JP2022139739A - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】ライダを用いて路面が濡れていることを検出する。【解決手段】情報処理装置において、取得手段は、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する。また、検出手段は、計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する。そして、判定手段は、一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、移動体の周辺の情報を取得する技術に関する。
従来から、計測対象物に光を照射して計測対象物からの反射光を検出し、計測対象物に光を照射するタイミングと、計測対象物からの反射光を検出するタイミングとの時間差により計測対象物までの距離を算出する測距装置が知られている。特許文献1には、投光パターンの検出状態により、投光パターンを投光するための点灯パターンを変更し、前方車両との距離や傾きを検出する前方車両認識装置が開示されている。
特開2008-082750号公報
ライダなどのレーザ光を利用した測距装置を用いて車両の周辺に存在する物体などを検出する場合、雨などにより路面が濡れていると、ライダにより測距されるデータに影響が出る。このため、路面が濡れているか否かの情報を取得した上で、測距したデータの処理を行うことが好ましい。通常、路面が濡れていることを検出するには、車両前方の撮影画像の解析や、雨滴センサなどのセンサを設けることが必要となる。
本発明の解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、ライダを用いて路面が濡れていることを検出することを主な目的とする。
請求項に記載の発明は、情報処理装置であって、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段と、を備える。
他の請求項に記載の発明は、情報処理装置により実行される情報処理方法であって、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得工程と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出工程と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定工程と、を備える。
他の請求項に記載の発明は、プログラムであって、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段、としてコンピュータを機能させる。
実施例によるライダの概略構成を示す。 路面が濡れていることを判定する方法を説明する図である。 路面が濡れていることを判定する処理のフローチャートである。 路面の濡れ度合いを判定する処理のフローチャートである。 白線判定を行うための構成例を示すブロック図である。 第1実施例の場合の閾値曲線の例を示す。 第2実施例の場合の閾値曲線の例を示す。 白線判定処理のフローチャートである。
本発明の1つの好適な実施形態では、情報処理装置は、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段と、を備える。
上記の情報処理装置において、取得手段は、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する。検出手段は、計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する。そして、判定手段は、一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する。これにより、車両前方の撮影画像を解析したり、雨滴センサなどを設けたりすることなく、路面が濡れているか否かを判定することができる。
上記の情報処理装置の一態様では、前記検出手段は、少なくとも前記計測データの反射強度の対称性が所定以上となる一対の領域を検出する。この態様では、反射強度の対称性に基づき、路面が濡れているかを判定することができる。
上記の情報処理装置の他の一態様では、前記検出手段は、前記反射強度が所定値以上である複数の領域を検出し、前記複数の領域から、上下方向において対となる範囲条件を満足する一対の領域を検出する。この態様では、上下方向に対となる一対の領域を用いて、路面が濡れているか否かが判定される。
上記の情報処理装置の他の一態様では、前記取得手段は、前記計測データとして、計測点毎の位置及び反射強度を含む点群情報を取得し、前記検出手段は、反射強度が所定値以上である計測点を所定範囲内に所定数以上含む領域を塊領域として検出し、上下方向において対となる上塊領域及び下塊領域を前記一対の領域として検出する。この態様では、計測点の塊領域を用いて一対の領域が検出される。
上記の情報処理装置の他の一態様では、前記検出手段は、前記上塊領域の代表点及び前記下塊領域の代表点を決定し、代表点が前記範囲条件を満足する上塊領域と下塊領域を前記一対の領域として検出する。この態様では、塊領域毎の代表点を用いて一対の領域が検出される。
上記の情報処理装置の他の一態様では、前記計測データは前記反射光の反射強度を含み、前記判定手段は、前記一対の領域における計測データの反射強度の比に基づいて、路面の濡れ度合いを判定する。この態様では、計測データに基づいて、路面の濡れ度合いを判定することができる。
上記の情報処理装置の他の一態様は、前記判定手段による判定結果に基づいて閾値を設定し、前記閾値を用いて、前記計測データから白線の判定を行う白線判定手段を備える。この態様では、路面の状況に応じた適切な閾値を用いて白線の判定を行うことができる。
本発明の他の好適な実施形態では、情報処理装置により実行される情報処理方法は、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得工程と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出工程と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定工程と、を備える。この方法によれば、車両前方の撮影画像を解析したり、雨滴センサなどを設けたりすることなく、路面が濡れているか否かを判定することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、プログラムは、出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段、としてコンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の情報処理装置を実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
<第1実施例>
[装置構成]
図1は、本実施例に係るライダ100の概略構成を示す。ライダ100は、自動運転などの運転支援を行う車両に搭載される。ライダ100は、水平方向および垂直方向の所定の角度範囲に対してレーザ光(「照射光」とも呼ぶ。)を照射し、当該照射光が物体により反射されて戻った光(「反射光」とも呼ぶ。)を受光することで、ライダ100から物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の3次元位置を示す点群情報を生成する。ライダ100は、少なくとも、搭載された車両の前方方向を計測範囲に含むように設置されている。
図1に示すように、ライダ100は、主に、送信部1と、受信部2と、ビームスプリッタ3と、スキャナ5と、ピエゾセンサ6と、制御部7と、メモリ8と、を有する。
送信部1は、パルス状の照射光をビームスプリッタ3に向けて出射する光源である。送信部1は、例えば、赤外線レーザ発光素子を含む。送信部1は、制御部7から供給される駆動信号Sg1に基づき駆動される。
受信部2は、例えばアバランシェフォトダイオード(Avalanche PhotoDiode)であり、受光した光量に対応する検出信号Sg2を生成し、生成した検出信号Sg2を制御部7へ供給する。
ビームスプリッタ3は、送信部1から射出されるパルス状の照射光を透過する。また、ビームスプリッタ3は、スキャナ5を通じて入射した反射光を、受信部2に向けて反射する。
スキャナ5は、例えば静電駆動方式のミラー(MEMSミラー)であり、制御部7から供給される駆動信号Sg3に基づき、傾き(即ち光走査の角度)が所定の範囲内で変化する。スキャナ5は、ビームスプリッタ3を透過した照射光をライダ100の外部へ向けて反射すると共に、ライダ100の外部から入射する反射光をビームスプリッタ3へ向けて出射する。ライダ100の計測範囲内において照射光が照射される点を「計測点」とも呼ぶ。
スキャナ5には、ピエゾセンサ6が設けられている。ピエゾセンサ6は、スキャナ5のミラー部を支持するトーションバーの応力により生じる歪みを検出する。ピエゾセンサ6は、生成した検出信号Sg4を制御部7へ供給する。検出信号Sg4は、スキャナ5の向きの検出に用いられる。
メモリ8は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。メモリ8は、制御部7が所定の処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。また、メモリ8は、制御部7により参照される各種パラメータを記憶する。また、メモリ8には、制御部7により生成された最新の所定フレーム数分の点群情報が記憶される。
制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などの各種プロセッサを含む。制御部7は、メモリ8に記憶されたプログラムを実行することで、所定の処理を実行する。制御部7は、プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部7は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組合せ等により実現されてもよい。また、制御部7は、FPGA(field-programmable gate array)又はマイクロコントローラ等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路であってもよく、ASSP(Application Specific Standard Produce)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等であってもよい。
制御部7は、機能的には、送信駆動ブロック70と、スキャナ駆動ブロック71と、点群情報生成ブロック72と、点群情報処理ブロック73と、を有する。
送信駆動ブロック70は、送信部1を駆動する駆動信号Sg1を出力する。駆動信号Sg1は、送信部1に含まれるレーザ発光素子の発光時間と、当該レーザ発光素子の発光強度を制御するための情報を含む。送信駆動ブロック70は、駆動信号Sg1を用いて送信部1に含まれるレーザ発光素子の発光強度を制御する。
スキャナ駆動ブロック71は、スキャナ5を駆動するための駆動信号Sg3を出力する。駆動信号Sg3は、スキャナ5の共振周波数に対応する水平駆動信号と、垂直走査するための垂直駆動信号と、を含む。また、スキャナ駆動ブロック71は、ピエゾセンサ6から出力される検出信号Sg4を監視することで、スキャナ5の走査角度(すなわち照射光の射出方向)を検出する。
点群情報生成ブロック72は、受信部2から供給される検出信号Sg2に基づき、ライダ100を基準点として、照射光が照射された物体までの距離と方向とを計測点毎に示す点群情報を生成する。この場合、点群情報生成ブロック72は、照射光を射出してから受信部2が反射光を検出するまでの時間を、光の飛行時間(Time of Flight)として算出する。そして、点群情報生成ブロック72は、算出した飛行時間に応じた距離と、受信部2が受信した反射光に対応する照射光の照射方向とを計測点毎に示す点群情報を生成し、生成した点群情報を点群情報処理ブロック73に供給する。以後では、全計測点に対する1回分の走査により得られる点群情報を、1フレーム分の点群情報とする。点群情報は、計測データの一例である。
ここで、点群情報は、計測点を画素とし、各計測点が示す距離を画素値とする画像とみなすことができる。この場合、各計測点は、縦方向の並びにおいて仰俯角における照射光の照射方向が異なり、横方向の並びにおいて水平角における照射光の照射方向が異なる。以後では、画像の横方向(即ち水平方向)を「Y軸」、画像の縦方向(即ち高さ方向)を「Z軸」、画素値が示す距離(即ち奥行方向のライダ100からの距離)を「X軸」としてXYZ座標系を定義する。以後では、XYZ座標系は、ライダ100の位置を原点とする3次元座標系であるものとする。また、点群情報は、画素ごとに反射強度(即ち、各計測点の受光強度)の情報を含んでいる。
なお、点群情報生成ブロック72は、点群情報において物体を誤検知することで生成されたデータ(所謂誤警報データ)を除去した点群情報を生成してもよい。以後では、実在する物体を検知することで生成されたデータに対応する計測点を「有効点」とも呼ぶ。この場合、点群情報には、有効点であるか否かを計測点毎に示すフラグ情報がさらに含まれる。
点群情報処理ブロック73は、点群情報生成ブロック72から供給される点群情報に基づき、路面が濡れているか否かを判定する。具体的に、点群情報処理ブロック73は、ライダ100が搭載されている車両の前方を含む計測範囲から得られた点群情報に基づいて、路面が濡れているか否かを判定する。
上記の構成において、受信部2は取得手段の一例であり、制御部7は検出手段及び判定手段の一例である。
なお、メモリ8に記憶された点群情報は、例えば、車両の自動運転などの運転支援を制御する装置(「運転支援装置」とも呼ぶ。)に出力されてもよい。この場合、運転支援装置は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)であってもよく、車両と電気的に接続したカーナビゲーション機器などの車載装置であってもよい。
[路面が濡れていることを判定する方法]
次に、点群情報を用いて、路面が濡れていることを判定する方法について説明する。ライダを用いて車両の周辺に存在する物体を検出する際、降雨などの影響で路面(地面)が濡れていると、路面による鏡面反射が大きいため、ライダにより得られる計測点の数が減少する。その一方、道路上に方面看板などの反射率の高い物体(「反射体」と呼ぶ。)がある場合、反射体が濡れた路面で鏡面反射することにより、反射体の鏡像が検出できる。そこで、本実施例では、制御部7は、反射体の路面による鏡面反射が発生している場合に、路面が濡れていると判定する。
図2(A)は、車両前方の画像10A、及び、ライダ100により得られた点群表示20Aの一例を示す。なお、図2(A)の例は、降雨などにより路面が濡れている状態のものとする。画像10Aは、ライダ100を搭載した車両の前方を撮影した画像であり、車両が走行している車線を示す境界線11と、道路に設置された方面看板12とを含む。また、路面が濡れているため、画像10Aには、方面看板12が濡れた路面で鏡面反射して見える鏡像13が映っている。
点群表示20Aは、ライダ100により得られた点群情報を表示している。この点群情報は、ライダ100が生成した全点群情報から、前述の物体を誤検知することで生成されたデータ(誤警報データ)を除去したものとする。点群の領域は反射強度が大きいほど暗い(黒に近い)色で表示されている。点群表示20Aは、地平線21を含む。点群表示20Aにおいて、地平線21より奥側は空を含む地上領域22であり、地平線21より手前側は路面領域23である。路面領域23には、便宜上、車両の進行方向を示す補助線23xが破線で表示されている。
点群表示20Aは、画像10Aに含まれる方面看板12に対応する位置に点群25を含む。方面看板12は反射率の高い反射体(リフレクタ)であるため、方面看板12は反射強度値の大きい点群25として検出される。また、点群表示20Aは、画像10Aにおける鏡像13に対応する点群26を含む。点群26は、方面看板12が濡れた路面で鏡面反射してできた反射強度値の大きい領域として検出される。
図2(B)は、車両前方の画像10B、及び、ライダ100により得られた点群表示20Bの他の例を示す。図2(B)の例も、降雨などにより路面が濡れている状態のものとする。画像10Bは、ライダ100を搭載した車両の前方を撮影した画像であり、車両が走行している車線を示す境界線11と、先行車両15とを含む。先行車両15の後部にはリフレクタ15aが設けられている。路面が濡れているため、画像10Bには、リフレクタ15aが濡れた路面で反射して見える鏡像16が映っている。
点群表示20Bは、ライダ100により得られた点群情報を表示している。点群表示20Bも全点群情報から誤警報データを除去した後の点群を示す。点群の領域は反射強度が大きいほど暗い(黒に近い)色で表示されている。図2(A)と同様に、点群表示20Bは、地平線21と、地上領域22と、路面領域23とを含み、路面領域23には、車両の進行方向を示す補助線23xが示されている。
点群表示20Bは、画像10Bに含まれる先行車両15に対応する位置に点群27を含む。先行車両15は反射強度値の大きい点群27として検出される。先行車両15に対応する点群27のうち、特にリフレクタ15aに対応する点群27aは反射強度が高くなっている。また、点群表示20Bは、画像10Bにおける鏡像16に対応する位置に点群28を含む。点群28は、リフレクタ15aが濡れた路面で鏡面反射してできた反射強度値の大きい領域として検出される。
このように、路面が濡れている場合、方面看板12やリフレクタ15aなどの反射率の高い物体(反射体)は路面で鏡面反射するため、鏡面反射により生成される反射強度値の大きい領域(以下、「鏡面反射領域」とも呼ぶ。)として検出される。一方、路面が濡れていない場合、路面による鏡面反射は発生しないため、鏡面反射領域が検出されることは無い。
そこで、制御部7は、ライダ100により計測した点群に基づいて、3次元座標値の高さ方向における対称性が所定以上となる一対の領域、具体的には反射強度の対称性が所定以上となる一対の領域を検出する。詳しくは、制御部7は、反射体と、反射体の鏡面反射領域との対を検出する。そして、制御部7は、反射体とその鏡面反射領域との対が検出された場合に路面が濡れていると判定し、反射体とその鏡面反射領域との対が検出されなかった場合に路面が濡れていないと判定する。これにより、車両前方の撮影画像を画像解析したり、雨滴センサなどのセンサを設けたりする必要なく、路面が濡れているか否かを判定することが可能となる。なお、制御部7は、検出された物体が反射体であるか否かを判定する必要はなく、所定の閾値以上の反射強度値を有する領域を反射体であると判定して処理を行えばよい。
[路面が濡れていることを判定する処理]
図3は、路面が濡れていることを判定する処理のフローチャートである。この処理は、図1に示す制御部7が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、制御部7は、受信部2から入力された検出信号Sg2に基づいて、誤警報データ除去後の点群情報を生成し、反射強度が所定閾値以上である計測点の塊である点群(以下、「塊データ」と呼ぶ。)を検出する(ステップS11)。具体的に、制御部7は、反射強度が閾値以上である計測点が前述のXYZ座標系における所定範囲内に所定数以上集まって構成されている点群を塊データとして検出する。なお、上記の所定閾値及び所定数は実験などにより予め決定される。
次に、制御部7は、得られた複数の塊データの中から、高さ方向(Z軸方向)に並ぶ一対のデータ(以下、「対データ」とも呼ぶ。)を検出する(ステップS12)。高さ方向における対データは、反射体の鏡面反射によりできるため、ある位置における水平線に対して上下の線対称な位置に検出される。以下、対データを構成する上下の塊データのうち、上側の塊データを「上塊データ」と呼び、下側の塊データを「下塊データ」と呼ぶ。なお、塊データは塊領域の一例であり、上塊データは上塊領域の一例であり、下塊データは下塊領域の一例である。
具体的には、制御部7は、まず各塊データについて代表点を求める。例えば、制御部7は、得られた複数の塊データのうちの1つの塊データを上塊データと仮定し、その上塊データを構成する点群の奥行方向(X軸方向)及び左右方向(Y軸方向)の中央、かつ、上下方向(Z軸方向)の最下点をその上塊データの代表点とする。次に、制御部7は、残りの全ての塊データを下塊データと仮定し、各下塊データを構成する点群の奥行方向及び左右方向の中央、かつ、上下方向の最上点を各下塊データの代表点とする。
そして、制御部7は、上塊データの代表点と、下塊データの代表点とがXYZ座標系における所定のXYZ範囲条件に属する場合、その上塊データと下塊データを対データと判定する。なお、所定のXYZ範囲条件は、例えば、奥行き方向(X軸方向)及び左右方向(Y軸方向)については誤差範囲内、高さ方向(Z軸方向)については所定の高さ範囲内に予め決定される。こうして、制御部7は、全ての塊データを順に上塊データと仮定し、それと対になる下塊データを探すことにより、複数の塊データから対データを検出する。
次に、制御部7は、ステップS12の処理により対データが検出されたか否かを判定する(ステップS13)。対データが検出された場合(ステップS13:Yes)、反射体が濡れた路面で鏡面反射する現象が起きていると推測されるので、制御部7は、路面が濡れていると判定する(ステップS14)。一方、対データが検出されなかった場合(ステップS13:No)、反射体が濡れた路面で鏡面反射する現象が起きていないと推測されるので、制御部17は、路面が濡れていないと判定する(ステップS15)。そして、処理は終了する。
以上のように、本実施例によれば、ライダ100により計測した点群情報を用いて、路面が濡れているか否かを判定することができる。なお、上記の例では、制御部7は、対データが1つでも検出された場合に路面が濡れていると判定している。その代わりに、制御部7は、検出された対データの数が予め決められた所定数以上である場合に路面が濡れていると判定し、所定数未満である場合に路面が濡れていないと判定してもよい。また、制御部7は、複数の反射体に基づく判定結果を総合して路面が濡れているか否かを判定してもよい。例えば、制御部7は、複数の道路標識や車両のリフレクタに基づく対データを検出した結果の多数決などにより、路面が濡れているか否かを判定してもよい。
なお、制御部7は、基本的には上記の処理を車両の走行中に継続的に実行すればよい。但し、反射体として方面看板などの道路標識などのみを用いる場合、制御部7は、地図データなどを参照して道路標識が存在する地点を検出し、その地点毎にピンポイントで上記の処理を行ってもよい。
[変形例]
次に、上記の路面が濡れていることを判定する処理に関する変形例を説明する。以下の変形例は、適宜組み合わせて適用することができる。
(変形例1)
ステップS12において対データを検出する際、制御部7は、下塊データの大きさを補正してもよい。具体的には、制御部7は、上塊データを用いて、下塊データに含まれるにじみ部分を除去してから、対データの有無を判定する。前述のように、下塊データは、方面看板やリフレクタなどの反射体が濡れた路面で鏡面反射した領域であり、その周辺部分は元の反射体よりも膨張した大きな領域として検出される傾向がある。元の反射体よりも大きく膨張した部分をにじみ部分と呼ぶ。下塊データににじみ部分が含まれると、対データの検出に誤差が生じる可能性がある。そこで、制御部7は、下塊データの大きさを補正する。
通常、ステップS12で検出された対データのうち、上塊データは元の反射体による直接的な反射として検出されるため、大きさの誤差は少ない。よって、制御部7は、上塊データの反射強度値や大きさに基づいて、下塊データからにじみ部分を除去し、下塊データの大きさを補正する。例えば、制御部7は、上塊データの大きさとほぼ等しくなるように下塊データの周辺領域を除去してもよい。また、制御部7は、下塊データの反射強度値が上塊データの反射強度値よりも小さくなることを考慮して下塊データの大きさを補正してもよい。
(変形例2)
上記の処理のステップS12において、制御部7は、利用する反射体の種別毎に異なるXYZ範囲条件を用いて対データを検出してもよい。図2(A)、2(B)から理解されるように、反射体として方面看板を使用する場合と、車両のリフレクタを使用する場合とでは、対データを構成する上塊データと下塊データの高さ方向の距離には違いがある。よって、ステップS12で対データを検出する際に使用するXYZ範囲条件を反射体の種別毎に用意してもよい。より具体的には、反射体の種別毎に、その種の反射体が一般的に存在する高さを考慮してXYZ範囲条件を決定すればよい。
<第2実施例>
上記の第1実施例では、制御部7は、路面が濡れているか否かの判定を行っている。これに対し、第2実施例では、制御部7は、路面が濡れている度合いを示す値(以下、「濡れ度合い」と呼ぶ。)を算出する。なお、ライダ100の構成などは、第1実施例と同様である。
[路面の濡れ度合いを判定する方法]
路面が乾いている場合には、方面看板などの反射体の鏡面反射は生じない。一方、路面が濡れている場合、前述のように反射体の鏡面反射が生じるが、路面の濡れ度合いによって鏡面反射の強さは変わってくる。具体的には、路面の濡れ度合いが大きいほど、鏡面反射の強度は強くなるため、鏡面反射でできた鏡像領域の反射強度値は大きくなる。よって、制御部7は、反射体領域の反射強度値と、鏡面反射領域の反射強度値との比を路面の濡れ度合いとして計算する。路面の濡れ度合いは、例えば以下のように計算される。
(濡れ度合い)=(鏡面反射領域の反射強度値)/(反射体領域の反射強度値)(1)
なお、反射体領域の反射強度は、路面が濡れているか否かに拘わらず基本的に一定である。よって、路面が濡れているほど、上記の濡れ度合いの値は大きくなる。
[路面の濡れ度合いを判定する処理]
図4は、第2実施例により路面の濡れ度合いを判定する処理のフローチャートである。第2実施例では、図3に示す第1実施例のフローチャートにおけるステップS14において、第1実施例と異なる処理を行う。即ち、ステップS13で対データが検出された場合、制御部7は、前述の式(1)を用いて、路面の濡れ度合いを計算し、出力する(ステップS14x)。この点以外は、第2実施例の処理は、第1実施例の処理と同様である。
<白線判定>
次に、第1実施例による路面が濡れているか否かの判定結果、又は、第2実施例による濡れ度合いの判定結果を白線判定に使用する例を説明する。白線判定とは、ライダ100により得られた点群データに基づいて、路面の白線を検出する処理である。路面上の白線は、白線以外の領域(通常の道路の領域)よりも反射率が高いため、白線上で得られた点群データは、白線以外の領域で得られた点群データよりも反射強度値が大きくなる。そこで、ライダ100により得られた点群データの反射強度を所定の閾値曲線と比較し、白線を検出する。
[白線判定のための構成]
図5は、白線判定を行うための構成例を示すブロック図である。ライダ100は、点群データを取得して白線判定部50に出力するとともに、路面が濡れているか否かの判定結果、又は、路面の濡れ度合いの判定結果を白線判定部50へ出力する。白線判定部50は、入力された点群データと、判定結果とを用いて白線判定を行う。具体的には、白線判定部50は、判定結果に応じて、白線判定に使用する閾値曲線を設定する。そして、白線判定部50は、入力された点群データのうち、閾値曲線より高い反射強度値を有する部分を白線と判定する。
いま、第1実施例に従い、ライダ100は路面が濡れているか否かの判定結果を出力するとする。図6(A)は、この場合に白線判定部50が用いる閾値曲線の例を示す。図6(A)において、横軸はライダ100から計測点までの距離を示し、縦軸は計測点の反射強度値を示す。白線判定部50は、路面が濡れていない場合に閾値曲線C1を用い、路面が濡れている場合に閾値曲線C2を用いる。路面が濡れている場合、路面上で乱反射が生じてライダ100戻る光が減るため、路面が濡れていない場合と比較して、路面から得られる点群データの反射強度値が全体的に下がる。このため、白線判定部50は、路面が濡れている場合には、路面が濡れていない場合の閾値曲線C1よりも低い閾値を有する閾値曲線C2を用いて白線を検出する。
図6(B)は、閾値曲線を用いて白線を検出する例を示す。いま、路面が濡れていないと仮定すると、白線判定部50は閾値曲線C1を使用する。ライダ100が出力する点群データを、各計測点の距離及び反射強度値に基づいてプロットした結果を図6(B)に示す。この場合、白線判定部50は、閾値曲線C1より上側にある点群データを白線データと判定し、閾値曲線C1より下側にある点群データを路面データと判定する。なお、閾値曲線C2を用いた場合も同様に判定が行われる。
次に、第2実施例に従い、ライダ100が路面の濡れ度合いを示す判定結果を出力するとする。図7は、この場合に白線判定部50が用いる閾値曲線の例を示す。白線判定部50は、路面が濡れていない場合に閾値曲線C1を用いる。また、白線判定部50は、路面が濡れている場合には、ライダ100が出力する濡れ度合いに応じて閾値曲線を設定する。いま、濡れ度合いが最小である場合の閾値曲線を「C3」とし、濡れ度合いが最大である場合の閾値曲線を「C4」とすると、白線判定部50は、ライダ100から入力される濡れ度合いに応じて、閾値曲線をC3とC4の間に設定する。そして、白線判定部50は、設定した閾値曲線を用いて、白線を判定する。
[白線判定処理]
図8は、白線判定部50による白線判定処理のフローチャートである。まず、白線判定部50は、ライダ100から点群データと、判定結果とを取得する(ステップS21)。なお、第1実施例の場合、白線判定部50は、路面が濡れているか否かの判定結果を取得する。また、第2実施例の場合、白線判定部50は、路面の濡れ度合いを判定結果として取得する。
次に、白線判定部50は、判定結果に基づいて、閾値曲線を設定する(ステップS22)。第1実施例の場合、白線判定部50は、路面が濡れているか否かに応じて、図6に示す閾値曲線C1とC2のいずれかを選択する。第2実施例の場合、白線判定部50は、取得した濡れ度合いに基づいて、閾値曲線C3とC4の間に閾値曲線を設定する。
そして、白線判定部50は、点群データを閾値曲線と比較し、白線を判定する(ステップS23)。具体的には、白線判定部50は、点群データのうち、反射強度値が閾値曲線より大きい部分を白線と判定する。そして、処理は終了する。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
1 送信部
2 受信部
3 ビームスプリッタ
5 スキャナ
6 ピエゾセンサ
7 制御部
8 メモリ
100 ライダ

Claims (10)

  1. 出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、
    前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、
    前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記検出手段は、少なくとも前記計測データの反射強度の対称性が所定以上となる一対の領域を検出する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記検出手段は、前記反射強度が所定値以上である複数の領域を検出し、前記複数の領域から、上下方向において対となる範囲条件を満足する一対の領域を検出する請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記取得手段は、前記計測データとして、計測点毎の位置及び反射強度を含む点群情報を取得し、
    前記検出手段は、反射強度が所定値以上である計測点を所定範囲内に所定数以上含む領域を塊領域として検出し、上下方向において対となる上塊領域及び下塊領域を前記一対の領域として検出する請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記検出手段は、前記上塊領域の代表点及び前記下塊領域の代表点を決定し、代表点が前記範囲条件を満足する上塊領域と下塊領域を前記一対の領域として検出する請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記計測データは前記反射光の反射強度を含み、
    前記判定手段は、前記一対の領域における計測データの反射強度の比に基づいて、路面の濡れ度合いを判定する請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記判定手段による判定結果に基づいて閾値を設定し、前記閾値を用いて、前記計測データから白線の判定を行う白線判定手段を備える請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
    出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得工程と、
    前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出工程と、
    前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定工程と、
    を備える情報処理方法。
  9. 出射光に対応する反射光を受光し、計測データを取得する取得手段と、
    前記計測データの対称性が所定以上となる一対の領域を検出する検出手段と、
    前記一対の領域が検出されたときに、路面が濡れていると判定する判定手段、
    としてコンピュータを機能させるプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを格納した記憶媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20240111057A1 (en) * 2022-10-04 2024-04-04 Kodiak Robotics, Inc. Systems and methods for detecting water along driving routes and adjusting vehicle speed

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