JP2022131919A - SiC複合基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】GaN結晶を成膜するためのベース基板として、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を安価に得ることができるSiC複合基板を提供する。【解決手段】多結晶SiC層と、多結晶SiC層上の厚さ1.0~30μmの単結晶SiC層とを備えた、SiC複合基板。【選択図】なし

Description

本発明は、SiC複合基板に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)等を用いた半導体デバイスが実用化されている。GaN結晶は、例えばハイドライド気相成長法(HVPE法)、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)等の気相成長法により形成することができる。
このような半導体デバイスにおいて、材料中にクラックが少なく結晶性が高い方が、良好な特性を得ることができると知られている。例えば、成膜用のベース基板とその上に形成するGaNのような半導体膜との格子定数の差や熱膨張係数の差が、半導体膜のクラックの程度や結晶性に影響を与えることが知られている。
これに関し、GaN結晶の製造に用いられるベース基板としては、様々なものが用いられており、例えばサファイア基板、Si基板、SiC基板、Si基板上にSiCを成膜したもの、サファイアやSi基板上にバッファ層を設けたもの等が用いられている。これらのうち、例えばサファイア基板やSi基板は、GaNとの格子定数の差及び熱膨張係数の差が大きく、GaN結晶と基板との界面において歪みが生じ、当該歪みによりGaN結晶にクラックが生じる問題があった。SiC基板としてはSiC単結晶が用いられるが、SiC単結晶基板はGaNとの格子定数の差及び熱膨張係数の差は比較的小さいため、GaN結晶のクラックを比較的抑制できるが、高価であるため製造コストが高くなる問題があった。Si基板上にSiCを成膜したものについては、成膜面のSiCはGaNとの格子定数の差は小さいものの、ベース基板にSi基板が含まれるため、基板とGaNとの熱膨張係数の差が大きくなり、クラックを十分に低減させることはできない問題があった。サファイアやSi基板上にバッファ層を設けたものについては、例えば特許文献1(特許第5433909号公報)には、Si基板上にAlN(厚さ5nm)/GaN(厚さ20nm)の極薄膜ペアを数100層積層することで反りやクラックの程度が比較的緩和すると記載がある。しかし、このような製造方法では工程が煩雑になりコストが高くなる問題があった。
また、例えば特許文献2(特許第6387375号公報)には、単結晶SiC基板と多結晶SiC基板とを備える半導体基板が開示されている。イオン注入を行った単結晶層の一部を剥離することで、多結晶SiC基板上に薄い単結晶SiC基板を備えた半導体基板を得ている。しかし、イオン注入をした場合は、得られる単結晶SiC基板が薄くなるため、GaN結晶成膜時に多結晶SiCの影響を受け、GaN結晶の結晶性が悪くなることが考えられる。
その他にも、例えば特許文献3(特許第3254557号公報)には、α-SiC単結晶と、非晶質もしくはβ-SiC多結晶基板を密着させた複合体を熱処理して、非晶質もしくはβ-SiC多結晶基板を再結晶化することにより、α-SiC単結晶基板の結晶軸と同方向に配向された単結晶を一体に成長させている単結晶SiCが開示されている。しかし、β-SiCと比べてα-SiCは、GaNとの格子定数の差が大きく半導体膜のクラックの程度や結晶性に悪影響を与えると考えられる。
特許第5433909号公報 特許第6387375号公報 特許第3254557号公報
上述のように、成膜用のベース基板とその上に形成するGaNのような半導体膜との格子定数の差や熱膨張係数の差が、半導体膜のクラックの程度や結晶性に影響を与えるため、ベース基板として、結晶性が高くクラックが抑制された半導体膜を形成することができる基板が望まれる。また、半導体膜の製造コストも低くすることも望まれる。
本発明者らは、今般、多結晶SiC層上に所定の厚さの単結晶SiC層を備えたSiC複合基板をベース基板として作製し、そのSiC複合基板上にGaN結晶を成膜することで、安価に、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、GaN結晶を成膜するためのベース基板として、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を安価に得ることができるSiC複合基板を提供することにある。
本発明の一態様によれば、多結晶SiC層と、前記多結晶SiC層上の厚さ1.0~30μmの単結晶SiC層とを備えた、SiC複合基板が提供される。
エアロゾルデポジション(AD)装置50の構成を示す概念図である。
SiC複合基板
本発明によるSiC複合基板は、多結晶SiC層と、多結晶SiC層上の厚さ1.0~30μmの単結晶SiC層とを備える。このように、多結晶SiC層上に所定の厚さの単結晶SiC層を備えたSiC複合基板をベース基板として作製し、そのSiC複合基板上にGaN結晶を成膜することで、安価に、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができる。
前述したように、成膜用のベース基板とその上に形成するGaNのような半導体膜との格子定数の差や熱膨張係数の差が、半導体膜のクラックの程度や結晶性に影響を与えるため、ベース基板として、結晶性が高くクラックが抑制された半導体膜を得ることができるものが望まれる。また、半導体膜の製造コストも低くすることも望まれる。この点、本発明によれば、多結晶SiC層上に所定の厚さの単結晶SiC層を備えたSiC複合基板をベース基板として作製し、そのSiC複合基板上にGaN結晶を成膜することで、安価に、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができる。
安価に、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができる理由として想定されるものは以下のとおりである。(i)GaN結晶が形成される単結晶SiC層とGaN結晶とは、熱膨張係数の差が比較的小さく、格子定数の差も小さいため、本発明のSiC複合基板上に形成されるGaN結晶は結晶性が高くクラックが抑制されたものとすることができる。(ii)また、本発明のSiC複合基板は多結晶SiC層を備えるが、多結晶は結晶の向きがばらばらであるため熱膨張及び熱収縮の方向もばらばらである。そのため、多結晶SiC層の表面に入る歪みもばらばらなものとなり、これが単結晶SiC層にも影響して、得られるGaN結晶の結晶性が悪くなる。この影響は単結晶SiC層が薄いほど大きくなる。しかし、本発明のSiC複合基板が備える単結晶SiC層は1.0~30μmの厚さがあり、多結晶SiC層による上記影響を受けにくいため、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができる。(iii)さらに、本発明のSiC複合基板は、高価な単結晶SiC基板そのものをベース基板に用いる場合等と比較して、安価な多結晶SiC層上に単結晶SiC層を備えたものであるため、製造コストも低くすることができる。このような理由により、本発明のSiC複合基板によれば、そのSiC複合基板上に、安価に、結晶性が高くクラックが抑制された半導体膜を得ることができる。なお、このSiC複合基板はGaN結晶に限らず、例えばSiC結晶等の半導体膜として用いられる結晶のベース基板としても使用できる。
本発明のSiC複合基板が備える単結晶SiC層の厚さは、1.0~30μmである。この厚さは2.0~30μmであるのが好ましい。こうすることで、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を効果的に得ることができる。上述したように、単結晶SiC層が薄すぎるとGaN結晶の結晶性が悪くなる。理由は定かではないが、以下のようなことが考えられる。多結晶SiC層は単結晶と異なり粒子の方位がばらばらのため、多結晶表面の粒子ごとに熱膨張及び熱収縮する方向が異なる。そのため、GaN結晶の成膜温度に昇温した際や、成膜後に降温する際に、多結晶部の粒子方位のばらつきに起因した面内での不均一な歪みが、多結晶SiC層と接している単結晶SiC層面内に導入されると考えられる。単結晶SiC層が薄いと、GaN結晶を成膜する単結晶SiC層の成膜表面にまでこの歪みの影響が及ぶため、その結果GaN結晶の結晶性が悪くなる可能性があると考えられる。このような理由から、単結晶SiC層の厚さは、1.0μm以上である。また、単結晶SiC層は厚すぎると製造コストの点で不利になる。そのため、単結晶SiC層の厚さは、30μm以下である。
このように、単結晶SiC層の厚さがGaN結晶の製造コスト、結晶性、及びクラックの程度に影響すると考えられる。ここで、例えば特許文献2(特許第6387375号公報)には、電気特性を向上させることを目的として、単結晶SiC基板と多結晶SiC基板とを備える半導体基板が開示されている。イオン注入を行った単結晶層と、支持基板である多結晶SiCとを接合させ、イオン注入した箇所で単結晶層の一部(大部分)を剥離し、多結晶SiC基板上に薄い単結晶SiC基板を備えた半導体基板を得ることが記載されている。しかし、イオン注入では一般的に1.0μm以上の深い位置を処理することが困難である。そのため、得られた半導体基板が備える単結晶部の厚さは実質的に1.0μm以下と推定される。すなわち、GaN結晶成膜時に多結晶SiCの影響を受け、結晶性が悪くなることが考えられる。一方で、本発明のSiC複合基板によれば、上述のとおり、そのSiC複合基板上にGaN結晶を成膜することで、安価に、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を得ることができる。
単結晶SiC層の多形(ポリタイプ)は3Cであるのが好ましい。すなわち、単結晶SiC層はβ-SiC単結晶であるのが好ましい。3C-SiCを用いることで、単結晶SiC層とGaN結晶との格子定数の差が小さくなるため、結晶性が高くクラックが抑制されたGaN結晶を効果的に得ることができる。特に3C-SiCの(111)面とGaNの(002)面の格子定数差が小さくなる。ここで、例えば特許文献3(特許第3254557号公報)には、α-SiC単結晶と、非晶質もしくはβ-SiC多結晶基板を密着させた複合体を熱処理して、非晶質もしくはβ-SiC多結晶基板を再結晶化させることにより、α-SiC単結晶基板の結晶軸と同方向に配向された単結晶を一体に成長させている単結晶SiCが開示されている。本発明のSiC複合基板には、α-SiCではなくβ-SiCを用いるのが好ましく、それ故にα-SiC単結晶基板の結晶軸と同方向には成長させない(一切成長させない)ようにすることができる。このように、SiCにはα-SiCとβ-SiCとがあるが、これらの結晶構造は前者が六方晶系であるのに対して後者は立方晶系であり、双方の結晶構造が全く異なるため全く別の材料といえる。例えば、β-SiCは多形が1種類であるのに対し、α-SiCは200種類以上の多形が報告されており、単一の多形からなる結晶を得ることは難しい。また安定な温度域も異なり、β-SiCは比較的低温で安定であるのに対し、α-SiCはβ-SiCより高温で安定である。このように、α-SiCとβ-SiCは全く別の材料である。
本発明のSiC複合基板が備える多結晶SiC層は、希土類元素をさらに含むのが好ましい。多結晶SiC層が希土類元素を含むことで、SiC複合基板上に成膜されるGaN結晶に発生しうるクラックがより効果的に抑制されると考えられる。この原因は定かではないが、多結晶SiC層に希土類元素が適量存在することで多結晶SiC層内の歪みが緩和された結果、SiC複合基板の反りが緩和されてGaN結晶のクラックが低減すると考えられる。また、好ましくは希土類元素の酸化物を原料として用いることによって、多結晶SiC層に希土類元素が含まれると考えられる。希土類元素の酸化物の熱膨張係数はSiCの熱膨張係数より大きく、GaNの熱膨張係数は多結晶SiCの熱膨張係数より大きい。そのため、希土類元素の酸化物が含まれる多結晶SiCは、希土類元素の酸化物が無添加の多結晶SiCと比べて熱膨張係数がGaNに近づくと考えられる。これにより、SiC複合基板とGaN結晶の熱膨張差による応力が緩和されることでクラックが低減するという可能性も考えられる。
多結晶SiC層に希土類元素が含まれる場合、希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの17種類の元素からなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素である。本発明者らは、これらの希土類元素のうち、PmとTb以外の希土類元素の酸化物については、熱膨張係数のデータを取得しており、それら希土類元素の酸化物の熱膨張係数がSiCの熱膨張係数よりも大きいことを確認している。多結晶SiC層に含まれる希土類元素は、Y(イットリウム)及び/又はSm(サマリウム)であるのが好ましく、より好ましくはYである。
多結晶SiC層に希土類元素が含まれる場合、多結晶SiC層における、希土類元素の含有量の、希土類元素、Si及びCの合計含有量に対する重量比が、0.00020~0.20であるのが好ましく、より好ましくは0.0010~0.15であり、さらに好ましくは0.0020~0.10である。希土類元素の重量比がこのような範囲内であることで、SiC複合基板上にてクラックが抑制されたGaN結晶をより効果的に得られると考えられる。上記重量比が0.20以下であることで、希土類元素が多結晶SiC層に存在することによる歪みの影響が顕著になることを防ぎ、より効果的にクラックを低減することができると考えられる。また、希土類元素とSiCの異相が生成するのを抑制できることや、希土類元素の偏析を抑制できること等も、クラックの低減に寄与していると考えられる。
本発明のSiC複合基板が備える多結晶SiC層の厚さは、複合基板をハンドリングするという観点では、100μm以上が好ましく、より好ましくは250μm以上である。コストの観点では多結晶SiC層の厚さは、5000μm以下が好ましく、より好ましくは3000μm以下である。よって、複合基板のハンドリング性とコストを両立させるという観点では、多結晶SiC層の厚さは100~5000μmであることが好ましく、より好ましくは250~3000μmである。
本発明のSiC複合基板は多結晶SiC層と単結晶SiC層を備えるが、単結晶と多結晶の境界は公知の方法で特定できる。例えば、電子線後方散乱回折法(EBSD)を取り付けたSEMにて、SiC複合基板の断面の逆極点図方位マッピングを取得することで特定できる。得られた逆極点図方位マッピングより、配向した層を単結晶部分、それ以外を多結晶部分と区別できる。
SiC複合基板の製造方法
本発明の多結晶SiC層と単結晶SiC層を備えたSiC複合基板の製造方法は、特に限定されない。多結晶SiC層を単結晶SiC層上に直接形成してもよいし、単結晶SiC層と多結晶SiC層を別々に準備して接合してもよい。
単結晶SiC層として、市販の単結晶基板を用いてもよいし、Si基板等の基板上にSiCをエピタキシャル成長させたものを用いてもよい。
多結晶SiC層として、市販の多結晶基板を用いてもよいし、SiCの成形体を焼成して作製してもよい。SiCの成形体はテープ成形により作成されたテープ成形体でもよいし、一軸プレス等の加圧成形により作成された圧粉体でもよい。焼成方法として常圧で焼成してもよいし、ホットプレスやHIP等の加圧焼成をしてもよい。
単結晶SiC層上に多結晶SiC層を直接形成する場合の形成方法は、例えば、AD(エアロゾルデポジション)法、HPPD(超音速プラズマ粒子堆積法)法等の固相成膜法、スパッタリング法、蒸着法、昇華法、各種CVD(化学気相成長)法等の気相成膜法、溶液成長法等の液相成膜法が挙げられる。CVD法としては、例えば熱CVD法、プラズマCVD法、ミストCVD法、MO(有機金属)CVD法等を用いることができる。あるいは単結晶SiC層上にSiCの成形体を載置する手法でもよい。
単結晶SiC層と多結晶SiC層を別々に準備して接合する場合、接合方法としては、特に限定されるものではないが、接着剤を用いた方法や焼結させる方法等が挙げられる。焼結させるときはホットプレス等を用いて圧力をかけて接合させてもよい。
多結晶SiC層を用意するにあたり、原料粉末や原料ガスに希土類元素に応じた希土類化合物が含まれるようにすることで、多結晶SiC層に希土類元素を含有させることができる。希土類化合物としては、特に限定されるものではないが、上述した17種類の希土類元素のうちの少なくとも1種類の元素の酸化物、窒化物、炭化物、及びフッ化物等が挙げられる。希土類化合物として希土類元素の酸化物が好ましく、より好ましくはYの酸化物(酸化イットリウム)やSmの酸化物(酸化サマリウム)である。
上述のSiC複合基板の製造方法として、いずれの手法も公知の条件を用いることができるが、以下ではAD法又は熱CVD法により単結晶SiC層上に多結晶SiC層を直接形成する方法及び予め作製した成形体を単結晶SiC層上に載置する手法について述べる。
AD法は、微粒子や微粒子原料をガスと混合してエアロゾル化し、このエアロゾルをノズルから高速噴射して基板に衝突させ、被膜を形成する技術であり、常温で被膜を形成できるという特徴を有している。このようなAD法で用いられる成膜装置(AD装置)の一例を図1に示す。図1に示されるAD装置50は、大気圧より低い気圧の雰囲気下で原料粉末を基板上に噴射するAD法に用いられる装置として構成されている。このAD装置50は、原料成分を含む原料粉末のエアロゾルを生成するエアロゾル生成部52と、原料粉末を単結晶SiC層20に噴射して原料成分を含む膜を形成する成膜部60とを備えている。エアロゾル生成部52は、原料粉末を収容し図示しないガスボンベからのキャリアガスの供給を受けてエアロゾルを生成するエアロゾル生成室53と、生成したエアロゾルを成膜部60へ供給する原料供給管54と、エアロゾル生成室53及びその中のエアロゾルに10~100Hzの振動数で振動が付与する加振器55とを備えている。成膜部60は、単結晶SiC層20にエアロゾルを噴射する成膜チャンバ62と、成膜チャンバ62の内部に配設され単結晶SiC層20を固定する基板ホルダ64と、基板ホルダ64をX軸-Y軸方向に移動するX-Yステージ63とを備えている。また、成膜部60は、先端にスリット67が形成されエアロゾルを単結晶SiC層20へ噴射する噴射ノズル66と、成膜チャンバ62を減圧する真空ポンプ68とを備えている。噴射ノズル66は、原料供給管54の先端に取り付けられている。
AD法は、成膜条件によって膜中に気孔を生じる場合や、膜が圧粉体となることが知られている。例えば、原料粉末の基板への衝突速度や原料粉末の粒径、エアロゾル中の原料粉末の凝集状態、単位時間当たりの噴射量等に影響を受けやすい。原料粉末の基板への衝突速度に関しては、成膜チャンバ62と噴射ノズル66内の差圧や、噴射ノズルの開口面積等に影響を受ける。このため、緻密な多結晶SiC層を得るには、これらのファクターを適切に制御することが必要である。
熱CVD法では、成膜装置は市販のもの等公知のものを利用することができる。原料ガスは特に限定されるものではないが、Siの供給源としては四塩化ケイ素(SiCl)ガスやシラン(SiH)ガス、Cの供給源としてはメタン(CH)ガスやプロパン(C)ガス等を用いることができる。成膜温度は1000~2200℃が好ましく、1100~2000℃がより好ましく、1200~1900℃がさらに好ましい。
熱CVD法を用いて単結晶SiC層上に多結晶SiC層を形成するには、成膜温度やSi源、C源のガス流量及びそれらの比率、成膜圧力等が影響することが知られている。成膜温度の影響は大きく、成膜温度は低い方が好ましく、1700℃未満が好ましく、1500℃以下がより好ましく、1400℃以下がさらに好ましい。しかし、成膜温度が低すぎると成膜レート自体も低下するため、成膜レートの観点では成膜温度は高い方が好ましい。
SiCの成形体を単結晶SiC層上に載置する手法の場合、多結晶SiC層の原料粉末を成形して作製することができる。例えば、プレス成形を用いる場合、多結晶SiC層は、プレス成形体である。プレス成形体は、多結晶SiC層の原料粉末を公知の手法に基づきプレス成形することで作製可能であり、例えば、原料粉末を金型に入れ、好ましくは100~400kgf/cm、より好ましくは150~300kgf/cmの圧力でプレスすることにより作製すればよい。また、成形方法に特に限定はなく、プレス成形の他、テープ成形、押出し成形、鋳込み成形、ドクターブレード法及びこれらの任意の組合せを用いることができる。例えば、テープ成形を用いる場合、原料粉末にバインダー、可塑剤、分散剤、分散媒等の添加物を適宜加えてスラリー化し、このスラリーをスリット状の細い吐出口を通過させることにより、シート状に吐出及び成形するのが好ましい。シート状に成形した成形体の厚さに限定はないが、ハンドリングの観点では5~500μmであるのが好ましい。また、厚い多結晶SiC層が必要な場合はこのシート成形体を多数枚積み重ねて、所望の厚さとして使用すればよい。また、SiCの成形体は焼結した状態であってもよく、この場合、成形体はSiC原料の他に、焼結助剤等の添加物を含んでいてもよい。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
(1)多結晶SiC層の作製
AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を用意した。また、厚さ900μmのSi単結晶基板上に3C-SiC膜(単結晶SiC層)が3.5μmエピタキシャル成長された直径約50mm(2インチ)の市販の基板を用意した。図1に示すAD装置50を用いて、上記基板の3C-SiC面上に原料粉末を噴射してAD膜を形成した。
AD成膜条件は以下のとおりとした。まずキャリアガスはNとし、長辺7mm×短辺0.6mmのスリットが形成されたセラミックス製のノズルを用いて成膜した。ノズルのスキャン条件は、0.6mm/sのスキャン速度で、スリットの長辺に対して垂直且つ進む方向に56mm移動、スリットの長辺方向に7mm移動、スリットの長辺に対して垂直且つ戻る方向に56mm移動、スリットの長辺方向且つ初期位置とは反対方向に7mm移動、とのスキャンを繰り返し、スリットの長辺方向に初期位置から56mm移動した時点で、それまでとは逆方向にスキャンを行い、初期位置まで戻るサイクルを1サイクルとし、これを1200サイクル繰り返した。室温での1サイクルの成膜において、搬送ガスの設定圧力を0.04MPa、流量を9L/min、チャンバ内圧力を100Pa以下に調整した。このようにして形成したAD膜の厚さは約300μmであった。こうして、Si単結晶基板上に形成した3C-SiC膜の面上に多結晶SiC層(AD膜)を形成した。
(2)多結晶SiC層の研磨
AD膜を形成した基板をAD装置から取り出し、多結晶SiC層成膜面を砥石を用いて#6000まで研削して板面を平坦にした。次いで、ダイヤモンド砥粒を用いたラップ加工により、板面を平滑化した。砥粒のサイズを3μmから0.5μmまで段階的に小さくしつつ、平坦性を高めた。その後、コロイダルシリカを用いた化学機械研磨(CMP)により鏡面仕上げ加工を行った。
(3)Si基板の除去
次に、Si基板面を砥石を用いて#6000まで研削して板面を平坦にした。次いで、ダイヤモンド砥粒を用いたラップ加工により、板面を平滑化した。砥粒のサイズを3μmから0.5μmまで段階的に小さくしつつ、平坦性を高めた。その後、コロイダルシリカを用いた化学機械研磨(CMP)により鏡面仕上げ加工を行い、最終的にSi基板を完全に除去した。こうして、厚さ2.0μmの3C-SiC膜(単結晶SiC層)、及び厚さ約300μmの多結晶SiC層を備えた、SiC複合基板を得た。
(4)多結晶SiC層の評価
(4-1)表面FE-EPMA
電子線プローブマイクロアナライザー(FE-EPMA)(日本電子株式会社製、JXA-8500F)を用いて、得られたSiC複合基板の多結晶SiC層表面の組成分析をプローブサイズ30μm×30μmで実施した。また、この測定は多結晶SiC層表面の10箇所で実施した。このFE-EPMA測定の諸条件は以下のとおりとした。
<FE-EPMA測定条件>
・加速電圧:15kV
・照射電流:50nA
表面FE-EPMA測定の結果、多結晶SiC層表面において、希土類元素は検出されず、Si、C及びOが検出された。検出されたSi及びCの定量値を用いて、多結晶SiC層における、希土類元素の含有量の、希土類元素、Si及びCの合計含有量に対する重量比(希土類元素/(希土類元素+Si+C))を求めた。なお、各元素の含有量の値は、上記10箇所測定して得られた値の平均値である。結果を表1に示す。
(5)GaN膜の形成
以上のように作製したSiC複合基板の3C-SiC膜上に、MOCVD法によりGaN膜を形成した。GaN膜の成長においては、Ga原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)、N原料ガスとしてNH(アンモニア)、並びにキャリアガスとして窒素及び水素を用いた。成膜温度は1100℃、成膜時間は1時間とした。得られたGaN膜の厚さは約1.0μmであった。
(6)GaN膜の評価
(6-1)GaN膜の結晶性
XRD装置(Bruker-AXS製、D8-DISCOVER)を用いて、SiC複合基板上に形成したGaN膜の(002)面のXRC測定を実施した。実際には2θ、ω、χ及びφを調整してGaNの(002)面のピークが出るように軸立てを行った後、管電圧40kV、管電流40mA、アンチスキャッタリングスリット3mmで、ω=14.0~22.0°の範囲、ωステップ幅0.005°、及び計数時間0.5秒の条件を用いた。また、X線源にはGe(022)非対称反射モノクロメーターでCuKα線を平行単色光化したものを用いた。得られたGaN膜の(002)面のXRCプロファイルの半値幅は、XRD解析ソフトウェア(Bruker-AXS製、「LEPTOS」Ver4.03)を使用し、プロファイルのスムージングを行った後にピークサーチを行うことにより決定した。得られた結果を以下の評価基準により格付けし、表1に示す。
‐評価A:半値幅が400arcsec.以下であるもの
‐評価B:半値幅が400arcsec.を超え500arcsec.以下であるもの
‐評価C:半値幅が500arcsec.を超えるもの
GaN膜の結晶性評価の結果、(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。
(6-2)GaN膜のクラック数
工業用顕微鏡(ニコン製、ECLIPSE、LV150N)を用いて、接眼レンズを10倍、対物レンズを5倍とし、偏光モード及び微分干渉モードにてGaN膜の表面全体を観察し、クラックが確認された場合は対物レンズを10倍に変更し、画像を取得した。そして、長さ50μm以上のクラックのみ、クラックとしてカウントした。また、あるクラックから別のクラックまでの距離が500μm以下の場合は一つのクラックとみなした。GaN膜のサイズに関わらず、膜表面の全面でのクラック数(個)を計測し、膜面積20cm当たりのクラック数(個)に換算した。得られた結果を表1に示す。
例2
上記(3)において、Si基板を除去する際に、3C-SiC膜の厚さを1.1μmにするようにしたこと以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、希土類元素は検出されず、Si、C及びOが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は500arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例3
上記(3)において、Si基板を除去する際に、3C-SiC膜の厚さを3.0μmにするようにしたこと以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、希土類元素は検出されず、Si、C及びOが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例4(比較)
上記(3)において、Si基板を除去する際に、3C-SiC膜の厚さを0.9μmにするようにしたこと以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、希土類元素は検出されず、Si、C及びOが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は500arcsec.を超えており、例1と比較して結晶性が悪かった。結晶性が悪かったため、クラック数の評価は行わなかった。結果を表1に示す。
例5
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を96.0重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を4.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例6
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を99.98重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を0.02重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例7
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を99.97重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を0.03重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例8
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を88.0重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を12.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例9
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を76.0重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を24.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例10
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を70.0重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を30.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例11
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を96.0重量%、及び酸化サマリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を4.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法でSiC複合基板の作製、GaN膜の形成及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてSmが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例12
上記(1)において、AD成膜用の原料紛体として、市販の微細β-SiC粉末(体積基準D50:0.7μm)を96.0重量%、及び酸化イットリウム粉末(体積基準D50:0.1μm)を4.0重量%含むものを用意し、これをSiCボールを使用してエタノール中で24時間ボールミル混合し、乾燥することで混合粉末を得た。この点以外は、例1と同様の方法で(1)多結晶SiC層の作製、(2)多結晶SiC層の研磨、及び(3)Si基板の除去を行った。こうして、厚さ2.0μmの3C-SiC膜(単結晶SiC層)、及び厚さ約300μmの多結晶SiC層を備えた、SiC複合基板を得た。
その後、SiC複合基板の3C-SiC膜上に、CVD法により3C-SiC膜をさらに形成した。3C-SiC膜の成長においては、原料ガスとしてトリクロロシラン及びエチレンを用い、キャリアガスとして水素を用いた。成膜温度は1380℃とし、3C-SiC膜の厚さが40μmとなるまで成膜した。
次に、3C-SiC膜を砥石を用いて#6000まで研削して板面を平坦にした。次いで、ダイヤモンド砥粒を用いたラップ加工により、板面を平滑化した。砥粒のサイズを3μmから0.5μmまで段階的に小さくしつつ、平坦性を高めた。その後、コロイダルシリカを用いた化学機械研磨(CMP)により鏡面仕上げ加工を行い、最終的に厚さ30μmの3C-SiC膜(単結晶SiC層)、及び厚さ約300μmの多結晶SiC層を備えた、SiC複合基板を得た。
こうして得られたSiC複合基板について、例1と同様の方法でGaN膜の成膜及び各種評価を行った。多結晶SiC層表面のFE-EPMA測定の結果、Si、C、O及び希土類元素としてYが検出された。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。
例13(比較)
厚さ900μmのSi単結晶基板上に3C-SiC(単結晶SiC層)が3.0μmエピタキシャル成長された直径約50mm(2インチ)の市販の基板を用意した。この基板の3C-SiC膜上にMOCVD法によりGaN膜を形成した。GaN膜の成長においては、Ga原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)、N原料ガスとしてNH(アンモニア)、並びにキャリアガスとして窒素及び水素を用いた。成膜温度は1100℃、成膜時間は1時間とした。得られたGaN膜の厚さは約1.0μmであった。
こうして得られたGaN膜について、例1と同様の方法で評価を行った。GaN膜の結晶性を評価したところ、GaN膜の(002)面XRCプロファイルの半値幅は400arcsec.以下と、良好な結晶性を示した。結果を表1に示す。なお、上述のとおり例13では多結晶SiC層を形成しておらず、Si単結晶基板上に3C-SiC(単結晶SiC層)を形成した複合基板に対して、GaN膜を形成しているため、多結晶SiC層の評価は行わなかった。
Figure 2022131919000001

Claims (8)

  1. 多結晶SiC層と、前記多結晶SiC層上の厚さ1.0~30μmの単結晶SiC層とを備えた、SiC複合基板。
  2. 前記単結晶SiC層の厚さが2.0~30μmである、請求項1に記載のSiC複合基板。
  3. 前記多結晶SiC層の厚さが100~5000μmである、請求項1又は2に記載のSiC複合基板。
  4. 前記単結晶SiC層の多形が3Cである、請求項1~3のいずれか一項に記載のSiC複合基板。
  5. 前記多結晶SiC層が希土類元素をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のSiC複合基板。
  6. 前記希土類元素が、Y及び/又はSmである、請求項5に記載のSiC複合基板。
  7. 前記希土類元素がYである、請求項5又は6に記載のSiC複合基板。
  8. 前記多結晶SiC層における、前記希土類元素の含有量の、前記希土類元素、Si及びCの合計含有量に対する重量比が、0.00020~0.20である、請求項5~7のいずれか一項に記載のSiC複合基板。

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