、279は、通信信号端子154、254に可及的近接させるとともに、通信信号端子154、254に沿うように配列される。換言すると、通信信号端子154、254と、CANドライバ178、278およびCANドライバ周辺素子179、279との間に、他の電子部品が実装されていない。これにより、ノイズ等の影響を低減し、適切に通信を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の駆動装置1は、モータ80と、ECU10とを備える。モータ80は、第1モータ巻線180および第2モータ巻線280を有する。ECU10は、コネクタユニット50、親基板31、子基板32、および、接続部品141、146、241、246を有し、モータ80の軸方向の一方側に設けられる。
コネクタユニット50は、外部との接続に用いられるコネクタ152、156、252、256を有する。親基板31は、モータフレーム40に固定される。子基板32は、コネクタユニット50に固定される。接続部品141、146、241、246は、親基板31と子基板32とを接続する。
親基板31および子基板32は、第1モータ巻線180の通電制御に係る電子部品が実装される第1系統領域RL1と、第2モータ巻線280の通電制御に係る電子部品が実装される第2系統領域RL2とが、基板中心線Cにて分離されている。また、第1系統領域RL1および第2系統領域RL2において、モータ80に通電されるモータ電流が流れる領域であるパワー領域Rp1、Rp2と、モータ電流より相対的に小さい制御電流が流れる領域である制御領域Rc1、Rp2とが、分離されている。
ここで、パワー領域Rp1、Rp2と制御領域Rc1、Rc2とは直線的に分離されている必要はなく、基板31、32において、パワー部品を集約して実装されている領域とパワー領域Rpとし、パワー領域Rpとは異なる箇所に制御部品を集約して実装されている領域を制御領域Rcとすることで、領域が分離されていればよい。なお、図示は省略しているが、パワー領域Rp1、Rp2をまとめてパワー領域Rp、制御領域Rc1、Rc2をまとめて制御領域Rcと捉えてもよい。
本実施形態では、基板を親基板31と子基板32の2枚とすることで、実装面積を確保することができる。また、親基板31および子基板32のそれぞれにおいて、第1系統領域RL1と第2系統領域RL2とを分けるとともに、パワー領域Rpと制御領域Rcとを分けることで、部品を適切に配置することができる。また、各素子を配線長が可及的短くなるように配置することで、電圧ドロップしにくくし、ノイズ耐量を確保可能である。
コネクタには、電源と接続されるパワーコネクタ、車両通信網99と接続される通信コネクタ、および、トルクセンサ93と接続される操舵系コネクタ156、256が含まれる。本実施形態では、パワーコネクタおよび通信コネクタが一体化された車両系コネクタ152、252となっている。子基板32には、通信に係る通信素子であるCANドライバ178、278が、通信コネクタを構成する通信信号端子154、254と隣接して実装されている。これにより、車両通信網99と適切に通信を行うことができる。特に、車両通信網99がCANである際に有効である。
接続部品には、第1パワー系接続部品141、第2パワー系接続部品241、第1信号系接続部品146、および、第2信号系接続部品246が含まれる。第1パワー系接続部品141は、第1系統領域RL1において、親基板31のパワー領域Rp1と、子基板32のパワー領域Rp1とを接続する。第2パワー系接続部品241は、第2系統領域RL2において、親基板31のパワー領域Rp2と、子基板32のパワー領域Rp2とを接続する。第1信号系接続部品146は、第1系統領域RL1において、親基板31の制御領域Rc1と、子基板32の制御領域Rc1とを接続する。第2信号系接続部品246は、第2系統領域RL2において、親基板31の制御領域Rc2と、子基板32の制御領域Rc2とを接続する。
第1パワー系接続部品141と第2パワー系接続部品241とは、基板中心線Cに対して線対称に設けられる。第1信号系接続部品146と第2信号系接続部品246とは、基板中心線Cに対して線対称に設けられる。これにより、基板31、32のパワー領域Rpおよび制御領域Rcを適切に接続することができる。
親基板31の一方の面(本実施形態ではコネクタ面312)の制御領域Rc1、Rc2には、マイコン170、270が実装されている。また、親基板31の他方の面(本実施形態ではモータ面311)の制御領域Rc1、Rc2であって、マイコン170、270の裏側には、パスコン172、173、272、273が実装されている。本実施形態では、マイコン170、270と集積回路部175、275とをずらして配置することで、マイコン170、270の裏側にスペースを確保している。また本実施形態のマイコン170、270はボールグリッドアレイにより親基板31に実装されており、裏面にノイズ除去用のパスコン172、173、272、273を実装することで、配線長を可及的短くすることができる。これにより、ノイズ耐量を確保することができる。
実施形態において、ECU10が「制御ユニット」、モータフレーム840が「モータハウジング」、パワー系接続部品141、241および信号系接続部品146、246が「接続部品」、車両系コネクタ152、252が「パワーコネクタ」および「通信コネクタ」、トルクセンサ93が「センサ」、操舵系コネクタ156、256が「センサコネクタ」、車両通信網99が「通信網」、CANドライバ178、278が「通信素子」、マイコン170、270が「制御回路部品」、パスコン172、173、272、273が「コンデンサ」に対応する。
また、親基板31が「メイン基板」、子基板32が「サブ基板」に対応する。ここで、2枚の基板を区別すべく、便宜上「メイン」、「サブ」としているが、必ずしも、機能的にメイン、サブの関係でなくてもよい。
(他の実施形態)
上記実施形態では、車両電源およびグランドと接続されるパワーコネクタと、車両通信網と接続される通信コネクタとが一体となっている。他の実施形態では、パワーコネクタと通信コネクタとを別体としてもよい。また、コネクタの種類や数は任意に設定可能であって、間口をそれぞれ別々に設けてもよいし、任意の組み合わせで設けてもよい。また、上記実施形態では、コネクタ間口を系統毎に分けて設けている。他の実施形態では、コネクタ間口を系統で分けず、2系統にて1つの間口を共用するようにしてもよい。
上記実施形態では、拡張部材を設けることで、制御ユニットがモータシルエットの外側まで延びて形成されている。他の実施形態では、拡張部材を省略し、制御ユニットがモータシルエットに収まっていてもよい。
上記実施形態では、操舵装置は電動パワーステアリング装置である。他の実施形態では、操舵装置は、ステアバイワイヤ装置であってもよく、駆動装置は、車輪を転舵させる転舵装置として用いてもよいし、ハンドルに反力を付与する反力装置として用いてもよい。また、駆動装置を操舵装置以外の装置に適用してもよい。以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・駆動装置 10・・・ECU(制御ユニット)
31・・・親基板(メイン基板) 32・・・子基板(サブ基板)
141、241・・・パワー系接続部品(接続部品)
146、246・・・信号系接続部品(接続部品)
50・・・コネクタユニット
152、252・・・車両系コネクタ(パワーコネクタ、通信コネクタ)
156、256・・・操舵系コネクタ(センサコネクタ)
80・・・モータ
840・・・モータフレーム(モータハウジング)

Claims (4)

  1. 第1モータ巻線(180)および第2モータ巻線(280)を有するモータ(80)と、
    外部との接続に用いられるコネクタ(152、156、252、256)を有するコネクタユニット(50)、モータハウジング(840)に固定されるメイン基板(31)、前記コネクタユニットに固定されるサブ基板(32)、および、前記メイン基板と前記サブ基板とを接続する接続部品(141、146、241、246)を有し、前記モータの軸方向の一方側に設けられる制御ユニット(10)と、
    を備え、
    前記メイン基板および前記サブ基板は、
    前記第1モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第1系統領域と、前記第2モータ巻線の通電制御に係る電子部品が実装される第2系統領域とが、基板中心線にて分離されており、
    前記第1系統領域および前記第2系統領域において、前記モータに通電されるモータ電流が流れる領域であるパワー領域と、前記モータ電流より相対的に小さい制御電流が流れる領域である制御領域とが分離されている駆動装置。
  2. 前記コネクタには、電源と接続されるパワーコネクタ(152、252)、通信網(99)と接続される通信コネクタ(152、252)、および、センサ(93)と接続されるセンサコネクタ(156、256)が含まれ、
    前記サブ基板には、通信に係る通信素子(178、278)が前記通信コネクタに設けられる通信信号端子(154、254)と隣接して実装されている請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記接続部品には、
    前記第1系統領域において、前記メイン基板の前記パワー領域と前記サブ基板の前記パワー領域とを接続する第1パワー系接続部品(141)、
    前記第2系統領域において、前記メイン基板の前記パワー領域と前記サブ基板の前記パワー領域とを接続する第2パワー系接続部品(241)、
    前記第1系統領域において、前記メイン基板の前記制御領域と前記サブ基板の前記制御領域とを接続する第1信号系接続部品(146)、および、
    前記第2系統領域において、前記メイン基板の前記制御領域と前記サブ基板の前記制御領域とを接続する第2信号系接続部品(246)を含み、
    前記第1パワー系接続部品と前記第2パワー系接続部品とは、前記基板中心線に対して線対称に配置され、
    前記第1信号系接続部品と前記第2信号系接続部品とは、前記基板中心線に対して線対称に配置される請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記メイン基板の一方の面の前記制御領域には、制御回路部品(170、270)が前記制御領域に実装され、
    前記メイン基板の他方の面の前記制御領域であって、前記制御回路部品の裏側には、コンデンサ(172、173、272、273)が実装されている請求項1~3のいずれか一項に記載の駆動装置。
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