JP2022135319A - 光波距離計および光学的ノイズ信号の算出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品や配線に特別な工夫をしたりすることなく、ノイズによる距離値の誤差を低減した光波距離計を提供する。【解決手段】光波距離計100は、受光光量調節手段21を備え、受光光量調節手段21を光を完全に遮断する状態として電気的ノイズ信号を測定し、受光光量調節手段21を適正状態として測距信号を測定し、測距信号から電気的ノイズ信号と光学的ノイズ信号とを減算して距離を算出する。演算制御部40は、着脱可能に構成され、装着したときに受光素子へと入射する反射光を除去し、固有の治具由来ノイズ信号を有するノイズ測定用治具80を装着して、受光光量調節手段21を完全に遮断して第1のノイズ信号を測定し、ノイズ測定用治具80を装着して、受光光量調節手段21を光を最も透過する状態で第2のノイズ信号を測定し、第2のノイズ信号から、第1のノイズ信号と治具由来ノイズ信号とを減算して光学的ノイズ信号を算出して記憶する。【選択図】図1

Description

本発明は、光波距離計に関し、より詳細には、ターゲットに向けて測距光を出射し、ターゲットで反射された測距光を受光してターゲットまでの距離を測定する光波距離計および光波距離計の光学的ノイズ信号の算出方法に関する。
従来、ターゲットに向けて測距光を出射し、ターゲットで反射された測距光を受光して、ターゲットまでの距離を測定する光波距離計として、特許文献1に開示されたようなものが知られている。
光波距離計では、基準信号や種々の電子回路から発生するノイズが、ターゲットまで往復することなく、静電結合や電磁結合、電磁放射等によって受光部側の回路に侵入して、電気的ノイズを含むことがあり、結果として距離値の誤差を生じることがある。特許文献1の光波距離計は、距離測定前に(1)受光素子の直前にある絞りを最も絞った状態にし、(2)光源を発光させ、(3)受光素子の増倍率を適正値に制御した状態でノイズを測定し、その振幅および初期位相を求めて記憶部に記憶し、距離測定時に該振幅および初期位相に基づいてノイズによる誤差を除いた距離を算出する(段落[0045]参照)。これにより部品や配線を工夫することなく誤差を低減することを可能としている。
特開2009-258006号公報 特開2010-032421号公報
しかし、光波距離計における距離値の誤差の原因となるノイズは、電気的ノイズだけではなく、測距光が光波距離計の内部で反射されて、受光素子に入射することに起因する光学的ノイズもある。特許文献1の光波距離計では、光学的ノイズの低減は考慮されていなかった。
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであり、部品や配線に特別な工夫をしたりすることなく、ノイズによる距離値の誤差をさらに低減した光波距離計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る光波距離計は、測距光を測定対象物に向けて出射する第1の光源と、前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する第1の受光素子、および該第1の受光素子に入射する光量を調節する第1の受光光量調節手段を備える第1の受光部と、反射した前記測距光を前記第1の受光部に集光する第1の対物レンズと、前記測距信号の初期位相から、前記測定対象物までの距離を算出する第1の演算制御部と、前記測距信号および距離値データと光学的ノイズ信号を記憶する第1の記憶部と、を備え、前記第1の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第1の光源を発光させて、電気的ノイズ信号を測定し、前記第1の受光光量調節手段を適正状態として、前記測定対象物の測距信号を測定し、前記測距信号から、前記電気的ノイズ信号と前記光学的ノイズ信号とを減算して距離を算出する光波距離計であって、前記第1の演算制御部は、前記光波距離計に着脱可能に構成され、装着したときに前記受光部へと入射する反射測距光を除去し、固有の治具由来ノイズ信号を有するノイズ測定用治具を装着した状態で、前記第1の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第1の光源を発光させて第1のノイズ信号を測定し、前記ノイズ測定用治具を装着した状態で、前記第1の受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、前記光源を発光させて第2のノイズ信号を測定し、前記第2のノイズ信号から、前記第1のノイズ信号と前記治具由来ノイズ信号とを減算して前記光学的ノイズ信号を算出して前記記憶部に記憶する。
上記態様において、前記治具由来ノイズ信号は、測距光を測定対象物に向けて出射する第2の光源と、前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する第2の受光素子、および該第2の受光素子に入射する光量を調節する第2の受光光量調節手段を備える第2の受光部と、前記測距信号に基づいて、前記測定対象物までの距離を算出する第2の演算制御部と、第2の記憶部とを備える光波距離計を用いて、夜空を視準した状態で、前記第2の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第2の光源を発光させて第3のノイズ信号を測定し、前記第2の受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、前記光源を発光させて第4のノイズ信号を測定して、前記第4のノイズ信号から前記第3のノイズ信号を減算して前記第2の光波距離計に固有の光学的ノイズ信号を算出し、 前記ノイズ測定用治具を装着して、前記第2の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第2の光源を発光させて第5の測定ノイズ信号を測定し、前記ノイズ測定用治具を装着して前記第2の受光光量調節手段を最も光を透過する状態として、第6の測定ノイズ信号を測定し、前記第6の測定ノイズ信号から前記5の測定ノイズ信号と、前記固有の光学的ノイズ信号とを減算して求めたものであることも好ましい。
上記態様において、前記ノイズ測定用治具は、有底筒状の筐体と、前記測距光の波長の光を吸収するガラスフィルタと、前記ガラスフィルタで反射された前記測距光を吸収するレーザ光吸収体とを備え、前記ガラスフィルタは、取付状態において前記対物レンズを介して出射される測距光が、ブリュースター角で入射するように設置されていることも好ましい。
本発明の別の態様に係る光学的ノイズの算出方法は、測距光を測定対象物に向けて出射する光源と、前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する受光素子、および該受光素子に入射する光量を調節する受光光量調節手段を備える受光部と、光学的ノイズ信号を記憶する記憶部と、前記受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記光源を発光させて、電気的ノイズ信号を測定し、前記受光光量調節手段を適正状態として、測定対象物の測距信号を測定し、前記測距信号から、前記電気的ノイズ信号と前記光学的ノイズ信号とを減算して距離を算出する演算制御部とを備える光波距離計に着脱可能に構成され、装着したときに前記受光部へと入射する反射測距光を低減し、固有の治具由来ノイズ信号を有するノイズ測定用治具を装着させた状態で、前記受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記光源を発光させて第1のノイズ信号を測定し、前記ノイズ測定用治具を装着した状態で、前記受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、光源を発光させて第2のノイズ信号を測定し、前記第2のノイズ信号から、前記第1のノイズ信号と前記治具由来ノイズ信号を減算して前記光学的ノイズ信号を算出する。
上記の態様によれば、部品や配線に特別な工夫をしたりすることなく、ノイズによる距離値の誤差をさらに低減した光波距離計を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る光波距離計のブロック図である。 同光波距離計の受光光量調節手段の一例を示す図である。 (A)は、同光波距離計の、測距信号のサンプリングデータを示す図であり、(B)は、前記測距信号の同期加算データを示す図である。 同光波距計における、距離信号ベクトルとノイズ信号ベクトルの関係を示す図である。 同光波距離計における、ノイズ測定方法の一例を説明する図であり、(A)は、電気的ノイズ信号の測定方法を、(B)は、光学的ノイズ信号の測定方法を説明する。 同光波距離計における光学的ノイズ信号の平均振幅と初期位相、真の測距信号の初期位相の算出方法を説明する図である。 同光波距離計に装着して用いるノイズ測定用治具1例の縦断面図である。 (A)(B)は、同光波距離計における、上記ノイズ測定用治具を用いたノイズ測定方法を説明する図である。 上記ノイズ測定治具を用いて測定したノイズ信号と、光学的ノイズ信号、電気的ノイズ信号との関係を示す図である。 同光波距離計における、光学的ノイズ信号測定時のフローチャートである。 同光波距離計における、距離測定時の処理のフローチャートである。 別の光波距離計を用いてノイズ測定用治具の治具由来ノイズを測定する手順のフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施の形態において、同一の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態)
本実施の形態に係る光波距離計100は、所謂位相差方式の光波距離計である。図1に示すように、概略として、送光部10と、受光部20と、A/D変換器30と、演算制御部40と、記憶部50と、対物レンズ60とを備え、これらが望遠鏡の如く構成された筐体に格納されている。
送光部10は、光源11と、送光光学系(図示せず)と、変調器12と、基準信号発振器13とを備える。光源11は、例えばレーザダイオード等の発光素子であり、測距光Lを、視準軸に沿って、送光光学系および対物レンズ、測点上に置かれたプリズム等であるターゲット70に向けて出射する。光源11は、変調器12に接続され、変調器12は基準信号発振器13に接続されている。基準信号発振器13は、周波数一定の基準信号Kを発生する。変調器12は、基準信号Kを変調信号Kに変調する。
受光部20は、受光光学系(図示せず)と、受光光量調節手段21,21Aと、受光素子22と、高周波増幅器23と、バンドパスフィルタ24と、周波数変換器25と、ローパスフィルタ26とを備える。
受光光量調節手段21は、受光素子22の直前に配置され受光素子に入射する光の量を調節する手段である。受光光量調節手段21は、例えば、図2に示すように薄い円盤状のフィルムにより構成される可変濃度フィルタである。
図2の受光光量調節手段21は、中心部に中心孔21aを有し、中心孔21aの周辺部に開口部21bを有し、開口部21bから周方向の他端部領域21cに向かって図2に矢印Xで示す周方向に、光量減衰率が0%から100%まで、連続的にフィルタ濃度が濃くなるように形成されている。中心孔21aに挿通されたモータの回転軸(図示せず)により回転するようになっている。
受光光量調節手段21は、開口部21bが受光素子22に合致する位置となるときに、光量減衰率が0%(光を最も透過する状態)と他端部領域21cが受光素子22に合致する位置となるときに光量減衰率が100%(光を最も遮断する状態)となり、演算制御部40がモータの回転を制御することにより、受光光量調節手段21(フィルタ)の開閉が制御されるようになっている。
受光光量調節手段21は、上記可変濃度フィルタに限らず、光波距離計に用いられる公知の絞りを用いることができる。
受光素子22は、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)等であり、図示しない逆電圧制御部によって受光素子22に与えるバイアス電圧を制御できるようになっている。逆電圧制御部は、演算制御部40からの指令に従ってバイアス電圧を変化させ、周囲の明るさに応じて受光素子22を適切な増倍率に制御する。受光素子22は、ターゲット70で反射された測距光Lを、受光光学系および受光光量調節手段21を経て受光し、電気信号である測距信号に変換する。
この電気信号は、高周波増幅器23で増幅された後に、バンドパスフィルタ24でノイズが除去される。
周波数変換器25は混合器および局部発振器を備える。周波数変換器は、局部発振器で発生させた局部発振信号とノイズ除去後の測距信号とを混合器に入力して乗算することにより、両信号の周波数の差となる周波数成分と、両信号の周波数の和となる周波数成分を発生する。ここで、両信号の周波数の差となる中間周波数IFに変換された測距信号のみをローパスフィルタ26でより分ける。
中間周波数IFに変換された測距信号は、中間周波増幅器27で増幅される。増幅された測距信号は、A/D変換器30でデジタル信号に変換され、演算制御部40を経て、記憶部50に記憶される。以下の説明では、中間周波数IFに変換され、デジタル信号に変換された測距信号を測距信号Mとして扱う。
演算制御部40は、送光部10および受光部20を制御して距離測定を実行し、得られる測距信号Mに基づいて距離の演算を行う処理を実現する処理装置である。演算制御部40としては、例えば、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を適用可能である。以下に説明する演算制御部40の機能は、プログラムまたは回路、またはこれらを組み合わせて実現可能である。プログラムにより実現する場合、記憶部50に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって実現する。
演算制御部40はまた、測定された測距信号Mから、後述する光学的ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELを除去して、真の測距信号Mを求め、真の測距信号Mの初期位相βに基づいて、距離値を算出する。
記憶部50は、情報をコンピュータで処理可能な形式で記憶、保存および伝達する記録媒体で構成され、所謂主記憶装置および補助記憶装置を含む。記憶部50はサンプリングデータおよび算出される距離値データを記憶する。また、記憶部50は、光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRを記憶する。また、記憶部50は、演算制御部40および光波距離計100の機能を実現するためのプログラムを記憶する。記憶部50としては、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュメモリやROM(Read Only Memory)、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)等が適用可能である。
また、光波距離計100は、図示しないが、ユーザインタフェースとして、ボタンキー等の入力部、液晶ディスプレイ等の表示部を備える。また、光波距離計100は、図示しないが、記憶部50に記憶されたデータおよび演算制御部40で演算処理されるデータを外部と入出力することを可能とする、例えば、通信部、USBポート等の外部インタフェースを備える。
(理論上の距離の算出)
まず、光波距離計100による理論上の距離の測定について説明する。光波距離計100が距離測定を行う際には、基準信号発振器13が、演算制御部40とA/D変換器30に同期信号Pを送ると共に、基準信号Kを変調器に送る。A/D変換器は、基準信号Kと同期されたサンプリングを行う。距離測定中、受光光量調節手段21の透過光量は固定されている。
図3(A)は、光波距離計100において、デジタル化された測距信号Mをサンプリングする状態を示す図である。A/D変換器30のサンプリングタイミングは、測距信号Mの1周期分を常に一定の位相角位置でサンプリングするように、例えば、1周期をa(a≧3)等分するように決定される。このサンプリングタイミングで測距信号Mを数千以上の多数周期にわたって連続してサンプリングする。この際、A/D変換器30の入力レンジを超えたり、入力レンジに対して小さすぎたりする測距信号Mのサンプリングデータは破棄される。
サンプリングデータを記憶部50に記憶するには、測距信号Mの1周期分のN個のデータに対する記憶部50の記憶領域に用意し、N個の同位相位置のサンプリングデータを同期加算して記憶していく。このようにして、図3(B)に示すように、同位相位置のサンプリングデータが同期加算された大きな振幅の1周期分の測距信号Mの合成データSが作成される。この合成データSを最小二乗法によって合成正弦波Sに当てはめ、この合成正弦波Sの初期位相βを求める。この合成正弦波Sは、次式のようにも表せる。
Nasin(θ-β)+Nb (式1)
(ここで、Nは加算した測距信号Mの数、aは測距信号Mの平均振幅、bはバイアスレベル、θはサンプリング位置に対応する角度を規定する座標、βは初期位相である。)
初期位相βは基準信号Kを中間周波信号と同じ周波数まで分周した信号と測距信号Mとの位相差に等しくなり、この初期位相βに基づいてターゲット70までの距離Dが式2により算出される。
D=(β/2π)(c/F)(1/2)=(βc)/(4πF) (式2)
(ここで、βは初期位相、cは光速、Fは測距光Lの変調周波数を示す。)
なお、光源11からは、測距光Lを参照光Rとして、光波距離計100の内部を経て受光光量調節手段21と同じ構成の受光光量調節手段21Aを通過させ、受光素子22に導くこともできるようになっている。距離測定の際には、公知の手法により、参照光Rを用いて測定した結果を基に、測定値を補正するようになっている。
(実際の距離の算出)
しかし、実測の測距信号には、ノイズが含まれる。測距時に生ずるノイズには、基準信号や、種々の電子回路から発生する電気的ノイズ信号ELと、光源11から出射された測距光Lが、対物レンズ等の器械内部で反射して意図せず受光素子22に入射することにより発生する光学的ノイズ信号IRがある。
図4は、真の測距信号M、実測の測距信号M、光学的ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELの関係を示す図である。式3に示すように、真の測距信号Mは、実測の測距信号Mから光学的ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELを減算することで求めることができる。
Figure 2022135319000002
そこで、これら光学的ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELの測定方法について説明する。
(ノイズの測定方法)
電気的ノイズ信号ELは、例えば、以下の条件Iの下、光波距離計100を作動させることにより測定することができる。
[条件I]
(1)受光光量調節手段21を、光を完全に遮断する状態とし(透過率0%)、
(2)光源11を発光させ、
(3)受光素子に与えるバイアス電圧を最適値に制御する(すなわち、増倍率を最適値とする)。
図5(A)は、電気的ノイズの測定方法を模式的に示す。条件Iにおいて、測距光Lを出射すると、測距光Lは送光光学系および対物レンズ60を介して出射される。この時、対物レンズ60を介して入射する反射測距光や、対物レンズ60の裏面等の器械内部で反射した光Laがあったとしても、受光光量調節手段21により遮断され受光素子22には入射せず、入射光による信号は発生しない。しかし、基準信号発振器で発生した基準信号や、種々の電子回路から発生するその他のノイズが、受光素子22以降の回路に侵入して電気的ノイズ信号ELが発生する。従って、条件Iで測定される測定ノイズ信号Nは、電気的ノイズ信号ELである。
一方、光学的ノイズ信号IRは、例えば以下のように測定することができる。たとえば、(0)光波距離計100の視準方向を障害物の無い夜空に向けて、すなわち、測距光Lの反射光が対物レンズ60に入射しない条件とし、条件IIの下、光波距離計100を作動させて行う。
[条件II]
(1a)受光光量調節手段21を最も光を透過する状態(透過率100%)とし、
(2)光源11を発光させ、
(3)受光素子22に与えるバイアス電圧を最適値とする(すなわち、増倍率を最適値とする)。
図5(B)は、光学的ノイズ信号IRの測定方法を模式的に示す。条件(0)下、条件IIにおいて、光源11から出射された測距光Lは、対物レンズ60を介して障害物の無い夜空に向かって射出される。夜空の方向には、測距光Lを反射する障害物がないため、測距光Lは反射されず、反射測距光は対物レンズ60に入射しない。しかし、測距光Lの一部Laは、例えば対物レンズ60の裏面等、器械内部で反射して受光光学系を介して進行し、受光光量調節手段21を透過して受光素子22に入射する。入射した光Laにより、光学的ノイズ信号IRが生じる。この時、受光素子22では、電子回路等から発生する電気的ノイズ信号ELも検出される。
条件IIの下で測定される測定ノイズ信号NIIは、図4にも示すように、同時に発生する光学的ノイズ信号IRと電気的ノイズ信号ELの合成ベクトルとなる。従って、光学的ノイズ信号IRは、条件IIの下で測定される測定ノイズ信号NIIから、同じ条件(0)のもと、条件Iにおいて測定した測定ノイズ信号N(すなわち、電気的ノイズ信号EL)をベクトルで減算することで求められる。
(距離値の算出方法)
以下、本実施の形態に係る距離値の算出方法について説明する。条件IおよびIIの下で測定される測定ノイズ信号NおよびNIIは、図3(A)に示す測距信号Mと同様の挙動を示す。そこで、図3(B)に示す測距信号Mの合成データS及び合成正弦波Sを求める場合と同様に、測定ノイズ信号NおよびNIIの合成データおよび合成正弦波を求めると、このノイズ信号の合成正弦波は式4の一般式で示される。
Na・sin(θ-η)+Nb (式4)
(ここで、Nは、加算したノイズの波の数、aはノイズの平均振幅、bはバイアスレベル、ηは初期位相、θはサンプリング位置に対応する角度を規定する座標である。)
したがって、条件Iの下で、光波距離計100を作動して測定される測定ノイズ信号Nの1波は、次の式5で表せる。
・sin(θ-η)+b (式5)
(ここで、aは測定ノイズ信号Nの平均振幅、ηは同初期位相、bはバイアスレベルである。)
また、条件IIの下で光波距離計100を作動して測定される測定ノイズ信号NIIの1波は次の式6で表せる。
II・sin(θ-ηII)+bII (式6)
(ここで、aIIは測定ノイズ信号NIIの平均振幅、ηIIは同初期位相、bIIはバイアスレベルである。)
条件IIで測定される測定ノイズ信号NIIは、電気的ノイズ信号ELと光学的ノイズ信号IRの合成ノイズ信号であるので、図6の通りベクトルで表される。
条件Iで測定される測定ノイズ信号Nは、電気的ノイズ信号ELである。従って、電気的ノイズ信号ELの平均振幅aELおよび初期位相ηELは、それぞれaEL=a,ηEL=ηで求められる。
したがって、図6より、光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRは、それぞれ以下の式7および式8で表せる。
Figure 2022135319000003
(ここで、aIIは測定ノイズ信号NIIの平均振幅、ηIIは同初期位相、aは測定ノイズ信号Nの平均振幅、ηは同初期位相である。)
Figure 2022135319000004
(ここで、aIIは測定ノイズ信号NIIの平均振幅、ηIIは同初期位相、aは測定ノイズ信号Nの平均振幅、ηは同初期位相である。)
距離測定時に得られる測距信号Mは、式1で示されるが、この式1にはノイズ信号(光学的ノイズ信号IR+電気的ノイズ信号EL)が含まれている。したがって、式1からノイズを除去した、真の測距信号Mの初期位相βは、次の式9から求めることができる。
Figure 2022135319000005
(ここで、Aは、測距信号Mの平均振幅、βは、測距信号Mの初期位相、aELは電気的ノイズ信号の平均振幅,ηELは同初期位相、aIRは光学的ノイズ信号IRの平均振幅、ηIRは同初期位相である。)
したがって、式2のβを、式9のβに置き換えた式10により、ノイズによる誤差を取り除いた距離Dを求めることができる。
=(βc)/(4πF) (式10)
このようにして、ノイズを除去した真の測距信号Mの初期位相βは、測距信号Mに含まれる電気的ノイズ信号ELの平均振幅aELおよび初期位相ηEL、および光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRを用いて算出することが可能となる。
(ノイズ測定用治具を使用した光学的ノイズの測定)
ところで、反射測距光が受光部20に入射しない条件で測定するには、器械毎に光波距離計100を、夜間に屋外の障害物のない場所に設置する必要がある。しかし、このような作業は非常に手間がかかる。そこで、光波距離計100では、ノイズ測定用治具80を取り付けて測定する。
ノイズ測定用治具80は、光波距離計100の望遠鏡100aに、対物レンズ60を閉塞するように、着脱可能に取り付けられ、装着したときに測距光を吸収して反射光を除去するという光学的特性を有する治具である。一例として、特許文献2に開示されたようなものを使用することができる。
図7は、特許文献2と同様のノイズ測定用治具80を示す。ノイズ測定用治具80は、一方が開口する円筒形状の筐体81と、中央に開口を有し、筐体81の開口を閉塞するドーナツ盤状の蓋体82とを備える。筐体81は不透光性の金属または樹脂で形成されている。筐体81の内部には、測距光Lの波長の光を吸収するガラスフィルタ83と、黒色のフロック加工紙等のレーザ光吸収体84が設けられている。
ノイズ測定用治具80は、筐体81の軸線Cが測距光Lの光軸Bと一致するように、光波距離計100に取り付けられる。ガラスフィルタ83は、測距光Lがブリュースター角αで入射するように配置される。また、レーザ光吸収体84は、ガラスフィルタ83での反射光が入射するように配置される。また、ノイズ測定用治具80は、直線偏光である測距光Lの偏光面が、ガラスフィルタ83への入射面となるように取り付けられるように構成されている。
上記構成により、測距光LのほとんどはP波となって、ガラスフィルタ83内に屈折して進入し、ガラスフィルタ83で吸収される。測距光Lは完全な直線偏光ではないが、S波はガラスフィルタ83で反射されてレーザ光吸収体84で吸収される。
このように、ノイズ測定用治具80を装着すると、測距光Lはほぼ完全に吸収されて光波距離計100への戻り光が除去されるとされていた。しかし、実際には、ガラスフィルタ83の境界面での乱反射等により、対物レンズ60を介して光波距離計100に入射する戻り光がわずかに生じてしまう。
図8(A)は、ノイズ測定用治具80を取り付けた状態で、条件Iの下、測定されるノイズを説明する。
[条件I]
(1)受光光量調節手段21を、光を完全に遮断する状態とし(透過率0%)、
(2)光源11を発光させ、
(3)受光素子に与えるバイアス電圧を最適値に制御する(すなわち、増倍率を最適値とする)。
以下、この条件(ノイズ測定治具+条件I)を「条件Ia」という。
光源11を発光させると、測距光Lは対物レンズ60を介してノイズ測定用治具80に入射する。この時、測距光Lの一部は内部反射光Laとして受光素子22へ向かう。また、ノイズ測定用治具80に入射した測距光Lの大部分はノイズ測定用治具80で吸収されるが、一部は、戻り光Lbとして受光素子22へと向かう。しかし、受光光量調節手段21が内部反射光Laと戻り光Lbを遮蔽し、受光素子22では測定ノイズ信号NIaとして、電気的ノイズ信号ELのみが検出される。
図8(B)は、ノイズ測定用治具80を装着した状態で、条件IIの下、測定されるノイズを説明する。
[条件II]
(1a)受光光量調節手段21を最も光を透過する状態(透過率100%)とし、
(2)光源11を発光させ、
(3)受光素子22に与えるバイアス電圧を最適値とする(すなわち、増倍率を最適値とする)。
以下、この条件を[条件IIa]という。
光源11を発光させると、図8(A)と同様に、内部反射光Laと戻り光Lbが受光素子22へ向かう。内部反射光Laと戻り光Lbは、受光光量調節手段21を透過して、受光素子22で検出される。受光素子22では、測定ノイズ信号NIIaとして、電気的ノイズ信号ELと内部反射光La由来の光学的ノイズ信号IRに加えて、戻り光Lb由来の治具由来ノイズ信号IRが検出される。
図9は、条件IIaの下ノイズ測定用治具を取り付けて測定した測定ノイズ信号NIIaと、光学的ノイズ信号IR、治具由来ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELの関係をベクトルで示した図である。上記説明の通り、測定ノイズ信号NIIaは、電気的ノイズ信号EL、光学的ノイズ信号IR、治具由来ノイズ信号IRの合成ベクトルとなる。
したがって、測定ノイズ信号NIIaから、治具由来ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELを減算することで、光学的ノイズ信号IRを求めることができる。
ここで、電気的ノイズ信号ELは、条件Iaの測定により、測定ノイズ信号NIaとして測定することが可能である。一方、治具由来ノイズ信号IRを直接測定することはできない。
電気的ノイズ信号ELは、周囲の温度や電源(電池)の電圧等の環境変化や機械の経年変化等によって、大きく変動する。一方、光学的ノイズ信号IRおよび治具由来ノイズ信号IRは、測定条件、環境変化や経年変化によって変動しない、器械(光波距離計100)または治具に固有の値である。
そこで、予め、光波距離計100を用いて、夜空を視準した状態で、条件IIの下、測定した測定ノイズ信号NIIから、夜空を視準した状態で、条件Iの下測定した測定ノイズ信号N(すなわち、電気的ノイズ信号EL)を減算して、光学的ノイズ信号IRを既知としておく。
次に、同じ光波距離計100を用いて、測定ノイズ信号NIIaと、測定ノイズ信号NIa(電気的ノイズ信号EL)とを測定することで、予め求めた光学的ノイズ信号IRを用いて、式11より治具由来ノイズ信号IRを求める。
Figure 2022135319000006
治具由来ノイズ信号IRは、レーザ光の波長、エネルギー等の測距光Lの条件および受光信号の読取方法が同一であれば、すなわち、光波距離計100と同じ構成の光波距離計であれば、別の個体で測定しても同じ値となる、治具に固有の値となる。したがって、一度既知の値としておけば、任意の光波距離計100にノイズ測定用治具80を装着して測定ノイズ信号NIIaおよび測定ノイズ信号NIaを測定することで、式12より測定に用いた光波距離計100に固有の光学的ノイズ信号IRを求めることができる。
Figure 2022135319000007
なお、上記のノイズ信号は、いずれも測距信号Mと同様の挙動を示し、その一周期分をN個同期加算して正弦波に当てはめた合成正弦波は式4の一般式で表される。したがって、これらのノイズ信号についてそれぞれ、平均振幅aIa,aIIa,aIRjおよび初期位相ηIaIIaIRjを求め、ベクトルの加算,減算を行うことにより、光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRは、平均振幅aIa,aIIa,aIRjおよび初期位相ηIaIIaIRjの関数として表すことが出来る。
その結果を、式9に当てはめることにより、真の測距信号Mの初期位相βを求める。また、求めた初期位相βを用いて、ノイズによる誤差を取り除いた距離Dを求める。
(光波距離計の動作)
本実施の形態に係る光波距離計100の動作の一例を図10~12のフローチャートを用いて説明する。図10は、工場出荷前または代理店での調整時のフローチャートである。図11は、測定実行時のフローチャートである。
工場出荷前のノイズ測定には、治具由来ノイズ信号IRが既知のノイズ測定用治具80を用いる。ノイズ測定用治具80の筐体81表面には、治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aおよび初期位相ηの値が表示されている。
先ず、ステップS01で、演算制御部40に治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aおよび初期位相ηが入力される。例えば、演算制御部40が、表示部に治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aおよび初期位相ηの入力画面を表示して、作業者がノイズ測定用治具80から目視で読み取った治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aおよび初期位相ηを入力部から入力する。あるいは、外部インタフェースにより接続された汎用のコンピュータ端末から治具由来ノイズ測定の実行プログラムを呼び出して、コンピュータ端末上から入力可能になっていてもよい。この汎用のコンピュータ端末は、例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース等で構成されている。
次に、ステップS02で、演算制御部40が、条件Iaの下、光波距離計100を作動して、第1の測定ノイズ信号として測定ノイズ信号NIaの測定を行う。
次に、ステップS03で、演算制御部40が、測定ノイズ信号NIaの平均振幅aIaおよび初期位相ηIaを算出し、記憶部50に記憶する。
次に、ステップS04で、演算制御部40が、条件IIaの下、光波距離計100を作動して、第2の測定ノイズ信号として測定ノイズ信号NIIaの測定を行う。
次に、ステップS05で、演算制御部40が、測定ノイズ信号NIIaの平均振幅aIIaおよび初期位相ηIIaを算出し、記憶部50に記憶する。
次に、ステップS06で、演算制御部40が、平均振幅aIa,aIIa,aIRjおよび初期位相ηIa,ηIIa,ηIRjを用いて、測定ノイズ信号NIIaから測定ノイズ信号NIaおよび治具由来ノイズ信号IRを減算した光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRを算出し、光学的ノイズ信号IRとして記憶部50に記憶する。
なお、ステップS02の平均振幅aIaおよび初期位相ηIaおよびステップS04の平均振幅aIIaおよび初期位相ηIIaは、ステップS05の平均振幅aIRおよび初期位相ηIRの算出に用いた後、破棄してもよく、維持してもよい。
次に、測定実行時には、測定対象物(例えばターゲット)を視準して測定を行う。
まず、ステップS11で、条件Iの下、演算制御部40が、光波距離計100を作動して、測定ノイズ信号Nの測定を行う。
次に、ステップS12で、演算制御部40が、電気的ノイズ信号ELとして、測定ノイズ信号Nの平均振幅aおよび初期位相ηを算出し、電気的ノイズ信号ELの平均振幅aELおよび初期位相ηELとして記憶部50に記憶する。
次にステップS13で、演算制御部40が、光波距離計100を作動して、受光光量調節手段21を受光光量が適正となるように(適正条件)に調節し、測距光を出射して、受光素子の増倍率を適正値として、反射した測距光Lに基づく測距信号Mを測定する。
次に、ステップS14で、演算制御部40が、測定した測距信号Mの平均振幅Aおよび初期位相βを求める。
次に、ステップS15で、演算制御部40が、記憶部50から光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRおよび初期位相ηIRを読み出す。
次に、ステップS16で、平均振幅aIR,aEL,Aおよび初期位相ηIR,ηEL,βに基づいて、測距信号Mから光学的ノイズ信号IRおよび電気的ノイズ信号ELを減算した、ノイズを除去した真の測距信号Mの初期位相βを算出する。
次に、ステップS17で、演算制御部40が、算出した初期位相βからノイズによる誤差を除去した距離Dを算出して処理を終了する。
図12は、治具由来ノイズ信号IRの測定する際のフローチャートである。治具由来ノイズ信号IRの測定は、光波距離計100と同じ機械構成の光波距離計100xを用いる。混乱を避けるため、光波距離計100xの構成要素は、光波距離計100の同じ符号にxを付す。光波距離計100xに起因するノイズについても同様とする。
まず、ステップS21で、演算制御部40xが、夜空を視準して条件Iの下、光波距離計100xを作動して、第3のノイズ信号としてノイズ信号NIxの測定を行う。
次に、ステップS22で、演算制御部40xが、ノイズ信号NIxの平均振幅aIxおよび初期位相ηIxを算出し、記憶部50xに記憶する。
次に、ステップS23で、演算制御部40xが、夜空を視準して条件IIの下、光波距離計100xを作動して、第4のノイズ信号としてノイズ信号NIIxの測定を行う。
次に、ステップS24で、演算制御部40xが、ノイズ信号NIIxの平均振幅aIIxおよび初期位相ηIIxを算出し、記憶部50xに記憶する。
次に、ステップS25で、演算制御部40xが、平均振幅aIx,aIIxおよび初期位相ηIx,ηIIxを用いて、ノイズ信号NIIxからノイズ信号NIxを減算した、光学的ノイズ信号IRの平均振幅aIRXおよび初期位相ηIRXを算出して、光学的ノイズ信号IRとして記憶部50xに記憶する。
ステップS26で、演算制御部40xが、条件Iaの下、光波距離計100xを作動して、第5の測定ノイズ信号としてノイズ信号NIaxの測定を行う。
次に、ステップS27で、演算制御部40xが、測定ノイズ信号NIaxの平均振幅aIaxおよび初期位相ηIaxを算出し、記憶部50xに記憶する。
次に、ステップS28で、演算制御部40xが、条件IIaの下、光波距離計100xを作動して、第6の測定ノイズ信号として測定ノイズ信号NIIaxの測定を行う。
次に、ステップS29で、演算制御部40xが、測定ノイズ信号NIIaxの平均振幅aIIaxおよび初期位相ηIIaxを算出し、記憶部50xに記憶する。
次に、ステップS30で、演算制御部40xが、平均振幅aIax,aIIax,IRxおよび初期位相ηIax,ηIIax,ηIRxを用いて、測定ノイズ信号NIIaxから測定ノイズ信号NIaxと光学的ノイズ信号IRxを減算した、治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aIRjおよび初期位相ηIRjを算出して、記憶部50xに記憶する。
次に、ステップS31で、演算制御部40xが算出した治具由来ノイズ信号IRの平均振幅aIRjおよび初期位相ηIRjを、出力する。出力は例えば、表示部に値を表示するようにしてもよい。また、外部インタフェースを介して、データコレクタ、外部端末、USBメモリ等に出力可能になっていてもよい。
なお、光波距離計の100xの光学的ノイズ信号IRxは、図13の手順により既知とし、記憶部50xに記憶することができる。
上記動作を実行するように構成された光波距離計100では、測距信号Mから、予め記憶部に記憶された光学的ノイズ信号IRおよび距離測定前に測定した電気的ノイズ信号ELを減算して得られる真の測距信号Mから距離値を算出するように構成したので、部品や配線に特別な工夫をしたりすることなく、ノイズによる距離値の誤差を低減することができる。
上記光波距離計100によれば、ノイズ測定用治具80を用いて正確な光学的ノイズ信号IRを求めることができる。距離算出における正確性が向上する。また、光学的ノイズ信号IRは通常小さく、測定するのに長時間がかかる。光波距離計100では、距離測定時に光学的ノイズ信号IRを測定する必要がないため、距離測定から算出に係る時間を短縮することができる。さらに、電気的ノイズ信号ELの変動に応じて、電気的ノイズ信号ELを除去することができるので、この点においても、より精密な距離の算出が可能となる。
特に、光波距離計100では、光学的ノイズ信号IRの測定を、ノイズ測定用治具80を装着して測定可能としたため、光学的ノイズ信号IRの測定の都度夜間の屋外で測定する必要がなくなり、作業負担を低減することが可能となる。
また、ノイズ測定用治具80は、一度、光学的ノイズIRxを既知とした光波距離計100xを用いて、その治具由来ノイズ信号IRを既知としておけば、何度でも別の光波距離計100の光学的ノイズ信号IRの測定に使用することができる。
本実施の形態では、ノイズ測定用治具80として治具に入射する光を吸収して、光波距離計100へほとんど戻らない構成の特許文献2に示すノイズ測定用治具80を用いる。ノイズ測定用治具80は、これに限定されず、固有の治具由来ノイズ信号IRを有すればよい。例えば、同様の筒状の筐体の中に測距光の光軸に対して45°で偏向ミラーを配置し、反射光の入射する位置にレーザ吸収体を配置するようにしてもよい。しかし、ノイズ測定用治具80の様に、戻り光のほとんどない構成にすると、治具由来ノイズ信号IRの絶対値が小さくなる。治具由来ノイズ信号IRは、固有の値であり変動はほとんどないが、実際には、温度や経年変化により多少変動する場合がある。しかし、治具由来ノイズ信号の絶対値が小さければ、変動値も小さくなり、より精密な光学的ノイズの測定が可能となる。
また、内部反射由来の光学的ノイズ信号IRと比較して、治具由来ノイズ信号IRは小さい。例えば、光学的ノイズ信号IRが4の場合に治具由来ノイズ信号は0.1~1程度である。しかし、ノンプリズム測距や、測定対象物が遠隔な場合など、受光される測距信号が小さくなる条件ではこのように小さなノイズ信号も無視できない。本実施の形態では、内部反射由来の光学的ノイズ信号IRを正確に算出することができるので、最小の信号まで利用でき、測定の精度が向上する。
また、治具由来ノイズ信号IRは、光学的ノイズ信号IRよりも小さい値であるため、測定にはより時間を要する。本実施の形態では、治具由来ノイズ信号IRを予め既知としておき、光学的ノイズ信号IRを求めることで、時間を要する作業の回数を低減することができ、作業の効率化を促進することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について述べたが、上記の実施の形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
10 :送光部
11 :光源
20 :受光部
21 :受光光量調節手段
22 :受光素子
40 :演算制御部
50 :記憶部
52 :電気的ノイズ
53 :光学的ノイズ
60 :対物レンズ
70 :ターゲット
100 :光波距離計

Claims (4)

  1. 測距光を測定対象物に向けて出射する第1の光源と、
    前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する第1の受光素子、および該第1の受光素子に入射する光量を調節する第1の受光光量調節手段を備える第1の受光部と、反射した前記測距光を前記第1の受光部に集光する第1の対物レンズと、
    前記測距信号の初期位相から、前記測定対象物までの距離を算出する第1の演算制御部と、
    前記測距信号および距離値データおよび光学的ノイズ信号を記憶する第1の記憶部と、を備え、
    前記第1の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第1の光源を発光させて、電気的ノイズ信号を測定し、前記第1の受光光量調節手段を適正状態として、前記測定対象物の測距信号を測定し、前記測距信号から、前記電気的ノイズ信号と前記光学的ノイズ信号とを減算して距離を算出する光波距離計であって、
    前記第1の演算制御部は、
    前記光波距離計に着脱可能に構成され、装着したときに前記第1の受光部へと入射する反射測距光を除去し、固有の治具由来ノイズ信号を有するノイズ測定用治具を装着した状態で、前記第1の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第1の光源を発光させて第1のノイズ信号を測定し、
    前記ノイズ測定用治具を装着した状態で、前記第1の受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、前記第1の光源を発光させて第2のノイズ信号を測定し、
    前記第2のノイズ信号から、前記第1のノイズ信号と前記治具由来ノイズ信号とを減算して前記光学的ノイズ信号を算出して前記第1の記憶部に記憶することを特徴とする光波距離計。
  2. 前記治具由来ノイズ信号は、
    測距光を測定対象物に向けて出射する第2の光源と、前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する第2の受光素子、および該第2の受光素子に入射する光量を調節する第2の受光光量調節手段を備える第2の受光部と、前記測距信号に基づいて、前記測定対象物までの距離を算出する第2の演算制御部と、第2の記憶部とを備える他の光波距離計を用いて、
    夜空を視準した状態で、前記第2の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第2の光源を発光させて第3のノイズ信号を測定し、前記第2の受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、前記光源を発光させて第4のノイズ信号を測定して、前記第4のノイズ信号から前記第3のノイズ信号を減算して前記他の光波距離計に固有の光学的ノイズ信号を算出し、
    前記ノイズ測定用治具を装着して、前記第2の受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記第2の光源を発光させて第5の測定ノイズ信号を測定し、前記ノイズ測定用治具を装着して前記第2の受光光量調節手段を最も光を透過する状態として、第6の測定ノイズ信号を測定し、
    前記第6の測定ノイズ信号から前記5の測定ノイズ信号と、前記固有の光学的ノイズ信号とを減算して求めたものであることを特徴とする請求項1に記載の光波距離計。
  3. 前記ノイズ測定用治具は、
    有底筒状の筐体と、前記測距光の波長の光を吸収するガラスフィルタと、前記ガラスフィルタで反射された前記測距光を吸収するレーザ光吸収体とを備え、
    前記ガラスフィルタは、取付状態において前記第1のまたは第2の対物レンズを介して出射される測距光が、ブリュースター角で入射するように設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光波距離計。
  4. 測距光を測定対象物に向けて出射する光源と、前記測定対象物で反射した前記測距光を受光して測距信号に変換する受光素子、および該受光素子に入射する光量を調節する受光光量調節手段を備える受光部と、光学的ノイズ信号を記憶する記憶部と、前記受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記光源を発光させて、電気的ノイズ信号を測定し、前記受光光量調節手段を適正状態として、測定対象物の測距信号を測定し、前記測距信号から、前記電気的ノイズ信号と前記光学的ノイズ信号とを減算して距離を算出する演算制御部とを備える光波距離計に着脱可能に構成され、装着したときに前記受光部へと入射する反射測距光を除去、固有の治具由来ノイズ信号を有するノイズ測定用治具を装着させた状態で、前記受光光量調節手段を光を完全に遮断する状態として、前記光源を発光させて第1のノイズ信号を測定し、
    前記ノイズ測定用治具を装着した状態で、前記受光光量調節手段を、光を最も透過する状態として、光源を発光させて第2のノイズ信号を測定し、
    前記第2のノイズ信号から、前記第1のノイズ信号と前記治具由来ノイズ信号を減算して前記光学的ノイズ信号を算出する
    ことを特徴とする光学的ノイズ信号の算出方法。
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