JP2022138080A - テレコムブース - Google Patents
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Abstract
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は公共の場又は事務所などで離れた場所との交信を行う環境を提供するテレコムブースに関する。
近年、面談することなしに離れた場所に居る相手と打ち合わせを行う機会が増えている。その際に相手との会話内容を周囲の人に聞かれない環境への要求が増えている。そのような環境を提供する候補としてボーカルや楽器の練習に際して家族及び近隣への音の迷惑を避けるための防音ボックスが種々開示されている。しかし特に本格的な防音室はその用意に100万円単位の費用が掛かることもあって安価な構造や部材が提案されている。
そこで価格を下げるために材料として紙パネルで構成されるテレワークにも使える防音ボックスが提案されている(特許文献1,2を参照)。また、エンドユーザが組み立て可能なもの(特許文献3を参照)や、使わないときは折りたためるもの(特許文献4を参照)が提案されている。
しかるにこれらの防音ボックスの発明は消防法の規定への配慮がなく、事務所や公共の場所で使う場合に防音特性は有るもののテレワークに必要な外部雑音及び内部信号の漏洩対策についての積極的な対応が不十分である。
そこで、この発明の課題の設定は上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、離れた場所との交信を行う環境を簡便に提供するテレワークブースを提供することである。本発明ではこれ以降テレワークブースをテレコムブースと呼ぶ。
本発明のテレコムブースは、外部雑音に煩わされずに交信を行う交信環境を提供するテレコムブースであって、前記外部雑音による妨害及び内部音声又は内部環境音の漏洩を防止する遮音壁が設けられ、該遮音壁により作られる空間に、発話者の声を集める集音マイクと又は内部環境音の収音マイクと発話者へ相手の情報を音で伝える内部スピーカーが備えられ、前記集音マイクが発話者の口に向けられた指向性を有し、前記内部スピーカーが発話者の耳に向けられた指向性を有することを特徴とするテレコムブースである。
外部雑音による妨害及び内部音声又は内部環境音の漏洩を防止する遮音壁が設けられ、該遮音壁により作られる空間に、発話者の声を集める集音マイク又は内部環境音の収音マイクと発話者へ相手の情報を音で伝える内部スピーカーが備えられ、前記集音マイクが発話者の口に向けられた指向性を有し、前記内部スピーカーが発話者の耳に向けられた指向性を有するので、内部では外部雑音に邪魔されず、外部への情報漏洩が少ない架橋を容易に構成することができる。
請求項2に記載のテレコムブースは、前記遮音壁の外側に向けて前記内部音声又は内部環境音をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーが設けられ、該外部スピーカーが所定の範囲に向けて発声する指向性を有し、該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られることを特徴とする請求項1に記載のテレコムブースである。
前記遮音壁の外側に向けて前記内部音声又は内部環境音をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーが設けられ、該外部スピーカーが所定の範囲に向けて発声する指向性を有し、該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られるので、外部ではマスク音により内部の会話を聞き取ることが困難になる。
請求項3に記載のテレコムブースは、前記集音マイクがガンマイクであることを特徴とする請求項2に記載のテレコムブースである。
集音マイクがガンマイクであるであるので内部での発話者の確実な集音が期待できる。
請求項4に記載のテレコムブースは、前記内部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであることを特徴とする請求項2又は3に記載のテレコムブースである。
前記内部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであるので外部への漏洩が少ない状態で内部の会話者に対して的確な情報伝達をすることができる。
請求項5に記載のテレコムブースは、前記外部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであることを特徴とする請求項2乃至4何れかに記載のテレコムブースである。
前記外部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであるので、材料が入手容易であることから安価な製造を期待できる。
請求項6に記載のテレコムブースは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度または周波数に依存して生成されることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブースである。
前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度又は周波数に依存して生成されるので効果的なマスク作用を生じる。
請求項7に記載のテレコムブースは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度又は周波数に応じて前記外部雑音を加工して生成されることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブースである。
前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度または周波数に応じて前記外部雑音を加工して生成される外部に居る人には違和感なくマスク効果の向上を図れる。
請求項8に記載のテレコムブースは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブースである。
内部音声又は内部環境音に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されるので外部に居る人にはマスク効果の向上を図れる。
請求項9に記載のテレコムブースは、前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の逆再生音であることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブースである。
マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の逆再生音であるのでマスク信号の生成が容易であり、内部音声又は内部環境音の周波数帯をマスク信号とするのでマスク効果の向上が図れる。
請求項10に記載のテレコムブースは、前記ラインスアレイピーカーの駆動が、2項分布の強度で行われることを特徴とする請求項5乃至9何何れかに記載のテレコムブースである。
ラインスアレイピーカーの駆動が、2項分布の強度で行われるので、所定の場所への音場のエネルギーの集中が図れる。
請求項11に記載のテレコムブースは、前記遮音壁が複数の柱により支えられたシート部材で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7何れかに記載のテレコムブースである。
前記遮音壁が複数の柱により支えられたシート部材で形成されるので簡便な構成で
テレワーク環境の提供が図れる。
テレワーク環境の提供が図れる。
請求項12に記載のテレコムブースは、前記柱が可変長であることを特徴とする請求項10に記載のテレコムブースである。
前記柱が可変長であるので天井高さに依らずにテレコムブースの設置が容易になる。
事務所などで外線に繋がれた相手と良好な交信を行うためには、周囲雑音に妨害され難いとともに外線からの対話が漏洩しづらい環境が必要とされる。そういう環境を提供する候補として防音ボックスが挙げられる。しかし、従来の防音ボックスは、上部が塞がれているため事務所や公共の場では消防法や建築基準法の基準に合致すること難しいとされている。本発明は従来のテレコムブースの抱える問題点を解決するべく発明者の試行錯誤の開発から生まれたものである。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
音には空気中を伝わって耳に届く「空気音」と、足音や物の落下音が床や壁を伝わって聞える「固体音」の2種類がある。「空気音」はジェット機の音や自動車の音、楽器の音など、空気中を伝わってくる音で、「固体音」は上階の足音やスピーカーの振動音、電車やトラックの振動音、トイレの排水音など、物体を振動させて聞えてくる音である。
本発明のテレコムブースでは天井部材を有しないので内部への雑音及び外部への漏れ信号は空気により伝達されると考えられる。ここで離れた場所の相手との交信の妨げになるのは外部雑音(N)による妨害と交信内容(S)の漏洩である。つまり、内部でのS/N(内部S/N)を上げ、外部でのS/N(外部S/N)を下げることが求められる
[第1実施例]
上記の要件を踏まえて開発された本願発明の第1実施例となるテレコムブース1を以下に説明する。図1は、第1実施例の外観の斜視図である。寸法は幅が約120cm、奥行き約90cm、高さ約200cmとした。これらの寸法はユーザの声を聞きながら市販の材料の定尺から選択している。
上記の要件を踏まえて開発された本願発明の第1実施例となるテレコムブース1を以下に説明する。図1は、第1実施例の外観の斜視図である。寸法は幅が約120cm、奥行き約90cm、高さ約200cmとした。これらの寸法はユーザの声を聞きながら市販の材料の定尺から選択している。
図1に示すようにテレコムブース1は全体が箱型で、入り口となる扉4を含む前部材5、側面となる右部材、左部材、後部材が蝶番で接続され側面を覆い四方を囲んで箱を形成する。テレコムブース1の内部は壁面の部材のままでも、厚手の布や可撓性の防音シートなどを貼ることもできる。
テレコムブース1の内部には椅子16と機材を置く机15が備えられている。また、右部材及び左部材の上部には外部へマスク音を発生するラインスアレイピーカーによる外部スピーカー2が保持具22を介して載せられる。保持具22の形状を変えることで外部スピーカーの高さを選ぶことができる。前部材6には、外部へマスク音を発生する外部スピーカーが備えられる。
図2はテレコムブース1の内部の様子を示したものである。テレコムブース1の内部には顧客の便宜のために机15と椅子16が備えられる。机15の上には内部スピーカー13とマイク14が備えられ、顧客は用意されたインタフェイスで接続することでこのスピーカーとマイクを使える。インタフェイスは市販のスマートフォンの端子と3.5mmミニプラグの間を接続する変換具を用いた。変換具には、スマートフォンの端子やPCのUSB端子から給電されて動作する変換回路が内蔵されている。変換回路はスマートフォンの端子やPCのUSB端子とやり取りをするデジタル信号とマイクやスピーカーのアナログ信号との仲介を行う。顧客は自分のスマートフォンやPCとマイクやスピーカーとの間を変換具のケーブルをつなぐことで3.5mmミニプラグに接続されたマイクとスピーカーを使うことができる。また、テレコムブース1の内部には内部環境音を集める収音マイク17が用意されており、その出力が外部へのマスク音生成に用いられる
図3(A)は机15の上に置かれたカメラ10,モニター11,スピーカー13,マイク14を示す。ここでマイク14は発話者に向けて指向性を有するものが好ましい。具体的にはいわゆるガンマイクが好適である。また、スピーカー13は発話者の耳に向けて指向性を有するラインスアレイピーカーや発声部にホーンを付加したホーンスピーカーを用いることが好適である。図3(B)に示すように机15に向かい椅子16に座る発話者の耳の位置の近傍へホーンスピーカー12を壁の上端から吊り下げることも内部S/Nの上昇に役立つ。
ラインスアレイピーカーの指向性について説明する。図4(A)に示すのは複数のスピーカー21を備えるラインスアレイピーカーによる外部スピーカー2で、各スピーカーには外部への内部音声又は内部環境音をマスクするマスク信号が供給される。図4(B)に示すのは線音源であるラインスアレイピーカーによる円筒状に広がる音場の概念図でありラインアレイスピーカーによる音場はスピーカーの配列方向への広がりが少なく音のエネルギーが指向方向へ有効に伝達される。音源から離れると音場のエネルギーが減衰する距離減衰を比べると、点音源の場合の球面波による広がりでは倍距離で-6dBであるのに比べラインスアレイピーカーによる円筒状の音場では減衰距離が倍距離で-3dBとなり3dBの違いが生じる。本発明のように外部スピーカー2の音場を壁の近辺に集中させるために外部スピーカー2を壁の上部から壁に直角方向へ突き出して置くことが好適である。
この音場の集中はラインアレイスピーカーから離れるに従って崩れ球面波になって広がる。ラインアレイスピーカーの効果が持続する距離を有効距離と呼び次式で計算される。
CD=(L2×f)/700
ここでCD=有効距離、L=ラインアレイの長さ(m)、f=周波数(Hz)である。今回試作した外部スピーカーは複数のスピーカーを直線上に並べ、その直線距離を0.5mとする。発話者となる男性の発声周波数を500HZ,女性を1000Hzとして、有効距離を計算すると、男性の発話者の場合は約0.18m,女性の場合は約0.36mとなり、耳の位置が外部スピーカーから上記の距離よりも短い場合に効果が大きい。したがって外部スピーカーについて線上音源の効果を得るために、テレコムブースを使う環境で最高高さの身長に応じて外部スピーカーの位置を下げることが望ましい。
CD=(L2×f)/700
ここでCD=有効距離、L=ラインアレイの長さ(m)、f=周波数(Hz)である。今回試作した外部スピーカーは複数のスピーカーを直線上に並べ、その直線距離を0.5mとする。発話者となる男性の発声周波数を500HZ,女性を1000Hzとして、有効距離を計算すると、男性の発話者の場合は約0.18m,女性の場合は約0.36mとなり、耳の位置が外部スピーカーから上記の距離よりも短い場合に効果が大きい。したがって外部スピーカーについて線上音源の効果を得るために、テレコムブースを使う環境で最高高さの身長に応じて外部スピーカーの位置を下げることが望ましい。
図4(C)は壁面に備えられる外部スピーカー3に対して取り付けられる音響フード7である。これにより下方の開口から送出される音声が矢印のように下方へ指向性を有するようになる。
ここで、ラインスアレイピーカーの指向性について図5を用いて説明する。図5(A)の5つスピーカー32a、32b,32c,32d,32eは音源からアンプ31により駆動される。ここでスピーカーを同相で駆動すると音波の強め合うところと弱め合う場所が生じるのでスピーカーの出力を制御することで指向特性の制御ができる。例えば図5(B)に示す相対強度分布を2項分布にすることで図5(C)に示すようにサイドローブが減り広めのメインローブとなるのでラインアレイスピーカーを同一強度で駆動する場合に比べ有効距離を伸ばすことができる。そしてメインローブを所定の向きに向けることで所定の場所での外部S/Nの制御を行うことができる。
指向性を有するラインスアレイピーカーを壁面から下方へ向けることで壁面の近傍へマスク音を集中させることができる。また、室内の会話者の耳に向けた指向性を持たせたラインスアレイピーカーを使うことで室内での相手の音量を下げて漏洩のおそれを減らすことができる。この指向性は、図2(B)のフードのようなホーンを用いても実現できる。
次に、マスク音を生じるマスク信号について説明する。マスク信号はテレコムブース1の外部へ漏洩した会話音(S)の聞き取りの際のS/Nを下げて聞き取りが難しい環境を作る。具体的にはノイズ成分(N)となるマスク音をテレコムブース1の周辺へ送出してテレコムブースの外部S/Nを低下させる。
一般に聴覚は複合音を聞いたとき、オームの法則としてその成分音を別々に聞き分ける能力を持っている。マスク音は信号音とスペクトルが重なることでその効果が高いことが知られている。また内部から漏れる音声のレベルが大きくなる場合にはマスク音も大きくする必要がある。図6(A)はマスク音発生の基本構成で、発話者の声を取得したマイク14からの出力又は内部環境音を収集するマイク17の出力をA/D変換してデジタル信号にしたものを処理機により処理してマスク信号として外部スピーカーへ送出する。図6(B)はマスク信号の基になる音源が複数ある場合のアナログ加算の様子を示したものである。
テレコムブースの外部へ送出するマスク信号の生成に際して、発話者が大きな声を出す或いは内部環境音が大きくなると信号成分(S)が大きくなるのでこれに対応してマスク音で作られるノイズ成分(N)も大きくすることで所定のS/N以下に制御することができる。また、マスク音の周波数成分は信号成分の周波数成分と重なることが効果的なのでマスク信号の生成に外部S/Nを所定の値よりも低くするために、会話者の発する音声或いは内部環境音の強度と周波数により制御されることが望ましい。
テレコムブースの外部には周囲の人の話し声や空調機の騒音など外部雑音が存在する。そこで、外部雑音を内部の発話者の声或いは内部環境音の周波数成分でフィルタリングし、強度を発話者の音声強度により調整することでテレコムブースの周辺でのS/Nを所定の値以下に押さえて内部情報の漏洩を防止することができる。
音声加工には既成のプロセッサーを流用することも可能である。多くの加工メニューにおいて内部音声又は内部環境音について、内部音声又は内部環境音の波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることが好適である。複数の加工済み音声を合算してマスク信号とすることもできる。図6(B)にアナログ加算器の様子を示す。具体的にはオペアンプを用いて構成される。また処理をデジタル的に行うことも可能である。
内部音声又は内部環境音の大きさと周波数を維持しながらマスク音を作成する手段として逆再生を用いる。逆再生のフローを示す図7を用いて今回採用した逆再生の仕組みを説明する。逆再生は信号成分を所定の時間記録してその記録内容について時間を逆方向にして再生する。母音については逆再生しても聞き取り可能であるが、一般の会話では母音のみの頻度は低く一般会話を逆再生した場合に元の内容の聞き取りは困難である。
このフローは2つのカウンターC及びBを用いる。カウンターCは記録する処理単位の長さを決める。S0:カウンターBをゼロにする。S1:カウンターCをゼロにする。データをDで表し、ScはカウンターCの間の発話者からの信号で、DcはカウンターCの値に対応するDの内容を示す。S2:D2へS1とD1の和が蓄えられる。S3:カウンターCの値が一つ増える。S4:Cが予め定めた値nに等しいか否かを調べ、C<nではS2へ戻る。C=nでS5へ移る。S5:蓄えたDcの内容(S1+S2+・・・+Sc)をA1へ移す。S6:Bをカウントアップする。S7:Bが所定の値Nに比べB<NでS1へ戻る。B=1で最初の状態S0へ戻る。ここでB=1であれば、所定の長さの信号A1が逆再生されてマスク信号となる。
ただし、B=1で一つのデータの場合、それをさらに逆再生すると原音が再生されるので複数の逆再生音を重ねることで情報漏洩のリスクを減らすことができる。
[第2実施例]
図8に遮音壁としてシート部材を用いたテレコムブース2の概観を示す。柱は可変長であり床と天井の間を突っ張り棒50として固定される。シート部材は上端を柱50に支持された固定具53に固定される。固定具53と天井との間隔Lは50cm以上を確保して換気性を保証する。またシート部材で囲まれた領域は上部が開いており消防法で規定されるスプリンクラーや火災報知器の動作を妨げることが無い。
図8に遮音壁としてシート部材を用いたテレコムブース2の概観を示す。柱は可変長であり床と天井の間を突っ張り棒50として固定される。シート部材は上端を柱50に支持された固定具53に固定される。固定具53と天井との間隔Lは50cm以上を確保して換気性を保証する。またシート部材で囲まれた領域は上部が開いており消防法で規定されるスプリンクラーや火災報知器の動作を妨げることが無い。
本発明に用いた突っ張り棒50は第1部材202とこれに収まる第2部材201として丸パイプを用いた。図9に示すように、小径パイプ201と大径パイプ202を組み合わせ、小径パイプの端部にベルト203を係止した構造を有する。ベルトの小径パイプへの係止は、鋲やねじによる固定でも良いが、ベルトの端部を小径パイプへ接着しても良い。
突っ張り棒の長さ調整前には図9(A)に示すように、小径パイプ201は大径パイプ202の中に収められ、小径パイプの端部に一端を係止されたベルト203は小径パイプの外壁と大径パイプの内壁の空間を通って外へ引き出される。図9では、小径パイプ201の長さが大径パイプ202の長さよりも長く描かれているが、小径パイプの長さが大径パイプの長さと同じ又は短くても良い。また、ベルト203は小径パイプの長さよりも長い事が望ましい。
図9を用いて本発明のテレコムブースの長さ調整の原理を説明する。図9(A)には小径パイプ201が大径パイプ202の中に収められ長さが短い状態の突っ張り棒が描かれている。大径パイプの縁から外へ出たベルト203は係止部容器205に収められた係止部の機能を果たすDCバックル206に通されて余長が下へ垂れ下がる。
図9(B)に示すようにベルト203の大径パイプの外へ垂れ下がったロープを下へ引くとDCバックルで折り返された小径パイプの端部に接続されたベルトの一端が持ち上げられ、小径パイプが上へ移動して突っ張り棒の丈が長くなる。
図10には、大径パイプの上端部にベルトをロックするDCバックルを収めたバックル収納部205が追加された様子が示されている。図10を用いてDCバックル収納部205に収められたDCバックル206にベルト203を通しDCバックル206でベルトがロックされる様子を説明する。図10(A)に示すように、ベルト203はローラ262と係止歯261の間を通って折り返される。係止歯261は内蔵されるバネによりローラ262方向へ付勢されておりベルトが矢印の方向へ引かれると係止歯がベルトに食い込みベルトの移動が阻止される。そして解除レバー263を押すとベルトが自由に移動可能となる。係止歯261が浮いた状態を保持するために解除レバー263を押して解除保持レバー207を内側へ倒して置く。解除保持レバー207が外へ出ているとバネにより係止歯61がベルトに食い込みベルトの動きがロックされる。
図10(A)はベルトが通った状態で解除レバー263が指で押されて係止歯261が浮いておりこの状態ではベルト203が自由に移動可能である。図10(B)は係止歯261がロールに圧接されておりこの状態で小径パイプが下がりベルトが引かれると係止歯261によりベルト203がロックされ、小径パイプが下がりベルトが下へ引かれるとさらにロックが強まる。
実施例1及び実施例2において、テレコムブースは屋根部材を有さず天井との隙間から外乱雑音が内部へ侵入する。また同時に内部音声又は内部環境音が外部へ漏洩する。従って本発明では、内部S/Nの向上と外部S/Nの低下が課題となり、その解決手段が本発明の技術思想である。本発明により離れた場所に居る相手との交信が情報の漏洩の不安が少ない環境を提供することができるので昨今の市場の需要を満足を図ることでき、ひいては産業の発展に帰するものである。
1 テレコムブース
2 外部スピーカー
3 外部スピーカー
4 扉
5 前部材
6 前部材
7 スピーカーフード
10 カメラ
11 モニター
12 耳そばスピーカー
13 内部スピーカー
14 マイク
15 机
16 椅子
17 内部環境音収集マイク
21 スピーカー
22 保持具
30 音源
31 アンプ群
32 スピーカー群
33 処理機
34 加算器
35 A/D変換器
50 突っ張り棒
51 天井部材
53 固定具
201 小径パイプ(第2部材)
202 大径パイプ(第1部材)
203 ベルト(引き上げ部材)
205 バックル収納部
206 DCバックル
261 係止歯
262 ローラ
263 解除レバー
207 解除保持レバー
2 外部スピーカー
3 外部スピーカー
4 扉
5 前部材
6 前部材
7 スピーカーフード
10 カメラ
11 モニター
12 耳そばスピーカー
13 内部スピーカー
14 マイク
15 机
16 椅子
17 内部環境音収集マイク
21 スピーカー
22 保持具
30 音源
31 アンプ群
32 スピーカー群
33 処理機
34 加算器
35 A/D変換器
50 突っ張り棒
51 天井部材
53 固定具
201 小径パイプ(第2部材)
202 大径パイプ(第1部材)
203 ベルト(引き上げ部材)
205 バックル収納部
206 DCバックル
261 係止歯
262 ローラ
263 解除レバー
207 解除保持レバー
Claims (12)
- 外部雑音に煩わされずに交信を行う交信環境を提供するテレコムブースであって、
前記外部雑音による妨害及び内部音声の漏洩を防止する遮音壁が設けられ、
該遮音壁により作られる空間に、発話者の声を集める集音マイク又は内部環境音の収音マイクと発話者へ相手の情報を音で伝える内部スピーカーが備えられ、
前記集音マイクが発話者の口に向けられた指向性を有し、
前記内部スピーカーが発話者の耳に向けられた指向性を有することを特徴とするテレコムブース。 - 前記遮音壁の外側に向けて前記内部音声をマスクするマスク音を出力する外部スピーカーが設けられ、
該外部スピーカーが所定の範囲に向けて発声する指向性を有し、
該外部スピーカーにマスク音を生じるマスク信号が送られることを特徴とする請求項1に記載のテレコムブース。 - 前記集音マイクがガンマイクであることを特徴とする請求項2に記載のテレコムブース。
- 前記内部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであることを特徴とする請求項2又は3に記載のテレコムブース。
- 前記外部スピーカーがラインアレイスピーカーまたは、発声部にホーンを付加したホーンスピーカーであることを特徴とする請求項2乃至4何れかに記載のテレコムブース。
- 前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度または周波数に依存して生成されることを特徴とする請求項5に記載のテレコムブース。
- 前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の強度及び周波数に応じて前記外部雑音を加工して生成されることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブース。
- 前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音に対して、波形の立ち上がり整形、振幅又は周波数加工、高調波混合或いは遅れ音混合の何れか一つ又は複数の組み合わせにより生成されることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブース。
- 前記マスク信号が、前記内部音声又は内部環境音の逆再生音を含むものであることを特徴とする請求項2乃至請求項5何れかに記載のテレコムブース。
- 前記ラインアレイスピーカーの駆動が、2項分布の強度で行われることを特徴とする請求項5乃至9何何れかに記載のテレコムブース。
- 前記遮音壁が複数の柱により支えられたシート部材で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8何れかにに記載のテレコムブース。
- 前記柱が可変長であることを特徴とする請求項11に記載のテレコムブース。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021037876A JP2022138080A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | テレコムブース |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
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2021
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20210323 |