JP2022142334A - 端子接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】異種端子の接続において温度サイクルの負荷による界面抵抗値の上昇を抑制する。【解決手段】互いに異なる金属材料から形成される一対の端子と、一対の端子の間に設けられ、異なる金属材料から形成される複数の金属層を表裏面が同一種の金属層となるように積層させて、一対の端子の中間の熱膨張率を有し、一対の端子の熱膨張差を緩衝するように構成される熱膨張緩衝材と、を備える、端子接続構造。【選択図】図1

Description

本発明は、端子接続構造に関する。
電気機器と電線との接続や電線同士の接続は、電気機器や電線に設けられる端子を接続することにより行われる。接続に使用する両端子は、ともに同じ種類の金属材料で形成される場合もあるが、例えば一方の端子が銅端子(Cu端子)で他方の端子がアルミニウム端子というように互いに異なる種類の金属材料で形成される場合もある。
両端子が異種金属から形成されると、両端子の接続部で異種金属が接触することになり、両端子のうち、相対的に酸化しやすい金属材料から形成される端子が腐食する傾向がある。
そこで、異種金属の接触による腐食を抑制する技術として、両端子の間に、異なる金属材料で形成される金属板を重ねた合わせ板を介在させる技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、合わせ板(stacked plate)を異種端子の間に介在させることで、合わせ板と両端子との接触箇所を同一の金属種とすることにより、端子の腐食を抑制することができる。
実開平6-54218号公報
ところで、端子の接続部では、外部環境や自己発熱などにより温度が繰り返し変化することがある。温度の繰り返し変化(いわゆる温度サイクル)によると、異種端子の接合界面での抵抗値を上昇させることがある。そして、長期的には、接続部での温度上昇を引き起こし、端子の接続信頼性を損ねるおそれがある。
そこで、本発明は、異種端子の接続において温度サイクルの負荷による界面抵抗値の上昇を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
互いに異なる金属材料から形成される一対の端子と、
前記一対の端子の間に設けられ、異なる金属材料から形成される複数の金属層を表裏面が同一種の金属層となるように積層させて、前記一対の端子の中間の熱膨張率を有し、前記一対の端子の熱膨張差を緩衝するように構成される熱膨張緩衝材と、を備える、
端子接続構造である。
本発明によれば、異種端子の接続において温度サイクルの負荷による界面抵抗値の上昇を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる端子接続構造の概略構成を示す断面図である。 図2は、熱膨張緩衝材の積層構造を説明するための断面図である。 図3は、四端子法による端子間の抵抗値の測定を説明するための図である。 図4は、実施例1および比較例1について温度サイクル試験のサイクル数と端子間の抵抗値との相関を示す図である。 図5は、実施例2および比較例1について温度サイクル試験のサイクル数と端子間の抵抗値との相関を示す図である。 図6は、実施例3および比較例1について温度サイクル試験のサイクル数と端子間の抵抗値との相関を示す図である。
本発明者は、互いに異なる金属材料からなる一対の端子(異種端子)の接続において温度サイクルによる界面抵抗値の上昇について検討した。その結果、界面抵抗値の上昇は、両端子を形成する金属材料の熱膨張率の差に起因することが見出された。
異種端子の場合、金属材料が異なることから、各端子の熱膨張率も異なることになる。そのため、異種端子の接続部が加熱されたとき、熱膨張率の大きな端子が熱膨張率の小さな端子よりも膨張することになる。例えば、Cu端子とAl端子との接続では、Alの熱膨張率(熱膨張係数)が23×10-6/K、Cuの熱膨張率が17×10-6/Kであるので、Al端子がCu端子よりも膨張することになる。このとき、異種端子の界面で端子同士の擦れが生じる。そして、加熱・冷却が繰り返されることにより、各端子の表面が荒れたり、端子表面のめっき層が破壊されたりすることで、端子の表面に酸化層が形成される。酸化層の形成により両端子の界面での抵抗値が上昇することになる。
このことから、本発明者は熱膨張による異種端子の擦れを抑制する方法について検討を行い、異種端子の間にこれらの熱膨張差を緩衝する部材(熱膨張緩衝材)を介在させるとよいことを見出した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態にかかる端子接続構造について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる端子接続構造の概略構成を示す断面図である。図2は、熱膨張緩衝材の積層構造を説明するための断面図である。
(端子接続構造)
本実施形態の端子接続構造10は、一対の端子11と、一対の端子11の間に設けられる熱膨張緩衝材12と、これらを締結するボルト14およびナット15とを備える。なお、端子接続構造10は、ボルト14と端子11との間、及びナット15と端子11との間に平ワッシャやスプリングワッシャを用いてもよい。
(端子)
一対の端子11はそれぞれ、例えば電線の端末や電気機器に設けられる。一対の端子11は、互いに異なる金属材料から形成される。端子11を形成する金属材料としては、特に限定されないが、例えば銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金などを用いることができる。一対の端子11の組み合わせは、特に限定されないが、導電性の観点からは、少なくとも一方の端子11は銅を含むCu端子であることが好ましい。また、他方の端子11は、軽量性の観点から、アルミニウムを含むAl端子であることが好ましい。
一対の端子11はそれぞれ、端子接続箇所として羽子板部11aを有し、羽子板部11aには、ボルト14を挿通できるように厚さ方向に貫通する空孔(図示略)が設けられている。なお、一対の端子11の接続としては、ボルト締結に限定されず、他の方法で接続することもできる。本実施形態では、ボルト締結による接続のため、端子11に空孔を設けているが、その他の接続方法に応じて、端子の形状を適宜変更するとよい。
端子11は、酸化層の形成や熱膨張緩衝材との間での擦れを抑制する観点から、その表面にめっき層(図示略)を備えることが好ましい。めっき層を形成する金属材料としては、従来公知のものを使用することができる。例えば錫(Sn)、銀(Ag)および金(Au)の少なくとも1つを用いることができる。
(熱膨張緩衝材)
熱膨張緩衝材12は、一対の端子11の間に介在するように設けられる。熱膨張緩衝材12は、本実施形態では、異なる金属材料から形成される2種類の金属層を表裏面が同一種の金属層となるように積層して形成される。具体的には、熱膨張緩衝材12は、図2に示すように、金属層13として、第1の金属材料から形成される第1の金属層13a、第1の金属材料とは異なる第2の金属材料から形成される第2の金属層13b、および第1の金属層13aを順に積層させた3層構造を有する。
第1および第2の金属層13a、13bは熱膨張率が異なるので、これらを積層することにより、熱膨張緩衝材12の熱膨張率を調整することができる。しかも、熱膨張緩衝材12の表裏面が第1の金属層13aで同一の金属層13となるように積層することで、各金属層13a、13bの熱膨張率の違いに起因する熱膨張緩衝材12での歪みを抑制し、熱膨張緩衝材12の熱膨張率を好適に調整することが可能となる。そして、熱膨張緩衝材12は、一対の端子11の中間の熱膨張率を有するように構成される。中間の熱膨張率を有するとは、一方の端子11の熱膨張率をα1、他方の端子11の熱膨張率をα2(α2<α1)としたとき、熱膨張緩衝材12の熱膨張率α3がα2<α3<α1の関係を満たすことを示す。
なお、熱膨張緩衝材12の熱膨張率α3は、表面側の第1の金属層13aの厚さをt1、第2の金属層13bの厚さをt2、裏面側の第1の金属層13aの厚さをt3、第1の金属層13aのヤング率をE1、第2の金属層13bのヤング率をE2としたときに、α3=(t1×α1×E1+t2×α2×E2+t3×α1×E1)/(E1×t1+E2×t2+E1×t3)で算出することができる。ここでは、2種の金属層を3層構造とした場合の算出について説明したが、金属層を3種以上もしくは4層以上を積層させた場合も上記と同様に算出することができる。
このような熱膨張緩衝材12によれば、加熱(冷却)されたときに、一対の端子11の熱膨張差を緩衝するように作用することになる。具体的には、熱膨張緩衝材12は、加熱(冷却)されたときに、両端子11のそれぞれに対して適度に熱膨張(熱収縮)できるので、熱膨張率が異なる一対の端子11を直接接続する場合と比べて、接続箇所での擦れを抑制することができる。
熱膨張緩衝材12を構成する複数の金属層13としては、特に限定されないが、例えばCu、Al、Sn、Ni等を含むものを用いることができる。このうち、2種類を選択し、積層させて構成するとよい。熱膨張緩衝材12を2種類の金属層13で形成する場合であれば、一対の端子11に対応する金属材料を含む金属層13を用いるとよい。例えば、一対の端子がCu端子およびAl端子であれば、Cu層およびAl層を積層させるとよい。このように構成することにより、熱膨張緩衝材12の熱膨張率を一対の端子11の中間の熱膨張率に調整しやすい。
熱膨張緩衝材12においては、複数の金属層13のうち、最も酸化しにくい金属層13を表裏面に配置することが好ましい。例えば、熱膨張緩衝材12をCu層とAl層で構成する場合であれば、酸化しにくいCu層を表裏面に、酸化しやすいAl層をCu層で挟み込むように積層させるとよい。このような配置によれば、熱膨張緩衝材12の端子11と接触する面での酸化を抑制することができ、界面抵抗の上昇をより抑制することができる。
熱膨張緩衝材12を構成する各金属層13の厚さは、熱膨張緩衝材12の熱膨張率が一対の端子11の中間となるように調整できれば特に限定されない。なお、一方の第1の金属層13aと他方の第1の金属層13aは、同じ厚さとすることが好ましい。これにより、熱膨張緩衝材12が熱膨張・収縮する際に湾曲することを抑制することができる。一対の端子11がCu端子とAl端子であって、熱膨張緩衝材12を図2に示すようなCu層、Al層およびCu層の3層構造とする場合であれば、Cu層、Al層およびCu層の厚さの比率を1:3:1~1:5:1とすることが好ましい。このような比率とすることで、Cu端子とAl端子との熱膨張率の差をより緩衝しやすく、界面抵抗の上昇をより抑制することができる。
熱膨張緩衝材12をCu層およびAl層で構成する場合、熱膨張緩衝材12の機械的強度を確保する観点からは、Cu層のビッカース硬度を70以上、Al層のビッカース硬度を20以上とすることが好ましい。
熱膨張緩衝材12の厚さは、特に限定されないが、0.5mm以上3.0mm以下であることが好ましい。このような厚さとすることにより、熱膨張緩衝材12において所望の機械的強度を得ることができる。これにより、端子接続箇所での導電性を維持しながらも、熱膨張緩衝作用を確保することができる。熱膨張緩衝材12を構成する各金属層13の厚さは、熱膨張緩衝材12の厚さに応じて適宜変更するとよい。例えば、熱膨張緩衝材12をCu層、Al層およびCu層の3層構造で構成し、その厚さを0.5mmとする場合であれば、Cu層の厚さを0.07mm以上0.1mm以下、Al層の厚さを0.3mm以上0.36mm以下の範囲でそれぞれ調整するとよい。また熱膨張緩衝材12の厚さを3.0mmとする場合であれば、Cu層の厚さを0.42mm以上0.6mm以下、Al層の厚さを1.8mm以上2.16mm以下の範囲でそれぞれ調整するとよい。
熱膨張緩衝材12の導電率は、特に限定されないが、端子接続箇所における導電性を高く維持する観点からは、50%IACS以上とすることが好ましい。このような導電率となるように、金属層13の種類を選択するとともに各層の厚さを適宜変更するとよい。熱膨張緩衝材12の導電率σは、表面側の第1の金属層13aの厚さをt1、導電率をσ1、第2の金属層13bの厚さをt2、導電率をσ2、裏面側の第1の金属層13aの厚さをt3、導電率をσ3、熱膨張緩衝材12の厚さをT(=t1+t2+t3)としたときに、σ=(t1×σ1+t2×σ2+t3×σ3)/Tで算出することができる。
熱膨張緩衝材12の作製方法は特に限定されないが、複数の金属層13を圧延もしくは溶着させるとよい。好ましくは圧延が好ましい。複数の金属層13を圧延することにより、各金属層13を圧接、原子間接合させてクラッド材として一体的に形成することができる。熱膨張緩衝材12をクラッド材で構成することにより、熱膨張緩衝材12が加熱されたときに、異なる金属層13の接合界面のずれや界面での酸化を抑制することができる。これにより、熱膨張緩衝材12の機能を長期にわたって維持することが可能となる。
熱膨張緩衝材12の形状は特に限定されず、例えば平板状とするとよい。一対の端子11をボルト14およびナット15で締結する場合、ボルト14を挿通できるような空孔を適宜設けるとよい。また、熱膨張緩衝材12の大きさは、端子11の羽子板部11aと同等以上の大きさであることが好ましい。
熱膨張緩衝材12は、端子11との接触による擦れを抑制する観点からは、表裏面にめっき層(図示略)を有することが好ましく、さらには全周囲に亘ってめっき層を有し、金属層13が露出する部分が無いことが好ましい。熱膨張緩衝材12におけるめっき層としては、端子11の表面に設けるめっき層と同様、錫(Sn)、銀(Ag)および金(Au)の少なくとも1つを用いるとよい。より好ましくは、熱膨張緩衝材12と一対の端子11とは、同一の金属材料を含むめっき層を有するとよい。例えば、両端子11にSnを含むめっき層を設ける場合であれば、熱膨張緩衝材12に端子11と同様にSnを含むめっき層を設けるとよい。これにより、熱膨張緩衝材12と端子11との擦れによるめっき層の損傷をより抑制することができる。また、熱膨張緩衝材12において、金属層13が露出する部分が無い場合、熱膨張緩衝材12での異種金属に起因する腐食の発生を抑制することができるので、熱膨張緩衝材12の機能を長期にわたって維持することが可能となる。
なお、めっき層は、従来公知の方法により形成することができる。例えば、熱膨張緩衝材12をクラッド材で構成する場合であれば、まず、複数の金属層13を圧延によりクラッド材を得る。続いて、クラッド材に穴あけ加工を施し、クラッド材にボルト14を挿通するための空孔を形成する。その後、空孔を形成したクラッド材をめっき液に浸漬させて、その表面に全周囲にわたってめっき層を形成し、熱膨張緩衝材12を得る。めっき層を形成した後に空孔を形成する場合、穴あけ加工によりめっき層が損傷するおそれがあるが、空孔の形成の後にめっき層を形成することで、めっき層の損傷を抑制することができる。また、めっき層の形成前に空孔を形成することにより、めっき浴に浸漬させる際の吊具を通すための孔として利用でき、作業がし易くなる。
なお、熱膨張緩衝材12には、端子11との間でのすべり性を向上させるために、導電性を有する潤滑剤を表面に塗布してもよい。導電性を有する潤滑剤としては、例えば、カーボン入りグリースなどが挙げられる。
(ボルトおよびナット)
ボルト14およびナット15は、一対の端子11と熱膨張緩衝材12との接続を固定するものであり、これらは従来公知のものを用いることができる。また、従来公知の平ワッシャやスプリングワッシャを併用することもできる。接続部を締め付けるトルク量は、端子11や熱膨張緩衝材12の強度に応じて適宜変更することができる。また、図1において、ボルト14およびナット15による締結箇所は1箇所であるが、2箇所以上であってもよい。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態の端子接続構造10では、異種金属からなる一対の端子11の間に、第1の金属層13a、第1の金属層とは異なる第2の金属層13b、および第1の金属層13aを積層させて構成され、一対の端子11の中間の熱膨張率を有する熱膨張緩衝材12を介在させている。熱膨張緩衝材12によれば、一対の端子11の中間の熱膨張率を有するので、一方の端子11との間、他方の端子11との間それぞれでの熱膨張差を低減することができる。そのため、端子接続構造10に加温・降温の温度サイクルが加わるような場合であっても、両端子11の表面の損傷、損傷にともなう酸化膜の成長を抑制することができる。これにより、一対の端子11の間での界面抵抗値の上昇を小さくすることができる。また、端子11での発熱を低減することができる。つまり、本実施形態の端子接続構造10によれば、接続信頼性を長期間にわたって維持することが可能となる。
(b)熱膨張緩衝材12において、第1の金属層13aを酸化しにくい金属材料で、第2の金属層13bを相対的に酸化しやすい金属材料で形成し、酸化しやすい第2の金属層13bを酸化しにくい第1の金属層13aで挟みこむように積層することが好ましい。このような積層構造によれば、熱膨張緩衝材12の端子11と接触する面での酸化を抑制することができ、界面抵抗の上昇をより抑制することができる。
(c)一対の端子11がCu端子およびAl端子であり、熱膨張緩衝材12をCu層、Al層およびCu層を順に積層させた3層構造で構成することが好ましい。Cu端子およびAl端子を用いることにより、端子接続構造10において所望の導電性を得ながらも、端子接続構造10を軽量化することができる。また、熱膨張緩衝材12をCu層およびAl層を含むように構成することで、熱膨張緩衝材12の熱膨張率をCu端子とAl端子の中間の値に調整することができる。これにより、上述した(a)の効果を得ることができる。
(d)熱膨張緩衝材12においてCu層、Al層およびCu層の厚さの比率を1:3:1~1:5:1とすることが好ましい。このような比率とすることで、Cu端子とAl端子との熱膨張率の差をより緩衝しやすく、界面抵抗の上昇をより抑制することができる。
(e)熱膨張緩衝材12は異種金属からなる金属層13を圧接により原子結合させたクラッド材であることが好ましい。クラッド材によれば、異なる金属層13の接合界面のずれや界面での酸化を抑制することができ、熱膨張緩衝材12の機能を長期にわたって維持することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、熱膨張緩衝材12が2種の金属層13を含む3層構造を有する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。異種金属からなる第1および第2の金属層13a、13bを用いる場合であれば、例えば、第1の金属層13aと第2の金属層13bとを交互に5層、もしくはそれ以上(7層、9層・・・の奇数層)積層させてもよい。
また、熱膨張緩衝材12を構成する金属層13としては、2種類に限定されず、3種類以上含んでもよい。この場合、熱膨張緩衝材12の両面に同一種の金属層13を配置し、その他の2種以上の金属層13をその間に介在させるとよい。介在される2種以上の金属層13としては、例えば、Cu、Al、Sn、Ni等が挙げられる。
また、上述の実施形態では、熱膨張緩衝材12を表裏面が同一の金属層13となるように複数の金属層13を積層させる場合について説明したが、熱膨張緩衝材12をクラッド材で形成する場合であれば、表裏面を同一の金属層13としなくてもよい。例えば、第1の金属層13aと第2の金属層13bとの2層を原子接合させて形成してもよく第1および第2の金属層13a、13bを交互に4層、もしくはそれ以上原子接合させて形成してもよい。クラッド材であれば、原子接合により、金属層13の界面での接着を強固にでき、熱膨張緩衝材12を一体的に形成できるので、熱膨張緩衝材12において各金属層13の熱膨張率の違いによる歪みを抑制し、熱膨張率を好適に調整することができるためである。第1および第2の金属層13a、13bとしてCu層およびAl層を用いる場合、Cu層の総厚とAl層の総厚との比率が2:3~2:5となるように、各層の厚さを適宜変更することが好ましい。
なお、表裏面が異種の金属層13からなる熱膨張緩衝材12を一対の端子11の間に介在させるときの向きは特に限定されない。例えば一対の端子11がCu端子とAl端子であり、熱膨張緩衝材12の一方の面がCu層、他方の面がAl層で構成される場合、端子11と熱膨張緩衝材12との間で異種金属同士が接触してもよく、同種金属が接触するように配置することができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
一対の端子として、純銅からなり、表面にSnめっきが施されたCu端子(導体断面積が200mmの導体用)と、純アルミからなり、表面にSnめっきが施されたAl端子(導体断面積:200mmの導体用)を準備した。なお、Cu端子の羽子板部の寸法は、縦が40mm、横が40mm、厚さが4.0mmであった。Al端子の羽子板部の寸法は、縦が40mm、横が40mm、厚さが10mmであった。また、熱膨張緩衝材として、Cu層、Al層およびCu層を圧接させた3層構造のクラッド材を準備した。クラッド材は、縦が40mm、横が40mm、厚さが0.5mmであった。Cu層の厚さが0.3mm、Al層の厚さが0.1mmであって、各層の厚さの比率は1:3:1であった。Cu層のビッカース硬さは116、Al層のビッカース硬さは39.7であった。めっき層の厚さは8μmであった。なお、このクラッド材は、Cu板とAl板を積層させて圧延することにより作製した。
本実施例では、Cu端子とAl端子との間に上述の熱膨張緩衝材を介在させ、M12のボルトとナットを用いて、締め付けトルク量が45N・mとなるように締結し、実施例1の端子接続構造を作製した。
実施例1の端子接続構造について、以下の温度サイクル試験を行い、端子間の抵抗値を測定した。本実施例では、温度サイクル試験を繰り返し行い、温度サイクル試験の繰り返し回数と端子間の抵抗値の相関を評価した。
温度サイクル試験は以下の条件で行った。-20℃から120℃まで温度変更が可能な恒温槽内(大気圧、大気雰囲気)に端子接続構造をセットした。端子接続構造を加熱して、-20℃から120℃まで1時間以上かけて昇温させて、120℃で15分以上保持した後、120℃から-20℃まで1時間以上かけて降温させて、-20℃で15分以上保持した。昇温時間と120℃での保持時間との合計時間は2.5時間とし、降温時間と-20℃での保持時間との合計時間は3時間とした。この昇温・降温を1サイクルとした。
端子間の抵抗値の測定は四端子法により行った。四端子法による測定方法について図3に示す。端子接続構造10の全体に、定電流1Aを供給し、点Pと点Qとの間の電気抵抗値を測定する。ここで、点Pは、一方の端子11の羽子板部11aの一端であって、導体が挿入される際の導体の先端部に対応する部位である。点Qは、他方の端子11の羽子板部11aの一端であって、導体が挿入される際の導体の先端部に対応する部位である。また、温度サイクル試験後の端子間の抵抗値の測定は、室温(25℃)に戻した端子接続構造に対して行った。
(実施例2、3)
実施例2、3では、使用する熱膨張緩衝材の厚さを変更せずにCu層およびAl層の厚さの比率を変更した以外は、実施例1と同様に端子接続構造を作製し評価を行った。実施例2では、熱膨張緩衝材においてCu層、Al層、Cu層の厚さの比率を、実施例1の1:3:1から、1:4:1に変更し、実施例3では、1:5:1に変更した。具体的には、実施例2においては、Cu層の厚さが0.083mm、Al層の厚さが0.33mmであり、実施例3においては、Cu層の厚さが0.071mm、Al層の厚さが0.36mmである。
(比較例1)
比較例1では、一対の端子間に熱膨張緩衝材を介在させずに一対の端子を直接接続して端子接続構造を作製した以外は、実施例1と同様に行った。
(評価結果)
実施例1~3および比較例1について、温度サイクル試験のサイクル数による端子間の抵抗値の変動を確認したところ、図4~6に示す結果が得られた。図4~6はそれぞれ、実施例1~3において温度サイクル試験のサイクル数と端子間の抵抗値との相関を示す図である。図4~6において、横軸はサイクル数、縦軸は端子間の抵抗値[μΩ]を示す。また、〇のプロットは実施例1のデータを、△のプロットは実施例2のデータを、◇のプロットは実施例3のデータを、□のプロットは、比較例1のデータをそれぞれ示す。
図4~6によれば、比較例1(□のプロット)では、温度サイクル試験のサイクル数が増えることにより、抵抗値が著しく増加することが確認された。これは、端子接続構造が加熱されたときに、直接接触した端子同士が膨張により擦れたことで、めっき層が破壊されて酸化膜が生成したためと考えられる。
これに対して、実施例1~3では、温度サイクル試験のサイクル数が増えても、比較例1と比較して抵抗値の上昇を抑制できることが確認された。これは、端子間に熱膨張緩衝材を介在させることで、端子間の熱膨張差を緩衝でき、熱膨張差に起因する擦れを抑制できたためと考えられる。
以上のように、本発明の端子接続構造によれば、異種金属からなる端子間に熱膨張緩衝材を介在させることにより、一対の端子の熱膨張差に起因する擦れを抑制でき、温度サイクルが繰り返し加わった場合であっても、端子接続箇所での抵抗値の上昇を低減することができる。これにより、端子接続構造において長期間にわたって接続信頼性を維持できることができる。
<本開示の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
互いに異なる金属材料から形成される一対の端子と、
前記一対の端子の間に設けられ、異なる金属材料から形成される複数の金属層を表裏面が同一種の金属層となるように積層させて、前記一対の端子の中間の熱膨張率を有し、前記一対の端子の熱膨張差を緩衝するように構成される熱膨張緩衝材と、を備える、
端子接続構造。
(付記2)
前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層のうち、最も酸化しにくい金属層が表裏面に配置されて構成される、
付記1の端子接続構造。
(付記3)
前記一対の端子および前記熱膨張緩衝材は、同一の金属材料を含むめっき層を表面に備える、
付記1又は2の端子接続構造。
(付記4)
前記めっき層は、錫、銀および金の少なくとも1つを含む、
付記1~3のいずれかの端子接続構造。
(付記5)
前記一対の端子は、銅端子とアルミニウム端子であり、
前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層として銅層およびアルミニウム層を含み、前記アルミニウム層を中央として前記銅層で挟む3層構造を有する、
付記1~4のいずれかの端子接続構造。
(付記6)
前記熱膨張緩衝材における前記銅層、前記アルミニウム層および前記銅層の厚さの比率が1:3:1~1:5:1である、
付記5の端子接続構造。
(付記7)
前記熱膨張緩衝材は、50%IACS以上の導電率を有する、
付記1~6のいずれかの端子接続構造。
(付記8)
前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層を圧接して形成されるクラッド材である、
付記1~7のいずれかの端子接続構造。
(付記9)
互いに異なる金属材料から形成される一対の端子と、
前記一対の端子の間に設けられ、異なる金属材料から形成される複数の金属層が圧接されたクラッド材であって、前記一対の端子の中間の熱膨張率を有し、前記一対の端子の熱膨張差を緩衝するように構成される熱膨張緩衝材と、を備える、
端子接続構造。
(付記10)
前記一対の端子は、銅端子とアルミニウム端子であり、
前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層として銅層およびアルミニウム層を含む2層構造を有する、
付記9の端子接続構造。
(付記11)
前記熱膨張緩衝材における前記銅層および前記アルミニウム層の厚さの比率が2:3~2:5である、
付記10の端子接続構造。
10 端子接続構造
11 端子
12 熱膨張緩衝材
13 金属層
13a 第1の金属層
13b 第2の金属層
14 ボルト
15 ナット

Claims (8)

  1. 互いに異なる金属材料から形成される一対の端子と、
    前記一対の端子の間に設けられ、異なる金属材料から形成される複数の金属層を表裏面が同一種の金属層となるように積層させて、前記一対の端子の中間の熱膨張率を有し、前記一対の端子の熱膨張差を緩衝するように構成される熱膨張緩衝材と、を備える、
    端子接続構造。
  2. 前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層のうち、最も酸化しにくい金属層が表裏面に配置されて構成される、
    請求項1に記載の端子接続構造。
  3. 前記一対の端子および前記熱膨張緩衝材は、同一の金属材料を含むめっき層を表面に備える、
    請求項1又は2に記載の端子接続構造。
  4. 前記めっき層は、錫、銀および金の少なくとも1つを含む、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の端子接続構造。
  5. 前記一対の端子は、銅端子とアルミニウム端子であり、
    前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層として銅層およびアルミニウム層を含み、前記アルミニウム層を中央として前記銅層で挟む3層構造を有する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の端子接続構造。
  6. 前記熱膨張緩衝材における前記銅層、前記アルミニウム層および前記銅層の厚さの比率が1:3:1~1:5:1である、
    請求項5に記載の端子接続構造。
  7. 前記熱膨張緩衝材は、50%IACS以上の導電率を有する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の端子接続構造。
  8. 前記熱膨張緩衝材は、前記複数の金属層を圧接して形成されるクラッド材である、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の端子接続構造。
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