JP2022128398A - 複層塗膜 - Google Patents

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Tomoyuki Ishikawa
浩平 山口
Kohei Yamaguchi
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Azusa Jizodo
禎人 荒木
Sadahito Araki
陽平 神野
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Abstract

【課題】本発明は、少なくともクリヤー塗膜とベース塗膜とを有し、良好な耐チッピング性を有する複層塗膜の提供を目的とし、好ましくは、良好な意匠性をさらに有する複層塗膜の提供を目的とする。【解決手段】本発明の複層塗膜は、基材と、その上に形成されたベース層と、更にベース層上に形成されたクリヤー層とを有する複層塗膜であって、前記ベース層が、光輝性顔料を含むものであり、マイクロスラリージェットエロージョン法を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で、前記ベース層のエロージョン率を測定した場合において、前記ベース層のエロージョン率に、前記ベース層の膜厚を乗じて得た値であるエロージョン指標が、45μm2/g以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、複層塗膜に関する。
自動車車体等の被塗物においては、防食性、耐チッピング性、意匠性、耐擦傷性等を付与するために複層塗膜が形成されており、例えば、電着塗装等の防錆処理を行った鋼板上に、中塗り塗膜、ベース塗膜、クリヤー塗膜、また、必要に応じてチッピングプライマー層等を形成することで、複層塗膜が形成される。チッピングは、自動車の車両外板の塗装面に小石等が衝突した場合に発生しうる、亀裂や剥離などの損傷であり、チッピングが生じた場合、チッピング部分から水等が進入し、外板の素地に発錆等を招来するおそれがある。
従来、チッピングに対応するため、中塗り塗膜、あるいはチッピングプライマーを改良した複層塗膜の開発が進められてきた。こうした複層塗膜としては、例えば、アクリル変性塩素化ポリオレフィン、酸基を有するスチレン系可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物及び顔料を含み、アクリル変性塩素化ポリオレフィンのアクリル部分のガラス転移温度が-50~0℃であり、アクリル部分と塩素化ポリオレフィン部分との固形分質量比が7:3~2:8である組成物から形成される中塗り塗膜を有する複層塗膜等が提案されている(特許文献1)。
特開2020-094075号公報
本発明は、少なくともクリヤー塗膜とベース塗膜とを有し、良好な耐チッピング性を有する複層塗膜の提供を目的とし、好ましくは、良好な意匠性をさらに有する複層塗膜の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]基材と、その上に形成されたベース層と、更にベース層上に形成されたクリヤー層とを有する複層塗膜であって、
前記ベース層が、光輝性顔料を含むものであり、
前記ベース層のエロージョン率を、マイクロスラリージェットエロージョン法を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で測定した場合において、前記ベース層のエロージョン率に、前記ベース層の膜厚を乗じて得た値であるエロージョン指標が、45μm/g以下である複層塗膜。
[2]前記ベース層は、1又は2以上の層で構成されるものであり、
前記ベース層が2以上の層で構成される場合には、n番目の層を第nベース層とし、
マイクロスラリージェットエロージョン法を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で測定した第nベース層のエロージョン率をE’(μm/g)、第nベース層の膜厚をt(μm)としたとき、
前記エロージョン指標は、以下の式に基づいて算出される、[1]に記載の複層塗膜。
Figure 2022128398000001
[ただし、nは、2以上の整数を表す。]
本発明の複層塗膜は、良好な耐チッピング性を有するものであり、好ましくは、良好な意匠性をさらに有する。さらに好ましくは、中塗り層を有しない場合であっても耐チッピング性と意匠性とを両立しうる。
本発明者らは、従来では中塗り塗膜やチッピングプライマーで行われてきた耐チッピング性の改良に関し、ベース塗膜に着目して種々検討を行った。そして、これらの検討のなかで、塗膜の削れやすさの指標ともいえるエロージョン率に着目した。そうすると、耐チッピング性自体は、単なるベース塗膜の削れやすさだけでなく、ベース塗膜の膜厚にも依存すること、そして、エロージョン率とベース塗膜の膜厚とを掛け合せることで、耐チッピング性に及ぼす膜厚の影響を排除でき、このエロージョン率と膜厚とを掛け合せた指標(エロージョン指標)を45μm/g以下とすることで、耐チッピング性が良好になることを見出した。
さらに本発明者らは、光輝性顔料の高配向性が優れる要求される、いわゆる高意匠性の塗色においては、ベース塗膜を第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とを有する構成とし、両塗膜の膜厚を加味して算出したエロージョン指標を45μm/g未満に制御することで、光輝性顔料の配向が維持されやすくなり意匠性を出しつつ耐チッピング性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の複層塗膜は、基材と、その上に形成されたベース層と、更にベース層上に形成されたクリヤー層とを有するものである。
前記基材は、金属層、プラスチック層、発泡体層等の基体層を少なくとも有するものであればよく、前記基材のベース層側に中塗り層が形成されていてもよい。
前記金属層を形成する金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛、及びこれらの合金が挙げられる。前記金属層は、板状であってもよく、成型物であってもよい。前記成型物としては、具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体及び部品等を挙げることができる。
前記金属層(好ましくは前記金属層のベース層側)には、予めリン酸塩、ジルコニウム塩、クロム酸塩等で化成処理され、次いで電着塗膜層が形成されていてもよい。前記電着塗膜層の形成に用いることのできる電着塗料組成物としては、カチオン電着塗料組成物及びアニオン電着塗料組成物等を挙げることができる。
前記プラスチック層を形成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。前記プラスチック層は、板状であってもよく、成型物であってもよい。前記成型物としては、スポイラー、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリル、ドアノブ等の自動車部品等を挙げることができる。前記プラスチック層(好ましくは前記プラスチック層のベース層側)には、プライマー塗装が施されていてもよい。
前記中塗り塗膜は、中塗り塗膜形成樹脂、着色顔料及び体質顔料等を含む中塗り塗料組成物から形成される。前記塗膜形成樹脂としては、後述するベース塗料組成物で用いる塗膜形成樹脂(A)で例示する化合物を用いることができる。前記中塗り塗料組成物に用いる塗膜形成樹脂としては、中塗り塗膜の諸性能等の観点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂と、アミノ樹脂及び/又はイソシアネートとの組合せが好適に用いられる。
前記中塗り塗料組成物に含まれる着色顔料としては、カーボンブラックや二酸化チタン等の彩度を有しない顔料、そして、ベース層の色相を補うための彩度を有する顔料等が挙げられる。前記中塗り塗料組成物が顔料を含む場合、顔料の含有量は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
前記中塗り塗膜の厚さは、例えば、3~50μmが好ましく、5~30μmが好ましい。
前記基材は、基体層のみ又は基体層と中塗り層との積層体であることが好ましく、前記基体層は、金属層のみであってもよく、金属層と電着塗膜層との積層体であることが好ましい。すなわち、前記基材は、金属層のみ;金属層と電着塗装層との積層体;又は金属層と電着塗装層と中塗り層との積層体であることが好ましい。
前記ベース層は、光輝性顔料を含むものであって、マイクロスラリーエロージョン法(MSE法)を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で、前記ベース層のエロージョン率(E’)を測定した場合において、得られた前記ベース層のエロージョン率に、前記ベース層の膜厚(t)を乗じて得た値であるエロージョン指標が、45μm/g以下となる層を有する。このため、本発明の複層塗膜は、意匠性と耐チッピング性とを両立しうる。
前記エロージョン指標は、好ましくは44μm/g以下、より好ましくは30μm/g以下、さらに好ましくは20μm/g以下であり、例えば10μm/g以上、さらに15μm/g以上であってもよい。
前記エロージョン率は、例えば、3.4μm/g以下であってもよく、好ましくは2.89μm/g未満、より好ましくは2.88μm/g以下、さらに好ましくは2.5μm/g以下、いっそう好ましくは2μm/g以下であってもよいが、これに限定されない。エロージョン率が前記範囲にあると、ベース層の破断エネルギーが大きく、適度に衝撃が吸収されるため、耐チッピング性を向上しうる。また、前記エロージョン率は、例えば、好ましくは0.1μm/g以上であってもよく、より好ましくは0.5μm/g以上、さらに好ましくは0.7μm/g以上であってもよいが、これに限定されない。エロージョン率が前記範囲にあると、ベース層の弾性率が適度であるため、耐チッピング性を向上しうる。
前記MSE法は、試料表面に微粒子(例えば、粒子径1~10μm)を水に分散させた水分散液を、圧縮空気で混合加速して、高速(例えば、60~100m/s)で試料表面に投射し、摩耗を発生させる試験法であり、前記微粒子の投射により生じたエロージョン痕とそのプロファイル形状から、試料の特性を評価することが可能である。エロージョン率は、エロージョン深さを、投射した微粒子の量(投射量)で除して得られる値であり、試料強度の指標とすることができる。例えば、エロージョン率が高い場合、単位投射量当たりのエロージョン深さが大きく、摩耗しやすい(すなわち強度が低い)ことを表し、エロージョン率が低い場合は、単位投射量当たりのエロージョン深さが小さく、摩耗しにくい(すなわち強度が高い)ことを表すといえる。
前記ベース層のエロージョン率は、例えば、エロージョン深さが0.1~1μmの範囲となるように単位投射を行い、各単位投射について得られたエロージョン率に基づいて、ベース層のエロージョン率を算出することができる。単位投射量の設定範囲は、0.5g~999gの範囲の中で、当該層の膜厚から見て十分な分解能を得られる投射量とすることができる。
本発明において、エロージョン深さは、未投射部位から投射部位までの深さを表すものとする。
前記エロージョン率の測定は、より詳細には、室温(25℃)、大気圧(1013hPa)下、前記複層塗膜の表面に対し垂直な方向を投射方向とし、投射位置から複層塗膜表面までの距離(投射距離)を4mmとして、微粒子を含む水分散液を投射することにより実施することができる。本発明において、前記微粒子としては、平均粒子径D50が1.2μmである多角アルミナを用いるものとし、前記微粒子は、前記水分散液中3質量%の割合で含まれるものとする。さらに、投射時の投射力は、シリコンウェハに対するエロージョン率が、0.635μm/gとなる投射力とする。前記投射力は、投射速度及び投射圧力により調整することができる。
前記未投射部位から投射部位までの深さは、触針式表面形状測定器により測定することができる。
また前記エロージョン率は、3回測定を行って得られた値の平均値とすることが好ましい。
前記ベース層の層数は、1又は2以上とすることができる。単層であるベース層自体のエロージョン指標が前記範囲にあってもよく、前記ベース層が2以上の層を有し、ベース層全体が前記エロージョン指標を有してもよい。また、単層であるベース層自体のエロージョン率が前記範囲にあってもよく、前記ベース層が2以上の層を有し、そのうちの少なくとも一層が前記エロージョン率を有してもよい。
前記ベース層が2以上の層を有する場合、ベース層全体のエロージョン率は、各層のエロージョン率を、それぞれの膜厚に基づいて加重平均した値とすることができる。
例えば、前記ベース層が、2以上の層を有する場合、n番目の層を第nベース層(ただし、nは2以上の整数を表す)とし、第nベース層のエロージョン率をE’(μm/g)、第2ベース層の膜厚をt(μm)、ベース層全体の膜厚をt(μm)としたとき、ベース層全体のエロージョン率E’(μm/g)は、以下の式に基づいて算出できる。
Figure 2022128398000002
そして、ベース層全体のエロージョン指標(μm/g)は、ベース層全体のエロージョン率E’(μm/g)に、ベース層全体の膜厚t(μm)を掛け合せた値であり、以下の式に基づいて算出できる。
Figure 2022128398000003
n(すなわち、ベース層に含まれる層の数)は、2以上の整数であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下の整数である。
特に、前記ベース層が第1ベース層と第2ベース層で構成される場合、第1ベース層のエロージョン率をE’第2ベース層のエロージョン率をE’、第1ベース層の膜厚をt、第2ベース層の膜厚をtとしたとき、ベース層全体のエロージョン率E’は、以下の式に基づいて算出できる。
E’=(E’×t+E’×t)/(t+t
そして、ベース層全体のエロージョン指標(μm/g)は、ベース層全体のエロージョン率E’ (μm/g)に、第1ベース層の膜厚t(μm)と第2ベース層の膜厚t(μm)との和(すなわち、ベース層全体の膜厚t)を掛け合せた値(E’×(t+t))として算出できる。
前記ベース層は、光輝性顔料を含むものであり、光輝性顔料を含むことで、意匠性(特に光輝性)が発揮される。また、前記ベース層が、2以上の層(好ましくは2つの層)を有し、特に光輝性顔料を高配向な状態で含有するベース層と、ベース層全体のエロージョン指標が45μm/g以下になるように各々の膜厚との関係でエロージョン率を調整したベース層とを有すると、各々の機能分離により光輝性顔料の配向性が維持され、高意匠性と耐チッピング性とを両立した複層塗膜を得やすくなる。そのために、光輝性顔料を含有するベース層と、光輝性顔料を含有しないベース層からなるベース層とすることも好ましい。
前記光輝性顔料は、光を反射しうる顔料であって、塗膜に特有の光沢を付与することができる。該光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等の金属;前記金属の合金;酸化アルミニウム等の金属酸化物;マイカ(特に、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料等)等の金属酸塩化合物;グラファイト等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光輝性顔料の平均粒子径(D50)は、光輝性の観点から、好ましくは2~50μm、より好ましくは10~35μmであり、平均厚さは、好ましくは0.1~5μmである。
前記光輝性顔料の含有率は、前記ベース層の全体中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
前記ベース層が2層以上の層を有する場合(好ましくは第1ベース層及び第2ベース層を有する場合)は、少なくとも1層が光輝性顔料を含むものであればよく、全ての層(好ましくは第1ベース層及び第2ベース層)が光輝性顔料を含むものであってもよい。この場合、前記光輝性顔料の含有率は、ベース層全体における値とする。また、各層における光輝性顔料の含有率は、各層間で同一であってもよく異なっていてもよい。
また、前記ベース層が2以上の層を有する場合、一つの態様において、少なくとも1層が光輝性顔料を含み、且つ、ベース層全体のエロージョン指標が前記範囲(45μm/g以下)にある。別の態様において、少なくとも1層が光輝性顔料を含み、ベース層全体のエロージョン指標が前記範囲(45μm/g以下)にあり、且つ、全ての層(好ましくは第1ベース層及び第2ベース層)のエロージョン率が該前記範囲(2.89μm/g未満)にある。
前記ベース層が第1ベース層と第2ベース層とを有する場合、第1ベース層と第2ベース層とは、基材側に第1ベース層、クリヤー層側に第2ベース層が位置するよう配置される。
前記第1ベース層の厚さは、例えば3μm以上、好ましくは5μm以上であり、例えば50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
前記第2ベース層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、例えば50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。
前記ベース層は、第1ベース層、第2ベース層以外にその他のベース層を有していてもよい。
前記ベース層は、後述するクリヤー層と接している層であることが好ましい。
前記ベース層は、塗膜形成樹脂(A)及び顔料(B)を含むベース塗料組成物の硬化物(硬化塗膜)として形成することができる。前記第1ベース層及び第2ベース層は、それぞれ、第1ベース塗料組成物、第2ベース塗料組成物を用いて形成することができ、第1ベース塗料組成物及び第2ベース塗料組成物に含まれる成分及びその含有率は、特記しない限り、ベース塗料組成物と同一であってよい。前記第1ベース塗料組成物と第2ベース塗料組成物とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記塗膜形成樹脂(A)は、アクリル樹脂(A1)、及びウレタン樹脂(A2)を含むことが好ましい。
前記アクリル樹脂(A1)は、α,β-エチレン性不飽和モノマーの混合物(モノマー混合物)の重合体であることが好ましい。
前記α,β-エチレン不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、重合性アミド化合物、重合性芳香族化合物、重合性ニトリル、α-オレフィン、ビニルエステル、ジエン等を挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとする。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等の脂環式アクリル酸エステル等を挙げることができる。
前記重合性アミド化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N-モノブチル(メタ)アクリルアミド、N-モノオクチル(メタ)アクリルアミド2,4-ジヒドロキシ-4’-ビニルベンゾフェノン、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等を挙げることができる。
前記重合性芳香族化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルケトン、t-ブチルスチレン、パラクロロスチレン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。
前記重合性ニトリルとしては、(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。
前記α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等を挙げることができる。
前記ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。
前記ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
前記α,β-エチレン不飽和モノマーに由来する単位の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、
さらに好ましくは85質量%以下である。
前記アクリル樹脂(A1)は、酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーに由来する単位を含むことが好ましい。これにより、前記アクリル樹脂(A1)が、酸基を有することとなり、前記アクリル樹脂(A1)の水分散性が向上しうる。
前記酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、2-アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、イソクロトン酸、α-ハイドロ-ω-((1-オキソ-2-プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1-オキソ-1,6-ヘキサンジイル))、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、3-ビニルサリチル酸、3-ビニルアセチルサリチル酸、2-アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができ、(メタ)アクリル酸、アクリル酸量体が好ましい。
前記酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーに由来する単位の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
前記アクリル樹脂は、水酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーに由来する単位を含むことが好ましい。これにより、前記アクリル樹脂(A1)が、水酸基を有することとなり、ベース塗料組成物における架橋性を向上しうる。
前記水酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、アリルアルコ-ル、(メタ)アクリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε-カプロラクトンとの付加物等を挙げることができ、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε-カプロラクトンとの付加物が好ましい。
前記水酸基を有するα,β-エチレン不飽和モノマーに由来する単位の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
前記アクリル樹脂(A1)は、架橋性モノマーに由来する単位を含んでいてもよい。前記アクリル樹脂(A1)が、架橋性モノマーに由来する単位ことで、前記アクリル樹脂(A1)の平均粒子径を(例えば100nm以下に)制御することが容易となる。
前記架橋性モノマーは、1分子中に、2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物である。前記架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の2官能性モノマー;トリアリルシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ
)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマー等を挙げることができ、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンが好ましい。前記架橋性モノマーとしては、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋性モノマーに由来する単位の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下である。前記架橋性モノマーに由来する単位の含有率が、前記範囲にあることで、アクリル樹脂(A1)の粒子径を(例えば100nm以下に)制御することが容易となる。
前記アクリル樹脂(A1)の酸価は、好ましくは3mgKOH/g以上、より好ましくは7mgKOH/g以上であり、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは80mgKOH/g以下である。
前記アクリル樹脂(A1)の水酸基価は、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上であり、好ましくは180mgKOH/g以下、より好ましくは160mgKOH/g以下である。
前記アクリル樹脂(A1)の酸価及び水酸基価は、前記モノマー混合物の組成に基づいて算出することができる。
前記アクリル樹脂(A1)のガラス転移温度は、機械的特性の観点から、好ましくは-20℃以上であり、好ましくは80℃以下である。前記アクリル樹脂(A1)のガラス転移温度は、FOX式に基づいて算出することができ、前記アクリル樹脂(A1)を形成するモノマー混合物に含まれる各モノマーについて、そのホモポリマーのガラス転移温度は、ポリマーハンドブック(第4版、Wiley-Interscience、1999)に記載の値等を参照することができる。
前記アクリル樹脂(A1)の平均粒子径は、好ましくは300nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下であり、例えば20nm以上、好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上である。前記アクリル樹脂(A1)の平均粒子径が前記範囲にあることで、得られる塗膜の透明性、光透過性が良好なものとなる。前記アクリル樹脂(A1)の平均粒子径は、動的光散乱法により、体積平均値として測定することができる。
前記アクリル樹脂(A1)の数平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、さらに好ましくは6,000以上であり、上限は、例えば300,000であってもよい。なお、前記アクリル樹脂(A1)が、架橋性モノマーに由来する単位を含む場合、該数平均分子量は、前記範囲外にあってもよい。
本明細書において、数平均分子量、重量平均分子量は、ポリスチレンを標準試料として用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
前記アクリル樹脂(A1)は、エマルションであることが好ましい。
前記アクリル樹脂(A1)としては、1種のアクリル樹脂を用いてもよく、2種以上のアクリル樹脂を混合して用いてもよい。具体的に、前記アクリル樹脂(A1)としては、エマルションとして存在するアクリル樹脂(A1-1)と、それ以外のアクリル樹脂(A1-2)とを含むものであってもよい。
前記アクリル樹脂(A1-1)のエマルションの平均粒子径は、好ましくは300nm以下であり、下限は、例えば50nm以上であってもよい。前記エマルションの平均粒子径は、動的光散乱法により体積平均値として測定することができる。
前記アクリル樹脂(A1-1)の酸価は、好ましくは3~50mgKOH/g、より好ましくは7~40mgKOH/gであり、前記アクリル樹脂(A1-1)の水酸基価は、好ましくは10~150mgKOH/g、より好ましくは20~100mgKOH/gである。
前記アクリル樹脂(A1-2)の酸価は、好ましくは10~100mgKOH/g、より好ましくは20~80mgKOH/gであり、前記アクリル樹脂(A1-2)の水酸基価は、好ましくは20~180mgKOH/g、より好ましくは30~160mgKOH/gである。
前記アクリル樹脂(A1-1)の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上であり、100質量%以下であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
前記アクリル樹脂(A1-2)の含有率は、前記アクリル樹脂(A1)中、0質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
前記アクリル樹脂(A1)が酸基を有する場合、該酸基は、塩基により中和されていてもよい。塩基により中和されていることで、アクリル樹脂(A1)の分散安定性が良好である。特に、分散安定性の観点から、前記アクリル樹脂(A1)がエマルションである場合、そのpHが5~10となるように塩基で中和されていることが好ましい。該塩基としては、ジメタノールアミン、トリエチルアミン等の3級アミンを挙げることができる。
前記アクリル樹脂(A1)の含有率は、前記ベース塗料組成物の固形分中、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、好ましくは97質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。また、前記アクリル樹脂(A1)の含有率は、塗膜形成樹脂(A)中、好ましくは15質量以上、より好ましくは20質量%以上であり、好ましくは97質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
本明細書において、組成物の固形分とは、組成物から、水性媒体等の溶媒を除いた部分を表すものとする。
前記アクリル樹脂(A1)は、前記モノマー混合物を重合することにより製造することができ、好ましくは、前記モノマー混合物をエマルション重合することにより製造することができる。具体的には、水性媒体中に、乳化剤を混合し、加熱撹拌下において、前記モノマー混合物及び重合開始剤を滴下することにより行うことができる。前記モノマー混合物、乳化剤及び水を予め乳化し、水性媒体中に滴下してもよい。前記水性媒体としては、後述する水性媒体(C)として例示する化合物を適宜用いることができる。
前記重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系油性化合物;アニオン系の4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2-アゾビス(N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン及びカチオン系の2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)等のアゾ系の水性化合物;ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエート等のレドックス系の油性過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水性過酸化物等を挙げることができる。
前記重合開始剤の量は、モノマー混合物の合計100質量部に対して、一般に好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.2~2質量%である。
前記乳化剤としては、当業者において一般的に用いられている乳化剤を用いることができ、反応性乳化剤を用いることが好ましい。前記反応性乳化剤としては、アントックス(Antox)MS-60(日本乳化剤社製)、エレミノールJS-2(三洋化成工業社製)、アデカリアソープNE-20(旭電化社製)及びアクアロンHS-10(第一工業製薬社製)等を挙げることができる。
前記重合の際、連鎖移動剤を共存させてもよい。該連鎖移動剤としては、ラウリルメルカプタン等のメルカプタン化合物、α-メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
前記重合温度は、例えば30~90℃であり、アゾ系開始剤を用いる場合、好ましくは60~90℃であり、レドックス系開始剤を用いる場合、好ましくは30~70である。反応時間は、例えば1~8時間である。
前記重合反応は、一段階重合であってもよく、多段階であってもよい。多段階重合として、例えば、二段階で行うことができる。二段階重合は、まず上記α,β-エチレン性不飽和モノマー混合物のうちの一部(モノマー混合物1)をエマルション重合し、ここに上記α,β-エチレン性不飽和モノマー混合物の残り(モノマー混合物2)をさらに加えてエマルション重合を行う重合方法である。
例えば二段階重合を行う場合においては、クリヤー塗膜とのなじみ防止等の点から、モノマー混合物1はアミド基を有するα,β-エチレン性不飽和モノマーを含有していることが好ましい。またこの時、モノマー混合物2は、アミド基を有するα,β-エチレン性不飽和モノマーを含有していないことがさらに好ましい。なお、モノマー混合物1及び2を一緒にしたものが、上記モノマー混合物であるため、先に示した上記α,β-エチレン性不飽和モノマー混合物の要件は、モノマー混合物1及び2を一緒にしたものが満たすことになる。
前記ベース塗料組成物は、ウレタン樹脂(A2)を含む。前記ウレタン樹脂(A2)を含むことで、ベース層の破断エネルギーを高め、衝撃を吸収することが容易となる。
前記ウレタン樹脂(A2)は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応物であることが好ましく、前記ポリオールとポリイソシアネートとの反応物に、さらに鎖伸長剤及び/又は末端停止剤を反応させた反応物であってもよい。
前記ポリオールとしては、ポリマーポリオール、低分子量ポリオール(例えば、分子量500未満のポリオール)、親水性基を有するポリオール等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸とポリエステル原料ポリオールとの反応物;ε-カプロラクトンの開環重合物;これらの共重合体等が挙げられる。前記ポリカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、前記ポリエステル原料ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
前記ポリマーポリオールの重量平均分子量は、例えば500以上、好ましくは700以上、より好ましくは1,000以上であり、例えば10,000以下、好ましくは7,000以下である。前記ポリマーポリオールの官能基数(1分子中に含まれる水酸基の数)は、2以上であり、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
前記低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の2官能又は3官能以上の脂肪族ジオール等が挙げられる。
前記親水性基を有するポリオールにおける親水性基としては、酸基等のアニオン性基、アミノ基等のカチオン性基、ポリオキシアルキレン基等のノニオン性基が挙げられ、アニオン性基を有するポリオールが好ましい。親水性基を有するポリオールを用いることで、得られるウレタン樹脂の水分散性が向上しうる。
前記アニオン性基を有するポリオールとしては、公知の化合物(例えば、特公昭42-24192号明細書及び特公昭55-41607号明細書に記載の化合物)等が挙げられ、具体的には、ジメチロール酢酸、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸等のジメチロールアルカン酸が挙げられる。
前記カチオン性基を有するポリオールとしては、公知の化合物(例えば、特公昭43-0-76号明細書に記載の化合物)を用いることができる。
前記ノニオン性基を有するポリオールとしては、公知の化合物(例えば、特公昭48-41718号明細書に記載の化合物)を用いることができ、具体的には、ポリオキシアルキレン単位を有するポリオール、アルキルアルコールアルキレンオキシド付加物等を用いることができる。
前記ポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、該ポリイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートの混合物、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートとジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネートの混合物、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,2-シクロヘキサンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル-4,4’-ジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4,4’-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート;前記芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートの多量体(例えば、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体、ウレトジオン体等)を挙げることができる。なかでも、耐光性の観点から、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートの多量体が好ましい。
前記鎖伸長剤は、1分子中に活性水素基を2つ以上有する化合物であればよく、鎖伸長剤としての低分子量ポリオール、ポリアミン等が挙げられる。
前記鎖伸長剤としての低分子量ポリオールとしては、前記ポリオールとして例示した低分子量ポリオールと同様の化合物を挙げることができる。前記ポリアミンとしては、エチレンジミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げることができる。
前記末端停止剤は、1分子中に活性水素基を1個有する化合物又はモノイソシアネート化合物であることが好ましい。
前記1分子中に活性水素基を1個有する化合物としては、モノアルコール又はモノアミンが挙げられる。前記モノアルコールとしては、メタノール、ブタノール、オクタノール等のアルキルアルコール;アルキルアルコールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。前記モノアミンとしては、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン等が挙げられる。
前記モノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート等の脂肪族モノイソシアネート;シクロヘキシルイソシアネート等の脂環式モノイソシアネート;フェニルイソシアネート、トリレンイソシアネート等の芳香族モノイソシアネート等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂(A2)のガラス転移温度は、好ましくは-50℃以下、より好ましくは-55℃以下、さらに好ましくは-58℃以下であり、例えば-100℃以上、好ましくは-90℃以上である。前記ウレタン樹脂(A2)のガラス転移温度は、示差走査熱分析により測定することができる。
前記ウレタン樹脂(A2)は、後述する水性媒体(C)の一部に分散されていてもよい。
前記ウレタン樹脂(A2)としては、NeoRezシリーズ(楠本化成社)、HUXシリーズ(ADEKA社)、ユーコートシリーズ、パーマリンシリーズ、ユープレンシリーズ(以上、三洋化成社)等の市販品を用いてもよい。
前記ウレタン樹脂(A2)の含有率は、ベース層の破断エネルギーを高め、衝撃を吸収する観点から、前記塗料形成樹脂(A)中、0質量%以上であり、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは80質量以下、より好ましくは75質量%以下である。
前記塗料形成樹脂(A)は、さらにメラミン樹脂(A3)を含んでいてもよい。前記メラミン樹脂(A3)は、塗膜形成樹脂(A)において、硬化剤としての作用を有する。前記メラミン樹脂(A3)は、水溶性であってもよく、非水溶性であってもよい。
前記メラミン樹脂(A3)の水トレランスは、3.0以上であることが好ましい。前記水トレランスは、親水性の度合いを評価する指標となるものであり、水トレランスが高いほど、親水性が高いことを表す。
前記水トレランスは、25℃において、100mLビーカー内で、サンプル0.5gとアセトン10mLとを混合して分散させ、ビュレットを用いて、白濁が生じるまでイオン交換水を滴下した場合における、イオン交換水の滴下量(mL)として測定することができる。
前記メラミン樹脂としては、アルキルエーテル化したアルキルエーテル化メラミンであることも好ましく、メトキシ基及び/又はブトキシ基で置換されたメラミン樹脂であることが好ましい。
このようなメラミン樹脂としては、メトキシ基を単独で有するものとして、サイメル325、サイメル327、サイメル370、マイコート723;メトキシ基とブトキシ基との両方を有するものとして、サイメル202、サイメル204、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267(何れも商品名、Allnex社製);ブトキシ基を単独で有するものとして、マイコート506(商品名、Allnex社製)、ユーバン20N60、ユーバン20SE(何れも商品名、三井化学社製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記メラミン樹脂(A3)の含有率は、ベース層の破断エネルギーを高め、衝撃を吸収する観点から、前記塗膜形成樹脂(A)中、好ましくは50質量%未満であり、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下であり、下限は0質量%である。また、前記メラミン樹脂(A3)とウレタン樹脂(A2)との質量比((A3)/(A2))は、好ましくは7未満であり、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下であり、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上である。
前記塗膜形成樹脂(A)中、アクリル樹脂(A1)、ウレタン樹脂(A2)及びメラミン樹脂(A3)の合計の含有率は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記塗膜形成樹脂(A)は、必要に応じて、さらに、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のその他の樹脂(A4)を含んでいてもよい。
前記ポリエステル樹脂としては、ポリカルボン酸とポリオールとの反応物;ポリカプロラクトン等のラクトン化合物の開環重合物;これらの共重合体等が挙げられる。前記ポリカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジメチロールプロピオン酸等のヒドロキシ酸及びこれらの無水物等を挙げることができる。前記ポリオールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等の脂肪族ポリオール等を挙げることができる。前記ポリエステル樹脂の固形分酸価は、20~80mgkOH/gであることが好ましく、前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、1,000~15,000であることが好ましい。
前記ポリエーテル樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の炭素数2~6(好ましくは炭素数2~4)のオキシエチレン単位を繰り返し単位として有するポリエーテルポリオールが挙げられ、これらの共重合体であってもよい。
前記ポリカーボネート樹脂としては、多価アルコールとホスゲンの反応物、多価アルコールとカーボネート化合物とのエステル交換物等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、直鎖2価アルコール、分枝鎖2価アルコール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記直鎖2価アルコールとしては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等が挙げられる。
前記分枝鎖2価アルコールとしては、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンの2量体、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記その他の樹脂の重量平均分子量は、例えば500~10,000、好ましくは1,000~10,000、より好ましくは2,000~6,000である。
前記その他の樹脂の含有率は、前記塗膜形成樹脂(A)中、例えば40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下であり、0質量%以上であり、5質量%以上、10質量%以上であってもよい。
前記塗膜形成樹脂(A)は、さらに、その他の硬化剤(A5)を含んでいてもよい。前記他の硬化剤(A5)としては、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートに活性水素を有するブロック剤を付加させたブロックイソシアネート化合物;エポキシ化合物;アジリジン化合物;カルボジイミド化合物;オキサゾリン化合物;金属イオン等を挙げることができる。
前記塗膜形成樹脂(A)は、前記アクリル樹脂(A1)、ウレタン樹脂(A2)、及び必要に応じて用いるメラミン樹脂(A3)、その他の樹脂(A4)、その他の硬化剤(A5)を混合することによって、調製することができる。
前記ベース層を形成するベース塗料組成物において、塗膜形成樹脂(A)の含有率は、前記ベース塗料組成物の固形分中、好ましくは55質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
前記顔料(B)は、前記光輝性顔料(以下、「光輝性顔料(B1)」という場合がある。)を含むものであり、さらに着色顔料(B2)を含むものであることが好ましい。
前記光輝性顔料(B1)の含有量は、前記塗膜形成樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
前記着色顔料(B2)は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよく、これらの混合物であってもよい。
前記有機顔料としては、アゾキレート顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ジオキサン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、金属錯体顔料等が挙げられる。
前記無機顔料としては、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等が挙げられる。
なかでも、前記着色顔料(B2)としては、フタロシアニン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリレン顔料、ベンガラが好ましい。これらの着色顔料を用いることで、高彩度、高明度及び色の深み感に優れた塗膜を形成しうる。
前記着色顔料(B2)の含有量は、前記塗膜形成樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下である。
前記ベース塗料組成物において、光輝性顔料(B1)と着色顔料(B2)との質量比((B1)/(B2))は、光輝性顔料(B1)及び着色顔料(B2)を含む場合、好ましくは0.8以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。
前記顔料(B)は、体質顔料等のその他の顔料を含んでいてもよい。
前記顔料(B)の含有量は、前記塗膜形成樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上、いっそう好ましくは3質量部以上であり、好ましくは35質量部以下、好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下、いっそう好ましくは15質量部以下である。
前記ベース塗料組成物は、さらに、水性媒体(C)を含むものであることが好ましい。前記水性媒体としては、水;親水性溶媒;水と親水性溶媒の混合物等が挙げられ、水又は水と親水性溶媒の混合物が好ましい。
前記親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール及び2-プロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコール溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチルカルビトール等のエーテル溶剤;N-メチル-2-ピロリドン等のアミド溶剤等が挙げられる。
前記水性媒体(C)中、水の含有率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ベース塗料組成物中、水性媒体(C)の含有率は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
前記ベース塗料組成物は、さらに、顔料分散剤を含んでいてもよい。
前記顔料分散剤としては、顔料親和部及び親水部を有する樹脂を用いることができる。
前記顔料親和部及び親水部としては、顔料の種類に応じ、例えば、ノニオン性、カチオン性及びアニオン性の官能基を挙げることができ、顔料分散剤1分子中に、上記官能基を2類以上有していてもよい。上記ノニオン性能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミド基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられ、上記カチオン性官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基等が挙げられる。また、アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
顔料分散剤の具体例として、例えば、ノニオン系顔料分散剤、高分子顔料分散剤が挙げられる。
ノニオン系顔料分散剤として、例えば、炭素数14以上、好ましくは14~30、より好ましくは16~25のアルキル鎖を有する分散剤が挙げられる。ノニオン系顔料分散剤の親水性親油性バランス(HLB)は、好ましくは16以上、より好ましくは16~20、さらに好ましくは17~19である。上記ノニオン系顔料分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレン2-オクチルドジデシルエーテル、およびこれらの変性物(硫酸エステル、リン酸エステル、マレイン酸エステル変性物等)等が挙げられる。
上記高分子顔料分散剤としては特に限定されないが、以下に説明するものを好適に使用することができる。
(1)顔料親和性基を主鎖および/または複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造高分子顔料分散剤
(2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子顔料分散剤
(3)主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状高分子顔料分散剤
ここで、上記顔料親和性基とは、顔料の表面に対して強い吸着力を有する官能基をいい、例えば、オルガノゾルにおいては、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基;ヒドロゾルにおいては、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基、オレイル基等を挙げることができる。
上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)は、上記顔料親和性基を有する主鎖および/または複数の側鎖とともに、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を主鎖に結合した構造のものであり、これらの側鎖が櫛の歯のように主鎖に結合されているものである。本明細書中、上述の構造を櫛形構造と称する。上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)において、上記顔料親和性基は、側鎖末端に限らず、側鎖の途中や主鎖中に複数存在していてもよい。なお、上記溶媒和部分は、溶媒に親和性を有する構造をいう。上記溶媒和部分は、例えば、水溶性の重合鎖、親油性の重合鎖等から構成されている。
上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)としては特に限定されず、例えば、特開平5-177123号公報に開示されている1個以上のポリ(カルボニル-C3~C6-アルキレンオキシ)鎖を有し、これらの各鎖が3~80個のカルボニル-C3~C6-アルキレンオキシ基を有しかつアミドまたは塩架橋基によってポリ(エチレンイミン)に結合されている構造のポリ(エチレンイミン)またはその酸塩からなるもの;特開昭54-37082号公報に開示されているポリ(低級アルキレン)イミンと、遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応生成物よりなり、各ポリ(低級アルキレン)イミン連鎖に少なくとも2つのポリエステル連鎖が結合されたもの;特公平7-24746号公報に開示されている末端にエポキシ基を有する高分子量のエポキシ化合物に、アミン化合物と数平均分子量300~7000のカルボキシル基含有プレポリマーとを同時にまたは任意順に反応させて得られる顔料分散剤等を挙げることができる。
上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)に含まれる顔料親和性基の個数は、1分子中、分散安定性の観点から、好ましくは2個以上、より好ましくは25個以上であり、ベース塗料組成物、や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは3,000個以下、より好ましくは1,500個以下である。
上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)に含まれる溶媒和部分を構成する側鎖の数は、1分子中、分散安定性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは5以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下である。
上記櫛形構造高分子顔料分散剤(1)の数平均分子量は、分散安定性の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは4,000以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下である。
上記主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子顔料分散剤(2)は、複数の顔料親和性基が主鎖にそって配置されているものであり、上記顔料親和性基は、例えば、主鎖にペンダントしているものである。本明細書中、上記顔料親和部は、上記顔料親和性基が1つまたは複数存在して、顔料表面に吸着するアンカーとして機能する部分をいう。
上記高分子顔料分散剤(2)としては、例えば、特開平4-210220号公報に開示されているポリイソシアネートと、モノヒドロキシ化合物およびモノヒドロキシモノカルボン酸またはモノアミノモノカルボン酸化合物の混合物、並びに、少なくとも1つの塩基性環窒素とイソシアネート反応性基とを有する化合物との反応物;特開昭60-16631号公報、特開平2-612号公報、特開昭63-241018号公報に開示されているポリウレタン/ポリウレアよりなる主鎖に複数の第3級アミノ基または塩基性環式窒素原子を有する基がペンダントした高分子;特開平1-279919号公報に開示されている水溶性ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する立体安定化単位、構造単位およびアミノ基含有単位からなる共重合体であって、アミン基含有単量単位が第3級アミノ基若しくはその酸付加塩の基または第4級アンモニウムの基を含有しており、共重合体1g当たり0.025~0.5ミリ当量のアミノ基を含有する共重合体;特開平6-100642号公報に開示されている付加重合体からなる主鎖と、少なくとも1個の炭素数1~4のアルコキシポリエチレンまたはポリエチレン-コプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる安定化剤単位とからなり、かつ、2500~20000の質量平均分子量を有する両親媒性共重合体であって、主鎖は、30質量%までの非官能性構造単位と、合計で70質量%までの安定化剤単位および官能性単位とを含有しており、上記官能性単位は、置換されているかまたは置換されていないスチレン含有単位、ヒドロキシル基含有単位およびカルボキシル基含有単位であり、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とスチレン基およびヒドロキシル基とプロピレンオキシ基またはエチレンオキシ基との比率が、それぞれ、1:0.10~26.1;1:0.28~25.0;1:0.80~66.1である両親媒性高分子等を挙げることができる。
上記高分子顔料分散剤(2)における顔料親和性基の個数は、1分子中、分散安定性の観点から、好ましくは2個以上、より好ましくは25個以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度や彩度の観点から、好ましくは3,000個以下、より好ましくは1,500個以下である。
上記高分子顔料分散剤(2)の数平均分子量は、分散安定性の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは4,000以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下である。
上記主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状高分子顔料分散剤(3)は、主鎖の片末端のみに1つまたは複数の顔料親和性基からなる顔料親和部分を有しているが、顔料表面に対して充分な親和性を有するものである。
上記直鎖状高分子顔料分散剤(3)としては特に限定されず、例えば、特開昭46-7294号公報に開示されている一方が塩基性であるA-Bブロック型高分子;米国特許第4656226号明細書に開示されているAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA-Bブロック型高分子;米国特許第4032698号明細書に開示されている片末端が塩基性官能基であるA-Bブロック型高分子;米国特許第4070388号明細書に開示されている片末端が酸性官能基であるA-Bブロック型高分子;特開平1-204914号公報に開示されている米国特許第4656226号明細書に記載のAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA-Bブロック型高分子の耐候黄変性を改良したもの等を挙げることができる。
上記直鎖状高分子顔料分散剤(3)における顔料親和性基の個数は、1分子中、分散安定性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは5以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは3,000個以下、より好ましくは1,500個以下である。
上記直鎖状高分子顔料分散剤(3)の数平均分子量は、分散安定性の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上であり、ベース塗料組成物や後述する顔料分散体の粘度の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下である。
顔料分散剤としては、得られる塗膜の透明性等の観点から、櫛形構造高分子顔料分散剤(1)がより好ましい。
前記顔料分散剤としては、市販品を用いることもできる。該市販品としては、以下のものを挙げることができる。
Dispex Ultra FA4404、Dispex Ultra FA4416、Dispex Ultra FA4425、Dispex Ultra FA4431、Dispex Ultra FA4437、Dispex Ultra FA4480、Dispex Ultra FA4483、Dispex Ultra PA4550、Dispex Ultra PA4560、Dispex Ultra PX4575、Dispex Ultra PX4585(以上、BASF社製)。
TEGO Dispers 650、TEGO Dispers 651、TEGO Dispers 652、TEGO Dispers 655、TEGO Dispers 660C、TEGO Dispers 715W、TEGO Dispers 740W、TEGO Dispers 750W、TEGO Dispers 752W、TEGO Dispers 755W、TEGO Dispers 760W(以上、Evonik社製)。
Solsperse 12000S、Solsperse 20000、Solsperse 27000、Solsperse 40000、Solsperse 41090、Solsperse 43000、Solsperse 44000、Solsperse 45000、Solsperse 46000、Solsperse 47000、Solsperse 53095、Solsperse 64000、Solsperse 65000、Solsperse 66000、Solsperse 67000、Solsperse WV400(以上、Lubrizol社製)。
フローレンG-700AMP、フローレンG-700DMEA、フローレンGW-1500、フローレンGW-1640(以上、共栄社化学社製)。
ディスパロンDA-703-50、ディスパロンDA-7301、ディスパロンDN-900(以上、楠本化成社製)。
ANTI-TERRA-250、DISPERBYK、DISPERBYK-102、DISPERBYK-180、DISPERBYK-184、DISPERBYK-185、DISPERBYK-187、DISPERBYK-190、DISPERBYK-191、DISPERBYK-192、DISPERBYK-193、DISPERBYK-194N、DISPERBYK-198、DISPERBYK-199、DISPERBYK-2010、DISPERBYK-2012、DISPERBYK-2013、 DISPERBYK-2015、DISPERBYK-2096(以上、BYK社製)。
前記顔料分散体としては、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記顔料分散剤の量(固形分量)は、前記顔料(B)100質量部に対して、好ましくは50~300質量部、より好ましくは65~250質量部である。顔料分散剤の量が前記範囲であることによって、良好な顔料分散安定性、良好な塗膜物性を得ることが容易である。
前記ベース塗料組成物は、さらに、必要に応じて、表面調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、粘性制御剤、界面活性剤等の塗料分野において用いられる添加剤を含んでいてもよい。
前記粘性制御剤を含むことで、塗膜間のなじみを防止し、塗装作業性を確保することが易となる。前記粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを用いることができる。粘性制御剤として、具体的には、架橋又は非架橋の樹脂粒子;脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系粘性制御剤;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系粘性制御剤;有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系粘性制御剤;ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等を挙げることができる。
前記塗膜形成樹脂(A)、顔料(B)、水性媒体(C)及び必要に応じて用いる顔料分散剤、添加剤を撹拌混合することで、ベース塗料組成物を製造することができる。
ベース塗料組成物の製造に先立って、前記塗膜形成樹脂(A)は、水性媒体(C)の少なくとも一部に分散させた分散体として、ベース塗料組成物の調製に供してもよい。前記塗膜形成樹脂(A)がエマルションやディスパージョンの形態で存在する場合、それらを順次混合撹拌することで、塗膜形成樹脂(A)が、水性媒体(C)の少なくとも一部に分散された分散体とすることができる。
前記ベース塗料組成物において、固形分の割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下さらに好ましくは55質量%以下である。
また、前記顔料(B)は、水性媒体(C)の少なくとも一部と、顔料分散体とともに分散させ、顔料分散体として、ベース塗料組成物の調製に供してもよい。前記顔料分散体は、前記顔料(B)及び顔料分散剤を水性媒体中で混合分散することによって調製することができる。
着色顔料分散体は、前記顔料(B)、水性媒体(C)及び顔料分散剤を混合分散することによって調製することができる。
前記顔料(B)、水性媒体(C)及び顔料分散剤の混合は、例えば媒体分散機等を用いて行うことができる。媒体分散機としては、特に限定されないが、例えば、ウルトラアペックスミル、デュアルアペックスミル(寿工業株式会社、商品名)、ペイントシェーカー、ピコグレンミル、エコミル(淺田鉄工株式会社、商品名)、スターミルZRS、スターミル、ナノゲッター、マックスナノゲッター(アシザワ・ファインテック株式会社、商品名)、マイクロメディア(ビューラー株式会社、商品名)、MSCミル(日本コークス工業株式会社、商品名)、NPM(株式会社シンマルエンタープライゼス)、サンドミル等が挙げられる。
媒体分散機を用いた混合分散において用いることができる分散媒体として、例えば粒子径が0.3mm以下、より好ましくは0.1mm以下、さらに好ましくは0.05mm以下である分散媒体を用いることができる。粒子径が0.05mm以下である分散媒体は、超微小媒体とも言われており、本発明における顔料分散体(ii)の調製において特に好適に用いることができる。なお、分散媒体の粒子径の下限は、混合分散の進行等の観点から、0.03mmであるのが好ましく、0.05mmであるのがより好ましい。
媒体分散機を用いた混合分散において、分散機内の媒体充填量は、分散機容量に対して50体積%であるのが好ましく、60体積%以上であるのがより好ましく、70体積%以上であるのがさらに好ましい。
分散媒体粒子の材質は、特に限定されないが、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ガラス、スチール、ステンレス、陶磁器等が挙げられる。分散媒体粒子の材質はジルコニアであるのが、分散効率等の点から好ましい。
媒体分散機のアジテーターの回転速度は、500rpm以上が好ましく、1,000rpm以上がより好ましく、1,500rpm以上がさらに好ましい。回転速度の上限は、5,000rpm以下であるのが好ましい。
媒体分散機は、必要に応じて、セパレーター部を有していてもよい。媒体分散機がセパレーター部を有することによって、分散媒体粒子を良好に分離することができる。セパレーター部は、例えば回転軸を有していてもよい。セパレーター部が回転軸を有することによって、回転(例えば遠心分離等)によって、分散媒体粒子を分離することができる。この場合、セパレーターの回転軸の回転速度は、内容物の粘度に応じて適宜選択することができる。回転速度として、例えば2,000rpm以上であってよく、3,000rpm以上であるのがより好ましく、4,000rpm以上であるのがさらに好ましい。
媒体分散機による混合分散時間は、スケール等に依存して変化するものの、例えば、分散機内の滞留時間として30~200分であるのが好ましく、60~150分であるのがより好ましい。また混合分散温度は、例えば5~45℃の条件下で行うことができ、20~40℃の条件下であるのがより好ましい。
前記ベース塗料組成物中、固形分の含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下さらに好ましくは40質量%以下である。
前記ベース層は、例えば、前記ベース塗料組成物を塗装して塗膜を形成し、該塗膜を加熱硬化することによって形成することができる。また、前記ベース層は例えば、第1ベース層、第2ベース層などの複層である場合、第1ベース塗料組成物を塗装し、該塗膜加熱硬化させてから、硬化した第1ベース層上に第2ベース塗料を塗装し、該塗膜を加熱硬化させてもよく;第1ベース塗料組成物を塗装し、該塗膜を加熱硬化させることなく第2ベース塗料組成物を塗装し、第1ベース塗膜と第2ベース塗膜とを併せて硬化させてもよい。この際、第1ベース塗料組成物を塗装した後、該塗膜上に第2ベース塗料組成物を塗装する前に、必要に応じて、乾燥又はプレヒートなどを行ってもよい。
さらに、前記ベース塗膜(複層の場合においてはより上層の塗膜)は、その上の層(クリヤー層等)を形成する前に、加熱硬化させてもよく、加熱硬化させることなく、未硬化のベース塗膜(特に、上層の塗膜)の上に、後述するクリヤー塗料組成物を塗装してもよい。この際、ベース塗料組成物(特に、上層の塗料組成物)を塗装した後、クリヤー塗料組成物を塗装する前に、必要に応じて、乾燥又はプレヒートを行ってもよい。
前記ベース塗料組成物(第1ベース塗料組成物、第2ベース塗料組成物などの複層を含む)の塗装は、エアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージ塗装;又はエアー静電スプレー塗装と回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装等により行うことができる。
前記クリヤー層は、前記複層塗膜において、前記ベース層よりも表面側に位置する層であり、前記複層塗膜の最表面層であることが好ましい。
前記クリヤー層を形成する樹脂は、特に限定されず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられ、イソシアネート基、エポキシ基等を有する硬化剤(それぞれ、「イソシアネート硬化剤」、「エポキシ硬化剤」という場合がある)等と組み合わせて硬化させたものであってもよい。
前記クリヤー層の厚さは、膜自体の強度を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、塗装時のワキあるいはタレなどの不具合を抑制する観点から、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下である。
前記クリヤー層は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂等と、イソシアネート基、エポキシ基等を有する硬化剤等を含むクリヤー塗料組成物の硬化物として形成することができる。前記クリヤー塗料組成物は、溶剤型、水性型、粉体型のいずれであってもよい。
前記溶剤型クリヤー塗料組成物の好ましい例としては、透明性や耐酸エッチング性などの観点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂と、アミノ樹脂及び/又はイソシアネート硬化剤との組合せ;或いはカルボン酸/エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂等と溶剤とを含む組成物を挙げることができる。
前記水性型クリヤー塗料組成物の例としては、前記した溶剤型クリヤー塗料組成物に用いられる樹脂を、3級アミン等(例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン等)の塩基で中和して水性化した樹脂と水性媒体とを含む組成物を挙げることができる。前記水性媒体としては、ベース塗料組成物に用いる水性媒体(C)として例示した化合物を適宜用いることができる。
前記溶剤型クリヤー塗料組成物、水性型クリヤー塗料組成物は、塗装作業性を確保するため、前記粘性制御剤を含むことが好ましい。
前記粉体型クリヤー塗料組成物の例としては、熱可塑性粉体塗料組成物、熱硬化性粉体塗料組成物等、塗料分野において用いられる粉体塗料組成物を用いることができる。なかでも、塗膜物性の観点から、エポキシ系、アクリル系及びポリエステル系等の熱硬化性粉体塗料組成物が好ましい。
前記クリヤー塗料組成物の塗装は、用いるクリヤー塗料組成物の塗装形態に従った塗装方法により行うことができる。
前記クリヤー塗料組成物を塗装して得られた未硬化のクリヤー塗膜を加熱硬化することによって、クリヤー層を形成することができる。クリヤー塗料組成物を未硬化のベース層(特に、第2ベース層)上に塗装した場合は、加熱させることによって、これらの未硬化塗膜の両方が加熱硬化することとなる。加熱硬化温度は、硬化性及び得られる複層塗膜の物性の観点から、好ましくは80~180℃、より好ましくは120~160℃であり、加熱硬化時間は、任意に設定できるが、例えば加熱硬化温度を120~160℃とした場合、10~30分であることが好ましい。
複層塗膜の形成において、第1ベース塗膜、第2ベース塗膜、そして必要に応じて有するクリヤー塗膜の形成方法の具体例として、以下の方法が挙げられる。
(1)第1ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第1ベース塗膜を形成し、次いで第2ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第2ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成し、得られた3層を一度に加熱硬化させる方法。
(2)第1ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第1ベース塗膜を形成し、次いで第2ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第2ベース塗膜を形成し、次いで、得られた2層を一度に加熱硬化させる方法。加熱硬化した後、必要に応じて、クリヤー塗膜を設けてもよい。
(3)第1ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第1ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成し、得られた2層を一度に加熱硬化させた後、
第2ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の第2ベース塗膜を形成し、次いでクリヤー塗料組成物を塗装して、未硬化のクリヤー塗膜を形成し、得られた2層を一度に加熱硬化させる方法。
前記複層塗膜は、前記基材、ベース層、クリヤー層の他に、チッピングプライマー層等の他の層をさらに有していてもよい。前記他の層は、基材とベース層の間、ベース層とクリヤー層の間等、任意の位置に存在することができる。
前記複層塗膜は、意匠性に優れるものであり、例えば、フリップフロップ値(以下、「FF値」という場合がある)が1.2以上であることが好ましい。前記複層塗膜のフリップフロップ値は、好ましくは1.4以上であり、より好ましくは1.5以上であり、例えば2以下であってもよい。前記FF値が大きいほど、フリップフロップ性が高いことを意味する。
なお本発明において「フリップフロップ性が高い」とは、塗膜を目視し、正面方向(塗膜表面に対して垂直方向)からは白く、キラキラとして光輝感に優れており、一方、斜め方向からは光輝感が少なく色相がはっきりと見え、両者の明度の差が大きい状態を表す。
前記複層塗膜の膜厚は、膜自体の強度を確保する観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上であり、冷熱サイクル等における膜物性を維持する観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下である。
本発明の複層塗膜は、意匠性と耐チッピング性とを両立しうるものであり、自動車車体等の塗装に好適に用いることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製造例1 アクリル樹脂エマルション(塗膜形成樹脂)の製造
反応容器に脱イオン水126.5質量部を加え、窒素気流中で混合撹拌しながら80℃に昇温した。次いで、アクリル酸メチル27.61質量部、アクリル酸エチル53.04質量部、スチレン4.00質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル9.28質量部、メタクリル酸3.07質量部およびメタクリル酸アリル3.00質量部のモノマー混合物100質量部、アクアロンHS-10(ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル、第一工業製薬社製)0.7質量部、アデカリアソープNE-20(α-[1-[(アリルオキシ)メチル]-2-(ノニルフェノキシ)エチル]-ω-ヒドロキシオキシエチレン、旭電化社製)0.5質量部、および脱イオン水80質量部からなるモノマー乳化物と、過硫酸アンモニウム0.3質量部、および脱イオン水10質量部からなる開始剤溶液とを2時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成を行った。次いで、40℃まで冷却し、400メッシュフィルターで濾過した後、脱イオン水70質量部およびジメチルアミノエタノール0.32質量部を加えpH6.5に調整し、平均粒子径88nm、不揮発分25質量%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/gの単層のアクリル樹脂エマルション1を得た。
製造例2 水溶性アクリル樹脂の製造
反応容器にトリプロピレングリコールメチルエーテル23.89質量部およびプロピレングリコールメチルエーテル16.11質量部を加え、窒素気流中で混合撹拌しながら105℃に昇温した。次いで、メタクリル酸メチル13.1質量部、アクリル酸エチル68.4質量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル11.6質量部およびメタクリル酸6.9質量部を含むモノマー混合物を作成し、そのモノマー混合物100質量部、トリプロピレングリコールメチルエーテル10.0質量部およびターシャルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート1質量部からなる開始剤溶液を3時間にわたり並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、0.5時間同温度で熟成を行った。
さらに、トリプロピレングリコールメチルエーテル5.0質量部およびターシャルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート0.3質量部からなる開始剤溶液を0.5時間にわたり反応容器に滴下した。滴下終了後、2時間同温度で熟成を行った。
脱溶剤装置により、減圧下(70torr)110℃で溶剤を16.1質量部留去した後、脱イオン水204質量部およびジメチルアミノエタノール7.1質量部を加えて水溶性アクリル樹脂溶液を得た。得られた水溶性アクリル樹脂溶液の不揮発分は30質量%であり、固形分酸価40mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g、粘度は140ポイズ(E型粘度計1rpm/25℃)であった。
製造例3 リン酸基含有有機化合物の製造
攪拌機、温度調整器、冷却管を備えた1リットルの反応容器にエトキシプロパノール40質量部を仕込み、これにスチレン4質量部、n-ブチルアクリレート35.96質量部、エチルヘキシルメタアクリレート18.45質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート13.92質量部、メタクリル酸7.67質量部、エトキシプロパノール20質量部に、ホスマーPP(ユニケミカル社製アシッドホスホオキシヘキサ(オキシプロピレン)モノメタクリレート)20質量部を溶解した溶液40質量部、およびアゾビスイソブチロニトリル1.7質量部からなるモノマー溶液121.7質量部を120℃で3時間滴下した後、1時間さらに攪拌を継続した。得られたリン酸基含有有機化合物は、酸価105mgKOH/g、うちリン酸基価55mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g、数平均分子量6,000、不揮発分が63質量%であった。
実施例1
第1ベース塗料組成物(第1水性光輝性ベース塗料組成物)の製造
アクリル樹脂エマルション(A1-1)として製造例1のアクリル樹脂エマルション182質量部、塩基としてジメチルアミノエタノール2.2質量部、メラミン樹脂(A3)としてのサイメル327(混合アルキル化型メラミン樹脂、Allnex社製、固形分90質量%)を40質量部、光輝性顔料(B1)としてのエルジーneoExtra White#325(鱗片状蒸着金属顔料、尾池工業社製、平均粒子径(平均長径)35μm、有効成分100質量%)10質量部(樹脂固形分100質量部に対して10質量部)、顔料分散剤として製造例3のリン酸基含有有機化合物 5質量部、ラウリルアシッドフォスフェート0.4質量部、親水性溶媒としてブチルセロソルブ50質量部、ノイゲンEA-207D(両親媒性化合物、第一工業製薬社製、数平均分子量4,200、固形分55質量%) 5.5質量部(固形分換算で3質量部)、リノール酸(キシダ化学社製)3質量部、粘性調整剤としてアデカノールUH-814N(ウレタン会合型粘性剤、有効成分30質量%、ADEKA社製、商品名) 1.0質量部を均一分散してpHが8.1となるようジメチルアミノエタノールを添加し、脱イオン水で希釈して、樹脂固形分濃度33質量%である水性塗料組成物を調製した。
第2ベース塗料組成物(第2水性着色ベース塗料組成物)の製造
アクリル樹脂エマルション(A1-1)として製造例1で得られたアクリル樹脂エマルションを44.9質量部、塩基として10質量%ジメチルアミノエタノール水溶液10質量部、製造例2の水溶性アクリル樹脂10.1質量部(樹脂固形分30質量%)、ウレタン樹脂(A2)としてアビシア社製「ネオレッツR-9603」(ポリカーポネート系ウレタンエマルション樹脂、不揮発分33質量%)を31.2質量部、メラミン樹脂(A3)としてサイメル204(Allnex社製混合アルキル化型メラミン樹脂、固形分80質量%、水トレランス3.6ml)を8.8質量部、その他樹脂(A4)として、プライムポールPX-1000(三洋化成工業社製2官能ポリエーテルポリオール)5質量部、着色顔料分散体として着色顔料(B2)であるシアニンブルー(山陽色素社製:シアニンブルーG-314)15質量部、顔料分散剤であるDisperbyk190 30質量部、イオン交換水54.5質量部、消泡剤であるBYK-011 0.5質量部をディスパーなどの撹拌機で混合したのち、体積充填率70%で0.05mmのジルコニアビーズを媒体として充填した分散機にて分散して得たペーストを、10.16質量部混合することで、樹脂固形分100質量部に対してPWC4質量%である水性着色ベース塗料組成物を得た。
複層塗膜の製造
<複層塗膜形成方法>
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、縦30cm、横40cmのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU-50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた塗板に、No.4フォードカップを使用し、20℃で測定した排出時間が25秒となるように、予め希釈されたグレー中塗り塗料「オルガOP-30」(日本ペイント社製ポリエステル・メラミン系塗料)を、乾燥膜厚35μmとなるようにエアスプレーで2ステージ塗装し、140℃で30分間、焼き付けた。
冷却後、先の製造例の第1水性光輝性ベース塗料を、室温23℃、湿度68%の条件下で乾燥膜厚5μmになるように「カートリッジベル」で2ステージ塗装した。2回の塗布の間に、1分30秒間のインターバルセッティングを行った。2回目の塗布後、1分30秒間のインターバルをとって、セッティングを行った。その後、80℃で5分間のプレヒートを行い、未硬化の第1ベース塗膜を形成した。
得られた未硬化の第1ベース塗膜の上に、実施例および比較例で得られた水性着色ベース塗料組成物を、室温23℃、湿度68%の条件下で乾燥膜厚10μmになるように「カートリッジベル」で2ステージ塗装した。2回の塗布の間に、1分30秒間のインターバルセッティングを行った。2回目の塗布後、1分30秒間のインターバルをとって、セッティングを行った。その後、80℃で5分間のプレヒートを行い、未硬化の第2ベース塗膜を形成した。
次いで、得られた塗装板を室温まで放冷し、クリヤー塗料としてマックフロー-O-1810(日本ペイント社製溶剤型クリヤー塗料)、乾燥膜厚35μmとなるように1ステージ塗装し、7分間セッティングした。ついで、塗装板を乾燥機で140℃で30分間焼き付けを行うことにより、複層塗膜を得た。いずれも塗膜外観は良好であった。
実施例2、比較例1
実施例1において、アクリル樹脂(A1)、ウレタン樹脂(A2)、メラミン樹脂(A3)を表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を形成した。
実施例3~11、比較例2~4
実施例1において、アクリル樹脂(A1)、ウレタン樹脂(A2)、メラミン樹脂(A3)を表1に示す通りに変更し、グレー中塗り塗料「オルガOP-30」(日本ペイント社製ポリエステル・メラミン系塗料)を塗装しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を形成した。
上記実施例及び比較例で得られた複層塗膜について、以下の測定を行った。
[MSE法によるエロージョン率の測定]
室温(25℃)、大気圧(1013hPa)下、前記複層塗膜の表面に対し垂直な方向を投射方向とし、投射位置から複層塗膜表面までの距離(投射距離)を4mmとして、口径1mmのノズルを用い、平均粒子径D50が1.2μmである多角アルミナを3質量%の割合で含む水分散駅を投射した。投射時の投射力は、シリコンウェハに対するエロージョン率が、0.635μm/gとなる投射力とした。
エロージョン深さが0.1~1μmの範囲となるように単位投射を行い、ベース層のエロージョン率を測定した。
[フリップフロップ値(FF値)の測定]
得られた塗装試験板について、多角度分光測色計MA-68II(商品名、X-Rite社製)を用いて、入射角45度における受光角15度のL*値(L*(15°)値)および受光角110度のL*値(L*(110°)値)を測定し、下記の式によってFF値を求めた。
FF値=L*(15°)値/L*(110°)値
得られた測定FF値の目標FF値からの偏差((測定FF値-目標FF値)/目標FF値)を用いて、以下の基準に基づいて、フリップフロップ性評価を行った。目標FF値は、光輝性顔料の種類や量、ベース層の膜厚や層数等に基づいて経験的に導き出される指標であり、前記偏差の数値が0に近いほど、フリップフロップ性が良好であることを示す。
○:±10%以内
×:±10%超
[耐チッピング性の測定]
各実施例および比較例で得られた積層塗膜を有する試験板を、グラベロ試験機KSS-1(スガ試験機社製、ダイヤモンドショット方式)を用い、以下の条件下で飛石試験を行った。
<試験条件>
石の大きさ:6~8mm
石の量:0.7~0.8g/個
距離:35cm
ショット圧:0.6kg/cm2
ショット角度:15°
試験温度:-20℃
衝突により塗膜が剥離した面積を画像処理装置を用いて測定して平均値(各々サンプル10個の平均値)を算出した。耐チッピング性の判定は次の三段階評価とした。
◎(優良):剥離面積2mm2未満
○(良):剥離面積2mm2以上2.5mm2未満
△(不良):剥離面積2.5mm2以上
Figure 2022128398000004
Figure 2022128398000005
Figure 2022128398000006
上記実施例1~11は、本発明の実施例であり、得られた複層塗膜は、良好な耐チッピング性を有することが確認された。また、実施例1~10では、良好な意匠性を有することが確認された。
比較例1~4は、ベース層のエロージョン指標が高い例であり、耐チッピング性が十分に満足できるものではなかった。
本発明の複層塗膜は、良好な耐チッピング性を有し、好ましくは、良好な意匠性をさらに有するものであり、自動車車体等の塗装に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 基材と、その上に形成されたベース層と、更にベース層上に形成されたクリヤー層とを有する複層塗膜であって、
    前記ベース層が、光輝性顔料を含むものであり、
    マイクロスラリージェットエロージョン法を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で、前記ベース層のエロージョン率を測定した場合において、前記ベース層のエロージョン率に、前記ベース層の膜厚を乗じて得た値であるエロージョン指標が、45μm/g以下である複層塗膜。
  2. 前記ベース層は、1又は2以上の層で構成されるものであり、
    前記ベース層が2以上の層で構成される場合には、n番目の層を第nベース層とし、
    マイクロスラリージェットエロージョン法を用い、シリコンウェハに対するエロージョン率が0.635μm/gとなる投射力で測定した第nベース層のエロージョン率をE’(μm/g)、第nベース層の膜厚をt(μm)としたとき、
    前記エロージョン指標は、以下の式に基づいて算出される、請求項1に記載の複層塗膜。
    Figure 2022128398000007
    [ただし、nは、2以上の整数を表す。]
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