JP2022142453A - 中子部材、その製造方法および鋳造方法 - Google Patents

中子部材、その製造方法および鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充填砂を中空部に充填して用いられ、高い通気性を確保しつつ十分な強度で鋳型の変形や破損を防止できる中子部材、その製造方法および鋳造方法を提供する。【解決手段】鋳造用の中子部材100であって、付加製造装置を用いて作製される鋳型の造形に用いられる造形砂と、造形砂の粒子同士を結合して硬化されたバインダとで形成され、充填砂の注入口となる孔120が設けられた中空構造を有する。このように中子部材100は、充填砂を中空部に充填して中子として用いることができる。そして、造形砂より平均粒径が大きい充填砂を用いて鋳造を行えば、充填砂の粒子の間隙が大きくなり、中子の通気性を向上できる。また、孔により鋳造中に発生するガスを外に逃がすこともできる。また、充填砂を中空部に充填して用いられるため、中子の変形や破損を防止できる。【選択図】図1

Description

本発明は、空洞がある鋳物を鋳造する際に空洞部を作るために用いられる中子部材、その製造方法および鋳造方法に関する。
鋳物の空洞を作る際に使用される中子として、シェル中子が広く普及している。シェル中子は、熱せられた金型に粘結材と砂の混合材料を流し込み、熱により粘結材が硬化されることで形成される。したがって、硬化される部分は主に表面近傍であり、内部の未硬化の砂を排出することで、シェル中子を得ることができる。
シェル中子は通常、使用する原料の低減や鋳造時に発生するガス抜きのために、中空構造とされることが多い。そのため、シェル中子の強度は、一般的に用いられる主型よりも高く設計されている。このようなシェル中子には、使用時に中空構造の中空部にシェル砂を充填されるものも知られている(特許文献1、2参照)。
一方、近年は積層型の3Dプリンタで製作される鋳型が普及してきている。一般的に使用される鋳型は、原型となる木型もしくは金型を転写することによって得られるが、このような鋳型は、必ず抜型という作業を行わなければならず、木型や金型は抜ける形状とする必要がある(特許文献3参照)。
これに対し、積層型の3Dプリンタによる鋳型は、一定厚さに敷いた砂に必要な部分のみを硬化させそれを順次積層することによって得られるため、抜型という作業が発生しない。そのため、例えば逆勾配があるような形状の鋳型であっても容易に作製できる。
鋳型のなかでも、中子は複雑な形状のものが多く、そのようなものを金型で作製すると多分割にせざるを得ない。中子のみならず主型においても分割数が増えると寸法精度が落ちる。しかし、積層型3Dプリンタであれば形状に制限はなく、複雑な形状であっても分割の必要がないため、中子の作製に積層型3Dプリンタが利用されることが多くなっている。
特開2000-61582号公報 実開平5-24134号公報 特開2019-115932号公報
しかしながら、積層型3Dプリンタで作製される中子や主型は、一般的な砂型と比較して通気性が低く、鋳物にガス欠陥が生じやすい。積層型3Dプリンタはどんな鋳物砂でも敷けるわけではない。敷いた厚さは一定でなければならず、その表面は平坦でなければならない。
そのような層状体が得られるように、積層型3Dプリンタ用の材料は専用に調整されたものとなる。このような材料で得られる鋳型は、同じ平均粒径の一般的な鋳型と比較し、かさ比重が高くなりがちで通気性に劣る。
ガス欠陥の対策として、主型であれば、ガス抜き穴が形成された方案に変更したり、肉厚を薄くしたりすることが可能である。しかし、中子の場合、そのような方法を採り難い。また、中子に中空部を形成し、そこからガスが排出されるような構造とすることも考えられるが、十分な強度がないと鋳造時に中子の変形や破損が生じかねない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、充填砂を中空部に充填して用いられ、高い通気性を確保しつつ十分な強度で鋳型の変形や破損を防止できる中子部材、その製造方法および鋳造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、中子部材は、付加製造装置を用いて作製される鋳造用の中子部材であって、鋳型の造形に用いられる造形砂と、前記造形砂の粒子同士を結合して硬化されたバインダと、で形成され、充填砂の注入口となる孔が設けられた中空構造を有することを特徴としている。
このように中子部材は、充填砂を中空部に充填して中子として用いることができる。そして、造形砂より平均粒径が大きい充填砂を用いて鋳造を行えば、充填砂の粒子の間隙が大きくなり、中子の通気性を向上できる。また、孔により鋳造中に発生するガスを外に逃がすこともできる。また、充填砂を中空部に充填して用いられるため、中子の変形や破損を防止できる。
(2)本発明の中子部材において、前記孔は、巾木部分に形成されていることを特徴としている。これにより、充填砂の注入や中子の取り扱いが容易になる。
(3)本発明の中子部材において、前記中空構造を形成する壁部の厚さが、5mm以上10mm以下であることを特徴としている。このように壁部の厚さが5mm以上であることで鋳型として破損リスクを低く抑え十分な強度を維持できる。また、壁部の厚さが10mm以下であることで十分な通気性を確保できる。
(4)本発明の中子部材の製造方法において、上記(1)から(3)のいずれかに記載の中子部材の製造方法であって、一定厚さに前記造形砂を敷き均す工程と、造形体となる所定部分に前記バインダを噴射し硬化させる工程と、を含む一連の工程を繰り返すことで付加製造装置を用いて前記造形体を形成することを特徴としている。これにより、複雑な形状の中子であっても多分割することなく寸法精度を高く維持できる。
(5)本発明の鋳造方法において、上記(1)から(3)のいずれかに記載の中子部材を用いた鋳造方法であって、主型に前記中子部材を設置する工程と、前記中子部材の中空部に、前記造形砂より平均粒径が大きい前記充填砂を充填し、鋳型を構成する工程と、前記鋳型に溶湯を注入する工程と、前記鋳型で生成された鋳物を取り出す工程と、を含むことを特徴としている。
これにより、充填砂の粒子の間隙を大きくして通気性を向上させ、鋳造時に充填砂の粒子間の隙間からガスを逃がすことができる。そして、複雑な中子であっても十分な通気性を維持し、鋳物のガス欠陥を低減できる。
(6)本発明の鋳造方法において、前記充填砂の安息角は40°以下であることを特徴としている。これにより、中子部材の中空部に充填砂が万遍なく充てんされ、充てんムラを低減し、溶湯の圧力による中子の変形を抑止できる。充填砂の流動性が高いと、中空部にいきわたりやすい。
(7)本発明の鋳造方法において、前記充填砂の平均粒径は、前記造形砂の平均粒径の3倍以上であることを特徴としている。これにより、中子の通気性をさらに向上できる。
(8)本発明の鋳造方法において、前記充填砂の平均粒径は100μm以上350μm以下であることを特徴としている。充填砂の平均粒径を100μm以上にすることで、中子の通気性を向上できる。また、充填砂の平均粒径を350μm以下とすることで、充填砂による表面の凹凸を低減し、鋳物に転写される形状を平滑化できる。
(9)本発明の鋳造方法において、前記充填砂の粒子間には、粘結材が含まれないことを特徴としている。これにより、溶湯の熱で粘結材がガスの発生源となるのを回避できる。
本発明によれば、充填砂を中空部に充填して用いられ、高い通気性を確保しつつ十分な強度で鋳型の変形や破損を防止できる。
本発明の中子部材を示す斜視図である。 上型、下型および中子部材を示す斜視図である。 製造された鋳物を示す斜視図である。 鋳物の切断面を示す斜視図である。 切断された鋳物を示す斜視図である。 試料を充填砂の安息角と平均粒径との関係でプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[中子部材]
図1は、中子部材100を示す斜視図である。鋳造用の中子部材100は、造形砂およびバインダで形成されており、中空構造を有している。造形砂は、3Dプリンタ(付加製造装置)により鋳型の造形に用いられる砂である。バインダは、造形砂の粒子同士を結合して硬化されている。
図1に示す例では、中子部材100は、造形砂およびバインダで形成された壁部110により中空構造を実現しており、両端が密閉された円筒状に形成されている。造形砂およびバインダの詳細については後述する。
壁部110には、充填砂の注入口となる孔120が設けられている。孔120のサイズは、特に限定されず作製される中子の形状に応じて適宜設定される。孔120は、巾木部分に形成されていることが好ましい。これにより、この孔120から溶湯が流れ込むことはなく、発生するガスを系外に排出することができる。その結果、複雑な中子であっても十分な通気性を維持し、鋳物のガス欠陥を低減できる。また、充填砂の注入や中子の取り扱いが容易になる。なお、巾木部分とは、主型で支えられる、主型の外に延長された中子の端部である。主型とは、鋳物の外形を形成するための鋳型をいう。
中子部材100の壁部110は薄い方が好ましい。鋳造時に発生するガスは、溶湯からだけでなく、中子からも発生する。中子に用いられる材料で積層型3DプリンタでJISZ 2601に基づく試験体を作製し、試験体の通気度を測定すると50未満である。このように積層型3Dプリンタで作製された中子は通気性が低い。
上記の観点から、中子部材100の壁部110の厚さは10mm以下が好ましい。壁部110の厚さが10mm以下であることで十分な通気性を確保できる。中空構造を形成する壁部110の厚さは、5mm以上であることが好ましい。壁部110の厚さが5mm以上であることで鋳型として破損リスクを低く抑え十分な強度を維持できる。壁部110の厚さは2mm以上であることがさらに好ましい。厚さ2mmを下回ると、中子部材100を取り扱う際に破損のリスクが高くなるため、実用上の下限は2mmである。
[中子部材の製造方法]
(工程全体)
上記のように構成される中子部材100の製造方法を説明する。中子部材100は、積層型3Dプリンタ(付加製造装置)を用いて製造されることが好ましい。3Dプリンタとして市販のバインダージェットタイプのものを使用できる。
3Dプリンタに入力する中子部材100のデータは、鋳物の空洞部の形状のままとするのではなく、外形を保ちながら中空構造とし、孔120を形成することで一部が開放されている構造に設計されている。この孔120から、鋳造中に発生するガスを逃がすことができる。また、孔120は未硬化の造形砂の排出口となり、排出後には充填砂の注入口となる。なお、中空構造は、壁部と中空部とで作られる構造を指し、中空部は、壁部に囲われた空間自体(壁部は含まない)を指す。
このように3Dプリンタにより、一定厚さに砂を敷き均し、造形体となる所定部分にバインダを噴射し硬化させる一連の工程を繰り返すことで造形体を形成する。これにより、複雑な形状の中子であっても多分割することなく寸法精度を高く維持できる。なお、造形材料の詳細については後述する。
造形が終わると、形成された積層体内では硬化した造形体(例えば中子部材100)が未硬化の砂に埋没した状態となっている。積層体から未硬化の砂を取り除くことで、造形体が取り出される。造形体が中空の場合、周囲の未硬化の砂を取り除いても中空部には未硬化の砂が存在する。中子部材100には中空構造を形成する壁部110に孔120を設けることで、この孔120から未硬化の砂を排出できる。
(造形材料)
造形砂には、積層型3Dプリンタ用の専用砂が用いられる。専用砂として市販されているものを適宜選択して使用できる。市販の専用砂には、例えば3Dプリンタの純正材料やTCaST(登録商標、太平洋セメント社製)が挙げられる。専用砂は、例えば、鋳造する金属の溶湯温度に応じて、耐熱性を勘案して選択することができる。さらには、市販の専用砂を改良して造形砂として用いてもよい。造形砂の平均粒径は、60μm以上150μm以下が好ましく、100μm程度がさらに好ましい。
[鋳造方法]
(工程全体)
上記の中子部材100を用いた鋳造方法を説明する。図2は、上型210、下型220および中子部材100を示す斜視図である。上型210および下型220は、型合わせした状態で箱型になるように形成された主型であり、合わせ面上に中子部材100が等間隔で並ぶように溝が設けられている。
鋳造時には、まず、下型220に中子部材100を設置する。その際には、巾木部分が下型220からはみ出すように中子部材100を配置する。そして、上型210を下型220に型合わせし、上型210および下型220内を閉じて、鋳型を組み立てる。中子部材100の巾木部分には孔120が設けられており、型合わせ後も中子部材100内に充填砂を注入できる。孔120から充填砂を中空部に充填することで、中子部材100を中子として用いることができる。
中子部材100の中空部には、充填砂を充填することで、鋳造時の溶湯の圧力で中子が変形したり、破損したりするのを防止できる。充填砂には、一般的な鋳型に用いられるような粘結材が添加しないことが好ましい。これにより、溶湯の熱で粘結材がガスの発生源となるのを回避できる。なお、充填砂の詳細については後述する。
鋳型を準備できたら、鋳型に溶湯を注入する。上型210の壁部211には、溶湯の注入口212が開けられている。注入口212は、直下に中子部材100が無い位置に設けられていることが好ましい。鋳造時、中子は溶湯に包まれており、溶湯の圧力を受ける。そのため、中子を中空構造としてしまうと、中子の変形や破損が生じる。変形すると、所定の寸法の鋳物が得られず、破損すると、鋳物の中空部が形成できない。そこで、中空部には充填砂を充填する。
そして、溶湯を冷却して鋳型で生成された鋳物を取り出す。その際には、鋳型は型ばらしする。図3は、製造された鋳物300を示す斜視図である。鋳物300は、直方体に形成され、正面から背面に抜ける5つの円筒形の孔が等間隔で形成されている。
(充填砂)
充填砂は、一般的に使われる鋳物砂から選択することができる。充填砂として、例えば、珪砂、ジルコンサンド、クロマイトサンド、オリビンサンド、アルミナサンド、人工砂(セラミック系)、およびこれらを混合した砂を用いることができる。充填砂に使用する砂は特に限定されず、鋳造する金属に応じた耐熱性の観点で選ぶことができる。
溶湯や中子部材から発生するガスが、中子の外に排出されるように、充填砂の通気性は高いことが好ましい。具体的には、中子部材よりも充填砂の通気性が高いことが好ましい。砂の粒径が大きいほど砂の間隙が大きくなり、通気性が向上するため、充填砂の平均粒径は、造形砂の平均粒径よりも大きいことが好ましい。充填砂を充填する際に、造形砂より平均粒径が大きい充填砂を用いれば、充填砂の粒子の間隙が大きくなり、中子の通気性を向上できる。充填砂の平均粒径は、造形砂の平均粒径の3倍以上であることが好ましい。これにより、中子の通気性をさらに向上できる。
一方で、中子の表面形状を鋳物にトレースするには、充填砂の平均粒径は造形砂の平均粒径の最大3倍を目安とすることが望ましい。中子は溶湯の圧力を受ける。中子部材100は硬化しているものの、溶湯の熱によって強度が低下し変形能が高まる。そのため、中子部材100は、中子部材100と充填砂との界面にある充填砂の凹凸にならいやすくなる。鋳物の表面には、中子の表面が転写されるため、中子部材100の砂の平均粒径に対し、充填砂の平均粒径が大きくなり、中子の表面の凹凸が大きくなりすぎるのは好ましくない。ただし、中子が転写される鋳肌部分に要求される幾何公差が厳しくない場合は、充填砂の平均粒径にこだわる必要はない。
充填砂は、中子の中空部に万遍なく充填する必要があるため、流動性に富むことが好ましい。充填砂が、万遍なく充填されず充填ムラがあると、溶湯の圧力で中子が変形しやすくなる。変形量が大きくなると、鋳物の中空部の寸法が所定値から外れてしまう。この観点から、充填砂の安息角は45°以下が好ましく、さらには40°以下が好ましい。また、充填砂の安息角は、25°以上が好ましい。25°以上とすると、充填時に通気性を向上できるためである。
充填砂の平均粒径は100μm以上350μm以下であることが好ましい。充填砂の平均粒径を100μm以上にすることで、中子の通気性を向上できる。また、充填砂の平均粒径を350μm以下とすることで、充填砂による表面の凹凸を低減し、鋳物に転写される形状を平滑化できる。充填砂の粒子間には、粘結材が含まれないことが好ましい。これにより、溶湯の熱で粘結材がガスの発生源となるのを回避できる。
[実施例]
上記の方法に沿って、中子部材を作製し、鋳造を行った。3Dプリンタとして、CJP660(3DSYSTEMS社製)を使用した。造形砂として、TCaST(太平洋セメント株式会社製、平均粒径は100μm)を使用した。
まず、図1に示す形状の中空の中子部材を作製した。φ40×250mmで、肉厚(壁部の厚さ)が表1の通りの中子部材の試料No.1~No.20を造形した。端部に、未硬化の砂を排出し、充填砂の注入口としてφ20の孔を設けた。
Figure 2022142453000002
主型として、中子部材と同様に3Dプリンタにより図2に示す形状の上型、下型を作製した。充填砂の注入口を上向きにし、上型と下型との間に中子部材を配置した。上型と下型とを組み合わせたとき、主型全体の外形寸法は、幅430mm×奥行き200mm×高さ70mmであった。
上型の上面の溶湯の投入口に湯口となる発熱スリーブ(図示せず)を設置した。注湯時に溶湯の圧力で上型が上がってこないように、上型の上には10kgのおもりをのせた。充填砂として、純度99.8%以上の珪砂であって、安息角と平均粒径が表に示す通りに調整されたものを用いた。
平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布計でD50を平均粒子径として測定した。粒度分布計としてMT3300EXII(マイクロトラックベル製)を用いて平均粒子径を測定した。安息角は、パウダテスタPT-X(ホソカワミクロン製)で測定した。発熱スリーブから溶湯としてFCD450を注湯した。溶湯を冷却し、型ばらしを行い、発熱スリーブの部分を切断した。得られた鋳物は、図3に示す外観を有していた。
図4は、鋳物の切断面を示す斜視図である。鋳物を、点線の位置(円筒の孔の中心を通る)で各々切断した。図5は、切断された鋳物を示す斜視図である。切断後の外観は、図5に示す通りである。切断した部位310の孔の表面を観察することで、中子部材の性能を評価した。
性能は、図4に示す部位310での、鋳物の欠陥、鋳物の表面の表面粗さ、で評価した。欠陥については、鋳物に発生する一般的な欠陥の有無を確認した。表面粗さについては、日本金属電鋳社製アラサ標準片を基準に評価した。
試料No.1~10は、表面の欠陥は認められず、表面粗さの最大高さは35s以下であったため、「OK」と評価した。試料No.12,13は、差込み欠陥の発生が認められたため、「NG」と評価した。充填砂の安息角が大きかったため、中子部材の中空部に充填砂の充填が十分でない場所が発生し、溶湯の圧力によってそこから中子部材に亀裂が入り、亀裂に溶湯が侵入し差込み欠陥が生じた。
試料No.15~17は、ガス欠陥の発生が認められ、「NG」と評価した。充填砂の粒径が小さいため、ガスの排出が不十分になり鋳物にガス欠陥が発生した。試料No.18は、ガス欠陥の発生が認められ、「NG」と評価した。内部の砂の安息角と粒径からガスの排出能は十分であったものの、中子部材の厚さが12mmと厚いため、外部からのガス発生量が多く鋳物にガス欠陥が発生した。
試料No.19は、差込み欠陥の発生が認められ、「NG」と評価した。充填砂が無いため強度が確保できず、溶湯の圧力によって中子に亀裂が入り、中子の中空部にまで溶湯が侵入し欠陥となった。
試料No.20は、中子部材の肉厚が薄く、3Dプリンタから取り出すときに破損したため、「NG」と評価した。試料No.11,14は、表面粗さがOK試料より粗いが、「用途によってはOK」と評価した。具体的には、充填砂の平均粒径が中子部材に使われている造形砂の平均粒径の3倍以上であり、鋳肌にうねりが見られた。このように、表面粗さでは、OK試料より劣るものの、特定用途の製品向けに限れば「OK」と認めてもよい。例えば、特定用途としてそれほど移送精度が要求されない流体や粉体を移送する機械部品に適用することは十分に可能である。
試料No.1~20の評価は、充填砂の特徴と関係している。図5は、試料を充填砂の安息角と平均粒径との関係でプロットしたグラフである。図5において、●は「OK」評価の試料、▲は「用途によってはOK」評価の試料、×は「NG」評価の試料を示している。安息角は、40°以下が好ましいが40°を超える場合でも平均粒径が300μm以下であれば「OK」評価になることもあることを確認できた。また、平均粒径が概ね100μm以上であることが「NG」評価を避ける条件であることを確認できた。
100 中子部材
110 (中子部材の)壁部
120 孔
210 上型
211 (上型の)壁部
212 注入口
220 下型
300 鋳物
310 (鋳物の)部位

Claims (9)

  1. 付加製造装置を用いて作製される鋳造用の中子部材であって、
    鋳型の造形に用いられる造形砂と、
    前記造形砂の粒子同士を結合して硬化されたバインダと、で形成され、
    充填砂の注入口となる孔が設けられた中空構造を有することを特徴とする中子部材。
  2. 前記孔は、巾木部分に形成されていることを特徴とする請求項1記載の中子部材。
  3. 前記中空構造を形成する壁部の厚さが、5mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の中子部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の中子部材の製造方法であって、
    一定厚さに前記造形砂を敷き均す工程と、
    造形体となる所定部分に前記バインダを噴射し硬化させる工程と、を含む一連の工程を繰り返すことで付加製造装置を用いて前記造形体を形成することを特徴とする中子部材の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の中子部材を用いた鋳造方法であって、
    主型に前記中子部材を設置する工程と、
    前記中子部材の中空部に、前記造形砂より平均粒径が大きい前記充填砂を充填し、鋳型を構成する工程と、
    前記鋳型に溶湯を注入する工程と、
    前記鋳型で生成された鋳物を取り出す工程と、を含むことを特徴とする鋳造方法。
  6. 前記充填砂の安息角は40°以下であることを特徴とする請求項5記載の鋳造方法。
  7. 前記充填砂の平均粒径は、前記造形砂の平均粒径の3倍以上であることを特徴とする請求項5または請求項6記載の鋳造方法。
  8. 前記充填砂の平均粒径は100μm以上350μm以下であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の鋳造方法。
  9. 前記充填砂の粒子間には、粘結材が含まれないことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の鋳造方法。
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