JP2022138990A - 曲げ加工装置及び曲げ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺の曲げ加工部品を精度良く低コストに製造することができる曲げ加工装置及び曲げ加工方法の提供を目的とする。【解決手段】この曲げ加工装置は、送り部10と、支持部20と、加熱部30と、冷却部40と、曲げ力付与部50とを備える。曲げ力付与部50は、被加工材Pmを把持したまま把持部gの位置を三次元方向に移動させるアーム部53eと、アーム部53eの基端にある旋回軸SAが接続され、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するようにスライドする本体53aと、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように、本体53aをスライドさせる第1のスライド機構52と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、曲げ加工装置及び曲げ加工方法に関する。
周知のように、自動車や各種機械等に用いられる、中空の屈曲した形状を有する金属製の構造部材は、軽量かつ高強度であること等が求められる。従来、この種の中空屈曲部品は、例えば、冷間の曲げ加工、プレス加工品の溶接、厚板の打ち抜き、あるいは鍛造等により製造されてきた。しかし、これらの製造方法により製造される中空屈曲部品の軽量化および高強度化には限界があり、その実現は容易なことではなかった。
近年では、例えば非特許文献1に開示されるように、いわゆるチューブハイドロフォーミング工法によりこの種の中空屈曲部品を製造することも積極的に検討されている。しかし、非特許文献1の28頁にも記載されているように、チューブハイドロフォーミング工法には、素材となる材料の開発や成形可能な形状の自由度の拡大等といった課題があり、今後より一層の開発が必要である。
本出願人らは、このような要請に応えるために、特許文献1に記載の曲げ加工装置を開示した。図7は、この曲げ加工装置10Aを模式的に示す斜視図である。
図7に示すように、この曲げ加工装置10Aでは、支持手段11Aで回転可能に保持された金属材Pm(被加工材)を上流側から逐次または連続的に押し出しながら、支持手段11Aの下流側で曲げ加工を行う金属材の押通し曲げ加工方法において、支持手段11Aの下流側に設けられた可動ローラダイス12Aで金属材Pmをクランプし、当該可動ローラダイス12Aの位置または/および移動速度を制御しつつ、可動ローラダイス12Aの入り側であり金属材Pmの外周に配置した加熱手段13Aおよび冷却手段14Aを用いて、金属材Pmを局部的に塑性変形が可能な温度域でかつ焼入が可能な温度域に加熱し、加熱部に曲げモーメントを付与した後に急冷する。
さらに、本出願人らは、特許文献2に記載の曲げ加工製品の製造装置も開示した。図8は、この曲げ加工製品の製造装置10Bを模式的に示す平面図である。
図8に示すように、この製造装置では、鋼管Pmをその長手方向へ送りながら第1の位置Aにおいて支持するとともに、第2の位置Bにおいて送られる鋼管Pmを部分的に加熱し、第3の位置Cにおいて鋼管Pmの加熱された部分を冷却するとともに、第3の位置Cよりも下流の領域Dで、鋼管Pmを把持する把持手段11Bの位置を、第3の位置Cよりも鋼管Pmの送り方向の上流側の空間を含むワークスペース内において鋼管Pmの送り方向を含む三次元の方向へ変更して、鋼管Pmの加熱された部分に曲げモーメントを与えることによって曲げ加工製品を製造する。
これら特許文献1,2に記載の装置によれば、三次元方向に屈曲する曲げ加工部を、長手方向に沿って断続的又は連続的に備える曲げ加工部品を製造することが可能になる。
国際公開第2006/093006号 国際公開第2010/050460号
自動車技術 Vol.57,No.6,2003 23~28頁
一方、近年の需要として、バス等の大型車両に用いられる長尺の骨格部品の構造強度を増すことが求められている。しかしながら、このような骨格部品は長さが例えば3000mmにも及ぶほど長い。そのため、単に骨格部品の肉厚を増すだけでは、車体重量が大幅に増えてしまうため、その分、定員人数を減らさなくてはならない。そこで、軽量かつ高強度の骨格部品を得るために、上記特許文献1,2に開示の技術を適用することが考えられた。
しかしながら、そもそも、上記特許文献1,2の何れも、上述のような長尺部品の曲げ加工を想定しておらず、その実用化に際しての課題が多い。
具体的に言うと、まず特許文献1に開示の曲げ加工装置を用いる場合、金属材Pmの先端を保持せずに曲げ加工を進めていくため、金属材Pmの送り出しが進行するに従って長く飛び出した先端側が自重により下方に大きく撓んでしまい、その加工精度が保てない。しかも、この撓みに伴って生じる大きな曲げモーメントが支持手段11A及び可動ローラダイス12Aに集中するため、これらの軸心ずれや場合によっては破損も起こりえる。この不具合を避けるために、金属材Pmの先端を何らかの手段、例えば定位置に据え付けられたロボットで保持して支えたとしても、長尺の金属材Pmに合わせてロボットアームの長さを極めて長尺にしないと最後まで対応できない。しかしながら、このような長尺のロボットアームを備えたロボットの装備は現実的でなく、また出来たとしても設備建造コストの増大を招く。
また、特許文献2の場合、図8のZ軸方向に沿った鋼管Pmの加工自由度、すなわち鋼管Pmの先端部の保持高さの自由度が殆ど無い。前述したような長尺部品の場合、例えわずかな曲げを順次加えていくとしても、そのわずかな曲げの累積によって先端部がZ軸方向に大きく移動する場合もあるが、本装置ではそのような高さまで先端部を保持し続けられない。加えて言うと、特許文献2の曲げ加工装置の場合、製造後の曲げ加工部品を払い下げる際、作業者が手作業で曲げ加工部品を装置から外して払い下げ場所に積み上げることになるが、長尺であるが故に手作業での払い下げは作業負荷が高い。この不都合を解消するために払い下げ専用のロボットを併設するとしても、設備建造コストの増大を招く。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、長尺の曲げ加工部品を精度良く低コストに製造することができる曲げ加工装置及び曲げ加工方法の提供を目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用している。
(1)本発明の一態様に係る曲げ加工装置は、
一方向に長い金属製の被加工材をその送り方向に沿って送る送り部と;
前記被加工材を、前記送り部よりも下流位置で支持する支持部と;
前記被加工材を、前記支持部よりも下流位置で部分的に加熱する加熱部と;
前記被加工材を、前記加熱部よりも下流位置で冷却する冷却部と;
前記被加工材を、前記冷却部よりも下流位置で把持して曲げ力を付与する曲げ力付与部と;
を備え、
前記曲げ力付与部が、
前記被加工材を把持したまま把持位置を三次元方向に移動させるアーム部と、
前記アーム部の基端にある旋回軸が接続され、前記旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿って移動するようにスライドするアーム基部と、
前記旋回軸が前記第1の移動直線軌跡に沿って移動するように、前記アーム基部をスライドさせる第1のスライド機構と、
を有する。
ここで、旋回軸の第1の移動直線軌跡について補足説明する。
例えば、アーム基部を移動させる装置構成として2本の互いに平行な直線レールを採用した場合は、平面視して、2本の直線レールと平行でかつ旋回軸の中心が通る仮想直線上で、この旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸の第1の移動直線軌跡とする。
また、アーム基部を移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合は、平面視して、それらと平行でかつ旋回軸の中心が通る仮想直線上で、旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸の第1の移動直線軌跡とする。
なお、旋回軸がスライドする範囲とは、部品を形成するために必要となる、前記仮想直線上における旋回軸の移動範囲である。旋回軸は、アーム基部に接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸がスライドする範囲は、アーム基部のスライド範囲と同じである。
なお、本明細書中で「直線」と記載しているものについては、特記するものを除き、有限の長さを有する「線分」の意味で用いる。例えば「第1の移動直線軌跡」と記載したものについては、本来は加工する製品の長さに応じた有限の長さを有しているため、「第1の移動線分軌道」とするべきところであるが、一般的な用語ではないため、通例に準じて「第1の移動直線軌跡」とする。
(2)上記(1)の態様において、
前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線と、
前記第1の移動直線軌跡と、
が平面視で重なってもよい。
(3)上記(1)の態様において、
前記第1の移動直線軌跡が、前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して、平面視でシフトしていてもよい。
(4)上記(1)~(3)の何れか1項の態様において、
前記第1の移動直線軌跡と、前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線とが、平面視で互いに平行であってもよい。
ここで言う「平行」は、曲げ加工装置の各構成機器の配置精度及び動作精度による多少のずれを許容するものであり、厳密な平行のみに限定解釈されるものではない。ただし、ここで言う「平行」には、意図的に角度を付けたものは含まれない。
(5)上記(1)~(4)の何れか1項の態様において、
前記曲げ力付与部が、
前記旋回軸が、前記支持部の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して平面視で交差する第2の移動直線軌跡に沿って移動するように、前記アーム基部がスライドする第2のスライド機構
をさらに有してもよい。
ここで言う「交差」は、前記「平面視で交差する方向」が、前記「軸線の延長線」に対し、(a)直角に交差する場合と、(b)直角以外の角度をもって交差する場合と、の両方を包含する。
例えば、「第2の移動直線軌跡」として2本の互いに平行な直線レールを採用した場合は、平面視して、2本の直線レールと平行でかつ旋回軸の中心が通る仮想直線上で、この旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、「第2の移動直線軌跡」となる。
または、1本または3本以上の直線レールを採用した場合は、平面視して、それらと平行でかつ旋回軸の中心が通る仮想直線上で、旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、「第2の移動直線軌跡」となる。
よって、上記した「軸線の延長線に対して平面視で交差する方向に沿ってスライドする第2の移動直線軌跡」とは、軸線の延長線に対して平面視で交差する方向(この方向は無限長である)上に、「第2の移動直線軌跡」が存在することを意味する。よって、「第2の移動直線軌跡」は、支持部の送り方向に沿った軸線の延長線に対して平面視で交差する方向に沿った「向き(方向)」さえ有していればよい。例えば、「第2の移動直線軌跡」が、レール上において台車のレール端部からの逸脱を防止するためのリミットスイッチなどで規定される有限長であってかつ、この「第2の移動直線軌跡」が平面視で「延長線」に対して重なっていないとしても、「軸線の延長線に対して平面視で交差する方向」を有しているので、本項(5)に含まれる。
(6)上記(1)~(5)の何れか1項の態様において、
前記アーム基部が、前記第1の移動直線軌跡の向きを鉛直軸線回りに回動させる回動部をさらに有してもよい。
(7)本発明の一態様に係る曲げ加工方法は、
一方向に長い金属製の被加工材をその送り方向に沿って送る送り工程と;
前記被加工材を、第1の位置で支持する支持工程と;
前記被加工材を、前記第1の位置よりも下流の第2の位置で部分的に加熱する加熱工程と;
前記被加工材を、前記第2の位置よりも下流の第3の位置で冷却する冷却工程と;
前記被加工材を、前記第3の位置よりも下流の第4の位置でアーム部により把持し、前記アーム部による把持位置を、少なくとも前記送り方向を含む三次元方向に移動させる曲げ力付与工程と;
を有し、
前記曲げ力付与工程が、前記アーム部の基端にある旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿ってスライドするように、前記旋回軸が接続されたアーム基部をスライドさせるアーム部移動工程を有する。
ここで、旋回軸の第1の移動直線軌跡について補足説明する。
例えば、アーム基部を移動させる装置構成として2本の互いに平行な直線レールを採用した場合は、平面視して、2本の直線レールと平行であり、旋回軸の中心が通る仮想直線上で、旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸の第1の移動直線軌跡とする。
また、アーム基部を移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合は、平面視して、それらと平行であり、旋回軸の中心が通る仮想直線上で、旋回軸がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸の第1の移動直線軌跡とする。
なお、旋回軸がスライドする範囲とは、部品を形成するために必要となる、前記仮想直線における旋回軸の移動範囲である。旋回軸は、アーム基部に接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸がスライドする範囲は、アーム基部のスライド範囲と同じである。
(8)上記(7)の態様において、
前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線と、
前記第1の移動直線軌跡と、
が平面視で重なっていてもよい。
(9)上記(7)の態様において、
前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対し、
前記第1の移動直線軌跡が平面視でシフトしていてもよい。
ここで言う「シフト」とは、前記第1の移動直線軌跡を前記送り方向に沿った軸線に対し平面視して前記送り方向と直交する方向に移動させて位置を変えることで互いに重ならない状態にすることを言う。すなわち、「前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線」と、「前記第1の移動直線軌跡」とが、平面視で重ならないことを、「シフト」していると言う。
(10)上記(7)~(9)の何れか1項の態様において、
前記第1の移動直線軌跡と、前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線とが、平面視で互いに平行であってもよい。
ここで言う「平行」は、曲げ加工装置の各構成機器の配置精度及び動作精度による多少のずれを許容するものであり、厳密な平行のみに限定解釈されるものではない。
(11)上記(7)~(10)の何れか1項の態様において、
前記旋回軸の位置を、前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して平面視で交差する第2の移動直線軌跡に沿って移動させる第1の位置調整工程をさらに有してもよい。
ここで言う「交差」は、前記「平面視で交差する方向」が、前記「軸線の延長線」に対し、(a)直角に交差する場合と、(b)直角以外の角度をもって交差する場合との両方を包含する。
(12)上記(7)~(11)の何れか1項の態様において、
平面視における前記第1の移動直線軌跡の向きを鉛直軸線回りに回動させる第2の位置調整工程をさらに有してもよい。
上記(1)~(6)の態様に係る曲げ加工装置は、曲げ力付与部が、被加工材を把持したまま把持位置を三次元方向に移動させるアーム部と、アーム部の基端にある旋回軸が接続され、旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿って移動するようにスライドするアーム基部と、旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿って移動するように、アーム基部をスライドさせる第1のスライド機構と、を有する。
この構成によれば、曲げ加工の進行に伴って被加工材のアーム部による把持位置が移動していくが、その移動方向のうちでも最も長い送り方向の移動距離を、旋回軸の移動により賄うことができる。これにより、被加工材の把持位置をアーム部で常に把持し続けたまま、曲げ加工を最後まで行うことができる。したがって、曲げ加工中の被加工材の撓みによる正規形状からのずれを補正して高精度の曲げ加工部品を製造することができる。しかも、第1の移動直線軌跡に沿った旋回軸の移動距離によって、把持位置の送り方向に沿った移動距離を吸収できるので、長いアーム部を持つ高価なロボットを装備せずに済み、設備建造コストを下げられる。これにより、曲げ加工部品の製造コストを下げることも可能になる。
上記(7)~(12)の態様に係る曲げ加工方法は、曲げ力付与工程が、アーム部の基端にある旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿ってスライドするように、旋回軸が接続されたアーム基部をスライドさせるアーム部移動工程を有する。
この曲げ加工方法によれば、上記(1)~(6)の態様に係る曲げ加工装置と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、この曲げ加工方法によれば、曲げ加工の進行に伴って被加工材のアーム部による把持位置が移動していくが、その移動方向のうちでも最も長い送り方向の移動距離を、アーム部移動工程により賄うことができる。これにより、被加工材の把持位置をアーム部で常に把持し続けたまま、最後まで曲げ加工を加えることができる。したがって、曲げ加工中の被加工材の撓みによる正規形状からのずれを補正して高精度の曲げ加工部品を製造することができる。しかも、アーム部移動工程の移動距離により把持位置の送り方向に沿った移動距離を吸収できるので、長いアーム部を持つ高価な曲げ力付与部を装備せずに済み、設備建造コストを下げられる。これにより、曲げ加工部品の製造コストを下げることも可能になる。
本発明の第1実施形態に係る曲げ加工装置を模式的に示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る曲げ加工装置を模式的に示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る曲げ加工装置を模式的に示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る曲げ加工装置の要部を模式的に示す平面図である。 延長線EXと第1の移動直線軌道TRの間の相対位置関係と協調制御有無との組み合わせのバリエーションである、CASE1~6を説明するための平面図である。 アームの長さを説明するための平面図であり、(a)~(c)がアームを屈曲させた状態を示し、(d)がアームを直線的に伸ばした状態を示す。 従来の曲げ加工装置の一例を示す斜視図である。 従来の曲げ加工装置の他の例を示す斜視図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
以降の説明では、鋼製(金属製)で円形又は矩形の横断面形状を有する中空の被加工材Pmを素材とし、この被加工材Pmを曲げ加工することにより、自動車や各種機械に用いられる強度部品、補強部品または構造部品等の曲げ加工部品を製造する場合について説明する。被加工材Pmとしては、円形の横断面形状を持つ円管や、矩形の横断面形状を持つ角管の他、楕円形や各種異形の横断面形状を有する鋼管にも適用可能である。さらに言うと、鋼管以外の金属管を被加工材Pmとしてもよい。
なお、各実施形態において共通する構成要素には、同一符号を付してそれらの重複説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
[曲げ加工装置]
図1は、本実施形態に係る曲げ加工装置を模式的に示す平面図である。図1において、紙面左に向かう+X方向は、被加工材Pmの送り方向である。また、図1において、紙面下方向に向かう+Y方向は、水平面内においてX軸方向に直交してかつ被加工材Pmの進行方向を見て左に向かう方向である。そして、紙面に対して垂直手前側を向く+Z方向は、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する高さ方向である。ここで、+X方向は、X軸の+方向を意味する。+X方向の逆方向は-X方向となる。また、Y軸の+方向を意味する。+Y方向の逆方向は-Y方向となる。同様に、Z軸の+方向を意味する。+Z方向の逆方向は-Z方向となる。+X方向と-X方向の両方を含めた方向をX軸方向とする。また、+Y方向と-Y方向の両方を含めた方向をY軸方向とする。同様に、+Z方向と-Z方向の両方を含めた方向をZ軸方向とする。以上の方向に関する説明は、以下の説明及びこれに続く各実施形態の説明において共通である。なお、Z軸のことを鉛直軸線と呼ぶ場合がある。
図1に示すように、この曲げ加工装置は、送り部10と、支持部20と、加熱部30と、冷却部40と、曲げ力付与部50と、制御部60と、を備える。
(1)送り部10
送り部10は、送り治具11と押し出し部12を備え、被加工材Pmを+X方向に向かって断続的または連続的に送る。送り治具11は、例えば、チャック機構により把持して送る構成でもよいし、接触により押すだけの構成でも良い。この送り部10の駆動手段としては、電動サーボシリンダーを用いたタイプが例示されるが、特定型式のものに限らず、ボールネジを用いたタイプやタイミングベルトやチェーンを用いたタイプ等、公知のものが採用できる。
(2)支持部20
支持部20は、被加工材Pmの送り方向に沿って送り部10よりも下流にある第1の位置Aに配置されている。本実施形態では、支持部20としてブロックを用いている。ブロックは、被加工材Pmが隙間を有して挿通することができる貫通穴21を有する。図示を省略するが、ブロックを複数分割し、油圧シリンダーやエアシリンダーを接続し、被加工材Pmを挟持して支持する構成としてもよい。また、支持部20は、特定型式のものに限定されず、この種の支持装置として公知のものが採用できる。例えばその他の構成として、互いに対向配置される一対の孔型のロールを1組もしくは2組以上並設して用いることが可能である。
支持部20は、図示されない搭載台上に固定配置されている。しかし、この態様のみに限定されるものではなく、支持部20を産業用ロボットのエンドエフェクター(図示略)によって支持してもよい。
被加工材Pmは、支持部20が設置された第1の位置Aを通過した後、さらに+X方向へ送られる。
(3)加熱部30
加熱部30は、被加工材Pmの送り方向に沿った第1の位置Aよりも下流にある第2の位置Bに配置されている。加熱部30は、支持部20から送られてくる被加工材Pmの長手方向の一部分における横断面の全周を加熱する。加熱部30として誘導加熱装置を用いる。この誘導加熱装置は、被加工材Pmを例えば高周波誘導加熱することができるコイルを有するものであればよく、公知のものが採用できる。加熱部30の設置手段としては、例えば周知慣用の産業用ロボットのエンドエフェクターを例示することができるが、公知のものが採用可能である。
加熱部30の加熱コイルは、被加工材Pmの外表面から所定の距離だけ離れて、被加工材Pmの長手方向の一部における横断面の全周を囲むように、配置される。そして、被加工材Pmは、加熱部30により部分的に急速加熱される。
(4)冷却部40
冷却部40は、被加工材Pmの送り方向に沿った第2の位置Bよりも下流にある第3の位置Cに配置される。冷却部40は、被加工材Pmのうち、第2の位置Bで加熱された部分を急速に冷却する。被加工材Pmは、冷却部40で冷却されることによって、加熱部30により加熱された第1の部分と、冷却部40により冷却された第2の部分との間の部分が、高温であって変形抵抗が大幅に低下した状態となる。冷却部40は、前記加熱コイルの下流側直後に隣接配置された一次冷却装置41を備える。必要に応じて、この一次冷却装置41の下流側に並べて他の冷却装置(二次冷却装置。不図示)を併設してもよいし、または、図1に示すように一次冷却装置41のみを備えてもよい。
(5)曲げ力付与部50
曲げ力付与部50は、被加工材Pmの送り方向に沿った第3の位置Cよりも下流にある第4の位置Dに配置される。曲げ力付与部50は、被加工材Pmの把持位置を二次元方向または三次元方向に移動させる。これにより、曲げ力付与部50は、被加工材Pmの曲げ加工を行う。
曲げ力付与部50は、架台51と、第1のスライド機構52と、産業用ロボット53とを備える。
架台51は、第4の位置Dに固定配置されている。架台51はX軸方向に長く、その幅方向(Y軸方向)中央位置を通る第1の移動直線軌道TRが、平面視で、第1の位置Aにおける被加工材Pmの軸線CLの延長線EXと平行でかつ、延長線EXから+Y方向に寸法shだけシフトした位置に配置されている。なお、ここで言う「平行」は、曲げ加工装置の各構成機器の配置精度及び動作精度による多少のずれを許容するものであり、厳密な平行のみに限定解釈されるものではない。
第1のスライド機構52は、一対のレール52aと、1本のボールねじ52bと、モータ52cと、台車52dとを備える。
一対のレール52aは、架台51の上面に、X軸方向に沿って互いに平行に敷設されている。これらレール52aの高さは、X軸方向の各位置において同じである。これらレール52aは、図1に示す平面視において、前記延長線EXに平行かつ+Y方向にシフトした位置に並んで配置されている。平面視して、一対のレール52aに平行であり、かつ、後述するアーム部53eの基端にある旋回軸SAの中心が通る仮想直線CL1上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。アーム部53eの基端とはアーム53bの基端である。
本実施形態では、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRは、平面視して、一対のレール52aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置に位置する。仮想直線CL1及び仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRは、最も外側にある2本のレール52a間の間隔の中央位置に位置しなくてもよい。
ここで、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRについて補足説明する。
後述する本体(アーム基部)53aを移動させる装置構成として、例えば本実施形態のように2本の互いに平行なレール52aを採用した場合は、平面視して、これら2本のレール52aと平行であり、旋回軸SAの中心が通る仮想直線CL1上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
または、本体53aを移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合(不図示)は、平面視して、これら1本または3本以上の直線レールと平行であり、旋回軸SAの中心が通る仮想直線CL1上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
なお、旋回軸SAがスライドする範囲とは、被加工材Pmから製品を形成するために必要となる、前記仮想直線CL1上における旋回軸SAの移動範囲である。旋回軸SAは、本体53aに接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸SAがスライドする範囲は、本体53aのスライド範囲と同じである。よって、旋回軸SAと本体53aは、第1の移動直線軌跡TRを共有する関係にある。図1の場合、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRは、一端TRa及び他端TRb間を結ぶ線分に沿って移動する旋回軸SAの軌跡であり、ボールねじ52bの長さ及び一対のレール52aの長さよりも短い。また、第1の移動直線軌跡TRは、平面視で、ボールねじ52bの軸線上に重なる。
図1では、旋回軸SAの移動範囲である仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRは、平面視して、一対のレール52aのレール間隔の中央位置に一致する。この場合、産業用ロボット53の重心バランスが安定化しやすいため好ましい。産業用ロボット53の重心は、アーム基部(本体53a)とアーム部53eを含む重量を考慮する必要があるが、アーム部53eは本体53aに比べて重量が小さいため、重心は旋回軸SAの中心と考えて差支えないからである。第1の移動直線軌跡TRは、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置や、第1の移動直線軌跡TRと一致しなくともよい。アーム部53eが比較的長い産業用ロボットの場合は、重心バランスを考慮して、第1の移動直線軌跡TRを最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置からオフセットさせても良い。また、後述する図2では、ボールねじ52bの軸線についても、平面視して、一対のレール52aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置に位置し、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRと一致する。この構成の場合、ボールねじ52bに過度の力が掛からないようにできるため好ましい。ボールねじ52bの軸線は、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置や、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡と一致しなくともよい。
なお、本明細書中では、「直線」と記載しているものについては、特記するものを除き、有限の長さを有する「線分」の意味で用いる。例えば上述の「第1の移動直線軌跡TR」については、本来は加工する製品の長さに応じた有限の長さを有しているため、「第1の移動線分軌道TR」とするべきところであるが、一般的な用語ではないため、通例に準じて「第1の移動直線軌跡TR」と称する。
第1の移動直線軌跡TRは、図1においては送り軸CLの延長線EX上に存在することを原則とするが、施工上避けられない程度のY軸方向のずれは許容される。ただしその場合でも送り軸CLの延長線EXに対し遠ざかる方向にずらすことが好ましい。
ボールねじ52bは、架台51の上面に、X軸方向に沿って敷設されている。ボールねじ52bの高さは、X軸方向の各位置において同じである。ボールねじ52bは、図1に示す平面視において、延長線EXと平行でかつ、延長線EXから+Y方向に寸法shだけシフトした位置に配置されている。ボールねじ52bは、一対のレール52a間の位置に、これらレール52aと平行に配置されている。ボールねじ52bは、第3の位置Cに近い一端部と、第3の位置Cから遠い他端部との2点において、回転自在に軸支されている。
モータ52cは、架台51の上面に対して固定されている。また、モータ52cは、ボールねじ52bの前記他端に対して同軸に接続されており、ボールねじ52bを正回転または逆回転させる。モータ52cは、サーボモータであり、その回転量及び回転速度を制御部60からの指示を受けることで制御できる。
台車52dは、その下面に不図示のボールベアリングを複数備えている。これらボールベアリングは、各レール52aのガイドを受けながら、+X方向及び-X方向に沿って直線的に走行可能である。よって、台車52dは、+X方向及び-X方向に沿って走行可能である。台車52dの幅方向中央位置には、X軸方向に沿った軸心を持つ雌ねじ(不図示)が形成されている。この雌ねじには、ボールねじ52bが挿通した状態で螺合している。したがって、モータ52cを正回転させると台車52dが+X方向に向かって移動し、モータ52cを逆回転させると台車52dが-X方向に向かって移動する。この移動の際、台車52dは、一対のレール52aによるガイドを受けて直線状に往復動することができる。また、モータ52cの回転量を制御することにより、台車52dの移動距離も任意に制御できる。よって、モータ52c及びボールねじ52bの組み合わせを、スライド駆動部が備える。
上記構成を有する第1のスライド機構52は、平面視で定位置に固定されている。より具体的には、架台51が床面(接地面)に据え付け固定されている。このように据え付け固定した場合、産業用ロボット53による被加工材Pmへの曲げ力付与に関する制御を行いやすいという利点がある。加えて、産業用ロボット53の支持構造の剛性向上と、それに伴う加工精度向上という利点もある。
従来の位置固定された産業用ロボット70(図1参照)では、ハンド73cのX軸方向に沿った移動をアーム73bの動きで行っていた。本実施形態では、ハンド53cのX軸方向に沿った移動を、台車52dのX軸方向に沿った移動(すなわち、本体53aのX軸方向に沿った移動)のみで行うことができる。あるいは、ハンド53cのX軸方向に沿った移動を、台車52dのX軸方向に沿った移動とアーム部53eの動きとの組み合わせにより行ってもよい。
なお、本実施形態では、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように本体(アーム基部)53aをスライドさせるスライド駆動部として、ボールねじ52b及びモータ52cの組み合わせを備える場合を例示したが、本発明のスライド駆動部はこの構成のみに限定されない。本体53aの位置を移動させられる機構であればよく、例えばピニオンラック機構など、その他の駆動機構をスライド駆動部として採用してもよい。
同様に、本実施形態では、台車52dに前記ボールベアリングを備える構成としたが、この構成のみに限られない。前記ボールベアリングの代わりに複数の車輪を台車52dに備え、各レール52aのガイドを受けながら台車52dを+X方向及び-X方向に沿って直線的に走行させてもよい。
産業用ロボット53は、本体(アーム基部)53aと、アーム部53eとを備える。アーム部53eは、アーム53bと、ハンド53cとを備える。アーム部53eのアーム53b及びハンド53cの駆動制御は、後述の制御部60からの指示を受けて行われる。
本体53aは、台車52d上に対して一体に固定されている。
アーム53bは、単関節または複数関節を有し、この関節において屈曲することで、ハンド53cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることができる。本実施形態のアーム53bは、一般的な長さを有する汎用品を用いることができる。アーム53bの基端には、旋回軸SAが備えられている。この旋回軸SAが本体53aに接続されることで、アーム53bが本体53aに軸支される。また、本体53aには、旋回軸SAをその中心軸線回りに回転駆動する旋回駆動部(不図示)が備えられている。また旋回軸SAを回転させる前記旋回駆動部(不図示)は、旋回軸SA自体に内蔵されていてもよいし、あるいは、この旋回軸SAが接続される本体53aに設けられていてもよい。また、アーム部53eの各アーム間の関節箇所には、この関節を支点とする各アームの動きを駆動する駆動源(不図示)が内蔵されている。同様に、アーム53bとハンド53cとの接続箇所にも、アーム53bに対するハンド53cの相対的動作を駆動する駆動源(不図示)が内蔵されている。
ハンド53cは、被加工材Pmの先端部近傍にある把持部gを挟んで把持する。把持部gの位置は、被加工材Pmの先端部近傍にあってハンド53cにより把持される部分の、中心軸線上の位置である。なお、ハンド53cは、被加工材Pmをその外方より把持する構成のみに限らず、その他の保持機構を採用してもよい。例えば、ハンド53cとして複数本の爪(不図示)を備え、これら爪を被加工材Pmの開口端内に挿入後に開いて内方より保持する構成を採用してもよい。
(6)制御部60
制御部60は、送り部10、支持部20、加熱部30、冷却部40、曲げ力付与部50、の各部動作を統合的に制御する。この制御部60からの指示を受けて各部動作が制御されることにより、後述の曲げ加工方法が行われる。例えば、制御部60から産業用ロボット53と第1のスライド機構52に対して駆動制御用の信号を送ることで、アーム部53e(アーム53b及びハンド53c)と本体53aを載せている台車52dの動きを制御する。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り部10と;被加工材Pmを、送り部10よりも下流位置で支持する支持部20と;被加工材Pmを、支持部20よりも下流位置で部分的に加熱する加熱部30と;被加工材Pmを、加熱部30よりも下流位置で冷却する冷却部40と;被加工材Pmを、冷却部40よりも下流位置で把持して曲げ力を付与する曲げ力付与部50と;を備える。
そして、曲げ力付与部50が、被加工材Pmを把持したまま把持位置(把持部gの位置)を三次元方向に移動させるアーム部53eと;アーム部53eの基端にある旋回軸SAが接続され、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するようにスライドする本体53a(アーム基部)と;旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように、本体53aをスライドさせる第1のスライド機構52と、を有する。
そして、本実施形態では、図1に示す平面視で、支持部20の位置(第1の位置A)における被加工材Pmの送り方向に沿った軸線の延長線EXと、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとが、互いに平行をなしている。このように平行に配置することで、斜めに配置する場合に比べてY軸方向への移動ロスが減るので、X軸方向に沿ったアーム53bによるハンド53cの移動ストロークを最大限に利用できる。ただし、左右作り分けのように複数形状の部品を作り分ける必要がない場合は、製品形状に合わせて、平面視で平行ではなく斜めにしてもよい。一方、左右作り分けが必要である場合は、後述の第4実施形態で説明するように、XY平面上で回転させる(Z軸回りに回転させる)ことも有効である。この場合、Z軸回りの回転は、図示されないモータ及びギヤの組み合わせによる電動としてもよいし、あるいは、図示されないハンドル及びギヤの組み合わせによる手動としてもよい。
[曲げ加工方法]
上記構成を有する曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法について、以下に説明する。
図1において、まず始めに、被加工材Pmを、送り部10によりその長手方向へ相対的に送りながら、第1の位置Aに配置された支持部20と、第4の位置Dに配置されたハンド53cとにより支持する。なお、この時点の被加工材Pmは曲げ部のない真っ直ぐな形状となっている。
このように被加工材Pmを支持した後、第2の位置Bにおいて、送られてくる被加工材Pmを加熱部30によって部分的に急速加熱する。この時の被加工材Pmの加熱温度は、鋼を素材とした場合には、被加工材Pmを構成する鋼のAc3点以上とすることが望ましい。Ac3点以上とすることにより、加熱に続いて行われる冷却時の冷却速度を適宜設定することによって被加工材Pmを焼入れすることができる。しかも、被加工材Pmの変形抵抗を、部分的な曲げを加えられる程度に低下させることができる。
続いて、第3の位置Cにおいて、冷却部40のノズルから冷却媒体を被加工材Pmへ向けて噴射する。これにより、被加工材Pmのうち加熱された部分を冷却する。被加工材Pmの鋼種にもよるが、この冷却時の冷却速度を100℃/秒以上とすることにより、曲げ部Pbに焼入れを行ってその強度を高めることができる。
この冷却によって、被加工材Pmに、加熱部30により加熱された第1の部分と、冷却部40により冷却された第2の部分とが形成される。被加工材Pmの第1の部分と第2の部分との間は、高温状態にあってその変形抵抗が大幅に低下する。
第4の位置Dでは、被加工材Pmの送りに同期して、+X方向に向かって同じ送り速度で台車52dを一対のレール52a上において走行させる。この時の台車52dの送り速度及び送り量は、モータ52cの回転速度及び回転量を制御部60が制御することによって調整できる。
被加工材Pmを曲げずに真っ直ぐ送る場合は、把持部gを把持するハンド53cも、平面視で延長線EXに沿って移動する。この時のハンド53cは、台車52dと同じ送り速度及び送り量で+X方向に移動する。なお、本体53a及び旋回軸SAは、台車52dに対して固定されたものであるから、台車52dの動きは、本体53a及び旋回軸SAの動きと同じである。また、ここでは、後述の「協調制御」をしない場合について説明しているが、図5等を用いて後述するように、必要に応じて協調制御を行ってもよい。
被加工材Pmは、その把持部gがハンド53cで把持されているため、Z軸方向における撓みを生じることがない。また、被加工材Pmが長尺で自重により撓みを生じやすい場合には、ハンド53cのZ軸方向の位置を制御することにより、撓みによる正規形状からのずれを補正できる。また、中空素材Pmの造管時の残留応力や反り、その他の要因により発生しうるY軸方向およびZ軸方向の正規形状からのずれについても同様に補正できる。ここで、正規形状とは、曲げ加工部品において設計形状に対し許容される公差を含めた形状を意味する。
一方、被加工材Pmに曲げ力を付与する場合は、アーム53bを旋回及び屈曲させることにより、被加工材Pmの送りに同期しながらハンド53cの把持部gの位置を三次元方向に変更させる。これにより、図1に示すように、被加工材Pmのうちで変形抵抗が大幅に低下した部分が曲がって曲げ部Rが形成される。
把持部gの位置を+Y方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し+Y方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を-Y方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し-Y方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を+Z方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し+Z方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を-Z方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し-Z方向に曲がる曲げ部Rが形成される。
被加工材Pmに曲げを加える場合及び加えない場合の双方において、被加工材Pmが部分加熱及び冷却によって変態膨張する場合は、その伸び代を、台車52dの送り速度と、ハンド53cによって被加工材Pmの把持部gに付与される速度との合成成分の速度を、被加工材Pmの送り速度よりも速くすることで、吸収することもできる。その他、台車52dの送り速度を被加工材Pmの送り速度よりも遅くした場合は、被加工材Pmの加熱部に対して圧縮を加えることもできる。逆に、台車52dの送り速度を被加工材Pmの送り速度よりも速くした場合は、被加工材Pmの加熱部に対して引っ張りを加えることもできる。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法によれば、被加工材Pmに多様な曲げ部Rを連続的あるいは断続的に形成して曲げ加工部品を製造することができる。加えて、上述のように被加工材Pmの自重による正規形状からのZ方向のずれも補正可能としている。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工方法は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aで支持する支持工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aよりも下流の第2の位置Bで部分的に加熱する加熱工程と;被加工材Pmを、第2の位置Bよりも下流の第3の位置Cで冷却する冷却工程と;被加工材Pmを、第3の位置Cよりも下流の第4の位置Dでアーム部53eにより把持し、アーム部53eによる把持位置を、少なくとも送り方向を含む三次元方向に移動させる曲げ力付与工程と;を有する。そして、前記曲げ力付与工程が、アーム部53eの基端にある旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿ってスライドするように、旋回軸SAが接続された本体53a(アーム基部)をスライドさせるアーム部移動工程を有する。
さらに、このアーム部移動工程では、第1の位置Aにおける被加工材Pmの送り方向に沿った軸線CLの延長線EXと、アーム53bの旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとが、平面視で平行かつ、延長線EXから+Y方向に寸法shだけシフトしている。
上記本実施形態の構成及び方法に対し、従来は、図1に二点鎖線で示すように、床面上の定位置に固定された産業用ロボット70で曲げ加工を行っていた。産業用ロボット70は、平面視で被加工材Pmの側方に離れた位置に据え付けられており、その本体73aが定位置に固定されている。そして、この本体73aから把持部gに向かって多関節のアーム73bが延在しており、その先端にハンド73cが接続されている。ハンド73cにより、被加工材Pmの把持部gを把持する。
この従来構造の場合は、被加工材Pmの+X方向に沿った送りに同期してアーム73bを旋回及び伸展あるいは屈曲させながら把持部gを支え続けるため、従来よりも長尺(2000mm超かつ3500mm以下。例えば3000mm)の被加工材Pmを曲げ加工するためには、図1に示すように極めて長い全長を持つアーム73bが必要となる。このような長いアーム73bを備える産業用ロボット70は高価であるため、設備建造コストの増大を招く。
X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のうち、把持部gの移動量としてはX軸方向の移動量が圧倒的に大きい。そこで、本実施形態の曲げ加工装置では、X軸方向の移動量を台車52dのスライド動作によって行わせている。そのため、アーム53bの全長を長くする必要がなく、汎用の産業用ロボット53を利用できる。よって、設備建造コストを抑えられるので、曲げ加工部品を低コストに製造することが可能になる。
しかも、曲げ力付与部50は、そのアーム53b及びハンド53cのX軸方向に沿った移動量が大きくとれるため、この産業用ロボット53によって図示されない払い下げ場所に、製造後の曲げ加工部品を払い下げることも可能になる。
また、本実施形態では、図1に示す平面視において、第1の移動直線軌跡TRが延長線EXに対して「平行」かつ「シフト」するように曲げ力付与部50を配置している。そして、第1の移動直線軌跡TRを「平行」とすることにより、第1の移動直線軌跡TRの長さを最大限に生かせるので、短いアーム53bを持つ汎用の産業用ロボット53を採用できる。よって、設備建造コストを下げることができる。加えて、第1の移動直線軌跡TRを「平行」とすることにより、延長線EX及び第1の移動直線軌跡TR間の相対位置を一定に保てるので、曲げ力を付与する際の制御が容易になる。
さらに、上記「平行」に加えて「シフト」を組み合わせたことにより、より安価で汎用性のある産業用ロボット53を採用できる。よって、設備建造コストをさらに下げることが可能になる。加えて、アーム53bの動きを単純にすることもできる。
延長線EXと移動直線軌道TRの間の相対位置関係と協調制御有無との組み合わせのバリエーションとして、例えば、図5に示すCASE1~6が考えられる。なお、これらCASE1~6は、被加工材Pmを単円弧の形状に曲げ加工する場合の例示であるが、被加工材Pmを単円弧以外の形状に曲げ加工する場合を除外するものではない。
協調制御の有無は、ハンド53cに、移動直線軌道TR方向の動きを行わせるか否かである。より正確には、アーム53bの動きによって、ハンド53cに、本体53a(アーム基部)に対する移動直線軌道TR方向の相対的な動きを行わせるか否かである。
ここで、先に図5の各符号について説明する。符号dは、アーム53bを最も短く折り畳んだときの、平面視における把持部gの位置から旋回軸SAまでの直線距離を示す。また、符号d’は、先端a及び後端bを有する曲がり部品を作るのに必要な、平面視における把持部gの位置から旋回軸SAまでの直線距離を示す。このときのアーム53bは、その2本のアーム部品間の関節(図6の関節e)における開き角度を180°に広げた状態となる。把持部gの位置から旋回軸SAまでの直線距離d、d’は、アーム53bの基端にある旋回軸SAの中心からハンド53cによる把持部gの位置までの間の長さを意味する。ここで言う「ハンド53cによる把持部gの位置」とは、ハンド53cにより把持される被加工材Pmの把持部gの位置(点)に重なる、ハンド53c内の位置(点)である。
図5に示す直線距離d、d’と、アーム部53eの動きとの関係について補足説明しておく。
図1に示す産業用ロボット53では、ハンド53cの向きを、アーム53bとの取付位置に対してZ軸回りに回転させることができる。つまり、アーム53bの屈曲動作や旋回動作とは別に、ハンド53cの向きも変えることができる。そのため、旋回軸SAから把持部gの位置までの直線距離d、d’は、アーム53bの屈曲状態と、ハンド53cの向きと、によって決まる。例えば、アーム53bをXY平面(水平面)に沿って直線的に伸展させた状態では、旋回軸SAから把持部gの位置までの直線距離dは、ハンド53cの向きをアーム53bと同じ伸展方向に向けた場合よりも、ハンド53cの向きを前記伸展方向に対して傾けた場合の方が短くなる。また、ハンド53cを平面視でアーム53bの先端に鉛直下方を向けて取り付けた場合、旋回軸SAから把持部gの位置までの直線距離dを、アーム53bの全長に略等しくすることもできる。これら説明は、直線距離d’についても同様である。
以上説明のように、図5に示す直線距離d、d’は、アーム53bの屈曲状態と、ハンド53cの向きと、の組み合わせをもって適宜実現される。
CASE1~6のうち、CASE1,3,5は、協調制御を行わない場合、すなわちアーム部53eに移動直線軌道TR方向の動きを行わせない場合を示す。また、CASE2,4,6は、協調制御を行う場合、すなわちアーム部53eに移動直線軌道TR方向の動きを行わせる場合を示す。
これらCASE1~6のうち、本実施形態は、CASE1,2に該当する。ここで、旋回軸SAの移動と、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きとを、1つの動きに組み合わせる。これにより、ハンド53cを、第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させるが、本実施形態の場合で言うと、旋回軸SAのX軸方向の移動の一部を、アーム部53eのハンド53c及びアーム53bにも分担させる。すなわち、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きとして、移動直線軌道TR方向(ここではX軸方向)と直交する方向(ここではY,Z軸方向)に加え、X軸方向の動きもさせる。このようにして、ハンド53cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることを、協調制御と言う。一方、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きに、X軸方向と直交する方向(ここではY,Z軸方向)の動きをさせてX軸方向の動きを分担させないことを、協調制御を行わないと言う。
以降のCASE1~6の説明では、曲げ加工を、水平面上で、移動直線軌道TR方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に行うものとして説明することとする。
協調制御を行うと、アーム53bの長さを長くすることなく、移動直線軌道TRの長さも短くできるので好ましい。
協調制御を行わないCASE1では、シフト量shを、平面視での曲がり部品のY軸方向の曲がり量と、アーム53bを平面視で最も短く折りたたんだときの前記直線距離dとの和の値とすることが好ましい。すなわち、シフト量shを、加工開始段階での前記直線距離d’に等しくすることが好ましい。そして、加工終了段階では、アーム53bを平面視で最も短く折りたたむことで前記直線距離dに近付けることが好ましい。それによりコンパクトな設備構成とすることができる。この場合、台車52dは、従来の装置構成で産業用ロボット70が担っていたX軸方向の動きを、産業用ロボット70に代わって担うこととなる。
一方で、CASE2に示すように、X軸方向の動きをアーム53bにも分担させる協調制御を行うこともできる。この協調制御により、産業用ロボット53のアーム53bの長さを協調制御しない場合に比べて長くすることなく、第1の移動直線軌跡TRの長さを短くすることも可能である。CASE2に示すように、シフト量shを、平面視での曲がり部品のY軸方向の曲がり量と同じ長さとすることが好ましい。すなわち、シフト量shを、加工開始段階での前記直線距離d’に等しくすることが好ましい。一方、曲げ加工途中では、アーム53bを平面視で最も短く折りたたむことで前記直線距離dに近付けることが好ましい。そして、加工終了段階では、アーム53bを平面視で最も長く伸展させることで前記直線距離d’を得てかつ、ハンド53cが第1の移動直線軌跡TRの延長線上に位置するようにすることが好ましい。
CASE1とCASE2を対比した場合、アーム53bを伸ばしたときの前記直線距離d’も、CASE2の方がCASE1よりも短くできる。
協調制御を行う場合、本体53aを載せている台車52dとアーム53bとハンド53cの各動作制御が複雑になるが、製造する曲がり部品の長さや曲がり具合によっては、トータルでの設備建造コストを低減できる場合もある。
CASE1とCASE2では、産業用ロボット53のアーム部53eの長さが短い条件での例を示したが、産業用ロボット53のアーム部53eの長さに余裕がある場合には、協調制御により第1の移動直線軌跡TRの長さをさらに短くすることもできる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を、図2を用いて以下に説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態で説明した構成に対し、曲げ力付与部の配置のみを変更している。よって、以下の説明においては、曲げ力付与部150以外の構成は上記第1実施形態の構成と同じであるとして重複説明を省略する。
[曲げ加工装置]
曲げ力付与部150は、被加工材Pmの送り方向に沿った第3の位置Cよりも下流にある第4の位置Dに配置される。曲げ力付与部150は、被加工材Pmの把持位置を二次元方向または三次元方向に移動させる。これにより、曲げ力付与部150は、被加工材Pmに曲げ力を付与する。
曲げ力付与部150は、架台151と、第1のスライド機構152と、産業用ロボット153とを備える。
架台151は、第4の位置Dに固定配置されている。架台151はX軸方向に長く、後述する第1の移動直線軌跡TRが、平面視で、第1の位置Aにおける被加工材Pmの軸線CLの延長線EXと一致するように配置されている。
第1のスライド機構152は、一対のレール152aと、1本のボールねじ152bと、モータ152cと、台車152dとを備える。
一対のレール152aは、架台151の上面に、X軸方向に沿って互いに平行に敷設されている。これらレール152aの高さは、X軸方向の各位置において同じである。これらレール152aは、図2に示す平面視において、前記延長線EXに平行かつ延長線EXを間に挟んで配置されている。そして、一方のレール152aと延長線EXとの間の間隔は、他方のレール152aと延長線EXとの間の間隔に等しい。ここで、平面視して、一対のレール152aに平行であり、後述するアーム部153eのアーム153bの基端にある旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、第1の移動直線軌跡TRとする。
ここで、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRについて補足説明する。
後述する本体(アーム基部)153aを移動させる装置構成として、例えば本実施形態のように2本の互いに平行なレール152aを採用した場合は、平面視して、これら2本のレール152aに平行であり、旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
または、本体153aを移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合(不図示)は、平面視して、旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
なお、旋回軸SAがスライドする範囲とは、被加工材Pmから製品を形成するために必要となる、前記仮想直線上における旋回軸SAの移動範囲である。旋回軸SAは、本体153aに接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸SAがスライドする範囲は、本体153aのスライド範囲と同じである。よって、旋回軸SAと本体153aは、第1の移動直線軌跡TRを共有する関係にある。図2の場合、第1の移動直線軌跡TRは、一端TRa及び他端TRb間を結ぶ直線に沿って移動する旋回軸SAの軌跡であり、ボールねじ152bの長さ及び一対のレール152aの長さよりも短い。
図2では、旋回軸SAの移動範囲である仮想直線上の第1の移動直線軌跡TRは、平面視して、一対のレール152aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置に一致する。この場合、産業用ロボット153の重心バランスが安定化しやすいため、好ましい。産業用ロボット153の重心は、本体153aとアーム部153eを含む重量を考慮する必要があるが、アーム部153eは本体153aに比べて重量が小さいため、重心の位置が旋回軸SAの中心の位置に一致すると考えて差支えないからである。第1の移動直線軌跡TRは、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置や、第1の移動直線軌跡TRと一致しなくともよい。アーム部153eが比較的長い産業用ロボット153を採用した場合は、産業用ロボット153全体としての重心バランスを考慮する。すなわち、第1の移動直線軌跡TRを、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置からオフセットさせても良い。
また、図2では、ボールねじ152bの軸線についても、平面視して、一対のレール152aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール152a間の中央位置に位置し、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRと一致する。この構成を採用することにより、ボールねじ152bに過度の力が掛からないようにできるため好ましい。ただし、ボールねじ152bの軸線は、最も外側に位置する2本のレール152a間の中央位置や、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRと一致しなくともよい。
第1の移動直線軌跡TRは、図2に示す平面視においては延長線EXと一致している。なお、ここで言う「一致」は、平面視において、曲げ加工装置の各構成機器の配置精度及び動作精度による多少のずれを許容するものであり、厳密に一致する場合のみに限定解釈されるものではない。
ボールねじ152bは、架台151の上面にX軸方向に沿って敷設されている。ボールねじ152bの高さは、X軸方向の各位置において同じである。ボールねじ152bは、図2に示す平面視において、延長線EXと一致している。よって、ボールねじ152bは、一対のレール152a間の位置に、これらレール152aと平行に配置されている。ボールねじ152bは、第3の位置Cに近い一端部と、第3の位置Cから遠い他端部との2点において、回転自在に軸支されている。
モータ152cは、架台151の上面に対して固定されている。また、モータ152cは、ボールねじ152bの前記他端に対して同軸に接続されており、ボールねじ152bを正回転または逆回転させる。モータ152cは、サーボモータであり、その回転量及び回転速度を、制御部60からの指示を受けて制御できる。
台車152dは、その下面に不図示のボールベアリングを複数備えている。これらボールベアリングは、各レール152aのガイドを受けながら、+X方向及び-X方向に沿って直線的に走行可能である。よって、台車152dは、+X方向及び-X方向に沿って走行可能である。台車152dの幅方向中央位置には、X軸方向に沿った軸心を持つ雌ねじ(不図示)が形成されている。この雌ねじには、ボールねじ152bが挿通した状態で螺合している。したがって、モータ152cを正回転させると台車152dが+X方向に向かって移動し、モータ152cを逆回転させると台車152dが-X方向に向かって移動する。この移動の際、台車152dは、一対のレール152aによるガイドを受けて直線状に往復動することができる。また、モータ152cの回転量を制御することにより、台車152dの移動距離も任意に制御できる。よって、モータ152c及びボールねじ152bの組み合わせを、スライド駆動部が備える。
なお、本実施形態では、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように本体(アーム基部)153aを第1の移動直線軌跡TRに沿ってスライドさせるスライド駆動部として、ボールねじ152b及びモータ152cの組み合わせを備える場合を例示したが、本発明のスライド駆動部はこの構成のみに限定されない。本体153aの位置を移動させられる機構であればよく、例えばピニオンラック機構など、その他の駆動機構をスライド駆動部として採用してもよい。
同様に、本実施形態では、台車152dに前記ボールベアリングを備える構成としたが、この構成のみに限られない。前記ボールベアリングの代わりに複数の車輪を台車152dに備え、各レール152aのガイドを受けながら台車152dを+X方向及び-X方向に沿って直線的に走行させてもよい。
産業用ロボット153は、本体153aと、アーム部153eを備える。アーム部153eは、アーム153bと、ハンド153cとを備える。アーム部153eのアーム153b及びハンド153cの駆動制御は、制御部60からの指示により行われる。
本体153aは、台車152d上に対して一体に固定されている。
アーム153bは、単関節または複数関節を有し、この関節において屈曲することで、ハンド153cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることができる。本実施形態のアーム153bは、一般的な長さを有する汎用品を用いることができる。
ハンド153cは、被加工材Pmの先端部近傍にある把持部gを挟んで把持する。なお、ハンド153cは、被加工材Pmをその外方より把持する構成のみに限らず、その他の保持機構を採用してもよい。例えば、ハンド153cとして複数本の爪(不図示)を備え、これら爪を被加工材Pmの開口端内に挿入後に開いて内方より保持する構成を採用してもよい。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り部10と;被加工材Pmを、送り部10よりも下流位置で支持する支持部20と;被加工材Pmを、支持部20よりも下流位置で部分的に加熱する加熱部30と;被加工材Pmを、加熱部30よりも下流位置で冷却する冷却部40と;被加工材Pmを、冷却部40よりも下流位置で把持して曲げ力を付与する曲げ力付与部150と;を備える。そして、曲げ力付与部150が、被加工材Pmを把持したまま把持位置(把持部gの位置)を三次元方向に移動させるアーム部153eと;アーム部153eの基端にある旋回軸SAが接続され、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するようにスライドする本体153a(アーム基部)と;旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように、本体153aをスライドさせる第1のスライド機構152と;を有する。
そして、本実施形態では、図2に示す平面視で、支持部20の位置(第1の位置A)における被加工材Pmの送り方向に沿った軸線を延長させた延長線EXと、本体153a(アーム基部)の第1の移動直線軌跡TRとが重なってかつ平行をなしている。
[曲げ加工方法]
上記構成を有する曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法について、以下に説明する。
図2において、まず始めに、被加工材Pmを、送り部10によりその長手方向へ相対的に送りながら、第1の位置Aに配置された支持部20と、第4の位置Dに配置されたハンド153cとにより支持する。なお、この時点の被加工材Pmは曲げ部のない真っ直ぐな形状となっている。
このように被加工材Pmを支持した後、第2の位置Bにおいて、送られてくる被加工材Pmを加熱部30によって部分的に急速加熱する。この時の被加工材Pmの加熱温度は、鋼を素材とした場合には、被加工材Pmを構成する鋼のAc3点以上とすることが望ましい。Ac3点以上とすることにより、加熱に続いて行われる冷却時の冷却速度を適宜設定することによって被加工材Pmを焼入れすることができる。しかも、被加工材Pmの変形抵抗を、部分的な曲げを加えられる程度に低下させることができる。
続いて、第3の位置Cにおいて、冷却部40のノズルから冷却媒体を被加工材Pmへ向けて噴射する。これにより、被加工材Pmのうち加熱された部分を冷却する。被加工材Pmの鋼種にもよるが、この冷却時の冷却速度を100℃/秒以上とすることにより、曲げ部Pbに焼入れを行ってその強度を高めることができる。
この冷却によって、被加工材Pmに、加熱部30により加熱された第1の部分と、冷却部40により冷却された第2の部分とが形成される。被加工材Pmの第1の部分と第2の部分との間は、高温状態にあってその変形抵抗が大幅に低下する。
第4の位置Dでは、被加工材Pmの送りに同期して、+X方向に向かって同じ送り速度で台車152dを一対のレール152a上において走行させる。この時の台車152dの送り速度及び送り量は、モータ152cの回転速度及び回転量を制御することによって調整できる。
被加工材Pmを曲げずに真っ直ぐ送る場合は、把持部gを把持するハンド153cも、平面視で延長線EXに沿って移動する。この時のハンド153cは、台車152dと同じ送り速度及び送り量で+X方向に移動する。被加工材Pmは、その把持部gがハンド153cで把持されているため、Z軸方向における撓みを生じることがない。また、被加工材Pmが長尺で自重により撓みを生じやすい場合には、ハンド153cのZ軸方向の位置を制御することにより、撓みによる正規形状からのずれを補正できる。また、中空素材Pmの造管時の残留応力や反り、その他の要因により発生しうるY軸方向およびZ軸方向の正規形状からのずれについても同様に補正できる。
一方、被加工材Pmに曲げを加える場合は、アーム153bを旋回及び屈曲させることにより、被加工材Pmの送りに同期しながら把持部gの位置を三次元方向に変更させる。これにより、図2に示すように、被加工材Pmのうちで変形抵抗が大幅に低下した部分が曲がって曲げ部Rが形成される。
把持部gの位置を+Y方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し+Y方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を-Y方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し-Y方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を+Z方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し+Z方向に曲がる曲げ部Rが形成される。把持部gの位置を-Z方向に移動させた場合には、被加工材Pmに対し-Z方向に曲がる曲げ部Rが形成される。
被加工材Pmに曲げを加える場合及び加えない場合の双方において、被加工材Pmが部分加熱及び冷却によって変態膨張する場合には、その伸び代を、台車152dの送り速度と、ハンド153cによって被加工材Pmの把持部gに付与される速度との合成成分の速度を、被加工材Pmの送り速度よりも速くすることで、吸収することもできる。その他、台車152dの送り速度を被加工材Pmの送り速度よりも遅くした場合は、被加工材Pmの加熱部に対して圧縮を加えることもできる。逆に、台車152dの送り速度を被加工材Pmの送り速度よりも速くした場合は、被加工材Pmの加熱部に対して引っ張りを加えることもできる。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法によれば、被加工材Pmに多様な曲げ部Rを連続的あるいは断続的に形成して曲げ加工部品を製造することができる。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工方法は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aで支持する支持工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aよりも下流の第2の位置Bで部分的に加熱する加熱工程と;被加工材Pmを、第2の位置Bよりも下流の第3の位置Cで冷却する冷却工程と;被加工材Pmを、第3の位置Cよりも下流の第4の位置Dでアーム部153eにより把持し、アーム部153eによる把持位置(把持部gの位置)を、少なくとも送り方向を含む三次元方向に移動させる曲げ力付与工程と;を有する。そして、前記曲げ力付与工程が、アーム部153eの基端にある旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿ってスライドするように、旋回軸SAが接続された本体153a(アーム基部)をスライドさせるアーム部移動工程を有する。
さらに、このアーム部移動工程では、第1の位置Aにおける被加工材Pmの送り方向に沿った軸線CLを延長させた延長線EXと、アーム部153eの基部である本体153aの第1の移動直線軌跡TRとが、平面視で重なってかつ平行をなしている。
上記本実施形態の構成及び方法に対し、従来は、図2に二点鎖線で示すように、床面上の定位置に固定された前記産業用ロボット70で曲げ加工を行っていた。
上記第1実施形態でも説明したように、この従来構造の場合は、被加工材Pmの+X方向に沿った送りに同期してアーム73bを旋回及び屈曲させながら把持部gを支え続けるため、従来よりも長尺(2000mm超かつ3500mm以下。例えば3000mm)の被加工材Pmを曲げ加工するためには、図2に示すように極めて長い全長を持つアーム73bが必要となる。このような長いアーム73bを備える産業用ロボット70は高価であるため、設備建造コストの増大を招く。
X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のうち、把持部gの移動量としてはX軸方向の移動量が圧倒的に大きい。そこで、本実施形態の曲げ加工装置では、X軸方向の移動量を台車152dのスライド動作によって行わせている。そのため、アーム部153eのアーム153bの全長を長くする必要がなく、汎用の産業用ロボット153を利用できる。よって、設備建造コストを抑えられるので、曲げ加工部品を低コストに製造することが可能になる。
しかも、曲げ力付与部150は、そのアーム部153eのアーム153b及びハンド153cのX軸方向に沿った移動量が大きくとれるため、この産業用ロボット153によって図示されない払い下げ場所に、製造後の曲げ加工部品を払い下げることも可能になる。
さらに言うと、本実施形態では、平面視で第1の移動直線軌跡TRが延長線EXに重なるように、曲げ力付与部150を配置している。より具体的には、アーム部153eの基端にある旋回軸SAの中心位置が、平面視で延長線EX上に重なるように位置している。被加工材Pmの曲げは、主に前記中心軸線CLを基準として、+Y方向、-Y方向、+Z方向、-Z方向に移動させることで行われる。そのため、本体153aの位置を前記基準に予め近付けた位置に極力近付けた本実施形態の構成によれば、必要とされるアーム153bの長さを最短にできる。したがって、台車152dのX軸方向に沿った第1のスライド機構152に加えて、台車152dの位置を平面視で延長線EXに重ねた配置とすることで、アーム153bの長さを最小限に抑えることができる。これにより、さらに設備建造コストを下げてより安価な曲げ加工部品を低コストに製造することが可能になる。
先に示した図5で言うと、本実施形態は、CASE3,4に該当する。
CASE3に示すように、協調制御を行わない場合、台車152dには、従来の装置構成で産業用ロボット70が担っていたX軸方向の動きを産業用ロボット70に代わって担わせることができる。
加工開始時には、ロボットアームの長さ、すなわちアーム部153eの長さを、アーム153bを平面視で見て最も短く折りたたんだときの長さとする。このとき、旋回軸SAから把持部gの位置までの距離が、前記直線距離dとなる。そして、加工開始とともに、アーム153bによってハンド153cを本体153aに対して第1の移動直線軌跡TRと垂直な方向(+Y方向)に相対的に動かしていく。そして、加工終了段階で、旋回軸SAから把持部gの位置までの距離が、前記直線距離d’となるように、アーム部53eの動きを制御する。
一方、CASE4に示すように、協調制御を行う場合、X軸方向の動きを台車152dだけでなく、アーム部153eによるハンド153cの台車152dに対する相対的な動きとして分担させることができる。
加工開始時には、アーム部153eの長さを、アーム153bを平面視で見て最も短く折りたたんだときの長さとする。このとき、旋回軸SAから把持部gの位置までの距離が、前記直線距離dとなる。そして、加工終了段階で、第1の移動直線軌跡TRと垂直な方向における、旋回軸SAから把持部gの位置までの距離が、前記直線距離d’になるように制御する。すなわち、ハンド153cに本体153aに対して-X方向の相対的な動きを分担させる。これにより、CASE3よりもCASE4の方が、前記直線距離d’を短くできる。この場合、協調制御は複雑になるものの、第1の移動直線軌跡TRの長さを短くすることができるため、トータルでの設備建造コストを低減できる。
CASE4とCASE5は、産業用ロボット153のアーム部153eの長さが短い条件での例を示したが、産業用ロボット153のアーム部153eの長さに余裕がある場合には、協調制御によれば第1の移動直線軌跡TRの長さをさらに短くすることもできる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を、図3を用いて以下に説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態で説明した構成に対し、曲げ力付与部の構成および配置のみを変更している。よって、以下の説明においては、曲げ力付与部250以外の構成は上記第1実施形態の構成と同じであるとして重複説明を省略する。
[曲げ加工装置]
本実施形態の曲げ加工装置の曲げ力付与部250は、被加工材Pmの送り方向に沿った第3の位置Cよりも下流にある第4の位置Dに配置される。曲げ力付与部250は、被加工材Pmの把持位置を二次元方向または三次元方向に移動させる。これにより、曲げ力付与部250は、被加工材Pmに曲げ力を付与する。
曲げ力付与部250は、基台254dと、第1のスライド機構252及び第2のスライド機構254と、産業用ロボット253とを備える。
架台251は、第4の位置Dにおいて+Y方向及び-Y方向に移動自在に配置されている。架台251は、X軸方向に長く、その幅方向(Y軸方向)中央位置を通る軸線が、平面視で、第1の位置Aにおける被加工材Pmの軸線CLの延長線EXに対して、一致、+Y方向にシフト、-Y方向にシフト、の何れかに調整可能である。
第1のスライド機構252は、一対のレール252aと、1本のボールねじ252bと、モータ252cと、台車252dとを備える。
一対のレール252aは、架台251の上面に、X軸方向に沿って互いに平行に敷設されている。これらレール252aの高さは、X軸方向の各位置において同じである。これらレール252aは、図3に示す平面視において、前記延長線EXに平行である。一対のレール252aは、平面視で、延長線EXに対して、一致、+Y方向にシフト、-Y方向にシフト、の何れかに調整可能である。平面視して、一対のレール252aに平行であり、後述するアーム部253eの基端にある旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
ここで、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRについて補足説明する。
後述する本体(アーム基部)253aを移動させる装置構成として、例えば本実施形態のように2本の互いに平行なレール252aを採用した場合は、平面視して、それら2本のレール252aに平行であり、旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
または、本体253aを移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合(不図示)は、平面視して、これら1本または3本以上の直線レールに平行であり、旋回軸SAの中心が通る仮想直線上で、旋回軸SAの中心がスライドする範囲の軌跡をもって、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRとする。
なお、旋回軸SAがスライドする範囲とは、被加工材Pmから製品を形成するために必要となる、前記仮想直線もしくは前記中心軸線上における旋回軸SAの移動範囲である。旋回軸SAは、本体253aに接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸SAがスライドする範囲は、本体253aのスライド範囲と同じである。よって、旋回軸SAと本体253aは、第1の移動直線軌跡TRを共有する関係にある。図3の場合、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRは、平面視でボールねじ252bの中心軸線上に重なる一端TRa及び他端TRb間を結ぶ直線(線分)に沿って移動する旋回軸SAの軌跡であり、ボールねじ252bの長さ及び一対のレール252aの長さよりも短い。
図3では、旋回軸SAの移動範囲である仮想直線上の第1の移動直線軌跡TRは、平面視して、一対のレール252aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置に一致する。この場合、産業用ロボットの重心バランスが安定化しやすいため好ましい。産業用ロボットの重心は、本体(アーム基部)253aとアーム部253eを含む重量を考慮する必要があるが、アーム部253eは本体253aに比べて重量が小さいため、重心は旋回軸SAの中心と考えて差支えないからである。第1の移動直線軌跡TRは、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置や、第1の移動直線軌跡TRと一致しなくともよい。アーム部253eが比較的長い産業用ロボットの場合は、重心バランスを考慮して、第1の移動直線軌跡TRを最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置からオフセットさせても良い。また、図2では、ボールねじ252bの軸線についても、平面視して、一対のレール252aの長手方向の各位置における最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置に位置し、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRと一致する。この構成によればボールねじ252bに過度の力が掛からないようにできるため好ましい。ボールねじ252bの軸線は、最も外側に位置する2本のレール間隔の中央位置や、仮想直線CL1上の第1の移動直線軌跡TRと一致しなくともよい。
第1の移動直線軌跡TRは、図3の状態で延長線EXと一致しているが、必要に応じて、+Y方向にシフトあるいは-Y方向にシフトさせることが可能である。
ボールねじ252bは、架台251の上面にX軸方向に沿って敷設されている。ボールねじ252bの高さは、X軸方向の各位置において同じである。ボールねじ252bは、図3に示す平面視において、前記延長線EXと平行に配置されている。よって、ボールねじ252bは、一対のレール252a間の位置に、これらレール252aと平行に配置されている。ボールねじ252bは、前記第3の位置Cに近い一端部と、第3の位置Cから遠い他端部との2点において、回転自在に軸支されている。
モータ252cは、架台251の上面に対して固定されている。また、モータ252cは、ボールねじ252bの前記他端に対して同軸に接続されており、ボールねじ252bを正回転または逆回転させる。モータ252cは、サーボモータであり、その回転量を制御できる。
台車252dは、その下面に不図示のボールベアリングを複数備えている。これらボールベアリングは、各レール252aのガイドを受けながら、+X方向及び-X方向に沿って直線的に走行可能である。よって、台車252dは、+X方向及び-X方向に沿って走行可能である。台車252dの幅方向中央位置には、X軸方向に沿った軸心を持つ雌ねじ(不図示)が形成されている。この雌ねじには、ボールねじ252bが挿通された状態で螺合している。したがって、モータ252cを正回転させると台車252dが+X方向に向かって移動し、モータ252cを逆回転させると台車252dが-X方向に向かって移動する。この移動の際、台車252dは、一対のレール252aによるガイドを受けて直線状に往復動できる。また、モータ252cの回転量を制御することにより、台車252dの移動距離も任意に制御できる。
第2のスライド機構254は、架台251と、一対のレール254aと、1本のボールねじ254bと、モータ254cとを備える。
一対のレール254aは、基台254dの上面に、Y軸方向に沿って互いに平行に敷設されている。これらレール254aの高さは、Y軸方向の各位置において同じである。これらレール254aは、図3に示す平面視において、前記延長線EXに直交配置されている。
本体(アーム基部)253aと共に架台251を移動させる装置構成として、例えば本実施形態のように2本の互いに平行なレール254aを採用した場合は、平面視して、これら2本のレール254aと平行であり、移動直線軌道TRの中央位置(中点)が通る仮想直線上で、移動直線軌道TRの中央位置がスライドする範囲の軌跡をもって、第2の移動直線軌跡TR1とする。
または、本体253aと共に架台251を移動させる装置構成として1本または3本以上の直線レールを採用した場合(不図示)は、平面視して、これら1本または3本以上の直線レールと平行であり、移動直線軌道TRの中央位置が通る仮想直線上で、移動直線軌道TRの中央位置がスライドする範囲の軌跡をもって、第2の移動直線軌跡TR1とする。
ここで、第2の移動直線軌道TR1は、旋回軸SAの中心を第1の移動直線軌跡TRの中央位置(中点)に位置させた場合に、第2のスライド機構254によって第1の移動直線軌跡TRがスライドする範囲の軌跡と一致する。
旋回軸SAは、本体253aに接続されて一体をなしてスライドするものであるので、旋回軸SAがスライドする範囲は、本体253aのスライド範囲と同じである。よって、旋回軸SAの中心を第1の移動直線軌跡TRの中央位置(中点)に位置させた場合、これら旋回軸SAと本体253aは、互いに、第2の移動直線軌跡TR1を共有する関係にある。第2の移動直線軌跡TR1は、図3に示すように、一端TR1a及び他端TR1b間を結ぶ直線状の線分であり、ボールねじ254bの長さ及び一対のレール254aの長さよりも短い。
ボールねじ254bは、基台254dの上面にY軸方向に沿って敷設されている。ボールねじ254bの高さは、Y軸方向の各位置において同じである。ボールねじ254bは、図3に示す平面視において、前記延長線EXに対して直交するように配置されている。ボールねじ254bは、一対のレール254a間の位置に、これらレール254aと平行に配置されている。ボールねじ254bは、その両端の2点において、基台254d上に、回転自在に軸支されている。
モータ254cは、基台254dの上面に対して固定されている。また、モータ254cは、ボールねじ254bの前記他端に対して同軸に接続されており、ボールねじ254bを正回転または逆回転させる。モータ254cは、サーボモータであり、その回転量及び回転速度を制御できる。
架台251は、その下面に不図示のボールベアリングを複数備えている。これらボールベアリングは、各レール254aのガイドを受けながら、+Y方向及び-Y方向に沿って直線的に走行可能である。よって、架台251は、+Y方向及び-Y方向に沿って走行可能である。架台251には、Y軸方向に沿った軸心を持つ雌ねじ(不図示)が形成されている。この雌ねじには、ボールねじ254bが挿通された状態で螺合している。したがって、モータ254cを正回転させると架台251が+Y方向に向かって移動し、モータ254cを逆回転させると架台251が-Y方向に向かって移動する。この移動の際、架台251dは、一対のレール254aによるガイドを受けて直線状に往復動することができる。また、モータ254cの回転量を、制御部60からの指示を受けて制御することにより、架台251の移動距離も任意に制御できる。
なお、上記構成の第2のスライド機構254において、ボールねじ254b及びモータ254cの組み合わせからなるスライド駆動部を備える場合を例示したが、これに限らず、このスライド駆動部を備えなくてもよい。この場合、架台251の位置固定を解除した後に、手動で架台251をY軸方向に沿って移動させてもよい。
さらには、上記構成の第2のスライド機構254の代わりに、図示されないクレーンを用いて、産業用ロボット253を載せた架台251をY軸方向に沿って移動させてもよい。この場合、Y軸方向の移動後は、図示されないボルト、ピン、あるいは楔状のキーで床面に架台251を固定してもよい。
以上説明の第1のスライド機構252及び第2のスライド機構254の組み合わせにより、XYテーブルが構成される。
なお、本実施形態では、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように本体(アーム基部)253aをスライドさせる第1のスライド機構252として、ボールねじ252b、モータ252cの組み合わせを含む構成を例示した。また、第1の移動直線軌跡TRを第2の移動直線軌跡TR1に沿って移動させる第2のスライド機構254として、ボールねじ254b、モータ254cの組み合わせを含む構成を例示した。しかし、これらの構成のみに限らない。すなわち、本体253aの位置を二次元方向に移動させられる機構であればよく、例えばピニオンラック機構など、その他の駆動機構を採用してもよい。
また、本実施形態では、台車252dに前記ボールベアリングを備える構成としたが、この構成のみに限られない。前記ボールベアリングの代わりに複数の車輪を台車252dに備え、各レール252aのガイドを受けながら台車252dをX軸方向に沿って直線的に走行させてもよい。
同様に、本実施形態では、架台251に前記ボールベアリングを備える構成としたが、この構成のみに限られない。前記ボールベアリングの代わりに複数の車輪を架台251に備え、各レール254aのガイドを受けながら架台251を+Y方向及び-Y方向に沿って直線的に走行させてもよい。
産業用ロボット253は、本体253aと、アーム部253eを備える。アーム部253eは、アーム253bと、ハンド253cとを備える。これらアーム253b及びハンド253cの駆動制御は、後述の制御部60からの指示により行われる。
本体253aは、台車252d上に対して一体に固定されている。
アーム253bは、単関節または複数関節を有し、この関節において屈曲することで、ハンド253cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることができる。本実施形態のアーム253bは、一般的な長さを有する汎用品を用いることができる。アーム253bの基端には、旋回軸SAが備えられている。この旋回軸SAが本体253aに接続されることで、アーム253bが本体253aに軸支される。
ハンド253cは、被加工材Pmの先端部近傍にある把持部gを挟んで把持する。なお、ハンド253cは、被加工材Pmをその外方より把持する構成のみに限らず、その他の保持機構を採用してもよい。例えば、ハンド253cとして複数本の爪(不図示)を備え、これら爪を被加工材Pmの開口端内に挿入後に開いて内方より保持する構成を採用してもよい。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り部10と;被加工材Pmを、送り部10よりも下流位置で支持する支持部20と;被加工材Pmを、支持部20よりも下流位置で部分的に加熱する加熱部30と;被加工材Pmを、加熱部30よりも下流位置で冷却する冷却部40と;被加工材Pmを、冷却部40よりも下流位置で把持して曲げ力を付与する曲げ力付与部250と;を備える。そして、曲げ力付与部250が、被加工材Pmを把持したまま把持位置(把持部gの位置)を三次元方向に移動させるアーム部253eと;アーム部253eの基端にある旋回軸SAが接続され、旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するようにスライドする本体253a(アーム基部)と;旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿って移動するように、本体253aをスライドさせる第1のスライド機構252と;を有する。
そして、本実施形態では、図3に示す平面視で、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRが、支持部20の位置における被加工材のPmの送り方向に沿った軸線CLの延長線EXに対して相対的に+Y方向または-Y方向に移動可能としている。すなわち、本実施形態では、本体253a(アーム基部)が、平面視で延長線EXに直角に交差するY軸方向に沿った第2の移動直線軌跡TR1をさらに有する。なお、第2の移動直線軌跡TR1を、延長線EXに対して直角以外の角度で交差させてもよい。
言い換えると、一対のレール254aに沿った第2の移動直線軌跡TR1を、一対のレール252aに沿った第1の移動直線軌跡TRに対して、平面視で直角に交差させている。この構成によれば、一対のレール254aに沿った第2の移動直線軌跡TR1の長さを、産業用ロボット253のY軸方向に沿った動きに最大限、活用できる。
なお、アーム部253eによる曲げ力の付与中に、第2のスライド機構254の動き(本体253aのY方向の動き)を止めても良い。この場合、曲げ力の付与に関する制御を行いやすい。
第2の移動直線軌跡TR1について説明する。
本実施形態のように、例えば2本の互いに平行なレール254aを採用した場合は、平面視して、これら2本のレール254aと平行であり、第1の移動直線軌跡TRの中央位置(中点)が通る仮想直線上で、移動直線軌道TRの中央位置がスライドする範囲の軌跡をもって、第2の移動直線軌跡TR1となる。
一方、1本または3本以上の直線レールを採用した場合(不図示)は、平面視して、これら1本または3本以上の直線レールと平行であり、移動直線軌道TRの中央位置が通る仮想直線上で、旋回軸SAがスライドする範囲の軌跡をもって、第2の移動直線軌跡TR1となる。
よって、上記した「平面視で延長線EXに直角に交差するY軸方向に沿った第2の移動直線軌跡TR1」とは、軸線の延長線EXに対して平面視で交差する方向(この方向は無限長である)上に、第2の移動直線軌跡TR1が存在することを意味する。よって、第2の移動直線軌跡TR1は、支持部20の送り方向に沿った軸線の延長線EXに対して平面視で交差する方向に沿った「向き(方向)」さえ有していればよい。例えば、第2の移動直線軌跡TR1が、レール254a上において架台251がレール254aの端部からの逸脱を防止するためのリミットスイッチ(不図示)などで規定される有限長であってかつ、この第2の移動直線軌跡TR1が平面視で延長線EXに対して重なっていないとしても、「軸線の延長線に対して平面視で交差する方向」を有しているので、上記した「平面視で延長線EXに直角に交差するY軸方向に沿った第2の移動直線軌跡TR1」に含まれる。
[曲げ加工方法]
上記構成を有する曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法について、以下に説明する。本実施形態では、第4の位置Dにおける被加工材Pmへの曲げの加え方が特徴的になっており、その他工程は上記第1実施形態で説明した通りである。したがって、上記第1実施形態における曲げ加工方法との相違部分のみを以下に説明する。
図3に示す第4の位置Dでは、被加工材Pmの送りに同期して、+X方向に向かって同じ送り速度で台車252dを一対のレール252a上において走行させる。この時の台車252dの送り速度及び送り量は、モータ252cの回転速度及び回転量を制御することによって調整できる。
被加工材Pmを曲げずに真っ直ぐ送る場合は、把持部gを把持するハンド253cも、平面視で延長線EXに沿って移動する。この時のハンド253cは、台車252dと同じ送り速度及び送り量で+X方向に移動する。被加工材Pmは、その先端部分がハンド253cで把持されているため、Z軸方向における撓みを生じることがない。また、被加工材Pmが長尺で自重により撓みを生じやすい場合には、ハンド253cのZ軸方向の位置を制御することにより、撓みによる正規形状からのずれを補正できる。
一方、被加工材Pmに曲げを加える場合は、基本的にアーム253bを旋回及び屈曲させることにより、被加工材Pmの送りに同期しながら把持部gの位置を三次元方向に変更させる。これにより、図3に示すように、被加工材Pmのうちで変形抵抗が大幅に低下した部分が曲がって曲げ部Rが形成される。この時、例えば被加工材Pmを図3とは逆方向である-Y方向に曲げる場合、本体253aの位置が固定であれば、アーム253bを平面視で短くなるように極端に折り曲げる必要が生じる。しかし、アーム253bの曲げ範囲にも限界があるため、曲げ加工可能範囲を制限してしまうことになる。
これに対し、本実施形態は第2のスライド機構254も備えているため、アーム253bを極端に曲げる代わりに、本体253aの位置を-Y方向に移動できる。したがって、曲げ加工可能範囲を広くとることができる。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工方法は、一方向に長い金属製の被加工材Pmをその送り方向(+X方向)に沿って送る送り工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aで支持する支持工程と;被加工材Pmを、第1の位置Aよりも下流の第2の位置Bで部分的に加熱する加熱工程と;被加工材Pmを、第2の位置Bよりも下流の第3の位置Cで冷却する冷却工程と;被加工材Pmを、第3の位置Cよりも下流の第4の位置Dでアーム部253eにより把持し、アーム部253eによる把持位置(把持部gの位置)を、少なくとも送り方向を含む三次元方向に移動させる曲げ力付与工程と;を有する。そして、前記曲げ力付与工程が、アーム253bの基端にある旋回軸SAが第1の移動直線軌跡TRに沿ってスライドするように、旋回軸SAが接続された本体253a(アーム基部)をスライドさせるアーム部移動工程を有する。
さらに、このアーム部移動工程では、第1の位置Aにおける被加工材Pmの送り方向に沿った軸線CLの延長線EXに対し、アーム253bの基部である本体253aの第1の移動直線軌跡TRを平面視で+Y方向及び-Y方向にシフトできる。
さらに、本実施形態の曲げ加工方法は、第1の位置A(第1の位置)における被加工材Pmの送り方向に沿った軸線CLの延長線EXに対して平面視で交差する第2の移動直線軌跡TR1(+Y方向及び-Y方向に沿った第2の移動直線軌跡TR1)に沿って旋回軸SAが移動(スライド)するように本体253aを移動させる第1の位置調整工程をさらに有する。
本実施形態の曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる上に、曲げ加工可能範囲をさらに拡大できるという利点を有する。また、上記各実施形態と同様に、長いアーム73bを備える従来の産業用ロボット70も不要である。
なお、本実施形態では架台251をモータ254cの駆動力により電動で移動させたが、この構成のみに限らず、手動で+Y方向及び-Y方向にスライド調整する構成としてもよい。あるいは、制御部60からの指示をモータ254cが受けて自動的に制御する構成としてもよい。
また、一対のレール254aと、1本のボールねじ254bと、基台254dとにおいて、図3に符号CTで示す部分を無くしてもよい。この場合、装置設置スペース上の制約を緩和させることができる。
逆に、一対のレール254aと、1本のボールねじ254bと、基台254dとを、図3の符号CTに示す大きさに収めてかつ、平面視で延長線EXから-Y方向にシフトした位置に配置してもよい。この場合、延長線EXに対し、第1の移動直線軌跡TRが平面視で-Y方向にシフトかつ平行に配置できる。
あるいは、符号CTに示す機器配置を、平面視で延長線EXから+Y方向にシフトした位置に配置してもよい。この場合、延長線EXに対し、第1の移動直線軌跡TRが平面視で+Y方向にシフトかつ平行に配置できる。
これら何れの場合も、小型の曲げ力付与部250を採用できるので、設備建造コストを下げることができる。
さらに、この場合、上記第1実施形態と同様の効果も得られる。
すなわち、本実施形態では、図3に示す平面視において、第1の移動直線軌跡TRが延長線EXに対して「平行」かつ「シフト」するように曲げ力付与部250を配置できる。
第1の移動直線軌跡TRを「平行」とすることにより、第1の移動直線軌跡TRの長さを最大限に生かせるので、短いアーム253bを持つ汎用の産業用ロボット253を採用できる。よって、設備建造コストを下げることができる。加えて、第1の移動直線軌跡TRを「平行」とすることにより、延長線EX及び第1の移動直線軌跡TR間の相対位置を一定に保てるので、曲げ力を付与する際の制御が容易になる。
さらに、上記「平行」に加えて「シフト」を組み合わせたことにより、より安価で汎用性のある産業用ロボット253を採用できる。よって、設備建造コストをさらに下げることが可能になる。加えて、アーム253bの動きを単純にすることもできる。
なお、産業用ロボット253による曲げ加工力を付与する際には、その前に、第2のスライド機構254によるY軸方向の動きを停止させてロック機構などにより本体253aの位置を定位置に固定してもよい。この場合、産業用ロボット253による曲げ加工時にY軸方向の振動などを抑制して曲げ加工精度を高めることができるという利点が得られる。
本実施形態の曲げ加工装置では、図3に示すように、X軸方向に沿った軌道を持つ架台251を、Y軸方向に沿った軌道を持つとともに定位置に固定配置された基台254d上に載せている。そして、架台251は、基台254d上で、Y軸方向に沿って移動可能である。産業用ロボット253による曲げ加工力の付与時には、前記ロック機構などによれば本体253aのY軸方向の位置を固定できる。よって、曲げ加工力の付与時における産業用ロボット253の移動をX軸方向のみに制限できる上に、Y軸方向の振動も抑制できるので、設備としての精度及び剛性が高いという利点を有する。そのため、コンパクトかつ低コストでありながらも、高精度に制御できるという優れた利点を持つ。加えて、曲げ加工力の付与時には産業用ロボット253がX軸方向に移動することを基本構成とするため、X軸方向に長くてY軸方向の曲げ量が比較的小さい部材の加工に、特に適している。
例えば、上記の装置構成とは逆に、Y軸方向に沿った軌道を持つ架台を、X軸方向に沿った軌道を持つとともに定位置に固定配置された基台上に載せるという装置構成も選択肢としては考えられる。しかし、「長尺の曲げ加工部品を精度良く低コストに製造する」という本発明の課題を達成する観点からは、本実施形態の装置構成の方が適した選択肢となる。したがって、本実施形態では、「X軸方向に沿った軌道を持つ架台251を、Y軸方向に沿った軌道を持つとともに定位置に固定配置された基台254d上に載せる」装置構成を採用している。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を、図4を用いて以下に説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態で説明した構成に対し、曲げ力付与部の構成のみを変更している。よって、以下の説明においては、曲げ力付与部350以外の構成は上記第1実施形態の構成と同じであるとして重複説明を省略する。なお、図4では、説明を分かりやすくするために、アーム等の図示を省略している。産業用ロボットは、上記第1実施形態で説明した産業用ロボット53を用いる。
[曲げ加工装置]
本実施形態の曲げ加工装置の曲げ力付与部350は、被加工材Pmの送り方向に沿った第3の位置Cよりも下流にある第4の位置Dに配置される。曲げ力付与部350は、定位置に固定された前記架台51の代わりに、架台351と、図示されない回動部とを備えている。この回動部により、架台351は、図4に示すように、鉛直方向(Z軸方向)に沿った軸線(鉛直軸線)SWを中心として、+Y方向及び-Y方向に向かって水平に回動する。前記回動部は、図示されないモータを用いて駆動する電動機構であってもよいし、あるいは、手動機構であってもよい。また、平面視における軸線SWの位置は、図4の位置のみに限定されず、その他の位置に設定してもよい。例えば、図4に示すように、架台351の長手方向中央かつ幅方向中央の付近位置に、鉛直方向(Z軸方向)に沿った軸線SW1を設け、この軸線SW1を中心として架台351を回動させてもよい。この場合、平面視における架台351の重心位置に軸線SW1を近付けられるので、架台351の回動を少ない力で行える利点がある。
なお、アーム部53eによる曲げ力の付与開始前に、本体53aの軸線SW回りの動きをさせて、付与中は動きを止めても良い。この場合、曲げ力の付与に関する制御を行いやすい。
架台351の軸線SWあるいはSW1回りの回動は、例えば、設置面上に配置した不図示の土台上に回転機構を設け、その上に架台351を回動自在に接続することで実現できる。ここで、前記土台として、架台351をY軸方向に移動させる軌道を備えた土台を採用してもよい。さらに言うと、本実施形態の前記回転機構を、上記第3実施形態に対して組み合わせてもよい。
[曲げ加工方法]
上記構成を有する曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法では、第4の位置Dにおける被加工材Pmへの曲げの加え方が特徴的になっており、その他工程は上記第1実施形態で説明した通りである。
すなわち、被加工材Pmに曲げを加える場合は、基本的にアーム53bを旋回及び屈曲させることにより、被加工材Pmの送りに同期しながら把持位置(把持部gの位置)を三次元方向に変更させる。これにより、被加工材Pmのうちで変形抵抗が大幅に低下した部分が曲がって曲げ部Rが形成される。この時、例えば被加工材Pmを+Y方向に曲げる場合、本体53aの位置が固定であれば、アーム53bを平面視で短くなるように極端に折り曲げる必要が生じる。しかし、アーム53bの曲げ範囲にも限界があるため、曲げ加工可能範囲を制限してしまうことになる。
これに対し、本実施形態は前記回動機構も備えているため、アーム53bを極端に曲げる代わりに、本体53aの位置を+Y方向に回動できる。したがって、曲げ加工可能範囲を広くとることができる。
先に示した図5で言うと、本実施形態は、CASE5,6に該当する。
ここで、台車52dの動きと、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きを、1つの動きに組み合わせて、ハンド53cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることを、協調制御と言う。具体的には、本実施形態の場合で言うと、台車52dのX軸方向の動きの一部を、アーム部53eのハンド53c及びアーム53bにも分担させて、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きとして、移動直線軌道TR方向(ここではX’軸方向と呼ぶ)と直交する方向(ここでは水平面上でX’軸方向に垂直な方向であるY’軸方向と、鉛直方向のZ軸方向)に加え、X’軸方向の動きもさせて、ハンド53cを第4の位置Dにおいて三次元方向に移動させることを、協調制御と言う。一方、アーム53bによるハンド53cの旋回軸SAに対する相対的な動きに、X’軸方向と直交する方向(Y’軸方向とZ軸方向)の動きをさせてX’軸方向の動きを分担させないことを、協調制御しないことを言う。
図5のCASE5に示す協調制御を行わない場合、被加工材Pmに対し+Y方向に曲がる曲げ部Rを形成する際、平面視において、曲がり部品の曲げの先端aと曲げの後端bとを結ぶ直線に平行をなすように、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRを配置する。すなわち、曲げ部Rを形成するために必要なハンド53cの軌道上でかつ第1の移動直線軌跡TRに最も接近する位置(曲げの先端aの位置と曲げの後端bの位置)において、前記直線に直交する方向に少なくとも前記直線距離dだけ離れた位置を、旋回軸SAが通るように第1の移動直線軌跡TRを配置する必要がある。
ここで、直線距離dは、平面視における旋回軸SAから把持部gの位置までの距離である。たとえば、曲げ部Rを形成するためのハンド53cの軌道が平面視で円弧または楕円弧の一部分である場合には、曲げの先端aおよび後端bにおいて前記アーム基部との距離をdだけ離しておけばよい。
図6(a)~(c)に示すように、アーム53bは、関節eを介して2本のアーム部品53b1,53b2が連結されたものである。ここで、関節eの構造上、ハンド53cの把持部gの位置から旋回軸SAにかけての前記直線距離dをゼロにはできず、ある程度の距離を確保する必要がある。
従って、採用する産業用ロボット53について最小の直線距離dと、曲げ部Rを形成するためのハンド53cの軌道とに基づいて、アーム53bの基端位置(旋回軸SAの位置)を決め、そして、その基端位置を、本体53aを載せた台車52dが通るように前記回動機構を構成することが好ましい。
なお、図6(a)~(d)に示すように、アーム53bを構成するアーム部品53b1の長さをA1(mm)、アーム部品53b2の長さをA2(mm)とした場合、ハンド53cの角度に自由度を持たせておくためには下記の式1を満たす必要がある。ここで、直線距離d’は、曲がり部Rを形成するために必要となる、ハンド53cを本体53aから最も遠ざかるようにアーム53bを真っ直ぐ伸ばした際の、旋回軸SAから把持部gの位置までの最長の距離である。より具体的には、図6(d)に示すように、アーム53bを最も長く伸ばし、ハンド53cの角度を、アームを伸ばした方向にしたときの、旋回軸SAから把持部gの位置までの距離を示している。すなわち、図6(d)は、2本のアーム部品53b1,53b2を関節eにおいて180度に開いた状態を示し、この場合の直線距離d’はd’=A1+A2+A3となる。よって、台車52dの配置の設定(第1の移動直線軌跡TRの配置の設定)に際しては、ハンド53cが被加工材Pmの把持部gに届くようにするために、下式1を満足するように設定する。
なお、A3は、アーム53bとハンド53cとの間の関節から、ハンド53cの把持部gの位置までの長さを示す。下式1では、ハンド53cを、アーム部品53b1,53b2と同じ伸展方向に向けた場合を示すが、前述した通り、ハンド53cの向きを変えることにより、その長さA3を平面視での見た目上ゼロにすることもできる。
A1+A2+A3≧d’・・・(式1)
図5のCASE6に示す協調制御を行う場合、たとえば曲げ部Rの両端ではアーム53b及びハンド53cをほぼ真っ直ぐに伸ばして(図6(d)参照)前記直線距離d’を確保し、その中間部ではむしろアーム53bを縮めるなどして(図6(a)~(c)参照)曲げ部Rを形成するように、アーム53b及びハンド53cの動きと基部(本体53a)の動きとを協調制御することができる。これにより、本体53aの走行長さを短くでき、設備全体の建造コストを低減することもできる。
CASE5とCASE6では、産業用ロボット53のアーム53bの長さが短い条件での例を示したが、産業用ロボット53のアーム53bの長さに余裕がある場合には、協調制御によれば第1の移動直線軌跡TRの長さをさらに短くすることもできる。
なお、産業用ロボット53による曲げ加工力の付与時に、架台351の回動を停止させてさらにロック機構(不図示)等により本体53aの位置を定位置に固定してもよい。この場合、産業用ロボット53による曲げ加工時にZ軸回りの回転振動などを抑制し曲げ加工精度を高めることができるという利点が得られる。
以上説明のように、本実施形態の曲げ加工装置は、本体53a(アーム基部)が、平面視で、支持部20の位置における被加工材Pmの送り方向に沿った軸線CLの延長線EXに対して、旋回軸SAの第1の移動直線軌跡TRを回動させる前記回動機構をさらに有する。
そして、本実施形態の曲げ加工方法は、平面視における第1の移動直線軌跡TRの向きを鉛直軸線(Z軸)回りに回動させる第2の位置調整工程をさらに有する。
本実施形態の曲げ加工装置を用いた曲げ加工方法によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる上に、曲げ加工可能範囲をさらに拡大できるという利点を有する。
なお、第2の位置調整工程における第1の移動直線軌跡TRの回動は、手動で行ってもよいし、またはモータ(不図示)を用いた電動で行ってもよいし、さらには制御部60からの指示を前記モータが受けて自動的に制御する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、産業用ロボットのアーム53b,153b,253bを平面視で曲げる場合について例示したが、本発明はこの例示のみに限られない。すなわち、アーム53b,153b,253bを側面視(つまり、鉛直面上で)で曲げる動作を行わせても良いし、あるいは、平面視と側面視との双方において、アーム53b,153b,253bを曲げる動作を行わせても良い。また、図1~図3および図6では、各産業用ロボット53,153,253の関節が、旋回軸SAを含めて3軸である水平多関節型ロボットを例示したが、これに限らず、6軸もしくはそれ以外の関節数を持つ垂直多関節型の産業用ロボットなどを用いても良い。
以上、本発明の第1実施形態~第4実施形態を説明したが、これらの構成のみに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。例えば、上記第3実施形態に対し、上記第4実施形態を組み合わせてもよい。
本発明に係る製造方法により製造される曲げ加工部品は、例えば以下に例示する用途(i)~(vii)に対して適用可能である。
(i)例えば、フロントサイドメンバー、クロスメンバー、サイドメンバー、サスペンションメンバー、ルーフメンバー、Aピラーのレインフォース、Bピラーのレインフォース、バンパーのレインフォース等といった自動車車体の構造部材
(ii)例えば、シートフレーム、シートクロスメンバー等といった自動車の強度部材や補強部材
(iii)自動車の排気管等の排気系部品
(iv)自転車や自動二輪車のフレームやクランク
(v)電車等の車輛の補強部材、台車部品(台車枠、各種梁等)
(vi)船体等のフレーム部品、補強部材
(vii)家電製品の強度部材、補強部材または構造部材
本発明に係る製造方法により製造される曲げ加工部品の寸法としては、前記Y軸方向に曲げ半径2000mm、曲げ角度8.6度の曲げ力付与部を有し、その前側に200mm、後側に2500mmの直線部を有する、全長3000mmの部材が例示できる。この寸法を持つ曲げ加工部品を従来の据え付け型の産業用ロボットで加工しようとすると、最低でもアーム部全長(アーム部を真っ直ぐに伸ばしたときの長さ)が1500mmである産業用ロボットを加工スタート位置から下流側に1500mmの位置に配置する必要がある。一方、本発明のようにスライド駆動部を備える場合、産業用ロボットのアーム部全長は60mmもあれば十分である。加工後の製品払い出しを考慮しても、1500mmものアーム部全長は不要であり、大幅に初期投資を抑制することができる。
10 送り部
20 支持部
30 加熱部
40 冷却部
50、150、250、350 曲げ力付与部
52、152、252 第1のスライド機構
53a、153a、253a 本体(アーム基部)
53e、153e、253e アーム部
254 第2のスライド機構
A 第1の位置
B 第2の位置
C 第3の位置
CL 軸線
D 第4の位置
EX 延長線
Pm 被加工材
SA 旋回軸
TR 第1の移動直線軌跡
TR1 第2の移動直線軌跡

Claims (12)

  1. 一方向に長い金属製の被加工材をその送り方向に沿って送る送り部と;
    前記被加工材を、前記送り部よりも下流位置で支持する支持部と;
    前記被加工材を、前記支持部よりも下流位置で部分的に加熱する加熱部と;
    前記被加工材を、前記加熱部よりも下流位置で冷却する冷却部と;
    前記被加工材を、前記冷却部よりも下流位置で把持して曲げ力を付与する曲げ力付与部と;
    を備え、
    前記曲げ力付与部が、
    前記被加工材を把持したまま把持位置を三次元方向に移動させるアーム部と、
    前記アーム部の基端にある旋回軸が接続され、前記旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿って移動するようにスライドするアーム基部と、
    前記旋回軸が前記第1の移動直線軌跡に沿って移動するように、前記アーム基部をスライドさせる第1のスライド機構と、
    を有することを特徴とする曲げ加工装置。
  2. 前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線と、
    前記第1の移動直線軌跡と、
    が平面視で重なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工装置。
  3. 前記第1の移動直線軌跡が、前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して、平面視でシフトしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工装置。
  4. 前記第1の移動直線軌跡と、前記支持部の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線とが、平面視で互いに平行である
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の曲げ加工装置。
  5. 前記曲げ力付与部が、
    前記旋回軸が、前記支持部の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して平面視で交差する第2の移動直線軌跡に沿って移動するように、前記アーム基部がスライドする第2のスライド機構
    をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の曲げ加工装置。
  6. 前記アーム基部が、前記第1の移動直線軌跡の向きを鉛直軸線回りに回動させる回動部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の曲げ加工装置。
  7. 一方向に長い金属製の被加工材をその送り方向に沿って送る送り工程と;
    前記被加工材を、第1の位置で支持する支持工程と;
    前記被加工材を、前記第1の位置よりも下流の第2の位置で部分的に加熱する加熱工程と;
    前記被加工材を、前記第2の位置よりも下流の第3の位置で冷却する冷却工程と;
    前記被加工材を、前記第3の位置よりも下流の第4の位置でアーム部により把持し、前記アーム部による把持位置を、少なくとも前記送り方向を含む三次元方向に移動させる曲げ力付与工程と;
    を有し、
    前記曲げ力付与工程が、前記アーム部の基端にある旋回軸が第1の移動直線軌跡に沿ってスライドするように、前記旋回軸が接続されたアーム基部をスライドさせるアーム部移動工程を有する
    ことを特徴とする曲げ加工方法。
  8. 前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線と、
    前記第1の移動直線軌跡と、
    が平面視で重なる
    ことを特徴とする請求項7に記載の曲げ加工方法。
  9. 前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対し、
    前記第1の移動直線軌跡が平面視でシフトしている
    ことを特徴とする請求項7に記載の曲げ加工方法。
  10. 前記第1の移動直線軌跡と、前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線とが、平面視で互いに平行である
    ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載の曲げ加工方法。
  11. 前記旋回軸の位置を、前記第1の位置における前記被加工材の前記送り方向に沿った軸線を延長した延長線に対して平面視で交差する第2の移動直線軌跡に沿って移動させる第1の位置調整工程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項7~10の何れか1項に記載の曲げ加工方法。
  12. 平面視における前記第1の移動直線軌跡の向きを鉛直軸線回りに回動させる第2の位置調整工程をさらに有する
    ことを特徴とする請求項7~11の何れか1項に記載の曲げ加工方法。
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