JP2022143802A - ポリアミド樹脂組成物、およびそれを含む成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶乾時および吸水後のいずれにおいても優れた機械特性を発現し、高温環境下での耐加水分解性やウェルド部の耐久性に優れることを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂100重量部に対し、(B)ポリプロピレン樹脂を10~75重量部、(C)ISO1133(2011)に則って温度190℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが200~300である酸変性ホモポリプロピレン樹脂を0.5~30重量部、(D)ガラス繊維を10~125重量部、(E)耐熱剤を0.01~5重量部配合してなる、ポリアミド樹脂組成物(ただし、銅化合物は含まない)。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物およびそれを含む成形品に関するものである。
ポリアミド樹脂は、機械特性、耐熱性、耐薬品性などに優れることから、自動車部品、電気部品、一般機械部品など種々の用途に使用されている。しかしながら、ポリアミド樹脂は吸水性が高く、機械特性の低下や寸法変化が生じる傾向にある。特に、自動車部品に適用される場合、ポリアミド樹脂が冷却水に用いられるロングライフクーラント(以下、LLCと呼ぶ)に高温条件下で長時間曝されることにより、加水分解を生じ、機械特性が低下するなどの欠点を有している。
上記の課題に対して、特許文献1では、ポリアミド樹脂にポリプロピレン樹脂や変性ポリオレフィン樹脂を含有させたポリアミド樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、ポリアミド樹脂に酸変性ホモポリプロピレン樹脂、ガラス繊維、フェノール系耐熱剤を含有させたポリアミド樹脂組成物が提案されている。さらに、特許文献3では、自動車冷却空調部品用のポリアミド樹脂組成物として、ポリアミド樹脂に無水マレイン酸変性した酸変性ホモポリプロピレン樹脂、ガラス繊維、熱安定剤を含有させたポリアミド樹脂組成物が提案されている。
特開2010-111841号公報 特許第6095799号公報 特開2006-291118号公報
成形品を設計する上で、ポリアミド樹脂組成物における絶乾時の引張強さが高いことは、重要な指標となる。特に、成形品が水などに接触し、その状態で高温下のもと長時間曝される場合、耐加水分解性が必要となる。さらに、ポリアミド樹脂の成形品には成形時の溶融樹脂の合流部であるウェルドが存在することが一般的だが、中でも、ガラス繊維を配合したポリアミド樹脂組成物を用いた成形品のウェルド部は、その他の部位と比較して機械特性が大幅に低下するため、成形品の耐久性が不十分となりやすい。
上述した特許文献1では、吸水時の機械特性保持率は高いものの、絶乾時の機械特性は十分ではなかった。また、耐加水分解性が劣る問題があった。
また、特許文献2では、耐熱性に優れるが、絶乾時の機械特性は十分ではなかった。また、酸変性ホモポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと称する場合がある)に関する記載は一切なく、ポリアミド樹脂組成物の物性や機械特性にどのような影響を及ぼすかについては一切言及されていなかった。
また、特許文献3では、高温でのLLCに対する耐加水分解性(耐久性)および耐塩化カルシウム性に優れるが、酸変性ホモポリプロピレン樹脂としてのMFRに関する記載はなく、ポリアミド樹脂組成物の物性や機械特性にどのような影響を及ぼすかについては一切言及されていなかった。
これまで、MFRが大きい、すなわち分子量の小さい酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、それ自体の機械特性が低くなるため、ポリアミド樹脂組成物の機械特性や耐加水分解性に劣ると考えられていた。そのため、MFRの小さい、すなわち分子量が大きく酸変性ホモポリプロピレン樹脂自体の機械特性が高いものを用いることが一般的であった。
そこで、本発明は、これら従来技術の課題に鑑み、絶乾時および吸水後のいずれにおいても優れた機械特性を発現し、高温環境下での耐加水分解性やウェルド部の耐久性にも優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、ポリプロピレン樹脂(B)を10~75重量部、ISO1133(2011)に則って温度190℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが200~300である酸変性ホモポリプロピレン樹脂(C)を0.5~30重量部、ガラス繊維(D)を10~125重量部、耐熱剤(E)を0.01~5重量部を配合してなる、ポリアミド樹脂組成物(ただし、銅化合物は含まない)。
上記記載のポリアミド樹脂組成物からなる、成形品。
本発明によれば、絶乾時および吸水後のいずれにおいても優れた機械特性を発現し、高温環境下での耐加水分解性やウェルド部の耐久性に優れることを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供できる。
以下本発明について、実施形態とともに詳細に説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、ポリプロピレン樹脂(B)を10~75重量部、ISO1133(2011)に則って温度190℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが200~300である酸変性ホモポリプロピレン樹脂(C)を0.5~30重量部、ガラス繊維(D)を10~125重量部、耐熱剤(E)を0.01~5重量部を配合してなる、ポリアミド樹脂組成物(ただし、銅化合物は含まない)。
一般的に、ポリアミド樹脂組成物の機械特性向上手段としては、上述した酸変性ホモポリプロピレン樹脂などを用いて機械特性のバランスをとる方法が知られている。これに対し、樹脂や繊維の界面状態に着目し、低分子量の酸変性ホモポリプロピレン樹脂を用いることで、樹脂拡散や反応進行を促進させ、その結果、界面の密着性に繋げ、優れた機械強度を得ることができると着想した。しかし、これまで、MFRが大きい、すなわち分子量の小さい酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、それ自体の機械特性が低くなるため、ポリアミド樹脂組成物の機械特性や耐加水分解性に劣ると考えられていた。そのため、MFRの小さい、すなわち分子量が大きく酸変性ホモポリプロピレン樹脂自体の機械特性が高いものを用いることが一般的であった。
そこで、本願発明者らは、(A)アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)特定の粘度範囲を有する酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤を特定の配合量含むことにより、上述のトレードオフを解消し、絶乾時および吸水後のいずれにおいても優れた機械特性を発現し、高温環境下での耐加水分解性やウェルド部の耐久性に優れることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、(A)アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)特定の粘度範囲を有する酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤を特定の配合量含むことを必須とする。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂は、アミノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。具体例を挙げるとε-カプロラクタム、エナントラクタム、ω-ラウロラクタムなどのラクタム、ε-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸などのアミノ酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン1.2.2.4-/2.4.4-1リメチルへキサメチレンジアミン、5=メチルノナメチレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1.3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1.4-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、ビス-p-アミノシクロへキシルプロパン、イソホロンジアミンなどのジアミン、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セパシン酸、ドデカンニ酸、1.4-シクロヘキサンジカルボン酸、1.3-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸がある。これらの構成成分は単独あるいは二種以上の混合物の形で重合に供され、そうして得られるポリアミドホモポリマ、コポリマいずれも本発明で用いることができる。特に本発明で有用に用いられるポリアミドはポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリへキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリへキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、そしてこれらポリアミドの共重合体および混合物である。外観や強度、剛性、靭性面で、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610が好ましい。更に好ましいのはポリアミド66が好ましい。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、10×10-5mol/g以上である。ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度が10×10-5mol/g未満のものを配合した場合、酸変性ホモポリプロピレン樹脂、及びガラス繊維との密着性が低下し、耐加水分解性の低下に繋がる。ポリアミド樹脂組成物の加工性や成形性の観点から、ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、11~14×10-5mol/gの範囲が好ましい。
(A)ポリアミド樹脂のカルボ末端基濃度は、6×10-5mol/g以下であることが好ましい。カルボ末端基濃度がこの範囲のポリアミド樹脂を用いることで、カルボ末端基の酸によるポリアミド樹脂組成物の加水分解が抑制され、耐加水分解性が向上する。絶乾時の機械特性と耐加水分解性のバランスから、ポリアミド樹脂のカルボ末端基濃度は、2~5×10-5mol/gの範囲がさらに好ましい。
また、(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度の比は、アミノ末端基濃度:カルボ末端基濃度=2:1~7:1の範囲であることが好ましく、さらには3:1~5:1であることが好ましい。アミノ末端基濃度とカルボ末端基濃度の比がこの範囲のポリアミド樹脂を用いることで、絶乾時の機械特性と耐加水分解性が良好となる。
(A)ポリアミド樹脂の重合度は、ISO307に準拠して測定した粘度数として、110~210ml/gの範囲が好ましく、さらには120~200ml/gの範囲がより好ましい。ポリアミド樹脂の重合度が120ml/g以上であれば、ポリアミド樹脂自体の機械特性が高く、ポリアミド樹脂組成物としての絶乾時の機械特性が高くなるため好ましい。一方、ポリアミド樹脂の重合度が200ml/g以下であれば、溶融混錬時の分散性が良好で酸変性ホモポリプロピレン樹脂との密着性が高く、絶乾時の機械特性、耐加水分解性、ウェルド部の耐久性が高くなるため好ましい。
本発明で用いる(B)ポリプロピレン樹脂は、ISO1133 (2011)に則って温度230℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが0.1~50の範囲が好ましく、0.3~30の範囲がより好ましく、さらには0.5~10の範囲がより好ましい。ポリプロピレン樹脂のMFRが0.5以上であれば、流動性が良好でウェルド部の耐久性が高くなるため好ましい。一方、ポリプロピレン樹脂のMFRが10以下であれば、ポリプロピレン樹脂自体の機械特性が高く、ポリアミド樹脂組成物としての絶乾時の機械特性が高くなるため好ましい。
(B)ポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体などが挙げられ、必要に応じてプロピレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることができる。特に、耐熱性、高温時の剛性から、ホモポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましく、さらにはホモポリプロピレンが好ましい。
また、これら前記の(B)ポリプロピレン樹脂の重合方法には制限はなく、高圧法、スラリー法、溶液法、気相法のいずれでもよく、重合触媒についても、チーグラー触媒、メタロセン触媒など、特に限定されるものではない。
本発明で用いる(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、ISO 1133(2011)に準拠し温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるMFRが200~300g/10minの範囲である。酸変性ホモポリプロピレン樹脂のMFRが200g/10min未満のものを配合した場合、溶融混錬時の分散性が悪く、ポリアミド樹脂やポリプロピレン樹脂との密着性が低下するため絶乾時の機械特性の低下に繋がる。また、酸変性ホモポリプロピレン樹脂中の酸成分が未反応の状態で多く残るため、耐加水分解性、ウェルド部の耐久性の低下に繋がる。一方、酸変性ホモポリプロピレン樹脂のMFRが300g/10minを超えるものを配合した場合、酸変性ホモポリプロピレン樹脂自体の機械特性が低く、ポリアミド樹脂組成物の絶乾時の機械特性の低下に繋がる。
(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、有機酸に由来する反応性官能基を有するホモポリプロピレン樹脂である。本発明で用いる(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、ホモプロピレン樹脂の高分子主鎖と、有機酸に由来する反応性官能基を含む側鎖とを有するものが挙げられる。より具体的には、高分子主鎖と、不飽和カルボン酸又はその酸無水物により形成されるカルボキシル基又は、その金属塩、アンモニウム塩を含む側鎖とを有するものが挙げられる。
(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂の酸価は、1~50mgKOH/gの範囲が好ましく、3~25mgKOH/gの範囲がより好ましく、さらには5~15mgKOH/gの範囲がより好ましい。酸変性ホモポリプロピレン樹脂の酸価が5mgKOH/g以上であれば、ポリアミド樹脂との密着性が高く、絶乾時の機械特性、耐加水分解性、ウェルド部の耐久性が高くなるため好ましい。一方、酸変性ホモポリプロピレン樹脂の酸価が15mgKOH/g以下であれば、ポリアミド樹脂組成物に残る未反応の酸変性ホモポリプロピレン樹脂中の酸成分が少なく、耐加水分解性、ウェルド部の耐久性が高くなるため好ましい。
また、これら前記の(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂の重合方法には制限はなく、高圧法、スラリー法、溶液法、気相法のいずれでもよく、重合触媒についても、チーグラー触媒、メタロセン触媒など、特に限定されるものではない。
不飽和カルボン酸およびその酸無水物としては、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等を挙げることができる。特に無水マレイン酸、無水イタコン酸アクリル酸、(メタ)アクリル酸が共重合反応させやすいことから好ましい。プロピレンとの共重合又はプロピレンへのグラフト共重合に使用する不飽和カルボン酸は1種のみでもよいし、2種以上の不飽和カルボン酸を使用しても良い。
(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂は、1分子中に多数の官能基を有しながら柔軟であるため、ポリアミド樹脂との反応性が高い。
本発明で用いる(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂の酸変性成分の種類は、ポリアミド樹脂と反応する官能基であれば特に限定されず、例えば不飽和カルボン酸、カルボキシル金属塩およびオキサゾリン基からなる酸成分の反応性官能基が用いられる。
前記記載の不飽和カルボン酸を構成する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。これらの酸無水物成分の官能基は、1種でも複数種でも良い。
不飽和カルボン酸またはその酸無水物をポリプロピレン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、不飽和カルボン酸または酸無水物とポリプロピレン樹脂の原料である単量体とを共重合する方法、不飽和カルボン酸または酸無水物をポリプロピレン樹脂にグラフトさせる方法など、重合槽内や押出機内などの熱反応させる装置を使って実施することができる。
本発明で用いる(D)ガラス繊維は、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの被覆あるいは収束剤で処理されていることが好ましく、ウレタン系がさらに好ましい。またシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、アミノシラン系のカップリング剤がさらに好ましい。
(D)ガラス繊維は、繊維長1~10mm、繊維直径5~20μmのチョップドタイプのガラス繊維が好ましく、さらには繊維長2~6mm、繊維直径7~14μmであることが好ましい。この範囲のガラス繊維を用いることで、溶融混錬時の加工性、ポリアミド樹脂組成物としての絶乾時の機械特性に優れた組成物を得ることができる。
本発明で用いる(E)耐熱剤は、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系およびこれらの置換体による有機系化合物が例として挙げられる。
ポリアミド樹脂の耐熱老化特性で一般的に用いられるヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第ニ銅、酢酸銅、硫化銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅などの銅塩や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤が銅に配位した銅錯塩などの銅化合物は含まない。銅化合物系の耐熱剤を使用することで、銅イオンが(B)ポリプロピレンの自動酸化反応を促進させる触媒効果(レドックス反応)が起こり、(B)ポリプロピレンを劣化させる銅害を誘発する。銅害により、絶乾時の機械特性や耐加水分解性の低下が引き起こされる。
前記した有機系耐熱剤の中でも、好ましくはヒンダードフェノール系化合物である。ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、トリエチレングリコール-ビス[3-t-ブチル-(5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンアミド)、N,N’-(ヘキサン-1,6-ジイル)[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(t-ブチル)ベンゼンプロパンアミド]、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-s-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。
前記ヒンダードフェノール系化合物の中でも、N、N‘-(ヘキサン-1,6-ジイル)[4-ヒドロキシ-3,5-ビス(t-ブチル)ベンゼンプロパンアミド]、3,9-ビス[2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが特に好ましく用いられる。これらは1種のみ使用する方法でも2種以上を併用する方法でも可能である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤、結晶核剤、着色防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、及び染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種類以上添加することができる。
かかる各種添加剤類としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、フェノール系、リン系などの紫外線吸収剤、芳香族カルボン酸の金属塩、ソルビトール系誘導体、有機リン酸塩、芳香族アミド化合物などの有機核剤、タルク、ボロンナイトライドなどの無機核剤を含む結晶核剤、レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、p-オキシ安息香酸オクチル、N-ブチルベンゼンスルホンアミドなどの可塑剤、ワックスなどの滑剤、アルキルサルフェート型アニオン系、4級アンモニウム塩型カチオン系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系、ベタイン系両性帯電防止剤、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなどの難燃剤、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系などの染料、アゾ系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、カーボンブラック類、二酸化チタン、群青などの顔料を含む着色剤などが挙げられる。
かかる紫外線吸収剤、結晶核剤、着色防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、及び染料・顔料を含む着色剤などの各種添加剤類は2種類以上併用することも可能である。その含有量は、特に制限はないが、(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤からなる合計100重量部に対し、0.01重量部以上3重量部未満が一般的である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(B)ポリプロピレン樹脂を10~75重量部、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂を0.5~30重量部、(D)ガラス繊維を10~125重量部、(E)耐熱剤を0.01~5重量部の割合で含有する。
本発明に用いられる(B)ポリプロピレン樹脂が10重量部より少ないと、吸水成分であるポリアミド樹脂が増加して耐加水分解性が低下する。(B)ポリプロピレン樹脂が75重量部を超えると、ポリアミド樹脂組成物の絶乾時の機械特性が低下する。絶乾時の機械特性と耐加水分解性のバランスから、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(B)ポリプロピレン樹脂は30~75重量部が好ましく、さらには40~70重量部がより好ましい。
本発明に用いられる(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂が0.5重量部より少ないと、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、酸変性ホモポリプロピレン樹脂の密着性が低下して絶乾時の機械特性が低下する。(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂が30重量部を超えると、酸変性ホモポリプロピレン樹脂中の酸成分が未反応の状態で多く残り、耐加水分解性の低下に繋がる。絶乾時の機械特性と耐加水分解性のバランスから、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂は1~27重量部が好ましく、さらには3~25重量部がより好ましい。
また、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂との重量比率は2:1~10:1の範囲が好ましい。前記範囲とすることにより、絶乾時の機械特性と耐加水分解性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられる(D)ガラス繊維が10重量部より少ないと、ガラス繊維による樹脂の補強効果に乏しく、絶乾時の機械特性が十分でない。(D)ガラス繊維が125重量部を超えると、ポリアミド樹脂組成物のウェルド部の耐久性が低下する。絶乾時の機械特性とウェルド部の耐久性のバランスから、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(D)ガラス繊維は25~115重量部が好ましく、さらには50~100重量部が好ましい。
本発明に用いられる(E)耐熱剤が0.01重量部より少ないと、高温時の耐加水分解性に乏しい。(E)耐熱剤が5重量部より多いと、ポリアミド樹脂組成物の絶乾時の機械特性、ウェルド部の耐久性が低下する。高温時の耐加水分解性、絶乾時の機械特性、ウェルド部の耐久性のバランスから、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(E)耐熱剤は0.1~4重量部が好ましく、さらには0.3~3重量部であることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する方法は特に制限はない。(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤を一括して配合し、溶融混錬して製造する方法、(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(E)耐熱剤を溶融混錬する中、(D)ガラス繊維をサイドフィード等の手法により添加する方法などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、任意の方法により成形でき、その成形方法に関しても制限はなく、例えば、押出成形、射出成形、中空成形、カレンダ成形、圧縮成形、真空成形、発泡成形、ブロー成形、回転成形等が挙げられる。中でも射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形から選ばれる一方法を採用することが生産性に優れ工業的に本発明を実施する上で好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物からなる成形品は、電気電子部品、自動車用部品、車両関連部品、建材関係部品、一般・産業機械部品、スポーツ用品、生活雑貨用品、家庭・事務用品、家具用部品など各種用途に適用できる。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)ポリアミド樹脂(A)のアミノ末端基濃度
ポリアミド樹脂ペレット1.000g、フェノール83.5vol%:エタノール16.5vol%の溶液50mlを200ml三角フラスコに測り取り、約4.5時間振盪して完全に溶解させた。この溶液にチモールブルー指示薬を3~4滴加えて混合し、0.02Nの塩酸で滴定し、溶液の色が黄色から微赤色に変色したときの滴定量(A)mlを求めた。また、ペレットを溶解させない溶液のみで上記と同様に滴定を行い、滴定量(B)mlを求め、以下の式によりアミノ末端基濃度を計算した。
アミノ末端基濃度(×10-5mol/g)=(A-B)×f×0.02×10-3/絶乾試料重量
ここで、fは0.02Nの塩酸の力価
(2)ポリアミド樹脂(A)のカルボ末端基濃度
ポリアミド樹脂ペレット0.500g、ベンジルアルコール20mlを試験管に測り取り、195℃に加熱して約1時間、撹拌させながら完全に溶解させた。この溶液にフェノールフタレイン指示薬を5~10滴加えて混合し、0.02Nの水酸化カリウム水溶液で滴定し、溶液の色がピンク色に変色した時の滴定量(A)mlを求めた。また、ペレットを溶解させないベンジルアルコールのみで上記と同様に滴定を行い、滴定量(B)mlを求め、以下の式によりカルボ末端基濃度を計算した。
カルボ末端基濃度(×10-5mol/g)=(A-B)×f×0.02×10-3/絶乾試料重量
ここで、fは0.02Nの水酸化カリウム水溶液の力価
(3)メルトフローレート(MFR)
ISO 1133(2011)に従って測定を行った。測定温度:190℃、230℃、荷重:2.16kg。
(4)粘度数
ISO307に従って測定を行った。使用溶媒:96%硫酸。
(5)酸価
試料0.500g、キシレン70mlを200ml三角フラスコに測り取り、空冷管を取り付け、135℃で15分間加熱溶解させた。この溶液にフェノールフタレイン指示薬を3滴加えて混合し、約100℃のホットスターラー上で、0.025mol/LのNaOHベンジルアルコール溶液で滴定し、溶液の色が薄い紅色が30秒間続いたときの滴定量(A)mlを求めた。また、試料を溶解させないキシレンのみで上記と同様に滴定を行い、滴定量(B)mlを求め、以下の式により酸価を計算した。
酸価(mgKOH/g)=(A-B)×f×0.025×56.11/絶乾試料重量(g)
ここで、fは0.025mol/LのNaOHベンジルアルコール溶液の力価
(6)成形品の引張強さ(絶乾、飽和吸水)
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形し、ISO Type-A規格の試験片を作製し、ISO527-1、-2に準拠して引張試験を実施した。絶乾時の引張強さは、射出成形したISO Type-A規格のダンベル型試験片の引張強さである。飽和吸水時の引張強さは、80℃の温水中で吸水平衡となるときのISO Type-A規格のダンベル型試験片の引張強さである。
(7)成形品の耐加水分解性(通常部)
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形し、ISO Type-A規格の試験片を作製した。射出成形したISO Type-A規格のダンベル型試験片を、130℃に加熱したLLC(トヨタ純正Long Life Coolant)の50vol%水溶液に2000時間浸漬処理を行い、ISO527-1、-2に準拠して引張試験を実施した。飽和吸水時の引張強さを100%としたときの、浸漬処理後の引張強さ保持率(%)を算出した。かかる値が高いほど、耐加水分解性に優れる。
(8)成形品の耐加水分解性(ウェルド部)
成形品の形状はISO Type-A規格の試験片と同一であるが、ダンベル型試験片の両末端部分にゲートがあり、試験片中央部にウェルドができることを特徴とする金型を用いて、実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃の条件で射出成形し、ダンベル型試験片を作成した。射出成形したダンベル型試験片を、130℃に加熱したLLC(トヨタ純正Long Life Coolant)の50vol%水溶液に1000時間浸漬処理を行った。ISO527-1、-2に準拠して80℃の温水中で吸水平衡となるときの飽和吸水時、およびLLC50vol%水溶液に浸漬処理後のダンベル型試験片の引張試験を実施し、飽和吸水時の引張強さを100%としたときの、LLC50vol%水溶液に浸漬処理後の引張強さ保持率(%)を算出した。かかる値が高いほど、耐加水分解性(ウェルド部の耐久性)に優れる。
各実施例および比較例に用いた原材料を以下に示す。
(A)ポリアミド樹脂:
A-1:アミノ末端基濃度12.4×10-5mol/g、カルボ末端基濃度3.5×10-5mol/g、粘度数129ml/gのポリアミド66樹脂。
A-2:アミノ末端基濃度3.3×10-5mol/g、カルボ末端基濃度11.3×10-5mol/g、粘度数137ml/gのポリアミド66樹脂。
A-3:アミノ末端基濃度3.0×10-5mol/g、カルボ末端基濃度8.0×10-5mol/g、粘度数150ml/gのポリアミド66樹脂。
(B)ポリプロピレン樹脂
B-1:ホモポリプロピレン樹脂「“プライムポリプロ” E111G」(プライムポリマー(株)製)。MFR:0.5g/10min(温度230℃・荷重2.16kg)。
B-2:ホモポリプロピレン樹脂「“プライムポリプロ” J105G」(プライムポリマー(株)製)。MFR:9.0g/10min(温度230℃・荷重2.16kg)。
B-3:ホモポリプロピレン樹脂「“プライムポリプロ” J106MG」(プライムポリマー(株)製)。MFR:16g/10min(温度230℃・荷重2.16kg)。
B-4:ホモポリプロピレン樹脂「“プライムポリプロ” J108M」(プライムポリマー(株)製)。MFR:45g/10min(温度230℃・荷重2.16kg)。
(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂
C-1:MFR:250g/10min(温度190℃・荷重2.16kg)、酸価:8.8の無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂。
(D)ガラス繊維
D-1:ECS 03 T-211H(日本電気硝子(株)製)。
(E)耐熱剤
E-1:ヒンダードフェノール系化合物「“Irganox1098”(登録商標)」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
E-2:ヒンダードフェノール系化合物「“AO-80”(登録商標)」((株)ADEKA製)。
E-3:ホスファイト系化合物「“PEP-36”(登録商標)」((株)ADEKA製)。
E-4:チオエーテル系化合物「“AO-412S”(登録商標)」((株)ADEKA製)。
E-5:銅系耐熱剤 ヨウ化第一銅(日本化学産業(株)製)。
(F)酸変性ポリオレフィン樹脂
F-1:MFR:50g/10min(温度190℃・荷重2.16kg)、酸価:3.3の無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂。
F-2:MFR:480g/10min(温度190℃・荷重2.16kg)、酸価:16の無水マレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂。
F-3:MFR:130g/10min(温度190℃・荷重2.16kg)、酸価:26の無水マレイン酸変性ブロックポリプロピレン樹脂。
[実施例1~10]
(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(C)酸変性ホモポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤を表1に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去を行いながら、スクリュー径37mmの2軸押出機(東芝機械社製、TEM37)を使用し、バレル設定温度300℃で溶融押出した。吐出量は60kg/hr、スクリュー回転速度は250rpmであった。吐出樹脂をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
[比較例1~10]
(A)ポリアミド樹脂、(B)ポリプロピレン樹脂、(D)ガラス繊維、(E)耐熱剤、(F)酸変性ポリオレフィン樹脂を表2に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去を行いながら、スクリュー径37mmの2軸押出機(東芝機械社製、TEM37)を使用し、バレル設定温度300℃で溶融押出した。吐出量は60kg/hr、スクリュー回転速度は250rpmであった。吐出樹脂をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1~10および比較例1~10より、(A)~(E)を特定量含有するポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品は、絶乾時の機械特性に優れ、かつ高温環境下での耐加水分解性、及びウェルド部の耐久性に優れることがわかった。
Figure 2022143802000001
Figure 2022143802000002

Claims (5)

  1. アミノ末端基濃度が10×10-5mol/g以上であるポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、ポリプロピレン樹脂(B)を10~75重量部、ISO1133(2011)に則って、温度190℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが200~300である酸変性ホモポリプロピレン樹脂(C)を0.5~30重量部、ガラス繊維(D)を10~125重量部、耐熱剤(E)を0.01~5重量部を配合してなる、ポリアミド樹脂組成物(ただし、銅化合物は含まない)。
  2. 前記(A)ポリアミド樹脂は、カルボ末端基濃度が6×10-5mol/g以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(B)ポリプロピレン樹脂は、ISO1133(2011)に則って温度230℃、荷重2.16kgにて測定したMFRが0.1~50g/10minである、請求項1または2のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(E)耐熱剤は、ヒンダードフェノール系、硫黄系、およびリン系耐熱剤から選ばれる1種以上含む、請求項1~3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる、成形品。
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