JP2022128127A - 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者にとって有益な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供すること。【解決手段】複数の区画のそれぞれについて、地図上の位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、対象草地に関する第1草地情報を区画ごとに取得する第2取得部と、第1草地情報に基づいて第2草地情報を区画ごとに算出する算出部と、第1草地情報および第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成する生成部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
広大な草地を有する公共牧場等の大規模牧場は、非生産期にある家畜の管理を分担することで、畜産農家の負担を軽減する支援組織である。近年の人不足により、支援組織への期待は、これまで以上に増加している。一方、支援を担う牧場も同様に人手の問題を抱えている。特に近年では、高度繁殖技術の導入等への要望が高まり、その作業に多くの人手と時間が割かれている。このため、草地、特に放牧草地の管理に十分な作業時間が確保できなくなりつつある。こうした状況は、牧草の衰退や雑草の繁茂等から草地の生産性低下に直結する。
一方、農業分野において、収穫物に関する情報を収集して一括して管理するシステムが注目されている。例えば、農作地を複数の農作区画に区分けし、農作物の収量データ及び食味データを農作区画に割り当て、農作区画毎の収量データ及び食味データのデータに基づいて出力データを生成するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記の技術では、農地以外の土地についてシステムを利用しようとする場合、土地の特性を踏まえた検討が十分になされていないため、利用者にとって有益な情報を提供することができない場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者にとって有益な情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様である情報処理装置は、地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得された前記第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出する算出部と、前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成する生成部と、を備える。
本発明の第2の態様の情報処理装置は、更に、前記第1草地情報には、前記対象草地の地形に関するデータ、前記対象草地の草量に関するデータ、前記対象草地の土壌に関するデータ、前記対象草地に存在する家畜の滞在履歴に関するデータ、前記対象草地を走行する作業車両の走行軌跡に関するデータ、前記対象草地の植生分布に関するデータ、および、前記対象草地に存在する障害物に関するデータのうち少なくとも一つが含まれ、前記第2草地情報には、施肥量に関する情報、除草剤散布に関する情報、草地更新作業に関する情報、および草地維持作業に関する情報のうち少なくとも一つが含まれる、ものである。
本発明の第3の態様である情報処理装置は、前記第2取得部は、前記対象草地の草量および土壌に関して前記受信した情報のうち離散的に取得された複数地点の情報を空間補間し、前記区画単位の値に変換して、前記区画ごとの前記第1草地情報を取得する、ものである。
本発明の第4の態様である情報処理装置は、更に、前記生成部は、草地を管理するための作業に関する所定の指標に応じて識別化された前記第2草地情報を、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第2出力データを生成する、ものである。
本発明の第5の態様である情報処理装置は、更に、前記算出部は、対象区画の前記第1草地情報と、前記対象区画と隣接する隣接区画の前記第1草地情報とに基づいて、前記対象区画の前記第2草地情報を算出する、ものである。
本発明の第6の態様である情報処理装置は、更に、前記第2草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業を推奨する推奨エリアを抽出する抽出部をさらに備え、前記生成部は、前記抽出された推奨エリアを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第3出力データを生成する、ものである。
本発明の第7の態様である情報処理装置は、更に、前記生成部は、予め用意された複数のレベルに応じて識別化された前記第1草地情報を、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第4出力データを生成する、ものである。
本発明の他の態様である情報処理方法は、コンピュータが、地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得し、上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得し、前記取得された第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出し、前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成する、情報処理方法である。
本発明の他の態様であるプログラムは、コンピュータに、地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得させ、上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得させ、前記取得された第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出させ、前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成させる、プログラムである。
本発明によれば、利用者にとって有益な情報を提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、情報処理装置100を含む情報処理システム1の構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、飛行体10と、第1端末装置20と、第2端末装置30と、第1GPS記録装置40と、第2GPS記録装置50と、データベースサーバ60と、第3端末装置70と、情報処理装置100とを備える。
図1は、情報処理装置100を含む情報処理システム1の構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、飛行体10と、第1端末装置20と、第2端末装置30と、第1GPS記録装置40と、第2GPS記録装置50と、データベースサーバ60と、第3端末装置70と、情報処理装置100とを備える。
本実施形態において、情報処理システムは、一般的なソフトウェアであるArcGISにおいて作動するシステムである。対象とする放牧草地を10mメッシュで区画化した地図を基盤とする。QGIS、SIS等の他の地理情報システムを基盤とすることもできる。また、本実施形態においては利用する測位システムの一例としてGPS(Global Positioning System)を示すが、GPSに代えて準天頂衛星システム等の他のGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用することもできる。
情報処理装置100は、ネットワークNWを介して、第1端末装置20、第2端末装置30、第1GPS記録装置40、第2GPS記録装置50、データベースサーバ60、および第3端末装置70と接続されている。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット回線などの任意のネットワークであり、有線でも無線でもよい。本実施形態において、飛行体10は、第1端末装置20を介してネットワークNWと接続される例について説明するが、これに限られない。飛行体10は、直接ネットワークNWと接続されてもよい。
飛行体10は、上空から対象草地に関する情報を取得する情報取得装置の一例である。飛行体10は、ドローン(無人航空機)であってもよいし、人が搭乗する飛行体であってもよい。以下の説明では、飛行体10はドローンであるものとする。飛行体10は、例えばGPSを利用した測位装置と、上空から地上の情報を取得する地上情報取得装置(カメラやセンサ)等を備える。地上情報取得装置には、例えば、可視カメラや、マルチスペクトルカメラ、熱赤外線カメラ等が含まれる。
飛行体10は、例えば、撮影対象の上空において一定の高度を維持しつつ、予め決められた範囲をラスタスキャン状に往復移動しながら所定間隔(例えば、1秒間隔)で対象草地を撮影する。本実施形態では、一例として放牧草地を撮影対象とするが、これに限られず、撮像対象は採草地等であってもよい。
飛行体10は、撮影した上空画像に関する画像データ(以下、「第1画像データ」と記す)を第1端末装置20に送信する。第1画像データは、上空画像のデータに加え、上空画像に関連する情報(メタデータ)が付加されたデータである。このメタデータには、例えば、上空画像が撮影された際の飛行体10の撮影位置(測位装置による測位結果)、姿勢、画角などのカメラパラメータも含まれる。本実施形態において、撮影位置は、飛行体10の経度、緯度および高度で表す情報であるが、他の情報であってもよい。さらに、このメタデータには、撮影条件が含まれ、例えば、画像の撮影日時、撮影者、飛行体10に関する情報(例えば、識別情報や商品番号等)、カメラに関する情報(例えば、解像度、商品番号等)、GCP(Ground Control Point)、撮影目的、などが含まれてよい。
第1端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末などの装置である。第1端末装置20は、飛行体10から受信した第1画像データを、ネットワークNWを介して接続される情報処理装置100に送信する。第1端末装置20は、第1端末装置20に内蔵されたプロセッサがプログラムを実行することで、説明するような動作をするように制御されてもよい。
第2端末装置30は、地上から対象草地に関する情報を取得する情報取得装置の一例である。第2端末装置30は、例えば、測位装置を備え、可視カメラ付きのスマートフォンやタブレット端末などの装置である。第2端末装置30は、パーソナルコンピュータであってもよい。第2端末装置30には、例えば、地上で行われた調査結果が入力される。調査とは、調査者が地上で行う調査であって、例えば、草量、土壌、障害物に関する調査である。調査者は、対象草地を第2端末装置30で撮影したり、草量計を用いて草地の草量を計測したり、その他の機器を用いて土壌などを調査する者である。調査は、対象草地内の地点について網羅的に行われる必要は無く、離散的に複数の地点で行われてもよい。また障害物については障害物が目視等により確認された地点についてのみ情報取得を行えばよい。こうすることで調査者の労力を低減できる。撮影により調査を行う場合、第2端末装置30は、調査結果として内蔵の可視カメラにより調査者が地上から対象草地を撮影した画像(以下、「地上画像」と記す)のデータを、撮影位置を示す情報とともに取得する。計測により調査を行う場合、第2端末装置30は調査者がタッチパネル等の操作部を操作することで入力された情報(計測値と計測地点など)を取得する。第2端末装置30はこれらの両方を取得してもよい。
第2端末装置30を用いて収集される調査結果に関するデータ(以下、調査結果データと記す)は、画像または/および計測値に加えて調査対象の位置(以下、調査対象地点と記す)を示す情報などが含まれる。調査対象地点は、地上の領域を特定するための情報の一例である。以下、調査結果データに含まれる情報の一例について説明する。
例えば、第2端末装置30は、地上画像に関する画像データ(以下、「第2画像データ」と記す)を、ネットワークNWを介して接続される情報処理装置100に送信する。第2画像データは、地上画像のデータに、地上画像に関連する情報(メタデータ)が付加された情報である。この第2画像データのメタデータは、第1画像データのメタデータと同様であってよく、例えば、地上画像が撮影された際の第2端末装置30の撮影位置(測位装置による測位結果)を含むカメラパラメータ、撮影日時、撮影者、カメラに関する情報、GCP、撮影目的、などが含まれる。
また、第2端末装置30は、調査者が入力した非画像データを、情報処理装置100に送信してもよい。例えば、調査者は、目測や計測装置等により草量等を計測して調査結果データとして入力する。
なお、第1端末装置20が第2端末装置30を兼用してもよく、第2端末装置30が第1端末装置20を兼用してもよい。
第1GPS記録装置40は、対象草地に存在する家畜に取り付けられた情報取得装置の一例である。第1GPS記録装置40は、GPSを利用した測位装置と記憶装置とを備え、数秒間隔で位置情報を計測する。第1GPS記録装置40は、放牧牛などの家畜に取り付けられることで、家畜の滞在に関するデータ(以下、「家畜滞在データ」と記す)を取得し、内蔵する記憶装置に格納する。家畜滞在データは、例えば、家畜の滞在した位置(例えば、緯度と経度で示される地球上の位置)や時刻等を含むポイントデータである。第1GPS記録装置40は、所定のタイミングで、自身の記録装置から読み出した家畜滞在データを、ネットワークNWを介して接続される情報処理装置100に送信する。これに限られず、第1GPS記録装置40と情報処理装置100をケーブルで接続して、ケーブルを経由して、第1GPS記録装置40から情報処理装置100に家畜滞在データを送信してもよい。
第2GPS記録装置50は、対象草地を走行する作業車両に取り付けられた情報取得装置の一例である。第2GPS記録装置50は、GPSを利用した測位装置と記憶装置を備え、数秒間隔で位置情報を計測する。第2GPS記録装置50は、トラクタ等の作業車両に取り付けられ、作業車両の走行に関するデータ(以下、「作業車両データ」と記す)を取得し、内蔵する記憶装置に格納する。作業車両データは、例えば、作業車両が走行した軌跡を示すデータである。軌跡を示すデータは、例えば、順序づけられた走行地点の集まりであるGPX(GPS eXchange Format)データである。第2GPS記録装置50は、所定のタイミングで、自身の記録装置から読み出した作業車両データを、ネットワークNWを介して接続される情報処理装置100に送信する。これに限られず、第2GPS記録装置50と情報処理装置100をケーブルで接続して、ケーブルを経由して、第2GPS記録装置50から情報処理装置100に作業車両データを送信してもよい。
データベースサーバ60は、地図データを格納している。地図データは、例えば、国土地理院の5m(または10m)メッシュ標高データを利用し、10mメッシュで区画化した標高データと地図画像である。
情報処理装置100は、第1画像データ、調査結果データ(第2画像データなどを含む)、家畜滞在データ、および作業車両データなどの情報を取得し、取得した情報を管理する。情報処理装置100は、例えば、データベースサーバ60から取得した地図データの標高データおよび地図画像を複数の区画で分割し、各区画を識別する情報(以下、区画IDと記す)を割り当てる。情報処理装置100は、区画IDをキーとして、第1画像データと、調査結果データと、家畜滞在データと、作業車両データとに基づく情報をそれぞれ対応付けた情報管理モデルを生成する。
[情報処理装置]
図2は、情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、例えば、通信部110と、位置データ取得部120と、草地データ取得部130と、算出部140と、抽出部150と、生成部160と、提供部170と、記憶部190とを備える。通信部110、位置データ取得部120、草地データ取得部130、算出部140、抽出部150、生成部160、および提供部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
図2は、情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、例えば、通信部110と、位置データ取得部120と、草地データ取得部130と、算出部140と、抽出部150と、生成部160と、提供部170と、記憶部190とを備える。通信部110、位置データ取得部120、草地データ取得部130、算出部140、抽出部150、生成部160、および提供部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
記憶部190は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現される。記憶部190には、ネットワークNWを介して受信した情報(例えば第1画像データ、調査結果データ、家畜滞在データ、および作業車両データ)や、情報処理装置100が管理する情報(例えば、後述する草地提供情報)、情報処理装置100が生成した情報管理モデル190A等が格納される。
[情報管理モデル]
図3は、情報処理装置100が生成した情報管理モデル190Aの一例を示す図である。情報管理モデル190Aは、区画IDをキーとして、区画情報と、草地基礎情報と、草地取得情報と、草地提供情報とが対応付けられたモデルである。区画情報は、牧区IDに、区画IDと、区画位置データとが対応付けられた情報である。草地基礎情報は、区画IDに、区画の地形に関する地形データが対応付けられた情報である。草地取得情報は、区画IDに、区画の草量に関する草量データと、区画の土壌に関する土壌データと、区画に存在する家畜の滞在数に関する家畜滞在数データと、区画を走行する作業車両の走行軌跡に関する作業車両走行軌跡データと、区画の植生分布に関する植生分布データと、区画に存在する障害物の有無に関する障害物データとが対応付けられた情報である。
図3は、情報処理装置100が生成した情報管理モデル190Aの一例を示す図である。情報管理モデル190Aは、区画IDをキーとして、区画情報と、草地基礎情報と、草地取得情報と、草地提供情報とが対応付けられたモデルである。区画情報は、牧区IDに、区画IDと、区画位置データとが対応付けられた情報である。草地基礎情報は、区画IDに、区画の地形に関する地形データが対応付けられた情報である。草地取得情報は、区画IDに、区画の草量に関する草量データと、区画の土壌に関する土壌データと、区画に存在する家畜の滞在数に関する家畜滞在数データと、区画を走行する作業車両の走行軌跡に関する作業車両走行軌跡データと、区画の植生分布に関する植生分布データと、区画に存在する障害物の有無に関する障害物データとが対応付けられた情報である。
草地提供情報は、区画IDに、施肥量に関する情報と、除草剤散布の必要度に関する情報と、草地更新作業の必要度に関する情報と、草地維持作業の必要度に関する情報とが関連付けられた情報である。これら施肥量に関する情報、除草剤散布の必要度に関する情報、草地更新作業の必要度に関する情報、および草地維持作業の必要度に関する情報には、それぞれの階級を示す階級情報が対応付けられている。
なお、情報管理モデル190Aは、区画IDに対応したCSVデータであって、2次利用も可能である。
図2に戻って、以下説明する。通信部110は、ネットワークNWを介して、他の装置と通信するための通信インターフェースである。
位置データ取得部120は、データベースサーバ60から地図データを取得し、地図データから管理対象となる地図画像を抽出し、抽出した地図画像を区画に分割し、分割した区画ごとの区画位置データを取得する。区画位置データとは、地球上における区画の位置を示す情報である。例えば、位置データ取得部120は、抽出した地図画像を、所定範囲の牧区に分割し、牧区IDを割り当てる。また、位置データ取得部120は、牧区を例えば10mメッシュに分割し、分割された複数の区画のそれぞれに区画IDを割り当てる。なお、分割サイズは利用者によって選択されてもよく、各区画は、地域によって異なるサイズのメッシュに分割されてもよい。例えば、北海道のメッシュのサイズを、北海道以外の地域のサイズよりも大きくしてもよい。また各区画は、地形の区切りに沿って分割されてもよい(例えば、筆ポリゴン)。また、牧区の分割位置や牧区ID、区画の分割位置や区画IDは、既に用意されている情報が援用されてもよい。ここで、位置データ取得部120は、牧区IDや区画IDと住所や郵便番号などを対応付けた情報を生成し、記憶部190に格納してもよい。
そして、位置データ取得部120は、複数の区画のそれぞれについて、地球上の位置を示す情報を取得する。例えば、位置データ取得部120は、それぞれの区画の輪郭に含まれる一以上の代表点の経度および緯度で表す情報を、区画位置データとして取得する。位置データ取得部120は、取得した区画位置データと区画IDとを対応付けた情報を、区画情報の一部として記憶部190に格納させる。
草地データ取得部130は、通信部110を介して取得した情報に基づいて、草地の状態を示す情報(以下、第1草地情報と記す)を取得する。例えば、草地データ取得部130は、第1草地情報として、草地基礎情報と草地取得情報とを取得する。草地基礎情報は、例えば、草地の地形に関する情報であって、上述した地形データを含む。草地取得情報は、例えば、草量、土壌、家畜の滞在数、作業車両の走行軌跡、植生分布、および障害物のうち少なくとも一つに関する情報であって、上述した草量データ、土壌データ、家畜滞在数データ、作業車両走行軌跡データ、植生分布データ、および障害物データのうち少なくとも一つを含む。
草地基礎情報に含まれる「地形データ」は、例えば、区画ごとの傾斜角度を示すデータである。地形データは、例えば、データベースサーバ60から取得した地図データに基づき、草地データ取得部130が区画ごとに標高データの傾きを算出することによって生成される。区画内で傾斜角度に差分がある場合、草地データ取得部130は、平均値を区画の傾斜角度としてもよい。
草地取得情報に含まれる「草量データ」は、例えば、草の高さ、草の茂り方、草が生えている面積の割合などで示される草量を、区画ごとに示すデータである。草量データは、例えば、第2端末装置30から取得した情報に基づき、草地データ取得部130によって生成される。例えば、草地データ取得部130は、第2端末装置30により撮像された地上画像を画像解析することで、区画ごとの草量を示す指数を算出する。草量を示す指数には、例えば、草量を1~10で示すものが含まれる。地上画像内の領域と区画との対応関係は第2画像データのカメラパラメータと区画位置データとに基づいて算出される。すなわち、カメラパラメータを用いて撮影面の座標系を地理的な座標系に変換し、変換した座標系を区画位置データに従い区分すればよい。画像解析は、例えば、予め土地が撮影された学習用画像と当該画像における草の画素をラベリングした正解データとを用いて画像からの草地の草量を示す指数の算出を学習した学習済モデルに、地上画像を入力して草量を示す指数を算出する処理とすることができる。
草地取得情報に含まれる「土壌データ」は、例えば、土壌の色や土壌の乾燥状態などの土壌状態を、区画ごとに示すデータである。土壌データは、例えば、第2端末装置30から取得した情報に基づき、草地データ取得部130によって生成される。例えば、草地データ取得部130は、第2端末装置30により撮像された地上画像を画像解析することで、区画ごとの土壌状態を示す指数を算出する。土壌状態を示す指数には、例えば、乾燥の程度を数値で示すものが含まれる。地上画像内の領域と区画との対応関係は第2画像データのカメラパラメータと区画位置データとに基づいて算出される。画像解析は、例えば、予め土地が撮影された学習用画像と当該土地の土壌状態の指数の正解データとを用いて画像からの土壌状態の指数の算定を学習した学習済モデルに、地上画像を区画ごとに区分した画像を入力して区画ごとの土壌状態の指数を算定する処理とすることができる。
また、草地データ取得部130は、第2端末装置30から受信した非画像データに基づいて、該当部分を抽出して草量や土壌のポイントデータを取得してもよい。さらに草地データ取得部130は、離散的に取得された複数地点の草量や土壌のポイントデータを逆距離加重法(IDW:Inverse Distance Weighting)等で空間補間し、区画単位の値に変換して、区画ごとの草量や土壌に関する情報を取得してもよい。この空間補間によって調査者の労力を低減しながらも各区画の情報を取得できる。また、草地データ取得部130は、第1端末装置20から取得した第1画像データに含まれる上空画像に基づいて、同様にして、区画ごとの草量や土壌に関する情報を取得してもよい。
草地取得情報に含まれる「家畜滞在数データ」は、例えば、区画内に滞在する家畜の個体数を示すデータである。家畜滞在数データは、第1GPS記録装置40から取得した情報に基づき、草地データ取得部130によって生成される。例えば、草地データ取得部130は、第1GPS記録装置40により得られた複数のポイントデータに基づいて、区画単位で滞在した家畜の個体数を集計し、区画ごとの家畜滞在数データを生成する。これに限られず、家畜滞在数データには、区画ごとの家畜の滞在頻度、区画ごとの家畜の滞在時間長などの滞在履歴に関する情報が含まれてもよい。
草地取得情報に含まれる「作業車両走行軌跡データ」は、例えば、区画ごとの作業車両による作業面積を示すデータである。作業車両走行軌跡データは、第2GPS記録装置50から取得した情報に基づき、草地データ取得部130によって生成される。例えば、草地データ取得部130は、第2GPS記録装置50により得られた作業車両の走行軌跡を示すポイントデータに、任意の作業幅(車両幅など)を加え、区画単位での作業面積を算出し、区画ごとの作業車両走行軌跡データを取得する。作業車両走行軌跡データは、例えば、区画ごとの作業車両の走行の有無、区画ごとの作業車両による作業面積、区画ごとの作業車両の作業内容などの情報が含まれてもよい。
草地取得情報に含まれる「植生分布データ」は、例えば、区画面積において牧草または牧草以外の植物等(例えば雑草や裸地)の占める面積の割合を示すデータである。植生分布データは、第1端末装置20から取得した第1画像データに基づき、草地データ取得部130によって生成される。草地データ取得部130は、第1画像データを画像解析することで、上空画像の画素ごとに当該画素の撮影対象を草地エリア(特定の植物種が生えているエリア)あるいはそれ以外の裸地エリアのいずれかに分類する二値化データを生成する。草地データ取得部130は、生成した二値化データを区画単位で分割して、区画ごとの草地エリアの面積の割合を算出し、区画ごとの植生分布データを取得する。この画像解析は、例えば、土地が撮影された多数の学習用画像と各学習用画像の各画素を草地エリアと裸地エリアとに分類した二値画像とを用いて、ニューラルネットワークモデルを学習用画像が入力されるとそれに対応する二値画像が出力されるように機械学習させた学習済モデルを用いて行うことができる。すなわち当該学習済みモデルに上空画像を入力して得られる二値画像が上記二値化データとなる。また上空画像内の領域と区画との対応関係は第1画像データのカメラパラメータと区画位置データとに基づいて算出される。すなわち、カメラパラメータを用いて撮影面の座標系を地理的な座標系に変換し、変換した座標系を区画位置データに従い区分すればよい。
草地取得情報に含まれる「障害物データ」は、例えば、区画ごとに障害物の有無を示すデータである。障害物データは、第2端末装置30から取得した情報に基づき、草地データ取得部130により生成される。障害物には、例えば立木や岩などが含まれる。例えば、草地データ取得部130は、第2端末装置30により撮像された地上画像を画像解析することで障害物画像を抽出し、区画ごとの障害物の有無を判定する。これに限られず、草地データ取得部130は、第1端末装置20から取得した第1画像データに基づいて、上空画像を画像解析することで障害物画像を抽出し、区画ごとの障害物の有無を判定してもよい。地上画像および上空画像内の領域と区画との対応関係はそれぞれに対応するカメラパラメータと区画位置データとに基づいて算出される。画像解析は、例えば、予め草地が撮影された学習用画像と当該画像の各画素を障害物とそれ以外とに分類した正解データを用いて画像からの障害物の領域の抽出を学習した学習済モデルに、地上画像または上空画像を入力して障害物の領域を抽出し、区画ごとの障害物の有無を判定する処理とすることができる。
また、草地データ取得部130は、予め用意された複数のレベルの中から、草地基礎情報および草地取得情報に含まれる各データが該当するレベルを判定する。例えば、草地データ取得部130は、レベルごとに用意された閾値と各データとを比較することにより、該当するレベルを判定する。なお、草地データ取得部130は、区画ごとの各データについてレベルを判定する。草地データ取得部130は、判定したレベルを、草地取得情報のそれぞれに対応付けて記憶部190に格納してもよい。
例えば、地形データのレベルには、傾斜12度未満のレベルと、傾斜12度以上16度未満のレベルと、傾斜16度以上のレベルとが用意されている。例えば、植生分布データのレベルには、雑草ありのレベルと、雑草なしのレベルとが用意されている。例えば、家畜滞在数データのレベルには、滞在数が多いレベルと、滞在数が少ないレベルと、滞在無しのレベルとが用意されている。作業車両走行軌跡データのレベルには、走行回数が多いレベルと、走行回数が少ないレベルと、走行無しのレベルとが用意されている。障害物データのレベルには、障害物ありレベルと、障害物なしレベルとが用意されている。草量データのレベルには、草量が多いレベルと、草量が少ないレベルとが用意されている。土壌データのレベルには、乾燥しているレベルと、湿っているレベルとが用意されている。
これに限られず、レベルはさまざまなものであってもよい。例えば、植生分布データのレベルには、雑草の割合がT1%以上のレベル、雑草の割合がT1%未満のレベルなどが含まれてよい。また、家畜滞在数データのレベルには、一日の滞在時間がT2時間以上のレベル、一日の滞在時間がT2時間未満のレベルなどが含まれてよい。
算出部140は、草地基礎情報および草地取得情報のうち少なくとも一つに基づいて、対象草地を管理するための作業に関する情報(以下、第2草地情報と記す)を区画ごとに算出する。第2草地情報には、例えば、上述の草地提供情報が含まれる。すなわち、草地提供情報は、例えば、施肥量、除草剤散布の必要度、草地更新作業の必要度、および草地維持作業の必要度のうち少なくとも一つに関する情報である。
算出部140は、例えば、草地基礎情報(地形データ)や草地取得情報(草量データ、土壌データ、家畜滞在数データ、作業車両走行軌跡データ、植生分布データ、および障害物データ)の中から選択された二以上のデータを、区画ごとに重ね合わせて演算(空間解析)することにより、施肥量、除草剤散布の必要度、草地更新作業の必要度、草地維持作業の必要度を、区画ごとに算出する。
例えば、算出部140は、二以上の入力値に対して予め決められた解(以下に説明する階級に相当)が用意されたマップ(関数ともいわれる)を使用して、草地基礎情報および草地取得情報のうち二以上のデータに基づいて、施肥量の階級、除草剤散布の必要度の階級、草地更新作業の必要度の階級、あるいは草地維持作業の必要度の階級を、それぞれ区画ごとに算出する。マップ(解を含む)は、後述する判定式を満たすように、草量提供情報の種類ごとに予め設定されている。
施肥量を算出するためのマップM1では、解である階級として、0=施肥量0、1=施肥量A1、2=施肥量A2(A2>A1>0)、が予め決められている。また、マップM1では、例えば、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データが入力値であり、これらのデータのレベルが「傾斜12度以上 AND 雑草あり AND (滞在数多い)」であれば、「階級0(施肥量0)」と判定する判定式D1が用意されている。
例えば、算出部140は、区画ごとに、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データをマップM1に入力して、判定式D1を満たす場合は、施肥量の階級=0と判定する。一方、判定式D1を満たさない(傾斜12度未満 OR 雑草無し OR 滞在数少ないOR滞在無)区画については、詳細については省略するが、マップM1には、階級1と階級2のどちらであるかを判定するための判定式が用意されており、算出部140が、階級1であるか、あるいは階級2であるかを判定する。
これに限られず、施肥量を算出するための他のマップM2が用意されてもよい。マップM2でも同様に、解である階級としては、0=施肥量0、1=施肥量A1、2=施肥量A2(A2>A1>0)、が予め決められている。また、マップM2では、例えば、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データが入力値であり、これらのデータのレベルが「傾斜12度未満 AND 雑草割合20%以上 AND 日に2時間以上滞在」であれば「階級0(施肥量0)」と判定する判定式D2が用意されてもよい。
例えば、算出部140は、区画ごとに、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データをマップM2に入力して、判定式D2を満たす区画については、施肥量の階級=0(不要)と判定する。一方、判定式D2を満たさない(傾斜12度以上 OR 雑草割合20%未満 AND 日に2時間未満滞在)区画については、用意された別の判定式を用いて施肥量の階級が階級1であるか階級2であるかが判定される。
除草剤散布の必要度を算出するためのマップM3では、解である階級として、0=除草剤散布不要、1=除草剤散布必要、が予め決められている。また、マップM3では、例えば、地形データ、植生分布データ、および作業車両走行軌跡データが入力値であり、これらのデータのレベルが「傾斜12度未満 AND 雑草あり AND 走行軌跡あり」であれば「階級1(除草剤散布必要)」と判定する判定式D3が用意されている。
算出部140は、区画ごとに、地形データ、植生分布データ、および作業車両走行軌跡データをマップM3に入力して、判定式D3を満たす区画については、除草剤散布の階級=1(必要)と判定する。一方、判定式D3を満たさない(傾斜12度以上 OR 雑草無し OR 走行軌跡なし)区画については、除草剤散布の階級=0(不要)と判定される。
これに限られず、除草剤散布の必要度を算出するための他のマップM4が用意されてもよい。マップM4でも同様に、解である階級としては、0=除草剤散布不要、1=除草剤散布必要、が予め決められている。また、マップM4では、例えば、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データが入力値であり、これらのデータのレベルが「傾斜12度未満 AND 雑草あり AND (滞在数少ないOR滞在無し)」であれば「階級1(除草剤散布必要)」と判定する判定式D4が用意されてもよい。
例えば、算出部140は、区画ごとに、地形データ、植生分布データ、および家畜滞在数データをマップM4に入力して、判定式D4を満たす区画については、除草剤散布の階級=1(必要)と判定する。一方、判定式D4を満たさない(傾斜12度以上 OR 雑草無し OR 滞在数多い)区画については、除草剤散布の階級=0(不要)と判定される。
詳細な説明は省略するが、草地更新作業の必要度を算出するためのマップM5では、解である階級として、0=草地更新作業が不要、1=草地更新作業について検討、2=草地更新作業が必要、と予め決められている。また、草地維持作業の必要性を算出するためのマップM6では、解である階級として、0=草地維持作業が不要、1=草地維持作業について検討、2=草地維持作業が必要、と予め決められている。
なお、重ね合わせる二以上のデータ(入力値の種類)は、利用者により設定されてもよく、管理するための作業の種類に応じて算出部140が選択してもよい。また、算出部140は、例えば、同じ種類のデータを異なる時期で重ね合わせて演算することにより、草地取得情報を算出してもよい。例えば、4月の草量データと6月の草量データを区画ごとに重ね合わせて演算することにより草量の増減を示す情報を取得し、取得した草量の増減を示す情報を入力ベクトルとして利用し、上述と同様にして、各区画の施肥量、各区画の除草剤散布の必要度、各区画の草地更新作業の必要度、草地維持作業の必要度のそれぞれの階級を算出してもよい。
また、算出部140は、草地取得情報に含まれる「草量データ」と「家畜滞在数データ」等に基づいて、家畜が食べるための適当な草量が確保できるように、区画ごとの施肥量を算出してもよい。また、算出部140は、草地基礎情報や草地取得情報に含まれる「地形データ」「草量データ」「土壌データ」「家畜滞在数データ」「作業車両走行軌跡データ」「植生分布データ」「障害物データ」等に基づいて、草地更新作業の必要性を数値で示す必要度(数値が高いほど、更新作業が必要であることを示す)を算出してもよい。また、算出部140は、草地提供情報として、新たな草地となり得る草地候補としての適性度(数値が高いほど、草地候補地としての適性が高いことを示す)などを算出してもよい。
また、算出部140は、二以上のデータを区画ごとに重ね合わせて空間解析する際に、隣接する区画も考慮して、施肥量、除草剤散布の必要度、草地更新作業の必要度、草地維持作業の必要度、あるいはそれらそれぞれの階級を算出してもよい。例えば、算出部140は、注目区画の第1草地情報(草地基礎情報や草地取得情報)と、注目区画と隣接する隣接区画の第1草地情報とに基づいて、注目区画を管理するための作業に関する草地提供情報(第2草地情報)を算出する。こうすることで、隣接区画の状態に応じてより高精度に各区域の第2草地情報を算出することができる。
抽出部150は、算出部140による算出結果を参照し、草地を管理するための作業(管理作業)に関する指標に応じて管理作業ごとの推奨エリアを抽出する。管理作業には、例えば、施肥、除草剤散布、草地更新作業、草地維持作業等が含まれる。例えば、抽出部150は、指標を推奨内容(施肥作業の有無、各区画の除草剤散布の有無、各区画の草地更新作業の要否、草地維持作業の有無など)とし、算出部140の算出結果において、施肥量の階級が1または2であると算出された区画や、除草剤散布の必要度の階級が1であると算出された区画、草地更新作業の必要度の階級が1または2であると算出された区画、草地維持作業の必要度の階級が1または2であると算出された区画を抽出する。また例えば、抽出部150は、指標を推奨レベル(各区画の施肥量の階級、各区画の草地更新作業の必要度など)とし、算出部140の算出結果において、施肥量の階級が1であると算出された区画と2であると算出された区画とを抽出し、除草剤散布の必要度の階級が1であると算出された区画を抽出し、草地更新作業の必要度の階級が1であると算出された区画と2であると算出された区画とを抽出し、草地維持作業の必要度の階級が1であると算出された区画と2であると算出された区画とを抽出する。
生成部160は、草地基礎情報、草地取得情報、および草地提供情報のうち少なくとも一つを、これらのデータに含まれる情報ごとに、地図上の位置に関連付けて出力させるための出力データ(第1出力データの一例)を生成する。出力データとは、ディスプレイを備える端末から、画像や動画などで各情報を出力させるためのデータである。例えば、生成部160は、区画IDをキーとして、区画情報と、草地基礎情報と、草地取得情報と、草地提供情報とが対応付けられた情報を含む情報管理モデル190Aを生成する。
また、生成部160は、草地を管理するための作業に関する指標に応じて識別化された草地提供情報を、管理作業ごとに、地図上の位置に関連付けて出力させるための出力データ(第2出力データの一例)を生成してもよい。例えば、生成部160は、区画IDをキーとして、区画情報と、階級に応じた識別化がなされた草地提供情報とが対応付けられた情報を含む情報管理モデル190Aを生成する。なお、各階級に応じて異なる色が割り当てられていてよく、例えば、情報管理モデル190Aには、地図上の位置に関連付けて出力される際に、対応する区画を対応付けられている階級の色で表示するための情報が含まれている。
また、生成部160は、抽出部150により抽出された推奨エリアを、管理作業ごとに、地図上の位置に関連付けて出力させるための出力データ(第3出力データの一例)を生成してもよい。例えば、生成部160は、推奨エリアとして抽出された区画の区画IDに、区画情報と、管理作業を識別する情報と、推奨エリアであることを示す情報とが対応付けられた情報を含む情報管理モデル190Aを生成する。
また、生成部160は、草地データ取得部130により取得されたレベルを、草地状況ごとに、地図上の位置に関連付けて出力させるための出力データ(第4出力データの一例)を生成してもよい。例えば、生成部160は、区画IDに、区画情報と、草地状況のレベルを示す情報とが対応付けられた情報を含む情報管理モデル190Aを生成する。
提供部170は、情報管理モデル190Aを参照し、牧場管理者等の利用者のリクエストに応じた情報を、ネットワークNWを介して利用者の端末装置に提供する。例えば、提供部170は、格納されたデータ、複数のデータから抽出された各草地状況(草量、土壌等)のレベル、および、複数のデータから抽出された各種作業(施肥、草地更新等)の階級や推奨エリアを、地図上に識別化(色分け)して表示させる情報を提供する。これらの情報は、オンラインまたは印刷物により提供される。なお、提供部170は、通信機能を備える作業車両にこれらの情報を送信し、作業車両のナビゲーションシステム等へは位置情報として提供されてもよい。例えば、提供部170は、作業車両が実行する作業対象となる推奨エリアの区画IDを作業車両に送信し、作業車両が推奨エリアを走行するよう指示してもよい。
図4は、草地取得情報を地図上の位置に関連付けて表示する画像の一例を示す図である。つまり第1出力データを基にした表示の一例である。図示の画像IMG1~IMG3は、地図画像内の一の牧区を切り取って表示する画像である。図示の画像IMG1は、家畜の滞在履歴を地図上の位置に関連付けた画像の一例である。図示の画像IMG2は、植生分布を地図上の位置に関連付けた画像の一例である。図示の画像IMG3は、作業車両の走行軌跡を地図上の位置に関連付けた画像の一例である。図示の通り、地図上の位置に関連付けて表示することには、緯度と経度の情報に基づいて、家畜の滞在履歴のポイントデータを、地図画像の上にマッピングして得られる画像を生成することが含まれる。同様にして、緯度と経度の情報に基づいて、草地エリアと裸地エリアに分類した二値化データの画像を生成して地図画像の上に重畳して表示することや、緯度と経度の情報に基づいて、作業車両の走行軌跡を示すデータに任意の作業幅を加えた部分とそれ以外の部分との二値化データの画像を生成して地図画像の上に重畳して表示することが、地図に関連付けて表示することに含まれてよい。
なお、地図上の位置に関連付けて表示することには、区画IDに対応付けて表示することや、住所や郵便番号に対応付けて表示することなども含まれてよい。
図5は、草地取得情報のレベルを地図上の位置に関連付けて表示する画像の一例を示す図である。つまり第1出力データを基にした表示の別の例である。図示の画像は、草量データのレベルを地図上の位置に関連付けて表示する画像の一例である。図示の例では、区画IDごとの草量のレベルを、対応する地図画像の上に重畳して表示することで、地図上の位置に関連付けて表示している。なお、草量のレベルに応じて異なる色や模様で、区画を区別して表示している。この図示の画像では、例えば、背景の地図画像を消して、区画ごとのレベルを示すメッシュを、色の濃さや明るさを変えてグレースケールで塗分けてもよく、色を変えて区別してもよい。
図6は、管理作業の推奨エリアを地図上の位置に関連付けて表示する画像の一例を示す図である。つまり第3出力データを基にした表示の一例である。図示の画像は、施肥の推奨エリアを地図に関連付けた画像の一例である。図示の例では、区画IDに基づいて、施肥の推奨エリアを対応する地図画像の区画の上に重畳して表示することで、地図に関連付けて表示している。なお、階級に応じて、推奨エリアを区別して表示してもよい。例えば、施肥量に応じて異なる色や模様で推奨エリアを表示する。この図示の画像では、例えば、背景の地図画像を消して、区画ごとの階級を示すメッシュを、色やその濃さ、明るさなどを変えて区別してよい。
これに限られず、異なる管理作業の推奨エリアを識別し、一の地図画像の上に重畳して表示してもよい。例えば、推奨エリアに付される色や模様を異なるようにして、二以上の管理作業の推奨エリアを表示してよい。
[フローチャート]
図7は、情報処理装置100による情報管理モデル生成処理の一例を示すフローチャートである。まず、位置データ取得部120は、データベースサーバ60から地図データを取得して、例えば10mメッシュに分割し、分割された複数の区画のそれぞれに区画IDを割り当てる(ステップS101)。次いで、位置データ取得部120は、複数の区画のそれぞれについて、地図上の区画位置データを取得し、取得した区画位置データと区画IDとを対応付けた情報を、記憶部190に格納する(ステップS103)。
図7は、情報処理装置100による情報管理モデル生成処理の一例を示すフローチャートである。まず、位置データ取得部120は、データベースサーバ60から地図データを取得して、例えば10mメッシュに分割し、分割された複数の区画のそれぞれに区画IDを割り当てる(ステップS101)。次いで、位置データ取得部120は、複数の区画のそれぞれについて、地図上の区画位置データを取得し、取得した区画位置データと区画IDとを対応付けた情報を、記憶部190に格納する(ステップS103)。
草地データ取得部130は、例えば、ネットワークNWを介して第1端末装置20から第1画像データを取得し、第1画像データに含まれる上空画像を上記区画に分割し、分割した画像の識別情報と区画IDとを対応付けた情報(対応関係)を記憶部190に格納する(ステップS105)。
草地データ取得部130は、例えば、ネットワークNWを介して第2端末装置30から調査結果データを取得し、調査結果データ中の第2画像データに含まれる地上画像を上記区画に分割して、分割した画像の識別情報と区画IDとを対応付けた情報(対応関係)を記憶部190に格納する(ステップS107)。また、草地データ取得部130は、調査対象地点を含む区画IDを取得し、調査結果に区画IDを対応付けた情報(対応関係)を記憶部190に格納する(ステップS109)。
草地データ取得部130は、例えば、ネットワークNWを介して第1GPS記録装置40から家畜滞在データを取得し、家畜滞在データに含まれるポイントデータの位置情報(家畜が滞在した位置)を含む区画IDを取得し、家畜滞在データのポイントデータに区画IDを対応付けた情報(対応関係)を記憶部190に格納する(ステップS111)。
草地データ取得部130は、例えば、ネットワークNWを介して第2GPS記録装置50から作業車両データを取得し、作業車両データに含まれる走行軌跡を示すデータの位置情報(作業車両が走行した位置)を含む区画IDを取得し、作業車両データの走行軌跡を示すデータに区画IDを対応付けた情報(対応関係)を記憶部190に格納する(ステップS113)。
次いで草地データ取得部130は、記憶部190を参照し、区画ごとの草地取得情報を取得し、記憶部190に格納する(ステップS115)。例えば、草地データ取得部130は、草量、土壌、家畜の滞在数、作業車両の走行軌跡、植生分布、および障害物に関するデータを区画ごとに取得し、区画IDに対応付けて記憶部190に格納する。ここで、草地データ取得部130は、草量のレベル、土壌のレベル、家畜の滞在数のレベル、作業車両の走行軌跡のレベル、植生分布のレベル、および障害物のレベルなども取得し、区画IDに対応付けて記憶部190に格納しておく。
算出部140は、草地基礎情報および草地取得情報に基づいて、施肥量の階級、除草剤散布の必要度の階級、草地更新作業の必要度の階級、草地維持作業の必要度の階級などを含む草地提供情報を区画ごとに算出し、記憶部190に格納する(ステップS117)。抽出部150は、算出部140による算出結果に基づいて、管理作業ごとの推奨エリアを抽出する(ステップS119)。そして、生成部160は、区画IDをキーとして、草地基礎情報と、草地取得情報と、草地提供情報とが対応付けられた情報を含む情報管理モデル190Aを生成する(ステップS121)。
図8は、情報処理装置100による情報提供処理の一例を示すフローチャートである。牧場管理者等の利用者が第3端末装置70に検索情報を入力すると、第3端末装置70は、入力された検索情報を取得し、取得した検索情報を、ネットワークNWを介して情報処理装置100に送信する。検索情報とは、検索条件を規定した情報である。
情報処理装置100は、第3端末装置70により送信された検索情報を取得する(ステップS201)。次に、提供部170は、検索情報を検索キーとして情報管理モデル190Aを検索して、検索により得られた検索結果に応じた情報を記憶部190から読み出す(ステップS203)。次に、提供部170は、取得した検索結果に応じた情報を整理し(ステップS205)、整理した情報を第3端末装置70に送信する(ステップS207)。第3端末装置70は、情報処理装置100により送信された情報を含む画像を自身の表示部に表示させる。
整理とは、検索情報に応じた情報が第3端末装置70の表示部に表示されたときに、利用者が見やすい態様で表示されるように情報を生成することである。見やすい態様とは、情報のレイアウトや、情報の表示態様(色彩や文字や画像の大きさ)が利用者にとって好適であることである。上記の整理は、第3端末装置70に記憶されたアプリケーションプログラムが実行してもよい。
[インターフェース画像]
以下、図9-図11を参照して、第3端末装置70の表示部に表示されるインターフェース画像および情報処理装置100が第3端末装置70に提供する提供情報の一例について説明する。
以下、図9-図11を参照して、第3端末装置70の表示部に表示されるインターフェース画像および情報処理装置100が第3端末装置70に提供する提供情報の一例について説明する。
図9は、インターフェース画像および提供情報の一例を示す図である。画像IMG11は、利用者が検索情報を入力する際に第3端末装置70の表示部に表示された画像である。画像IMG11には、例えば、領域AR1および地図選択ボタンB1が含まれる。領域AR1は、検索対象の区画IDを入力するための領域である。
地図選択ボタンB1は、区画IDを入力することに代えて、地図から検索対象の場所を選択する際に操作されるボタンである。利用者が地図選択ボタンB1を操作すると、表示部に地図が表示される。利用者が表示された地図を拡大または縮小して、検索対象の場所を選択すると、選択した場所の区画IDが特定され、特定された区画IDが情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、第3端末装置70から区画IDを取得すると、区画IDをキーとして情報管理モデル190Aを検索して、区画IDに対応付けられた提供情報(草地基礎情報、草地取得情報、草地提供情報などを含む)を第3端末装置70に送信する。
画像IMG12は、情報処理装置100により提供される情報を含むインターフェース画像である。画像IMG12には、地図画像MAPと、地図画像の項目選択ボタンB2、B3と、表示ボタンB4とが含まれる。地図画像MAPには、指定された区画IDの場所を含む地図が表示される。項目選択ボタンB2は、第1草地情報(草地基礎情報、草地取得情報)に含まれる複数の項目のうち一以上を選択するための操作部である。項目選択ボタンB3は、第2草地情報(草地提供情報)に含まれる複数の項目のうち一以上を選択するための操作部である。
項目選択ボタンB2、B3によって項目が選択された状態で、表示ボタンB4が操作されると、第3端末装置70が、選択された項目に関する情報の送信リクエストを情報処理装置100に送信する。送信リクエストには、指定された区画ID、地図画像MAPに表示されているエリアを示す情報(例えば、含まれる全ての区画ID)、選択された項目を示す情報などが含まれる。情報処理装置100は、送信リクエストを取得すると、情報管理モデル190Aから選択された項目に関する情報を取得し、取得した情報を第3端末装置70に送信する。これにより、第3端末装置70の表示部には、地図画像MAPに、項目選択ボタンB2、B3により選択された項目に関する情報が地図に関連付けられた画像が表示される。例えば、項目選択ボタンB2、B3で選択した項目について、区画単位で色分けされた地図(例えば、図5)が地図画像MAPに表示される。
図10は、インターフェース画像および提供情報の他の例を示す図である。画像IMG21は、利用者が検索情報を入力する際に第3端末装置70の表示部に表示された画像である。画像IMG21には、例えば、検索項目を入力するための一以上の領域および検索を実行するための検索ボタンが含まれる。検索項目とは、例えば、検索したい地域、施肥量、除草剤散布の必要度、草地更新作業の必要度、草地維持作業の必要度など草地提供情報に対応する項目である。これに限られず、検索項目には、地形、草量、土壌、家畜の滞在数、作業車両の走行軌跡、植生分布、障害物などの、草地基礎情報や草地取得情報に対応する項目もが含まれてよい。
検索項目に所望の情報が入力され、且つ検索ボタンが操作されると、第3端末装置70が検索項目に入力された情報を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、第3端末装置70から検索項目に入力された情報(検索条件)を取得すると、検索条件をキーとして情報管理モデル190Aを検索して、検索条件を満たす区画IDを第3端末装置70に送信する。検索条件を満たす区画IDとは、情報管理モデル190Aにおいて、入力された情報の全てが対応付けられた区画IDである。
画像IMG22は、情報処理装置100により提供される区画IDおよび区画IDを含むインターフェース画像である。画像IMG22には、検索条件を満たす区画IDが含まれる。これにより、利用者は、検索条件を満たす区画IDを認識することができる。
また、利用者が、画像IMG22に含まれる区画IDを示すアイコンを操作すると、区画IDに対応付けられた各種情報が第3端末装置70の表示部に表示される。これにより、利用者は、区画IDに対応付けられた各種情報を認識することができる。
図10の例では、区画IDを示すアイコンが表示部に表示されるものとして説明したが、図11に示すように、検索条件を満たす区画IDが地図情報に対応付けられた画像IMG31が表示部に表示されてもよい。
利用者は、地図を拡大・縮小することで検索条件を満たす場所を、地図上で認識することができる。また、利用者が、検索条件を満たす場所を示すアイコンを選択すると、選択したアイコンの場所に対応付けられた各種情報が表示部に表示される。このように、利用者は、地図上で検索条件を満たす場所を認識することができる。
上述した情報処理装置100の機能の一部または全部は、利用者が利用する端末装置において実行されてもよい。この場合、端末装置の制御部がアプリケーションプログラムを実行し、情報処理装置100と協働して、上述した情報処理装置100の機能を実現する。
以上説明した実施形態によれば、情報処理装置100が、区画IDなどの識別情報をキーとして、草地基礎情報と、草地取得情報と、草地提供情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成することにより、利用者にとって有益な情報を提供することができる。
更に、上述した実施形態によれば、地図データや各種調査により得られた放牧草地に関するデータを一元的に管理し、これらのデータから重点的に管理すべき場所(推奨エリア)を地図上および位置情報として提示することで、広大な面積と複雑な地形を持つ公共牧場等の大規模牧場における草地管理の省力化・効率化の実現を支援することができる。
更に、上述した実施形態によれば、草地整備事業等で草地更新を行う場合などの事前調査資料や、農業用ドローンや無人作業機械等への作業場所の指定のための情報を提供することができる。
更に、上述した実施形態によれば、ドローン撮影会社や肥料会社、農協等が本システムを導入することで、牧場管理者等の利用者に情報を提供することができる。
更に、上述した実施形態によれば、情報処理装置100が、統一的なフォーマット(項目)に対応する情報を、複数の事業者や個人等から取得することができるため、より情報が充実したデータベースをより容易に生成することができる。
広大な草地を有する公共牧場等の大規模牧場は、非生産期にある家畜の管理を分担することで、畜産農家の負担を軽減する、支援組織である。近年の人不足により、支援組織への期待は、これまで以上に増加している。一方、支援を担う牧場も同様に人手の問題を抱えている。特に近年では、高度繁殖技術の導入等への要望が高まり、その作業に多くの人手と時間が割かれている。このため、草地、特に放牧草地の管理に十分な作業時間が確保できなくなりつつある。こうした状況は、牧草の衰退や雑草の繁茂等から草地の生産性低下に直結する。
さらに多くの牧場は造成から40年以上が経過し、経年劣化により期待通りの牧養力が得られていない事例が認められている。そのため省力的に、計画的な草地更新と適切な維持管理を行うための技術の導入が急務の課題となっている。
この課題を解決するためには、草地の状況を適切に把握し、管理に活かす必要がある。通常、大規模牧場の草地管理は、牧区単位で行われている。しかし、特に都道府県の牧場の多くは、山間傾斜地に分布するため、大部分が複雑な地形を持つ。そのため機械作業や家畜行動の制限等により、同一牧区内でも草地の利用性(作業性、肥料反応性、家畜による採食度合い等)にばらつきが生じている。上述した情報処理システム1により、放牧草地内において利用性の高い場所を抽出し、その区域を重点的に管理することで、草地生産性を維持・向上させつつ、作業時間の減少や資源の節約等が可能となる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…情報処理システム、10…飛行体、20…第1端末装置、30…第2端末装置、40…第1GPS記録装置、50…第2GPS記録装置、60…データベースサーバ、70…第3端末装置、100…情報処理装置、110…通信部、120…位置データ取得部、130…草地データ取得部、140…算出部、150…抽出部、160…生成部、170…提供部、190…記憶部、190A…情報管理モデル
Claims (9)
- 地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、
上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出する算出部と、
前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成する生成部と、
を備える情報処理装置。 - 前記第1草地情報には、前記対象草地の地形に関するデータ、前記対象草地の草量に関するデータ、前記対象草地の土壌に関するデータ、前記対象草地に存在する家畜の滞在履歴に関するデータ、前記対象草地を走行する作業車両の走行軌跡に関するデータ、前記対象草地の植生分布に関するデータ、および、前記対象草地に存在する障害物に関するデータのうち少なくとも一つが含まれ、
前記第2草地情報には、施肥量に関する情報、除草剤散布に関する情報、草地更新作業に関する情報、および草地維持作業に関する情報のうち少なくとも一つが含まれる、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記第2取得部は、前記対象草地の草量および土壌に関して前記受信した情報のうち離散的に取得された複数地点の情報を空間補間し、前記区画単位の値に変換して、前記区画ごとの前記第1草地情報を取得する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。 - 前記生成部は、草地を管理するための作業に関する所定の指標に応じて識別化された前記第2草地情報を、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第2出力データを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記算出部は、対象区画の前記第1草地情報と、前記対象区画と隣接する隣接区画の前記第1草地情報とに基づいて、前記対象区画の前記第2草地情報を算出する、
請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記第2草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業を推奨する推奨エリアを抽出する抽出部をさらに備え、
前記生成部は、前記抽出された推奨エリアを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第3出力データを生成する、
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記生成部は、予め用意された複数のレベルに応じて識別化された前記第1草地情報を、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第4出力データを生成する、
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。 - コンピュータが、
地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得し、
上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得し、
前記取得された第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出し、
前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成する、
情報処理方法。 - コンピュータに、
地図を所定エリアに分割した複数の区画のそれぞれについて、前記地図上の位置を示す位置情報を取得させ、
上空から対象草地に関する情報を取得する第1情報取得装置、地上から前記対象草地に関する情報を取得する第2情報取得装置、前記対象草地に存在する家畜に取り付けられた第3情報取得装置、および前記対象草地を走行する作業車両に取り付けられた第4情報取得装置のうち少なくとも一つから受信した情報と、前記位置情報とに基づいて、前記対象草地に関する第1草地情報を、前記区画ごとに取得させ、
前記取得された第1草地情報に基づいて、前記対象草地を管理するための作業に関する第2草地情報を前記区画ごとに算出させ、
前記第1草地情報および前記第2草地情報に含まれる情報のうち少なくとも一つを、前記地図上の位置に関連付けて出力させるための第1出力データを生成させる、
プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021026489A JP2022128127A (ja) | 2021-02-22 | 2021-02-22 | 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7485322B1 (ja) | 2023-08-04 | 2024-05-16 | エゾウィン株式会社 | 作業管理システム、作業管理装置および作業管理プログラム |
-
2021
- 2021-02-22 JP JP2021026489A patent/JP2022128127A/ja active Pending
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