JP2022142102A - 造形データ生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実行した際に、成形精度の高い造形物の製造が可能な造形データを生成することができる造形データ生成装置を提供すること。【解決手段】造形材料を造形テーブルに向かって吐出するノズルと、前記ノズルからの前記造形材料の吐出条件を調整する吐出条件調整部と、前記造形テーブルと前記ノズルとの位置関係を調整する位置調整部と、を備える三次元造形装置に入力される造形データを生成するデータ生成装置であって、前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動方向、および、前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動距離に関する情報を含むパスデータに、前記吐出条件調整部を駆動させるための調整コマンドを追加する補正を行い前記造形データを生成する造形データ生成部を備えることを特徴とする造形データ生成装置。【選択図】図7
Description
本発明は、造形データ生成装置に関する。
立体的な造形物を生成する三次元造形装置が知られている。例えば、特許文献1には、三次元造形装置として、ノズルから溶融材料を吐出し、吐出した溶融材料を硬化させることにより立体的な造形物を生成する積層造形システムが開示されている。
また、特許文献1に記載されている積層造形システムでは、造形中、リアルタイムで現在のノズルの位置情報を取得し、その位置情報に基づいて溶融材料の流量を調整している。これにより、ノズルの移動速度に応じて吐出量を調整することができ、造形物の成形精度を高めている。
しかしながら、特許文献1に記載されている積層造形システムでは、移動経路の情報や、移動速度の情報を取得してから吐出量を調整するコマンドを発行するまでに、タイムラグが生じることとなる。このタイムラグにより、所望の位置に所望の吐出量で溶融材料を吐出することができず、造形物の成形精度が低下するおそれがある。
本発明の造形データ生成装置は、造形材料を造形テーブルに向かって吐出するノズルと、
前記ノズルからの前記造形材料の吐出条件を調整する吐出条件調整部と、
前記造形テーブルと前記ノズルとの位置関係を調整する位置調整部と、を備える三次元造形装置に入力される造形データを生成するデータ生成装置であって、
前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動方向、および、前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動距離に関する情報を含むパスデータに、前記吐出条件調整部を駆動させるための調整コマンドを追加する補正を行い前記造形データを生成する造形データ生成部を備えることを特徴とする。
前記ノズルからの前記造形材料の吐出条件を調整する吐出条件調整部と、
前記造形テーブルと前記ノズルとの位置関係を調整する位置調整部と、を備える三次元造形装置に入力される造形データを生成するデータ生成装置であって、
前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動方向、および、前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動距離に関する情報を含むパスデータに、前記吐出条件調整部を駆動させるための調整コマンドを追加する補正を行い前記造形データを生成する造形データ生成部を備えることを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。図2は、吐出制御機構および吸引部の構成を模式的に示す図である。図3は、フラットスクリューの下面側の構成を示す概略斜視図である。図4は、スクリュー対面部の上面側を示す概略平面図である。図5は、三次元造形物が造形される様子を模式的に示す図である。図6は、本発明の造形データ生成装置の第1実施形態のブロック図である。図7は、図6に示す造形データ生成装置が備える造形データ生成部を模式的に示したブロック図である。図8は、図6に示す造形データ生成装置に入力される第1造形データを示す図である。図9は、図6に示す造形データ生成装置が生成する第2造形データを示す図である。図10は、図1に示す三次元造形装置が第2造形データを用いて造形物を製造する際のフローチャートである。
図1は、三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。図2は、吐出制御機構および吸引部の構成を模式的に示す図である。図3は、フラットスクリューの下面側の構成を示す概略斜視図である。図4は、スクリュー対面部の上面側を示す概略平面図である。図5は、三次元造形物が造形される様子を模式的に示す図である。図6は、本発明の造形データ生成装置の第1実施形態のブロック図である。図7は、図6に示す造形データ生成装置が備える造形データ生成部を模式的に示したブロック図である。図8は、図6に示す造形データ生成装置に入力される第1造形データを示す図である。図9は、図6に示す造形データ生成装置が生成する第2造形データを示す図である。図10は、図1に示す三次元造形装置が第2造形データを用いて造形物を製造する際のフローチャートである。
以下、造形データ生成装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、図1~図5では、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を図示しており、各軸の矢印の先端側を「+」側とし、各軸の矢印の基端側を「-」側としている。また、X軸に沿った方向(以下、「X軸方向」と言う)およびY軸に沿った方向(以下、「Y軸方向」と言う)は、水平方向に沿った方向であり、Z軸方向は、鉛直上向きの方向である。
まず、三次元造形装置100について説明する。
三次元造形装置100は、制御部101と、造形材料を生成して吐出する造形部110と、三次元造形物の基台となる造形用の造形テーブル210と、造形材料の吐出位置を制御する位置調整部230と、を備える。
三次元造形装置100は、制御部101と、造形材料を生成して吐出する造形部110と、三次元造形物の基台となる造形用の造形テーブル210と、造形材料の吐出位置を制御する位置調整部230と、を備える。
制御部101は、造形データ生成装置1が生成した第2造形データに基づいて、三次元造形装置100全体の動作を制御し、三次元造形物を造形する造形処理を実行する。制御部101は、少なくとも1つのプロセッサーと、主記憶装置と、を備えるコンピューターによって構成される。制御部101は、主記憶装置に読み込んだプログラムをプロセッサーが実行することによって、種々の機能を発揮する。なお、制御部101の機能の一部を、ハードウェア回路により実現するようにしてもよい。
造形部110は、制御部101の制御下において、溶融されたペースト状の造形材料を造形テーブル210上の目標位置に吐出する。造形部110は、造形材料に転化される前の材料MRの供給源である材料供給部20と、材料MRを造形材料へと転化させる可塑化部30と、造形材料をテーブルに向けて吐出する吐出口62を有するノズル61と、ノズル61からの造形材料の吐出量を制御する吐出制御機構70と、造形材料を吸引して一時的に貯留する吸引部75と、を備える。
材料供給部20は、可塑化部30に、造形材料を生成するための材料MRを供給する。材料供給部20は、例えば、材料MRを収容するホッパーによって構成される。材料供給部20は、連通路22を介して、可塑化部30に接続されている。材料MRは、例えば、ペレットや粉末等の形態で材料供給部20に投入される。材料MRの詳細については後述する。
可塑化部30は、材料供給部20から供給された材料MRの少なくとも一部を可塑化して流動性を発現させたペースト状の造形材料を生成し、ノズル61へと導く。可塑化部30は、スクリューケース31と、駆動モーター32と、フラットスクリュー40と、スクリュー対面部50と、を有する。フラットスクリュー40は、「スクロール」とも呼ばれる。スクリュー対面部50は、「バレル」とも呼ばれる。可塑化部30は、材料MRの全部を可塑化してもよいし、例えば、材料MRが複数の成分を含む場合には、その一部の成
分を可塑化してもよい。また、このような可塑化部30は、吐出条件調整部200に含まれていてもよい。
分を可塑化してもよい。また、このような可塑化部30は、吐出条件調整部200に含まれていてもよい。
フラットスクリュー40は、その中心軸RXに沿った高さが直径よりも小さい略円柱状をなしている。本実施形態において、フラットスクリュー40は、その中心軸RXがZ軸方向に平行になるように配置される。
フラットスクリュー40は、スクリューケース31内に収納されている。フラットスクリュー40の上面47側は駆動モーター32に連結されており、フラットスクリュー40は、駆動モーター32が発生させる回転駆動力によって、スクリューケース31内において中心軸RXを中心に回転する。駆動モーター32は、制御部101の制御下において駆動する。
フラットスクリュー40の下面48には、溝部42が形成されている。上述した材料供給部20の連通路22は、フラットスクリュー40の側面から溝部42に連通する。
フラットスクリュー40の下面48は、スクリュー対面部50の上面52に面している。フラットスクリュー40の下面48の溝部42と、スクリュー対面部50の上面52との間には空間が形成される。この空間には、材料供給部20から材料MRが供給される。フラットスクリュー40および溝部42の具体的な構成については後述する。このようなフラットスクリュー40および駆動モーター32は、吐出条件調整部200の一部を構成する。
スクリュー対面部50には、材料MRを加熱するためのヒーター58が埋め込まれている。フラットスクリュー40の溝部42に供給された材料MRは、溝部42において溶融されながら、フラットスクリュー40の回転によって溝部42に沿って流動し、造形材料としてフラットスクリュー40の中央部46へと導かれる。中央部46に流入したペースト状の造形材料は、スクリュー対面部50の中心に設けられた連通孔56を介してノズル61に供給される。なお、造形材料において、造形材料を構成する全ての種類の物質が溶融していなくてもよい。造形材料は、造形材料を構成する物質のうちの少なくとも一部の種類の物質が溶融することによって、全体として流動性を有する状態に転化されていればよい。
ノズル61は、可塑化部30とノズル61とをつなぐ流路65を通じて、スクリュー対面部50の連通孔56に接続されている。ノズル61は、可塑化部30において生成された造形材料を、先端の吐出口62から造形テーブル210に向かって吐出する。本実施形態では、流路65はZ軸方向に沿って延びており、流路65とノズル61とはZ軸方向に沿って配列されている。
造形テーブル210は、ノズル61の吐出口62に対向する位置に配置されている。本実施形態では、ノズル61の吐出口62に対向する造形テーブル210の上面211は、水平に、つまり、X,Y軸方向に平行に、配置される。
位置調整部230は、造形テーブル210とノズル61との相対的な位置を変更可能に構成されている。本実施形態では、ノズル61の位置が固定されており、位置調整部230は、造形テーブル210を移動させる。位置調整部230は、3つのモーターの駆動力によって、造形テーブル210をX,Y,Z軸方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。位置調整部230は、制御部101の制御下において、ノズル61と造形テーブル210との相対的な位置関係を変更する。
なお、他の実施形態では、位置調整部230によって造形テーブル210を移動させる構成の代わりに、造形テーブル210の位置が固定された状態で、位置調整部230が造形テーブル210に対してノズル61を移動させる構成が採用されてもよい。また、位置調整部230によって造形テーブル210をZ軸方向に移動させ、ノズル61をX,Y軸方向に移動させる構成や、位置調整部230によって造形テーブル210をX,Y軸方向に移動させ、ノズル61をZ軸方向に移動させる構成が採用されてもよい。これらの構成であっても、ノズル61と造形テーブル210との相対的な位置関係が変更可能である。
以下においては、特に断らない限り、「ノズル61の移動」あるいは「ノズル61の走査」は、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な位置の変化を意味する。また、「ノズル61の移動速度」というときは、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な速度を意味する。
図2は、吐出制御機構70および吸引部75の構成を模式的に示す図である。本実施形態では、吐出制御機構70は、流路65内で回転することにより流路65の開度を変化させるバタフライバルブ72を備える。バタフライバルブ72は、一方向に延びる軸状部材である駆動軸73と、駆動軸73の回転とともに回転する弁部73vと、を備える。駆動軸73は、流路65において、造形材料の流れ方向に交差するように取り付けられている。本実施形態では、駆動軸73は流路65に対して垂直に横切るように、Y軸方向に平行に配置されている。駆動軸73は、その中心軸73xを中心に回転可能である。このようなバタフライバルブ72は、吐出条件調整部200の一部を構成する。
弁部73vは、流路65内において回転する板状部である。第1実施形態では、弁部73vは、駆動軸73の流路65内に配置されている部位を板状に加工することによって形成されている。弁部73vを、その板面に垂直な方向に見たとき、弁部73vが配置されている部位における流路65の開口形状とほぼ一致する。
図2において実線で示すように、弁部73vの板面が、流路65における造形材料の流れ方向に沿っている状態が、流路65が開かれている状態である。この状態では、バタフライバルブ72よりノズル61側への造形材料の流入が許容される。図2において破線で示すように、弁部73vの板面が、流路65における造形材料の流れ方向に対して垂直にされた状態が、流路65が閉じられた状態である。この状態では、バタフライバルブ72よりノズル61側への造形材料の流入が遮断され、ノズル61の吐出口62からの造形材料の吐出が停止される。制御部101は、バタフライバルブ72の回転角度を制御することによって、可塑化部30からノズル61に流れる造形材料の流量、つまり、ノズル61から吐出される造形材料の流量を調整することができる。
図1に示す第1駆動部74は、例えば、ステッピングモーターによって構成される。第1駆動部74は、制御部101の制御下において、駆動軸73を回転させて弁部73vの回転角度を調整することにより、ノズル61からの造形材料の吐出量を制御する。
吸引部75は、流路65において吐出制御機構70と吐出口62との間に接続されている。吸引部75は、流路65中の造形材料を吸引して一時的に貯留する。本実施形態において、吸引部75は、流路65に接続されている副流路77と、副流路77内において移動する弁体78と、を備えるプランジャーとして構成されている。吸引部75は、副流路77内で弁体78を移動させることにより負圧を発生させ、造形材料を吸引する。副流路77は、流路65の側方に向かって直線状に延びている。弁体78は、副流路77に沿って延びる棒状の部材によって構成され、副流路77内を往復移動可能に配置されている。
図1に図示す吸引部75を駆動させる第2駆動部76は、制御部101の制御下において、副流路77内での弁体78の位置を変化させる。第2駆動部76は、例えば、ステッピングモーターと、ステッピングモーターの回転力を弁体78の並進運動に変換するラックアンドピニオン機構やボールねじ機構とによって構成される。
本実施形態では、上記のように、吸引部75は、吐出制御機構70と吐出口62との間に接続されている。つまり、吐出制御機構70からノズル61までの距離よりも、吸引部75からノズル61までの距離の方が近い。従って、本実施形態では、造形材料の吐出あるいは停止に関する吸引部75の応答性は、吐出制御機構70の応答性よりも優れている。
第2駆動部76は、ノズル61から造形材料が吐出されている際には、図2に示すように、弁体78を、その端部が流路65に面する位置に位置させ、副流路77への造形材料の流入を遮断する。ノズル61からの造形材料の吐出を停止させる際には、第2駆動部76は、図2において破線で示す位置へと、弁体78を流路65から離れる方向に移動させる。これにより、副流路77において流路65に連通している空間の容積が増大し、流路65から副流路77へと造形材料が引き込まれて、ノズル61から吐出されている造形材料が尾切りされる。
本実施形態において、制御部101は、例えば、吐出制御機構70を制御して、ノズル61から造形材料の吐出を停止させる場合、吸引部75に造形材料の吸引を行わせる。また、本実施形態において、制御部101は、例えば、ノズル61から造形材料の吐出を開始あるいは再開させる場合、吸引部75から吸引部75に貯留された造形材料の一部を流路65に送出した後に、ノズル61の移動を開始させ、吐出制御機構70を制御して可塑化部30からノズル61に造形材料の供給を開始させるとともに吸引部75から吸引部75に貯留された残りの造形材料を流路65に送出させる。こうした制御部101の制御内容については後で詳しく説明する。
図3は、フラットスクリュー40の下面48側の構成を示す概略斜視図である。図3に、フラットスクリュー40の中心軸RXの位置を一点鎖線で示す。図1を参照して説明したように、スクリュー対面部50に対向するフラットスクリュー40の下面48には、溝部42が設けられている。以下、下面48を、「溝形成面48」とも呼ぶ。
フラットスクリュー40の溝形成面48の中央部46は、溝部42の一端が接続されている凹部として構成されている。中央部46は、図1に示すスクリュー対面部50の連通孔56に対向する。第1実施形態では、中央部46は、中心軸RXと交差する。
フラットスクリュー40の溝部42は、いわゆるスクロール溝を構成する。溝部42は、中央部46から、フラットスクリュー40の外周に向かって弧を描くように渦状に延びている。溝部42は、螺旋状に延びるように構成されてもよい。溝形成面48には、溝部42の側壁部を構成し、各溝部42に沿って延びている凸条部43が設けられている。
溝部42は、フラットスクリュー40の側面に形成された材料流入口44まで連続している。この材料流入口44は、材料供給部20の連通路22を介して供給された材料MRを受け入れる部分である。
図3に、3つの溝部42と、3つの凸条部43と、を有するフラットスクリュー40の例を示す。フラットスクリュー40に設けられる溝部42や凸条部43の数は、3つには限定されない。フラットスクリュー40には、1つの溝部42のみが設けられていてもよいし、2以上の複数の溝部42が設けられていてもよい。また、溝部42の数に合わせて任意の数の凸条部43が設けられていてもよい。
図3には、材料流入口44が3箇所に形成されているフラットスクリュー40の例を示す。フラットスクリュー40に設けられる材料流入口44の数は、3箇所に限定されない。フラットスクリュー40には、材料流入口44が1箇所にのみ設けられていてもよいし、2箇所以上の複数の箇所に設けられていてもよい。
図4は、スクリュー対面部50の上面52側を示す概略平面図である。スクリュー対面部50の上面52は、上述したように、フラットスクリュー40の溝形成面48に対向する。以下、この上面52を、「スクリュー対向面52」とも呼ぶ。スクリュー対向面52の中心には、造形材料をノズル61に供給するための上述した連通孔56が形成されている。
スクリュー対向面52には、連通孔56に接続され、連通孔56から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝54が形成されている。複数の案内溝54は、フラットスクリュー40の中央部46に流入した造形材料を連通孔56に導く機能を有する。図1を参照して説明したように、スクリュー対面部50には、ヒーター58が埋め込まれている。可塑化部30における材料MRの溶融は、ヒーター58による加熱と、フラットスクリュー40の回転と、によって実現される。
図1および図3を参照する。フラットスクリュー40が回転すると、材料流入口44から供給された材料MRが、溝部42に誘導されて、溝部42内において加熱されながら中央部46に向かって移動する。材料MRは、中央部46に近づくほど、溶融し、流動性が高まっていき、造形材料へと転化する。中央部46に集められた造形材料は、中央部46で生じる内圧により連通孔56から流出し、ノズル61の流路65へと導かれ、吐出口62から吐出される。
図5は、三次元造形装置100によって三次元造形物が造形される様子を模式的に示す図である。三次元造形装置100では、上述したように、可塑化部30において造形材料MMが生成される。そして、位置調整部230によって、造形テーブル210の上面211に沿った方向にノズル61を移動させながら、造形テーブル210の上面211に向かって、ノズル61から造形材料MMが吐出される。
ここで、造形テーブル210の上面211に対してノズル61が同一の高さ位置にあるとき造形処理によって吐出された造形材料MMによって構成される層を「造形層ML」と呼ぶ。制御部101は、ノズル61の位置をZ軸方向に移動させ、これまでの造形処理で形成された造形層MLの上に、次の造形処理によって、さらに造形材料MMを積み重ねることによって、三次元造形物を造形していく。つまり、三次元造形装置100は、造形層MLを何層にも積層することによって三次元造形物を製造する。
造形層MLを形成する際には、ノズル61の先端の吐出口62と、ノズル61の直下の位置近傍においてノズル61から吐出された造形材料MMが堆積される予定部位MLtとの間に、下記のギャップGが保持されていることが望ましい。造形材料MMが造形層MLの上に吐出される場合には、造形材料MMが吐出される予定部位MLtは、ノズル61の下に位置する造形層MLの上面である。
ギャップGの大きさは、ノズル61の吐出口62における孔径以上とすることが望ましく、孔径
の1.1倍以上とすることがより好ましい。これにより、ノズル61の吐出口62から吐出される造形材料MMが、予定部位MLtに押しつけられない自由な状態で積層される。
の1.1倍以上とすることがより好ましい。これにより、ノズル61の吐出口62から吐出される造形材料MMが、予定部位MLtに押しつけられない自由な状態で積層される。
次に、上述した三次元造形装置100において用いられる三次元造形物の材料について説明する。三次元造形装置100では、例えば、熱可塑性を有する材料や、金属材料、セラミック材料等の種々の材料を主材料として三次元造形物を造形することができる。ここで、「主材料」とは、三次元造形物の形状を形作っている中心となる材料を意味し、三次元造形物において50重量%以上の含有率を占める材料を意味する。上述した造形材料には、それらの主材料を単体で溶融したものや、主材料とともに含有される一部の成分が溶融してペースト状にされたものが含まれる。
主材料として熱可塑性を有する材料を用いる場合には、可塑化部30において、当該材料が可塑化することによって造形材料が生成される。「可塑化」とは、熱可塑性を有する材料に熱が加わり溶融することを意味する。
熱可塑性を有する材料としては、例えば、下記の熱可塑性樹脂材料を用いることができる。
<熱可塑性樹脂材料の例>
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エンジニアリングプラスチック。
ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチック、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エンジニアリングプラスチック。
熱可塑性を有する材料には、顔料や、金属、セラミック、その他に、ワックス、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤などの添加剤等が混入されていてもよい。熱可塑性を有する材料は、可塑化部30において、フラットスクリュー40の回転とヒーター58の加熱によって可塑化されて溶融した状態に転化される。熱可塑性を有する材料の溶融によって生成された造形材料は、ノズル61から吐出された後、温度の低下によって硬化する。
熱可塑性を有する材料は、そのガラス転移点以上に加熱されて完全に溶融した状態でノズル61から射出されることが望ましい。例えば、ABS樹脂は、ガラス転移点が約120℃であり、ノズル61からの吐出時には約200℃であることが望ましい。このように高温の状態で造形材料を吐出するために、ノズル61の周囲にはヒーターが設けられてもよい。
三次元造形装置100では、上述した熱可塑性を有する材料の代わりに、例えば、以下の金属材料が主材料として用いられてもよい。この場合には、下記の金属材料を粉末状にした粉末材料に、造形材料の生成の際に溶融する成分が混合されて、材料MRとして可塑化部30に投入されることが望ましい。
<金属材料の例>
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単一の金属、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金。
<前記合金の例>
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
マルエージング鋼、ステンレス、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、コバルト合金、コバルトクロム合金。
三次元造形装置100においては、上記の金属材料の代わりに、セラミック材料を主材料として用いることが可能である。セラミック材料としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物セラミックや、窒化アルミニウムなどの非酸化物セラミックなどが使用可能である。主材料として、上述したような金属材料やセラミック材料を用いる場合には、造形テーブル210に配置された造形材料は焼結によって硬化されてもよい。
材料供給部20に材料MRとして投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料は、単一の金属の粉末や合金の粉末、セラミック材料の粉末を、複数種類、混合した混合材料であってもよい。また、金属材料やセラミック材料の粉末材料は、例えば、上で例示したような熱可塑性樹脂、あるいは、それ以外の熱可塑性樹脂によってコーティングされていてもよい。この場合には、可塑化部30において、その熱可塑性樹脂が溶融して流動性が発現されるものとしてもよい。
材料供給部20に材料MRとして投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のような溶剤を添加することもできる。溶剤は、下記の中から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<溶剤の例>
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ-ピコリン、2,6-ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸iso-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ-ピコリン、2,6-ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等);ブチルカルビトールアセテート等のイオン液体等。
その他に、材料供給部20に材料MRとして投入される金属材料やセラミック材料の粉末材料には、例えば、以下のようなバインダーを添加することもできる。
<バインダーの例>
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)或いはその他の熱可塑性樹脂。
以上、三次元造形装置100について説明した。
次に、三次元造形装置100に入力される造形データを生成する造形データ生成装置1について説明する。
次に、三次元造形装置100に入力される造形データを生成する造形データ生成装置1について説明する。
図6に示すように、造形データ生成装置1は、造形データ生成部11と、記憶部12と、通信部13と、を有する。
記憶部12は、造形データ生成部11が実行可能な各種プログラム等を保存する。記憶部12としては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置等が挙げられる。通信部13は、例えば有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の外部インターフェースを用いて三次元造形装置100の間でそれぞれ信号の送受信を行う。
造形データ生成部11は、少なくとも1つのプロセッサーで構成される。また、造形データ生成部11は、造形データ取得部111と、吐出データ取得部112と、造形データ補正部113と、吐出データ補正部114と、を有する。
造形データ取得部111は、作業者が図示しない入力装置を用いて入力した第1造形データD1を取得する。この第1造形データD1は、製造する造形物の形状に関するデータであり、ノズル61をどの位置に移動させつつ造形材料の吐出を行うかを示すデータである。図8に示すように、第1造形データD1は、各目標位置のX軸座標およびY軸座標と、移動距離と、を含む。なお、図10および図12では、X軸座標およびY軸座標を(x,y)で示している。
具体的には、図8に示すように、第1造形データD1には、開始位置AにおけるX軸座標およびY軸座標の情報や、目標位置BにおけるX軸座標、Y軸座標、開始位置Aからの移動距離の情報が含まれている。このようなデータが、目標位置C、目標位置D、それ以降の目標位置および終了位置まで用意されている。
このように、第1造形データD1は、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な移動方向、および、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な移動距離を示すパスデータである。
吐出データ取得部112は、吐出データを取得する。吐出データには、図示はしないが、フラットスクリュー40の回転数に関する情報と、造形材料の加熱温度に関する情報とが含まれる。フラットスクリュー40の回転数に関する情報は、駆動モーター32への通電条件に関する情報である。造形材料の加熱温度に関する情報は、ヒーター58への通電条件に関する情報である。
このような吐出データは、第1造形データD1に含まれているととらえてもよい。
このような吐出データは、第1造形データD1に含まれているととらえてもよい。
造形データ補正部113は、第1造形データD1に基づいてノズル61の移動速度を算出する。具体的には、各目標位置間の距離を、予め設定された時間で移動すると仮定して移動速度を算出する。また、後述する吐出データ補正部114が作成した調整コマンドを第1造形データD1に追加して第2造形データD2を生成する。
吐出データ補正部114は、吐出データを補正する。本実施形態では、吐出データ補正部114は、第1造形データD1に、吐出条件調整部200としての駆動モーター32を駆動させるための調整コマンドを生成する。そして、この調整コマンドを造形データ補正部113が第1造形データD1に追加して第2造形データD2を生成する。本実施形態では、吐出データ補正部114は、各目標位置における吐出量に関するデータを追加する。この際、吐出データ補正部114は、予め記憶部12に記憶されているテーブルまたは検量線に基づいて移動中の吐出量を決定する。そして、吐出データ補正部114は、目標位置と目標位置との間の区間ごとに、決定した突出量を吐出データに追加し、記憶部12に記憶する。なお、吐出データ補正部114が行う補正とは、第1造形データD1に吐出量に関する情報が含まれている場合には、一部または全部を書き換えて第2造形データD2を生成することを言い、第1造形データD1に吐出量に関する情報が含まれていない場合には、吐出量に関する情報を第1造形データD1に追加して第2造形データD2を生成することを言う。
本実施形態では、吐出量の調整は、駆動モーター32の回転数を調整することによりなされる。例えば、図9に示すように、開始位置Aから目標位置Bの区間では、吐出量がU1となるような駆動モーター32の回転数に設定し、目標位置Bから目標位置Cの区間では、吐出量がU2となるような駆動モーター32の回転数に設定し、目標位置Cから目標位置Dの区間では、吐出量がU1となるような駆動モーター32の回転数に設定し、目標位置Dから目標位置Eの区間では、吐出量がU1となるような駆動モーター32の回転数に設定する。本実施形態では、吐出量U1および吐出量U2に対応する駆動モーター32の回転数に関する情報が記憶部12に記憶されている。
なお、駆動モーター32の回転数の設定は、駆動モーター32の回転数と、ノズル61の移動速度との関係を示す検量線またはテーブルに基づいてなされる。このような検量線またはテーブルは、予め記憶部12に記憶されている。
ここで、従来では、造形材料を吐出しつつ、リアルタイムで移動経路の情報や、速度の情報を取得しながら吐出量を調整していた。このため、移動経路の情報や、速度の情報を取得してから吐出量を調整するコマンドを発行するまでに、タイムラグが生じることとなる。このタイムラグにより、所望の位置に所望の吐出量で造形材料を吐出することができず、造形物の成形精度が低下するおそれがある。そこで、本発明では、上記のように、三次元造形装置100が、吐出条件、本実施形態では、吐出量を調整する調整コマンドを追加して第2造形データD2を作成する。そして、この第2造形データD2を三次元造形装置100が読み込み、実行することにより、リアルタイムで移動経路の情報や、速度の情報を取得しながら吐出量を調整する必要が無く、上記タイムラグが発生するのを防止することができる。よって、造形物の成形精度を高めることができる。
また、調整コマンドは、ノズル61からの造形材料の単位時間当たりの吐出量に関する情報を含む。これにより、造形物の成形精度をより確実に高めることができる。
なお、上記では、吐出条件として、ノズル61からの造形材料の単位時間当たりの吐出量を調整する構成について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、ヒーター58への通電条件を調整する構成であってもよく、ノズル61の移動速度を調整する構成であってもよく、ノズル61と造形テーブル210との距離を調整する構成であってもよく、これらのうちの2つ以上を調整する構成であってもよい。
また、第1造形データD1に吐出量の情報が含まれていた場合、ノズル61の移動距離が所定値以下の場合のみ、吐出量の情報を書き換える構成であってもよい。ここで言う所定値とは、成形精度が低下しない程度の数値である。この所定値は、予め実験的に算出され、記憶部12に記憶されている。
このように、造形データ生成部11は、ノズル61の移動速度に関する情報を取得し、移動速度が所定値以上であった場合、パスデータに調整コマンドを追加する。これにより、必要に応じてパスデータに調整コマンドを追加することができ、パスデータに調整コマンドを追加する処理速度を早くすることができる。すなわち、移動速度が所定未満であった場合、補正を省略することができ、処理速度を早くすることができる。
また、吐出条件調整部200は、ノズル61から造形材料を送り出す送り出しスクリューであるフラットスクリュー40を有し、造形データ生成部11は、フラットスクリュー40の回転速度に関する情報を調整コマンドとしてパスデータに追加する。これにより、よりダイレクトに吐出条件を適正化することができ、造形物の成形精度をより効果的に高めることができる。
なお、造形データ生成部11は、バタフライバルブ72の開度に関する情報を調整コマンドとしてパスデータに追加する構成であってもよい。この場合、吐出量に対応するバタフライバルブ72の開度に関する情報が記憶部12に記憶されている。
なお、バタフライバルブ72の開度の設定は、駆動モーター32の回転数と、ノズル61の移動速度との関係を示す検量線またはテーブルに基づいてなされる。このような検量線またはテーブルは、予め記憶部12に記憶されている。
このように、吐出条件調整部200は、ノズル61の開度を調整するバルブとしてのバタフライバルブ72を有し、造形データ生成部11は、バタフライバルブ72の開度に関する情報を調整コマンドとしてパスデータに追加する。これにより、よりダイレクトに吐出条件を適正化することができ、造形物の成形精度をより効果的に高めることができる。
以上説明したように、造形データ生成装置1は、造形材料を造形テーブル210に向かって吐出するノズル61と、ノズル61からの造形材料の吐出条件を調整する吐出条件調整部200と、造形テーブル210とノズル61との位置関係を調整する位置調整部230と、を備える三次元造形装置100に入力される造形データを生成するものである。また、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な移動方向、および、造形テーブル210に対するノズル61の相対的な移動距離に関する情報を含むパスデータである第1造形データD1に、吐出条件調整部200を駆動させるための調整コマンドを追加する補正を行い第2造形データD2として造形データを生成する造形データ生成部11を備える。これにより、従来のようにリアルタイムで移動経路の情報や、速度の情報を取得しながら吐出量を調整するという処理を省略することができる。よって、タイムラグが発生するのを防止することができる。その結果、造形物の成形精度を高めることができる。
次に、図10に示すフローチャートに基づいて、三次元造形装置100が造形物を製造する制御動作について説明する。以下の制御動作は、制御部101が実行する。
まず、ステップS101において、第2造形データD2から座標情報を読み込む。次いで、ステップS102において、N=1に設定する。すなわち、1層目の製造を行うことを設定し、ステップS103において、(x,y)=(x1,y1)にノズル61を移動させる。すなわち、開始位置にノズル61を移動させる。
次いで、ステップS104において、制御部101が有するメモリーから、現在の座標に対応する第2造形データD2中の調整コマンドを読み出し、実行する。
次いで、ステップS105において、(x,y)=(xend,yend)であるか否かを判断する。すなわち、最後の目標位置まで移動したか否かを判断する。ステップS105において、(x,y)=(xend,yend)ではないと判断した場合、ステップS106に移行し、(x,y)=(xend,yend)であると判断した場合、ステップS107に移行する。
ステップS106では、(x,y)=(x+1,y+1)を実行する。すなわち、次の
目標位置にノズル61を移動させつつ造形材料の吐出を行う。
目標位置にノズル61を移動させつつ造形材料の吐出を行う。
ステップS107では、N=Nendであるか否かを判断する。すなわち、予め設定された層数を積層したか否かを判断する。ステップS107において、N=Nendであると判断した場合、造形物の製造を終了する。一方、N=Nendではないと判断した場合、ステップS108において、N=N+1を実行する。すなわち、次の層の製造を開始し、ステップS103に戻る。そして、以降のステップを順次繰り返す。
以上のようにして、積層体で構成された造形物を得ることができる。
以上のようにして、積層体で構成された造形物を得ることができる。
なお、本実施形態において造形データ生成装置1および入力装置は三次元造形装置100と別の装置として備えられていたが、造形データ生成装置1および入力装置のうちの少なくとも一方は、三次元造形装置100の内部に備えられていてもよい。さらに、造形データ生成装置1は入力装置と別の装置として備えられていたが、造形データ生成装置1と入力装置とが1つの装置として備えられていてもよい。
<第2実施形態>
図11は、本発明の造形データ生成装置の第2実施形態のブロック図である。図12は、図11に示す造形データ生成部が実行する制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図11は、本発明の造形データ生成装置の第2実施形態のブロック図である。図12は、図11に示す造形データ生成部が実行する制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、これらの図を参照して本発明の造形データ生成装置の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態では、造形データ生成部11は、エミュレーション実行部11Aと、造形動作用メモリ11Bと、エミュレーション用メモリ11Cと、を有する。
エミュレーション実行部11Aは、少なくとも1つのCPUで構成され、エミュレーションを実行する。エミュレーションとは、特定のソフトウェアを、本来の仕様とは異なる動作環境で模擬的に実行することを言い、本実施形態では、三次元造形装置100が実行する造形プログラムを、エミュレーション実行部11Aが模擬的に実行することを言う。
また、造形動作用メモリ11Bには、第1造形データD1が記憶されている。エミュレーション用メモリ11Cには、エミュレーションを実行するためのプログラムが記憶されており、エミュレーションによって得られる第2造形データD2が記憶される。
次に、図12に示すフローチャートに基づいて、造形データ生成装置が実行する制御動作の一例について説明する。
まず、ステップS201において、造形データから座標情報を読み込む。すなわち、第1造形データD1から、ノズル61の経路に関する情報を読み込む。
次いで、ステップS202において、N=1に設定する。すなわち、1層目の製造を行うことを設定し、ステップS203において、仮想的に(x,y)=(x1,y1)にノズル61を移動させる。すなわち、仮想的に開始位置にノズル61を移動させる。
次いで、ステップS204において、ノズル61の移動速度を算出し、出力する。
次いで、ステップS205において、補完関数にステップS204で算出した移動速度を代入して、吐出パラメーターを算出する。ここで言う補完関数とは、例えば、バタフライバルブ72の開度や、駆動モーター32の回転数等、調整する項目と、移動速度との関係を示す関数のことを言う。
次いで、ステップS205において、補完関数にステップS204で算出した移動速度を代入して、吐出パラメーターを算出する。ここで言う補完関数とは、例えば、バタフライバルブ72の開度や、駆動モーター32の回転数等、調整する項目と、移動速度との関係を示す関数のことを言う。
次いで、ステップS206において、調整コマンドとX軸座標およびY軸座標の位置とを紐づけて記憶する。本ステップでは、エミュレーション用メモリ11Cに記憶する。
次いで、ステップS207において、(x,y)=(xend,yend)であるか否かを判断する。すなわち、最後の目標位置まで移動したか否かを判断する。ステップS207において、(x,y)=(xend,yend)ではないと判断した場合、ステップS208に移行し、(x,y)=(xend,yend)であると判断した場合、ステップS209に移行する。
ステップS208では、(x,y)=(x+1,y+1)を実行する。すなわち、次の
目標位置にノズル61を移動させつつ造形材料の吐出を行う。
目標位置にノズル61を移動させつつ造形材料の吐出を行う。
ステップS209では、N=Nendであるか否かを判断する。すなわち、予め設定された層数を積層したか否かを判断する。ステップS209において、N=Nendであると判断した場合、造形物の製造を終了する。一方、N=Nendではないと判断した場合、ステップS210において、N=N+1を実行する。すなわち、次の層の製造を開始し、ステップS203に戻る。そして、以降のステップを順次繰り返す。
以上のようにして、エミュレーションを実行することができる。
以上のようにして、エミュレーションを実行することができる。
このように、本実施形態では、造形データ生成部11は、エミュレーションを行うことにより、調整コマンドを追加する補正を行う。これにより、三次元造形装置100の個体特性に応じて調整コマンドを追加する補正を行うことができる。よって、さらに正確な補正を行うことができ、成形精度をさらに高めることができる。
以上、本発明の造形データ生成装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、造形データ生成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
1…造形データ生成装置、11…造形データ生成部、11A…エミュレーション実行部、11B…造形動作用メモリ、11C…エミュレーション用メモリ、12…記憶部、13…通信部、20…材料供給部、22…連通路、30…可塑化部、31…スクリューケース、32…駆動モーター、40…フラットスクリュー、42…溝部、43…凸条部、44…材料流入口、46…中央部、47…上面、48…下面、50…スクリュー対面部、52…上面、54…案内溝、56…連通孔、58…ヒーター、61…ノズル、62…吐出口、65…流路、70…吐出制御機構、72…バタフライバルブ、73…駆動軸、73v…弁部、73x…中心軸、74…第1駆動部、75…吸引部、76…第2駆動部、77…副流路、78…弁体、100…三次元造形装置、101…制御部、110…造形部、111…造形データ取得部、112…吐出データ取得部、113…造形データ補正部、114…吐出データ補正部、200…吐出条件調整部、210…造形テーブル、211…上面、230…位置調整部、D1…第1造形データ、D2…第2造形データ、G…ギャップ、ML…造形層、MLt…予定部位、MM…造形材料、MR…材料、RX…中心軸、U1…吐出量、U2…吐出量
Claims (6)
- 造形材料を造形テーブルに向かって吐出するノズルと、
前記ノズルからの前記造形材料の吐出条件を調整する吐出条件調整部と、
前記造形テーブルと前記ノズルとの位置関係を調整する位置調整部と、を備える三次元造形装置に入力される造形データを生成するデータ生成装置であって、
前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動方向、および、前記造形テーブルに対する前記ノズルの相対的な移動距離に関する情報を含むパスデータに、前記吐出条件調整部を駆動させるための調整コマンドを追加する補正を行い前記造形データを生成する造形データ生成部を備えることを特徴とする造形データ生成装置。 - 前記造形データ生成部は、前記ノズルの移動速度に関する情報を取得し、前記移動速度が所定値以上であった場合、前記パスデータに前記調整コマンドを追加する請求項1に記載の造形データ生成装置。
- 前記調整コマンドは、前記ノズルからの前記造形材料の単位時間当たりの吐出量に関する情報を含む請求項1または2に記載の造形データ生成装置。
- 前記吐出条件調整部は、前記ノズルから前記造形材料を送り出す送り出しスクリューを有し、
前記造形データ生成部は、前記送り出しスクリューの回転速度に関する情報を前記調整コマンドとして前記パスデータに追加する請求項3に記載の造形データ生成装置。 - 前記吐出条件調整部は、前記ノズルの開度を調整するバルブを有し、
前記造形データ生成部は、前記バルブの開度に関する情報を前記調整コマンドとして前記パスデータに追加する請求項3または4に記載の造形データ生成装置。 - 前記造形データ生成部は、エミュレーションを行うことにより、前記調整コマンドを追加する補正を行う請求項1ないし5のいずれか1項に記載の造形データ生成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021042112A JP2022142102A (ja) | 2021-03-16 | 2021-03-16 | 造形データ生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2021042112A JP2022142102A (ja) | 2021-03-16 | 2021-03-16 | 造形データ生成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2021042112A Pending JP2022142102A (ja) | 2021-03-16 | 2021-03-16 | 造形データ生成装置 |
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-
2021
- 2021-03-16 JP JP2021042112A patent/JP2022142102A/ja active Pending
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Legal Events
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
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