JP2022137867A - 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】接岸状況を好適に判定可能な情報処理装置を提供する。【解決手段】情報処理装置1のコントローラ13は、対象船舶に設けられたライダ3が生成する、接岸場所が存在する方向の点群データを取得する。そして、コントローラ13は、点群データから算出した法線ベクトルに基づき、ライダ3の視野角に存在する接岸場所の面である視野内面と、点群データにより検出される接岸場所の面である検出面とを特定する。そして、コントローラ13は、特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する。【選択図】図3
Description
本開示は、船舶の接岸時の処理に関する。
従来から、船舶の接岸(着岸)に関する支援を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、船舶の自動接岸を行う自動接岸装置において、ライダから照射される光が接岸位置の周囲の物体に反射してライダにより受光できるように、船舶の姿勢を変化させる制御を行う手法が記載されている。
自己位置推定及び地図データなどを行わず、センサの出力に基づき接岸を行う船舶の接岸支援においては、近傍に存在する構造物が接岸場所であるか否かなどの接岸状況を的確に判定して船舶制御などに反映させる必要がある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、接岸状況を好適に判定可能な情報処理装置を提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明は、
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得する取得手段と、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定する特定手段と、
前記特定手段による特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する接岸状況判定手段と、
を有する情報処理装置である。
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得する取得手段と、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定する特定手段と、
前記特定手段による特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する接岸状況判定手段と、
を有する情報処理装置である。
また、請求項に記載の発明は、
コンピュータが実行する制御方法であって、
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する、
制御方法である。
コンピュータが実行する制御方法であって、
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する、
制御方法である。
また、請求項に記載の発明は、
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
本開示における好適な実施形態によれば、情報処理装置は、船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得する取得手段と、前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定する特定手段と、前記特定手段による特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する接岸状況判定手段と、を有する。この態様によれば、情報処理装置は、計測装置による接岸場所の面の検出状況に基づき、的確に接岸状況を判定することができる。
上記情報処理装置の一態様では、情報処理装置は、水面位置を基準として前記計測データから水面反射データを除去したデータに基づき前記法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手段を有する。この態様により、情報処理装置は、水面反射に起因して生成された、水面位置より下の位置を示す誤検出データを的確に除去したデータに基づき、接岸場所の法線ベクトルを的確に算出することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、情報処理装置は、ダウンサンプリング後の前記計測データを構成する計測点の各々に対し、前記法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手段を有する。この態様により、情報処理装置は、処理負荷を低減しつつ、必要な法線ベクトルを好適に算出することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、前記特定手段は、鉛直方向の法線ベクトルに基づき、前記接岸場所の上面が前記検出面となるか否か判定し、水平方向の法線ベクトルに基づき、前記接岸場所の側面が前記検出面となるか否か判定する。この態様により、情報処理装置は、接岸場所の上面と側面が夫々検出面となるか的確に判定することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、前記接岸状況判定手段は、前記上面と前記側面とが夫々前記視野内面となるか否か、及び、前記上面と前記側面とが夫々前記検出面となるか否かの組み合わせに基づき、前記接岸状況を判定する。この態様により、情報処理装置は、検出した物体の接岸場所としての適否等の接岸状況を好適に判定することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、情報処理装置は、前記接岸状況の判定結果に基づき、前記接岸場所に関する信頼度を表す信頼度情報を生成する信頼度情報生成手段をさらに有する。この態様により、情報処理装置は、接岸等における船舶の制御に有用な信頼度情報を好適に生成することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、情報処理装置は、前記法線ベクトルに基づき、前記船舶から前記接岸場所までの距離である対岸距離を算出する対岸距離算出手段と、前記対岸距離に基づき、前記船舶の前記接岸場所に対する進入角度を算出する進入角度算出手段と、をさらに有し、前記信頼度情報生成手段は、前記対岸距離の時間変化に基づく前記対岸距離に関する信頼度と、前記進入角度の時間変化に基づく前記進入角度に関する信頼度とを含む前記信頼度情報を生成する。この態様により、情報処理装置は、対岸距離と進入角度を的確に算出し、かつ、これらの信頼度を含んだ信頼度情報を好適に生成することができる。
上記情報処理装置の他の一態様では、情報処理装置は、前記計測データに基づき、前記船舶に対する前記接岸場所における所定個数の近傍点を判定する近傍点探索手段と、前記近傍点から前記船舶に対する前記接岸場所における最近傍点を判定する最近傍点判定手段と、をさらに有し、前記対岸距離算出手段は、前記最近傍点と、前記法線ベクトルとに基づき、前記対岸距離を算出し、前記信頼度情報生成手段は、前記近傍点の分散に基づき、前記最近傍点に関する信頼度を含む前記信頼度情報を生成する。この態様により、情報処理装置は、対岸距離の算出に必要な接岸場所の最近傍点の探索を好適に実行し、かつ、最近傍点に関する信頼度を含んだ信頼度情報を好適に生成することができる。
本開示の他の好適な実施形態によれば、コンピュータが実行する制御方法であって、船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する。コンピュータは、この制御方法を実行することで、計測装置による接岸場所の面の検出状況に基づき、的確に接岸状況を判定することができる。
本開示の他の好適な実施形態によれば、船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。コンピュータは、このプログラムを実行することで、計測装置による接岸場所の面の検出状況に基づき、的確に接岸状況を判定することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、任意の記号の上に「^」または「-」が付された文字を、本明細書では便宜上、「A^」または「A-」(「A」は任意の文字)と表す。
(1)運転支援システムの概要
図1は、本実施例に係る運転支援システムの概略構成である。運転支援システムは、移動体である船舶と共に移動する情報処理装置1と、当該船舶に搭載されたセンサ群2とを有する。以後では、情報処理装置1と共に移動する船舶を「対象船舶」とも呼ぶ。
図1は、本実施例に係る運転支援システムの概略構成である。運転支援システムは、移動体である船舶と共に移動する情報処理装置1と、当該船舶に搭載されたセンサ群2とを有する。以後では、情報処理装置1と共に移動する船舶を「対象船舶」とも呼ぶ。
情報処理装置1は、センサ群2と電気的に接続し、センサ群2に含まれる各種センサの出力に基づき、情報処理装置1が設けられた対象船舶の自動運転制御等の運転支援を行う。運転支援には、自動接岸(着岸)などの接岸支援も含まれる。ここで、「接岸」とは、岸壁に対象船舶を着ける場合の他、桟橋等の構造体に対象船舶を着ける場合も含まれる。また、以後では、「接岸場所」とは、接岸の対象となる岸壁、桟橋等の構造体の総称であるものとする。情報処理装置1は、対象船舶に設けられたナビゲーション装置であってもよく、船舶に内蔵された電子制御装置であってもよい。
センサ群2は、対象船舶に設けられた種々の外界センサ及び内界センサを含んでいる。本実施例では、センサ群2は、ライダ(Lidar:Light Detection and Ranging、または、Laser Illuminated Detection And Ranging)3を少なくとも含んでいる。
ライダ3は、水平方向および垂直方向の所定の角度範囲に対してパルスレーザを出射することで、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の位置を示す3次元の点群データを生成する。この場合、ライダ3は、照射方向を変えながらレーザ光を照射する照射部と、照射したレーザ光の反射光(散乱光)を受光する受光部と、受光部が出力する受光信号に基づくスキャンデータを出力する出力部とを有する。レーザ光を照射する方向(走査位置)ごとに計測されるデータ(「計測点」又は「計測点データ」とも呼ぶ。)は、受光部が受光したレーザ光に対応する照射方向と、上述の受光信号に基づき特定される当該レーザ光の応答遅延時間とに基づき生成される。なお、ライダ3は、上述したスキャン型のライダに限らず、2次元アレイ状のセンサの視野にレーザ光を拡散照射することによって3次元データを生成するフラッシュ型のライダであってもよい。ライダ3は、本発明における「計測装置」の一例である。
(2)情報処理装置の構成
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、主に、インターフェース11と、メモリ12と、コントローラ13と、を有する。これらの各要素は、バスラインを介して相互に接続されている。
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、主に、インターフェース11と、メモリ12と、コントローラ13と、を有する。これらの各要素は、バスラインを介して相互に接続されている。
インターフェース11は、情報処理装置1と外部装置とのデータの授受に関するインターフェース動作を行う。本実施例では、インターフェース11は、センサ群2の各センサから出力データを取得し、コントローラ13へ供給する。また、インターフェース11は、例えば、コントローラ13が生成した対象船舶の制御に関する信号を、対象船舶の運転を制御する対象船舶の各構成要素に供給する。例えば、対象船舶は、エンジンや電気モータなどの駆動源と、駆動源の駆動力に基づき進行方向の推進力を生成するスクリューと、駆動源の駆動力に基づき横方向の推進力を生成するスラスターと、船舶の進行方向を自在に定めるための機構である舵等とを備える。そして、自動接岸などの自動運転時には、インターフェース11は、コントローラ13が生成した制御信号を、これらの各構成要素に供給する。なお、対象船舶に電子制御装置が設けられている場合には、インターフェース11は、当該電子制御装置に対し、コントローラ13が生成した制御信号を供給する。インターフェース11は、無線通信を行うためのネットワークアダプタなどのワイヤレスインターフェースであってもよく、ケーブル等により外部装置と接続するためのハードウェアインターフェースであってもよい。また、インターフェース11は、入力装置、表示装置、音出力装置等の種々の周辺装置とのインターフェース動作を行ってもよい。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。メモリ12は、コントローラ13が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。なお、コントローラ13が実行するプログラムは、メモリ12以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
また、メモリ12には、本実施例において情報処理装置1が実行する処理に必要な情報が記憶される。例えば、メモリ12には、接岸場所の位置に関する情報を含む地図データが含まれていてもよい。他の例では、メモリ12には、ライダ3が1周期分の走査を行った場合に得られる点群データに対してダウンサンプリングを行う場合のダウンサンプリングのサイズに関する情報が記憶される。
コントローラ13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)などの1又は複数のプロセッサを含み、情報処理装置1の全体を制御する。この場合、コントローラ13は、メモリ12等に記憶されたプログラムを実行することで、対象船舶の運転支援等に関する処理を行う。
また、コントローラ13は、機能的には、接岸場所検出部15と、接岸パラメータ算出部16と、を有する。接岸場所検出部15は、ライダ3が出力する点群データに基づき、接岸場所の検出に関する処理を行う。接岸パラメータ算出部16は、接岸場所への接岸に必要なパラメータ(「接岸パラメータ」とも呼ぶ。)の算出を行う。ここで、接岸パラメータには、接岸場所までの距離(対岸距離)、接岸場所への進入角度、接岸場所へ近づく速度(接岸速度)などが含まれる。また、接岸パラメータ算出部16は、接岸場所検出部15の処理結果及び接岸パラメータに基づき、接岸場所への接岸に関する信頼度を表す情報(「信頼度情報」とも呼ぶ。)を算出する。そして、コントローラ13は、「取得手段」、「特定手段」、「法線ベクトル算出手段」、「対岸距離算出手段」、「進入角度算出手段」、「近傍点探索手段」、「最近傍点判定手段」、「接岸状況判定手段」、「信頼度情報生成手段」及びプログラムを実行するコンピュータ等として機能する。
なお、コントローラ13が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、コントローラ13が実行する処理は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、コントローラ13が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。
(3)接岸支援処理
次に、情報処理装置1が実行する接岸支援処理について説明する。概略的には、情報処理装置1は、接岸場所が存在する方向において計測されたライダ3の点群データに基づき、ライダの視野角(即ちレーザ光による走査範囲)に存在する面と点群データにより検出される面とを特定し、その特定結果に基づき、接岸場所に関する信頼度を決定する。
次に、情報処理装置1が実行する接岸支援処理について説明する。概略的には、情報処理装置1は、接岸場所が存在する方向において計測されたライダ3の点群データに基づき、ライダの視野角(即ちレーザ光による走査範囲)に存在する面と点群データにより検出される面とを特定し、その特定結果に基づき、接岸場所に関する信頼度を決定する。
(3-1)機能ブロック
図3は、接岸支援処理に関する接岸場所検出部15及び接岸パラメータ算出部16の機能ブロック図である。接岸場所検出部15は、機能的には、法線ベクトル算出ブロック20と、視野・検出面特定ブロック21と、法線数特定ブロック22と、平均・分散算出ブロック23と、接岸状況判定ブロック24とを有する。また、接岸パラメータ算出部16は、機能的には、近傍点探索ブロック25と、最近傍判定ブロック26と、対岸距離算出ブロック27と、進入角度算出ブロック28と、接岸速度算出ブロック29と、信頼度情報生成ブロック30とを有する。
図3は、接岸支援処理に関する接岸場所検出部15及び接岸パラメータ算出部16の機能ブロック図である。接岸場所検出部15は、機能的には、法線ベクトル算出ブロック20と、視野・検出面特定ブロック21と、法線数特定ブロック22と、平均・分散算出ブロック23と、接岸状況判定ブロック24とを有する。また、接岸パラメータ算出部16は、機能的には、近傍点探索ブロック25と、最近傍判定ブロック26と、対岸距離算出ブロック27と、進入角度算出ブロック28と、接岸速度算出ブロック29と、信頼度情報生成ブロック30とを有する。
法線ベクトル算出ブロック20は、接岸場所が存在する方向に対してライダ3が生成する点群データに基づき、接岸場所が形成する面(「接岸面」とも呼ぶ。)の法線ベクトルを算出する。この場合、法線ベクトル算出ブロック20は、例えば、対象船舶において接岸側を計測範囲に含むライダ3が生成する点群データに基づき、上述の法線ベクトルを算出する。ライダ3の計測範囲及び接岸場所の方向に関する情報は、例えばメモリ12等に予め登録されていてもよい。
この場合、法線ベクトル算出ブロック20は、好適には、点群データのダウンサンプリングと、レーザ光が水面で反射することで得られたデータ(「水面反射データ」とも呼ぶ。)の除去と、を夫々行うとよい。
この場合、まず、法線ベクトル算出ブロック20は、ライダ3が生成する点群データに対し、水面位置より下方に存在するデータを、水面反射データ(即ち誤検出データ)として除去する。なお、法線ベクトル算出ブロック20は、例えば、周辺に水面以外の物体が存在しないときにライダ3が生成する点群データの高さ方向の平均値等に基づき、水面位置を推定する。そして、法線ベクトル算出ブロック20は、水面反射データを除去後の点群データに対し、所定サイズの格子空間毎に計測点を統合する処理であるダウンサンプリングを行う。そして、法線ベクトル算出ブロック20は、ダウンサンプリング後の点群データにより示される各計測点について、周辺の複数の計測点を用いて法線ベクトルを算出する。なお、ダウンサンプリングは、水面で反射したデータの除去の前に実行されてもよい。
視野・検出面特定ブロック21は、ライダ3の視野角内に存在する接岸場所の面(「視野内面」とも呼ぶ。)と、法線ベクトル算出ブロック20が算出した法線ベクトルに基づき検出した接岸場所の面(「検出面」とも呼ぶ。)との特定を行う。この場合、視野・検出面特定ブロック21は、視野内面及び検出面として、接岸場所の上面又は/及び側面が含まれているか否かの特定を行う。具体的な特定方法については図5~図7を参照して説明する。
法線数特定ブロック22は、法線ベクトル算出ブロック20が算出した法線ベクトルのうち、鉛直方向の法線ベクトルと、それに垂直な方向(即ち水平方向)の法線ベクトルとを夫々抽出し、鉛直方向の法線ベクトルの本数と、水平方向の法線ベクトルの本数とを算出する。ここでは、法線数特定ブロック22は、鉛直方向の法線ベクトルを、接岸場所の上面の計測点に対する法線、水平方向の法線ベクトルを、接岸場所の側面の計測点に対する法線を表すものとみなし、夫々の本数を接岸場所に関する信頼度の一指標として算出している。
平均・分散算出ブロック23は、法線ベクトル算出ブロック20が算出した法線ベクトルのうち、鉛直方向の法線ベクトルと、それに垂直な方向(即ち水平方向)の法線ベクトルとを夫々抽出し、鉛直方向の法線ベクトルの平均及び分散と、水平方向の法線ベクトルの平均及び分散を算出する。
接岸状況判定ブロック24は、同一の点群データに基づき特定又は算出された、視野・検出面特定ブロック21、法線数特定ブロック22、平均・分散算出ブロック23の各処理結果を、当該点群データの生成時点での接岸場所の検出状況を表す判定結果として取得する。そして、接岸状況判定ブロック24は、視野・検出面特定ブロック21、法線数特定ブロック22、平均・分散算出ブロック23の各処理結果を、接岸場所の検出状況の判定結果として、信頼度情報生成ブロック30に供給する。
近傍点探索ブロック25は、距離が短い点を複数個探索することにより、対象船舶に対する接岸場所の所定個数分の近傍点を、点群データを構成する計測点から検出する。最近傍判定ブロック26は、近傍点探索ブロック25が検出した所定個数分の近傍点から、最近傍点を判定する処理を行う。
対岸距離算出ブロック27は、最近傍判定ブロック26が判定した最近傍点に基づき、対象船舶と接岸場所との最短距離に相当する対岸距離を算出する。進入角度算出ブロック28は、対岸距離算出ブロック27が算出した対岸距離に基づき、あるいは平均・分散算出ブロック23が算出した法線ベクトルの平均値に基づき、接岸場所に対する対象船舶の進入角度を算出する。接岸速度算出ブロック29は、対岸距離算出ブロック27が算出した対岸距離に基づき、接岸場所に対象船舶が近づく速度である接岸速度を算出する。
信頼度情報生成ブロック30は、接岸状況判定ブロック24、近傍点探索ブロック25、最近傍判定ブロック26、対岸距離算出ブロック27及び進入角度算出ブロック28の処理結果に基づき、信頼度情報を生成する。信頼度情報の詳細については後述する。
(3-2)法線ベクトルに関する演算
次に、法線ベクトル算出ブロック20、法線数特定ブロック22及び平均・分散算出ブロック23の処理の具体例について図4を参照して説明する。
次に、法線ベクトル算出ブロック20、法線数特定ブロック22及び平均・分散算出ブロック23の処理の具体例について図4を参照して説明する。
図4(A)は、対象船舶の船体を基準とした船体座標系の一例を示す。図4(A)に示すように、ここでは、対象船舶の正面(前進)方向を「x」座標、対象船舶の側面方向を「y」座標、対象船舶の高さ方向を「z」座標とする。そして、ライダ3が計測した、ライダ3を基準とした座標系の計測データは、図4(A)に示す船体座標系に変換される。なお、移動体に設置されたライダを基準とした座標系の点群データを移動体の座標系に変換する処理については、例えば、国際公開WO2019/188745などに開示されている。
図4(B)は、接岸場所である構造物50に対し、ライダ3が計測した計測位置を表す計測点及び計測点に基づき算出した法線ベクトルを明示した構造物50の斜視図である。図4(B)では、計測点を丸により示し、法線ベクトルを矢印により示している。ここでは、構造物50の上面及び側面の両方がライダ3により計測できた例が示されている。
図4(B)に示すように、法線ベクトル算出ブロック20は、構造物50の側面及び上面の計測点に対する法線ベクトルを算出する。法線ベクトルは、対象とする平面や曲面に垂直なベクトルであるため、面として構成可能な複数の計測点を用いて算出される。したがって、縦横が所定長の格子あるいは半径が所定長の円を設定し、その内部に存在する計測点を用いて計算する。この場合、法線ベクトル算出ブロック20は、計測点毎に法線ベクトルを算出してもよく、所定間隔毎に法線ベクトルを算出してもよい。そして、法線数特定ブロック22は、z成分が所定の閾値より大きい法線ベクトルを、鉛直方向を向いた法線ベクトルであると判定する。なお、法線ベクトルは、単位ベクトル化されているものとする。また、z成分が所定の閾値未満となる法線ベクトルを、水平方向を向いた法線ベクトルであると判定する。そして、法線数特定ブロック22は、鉛直方向の法線ベクトルの本数(ここでは5本)と水平方向の法線ベクトル(ここでは4本)とを特定する。さらに、平均・分散算出ブロック23は、鉛直方向の法線ベクトルの平均及び分散と、水平方向の法線ベクトルの平均及び分散を算出する。なお、エッジ部分は、その周辺の計測点が上面であったり側面であったりするため、斜めの方向になる。
(3-3)視野内面及び検出面の特定
視野内面及び検出面の特定処理について、具体的な接岸状況を表す接岸状況A~接岸状況Eに場合分けして説明する。
視野内面及び検出面の特定処理について、具体的な接岸状況を表す接岸状況A~接岸状況Eに場合分けして説明する。
(3-3-1)接岸状況A:接岸場所の側面及び上面の両方が視野内面及び検出面
図5は、視野内面及び検出面として接岸場所である構造物50の上面及び側面の両方が含まれる接岸状況を表す図である。図5において、破線51は、推定された水面位置を表す。そして、破線51より下方に存在する丸は、水面位置より下方に存在する計測点として除去された計測点を表す。また、構造物50の上面及び側面に存在する丸は、法線ベクトル算出ブロック20が算出した法線ベクトルに対応する計測点を表す。
図5は、視野内面及び検出面として接岸場所である構造物50の上面及び側面の両方が含まれる接岸状況を表す図である。図5において、破線51は、推定された水面位置を表す。そして、破線51より下方に存在する丸は、水面位置より下方に存在する計測点として除去された計測点を表す。また、構造物50の上面及び側面に存在する丸は、法線ベクトル算出ブロック20が算出した法線ベクトルに対応する計測点を表す。
この場合、視野・検出面特定ブロック21は、法線ベクトル算出ブロック20が算出する法線ベクトルに基づき、構造物50の上面及び側面の両方を検出面として検出する。例えば、視野・検出面特定ブロック21は、鉛直方向の法線ベクトルの本数が所定個数以上の場合に、構造物50の上面が検出されたと判定し、水平方向の法線ベクトルの本数が所定個数以上の場合に、構造物50の側面が検出されたと判定する。上述の所定個数は、例えば予めメモリ12等に記憶されている。なお、視野・検出面特定ブロック21は、平均・分散算出ブロック23が算出する法線ベクトルの平均又は/及び分散に対して閾値を設けることで、構造物50の上面・側面の検出判定を行ってもよい。この場合、例えば、視野・検出面特定ブロック21は、鉛直方向の法線ベクトルの平均と鉛直方向を表すベクトルとの差が予め定めた閾値以内であって、鉛直方向の法線ベクトルの分散が閾値以内の場合に、上面が検出面として含まれると判定する。同様に、視野・検出面特定ブロック21は、水平方向の法線ベクトルの平均と鉛直方向を表すベクトルとの差が予め定めた閾値以内であって、水平方向の法線ベクトルの分散が閾値以内の場合に、側面が検出面として含まれると判定する。
また、視野・検出面特定ブロック21は、図5の例において、構造物50の上面及び側面が検出面として検出されたことから、構造物50の上面及び側面の両方がライダ3の視野角内に存在すると判定する。
そして、図5に示される接岸状況Aでは、視野内面及び検出面として接岸場所である構造物50の上面及び側面の両方が含まれることから、接岸場所が正確に検出されており、接岸場所の検出に関する信頼度が高いことが推定される。
(3-3-2)接岸状況B:接岸場所の両面が視野内面かつ側面のみ検出面
図6(A)は、視野内面が上面及び側面であるのに対し、検出面が側面のみである接岸状況を表す図である。
図6(A)は、視野内面が上面及び側面であるのに対し、検出面が側面のみである接岸状況を表す図である。
図6(A)に示される接岸状況の場合、視野・検出面特定ブロック21は、法線ベクトル算出ブロック20が算出する法線ベクトルに基づき、構造物50の側面を検出面として検出する。例えば、視野・検出面特定ブロック21は、水平方向の法線ベクトルの本数が所定本数以上存在し、鉛直方向の法線ベクトルの本数が所定本数未満しか存在しないことから、構造物50の側面を検出面として検出する。一方、視野・検出面特定ブロック21は、構造物50の側面を検出した走査位置より上方を計測可能な走査位置が存在する(言い換えると、構造物50の側面を検出したデータの最上位の垂直番号(図6(B)において後述する)が垂直視野角の上端の番号ではない)ことから、視野内面が上面及び側面の両方を含むと判定する。図6(B)は、1回の走査周期においてライダ3が生成するデータの配列の一例を示す。ライダ3が生成する各データは、レーザ光の出射方向に応じた垂直番号(ここでは1~m)と水平番号(ここでは1~n)との組により特定される。図6(B)の例では、垂直番号が1番のデータが垂直視野角の上端の番号であるものとする。この場合、図6(A)の例では、視野・検出面特定ブロック21は、構造物50の側面を検出したデータの最上位の垂直番号が1番ではない場合に、視野内面が上面及び側面の両方を含むと判定する。
そして、図6(A)に示される接岸状況では、視野内面が上面及び側面の両方を含むものの、接岸場所の側面のみしか検出できていないため、接岸場所の検出に関する信頼度が図5の場合と比べて低いことが推定される。
(3-3-3)接岸状況C:接岸場所の両面が視野内面かつ上面のみ検出面
図6(C)は、視野内面が上面及び側面であるのに対し、検出面が上面のみである接岸状況を表す図である。
図6(C)は、視野内面が上面及び側面であるのに対し、検出面が上面のみである接岸状況を表す図である。
図6(C)に示される接岸状況の場合、視野・検出面特定ブロック21は、法線ベクトル算出ブロック20が算出する法線ベクトルに基づき、構造物50の側面を上面として検出する。一方、視野・検出面特定ブロック21は、構造物50の上面を検出した走査位置より下方を計測可能な走査位置が存在する(言い換えると、構造物50の上面を検出したデータの最下位の垂直番号が垂直視野角の下端の番号(図6(B)ではm番)ではない)ことから、視野内面が上面及び側面の両方を含むと判定する。
そして、図6(C)に示される接岸状況では、視野内面が上面及び側面の両方を含むものの、接岸場所の上面にみしか検出できていないため、接岸場所の検出に関する信頼度は、図5及び図6(A)の場合と比べて低いことが推定される。
(3-3-4)接岸状況D:視野内面及び検出面が共に側面のみ
図7(A)は、視野内面及び検出面が共に側面のみである接岸状況を表す図である。
図7(A)は、視野内面及び検出面が共に側面のみである接岸状況を表す図である。
図7(A)に示される接岸状況の場合、視野・検出面特定ブロック21は、法線ベクトル算出ブロック20が算出する法線ベクトルに基づき、構造物50の側面の一部を検出面として検出する。また、視野・検出面特定ブロック21は、構造物50の側面を検出した走査位置より上方を計測可能な走査位置が存在しない(言い換えると、構造物50の側面を検出したデータの最上位の垂直番号が垂直視野角の上端の番号(図6(B)では1番)である)ことから、視野内面が側面の一部のみを含むと判定する。そして、図7(A)に示される接岸状況では、接岸場所の側面の一部のみしか検出できていないため、接岸場所の検出に関する信頼度が図5等の場合と比べて低いことが推定される。
(3-3-5)接岸状況E:視野内面及び検出面が共に上面のみ
図7(B)は、視野内面及び検出面が共に上面のみである接岸状況を表す図である。
図7(B)は、視野内面及び検出面が共に上面のみである接岸状況を表す図である。
図7(B)に示される接岸状況の場合、視野・検出面特定ブロック21は、法線ベクトル算出ブロック20が算出する法線ベクトルに基づき、構造物50の上面のみを検出面として検出する。また、視野・検出面特定ブロック21は、構造物50の側面を検出した走査位置より下方を計測可能な走査位置が存在しない(言い換えると、構造物50の上面を検出したデータの最下位の垂直番号が垂直視野角の下端の番号(図6(B)ではm番)である)ことから、視野内面が上面のみを含むと判定する。そして、図7(B)に示される接岸状況では、構造物50の上面の一部しか検出できず、接岸場所の検出に関する信頼度が図5等の場合と比べて低いことが推定される。また、この場合、最近傍点が対岸距離を算出する際の構造物50の基準位置とはならず、対岸距離が正確に計算できない。
(3-4)最近傍点探索
次に、近傍点探索ブロック25及び最近傍判定ブロック26の処理の具体例について、図8(A)及び図8(B)を参照して説明する。図8(A)は、ライダ3により計測した構造物50の計測点及びその中の近傍点を明示した構造物50の斜視図である。図8(B)は、ライダ3により計測した構造物50の計測点及びその中の最近傍点を明示した構造物50の斜視図である。
次に、近傍点探索ブロック25及び最近傍判定ブロック26の処理の具体例について、図8(A)及び図8(B)を参照して説明する。図8(A)は、ライダ3により計測した構造物50の計測点及びその中の近傍点を明示した構造物50の斜視図である。図8(B)は、ライダ3により計測した構造物50の計測点及びその中の最近傍点を明示した構造物50の斜視図である。
近傍点探索ブロック25は、ライダ3から取得される点群データの距離情報に基づき、所定個数の近傍点を探索する。図8(A)の例では、近傍点探索ブロック25は、6個分の近傍点を求めている。この場合、好適には、近傍点探索ブロック25は、点群データにおいて、水面位置と推定できる高さ付近よりも下方の位置を表すデータを、レーザ光が水面に反射することで得られた水面反射データ(即ち誤検出データ)として除去するとよい。
最近傍判定ブロック26は、近傍点探索ブロック25が求めた近傍点のうち最も近い距離を示すものを最近傍点の候補とし、当該候補とその他の近傍点との座標の差(例えば他の各近傍点との距離の平均)を算出する。そして、最近傍判定ブロック26は、上述の差が所定の閾値未満である場合、当該候補を最近傍点とみなす。岸壁付近では、波や風が強いと、波しぶきや浮遊物を偶然捉えてしまうこともある。よって上述の閾値は、ノイズ又は接岸場所以外の物の計測点であるか否かを判定するための閾値であって、例えば予めメモリ12等に記憶されている。一方、最近傍判定ブロック26は、上述の差が所定の閾値以上である場合、当該候補はノイズ又は他の物の計測点である可能性が高いと判定し、当該候補を最近傍点とみなさない。この場合、最近傍判定ブロック26は、上述の候補の次に距離が近い近傍点を新たな候補とみなし、上述の差の算出及び閾値との比較を行い、最近傍点の判定を行う。なお、近傍点探索ブロック25が探索した複数の近傍点の座標の分散は、最近傍探索の信頼度の設定に用いられる。
(3-5)対岸距離、進入角度、接岸速度の算出
次に、接岸距離、進入角度、接岸速度の算出について説明する。以後では、代表例として、対象船舶の前方と後方の2か所にライダ3が設置されている場合について説明する。
次に、接岸距離、進入角度、接岸速度の算出について説明する。以後では、代表例として、対象船舶の前方と後方の2か所にライダ3が設置されている場合について説明する。
図9(A)は、対岸距離の第1の算出方法の概要を表す図である。この例では、接岸場所である構造物50に対して対象船舶が平行ではない(角度がある)ため、最近傍点までの距離が最短距離となっていない。
第1の算出方法では、対岸距離算出ブロック27は、前方のライダ3の点群データに基づき求められた最近傍点と、後方のライダ3の点群データに基づき求められた最近傍点とを通る直線の式を生成する。この直線式は、対象船舶側の構造物50の側面と平行な直線となる。そして、対岸距離算出ブロック27は、その直線式が示す直線との距離を各ライダ3からの最短距離とみなし、これらの最短距離を対岸距離とみなす。なお、対岸距離算出ブロック27は、ライダ3ごとの最短距離を対岸距離とみなす代わりに、対岸距離をライダ3毎の最短距離のうち短い距離を対岸距離として定めてもよく、これらの最短距離の平均を対岸距離として定めてもよい。
第1の算出方法によれば、対岸距離算出ブロック27は、接岸場所に対して対象船舶の角度がある場合であっても、対岸距離を好適に算出することができる。
図9(B)は、対岸距離の第2の算出方法の概要を表す図である。この例においても、接岸場所である構造物50に対して対象船舶が平行ではない(角度がある)ため、最近傍点までの距離が最短距離となっていない。
第2の算出方法では、対岸距離算出ブロック27は、前方のライダ3と後方のライダ3との夫々について、ライダ3から最近傍点までのベクトルと、当該最近傍点における法線ベクトルとの内積を算出する。そして、対岸距離算出ブロック27は、ライダ3毎の内積の算出結果を、各ライダ3に対する最短距離とみなし、これらの最短距離から対岸距離を定める。第2の算出方法によっても、対岸距離算出ブロック27は、接岸場所に対する対象船舶の方向によらずに対岸距離を好適に算出することができる。
次に、接岸速度の算出方法について説明する。接岸速度算出ブロック29は、前方のライダ3と後方のライダ3との夫々で求めた対岸距離(最短距離)の時間変化を接岸速度として算出する。
図10は、接岸速度の算出方法の概要を表す図である。ここで、「df」は前方のライダ3の対岸距離(最短距離)を表し、「dr」は後方のライダ3の対岸距離(最短距離)を表し、「t」は現在の処理時刻、「t-1」は直前の処理時刻を表し、「Δt」は直前の対岸距離の算出時刻との時間間隔を表す。
ここで、接岸速度算出ブロック29は、前時刻と現時刻との対岸距離の差を時間間隔で割る場合に、ノイズの増加に対応するため、フィルタを挿入する。具体的には、接岸速度算出ブロック29は、時定数「τ」とラプラス演算子「s」とを用いて、以下の式により、前方のライダ3に対する接岸速度「vf」と、後方のライダ3に対する接岸速度「vr」とを算出する。
これにより、接岸速度算出ブロック29は、ノイズの影響を勘案して接岸速度を好適に算出することができる。
次に、進入角度の算出方法について説明する。第1の算出方法では、進入角度算出ブロック28は、正接を規定する2つの引数から逆正接(アーク・タンジェント)を求める関数である「atan2」を用いて進入角度を算出する。具体的には、進入角度算出ブロック28は、接岸場所の側面の法線ベクトルの平均から、関数atan2の計算により、進入角度を算出する。
図11(A)は、進入角度の第1の算出方法の概要を表す図である。「nf」は、前方のライダ3の点群データに基づき算出された、接岸場所である構造物50の対象船舶側の側面の法線ベクトルを表す。また、「nr」は、後方のライダ3の点群データに基づき算出された、接岸場所である構造物50の対象船舶側の側面の法線ベクトルを表す。また、それぞれの法線ベクトルの成分は「nf=[nxf,nyf,nzf]T」、「nr=[nxr,nyr,nzr]T」とする。
この場合、進入角度算出ブロック28は、前方のライダ3の点群データに基づき算出される進入角度「Ψf」、及び、後方のライダ3の点群データに基づき算出される進入角度「Ψr」を、以下の式に基づき算出する。
また、進入角度算出ブロック28は、進入角度の第2の算出方法として、対象船舶の方向と、最近傍点を結ぶ直線式が表す直線のなす角度に基づき、進入角度を算出する。図11(B)は、進入角度の第2の算出方法の概要を表す図である。最近傍点を結んだ直線は、図9(A)に示す直線と同一であり、接岸場所である構造物50の対象船舶側の側面と平行となる。ここで、直線の方向ベクトルを「L=[Lx,Ly,Lz]T」とすると、進入角度は、最近傍点を結んだ直線と進行方向とのなす角に相当することから、進入角度算出ブロック28は、進入角度「Ψ」を以下の式に基づき、好適に算出することができる。
(3-6)信頼度情報の生成
信頼度情報生成ブロック30は、接岸場所の検出時の視野角、接岸場所の面検出、法線ベクトルの本数及び分散等の各要素に対してフラグを生成し、生成したフラグのベクトルを信頼度情報として生成する。以後では、フラグは、「1」の場合には対応する要素の信頼度が高く、「0」の場合には対応する要素の信頼度が低いことを表すものとする。
信頼度情報生成ブロック30は、接岸場所の検出時の視野角、接岸場所の面検出、法線ベクトルの本数及び分散等の各要素に対してフラグを生成し、生成したフラグのベクトルを信頼度情報として生成する。以後では、フラグは、「1」の場合には対応する要素の信頼度が高く、「0」の場合には対応する要素の信頼度が低いことを表すものとする。
図12は、信頼度情報生成ブロック30が生成する信頼度情報のデータ構造の一例を示す。図12に示すように、信頼度情報は、「上面」、「側面」、「近傍点」、「距離」、「角度」の項目を有する。また、項目「上面」は、サブ項目「視野角」、「検出」、「法線数」、「分散」を有し、項目「側面」は、「視野角」、「検出」、「法線数」、「分散」のサブ項目を有する。また、項目「近傍点」は、サブ項目「分散」を有し、項目「距離」は、サブ項目「変化量」、「変化率」を有し、項目「角度」は、サブ項目「変化量」を有する。
ここで、信頼度情報生成ブロック30は、項目「上面」のサブ項目「視野角」には、接岸場所の上面が視野角の範囲内である場合に「1」、上面が視野角外である場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「上面」のサブ項目「視野角」には、接岸場所の上面が検出面である場合に「1」、上面が検出面でない場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「上面」のサブ項目「法線数」には、接岸場所の上面に対する法線ベクトルの本数が所定の閾値(例えば10本)以上の場合に「1」、当該本数が閾値未満の場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「上面」のサブ項目「分散」には、接岸場所の上面に対する法線ベクトルのx,y,z成分の分散がいずれも所定の閾値(例えば1.0)未満の場合に「1」、当該いずれかの分散が閾値以上の場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「側面」の各サブ項目においても、項目「上面」の各サブ項目と同一規則により定めたフラグを登録する。
また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「近傍点」のサブ項目「分散」には、近傍点探索ブロック25が探索した近傍点のx,y,z成分の分散がいずれも閾値(例えば1.0)未満の場合に「1」、当該いずれかの分散が閾値以上の場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「距離」のサブ項目「変化量」には、対岸距離算出ブロック27が算出する対岸距離の1時刻前からの変化量が所定の閾値(例えば1.0m)未満である場合に「1」、当該変化量が閾値以上の場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「距離」のサブ項目「変化率」には、対岸距離算出ブロック27が算出する対岸距離の1時刻前からの変化率が所定の閾値(例えば±10%)未満である場合に「1」、当該変化率が閾値以上の場合に「0」となるフラグを登録する。また、信頼度情報生成ブロック30は、項目「角度」のサブ項目「変化量」には、進入角度算出ブロック28が算出する進入角度の1時刻前からの変化量が所定の閾値(例えば1.0度)未満である場合に「1」、当該変化量が閾値以上の場合に「0」となるフラグを登録する。
なお、上述の各閾値は、例えば、メモリ12等に予め記憶された適合値に設定される。また、信頼度情報は、ライダ3毎に生成されてもよい。
このようなデータ構造を有する信頼度情報によれば、算出した対岸距離、接岸速度、進入角度の信頼度を把握することが可能となる。なお、信頼度情報の各サブ項目が「1」の場合に、最も信頼度が高いことになる。そして、情報処理装置1は、この信頼度情報に基づき、接岸時の駆動源の出力の調整などを行う。例えば、情報処理装置1は、信頼度情報が示す各サブ項目の合計値に応じて、接岸時の対象船舶の速度の上限値等を決定してもよい。この場合、情報処理装置1は、例えば、上述の合計値が小さいほど、接岸場所に関する情報の信頼性が低く、慎重に接岸する必要があると判断し、接岸時の対象船舶の速度の上限値を小さくする。
(3-7)処理フロー
図13は、本実施例における接岸支援処理の概要を表すフローチャートの一例である。情報処理装置1は、図13のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
図13は、本実施例における接岸支援処理の概要を表すフローチャートの一例である。情報処理装置1は、図13のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まず、情報処理装置1は、接岸場所方向の点群データを取得する(ステップS11)。この場合、情報処理装置1は、例えば、対象船舶において接岸側を計測範囲に含むライダ3が生成する点群データを取得する。また、情報処理装置1は、取得した点群データのダウンサンプリング及び水面で反射したデータの除去をさらに行ってもよい。
次に、情報処理装置1の接岸場所検出部15は、ステップS11で取得された点群データに基づき、法線ベクトルを算出する(ステップS12)。さらに、接岸場所検出部15は、ステップS12において、法線ベクトルの本数及び法線ベクトルの分散等の算出を行う。また、接岸場所検出部15は、ステップS12の処理結果に基づき、視野内面及び検出面の特定を行う(ステップS13)。
次に、接岸パラメータ算出部16は、ステップS11で取得した点群データ及びステップS12で算出された法線ベクトルの情報等に基づき、接岸パラメータを算出する(ステップS14)。この場合、接岸パラメータ算出部16は、接岸場所の近傍点及び最近傍点を算出し、その算出結果を用いて対岸距離、進入角度、接岸速度などをさらに算出する。
そして、接岸パラメータ算出部16は、ステップS13での視野内面及び検出面の特定結果及びステップS14での接岸パラメータの算出結果に基づき、信頼度情報を生成する(ステップS15)。その後、情報処理装置1は、信頼度情報に基づく船舶の制御を行う(ステップS16)。これにより、情報処理装置1は、接岸状況を的確に反映した信頼度に基づいて、接岸に関する船舶の制御を的確に実行することができる。
そして、情報処理装置1は、対象船舶が接岸(着岸)したか否か判定する(ステップS17)。この場合、情報処理装置1は、例えば、センサ群2の出力信号又はインターフェース11を介したユーザ入力等に基づき、対象船舶が接岸したか否か判定する。そして、情報処理装置1は、対象船舶が接岸したと判定した場合(ステップS17;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、対象船舶が着岸していない場合(ステップS17;No)、ステップS11へ処理を戻す。
(4)変形例
視野・検出面特定ブロック21の特定結果は、信頼度情報の生成に利用される場合に限定されない。これに代えて、情報処理装置1は、視野・検出面特定ブロック21の特定結果を、信頼度情報生成以外の種々の用途に用いてもよい。以後では、視野・検出面特定ブロック21の特定結果に基づいて、接岸状況の的確な把握及び接岸の可否判定等を行う例について、接岸状況毎(接岸状況A~接岸状況E)に図14~図16を参照して説明する。視野・検出面特定ブロック21の特定結果に基づく接岸状況の把握及び接岸の可否判定等は、例えば、接岸状況判定ブロック24により実行される。
視野・検出面特定ブロック21の特定結果は、信頼度情報の生成に利用される場合に限定されない。これに代えて、情報処理装置1は、視野・検出面特定ブロック21の特定結果を、信頼度情報生成以外の種々の用途に用いてもよい。以後では、視野・検出面特定ブロック21の特定結果に基づいて、接岸状況の的確な把握及び接岸の可否判定等を行う例について、接岸状況毎(接岸状況A~接岸状況E)に図14~図16を参照して説明する。視野・検出面特定ブロック21の特定結果に基づく接岸状況の把握及び接岸の可否判定等は、例えば、接岸状況判定ブロック24により実行される。
[接岸状況A]
図5に示される接岸状況Aの場合、情報処理装置1は、接岸場所の側面及び上面の両方が視野内面及び検出面となり、上面と側面を持つという接岸場所の特徴を把握できる。よって、情報処理装置1は、接岸場所(桟橋、岸壁)であることを正しく認識することができる。また、情報処理装置1は、接岸場所の高さもわかるため接岸(着岸)可能か否かの判定も行うことができる。また、情報処理装置1は、接岸場所までの距離計測(即ち対岸距離の算出)も精度良く実施することができる。
図5に示される接岸状況Aの場合、情報処理装置1は、接岸場所の側面及び上面の両方が視野内面及び検出面となり、上面と側面を持つという接岸場所の特徴を把握できる。よって、情報処理装置1は、接岸場所(桟橋、岸壁)であることを正しく認識することができる。また、情報処理装置1は、接岸場所の高さもわかるため接岸(着岸)可能か否かの判定も行うことができる。また、情報処理装置1は、接岸場所までの距離計測(即ち対岸距離の算出)も精度良く実施することができる。
[接岸状況B]
図6(A)に示される接岸状況Bの場合、情報処理装置1は、接岸場所の両面が視野内面かつ側面のみ検出面と判定する。この場合、上面に水が溜まっている接岸場所を検出したか又は杭・生け簀の囲いなど上面がほとんどないものを検出したのいずれかが当てはまる。
図6(A)に示される接岸状況Bの場合、情報処理装置1は、接岸場所の両面が視野内面かつ側面のみ検出面と判定する。この場合、上面に水が溜まっている接岸場所を検出したか又は杭・生け簀の囲いなど上面がほとんどないものを検出したのいずれかが当てはまる。
図14(A)は、接岸状況Bにおいて、上面に水溜まり51が形成されている構造物50が存在する例を示す。図14(B)は、接岸状況Bにおいて、上面がほとんど存在しない構造物55が存在する例を示す。図14(A)の例では、構造物50には水溜まり51が形成されているものの、対象船舶は接岸可能となっている。一方、図14(B)の例では、構造物55には上面がほとんど存在しないため、対象船舶の接岸が困難となる。
以上を勘案し、情報処理装置1は、接岸状況Bの場合は、検出した構造物が接岸場所ではない可能性もあると判定することができる。
[接岸状況C]
図6(B)に示される接岸状況Cの場合、情報処理装置1は、接岸場所の両面が視野内面かつ上面のみ検出面と判定する。この場合、接岸場所の側面に多量の水分が付着しているであるか,あるいは防舷材が設置されていることが考えられる。そして、前者の場合には、ライダ3が生成する点群データより対岸距離が計測できるが、後者の場合には、防舷材までの距離が計測できない。
図6(B)に示される接岸状況Cの場合、情報処理装置1は、接岸場所の両面が視野内面かつ上面のみ検出面と判定する。この場合、接岸場所の側面に多量の水分が付着しているであるか,あるいは防舷材が設置されていることが考えられる。そして、前者の場合には、ライダ3が生成する点群データより対岸距離が計測できるが、後者の場合には、防舷材までの距離が計測できない。
図15(A)は、接岸状況Cにおいて、側面に付着水56が形成されている構造物50が存在する例を示す。図15(B)は、接岸状況Cにおいて、側面に防舷材57が設けられている構造物50が存在する例を示す。ここで、図15(B)の例では、防舷材57は通常黒色であるため、反射光がライダ3に到達せず、ライダ3により防舷材57を検出することが困難となり、対岸距離(ここでは防舷材までの距離)を計測できない。
以上を勘案し、情報処理装置1は、接岸状況Cの場合には、正確な対岸距離を算出できない接岸場所(桟橋、岸壁)の可能性があると判定する。なお、接岸状況Cにおいても、情報処理装置1は、対岸距離の変化を計測することで、接岸場所に対する速度である接岸速度を算出することができる。
また、図6(B)に示される接岸状況Cの場合、情報処理装置1は、側面が薄い桟橋が接岸場所である可能性もあると判定することもできる。その場合、情報処理装置1は、接岸場所に近づきながらライダ3による計測を継続することで,側面が検出されるようになれば、桟橋であると判定することができる。図16(A)及び図16(B)は、接岸状況Cにおいて桟橋58が存在する例を示す。図16(A)の例では、情報処理装置1は、ライダ3により桟橋58の側面を検出することができていない。しかしながら、桟橋58にさらに接近した状況を表す図16(B)の例では、情報処理装置1は、ライダ3により桟橋58の側面を検出することができている。そして、この場合、情報処理装置1は、桟橋58が桟橋であると判定することができる。
[接岸状況D]
図7(A)に示される接岸状況Dの場合、情報処理装置1は、視野内面及び検出面が共に側面のみであると判定する。そして、この場合、情報処理装置1は、検出した接岸場所の側面がどこまでの高さなのかを把握することができない。なお、この場合、検出した接岸場所は、接岸できる高さの岸壁である可能性もあるが、接岸できない高さの岸壁である可能性もある。従って、情報処理装置1は、接岸状況Dの場合には、対岸距離は計測できたとしても、検出した構造物が接岸可能な場所ではない可能性があると判定することができる。
図7(A)に示される接岸状況Dの場合、情報処理装置1は、視野内面及び検出面が共に側面のみであると判定する。そして、この場合、情報処理装置1は、検出した接岸場所の側面がどこまでの高さなのかを把握することができない。なお、この場合、検出した接岸場所は、接岸できる高さの岸壁である可能性もあるが、接岸できない高さの岸壁である可能性もある。従って、情報処理装置1は、接岸状況Dの場合には、対岸距離は計測できたとしても、検出した構造物が接岸可能な場所ではない可能性があると判定することができる。
[接岸状況E]
図7(B)に示される接岸状況Eの場合、情報処理装置1は、視野内面及び検出面が共に上面のみであると判定する。この場合、情報処理装置1は、検出した上面がどこまで手前方向に延びているのかを知ることができない。この場合、検出データから距離を求めることはできず、かつ、接岸場所に非常に接近している可能性もある。この場合、情報処理装置1は、検出した構造物から対象船舶を遠ざけるように対象船舶の運転制御を行う、又は、検出した構造物から対象船舶を遠ざけることを促す対象船舶の運転案内情報の出力を表示部等に行う。これにより、情報処理装置1は、接岸場所の側面及び上面の両方をライダ3の視野角に入れて接岸場所の検出判定を好適に行うことができる。
図7(B)に示される接岸状況Eの場合、情報処理装置1は、視野内面及び検出面が共に上面のみであると判定する。この場合、情報処理装置1は、検出した上面がどこまで手前方向に延びているのかを知ることができない。この場合、検出データから距離を求めることはできず、かつ、接岸場所に非常に接近している可能性もある。この場合、情報処理装置1は、検出した構造物から対象船舶を遠ざけるように対象船舶の運転制御を行う、又は、検出した構造物から対象船舶を遠ざけることを促す対象船舶の運転案内情報の出力を表示部等に行う。これにより、情報処理装置1は、接岸場所の側面及び上面の両方をライダ3の視野角に入れて接岸場所の検出判定を好適に行うことができる。
以上説明したように、本実施例に係る情報処理装置1のコントローラ13は、対象船舶に設けられたライダ3が生成する、接岸場所が存在する方向の点群データを取得する。そして、コントローラ13は、点群データから算出した法線ベクトルに基づき、ライダ3の視野角に存在する接岸場所の面である視野内面と、点群データにより検出される接岸場所の面である検出面とを特定する。そして、コントローラ13は、特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する。これにより、情報処理装置1は、接岸状況を的確に把握することができる。
なお、上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータであるコントローラ等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
以上、実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
1 情報処理装置
2 センサ群
3 ライダ
2 センサ群
3 ライダ
Claims (11)
- 船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得する取得手段と、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定する特定手段と、
前記特定手段による特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する接岸状況判定手段と、
を有する情報処理装置。 - 水面位置を基準として前記計測データから水面反射データを除去したデータに基づき前記法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手段を有する、請求項1に記載の情報処理装置。
- ダウンサンプリング後の前記計測データの計測点の各々に対し、前記法線ベクトルを算出する法線ベクトル算出手段を有する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
- 前記特定手段は、鉛直方向の法線ベクトルに基づき、前記接岸場所の上面が前記検出面となるか否か判定し、水平方向の法線ベクトルに基づき、前記接岸場所の側面が前記検出面となるか否か判定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
- 前記接岸状況判定手段は、前記上面と前記側面とが夫々前記視野内面となるか否か、及び、前記上面と前記側面とが夫々前記検出面となるか否かの組み合わせに基づき、前記接岸状況を判定する、請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記接岸状況の判定結果に基づき、前記接岸場所に関する信頼度を表す信頼度情報を生成する信頼度情報生成手段をさらに有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
- 前記法線ベクトルに基づき、前記船舶から前記接岸場所までの距離である対岸距離を算出する対岸距離算出手段と、
前記対岸距離に基づき、前記船舶の前記接岸場所に対する進入角度を算出する進入角度算出手段と、
をさらに有し、
前記信頼度情報生成手段は、前記対岸距離の時間変化に基づく前記対岸距離に関する信頼度と、前記進入角度の時間変化に基づく前記進入角度に関する信頼度とを含む前記信頼度情報を生成する、請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記計測データに基づき、前記船舶に対する前記接岸場所における所定個数の近傍点を判定する近傍点探索手段と、
前記近傍点から前記船舶に対する前記接岸場所における最近傍点を判定する最近傍点判定手段と、
をさらに有し、
前記対岸距離算出手段は、前記最近傍点と、前記法線ベクトルとに基づき、前記対岸距離を算出し、
前記信頼度情報生成手段は、前記近傍点の分散に基づき、前記最近傍点に関する信頼度を含む前記信頼度情報を生成する、請求項7に記載の情報処理装置。 - コンピュータが実行する制御方法であって、
船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する、
制御方法。 - 船舶に設けられた計測装置が生成する、接岸場所が存在する方向の計測データを取得し、
前記計測データから算出した法線ベクトルに基づき、前記計測装置の視野角に存在する前記接岸場所の面である視野内面と、前記計測データにより検出される前記接岸場所の面である検出面とを特定し、
前記視野内面と前記検出面との特定結果に基づき、接岸場所の接岸に関する接岸状況を判定する処理をコンピュータに実行させるプログラム。 - 請求項10に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021037564A JP2022137867A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021037564A JP2022137867A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
Publications (1)
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JP2022137867A true JP2022137867A (ja) | 2022-09-22 |
Family
ID=83319461
Family Applications (1)
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JP2021037564A Pending JP2022137867A (ja) | 2021-03-09 | 2021-03-09 | 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
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JP (1) | JP2022137867A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023176653A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | パイオニア株式会社 | 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
WO2023176640A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | パイオニア株式会社 | 情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
CN117831019A (zh) * | 2023-12-29 | 2024-04-05 | 亿海蓝(北京)数据技术股份公司 | 船舶业务数据的生成方法及系统、电子设备及存储介质 |
-
2021
- 2021-03-09 JP JP2021037564A patent/JP2022137867A/ja active Pending
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